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特開2022-176065圧電ユニット及びアクチュエータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176065
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】圧電ユニット及びアクチュエータ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20221117BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20221117BHJP
   H01L 41/083 20060101ALI20221117BHJP
   H02N 2/04 20060101ALI20221117BHJP
   G02B 26/08 20060101ALN20221117BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
H01L41/09
H01L41/083
H02N2/04
G02B26/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017045
(22)【出願日】2022-02-07
(62)【分割の表示】P 2021080861の分割
【原出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大幾
(72)【発明者】
【氏名】大崎 拓真
(72)【発明者】
【氏名】野崎 慎
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 滉太
【テーマコード(参考)】
2H045
2H141
5H681
【Fターム(参考)】
2H045AB06
2H045AB38
2H045AB43
2H045AB81
2H141MA12
2H141MB24
2H141MC09
2H141MD12
2H141MD16
2H141MD20
2H141MD24
2H141MG06
2H141MZ06
2H141MZ12
2H141MZ24
2H141MZ28
2H141MZ30
5H681AA12
5H681DD23
5H681DD39
5H681FF08
(57)【要約】
【課題】圧電素子での短絡を防止しつつ、金属基板と圧電素子との電気的な接続を確実化することができ、所望の駆動特性を得ることができる圧電ユニット及びアクチュエータ装置を提供する。
【解決手段】金属基板3の載置面31aに配置された駆動用圧電素子6は、載置面31aとは反対側の第1主面61a、載置面31a側の第2主面61b、及び側面61cを有する駆動用圧電体61と、第1主面61aに配置された第1電極62と、を有する。駆動用圧電素子6は、載置面31aの一部が側面61cの外側に位置するように、載置面31aに配置されている。導電性を有する第2接着部材8は、載置面31aと駆動用圧電素子6との間に配置された第1部分81と、第1部分81から連続し、載置面31aの一部及び側面61cによって形成された隅部C1に配置された第2部分82と、を有する。第2部分82は、第1電極62に至っていない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板と、
前記金属基板の載置面に配置された圧電素子と、
導電性を有し、前記金属基板と前記圧電素子とを接着する接着部材と、を備え、
前記圧電素子は、
前記載置面とは反対側の第1主面、前記載置面側の第2主面、及び側面を有する圧電体と、
前記第1主面に配置された第1電極と、を有し、
前記圧電素子は、前記載置面の一部が前記側面の外側に位置するように、前記載置面に配置されており、
前記接着部材は、
前記載置面と前記圧電素子との間に配置された第1部分と、
前記第1部分から連続し、前記載置面の前記一部及び前記側面によって形成された隅部に配置された第2部分と、を有し、
前記第2部分は、前記第1電極に至っていない、圧電ユニット。
【請求項2】
前記金属基板の厚さ方向から見た場合に、前記第1電極の外縁は、前記圧電体の外縁よりも内側に位置している、請求項1に記載の圧電ユニット。
【請求項3】
前記金属基板の厚さ方向から見た場合における前記第1電極の前記外縁と前記圧電体の前記外縁との距離は、前記圧電体の厚さよりも大きい、請求項2に記載の圧電ユニット。
【請求項4】
前記金属基板の厚さ方向から見た場合における前記第1電極の前記外縁と前記圧電体の前記外縁との距離は、前記圧電体の厚さ以下である、請求項2に記載の圧電ユニット。
【請求項5】
前記第2部分の少なくとも一部は、前記側面における前記第1電極側の領域に至っている、請求項1~4のいずれか一項に記載の圧電ユニット。
【請求項6】
前記第2部分は、前記第1主面の外縁に至っていない、請求項1~5のいずれか一項に記載の圧電ユニット。
【請求項7】
前記圧電素子は、前記第2主面に配置された第2電極を更に有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の圧電ユニット。
【請求項8】
前記隅部において、前記第2部分を覆う保護部材を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の圧電ユニット。
【請求項9】
前記保護部材は、前記第1電極の側面を更に覆っている、請求項8に記載の圧電ユニット。
【請求項10】
前記圧電素子とは別の圧電素子を更に備え、
前記接着部材は、前記圧電素子と前記別の圧電素子とを接着しており、
前記別の圧電素子は、
前記第1電極の表面に配置され、
前記表面とは反対側の第3主面、前記表面側の第4主面、及び前記圧電体の前記側面とは別の側面を有し、前記圧電体とは別の圧電体と、
前記第3主面に配置された第3電極と、を有し、
前記別の圧電素子は、前記表面の一部が前記別の側面の外側に位置するように、前記第1電極の前記第1主面に配置されており、
前記接着部材は、
前記表面と前記別の圧電素子との間に配置された第3部分と、
前記第3部分から連続し、前記表面の前記一部及び前記別の側面によって形成された前記隅部とは別の隅部に配置された第4部分と、を更に有し、
前記第4部分は、前記第3電極に至っていない、請求項1~9のいずれか一項に記載の圧電ユニット。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の圧電ユニットと、
前記金属基板を支持する支持体と、を備え、
前記金属基板は、
可動部と、
前記圧電素子が配置された本体部と、
