(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176046
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】離型安定性を向上させるインプリント方法及び関連するインプリントシステム
(51)【国際特許分類】
B29C 59/02 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
B29C59/02 Z
B29C59/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195033
(22)【出願日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】110117162
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521525170
【氏名又は名称】永嘉光電股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】EVER RADIANT INCORPORATION
【住所又は居所原語表記】No. 21, Nanke 3rd Rd., Xinshi Dist., Tainan City 744, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】蔡 嵩▲文▼
【テーマコード(参考)】
4F209
【Fターム(参考)】
4F209AF01
4F209AG05
4F209AJ09
4F209AP06
4F209AR07
4F209PA02
4F209PB01
4F209PN09
4F209PN13
4F209PQ11
4F209PQ14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】転写対象物に瑕疵が発生しないインプリント方法を提供する。
【解決手段】型内に可溶性材料を添加する工程と、可溶性材料を硬化して可溶性ダイコアを形成する工程と、ダイコアの型に対する一側に接着剤12を形成する工程と、型取り装置を接着剤に付設する工程であって、型取り装置は、フレーム構成51と、フレーム構成に設置されている支持バックパネル53であって、支持バックパネルは接着剤に接触する支持バックパネルと、を備える工程と、型取り装置を型から分離する工程と、ポリマー材料層61に可溶性ダイコア4を配置する工程と、可溶性ダイコアに高温及び圧力を付与することにより、ポリマー材料層が凹凸構成に対応する転写構成を有すると共に硬化する工程と、可溶性ダイコアを溶解する溶剤を提供し、硬化後のポリマー材料層及び支持バックパネルを分離して転写構成を有している転写対象物6を取得する工程と、を含む。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
型内に可溶性材料を添加する工程と、
前記可溶性材料を硬化して可溶性ダイコアを形成する工程であって、前記ダイコアは凹凸構成を有している工程と、
前記ダイコアに対する前記型一側に接着剤を形成する工程と、
型取り装置を前記接着剤に付設する工程であって、前記型取り装置は、
フレーム構成と、
前記フレーム構成に設置されているテープと、
前記テープに設置されている支持バックパネルであって、前記型取り装置は前記支持バックパネルを介して前記接着剤に接触する支持バックパネルと、を備えている工程と、
前記型取り装置を前記型から分離する工程であって、前記可溶性ダイコアは前記型取り装置に従って前記型から分離する工程と、
ポリマー材料層に前記可溶性ダイコアを配置する工程と、
前記可溶性ダイコアに第一高温及び圧力を付与することにより、前記ポリマー材料層が前記凹凸構成に対応する転写構成を有し、且つ前記支持バックパネルが前記テープから分離する工程と、
前記可溶性ダイコアに第二高温を付与することにより、前記ポリマー材料層が硬化し、前記第一高温及び前記第二高温の温度は相違する工程と、
前記可溶性ダイコアを溶解する溶剤を提供し、前記硬化後のポリマー材料層及び前記支持バックパネルを分離して前記転写構成を有している転写対象物を取得する工程と、を含むことを特徴とするインプリント方法。
【請求項2】
前記第一高温の温度は60~150℃の間の範囲であり、前記第一高温及び圧力を付与する時間は0.5~30分間の間の範囲であり、
前記第二高温の温度は60~180℃の間の範囲であり、前記第二高温を付与する時間は1~600分間の間の範囲であり、
前記第一高温は前記第二高温より高く、且つ前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より長く、前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間と等しく、または前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より短いことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項3】
前記第一高温の温度は60~150℃の間の範囲であり、前記第一高温及び圧力を付与する時間は0.5~30分間の間の範囲であり、
前記第二高温の温度は60~180℃の間の範囲であり、前記第二高温を付与する時間は1~600分間の間の範囲であり、
前記第一高温は前記第二高温より低く、且つ前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より長く、前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間と等しく、または前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より短い
ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項4】
前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、
位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層が接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前
記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含み、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、
操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している工程と、
前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよく、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、
操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している工程と、
カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、
位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよいことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項5】
前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、
位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とが接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含み、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、
操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している工程と、
前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよく、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、
操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している工程と、
カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、
位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよいことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項6】
前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、
位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とが接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含み、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、
操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している工程と、
前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよく、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、
操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している工程と、
カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、
位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよいことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項7】
前記カメラ素子が前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるように、赤外線放射素子を使用して前記第一対位マーク及び前記第二対位マークを照射する工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のインプリント方法。
【請求項8】
前記カメラ素子が前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるように、赤外線放射素子を使用して前記第一対位マーク及び前記第三対位マークを照射する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のインプリント方法。
【請求項9】
前記カメラ素子が前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるように、赤外線放射素子を使用して前記第一対位マーク及び前記第四対位マークを照射する工程をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のインプリント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント方法に関し、更に詳しくは、溶剤を使用してダイコアを除去するインプリント方法及び関連するインプリントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる「インプリント」は、型を使用して基板上でインプリント材料のパターンを形成する。熱インプリント法はガラス転移温度以上まで加熱したポリマー樹脂上で型を圧下した後、ガラス転移温度以下まで冷却し、その後に型を離型し、基板上の樹脂に微細構造を転写する。S. Chou氏等によるAppl. Phys. Lett. 67, 3114 (1995)に記載の熱可塑性樹脂を被加工材料として使用する熱インプリント法、J. Haisma氏等によるJ. Vac. Sci. Technol. B 14(6)、 4124 (1996)に記載の硬化性組成物を提供する光インプリント法等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,849,558B2号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0249886A1号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】S. Y. Chou, P. R. Krauss, and P. J. Renstrom, Appl. Phys. Lett. 67, 3114 (1995)
【非特許文献2】J. Haisma et al , J. Vac . Sci . Technol . , B 14 , 4124 ( 1996 )
【非特許文献3】M. W. Lin et al., J. Micro/Nanolith. MEMS MOEMS 7(3), 033005 (2008)
【非特許文献4】L. Jiang: Journal of Vacuum Science & Technology. B, 21, (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
転写対象物から型を外す過程は「離型(mold release)」という。インプリント法は型の剥離工程を有し、このため、離型性は型のメンテナンス及び転写した構成の完成度に影響を及ぼす重要な要素である。M. W. Lin氏等によるJ. Micro/Nanolith. MEMS MOEMS 7(3), 033005 (2008)に記載の内容によると、硬化性組成物にフッ素含有モノマー分子または非反応性のフッ素含有化合物を含有し、離型性を改良している。従来の特許文献では、例えば、下記特許文献1と特許文献2には、溶剤により溶解可能な型が掲示されている。このような可溶性型は可溶性材料を型内に注入して硬化することで取得し、その後に予備成形物(preform)を利用して型から型を取り出す。Journal of Vacuum Science & Technology B 21, 2961 (2003)に記載の内容によると、予備成形物及び可溶性材料は同じ材料であり、且つ可溶性材料を完全に硬化する前に可溶性材料に付設する。しかしながら、一般的には、可溶性材料の濃度及び厚さは共に硬化時間に影響を及ぼすため、予備成形物を可溶性材料でどの程度まで硬化すれば付設可能となるかは、作業員の専門知識及び経験が頼りだった。
【0006】
いわゆる「分子転写フォトリソグラフィ」は、フォトレジスト層で露光及び現像を行って幾何学図形構造を描画した後、エッチングプロセスによりフォトマスク上の図形を基板に転写し、形成する図形の形状及び大きさを精確に制御するという、半導体分野において重要なプロセスである。Nanotechnology 24 (2013) 085302 (6pp)に記載の内容によると、型は同様に可溶性であるが、但し、ローラー方式により型を対象物に均一に配置するため、その後に取得した微細構造のピッチが拡張して変形することがあった。
【0007】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その目的は、ダイコアがインプリント過程中にその構造が変形、偏移、または拡張し、前記ダイコアにより転写する対象物に瑕疵が発生するのを防止するインプリント方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のインプリント方法は、
型内に可溶性材料を添加する工程と、
前記可溶性材料を硬化して可溶性ダイコアを形成する工程であって、前記ダイコアは凹凸構成を有している工程と、
前記ダイコアに対する前記型一側に接着剤を形成する工程と、
型取り装置を前記接着剤に付設する工程であって、前記型取り装置は、
フレーム構成と、
前記フレーム構成に設置されているテープと、
前記テープに設置されている支持バックパネルであって、前記型取り装置は前記支持バックパネルを介して前記接着剤に接触する支持バックパネルと、を備えている工程と、
前記型取り装置を前記型から分離する工程であって、前記可溶性ダイコアは前記型取り装置に従って前記型から分離する工程と、
ポリマー材料層に前記可溶性ダイコアを配置する工程と、
前記可溶性ダイコアに第一高温及び圧力を付与することにより、前記ポリマー材料層が前記凹凸構成に対応する転写構成を有し、且つ前記支持バックパネルが前記テープから分離する工程と、
前記可溶性ダイコアに第二高温を付与することにより、前記ポリマー材料層が硬化し、前記第一高温及び前記第二高温の温度は相違する工程と、
