(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176206
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、動画合成方法及び動画合成プログラム
(51)【国際特許分類】
G11B 27/02 20060101AFI20221117BHJP
G11B 27/10 20060101ALI20221117BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20221117BHJP
H04N 21/854 20110101ALI20221117BHJP
H04N 5/91 20060101ALI20221117BHJP
H04N 5/93 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G11B27/02 A
G11B27/02 H
G11B27/10 A
G11B20/10 301Z
G11B20/10 G
H04N21/854
H04N5/91
H04N5/93
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141578
(22)【出願日】2022-09-06
(62)【分割の表示】P 2018139736の分割
【原出願日】2018-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】小野里 浩司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 智愛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 陽樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 幸次朗
(57)【要約】
【課題】ユーザがカメラを用いて動画の録画を行う場合に、ユーザが望ましいと感じる動画を容易に作成できる、情報処理装置、動画合成方法及び動画合成プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】カメラで撮影した画像を動画として録画する携帯端末は、先に録画した第1歌唱動画に対して、後に録画する第2歌唱動画の合成を開始する合成開始位置を決定した後に、カメラで第2歌唱動画を録画し、合成開始位置で第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成する。従って、携帯端末は、歌唱ユーザがカメラを用いて動画の録画を行う場合に、ユーザが望ましいと感じる動画を容易に作成できる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラで撮影した画像を動画として録画する情報処理装置であって、
先に録画した第1動画に対して、後に録画する第2動画の合成を開始する合成開始位置を決定する決定手段と、
前記カメラで前記第2動画を録画する録画制御手段と、
前記第1動画の前記合成開始位置で前記第1動画と前記第2動画とを合成する動画合成手段と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1動画の前記合成開始位置における画像である合成開始位置画像を、前記第2動画の録画開始時に画面に表示する画像表示制御手段を備える請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像表示制御手段は、前記第2動画を録画するために前記カメラで撮影されている画像に前記合成開始位置画像を重畳して前記画面に表示する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記動画合成手段は、前記第1動画と前記第2動画との合成部分を目立たせないための画像処理を行う請求項1から請求項3の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記動画合成手段は、前記合成開始位置から所定期間の前記第1動画と前記第2動画とを重畳させて、前記第1動画と前記第2動画とを合成する請求項1から請求項4の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1動画及び前記第2動画は、楽曲が再生されながら録画される動画である請求項1から請求項5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記録画制御手段は、前記合成開始位置の前から前記楽曲の再生を開始し、再生した楽曲が前記合成開始位置に対応するタイミングに達すると前記第2動画の録画を開始する請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記録画制御手段は、前記第2動画の録画開始前から前記楽曲の再生を開始すると共に、前記第2動画の録画開始のカウントダウンを行う請求項6又は請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記合成開始位置として設定可能な位置は、前記楽曲の予め定められた位置である請求項6から請求項8の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項10】
カメラで第1動画を録画する第1工程と、
前記第1動画に対して、後に録画する第2動画の合成を開始する合成開始位置を決定する第2工程と、
前記カメラで前記第2動画を録画する第3工程と、
前記第1動画の前記合成開始位置で前記第1動画と前記第2動画とを合成する第4工程と、を有する動画合成方法。
【請求項11】
カメラで撮影した画像を動画として録画する情報処理装置が備えるコンピュータを、
先に録画した第1動画に対して、後に録画する第2動画の合成を開始する合成開始位置を決定する決定手段と、
前記カメラで前記第2動画を録画する録画制御手段と、
前記第1動画の前記合成開始位置で前記第1動画と前記第2動画とを合成する動画合成手段と、して機能させるための動画合成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、動画合成方法及び動画合成プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータネットワークを介して携帯端末等の情報処理装置に配信されるウェブサイト(Webページ,Webサービス)やオンラインゲーム、アプリケーションソフトウェア(以下「アプリ」という。)等のオンラインサービスが広く普及している。
