(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176108
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】吸口体およびこれを備えた電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
A47L9/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070417
(22)【出願日】2022-04-21
(62)【分割の表示】P 2021080813の分割
【原出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山谷 遼
(72)【発明者】
【氏名】中居 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】中里 豪
(72)【発明者】
【氏名】中野 俊
(72)【発明者】
【氏名】川本 孔陽
(72)【発明者】
【氏名】横田 雅瑛
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA06
3B061AA24
3B061AD05
3B061AD13
3B061AD16
3B061AE02
(57)【要約】
【課題】回転ブラシに髪の毛などの繊維が絡みにくい吸口体およびこれを備えた掃除機を提供する。
【解決手段】本発明の吸口体200は、床Y上の塵埃を吸い込むために電気掃除機100に取り付けられ、回転して塵埃を掻き込む回転ブラシ220を備え、回転ブラシ220は、複数の布状部材225b、226bを備え、布状部材225b、226bは、ループ状に形成された複数の回転ブラシ220の毛225a、226aを有し、回転ブラシ220の毛225a、226aは、布状部材225b、226bの延在方向に沿って1つのループ225r、226rの根本225a1、225a2が並んでおり、かつ隣接するループ225r、226r同士は重なりあっており、各回転ブラシ220の毛225a、226aは、2つの根本225a1、225a2間の距離より、当該2つの根本225a1、225a2に平行な当該毛225a、226aのループ225r、226rが成す毛225a、226a間の最大距離が大きいことを特徴としている。
【選択図】
図14A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上の塵埃を吸い込むために電気掃除機に取り付けられ、
回転して塵埃を掻き込む回転ブラシを備え、
回転ブラシは、複数の布状部材を備え、
前記布状部材は、ループ状に形成された複数の回転ブラシの毛を有し、
前記回転ブラシの毛は、前記布状部材の延在方向に沿って1つのループの根本が並んでおり、かつ前記隣接するループ同士は重なりあっており、
各前記回転ブラシの毛は、2つの根本間の距離より、当該2つの根本に平行な当該毛のループが成す当該毛間の最大距離が大きいことを特徴とする吸口体。
【請求項2】
請求項1に記載の吸口体において、
各前記回転ブラシの毛のループの2つの根本が前記回転ブラシの回転軸に対する直交断面において各々異なる面にあることを特徴とする吸口体。
【請求項3】
請求項2に記載の吸口体において、
前記回転ブラシは、前記回転ブラシの毛が形成されるブラシ体を有し、
前記回転ブラシの毛は、前記ブラシ体の延在方向に垂直な方向に重なることを特徴とする吸口体。
【請求項4】
請求項3に記載の吸口体において、
前記回転ブラシは、前記回転ブラシの毛が形成されるブラシ体を有し、
前記ブラシ体は、前記床に接触する前記回転ブラシの毛を有する第1ブラシ体と、前記床に接触しない前記回転ブラシの毛を有する第2ブラシ体とを備えている
ことを特徴とする吸口体。
【請求項5】
請求項4に記載の吸口体において、
前記回転ブラシは、前記回転ブラシの毛が形成されるブラシ体を有し、
前記ブラシ体は、前記床に接触する前記回転ブラシの毛を有する第1ブラシ体と、前記床に接触しない前記回転ブラシの毛を有する第2ブラシ体とを備え、
前記第1ブラシ体の前記回転ブラシの毛は、前記第2ブラシ体の前記回転ブラシの毛より柔らかいことを特徴とする吸口体。
【請求項6】
請求項5に記載の吸口体において、
前記回転ブラシは、前記回転ブラシの毛が形成されるブラシ体と、弾性を有する柔軟な材料で形成されるブレード体とを有している
ことを特徴とする吸口体。
【請求項7】
請求項6に記載の吸口体において、
前記回転ブラシは、前記回転ブラシの毛が形成されるブラシ体と、弾性を有する柔軟な材料で形成されるブレード体とを有しており、
前記ブレード体は、前記床に接触しないように構成されている
ことを特徴とする吸口体。
【請求項8】
請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載の吸口体において、
前記回転ブラシは、前記回転ブラシの毛が形成される第1ブラシ体と、直毛を有する第2ブラシ体とを有している
ことを特徴とする吸口体。
【請求項9】
請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載の吸口体において、
