(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176220
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】眼鏡枠形状測定装置、及びレンズ加工装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20221117BHJP
B24B 9/14 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G01B11/24 B
B24B9/14 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145273
(22)【出願日】2022-09-13
(62)【分割の表示】P 2019533929の分割
【原出願日】2018-06-06
(31)【優先権主張番号】P 2017148366
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(72)【発明者】
【氏名】滝井 通浩
(72)【発明者】
【氏名】水越 邦仁
(72)【発明者】
【氏名】石井 友也
(72)【発明者】
【氏名】武市 教児
(57)【要約】
【課題】 眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を容易に精度よく取得する。
【解決手段】 眼鏡フレームの形状を測定する眼鏡枠形状測定装置であって、光源を有し、眼鏡フレームのリムの溝に向けて光源から測定光を照射する投光光学系と、検出器を有し、投光光学系によって眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射され、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光の反射光を検出器によって受光する受光光学系と、検出器によって受光された反射光に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する取得手段と、検出器によって受光される反射光の輝度レベルを制御する輝度制御手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡フレームの形状を測定する眼鏡枠形状測定装置であって、
光源を有し、眼鏡フレームのリムの溝に向けて前記光源から測定光を照射する投光光学系と、
検出器を有し、前記投光光学系によって前記眼鏡フレームの前記リムの溝に向けて照射され、前記眼鏡フレームの前記リムの溝によって反射された前記測定光の反射光を前記検出器によって受光する受光光学系と、
前記検出器によって受光された前記反射光に基づいて、前記眼鏡フレームの前記リムの溝の断面形状を取得する取得手段と、
前記投光光学系の少なくとも一部の位置をXY方向に移動させるXY移動ユニットと、
前記投光光学系の少なくとも一部の位置を回転させる回転ユニットと、
を備え、
前記XY移動ユニットと前記回転ユニットとを駆動することで、前記眼鏡フレームの前記リムの溝の測定時において、前記眼鏡フレームの前記リムの溝に対する測定光の照射位置を動径方向に変更することを特徴とする眼鏡枠形状測定装置。
【請求項2】
請求項1の眼鏡枠形状測定装置において、
前記XY移動ユニットは、光スキャナを有し、前記光スキャナを駆動することで、前記眼鏡フレームの前記リムの溝に対する測定光の照射位置を動径方向に変更することを特徴とする眼鏡枠形状測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2の眼鏡枠形状測定装置において、
前記投光光学系と前記受光光学系とを保持する保持ユニットを備え、
前記XY移動ユニットは、前記保持ユニットをXY方向に移動させることを特徴とすることを特徴とする眼鏡枠形状測定装置。
【請求項4】
レンズの周縁を加工するレンズ加工装置であって、
レンズの周縁を加工する加工具と、
請求項1~3のいずれかの眼鏡枠形状測定装置によって取得された前記眼鏡フレームの前記リムの溝の断面形状に基づいて、前記加工具を制御し、レンズの周縁を加工する加工制御手段と、
を備えることを特徴とするレンズ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼鏡フレームの形状を得るための眼鏡枠形状測定装置、及び眼鏡枠形状測定装置を用いてレンズの周縁の加工をするためのレンズ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡フレームのリムに測定子を挿入し、測定子をリムに押し当てて移動させることで、リムの輪郭をトレースし、リムの形状を測定する眼鏡枠形状測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この眼鏡枠形状測定装置で得られたリムの測定結果(トレースデータ)に基づいて、眼鏡レンズをリムに嵌めるための形状(目標形状)が得られる。そして、形状に基づいて眼鏡レンズの輪郭形状が決定され、眼鏡レンズ加工装置によってレンズの周縁が加工される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、眼鏡フレームに加工後のレンズを良好に枠入れするためには、リムの形状と加工後のレンズの輪郭形状が近いほどより好ましいと考えられている。しかしながら、測定子を用いてのリム形状の測定では、測定子が押し当てられた位置での測定(例えば、リムの底の部分の測定)を行うことは容易であるものの、リムの溝の断面形状を得ることは困難であった。
【0005】
このため、発明者らは、眼鏡フレームのリムの溝に向けて測定光を照射し、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光の反射光を受光し、反射光に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する構成を備える眼鏡枠形状測定装置について検討した。しかしながら、このような眼鏡枠形状測定装置を用いる場合に、眼鏡フレームのタイプによっては、受光される反射光の輝度レベルが良好でなく、リムの溝の断面形状を精度よく取得することが困難であることがわかった。
【0006】
本開示は、上記従来技術に鑑み、眼鏡フレームのタイプを問わず、眼鏡フレームのリムの断面形状を容易に精度よく取得することができる眼鏡枠形状測定装置、及びレンズ加工装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0008】
(1) 本開示の第1態様に係る眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームの形状を測定する眼鏡枠形状測定装置であって、光源を有し、眼鏡フレームのリムの溝に向けて前記光源から測定光を照射する投光光学系と、検出器を有し、前記投光光学系によって前記眼鏡フレームの前記リムの溝に向けて照射され、前記眼鏡フレームの前記リムの溝によって反射された前記測定光の反射光を前記検出器によって受光する受光光学系と、前記検出器によって受光された前記反射光に基づいて、前記眼鏡フレームの前記リムの溝の断面形状を取得する取得手段と、前記投光光学系の少なくとも一部の位置をXY方向に移動させるXY移動ユニットと、前記投光光学系の少なくとも一部の位置を回転させる回転ユニットと、を備え、前記XY移動ユニットと前記回転ユニットとを駆動することで、前記眼鏡フレームの前記リムの溝の測定時において、前記眼鏡フレームの前記リムの溝に対する測定光の照射位置を動径方向に変更することを特徴とする眼鏡枠形状測定装置。
(2) 本開示に係る第2様態に係るレンズ加工装置は、レンズの周縁を加工する加工具と、(1)の眼鏡枠形状測定装置によって取得された前記眼鏡フレームの前記リムの溝の断面形状に基づいて、前記加工具を制御し、レンズの周縁を加工する加工制御手段と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】眼鏡フレームが保持された状態のフレーム保持ユニットの上面図である。
【
図3】移動ユニットを上方から見た斜視図を示している。
【
図4】移動ユニットの下方から見た斜視図を示している。
【
図5】Z移動ユニットとY移動ユニットの上面斜視図を示している。
【
図7】眼鏡フレーム測定光学系について示す概略構成図である。
【
図8】眼鏡枠形状測定装置に関する制御ブロック図である。
【
図9】回転ユニットを制御して、異なる動径角にてリムの断面形状を取得する場合について説明する図である。
【
図10】眼鏡フレームのリムの溝に測定光が照射されるように保持ユニットを移動させる前の受光結果を示す図である。
【
図11】眼鏡フレームのリムの溝に測定光が照射されるように保持ユニットを移動させた後の受光結果を示す図である。
【
図12】断面画像に対する輝度分布の取得について説明する図である。
【
図13】リムの溝の断面画像から取得されるパラメータについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~
図13は本実施形態に係る眼鏡枠形状測定装置の構成について説明する図である。なお、本実施形態においては、眼鏡枠形状測定装置1の奥行き方向(眼鏡が配置された際の眼鏡フレームの上下方向)をY方向、奥行き方向に垂直(眼鏡が配置された際の眼鏡フレームの左右方向)な平面上の水平方向をX方向、鉛直方向(眼鏡が配置された際の眼鏡フレームの前後方向)をZ方向として説明する。
【0011】
