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特開2022-176176自動販売システム、及び自動販売システムの自動販売方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176176
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】自動販売システム、及び自動販売システムの自動販売方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221117BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079680
(22)【出願日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2022527055
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522182448
【氏名又は名称】佐藤 皇
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】岡野 哲也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】食品選択により特定される温調機能を備えた収容庫を備えるロッカー装置を利用しつつ、ユーザがユーザ端末のアプリから店舗に注文した食品を温調された状態で収容庫から随時取り出すことができる自動販売システム及び自動販売システムの自動販売方法を提供する。
【解決手段】管理サーバと、ユーザ端末と、データ端末と、配送端末と、ロッカー装置とが、インターネットに接続された自動販売システムにおいて、ロッカー装置は、データ端末に表示される取引情報又はユーザ端末に表示される取引情報の読み取りS22に基づき、温調機能が動作する収容庫へ調理された食品を預け入れる取引を確定しS23、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を注文者に引き渡す取引を確定するS27。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売するロッカー装置と、
電子決済機能を備えるユーザ端末と、
店舗で調理される食品の販売を管理するデータ端末と、が通信可能な自動販売システムであって、
前記ユーザ端末は、
自動販売アプリを起動して食品を選択することにより特定される前記データ端末に対して、店舗で調理する食品を確定し、該確定した食品に対する支払いを前記電子決済機能で決済した後、前記店舗で調理された食品を前記ロッカー装置に預け入れるまたは前記ロッカー装置から取り出すための取引に使用する取引情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記取引情報を前記データ端末および前記ロッカー装置に転送する転送手段と、
を備え、
前記データ端末は、
前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する受信手段と、
該受信した前記取引情報に基づいて、前記店舗が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を行う指示手段と、
前記取引情報を表示する表示手段と、
を備え、
前記ロッカー装置は、
前記データ端末に表示される前記取引情報または前記ユーザ端末に表示される前記取引情報の読み取りに基づき、温調機能が動作する収容庫へ前記調理された食品を預け入れる取引と、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を前記注文者に引き渡す取引とを随時に確定させる確定手段と、
を備えることを特徴とする自動販売システム。
【請求項2】
温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売するロッカー装置と、
電子決済機能を備えるユーザ端末と、
店舗で調理される食品の販売を管理するデータ端末と、
前記ロッカー装置で保管された食品の配送を行う配送者が操作する配送端末と、が通信可能な自動販売システムであって、
前記ユーザ端末は、
自動販売アプリを起動して食品を選択することにより特定される前記データ端末に対して、店舗で調理する食品を確定し、該確定した食品に対する支払いを前記電子決済機能で決済した後、前記店舗で調理された食品を前記ロッカー装置に預け入れるまたは前記ロッカー装置から取り出すための取引に使用する取引情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記取引情報を前記データ端末、前記ロッカー装置、前記配送端末に転送する転送手段と、
を備え、
前記データ端末は、
前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する第1の受信手段と、
該受信した前記取引情報に基づいて、前記店舗が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を行う指示手段と、
前記取引情報を表示する第1の表示手段と、
を備え、
前記配送端末は、
前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する第2の受信手段と、
前記取引情報を表示する第2の表示手段と、
を備え、
前記ロッカー装置は、
前記データ端末に表示される前記取引情報または前記配送端末に表示される前記取引情報の読み取りに基づき、温調機能が動作する収容庫へ前記調理された食品を預け入れる取引と、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を前記配送者に引き渡す取引とを随時に確定させる確定手段と、
を備えることを特徴とする自動販売システム。
【請求項3】
前記特定情報は、前記食品を保温または保冷する温度を特定する温度特定情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売システム。
【請求項4】
前記温度特定情報は、前記食品を保温または保冷する複数の温度を特定することを特徴とする請求項3に記載の自動販売システム。
【請求項5】
前記特定情報は、収容された食品を前記収容庫から持ち帰る予定時間を特定する予定時間情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売システム。
【請求項6】
前記ユーザ端末は、表示される地図情報から前記食品を引き取るロッカー装置を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売システム。
【請求項7】
前記ロッカー装置は、前記食品を調理する調理部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売システム。
【請求項8】
前記確定手段は、表示部に前記予定時間が経過した食品を販売可能な食品とその廉価価格の一覧を表示して、選択された食品に対する第三者からの決済を受けて収容庫から取り出す取引を確定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売システム。
【請求項9】
前記表示部は、前記予定時間が経過した食品が存在することを示す販促情報を優先表示することを特徴とする請求項8に記載の自動販売システム。
【請求項10】
前記指示手段は、該受信した前記取引情報で特定される予定時間に基づいて、前記店舗が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を行うタイミングを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売システム。
【請求項11】
前記調理指示を行うタイミングは、前記予定時間から前記食品に対して設定された調理時間と食品預け入れに要する作業時間とを減算して得られるタイミングよりも所定時間早いタイミングであることを特徴とする請求項10に記載の自動販売システム。
【請求項12】
前記自動販売アプリは、前記ユーザ端末が示す現在の位置情報と、食品を提供する店舗に対応付けられたロッカー装置の位置情報とを照合して、注文される食品を受け取り可能な近場のロッカー装置を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売システム。
【請求項13】
前記自動販売アプリは、ユーザ端末を操作するユーザと前記近場のロッカー装置との距離をあらかじめ登録可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売システム。
【請求項14】
前記自動販売アプリは、特定される前記ロッカー装置の位置情報に従って配送端末を特定することを特徴とする請求項2に記載の自動販売システム。
【請求項15】
前記生成手段は、前記ロッカー装置に預け入れた食品をドライブスルーで受け取るための車両情報を生成し、該生成した車両情報を前記取引情報に組み入れることを特徴とする請求項1に記載の自動販売システム。
【請求項16】
入庫する車両口で運転者が操作するデータ端末に表示される前記取引情報を読み取る外部カメラと、
前記外部カメラが前記取引情報を読み取ることに応じて、前記食品をドライブスルーで受け取りが可能かどうかを判断するドライブスルー判断手段と、
前記ドライブスルー判断手段が入庫した車両の運転者による受け取り可能であると判断した場合、前記車両の停止を検知することに同期して前記取引情報で特定される前記運転者が注文した食品を収容しているロッカー装置の扉を開閉制御する開閉制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動販売システム。