前記可溶性ダイコアを溶解する溶剤を提供し、硬化後の前記ポリマー材料層及び前記支持バックパネルを分離して前記転写構成を有している転写対象物を取得する工程と、を含む。
【0010】
好ましくは、前記第一高温は前記第二高温より高く、且つ前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より長く、前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間と等しく、または前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より短く、または、前記第一高温は前記第二高温より低く、且つ前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より長く、前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間と等しく、または前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より短い。
【0011】
好ましくは、前記第一高温の温度は60~150℃の間の範囲であり、前記第一高温及び圧力を付与する時間は0.5~30分間の間の範囲である。
【0012】
好ましくは、前記第二高温の温度は60~180℃の間の範囲であり、前記第二高温を付与する時間は1~600分間の間の範囲である。
【0013】
好ましくは、前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している工程と、前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層が接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含み、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している工程と、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる工程と、前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよく、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している工程と、カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよい。
【0014】
好ましくは、前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している工程と、前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とが接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含み、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している工程と、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる工程と、前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びにX-Y平面における前記可溶性ダイコアのθ角を調整する工程と、を含んでもよく、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している工程と、カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよい。
【0015】
好ましくは、前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している工程と、前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とが接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含み、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している工程と、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる工程と、前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよく、ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、または、操作台に転写する対象物を配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している工程と、カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する工程と、位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸並びに前記可溶性ダイコアがX-Y平面にあるθ角を調整する工程と、を含んでもよい。
【0016】
好ましくは、本発明の別の態様は、インプリントシステムである。このインプリントシステムは、
転写する対象物、可溶性ダイコア、及び型取り装置を配置するために用いられている操作台であって、前記転写する対象物は基板層及び前記基板層に設置されているポリマー材料層を有し、前記ダイコアは前記転写する対象物のポリマー材料層に配置されていると共に凹凸構成及び第一対位マークを有し、前記型取り装置は前記ダイコアに接着され、前記基板層は第二対位マークを有し、前記操作台は第三対位マークを有し、または、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している操作台と、
前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか、または前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認するために用いられているカメラ素子と、を備えている。
【0017】
好ましくは、前記第一対位マーク及び前記第二対位マーク、前記第一対位マーク及び前記第三対位マーク、または前記第一対位マーク及び前記第四対位マークに赤外線を照射し、両者が位置を揃えられているかどうかを確認するための赤外線放射素子をさらに備えている。
【0018】
好ましくは、前記カメラ素子は前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置され、または、前記カメラ素子は前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動した後に復位するように配置されている。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明によれば、次のような効果がある。
前記支持バックパネルを接着剤により前記可溶性ダイコアに接着することにより、前記可溶性ダイコアが前記型から分離する際に、前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層が接触または対位する際に、前記可溶性ダイコアに高温または圧力を付与する際に、フレーム構成を支持バックパネルに対し分離する際に、フレーム構成及び前記フレーム構成に設置されているテープを前記支持バックパネルに対し分離する際に、及び前記可溶性ダイコアを溶解する際に、前記支持バックパネルが全ての場合において前記可溶性ダイコアの構造を維持し、前記可溶性ダイコアが偏移や変形することがなくなり、最終的にインプリントされた転写対象物に瑕疵が発生しない。
【0020】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本発明に係るインプリント方法の工程1を説明する図である。
【
図1B】本発明に係るインプリント方法の工程1を説明する図である。
【
図2A】本発明に係るインプリント方法の工程2を説明する図である。
【
図2B】本発明に係るインプリント方法の工程2を説明する図である。
【
図2C】本発明に係るインプリント方法の工程2を説明する図である。
【
図2D】本発明に係るインプリント方法の工程2を説明する図である。
【
図2E】本発明に係るインプリント方法の工程2を説明する図である。
【
図2F】本発明に係るインプリント方法の工程2を説明する図である。
【