なお、本実施形態における眼鏡枠形状測定装置1には、眼鏡フレームFのリム部分が下方向、眼鏡フレームFのテンプル部分が上方向とした状態で配置される。すなわち、眼鏡枠形状測定装置1に眼鏡フレームFが配置された場合に、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRが下方向、眼鏡フレームFの左右のテンプルFTL,FTRが上方向となる。もちろん、本実施形態の眼鏡枠形状測定装置1においては、眼鏡フレームFのリム部分が下方向、眼鏡フレームFのテンプル部分が上方向とした状態で配置される構成を例に挙げて説明するがこれに限定されない。例えば、眼鏡フレームFのリム部分が上方向、眼鏡フレームFのテンプル部分が下方向とした状態で配置される構成であってもよい。また、例えば、眼鏡枠形状測定装置1に眼鏡フレームFが配置された場合に、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRの上端が下方向、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRの下端が上方向となるように配置される構成であってもよい。また、例えば、眼鏡枠形状測定装置1に眼鏡フレームFが配置された場合に、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRの上端が上方向、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRの下端が下方向となるように配置される構成であってもよい。
【0012】
<概要>
本開示の実施形態に係る眼鏡枠形状測定装置(例えば、眼鏡枠形状測定装置1)の概要について説明する。例えば、本実施形態に関わる眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームの形状を測定する。例えば、眼鏡枠形状測定装置は、投光光学系(例えば、投光光学系30a)を備える。例えば、眼鏡枠形状測定装置は、受光光学系(例えば、受光光学系30b)を備える。例えば、眼鏡枠形状測定装置は、取得手段(例えば、制御部50)を備える。
【0013】
例えば、投光光学系は、光源(例えば、光源31)を有する。例えば、投光光学系は、眼鏡フレームのリムの溝に向けて光源から測定光(測定光束)を照射する。なお、例えば、光源は、少なくとも1つ以上の光源が用いられてもよい。例えば、1つの光源が用いられてもよい。また、例えば、複数の光源が用いられてもよい
例えば、受光光学系は、検出器(例えば、検出器37)を有する。例えば、受光光学系は、投光光学系によって眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射され、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光の反射光(反射光束)を検出器によって受光する。なお、例えば、検出器は、少なくとも1つ以上の検出器が用いられてもよい。例えば、1つの検出器が用いられてもよい。また、例えば、複数の検出器が用いられてもよい。
【0014】
例えば、取得手段は、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光の反射光を処理して、検出器によって受光された測定光の反射光に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する。
【0015】
例えば、本実施形態において、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームのリムに向けて光源から測定光を照射する投光光学系と、投光光学系によって眼鏡フレームの前記リムに向けて照射され、眼鏡フレームのリムによって反射された測定光の反射光を検出器によって受光する受光光学系と、反射光を処理して、眼鏡フレームのリムの断面形状を取得する取得手段と、を備える。これによって、例えば、眼鏡フレームのリムの断面形状を容易に精度よく取得することができる。また、例えば、測定光による測定であるため、迅速に測定を行うことができる。
【0016】
<投光光学系>
例えば、投光光学系は、光学部材を有してもよい。この場合、例えば、光源から出射された測定光が各光学部材を介して眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射されるようにしてもよい。例えば、光学部材としては、レンズ、ミラー、絞り、等の少なくともいずれかを用いてもよい。例えば、絞りを用いることによって、焦点深度を深くすることができる。もちろん、光学部材としては、上記光学部材に限定されず、異なる光学部材が用いられてもよい。
【0017】
なお、例えば、投光光学系は、光源から出射された測定光が眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される構成であればよい。例えば、少なくとも光源を有する構成であってもよい。また、例えば、投光光学系としては、光学部材とは異なる部材を経由して、光源から出射された測定光が眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される構成であってもよい。
【0018】
例えば、投光光学系によって、眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される測定光は、スポット状の測定光を照射してもよい。また、例えば、投光光学系によって、眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される測定光は、幅を有する測定光(例えば、スリット状の測定光)であってもよい。この場合、例えば、投光光学系は、光源からの測定光を眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射し、リムの溝上に光切断面を形成させてもよい。例えば、受光光学系は、光切断面のリムの溝での反射(例えば、散乱、正反射等)により取得されるリムの溝の反射光(例えば、散乱光、正反射光等)を検出器によって、受光するようにしてもよい。
【0019】
例えば、幅を有する測定光を照射する場合、スリット状の光束を出射する光源を用いてもよい。例えば、点光源を用いてもよい。この場合、例えば、点光源を複数並べて配置することによって、幅を有する測定光を照射するようにしてもよい。また、例えば、点光源から照射されたスポット状の光束を走査することによって、幅を有する測定光を照射するようにしてもよい。また、例えば、点光源から照射されたスポット状の測定光を光学部材によって拡散させることによって、幅を有する測定光を照射するようにしてもよい。もちろん、例えば、光源としては、上記光源とは異なる種々の種類の光源を用いて、幅を有する測定光を照射するようにしてもよい。
【0020】
<受光光学系>
例えば、受光光学系は、光学部材を有してもよい。この場合、例えば、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光の反射光が各光学部材を介して、検出器に受光されるようにしてもよい。例えば、光学部材としては、レンズ、ミラー、絞り、等の少なくともいずれかを用いてもよい。もちろん、光学部材としては、上記光学部材に限定されず、異なる光学部材が用いられてもよい。
【0021】
なお、例えば、受光光学系は、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光の反射光が検出器に受光される構成であればよい。例えば、少なくとも検出器を有する構成であってもよい。また、例えば、受光光学系としては、光学部材とは異なる部材を経由して、鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光の反射光が検出器に受光される構成であってもよい。
【0022】
<取得手段>
例えば、取得手段は、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光の反射光を処理して、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する。例えば、取得手段は、検出器における反射光の受光位置から断面形状を取得してもよい。例えば、断面形状は、画像(画像データ)であってもよい。すなわち、断面形状は、断面画像であってもよい。また、例えば、断面形状は、信号(信号データ)であってもよい。すなわち、断面形状は、断面形状の信号データであってもよい。
【0023】
例えば、断面形状としては、二次元断面形状、三次元断面形状等が挙げられる。例えば、二次元断面形状は、1つの動径角におけるリムの溝に測定光を照射し、その反射光を受光することによって取得される断面形状である。例えば、本実施形態において、二次元断面形状は、リムの溝を眼鏡フレームの動径方向(本実施形態においては、XY方向)に垂直な方向(本実施形態においては、Z方向)に切断した面の形状である。なお、例えば、二次元断面形状は、測定光を横断位置(本実施形態においては、Z方向)に沿って走査させることによって取得してもよい。また、例えば、三次元断面形状は、二次元断面形状を各動径角毎に取得することによって、取得される断面形状である。例えば、三次元断面形状は、二次元断面形状を取得するための測定光を眼鏡フレームの動径平面方向(本実施形態においては、XY平面方向)で走査することによって取得するようにしてもよい。
【0024】
