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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176074
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/74 20180101AFI20221117BHJP
   F24F 1/0025 20190101ALI20221117BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20221117BHJP
   F24F 1/0057 20190101ALI20221117BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F1/0025
F24F11/79
F24F1/0057
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031871
(22)【出願日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2021082059
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山下 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中井 聡
【テーマコード(参考)】
3L049
3L260
【Fターム(参考)】
3L049BD02
3L260AB02
3L260BA07
3L260BA08
3L260CB23
3L260CB61
3L260CB65
3L260DA01
3L260EA07
3L260FA07
3L260FA08
3L260FC16
(57)【要約】
【課題】低負荷運転時でも、吹出口から吹き出される気流の到達距離を確保できる室内機を提案する。
【解決手段】室内機3は、室内ファン32と、ケーシング39と、フラップ35と、室内制御部62とを備える。室内ファン32は、円筒状のクロスフローファンである。ケーシング39は、室内ファン32を収容し、室内ファン32が生成する気流を吹き出す吹出口39bが形成されている。フラップ35は、吹出口39bを開閉する。室内制御部62は、フラップ35の姿勢を制御する。室内制御部62は、空調運転の負荷が低い低負荷空調運転時に室内ファン32が生成する風量Vfまたは室内ファン32の回転数Rmが所定値以下になると、フラップ35と吹出口39bとが形成する通風路40を絞るようにフラップ35の姿勢を制御する、第1制御を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調運転を行う空調装置(1)の室内機(3)であって、
円筒状のクロスフローファン(32)と、
前記クロスフローファンを収容し、前記クロスフローファンが生成する気流を吹き出す吹出口(39b)が形成された、ケーシング(39)と、
前記吹出口を開閉する、フラップ(35)と、
前記フラップの姿勢を制御する、制御部(62)と、
を備え、
前記制御部は、
前記空調運転の負荷が低い低負荷空調運転時に前記クロスフローファンが生成する気流の風量(Vf)または前記クロスフローファンの回転数(Rm)が所定値(Vth1、Rth1)以下になると、前記フラップと前記吹出口とが形成する通風路(40)を絞るように前記フラップの姿勢を制御する、第1制御を実行する、
室内機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1制御において、前記風量または前記回転数が小さいほど前記通風路の絞り量が増加するように前記フラップの姿勢を制御する、
請求項1に記載の室内機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1制御において、段階的に前記通風路の絞り量が増加するように前記フラップの姿勢を制御する、
請求項2に記載の室内機。
【請求項4】
前記クロスフローファンの外周直径(D)は、
115mm以上である、
請求項1から3のいずれかに記載の室内機。
【請求項5】
壁掛け型であって、
前記クロスフローファンは、
長手方向が水平方向に沿う姿勢で前記ケーシングに収容され、
前記吹出口は、
鉛直方向において、前記クロスフローファンの下方に形成され、
前記制御部は、
暖房運転中の前記第1制御において、
前記吹出口から吹き出される気流が、前記鉛直方向において前記吹出口の下方へ向かうように前記フラップの姿勢を制御する、
請求項1から4のいずれかに記載の室内機。
【請求項6】
壁掛け型であって、
前記クロスフローファンは、
長手方向が水平方向に沿う姿勢で前記ケーシングに収容され、
前記吹出口は、
鉛直方向において、前記クロスフローファンの下方に形成され、
前記制御部は、
冷房運転中の前記第1制御において、
前記吹出口から吹き出される気流が、前記フラップから離れるにしたがって前記鉛直方向上方へ向かうように前記フラップの姿勢を制御する、
請求項1から5のいずれかに記載の室内機。
【請求項7】
前記クロスフローファンの外周直径は、
115mm以上150mm以下であって、
前記第1制御が実行されるときに前記吹出口から吹き出される気流の風速は、
毎秒2.8m以上5m以下である、