【請求項17】
温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売するロッカー装置と、
電子決済機能を備えるユーザ端末と、
店舗で調理される食品の販売を管理するデータ端末と、が通信可能な自動販売システムの自動販売方法であって、
前記ユーザ端末は、
自動販売アプリを起動して食品を選択することにより特定される前記データ端末に対して、店舗で調理する食品を確定し、該確定した食品に対する支払いを前記電子決済機能で決済した後、前記店舗で調理された食品を前記ロッカー装置に預け入れるまたは前記ロッカー装置から取り出すための取引に使用する取引情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した前記取引情報を前記データ端末および前記ロッカー装置に転送する転送ステップと、
を備え、
前記データ端末は、
前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する受信ステップと、
該受信した前記取引情報に基づいて、前記店舗が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を表示部に行う指示ステップと、
前記取引情報を前記表示部に表示する表示ステップと、
を備え、
前記ロッカー装置は、
前記データ端末に表示される前記取引情報または前記ユーザ端末に表示される前記取引情報の読み取りに基づき、温調機能が動作する収容庫へ前記調理された食品を預け入れる取引と、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を前記注文者に引き渡す取引とを随時に確定させる確定ステップと、
を備えることを特徴とする自動販売システムの自動販売方法。
【請求項18】
温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売するロッカー装置と、
電子決済機能を備えるユーザ端末と、
店舗で調理される食品の販売を管理するデータ端末と、
前記ロッカー装置で保管された食品の配送を行う配送者が操作する配送端末と、が通信可能な自動販売システムの自動販売方法であって、
前記ユーザ端末は、
自動販売アプリを起動して食品を選択することにより特定される前記データ端末に対して、店舗で調理する食品を確定し、該確定した食品に対する支払いを前記電子決済機能で決済した後、前記店舗で調理された食品を前記ロッカー装置に預け入れるまたは前記ロッカー装置から取り出すための取引に使用する取引情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した前記取引情報を前記データ端末、前記ロッカー装置、前記配送端末に転送する転送ステップと、
を備え、
前記データ端末は、
前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する第1の受信ステップと、
該受信した前記取引情報に基づいて、前記店舗が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を第1の表示部に行う指示ステップと、
前記取引情報を前記第1の表示部に表示する第1の表示ステップと、
を備え、
前記配送端末は、
前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する第2の受信ステップと、
前記取引情報を第2の表示部に表示する第2の表示ステップと、
を備え、
前記ロッカー装置は、
前記データ端末に表示される前記取引情報または前記配送端末に表示される前記取引情報の読み取りに基づき、温調機能が動作する収容庫へ前記調理された食品を預け入れる取引と、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を前記配送者に引き渡す取引とを随時に確定させる確定ステップと、
を備えることを特徴とする自動販売システムの自動販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカー装置を利用する自動販売システム、及び自動販売システムの自動販売方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロッカー装置は、手荷物を預かり置くための貸しロッカーばかりでなく、食品販売コーナーなどでは、店舗内に冷蔵機能を備えたロッカーを備え、ユーザが購入した冷蔵すべき食品を預かり可能なロッカー装置も実用化されている。
【0003】
このようなロッカー装置は、電子マネーの普及により、決済にはユーザが所持する電子マネーカードや、チャージ可能な鉄道カードも利用可能に構成されている。
【0004】
このように従来のロッカー装置は、使用者が物品を収容庫に預けて、同一の使用者が当該物品を指定された収容庫から取り出すというのが一般的な使用形態である。
【0005】
また、利用者がネット通信販売などで商品を購入した場合に、該利用者が公共施設に設置されたロッカー装置の収納部(ロッカー)を選択して配送依頼を行い、配送主(ネット通販会社等)が契約先の配送業者を使って該当するロッカー装置に商品を届け、その後に利用者がロッカー装置から商品を受け取るロッカー装置も提案されている(下記特許文献1)。ただし、本システムは、商品とロッカー装置とがあらかじめ1:1に特定される利用形態である。
【0006】
一方、設置されたロッカー装置を利用して、店舗スタッフや他の来店客に購入もしくはレンタル予定の商品を知られることなく、その商品の受け渡しを行うことができ、しかも利用者が時間を気にせず自分の都合で商品の注文とその受け取りを行うことが可能な非対面型商品受け渡しシステムも提案されている(下記特許文献2)。本システムも、商品とロッカー装置とがあらかじめ1:1に特定される利用形態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-33732号公報
【特許文献2】特開2019-175358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、人々の生活様式の多様化に応じて、食品の購入意識も変化しており、近所のコンビニエンスストアでお弁当を購入したり、出前サイトを利用して宅配料理を依頼したりする機会も増えている。
【0009】
ここで、調理が必要なお弁当を例にすると、ユーザは店舗に赴き、お弁当をレジ決済した後、店舗に備える電子レンジ(食品を調理する調理部として機能する)を利用して、お弁当を温める。さらに、フードコーナーが展開された店舗では、温めたお弁当をフードコーナーで飲食することも可能である。
【0010】
このようなユーザの中には、コンビニで販売されたお弁当を店舗以外の場所で、例えば近所または店舗に併設して設置されているロッカー装置あるいはユーザが指定した特定位置、例えば旅行先のホテルに近接するロッカー装置で指定した時間に、人手を介さない非接触取引で受け取りたい場合もある。
【0011】
ところが、通常のロッカー装置では、調理する機能を利用できない場合も多く、冷たいお弁当をそのまま持ち帰り、自宅などの電子レンジを使用して温めなければ、すぐに食べることはできない。
【0012】
また、食品を提供する店舗によっては、食品を調理したり、販売したりするための人手を常時確保する人件費の割合が高くなり、十分な販売利益を確保できず事業展開を縮小しなければならなくなる場合もあった。
【0013】
このように従来の食品販売ビジネスにおいては、注文者は販売者と対面することなく調理された食品をいつでも都合のよい場所で買い求めることができなかった。
【0014】
また、店舗において販売する食品には、通常販売期限が設定されたものがあり、販売回転率が低下すると、仕入れた食品を廃棄しなければならなくなるというフードロスの問題も指摘されていた。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、温調機能を備えた収容庫を備えるロッカー装置を利用しつつ、店舗の販売員と対面することなく、ユーザがスマートフォンのアプリから店舗に注文した食品を食べごろに温調された状態で収容庫から、意図するタイミングで取り出すことができる有益性の高いビジネスを安価なコストで展開できる自動販売システム及び自動販売システムの自動販売方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する本発明の自動販売システムは以下に示す構成を備える。
【0017】
温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売するロッカー装置と、電子決済機能を備えるユーザ端末と、店舗で調理される食品の販売を管理するデータ端末と、が通信可能な自動販売システムであって、前記ユーザ端末は、自動販売アプリを起動して食品を選択することにより特定される前記データ端末に対して、店舗で調理する食品を確定し、該確定した食品に対する支払いを前記電子決済機能で決済した後、前記店舗で調理された食品を前記ロッカー装置に預け入れるまたは前記ロッカー装置から取り出すための取引に使用する取引情報を生成する生成手段と、前記生成手段が生成した前記取引情報を前記データ端末および前記ロッカー装置に転送する転送手段と、を備え、前記データ端末は、前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する受信手段と、該受信した前記取引情報に基づいて、前記店舗が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を行う指示手段と、前記取引情報を表示する表示手段と、を備え、前記ロッカー装置は、前記データ端末に表示される前記取引情報または前記ユーザ端末に表示される前記取引情報の読み取りに基づき、温調機能が動作する収容庫へ前記調理された食品を預け入れる取引と、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を前記注文者に引き渡す取引とを随時に確定させる確定手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、上記目的を達成する本発明の自動販売システムは以下に示す構成を備える。