なお、例えば、断面形状の取得した際に、断面形状の一部が欠損している場合に、欠損している位置の周辺の位置(例えば、隣接する位置)における反射光の受光結果から、欠損部分を補間するようにしてもよい。また、例えば、断面形状の取得した際に、断面形状の一部が欠損している場合に、断面形状を近似することによって、欠損部分を補間するようにしてもよい。また、例えば、断面形状の取得した際に、断面形状の一部が欠損している場合に、欠損部分が取得されるように断面形状の再取得を行うようにしてもよい。
【0025】
例えば、二次断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周(各動径角においてリムが形成されているすべての部分)の内、少なくとも1つの箇所(1つの動径角の位置)でのリムの溝の二次元断面形状が取得されるようにしてもよい。この場合、例えば、二次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、二次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、複数の位置(例えば、眼鏡フレームの左端、右端、上端、下端等)で取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、二次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、1つの動径角の位置で取得されるようにしてもよい。
【0026】
例えば、三次元断面形状を取得する場合、眼鏡フレームのリムの全周(各動径角においてリムが形成されているすべての部分)の内、少なくとも一部の領域でのリムの溝の三次元断面形状が取得されるようにしてもよい。この場合、例えば、三次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、三次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、複数の領域(例えば、眼鏡フレームの左端領域、右端領域、上端領域、下端領域等)で取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、三次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、一部分の領域で取得されるようにしてもよい。なお、眼鏡フレームのリムの全周に対して三次元断面形状を取得していない場合で、眼鏡フレームのリムの全周の三次元断面形状を取得したい場合には、二次元断面形状を取得した部分の二次元断面形状(三次元断面形状)に基づいて、補間をすることによって、眼鏡フレームのリムの全周の三次元断面形状を取得してもよい。
【0027】
<第1変更手段及び第1制御手段>
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、第1変更手段(例えば、移動ユニット210、回転ユニット260)を備えてもよい。例えば、第1変更手段は、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定光の照射位置を変更する。また、例えば、眼鏡枠形状測定装置は、第1変更手段を制御する第1制御手段(例えば、制御部50)を備えてもよい。
【0028】
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定光の照射位置を変更する第1変更手段と、第1変更手段を制御する第1制御手段と、を備える。これによって、眼鏡フレームにおける任意のリムの溝の位置へ測定光を照射することが可能となり、任意の位置におけるリムの溝の断面形状を取得することができる。
【0029】
例えば、第1変更手段は、測定光の照射位置と眼鏡フレームのリムの溝との相対位置を変更する構成であってもよい。例えば、第1変更手段は、測定光の照射位置と、眼鏡フレームのリムの溝の位置と、の少なくとも一方の位置を変更する構成であってもよい。この場合、例えば、第1変更手段は、測定光の照射位置に対して、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更する構成であってもよい。すなわち、第1変更手段は、測定光の照射位置に対して、眼鏡フレームの位置を変更する構成であってもよい。また、この場合、例えば、第1変更手段は、眼鏡フレームのリムの溝の位置に対して、測定光の照射位置を変更する構成であってもよい。また、この場合、例えば、第1変更手段は、眼鏡フレームのリムの溝の位置と、測定光の照射位置と、の双方を変更する構成であってもよい。
【0030】
例えば、第1変更手段が測定光の照射位置と眼鏡フレームのリムの溝との相対位置を変更する構成として、投光光学系と眼鏡フレームのリムの溝との相対位置を変更する構成であってもよい。例えば、投光光学系の位置とは、投光光学系の光軸(例えば、光軸L1)の位置であってもよい。すなわち、例えば、第1変更手段が投光光学系の光軸の位置と眼鏡フレームのリムの溝との相対位置を変更することで、測定光の照射位置と眼鏡フレームのリムの溝との相対位置を変更する構成であってもよい。
【0031】
例えば、投光光学系の位置(例えば、投光光学系の光軸の位置)と眼鏡フレームのリムの溝の位置との相対位置を変更する構成としては、投光光学系の位置と眼鏡フレームのリムの溝の位置との少なくとも一方の位置を変更する構成であってもよい。この場合、例えば、投光光学系の位置と眼鏡フレームのリムの溝の位置との少なくとも一方の位置を変更する構成としては、投光光学系の位置に対して、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更する構成であってもよい。また、この場合、例えば、投光光学系の位置と眼鏡フレームのリムの溝の位置との少なくとも一方の位置を変更する構成としては、眼鏡フレームのリムの溝の位置に対して、投光光学系の位置を変更する構成であってもよい。また、この場合、例えば、投光光学系の位置と眼鏡フレームのリムの溝の位置との少なくとも一方の位置を変更する構成としては、投光光学系の位置と眼鏡フレームのリムの溝の位置との双方の位置を変更する構成であってもよい。
【0032】
なお、例えば、投光光学系の位置を変更する構成としては、投光光学系に含まれる少なくともいずれかの部材(例えば、光源、光学部材、その他部材等)の位置を変更する構成であってもよい。すなわち、例えば、第1変更手段は、投光光学系の少なくとも一部(一部の部材)の位置を変更させることで、眼鏡フレームのリムの溝に対する投光光学系の位置を変更する構成であってもよい。この場合、例えば、第1制御手段は、第1変更手段を制御することによって、投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させ、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定光の照射位置を変更するようにしてもよい。
【0033】
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、第1変更手段が投光光学系の少なくとも一部を移動させる第1変更手段であって、第1制御手段は、第1変更手段を制御することによって、眼鏡フレームのリムの溝に対して投光光学系の少なくとも一部を移動させ、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定光の照射位置を変更する。これによって、眼鏡フレームにおける任意のリムの溝の位置へ測定光を照射することが可能となり、任意の位置におけるリムの溝の断面形状を取得することができる。
【0034】
例えば、投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、投光光学系の少なくとも一部の位置をX方向に移動させるX方向駆動手段であってもよい。例えば、投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、投光光学系の少なくとも一部の位置をY方向に移動させるY方向駆動手段であってもよい。例えば、投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、投光光学系の少なくとも一部の位置をZ方向に移動させるZ方向駆動手段であってもよい。例えば、投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、投光光学系の少なくとも一部の位置を回転させる回転駆動手段(例えば、回転ユニット260)であってもよい。また、例えば、投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、X方向駆動手段、Y方向駆動手段、Z方向駆動手段、回転駆動手段、の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、上記駆動手段に限定されず、投光光学系の少なくとも一部の位置を上記方向とは異なる方向に駆動手段が用いられる構成であってもよい。
【0035】
また、例えば、投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、光スキャナを有し、光スキャナを走査する走査手段であってもよい。この場合、例えば、光スキャナの角度が変更されることによって、測定光の照射位置が変更されるようにしてもよい。すなわち、例えば、光スキャナの位置が変更されることによって、測定光の照射位置が変更されるようにしてもよい。
【0036】