請求項1から6のいずれかに記載の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2002-195595号公報)は、円筒状のクロスフローファンと、クロスフローファンを収容し、クロスフローファンが生成する気流を吹き出す吹出口が形成されたケーシングとを備える、空調装置の室内機を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
空調装置の分野では、送風性能の向上を目的としてクロスフローファンの大径化が図られているが、クロスフローファンが大型化すると生成された気流を吹き出すためにケーシングに形成された吹出口も大きくなる。このため、低負荷運転時に低回転数でクロスフローファンを回転させると、吹出口から吹き出す気流の風速を確保できず、生成された気流を空調装置から離れた位置まで到達させることが困難になるという問題がある。
【0004】
本開示は、低負荷運転時でも、吹出口から吹き出される気流の到達距離を確保できる室内機を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の室内機は、空調装置の室内機である。室内機は、クロスフローファンと、ケーシングと、フラップと、制御部とを備える。クロスフローファンは、円筒状のファンである。ケーシングは、クロスフローファンを収容し、クロスフローファンが生成する気流を吹き出す吹出口が形成されている。フラップは、吹出口を開閉する。制御部は、フラップの姿勢を制御する。制御部は、空調運転の負荷が低い低負荷空調運転時にクロスフローファンが生成する気流の風量またはクロスフローファンの回転数が所定値以下になると、フラップと吹出口とが形成する通風路を絞るようにフラップの姿勢を制御する、第1制御を実行する。
【0006】
本室内機によれば、低負荷運転時に低回転数でクロスフローファンを回転させた場合であっても、吹出口から吹き出される気流の到達距離を確保できる。
【0007】
第2観点の室内機は、第1観点の室内機であって、制御部が、第1制御において、風量または回転数が小さいほど通風路の絞り量が増加するようにフラップの姿勢を制御する。
【0008】
本室内機によれば、低負荷運転時にクロスフローファンの回転数がさらに低下した場合であっても、吹出口から吹き出される気流の到達距離を確保できる。
【0009】
第3観点の室内機は、第2観点の室内機であって、制御部が、第1制御において、段階的に通風路の絞り量が増加するようにフラップの姿勢を制御する。
【0010】
本室内機によれば、容易にフラップの姿勢を制御できる。
【0011】
第4観点の室内機は、第1観点から第3観点のいずれかの室内機であって、クロスフローファンの外周直径が、115mm以上である。
【0012】
本室内機によれば、外周直径が115mm以上と大径なクロスフローファンであっても、低負荷運転時において吹出口から吹き出される気流の到達距離を確保できる。
【0013】
第5観点の室内機は、第1観点から第4観点のいずれかの室内機であって、壁掛け型である。クロスフローファンは、長手方向が水平方向に沿う姿勢でケーシングに収容される。吹出口は、鉛直方向において、クロスフローファンの下方に形成される。制御部は、暖房運転中の第1制御において、吹出口から吹き出される気流が、鉛直方向において吹出口の下方へ向かうようにフラップの姿勢を制御する。
【0014】
本室内機によれば、暖房運転中に吹出口から吹き出される気流が、直接当たることにより人が寒さ(ドラフト感)を感じる現象が抑制される。
【0015】
第6観点の室内機は、第1観点から第5観点のいずれかの室内機であって、壁掛け型である。クロスフローファンは、長手方向が水平方向に沿う姿勢でケーシングに収容される。吹出口は、鉛直方向において、クロスフローファンの下方に形成される。制御部は、冷房運転中の第1制御において、吹出口から吹き出される気流が、フラップから離れるにしたがって鉛直方向上方へ向かうようにフラップの姿勢を制御する。
【0016】
本室内機によれば、冷房運転中に吹出口から吹き出される気流がケーシングに直接当たることでケーシングの表面に結露が発生する現象(露付き)が抑制される。
【0017】
第7観点の室内機は、第1観点から第6観点のいずれかの室内機であって、クロスフローファンの外周直径は、115mm以上150mm以下である。第1制御が実行されるときに吹出口から吹き出される気流の風速は、毎秒2.8m以上5m以下である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】空調装置1の概略構成図である。
図2】空調装置1の冷媒回路10を示す図である。
図3】室内機3の断面図である。
図4】室内制御部62の制御ブロック図である。
図5】室外制御部61の制御ブロック図である。
図6】第1制御の制御フローを示すフローチャートである。
図7】第1制御中におけるフラップ35の姿勢を説明するための室内機3の断面図である。
図8】変形例Aに係る室内制御部62が、冷房運転中の第1制御においてフラップ35の姿勢を変える様子を示した室内機3の断面図である。
図9】変形例Bに係る室内制御部62が、暖房運転中の第1制御においてフラップ35の姿勢を変える様子を示した室内機3の断面図である。
図10】変形例Cに係る空調装置1で室内制御部62が実行する第1制御の制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(1)全体構成
空調装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを利用して、対象空間SPにおける冷房運転、及び暖房運転を含む空調運転)を実現する装置である。