前記回転ブラシは、前記回転ブラシの毛が形成されるブラシ体を有し、
前記ブラシ体の延在方向の端部に形成される前記回転ブラシの毛の先端は、前記ブラシ体の前記延在方向の中央側に位置するように傾斜を有した形状に形成されている
ことを特徴とする吸口体。
【請求項10】
請求項9載の吸口体において、
前記回転ブラシは、中心部のロータリーコアと、前記ロータリーコアの嵌合溝に嵌入されて取り付けられ前記回転ブラシの毛が形成されるブラシ体とを有し、
前記嵌合溝の前記ブラシ体の入口の角部は、なだらかな形状に形成されている
ことを特徴とする吸口体。
【請求項11】
請求項10の吸口体において、
前記回転ブラシは、中心部のロータリーコアと、前記ロータリーコアの嵌合溝に嵌入されて取り付けられ前記回転ブラシの毛が形成されるブラシ体とを有し、
前記嵌合溝の前記ブラシ体の入口の角部は、面取りまたはR部が形成されていることを特徴とする吸口体。
【請求項12】
請求項1から請求項13のうちの何れか一項に記載の吸口体を備えている電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、」吸口体およびこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電機掃除機には、塵埃を吸い込むための吸口体に、塵埃を掻き込む回転ブラシが搭載されている。
特許文献1~3には、回転ブラシの毛について記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献2】特許5332973号公報(
図5、
図6等)
【特許文献3】特許4485663号公報(
図4、
図5等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、回転ブラシの毛が直毛の場合、電機掃除機による掃除に際して髪の毛が回転ブラシに絡み付くという問題がある。
特許文献1~3に記載の回転ブラシの毛は、回転ブラシの回転軸の垂直方向から見て、回転ブラシの毛が線状に形成されている。
特許文献1~3に記載の回転ブラシは、回転ブラシの毛が直毛の場合と同様に、掃除に際して髪の毛が回転ブラシに絡み付くという問題を有している。
【0005】
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、回転ブラシに髪の毛などの繊維が絡みにくい吸口体およびこれを備えた掃除機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、第1の本発明の吸口体は、床上の塵埃を吸い込むために電気掃除機に取り付けられ、回転して塵埃を掻き込む回転ブラシを備え、回転ブラシは、複数の布状部材を備え、前記布状部材は、ループ状に形成された複数の回転ブラシの毛を有し、前記回転ブラシの毛は、前記布状部材の延在方向に沿って1つのループの根本が並んでおり、かつ前記隣接するループ同士は重なりあっており、各前記回転ブラシの毛は、2つの根本間の距離より、当該2つの根本に平行な当該毛のループが成す当該毛間の最大距離が大きいことを特徴ことを特徴としている。
第2の本発明の電気掃除機は、第1の本発明の吸口体を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回転ブラシに髪の毛などの繊維が絡みにくい吸口体およびこれを備えた掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る実施形態の電気掃除機を支持台に収納した状態を示す斜視図。
【
図2】実施形態の電気掃除機のハンディ状態の斜視図。
【
図4】
図2に示す電気掃除機を左側から視た側面図。
【
図9】実施形態に係る標準吸口体の上ケースを取り外した状態の上面図。
【
図12A】第1ブラシと第2ブラシとがらせん形状に嵌合されたロータリーコアとクラッチ体とブラシカバーとを有する標準吸口体の分解斜視図。
【
図14A】ロータリーコアに取り付け前の第1ブラシを延在方向と垂直方向に目視した図。
【
図17】電気掃除機で清掃中の回転清掃体の第1ブラシと第2ブラシと清掃された髪の毛とを示す図。
【
図18】比較例の電気掃除機で清掃中の回転清掃体のブラシと清掃された髪の毛とを示す図。
【
図19B】実施形態2の第2ブラシの直毛を示す図。
【
図20B】実施形態3の第1ブラシの直毛を示す図。
【
図22】回転清掃体から取り外した第1ブラシを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明に係る実施形態の電気掃除機100を支持台70に収納した状態を示す斜視図を示す。
図1以下の図面では、掃除機本体1からみた前後左右上下の方向を適宜示す。
なお、
図1の電気掃除機100はスティック状態である。
【0010】
図2に、実施形態の電気掃除機100のハンディ状態の斜視図を示す。
実施形態の電気掃除機100は、ハンディ状態(
図2参照)、スティック状態(
図1参照)など各種の使用形態に変更して掃除を行える。
【0011】