【0019】
温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売するロッカー装置と、電子決済機能を備えるユーザ端末と、店舗で調理される食品の販売を管理するデータ端末と、前記ロッカー装置で保管された食品の配送を行う配送者が操作する配送端末と、が通信可能な自動販売システムであって、前記ユーザ端末は、自動販売アプリを起動して食品を選択することにより特定される前記データ端末に対して、店舗で調理する食品を確定し、該確定した食品に対する支払いを前記電子決済機能で決済した後、前記店舗で調理された食品を前記ロッカー装置に預け入れるまたは前記ロッカー装置から取り出すための取引に使用する取引情報を生成する生成手段と、前記生成手段が生成した前記取引情報を前記データ端末、前記ロッカー装置、前記配送端末に転送する転送手段と、を備え、前記データ端末は、前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する第1の受信手段と、該受信した前記取引情報に基づいて、前記店舗が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を行う指示手段と、前記取引情報を表示する第1の表示手段と、を備え、前記配送端末は、前記ユーザ端末から転送される前記取引情報を受信する第2の受信手段と、前記取引情報を表示する第2の表示手段と、を備え、前記ロッカー装置は、前記データ端末に表示される前記取引情報または前記配送端末に表示される前記取引情報の読み取りに基づき、温調機能が動作する収容庫へ前記調理された食品を預け入れる取引と、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を前記配送者に引き渡す取引とを随時に確定させる確定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、温調機能を備えた収容庫を備えるロッカー装置を利用しつつ、店舗の販売員と対面することなく、ユーザがスマートフォンのアプリから店舗に注文した食品を温調された状態で収容庫からいつでも取り出すことができる有益性の高いビジネスを展開できる。
【0021】
また、温調機能を備えた収容庫を備えるロッカー装置を利用しつつ、店舗の販売員と対面することなく、ユーザがスマートフォンのアプリから店舗に注文した食品を温調された状態で収容庫から配送者に取り出してもらい注文者が指定した場所に配送してもらえる有益性の高いビジネスを展開できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】第1の自動販売システムの構成を説明するブロック図である。
図2】ロッカー装置の詳細構成を説明するブロック図である。
図3図2に示したロッカー装置を含むロッカーシステムの構成を説明する斜視図である。
図4図1に示したユーザ端末に表示する注文処理画面の一例を示す図である。
図5図1に示したデータ端末に表示される注文受付メニュー画面の一例を示す図である。
図6】注文確認テーブルの一例を示す図である。
図7図1に示したロッカー装置に表示される食品引き渡しメニュー画面の一例を示す図である。
図8】自動販売システムの第1の自動販売方法を説明するフローチャートである。
図9】第2の自動販売システムの構成を説明するブロック図である。
図10図1に示した配送端末に表示される食品引き渡しメニュー画面の一例を示す図である。
図11】自動販売システムの第3の自動販売方法を説明するフローチャートである。
図12】自動販売システムの第3の自動販売方法を説明するフローチャートである。
図13】ロッカー装置による再販売処理における操作の一例を示す図である。
図14】ロッカー装置によるドライブスルー方式で注文した食品を取り出す操作の一例を示す図である。
図15】ロッカー装置によるドライブスルー方式で注文した食品を取り出す操作の一例を示す平面図である。
図16】データ端末の取引情報生成処理手順を示すフローチャートである。一例を示す平面図である。
図17】ロッカー装置の扉開閉処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
本システムは、温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売するロッカー装置と、電子決済機能を備えるユーザ端末と、店舗で調理される食品の販売を管理するデータ端末と、が通信可能な自動販売システムを例とする。
【0025】
図1は、第1実施形態を示す自動販売システムの構成を説明するブロック図である。本例は、自動販売システムのための自動販売アプリケーション(自動販売アプリ)は、インターネット1に接続される管理サーバ10により随時更新され最新の自動販売アプリをユーザ端末、データ端末、ロッカー装置にダウンロードして使用可能に構成されている。
【0026】
〔ユーザ端末の構成〕
図1において、20はユーザ端末で、制御部21、メモリ部22、表示部23、通信部24を備えている。制御部21は、インストールされているOSに従うブラウザを介して、管理サーバ10よりダウンロードした自動販売アプリをメモリ部22にインストールする。なお、自動販売機の新設、撤去に従いそれぞれの設置場所(位置情報)が更新されるので、制御部11、メモリ部12、通信部13を備える管理サーバ10は、ユーザ端末20で自動販売アプリを起動する毎に、プログラムバージョンを照合して、最新の自動販売アプリが起動するようにユーザ端末20へのプログラム、および当該プログラムに付随するデータファイルの更新を行う。なお、制御部11は、自動販売アプリを起動することにより、ロッカー装置60から注文した食品を取り出すための取引情報(複数のパラメータからなる)を生成する処理を行う。
【0027】
メモリ部22は、OS、アプリケーションソフト、データファイル(テキスト、PDF、画像(JPEG))を記憶しており、表示部23に表示するユーザインタフェース画面(UI画面)に対する指示(タップ操作指示を含む)に従いユーザが所望する情報を記憶している。ここで、画像には、後述する取引情報に対応するコード情報、例えばQRコード(登録商標)(登録商標)が含まれる。なお、QRコード(登録商標)は、構成するセル数に応じて表現できる文字数が確定し、29×29のセルの場合、約100文字のテキストを表現することができる。
【0028】
表示部23は、全面タッチパネル表示部として機能し、ユーザの指指示(タップ、クリック)に反応して読み出される情報を表示する。
【0029】
通信部24は、インターネット1を介して管理サーバ10、データ端末30と相互に通信可能に接続する。なお、本実施形態において、通信プロトコルに制限されることはなく、現行のLTE、4G、5Gにも対応可能である。
【0030】
〔データ端末の構成〕
データ端末30は、制御部31、メモリ部32、表示部33、通信部34を備えている。制御部31は、インストールされているOSに従うブラウザを介して、管理サーバ10よりダウンロードした自動販売アプリをメモリ部32にインストールする。
【0031】
表示部33は、全面タッチパネル表示部として機能し、ユーザの指指示(タップ、クリック)に反応して読み出される情報を表示する。
【0032】
通信部34は、インターネット1を介して管理サーバ10、ユーザ端末20、配送端末40と相互に通信可能に接続する。なお、本実施形態において、通信プロトコルに制限されることはなく、現行のLTE、4G、5Gにも対応可能である。
【0033】
60はロッカー装置で、温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売することが可能に構成されている。ロッカー装置60は、以下の図2を参照して詳細を説明する。
【0034】
〔ロッカー装置の構成〕
図2は、図1に示したロッカー装置60の構成を説明するブロック図である。本例に示すロッカー装置60の収容庫の構成については図3において詳述する。
【0035】
図2において、61は通信部で、インターネット1を介して、管理サーバ10、ユーザ端末20、データ端末30と相互に通信可能に接続する。
【0036】
BOX制御部62は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備え、施解錠駆動部63、温調部64、操作パネル部65、読取り部66、音声案内部67、決済部68を含む各部の動作を総括的に制御する。
【0037】
施解錠駆動部63は、制御部62からの指示に従い、後述する図3に示す各収容庫に設けられる電子錠の施錠または解錠を行う。温調部64は、BOX制御部62からの指示に従い、後述する図3に示す各収容庫のうち、保温または保冷する収容庫の温調(保温温度または保冷温度を調整する。なお、温調可能な収容庫は、保温または保冷のいずれにも機能させることが可能に構成されている。なお、保冷温度には、冷凍温度、冷蔵温度が含まれる。
【0038】