【0020】
図1は、空調装置1の概略構成図である。空調装置1は、図1に示すように、主として、室外機2と、室内機3と、液冷媒連絡管41と、ガス冷媒連絡管42とを有する。本実施形態では、空調装置1は、室内機3を1台だけ有するが、空調装置1は、互いに並列に接続される複数の室内機3を有してもよい。液冷媒連絡管41及びガス冷媒連絡管42は、いずれも室外機2と室内機3とを接続する配管である。図2は、空調装置1の冷媒回路10を示す図である。冷媒回路10は、室外機2と室内機3とが、液冷媒連絡管41及びガス冷媒連絡管42を介して接続されることで構成される。冷媒回路10は、主として、室外機2の圧縮機21、流向切換機構22、室外熱交換器23、及び膨張弁24と、室内機3の室内熱交換器31と、を含む。
【0021】
なお、以下の説明で用いる、上、下、前、後、左、右の各方向は、各図に矢印で示す方向である。
【0022】
(2)詳細構成
(2-1)室内機
室内機3は、対象空間SP内に設置されている。室内機3は、対象空間SPの壁に掛けて設置される壁掛け型のユニットである。
【0023】
図3は、室内機3の断面図である。室内機3は、主として、室内熱交換器31と、室内ファン32と、液冷媒管33と、ガス冷媒管34と、フラップ35と、ケーシング39と、室内制御部62と、各種センサ(図示省略)とを備える。
【0024】
(2-1-1)ケーシング
ケーシング39は、室内ファン32をはじめとした室内機3の各機器を収容する。ケーシング39は、左右方向に長い略直方体形状である。ケーシング39は、上部に対象空間SPの空気を吸入するための吸込口39aが形成されている。ケーシング39は、下部に室内ファン32が生成する気流を吹き出すための吹出口39bが形成されている。吸込口39a及び吹出口39bは、どちらも左右方向に伸びる2つの辺及び前後方向に伸びる2つの辺により形成される略矩形状の孔である。
【0025】
(2-1-2)室内熱交換器
室内熱交換器31は、室内熱交換器31を流れる冷媒と、吸込口39aから吸い込まれた対象空間SPの空気との間で熱交換を行わせる。室内熱交換器31は、複数の伝熱フィン31aと、複数の伝熱管31bとを有するクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内熱交換器31は、液側端に液冷媒管33が接続され、ガス側端にガス冷媒管34が接続されている。
【0026】
(2-1-3)室内ファン
室内ファン32は、対象空間SPの空気を室内機3内に吸入し熱交換を行わせた後、再び対象空間SPに吹き出すためのファンである。室内ファン32は、ファンモータ32mにより駆動される、円筒状のクロスフローファンである。
【0027】
室内ファン32は、長手方向が水平方向(図1の左右方向)に沿う姿勢でケーシング39に収容されている。ケーシング39の吹出口39bは、鉛直方向(図1図3の上下方向)において、室内ファン32の下方に形成されている。室内ファンモータ32mは、回転数可変のインバータモータである。室内ファンモータ32mの回転数は、室内制御部62により制御される。室内ファン32は、送風性能を確保するために、外周径(図3のD)が115mm以上であることが好ましい。
【0028】
(2-1-4)フラップ
フラップ35は、吹出口39bの開放・閉塞、及び吹出口39bから吹き出される気流の方向を調整する板状部材である。フラップ35は、第1フラップ35a1と、第2フラップ35a2とを有する。
【0029】
第1フラップ35a1は、吹出口39bの開放・閉塞と、吹出口39bから吹き出される気流の方向を調整する。第1フラップ35a1は、吹出口39bと略同じ矩形状の板状部材である。第1フラップ35a1は、吹出口39bの後側の辺の近傍に設けられた回転軸O1を軸として回転可能に取り付けられる。第1フラップ35a1は、回転軸O1を中心に回転することにより、主面によって吹出口39bを閉塞した状態と、主面が回転軸O1の略下方に向かって垂れ下がった状態との間で姿勢が変化する。第1フラップ35a1の姿勢は、室内制御部62が第1フラップモータ35a1m(図示省略)を介して制御する。
【0030】
第2フラップ35a2は、コアンダ効果によって吹出口39bから吹き出される気流の方向を調整する。第2フラップ35a2は、左右方向における長さが、吹出口39bの左右方向における長さと略同じで、所定の幅を有する矩形の板状部材である。第2フラップ35a2は、吹出口39bの前側の辺の近傍に設けられた回転軸O2を軸として回転可能に取り付けられる。第2フラップ35a2は、回転軸O2を中心に回転することにより、主面が回転軸O2の略下方に向かって垂れ下がった状態と、回転軸O2から前方に向かうにつれて主面が所定の角度で上方に向かう状態との間で姿勢が変化する。第2フラップ35a2の姿勢は、室内制御部62が第2フラップモータ35a2m(図示省略)を介して制御する。
【0031】
以下では、フラップ35と吹出口39bとが形成する領域、より詳細には、第1フラップ35a1と第2フラップ35a2とにより挟まれ吹出口39bから吹き出された気流が通過する領域のことを、便宜上、通風路40とよぶ。
【0032】
(2-1-5)液冷媒管及びガス冷媒管
液冷媒管33は、一端に室内熱交換器31が接続され、他端に液冷媒連絡管41が接続された配管である。
【0033】
ガス冷媒管34は、一端に室内熱交換器31が接続され、他端にガス冷媒連絡管42が接続された配管である。
【0034】