図1に示す電気掃除機100のスティック状態とは、延長管300(付属品)と標準吸口体200(付属品)を接続した状態である。標準吸口体200は、モータによってブラシが回転するパワーブラシ式のものである。なお、本実施例の電気掃除機100の形態はスティック式の掃除機を記載しているが、この限りではなくキャニスター型の掃除機、ペール缶型の掃除機など、多種多様な掃除機に本発明の回転清掃体は適用可能である。
電気掃除機100は未使用時に、支持台70に収納される。支持台70は、ベース部71とスタンド部72とを備えている。
電気掃除機100は、何れも図示しない小型吸口(付属品)、ほうき型吸口(付属品)、延長ホース(付属品)などを接続して用いられる。
【0012】
図3に、実施形態の電気掃除機100の分解図を示す。
図4に、
図3に示す電気掃除機100の分解状態を左側から視た側面図を示す。
電気掃除機100は、掃除機本体1、ダストケース2(集塵装置)、蓄電池3、気密保持部材90を備えて構成されている。
掃除機本体1は、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12を備えている。
本体部10は、延長管300(
図1参照)や標準吸口体200(
図1参照)などが接続される接続口10a(吸引口)が形成されている。
【0013】
接続口10aには、付属品のアタッチメントを接続することができる。
アタッチメントは、延長管300、標準吸口体200、小型吸口(図示せず)、ほうき型吸口(図示せず)などをいう。
接続口10aには、回路基板(図示せず)と電気的に接続されている端子(図示せず)が内蔵されている。接続口10aに、標準吸口体200などのモータ駆動するアタッチメントが接続された場合、電気的に接続されるモータによってブラシが回転する。
【0014】
本体部10には、ダストケース2が着脱自在に取り付けられる。本体部10には、接続口10aから吸い込まれた塵挨を含む空気をダストケース2に送り込む導入管14(
図4参照)を備えている。
モータケース部11には、電動送風機40(
図4参照)と回路基板50(
図4参照)が内包されている。また、モータケース部11の前面には、ダストケース2で集塵された後の清浄な空気が吸い込まれる円形の吸込口(図示せず)が形成されている。
【0015】
図2に示すように、ハンドル部12の第1把持部12a1の上面には、操作ボタン12bが設けられている。操作ボタン12bは、例えば、「強」、「標準」、「切」の3つのボタンで構成されている。
本体部10の前端上部と後方上部には、延長管300などのアタッチメントを取り外す際に操作される解除ボタン18a,18bが設けられている。解除ボタン18a,18bを押下操作することで、本体部10とアタッチメントとのロックが解除されて、本体部10からアタッチメントの取り外しが可能となる。
【0016】
図4に示すように、ダストケース2は、サイクロン方式のものである。
ダストケース2は、導入管14から吸込んだ塵埃を含む空気を、塵埃と空気とに分離し、塵埃を集める機能を有する。
【0017】
図5に、実施形態の電気掃除機100の上面図を示す。
気密保持部材91の接続部91bは、左右両側に、後方に延出する延出部91b1,91b1が形成されている。左側の延出部91b1と右側の延出部91b1との間は、平面視において凹状部91b2が形成されている。
凹状部91b2は、本体部10の先端上面に形成された突出部10d(
図3参照)と嵌合する。これにより、接続口10a(
図3参照)に対する気密保持部材91の前後方向及び左右方向の位置決めが行われる。
【0018】
掃除するに際して、電気掃除機100をスティック状態(
図1参照)で使用している場合において、階段の角(隅)に残った塵埃を取り除くときに、電気掃除機100から延長管300及び標準吸口体200を取り外してハンディ状態にする。この場合、電気掃除機100には気密保持部材91が装着されたままであるので、吸引力を高めた状態で掃除を行うことができ、塵埃の吸い残しを防止できる。
【0019】
<標準吸口体200>
図6に、標準吸口体200の上面図を示す。
図7に、標準吸口体200の底面図を示す。
図8に、標準吸口体200の側面図を示す。
図1に示す標準吸口体200は、
図6に示すように、上面視において略T字形状を呈する吸口ケース210と、吸口ケース210に連結される吸口継手213とを備えている。吸口ケース210は、上ケース210aと下ケース210bから形成されている。
【0020】
吸口ケース210は、上面視において、左右方向(幅方向)に細長く形成された吸口本体211と、吸口本体211の左右方向の中央部に吸口継手213と連結される連結部212とを備えている。吸口本体211の下面にはブラシ262(
図7、
図8参照)が設置されている。ブラシ262は、標準吸口体200により床面Y(
図1参照)を傷つけない役割をもつ。
連結部212には、吸込口P(
図7参照)と吸口継手213(
図6参照)とを連通させる内部流路Sの一部(
図7参照)が形成されている。
【0021】
吸口本体211には、前端面から左右側面にかけてバンパ211a(
図6~
図8)がインサート成形により設けられている。バンパ211aは、ゴムやエラストマ等の弾性材料、或いはポリプロピレン等の樹脂材料から形成されている。バンパ211aは、使用時に吸口本体211内の気密を確保する。また、標準吸口体200が家具等に衝突した際に、家具等への傷付き防止と吸口本体211への衝撃を吸収する緩衝材の役割を果たしている。