操作パネル部65は、ロッカー装置60を操作するユーザに必要な操作画面を適時表示して、該操作画面に表示されるボタン等の指示状態に従いさらに詳細な操作を行えるようにUI画面の切り替えを行う。読取り部66は、近距離無線通信で電子カードを読み取るリーダ部を備え、電子マネーカードにチャージされた使用可能な電子マネーのチャージ金額を読み取る。また、読取り部66は、ユーザ端末20の表示部23、データ端末30の表示部33に表示された取引情報(QRコード(登録商標)化された画像情報)を読み取り、ロッカー制御部62にユーザ注文された取引情報を通知する。
【0039】
音声案内部67は、操作パネル65を操作するユーザに適切な音声案内を行うためのスピーカを備えている。決済部68は、読取り部66が読み取る電子マネー情報から販売する食品の対価に応じて減額した情報を書き込むことで決済処理を行う。
【0040】
錠前状態テーブル69は、収容庫別(BOXNo.001~BOXNo.00N)に設けられる電子錠前の扉開閉状態を管理する。温調状態テーブル70は、電子錠前の温調設定状態を収容庫別(BOXNo.001~BOXNo.00N)に管理する。
【0041】
図3は、図2に示したロッカー装置10を含むロッカーシステムの構成を説明する斜視図である。本例は、ロッカー装置10が店舗80に併設して設けられる場合を示すが、ロッカー装置10が店舗80から離隔して設置されている場合も本実施形態の適用範囲である。また、ロッカー装置10の設置位置は、GPS機能で探索できるように設置位置情報で特定することができる。
【0042】
ここで、設置位置情報は、店舗80に併設されるロッカー装置60が販売できる食品リストに対応づけて図1に示した管理サーバ10のメモリ部12に登録されている。これにより、ユーザ端末20が備えるGPS機能で特定される現在位置情報を特定することで、商品販売アプリは、選択される食品を販売可能な近場のロッカー装置を推奨候補としてユーザ端末20の表示部23に地図画面を介して表示する。
【0043】
このように本実施形態では、自動販売アプリは、ユーザ端末20が示す現在の位置情報と、食品を提供する店舗80に対応付けられたロッカー装置60の位置情報とを管理サーバ10が提供する管理情報を照合して、注文される食品を受け取り可能な近場のロッカー装置60を特定することができる。
【0044】
より具体的には、自動販売アプリは、ユーザ端末20が示す現在の位置情報と、食品を提供する店舗80に対応付けられたロッカー装置60の設置位置情報を照合して、注文される食品を受け取り可能な近場のロッカー装置を特定する。この際、自動販売アプリは、ユーザ端末20を操作するユーザと近場のロッカー装置60との距離をユーザ個別にあらかじめ登録可能である。
【0045】
なお、ユーザ端末20の地図アプリ等を介してユーザが選択した近場のロッカー装置60への道案内を行うように構成してもよい。
【0046】
なお、本実施形態において、店舗とは、料理を提供するピザ屋店舗、レストランチェーンの店舗、コンビニエンスストアの店舗等が含まれる。
【0047】
図3において、収容庫91-S-1~91-S-4は、例えば5センチ×32センチの間口で、奥行きが32センチで構成され、薄型の食品、例えばピザ、お弁当を収容可能である。また、収容庫91-S-1~91-S-4は、設定により常温庫、温調庫(保冷(冷蔵、冷凍)、のいずれにも対応できる。
【0048】
収容庫91-M-1~91-M-4は、例えば25センチ×32センチの間口で、奥行きが32センチで構成され、薄型の食品、例えばピザ、お弁当を複数収容可能である。また、収容庫91-M-1~91-M-4は、設定により常温庫、温調庫(保冷(冷蔵、冷凍)、保温)のいずれにも対応できる。収容庫91-L-1は例えば50センチ×32センチの間口で、奥行きが32センチで構成されている。95は操作画面で、後述する図7に示す操作画面を表示する。96はカメラ部で、図2に示した読取り部66に対応する。97は現金投入部で、お札や硬貨を投入して、決済により残金が発生した場合、釣銭を返却口98に払い出す。
【0049】
収容庫92-V-1、92-V-2は電子レンジを内蔵し、ユーザによる電子決済に従い冷凍食品を解凍したり、保温されていた食品を温め直したりする場合に使用される。
【0050】
収容庫91-H-1~91-H-3は、食品を保温するための温調機能を備え、再販売する食品を温調する。収容庫91-C-1~91-C-4は、食品を保冷するための温調機能を備え、再販売する食品を温調する。
【0051】
なお、食品を保温する温度は、例えば3段階設定可能で、やや低い(T1)、ちょうど良い(T2)、やや高い(T3)等をパラメータで設定できる。同様に、食品を保冷する温度は、例えば3段階設定可能で、-20℃(冷凍)以下、0℃(氷温)、7℃(冷蔵温度)等を設定できる。
【0052】
図4は、図1に示したユーザ端末20に表示する注文処理画面の一例を示す図である。なお、D1~D10は画面表示例を示す。
【0053】
図4において、ユーザ端末20が画面操作で登録された自動販売アプリを選択すると、制御部21は、例えば「BOX注文」を示す注文メニュー画面(D1)をロッカーイメージとともに表示部23に表示する。
【0054】
このメニュー画面D1がユーザによりタップされると、制御部21は、例えば注文開始または注文終了を選択する注文指示画面(D2)を表示部23に表示する。
【0055】
ここで、ユーザが画面表示例D2の「注文開始ボタン」をタップすると、制御部21は、例えば食品選択のための食品選択画面(D3)を表示部23に表示する。
【0056】
ここで、ユーザは、ロッカー装置60で販売される食品を選択するための食品選択画面(D3)からカレーボタンとチーズケーキとを選択したものとして注文処理の流れを説明する。
【0057】
ユーザが食品選択画面(D3)上で、例えばカレーボタンとチーズケーキとを選択すると、制御部21は、例えば受取り場所選択画面(D4)を表示部23に表示する。ここで、ユーザが画面表示例D4の「店舗BOX」、「指定BOX」、「配送」のうち、「店舗BOX」をタップすると、制御部21は、例えば店舗BOX画面(D5)を表示部23に表示する。本例は、カレーボタンとチーズケーキを販売可能なBOXがA~Cの3つの候補が選択表示された場合に対応する。
【0058】
ここで、ユーザは、画面上のBOXA~Cのいずれか1つを選択する操作を行う。これを受けて、制御部21は、例えば受取時間指定画面(D6)を表示部23に表示する。そして、制御部21は、受取時間指定画面(D6)に対してユーザが図示しない仮想キーボード画面から入力する数値データを取り出し時間として受け付け、入力された数値が確定されたと判断した場合、表示部23の表示画面を決済画面(D7)に表示する。
【0059】
ここで、ユーザは、決済画面(D8)上で電子決済ボタンまたはクレジットボタンのいずれかを選択する。そして、制御部21は、電子決済ボタンまたはクレジットボタンによる決済が確定したことを確認すると、表示部23に取引読み出し画面(D9)上に開始ボタンと終了ボタンとを表示する。
【0060】
ここで、制御部21は、ユーザが開始ボタンを選択したことを受け付けたと判断した場合、表示部23に取引情報画面(D10)を表示する。ここで、斜線部は、QRコード(登録商標)(登録商標)に対応する。
【0061】
これにより、ロッカー装置60のうち、温調機能が有効となり、保温するカレーと保冷するチーズケーキを販売するためのBOXが確定する。
【0062】
なお、食品選択画面(D3)において、ユーザは、選択する食品に関して、例えば冷凍カレーを冷凍状態または冷蔵状態でロッカー装置60から取り出したい場合がある。
そこで、食品選択画面(D3)における食品選択に合わせて、ロッカー装置60から取り出したい温度管理を選択するボタン(冷蔵ボタン、冷凍ボタン、保温ボタン、常温ボタン)を表示して、ユーザから受け付ける食品注文に対する温度管理要求にきめ細かく、かつ柔軟に対応できる構成としてもよい。
【0063】
これにより、例えば冷凍カレーを注文した場合に、自宅で解凍調理したいユーザは温度管理として冷凍を選択することで、冷凍管理される収容庫に収容された冷凍カレーをロッカー装置60から取り出すことができる。同様に、冷凍カレーを注文した場合に、自宅で加熱調理したいユーザは温度管理として冷蔵を選択することで、冷凍カレーを店舗で解凍して冷蔵管理される収容庫に収容された冷蔵カレーをロッカー装置60から取り出すこともできる。
【0064】
図5は、図1に示したデータ端末30に表示される注文受付メニュー画面の一例を示す図である。以下、店舗の担当者が受信した取引情報に従い、ユーザから注文された食品をロッカー装置60のいずれかの収容庫に預け入れる際の流れを図6に示す注文管理テーブルを参照しながら説明する。
【0065】
図5において、店舗の担当者がタッチパネルで構成される表示部33をタッチしたことを制御部31が検出した場合、注文受付メニュー画面(D21)を表示する。ここで、店舗の担当者がデータ端末の表示部33に図6に示す表示される注文確認テーブルに従う最新の情報であるBOX選択画面(D22)を表示部33に表示する。ここで、制御部31が店舗の担当者が図6に示す表示される注文確認テーブルの先頭に対応する注文番号XXXをタップしたことを検出すると、食品調理開始時刻画面(D23)を表示部33に表示する。
【0066】
ここで、店舗の担当者は、現在時刻と調理開始時刻とを比較して調理開始ボタンをタップすると、制御部31は、温調指示画面(D24)を表示部33に表示する。ここで、店舗の担当者は、温調指示画面(D24)を参照して、取引情報で温調(温度管理を含む)が指定され、かつ、その温調が保温であるのか、保冷(冷蔵、冷凍、常温を含む)であるのかを確認できる。
【0067】
制御部31は図示しない次へボタンが押下されたことを検出すると、注文情報確認画面(D25)を表示部33に表示する。ここで、注文情報確認画面(D25)に表示される取引情報に対応するQRコード(登録商標)(斜線部)には、BOXを特定するBOX番号、注文者が購入する食品コード毎に、購入する食品に対する複数の温調制御パラメータ(保温30℃、保冷-20℃)がセットされている。