図3A】本発明に係るインプリント方法の工程3を説明する図である。
【
図3B】本発明に係るインプリント方法の工程3を説明する図である。
【
図3C】本発明に係るインプリント方法の工程3を説明する図である。
【
図3D】本発明に係るインプリント方法の工程3を説明する図である。
【
図3E】本発明に係るインプリント方法の工程3を説明する図である。
【
図3F】本発明に係るインプリント方法の工程3を説明する図である。
【
図3G】本発明に係るインプリント方法の工程3を説明する図である。
【
図4A】本発明に係るインプリント方法の工程4を説明する図である。
【
図4B】本発明に係るインプリント方法の工程4を説明する図である。
【
図4C】本発明に係るインプリント方法の工程4を説明する図である。
【
図5A】本発明に係るインプリント方法の工程5を説明する図である。
【
図5B】本発明に係るインプリント方法の工程5を説明する図である。
【
図5C】本発明に係るインプリント方法の工程5を説明する図である。
【
図5D】本発明に係るインプリント方法の工程5を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
以下に
図1乃至
図5を参照しながら本発明に係るインプリント方法の詳細な工程について詳述する。
【0024】
<工程1>
図1A乃至
図1Bは本発明に係るインプリント方法の工程1を説明する図である。すなわち、型(3)に可溶性ダイコア(4)を形成する。
【0025】
図1Aを参照すれば、まず、可溶性材料(2)を型(3)内に添加し、型(3)は型構成(31)及びマーク構成(32)を有している。次に、可溶性材料(2)を硬化して可溶性ダイコア(4)を形成し、ダイコア(4)は型構成(31)に対応する凹凸構成(41)及びマーク構成(32)に対応する第一対位マーク(42)を有している。好ましくは、前記可溶性材料(2)は、水溶性ポリアクリルアミド(Polyacrylamide ;PAM)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ウレタン、ポリビニルピロリドン、エチレン-ビニルアルコール、ポリアクリルアミド-グリオキサールポリマー、ポリアクリル酸、或いはそれらの結合からなるグループから選択されるが、但しこれらに制限されない。型(3)における前記可溶性材料(2)の厚さは10~1,000μmの間の範囲であり、よって、その後に取得するダイコア(4)は可溶性を有しているほか、可撓性も更に有している。可溶性材料(2)は溶液として型(3)内に添加し、その濃度は溶液の5~50wt%の間の範囲であるが、但しこれに制限されない。濃度がこの下限値より低い場合、凹凸構成(41)の不完全性が高まって構造に瑕疵が生じ、インプリントの品質に影響が及ぶ。また、可溶性材料(2)はスピンコート(spin coating)またはスロットダイ塗工(slot die coating)方式により添加する。スピンコートを採用する場合、スピンコートの回転速度は100~5,000rpmの間の範囲となるが、但しこれに制限されない。好ましくは、型(3)の材料はケイ素である。
【0026】
図1Bを参照すれば、前記可溶性材料(2)を硬化し、可溶性ダイコア(4)を形成した後、前記可溶性ダイコア(4)の前記型(3)に対する一側に接着剤(12)を形成する。即ち、前記接着剤(12)形成方式はスプレー、塗布、または傾倒であるが、但しこれらに制限されない。好ましくは、前記接着剤(12)は前記可溶性ダイコア(4)の前記型(3)に対する一側に均一に形成する。好ましくは、前記接着剤(12)はコロイドまたは液体であり、その種類として光硬化接着剤、紫外線硬化ゲル、光熱変換(Light-to-Heat Conversion、LTHC)ゲル、熱硬化ゲル、または加水分解性樹脂を含むが、但しこれらに制限されない。いわゆる「硬化」は熱硬化または光硬化(例えば、紫外線硬化)であり、熱硬化を採用する場合、熱硬化温度は室温~160℃の間の範囲であり、熱硬化時間は5~60分間の間の範囲であるが、但しこれらに制限されない。時間がこの上限値を超えた場合、ダイコア(4)の剥離難度が高まり、凹凸構成(41)に瑕疵が形成されてしまう。
【0027】
<工程2>
図2A乃至
図2Fは本発明に係るインプリント方法の工程2を説明する図である。すなわち、可溶性ダイコア(4)を型(3)から脱離する。
【0028】
本発明の第1実施形態を
図2Aから
図2Cに示す。まず、型取り装置(5)を提供し、前記型取り装置(5)を前記接着剤(12)に付設する。前記型取り装置(5)は、フレーム構成(51)及び前記フレーム構成(51)に設置されている支持バックパネル(53)を備えている。本発明の第2実施形態を
図2Dから
図2Fに示す。まず、型取り装置(5)を提供し、前記型取り装置(5)を前記接着剤(12)に付設する。前記型取り装置(5)は、フレーム構成(51)と、前記フレーム構成(51)に設置されているテープ(52)と、前記テープ(52)に設置されている支持バックパネル(53)と、を備えている。好ましくは、前記型取り装置(5)は前記支持バックパネル(53)により前記接着剤(12)に付設され、前記支持バックパネル(53)及び前記可溶性ダイコア(4)が前記接着剤(12)により接着されている。好ましくは、前記フレーム構成(51)は環状フレームであり、前記環状フレーム(51)は支持部(511)及び支持部(511)に連接されている操作部(512)を有している。好ましくは、前記支持バックパネル(53)または前記テープ(52)は前記操作部(512)に設置されている。好ましくは、前記支持バックパネル(53)の面積は前記接着剤(12)の面積を完全に被覆可能であり、前記可溶性ダイコア(4)が前記支持バックパネル(53)に緊密に接着され、前記可溶性ダイコア(4)が前記型(3)に対し移動した際に振動により偏移や誤差が生じるのを防止する。好ましくは、テープ(52)の材料は熱解離性発泡ゲルまたはUV解離性発泡ゲルであるが、但しこれらに制限されない。好ましくは、熱解離性発泡ゲルはポリスチレン、ポリウレタンゲル(polyurethane、PU)、またはポリスチレン(polystyrene、PS)であり、その厚さは100~1,000μmの間の範囲である。好ましくは、前記テープ(52)は突起部(521)を有し、前記テープ(52)は前記突起部(521)により前記フレーム構成(51)の操作部(512)に設置されている。好ましくは、前記支持バックパネル(53)は突起部(521)を有し、前記支持バックパネル(53)は前記突起部(521)により前記フレーム構成(51)の操作部(512)に設置されている。
【0029】
次いで、型取り装置(5)を移動させると、前記ダイコアが前記型取り装置(5)に従って前記型(3)に対して移動し、前記ダイコアが前記型(3)から分離する。好ましくは、可溶性ダイコア(4)を型(3)から剥離する際に、正方向または側方向に剥離するように環状フレーム(51)の操作部(512)を操作する。
【0030】
<工程3>
図3A乃至
図3Gは本発明に係るインプリント方法の工程3を説明する図である。すなわち、可溶性ダイコア(4)をポリマー材料層(61)に配置する。
【0031】
図3Aと
図3Bを参照すれば、ある実施例では、まず、転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置し、基板層(62)は第二対位マーク(621)を有している。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成する。その後、型取り装置(5)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)または操作台(7)の転写する対象物(6)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)により、ダイコア(4)の第一対位マーク(42)及び基板層(62)の第二対位マーク(621)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させると共に後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。
図3C及び