(2-1-6)室内制御部
室内制御部62は、室内ファンモータ32mの回転数、及びフラップ35の姿勢を制御する。
【0035】
図4は、室内制御部62の制御ブロック図である。室内制御部62は、室内ファンモータ32m、第1フラップモータ35a1m、第2フラップモータ35a2m、及び各種センサ(図示省略)と制御信号を送受信可能に接続されている。
【0036】
室内制御部62は、空調装置1の操作用リモコン(図示省略)から送信される各種信号を、受信可能に構成されている。各種信号には、例えば、空調運転の開始及び停止を指示する信号や、各種設定に関する信号が含まれる。各種設定に関する信号には、例えば、設定温度や設定湿度に関する信号が含まれる。
【0037】
室内制御部62は、通信回線を介し、後述する室外機2の室外制御部61との間で各種信号等のやりとりを行う。室内制御部62及び室外制御部61は、協働して空調運転を実行する。室内制御部62は、第1制御を実行する。第1制御は、低負荷運転時でも、吹出口39bから吹き出される気流の到達距離を確保できる運転である。冷房運転、暖房運転、及び第1制御の詳細については、後述する。以下の説明では、室内制御部62と室外制御部61とが協働して機能している状態を説明する際には、制御部60とよぶ。
【0038】
室内制御部62は、制御演算装置及び記憶装置(いずれも図示省略)を有する。制御演算装置は、CPUやGPU等のプロセッサである。記憶装置は、RAM、ROM及びフラッシュメモリ等の記憶媒体である。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに従って所定の演算処理を行うことで、室内機3を構成する各機器の動作を制御する。また、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0039】
(2-2)室外機
室外機2は、限定するものではないが、例えば、対象空間SPの外部に設置されている。
【0040】
室外機2は、主として、圧縮機21と、流向切換機構22と、室外熱交換器23と、膨張弁24と、アキュムレータ25と、室外ファン26と、液閉鎖弁27と、ガス閉鎖弁28と、吸入管10aと、吐出管10bと、第1ガス冷媒管10cと、液冷媒管10dと、第2ガス冷媒管10eと、室外制御部61と、各種センサ(図示省略)とを有する。吸入管10aは、流向切換機構22と圧縮機21の吸入端とを接続する。吐出管10bは、圧縮機21の吐出端と流向切換機構22とを接続する。第1ガス冷媒管10cは、流向切換機構22と室外熱交換器23のガス側端とを接続する。液冷媒管10dは、室外熱交換器23の液側端と液冷媒連絡管41とを接続する。液冷媒管10dの液冷媒連絡管41との接続部には、液閉鎖弁27が設けられている。液冷媒管10dには、膨張弁24が設けられている。第2ガス冷媒管10eは、流向切換機構22とガス冷媒連絡管42とを接続する。第2ガス冷媒管10eのガス冷媒連絡管42との接続部には、ガス閉鎖弁28が設けられている。液閉鎖弁27及びガス閉鎖弁28は、手動で開閉される弁である。
【0041】
(2-2-1)圧縮機
圧縮機21は、圧縮機構21aにより冷媒を圧縮して吐出する機器である。圧縮機21は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を、冷凍サイクルにおける高圧にまで加圧する。圧縮機21は、タイプを限定するものではないが、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積圧縮機である。圧縮機21の圧縮機構21aは、圧縮機モータ21mによって駆動される。圧縮機モータ21mは、回転数可変のインバータモータである。圧縮機モータ21mの回転数は、室外制御部61により制御される。
【0042】
(2-2-2)流向切換機構
流向切換機構22は、冷媒回路10における冷媒の流向を切り換える機構である。本実施形態では、流向切換機構22は四路切換弁である。
【0043】
流向切換機構22は、室外制御部61によって第1状態と、第2状態との間で切換えらえる。流向切換機構22は、第1状態で、図2において実線で示されるように、吸入管10aを第2ガス冷媒管10eと連通させ、吐出管10bを第1ガス冷媒管10cと連通させる。流向切換機構22は、第2状態で、図2において破線で示されるように、吸入管10aを第1ガス冷媒管10cと連通させ、吐出管10bを第2ガス冷媒管10eと連通させる。
【0044】
(2-2-3)室外熱交換器
室外熱交換器23は、室外熱交換器23を流れる冷媒と、熱源空気である対象空間SPの外部の空気との間で熱交換が行わせる。室外熱交換器23は、構造を限定するものではないが、例えば、伝熱管(図示省略)と多数のフィン(図示省略)とにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。
【0045】
(2-2-4)膨張弁
膨張弁24は、冷媒の流量を調節する開度調節が可能な膨張弁である。膨張弁24は、液冷媒管10dに設けられている。膨張弁24は、室外制御部61によって開度が制御される。
【0046】
(2-2-5)アキュムレータ
アキュムレータ25は、流入する冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する。アキュムレータ25は、吸入管10aに設けられる。アキュムレータ25に流入する冷媒は、ガス冷媒と液冷媒とに分けられ、ガス冷媒が圧縮機21へと流入する。
【0047】