【0068】
次に、店舗の担当者は、表示部33に表示した注文情報確認画面(D25)をロッカー装置60の読取り部66に読み取らせると、制御部31は、特定された温調機能が動作する収容庫のBOX番号XXXを解錠したことを示す解錠画面(D26)を表示部33に表示する。
【0069】
店舗の担当者が解錠画面(D26)を確認して次へボタンを選択すると、制御部31は、「食品をBOXNo.XXXに収容して下さい」を表示部33に表示する。この状態において、店舗の担当者は、注文された食品または注文されて調理済の食品を指定されたBOXに収容させて図示しない扉を閉じた後、食品収容確認画面(D27)上のOKボタンを押下する。ここで、制御部31は、店舗の担当者がOKボタンを押下したことを検出したら、当該BOXNo.XXXを施錠した旨のメッセージ画面(D28)を表示部33に表示する。
【0070】
そして、制御部31は、店舗の担当者がメッセージ画面(D28)上で次へボタンが押下されたことを検出したら、メニュー画面(D29)を表示部33に表示する。
【0071】
なお、図6に示す注文確認テーブルでは、注文No.に対応づけて、温調の有無、調理開始時刻、BOXNo.、投入時刻、取り出し状態を一元管理している例を示している。しかし、本テーブルに示すパラメータ以外に、さらにロッカー装置60にとって有効なパラメータを付加する構成としてもよい。また、さらにロッカー装置60にとって有効なパラメータを付加する構成については、他の実施形態において詳述する。
【0072】
なお、本実施形態では、特定情報は、食品を保温または保冷する温度を特定する温度特定情報を含む構成を備え、さらに、温度特定情報は、食品を保温または保冷する複数の温度を特定する構成を備えるため、保冷(冷凍、冷蔵)、保温を同時に使用する注文にも対応することができる。
【0073】
また、特定情報は、収容された食品を収容庫から持ち帰る予定時間を特定する予定時間情報を含む構成を備えるため、店舗80で調理された状態からそれほど時間が経過する前に、注文者が温調された食品を食べごろの状態で受け取ることができる。
【0074】
図7は、図1に示したロッカー装置60に表示される食品引き渡しメニュー画面の一例を示す図である。本画面例は、注文者がロッカー装置60へ移動した後、ユーザ端末20でインストールされている販売アプリを起動した後、制御部21は、表示部23にメニュー画面(D11)を表示する。ここで、注文者がメニュー画面(D11)上で次へボタンを押下すると、制御部21が取引情報をロッカー装置60に読み取らせる読取り指示画面(D12)を表示部23に表示する。ここで、注文者が開示ボタンを押下すると、制御部21は、「読取り中」を示すメッセージ画面(D13)を表示部23に表示する。ここで、注文者が次へボタンを選択すると、注文情報表示画面(D14)を表示部23に表示する。次に、注文者が注文情報表示画面(D14)をロッカー装置60の読取り部66に翳して当該注文情報を読み取らせる。
【0075】
次に、ロッカー装置60の読取り部66に読み取らせた取引情報が正常であると判断した場合、制御部21は、ユーザ端末20の表示部23に解錠すべきBOXNo.XXX、BOXNo.XXNを表示するメッセージ画面(D15)を表示する。次に、制御部21は、BOXNo.XXX、BOXNo.XXNから温調状態の食品(カレー、チーズケーキ)を取り出すためのメッセージ画面(D16)を表示部23に表示する。ここで、制御部21が次へボタンが押下されたことを検出したら、表示部23の表示画面を取出し終了確認画面(D17)に切り替える。
【0076】
制御部21が注文者により取出し終了確認画面(D17)上でOKボタンが押下されたことを検出すると、表示部23の表示画面をBOXNo.XXX、BOXNo.XXNを施錠確認画面(D18)に切り替える。そして、温調された食品を取り出した注文者が次へボタンを押下すると、制御部21は、表示部23の表示画面をメニューへ戻る画面(D19)に切り替える。
【0077】
図8は、本実施形態を示した自動販売システムの第1の自動販売処理方法を説明するフローチャートである。なお、S1~S4、S11~S15、S21~S25は各ステップを示す。また、図中のT11、T12は、相互に係り合うステップを示す。なお、各ステップは、本実施形態を示す自動販売アプリが起動することで実行されるものとする。
【0078】
〔ユーザ端末処理〕
自動販売アプリを起動して温調したい食品を確定し、さらに上述したようにデータ端末20の画面を操作して電子決済する(S1)。制御部21は、自動販売アプリに従い図6に示した注文確認テーブルに示す情報、パラメータを含む情報からロッカー部60の読取り部66が読み取る取引情報を生成する(S2)。
【0079】
次に、制御部21は、自動販売アプリに従い生成した取引情報を、通信部24を介してデータ端末30とロッカー装置60に転送する(S3)。次に、注文者が取引情報で特定されたロッカー装置60へ移動した後、ロッカー装置60の操作パネル65に表示されたメニュー画面を操作して、表示部23に表示された取引情報を読取り部66に読み取らせて(S4)、本処理を終了する。
【0080】
本実施形態において、制御部21は、自動販売アプリを起動して食品を選択することにより特定されるデータ端末30に対して、店舗で調理する食品を確定し、該確定した食品に対する支払いを電子決済機能で決済した後、店舗80で調理された食品をロッカー装置60に預け入れるまたはロッカー装置60から取り出すための取引に使用する取引情報(QRコード(登録商標))を生成する。その後、制御部21は、通信部24を介して生成した取引情報をデータ端末30およびロッカー装置60に転送する。
【0081】
このように、注文者は、表示部23に表示された取引情報の転送を指示するだけで、後は、自動販売アプリが必要な取引情報をデータ端末30と、ロッカー装置60に転送しておくことが可能となる。
【0082】
〔データ端末処理〕
自動販売アプリを起動して、ユーザ端末20の通信部24から送信された取引情報を通信部34で受信する(S11)。次に、店舗80に備える調理装置、例えば電子レンジによる食品の調理開始を指示する(S12)。ここで、調理開始を指示するタイミングは、該受信した取引情報で特定される予定時間に基づいて、店舗80が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を行うタイミングを決定する。調理指示を行うタイミングは、より具体的には、予定時間から食品に対して設定された調理時間と食品預け入れに要する作業時間とを減算して得られるタイミングよりも所定時間早いタイミングとする。次に、制御部31は、注文者のユーザ端末20から転送された取引情報を表示部33に表示する(S13)。
【0083】
次に、店舗80の担当者は、データ端末30と調理したばかりの温調指定された食品を持って、店舗80に併設される、または指定された近接設置されるロッカー装置60へ移動する(M)。
【0084】
そして、担当者は、上述したロッカー装置60に表示されるメニュー画面を介して、表示部23に表示された取引情報を読取り部66に読み取らせて(S14)、注文された食品を温調機能が作動する収容庫に預け入れる取引を確定して(S15)、本処理を終了する。
【0085】
その後、担当者は、操作パネル部65から対応する収容庫の施錠状態を解錠する指示をロッカー装置60に行う。これにより、ロッカー装置60のBOX制御部62が施解錠駆動部63を制御して、対応する収容庫の扉を解錠することが可能となる。ここで、担当者が収容庫の扉を開けて、注文された食品を預け入れる作業が完了する。
【0086】
このようにデータ端末は、ユーザ端末20から転送される取引情報を通信部34が受信すると、制御部31が該受信した取引情報に基づいて、店舗80が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を担当者に行うとともに、受診した取引情報を表示部33に表示する。
【0087】
これにより、担当者が店舗80に備える調理装置を使用して注文された食品の調理を適正なタイミングで開始することができる。
【0088】
〔ロッカー装置処理〕
自動販売アプリを起動して、注文者が操作するユーザ端末20の通信部24から送信された取引情報を通信部61で受信する(S21)。次に、自動販売アプリは、担当者が操作するデータ端末30の表示部33に表示される取引情報を読取り部66に読み取らせる(S22)。
【0089】
次に、BOX制御部62は、読み取った取引情報に基づいて温調機能が動作する収容庫を特定してデータ端末30から依頼される食品を預け入れる取引を確定する(S23)。その後、BOX制御部62は、施解錠駆動部63を制御して、対応する収容庫の施錠状態を解錠して、担当者が特定された収容庫に注文された食品を預け入れるのを待ち、預け入れが完了したことを確認したら、対応する収容庫の施錠状態を施錠状態へ移行させる。
これにより、預け入れられた食品(カレー、チーズケーキ)が温調された2つの収容庫に収容された状態で、注文者が温調された食品を特定情報で特定される受け取り時間に受け取りに来るまで上記食品を保温、保冷する状態を維持する。
【0090】
次に、BOX制御部62は、操作パネル65を操作して注文者のユーザ端末20の表示部23に表示される取引情報の読み取り指示を受け付けると、注文者が操作するユーザ端末20の表示部23に表示される取引情報を読取り部66に読み取らせる(S24)。
【0091】
次に、BOX制御部62は、読取り部66に読み取らせた取引情報に基づいて、温調機能が動作する収容庫を特定してユーザ端末から依頼される食品を引き渡す取引を確定して(S25)、本処理を終了する。