【0022】
図6に示す吸口継手213は、連結部212に対して回動自在に連結される第1連結部214と、第1連結部214に対して回動自在に連結される第2連結部215とを備えている。
第1連結部214は、
図6の上面視において略D字形状を呈し、連結部212と連結される円筒形状の軸214aを有している。軸214aは、軸方向が吸口本体211の左右方向であって、軸214aの両端部が連結部212に形成された軸受部(図示せず)に支持されている。
【0023】
第1連結部214は、床面(清掃面)Y(
図8参照)に対して略平行な状態から略垂直な状態まで回動可能となるように構成されている。すなわち、第1連結部214を吸口ケース210に対して軸214aを支点として回動させることによって、延長管300を床面Yに略平行な状態と略垂直な状態との間において回動させることができる。
【0024】
図6に示す第2連結部215は、第1連結部214に対して吸口本体211を回動可能となるように構成されている。例えば、延長管300を床面Yに対して略垂直にした状態から、延長管300を床面Yに略平行な状態に向けて倒すことができる。
第2連結部215には、給電が行われる給電端子215a(
図6、
図8参照)が設けられている。本実施形態では、標準吸口体200に給電する電力を、掃除機本体1(
図1参照)から延長管300を通じて供給している。
【0025】
<回転清掃体220>
図7に示すように、標準吸口体6は、回転清掃体(回転ブラシ)220を備えている。吸口ケース210の吸口本体211には、底面(清掃面と向き合う面)側に吸込口Pを有するブラシ室Qが形成されている。
回転清掃体220は、吸口本体211の左右方向に沿って前側に配置され、ブラシ室Q内に回転可能に支持されている。
【0026】
また、回転清掃体220は、硬さや高さ等が異なるブラシなど複数種類のブラシ(225、226)と,それらをらせん状に保持するロータリーコア221を備えている。本実施形態においてはループ225r、226rのブラシ(225、226)は4つ入れる場合を例示するが、この限りではなく2本、6本、8本など任意数のブラシを有していてもよい。
ブラシ(225、226)は、前方から目視されるループ225r、226rを有するループ状の繊維(ブラシの毛)225a、226aが、互いに重複して、多数形成されている。
【0027】
回転清掃体220は、吸口本体211の左右方向(回転清掃体220の回転軸方向)の一端側から他端側まで連続して設けられている。
なお、本実施形態では、2種類のブラシ(225、226)を配設した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、1種類であってもよく、3種類以上であってもよく、また、ブラシの数も任意に選択できる。
また、らせん状に配置されたブラシ間にゴムなどの弾性材料からなるブレード部材をらせん状に配置する構成を追加してもよく、適宜変更することができる。このように,回転清掃体220のブラシ(225、226)の構成を容易に変更できるので、例えば木床用や絨毯用のような目的別の吸口体に対応が容易である。
【0028】
また,複数のらせん状の溝に,各ブラシ(225、226)を挿入する構成のため,組み立て工程が容易であり,製造コストが抑えられるという効果もある。
図7に示すように、標準吸口体200は、吸口ケース210の底面に、ブラシ駆動スイッチ216、車輪217を備えている。ブラシ駆動スイッチ216は、標準吸口体200の底面が床面Y(清掃面)に接触しているか否かを検出するスイッチである。
ブラシ駆動スイッチ216は、車輪216aとともに構成されている。
図8に示すように、車輪216aは、ばね等の付勢手段によって常に吸口ケース210の底面から一部が突出するように設けられている。なお、本実施例の吸口体の形状はこの標準吸口体200に限られず、
図24に示すような床面を照射するLED光源およびレンズ体202を有するような吸口体200Aを含む多種多様な吸口体にも、本発明の回転清掃体220、ブラシ(225、226)は適用可能である。
【0029】
図9に、実施形態に係る標準吸口体200の上ケースを取り外した状態の上面図を示す。
標準吸口体200には、回転清掃体220を回転させる電動機240および回路基板250が収容されている。
ブラシ駆動スイッチ216により、車輪216aが吸口ケース210から飛び出して床面Yと接触していないと検出されたときには、回路基板250の制御によって電動機240の駆動が停止され、回転清掃体220の回転が停止する。また、車輪216aが押し込まれて床面Yと接触しているとブラシ駆動スイッチ216により検出されたときには、回路基板250の制御によって電動機240が駆動され、回転清掃体220が回転する。
【0030】
【0031】
図12Aに、第1ブラシ225と第2ブラシ226とがらせん形状に嵌合されたロータリーコア221とブラッシカバー222とクラッチ体223とを有する回転清掃体220の分解斜視図を示す。
【0032】
図12Bに、
図12Aのロータリーコア221のV方向矢視図を示し、
図12Cに、
図12Aのロータリーコア221のVI方向矢視図を示す。