例えば、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、眼鏡フレームをX方向に移動させるX方向駆動手段であってもよい。また、例えば、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、眼鏡フレームをY方向に移動させるY方向駆動手段であってもよい。また、例えば、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、眼鏡フレームをZ方向に移動させるZ方向駆動手段であってもよい。また、例えば、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、眼鏡フレームを回転させる回転駆動手段であってもよい。また、例えば、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更させる構成としては、X方向駆動手段、Y方向駆動手段、Z方向駆動手段、回転駆動手段、の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更させる構成としては、上記駆動手段に限定されず、眼鏡フレームのリムの溝の位置を上記方向とは異なる方向に駆動手段が用いられる構成であってもよい。
【0037】
<第2変更手段及び第2制御手段>
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、第2変更手段(例えば、移動ユニット210、回転ユニット260)を備えてもよい。例えば、第2変更手段は、受光光学系による反射光の受光位置を変更する。例えば、眼鏡枠形状測定装置は、第2変更手段を制御する第2制御手段(例えば、制御部50)を備えてもよい。
【0038】
例えば、本実施形態において、眼鏡枠形状測定装置は、受光光学系による反射光の受光位置を変更する第2変更手段と、第2変更手段を制御する第2制御手段と、を備える。これによって、リムの溝の断面形状を良好に取得することができる位置に受光位置を変更することができ、眼鏡フレームのリムの断面形状をより精度よく取得することができる。
【0039】
例えば、第2変更手段は、受光光学系の位置と眼鏡フレームのリムの溝との相対位置を変更することで、受光光学系による反射光の受光位置を変更する構成であってもよい。例えば、受光光学系の位置とは、受光光学系の光軸(例えば、光軸L2)の位置であってもよい。すなわち、例えば、第2変更手段が受光光学系の光軸の位置と眼鏡フレームのリムの溝との相対位置を変更することで、測定光の照射位置と眼鏡フレームのリムの溝との相対位置を変更する構成であってもよい。
【0040】
例えば、第2変更手段は、受光光学系の位置と、眼鏡フレームのリムの溝の位置と、の少なくとも一方の位置を変更する構成であってもよい。この場合、例えば、第2変更手段は、受光光学系の位置に対して、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更する構成であってもよい。すなわち、第2変更手段は、受光光学系の位置に対して、眼鏡フレームの位置を変更する構成であってもよい。また、この場合、例えば、第2変更手段は、眼鏡フレームのリムの溝の位置に対して、受光光学系の位置を変更する構成であってもよい。また、この場合、例えば、第2変更手段は、眼鏡フレームのリムの溝の位置と、受光光学系の位置と、の双方を変更する構成であってもよい。
【0041】
なお、例えば、受光光学系の位置を変更する構成としては、受光光学系に含まれる少なくともいずれかの部材(例えば、検出器、光学部材、その他部材等)の位置を変更する構成であってもよい。すなわち、例えば、第2変更手段は、受光光学系の少なくとも一部(一部の部材)の位置を変更させることで、眼鏡フレームのリムの溝に対する受光光学系の位置を変更する構成であってもよい。この場合、例えば、第2制御手段は、第2変更手段を制御することによって、受光光学系の少なくとも一部の位置を変更させ、受光光学系による反射光の受光位置を変更するようにしてもよい。
【0042】
例えば、受光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、受光光学系の少なくとも一部の位置をX方向に移動させるX方向駆動手段であってもよい。例えば、受光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、受光光学系の少なくとも一部の位置をY方向に移動させるY方向駆動手段であってもよい。例えば、受光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、受光光学系の少なくとも一部の位置をZ方向に移動させるZ方向駆動手段であってもよい。例えば、受光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、受光光学系の少なくとも一部の位置を回転させる回転駆動手段であってもよい。また、例えば、受光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、X方向駆動手段、Y方向駆動手段、Z方向駆動手段、回転駆動手段、の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、受光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、上記駆動手段に限定されず、受光光学系の少なくとも一部の位置を上記方向とは異なる方向に駆動手段が用いられる構成であってもよい。
【0043】
また、例えば、受光光学系の少なくとも一部の位置を変更させる構成としては、光スキャナを有し、光スキャナを走査する走査手段であってもよい。この場合、例えば、光スキャナの角度が変更されることによって、受光光学系による反射光の受光位置を変更するようにしてもよい。すなわち、例えば、光スキャナの位置が変更されることによって、受光光学系による反射光の受光位置を変更するようにしてもよい。
【0044】
例えば、眼鏡フレームのリムの溝の位置を変更させる構成としては、上記で記載した<第1変更手段及び第1制御手段>の構成と同様の構成を用いることができる。
【0045】
なお、例えば、第1変更手段と第2変更手段の制御は、それぞれ異なるタイミングで制御されるようにしてもよい。また、例えば、第1変更手段と第2変更手段の制御は、一体的に制御されるようにしてもよい。なお、例えば、第1変更手段の構成と第2変更手段の構成とは、少なくとも一部の部材が兼用されてもよい。
【0046】
<眼鏡フレームの形状取得>
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームの形状(形状データ)を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、眼鏡枠形状測定装置は、解析手段(例えば、制御部50)を備えてもよい。例えば、第1制御手段は、第1変更手段を制御して、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝に対して測定光を照射してもよい。例えば、取得手段は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状をそれぞれ取得してもよい。例えば、解析手段は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状から眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の底をそれぞれ検出し、検出した検出結果に基づいて、眼鏡フレームの形状を取得するようにしてもよい。
【0047】
例えば、眼鏡フレームの形状は、二次元形状(二次元形状データ)であってもよい。例えば、二次元形状は、眼鏡フレームの動径方向(XY方向)のデータで表したものである。また、例えば、眼鏡フレームの形状は、三次元形状(三次元形状データ)であってもよい。例えば、三次元形状は、眼鏡フレームの動径方向(XY方向)及び動径方向に垂直な方向(Z方向)のデータで表したものである。なお、例えば、二次元形状を取得する場合、解析手段は、三次元形状からXY方向のリムの溝の位置を検出して二次元形状を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、二次元形状は、三次元形状をXY平面に投影することによって取得してもよい。
【0048】
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、第1制御手段が第1変更手段を制御して、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝に対して測定光を照射する。取得手段は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状をそれぞれ取得する。眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状から眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の底をそれぞれ検出し、検出した検出結果に基づいて、眼鏡フレームの形状を取得する解析手段を備える。これによって、従来のように、眼鏡フレームによっては、測定子がレンズ枠の溝から外れてしまい測定できないことを抑制することができ、種々の形状の眼鏡フレームに対して、容易に精度よく眼鏡フレームの形状を取得することできる。
【0049】