【0092】
その後、BOX制御部62は、施解錠駆動部63を制御して、対応する収容庫の施錠状態を解錠して、注文者が温調された食品を収容庫から取り出すのを確認した後、施解錠駆動部63を制御して、対応する収容庫の施錠状態を施錠して一連の自動販売処理を完了し、開放された収容庫を新たな自動販売処理で使用可能な状態へと管理情報を更新する。
【0093】
これにより、データ端末30に表示される取引情報またはユーザ端末20に表示される取引情報の読み取りに基づき、温調機能が動作する収容庫へ調理された食品を預け入れる取引と、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を注文者に引き渡す取引とを随時に確定させることができる。この際、注文者と店舗の操作者とは対面することがない非接触の取引が完了する。
【0094】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、注文者からの注文を受信してから店舗80の担当者が調理した食品をロッカー装置に預け入れてから取り出すまでの時間を短縮して、節電を図りつつ、食べごろの調理済食品を注文者は担当者と対面することなく非接触状態で取引が完了する。
【0095】
〔第2実施形態〕
図9は、第2実施形態を示す自動販売システムを説明するブロック図である。なお、図1と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。また、本例は、温調機能を備えた収容庫を含む複数の収容庫を備え、調理された食品の預け入れまたは取り出しを行うことで調理された食品を販売するロッカー装置と、電子決済機能を備えるユーザ端末と、店舗で調理される食品の販売を管理するデータ端末と、ロッカー装置で保管された食品の配送を行う配送者が操作する配送端末と、が通信可能な自動販売システムを例とする。また、本例は、注文者が操作するユーザ端末20から生成された取引情報がロッカー装置60と、配送者が操作する配送端末40に転送される点が第1実施形態に示した自動販売システムとの構成上の差異である。
【0096】
図9において、40は配送端末で、制御部41、メモリ部42、第2の表示手段として機能する表示部43、第2の受信手段として機能する通信部44を備えている。制御部41は、インストールされているOSに従うブラウザを介して、管理サーバ10よりダウンロードした自動販売アプリをメモリ部42にインストールする。なお、自動販売機の新設、撤去に従いそれぞれの設置場所(位置情報)が更新されるので、管理サーバ10は、配送端末40で自動販売アプリ起動する毎に、プログラムバージョンを照合して、最新の自動販売アプリが起動するように配送端末40へのプログラム、および当該プログラムに付随するデータファイルの更新を行う。なお、本実施形態において、ユーザ端末20の表示部23は第1の表示手段として機能する。同様に、ユーザ端末20の通信部24は、第1の受信手段として機能し、表示部23は、第1の表示手段として機能する。
【0097】
図10は、図1に示した配送端末40に表示される食品引き渡しメニュー画面の一例を示す図である。本実施形態における配送者には、宅配業務を行う事業者の配送者および食品の宅配のみを契約業務とする個人の配送者(「Uber EATS」(登録商標))が含まれる。
【0098】
図10において、配送者が操作する配送端末40にインストールされた自動販売アプリを起動すると、制御部41は、表示部43に配送メニュー画面(D31)を表示する。ここで、制御部41が配送者により開始ボタンがタップしたことを検出すると、配送依頼画面(D32)を表示部43に表示する。本例では、配送依頼されたロッカー装置を識別するBOX番号がリスト表示される場合を示すが、表示態様はリスト表示に限らない。
【0099】
制御部41が配送者により配送依頼画面(D32)に表示されたいずれかのBOX番号が選択されたことを検出すると、配送受付確認画面(D33)を表示部43に表示する。
【0100】
配送受付確認画面(D33)において、制御部41が配送者によりOKボタンがタップされたことを検出すると、制御部41は、注文者から受信した取引情報(斜線部)を表示部43に表示する(D34)。
【0101】
次に、配送者が当該取引情報をロッカー装置60の読取り部66に読み取らせると、制御部41は、ロッカー装置60との通信により、BOX解錠通知画面(D35)を表示部43に表示する。
【0102】
ここで、配送者は、表示部43に表示されたBOX解錠通知画面(D35)をタップする。これを受けて、制御部41は、ロッカー装置60との通信により、BOX取り出し通知画面(D36)を表示部43に表示する。ここで、配送者は、解錠された収容庫から配送指定された温調状態で収容された食品を取り出す。
【0103】
次に、配送者は、表示部43に表示されたBOX取り出し通知画面(D36)をタップする。これを受けて、制御部41は、ロッカー装置60との通信により、温調された収容庫の扉を閉じるためのBOX扉指示画面(D37)を表示部43に表示する。ここで、配送者は、解錠された収容庫の扉を閉じた後、表示部43に表示されたBOX扉通知画面(D37)をタップする。これを受けて、制御部41は、配送先情報として住所、電話番号を表示する配送先確認画面(D38)を表示部43に表示する。これに従い配送者は、ロッカー装置60から取り出した温調状態の食品を指定先に配送するための配送業務を開始する。
【0104】
そして、配送者が配送業務を完了して表示部43に表示された配送先確認画面(D38)をタップすると、制御部41は、配送完了確認画面(D39)を表示部43に表示する。ここで、配送者が配送完了確認画面(D39)上のOKボタンをタップすると、制御部41は、表示部43の画面表示を配送メニュー画面(D40)に切り替え制御して、本操作指示処理を完了する。
【0105】
図11図12は、本実施形態を示した自動販売システムの第3の自動販売処理方法を説明するフローチャートである。なお、S1~S3、S11~S15、S21~S23、S26、S27、S31~S36は各ステップを示す。なお、各ステップは、本実施形態を示す自動販売アプリが起動することで実行されるものとする。また、図中のT11、T12は、相互に係り合うステップを示す。
【0106】
〔配送端末処理〕
配送端末40は、自動販売アプリを起動して、ユーザ端末20の通信部24から送信された取引情報を通信部44で受信する(S31)。次に、制御部41は、受信した取引情報をメモリ部42に登録する(S32)。これにより、制御部41は、図示しないタイマ管理部が配送者に食品の取り出しと配送を開始するタイミングを管理し、対応時刻に表示部43にその旨の表示を行う。
【0107】
次に、制御部41は、配送者に食品の取り出しと配送を開始するタイミングに到達したかどうかを判断する(S33)。本実施形態では現在時刻が取り出し時刻よりも約15分程度早いかどうかを判断するものとする。
【0108】
次に、制御部41は、登録されている取引情報を呼び出して表示部43に表示する(S34)。
【0109】
そして、特定されるロッカー装置60へ移動した配送者は、上述したロッカー装置60に表示されるメニュー画面を介して、表示部23に表示された取引情報を読取り部66に読み取らせる(S35)。次に、BOX制御部62は、読取り部66に読み取らせた取引情報に基づいて、温調機能が動作する収容庫を特定して配送端末40から依頼される食品を取り出す取引を確定して(S36)、本処理を終了する。
【0110】
その後、配送者は、操作パネル65から対応する収容庫の施錠状態を解錠する指示をロッカー装置60に行う。これにより、ロッカー装置60のBOX制御部62が施解錠駆動部63を制御して、対応する収容庫の扉を解錠することが可能となる。ここで、配送者が収容庫の扉を開けて、注文された温調状態の食品を取り出す作業が完了する。
【0111】
〔ロッカー装置処理〕
自動販売アプリを起動して、注文者が操作するユーザ端末20の通信部24から送信された取引情報を通信部61で受信する(S21)。次に、自動販売アプリは、担当者が操作するデータ端末30の表示部33に表示される取引情報を読取り部66に読み取らせる(S22)。
【0112】
次に、BOX制御部62は、読み取った取引情報に基づいて温調機能が動作する収容庫を特定してデータ端末30から依頼される食品を預け入れる取引を確定する(S23)。その後、BOX制御部62は、施解錠駆動部63を制御して、対応する収容庫の施錠状態を解錠して、担当者が特定された収容庫に注文された食品を預け入れるのを待ち、預け入れが完了したことを確認したら、対応する収容庫の施錠状態を施錠状態へ移行させる。これにより、預け入れられた食品(カレー、チーズケーキ)が温調された2つの収容庫に収容された状態で、注文者が温調された食品を特定情報で特定される受け取り時間に受け取りに来るまで上記食品を保温、保冷する状態を維持する。
【0113】
次に、BOX制御部62は、操作パネル65を操作して配送者の配送端末40の表示部43に表示される取引情報の読み取り指示を受け付けると、配送者が操作する配送端末40の表示部43に表示される取引情報を読取り部66に読み取らせる(S26)。
【0114】
次に、BOX制御部62は、読取り部66に読み取らせた取引情報に基づいて、温調機能が動作する収容庫を特定してユーザ端末から依頼される食品を配送者に引き渡す取引を確定して(S27)、本処理を終了する。
【0115】
その後、BOX制御部62は、施解錠駆動部63を制御して、対応する収容庫の施錠状態を解錠して、配送者が温調された食品を収容庫から取り出すのを確認した後、施解錠駆動部63を制御して、対応する収容庫の施錠状態を施錠して一連の自動販売処理を完了し、開放された収容庫を新たな自動販売処理で使用可能な状態へと管理情報を更新する。
