IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古野電気株式会社の特許一覧

特開2022-176117海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置
<>
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図1
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図2
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図3
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図4
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図5
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図6
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図7
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図8
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図9
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図10
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図11
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図12
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図13
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図14
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図15
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図16
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図17
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図18
  • 特開-海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176117
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】海図処理装置、海図処理方法、海図処理プログラム及びナビゲーション表示装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/22 20060101AFI20221117BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221117BHJP
   G08G 3/00 20060101ALI20221117BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20221117BHJP
   B63B 49/00 20060101ALI20221117BHJP
   B63B 79/40 20200101ALI20221117BHJP
   B63B 79/20 20200101ALI20221117BHJP
【FI】
G01C21/22
G06F3/0488
G08G3/00 A
G09B29/10 A
B63B49/00 Z
B63B79/40
B63B79/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073244
(22)【出願日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】21173913.1
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山林 潤
(72)【発明者】
【氏名】奥田 将斗
(72)【発明者】
【氏名】藤本 倫子
(72)【発明者】
【氏名】ティモ コスティアイネン
(72)【発明者】
【氏名】アンティ クッカ
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5E555
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC09
2C032HC27
2F129AA14
2F129BB20
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD57
2F129DD62
2F129DD63
2F129DD64
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE83
2F129EE88
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH20
5E555AA04
5E555BA24
5E555BA85
5E555BB24
5E555BC17
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB16
5E555DB41
5E555DB55
5E555DB56
5E555DD07
5E555FA00
5H181AA25
5H181BB13
5H181FF22
5H181FF33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】航路を計画するための手間のかからないユーザインタフェースを提供する。
【解決手段】海図処理装置109は、電子海図上の一対の基点の位置を示す位置情報を受信する受信部109aと、一対の基点を結ぶ直線上に配置されるリアルタイムに移動可能な可動測定点を設定する測定点設定部109bと、可動測定点と一対の基点の少なくとも一方の基点と電子海図上の距離を算出する計算部109cと、可動測定点の位置情報と算出距離を出力する出力部109dとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子海図上の一対の基点の位置を示す位置情報を受信する受信部と、
前記一対の基点を結ぶ直線上に配置される可動測定点を設定する測定点設定部と、
前記可動測定点と前記一対の基点のうちの少なくとも一方の基点との前記電子海図上での距離である算出距離を算出する計算部と、
前記可動測定点の示す位置情報と前記算出距離を出力する出力部と、
を備える海図処理装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記電子海図上の複数の前記一対の基点の位置を示す位置情報を受信する
請求項1に記載の海図処理装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記一対の基点のうち少なくとも一方の基点の変化した位置を示す位置情報を受信し、
前記測定点設定部は、変化した後の前記一対の基点を結ぶ直線上に前記可動測定点を設定する、
請求項1または2に記載の海図処理装置。
【請求項4】
前記測定点設定部は、入力された前記一対の基点のうち少なくとも一方の基点の位置が特定ターゲットの位置と所定の距離範囲内にある場合、前記基点の位置情報を前記特定ターゲットの位置情報に置き換える
ことを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記計算部は、前記一対の基点のうち少なくとも一方の基点の位置または前記可動測定点の位置が変化した場合に、前記算出距離を再計算する
請求項3に記載の海図処理装置。
【請求項6】
前記測定点設定部は、配置情報に基づいて前記一対の基点を結ぶ直線上に前記可動測定点を設定する、
請求項1または2に記載の海図処理装置。
【請求項7】
前記配置情報は、前記一対の基点を結ぶ線分の内分比である、
請求項6に記載の海図処理装置。
【請求項8】
前記配置情報は、前記一対の基点うち一方の基点から前記可動計測点までの設定距離である
請求項6に記載の海図処理装置。
【請求項9】
前記測定点設定部は、前記一対の基点のうち少なくとも一方の基点の位置情報が変更された場合、前記基点の位置情報が変更される直前の前記一対の基点を結ぶ線分の内分比に基づいて前記可動測定点を設定する、
請求項5に記載の海図処理装置。
【請求項10】
前記測定点設定部は、前記一対の基点のうち少なくとも一方の基点の位置情報が変更された場合、前記基点の位置情報が変更される直前の前記一対の基点のうち少なくとも一方の基点から前記可動測定点までの距離に基づいて前記可動測定点を設定する、
請求項5に記載の海図処理装置。
【請求項11】
前記計算部は、前記一対の基点のうち一方の基点から他方の基点への航行時間または方向の少なくとも一方を算出することを特徴とする
請求項1または2に記載の海図処理装置。
【請求項12】
請求項1または2、7,8,9、10に記載の海図処理装置と、
前記電子海図上に前記一対の基点と前記可動測定点を表示する表示部と、
前記一対の基点及び前記可動測定点のそれぞれの位置情報に対応する入力を受け付ける入力インターフェースと、
前記電子海図を記憶する記憶部と
移動体の航路を設定する航路設定部と
を有するナビゲーション表示装置。
【請求項13】
請求項3に記載の海図処理装置と、
前記電子海図上に前記一対の基点と前記可動測定点を表示する表示部と、
前記一対の基点及び前記可動測定点のそれぞれの位置情報に対応する入力を受け付ける入力インターフェースと、
前記電子海図を記憶する記憶部と
移動体の航路を設定する航路設定部と
を有するナビゲーション表示装置。
【請求項14】
前記入力インターフェースは、前記一対の基点および前記可動測定点を前記電子海図上の表示しながら、移動体の前記航路の複数のウェイポイントの位置情報の入力を受け付ける、
請求項12に記載のナビゲーション表示装置。
【請求項15】
前記ウェイポイントの位置情報は、入力された前記ウェイポイントの位置が前記可動測定点、または前記一対の基点の少なくとも一つの基点の位置と所定の距離範囲内にある場合、前記可動測定点又は前記一対の基点の少なくとも一つの基点の位置情報に置き換えられる
ことを特徴とする請求項14に記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
電子海図上の一対の基点の位置を示す位置情報を受信し、
前記一対の基点を結ぶ直線上に配置されるリアルタイムに移動可能な可動測定点を設定し、
前記可動測定点と前記一対の基点のうちの少なくとも一方の基点との前記電子海図上での距離である算出距離を算出し、
前記可動測定点の示す位置情報と前記算出距離を出力する、
ことを特徴する海図処理方法。
【請求項17】
電子海図上の一対の基点の位置を示す位置情報を受信する処理と、
前記一対の基点を結ぶ直線上に配置されるリアルタイムに移動可能な可動測定点を設定する処理と、
前記可動測定点と前記一対の基点のうちの少なくとも一方の基点との前記電子海図上での距離である算出距離を算出する処理と、
前記可動測定点の示す位置情報と前記算出距離を出力処理と、
を有する海図処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、一般に、航路を計画するためのナビゲーション表示装置に関し、より詳細には、ナビゲーション表示装置に、航路を計画するための移動可能な測定点を設けることに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、航路を計画するために、様々なナビゲーション表示装置が利用可能である。例えば、ナビゲーション表示装置は、電子海図表示情報システム(ECDIS)であってもよい。ECDISは、1つまたは複数の船舶の航行経路情報を表示することができ、この場合、1つまたは複数の船舶は、例えば、河川または海などの水域を航行している。ECDISは、電子海図データをソフトウェア処理することにより、所望の海域の海図をディスプレイ上に表示することができる。ECDISは、タッチセンシティブディスプレイスクリーンで構成することができる。このため、チャート上の所望の位置(基点)をタッチすることにより、タッチスクリーンに表示されたECDIS上に航路を設定することができる。ECDISは、基点間の航路を表示することに加えて、ナビゲーション距離、例えば、基点間の距離を表示することもできる。