前記可動部と前記本体部とを連結する連結部と、を有する、アクチュエータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電ユニット及びアクチュエータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の光スキャナは、反射ミラー面を有する基板と、基板上に配置された圧電素子と、基板と圧電素子の下部電極との間に配置された導電性接着剤と、導電性接着剤を囲むように配置された絶縁性のアンダーフィル材と、を備えている。特許文献1に記載の光スキャナでは、導電性接着剤が圧電素子の上部電極に至ることによって圧電素子で短絡が生じることを防止するために、絶縁性のアンダーフィル材が、基板と圧電素子との間から圧電素子の側面に至るように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-150038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の光スキャナでは、基板と圧電素子との間に、導電性接着剤とアンダーフィル材との界面が存在しているため、金属基板への圧電素子の振動の伝搬が阻害され、金属基板の駆動効率が低下するおそれがある。また、仮に、特許文献1に記載の光スキャナの圧電素子が、反射ミラー部の揺動角度を検知するためのものである場合には、導電性接着剤とアンダーフィル材との界面が存在しているため、反射ミラー部の揺動角度の検知精度が低下するおそれがある。更に、特許文献1に記載の光スキャナでは、基板と圧電素子との間に、導電性接着剤だけでなく、絶縁性のアンダーフィル材が存在しているため、基板と圧電素子との電気的な接続の信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、圧電素子での短絡を防止しつつ、金属基板と圧電素子との電気的な接続を確実化することができ、所望の駆動特性を得ることができる圧電ユニット及びアクチュエータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の圧電ユニットは、金属基板と、金属基板の載置面に配置された圧電素子と、導電性を有し、金属基板と圧電素子とを接着する接着部材と、を備え、圧電素子は、載置面とは反対側の第1主面、載置面側の第2主面、及び側面を有する圧電体と、第1主面に配置された第1電極と、を有し、圧電素子は、載置面の一部が側面の外側に位置するように、載置面に配置されており、接着部材は、載置面と圧電素子との間に配置された第1部分と、第1部分から連続し、載置面の一部及び圧電体の側面によって形成された隅部に配置された第2部分と、を有し、第2部分は、第1電極に至っていない。
【0007】
この圧電ユニットでは、接着部材が、載置面と圧電素子との間に配置された第1部分と、載置面の一部及び圧電体の側面によって形成された隅部に配置された第2部分と、を有しており、第2部分が第1部分から連続している。これにより、圧電素子が金属基板に振動を発生させるための駆動用圧電素子である場合には、金属基板に圧電体の振動が適切に伝搬することになる。また、圧電素子が、金属基板が有する光学機能部の揺動角度を検知するための検知用圧電素子である場合には、光学機能部の揺動角度が精度良く検知されることになる。したがって、所望の駆動特性を得ることができ、且つ金属基板と圧電素子との電気的な接続を確実化することができる。更に、接着部材の第2部分が第1電極に至っていないため、圧電素子での短絡を防止することができる。よって、この圧電ユニットによれば、圧電素子での短絡を防止しつつ、金属基板と圧電素子との電気的な接続を確実化することができ、所望の駆動特性を得ることができる。
【0008】
本発明の圧電ユニットでは、金属基板の厚さ方向から見た場合に、第1電極の外縁は、圧電体の外縁よりも内側に位置していてもよい。これにより、接着部材が、第1主面の外縁に接着部材が至ったとしても第1電極には至らない構成を実現することができるため、圧電素子での短絡を防止することができる。
【0009】
本発明の圧電ユニットでは、金属基板の厚さ方向から見た場合における第1電極の外縁と圧電体の外縁との距離は、圧電体の厚さよりも大きくてもよい。これにより、第1主面の外縁と第1電極との距離を確保することができるため、接着部材が第1電極に至らない構成を確実に実現することができる結果、圧電素子での短絡をより一層防止することができる。
【0010】
本発明の圧電ユニットでは、金属基板の厚さ方向から見た場合における第1電極の外縁と圧電体の外縁との距離は、圧電体の厚さ以下であってもよい。これにより、第1主面の外縁と第1電極との距離の確保と、第1電極の大きさの確保とを、バランス良く実現することができる結果、圧電素子での短絡の防止及び所望の駆動効率の確保の両方を実現することができる。
【0011】
本発明の圧電ユニットでは、第2部分の少なくとも一部は、圧電体の側面における第1電極側の領域に至っていてもよい。これにより、金属基板と圧電素子との接着強度を向上させることができる。
【0012】
本発明の圧電ユニットでは、第2部分は、第1主面の外縁に至っていなくてもよい。これにより、金属基板と圧電素子との接着強度を向上させつつ、接着部材が第1電極に至らない構成を確実に実現することができる。
【0013】
本発明の圧電ユニットでは、圧電素子は、第2主面に配置された第2電極を更に有してもよい。これにより、接着部材の濡れ性が向上するため、金属基板と圧電素子との電気的な接続をより一層確実化することができる。また、仮に、金属基板と第2電極との間において第1部分にクラックが発生したとしても、第2電極全体への通電を維持することができるので、圧電素子において電界分布の乱れを防止することができる。
【0014】
本発明の圧電ユニットでは、隅部において、第2部分を覆う保護部材を更に備えていてもよい。これにより、接着部材の劣化を防止することができる。
【0015】
本発明の圧電ユニットでは、保護部材は、第1電極の側面を更に覆っていてもよい。これにより、第1電極の劣化を更に防止することができる。
【0016】
本発明の圧電ユニットは、上記圧電素子とは別の圧電素子を更に備え、接着部材は、上記圧電素子と別の圧電素子とを接着しており、別の圧電素子は、第1電極の表面に配置され、上記表面とは反対側の第3主面、上記表面側の第4主面、及び圧電体の側面とは別の側面を有し、上記圧電体とは別の圧電体と、第3主面に配置された第3電極と、を有し、別の圧電素子は、上記表面の一部が別の側面の外側に位置するように、上記表面に配置されており、接着部材は、上記表面と別の圧電素子との間に配置された第3部分と、第3部分から連続し、上記表面の一部及び別の側面によって形成された隅部とは別の隅部に配置された第4部分と、を更に有し、第4部分は、第3電極に至っていなくてもよい。これにより、上記圧電素子と別の圧電素子とを積層する場合において、上記圧電素子と別の圧電素子との接着強度を確保することができる。
【0017】
本発明のアクチュエータ装置は、上記圧電ユニットと、金属基板を支持する支持体と、を備え、金属基板は、可動部と、圧電素子が配置された本体部と、可動部と本体部とを連結する連結部と、を有する。
【0018】
このアクチュエータ装置では、上記圧電ユニットを備えているため、上記圧電ユニットと同様の理由により、圧電素子での短絡を防止しつつ、金属基板と圧電素子との電気的な接続を確実化することができ、所望の駆動特性を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、圧電素子での短絡を防止しつつ、金属基板と圧電素子との電気的な接続を確実化することができ、所望の駆動特性を得ることができる圧電ユニット及びアクチュエータ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態の圧電ユニットを備えるアクチュエータ装置の斜視図である。
図2図1に示されるアクチュエータ装置の平面図である。
図3図2に示される金属基板、駆動用圧電素子及び検知用圧電素子の一部分の平面図である。
図4図3に示されるIV-IV線に沿っての断面図である。
図5図3に示されるV-V線に沿っての断面図である。
図6】第1変形例の金属基板、駆動用圧電素子及び第2接着部材の断面図である。
図7】第2変形例の金属基板、駆動用圧電素子及び第2接着部材の断面図である。
図8】第3変形例の金属基板、駆動用圧電素子及び第2接着部材の断面図である。
図9】第4変形例の金属基板、駆動用圧電素子及び第2接着部材の断面図である。