回転清掃体220は、ロータリーコア221と第1・第2ブラシ225、226とブラッシカバー222とクラッチ体223とを備えている。
ロータリーコア221には、第1ブラシ225と第2ブラシ226とがらせん形状に嵌合されている。第1ブラシ225と第2ブラシ225との根元部は、樹脂ないし布で構成され、細い布状になっていてロータリーコアの凹部のブラシ取り付け溝221m(
図12B、
図12C参照)にはまり込む。
【0033】
クラッチ体223は、標準吸口体200に収容される電動機240の動力を、第1ブラシ225と第2ブラシ226とがらせん形状に嵌合されたロータリーコア221に伝達するものである。また、クラッチ体223は、第1・第2ブラシ225、226とがらせん形状に嵌合されたロータリーコア221の一方側に取り付けられ、第1・第2ブラシ225、226のロータリーコア221からの抜け止めとしての機能をもつ。
【0034】
<クラッチ体223>
クラッチ体223には、電動機240の減速機構が係合または固定される。
クラッチ体223は、第1ブラシ225と第2ブラシ226とがらせん形状に嵌合されたロータリーコア221の一方側に嵌合され固定される。
【0035】
<ブラシカバー222>
ブラシカバー222は、内部にシャフトを備えた第1ブラシカバー部222aと、内部に軸受を備えた第2ブラシカバー部222bとを有している。第2ブラシカバー部222bは第1ブラシカバー部222aに対して回転自在に取り付けられ、第1ブラシカバー部222aは吸口体200に対して固定されている。これにより、回転清掃体220は吸口体220に対して回転自在に固定できる。ブラシカバー222は、第1ブラシ225と第2ブラシ226とがらせん形状に嵌合されたロータリーコア221の他方側に嵌合され固定される。これにより、ブラシカバー222は第1・第2ブラシ225、226のロータリーコア221からの抜け止めとしての機能をもつ。
【0036】
<ロータリーコア221>
図12Aに示すロータリーコア221は、樹脂製の長い略円筒状の部材である。
ロータリーコア221は、中心に長手方向に貫く貫通孔221o(
図12B、
図12C参照)を有している。
ロータリーコア221には、外周部に2つの第1ブラシ225と、2つの第2ブラシ226とが嵌合される4つのブラシ取り付け溝221mが形成されている。
【0037】
各ブラシ取り付け溝221mは、ロータリーコア221の外周部に、螺旋状にロータリーコア221の長手方向に延在して、一方側の端部から他方側の端部に亘って形成されている。
【0038】
図12B、
図12Cに示すように、ブラシ取り付け溝221mは、横断面に奥側の周方向に長い寸法s11と外周面側の短い寸法s12とを有する横断面略Ω字状の形状を有している。
ロータリーコア221の各ブラシ取り付け溝221mに毛を布状部材に縫いつけた第1・第2ブラシ225、226がロータリーコア221の端縁221eのブラシ取り付け溝221mに挿入される。
【0039】
【0040】
図13Aに示すロータリーコア221の外周面221gと短縁221eとブラシ取り付け溝221mとが成すブラシの入り口221iの角部221kには面取りC(
図13B参照)が施され、角が除去されている。これは、
図13Cに示すように、第1・第2ブラシ225、226をロータリーコア221のブラシ取り付け溝221mに各々嵌入するに際して、ループ状のブラシ毛225a、226aが角部221kに引っかかる現象を回避するためである。
【0041】
そのため、上述したように、第1・第2ブラシ225、226を挿入するブラシ取り付け溝221mの入り口221iの角部221kは面取りCを付けてループ状のブラシ毛225a、226aが引っかかることを抑制している。こうして、ロータリーコア221のブラシの入り口221iの角部221kに面取りCを施したり、角部221kにRをつける角Rを施したり、角が取れたなだらかな形状に構成している。
ロータリーコア221のブラシの入り口221iの角部221kはなだらかな形状であれば、曲率を有する形状等、面取りCまたは角R以外の形状でもよい。
【0042】
<第1・第2ブラシ225、226>
図14Aに、ロータリーコア221に取り付け前の第1ブラシ225を延在方向に垂直な方向に目視した図を示し、
図14Bに
図14AのVIII方向矢視図を示し、
図14Cに
図14AのIX方向矢視図を示す。
【0043】
図14Dに
図14Cとは異なる他例の
図14AのIX方向矢視図を示す。
第1ブラシ225は、ブラシ毛225aと、ブラシ毛225aが縫い付けまたは植毛される布状部材225bとを有している。
第2ブラシ226は、ブラシ毛226aと、ブラシ毛226aが縫い付けまたは植毛される布状部材226bとを有している。
第1ブラシ225のブラシ毛225aは、第2ブラシ226のブラシ毛226aより細くて柔らかい毛が用いられている。
【0044】
ここで、ブラシ毛225a、226aの床面Yまでの長さ=0(床面Yまでの長さの基準)の位置は、
図8に示すように、掃除に際して、標準吸口体200を床面Yに載置した際、床面Yに接する吸口本体211の下面のブラシ262と車輪217とが接する面とする。
【0045】