【0003】
しかし、ECDISは、複数の基点間の距離の測定や、2つの基点間の中間点の測定など、複雑な操作を伴う測定を提供できない場合がある。ECDISは、電子海図上の基点の入力を許可するが、基点間の中間点の入力を許可しない。このような場合、複雑な操作を伴う測定値を手動で計算するには、従来の紙海図を使用する必要がある。しかし、従来の紙海図の使用にも限界がある。たとえば、基点が移動するオブジェクトに対応している場合は、移動するオブジェクトの移動に応じて測定値を毎回手動で再計算する必要があり、この作業が困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、航路を計画するための面倒のないユーザインターフェース(UI)を有するナビゲーション表示装置のような、基点間の距離のより良い計算を提供できる海図処理装置が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、海図処理装置を提供する。海図処理装置は、一対の基点間に可動測定点を設定することにより、基点間の距離をより良好に測定することができる。海図処理装置は、電子海図上の一対の基点の位置を示す位置情報を受信する受信部と、一対の基点を結ぶ直線上にリアルタイムに移動可能である可動測定点を設定する測定点設定部と、可動測定点と一対の基点の少なくとも1つの基点との電子海図上での距離である算出距離を算出する計算部と、可動測定点の位置情報と算出距離を出力する出力部を備えている。
【0006】
他の海図処理装置の実施形態では、計算部は、一対の基点の各々と可動測定点との間の対応する距離を計算する。他の海図処理装置の実施形態では、受信部は、電子海図上の複数の一対の基点のそれぞれの位置を示す位置情報を受信する。
【0007】
他の海図処理装置の実施形態では、受信部は一対の基点の少なくとも1つの基点の変更位置を受信し、測定点設定部は可動測定点を変更する。可動測定点の位置は、一対の基点を結ぶ直線上で変更される。
【0008】
他の海図処理装置の実施形態では、測定点設定部は、受信した前記一対の基点のうち少なくとも1つの基点の位置が特定ターゲットの位置と所定の距離範囲内にある場合、前記基点の位置情報を前記特定ターゲットの位置情報に置き換える。
【0009】
他の海図処理装置の実施形態では、計算部は、さらに、一対の基点の少なくとも1つの基点の位置または可動測定点の位置が変化したときに算出距離を再計算する。
【0010】
他の海図処理装置の実施形態では、測定点設定部は、さらに、可動測定点に関連する配置情報を記憶し、一対の基点を結ぶ直線上の可動測定点を配置情報に対応する位置に設定する。
【0011】
他の海図処理装置の実施形態では、配置情報は、一対の基点間の直線によって形成される線分の内分比を含む。
【0012】
他の海図処理装置の実施形態では、配置情報は、1つの基点から可動測定点までの設定距離を含む。
【0013】
また、他の海図処理装置の実施形態では、測定点設定部は、一対の基点のうちの少なくとも一方の基点の位置情報が変更された場合に、該基点のうちの少なくとも一方の基点の位置情報を変更する前の内分比に応じて可動測定点の位置を設定するように構成されている。
【0014】
また、他の海図処理装置の実施形態では、測定点設定部は、一対の基点のうち少なくとも1つの基点の位置情報が変更された場合に、基点の位置情報を変更する前に、1つの基点から可動測定点までの設定距離に基づいて可動測定点の位置を設定するように構成されている。
【0015】
追加のナビゲーション表示装置の実施形態では、計算部は、さらに、一対の基点における一方の基点から別の基点への航行時間または方向の少なくとも1つを計算するように構成される。
【0016】
別の態様では、本発明は、ナビゲーション表示装置を提供する。ナビゲーション表示装置は、海図処理装置を含む。海図処理装置は、電子海図上の一対の基点の位置を示す位置情報を受信する受信部と、一対の基点を結ぶ直線上にリアルタイムに移動可能である可動測定点を設定する測定点設定部と、可動測定点と一対の基点の少なくとも1つの基点との電子海図上での距離である算出距離を算出する計算部と、可動測定点の位置情報と算出距離を出力する出力部を備えている。また、ナビゲーション表示装置は、電子海図上に一対の基点と可動測定点とを表示する表示部と、一対の基点及び可動測定点のそれぞれの位置情報に対応する入力を受けるように構成された入力インターフェースと、電子海図を格納する記憶部と、移動体の航路を設定する航路設定部とを備える。
【0017】
追加のナビゲーション表示装置の実施形態では、入力インターフェースは、電子海図上に一対の基点及び可動測定点を表示しながら、航路に対する複数のウェイポイントの位置情報の入力を受け付けるように構成される。
【0018】
追加のナビゲーション表示装置の実施形態では、ウェイポイントの位置情報は、可動測定点の位置情報、または一対の基点のうちの少なくとも1つの基点の位置と所定の距離範囲内にある場合、その可動測定点の位置情報、または一対の基点のうちの少なくとも1つの基点の位置情報に置き換えられるように構成される。
【0019】
さらに別の態様では、本発明は、海図処理方法を提供する。海図処理方法は、電子海図上の一対または複数の基点の位置を示す位置情報を受信し、一対の基点を結ぶ直線上に配置されるリアルタイムに移動可能な可動測定点を設定し、可動測定点と一対の基点のうちの少なくとも一方の基点との前記電子海図上での距離である算出距離を算出し、前記可動測定点の示す位置情報と前記算出距離を出力する。
【0020】
さらに別の態様では、本発明は、海図処理プログラムを提供する。海図処理プログラムは、電子海図上の一対の基点の位置を示す位置情報を受信する処理と、一対の基点を結ぶ直線上に配置されるリアルタイムに移動可能な可動測定点を設定する処理と、可動測定点と一対の基点のうちの少なくとも一方の基点との電子海図上での距離である算出距離を算出する処理と、可動測定点の示す位置情報と前記算出距離を出力処理と、を有する。
【0021】
さらに別の態様では、本発明は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるときに、コンピューティングデバイスに次の方法を実行させる命令を格納する、一時的でないコンピュータ可読媒体を提供する。方法は、電子海図上の複数の基点の位置を示す位置情報のユーザーからの入力を受け付け、複数の基点のうちの隣接する基点を結ぶ直線上に、静的な移動可能な測定点またはリアルタイムに変化する移動可能な可動測定点を設定し、可動測定点と直線によって接続された隣接する基点の少なくとも1つの基点との海図上での距離を計算し、可動測定点の位置情報と算出距離とを、可動測定点の位置情報と算出距離とを表示する表示部に出力する。
【0022】
様々な実施形態によれば、本発明は、水域内を航行する船舶、または航空路(または空路)を航行する航空機などの移動物体のための航行経路を計画するための手間のかからないユーザインタフェース(UI)を提供するナビゲーション表示装置を提案する。手間のかからないUIを提供するために、ナビゲーション表示装置は、基点間に可動測定点を提供するように構成された海図処理装置を含むことができる。可動測定点を提供するために、海図処理装置は、ユーザから入力された複数の基点の位置情報を電子海図上で受信してもよい。位置情報は、複数の基点の各基点の位置を示してもよい。また、海図処理装置は、複数の基点のうちの隣接する基点を結ぶ直線上に可動測定点を設定してもよい。また、海図処理装置は、電子海図上での、可動測定点と隣接する基点の少なくとも1つの基点との距離を算出し、可動測定点の位置情報と算出した距離とを出力して、電子海図上に可動測定点を設けるようにしてもよい。例えば、海図処理装置は、隣接する基点を結ぶ直線上に可動測定点を設け、可動測定点をリアルタイムに変更可能としてもよい。また、海図処理装置は、可動測定点の位置の変化に応じて距離を再計算してもよい。また、基準点が移動体に対応する場合には、移動体の移動や移動測定点の変化に応じて距離を再計算してもよい。したがって、海図処理装置を含むナビゲーション表示装置は、航路を計画するための手間のかからないUIを提供することができる。
【0023】
上記の概要は、例示的な態様であり、いかなる点においても限定することを意図しない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる実施形態、および特徴は、図面および以下の詳細な説明を参照することができる。
【0024】
本発明によれば、ナビゲーション表示装置、海図処理装置、及び海図処理方法が提供される。本発明によれば、ナビゲーション表示装置は、電子海図上の複数の基点を受信することができる手間のかからないUIを提供することができる。また、本発明によれば、ナビゲーション表示装置は、航路を計画するための手間のかからないUIを提供する海図処理装置を使用することができる。本発明によれば、手間のかからないUIを提供するために、海図処理装置は、電子海図上に、複数の基点のうちの隣接する一対の基点を結ぶ直線上に可動測定点を設けることができる。さらに、ナビゲーション表示装置は、複数の基点のうちの1つまたは複数の基点を電子海図上の特定のターゲットに吸着することができる。特定のターゲットは、静的オブジェクトまたは移動オブジェクトを含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の例示的実施形態によるナビゲーション表示装置のブロック図を示す。
図2】本発明の例示的実施形態による海図処理装置のブロック図を示す。
図3】本発明の一実施形態による、一対の基点を入力するための概略図である。
図4】本発明の例示的な実施形態による、可動測定点の位置および計算された距離を示す概略図である。
図5】本発明の例示的な実施形態による、可動測定点の位置を変更するための概略図である。
図6】本発明の別の実施例による、複数の基点を入力する場合の概略図である。
図7】本発明の別の例示的な実施形態による、可動測定点の位置および計算された距離を示す概略図を示す。
図8】本発明の別の実施例による、可動測定点の位置を変更するための概略図である。
図9】本発明の例示的な実施形態による、複数の可動測定点を設定するための概略図である。
図10】本発明の例示的な実施形態による、基点を移動するための概略図である。
図11】本発明の例示的な実施形態による、図10に示されるような移動後の基点を表示するための概略図である。
図12】本発明の別の実施例による、基点を移動するための概略図である。
図13】本発明の例示的な実施形態による、航路を設定するための概略図である。
図14】本発明の例示的な実施形態による、ナビゲーション時間および方向を表示するための概略図である。
図15】本発明の別の例示的な実施形態による、距離および方向を表示するための概略図を示す。
図16】本発明の例示的実施形態による、測定モードに関連する測定方法を示す図である。
図17】本発明の例示的実施形態による、測定モードに関連する測定方法を示す図である。
図18】本発明の例示的実施形態による、測定モードに関連する測定方法を示す図である。
図19】本発明の一実施形態に係る、可動計測点の位置情報と算出距離とを出力する海図処理方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以降の説明において、十分な開示を目的とする説明を行うため、多数の具体的な実施態様が記載される。しかしながら、本開示がこれらの具体的な実施態様がなくとも発明の実施に足りることは、当業者に明らかである。装置等は、本開示を不明瞭にすることを避けるため、ブロック図形式などを用いて示される。
【0027】
本明細書において、「実施形態」とは、本実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における「実施形態」は、必ずしも全て同じ実施形態を参照しているわけではなく、他の実施形態と相互に排他的な別個の又は代替の実施形態でもない。さらに、本明細書における用語「1つ以上」又は「1つ」などは、量の制限を示すのではなく、むしろ、参照された項目の少なくとも一つの存在を示す。さらに、いくつかの実施形態によって示しているが、他の実施形態によって示していない様々な特徴がある。同様に、いくつかの実施形態のための要件であって、他の実施形態のための要件ではない様々な要件が記載される。