図10】第5変形例の金属基板、駆動用圧電素子及び第2接着部材の断面図である。
図11】第6変形例の金属基板、駆動用圧電素子及び第2接着部材の断面図である。
図12】第7変形例のアクチュエータ装置の平面図である。
図13図12に示される金属基板、検知用圧電素子及び駆動用圧電素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[アクチュエータ装置の構成]
【0022】
図1及び図2に示されるように、アクチュエータ装置1は、配線基板(支持体)2と、金属基板3と、第1接着部材4と、光学面51を有する光学機能部5と、駆動用圧電素子(圧電素子)6と、検知用圧電素子(別の圧電素子)7と、第2接着部材(接着部材)8と、を備えている。光学機能部5は、金属基板3に設けられている。アクチュエータ装置1は、例えば、パッケージ(図示せず)に収容されている。一例として、パッケージは、側壁、底壁、及び光を透過する材料からなる天壁を有し、箱状を呈している。例えば、アクチュエータ装置1において、レーザ光が天壁を介してパッケージ内に入射されると、レーザ光が、駆動用圧電素子6によって金属基板3を介して周期的に揺動されている光学機能部5の光学面51で反射され、天壁を介して外部に出射される。パッケージからのレーザ光の出射方向は、光学面51の揺動に応じて周期的且つ連続的に変化する。つまり、本実施形態では、アクチュエータ装置1は、光走査装置である。
【0023】
配線基板2は、載置面2aを有している。配線基板2には、載置面2a及び載置面2aとは反対側の面に開口する開口2bが形成されている。配線基板2は、例えば、矩形枠状を呈している。配線基板2の材料の例としては、シリコン、セラミック、石英、ガラス及びプラスチックが挙げられる。配線基板2の厚さは、十分な剛性が確保できる厚さとすればよく、例えば、0.8mm以上である。本実施形態では、配線基板2の厚さは、1.6mmである。以下の説明では、配線基板2の厚さ方向をZ軸方向(金属基板の厚さ方向)といい、Z軸方向に垂直な一方向をX軸方向といい、Z軸方向及びX軸方向の両方向に垂直な方向をY軸方向という。
【0024】
配線基板2の載置面2aには、複数(本実施形態では、3つ)の電極パッド21,22,23が配置されている。複数の電極パッド21,22,23は、配線基板2の開口2bに対してY軸方向における一方の側に位置しており、X軸方向に沿って並んでいる。載置面2aには、コネクタ24が取り付けられている。コネクタ24は、駆動用圧電素子6及び検知用圧電素子7のそれぞれに対して電圧信号等を入出力するためのポートである。コネクタ24は、例えば、複数の電極パッド21,22,23に対してY軸方向における一方の側に位置している。コネクタ24は、複数の端子25を有している。コネクタ24は、複数の端子25及び配線基板2の配線等を介して、複数の電極パッド21,22,23と電気的に接続されている。
【0025】
金属基板3は、配線基板2によって支持されている。金属基板3は、例えば、鉄系、ステンレス系、銅系、パーマロイド系、チタン系、タングステン系、モリブデン系等の金属からなり、板状を呈している。金属基板3の厚さは、例えば、50~500μmである。第1接着部材4は、配線基板2と金属基板3とを接着している。第1接着部材4は、導電性を有している。第1接着部材4の材料の例としては、Ag粒子を含有するエポキシ樹脂が挙げられる。
【0026】
金属基板3は、本体部31と、可動部32と、第1延在部33と、第2延在部34と、第1連結部(連結部)35と、第2連結部(連結部)36と、第1接続部37と、第2接続部38と、第3接続部39と、を有している。可動部32、第1延在部33、第2延在部34、第1連結部35、第2連結部36、第1接続部37、第2接続部38及び第3接続部39は、一体的に形成されている。
【0027】
本体部31は、駆動用圧電素子6が固定されている(配置されている)部分である。本体部31は、Z軸方向から見た場合に、配線基板2の開口2b内に位置している。可動部32は、光学機能部5が配置されている部分である。可動部32は、本体部31に対してY軸方向における他方の側に位置している。
【0028】
第1延在部33及び第2延在部34は、可動部32が間に位置するように本体部31から延在している。本実施形態では、可動部32は、第1延在部33及び第2延在部34の中間に位置している。第1延在部33及び第2延在部34は、例えば、Y軸方向に沿って、互いに平行に延在している。本実施形態では、第1延在部33は、第2延在部34と同一の形状を有している。
【0029】
第1連結部35は、第1延在部33と可動部32との間でX軸方向に沿って延在している。第1連結部35の一端部は、第1延在部33と接続されており、第1連結部35の他端部は、可動部32と接続されている。すなわち、第1連結部35は、第1延在部33と可動部32とを連結している。
【0030】
第2連結部36は、第2延在部34と可動部32との間でX軸方向に沿って延在している。第2連結部36の一端部は、第2延在部34と接続されており、第2連結部36の他端部は、可動部32と接続されている。すなわち、第2連結部36は、第2延在部34と可動部32とを連結している。
【0031】
本実施形態では、第1連結部35及び第2連結部36は、X軸方向に沿った単一の直線上に位置している。上述した第1延在部33及び第2延在部34と可動部32との位置関係から、X軸方向における第1連結部35の長さは、X軸方向における第2連結部36の長さと同一となる。本実施形態では、第1連結部35は、第2連結部36の形状と同一の形状を有している。
【0032】
可動部32、第1延在部33、第2延在部34、第1連結部35及び第2連結部36は、Z軸方向から見た場合に、配線基板2の開口2b内に位置している。第1連結部35及び第2連結部36は、第1延在部33及び第2延在部34の変形(変位)に応じてねじれるように弾性変形するトーションバーとして機能する。可動部32は、第1連結部35及び第2連結部36の弾性変形に応じて、X軸方向に沿った軸の周りに揺動される。すなわち、可動部32は、第1連結部35及び第2連結部36を介して、第1延在部33及び第2延在部34に、揺動可能に支持されている。
【0033】
光学機能部5は、可動部32における開口2bとは反対側の面に配置されている。光学機能部5は、例えば、円板状を呈している。光学機能部5は、光学面51が可動部32とは反対側に向くように、可動部32に取り付けられている。光学面51は、X軸方向において、第1延在部33と第2延在部34との中間に位置している。本実施形態では、金属基板3及び光学面51のそれぞれは、Y軸方向に沿って光学面51の中心を通る直線に対して線対称の形状を有している。一例として、光学機能部5は、シリコン等の半導体材料、又はガラスからなり、光学面51は、光学機能部5において可動部32とは反対側の面に形成された反射膜によって構成されている。すなわち、光学面51は、ミラー面(反射面)である。なお、光学機能部5の反射膜は省略可能である。その場合、上記反対側の面自体を光学面51としてもよい。
【0034】
第1接続部37は、第1延在部33に接続されている。第1接続部37は、第1延在部33に対してY軸方向における他方の側に位置している。第1接続部37において、Y軸方向における他方の側の部分は、配線基板2の一部分と対向している。第1接続部37の当該他方の側の部分と配線基板2の当該一部分との間には、第1接着部材4が配置されている。なお、配線基板2の当該一部分には、電極パッド23と同電位となるように電極パッド23と電気的に接続された電極パッド(図示せず)が配置されていてもよい。
【0035】