【0116】
その後、配送者は、注文者から受信した取引情報に基づいて特定される住所宛に取り出した食品を配送する。なお、当該配送者の配送端末40は、登録される自動販売アプリにより、配送地区に設置されたロッカー装置が対応づけられているため、担当地区を超えるような取引情報を受信することはないように制御されている。
【0117】
このように本実施形態では、ロッカー装置60のBOX制御部62がデータ端末30に表示される取引情報または配送端末40に表示される取引情報の読み取りに基づき、温調機能が動作する収容庫へ調理された食品を預け入れる取引と、温調機能の動作する収容庫に預け入れられている食べごろの食品を配送者に引き渡す取引とを随時に確定させる。
【0118】
これにより、注文者は自動販売アプリを起動して、店舗80に対する注文の手配と、ロッカー装置60に温調された収容庫で保冷、保温された食品の配送手配を完了する。
【0119】
この際、注文者と店舗の操作者とは対面することがない非接触の取引が完了する。
【0120】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、注文者からの注文を受信してから店舗80の担当者が調理した食品をロッカー装置に預け入れてから取り出すまでの時間を短縮して、節電を図りつつ、食べごろの調理済食品を配送者にロッカー装置から取り出してもらった温調状態の食品を注文者は自宅や指定場所で受け取ることができる。この際、ロッカー装置に食品を預け入れる担当者と食品を取り出す配送者とが対面することなく非接触状態で取引が完了する。
【0121】
上記各実施形態では、ロッカー装置が注文者と配送者とのやり取りにおいて、温調された食品の預け入れ取引と、引渡し取引の一例について詳述したが、注文者がロッカー装置に温調された食品の取り出しを行わない場合がある。例えば注文確定後に受け取りを都合により放棄する場合がある。
【0122】
この場合、ロッカー装置では、放棄された食品を収容する収容庫が占有された状態となり、ロッカー装置を利用する販売が阻害される事態が発生する。また、放棄された食品をできるだけ廃棄しない、すなわちフードロスを減らすという要請にも応えることも難しくなる。
【0123】
そこで、取り出しが放棄された食品を廃棄処分する代わりに、正規の価格よりも廉価な価格でロッカー装置が食品を再販売してフードロスを減らすことができる構成を備えてもよい。以下、その実施形態について説明する。
【0124】
〔第3実施形態〕
図13は、第3実施形態を示すロッカー装置による再販売処理における操作の一例を示す図である。
【0125】
図13において、ロッカー制御部62は、温調管理する食品の取り出し時刻を過ぎても注文者または配送者が食品の取り出しを指示していないと判断した場合、注文者の取引を解除して、温調されている食品を再販売することを決定する。
【0126】
そして、ロッカー制御部62は、メニュー画面(D41)を操作パネル65に再販売画面(D42)を、例えば一覧として優先表示する。これにより、ロッカー装置60を操作する操作者に廉価販売される食品の一覧を確認させて、所望の食品があればその場で支払いを完了して食品を持ち帰ってもらう取引が可能となる。
【0127】
ここで、操作者が再販売画面(D42)に表示されるいずれかのBOXNo.が選択されると、BOX制御部62は、操作パネル65にBOX再販売画面(D43)を表示する。ここで、操作者が確定ボタンと、支払いボタンを指示すると、BOX制御部62は、操作パネル65に決済画面(D44)を表示する。ここで、操作者がOKボタンを指示すると、BOX制御部62は、操作パネル65に食品取り出し確認画面(D45)に続いてBOX解錠確認画面(D46)を表示する。
【0128】
ここで、操作者が解錠ボタンを指示すると、BOX制御部62が施解錠駆動部63を制御して、BOXNo.001の扉を解錠する。これを受けて、操作者がBOXNo.001の扉を開けて温調されていた食品を収容庫から取り出す。BOX制御部62は、BOXNo.001の収容庫から食品が取り出されたことを検出したら、操作パネル65にBOXNo.001の扉指示画面(D47)に続いてBOX施錠指示画面(D48)を表示する。ここで、操作者が操作パネル65に表示されたOKボタンを指示すると、BOX制御部62は、操作パネル65の表示画面をメニュー画面(D49)へ切り換えて、本操作画面を終了する。
【0129】
なお、決済画面(D44)において、操作者は、使用可能な電子マネーカードや現金により決済を完了することができる。
【0130】
なお、本実施形態では、BOX制御部62が再販売画面(D42)を操作パネル65に優先表示させるので、操作パネル65に予定時間が経過した食品を販売可能な食品とその廉価価格の一覧を表示して、選択された食品に対する第三者からの決済を受けて収容庫から取り出す取引を確定することができる。なお、廉価価格は店舗80の管理者が適宜決定すればよい。例えば冷凍食品と、保冷食品とで異なる廉価価格を設定することも可能である。
【0131】
ここで、再販売画面(D42)は、予定時間が経過した食品が存在することを示す販促情報を優先表示する画面として機能する。
【0132】
さらに、本実施形態では、データ端末30の制御部31は、該受信した取引情報で特定される予定時間に基づいて、店舗80が備える調理装置に特定される食品に対する調理指示を行うタイミングを決定して調理指示開始を指示できる。
【0133】
この際、データ端末30の制御部31が調理指示を行うタイミングは、予定時間から食品に対して設定された調理時間と食品預け入れに要する作業時間とを減算して得られるタイミングよりも所定時間早いタイミングとしている。
【0134】
これにより、店舗80で調理した保温すべき食品を急激に冷ますことのない適正なタイミングで食品を温調機能が動作する収容庫に収容させることができる。
【0135】
〔第3実施形態の効果〕
本実施形態によれば、取り出しが放棄された食品を廃棄処分する代わりに、正規の価格よりも廉価な価格でロッカー装置が食品を再販売してフードロスを減らすことができる。
【0136】
また、各実施形態に示した構成を備える自動販売システムにより、電話注文による店舗の受付者の注文聞き違いによるフードロスを削減できる。
【0137】
同様に自動販売システム全体として注文者が支出する電話による通信費も節約できる。
【0138】
また、注文者からの注文をレジ決済するための人材も不要となり、店舗側の人件費も削減できる。
【0139】
さらに、注文者からの注文の食品を引渡し業務の人材も不要となり、店舗側の人件費も削減できる。
【0140】
さらに、上記各実施形態では、ユーザ端末で生成した取引情報は、すべて同一のものとする場合について説明したが、ロッカー装置、データ端末、配送端末毎に識別情報を付加することでそれぞれの取引情報の読取り履歴を識別情報で個別に管理できるように構成してもよい。
【0141】
これにより、ロッカー装置から個別管理情報を管理サーバに転送することで、管理サーバは、注文動向を分析して、より注文者のデータ端末の表示画面に表示される食品一覧の表示形態を調整して、より簡単な操作で食品選択されたロッカー装置を迅速に特定できるように構成してもよい。
【0142】
〔第4実施形態〕
上記実施形態では、食品を注文したユーザがロッカー装置に到着するタイミングに同期して温調された食品をロッカー装置から取り出し可能とするように構成した場合について説明したが、今後、ロッカー装置を設定する場所の可能性として、車両の運転者(注文者)がドライブスルーしてロッカー装置前に停車するタイミングに同期して、注文した温調状態の食品を取り出し可能とするように制御してもよい。
なお、ドライブスルー方式では、第1実施形態で示した取引情報であるQRコード(登録商標)に加えて、生体認証、車体認証による食品受け取りを可能とするため、QRコード(登録商標)のパラメータ中には、後述するドライブスルー方式を利用するための生体認証情報(顔認証、静脈、指紋、網膜等を含む)、車両を特定するナンバー情報が含まれる。
これにより、ドライブスルーの入り口に設ける外部カメラ(後述する)が車両の運転者、助手席の同乗者、車両のナンバープレートを撮像することで、注文した食品を収容するロッカー装置の扉を開閉制御するように構成してもよい。
また、ロッカー装置に設定した受け取り時刻よりも早く到着した場合、遅く到着する場合を想定して、車両のGPS機能と連携して、取り出し可能時間帯を自動変更することで、注文した食品を取り出すタイミングがずれてしまう事態が発生しても柔軟に調整することで、使い勝手のいい自動販売システムを提供することができる。
なお、本実施形態において、取引情報としては、QRコード(登録商標)を含んで、生体認証、車両番号認証を組み合わせたパラメータを生成しておくことで、様々な運用に適用可能となる。
【0143】
図14は、第4実施形態を示すロッカー装置によるドライブスルー方式で注文した食品を取り出す操作の一例を示す図である。本例は、車両の進行方向に対して並行して、片側または両側にドライブスルー用のロッカー装置が配置されている例に対応する。
【0144】
図14において、1100-1~1100-4、1200-1~1200-4はロッカー装置の食品収容ボックスで、各扉は、上側又は下側に移動する機構を備えている。これにより、運転者が誤って車両のドアを外側に開口した場合にロッカー装置の扉と接触することで車両に凹みやキズがついてしまうことを防止できる。1300は車両で、食品の注文を行ったユーザが運転し、ドライブスルー営業を行っている店舗へ入庫させることで、注文した食品であって、温調された食品をロッカー装置から取り出すことができる。
【0145】