例えば、眼鏡フレームの形状は、眼鏡フレームのリムの全周(各動径角においてリムが形成されているすべての部分)の内、少なくとも一部の領域で取得されるようにしてもよい。この場合、例えば、眼鏡フレームの形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、眼鏡フレームの形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、複数の領域(例えば、眼鏡フレームの左端領域、右端領域、上端領域、下端領域等)で取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、眼鏡フレームの形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、一部分の領域で取得されるようにしてもよい。なお、眼鏡フレームのリムの全周に対して眼鏡フレームの形状を取得していない場合で、眼鏡フレームのリムの全周の眼鏡フレームの形状を取得したい場合には、眼鏡フレームの形状を取得した部分の形状に基づいて、補間をすることによって、眼鏡フレームのリムの全周の形状を取得するようにしてもよい。
【0050】
<三次元断面形状取得>
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、三次元断面形状を取得してもよい。例えば、第1制御手段は、第1変更手段を制御して、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝に対して測定光を照射する。例えば、取得手段は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状をそれぞれ取得することによって、三次元断面形状を取得するようにしてもよい。
【0051】
例えば、本実施形態において、眼鏡枠形状測定装置は、第1制御手段が第1変更手段を制御して、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝に対して測定光を照射する。取得手段は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状をそれぞれ取得し、三次元断面形状を取得する。これによって、容易に精度よく眼鏡フレームの三次元断面形状を取得することできる。
【0052】
<輝度制御手段>
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、輝度制御手段(例えば、制御部50)を備えていてもよい。例えば、輝度制御手段は、検出器によって受光される反射光の輝度レベル(輝度値)を制御(変更)する。このように、例えば、本実施形態において、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームのリムに向けて光源から測定光を照射する投光光学系と、投光光学系によって眼鏡フレームのリムに向けて照射され、眼鏡フレームのリムによって反射された測定光の反射光を検出器によって受光する受光光学系と、検出器によって受光された反射光に基づいて眼鏡フレームのリムの断面形状を取得する取得手段と、を備える。また、眼鏡枠形状測定装置は、検出器によって受光される反射光の輝度レベルを制御する輝度制御手段と、を備える。これによって、眼鏡フレームのタイプを問わず、眼鏡フレームのリムの断面形状を容易に精度よく取得することができる。
【0053】
例えば、輝度制御手段は、眼鏡枠形状測定装置が備える各部材の少なくともいずれかの部材を制御することによって、輝度レベルを制御するようにしてもよい。例えば、各部材は、光源、検出器、レンズ、反射部材等の少なくともいずれかであってもよい。
【0054】
例えば、輝度制御手段は、光源からの測定光の投光光量を制御することによって、検出器によって受光される反射光の輝度レベルを制御するようにしてもよい。これによって、例えば、容易な構成で輝度レベルの制御を行うことができる。
【0055】
また、例えば、輝度制御手段は、検出器のゲインを制御することによって、検出器によって受光される反射光の輝度レベルを制御するようにしてもよい。これによって、例えば、容易な構成で輝度レベルの制御を行うことができる。
【0056】
また、例えば、輝度制御手段は、光源から検出器までの光路中(投光光学系と受光光学系の光路中)に測定光の光量を調整する部材を設ける構成としてもよい。この場合、例えば、光量を調整する専用の部材が設けられる構成であってもよい。例えば、専用の部材としては、光量調整フィルタ、光減衰器であってもよい。また、この場合、例えば、投光光学系と受光光学系の各部材の内、いずれかの部材が光量を調整する部材として用いられてもよい。
【0057】
また、例えば、輝度制御手段は、検出器における露光時間を制御することによって、検出器によって受光される反射光の輝度レベルを制御するようにしてもよい。また、例えば、輝度制御手段は、光源の発光時間を制御することによって、検出器によって受光される反射光の輝度レベルを制御するようにしてもよい。
【0058】
なお、例えば、輝度制御手段は、上記構成に限定されない。例えば、輝度制御手段は、検出器によって受光される反射光の輝度レベルを制御できる構成であればよい。
【0059】
なお、例えば、輝度制御手段は、上記構成の少なくともいずれかの構成であってもよい。例えば、輝度制御手段は、上記構成の内、1つを備える構成であってもよい。また、例えば、輝度制御手段は、上記構成の内、複数の構成を組み合わせるようにしてもよい。一例として、輝度制御手段は、光源からの測定光の投光光量の制御と、検出器のゲインを調整と、を行うようにしてもよい。
【0060】
例えば、輝度制御手段が輝度レベルを制御する構成としては、輝度制御手段が反射光の輝度レベルに基づいて、輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。この場合、例えば、輝度制御手段は、検出器によって受光された反射光の輝度レベルに基づいて、輝度レベルを制御するようにしてもよい。これによって、例えば、検出された輝度レベルに応じて輝度レベルを制御することができるため、容易に良好な輝度レベルとなるように輝度レベルの制御を行うことができる。
【0061】
なお、例えば、輝度制御手段は、眼鏡フレームにおける、リムの肩の少なくとも一部、及びリムの溝の斜面の少なくとも一部が検出できるように、輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。例えば、リムの肩とは、リムの前面の肩とリムの後面の肩であってもよい。なお、より好ましくは、輝度制御手段は、リム肩の端部が検出されるように、輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。例えば、リムの溝の斜面とは、リムの溝の前斜面とリムの溝の後斜面であってもよい。上記のように、リムの肩の少なくとも一部、及びリムの溝の斜面の少なくとも一部が検出できることによって、リムの断面形状を取得することができる。
【0062】
例えば、反射光の輝度レベルは、反射光の信号から検出するようにしてもよい。この場合、例えば、輝度制御手段は、反射光の信号から検出された輝度レベルに基づいて、輝度レベルを制御するようにしてもよい。
【0063】
また、例えば、反射光の輝度レベルは、反射光の信号から断面画像を取得して、断面画像から検出するようにしてもよい。この場合、例えば、取得手段は、断面形状として断面画像を取得するようにしてもよい。また、例えば、眼鏡枠形状測定装置は、断面画像から輝度レベルを検出する輝度解析手段(例えば、制御部50)を備えるようにしてもよい。例えば、輝度制御手段は、輝度解析手段によって検出された輝度レベルに基づいて、輝度レベルを制御するようにしてもよい。なお、例えば、輝度解析手段が、断面画像から輝度レベルを検出する場合に、断面画像の少なくとも一部分から輝度レベルを検出するようにしてもよい。例えば、一部分としては、リムの肩の少なくとも一部、及びリムの溝の斜面の少なくとも一部であってもよい。これによって、例えば、取得された断面画像に基づく輝度レベルの制御ができるため、輝度レベルを精度良く容易に制御することができる。もちろん、反射光の輝度レベルは、上記構成とは異なる構成によって検出されるようにしてもよい。
【0064】
例えば、検出器によって受光された反射光の輝度レベルに基づいて輝度レベルを制御する構成としては、検出器によって受光された反射光の輝度レベルが許容レベル(例えば、所定の閾値)を満たすか否かに基づいて、制御をする構成としてもよい。この場合、例えば、輝度制御手段は、検出器によって受光された反射光の輝度レベルが許容レベルに到達していない場合に、輝度レベルが許容レベルを満たすように、輝度レベルを制御するようにしてもよい。
【0065】
例えば、検出器によって受光された反射光の輝度レベルに基づいて輝度レベルを制御する構成としては、検出器によって受光された反射光の輝度レベルが許容レベル(例えば、所定の閾値)を満たすか否かを判定することで、制御をする構成としてもよい。この場合、例えば、眼鏡枠形状測定装置は、輝度レベルが許容レベルであるか否かを判定する判定手段(例えば、制御部50)を備え、輝度制御手段は、判定手段の判定結果に基づいて、輝度レベルを制御するようにしてもよい。これによって、例えば、反射光の輝度レベルがリムの溝の断面形状を良好に取得できる輝度レベルであるか否かの判定に基づいて輝度レベルが制御されるため、より正確に輝度レベルの制御を行うことができる。すなわち、輝度レベルをより精度良く制御することができる。
【0066】