【0003】
オンラインサービスの一つに、ユーザ自身が撮影した動画を投稿し、他のユーザによる当該動画の視聴を可能とする動画投稿サイトがある。この動画投稿サイトには、ユーザ自身による歌唱動画等のパフォーマンス動画の投稿も行われている。このため、ユーザはより良い自身の歌唱動画を投稿するために、投稿する歌唱動画の編集を行う場合がある。
【0004】
ここで、特許文献1には、カラオケ楽曲の演奏を中止した場合であっても、再度、当該カラオケ楽曲を最初から歌い直すことなく最終的な歌唱音声の録音データを得ることを目的とした演奏中止対応カラオケ録音システムが開示されている。
【0005】
この演奏中止対応カラオケ録音システムは、演奏が中止されたカラオケ楽曲の再演奏を指示する再演奏指示手段と、録音手段の機能により歌唱音声の録音が行われている任意のカラオケ楽曲について演奏が中止された場合に、少なくとも、当該カラオケ楽曲の楽曲と、録音済演奏範囲データと、中途録音データと、を紐付けして記録する録音情報記録手段と、カラオケ楽曲の再演奏が指示された場合には、録音済演奏範囲データに基づき、録音済演奏範囲については歌唱音声の録音を行わないように制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されているシステムでは、録音が途中で中止された時点以降の録音が追加で行われるものであり、ユーザは、追加録音を行うカラオケ楽曲のタイミングを自身で決定できない。このため、ユーザは、歌唱を失敗しても、失敗した部分の録音をやり直すことができない。さらに、特許文献1に開示されている演奏中止対応カラオケ録音システムでは、歌唱音声の録音を行うものの歌唱動画等のパフォーマンス動画を撮影するものではない。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ユーザがカメラを用いて動画の録画を行う場合に、ユーザが望ましいと感じる動画を容易に作成できる、情報処理装置、動画合成方法及び動画合成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置、動画合成方法及び動画合成プログラムは以下の手段を採用する。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、カメラで撮影した画像を動画として録画する情報処理装置であって、先に録画した第1動画に対して、後に録画する第2動画の合成を開始する合成開始位置を決定する決定手段と、前記カメラで前記第2動画を録画する録画制御手段と、前記第1動画の前記合成開始位置で前記第1動画と前記第2動画とを合成する動画合成手段と、を備える。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「動画合成方法」は、カメラで第1動画を録画する第1工程と、前記第1動画に対して、後に録画する第2動画の合成を開始する合成開始位置を決定する第2工程と、前記カメラで前記第2動画を録画する第3工程と、前記第1動画の前記合成開始位置で前記第1動画と前記第2動画とを合成する第4工程と、を有する。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「動画合成プログラム」は、カメラで撮影した画像を動画として録画する情報処理装置が備えるコンピュータを、先に録画した第1動画に対して、後に録画する第2動画の合成を開始する合成開始位置を決定する決定手段と、前記カメラで前記第2動画を録画する録画制御手段と、前記第1動画の前記合成開始位置で前記第1動画と前記第2動画とを合成する動画合成手段と、して機能させる。
【0013】
上記「情報処理装置」には、以下に例示するように、種々の技術的限定を加えてもよい。また、同趣旨の技術的限定を、「動画合成方法」が実行する処理ステップや「動画合成プログラム」の機能に加えてもよい。
【0014】
前記第1動画の前記合成開始位置における画像である合成開始位置画像を、前記第2動画の録画開始時に画面に表示する画像表示制御手段を備える。
【0015】
前記画像表示制御手段は、前記第2動画を録画するために前記カメラで撮影されている画像に前記合成開始位置画像を重畳して前記画面に表示する。
【0016】
前記動画合成手段は、前記第1動画と前記第2動画との合成部分を目立たせないための画像処理を行う。
【0017】
前記動画合成手段は、前記合成開始位置から所定期間の前記第1動画と前記第2動画とを重畳させて、前記第1動画と前記第2動画とを合成する。
【0018】
前記第1動画及び前記第2動画は、楽曲が再生されながら録画される動画である。
【0019】
前記録画制御手段は、前記合成開始位置の前から前記楽曲の再生を開始し、再生した楽曲が前記合成開始位置に対応するタイミングに達すると前記第2動画の録画を開始する。
【0020】
前記録画制御手段は、前記第2動画の録画開始前から前記楽曲の再生を開始すると共に、前記第2動画の録画開始のカウントダウンを行う。
【0021】
前記合成開始位置として設定可能な位置は、前記楽曲の予め定められた位置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザがカメラを用いて動画の録画を行う場合に、ユーザが望ましいと感じる動画を容易に作成できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るサーバの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る歌唱動画を撮影する場合における携帯端末の画面表 示を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る歌唱動画を視聴する場合における携帯端末の画面表 示を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る動画合成機能を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る合成開始位置を決定する場合における携帯端末の画 面表示を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る合成開始位置画像を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る第2歌唱動画を撮影開始する場合における携帯端末 の画面表示を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る合成開始位置画像の表示タイミング及び第1歌唱 動画と第2歌唱動画の重畳合成を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る合成エフェクトを示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る動画合成機能に関する機能ブロック図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る動画合成処理の流れを示すフローチャートである 。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る情報処理装置、動画合成方法及び動画合成プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