(2-2-6)室外ファン
室外ファン26は、熱源空気を室外機2内に吸入し熱交換を行わせた後、再び室外機2の外部に吹き出すためのファンである。室外ファン26は、限定するものではないが、室外ファンモータ26mによって駆動されるプロペラファン等の軸流ファンである。室外ファンモータ26mは、回転数可変のインバータモータである。室外ファンモータ26mの回転数は、室外制御部61により制御される。
【0048】
(2-2-7)室外制御部
室外制御部61は、圧縮機モータ21mの回転数、流向切換機構22の状態、膨張弁24の開度、及び室外ファンモータ26mの回転数を制御する。
【0049】
図5は、室外制御部61の制御ブロック図である。室外制御部61は、圧縮機モータ21m、流向切換機構22、膨張弁24、及び室外ファンモータ26mと制御信号を送受信可能に接続されている。
【0050】
室外制御部61は、制御演算装置及び記憶装置(いずれも図示省略)を有する。制御演算装置は、CPUやGPU等のプロセッサである。記憶装置は、RAM、ROM及びフラッシュメモリ等の記憶媒体である。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに従って所定の演算処理を行うことで、室外機2を構成する各機器の動作を制御する。また、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0051】
(3)空調装置の動作
制御部60が実行する冷房運転及び暖房運転、及び室内制御部62が実行する第1制御について説明をする。
【0052】
(3-1)冷房運転
室内制御部62が操作用リモコンから送信される冷房運転の開始を指示する信号を受信すると、制御部60は、空調装置1の各機器の制御を開始する。具体的には、室内制御部62は、室内ファンモータ32mを駆動する。室外制御部61は、流向切換機構22を第1状態に切換え、圧縮機モータ21m及び室外ファンモータ26mを駆動し、膨張弁24の開度を調整する。
【0053】
これにより、圧縮機21から吐出される冷媒は、冷媒回路10内を、室外熱交換器23、膨張弁24、室内熱交換器31の順に流れ、圧縮機21の吸入端へと戻る。この結果、室外熱交換器23は、凝縮器として機能し、室内熱交換器31は蒸発器として機能する。
【0054】
冷房運転の間、制御部60は、各種センサの計測値や操作用リモコンから送信される等に基づき、圧縮機モータ21m、室外ファンモータ26m、及び室内ファンモータ32mの回転数、膨張弁24の開度、ならびにフラップ35の姿勢を制御する。
【0055】
(3-2)暖房運転
室内制御部62が操作用リモコンから送信される暖房運転の開始を指示する信号を受信すると、制御部60は、空調装置1の各機器の制御を開始する。具体的には、室内制御部62は、室内ファンモータ32mを駆動する。室外制御部61は、流向切換機構22を第2状態に切換え、圧縮機モータ21m及び室外ファンモータ26mを駆動し、膨張弁24の開度を調整する。
【0056】
これにより、圧縮機21から吐出される冷媒は、冷媒回路10内を、室内熱交換器31、膨張弁24、室外熱交換器23、の順に流れ、圧縮機21の吸入端へと戻る。この結果、室内熱交換器31は、凝縮器として機能し、室外熱交換器23は蒸発器として機能する。
【0057】
暖房運転の間、制御部60は、各種センサの計測値や操作用リモコンから送信される等に基づき、圧縮機モータ21m、室外ファンモータ26m、及び室内ファンモータ32mの回転数、膨張弁24の開度、ならびにフラップ35の姿勢を制御する。
【0058】
(3-3)第1制御
第1制御は、空調運転と並行して実行される。第1制御において室内制御部62は、低負荷空調運転時に室内ファン32が生成する気流の風量が所定値以下になると、フラップ35と吹出口39bとが形成する通風路40を絞るようにフラップ35の姿勢を制御する。低負荷空調運転とは、空調運転の負荷が低い運転であって、具体的には、圧縮機モータ21mの回転数が所定回転数よりも低い低回転数となったり、膨張弁24が全開となったり、室内ファンモータ32mの回転数が所定回転数よりも低い低回転数となったりする運転をいう。
【0059】
図6は、第1制御の制御フローを示すフローチャートである。図6に示された制御フローは、低負荷空調運転が始まると、開始される。室内制御部62は、例えば、吸込み空気温度(吸込口39aから吸入される空気の温度)やファンモータ32mの消費電力を検知することによって、低負荷空調運転が始まったことを検知する。
【0060】
ステップS100において、室内制御部62は、室内ファン32が生成する気流の風量Vfを取得して、ステップS110に進む。
【0061】
室内制御部62は、室内ファンモータ32mの回転数に基づいて室内ファン32が生成する気流の風量Vfを算出することができる。
【0062】
ステップS110において、室内制御部62は、風量Vfがあらかじめ設定された第1風量Vth1以下であるかを判断し、風量Vfが第1風量Vth1以下であると判断すると(Yes)ステップS120に進み、風量Vfが第1風量Vth1以下でないと判断すると(No)ステップS100に進む。
【0063】
第1風量Vth1は、室内機3から吹き出される気流を十分な距離まで到達させることができない風量に設定される。第1風量Vth1は、たとえば、吹出口39bから吹き出される気流の風速が毎秒2.8mとなる風量に設定される。
【0064】