図3Dを参照すると、他の実施態様では、まず転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置し、基板層(62)は第二対位マーク(621)を有している。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成する。その後、可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させた後、型取り装置(5)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)または操作台(7)の転写する対象物(6)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)により、ダイコア(4)の第一対位マーク(42)及び基板層(62)の第二対位マーク(621)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。
図3Eを参照すれば、他の実施例では、まず転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置し、基板層(62)は第二対位マーク(621)を有している。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成した後、カメラ素子(8)を可溶性ダイコア(4)と転写する対象物(6)との間に移動することにより、第一対位マーク(42)及び第二対位マーク(621)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、カメラ素子(8)を復位し、且つ可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させ、後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。
【0032】
図3Fを参照すれば、ある実施例では、まず転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置し、操作台(7)は第三対位マーク(71)を有している。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成した後、型取り装置(5)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)または操作台(7)の転写する対象物(6)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)により、ダイコア(4)の第一対位マーク(42)及び操作台(7)の第三対位マーク(71)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させると共に後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。他の実施例では、まず転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置し、操作台(7)は第三対位マーク(71)を有している。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成した後、可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させる。その後、型取り装置(5)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)または操作台(7)の転写する対象物(6)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)により、ダイコア(4)の第一対位マーク(42)及び操作台(7)の第三対位マーク(71)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。他の実施態様では、まず転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置し、操作台(7)は第三対位マーク(71)を有している。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成した後、カメラ素子(8)を可溶性ダイコア(4)と転写する対象物(6)との間に移動することにより、第一対位マーク(42)及び第三対位マーク(71)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、カメラ素子(8)を復位し、且つ可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させ、後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。
【0033】
図3Gを参照すれば、ある実施例では、まず転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置する。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成し、ポリマー材料層(61)は第四対位マーク(611)を有している。その後、型取り装置(5)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)または操作台(7)の転写する対象物(6)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)により、ダイコア(4)の第一対位マーク(42)及びポリマー材料層(61)の第四対位マーク(611)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させると共に後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。他の実施例では、まず転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置する。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成し、ポリマー材料層(61)は第四対位マーク(611)を有している。その後、可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させた後、型取り装置(5)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)または操作台(7)の転写する対象物(6)とは反対にある一側に設置されているカメラ素子(8)により、ダイコア(4)の第一対位マーク(42)及びポリマー材料層(61)の第四対位マーク(611)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。他の実施例では、まず転写する対象物(6)の基板層(62)を操作台(7)に配置する。次いで、基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成し、ポリマー材料層(61)は第四対位マーク(611)を有している。その後、カメラ素子(8)を可溶性ダイコア(4)と転写する対象物(6)との間に移動することにより、第一対位マーク(42)及び第四対位マーク(611)が位置を揃えられているかどうか確認する。位置が揃えられている場合、カメラ素子(8)を復位し、且つ可溶性ダイコア(4)及びポリマー材料層(61)を接触させ、後続の工程を実行する。位置が揃えられていない場合、位置が揃うまで、位置調整素子(9)を使用して操作台(7)をX-Y平面としてダイコア(4)のX軸及びY軸の位置並びに前記ダイコア(4)がX-Y平面にあるθ角を調整する。
【0034】