本実施形態ではパフォーマーが自身のパフォーマンスを携帯端末を用いて動画として記録してサーバへ送信することで動画投稿サイトにアップロードする。動画投稿サイトにアップロードされた動画(投稿動画)は、携帯端末を介して視聴可能とされる。なお、本実施形態では、パフォーマンスを歌唱とし、パフォーマーを歌唱ユーザとし、動画投稿サイトにアップロードされる動画を歌唱動画とする。また、動画投稿サイトにアップロードされた歌唱動画を視聴するユーザを視聴ユーザという。
【0026】
[1.カラオケシステムの構成]
図1は、本実施形態に係るカラオケシステム1の概略構成図である。カラオケシステム1は、通信回線2、複数の携帯端末3(携帯端末3A,3B)、及びサーバ4を含んで構成される。
【0027】
通信回線2は、コンピュータネットワークを形成するものであり、例えば、電気事業者によって提供される広域通信回線である。
【0028】
携帯端末3は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコン等の情報処理端末であり、オンラインサービスをユーザが利用するために用いられる。携帯端末3は、画像を表示するタッチパネルディスプレイ3a、音を出力するスピーカー3b、音が入力されるマイクロフォン3c、被写体を撮影するカメラ3d、及びイヤホン(不図示)が接続されるイヤホン端子3e等を備える。なお、ここでいう撮影とは、カメラ3dが機能し、録画の有無にかかわりなく被写体がタッチパネルディスプレイ3aに表示されている状態である。タッチパネルディスプレイ3aは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)及びタッチセンサを備える。LCDは、各種画像を表示し、タッチセンサは、指、スタイラス、又はペン等の指示体を用いて行われる各種入力操作を受け付ける。以下の説明ではタッチパネルディスプレイ3aを画面3aともいう。
【0029】
サーバ4は、通信回線2を介して、携帯端末3へオンラインサービスを提供する情報処理装置である。なお、
図1の例では、歌唱ユーザは、携帯端末3Aから自身の歌唱動画(歌唱動画データ)をサーバ4へ送信することで当該歌唱動画を動画投稿サイトにアップロードする。そして、視聴ユーザは、携帯端末3Bを用いて動画投稿サイトへアクセスし、当該歌唱動画を視聴する。なお、歌唱ユーザは、携帯端末3Aを用いて動画投稿サイトへアクセスすることで、自身がアップロードした歌唱動画を視聴することも可能である。また、携帯端末3Bのユーザが歌唱ユーザとなり、歌唱動画を動画投稿サイトにアップロードすることも可能である。
【0030】
[2.サーバの構成]
図2は、本実施形態に係るサーバ4の電気的構成を示すブロック図である。
【0031】
本実施形態に係るサーバ4は、サーバ4全体の動作を司る主制御部であるCPU(Central Processing Unit)20、各種プログラム及び各種データ等が予め記憶されたROM
(Read Only Memory)22、CPU20による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)24、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)26を備えている。
【0032】
HDD26は、携帯端末3Aから送信された歌唱動画データ、すなわち動画投稿サイトにアップロードされた歌唱動画データや、歌唱ユーザが歌唱可能な楽曲を示す楽曲データ等を記憶する。なお、記憶手段は、HDD26に限らず、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等の他の記憶媒体であってもよい。
【0033】
さらに、サーバ4は、キーボード及びマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部28、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ30、通信回線2を介して携帯端末3等の他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行う外部インタフェース32を備えている。
【0034】
これらCPU20、ROM22、RAM24、HDD26、操作入力部28、モニタ30、及び外部インタフェース32は、システムバス34を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU20は、ROM22、RAM24、及びHDD26へのアクセス、操作入力部28に対する操作状態の把握、モニタ30に対する画像の表示、並びに外部インタフェース32を介した他の情報処理装置等との各種データの送受信等を行なうことができる。
【0035】
[3.携帯端末の電気的構成]
図3は、携帯端末3の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【0036】
携帯端末3は、
図1に示される構成に加え、主制御部40、主記憶部42、補助記憶部44、通信部46、及び操作ボタン48を備える。
【0037】
主制御部40は、例えば、CPU、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、携帯端末3の全体の動作を制御する。
【0038】
主記憶部42は、例えば、RAMやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、主制御部40による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。
【0039】