【0028】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態をいくつか説明する。図面には、本開示の一部の実施形態が示されているが、これがすべてではない。実際、本開示の様々な実施形態は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な要件を満たすために記載される。参照番号は、全体を通して同一の要素を指す。本明細書中で使用される用語「データ」、「コンテンツ」、「情報」、および類似の用語は、本発明の実施形態に従って送信、受信、および/または記憶することができるデータを指すために使用される。したがって、このような用語は、本発明の実施形態の範囲を制限するように解釈されるべきではない。
【0029】
実施形態は、説明の目的で本明細書に記載され、多くの変形例を有する。種々の省略および均等物の置換したものは、本開示の範囲から逸脱しない実施形態に含まれる。さらに、本明細書で使用される用語は、説明のためであって、必ずしも説明される意味に限定されない。本明細書中で使用される見出しは、便宜上のものであって、法的または限定的な効果を有しない。
【0030】
本明細書および特許請求の範囲で使用される、「例えば」、「のような」、「持つ」、および「含む」などの用語、およびそれらの他の形態は、一つ以上の構成要素または他の項目のリストと併せて使用される場合、それぞれオープンエンドとして解釈されるものとし、リストは、他の追加の構成要素または項目を除外するものとはみなされないことを意味する。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈で使用されない限り、それらの最も広い合理的な意味を使用して解釈されるべきである。
【0031】
本発明の目的の1つは、航路を計画するための手間のかからないユーザインタフェースを提供することである。この目的のために、ナビゲーション表示装置が提供される。例えば、手間のかからないユーザインターフェースを提供するために、ナビゲーション表示装置は、複数の基点間に可動測定点を提供する海図処理装置を使用することができる。可動測定点を提供するために、海図処理装置は、ユーザによって入力された電子海図上の複数の基点の位置情報を受信することができる。位置情報は、複数の基点の各基点の位置を示してもよい。複数の基点は、一対の基点を含むことができる。また、海図処理装置は、複数の基点のうちの隣接する基点を結ぶ直線上に可動測定点を設定してもよい。また、海図処理装置は、電子海図上に可動測定点を設定し、可動測定点と隣接する基点の少なくとも1つの基点との距離を算出し、可動測定点の位置情報と算出した距離とを出力してもよい。例えば、海図処理装置は、隣接する基点を結ぶ直線上に可動測定点を設け、可動測定点の位置をリアルタイムに変更可能としてもよい。また、海図処理装置は、可動測定点の変化に応じて距離を再計算してもよい。また、本発明の目的は、複数の基点のうちの1つ以上の基点を電子海図上の特定のターゲットに吸着することができるようにすることにある。特定のターゲットは、静的オブジェクトまたは移動オブジェクトを含むことができる。また、基点が移動体に吸着する場合には、移動体の移動や可動測定点の変化に応じて距離を再計算してもよい。例えば、航路を計画するための手間のかからないユーザインタフェースを提供するナビゲーション表示装置の概要を図1を参照して以下に示す。
【0032】
図1は、本発明の例示的実施形態によるナビゲーション表示装置101のブロック図を示す。本実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、船舶に設置することができる。例えば、船舶は水域内を航行する船舶である。ナビゲーション表示装置101は、ユーザが航海を計画するのを支援することができる。例えば、ナビゲーション表示装置101は、ユーザが航路を計画するのを支援することができる。本明細書で「航海」とは、ある場所から別の場所への船舶の移動を意味する。ユーザは、船長、航海士、運転者、旅行者等に対応する。例えば、運転者は、操舵手であってもよいし、操舵手として構成されたロボットであってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、航空機のような船舶以外の移動体に設置することができる。
【0034】
本実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、タッチパネルディスプレイ103と、記憶部105と、ナビゲーション部107と、海図処理装置109とを含むことができる。また、記憶部105は、電子海図105aを記憶するように構成されていてもよい。例えば、電子海図105aの「電子」部分は、海図が電子形式で記憶されていることを示してもよい。したがって、電子海図105aは、電子的に記憶された海図に対応していてもよい。記憶部105は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等の記憶媒体として具体化される。
【0035】
本実施形態によれば、タッチパネルディスプレイ103は、電子海図105aを表示し、表示された電子海図105a上のユーザーによる入力を受信するように構成される。このため、タッチパネルディスプレイ103は、表示部103aと入力インタフェース103bとを備えていてもよい。表示部103aは、電子海図105aを表示する。入力インタフェース103bは、表示された電子海図105aに対するユーザからの入力を受け付ける。例えば、入力インターフェース103bは、ユーザがタッチパネルに触れると、表示された電子海図105a上の入力をユーザから受けるタッチパネルであってもよい。さらに、または代替的に、入力インターフェース103bは、マウス、キーボードなどを介して、表示された電子海図105a上の入力をユーザから受信することができてもよく、したがって、タッチパネルディスプレイは、当技術分野で一般的な任意の他の既知の入力技術に置き換えられ得る。
【0036】
ナビゲーション部107は、処理回路またはプロセッサで実現されてもよい。プロセッサは、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、DSPを伴うまたは伴わない処理要素、または、例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、特殊用途のコンピュータチップなどの集積回路を含む様々な他の処理回路のうちの1つ以上を含んでもよい。本実施形態によれば、ナビゲーション部107は、船舶の航行経路を設定するように構成されてもよい。このため、ナビゲーション部107は、航路設定部107aとモード設定部107bとを備えていてもよい。航路設定部107aは、船舶の航行経路を設定するものであってもよい。例えば、航行経路は、ある位置から別の位置まで移動する間に、船舶の移動方向を定義することができる。モード設定部107bは、計測モード、航路設定モード等の少なくとも一つのモードをナビゲーション表示装置101に設定するように構成されている。例えば、モード設定部107bは、ユーザが表示部103aから航路設定モードオプションを選択した場合に、航路設定モードを設定してもよい。また、モード設定部107bは、測定モードから航路設定モードへ、または航路設定モードから測定モードへ切り替えるように構成されている。本実施形態では、航路設定部107aは、モード設定部107bが計測モードから航路設定モードに切り替わったとき、及び/又は、モード設定部107bが航路設定モードを設定したときに、船舶の航行経路を設定してもよい。また、ナビゲーション部107は、航空機の航路を設定するように構成してもよい。実施形態によれば、モード設定部107bが航路設定モードから計測モードに切り換わる場合、及び/又は、モード設定部107bが計測モードを設定する場合、海図処理装置109は、電子海図105aに対応する情報を処理するように構成される。例えば、海図処理装置109は、電子海図105aに対応する情報を処理するために、図2の詳細な説明のように構成することができる。
【0037】
図2は、本発明の例示的実施形態による海図処理装置109のブロック図を示す。図2は、図1と関連して説明される。一実施形態によれば、海図処理装置109は、プロセッサ内で実施されてもよい。海図処理装置109は、受信部109aと、測定点設定部109bと、計算部109cと、出力部109dとを備えている。一実施形態によれば、受信部109aは、モード設定部107bが測定モードを設定している場合に、電子海図105a上の一対の基点の位置を示す位置情報を受信するように構成される。すなわち、受信部109aは、モード設定部107bによって測定モードが設定された場合に、電子海図105a上の一対の基点のそれぞれの基点に対応する位置を示す位置情報を受信するように構成してもよい。なお、電子海図105a上の一対の基点の位置情報は、タッチパネルディスプレイ103を介してユーザから受信してもよい。ここで用いられるように、基点は、電子海図105a上の、ユーザによって選択された位置に対応することができる。また、受信部109aは、受信した一対の基点の位置情報を測定点設定部109bに入力する。
【0038】
なお、測定点設定部109bは、受信部109aから測定点設定部109bに一対の基点の位置情報が与えられると、一対の基点を結ぶ直線上に可動測定点を設定する。可動測定点は、静的または変更可能であってもよく、リアルタイムで変更することができる。また、測定点設定部109bは、配置情報を用いて、一対の基点を結ぶ直線上に移動可能な測定点を設定するようにしてもよい。配置情報は、直線で結ばれた一対の基点間の内分比及び/又は直線で結ばれた一対の基点の少なくとも1つの基点からの設定距離に基づいて決定されてもよい。
【0039】
計算部109cは、測定点設定部109bによって可動測定点が設定されると、電子海図105a上で、直線で結ばれた一対の基点の少なくとも一方の基点と可動測定点との距離を算出する。また、計算部109cは、算出された距離および船舶の速度を用いて、直線で結ばれた一対の基点のうち少なくとも一方の基点と可動測定点との間の航行時間を算出するように構成されている。また、計算部109cは、一対の基点の位置情報に基づいて方向(方位角)を算出するように構成されている。さらに、計算部109cは、一対の基点間の電子海図105a上での距離を算出するように構成されている。
【0040】
出力部109dは、可動測定点と一対の基点の少なくとも一方の基点との距離が算出されると、可動測定点の位置情報と、算出された可動測定点と一対の基点の少なくとも一方の基点との距離(算出距離)とを出力するように構成されている。また、出力部109dは、可動計測点の位置情報と算出された距離とをタッチパネルディスプレイ103(好ましくは、表示部103a)に出力してもよい。また、出力部109dは、算出された航行時間、算出された方向、および算出された基点間距離を出力するように構成されている。タッチパネルディスプレイ103は、電子海図105a上に、可動測定点の位置と、可動測定点と一対の基点の少なくとも一つの基点との間の計算された距離とを表示するように構成されてもよい。さらに、タッチパネルディスプレイ103は、計算された航行時間、計算された方向、および計算された基点間距離を電子海図105a上に表示するように構成されてもよい。
【0041】
このように、海図処理装置109は、電子海図105a上の一対の基点の位置情報を処理して、可動測定点と、算出された可動測定点と一対の基点の少なくとも一方の基点との距離とを出力するように構成されている。実施形態によれば、モード設定部107bによって設定される測定モードは、入力モードおよび編集モードの少なくとも一方を含むことができる。また、入力モードおよび編集モードに基づいて、一対の基点の位置情報および可動計測点の位置情報を処理する海図処理装置109については、図3?図12の詳細説明で説明する。
【0042】
図3は、本発明の例示的実施形態による、一対の基点205aおよび205bを入力するための概略図201を示す。図3は、図1および図2と関連して説明される。概略図201は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。ナビゲーション表示装置101は、電子海図105a上での一対の基点205a,205bをユーザ203が選択するのを許可することができる。ユーザ203は、船長、航海士、運転者、旅行者等に相当する。例えば、運転者は、操舵手または操舵手として構成されたロボットであってもよい。一実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bが入力モード(基点入力モードともいう)を設定する際に、ユーザ203に一対の基点205a、205bを選択させるようにしてもよい。例えば、モード設定部107bは、ユーザ203が入力モードを選択した場合に、入力モードを設定することができる。