なお、例えば、上記の許容レベルは、予め設定された許容レベルであってもよい。例えば、予め、シミュレーションや実験等によって輝度レベルが良好であると判定される許容レベルが設定されるようにしてもよい。一例として、許容レベルは、眼鏡フレームにおける、リムの肩の少なくとも一部、及びリムの溝の斜面の少なくとも一部が検出できるような輝度レベルが設定されるようにしてもよい。例えば、許容レベルは、検者が任意に設定できる構成としてもよい。また、例えば、許容レベルは、取得した断面画像に基づいて設定するようにしてもよい。
【0067】
例えば、輝度制御手段が輝度レベルを制御する構成としては、輝度制御手段が、操作者による操作部(例えば、スイッチ部4)の操作によって、輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。この場合、例えば、眼鏡枠形状測定装置は、操作部から輝度レベルを変更する操作信号を受信する受信手段を備え、輝度制御手段は、受信手段によって受信された操作信号に基づいて、輝度レベルを制御するようにしてもよい。なお、操作者によって輝度レベルの操作が行われる場合に、輝度レベルの操作を補助するためのガイド情報が提示されるようにしてもよい。例えば、ガイド情報としては、輝度レベルが許容レベルを満たしていないことを示す警告情報、輝度レベルの確認を促す情報、輝度レベルを示す情報、許容レベルを示す情報、等の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、ガイド情報としては、上記構成に限定されず、輝度レベルが許容レベルを満たすか否かを確認できる情報であってもよい。
【0068】
例えば、輝度制御手段が輝度レベルを制御する構成としては、輝度制御手段が、眼鏡フレームタイプ情報に基づいて、輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。この場合、眼鏡フレームタイプ情報を取得する眼鏡フレームタイプ情報取得手段を備え、輝度制御手段は、眼鏡フレームタイプ情報取得手段によって取得された眼鏡フレームタイプ情報に基づいて、輝度レベルを制御するようにしてもよい。つまり、例えば、輝度制御手段は、眼鏡フレームタイプ情報取得手段によって取得された眼鏡フレームタイプ情報を輝度レベルを制御するための情報として設定し、設定した眼鏡フレームタイプ情報に基づいて、輝度レベルを制御するようにしてもよい。このような構成によって、例えば、眼鏡フレームタイプに応じた輝度レベルの制御を行うことができ、画像処理等の解析処理を行うことなく、眼鏡フレームのタイプを問わず、眼鏡フレームのリムの断面形状を容易に精度よく取得することができる。
【0069】
例えば、眼鏡フレームタイプ情報における眼鏡フレームタイプとしては、眼鏡フレームの形状、眼鏡フレームの材料、眼鏡フレームの色、眼鏡フレームのデザイン、眼鏡フレームの構成情報等の少なくともいずれかであってもよい。例えば、眼鏡フレームの形状としては、フルリム(Full lim)、ツーポイント(Two point)、ナイロール(Nylor)等のいずれかの形状であってもよい。もちろん、眼鏡フレームの形状としては、上記と異なる形状であってもよい。また、例えば、眼鏡フレームの材料としては、メタル(Metal)、プラスチック(Plastic)、オプチル(Optyl)等のいずれかであってもよい。もちろん、眼鏡フレームの材料としては、上記と異なる材料であってもよい。また、例えば、眼鏡フレームの色としては、赤、青、黄、黒、グレー等の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、眼鏡フレームの色としては、上記と異なる色であってもよい。例えば、眼鏡フレームのデザインとしては、ドット、ボーダー等の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、眼鏡フレームのデザインとしては、上記と異なるデザインであってもよい。また、例えば、眼鏡フレームの構成情報としては、眼鏡フレームの玉型形状、眼鏡フレームのそり角度、眼鏡フレームの前傾角度等の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、眼鏡フレームの構成情報としては、上記と異なる構成情報であってもよい。
【0070】
なお、例えば、フルリムとしては、全体にリム(縁)があるタイプの眼鏡フレームが挙げられる。また、例えば、ツーポイントとしては、テンプルやブリッジが眼鏡レンズに直接ついているような、リムのない眼鏡フレームが挙げられる。また、例えば、ナイロールとしては、一部分のリムがないタイプの眼鏡フレームが挙げられる。この場合、リムのない部分は、ナイロン糸などで眼鏡レンズが固定される。
【0071】
なお、眼鏡フレームタイプ情報は、複数の眼鏡フレームタイプ情報が関連付けされていてもよい。この場合、例えば、所定の眼鏡フレームタイプ(例えば、眼鏡フレームの形状)が選択された際には、選択された眼鏡フレームタイプの他に、その他の項目の眼鏡フレームタイプ(例えば、眼鏡フレームの材料)が取得される構成としてもよい。例えば、メタル、プラスチック、オプチルのいずれかの眼鏡フレームの材料が選択された場合には、眼鏡フレームの形状は、フルリムとして取得されるようにしてもよい。この場合、予め、眼鏡フレームタイプ間の関連付けをしておくとよい。
【0072】
なお、眼鏡フレームタイプとしては、これらのタイプに限定されず、様々なタイプの眼鏡フレームを設定することができる。もちろん、眼鏡フレームタイプは、検者によって、任意に追加又は削除することが可能な構成としてもよい。
【0073】
例えば、眼鏡フレームタイプ情報取得手段としては、検者の操作によって、入力される構成が挙げられる。例えば、検者による入力としては、検者が操作部を操作して眼鏡フレームタイプ情報を直接入力する構成や、眼鏡枠形状測定装置のメモリに記憶されている眼鏡フレームタイプ情報より検者が操作部を操作して眼鏡フレームタイプ情報を選択する構成が挙げられる。また、例えば、眼鏡フレームタイプ情報取得手段としては、眼鏡枠形状測定装置において、眼鏡フレームを検出するフレーム検出手段を設け、フレーム検出手段の検出結果(例えば、眼鏡フレームの厚み等)に基づいて、眼鏡フレームタイプ情報を取得する構成であってもよい。また、例えば、眼鏡フレームタイプ情報を取得する構成としては、眼鏡枠形状測定装置と別途異なる装置で入力された眼鏡フレームタイプ情報を受信手段によって受信する構成が挙げられる。
【0074】
例えば、輝度制御手段が輝度レベルを制御する構成としては、輝度制御手段が、眼鏡フレームにおける測定位置に基づいて、輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。この場合、例えば、輝度制御手段は、測定光の照射位置を検出し、測定光の照射位置(例えば、ブリッジ周辺位置、ツル周辺位置等)に応じて輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。
【0075】
例えば、輝度レベルを制御する場合、輝度制御手段は、測定を開始する前に実施するようにしてもよい。この場合、例えば、取得手段は、輝度制御手段によって輝度レベルが制御されて変更された後、検出器によって受光された反射光に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する。一例として、例えば、予め、眼鏡フレームにおける少なくとも1つ以上の測定位置において、測定光を照射してその反射光を受光するプレ測定を行う。例えば、輝度制御手段は、プレ測定によって取得された反射光の輝度レベルに基づいて、輝度レベルの制御を行う。例えば、取得手段は、輝度レベルが制御されて変更された後、検出器によって受光された反射光に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する。これによって、例えば、輝度レベルの変更がされた後の断面形状を取得することができるため、良好な断面形状を取得することができる。なお、プレ測定においては、本測定と同様の測定位置(ポイント数)で測定を行うようにしてもよい。この場合、例えば、プレ測定の結果から、予め、輝度レベルが良好でない測定位置を検出し、本測定時において、輝度レベルが良好でない測定位置においては、輝度レベルを制御するようにしてもよい。
【0076】
また、例えば、輝度レベルを制御する場合、輝度制御手段は、測定を開始した後、実施するようにしてもよい。例えば、眼鏡フレームの本測定を開始した後、測定によって取得された反射光の輝度レベルに基づいて、輝度レベルの制御を行う。例えば、本測定中に、輝度レベルの制御を行う場合に、少なくとも1つ以上の測定位置における反射光の輝度レベルに基づいて、輝度レベルの制御を行ってもよい。一例として、少なくとも1つ以上の測定位置における反射光の輝度レベルを検出し、検出した輝度レベルに基づいて、輝度レベルを制御してもよい。この場合、例えば、輝度レベルを検出した測定位置における輝度レベルのみを制御するようにしてもよいし、本測定の全測定位置における輝度レベルを制御するようにしてもよい。なお、輝度レベルを検出し、輝度レベルが良好でない場合に、輝度レベルの制御を行う。この場合、輝度レベルの制御後、再度、測定を行い、輝度レベル制御前の測定結果を輝度レベル制御後の測定結果に置き換えるようにしてもよい。一例として、例えば、測定を実施する全測定位置において、輝度レベルの制御を行う場合に、各測定位置において、輝度レベルを検出し、輝度レベルが良好でない位置において、再度、測定を行い、測定結果を輝度レベル制御後の測定結果に置き換えるようにしてもよい。もちろん、輝度レベルが良好でない位置の他の位置においても、再度、測定を行った場合に、測定結果を置き換えるようにしてもよい。