ステップS120において、室内制御部62は、フラップ35と吹出口39bとが形成する通風路40を絞るようにフラップ35の姿勢を風量Vfに応じてあらかじめ設定された姿勢に制御して、ステップS130に進む。
【0065】
あらかじめ設定されたフラップ35の姿勢は、室内ファン32が生成する気流が第1風量Vth1以下であっても、吹出口39bから吹き出される気流を十分な距離まで到達させることができる姿勢である。例えば、室内制御部62は、ファン32の外周直径が115mm以上150mm以下である場合に、吹出口39bから吹き出される気流の風速が毎秒2.8m以上5m以下となるように、フラップ35の姿勢を制御する。室内制御部62は、風量Vfが小さいほど通風路40の絞り量が増加するようにフラップ35の姿勢を制御する。
【0066】
ステップS130において、室内制御部62は、室内ファン32が生成する気流の風量Vfを取得して、ステップS140に進む。
【0067】
ステップS140において、室内制御部62は、風量Vfがあらかじめ設定された第2風量Vth2以上であるかを判断し、風量Vfが第2風量Vth2以上であると判断すると(Yes)ステップS150に進み、風量Vfが第2風量Vth2以下でないと判断すると(No)ステップS130に進む。
【0068】
第2風量Vth2は、第1風量Vth1よりも大きい風量である。第2風量Vth2は、フラップ35による通風路40の絞り量を緩和できる風量である。言い換えると、第2風量Vth2は、通常の通風路40の絞り量で気流を必要な距離まで到達させることができる風量に設定される。第2風量Vth2は、たとえば、吹出口39bから吹き出される気流の風速が毎秒2.8m以上5m以下の範囲となる風量に設定される。
【0069】
ステップS150において、室内制御部62は、フラップ35の姿勢を、ステップS120において通風路40が絞られる前の状態に戻して、ステップS100に進む。
【0070】
室内制御部62は、室内制御部62が低負荷空調運転を終了すると本制御フローを終了する。
【0071】
(4)フラップの姿勢
次に、第1制御が実行された際のフラップ35の姿勢の変化について例を挙げて説明する。図7は、第1制御中におけるフラップ35の姿勢を説明するための室内機3の断面図である。図7は、第1制御が実行されていない時のフラップ35の姿勢を破線で示し、第1制御が実行されている時のフラップ35の姿勢を実線で示している。
【0072】
第1制御が実行されて、室内ファン32が第1風量Vth1以下の風量Vf1を生成している場合には、室内制御部62は、第2フラップ35a2を、回転軸O2を中心にして、空調装置1を右側から見た反時計回りに所定角度回転させて姿勢a1とする。また、室内制御部62は、第1フラップ35a1を、回転軸O1を中心にして、空調装置1を右側から見て時計回りに所定角度回転させて姿勢b1とする。これにより、室内ファン32が第1風量Vth1より大きい気流を生成している場合と比較して、通風路40が絞られる。
【0073】
さらに、第1制御が実行されて、室内ファン32が風量Vf1未満の風量Vf2を生成している場合には、室内制御部62は、姿勢a1である第2フラップ35a2を、回転軸O2を中心にして、空調装置1を右側から見て反時計回りに所定角度回転させて姿勢a2とする。この際、室内制御部62は、第1フラップ35a1の姿勢は変更しない。これにより、室内ファン32が風量Vf1の気流を生成している場合と比較して、通風路40が絞られる。
【0074】
このようにして、室内制御部62は、第1制御において、風量Vfが小さいほど通風路40の絞り量が増加するようにフラップ35の姿勢を制御する。以上で説明した制御において、室内制御部62は、2段階で通風路40の絞り量が増加するようにフラップ35の姿勢を制御したが、室内制御部62は、無段階で通風路40の絞り量が増加するようにフラップ35の姿勢を制御してもよい。
【0075】
(5)特徴
(5-1)
室内機3は、空調運転を行う空調装置1の室内機である。室内機3は、室内ファン32と、ケーシング39と、フラップ35と、室内制御部62とを備える。室内ファン32は、円筒状のクロスフローファンである。ケーシング39は、室内ファン32を収容し、室内ファン32が生成する気流を吹き出す吹出口39bが形成されている。フラップ35は、吹出口39bを開閉する。室内制御部62は、フラップ35の姿勢を制御する。室内制御部62は、空調運転の負荷が低い低負荷空調運転時に室内ファン32が生成する気流の風量Vfが所定の風量Vth1以下になると、フラップ35と吹出口39bとが形成する通風路40を絞るようにフラップ35の姿勢を制御する、第1制御を実行する。
【0076】
これにより、室内ファン32が生成する気流の風量Vfが、室内機3から吹き出される気流を十分な距離まで到達させることができない風量となった場合には、通風路40を通過した後の気流の速度を、第1制御を開始する前と比べて増加させることができる。したがって、室内機3によれば、低負荷運転時に低回転数で室内ファン32を回転させた場合であっても、吹出口39bから吹き出される気流の到達距離を確保できる。
【0077】
(5-2)
室内制御部62は、第1制御において、室内ファン32が生成する気流の風量が小さいほど通風路40の絞り量が増加するようにフラップ35の姿勢を制御する。
【0078】
これにより、低負荷運転時に室内ファン32の回転数がさらに低下した場合であっても、吹出口39bから吹き出される気流の到達距離を確保できる。
【0079】
(5-3)
室内制御部62は、第1制御において、段階的に通風路40の絞り量が増加するようにフラップ35の姿勢を制御する。