【0043】
ユーザ203は、入力モードが選択された状態で、タッチディスプレイパネル103(好ましくは、表示パネル103a)にタッチすることにより、一対の基点205a、205bを選択することができる。例えば、ユーザ203は、基点205aおよび基点205bの順序でタッチディスプレイパネル103にタッチすることで、一対の基点205aおよび205bを選択することができる。あるいは、ユーザ203は、表示パネル上でマウスのカーソルを移動させたり、キーボードから数値データを入力するなどして、一対の基点205a,205bを選択してもよい。
【0044】
そして、一対の基点205a、205bが選択されると、受信部109aは、一対の基点205a,205bの電子海図105a上での位置を示す位置情報を受信する。また、モード設定部107bは、一対の基点205a、205bが選択された後、入力モードを終了してもよい。例えば、一対の基点205a,205bを選択した後、所定時間、ユーザ203からの入力がない場合には、モード設定部107bにより入力モードを自動的に終了させるようにしてもよい。一対の基点205a、205bの位置情報を受信すると、海図処理装置109は、図4の詳細な説明で説明するように構成される。
【0045】
図4は、本発明の例示的実施形態による、可動測定点211の位置および計算された距離(算出距離)213a、213b、および213cを示す概略図207を示す。図4は、図1および図2と関連して説明される。概略図207は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。測定点設定部109bは、一対の基点205a、205bの位置情報を受信すると、基点205a、205b間に線209(好ましくは直線209)を設定するように構成される。また、測定点設定部109bは、基準点205a、205bを結ぶ線209上に可動測定点211を設定するように構成される。可動測定点211は、静的であってもよいし、リアルタイムで変化してもよい。
【0046】
計算部109cは、電子海図105a上での、可動測定点211と基点205aとの間の距離213a、可動測定点211と基点205bとの間の距離213bおよび基点205a、205bとの間の距離213cとを算出するように構成される。また、計算部109cは、基点205aから可動測定点211までの航行時間、可動測定点211から基点205bまでの航行時間、および/または基点205aから基点205bまでの航行時間を算出してもよい。例えば、計算部109cは、距離213aと船舶の速度(または船舶の平均速度)とを用いて、基点205aから可動測定点211までの航行時間を算出してもよい。同様に、計算部109cは、距離213bと船舶の速度(または船舶の平均速度)とを用いて、可動測定点211から基点205bまでの航行時間を算出してもよい。また、計算部109cは、基点205a,205bの位置情報に基づいて方向を算出してもよい。また、出力部109dは、可動測定点211の位置情報と、基点205a、205b間の線209と、算出された距離213a、213b、213cとを表示部103aに出力するようにしてもよい。例えば、距離213a、213b、213cの数値は、それぞれ1.14NM(海里)、1.14NM、および2.28NMである。図4に示すように、表示部103aは電子海図105a上に、可動測定点211の位置、線209、算出距離213a、213b、213cを表示するように構成されていてもよい。なお、可動測定点211は、直線209の中心(中間点)に設定されるが、可動測定点211は直線209の中心に設定することに限定されるものではない。
【0047】
また、測定点設定部109bは、配置情報を記憶するように構成してもよい。測定点設定部109bは、記憶した配置情報を、可動測定点211を初期設定するための初期設定情報としてもよい。例えば、測定点設定部109bは、配置情報に応じて可動測定点211の位置を設定してもよい。配置情報は、ユーザ203が指定してもよい。例えば、ユーザ203は、基点205aと基点205bとの間で形成される線分209の内部分割に対応する内分比(例えば、0~1の間)を指定したり、基点(例えば、基点205a)からの設定距離を指定することにより、配置情報を指定してもよい。例えば、ユーザ203が、基点205aから可動測定点211までの内分比を0.4と指定した場合、測定点設定部109bは、基点205aから数値0.91NMの距離に可動測定点211の位置を設定する(基点205aと205bとの距離が2.28NMの場合)。例えば、ユーザ203が配置情報を基点205aからの設定距離として数値1.0NMを指定した場合、測定点設定部109bは、基点205aから可動測定点211の位置を数値1.0NMの距離に設定してもよい。従って、配置情報は、基点205aと205bとの間の内分比、又は基点205からの設定距離のいずれかに基づいて決定されてもよい。
【0048】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、ユーザ203が電子海図105a上で可動測定点211をリアルタイムで移動することを許可することができる。例えば、ユーザ203が電子海図105a上で可動測定点211を移動させると、海図処理装置109は、図5の詳細な説明で説明するように構成される。
【0049】
図5は、本発明の例示的実施形態による、可動測定点211の位置を変更するための概略図215を示す。図5は、図1および図2と関連して説明される。概略図215は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。本実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bが編集モードを設定されているとき、ユーザ203が電子チャート105a上で可動測定点211を移動させることができる。例えば、モード設定部107bは、ユーザ203が編集モードを選択した場合に、編集モードを設定してもよい。実施形態によれば、モード設定部107bによって設定される編集モードは、可動測定点編集モードと基点編集モードとの少なくとも一方を含むことができる。本実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bが可動計測点編集モードを設定したときに、ユーザ203が電子チャート105a上で可動計測点211を移動させることができる。例えば、モード設定部107bは、ユーザ203が可動計測点編集モードを選択した場合に、可動計測点編集モードを設定してもよい。また、モード設定部107bは、入力モード(基点入力モード)を終了した後に、自動的に可動計測点の編集モードを設定してもよい。
【0050】
図5に示すように、可動測定点211を移動させるために、ユーザ203は、電子海図105aに表示された可動測定点211に触れ、可動測定点211を方向217に移動させることができる。例えば、方向217は、ユーザ203が可動測定点211を基点205aに向かって移動していることを示す。あるいは、ユーザ203は、可動測定点211を方向217と反対の方向に移動させてもよい。例えば、ユーザ203は、可動測定点211を基点205bに向けて移動させてもよい(すなわち、基点205aから離れる方向)。したがって、ナビゲーション表示装置101は、ユーザ203の操作により、基点205a、205bを結ぶ線209に沿って可動測定点211を移動させることができる。あるいは、可動測定点211を移動させるために、ユーザ203は、マウス、キーボード等を使用することができる。
【0051】
また、受信部109aは、可動測定点211が移動したときに、可動測定点211の新たな位置情報を受信するように構成してもよい。可動測定点211の新しい位置情報は、可動測定点211が初期位置から新しい位置に移動されたことを示すことができる。図5において、可動測定点211´は、可動測定点211の初期位置を示す。初期位置は、配置情報に基づいて決定される可動測定点211の位置であってもよい。
【0052】
測定点設定部109bは、新たな可動測定点211の位置情報を受信すると、可動測定点211の位置を変更するように構成されていてもよい。例えば、測定点設定部109bは、可動測定点211の位置を初期位置から新たな位置に変更する。また、測定点設定部109bは、基点205aと基点205bとを結ぶ線209上に沿って可動測定点211の位置を変更するように構成してもよい。すなわち、測定点設定部109bによって、線209上のみで可動測定点211の位置を変更するようにしてもよい。
【0053】
可動測定点211の位置が変更されると、計算部109cは、基点205aと可動測定点211との間の距離213aと、基点205aと可動測定点211との間の距離213bとを再計算するように構成されてもよい。例えば、再計算された距離213aおよび231bは、それぞれ0.5NMおよび1.78NMとなる。距離213cは、先に計算されたものと同じままでよい。例えば、距離213cは、2.28NMである。また、計算部109cは、基点205aから可動測定点211までの航行時間、および/または可動測定点211から基点205bまでの航行時間を再計算するように構成されてもよい。例えば、計算部109cは、再計算された距離213a及び船舶の速度(又は船舶の平均速度)を用いて、基点205aから可動測定点211までの航行時間を再計算してもよい。同様に、計算部109cは、再計算された距離213b及び船舶の速度(又は船舶の平均速度)を用いて、可動測定点211から基点205bまでの航行時間を再計算してもよい。
【0054】
また、出力部109dは、再計算された距離213a、213bと、移動測定点211の新たな位置情報とを表示部103aに出力するように構成してもよい。また、表示部103aは、図5に示すように、再計算された距離213a,213bと新たな位置の移動測定点211とを電子海図105a上に表示してもよい。
【0055】
このように、海図処理装置109は、可動測定点編集モードが選択された状態でユーザ203が可動測定点211を移動させると、可動測定点211の位置を変更することができる。説明のために、図3?図5では、ユーザ203が二つの基点205aおよび205bを選択した場合について考慮した。しかし、ユーザ203は、電子海図105a上の任意の有限数の基点を選択することができる。例えば、ユーザ203が二つ以上の基点を選択した場合、海図処理装置109は、図6の詳細な説明で説明するように構成することができる。
【0056】
図6は、本発明の別の例示的実施形態による、複数の基点305a、305b、305c、および305dを入力するための概略図301を示す。図6は、図1および図2と関連して説明される。概略図301は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。本実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bが入力モードを設定する際に、ユーザ303に複数の基点305a,305b,305c,305dを選択させることができる。すなわち、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bが入力モードを設定する際に、ユーザ203に複数の一対の基点305a,305b,305c,305dを選択させてもよい。例えば、モード設定部107bは、ユーザ203が入力モードを選択した場合に、入力モードを設定することができる。ユーザ303は、ユーザ203に対応する。
【0057】
ユーザ303は、入力モードが選択された状態でタッチディスプレイパネル103にタッチすることにより、複数の基点305a、305b、305c、305dを選択することができる。例えば、ユーザ303は、基点305a、基点305b、基点305c、基点305dの順にタッチディスプレイパネル103にタッチして、複数の基点305a、305b、305c、305dを選択することができる。また、ユーザ303は、タッチディスプレイパネル103上でマウスのカーソルを移動させたり、キーボードから数値データを入力するなどして、複数の基点305a、305b、305c、305dを選択してもよい。