図8に示す状態で、第1ブラシ225のブラシ毛225aは床面Yに接触する長さを有している。
第2ブラシ226のブラシ毛226aは太くて固い毛が用いられている。
図8に示す状態で、第2ブラシ226のブラシ毛226aは床面Yに接触しない長さを有している
【0046】
図14Aに示すように、ブラシ毛225aは、第1ブラシ225の延在方向に垂直な方向に見て、ループ225rの形状を有するとともに、隣接するブラシ毛225aと互いに重なり合うように形成されている。
同様に、第2ブラシ226のブラシ毛226aは、第2ブラシ226の延在方向に垂直な方向に見て、ループ226rの形状を有するとともに、隣接するブラシ毛226aと互いに重なり合うように形成されている。
【0047】
また、
図7、
図6に示すように、回転清掃体220の回転軸に垂直な方向から見て(矢印α11方向)、第1ブラシ225、第2ブラシ226の各ブラシ毛225a、226aが、ループ225r、226rの形状を有するとともに隣接するブラシ毛225a、226aが互いに重なり合うように形成されている。
換言すれば、回転清掃体220を前方から見て(
図7、
図6の矢印α11方向)、第1ブラシ225、第2ブラシ226の各ブラシ毛225a、226aが、ループ225r、226rの形状を有するとともに隣接するブラシ毛225a、226aと互いに重なり合うように形成されている。
【0048】
この構成により、回転清掃体220の回転による清掃中に髪の毛等の繊維が絡まることが抑制される。
ブラシ毛225a、226aは、本実施形態では、ナイロン繊維を用いている。ブラシ毛225a、226aは、他の繊維、動物の毛など毛の種類は限定されない。
ナイロン繊維や他の繊維、動物の毛などを用いることで、ブラシ毛225a、226aを作成できる。
【0049】
回転清掃体220における第1ブラシ225と、第2ブラシ226とは、同様な構成であるから、第1ブラシ225について説明を行い、第2ブラシ226の説明は省略する。
図14Aに示すように、ブラシ毛225aは、布状部材225bに縫いつけられている。
詳細には、
図14Cに示すように、ブラシ毛225aは、布体225bの長手方向(延在方向)に沿って略直線状に2列に縫いつけられている。つまり、ブラシ毛225aが布状部材225bに縫いつけられた根元225a1、225a2は、略直線状に2列になっている。
【0050】
なお、1つのループ225rの形状のブラシ毛225aの2つの根元225a1、225a2が長手方向に略直線上に並んでいる場合を示しているが、この限りではなく隣り合うループ225rの形状が重なり合えばよい。
【0051】
図14Aに示すように、ブラシ毛225aは、ループ225r同士が重なっていれば、
図14Dに示すように、根元225a3がずれていても、回転清掃体220の回転方向に垂直な方向から見て(
図7の矢印α11方向)、第1ブラシ225、第2ブラシ226のブラシ毛225a、226aが、ループ225r、226rの形状を有するとともに隣接するブラシ毛225aとブラシ毛226aとが互いに重なり合うように形成されていれば、効果は得られる。
【0052】
或いは、ブラシ毛225aは、ループ225r同士が重なっていれば根元225a3がずれていても、回転清掃体220を前方から見て(
図7、
図6の矢印α11方向)、第1ブラシ225、第2ブラシ226ブラシ毛225a、226aが、ループ225r、226rの形状を有するとともに隣接するブラシ毛225a、226aと互いに重なり合うように形成されていれば、効果は得られる。
また、根元225a3は2列である必要もなく、1列または3列以上でもよい。
【0053】
第1・第2ブラシ225、226のブラシ毛225a、226aのループ225r、226r同士は、本実施形態においてはループ225r、226r一つの50%~80%程度が隣り合うループ225r、226rと重なり合うと、ループ225r、226rの間に髪の毛が挟まらない効果を得ることができるが、この限りでない。
第1・第2ブラシ225、226のブラシ毛225a、226aのループ同士が重なり合う部分が少しでもあればよく、例えばループ225r、226rの太さ、硬さなどの状態によっては隣り合うループ225r、226rとの重なりがループ225r、226r1つの1%~5%であってもよい。
【0054】
第1・第2ブラシ225、226のブラシ毛225a、226aのループ225r、226rの縫い目からの高さは、それぞれ例えば6.5mmと8.5mm、2つの根元の間は1mm、ループの間は3mmであるが、これらの寸法は任意に選択できる。
ブラシ毛225a、226aのループ225r、226rの長さは、床面Yと接しないとゴミが取れにくく、床面Yと接しすぎると髪の毛が絡まり易くなる。
また、ブラシ毛225aの長さが短い(床面Yと接触しない)と、髪の毛の絡みを防止しやすい。ブラシ毛225aの長さが短い(床面Yと接触しない)ものは、絨毯などに適している。
【0055】
ブラシ毛、226aの長さが長い(床面Yと接触する)と、ゴミを取りやすい。ブラシ毛の長さ長い(床面Yと接触する)ものは、フローリングなどに適している。
そこで、床面Yまでの長さよりも(1mm)長いループを有する第2ブラシ226を、床面までの長さよりも(1mm)短いループを有する第1ブラシ225とを交互に有するようしている。