第2接続部38は、第2延在部34に接続されている。第2接続部38は、第2延在部34に対してY軸方向における他方の側に位置している。第2接続部38において、Y軸方向における他方の側の部分は、配線基板2の一部分と対向している。第2接続部38の当該他方の側の部分と配線基板2の当該一部分との間には、第1接着部材4が配置されている。なお、配線基板2の当該一部分には、電極パッド23と同電位となるように電極パッド23と電気的に接続された電極パッド(図示せず)が配置されていてもよい。本実施形態では、第1接続部37と第2接続部38とは、Y軸方向に沿って光学面51の中心を通る直線に対して線対称の関係にある。
【0036】
第3接続部39は、本体部31に接続されている。第3接続部39は、本体部31に対してY軸方向における一方の側に位置している。第3接続部39において、Y軸方向における一方の側の部分は、配線基板2の一部分(電極パッド23が配置されている部分)と対向している。第3接続部39の当該一方の側の部分と配線基板2の当該一部分との間には、第1接着部材4が配置されている。
【0037】
駆動用圧電素子6は、金属基板3に板波を発生させてアクチュエータ装置1を駆動させるための素子である。駆動用圧電素子6は、本体部31における開口2bとは反対側の載置面31aに配置されている。X軸方向における駆動用圧電素子6の中心は、X軸方向における可動部32の中心(すなわち、X軸方向における光学面51の中心)と一致している。駆動用圧電素子6は、駆動用圧電体(圧電体)61と、第1電極62と、第2電極63(図3参照)と、を含んでいる。
【0038】
駆動用圧電体61は、第1主面61a及び第2主面61b(図3参照)を含んでいる。第1主面61aは、駆動用圧電体61における載置面31aとは反対側の主面である。第1主面61aには、第1電極62が配置されている。第2主面61bは、駆動用圧電体61における載置面31a側の主面である。第2主面61bには、第2電極63が配置されている。第1電極62及び第2電極63のそれぞれは、例えば、Ni/Au層である。Ni/Au層においては、Ni層が第1主面61aに配置され、Au層がNi層上に配置されており、Ni層の厚さがAu層の厚さと比較して大きい。駆動用圧電体61、第1電極62及び第2電極63のそれぞれは、例えば、矩形板状を呈している。駆動用圧電体61は、第1電極62と接合されることにより、第1電極62と電気的に接続されている。駆動用圧電体61は、第2電極63と接合されることにより、第2電極63と電気的に接続されている。第2電極63と本体部31との間には、第2接着部材8が配置されている。第2接着部材8は、駆動用圧電体61と金属基板3とを接着している。第2接着部材8は、導電性を有している。第2接着部材8の材料の例としては、Ag粒子を含有するエポキシ樹脂が挙げられる。
【0039】
検知用圧電素子7は、光学面51の揺動角度を検知するための素子である。検知用圧電素子7は、表面62aに配置されている。表面62aは、第1電極62における駆動用圧電体61とは反対側の主面である。X軸方向における検知用圧電素子7の中心は、X軸方向における駆動用圧電素子6の中心と一致している。検知用圧電素子7は、検知用圧電体(別の圧電体)71と、第3電極72と、第4電極73(図5参照)と、を含んでいる。検知用圧電体71は、第3主面71a及び第4主面71b(図5参照)を含んでいる。第3主面71aは、検知用圧電体71における第1電極62とは反対側の主面である。第3主面71aには、第3電極72が配置されている。第4主面71bは、検知用圧電体71における第1電極62側の主面である。第4主面71bには、第4電極73が配置されている。第3電極72及び第4電極73のそれぞれは、例えば、Ni/Au層である。検知用圧電体71、第3電極72及び第4電極73のそれぞれは、例えば、矩形板状を呈している。検知用圧電体71は、第3電極72と接合されることにより、第3電極72と電気的に接続されている。駆動用圧電体61は、第4電極73と接合されることにより、第4電極73と電気的に接続されている。第4電極73と第1電極62との間には、第2接着部材8が配置されている。第2接着部材8は、検知用圧電体71と駆動用圧電体61とを接着している。
【0040】
ここで、配線基板2、金属基板3、駆動用圧電素子6及び検知用圧電素子7の電気的な接続関係について説明する。図2に示されるように、駆動用圧電素子6の第1電極62は、ワイヤ11を介して、電極パッド21と電気的に接続されている。電極パッド21は、配線基板2の配線を介して、コネクタ24の端子25と電気的に接続されている。つまり、駆動用圧電素子6の第1電極62は、ワイヤ11、電極パッド21、及び配線基板2の配線を介して、コネクタ24と電気的に接続されている。
【0041】
駆動用圧電素子6の第2電極63は、第2電極63と本体部31との間に配置された第2接着部材8を介して、金属基板3と電気的に接続されている。金属基板3の第3接続部39は、第3接続部39と電極パッド23との間に配置された第1接着部材4を介して、電極パッド23と電気的に接続されている。電極パッド23は、配線基板2の配線を介して、コネクタ24の端子25と電気的に接続されている。つまり、駆動用圧電素子6の第2電極63は、第2接着部材8、金属基板3、第1接着部材4、電極パッド23、及び配線基板2の配線を介して、コネクタ24と電気的に接続されている。
【0042】
検知用圧電体71の第3電極72は、ワイヤ12を介して、電極パッド22と電気的に接続されている。電極パッド22は、配線基板2の配線を介して、コネクタ24の端子25と電気的に接続されている。つまり、検知用圧電体71の第3電極72は、ワイヤ12、電極パッド22、及び配線基板2の配線を介して、コネクタ24と電気的に接続されている。
【0043】
検知用圧電素子7の第4電極73は、第4電極73と駆動用圧電素子6の第1電極62との間に配置された第2接着部材8を介して、駆動用圧電素子6の第1電極62と電気的に接続されている。つまり、検知用圧電素子7の第4電極73は、第2接着部材8、駆動用圧電素子6の第1電極62、ワイヤ11、電極パッド21、及び配線基板2の配線を介して、コネクタ24と電気的に接続されている。
【0044】
以上のような電気的な接続関係により、アクチュエータ装置1は、例えば以下のように駆動される。具体的には、駆動用圧電素子6の第1電極62及び検知用圧電素子7の第4電極73が、ワイヤ11、電極パッド21、配線基板2の配線、及びコネクタ24を介して、基準電位(例えば、接地電位)に接続された状態で、アクチュエータ装置1の外部から、コネクタ24、配線基板2の配線、電極パッド23、第1接着部材4、及び金属基板3を介して、駆動用圧電素子6の第2電極63に駆動用の電圧信号が入力される。これにより、駆動用圧電素子6が変形及び/又は振動し、本体部31に周期的な板波が発生させられる。この周期的な板波の発生によって、第1連結部35及び第2連結部36にねじれ振動(ねじれ共振)が誘起され、可動部32及び光学面51が揺動する。すなわち、アクチュエータ装置1では、第1連結部35、第2連結部36、可動部32及び光学面51のねじれ共振系と駆動用圧電素子6とが離れた位置に配置されながら、ラム波共鳴構造が採られることで、高い駆動効率でねじれ共振が発生させられる。その一方で、可動部32及び光学面51の揺動による角度の変化に応じた電圧信号が、検知用圧電体71の第3電極72から、ワイヤ12、電極パッド22、配線基板2の配線、及びコネクタ24を介して、アクチュエータ装置1の外部に出力され、光学面51の揺動角度が検知される。
[圧電ユニットが有する第2接着部材の構成]
【0045】