【0058】
受信部109aは、複数の基点305a,305b,305c,305dが選択されると、電子海図105a上の複数の基点305a,305b,305c,305dの位置を示す位置情報を受信する。すなわち、受信部109aは、複数の一対の基点305a,305b,305c,305dが選択されると、電子海図105aにおける複数の一対の基点305a,305b,305c,305dのそれぞれの位置を示す位置情報を受信するように構成されている。海図処理装置109は、複数の基点305a,305b,305c,305dの位置情報を受信すると、図7の詳細な説明で説明するように構成される。
【0059】
図7は、本発明の別の例示的実施形態による、可動測定点311の位置および計算された距離313a、313b、313c、313d、313e、313fおよび313gを示す概略図307を示す。図7は、図1および図2と関連して説明される。概略図307は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子チャート105aを示す。測定点設定部109bは、複数の基点305a,305b,305c,305dの位置情報を受信すると、隣接する基点を特定するように構成されてもよい。例えば、測定点設定部109bは、ユーザ303が選択した順序に基づいて、基点305a,305bを第一の隣接する基点、基点305b,305cを第二の隣接する基点、基点305c,305dを第三の隣接する基点として特定してもよい。隣接する基点は一対の基点となる。また、測定点設定部109bは、第一の隣接する基点305aと305bとの間に線309a(好ましくは直線309a)を設定するように構成してもよい。同様に、測定点設定部109bは、第二の隣接する基点305bと305cとの間に線309b(好ましくは直線309b)を設定するようにさらに構成してもよい。そして、隣接する第三の基点305cと305dとの間に線309c(好ましくは直線309c)を設定する。また、測定点設定部109bは、第一の隣接する基点305a,305bを結ぶ線309a上に可動測定点311を設定するように構成してもよい。例えば、測定点設定部109bは、配置情報を用いて、線309a上に可動測定点311を設定してもよい。さらに、一部の実施形態では、測定点設定ユニット109bは、ライン309b上および/またはライン309c上に追加の可動測定点を設定することができる。
【0060】
計算部109cは、電子海図105a上で、可動測定点311と基点305aとの間の距離313a、可動測定点311と基点305bとの間の距離313b、第一の隣接する基点305aと305bとの間の距離313c、第二の隣接する基点305bと305cとの間の距離313d、第三の隣接する基点305cと305dとの間の距離313fを算出するように構成してもよい。また、計算部109cは、電子海図105a上で、基点305aから基点305bを介して基点305cまでの距離313eを算出するように構成してもよい。例えば、算出部109cは、距離313c、313dを加算して距離313eを算出してもよい。また、計算部109cは、電子海図105a上で、基点305aから基点305bおよび基点305cを介して基点305dまでの距離313gを算出するように構成してもよい。例えば、算出部109cは、距離313c、313d、313fを加算して距離313gを算出してもよい。また、出力部109dは、可動測定点311の位置情報と、線309a,309b,309cと、算出距離313a,313b,313c,313d,313e,303f,313gとを表示部103aに出力するようにしてもよい。例えば、距離313a、313b、313c、313d、313e、313f、および313gは、それぞれ1.25NM、1.25NM、2.50NM、2.35NM、4.85NM、4.30NM、および9.15NMである。表示部103aは、図7に示すように、電子海図105a上に、可動測定点311の位置、線309a,309b,309c、算出された距離313a,313b,313c,313d,313e,313f,313gを表示するように構成してもよい。一実施形態では、算出距離313a、313b、313c、313d、313e、313f、および313gは、入力モードが終了した後に表示されてもよい。
【0061】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、ユーザ303が電子海図105a上で可動測定点311をリアルタイムで移動することを可能にすることができる。例えば、ユーザ303が可動測定点311を移動させる場合、海図処理装置109は、図8の詳細な説明で説明するように構成することができる。
【0062】
図8は、本発明の別の例示的実施形態による、可動測定点311の位置を変更するための概略図315を示す。図8は、図1および図2と関連して説明される。概略図315は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。本実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bが可動測定点編集モードを設定したときに、ユーザ303が電子海図105a上で可動測定点311を移動させることができる。例えば、モード設定部107bは、ユーザ303が可動計測点編集モードを選択した場合に、可動計測点編集モードを設定してもよい。また、モード設定部107bは、入力モード(基点入力モード)を終了した後に、自動的に可動計測点編集モードを設定してもよい。
【0063】
図8に示すように、可動測定点311を他の線上に移動させるために、ユーザ303は、基点305cと基点305dとを結ぶ線309cに触れることができる。ユーザ303が線309cに触れると、可動測定点311は線309a上から消えて線309c上に現れ、可動測定点311が移動したことを示す。あるいは、ユーザ303は、可動測定点311を移動させてもよい。例えば、ユーザ303は、線309a上の可動測定点311を線309bを介して線309cに移動させることができる。
【0064】
また、受信部109aは、可動測定点311が移動したときに、可動測定点311の新たな位置情報を受信するように構成してもよい。可動測定点311の新しい位置情報は、可動測定点311が初期位置(例えば線309a上の位置)から新しい位置(例えば線309c上の位置)に移動されたことを示すことができる。
【0065】
測定点設定部109bは、新たな可動測定点311の位置情報を受信すると、可動測定点311の位置を変更するように構成されていてもよい。例えば、測定点設定部109bは、可動測定点311の位置を初期位置から新たな位置に変更してもよい。
【0066】
可動測定点311の位置が変更されると、計算部109cは、基点305cと可動測定点311との間の距離317e、および基点305dと可動測定点311との間の距離317fを再計算するように構成されてもよい。例えば、距離317aおよび317bは、図7において先に計算された距離313cに対応し得る。同様に、距離317c、317d、および317gは、図7において先に計算された距離313d、313e、および313gにそれぞれ対応し得る。例えば、距離317a、317b、317c、317d、317e、317f、および317gは、それぞれ2.50NM、2.50NM、2.35NM、4.85NM、1.95NM、2.35NM、および9.15NMである。
【0067】
また、出力部109dは、距離317a,317b,317c,317d,317e,317f,317gと、移動測定点311の新たな位置情報とを表示部103aに出力するようにしてもよい。表示部103aは、図8に示すように、電子海図105a上に、距離317a,317b,317c,317d,317e,317f,317g及び線309c上の移動測定点311を表示してもよい。
【0068】
このように、海図処理装置109は、可動測定点編集モードが選択された状態でユーザ303が可動測定点311を移動させると、可動測定点311の位置を変更することができる。説明のために、図6?8では、一つの可動測定点311を設定するように構成された測定点設定部109bについて考えた。ただし、測定点設定部109bは、複数の基点がn個の有限の隣接する基点(一対の基点)を含む場合には、n個の有限の可動測定点を設定するように構成してもよい。例えば、図6?8において、複数の基点305a,305b,305c,305dは、三つの隣接する基点を含むので、測定点設定部109bは、三つの可動測定点を設定するように構成してもよい。また、複数の可動測定点を設定する海図処理装置109については、図9で説明する通りである。
【0069】
図9は、本発明の例示的実施形態による、複数の可動測定点407a、407b、および407cを設定するための概略図401を示す。図9は、図1および図2に関連して説明される。概略図401は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。複数の基点403a、403b、403c、403dは、ユーザ303によって選択された複数の基点305a、305b、305c、305dにそれぞれ対応する。複数の基点403a、403b、403c、403dが選択されると、受信部109aは、電子海図105a上の複数の基点403a、403b、403c、403dのそれぞれの位置を示す位置情報を受信するように構成されてもよい。測定点設定部109bは、隣接する基点を特定するように構成されてもよい。例えば、測定点設定部109bは、選択された順序に基づいて、基点403a,403bを第一の隣接する基点、基点403b,403cを第二の隣接する基点、基点403c,403dを第三の隣接する基点として特定してもよい。また、測定点設定部109bは、第一の隣接する基点403aと403bとの間に線405a(好ましくは直線405a)を設定するように構成してもよい。同様に、測定点設定部109bは、第二の隣接する基点403bと403cとの間に線405b(好ましくは直線405b)を設定するようにさらに構成してもよい。そして、隣接する第三の基点403cと403dとの間に線405c(好ましくは直線405c)を設定してもよい。また、測定点設定部109bは、第一の隣接する基点403a,403bを結ぶ直線405a上に可動測定点407aを設定するように構成してもよい。例えば、測定点設定部109bは、配置情報を用いて、ライン405a上に可動測定点407aを設定してもよい。同様に、測定点設定部109bは、第二の隣接する基点403b,403cを結ぶ直線405b上に可動測定点407bを設定するように構成されていてもよい。そして、第三の隣接する基点403b,403cを結ぶ直線405c上に可動測定点407cを設定してもよい。
【0070】
計算部109cは、電子海図105a上で、可動測定点407aと基点403aとの間の距離409a、可動測定点407aと基点403bとの間の距離409b、第一の隣接する基点403a、403b間の距離409c、可動測定点407bと基点403bとの間の距離409e、可動測定点407bと基点403cとの間の距離409f、第二の隣接する基点403b、403c間の距離409g、可動測定点407cと基点403cとの間の距離409i、可動測定点407cと基点403dとの間の距離409j、第三の隣接する基点403c、403dとの間の距離409kを算出するように構成してもよい。また、計算部109cは、電子海図105a上において、基点403aから基点403bまでの距離409d、基点403aから基点403bを介して基点403cまでの距離409h、基点403aから基点403b及び基点403cを介して基点403dまでの距離409lを算出するように構成してもよい。例えば、距離409dは、距離409cと同じであってもよい。例えば、計算部109cは、距離409d、409gを加算して距離409hを算出してもよい。例えば、計算部109cは、距離409h、409kを加算して距離409lを算出してもよい。
【0071】