長さ、硬さと、太さが異なるループ225r、226rを有する第1・第2ブラシ225、226を交互に有することによって、様々な床面Yに対して髪の毛が絡まらずかつ塵埃を効率的に回収できる。
【0056】
<第1・第2ブラシ225、226の製造>
第1・第2ブラシ225、226の製造法について説明する。
なお、第1・第2ブラシ225、226の製造方法は、同様であるから第1ブラシ225について説明を行い、第2ブラシ226についての説明は省略する。
【0057】
図15A~
図15Cに、第1ブラシ225の製造工程の一例を示す。
前記の
図14A~
図14Dに示す第1ブラシ225の製造に際して、
図15Aに示すように、ブラシ原体225Gが連続して長尺で生産される。つまり、ブラシ毛225aが布状部材225bに縫い付けられた長いブラシ原体225Gが準備される。
そのため、回転清掃体220の第1ブラシ225にする際にカットする必要がある。そして、ブラシ原体225Gを切断して分離することで、第1ブラシ225を複数得られる。
【0058】
図15Bの切断線S0に示すように、ブラシ原体225Gをブラシ原体225Gの延在方向に垂直にまっすぐカットした場合、ブラシ毛225aのループ225rの途中でカットされてしまい、飛び出し毛225qになる可能性がある。
そこで、
図15Cの切断線S11または切断線S12に示すように、ブラシ原体225Gの延在方向に斜めにブラシ毛225aをカットしている。これにより、第1ブラシ225の端部の数ミリ(2~5mm)はループ225rにならなくなるが、ブラシ毛225aにループ225rより高い毛が発生することを抑制できる。
【0059】
このように、第1ブラシ225、第2ブラシ226の端部は斜めにカット(切断線S11または切断線S12)することで、製造過程において端部のブラシ毛225a、226aが中途半端に切れて飛び出し毛225q(
図15B参照)が発生することを抑制できる。
【0060】
図16に、第1ブラシ225の製造工程の他例を示す。
第1ブラシ225または第2ブラシ226の長さ毎に、ブラシ毛225a、226aのインターバル(間隔、距離)を空けて、ブラシ毛225aが布体225b、226bに縫い付けられた長いブラシ原体225G1が用意する。
この場合には、
図15の切断線S2に示すように、ブラシ原体225G1をブラシ原体225G1の延在方向に垂直にまっすぐカットすることができる。
【0061】
こうして、製造された第1ブラシ225は、
図12Aに示すように、ロータリーコア221の端部221eのブラシ取り付け溝221mのブラシの入り口221iから嵌入される。
第2ブラシ226は、他のブラシ取り付け溝221mのブラシの入り口221iから嵌入される。
ブラシ取り付け溝221mの入り口221iの角部221kは面取りC(
図13B参照)または角Rを有しているのでループ225r、226rの形状のブラシ毛225a、226aが引っかかることを抑制できる。
【0062】
その後、
図12Aに示すように、第1ブラシ225と第2ブラシ226とが交互に取り付けられたロータリーコア221の貫通孔221oの一方側には、クラッチ体223の軸部223jが嵌合され固定される。他方側のロータリーコア221の貫通孔221oには、クラッチ体222の軸部222jが嵌合され固定される。これにより、
図10に示す回転清掃体220が完成する。
【0063】
図17に、電気掃除機100で清掃中の回転清掃体220の第1ブラシ225と第2ブラシ226と清掃された髪の毛hとを示す。
上記構成によれば、
図17に示すように、回転清掃体220の回転軸に垂直な方向に、または、回転清掃体220を前方(
図1、
図6、
図7参照)から見て、第1ブラシ225のブラシ毛225aがループ225rの形状に形成されるとともに隣接するブラシ毛225aと重なった状態に形成されている。また、第2ブラシ226のブラシ毛226aがループ226rの形状に形成されるとともに隣接するブラシ毛226aと重なった状態に形成されている。
【0064】
そのため、回転清掃体220でかき込んだ髪の毛h、繊維等がループ状のブラシ毛225a、226aのループ225r、226rの弾性力で支持され、ブラシ毛225a、226aの根元225n、226n近くまで侵入することを抑制または防止される。
これにより、ブラシのブラシ毛225a、226aの先端側225s、226sに髪の毛h、繊維等が滞留し電気掃除機100の吸引力で吸い込むことができる。そのため、回転清掃体220に髪の毛h、繊維等が絡みにくい。
【0065】
したがって、利用者の回転清掃体220のお手入れ頻度が軽減する。そのため、電気掃除機100の塵埃の回収効果に加えて、取り扱い性が向上する。
図18に、比較例の電気掃除機で清掃中の回転清掃体620のブラシ毛625aと清掃された髪の毛hとを示す。
比較例の
図18に示すように、従来の電気掃除機で清掃中の回転清掃体620のブラシ毛625aが直毛の場合、かき込んだ髪の毛h、繊維等が直毛のブラシ毛625aの根元625n近くまで侵入する。そのため、回転清掃体620に髪の毛h、繊維等が絡みに易く、利用者の回転清掃体620のお手入れ頻度が多く、取り扱い性に難がある場合があった。
【0066】