ここで、アクチュエータ装置1は、圧電ユニット10を備えている。圧電ユニット10は、上述した金属基板3、駆動用圧電素子6、検知用圧電素子7及び第2接着部材8によって構成されている。以下、図3図4及び図5を参照して、圧電ユニット10が有する第2接着部材8の構成について、より詳細に説明する。
【0046】
駆動用圧電素子6の駆動用圧電体61は、側面61cを更に含んでいる。駆動用圧電素子6は、載置面31aの一部が駆動用圧電体61の側面61cの外側に位置するように、載置面31aに配置されている。これにより、載置面31aの一部及び駆動用圧電体61の側面61cによって隅部C1が形成されている。載置面31aの一部は、載置面31aのうち側面61cの外側の部分である。なお、側面61cは、Z軸方向から見た場合における駆動用圧電体61の外縁61dに相当する。
【0047】
第2接着部材8は、第1部分81と、第2部分82と、を含んでいる。第1部分81は、載置面31aと駆動用圧電素子6との間に配置された部分である。第2部分82は、第1部分81から連続し、隅部C1に配置されている。「第2部分82が、第1部分81から連続する」とは、第1部分81と第2部分82とが、界面なく一体的に形成されていることを意味する。第2部分82は、駆動用圧電体61の側面61c及び載置面31aの一部に接触している。本実施形態では、第2部分82の表面は、平坦である。一例として、第2部分82は、Z軸方向から見た場合に、隅部C1の全体に亘って連続している。
【0048】
第2部分82の少なくとも一部は、駆動用圧電体61の側面61cにおける第1電極62側の領域に至っている。「第2部分82の少なくとも一部が、駆動用圧電体61の側面61cにおける第1電極62側の領域に至っている」とは、第2部分82が、Z軸方向における側面61cの第1電極62側半分の領域に接触していることを意味する。また、第2部分82は、第1主面61aの外縁611に至っていない。すなわち、第2部分82のうち最も高い縁部は、外縁611に接触していない。つまり、金属基板3の載置面31aに配置された第2接着部材8は、第1電極62に至っていない。
【0049】
一例として、Z軸方向における第1部分81の高さは、10~100μmである。Z軸方向における第2部分82の高さは、Z軸方向における第1部分81の高さ及び第2電極63の厚さの総和よりも大きく、Z軸方向における第1部分81の高さ、第2電極63の厚さ及び駆動用圧電体61の厚さの総和以下である。一例として、第2部分82の高さは、15μm~300μmである。一例として、X軸方向及びY軸方向における第2部分82の幅は、100~500μmである。「X軸方向及びY軸方向における第2部分82の幅」は、Y軸方向に沿った駆動用圧電素子6及び第2接着部材8の断面において第2部分82が駆動用圧電体61の側面61cからはみ出している幅、及びX軸方向に沿った駆動用圧電素子6及び第2接着部材8の断面において第2部分82が駆動用圧電体61の側面61cからはみ出している幅を含む。一例として、駆動用圧電体61は、矩形板状を呈しており、X軸方向における駆動用圧電体61の幅及びY軸方向における駆動用圧電体61の幅のそれぞれは、例えば2~20mmであって、駆動用圧電体61の厚さは、約200μmである。一例として、駆動用圧電体61は、X軸方向を長手方向とする長方形板状を呈している。一例として、第1電極62の厚さ及び第2電極63の厚さは、それぞれ、1~2μmである。また、一例として、第2接着部材8は、1MPa以上のヤング率を有する。
【0050】
X軸方向における第1電極62の幅は、X軸方向における駆動用圧電体61の幅よりも小さく、Y軸方向における第1電極62の幅は、Y軸方向における駆動用圧電体61の幅よりも小さい。また、Z軸方向から見た場合に、第1電極62の外縁62cは、駆動用圧電体61の外縁61dよりも内側に位置している。「Z軸方向から見た場合に、第1電極62の外縁62cが、駆動用圧電体61の外縁61dよりも内側に位置している」とは、Z軸方向から見た場合に、駆動用圧電体61の外縁61dが、第1電極62の外縁62cを囲んでいることを意味する。すなわち、Z軸方向から見た場合に、外縁62cは、外縁61dから駆動用圧電体61の中心側にオフセットされている。一例として、Z軸方向から見た場合における外縁62cと外縁61dとの距離は、駆動用圧電体61の厚さよりも大きい。外縁62cと外縁61dとの距離は、例えば、約250μmである。本実施形態では、Z軸方向から見た場合における外縁62cと外縁61dとの距離は、X軸方向から見た場合における第2部分82のうち最も高い縁部と第1主面61aの外縁611との距離より大きい。この構成によれば、導電性を有する第2接着部材8が第1電極62に接触することを確実に防止することができる。X軸方向から見た場合における第2部分82のうち最も高い縁部と外縁611との距離は、例えば、約50μmである。
【0051】
検知用圧電素子7の検知用圧電体71は、側面(別の側面)71cを更に含んでいる。検知用圧電素子7は、第1電極62の表面62aの一部が検知用圧電体71の側面71cの外側に位置するように、表面62aに配置されている。これにより、第1電極62の表面62aの一部及び検知用圧電体71の側面71cによって隅部(別の隅部)C2が形成されている。表面62aの一部は、表面62aのうち側面71cの外側の部分である。なお、側面71cは、Z軸方向から見た場合における検知用圧電体71の外縁71dに相当する。
【0052】
第2接着部材8は、第3部分83と、第4部分84と、を更に含んでいる。第3部分83は、第1電極62の表面62aと検知用圧電素子7との間に配置された部分である。第4部分84は、第3部分83から連続し、隅部C2に配置されている。「第4部分84が、第3部分83から連続する」とは、第3部分83と第4部分84とが、界面なく一体的に形成されていることを意味する。第4部分84は、検知用圧電体71の側面71c及び第1電極62の表面62aの一部に接触している。本実施形態では、第4部分84の表面は、平坦である。一例として、第4部分84は、Z軸方向から見た場合に、隅部C2の全体に亘って連続している。
【0053】
第4部分84の少なくとも一部は、検知用圧電体71の側面71cにおける第3電極72側の領域に至っている。「第4部分84の少なくとも一部が、検知用圧電体71の側面71cにおける第3電極72側の領域に至っている」とは、第4部分84が、Z軸方向における側面71cの第3電極72側半分の領域に接触していることを意味する。また、第4部分84は、第3主面71aの外縁711に至っていない。すなわち、第4部分84のうち最も高い縁部は、外縁711に接触していない。つまり、第1電極62の表面62aに配置された第2接着部材8は、第3電極72に至っていない。
【0054】
一例として、Z軸方向における第3部分83の高さは、10~100μmである。Z軸方向における第4部分84の高さは、Z軸方向における第3部分83の高さ及び第4電極73の厚さの総和よりも大きく、Z軸方向における第3部分83の高さ、第4電極73の厚さ及び検知用圧電体71の厚さの総和以下である。一例として、第4部分84の高さは、15μm~300μmである。一例として、X軸方向及びY軸方向における第4部分84の幅は、100~500μmである。「X軸方向及びY軸方向における第4部分84の幅」は、Y軸方向に沿った検知用圧電素子7及び第2接着部材8の断面において第4部分84が検知用圧電体71の側面71cからはみ出している幅、及びX軸方向に沿った検知用圧電素子7及び第2接着部材8の断面において第4部分84が検知用圧電体71の側面71cからはみ出している幅を含む。一例として、検知用圧電体71は、矩形板状を呈しており、X軸方向における検知用圧電体71の幅及びY軸方向における検知用圧電体71の幅のそれぞれは、例えば2~20mmであって、検知用圧電体71の厚さは、約200μmである。一例として、検知用圧電体71は、X軸方向における幅及びY軸方向における幅が略同じである正方形板状を呈している。一例として、第3電極72の厚さ及び第4電極73の厚さは、それぞれ、1~2μmである。