補助記憶部44は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、画像等の各種データ及び主制御部40の処理に利用されるプログラム等を保存する。補助記憶部44に記憶されるプログラムは、例えば、携帯端末3の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェアを制御するためのドライバ、電子メールやウェブブラウジング、その他各種機能を実現するためのプログラム等である。また、補助記憶部44には、歌唱動画の撮影や投稿及び動画投稿サイトを視聴するためのアプリケーション
(以下「動画投稿視聴アプリ」という。)が予め記憶されている。
【0040】
通信部46は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、通信回線2に接続する機能を有する。なお、通信部46は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。
【0041】
操作ボタン48は、携帯端末3の側面に設けられ、携帯端末3を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカー3bが出力する音のボリューム調整ボタン等である。
【0042】
これら主制御部40、主記憶部42、補助記憶部44、通信部46、操作ボタン48、タッチパネルディスプレイ3a、スピーカー3b、マイクロフォン3c、カメラ3d、及びイヤホン端子3eは、システムバス49を介して相互に電気的に接続されている。従って、主制御部40は、主記憶部42及び補助記憶部44へのアクセス、タッチパネルディスプレイ3aに対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ3aや操作ボタン48に対する操作状態の把握、マイクロフォン3cへの音の入力、スピーカー3b又はイヤホン端子3eに接続されたイヤホンからの音の出力、カメラ3dに対する制御、及び通信部46を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行える。
【0043】
[4.歌唱ユーザによる歌唱動画の撮影]
歌唱ユーザが、携帯端末3Aを用いて歌唱動画を撮影する場合について説明する。
【0044】
歌唱ユーザは、歌唱動画を撮影する場合、携帯端末3Aに動画投稿視聴アプリを起動させる。動画投稿視聴アプリが起動すると、携帯端末3Aは複数の楽曲データを記憶したサーバ4にアクセスする。そして、歌唱ユーザは、動画投稿視聴アプリから自身で歌唱するための楽曲を任意に選択し、サーバ4から楽曲データを携帯端末3Aへダウンロードする。そして、歌唱ユーザは、動画投稿視聴アプリを用いて任意のタイミングで楽曲を再生して歌唱を行う。動画投稿視聴アプリは、楽曲の再生を開始すると共に、カメラ3dによって動画の撮影を開始する。すなわち、歌唱動画は、携帯端末3Aから楽曲が再生されながら携帯端末3Aによって撮影された動画である。
【0045】
なお、楽曲データには、歌詞データも関連付けられており、楽曲データがサーバ4から携帯端末3Aにダウンロードされる場合には関連付けられている歌詞データも携帯端末3Aにダウンロードされる。なお、以下の説明において、楽曲データには歌詞データも含まれるものとする。
【0046】
図4は、歌唱動画を撮影する場合における携帯端末3Aの画面3aにおける表示状態(以下「画面表示」という。)の一例である。
【0047】
図4に示されるように画面3aは、歌詞表示領域50A及び撮影画像表示領域50Bに分けられる。歌詞表示領域50Aは、ユーザが歌唱する楽曲の歌詞を示す歌詞画像52、楽曲の音程を示す音程画像54、及び撮影の進行度合いを示す進行バー56を含む。
【0048】
歌詞画像52及び音程画像54は、楽曲の進行に応じて更新される。本実施形態では、一例として、歌詞画像52及び音程画像54は数フレーズずつ更新して歌詞表示領域50Aに表示される。なお、歌詞画像52と音程画像54の更新タイミングは同じであってもよいし、異なってもよい。
【0049】
歌詞画像52は、一例として、歌詞を複数段(
図4の例では2段)で表示し、歌唱ユーザが現在歌唱すべき歌詞を把握可能なように、上段の歌詞の色が楽曲の進行に合わせて左端から右端へ変化する。上段の歌詞の色の変化が右端に達すると、下段の歌詞が上昇して上段に表示されると共に新たな歌詞が下段に表示され、楽曲の進行に合わせて再び上段の歌詞の色が左端から右端へ変化する。
【0050】
音程画像54は、一例として、複数の音程バー54Aが音程の強弱に合わせて左右方向に階段状に表示される。そして、歌唱ユーザが現在歌唱すべき歌詞の音程を把握可能なように、楽曲の進行に合わせて音程バー54Aの色が左端から右端へ変化すると共にポインタ54Bが左端から右端へ移動する。音程バー54Aの色の変化及びポインタ54Bが右端に達すると、次の音程を示す音程画像54が更新表示される。
【0051】
進行バー56は、一例として、左端から右端までの長さが楽曲全体の長さを示す。楽曲の再生が開始すると楽曲の再生位置を示すポインタ56Aが左端から右端へ移動し、ポインタ56Aが右端に達すると楽曲の終了となる。なお、ポインタ56Aが通過した進行バー56は、進行前の位置に比べて太く表示される。
【0052】
歌唱動画の録画は、歌唱ユーザが楽曲を選択した後、画面3aに表示される録画開始ボタン(不図示)をクリックしてから所定時間後(例えば10秒後)に開始される。また、動画の録画開始と終了は、楽曲の開始と終了に一致してもよいが、これに限らず、楽曲の開始所定時間前(例えば5秒前)から動画の録画が開始してもよいし、楽曲の終了所定時間後(例えば5秒後)に動画の録画が終了してもよい。
【0053】
歌唱ユーザは、イヤホンをイヤホン端子3eに接続して再生される楽曲をイヤホンを用いて聴き、当該楽曲に合わせて歌唱する。携帯端末3Aは、カメラ3dによって歌唱ユーザを撮影すると共に、マイクロフォン3cによって歌唱ユーザの歌唱を録音する。すなわち、マイクロフォン3cは再生される楽曲の音は取得しない。そして、携帯端末3Aはマイクロフォン3cで取得した歌唱ユーザの歌声を録音し、歌唱データとする。
【0054】
なお、歌唱データは、フィルタリング処理によって人間の声の周波数帯域を抽出したものとされてもよい。このフィルタリング処理によって、歌唱ユーザの周辺環境に起因する雑音が歌唱データから取り除かれることになるので、録音される歌唱ユーザの歌声がより鮮明となる。
【0055】
そして、動画投稿視聴アプリは、楽曲データ及び歌唱データに録画データを組み合わせることで、サーバ4へ送信可能な歌唱動画データとする。なお、ユーザは、一例として、歌唱動画データをサーバ4へ送信するタイミング、すなわち、動画投稿サイトへアップロードするタイミングとして下記の2種類のうち一つを選択できる。