また、出力部109dは、複数の可動測定点407a,407b,407cと、線405a,405b,405cのそれぞれの位置を示す位置情報と、算出距離409a,409b,409c,409d,409e,409f,409g,409h,409i,409j,409k,409lとを表示部103aに出力するようにしてもよい。例えば、距離409a、409b、409c、409d、409e、409f、409g、409h、409i、409j、409k、および409lは、それぞれ、1.25NM、1.25NM、2.50NM、2.50NM、1.18NM、1.18NM、2.35NM、4.85NM、2.15NM、2.15NM、4.30NM、および9.15NMである。表示部103aは、図9に示すように、電子海図105a上に、複数の可動測定点407a,407b,407c、直線405a,405b,405cと、算出距離409a,409b,409c,409d,409e,409f,409g,409h,409i,409j,409k,409lとを表示するように構成してもよい。また、いくつかの実施形態によれば、表示部103aは、隣接する基点間の距離(例えば、距離409c、409g、および409k)を、可動測定点と基点間の距離(例えば、距離407a、407b、409e、409f、409iおよび409j)と比較して異なる表現で表示するように構成されてもよい。また、表示部103aは、複数の基点403a,403b,403c,403dにおける基点403aから他の基点までの距離(例えば、距離409d、409h、409l)を、隣接する基点間の距離や、可動測定点と基点との間の距離とを異なる表示で表示するように構成してもよい。換言すれば、表示部103aは、より良いユーザエクスペリエンスのために、距離407a、407b、409e、409f、409i、409j、距離409c、409g、409k、及び距離409d、409h、409lを三つの異なる表現で表示してもよい。
【0072】
さらに、いくつかの実施形態において、ナビゲーション表示装置101は、ユーザが電子海図105a上で複数の可動測定点407a、407b、および407cのそれぞれを移動することを可能にしてもよい。例えば、ユーザが可動測定点407a、407b、407cのいずれかを移動させた場合、図5の詳細な説明で説明したように、海図処理装置109は、ユーザが移動する可動測定点の位置を変更するように構成されてもよい。
【0073】
さらに、いくつかの実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、ユーザが電子海図105a上で基点を移動することを可能にしてもよい。例えば、ユーザが基点を移動させた場合、海図処理装置109は、図10の詳細な説明で説明するように構成することができる。
【0074】
図10は、本発明の例示的実施形態による、基点505aを移動するための概略図501を示す。図10は、図1および図2と関連して説明される。概略図501は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。概略図501は、一対の基点505a、505bと、可動測定点507と、基点505aと可動測定点507との間の距離509aと、可動測定点507と基点505bとの間の距離509bと、基点505、505bとの間の距離509cと、基点511と、可動測定点513とを示す。一対の基点505a,505bは、一対の基点205a,205bにそれぞれ対応する。可動測定点507は、可動測定点211に対応する。距離509a、509b、509cは、計算部109cによって算出されてもよい。例えば、距離509a、509b、および509cは、それぞれ0.5NM、1.78NM、および2.28NMである。基点511は、ユーザ503が基点505aを、元の位置とは異なる新たな位置に移動させた後の基点505aに対応する。ユーザ503は、ユーザ203に対応する。可動測定点513は、ユーザ503が基点505aを新しい位置に移動させた後の可動測定点507に対応する。
【0075】
また、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bによって基点編集モードが設定された場合に、ユーザ503に電子海図105a上の基点505aを移動させるようにできる。例えば、モード設定部107bは、ユーザ503が基点編集モードを選択した場合に、基点編集モードを設定してもよい。例えば、ユーザ503は、メニューオプションから基点編集モードを選択することができる。あるいは、ユーザ503は、ユーザ503の指を基点上に一定時間置くことにより、基点編集モードを選択してもよい。
【0076】
図10に示すように、ユーザ503は、基点505aを移動させるために、ユーザ503の指を基点505aに一定時間置き、基点505aを移動させてもよい。すなわち、ユーザ503は、基点505aの位置を基点511に変更する。また、基点505aが基点511に変更された場合、海図処理装置109は、図11の詳細な説明で説明するように構成することができる。
【0077】
図11は、本発明の例示的な実施形態による、基点511を表示するための概略図515を示す。図11は、図1図2図10と併せて説明される。概略図515は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。また、基点505aが基点511に変更されると、受信部109aは、基点511の位置を示す位置情報を受信するように構成されてもよい。すなわち、受信部109aは、基点505aの移動位置を示す位置情報(例えば、基点511)を受信するように構成してもよい。
【0078】
また、測定点設定部109bは、基点505aの位置を、基点511を表すように変更する際に、基点505aと基点505bとの間の線(好ましくは直線)をリセットするようにしてもよい。また、測定点設定部109bは、基点505aの位置を、基点511を表すように変更する際に、可動測定点507を可動測定点513に変更するようにしてもよい。例えば、測定点設定部109bは、可動測定点513がリセットされた線上にあるように、可動測定点513を表すように可動測定点507の位置情報を変更してもよい。また、測定点設定部109bは、可動測定点507を可動測定点513に変更するために、可動測定点513の位置を設定するように構成されていてもよい。すなわち、測定点設定部109bは、可動測定点507を可動測定点513に変更するための可動測定点513の位置を設定してもよい。
【0079】
また、測定点設定部109bは、配置情報を用いて可動測定点513の位置を設定するように構成してもよい。また、一実施形態では、基点505aを基点511に変更する前の基点505a,505bの間の可動測定点507の内分比に基づいて配置情報を決定してもよい。本実施形態では、測定点設定部109bは、可動測定点513の位置を、基点505aを基点511に変更する前の可動測定点507が、基点505aと505bの間の線分を内部分割する内分比に基づいて設定するように構成してもよい。また、他の実施形態では、基点505aを基点511に変更する前の基点505aから可動測定点507までの設定距離をユーザ503が指定することで配置情報を決定してもよい。本実施形態では、測定点設定部109bは、基点505aを基点511に変更する前の、基点505aから可動測定点507までの設定距離に基づいて、可動測定点513の位置を設定するようにしてもよい。
【0080】
また、他の実施形態では、ユーザ503が、基点505aを基点511に変更する前に、基点505aと505bを結ぶ線上で可動測定点507を移動させた場合、測定点設定部109bは、ユーザ503から取得した最新の内分比及び/又は最新の設定距離を配置情報として記憶するように構成されてもよい。これらの実施形態において、測定点設定部109bは、可動測定点513の位置を、基点511と基点505bとを結ぶリセットされた線上の、配置情報に対応する位置に設定するように構成してもよい。一実施形態では、配置情報は、基点505a、505bを結ぶ線を内部で分割する最新の内分比を含んでもよい。例えば、最新の内分比は、基点505aを基点511に変更する前に、ユーザ503が、基点505aと基点505bとを結ぶ線上の可動測定点507を移動させた後に、ベースポイント505aから可動測定ポイント507までの内分比の値(0から1の間)であってもよい。例えば、ユーザ503が、基準点505aを基準点511に変更する前に、基準点505aと505bとを結ぶ線上で、可動測定点507を移動させていれば、基点505aから可動測定点507までの最近の内部分割比率値は、距離509aを距離509cで除算することによって決定されてもよい。本実施形態では、測定点設定部109bは、基点505aを基点511に変更する前に、基点505a,505bを結ぶ線を内部で分割した最新の内分比で可動測定点513の位置を設定するようにしてもよい。また、別の実施形態では、ユーザ503が基点505aと505bとを結ぶ線上で可動測定点507を移動させた後、基点505aを基点511に変更する前の、基準点505aから可動測定点507までの最近の設定距離を配置情報としてもよい。例えば、基点505aを基点511に変更する前に、ユーザ503が、基点505aと505bとを結ぶ線上で、可動測定点507を移動させた場合、基点505aから可動測定点507までの最近の設定距離は、距離509aに等しい数値であってもよい。本実施形態において、測定点設定部109bは、基点505aを基点511に変更する前の基点505aから可動測定点507までの最近の設定距離に基づいて可動測定点513の位置を設定するように構成してもよい。
【0081】
可動測定点507が可動測定点513に変更されると、計算部109cは、基点511と可動測定点513との間の距離509a、基点505bと可動測定点513との間の距離509b、基点511、505bとの間の距離509cを再計算するように構成されてもよい。例えば、再計算された距離509a、509b、および509cは、それぞ0.57NM、2.03NM、および2.60NMである。また、計算部109cは、基点511から可動測定点513までの航行時間、可動測定点513から基点505bまでの航行時間、および/または基点511から基点505bまでの航行時間を再計算するように構成してもよい。例えば、計算部109cは、再計算された距離509aと船舶の速度(または船舶の平均速度)とを用いて、基点511から可動測定点513までの航行時間を再計算してもよい。同様に、計算部109cは、再計算された距離509b及び船舶の速度(又は船舶の平均速度)を用いて、可動測定点513から基点505bまでの航行時間を再計算してもよい。また、計算部109cは、基点511,505bの位置情報に基づいて方向を再計算するように構成してもよい。
【0082】
また、出力部109dは、再計算された距離509a,509b,509cと、基点511,505bの位置情報と、可動測定点513の位置情報とを表示部103aに出力するように構成してもよい。表示部103aは、図11に示すように、再計算された距離509a,509b,509cと、基点511,505bと、可動測定点513とを電子海図105a上に表示してもよい。
【0083】
このように、海図処理装置109は、基点編集モードが選択された状態でユーザ503が基点505aを移動させると、基点505aの位置を基点511の位置に変更することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、ユーザ503が基点を特定の目標に移動することを可能にすることができる。例えば、ユーザ503が基点を特定の目標に移動させると、海図処理装置109は、図12の詳細な説明で説明するように構成される。
【0084】
図12は、本発明の別の例示的な実施形態による、基点605bを移動するための概略図601を示す。図12は、図1および図2に関連して説明される。概略図601は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。概略図601は、一対の基点605aおよび605bと、可動測定点607と、特定のターゲット609と、可動測定点611とを含むことができる。一対の基点605a、605bは、一対の基点505a、505bにそれぞれ対応していてもよい。可動測定点607は、可動測定点507に対応する。特定のターゲット609は、移動物体または静止物体のうちの一つ以上を含むことができる。例えば、静的オブジェクトは、ブイ、灯台等の少なくとも1つを含むことができる。例えば、移動体は、ナビゲーション表示装置101が設置された船舶、水域上の別の船舶、任意の移動体のエコー等の少なくとも一つを含むことができる。可動測定点611は、ユーザ603が基点605bを特定のターゲット609を示す位置に移動させた後の、可動測定点607に対応する。ユーザ603は、ユーザ503に対応する。
【0085】