好ましくは、ポリマー材料層(61)はガラス転移温度がダイコア(4)より低いポリマー材料をスピンコート方式により基板層(62)に形成することにより取得する。或いは、まずガラス転移温度がダイコア(4)より低いポリマー材料をスピンコート方式により基板層(62)に形成し、ソフトベークを行うことで取得する。好ましくは、ポリマー材料のガラス転移温度は20~150℃の間の範囲であり、スピンコートの回転速度は1,000~5,000rpmの間の範囲であり、塗布する厚さは0.05~1,000μmの間の範囲である。ちなみに、ポリマー材料にソフトベークを実行可能かどうかは材料の特性により決定される。好ましくは、ソフトベーク温度は80~150℃の間の範囲であり、ソフトベーク時間は3~5分間の間の範囲である。スピンコート方式以外、フィルム貼着部材(図示省略)を使用してパッチ圧縮成形方式により基板層(62)にポリマー材料層(61)を形成してもよい。前記第二対位マーク(621)は基板層(62)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある表面、または操作台(7)とは反対にある表面に設けられている。基板層(62)の第二対位マーク(621)が基板層(62)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある表面に設けられている場合、第一対位マーク(42)及び第二対位マーク(621)の画像をキャプチャするカメラ素子(8)に基板層(62)が干渉する可能性があるため、基板層(62)には第二対位マーク(621)を露出させるための貫通穴(622)を更に開設する。さらに、カメラ素子(8)により第一対位マーク(42)及び第二対位マーク(621)の画像をキャプチャするために、基板層(62)を好ましくは透明基板層とする。前記第三対位マーク(71)は操作台(7)に設けられている。第一対位マーク(42)及び第三対位マーク(71)の画像をキャプチャするカメラ素子(8)に基板層(62)が干渉するのを回避するため、基板層(62)に第三対位マーク(71)を露出するための貫通穴(622)を更に開設してもよい。また、カメラ素子(8)により第一対位マーク(42)及び第三対位マーク(71)の画像をキャプチャするため、基板層(62)は好ましくは透明基板層とする。前記第四対位マーク(611)はポリマー材料層(61)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある表面に設けられるか、ポリマー材料層(61)が操作台(7)とは反対にある表面に設けられている。ポリマー材料層(61)の第四対位マーク(611)が可溶性ダイコア(4)とは反対にある表面に設けられると、ポリマー材料層(61)が第一対位マーク(42)及び第四対位マーク(611)の画像をキャプチャするカメラ素子(8)に干渉する可能性があり、よって、ポリマー材料層(61)には第四対位マーク(611)を露出するための貫通穴(622)を更に開設してもよい。また、カメラ素子(8)により第一対位マーク(42)及び第四対位マーク(611)の画像をキャプチャするため、ポリマー材料層(61)は好ましくは透明ポリマー材料層とする。
【0035】
また、カメラ素子(8)が第一対位マーク(42)及び第二対位マーク(621)の画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるため、赤外線放射素子(10)を更に使用して第一対位マーク(42)及び第二対位マーク(621)を照射する。カメラ素子(8)が第一対位マーク(42)及び第三対位マーク(71)の画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるため、赤外線放射素子(10)を更に使用して第一対位マーク(42)及び第三対位マーク(71)を照射する。カメラ素子(8)が第一対位マーク(42)及び第四対位マーク(611)の画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるため、赤外線放射素子(10)を更に使用して第一対位マーク(42)及び第四対位マーク(611)を照射する。赤外線放射素子(10)は型取り装置(5)の可溶性ダイコア(4)とは反対にある一側または操作台(7)の転写する対象物(6)とは反対にある一側に設置されているが、但しこれに制限されない。
【0036】
図3Fに示す実施態様と
図3A乃至
図3Eに示す実施態様との差異は、対位マークの位置の違いのほか、他の操作の細部及び効果はほぼ同じであるため、ここで、その説明を省略する。
図3Gに示す実施態様と
図3A乃至
図3Fに示す実施態様との差異は、対位マーク及び貫通穴(622)の位置の違いのほか、他の操作の細部及び効果はほぼ同じであるため、ここで、その説明を省略する。
【0037】
<工程4>
図4A乃至
図4Cは本発明に係るインプリント方法の工程4を説明する図である。すなわち、前記可溶性ダイコア(4)に高温または圧力を付与し、前記ポリマー材料層(61)を硬化させる。
【0038】
図4Aは本工程の第一実施態様を図示し、転写素子(20)により可溶性ダイコア(4)に高温及び圧力を付与することにより、ポリマー材料層(61)が凹凸構成(41)に対応する転写構成(11)を有し、且つポリマー材料層(61)の硬化後に前記フレーム構成(51)を前記支持バックパネル(53)に対し分離する。前記支持バックパネル(53)は前記ポリマー材料層(61)の硬化後、及び前記フレーム構成(51)を前記支持バックパネル(53)に対し分離する際に、前記可溶性ダイコア(4)に安定的に付設され、前記可溶性ダイコア(4)の構造を安定的に維持させている。また、第一対位マーク(42)が偏移してポリマー材料層(61)の形状に影響を与えることもない。具体的には、型取り装置(5)及び前記ポリマー材料層(61)が接触する前、前記ポリマー材料の硬化過程まで、及び前記フレーム構成(51)を前記支持バックパネル(53)に対し分離した後に、前記支持バックパネル(53)を前記可溶性ダイコア(4)に安定的に付設することにより、その構造を安定的に維持する。一実施例では、型取り装置(5)がフレーム構成(51)及び支持バックパネル(53)を備えている。好ましくは、前記高温によりポリマー材料層(61)の温度がまずガラス転移温度に達し、圧力によりポリマー材料層(61)の材料が凹凸構成(41)内に十分に流動した後、高温によりポリマー材料層(61)の材料が硬化し、ポリマー材料層(61)の転写構成(11)が凹凸構成(41)に完全に対応する。好ましくは、高温及び圧力を付与する時間は1~20分間の間の範囲であるが、但しこれに制限されない。好ましくは、高温の温度は50~160℃の間の範囲であるが、但しこれに制限されない。ちなみに、高温及び圧力を付与する時間の範囲及び高温の温度の範囲はポリマー材料層(61)の材料に基づいて決定される。全体には、ポリマー材料層(61)の上部は非溶解性であり、転写構成(11)に構造の瑕疵を発生させないことを原則とする。また、圧力の付与は可溶性ダイコア(4)のポリマー材料層(61)とは反対にある一側に対し正方向の圧力を付与するか、可溶性ダイコア(4)のポリマー材料層(61)に隣接する一側に対し負方向の圧力を付与するか、正方向の圧力及び負方向の圧力を同時に付与する。好ましくは、正方向の圧力は+20~+600kPaの間の範囲であり、負方向の圧力は-10~-101.3kPaの間の範囲であるが、但しこれらに制限されない。ちなみに、負方向の圧力によりポリマー材料層(61)中で熱を受けて散逸する揮発性溶剤を抽出することにより、ポリマー材料層(61)に残留して転写構成(11)に構造の瑕疵を発生することがないようにしている。また、
図4Aに示すように、転写素子(20)は高温を提供するための加熱素子(201)及び圧力を提供するためのブロー素子(202)を備えているが、但しこれらに制限されない。
【0039】
次は、
図4B及び
図4Cは本工程の第二実施態様を図示する。
図4Bに示すように、転写素子(20)により可溶性ダイコア(4)に第一高温及び圧力を付与することにより、ポリマー材料層(61)が凹凸構成(41)に対応する転写構成(11)を有すると共に、支持バックパネル(53)及びテープ(52)が分離する。具体的には、型取り装置(5)がフレーム構成(51)及びテープ(52)を備え、テープ(52)の材料が熱解離性発泡ゲルである条件において、テープ(52)の解離温度(好ましくは80~150℃)が第一高温の温度よりも低いため、テープ(52)が第一高温の温度で解離して分解される。また、第一高温によりポリマー材料層(61)の温度がまずガラス転移温度に達し、圧力によりポリマー材料層(61)の材料が凹凸構成(41)内に十分に流動する。好ましくは、第一高温及び圧力を付与する時間は0.5~30分間の間の範囲であるが、但しこれに制限されない。好ましくは、第一高温の温度は60~150℃であるが、但しこれに制限されない。ちなみに、第一高温及び圧力を付与する時間の範囲及び第一高温の温度の範囲はポリマー材料層(61)の材料に基づいて決定される。全体的には、ポリマー材料層(61)の上部は非溶解性であり、転写構成(11)が構造の瑕疵を発生させないことを原則とする。また、圧力の付与は可溶性ダイコア(4)のポリマー材料層(61)とは反対にある一側に対し正方向の圧力を付与するか、可溶性ダイコア(4)のポリマー材料層(61)に隣接する一側に対し負方向の圧力を付与するか、正方向の圧力及び負方向の圧力を同時に付与する。好ましくは、正方向の圧力は+20~+600kPaの間の範囲であり、負方向の圧力は-10~-101.3kPaの間の範囲であるが、但しこれらに制限されない。ちなみに、負方向の圧力によりポリマー材料層(61)中で熱を受けて散逸する揮発性溶剤を抽出することにより、ポリマー材料層(61)に残留して転写構成(11)が構造の瑕疵を発生することがないようにしている。より好ましくは、転写素子(20)は第一高温を提供するための加熱素子(201)及び圧力を提供するためのブロー素子(202)を備えているが、但しこれらに制限されない。