これに対して、上述の構成によれば、回転ブラシの回転清掃体220に髪の毛hなどの繊維が絡みにくい吸口体(200)およびこれを備えた掃除機100を実現できる。
<<実施形態2>>
【0067】
図19Aに、実施形態2の回転清掃体320の斜視図を示し、
図19Bに、実施形態2の第2ブラシ326の直毛326aを示す。
実施形態2の回転清掃体320は、実施形態1で説明したループ形状の毛325aをもつ第1ブラシ325と、直毛326aをもつ第2ブラシ326とを有している。
その他の構成は、実施形態1と同様の構成である。実施形態2の構成要素は300番台の符号を付して示す。
【0068】
回転清掃体320のロータリーコア321には、実施形態1で説明したループ形状の毛325aをもつ第1ブラシ325と、
図18Bに示す直毛326aをもつ第2ブラシ326とが取り付けられている。
第1ブラシ325は、短く、
図8の状態で床面Yに届かないループ形状の毛325aを有している。
第2ブラシ326は、長く
図8の状態で、床面Yに届く直毛326aを有している。
【0069】
つまり、実施形態2の回転清掃体320は、第1ブラシ325の短いループ形状の毛325aと、第2ブラシ226の長い直毛326aとを有する場合である。
第2ブラシ226は、直毛326aなので絡まり防止の効果が薄まるが、ごみを掻き込みやすい。
また、回転清掃体320のすべてをループ形状の毛325aとする場合に比較して低コスト化できる。
【0070】
<<実施形態3>>
図20Aに、実施形態3の回転清掃体420の斜視図を示し、
図20Bに、実施形態3の第1ブラシ425の直毛325aを示す。
実施形態3の回転清掃体420は、直毛425aをもつ第1ブラシ425と、実施形態1で説明したループ形状の毛426aをもつ第2ブラシ426とを有している。その他は、実施形態1と同様の構成である。実施形態3の構成要素は400番台の符号を付して示す。
【0071】
回転清掃体420のロータリーコア421には、
図20Bに示す直毛425aをもつ第1ブラシ425と、実施形態1で説明したループ形状の毛426aをもつ第2ブラシ426とが、取り付けられている。
第1ブラシ425は、
図8の状態で、短く床面Yに届かない直毛425aを有している。
第2ブラシ426は、
図8の状態で、長く床面Yに届くループ形状の毛426aを有している。
【0072】
実施形態3の第2ブラシ426の長いブラシ毛425aだけループで、第1ブラシ425の短いブラシが直毛425aの場合、実施形態2より絡まり防止の効果を薄めずに、絨毯などでごみを掻き込みやすい。回転清掃体420のすべてのブラシの毛をループ形状にする場合と比較して低コスト化できる。
【0073】
<<実施形態4>>
図21に、実施形態4の回転清掃体520の斜視図を示す。
図22に、回転清掃体520から取り外した第1ブラシ525を示し、
図23に、
図22のX-X断面図を示す。
実施形態4の回転清掃体520は、弾性体のブレード部材の第1ブラシ525(
図22参照)と、実施形態1で説明したループ形状の毛526aをもつ第2ブラシ526とを有している。その他は、実施形態1と同様の構成である。実施形態4の構成要素は500番台の符号を付して示す。
【0074】
図22、
図23に示す第1ブラシ525は、ゴム等の柔軟な弾性体で形成されている。第1ブラシ525は、例えば、先端の清掃片525aの厚さが1mm程度のエラストマで形成されている。
第1ブラシ525は、床面Yに届かない短い清掃片525aと、ロータリーコア521(
図21参照)のブラシ取り付け溝に嵌入される嵌合部525bとを有している。ブレードの第1ブラシ525は、床面Yと接しないように構成されている。これにより、ブレードの第1ブラシ525が床面Yに接触することで異音が発生することを抑制できる。
【0075】
図21に示す第2ブラシ526は、長く床面Yに届くループ形状の毛526aを有している。
上記実施形態4の構成によれば、絡まり防止の効果を実施形態2、3より減らすことなく、低コストで実施できる。
このように、回転清掃体520のブラシは、ブレード部材(第1ブラシ525)とループブラシ(ループ形状の毛526a)との組み合わせとすることができる。
【0076】
<<その他の実施形態>>
1.本発明は、前記した各実施形態の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 電気掃除機
200、220A 吸口体
220 回転清掃体(回転ブラシ)
221k 角部(嵌合溝のブラシ体の入口の角部)
225 第1ブラシ(ブラシ体、床に接触する第1ブラシ体)
225a、226a ブラシ毛(回転ブラシの毛)
225a1、225a2 根本
225b 布状部材
225r、226r ループ
226 第2ブラシ(ブラシ体、床に接触しない第2ブラシ体)
226b 布状部材
325 第1ブラシ(回転ブラシの毛が形成される第1ブラシ体)
326 第2ブラシ(直毛を有する第2ブラシ体)
425 第1ブラシ(直毛を有する第2ブラシ体)
426 第2ブラシ(回転ブラシの毛が形成される第1ブラシ体)
525 第1ブラシ(ブレード体)
C 面取り
S11、S12 切断線(回転ブラシの毛の端部が先端が内側になるような傾斜)
Y 床面(床)