【0080】
これにより、容易にフラップ35の姿勢を制御できる。
【0081】
(5-4)
室内ファン32の外周直径は、115mm以上である。
【0082】
これにより、外周直径が115mm以上と大径なクロスフローファンが室内ファン32であっても、低負荷運転時において吹出口39bから吹き出される気流の到達距離を確保できる。
【0083】
(5-5)
室内ファン32の外周直径は、115mm以上150mm以下であり、第1制御が実行されるときに吹出口39bから吹き出される気流の風速は、毎秒2.8m以上5m以下である。
【0084】
(6)変形例
(6-1)変形例A
第1制御において室内制御部62は、フラップ35を上述以外の姿勢に制御してもよい。図8は、変形例Aに係る室内制御部62が、冷房運転中の第1制御においてフラップ35の姿勢を変える様子を示した室内機3の断面図である。
【0085】
変形例A係る室内制御部62は、冷房運転中の第1制御において、図8に矢印で示されるように、吹出口39bから吹き出される気流がフラップ35から離れるにしたがって鉛直方向上方へ向かうようにフラップ35の姿勢を制御する。
【0086】
具体的には、室内制御部62は、第1フラップ35a1の姿勢を、吹出口39bから吹き出された気流の多くが第2フラップ35a2の表面に沿って流れるように制御する。また、室内制御部62は、第2フラップ35a2の姿勢を、回転軸O2から前方に向かうにつれて主面が所定の角度で上方に向かう状態となるように制御する。この結果、第2フラップ35a2の表面に沿って流れる気流はコアンダ効果によって、フラップ35から離れるにしたがって鉛直方向上方へ向かう。
【0087】
したがって、変形例Aに係る室内機3によれば、冷房運転中に吹出口39bから吹き出される気流がケーシング39に直接当たることでケーシング39の表面に結露が発生する現象(露付き)が抑制される。
【0088】
(6-2)変形例B
図9は、変形例Bに係る室内制御部62が、暖房運転中の第1制御においてフラップ35の姿勢を変える様子を示した室内機3の断面図である。
【0089】
変形例B係る室内制御部62は、暖房運転中の第1制御において、図9に矢印で示されるように、吹出口39bから吹き出される気流が、鉛直方向において吹出口39bの下方へ向かうようにフラップ35の姿勢を制御する。
【0090】
具体的には、室内制御部62は、第1フラップ35a1の姿勢を、主面が回転軸O1の略下方に向かって垂れ下がった状態となるように制御する。また、室内制御部62は、第2フラップ35a2の姿勢を、主面が回転軸O2の略下方に向かって垂れ下がった状態となるように制御する。この結果、吹出口39bから吹き出されて通風路40を通過する気流が、鉛直方向において吹出口39bの下方へ向かう
したがって、変形例Bに係る室内機3によれば、暖房運転中に吹出口39bから吹き出される気流が、直接当たることにより人が寒さ(ドラフト感)を感じる現象が抑制される。
【0091】
(6-3)変形例C
室内制御部62は、風量Vfを室内ファンモータ32mの回転数に基づいて算出できるため、風量に代えて室内ファンモータ32mの回転数に基づいてフラップ35の姿勢を制御してもよい。
【0092】
(6-3-1)第1制御
変形例Cに係る空調装置1で室内制御部62が実行する第1制御について、実施形態に係る第1制御との相違点を中心に説明する。変形例Cに係る第1制御において室内制御部62は、低負荷空調運転時に室内ファンモータ32mの回転数が所定値以下になると、フラップ35と吹出口39bとが形成する通風路40を絞るようにフラップ35の姿勢を制御する。
【0093】
図10は、変形例Cに係る空調装置1で室内制御部62が実行する第1制御の制御フローを示すフローチャートである。
【0094】
ステップS200において、室内制御部62は、室内ファンモータ32mの回転数Rmを取得して、ステップS210に進む。
【0095】
ステップS210において、室内制御部62は、回転数Rmがあらかじめ設定された第1回転数Rth1以下であるかを判断し、回転数Rmが第1回転数Rth1以下であると判断すると(Yes)ステップS220に進み、回転数Rmが第1回転数Rth1以下でないと判断すると(No)ステップS200に進む。
【0096】
第1回転数Rth1は、室内機3から吹き出される気流を十分な距離まで到達させることができない回転数に設定される。第1回転数Rth1は、たとえば、吹出口39bから吹き出される気流の風速が毎秒2.8mとなる回転数に設定される。
【0097】
ステップS220において、室内制御部62は、フラップ35と吹出口39bとが形成する通風路40を絞るようにフラップ35の姿勢を回転数Rmに応じてあらかじめ設定された姿勢に制御して、ステップS230に進む。
【0098】
あらかじめ設定されたフラップ35の姿勢は、室内ファン32が生成する気流が第1回転数Rth1以下であっても、吹出口39bから吹き出される気流を十分な距離まで到達させることができる姿勢である。例えば、室内制御部62は、ファン32の外周直径が115mm以上150mm以下である場合に、吹出口39bから吹き出される気流の風速が毎秒2.8m以上5m以下となるように、フラップ35の姿勢を制御する。室内制御部62は、回転数Rmが小さいほど通風路40の絞り量が増加するようにフラップ35の姿勢を制御する。
【0099】
ステップS230において、室内制御部62は、室内ファンモータ32mの回転数Rmを取得して、ステップS240に進む。
【0100】