ロッカー装置1000において、1001は外部カメラで、運転者が車両から降車することなく、運転席の窓を開けて、あるいは、無線通信により、食品発注時に生成した注文情報(複数のパラメータからなる)に基づくQRコード(登録商標)を読み取る。
なお、生成手段は、ロッカー装置1000に預け入れた食品をドライブスルーで受け取るための車両情報を生成し、該生成した車両情報を取引情報に組み入れる。
なお、車両の種類により、地上から運転席までの高さには、バリエーションが存在するので、乗用車に対応するルートと、トラック車に対応するルートでロッカー装置1000の扉の高さ位置は異なる構成となる。ただし、ロッカー装置1000の収容ボックスの高さを自在に上限できるリフト機能を備える場合には、1つのロッカー装置1000で複数種類の車両にも適応したドライブスルー用ロッカーの装置を適用可能である。
なお、ロッカー装置1000は、図2に示したBOX制御部62、施解錠駆動部63を備えているものとする。
【0146】
図15は、第4実施形態を示すロッカー装置によるドライブスルー方式で注文した食品を取り出す操作の一例を示す平面図であり、図14と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0147】
ユーザ端末20において、制御部21は、後述するフローチャートに基づいて食品を注文するユーザがドライブスルーを利用した場合、食品注文時に図示しないUI画面を介して、ロッカー装置1000に収容した温調状態の食品の受け取り方法として、ドライブスルー受け取りを指定するボタンを操作したかどうかを判断して、生成する取引情報にドライブスルー受け取り指示コードを組み入れる。
【0148】
一方、ドライブスルー側のロッカー装置1000の場合、入庫する車両口で運転者が操作するデータ端末に表示される前記取引情報を読み取る外部カメラ1001が入庫口前に固定配置されている。
【0149】
図15に示すように、データ端末20を備えるユーザが車両を運転して、外部カメラ1001が入庫口前で、一時停止して、上述したQRコード(登録商標)が表示された画面を外部カメラ1001に翳すと、BOX制御部62は、外部カメラ1001が表示された取引情報を読み取ることに応じて、食品をドライブスルーで受け取りが可能かどうかを判断し、入庫した車両の運転者による受け取り可能であると判断した場合、BOX制御部62が施解錠駆動部63を制御して、車両1300の停止を検知することに同期して、記憶された取引情報で特定される運転者が注文した食品を収容しているロッカー装置1000の扉を開閉制御する。
【0150】
図16は、本実施形態を示すデータ端末の取引情報生成処理手順を示すフローチャートである。なお、S1601~S1602は各ステップを示し、各ステップは、図1に示した制御部21が管理サーバ10からメモリ部22にダウンロードする自動販売アプリを実行することで実現される。
【0151】
まず、制御部21は、表示部23に表示される注文画面上に、ロッカー装置1000から注文した食品を受け取るモードボタンを表示する。ここで、ユーザーが、ドライブスルー、宅配、直接受け取りのいずれかを選択することができる。
この際、制御部21は、ユーザが注文した食品を受け取るモードボタンとしてドライブスルーを選択しているかどうかを判断する(S1601)。
次に、制御部21は、第1実施形態において説明した取引情報を生成する際に、ステップS1601で選択された受け取り方法の指示に従う情報を取引情報に組み込んで(S1602)、本処理を終了する。
【0152】
図17は、本実施形態を示すロッカー装置の扉開閉処理手順を示すフローチャートである。なお、S1701~S1706は各ステップを示し、各ステップは、図1に示したBOX制御部62が管理サーバ10からダウンロードしたロッカー管理プログラムを実行することで実現される。
【0153】
データ端末20を備えるユーザが車両を運転して、外部カメラ1001が入庫口前で、一時停止して、上述したQRコード(登録商標)が表示された画面を外部カメラ1001に翳すと、BOX制御部62は、外部カメラ1001が表示された取引情報を読み取る。(S1701)次に、BOX制御部62は、読み取った取引情報に対応するQRコード(登録商標)を解析して(S1702)、受け取りモードとしてドライブスルー受け取りが指定されているか否かを判断する(S1703)。ここで、受け取りモードとしてドライブスルー受け取りが指定されていないと判断した場合、ユーザのデータ端末20の表示部23に受け取りモードが誤っている旨の警告メッセージを表示して(S1705)、本処理を終了する。
【0154】
一方、ステップS1703で、BOX制御部62が受け取りモードがとしてドライブスルー受け取りが指定されていると判断した場合、指定された取り出し口に車両が移動して停止するまで待ち、停止位置が正しいかどうかを図示しないセンサ、あるいはユーザが操作するデータ端末20のGPS情報に基づいて判断する(S1704)。ここで、BOX制御部62が車両の停止位置が取り出すべき食品を収容したロッカー口と一致していると判断した場合、BOX制御部62は、施解錠駆動部63を制御して、ユーザが注文した食品を収容しているロッカー口の扉を開き、運転者が窓を開けて、注文の食品を取り出したことを確認したら、BOX制御部62は、施解錠駆動部63を制御して、食品を収容しているロッカー口の扉を閉じて(S1706)、本処理を終了する。
【0155】
〔第4実施形態の効果〕
本実施形態によれば、車両の移動方向に並行してロッカー装置1000のロッカー口が配置されているため、食品を注文したユーザは、何ら移動方向に対するステアリング操作が少なく、安心して注文した食品を取り出すことができる。
なお、車両の移動方向に並行してロッカー装置1000のロッカー口が配置させる構成に代えて、ロッカー装置1000の外周形状が円筒形の場合には、ロッカー口を所定方向に回転移動させて、車両と正対する位置でロッカー口を開閉する構成としてもよい。
これにより、注文した食品をロッカー口に投入する投入者は、移動する車両と対面しない位置で、食品の投入操作を安全に行うことができる。さらに、ロッカー装置1000の外周形状が円筒形とすることで、モダンなロッカー装置1000を提供することも可能となる。
なお、車両は、車種別に車高が異なるため、運転席あるいは助手席側の開閉窓の高さに合わせた位置と、ロッカー口の扉位置とが適合するように設定されているものとする。また、ドライブスルールート上に、広告サイネージを併設して、運転者に、ロッカー装置1000で扱う食品や、新たなメニューや、自動車保険に関する手続や、保険手続きの自動更新手続きや、交通情報を表示できるように制御することで、ロッカー装置1000を利用するユーザにドライブスルーによる利点をさらに高める構成としてもよい。
その際、ユーザが利用するロッカー装置1000がドライブスルータイプであるかどうかを識別できるように、地図上のロッカー装置1000にドライブスルーアイコンを付与して表示する制御を実行させることで、ドライブスルー利用者が少ない操作で利用するロッカー装置1000を選択できるように構成してもよい。
さらに、ドライブスルータイプのロッカー装置1000を選択する際に、キッチンカーが駐車できるスペースを確保できる場合には、ユーザ端末20で自動販売アプリを起動する毎に、ユーザ端末20の画面上で表示するロッカー装置1000を示すアイコンにコック帽アイコンを付与して、現在提供できる食品情報を表示させることで、自動販売アプリによりキッチンカーで提供される料理も選択できるように構成してもよい。
また、キャンプ場に設置するドライブスルー方式のロッカー装置1000では、BBQで利用する食材であって、千切りされた野菜、新鮮な魚介、カットされた牛肉や豚肉を半調理済として提供することで、キャンプ場での滞在時間を節約し、無断な切りくず野菜や、無駄な脂身を減らすことも可能となる。
さらに、ロッカー装置1000に体温測定器を設け、ロッカー装置1000に食品を受け取りに来たタイミングで、ユーザの体温情報を測定して表示させる制御を実行することで、いち早く体調が変化していることをユーザに通知できるように構成してもよい。なお、体温測定器を備えるロッカー装置1000には、近場のPCR検査機関を示すルート情報を表示させる制御を実行する構成を備えることで、ロッカー装置1000を利用するタイミングで、いち早くPCR検査を受けることも可能となる。
【0156】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0157】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0158】
なお、上記各実施形態において、注文者が表示される地図情報から食品を引き取るロッカー装置を直接選択することができるように構成してもよい。これにより、旅先地において設置されたロッカー装置からも温調された食品を取り出すことができる。
また、上記実施形態では、ユーザ端末にインストールされる自動販売アプリを起動してロッカー装置から温調された食品を決済、販売を行う例を説明したが、インターネットを介して店舗のホームページやWEBサイトから発注、決済するネット環境にも、本発明を適用することが可能である。
この場合、ユーザが操作するユーザ端末上で店舗のホームページやWEBサイトを参照して食品を注文する際、自動販売機を利用した受け渡し取引を選択して自動販売機から温調された食品を提供する構成において、上述した本発明の自動販売アプリの機能を組み入れて構成する販売システムは、本発明の自動販売システムの適用範囲内である。
【符号の説明】
【0159】
20 ユーザ端末
30 データ端末
60 ロッカー装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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