【0056】
一つは、歌唱ユーザが歌唱しながらリアルタイムで歌唱動画データを動画投稿サイトへアップロードするライブ配信である。ライブ配信では、視聴ユーザは歌唱ユーザによる歌唱をリアルタイムで視聴することになる。もう一つは、楽曲の歌唱が完了した後に、歌唱ユーザが任意のタイミングで動画投稿サイトへ歌唱動画データをアップロードする非ライブ配信である。
【0057】
歌唱ユーザは、ライブ配信を行う場合には歌唱動画の録画前にライブ配信を行うための設定を行い、動画の録画開始と共に歌唱動画データが動画投稿サイトへアップロードされるようにする。なお、ライブ配信の場合には、歌唱動画データは携帯端末3Aに記憶されることなく、動画投稿サイトへアップロードされてもよい。
【0058】
なお、ライブ配信を行う場合の設定として、視聴ユーザがライブ配信で当該歌唱動画を視聴可能とする第1ライブ配信設定、ライブ配信後でも視聴ユーザが当該歌唱動画を視聴可能とする第2ライブ配信設定の何れか歌唱ユーザが設定可能とされる。すなわち、第1ライブ配信設定では、ライブ配信が終了するとサーバ4から歌唱動画データが削除され、視聴ユーザはライブ配信の終了後にライブ配信された歌唱動画の視聴ができない。一方、第2ライブ配信では、ライブ配信が終了してもサーバ4が当該歌唱動画データを記憶し続けるので、視聴ユーザはライブ配信の終了後でも非ライブ配信として当該歌唱動画の視聴ができる。
【0059】
なお、非ライブ配信を行う場合には、歌唱動画データは携帯端末3Aに一旦記憶され、歌唱ユーザが動画投稿視聴アプリを操作することで任意のタイミングで動画投稿サイトへ歌唱動画をアップロードする。
【0060】
[5.視聴ユーザによる歌唱動画の視聴]
視聴ユーザが、携帯端末3Bを用いて歌唱動画を視聴する場合について説明する。
【0061】
視聴ユーザは、歌唱動画を視聴する場合、携帯端末3Bに動画投稿視聴アプリを起動させる。動画投稿視聴アプリが起動すると、携帯端末3Bは複数の歌唱動画データを記憶したサーバ4、すなわち動画投稿サイトにアクセスする。そして、視聴ユーザは、動画投稿視聴アプリを介して視聴したい歌唱動画を選択して画面3aに表示させる。なお、サーバ4による携帯端末3Bへの歌唱動画の配信手法は一例として、ストリーミング配信である。
【0062】
図5は、歌唱動画を視聴する場合における携帯端末3Bの画面表示の一例であり、ライブ配信が行われている場合の画面表示を示している。
【0063】
画面3aには、歌唱動画が表示されると共に、歌唱ユーザ表示領域50C、歌詞表示領域50D、コメント入力表示領域50Eが設けられる。歌唱ユーザ表示領域50C、歌詞表示領域50D、コメント入力表示領域50Eは、歌唱動画に重畳して表示されてもよい。
【0064】
歌唱ユーザ表示領域50Cには、歌唱動画を投稿した歌唱ユーザのユーザ名、ライブ配信であるか否かの表示、歌唱している楽曲の名称が表示される。
【0065】
歌詞表示領域50Dには、歌唱動画の歌詞が表示される。なお、表示される歌詞は、一例として、複数フレーズずつであり、楽曲の進行に合わせて歌詞の色が左端から右端へ変化する。なお、歌詞表示領域50Dは、一例として、歌詞を複数段で表示してもよい。この場合、上段の歌詞の色の変化が右端に達すると、下段の歌詞が上昇して上段に表示されると共に新たな歌詞が下段に表示され、楽曲の進行に合わせて再び上段の歌詞の色が左端から右端へ変化する。
【0066】
コメント入力表示領域50Eには、コメントの入力欄が表示されると共に、歌唱動画を視聴している視聴ユーザのコメントがユーザ名と共に表示される。なお、一例として、視聴ユーザからのコメントが入力される毎にコメント入力表示領域50Eの最上段に当該コメントが追加表示され、それまでに表示されていたコメントは下方に繰り下がる。そして、コメントがコメント入力表示領域50Eに表示しきれなくなった場合には、コメント表示領域の右側にスクロールバー(不図示)が表示され、当該スクロールバーを視聴ユーザが操作することで、それまで画面3aに表示されなかったコメントが表示される。
【0067】
さらに、画面3aには、視聴ユーザが各種操作を行うための操作アイコン58A~58Dが表示される。
【0068】
操作アイコン58Aは、視聴ユーザが視聴している歌唱動画に視聴ユーザが共感等した場合にクリックされるアイコンであり、当該歌唱動画に対する操作アイコン58Aのクリックの総数が操作アイコン58Aの上方に表示される。
【0069】
操作アイコン58Bは、画面3aに表示されている歌唱動画をライブ配信している歌唱ユーザに対して視聴ユーザが対戦(以下「対戦歌唱」という。)を申し込む場合にクリックされるアイコンである。対戦歌唱は、異なる歌唱ユーザによる複数の歌唱動画(第1歌唱動画、第2歌唱動画)を視聴ユーザの携帯端末3Bの画面3aに同時に表示し、歌唱動画が同じ楽曲を交互に歌唱するものである。すなわち、操作アイコン58Bをクリックした視聴ユーザは、対戦歌唱を行う歌唱ユーザとなる。
【0070】
操作アイコン58Cは、動画投稿視聴アプリに対する各種設定を視聴ユーザが行う場合にクリックされるアイコンである。
【0071】
操作アイコン58Dは、画面3aに表示されている歌唱動画に対して装飾画像を重畳させる場合に視聴ユーザによってクリックされるアイコンである。なお、本実施形態に係る装飾画像は、その種類により金額が決められており、視聴ユーザが課金により購入可能とされている。そして、視聴ユーザは、操作アイコン58Dをクリックすることで、自身が視聴している歌唱動画に対して装飾画像を重畳させる。装飾画像が重畳された歌唱動画の歌唱ユーザは、重畳された装飾画像に応じた金銭を動画投稿サイトの運営者から受け取る。すなわち、視聴ユーザによる歌唱動画への装飾画像の重畳(表示指示)は、歌唱ユーザに対する、いわゆる投げ銭に相当する。
【0072】
[6.動画合成機能]
本実施形態に係る動画投稿視聴アプリは、複数の歌唱動画を合成する動画合成機能を有する。動画合成機能は、先に録画した第1歌唱動画に対して、後に録画した第2歌唱動画を合成する機能である。なお、第1歌唱動画と第2歌唱動画で歌唱される楽曲は同じ楽曲である。
【0073】
[6-1.合成開始位置]
図6は、本実施形態に係る動画合成機能の内容を示す模式図である。本実施形態に係る動画合成機能は、先に録画した第1歌唱動画に対して、後に録画する第2歌唱動画の合成を開始する合成開始位置を決定し(
図6(A))、合成開始位置を決定した後にカメラ3dで第2歌唱動画を録画し(
図6(B))、第1歌唱動画の合成開始位置で第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成する(