【0077】
なお、輝度制御手段が、輝度レベルを制御するタイミングとしては、上記タイミングに限定されない。例えば、上記と異なるタイミングで輝度レベルを制御するようにしてもよい。一例として、輝度レベルを制御する場合、輝度制御手段は、測定を開始する前及び測定を開始した後の双方で、輝度レベルを制御するようにしてもよい。
【0078】
なお、例えば、取得手段と、第1制御手段と、第2制御手段と、解析手段と、輝度制御手段と、輝度解析手段と、判定手段と、の少なくともいずれかが兼用される構成であってもよい。また、例えば、取得手段と、第1制御手段と、第2制御手段と、解析手段と、が別途それぞれ設けられる構成であってもよい。
【0079】
<レンズ加工>
例えば、眼鏡枠形状測定装置によって取得された眼鏡フレームのリムの溝の断面形状をレンズの加工に用いてもよい。例えば、レンズの周縁を加工するレンズ加工装置(例えば、レンズ加工装置300)は、眼鏡枠形状測定装置によって取得された眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する。
【0080】
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、送信手段を有し、送信手段によって、レンズ加工装置に向けて眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、レンズ加工装置は、受信手段を有し、眼鏡枠形状測定装置から送信された眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を受信するようにしてもよい。
【0081】
なお、例えば、レンズ加工装置に眼鏡枠形状測定装置が備えられた構成であってもよい。また、例えば、レンズ加工装置と眼鏡枠形状測定装置とが別途それぞれ別装置であってもよい。この場合には、有線と無線との少なくともいずれかによって、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状が眼鏡枠形状測定装置からレンズ加工装置に送信されるようにしてもよい。
【0082】
例えば、レンズ加工装置は、加工制御手段(例えば、制御部310)を備えてもよい。例えば、加工制御手段は、眼鏡枠形状測定装置によって取得された眼鏡フレームのリムの溝の断面形状に基づいてレンズの周縁を加工してもよい。例えば、加工制御手段は、レンズを保持するレンズ保持手段及び加工具を制御して、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状に基づいてレンズの周縁を加工してもよい。
【0083】
例えば、本実施形態において、レンズ加工装置は、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状に基づいてレンズの周縁を加工する加工制御手段を備える。これによって、眼鏡フレームに加工後のレンズを良好に枠入れする際に、リムの溝の形状と加工後のレンズの輪郭形状が近い形状となるため、枠入れを良好に行うことができる。
【0084】
<実施例>
本開示の典型的な実施例の1つについて、図面を参照して説明する。
図1は、眼鏡枠形状測定装置の外観略図である。例えば、
図2は、眼鏡フレームが保持された状態のフレーム保持ユニットの上面図である。例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置1は、フレーム保持ユニット10と、測定ユニット20と、を備える。例えば、フレーム保持ユニット10は、眼鏡フレームFを所期する状態に保持する。例えば、測定ユニット20は、フレーム保持ユニット10に保持された眼鏡フレームFのリム(例えば、左側リムFL、右側リムFRs)の溝に向けて測定光を照射し、その反射光を受光することにより、眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状を取得するために用いられる。例えば、測定ユニット20はフレーム保持ユニット10の下に配置されている。
【0085】
例えば、眼鏡枠形状測定装置1の筐体の前側には測定開始用のスイッチ等を持つスイッチ部4が配置されている。例えば、眼鏡枠形状測定装置1の筐体の後側には、タッチパネル式のディスプレイ3が配置されている。例えば、レンズの周縁加工に際し、パネル部3により玉型データに対するレンズのレイアウトデータ、レンズの加工条件等が入力される。例えば、眼鏡枠形状測定装置1で得られた取得結果(リムの溝の断面形状、眼鏡フレーム形状等)及びディスプレイ3で入力されたデータは、レンズ加工装置に送信される。なお、眼鏡枠形状測定装置1は、特開2000-314617号公報等と同じく、レンズ加工装置に組み込まれる構成としてもよい。
【0086】
<フレーム保持ユニット>
例えば、フレーム保持ユニット10の下側には、測定ユニット20が備えられている。例えば、保持部ベース101上には眼鏡フレームFを水平に保持するための前スライダー102と後スライダー103が載置されている。なお、例えば、水平とは略水平であってもよい。例えば、前スライダー102と後スライダー103は、その中心線CLを中心に2つのレール111上を対向して摺動可能に配置されていると共に、バネ113により常に両者の中心線CLに向かう方向に引っ張られている。
【0087】
例えば、前スライダー102には、眼鏡フレームFのリムをその厚み方向からクランプするためのクランプピン130a,130bがそれぞれ2箇所に配置されている。例えば、後スライダー103には眼鏡フレームFのリムをその厚み方向からクランプするためのクランプピン131a,131bがそれぞれ2箇所に配置されている。また、例えば、型板を測定するときは、前スライダー102及び後スライダー103が開放され、周知の型板保持治具が所定の取付け位置140に配置されて使用される。このフレーム保持ユニット10の構成は、例えば、特開2000-314617号公報等に記載された周知のものが使用できる。
【0088】
例えば、眼鏡フレームFは、眼鏡装用時のリムの下側が前スライダー102側に位置され、リムの上側が後スライダー103側に位置される。例えば、左右のリムのそれぞれの下側及び上側に位置するクランプピンにより、眼鏡フレームFは所定の測定状態に保持される。
【0089】
なお、本実施例においては、リムの前後方向の位置を規制する構成として、上記クランプピン130a,130b及びクランプピン131a,131bの構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。周知の機構が使用されても良い。例えば、左右リムの前後方向を固定する機構としては、V字状の溝を持つ当接部材(規制部材)を左右リム用にそれぞれ設ける構成でも良い。
【0090】
<測定ユニット>
以下、測定ユニット20の構成について説明する。例えば、測定ユニット20は、眼鏡フレーム測定光学系30を備える。例えば、眼鏡フレーム測定光学系30は、投光光学系30aと、受光光学系30bと、で構成される。例えば、投光光学系30a及び受光光学系30bは、眼鏡フレームの形状及び眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得するために用いられる(詳細は後述する)。
【0091】
例えば、測定ユニット20は、投光光学系30aと受光光学系30bとを保持する保持ユニット25を備える。例えば、測定ユニット20は、保持ユニット25をXYZ方向に移動させる移動ユニット210を備える(例えば、
図3~
図5参照)。また、例えば、測定ユニット20は、回転軸L0を中心として保持ユニット25を回転させる回転ユニット260を備える(例えば、
図6参照)。なお、例えば、本実施例において、XY方向はフレーム保持ユニット10により保持される眼鏡フレームFの測定平面(リムの動径方向)と平行であり、Z方向は測定平面に垂直な方向である。
【0092】
<移動ユニット>
以下、移動ユニット210について説明する。例えば、
図3~
図5は、移動ユニット210の構成を説明する図である。例えば、
図3は、移動ユニット210を上方から見た斜視図を示している。例えば、
図4は、移動ユニット210の下方から見た斜視図を示している。例えば、
図5は、Z移動ユニット220とY移動ユニット230の上面斜視図(X移動ユニット240とベース部211を取り外した状態の斜視図)を示している。
【0093】
例えば、移動ユニット210は、大別して、Z移動ユニット(Z方向駆動手段)220と、Y移動ユニット(Y方向駆動手段)230と、X移動ユニット(X方向駆動手段)240と、を備える。例えば、Z移動ユニット(Z方向駆動手段)220は、保持ユニット25をZ方向に移動させる。例えば、Y移動ユニット230は、保持ユニット25及びZ移動ユニット220を保持し、Y方向へ移動させる。例えば、X移動ユニット240は、保持ユニット25をZ移動ユニット220及びY移動ユニット230と共にX方向に移動させる。
【0094】
例えば、X移動ユニット240は、概略的に次のように構成されている。例えば、X移動ユニット240は、水平方向(XY方向)に伸展した方形状の枠を持つベース部211の下方に、X方向に延びるガイドレール241を備える。例えば、Y移動ユニット230のYベース230aが、ガイドレール241に沿って、X方向に移動可能に取り付けられている。例えば、ベース部211には、モータ(駆動源)245が取り付けられている。例えば、モータ245の回転軸には、X方向に延びる送りネジ242が取り付けられている。例えば、Yベース230aに固定されたナット部246が送りネジ242に螺合されている。これにより、モータ245が回転されると、Yベース230aがX方向に移動される。なお、例えば、X移動ユニット240のX方向の移動範囲は、眼鏡フレームの左右のレンズ枠を測定可能にするために、保持ユニット25が搭載されるYベース230aを眼鏡フレームの左右幅以上に移動可能な長さを持つようにしてもよい。