ステップS240において、室内制御部62は、回転数Rmがあらかじめ設定された第2回転数Rth2以上であるかを判断し、回転数Rmが第2回転数Rth2以上であると判断すると(Yes)ステップS250に進み、回転数Rmが第2回転数Rth2以下でないと判断すると(No)ステップS230に進む。
【0101】
第2回転数Rth2は、第1回転数Rth1よりも大きい回転数である。第2回転数Rth2は、フラップ35による通風路40の絞り量を緩和できる風量である。言い換えると、第2回転数Rth2は、通常の通風路40の絞り量で気流を必要な距離まで到達させることができる風量に設定される。第2回転数Rth2は、たとえば、吹出口39bから吹き出される気流の風速が毎秒2.8m以上5m以下の範囲となる回転数に設定される。
【0102】
ステップS250において、室内制御部62は、フラップ35の姿勢を、ステップS220において通風路40が絞られる前の状態に戻して、ステップS200に進む。
【0103】
室内制御部62は、室内制御部62が低負荷空調運転を終了すると本制御フローを終了する。
【0104】
(6-3-2)フラップの姿勢
変形例Cに係る第1制御が実行された際のフラップ35の姿勢の変化も、実施形態に係る第1制御と基本的に同じである。
【0105】
第1制御が実行されて、室内ファン32が第1回転数Rth1以下の回転数Rm1で回転をしている場合には、室内制御部62は、第2フラップ35a2を姿勢a1とし、第1フラップ35a1を姿勢b1とする(図7参照)。これにより、室内ファン32の回転数が第1回転数より大きい場合と比較して、通風路40が絞られる。
【0106】
さらに、第1制御が実行されて、室内ファン32が回転数Rm1未満の回転数Rm2で回転をしている場合には、室内制御部62は、姿勢a1である第2フラップ35a2を姿勢a2とし、第1フラップ35a1の姿勢は変更しない。これにより、室内ファン32が回転数Rm1で回転している場合と比較して、通風路40が絞られる。
【0107】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0108】
1 空調装置
3 室内機
32 室内ファン(クロスフローファン)
35 フラップ
39 ケーシング
39b 吹出口
62 室内制御部(制御部)
Rm 回転数
Rth1 第1回転数
Vf 風量
Vth1 第1風量
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【特許文献1】特開2002-195595号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-03-02
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
室内機に関する。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調運転を行う空調装置(1)の室内機(3)であって、
円筒状のクロスフローファン(32)と、
前記クロスフローファンを収容し、前記クロスフローファンが生成する気流を吹き出す吹出口(39b)が形成された、ケーシング(39)と、
前記吹出口を開閉する、フラップ(35)と、
前記フラップの姿勢を制御する、制御部(62)と、
を備え、
前記クロスフローファンの外周直径(D)は、
115mm以上であり、
前記制御部は、
前記空調運転の負荷が低い低負荷空調運転時に前記クロスフローファンが生成する気流の風量(Vf)または前記クロスフローファンの回転数(Rm)が所定値(Vth1、Rth1)以下になると、前記フラップと前記吹出口とが形成する通風路(40)を絞るように前記フラップの姿勢を制御する、第1制御を実行する、
室内機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1制御において、前記風量または前記回転数が小さいほど前記通風路の絞り量が増加するように前記フラップの姿勢を制御する、
請求項1に記載の室内機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1制御において、段階的に前記通風路の絞り量が増加するように前記フラップの姿勢を制御する、
請求項2に記載の室内機。
【請求項4】
壁掛け型であって、
前記クロスフローファンは、
長手方向が水平方向に沿う姿勢で前記ケーシングに収容され、
前記吹出口は、
鉛直方向において、前記クロスフローファンの下方に形成され、
前記制御部は、
暖房運転中の前記第1制御において、
前記吹出口から吹き出される気流が、前記鉛直方向において前記吹出口の下方へ向かうように前記フラップの姿勢を制御する、
請求項1からのいずれかに記載の室内機。
【請求項5】
壁掛け型であって、
前記クロスフローファンは、
長手方向が水平方向に沿う姿勢で前記ケーシングに収容され、
前記吹出口は、
鉛直方向において、前記クロスフローファンの下方に形成され、
前記制御部は、
冷房運転中の前記第1制御において、
前記吹出口から吹き出される気流が、前記フラップから離れるにしたがって前記鉛直方向上方へ向かうように前記フラップの姿勢を制御する、
請求項1からのいずれかに記載の室内機。
【請求項6】
前記クロスフローファンの外周直径は、
115mm以上150mm以下であって、
前記第1制御が実行されるときに前記吹出口から吹き出される気流の風速は、
毎秒2.8m以上5m以下である、
請求項1からのいずれかに記載の室内機。