図6(C))。なお、合成開始位置や再生位置等で用いられる位置とは、例えば歌唱動画や楽曲の先頭からの経過時間などで表される。
【0074】
このような動画合成機能によって歌唱ユーザは、歌唱動画(第1歌唱動画)を録画したものの、その出来栄えが望ましくないと感じた場合に、望ましくないと感じた動画部分よりも前の位置を合成開始位置とし、合成開始位置から歌唱動画(第2歌唱動画)を撮影し直す。そして、第1歌唱動画の合成開始位置で第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成することで、歌唱ユーザは、自身が望ましいと感じる歌唱動画を容易に作成可能となる。
【0075】
本実施形態に係る動画合成機能は、上述のように、第1歌唱動画に対する合成開始位置を決定した後に、第2歌唱動画の録画を開始する。このため、動画合成機能は、第1歌唱動画における合成開始位置に対応する楽曲の再生位置から第2歌唱動画の録画を開始する。従って、歌唱ユーザは、第2歌唱動画の録画において楽曲の歌唱を最初から行う必要はなく合成開始位置から行えばよいため、より簡易に歌唱動画の合成を行える。
【0076】
図7は、合成開始位置を決定する場合に歌唱ユーザが操作する携帯端末3Aの画面3aに表示される画像であり、画面3aは再生制御領域50F及び再生動画表示領域50Gに分けられる。再生動画表示領域50Gは、再生対象となる第1歌唱動画が表示される。再生制御領域50Fは、第1歌唱動画の楽曲の歌詞を示す歌詞画像52、楽曲の音程を示す音程画像54、及び動画の再生位置を選択するためのスライドバー60が表示される。
【0077】
スライドバー60は、左端が第1歌唱動画の開始を示し、右端が第1歌唱動画の終了を示している。歌唱ユーザが、ポインタ60Aを左右に移動させると、当該移動に伴い画面3aに表示される第1歌唱動画の再生位置が変化し、第1歌唱動画は一時停止の状態で画面3aに表示される。また、ポインタ60Aの移動に伴い、歌詞画像52及び音程画像54も更新される。
【0078】
そして、歌唱ユーザによって決定ボタン62がクリックされると、再生動画表示領域50Gに表示されている第1歌唱動画の再生位置が合成開始位置として決定される。
【0079】
なお、合成開始位置として設定可能な位置は、楽曲の予め定められた位置とされてもよい。この予め定められた位置とは、例えば、歌詞のフレーズとフレーズとの境等、歌詞の途中からの歌い出しが容易な位置であり、複数個所が設定されている。換言すると、フレーズの途中等、途中からでは歌い出しが難しい位置は合成開始位置として歌唱ユーザは選択できない。なお、スライドバー60や歌詞画像52に、合成開始位置として設定可能な複数の位置が歌唱ユーザに認識できるように表示されてもよい。
【0080】
また、
図7の例に限らず、画面3aには第1歌唱動画を再生(一時停止解除)するためのボタンや、再生を停止するためのボタン、早送り又は早戻しするためのボタン、スロー再生するためのボタン等が表示されてもよい。
【0081】
[6-2.第2歌唱動画の録画]
動画合成機能は、合成開始位置が決定されると第2歌唱動画の録画を行う。
【0082】
本実施形態に係る動画合成機能は、
図8に示されるように、第1歌唱動画の合成開始位置における画像である合成開始位置画像64(静止画像)を、第2歌唱動画の録画開始時に画面3aに表示するガイド機能を有する。合成開始位置画像64は、歌唱ユーザが画面3aに表示されている画像が合成開始位置画像64であると認識できるように、一例として薄く表示される。そして、動画合成機能は、
図9に示されるように、第2歌唱動画の録画のためにカメラ3dで撮影されている画像(以下「現在撮影画像」という。)に合成開始位置画像64を重畳して画面3aに表示する。
【0083】
このように、ガイド機能は、合成開始位置画像64を画面3aに表示することで第2歌唱動画の録画開始時に、歌唱ユーザに第1歌唱動画の合成開始位置における画像を必然的に確認させることとなる。従って、歌唱ユーザは、第2歌唱動画の録画開始時において、第1歌唱動画における合成開始位置と同様の画像構成やポーズ、表情とすることが可能となる。その結果、第1歌唱動画と第2歌唱動画との合成において違和感の小さい合成が可能となる。さらに、
図9に示されるように、合成開始位置画像64と現在撮影画像とを重畳することで、歌唱ユーザは、第2歌唱動画の録画開始時の画像を合成開始位置画像64と同様とすることがより簡易にできる。
【0084】
ガイド機能は、第1歌唱動画の合成開始位置における歌唱ユーザの画像と、第2歌唱動画の録画開始時における歌唱ユーザの画像との一致率などを検出する検出機能を備えてもよい。ガイド機能は、第1歌唱動画の合成開始位置における歌唱ユーザの画像と、第2歌唱動画の録画開始時における歌唱ユーザの画像との一致率が所定の閾値よりも低い場合にユーザに通知をする機能を備えてもよい。
【0085】
なお、
図8,9の例では、画面3aにおける再生動画表示領域50G全体に合成開始位置画像64が表示されているが、これに限らず、合成開始位置画像64はウィンドウ表示されて再生動画表示領域50Gの一部に重畳されてもよい。そして、ウィンドウ表示されている合成開始位置画像64と現在撮影画像とが重畳して表示されてもよい。
【0086】
次に
図10を参照して、第2歌唱動画の録画について説明する。
図10は、合成開始位置画像64の画面3aへの表示タイミング、及び詳細を後述する第1歌唱動画と第2歌唱動画の重畳合成を示す模式図であり、斜線(ハッチング)で示されるバーは第2歌唱動画を録画する場合に、画面3aに表示される画像を示す。
【0087】
図10に示されるように合成開始位置画像64は、第2歌唱動画の録画開始前から静止画として画面3aに表示され、第2歌唱動画の録画開始と共に画面3aへの表示が停止される。
【0088】
そして、動画合成機能は、合成開始位置の前から楽曲の再生を開始し、再生した楽曲が合成開始位置に対応するタイミングに達すると第2歌唱動画の録画を開始する。本実施形態に係る動画合成機能は、一例として、合成開始位置の所定期間(例えば30秒)前から楽曲の再生を開始する。これにより、歌唱ユーザは、余裕を持って第2歌唱動画の歌い出しと録画開始のタイミングとを合わせて第2歌唱動画の録画が可能となる。また、動画合成機能は、第2歌唱動画の録画開始前から楽曲の再生を開始すると共に、第2歌唱動画の録画開始のカウントダウン表示も行う(
図9参照)。これにより、歌唱ユーザは、第2歌唱動画の歌い出しのタイミングを明確に認識できる。
【0089】
さらに、