【0055】
X軸方向における第3電極72の幅は、X軸方向における検知用圧電体71の幅よりも小さく、Y軸方向における第3電極72の幅は、Y軸方向における検知用圧電体71の幅よりも小さい。また、Z軸方向から見た場合に、第3電極72の外縁72c(第3電極72の側面72bに対応する外縁)は、検知用圧電体71の外縁71dよりも内側に位置している。「Z軸方向から見た場合に、第3電極72の外縁72cが、検知用圧電体71の外縁71dよりも内側に位置している」とは、Z軸方向から見た場合に、検知用圧電体71の外縁71dが、第3電極72の外縁72cを囲んでいることを意味する。すなわち、Z軸方向から見た場合に、外縁72cは、外縁71dから検知用圧電体71の中心側にオフセットされている。一例として、Z軸方向から見た場合における外縁72cと外縁71dとの距離は、検知用圧電体71の厚さよりも大きい。外縁72cと外縁71dとの距離は、外縁62cと外縁61dとの距離と同様に、例えば、約250μmである。なお、例えば、Z軸方向から見た場合に第3電極72が正方形板状を呈している場合、Z軸方向から見た場合において、外縁72cと外縁71dとの距離は、外縁62cと外縁61dとの距離よりも小さくてもよい。正方形板状を呈している検知用圧電体71(及び第4電極73)からはみ出す第2接着部材8の量及び範囲は、長方形板状を呈している場合と比較してコントロールが容易であるためである。また、検知用圧電体71が正方形板状を呈している場合、検知用圧電体71からはみ出す第2接着部材8の量及び範囲のコントロールが容易であるので、第2接着部材8が、隅部C2の全体に亘って配置されやすくなる。本実施形態では、Z軸方向から見た場合における外縁72cと外縁71dとの距離は、X軸方向から見た場合における第4部分84のうち最も高い縁部と第3主面71aの外縁711との距離より長い。この構成によれば、導電性を有する第2接着部材8が第3電極72に接触することを確実に防止することができる。X軸方向から見た場合における第4部分84のうち最も高い縁部と外縁711との距離は、例えば、約50μmである。
[作用及び効果]
【0056】
圧電ユニット10では、第2接着部材8が、金属基板3の載置面31aと駆動用圧電素子6との間に配置された第1部分81と、載置面31aの一部及び駆動用圧電体61の側面61cによって形成された隅部C1に配置された第2部分82と、を有しており、第2部分82が第1部分81から連続している。これにより、金属基板3に駆動用圧電体61の振動が適切に伝搬することになる。したがって、金属基板3の駆動特性を向上させることができ、且つ金属基板3と駆動用圧電素子6との電気的な接続を確実化することができる。更に、第2接着部材8の第2部分82が第1電極62に至っていないため、駆動用圧電素子6での短絡を防止することができる。よって、圧電ユニット10、及び圧電ユニット10を備えるアクチュエータ装置1によれば、駆動用圧電素子6での短絡を防止しつつ、金属基板3と駆動用圧電素子6との電気的な接続を確実化することができ、所望の駆動特性を得ることができる。
【0057】
更に、圧電ユニット10では、第2接着部材8が、金属基板3の載置面31aと駆動用圧電素子6との間から、駆動用圧電体61の側面61cに至るまで連続的に配置されているため、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度を確保することができる。
【0058】
圧電ユニット10では、Z軸方向から見た場合に、第1電極62の外縁62cが、駆動用圧電体61の外縁61dよりも内側に位置している。これにより、第2接着部材8が、第1主面61aの外縁611に第2接着部材8が至ったとしても第1電極62には至らない構成を実現することができるため、駆動用圧電素子6での短絡を防止することができる。
【0059】
例えば、比較的薄い駆動用圧電体を有する駆動用圧電素子が圧電ユニットに用いられる場合、接着部材が、駆動用圧電体の側面から、第1電極に至り、第1電極と第2電極との間で短絡するおそれがある。したがって、従来の圧電ユニットでは、駆動用圧電素子での短絡のリスクを回避するために、駆動用圧電体の側面に導電性を有する接着部材を接触させる構成は避けられてきた。これに対し、圧電ユニット10では、第1電極62の外縁62cが、駆動用圧電体61の外縁61dから駆動用圧電素子6の中心側にオフセットされているので、例えば、厚さが約200μmであって、比較的薄い駆動用圧電体61を用いても、第1電極62に第2接着部材8が至ることを防止することができる。その結果、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度を確保しつつ、第1電極62と第2電極63との間の短絡を防止することが可能となる。
【0060】
Z軸方向から見た場合における第1電極62の外縁62cと駆動用圧電体61の外縁61dとの距離は、駆動用圧電体61の厚さよりも大きい。これにより、第1主面61aの外縁611と第1電極62との距離を確保することができるため、第2接着部材8が第1電極62に至らない構成を確実に実現することができる結果、駆動用圧電素子6での短絡をより一層防止することができる。
【0061】
第2部分82の少なくとも一部は、駆動用圧電体61の側面61cにおける第1電極62側の領域に至っている。これにより、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度を向上させることができる。
【0062】
第2部分82は、第1主面61aの外縁611に至っていない。これにより、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度を向上させつつ、第2接着部材8が第1電極62に至らない構成を確実に実現することができる。
【0063】
駆動用圧電素子6は、第2主面61bに配置された第2電極63を更に有している。これにより、第2接着部材8の濡れ性が向上するため、金属基板3と駆動用圧電素子6との電気的な接続をより一層確実化することができる。また、仮に、金属基板3と第2電極63との間において第1部分81にクラックが発生したとしても、第2電極63全体への通電を維持することができるので、駆動用圧電素子6において電界分布の乱れを防止することができる。
【0064】
第2接着部材8は、駆動用圧電素子6と検知用圧電素子7とを接着しており、検知用圧電素子7は、第1電極62の表面62aに配置され、表面62aとは反対側の第3主面71a、表面62a側の第4主面71b、及び側面71cを有し、検知用圧電体71と、第3主面71aに配置された第3電極72と、を有し、検知用圧電素子7は、表面62aの一部が検知用圧電体71の側面71cの外側に位置するように、表面62aに配置されており、第2接着部材8は、表面62aと検知用圧電素子7との間に配置された第3部分83と、第3部分83から連続し、表面62aの一部及び検知用圧電体71の側面71cによって形成された隅部C2に配置された第4部分84と、を更に有し、第4部分は、第3電極72に至っていない。これにより、駆動用圧電素子6と検知用圧電素子7とを積層する場合において、駆動用圧電素子6と検知用圧電素子7との接着強度を確保することができる。