本実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bが基点編集モードを設定したときに、ユーザ603が電子海図105a上の基点605b(または基点605a)を特定のターゲット609の位置に移動させることができる。例えば、モード設定部107bは、ユーザ603が基点編集モードを選択した場合に、基点編集モードを設定してもよい。例えば、ユーザ603は、メニューオプションから基点編集モードを選択することができる。あるいは、ユーザ603は、ユーザ603の指を基点上に一定時間置いて基点編集モードを選択してもよい。
【0086】
図12に示すように、基点605bを移動させるために、ユーザ603は、ユーザ603の指を基点605bに一定時間置いて、基点605bを特定の目標物609の位置に移動させてもよい。すなわち、ユーザ603は、基点605bの位置を特定ターゲット609の位置に変更する。また、基点605bの位置が特定ターゲット609の位置に変更されると、海図処理装置109は、基点605bの位置を示す位置情報を、電子海図105a上の特定ターゲット609の位置を示す位置情報に置き換えるように構成されてもよい。一実施形態において、海図処理装置109は、基点605bの位置を示す位置情報を特定ターゲット609の位置を示す位置情報に置き換えて、基点605bを特定ターゲット609に引き付ける(吸着する)ようにしてもよい。また、海図処理装置109は、電子海図105a上の特定ターゲット609の位置情報から基点605bの位置情報が所定の範囲内にある場合に、基点605bの位置を示す位置情報を特定ターゲット609の位置を示す位置情報に置き換えてもよい。また、海図処理装置109は、図11の詳細な説明で説明するように、可動測定点607を可動測定点611に変更して、基点605aと可動測定点611との距離、可動測定点611と特定ターゲット609との距離、基点605aと特定ターゲット609との距離を算出してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、基点605bが移動物体に置き換えられ、移動物体が移動している場合、海図処理装置109は、移動物体に応じて、基点605b、可動測定点607の位置情報、先に算出された距離を連続的に変化させるように構成されてもよい。説明のために、図12では、ユーザ603が電子チャート105a上で基点605b(または基点605a)を特定のターゲット609の位置に移動させるナビゲーション表示装置101について考える。しかしながら、いくつかの実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、ユーザ603が、基点605aまたは基点605bの少なくとも一つを入力しながら、特定ターゲット609の位置情報を直接入力することを可能にする。
【0088】
このように、海図処理装置109は、基点編集モードが選択された状態でユーザ603が基点605bを特定ターゲット609に移動させた場合に、基点605bの位置を特定ターゲット609の位置に変更することができる。また、ナビゲーション表示装置101は、基点(例えば、基点605aおよび605b)と可動計測点(例えば、可動測定点611)とを用いて、ユーザ603に航路を指定させるようにしてもよい。例えば、ユーザが航路を指定できるようにするために、ナビゲーション表示装置101を図13の詳細な説明で説明するように構成してもよい。
【0089】
図13は、本発明の例示的な実施形態による、航路715を設定するための概略図701を示す。図13は、図1及び図2に関連して説明される。概略図701は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。概略図701は、複数の基点705aおよび705bと、可動測定点707と、基点705aと可動測定点707との間の距離709aと、基点705bと可動測定点707との間の距離709bと、基点705aおよび705bの間の距離709cと、複数のウェイポイント711aおよび711bと、複数の航路線713aおよび713bと、航路715とを含むことができる。複数の基点705a、705bは、複数の基点205a、205bにそれぞれ対応していてもよい。なお、可動測定点707は、測定点設定部109bによって設定された可動測定点211に相当する。距離709a、709b、709cは、計算部109cによって算出されてもよい。例えば、距離709a、709b、709cは、基点入力モードを選択して基点705a、705bを入力した後に設定された可動測定点707、可動測定点編集モードを選択して可動測定点707の位置を変更した後に設定された可動測定点707、及び/又は基点編集モードを選択して基点705a、705bの少なくとも一つを変更した後に設定された可動測定点707に基づいて算出することができる。例えば、距離709a、709b、および709cは、それぞれ0.5NM、1.78NM、および2.28NMに等しい。
【0090】
ナビゲーション表示装置101は、ユーザ703に、航路715を特定する複数のウェイポイント711a,711bを選択させてもよい。ユーザ703は、ユーザ203に対応する。複数のウェイポイント711aおよび711bは、電子海図105a上の複数の位置を示すことができ、各ウェイポイントは、航路715を定義するための方向を含む。本実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、モード設定部107bが航路設定モードを設定する際に、ユーザ703に複数のウェイポイント711a,711bを選択させることができる。例えば、モード設定部107bは、ユーザ703が航路設定モードを選択すると、航路設定部を設定する。
【0091】
図13に示すように、ユーザ703は、航路設定モードが選択された状態で、入力インタフェース103bをタッチすることにより、複数のウェイポイント711a,711bを選択することができる。あるいは、ユーザ703は、マウスおよび/またはキーボードを使用して、複数のウェイポイント711aおよび711bを選択してもよい。複数のウェイポイントが選択されると、入力インターフェース103bは、複数のウェイポイント711aおよび711bのそれぞれの位置を示す位置情報を受信するように構成され得る。航路設定部107aは、モード設定部107bが航路設定モードに設定された際に、複数のウェイポイント711a,711bの位置情報を取得してもよい。また、航路設定部107aは、複数の航路線713a,713bと複数のウェイポイント711a,711bとを用いて、航路715を設定するように構成してもよい。例えば、複数の航路線713a,713bと複数のウェイポイント711a,711bとを用いて決定された航路715を航海に用いることができる。
【0092】
一実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、ユーザ703に、可動測定点707および複数の基点705aおよび705bに従って、複数のウェイポイント711aおよび711bを選択させることができる。換言すれば、ナビゲーション表示装置101は、可動測定点707及び複数の基点705a,705bを表示しながら、ユーザ703に複数のウェイポイント711a,711bを選択させてもよい。本実施形態では、入力インタフェース103bは、複数のウェイポイントの位置情報を受信し、表示部103aは、複数の基点705a,705bおよび可動測定点707を電子海図105a上に表示するように構成してもよい。
【0093】
本実施形態によれば、ナビゲーション表示装置101は、さらに、ウェイポイントの位置情報(例えば、ウェイポイント711aまたは711bの少なくとも一方)が可動測定点707から所定の範囲内にある場合に、ウェイポイントの位置情報を可動測定点707の位置情報に置き換えるように構成してもよい。例えば、入力モードが選択された状態で基点705a及び705bが選択された後、ナビゲーション表示装置101は、図4の詳細な説明で説明したように、基点705a及び705b、可動測定点707、並びに算出距離を表示するように構成することができる。さらに、例えば、ユーザ703が、基点705aに特定した海岸から0.5NMの範囲は船舶の移動が安全でないことを知っている場合(気象条件、障害物等により)、ユーザ703は、可動測定点編集モードを選択し、可動測定点707を移動して、可動測定点707を基点705aから0.5NMの距離に配置することができる。このため、ナビゲーション表示装置101は、図5の詳細な説明で説明したように、可動測定点707の位置を変更し、基点705a、705b、可動測定点707、および再計算された距離を表示するように構成することができる。
【0094】
さらに、ユーザ203は、可動測定点707を用いて、船舶の航行にとって安全な航行経路715を決定するための複数のウェイポイント711aおよび711bを選択することができる。例えば、航路715を決定するために、ユーザ703は、可動測定点707の位置でウェイポイント711aやウェイポイント711bを選択してもよい。この場合、ナビゲーション表示装置101は、ウェイポイント711aの位置情報が可動測定点707の位置情報から所定の範囲内にあれば、ウェイポイント711aの位置情報を可動測定点707の位置情報に置き換えてもよい。
【0095】
また、一部の実施形態では、ナビゲーション表示装置101は、さらに、ウェイポイントの位置情報(例えば、ウェイポイント711a、711bの少なくとも一方)が、基点(例えば、基点705a、705bの少なくとも一方)から所定の範囲内にある場合に、ウェイポイントの位置情報を、基点の位置情報に置き換えるように構成されてもよい。
【0096】
このように、ナビゲーション表示装置101は、可動測定点707及び/又は複数の基点705a及び705bに従って、ユーザ703に複数のウェイポイント711a及び711bを選択させることができる。したがって、ナビゲーション表示装置101は、基点705aと705bとを結ぶ線の間に可動測定点を設定することによって、手間のかからないユーザインタフェースを提供し、船舶にとって安全な航路715を計画するために使用することができる。
【0097】
図14は、本発明の例示的な実施形態による、航行時間807aおよび807bと方向809aおよび809bとを表示するための概略図801を示す。図14は、図1および図2に関連して説明される。概略図801は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。概略図801は、複数の基点803aおよび803b、可動測定点805、航行時間807a、航行時間807b、方向809aおよび方向809bを含むことができる。複数の基点803a、803bは、複数の基点205a、205bにそれぞれ対応していてもよい。なお、可動測定点805は、測定点設定部109bによって設定された可動測定点211に相当する。
【0098】
また、一実施形態によれば、測定点設定部109bによって可動測定点805が設定されると、計算部109cは、基点803aと可動測定点805との間の距離、および可動測定点805と基点803bとの間の距離を算出するように構成してもよい。また、計算部109cは、距離の算出に加えて、基点803aから可動測定点805までの航行時間807a、可動測定点805から基点803bまでの航行時間807bを算出するように構成してもよい。航行時間807aを算出するために、計算部109cは、可動測定点805と基点803aとの距離を船舶の速度(または船舶の平均速度)で除算してもよい。例えば、航行時間807aは、12分10秒である。船舶の平均速度は、所定の期間の船舶の速度の平均を取ることによって決定することができる。航行時間807bを算出するために、計算部109cは、可動測定点805と基点803bとの距離を船舶の速度(または船舶の平均速度)で除算してもよい。例えば、航行時間807bは、12分10秒に等しいことができる。また、計算部109cは、基点803aから基点803bまでの航行時間を算出してもよい。
【0099】
また、計算部109cは、基点803aから見た基点803bの方向809aおよび、基点803bから見た基点803aの方向809bを算出するように構成してもよい。例えば、基点803a,803bの位置情報に基づいて、方向809aおよび方向809bを算出してもよい。例えば、方向809aおよび809bは、それぞれ240度および60度である。方向が0度の場合、方向は北方向を示す。同様に、90度方向は東方向を示し、180度方向は南方向を示し、270度方向は西方向を示す。
【0100】