図10に示されるように、合成開始位置画像64の表示が停止されて第2歌唱動画の録画が開始された後に、ガイド機能として、合成開始位置から所定期間だけ第1歌唱動画を画面3aに重畳表示させてもよい。これにより、歌唱ユーザは、第1歌唱動画に合わせた画像構成やポーズ、表情としながら、第2歌唱動画の録画が可能となるため、より違和感の小さい第1歌唱動画と第2歌唱動画との合成が可能となる。なお、この所定期間は、一例として、詳細を後述する重畳合成期間であり、例えば5秒であるが、時間を基準単位とするのではなくフレーム数を基準に重畳合成期間が設定されてもよい。
【0090】
ここで、
図10を参照して、第2歌唱動画の録画の全体の流れを説明する。
【0091】
歌唱ユーザの操作によって合成開始位置が決定されると、合成開始位置画像64が画面3aに表示されると共にカメラ3dによる撮影が開始され、合成開始位置画像64と現在撮影画像とが重畳されて画面3aに表示される。このとき、第1歌唱動画の楽曲と同じ楽曲データが、サーバ4から携帯端末3Aへダウンロードされる。そして、歌唱ユーザが、第2歌唱動画の録画開始指示を携帯端末3Aに入力すると、楽曲の再生と共に録画のカウントダウンが開始される。
【0092】
録画カウントダウンが終了すると、第2歌唱動画の録画が開始されると共に合成開始位置画像64の表示が停止される。そして、合成開始位置から所定期間(重畳合成期間)における第1歌唱動画が現在撮影画像に重畳して画面3aに表示される。なお、録画される第2歌唱動画には、重畳されて表示される第1歌唱動画は含まれない。所定期間(重畳合成期間)が経過すると、重畳されている第1歌唱動画の表示は停止され、楽曲が終了するまで第2歌唱動画の録画が継続される。
【0093】
[6-3.第1歌唱動画と第2歌唱動画との合成]
動画合成機能は、第2歌唱動画の録画が終了すると、第1歌唱動画の合成開始位置で第1歌唱動画と録画した第2歌唱動画とを合成する。なお、以下の説明では、第1歌唱動画と第2歌唱動画を合成して得られた動画を合成歌唱動画という。
【0094】
動画合成機能は、第1歌唱動画と第2歌唱動画との合成部分を目立たせないための画像処理(以下「エフェクト処理」という。)を行ってもよい。エフェクト処理は、例えば、合成部分の前後所定期間(例えば前後5秒ずつ、又は前後5フレームずつ)である。
図11の例では、エフェクト処理として複数の所定画像(星画像)をランダムにちりばめているが、これに限らず、モザイク処理やぼかし処理等、他の画像処理が行われてもよい。
【0095】
このエフェクト処理により、第1歌唱動画と第2歌唱動画との境が不明瞭になるため、より違和感の小さい第1歌唱動画と第2歌唱動画との合成が可能となる。
【0096】
また、エフェクト処理として、合成部分の画像全体を瞬間的に所定色に置き換えてもよい。所定色とは、例えば白色や黒色であり、例えば所定色を白色(又は黒色)とすることで意図的に白飛び(又は黒飛び)を画面に生じさせることで、第1歌唱動画と第2歌唱動画との境が不明瞭になる。
【0097】
また、動画合成機能は、
図10に示されるように、合成開始位置から所定期間(上述した重畳合成期間)の第1歌唱動画と第2歌唱動画とを重畳させて、第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成(以下「重畳合成」という。)してもよい。この重畳合成は、いわゆるクロスディゾルブやオーバーラップといわれる画像処理であり、例えば、重畳させる第1歌唱動画を時間と共にフェードアウトさせる一方で、第2歌唱動画をフェードインさせてもよい。この重畳合成により、第1歌唱動画と第2歌唱動画との境が不明瞭になるため、より違和感の小さい第1歌唱動画と第2歌唱動画との合成が可能となる。
【0098】
なお、本実施形態に係る動画合成機能は、録音されている歌声に関しては重畳合成を行わないが、これに限らず、歌声に関しても重畳合成を行ってもよい。
【0099】
[7.動画合成機能の機能ブロック]
図12は、本実施形態に係る動画合成機能に関する機能ブロック図である。携帯端末3が備える主制御部40は、画像表示制御部70、録画制御部72、合成開始位置決定部74、及び動画合成部76を備える。主制御部40が備える各機能によって実行される処理は、補助記憶部44に記憶されているプログラムによって実現される。
【0100】
画像表示制御部70は、画面3aに対する画像の表示を制御するものであり、例えば、動画投稿視聴アプリが起動されてサーバ4から配信された動画を画面3aに表示させたり、カメラ3dで撮影した画像を画面3aに表示させる。なお、本実施形態に係る画像表示制御部70は、第2歌唱動画を撮影する場合に、合成開始位置画像64や、合成開始位置から所定期間の第1歌唱動画をカメラで撮影されている画像に重畳して画面3aに表示させる。
【0101】
録画制御部72は、カメラ3dで撮影された画像を録画する。なお、本実施形態に係る録画制御部72は、動画投稿視聴アプリを起動することで携帯端末3Aから楽曲を再生し、再生した楽曲の音と共に第1歌唱動画又は第2歌唱動画を録画する。さらに、録画制御部72は、第2歌唱動画を録画する場合、合成開始位置の前から楽曲の再生を開始して第2歌唱動画の録画開始のカウントダウンを行い、再生した楽曲が合成開始位置に対応するタイミングに達すると第2歌唱動画の録画を開始する。
【0102】
合成開始位置決定部74は、歌唱ユーザによる携帯端末3Aへの操作に基づいて、先に録画した第1歌唱動画に対して、後に録画する第2歌唱動画の合成を開始する合成開始位置を決定する。
【0103】
動画合成部76は、第1歌唱動画の合成開始位置で第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成して合成歌唱動画とする。また、本実施形態に係る動画合成部76は、第1歌唱動画と第2歌唱動画との合成部分を目立たせないための画像処理を行ったり、合成開始位置から所定期間(重畳合成期間)の第1歌唱動画と第2歌唱動画とを重畳させて、第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成する
【0104】
[8.動画合成処理のフローチャート]
図13は、携帯端末3が備える主制御部40によって実行される動画合成処理の流れを示すフローチャートである。動画合成処理を実行するためのプログラム(動画投稿視聴アプリ)は補助記憶部44の所定領域に予め記憶されている。
【0105】
まず、ステップS100では、合成開始位置決定部74が歌唱ユーザによる第1歌唱動画の選択を受け付ける。第1歌唱動画は、携帯端末3Aの補助記憶部44に記憶されている。なお、歌唱ユーザは、自身がアップロードした歌唱動画を動画投稿サイトからダウンロードし、それを第1歌唱動画としてもよい。
【0106】