[変形例]
【0065】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、第2接着部材8の第2部分82は、第1主面61aの外縁611に接触していてもよい。図6に示される例では、第2部分82が、第1主面61aの外縁611に接触し、第2部分82の表面が平坦となるように形成されている。本変形例によれば、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度をより確実に確保することができる。また、第2部分82は、駆動用圧電体61の側面61cにおける第1電極62側の領域に至っていなくてもよい。その場合、第2部分82のうち最も高い縁部が、側面61cにおける第2電極63側の領域に接触していてもよい。
【0066】
また、例えば、圧電ユニット10は、保護部材を更に備えていてもよい。図7に示される例では、保護部材9が、隅部C1において、第2部分82を覆っている。「保護部材9が接着部材を覆う」とは、保護部材9が、第2部分82の少なくとも一部に接触していることを意味する。保護部材9は、第1電極62の側面62bを更に覆っている。「保護部材9が第1電極62の側面62bを覆う」とは、保護部材9が、第1電極62の側面62bの少なくとも一部に接触していることを意味する。保護部材9は、例えば、非導電性を有する樹脂である。本変形例の構成によれば、第2接着部材8の劣化を防止することができる。この効果は、第2接着部材8の材料に、Ag粒子等の硫黄系ガス等により劣化しやすいフィラーが含まれている場合に特に有効である。更に、本変形例では、保護部材9が、第1電極62の側面62bを更に覆っているので、第1電極62の劣化を防止することができる。特に、Ni/Ai層である第1電極62においては、Ni層の厚さがAu層の厚さと比較して大きい。したがって、側面62bにおいては、Ni層が露出しやすくなっている。本変形例の構成によれば、側面62bにおいて硫黄系ガス等により劣化しやすいNi層が、保護部材9に覆われているため、第1電極62の劣化を防ぐことができる。なお、第1電極62において駆動用圧電体61とは反対側の面においては、比較的安定性が高いAu層が露出しているため、保護部材9を設けなくてもよい。また、本変形例の構成は、上記に限られない。例えば、保護部材9は、第2部分82の一部を覆っていてもよい。また、保護部材9は、例えば、第1電極62の側面62bを覆っていなくてもよい。
【0067】
第2接着部材8の第1部分81及び第2部分82の形状は特に限定されない。第1部分81は、例えば、載置面31aと駆動用圧電素子6との間の全体に形成されていなくてもよく、第1部分81の少なくとも一部が第2部分82と連続していればよい。第2部分82は、例えば、図8及び図9に示される例のように、第2部分82の表面が盛り上がるように形成されていてもよい。図8に示される例では、第2部分82は、第1主面61aの外縁611に至っていない。図9に示される例では、第2部分82は、第1主面61aの外縁611に至っている。図8及び図9に示される例によれば、第2接着部材8の量が増加するため、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度をより確保することができる。また、第2部分82は、例えば、図10及び図11に示される例のように、第2部分82の表面が窪むように形成されていてもよい。図10に示される例では、第2部分82は、第1主面61aの外縁611に至っていない。図11に示される例では、第2部分82は、第1主面61aの外縁611に至っている。図10及び図11に示される例によれば、第2接着部材8の量が減少するため、第2接着部材8の質量が金属基板3全体の質量に与える影響が減少する。したがって、圧電ユニット10がアクチュエータ装置1に適用される場合には、第2接着部材8の量が与える駆動特性への影響を最小限にすることができ、アクチュエータ装置1の安定した駆動を実現することができる。
【0068】
また、第2部分82は、Z軸方向から見た場合に、隅部C1の全体に亘って連続せずに、隅部C1において断続的に形成されていてもよい。これにより、第2接着部材8の量を減少させて駆動特性に与える影響を最小限にしつつ、隅部C1に沿って複数の箇所に第2接着部材8が形成されることで、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度を確実に確保することができる。なお、第2部分82は、Z軸方向から見た場合において、駆動用圧電素子6の外縁61dに沿って形成された隅部C1のうち、長手方向であるX軸方向に沿った辺部(すなわち、駆動用圧電素子6の長辺に対応する辺部)に少なくとも形成されているのが好ましい。これにより、駆動用圧電素子6の長辺に対応して第2部分82が形成されるため、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度を向上させ、駆動用圧電素子6で発生した歪みを効率良く金属基板3に伝搬することができ、金属基板3と検知用圧電素子7とを第2接着部材8が接着している場合(後述する図12及び図13参照)には、光学機能部5の光学面51の揺動角度を精度良く検知することができる。また、第2部分82は、Z軸方向から見た場合において、駆動用圧電素子6の外縁61dに沿って形成された隅部C1のうち、各辺部(すなわち、駆動用圧電素子6の各長辺及び各短辺に対応する辺部)に形成されていてもよい。
【0069】
また、隅部C1の全体に亘って連続的に又は隅部C1において断続的に形成された第2部分82の高さは、場所によって異なっていてもよい。すなわち、第2部分82の高さは、不均一になっていてもよい。また、隅部C1の全体に亘って連続的に或いは隅部C1において断続的に形成された第2部分82の表面の形状(盛り上がり方、窪み方等)は、場所によって異なっていてもよい。すなわち、第2部分82の表面の形状は、不均一になっていてもよい。つまり、第2部分82の高さ及び表面の形状(図8図11参照)は、隅部C1において形成された場所によって異なっていてもよい。これにより、隅部C1において形成された第2部分82のうち、高さが高い箇所であるほど、また表面が盛り上がった箇所であるほど、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度をより確保することができる。更に、隅部C1において形成された第2のうち、高さが低い箇所であるほど、また表面が窪んだ箇所であるほど、アクチュエータ装置1の安定した駆動を実現することができる。また、隅部C1において形成された第2部分82のうち、高さが高く且つ表面が窪んだ箇所、及び高さが低く且つ表面が盛り上がった箇所においては、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度の確保及びアクチュエータ装置1の安定した駆動をバランス良く実現することができる。また、第2部分82の高さ及び表面の形状の少なくとも一方を不均一にすることで、第2部分82において、高さが高い箇所、表面が盛り上がった箇所、及び/又は高さが高く且つ表面が盛り上がった箇所を、駆動用圧電素子6の外縁61dに沿って不連続に形成することができるので、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度を確実に確保することができる。
【0070】