出力部109dは、算出された距離、算出された航行時間807a、807b、および算出された方向809a、809bを表示部103aに出力するように構成されていてもよい。表示部103aは、図14に示すように、算出された航行時間807a,807と、算出された方向809a,809bとを電子海図105aに表示してもよい。また、表示部103aは、算出距離を(図4に示すように)表示してもよい。
【0101】
図15は、本発明の別の例示的実施形態による、距離907a、907b、907c、907d、907e、907f、および907g、および方向909a、909b、909c、および909dを表示するための概略図901を示す。図15は、図1及び図2に関連して説明される。概略図901は、タッチパネルディスプレイ103に表示された電子海図105aを示す。概略図901は、複数の基点903a、903b、903c、および903d、可動測定点905、距離907a、907b、907c、907d、907e、907f、907g、方向909a、909b、909c、および909dを含むことができる。複数の基点903a、903b、903c、903dは、複数の基点305a、305b、305c、305dにそれぞれ対応していてもよい。なお、可動測定点905は、測定点設定部109bによって設定された可動測定点311に相当する。
【0102】
可動測定点905が設定されると、計算部109cは、電子海図105a上で、可動測定点905と基点903aとの間の距離907a、可動測定点905と基点903bとの距離907b、隣接する基点903aと903bとの間の距離907c、隣接する基点903bと903cとの間の距離907d、基点903aから基点903cまでの距離907e、隣接する基点903cと903dとの間の距離907f、そして、基点903aから基点903dまでの距離907gを計算するように構成されてもよい。また、計算部109cは、基点903aから見た基点903bの方向909a、基点903aから見た基点903bの方向909b、基点903aから見た基点903cの方向909c、そして、基点903aから見た基点903dの方向909dを算出するように構成してもよい。また、計算部109cは、複数の基点903a、903b、903c、903dのうちの隣接する基点間の航行時間、及び/又は、複数の基点903a、903b、903c、903dのうちの隣接する基点のうちの少なくとも一つの基点と可動測定点との間の航行時間を算出するように構成してもよい。
【0103】
また、出力部109dは、ユーザの要求に応じて、距離907a,907b,907c,907d,907e,907f,907gと方向909a,909b,909c,909dとを表示部103aに出力するようにしてもよい。表示部103aは、図15に示すように、電子海図105a上に、距離907a,907b,907c,907d,907e,907f,907g、方向909a,909b,909c,909dを表示してもよい。
【0104】
図16~18は、本発明の例示的実施形態による、測定モードに関連する測定方法1000を示すフローチャートである。測定方法1000は、図1?図9の詳細な説明で説明したナビゲーション表示装置101と共に使用することができる。測定方法1000は、ステップ1001から開始し、基点入力モード(入力モード)に初期化する。例えば、モード設定部107bは、基点入力モードを設定してもよい。ステップ1003において、複数の基点を受信する。例えば、入力インタフェース103bは、電子海図105a上の複数の基点205a,205bの位置情報を受信してもよい。ステップ1005において、可動測定点を設定する。例えば、海図処理装置109は、基点205a及び205bを結ぶ直線209上に可動測定点211を設定することができる。ステップ1007において、可動測定点と複数の基点の少なくとも一つの基点との間の距離を計算する。例えば、海図処理装置109は、可動測定点211と基点205aとの間の距離213aを算出してもよいし、可動測定点211と基点205bとの間の距離213bを算出してもよい。
【0105】
ステップ1009において、測定方法1000は、可動測定点の位置情報および計算された距離を出力する。例えば、海図処理装置109は、可動測定点211および算出距離213aまたは213bを表示するために、可動測定点211の位置情報および算出距離213aまたは213bを出力する。また、海図処理装置109は、複数の基点205a,205b間の距離を算出して出力してもよい。さらに、海図処理装置109は、複数の基点205a、205b間の航行時間、および/または可動測定点と複数の基点205a、205bの少なくとも一つの基点との間の航行時間を含む航行時間を計算して出力することができる。また、海図処理装置109は、基点205aから見た基点205bの方向と、基点205bから見た基点205aの方向とを含む方向を算出して出力してもよい。
【0106】
ステップ1011において、測定方法1000は、基点入力モードが終了したかどうかをチェックする。例えば、モード設定部107bは基点入力モードを終了してもよい。基点入力モードが終了していない場合、測定方法1000は、ステップ1003の処理を行う。基点入力モードが終了した場合、ステップ1013に進む。
【0107】
ステップ1013において、測定方法1000は、基点編集モードが選択されているかどうかをチェックする。例えば、モード設定部107bは、ユーザが基点編集モードを選択した場合に、基点編集モードを設定してもよい。基点編集モードが選択された場合、測定方法1000はステップ1015に進む。ステップ1015において、複数の基点を受信する。例えば、入力インターフェース103bは、複数の基点505aおよび505bのうちの少なくとも一つの基点の新しい位置情報を受信することができ、ここで、基点505aおよび505bは、それぞれ基点205aおよび205bに対応することができる。
【0108】
ステップ1017において、測定方法1000は、可動測定点を設定する。例えば、海図処理装置109は、変更された基点(例えば、基点511)と変更されていない基点(505b)とを結ぶ新たな直線上の、配置情報に対応する位置に可動測定点(例えば、可動測定点513)を設定してもよい。ステップ1019において、可動測定点と基点との間の距離を計算することを含み得る。例えば、海図処理装置109は、複数の基点505a,505bのうちの少なくとも一つの基点の新たな位置情報を受信した際に、可動測定点513と基点511との間の距離を再計算してもよい。ステップ1021において、可動測定点の位置情報および計算された距離を出力する。例えば、海図処理装置109は、可動測定点513と算出距離とを表示するために、可動測定点513の位置情報と算出距離とを出力してもよい。
【0109】
ステップ1023において、測定方法1000は、基点編集モードが終了したかどうかをチェックする。例えば、モード設定部107bは基点編集モードを終了してもよい。基点編集モードが終了していない場合、ステップ1015に進む。基点編集モードが終了した場合、ステップ1025に進むことができる。または、測定方法1000は、基点編集モードが選択されていない場合にステップ1025に進むことができる。
【0110】
ステップ1025において、測定方法1000は、可動測定点編集モードに設定する。例えば、モード設定部107bは、可動計測点編集モードを設定してもよい。ステップ1027において、可動測定点が移動したかどうかをチェックする。可動測定点が移動した場合、測定方法1000はステップ1029に進むことができる。ステップ1029において、可動測定点と基点との間の距離を計算する。例えば、海図処理装置109は、可動測定点の新たな位置情報の受信すると、距離を再計算することができる。ステップ1031において、可動測定点の位置情報および算出距離を出力する。例えば、海図処理装置109は、可動測定点の位置情報と算出された距離とを出力してもよい。可動測定点が移動していない場合(ステップ1027)、ステップ1033に進むことができる。
【0111】
ステップ1033において、測定方法1000は、基点編集モードが選択されているかどうかをチェックする。基点編集モードが選択された場合ステップ1015に進む。基点編集モードが選択されない場合、測定方法1000はステップ1035に進むことができる。ステップ1035において、測定方法1000は、測定モードが終了したかどうかをチェックすることを含むことができる。例えば、モード設定部107bは、測定モードを終了してもよい。測定モードが終了しない場合、測定方法1000は、ステップ1027に進むことができる。測定モードが終了した場合、測定方法1000は、プロセスを終了することを含んでもよく、または、航路を設定するために経路設定モードを初期化することを含んでもよい。
【0112】
測定方法1000を実施する際に、ナビゲーション表示装置101は、測定モードに関連する複数のモード(例えば、基点入力モード、基点編集モード、可動測定点編集モード)を切り替えるように構成することができ、さらに、測定モードから経路設定モードに切り替えるように構成することができる。さらに、ナビゲーション表示装置101は、船舶の航行に安全な航路を計画するために用いるために、基点、可動測定点、および距離を表示するように構成することができる。
【0113】
図19は、本発明の一実施形態による、可動測定点の位置情報および算出距離を出力する海図処理方法1100を示す。海図処理方法1100は、図2の詳細な説明で説明した海図処理装置109と共に使用することができる。ステップ1101から始めて、海図処理方法1100は、電子海図105a上の複数の基点の位置を示す位置情報を入力される。例えば、受信部109aは、図3の詳細な説明で説明したように、電子海図105a上の複数の基点205a,205bの位置を示す位置情報の入力を受け付けてもよい。
【0114】
ステップ1103において、海図処理方法1100は、複数の基点のうちの隣接する基点を結ぶ直線上に可動測定点を設定する。例えば、測定点設定部109bは、隣接する基点(または一対の基点)205a,205bを結ぶ線209(直線209)上に、可動測定点211を設定してもよい。さらに、可動測定点211は、静的可動測定点またはリアルタイムで変更可能な可動測定点の少なくとも一方であってもよい。
【0115】
ステップ1105において、海図処理方法1100は、可動測定点と、直線によって接続された隣接する基点の少なくとも一つの基点との間の電子海図上の距離を計算する。例えば、計算部109cは、図4の詳細な説明で説明したように、電子海図105a上で距離213a,213b,213cを計算してもよい。
【0116】
ステップ1107において、海図処理方法1100は、可動測定点の位置情報および算出された距離を出力する。例えば、出力部109dは、可動測定点211の位置情報と算出した距離213a,213b,213cとを表示部103aに出力してもよい。表示部103aは、可動測定点211の位置情報と算出された距離213a,213b,213cとを表示してもよい。
【0117】
海図処理方法1100を実施する際に、海図処理装置は、可動測定点の位置情報及び算出距離を出力してもよい。ナビゲーション表示装置は、可動測定点の位置情報と算出距離とに基づいて、可動測定点と算出距離とを表示することができ、船舶にとって安全な航路を計画するために使用することができる。
【0118】
本明細書に記載されている本発明の多くの変形例および他の実施形態は、これらの発明に関連する当業者が、前述の説明および関連図面に示された教示の利益を有することを想起するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変形例および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることを理解されたい。さらに、前述の説明および関連図面は、要素および/または機能の特定の例示的な組み合わせの文脈において例示的な実施形態を説明するが、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、要素および/または機能の異なる組み合わせが代替の実施形態によって提供され得ることを理解されたい。この点に関して、例えば、上に明示的に記載されたものとは異なる要素および/または機能の組み合わせもまた、添付の特許請求の範囲の一部に記載され得るように企図される。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは限定の目的ではなく、一般的かつ記述的な意味でのみ使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19