次のステップS102では、画像表示制御部70が
図7に示すように第1歌唱動画を画面3aに表示し、合成開始位置決定部74が歌唱ユーザによる画面3aへの操作に基づいて合成開始位置を決定する。
【0107】
次のステップS104では、録画制御部72が第2歌唱動画の撮影開始指示の入力の有無を判定し、肯定判定の場合にはステップS106へ移行する。否定判定の場合は、第2歌唱動画の撮影開始指示が入力されるまで待ち状態となる。
【0108】
ステップS106では、画像表示制御部70が合成開始位置画像64及びカメラ3dによる撮影画像(現在撮影画像)を画面3aに表示する。
【0109】
次のステップS108では、録画制御部72が第2歌唱動画の録画開始指示の入力の有無を判定し、肯定判定の場合にはステップS110へ移行する。否定判定の場合は、第2歌唱動画の録画開始指示が入力されるまで待ち状態となる。
【0110】
ステップS110では、録画制御部72が合成開始位置の前から楽曲の再生を開始し、再生した楽曲が合成開始位置に対応するタイミングに達すると第2歌唱動画の録画を開始し、楽曲が終了すると第2歌唱動画の録画を終了する。録画された第2歌唱動画は、補助記憶部44に記憶される。
【0111】
ステップS112では、動画合成部76が第1歌唱動画の合成開始位置で第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成し、合成歌唱動画を生成する。なお、第1歌唱動画と第2歌唱動画の合成として重畳合成が行われてもよい。合成歌唱動画は、補助記憶部44に記憶される。
【0112】
次のステップS114では、動画合成部76が合成歌唱動画にエフェクト処理を行い、本動画合成処理を終了する。なお、実行されるエフェクト処理の種類は、歌唱ユーザによって予め設定されている。
【0113】
そして、歌唱ユーザは、このようにして生成された合成歌唱動画を動画投稿視聴アプリを介して動画投稿サイトにアップロードし、当該合成歌唱動画を視聴ユーザによる視聴が可能とする。なお、第1歌唱動画が動画投稿サイトにアップロードされている場合には、アップロードによって第1歌唱動画が合成歌唱動画に置き換えられてもよい。なお、生成された合成歌唱動画の完成度に歌唱ユーザが満足しない場合には、
図13に示される動画合成処理を再び最初から行い、合成歌唱動画の生成を再度行う。
【0114】
以上説明したように、カメラ3dで撮影した画像を動画として録画する携帯端末3Aは、先に録画した第1歌唱動画に対して、後に録画する第2歌唱動画の合成を開始する合成開始位置を決定した後に、カメラ3dで第2歌唱動画を録画し、合成開始位置で第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成する。従って、携帯端末3Aは、歌唱ユーザがカメラ3dを用いて動画の録画を行う場合に、歌唱ユーザが望ましいと感じる動画を容易に作成できる。
【0115】
[9.他の実施形態]
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0116】
例えば、上記実施形態では、パフォーマンスを歌唱とし、動画投稿サイトにアップロードされる動画を歌唱動画とする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、パフォーマンスをダンスとし、動画投稿サイトにアップロードされる動画をダンス動画とするように、パフォーマンスを歌唱以外としてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、動画合成機能を携帯端末3Aで実行する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、動画合成機能の一部又は全部をサーバ4で実行してもよい。なお、動画合成機能の一部又は全部をサーバ4で実行する場合であっても、動画の撮影及び録画は携帯端末3Aのカメラ3dによって行われる。
【0118】
また、動画合成機能は、第1歌唱動画と第2歌唱動画とを合成して生成された合成歌唱動画を新たな第1歌唱動画とし、当該第1歌唱動画に新たな第2歌唱動画を合成して新たな合成歌唱動画を生成してもよい。
【0119】
また、上記実施形態で説明した動画合成処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0120】
3 携帯端末(情報処理装置)
3a 画面
3d カメラ
64 合成開始位置画像
70 画像表示制御部(画像表示制御手段)
72 録画制御部(録画制御手段)
74 合成開始位置決定部(決定手段)
76 動画合成部(動画合成手段)
【手続補正書】
【提出日】2022-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
プロセッサは、記憶された第1動画に対して合成を開始する時間を決定し、
プロセッサは、カメラにより撮影される第2動画の録画の開始を制御し、
プロセッサは、前記第1動画の前記合成を開始する時間に基づいて、前記第1動画と前記第2動画とを合成し、
プロセッサは、前記第1動画の前記合成を開始する時間に表示する画像を、前記カメラにより撮影中に表示する、情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサは、前記合成を開始する時間に表示する画像を、前記第2動画の録画開始前から表示する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサは、前記合成を開始する時間に表示する画像と前記カメラで撮影中の画像との一致率が所定の閾値よりも低い場合にユーザに通知する、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサが、記憶された第1動画に対して合成を開始する時間を決定し、
プロセッサが、カメラにより撮影される第2動画の録画の開始を制御し、
プロセッサが、前記第1動画の前記合成を開始する時間に基づいて、前記第1動画と前記第2動画とを合成し、
プロセッサが、前記第1動画の前記合成を開始する時間に表示する画像を、前記カメラにより撮影中に表示する、情報処理方法。
【請求項5】
プロセッサに、記憶された第1動画に対して合成を開始する時間を決定させ、
プロセッサに、カメラにより撮影される第2動画の録画の開始を制御させ、
プロセッサに、前記第1動画の前記合成を開始する時間に基づいて、前記第1動画と前記第2動画とを合成させ、
プロセッサに、前記第1動画の前記合成を開始する時間に表示する画像を、前記カメラにより撮影中に表示させる、処理を実行させるプログラム。