【0040】
図4Cに示すように、転写素子(20)により可溶性ダイコア(4)に第二高温を付与することにより、ポリマー材料層(61)を硬化する。具体的には、第二高温によりポリマー材料層(61)の温度が硬化温度に達し、材料を架橋硬化させる。これにより、ポリマー材料層(61)の弾性を低下させてポリマー材料層(61)の転写構成(11)を凹凸構成(41)に完全に対応させている。好ましくは、第二高温を付与する時間は1~600分間の間の範囲であるが、但しこれに制限されない。好ましくは、第二高温の温度は60~180℃の間の範囲であるが、但しこれに制限されない。この工程は特にポリマー材料層(61)の材料が熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂(epoxy resin))である場合に実施する。詳しくは、この工程により第二高温より低い温度環境に置かれたポリマー材料層(61)が変形しないようにしている。より好ましくは、転写素子(20)の加熱素子(201)により第二高温を提供する。即ち、前記支持バックパネル(53)が第一高温及び第二高温を付与する過程において、全ての場合において前記可溶性ダイコア(4)に緊密に接着され、加熱過程において前記可溶性ダイコア(4)が構造を安定的に維持し、偏移や変形を生じさせない。即ち、前記ポリマー材料層(61)は温度が低く、加熱時間が長い方式により硬化を行い、よって、前記第一高温は前記第二高温よりも高くなる。好ましくは、前記第一高温は前記第二高温より高く、且つ前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より長く、前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間と等しく、または前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より短く、または前記第一高温は前記第二高温より低く、且つ前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より長く、前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間と等しく、または前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より短い。
【0041】
<工程5>
図5A乃至
図5Dは本発明に係るインプリント方法の工程5を説明する図である。すなわち、溶剤(301)により前記可溶性ダイコアを溶解し、硬化後の前記ポリマー材料層(61)及び前記支持バックパネル(53)を分離する。
【0042】
図5A乃至
図5Dに示すように、溶解素子(30)により溶剤(301)を提供して可溶性ダイコア(4)を溶解し、硬化後の前記ポリマー材料層(61)及び支持バックパネル(53)を分離し、転写構成(11)を有している転写対象物(1)を取得する。ちなみに、溶剤(301)の種類は可溶性ダイコア(4)の材料に基づいて決定される。好ましくは、可溶性ダイコア(4)の材料が水溶性ポリアクリルアミド(Polyacrylamide ;PAM)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ウレタン、ポリビニルピロリドン、エチレン-ビニルアルコール、ポリアクリルアミド-グリオキサールポリマー、またはポリアクリル酸である状況において、溶剤(301)は水であるが、但しこれに制限されない。
【0043】
操作台(7)上で溶剤(301)により前記可溶性ダイコア(4)を溶解し、硬化後の前記ポリマー材料層(61)及び支持バックパネル(53)を分離する。好ましくは、前記ポリマー材料層(61)の硬化工程後、及び前記可溶性ダイコア(4)の溶解工程前に、前記フレーム構成(51)を前記支持バックパネル(53)に対し分離する。好ましくは、前記ポリマー材料層(61)の硬化工程後、及び前記可溶性ダイコア(4)の溶解工程前に、前記フレーム構成(51)及び前記フレーム構成(51)に設置されているテープ(52)を前記支持バックパネル(53)に対し分離する。好ましくは、前記溶剤(301)により前記可溶性ダイコア(4)を溶解する際に、操作台(7)上で実行するが、但し、操作台(7)以外の領域で実行してもよい。具体的には、基板層(62)及び前記基板層(62)に設置されている硬化後のポリマー材料層(61)、可溶性ダイコア(4)、及び支持バックパネル(53)を一緒に溶剤(301)が入れられた容器に投入し、溶剤(301)により可溶性ダイコア(4)を溶解し、硬化後のポリマー材料層(61)及び支持バックパネル(53)を分離し、前記転写構成(11)を有している転写対象物(1)を取得する。
【0044】
前記支持バックパネル(53)は接着剤(12)により前記可溶性ダイコア(4)に接着されているため、前記可溶性ダイコア(4)及び前記型(3)を分離する際に、前記可溶性ダイコア(4)及び前記ポリマー材料層(61)を接触させる、または対位させる際に、前記可溶性ダイコア(4)に高温または圧力を付与する際に、フレーム構成(51)を支持バックパネル(53)に対し分離する際に、フレーム構成(51)及び前記フレーム構成(51)に設置されているテープ(52)を前記支持バックパネル(53)に対し分離する際に、及び前記可溶性ダイコア(4)を溶解する際に、前記支持バックパネル(53)が全ての場合において前記可溶性ダイコア(4)の構造を維持し、前記可溶性ダイコア(4)に偏移や変形が生じず、最終的にインプリントされた転写対象物(1)に瑕疵が発生しない。
【0045】
本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0046】
1 転写対象物
11 転写構成
12 接着剤
2 可溶性材料
3 型
31 型構成
32 マーク構成
4 可溶性ダイコア
41 凹凸構成
42 第一対位マーク
5 型取り装置
51 フレーム構成
511 支持部
512 操作部
52 テープ
521 突起部
53 支持バックパネル
6 転写する対象物
61 ポリマー材料層
62 基板層
621 第二対位マーク
622 貫通穴
7 操作台
71 第三対位マーク
8 カメラ素子
9 位置調整素子
10 赤外線放射素子
20 転写素子
201 加熱素子
202 ブロー素子
30 溶解素子
301 溶剤
4 可溶性ダイコア
42 第一対位マーク
51 フレーム構成
53 支持バックパネル
6 転写する対象物
61 ポリマー材料層
62 基板層
621 第二対位マーク
622 貫通穴
7 操作台
8 カメラ素子
9 位置調整素子
10 赤外線放射素子
【手続補正書】
【提出日】2022-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
型内に可溶性材料を添加する工程と、
前記可溶性材料を硬化して可溶性ダイコアを形成する工程であって、前記ダイコアは凹凸構成を有している工程と、
前記ダイコアの型側の面とは反対側の面に接着剤を形成する工程と、
型取り装置を前記接着剤に付設する工程であって、前記型取り装置は、
フレーム構成と、
前記フレーム構成に設置されているテープと、
前記テープに設置されている支持バックパネルであって、前記型取り装置は前記支持バックパネルを介して前記接着剤に接触する支持バックパネルと、を備えている工程と、
前記型取り装置を前記型から分離する工程であって、前記可溶性ダイコアは前記型取り装置に従って前記型から分離する工程と、
ポリマー材料層に前記可溶性ダイコアを配置する工程と、
前記可溶性ダイコアに第一高温及び圧力を付与することにより、前記ポリマー材料層が前記凹凸構成に対応する転写構成を有し、且つ前記支持バックパネルが前記テープから分離する工程と、
前記可溶性ダイコアに第二高温を付与することにより、前記ポリマー材料層が硬化し、前記第一高温及び前記第二高温の温度は相違する工程と、
前記可溶性ダイコアを溶解する溶剤を提供し、前記硬化後のポリマー材料層及び前記支持バックパネルを分離して前記転写構成を有している転写対象物を取得する工程と、を含むことを特徴とするインプリント方法。
【請求項2】