また、隅部C1の全体に亘って連続的に或いは隅部C1において断続的に形成された第2部分82は、隅部C1に沿って(すなわち、X軸方向及びY軸方向に沿って)、立体的(3次元的)に盛り上がっていてもよく、立体的に窪んでいてもよい。また、第2部分82において、立体的に盛り上がった箇所と立体的に窪んだ箇所とが交互に形成されていていてもよい。これにより、第2接着部材8の表面の立体的な複数の盛り上がりが連続して形成されるため、金属基板3と駆動用圧電素子6との接着強度を確実に確保することができ、アクチュエータ装置1の安定した駆動を実現することができる。
【0071】
Z軸方向から見た場合における第1電極62の外縁62cと駆動用圧電体61の外縁61dとの距離は、駆動用圧電体61の厚さ以下であってもよい。一例として、駆動用圧電体61の厚さは、約200μmであって、Z軸方向から見た場合における外縁62cと外縁61dとの距離は、約100μmである。これにより、第1主面61aの外縁611と第1電極62との距離の確保と、第1電極62の大きさの確保とを、バランス良く実現することができる結果、駆動用圧電素子6での短絡の防止及び駆動用圧電体61の駆動効率の向上の両方を実現することができる。また、Z軸方向から見た場合に、第1電極62の外縁62cは、駆動用圧電体61の外縁61dと重なるように位置していてもよい。
【0072】
駆動用圧電素子6は、第2電極63を有していなくてもよい。その場合、駆動用圧電体61と金属基板3の本体部31とが、第2接着部材8によって接着されていてもよい。
【0073】
配線基板2は、上記実施形態の形状に限定されず、例えば、開口に代えて、中央部分が載置面2aに対して金属基板3とは反対側に凹んだ凹部を有していてもよい。また、例えば、配線基板2は、開口に代えて、複数の柱部を有していてもよい。また、上記実施形態では、金属基板3を支持する配線基板2が例示されていたが、金属基板3は、例えば、複数の部材から構成される支持体に支持されていてもよい。
【0074】
駆動用圧電素子6と検知用圧電素子7とは、互いに逆の位置関係及び構成であってもよい。図12及び図13に示される例では、検知用圧電素子(圧電素子)7が、本体部31の載置面31aに固定されており、駆動用圧電素子(別の圧電素子)6が、検知用圧電素子7上に固定されている。検知用圧電素子7は、検知用圧電体(圧電体)71と、第3電極(第1電極)72と、第4電極(第2電極)73と、を含んでいる。検知用圧電体71は、第3主面(第1主面)71a、第4主面(第2主面)71b及び側面71cを含んでいる。駆動用圧電素子6は、駆動用圧電体(別の圧電体)61と、第1電極(第3電極)62と、第2電極63と、を含んでいる。駆動用圧電体61は、第1主面(第3主面)61a、第2主面(第4主面)61b及び側面(別の側面)61cを含んでいる。
【0075】
検知用圧電素子7は、載置面31aの一部が検知用圧電体71の側面71cの外側に位置するように、載置面31aに配置されている。これにより、載置面31aの一部及び検知用圧電体71の側面71cによって隅部C1が形成されている。載置面31aの一部は、載置面31aのうち側面71cの外側の部分である。第2接着部材8の第1部分81は、載置面31aと検知用圧電素子7との間に配置され、第2部分82は、第1部分81から連続し、隅部C1に配置されている。第2部分82は、検知用圧電体71の側面71c及び載置面31aの一部に接触している。第2部分82の少なくとも一部は、検知用圧電体71の側面71cにおける第3電極72側の領域に至っている。また、第2部分82は、第3主面71aの外縁711に至っていない。
【0076】
駆動用圧電素子6は、第3電極72の表面72aの一部が駆動用圧電体61の側面61cの外側に位置するように、表面72aに配置されている。表面72aは、第3電極72における検知用圧電体71とは反対側の主面である。これにより、第3電極72の表面72aの一部及び駆動用圧電体61の側面61cによって隅部(別の隅部)C2が形成されている。表面72aの一部は、表面72aのうち側面61cの外側の部分である。第2接着部材8の第3部分83は、第3電極72の表面72aと駆動用圧電素子6との間に配置された部分であって、第4部分84は、第3部分83から連続し、隅部C2に配置されている。第4部分84は、駆動用圧電体61の側面61c及び第3電極72の表面72aの一部に接触している。第4部分84の少なくとも一部は、駆動用圧電体61の側面61cにおける第1電極62側の領域に至っている。また、第4部分84は、第1主面61aの外縁611に至っていない。
【0077】
本変形例では、第2接着部材8が、金属基板3の載置面31aと検知用圧電素子7との間に配置された第1部分81と、載置面31aの一部及び検知用圧電体71の側面71cによって形成された隅部C1に配置された第2部分82と、を有しており、第2部分82が第1部分81から連続している。これにより、光学機能部5の光学面51の揺動角度が精度良く検知され、且つ金属基板3と検知用圧電素子7との電気的な接続を確実化することができる。更に、第2接着部材8の第2部分82が第3電極72に至っていないため、検知用圧電素子7での短絡を防止することができる。よって、本変形例によっても、検知用圧電素子7での短絡を防止しつつ、金属基板3と検知用圧電素子7との電気的な接続を確実化することができ、所望の駆動特性を得ることができる。
【0078】
上記実施形態では、光学機能部5が、ミラー面である光学面51を有していたが、光学機能部5は、例えば、反射型回折格子、透過型回折格子、光学フィルタ等であってもよい。また、アクチュエータ装置1は、圧電ユニット10及び配線基板2を備えていればよく、例えば、コネクタ24、ワイヤ11及びワイヤ12が取り付けられていなくてもよい。また、圧電ユニット10は、金属基板3、圧電素子及び第2接着部材8を有していればよい。圧電素子は、駆動用圧電素子6であってもよく、その場合、圧電ユニット10は、検知用圧電素子7を備えていなくてもよい。また、圧電素子は、検知用圧電素子7であってもよく、その場合、圧電ユニット10は、駆動用圧電素子6を備えていなくてもよい。また、圧電ユニット10は、検知用圧電素子7に代えて、駆動用圧電素子6の第1電極62上に、駆動用圧電素子6とは別の駆動用圧電素子を備えていてもよい。また、金属基板3は、可動部32と、本体部31と、可動部32と本体部31とを連結する連結部と、を有していればよい。例えば、金属基板3は、第1接続部37、第2接続部38及び第3接続部39を有しておらず、金属基板3の本体部31の一部分が、配線基板2の一部分と対向しており、本体部31の一部分と配線基板2の一部分とが第1接着部材4によって接着されていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…アクチュエータ装置、2…配線基板(支持体)、31a…載置面、3…金属基板、6…駆動用圧電素子(圧電素子、別の圧電素子)、7…検知用圧電素子(圧電素子、別の圧電素子)、8…第2接着部材(接着部材)、9…保護部材、10…圧電ユニット、32…可動部、35…第1連結部(連結部)、36…第2連結部(連結部)、61…駆動用圧電体(圧電体、別の圧電体)、61a…第1主面(第3主面)、61b…第2主面(第4主面)、61c,71c…側面(別の側面)、62b,72b…側面、61d,62c,611,71d,72c,711…外縁、62…第1電極(第3電極)、62a,72a…表面、63…第2電極、71…検知用圧電体(圧電体、別の圧電体)、71a…第3主面(第1主面)、71b…第4主面(第2主面)、72…第3電極(第1電極)、73…第4電極(第2電極)、81…第1部分、82…第2部分、83…第3部分、84…第4部分、C1…隅部、C2…隅部(別の隅部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13