前記第一高温の温度は60~150℃の間の範囲であり、前記第一高温及び圧力を付与する時間は0.5~30分間の間の範囲であり、
前記第二高温の温度は60~180℃の間の範囲であり、前記第二高温を付与する時間は1~600分間の間の範囲であり、
前記第一高温は前記第二高温より高く、且つ前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より長く、前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間と等しく、または前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より短いことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項3】
前記第一高温の温度は60~150℃の間の範囲であり、前記第一高温及び圧力を付与する時間は0.5~30分間の間の範囲であり、
前記第二高温の温度は60~180℃の間の範囲であり、前記第二高温を付与する時間は1~600分間の間の範囲であり、
前記第一高温は前記第二高温より低く、且つ前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より長く、前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間と等しく、または前記第一高温を付与する時間は前記第二高温を付与する時間より短い
ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項4】
前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している、第一工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する、第二工程と、
位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層が接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸調整する、第三工程と、を含む、または、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している、第一工程と、
前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる、第四工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸を調整する、第五工程と、を含む、または、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記基板層は第二対位マークを有している、第一工程と、
カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する、第六工程と、
位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸を調整する、第七工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項5】
前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している、第八工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する、第九工程と、
位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とが接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸を調整する、第十工程と、を含む、
または、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している、第八工程と、
前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる、第十一工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸を調整する、第十二工程と、を含む、または、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記操作台は第三対位マークを有している、第八工程と、
カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する、第十三工程と、
位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸を調整する、第十四工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項6】
前記可溶性ダイコアは第一対位マークを有し、
ポリマー材料層にダイコアを配置する前記工程は、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している、第十五工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する、第十六工程と、
位置が揃えられている場合、前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とが接触し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸を調整する、第十七工程と、を含む、または、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している、第十五工程と、
前記可溶性ダイコアと前記ポリマー材料層とを接触させる、第十八工程と、
前記型取り装置の前記可溶性ダイコアとは反対にある一側に設置されているカメラ素子または前記操作台の前記転写する対象物とは反対にある一側に設置されているカメラ素子により、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認し、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸を調整する、第十九工程と、を含む、または、
転写する対象物を操作台の上に配置し、前記転写する対象物は前記ポリマー材料層と前記操作台との間に基板層を有し、前記ポリマー材料層は第四対位マークを有している、第十五工程と、
カメラ素子を前記可溶性ダイコアと前記転写する対象物との間に移動することにより、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークが位置を揃えられているかどうか確認する、第二十工程と、
位置が揃えられている場合、前記カメラ素子を復位し、且つ前記可溶性ダイコア及び前記ポリマー材料層を接触させ、位置が揃えられていない場合、前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの位置を揃えるまで、前記操作台をX-Y平面として前記可溶性ダイコアのX軸及びY軸を調整する、第二十一工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項7】
前記カメラ素子が前記第一対位マーク及び前記第二対位マークの画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるように、赤外線放射素子を使用して前記第一対位マーク及び前記第二対位マークを照射する工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のインプリント方法。
【請求項8】
前記カメラ素子が前記第一対位マーク及び前記第三対位マークの画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるように、赤外線放射素子を使用して前記第一対位マーク及び前記第三対位マークを照射する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のインプリント方法。
【請求項9】
前記カメラ素子が前記第一対位マーク及び前記第四対位マークの画像をキャプチャする際に反射された光線のノイズにより解像度が不足するのを避けるように、赤外線放射素子を使用して前記第一対位マーク及び前記第四対位マークを照射する工程をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のインプリント方法。