【0095】
例えば、Y移動ユニット230は、概略的に次のように構成されている。例えば、Yベース230aには、Y方向に延びるガイドレール231が取り付けられている。例えば、Zベース220aは、ガイドレール231に沿ってY方向に移動可能に取り付けられている。例えば、Yベース230aにはY移動用のモータ(駆動源)235とY方向に延びる送りネジ232が回転可能に取り付けられている。例えば、モータ235の回転は、ギヤ等の回転伝達機構を介して送りネジ232に伝達される。例えば、送りネジ232には、Zベース220aに取り付けられたナット227が螺合されている。これらの構成により、モータ235が回転されると、Zベース220aがY方向に移動される。
【0096】
例えば、X移動ユニット240及びY移動ユニット230によりXY移動ユニットが構成される。例えば、保持ユニット25をXY方向に移動させる範囲は、測定可能なリムの動径よりも大きくされている。また、例えば、保持ユニット25のXY方向の移動位置は、後述する制御部50によりモータ245及び235が駆動されるパルス数によって検知され、保持ユニット25のXY方向の位置を検知する第1のXY位置検知ユニットがモータ245,235及び制御部50により構成される。例えば、保持ユニット25のXY位置検知ユニットとしては、モータ245及び235のパルス制御で検知する他、モータ245及び235のそれぞれの回転軸に取り付けられたエンコーダ等のセンサを使用する構成でも良い。
【0097】
例えば、Z移動ユニット220は、概略的に次のように構成されている。例えば、Zベース220aにはZ方向に延びるガイドレール221が形成され、このガイドレール221に沿って保持ユニット25が取り付けられた移動ベース250aがZ方向に移動可能に保持されている。例えば、Zベース220aには、Z移動用のパルスモータ225が取り付けられていると共に、Z方向に延びる送りネジ(図示を略す)が回転可能に取り付けられている。例えば、保持ユニット25のベース250aに取り付けられたナットに螺合されている。例えば、モータ225の回転はギヤ等の回転伝達機構を介して送りネジ222に伝達され、送りネジ222の回転により保持ユニット25がZ方向に移動される。保持ユニット25のZ方向の移動位置は、後述する制御部50によってモータ225が駆動されるパルス数により検知され、保持ユニット25のZ方向の位置を検知するZ位置検知ユニットがモータ225及び制御部50により構成される。例えば、保持ユニット25のZ位置検知ユニットとしては、モータ225のパルス制御で検知する他、モータ225の回転軸に取り付けられたエンコーダ等のセンサを使用する構成でも良い。
【0098】
なお、以上のようなX方向、Y方向及びZ方向の各移動機構は、実施例に限られず、周知の機構が採用できる。例えば、保持ユニット25を直線移動させる代わりに、回転ベースの中心に対して円弧起動で移動させる構成としても良い(例えば、特開2006-350264号公報等参照)。
【0099】
<回転ユニット>
次いで、回転ユニット260について説明する。例えば、
図6は、回転ユニット260について説明する図である。
【0100】
例えば、保持ユニット25には、開口部26が設けられている。例えば、開口部26は、投光光学系30aからの測定光を通過させるとともに、眼鏡フレームFで反射された反射光を通過させる。例えば、開口部26には開口部26を覆うような透明パネルが設けられていてもよい。例えば、開口部26は、投光光学系30aのから照射される測定光を保持ユニット25の内部から外部に向けて出射する。すなわち、投光光学系30aからの測定光は、開口部26を通過して眼鏡フレームFのリムの溝に向けて照射される。例えば、開口部26は、眼鏡フレームFのリムの溝によって反射された反射光を保持ユニット25の外部から保持ユニット25の内部の受光光学系30bに向けて通過させる。すなわち、眼鏡フレームFのリムの溝によって反射された反射光は、開口部26を通過して受光光学系30bに受光される。
【0101】
例えば、回転ユニット260は、Z方向に延びる回転軸LOを中心に保持ユニット25を回転させることで、開口部26が向くXY方向を変更する。例えば、回転ユニット260は、回転ベース261を備える。例えば、保持ユニット25は回転ベース261に取り付けられている。例えば、回転ベース261は、Z方向に延びる回転軸LOを中心にして回転可能に保持されている。例えば、回転ベース261の下部の外周には、大径ギア262が形成されている。例えば、回転ユニット260は、取り付け板252を有する。例えば、取り付け板252には、モータ(駆動源)265が取り付けられている。例えば、モータ265の回転軸にピニオンギア266が固定され、ピニオンギア266の回転は、取り付け板252に回転可能に設けられたギア263を介して、大径ギア262に伝達される。したがって、モータ265の回転により、回転ベース261が回転軸LOの軸回りに回転される。例えば、モータ265の回転は、モータ265に一体的に取り付けられたエンコーダ(センサ)265aにより検出され、エンコーダ265aの出力から回転ベース261(すなわち、保持ユニット25)の回転角が検知される。回転ベース261の回転の原点位置は、図示を略す原点位置センサにより検知される。なお、以上のような回転ユニット260の各移動機構は、実施例に限られず、周知の機構が採用できる。
【0102】
なお、本実施例において、回転ユニット260の回転軸LOは、後述する投光光学系30aの光源31を通る軸として設定されている。すなわち、回転ユニット260は、投光光学系30aの光源31を中心として、回転する。もちろん、回転ユニット260の回転軸は、異なる位置を回転軸としてもよい。例えば、回転ユニット260の回転軸LOを後述する受光光学系30bの検出器37を通る軸に設定してもよい。
【0103】
<眼鏡フレーム測定光学系>
次いで、保持ユニット25に保持された眼鏡フレーム測定光学系30について説明する。例えば、
図7は、眼鏡フレーム測定光学系30について示す概略構成図である。例えば、眼鏡フレーム測定光学系30は、眼鏡フレームFを取得するために用いられる。例えば、本実施例において、眼鏡フレーム測定光学系30は、眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状を取得するために用いられる。また、例えば、本実施例において、眼鏡フレーム測定光学系30は、眼鏡フレームFの形状を測定するために用いられる。
【0104】
例えば、本実施例において、眼鏡フレーム測定光学系30は、保持ユニット25の内部に配置される。例えば、眼鏡フレーム測定光学系30は、投光光学系30aと、受光光学系30bと、によって構成されている。例えば、投光光学系30aは、光源を有し、眼鏡フレームFのリムの溝に向けて光源から測定光を照射する。例えば、受光光学系30bは、検出器を有し、投光光学系30aによって眼鏡フレームFのリムの溝に向けて照射され、眼鏡フレームFのリムの溝によって反射された測定光の反射光を検出器によって受光する。
【0105】
例えば、本実施例において、眼鏡フレーム測定光学系30は、シャインプルークの原理に基づいて眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状を取得する構成となっている。例えば、投光光学系30aは、眼鏡フレームのリムの溝にスリット光を照射する。例えば、受光光学系30bは、スリット光が照射される光軸L1に対して傾斜した光軸L2を持ち、シャインプルークの原理に基づいて配置されたレンズと検出器を備える。もちろん、眼鏡フレーム測定光学系30は、シャインプルークの原理に基づく光学系ではなく、異なる構成の光学系が用いられてもよい。眼鏡フレーム測定光学系30は、眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状が取得される光学系であればよい。
【0106】
なお、実施例においては、投光光学系30aと、受光光学系30bと、が一体的に移動する構成を例に挙げて説明しているがこれに限定されない。例えば、X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220、及び回転ユニット260の少なくともいずれか1つの駆動手段において、投光光学系30aと、受光光学系30bと、が別途それぞれ移動される構成であってもよい。
【0107】
<投光光学系>
例えば、投光光学系30aは、光源31と、レンズ32と、スリット板33と、を備える。例えば、光源31より出射された測定光は、レンズ32によって集光してスリット板33を照明する。例えば、スリット板33を照明した測定光は、スリット板33により細いスリット状に制限された測定光となり眼鏡フレームFのリムの溝FAに照射される。すなわち、例えば、スリット光が眼鏡フレームFのリムの溝FAに照射される。これにより、眼鏡フレームFのリムの溝FAは、スリット光により光切断された形で照明される。
【0108】
<受光光学系>
例えば、受光光学系30bは、レンズ36と、検出器(例えば、受光素子)37と、を備える。例えば、受光光学系30bは、眼鏡フレームFのリムの溝FAに対して、斜め方向から断面形状を取得する構成となっている。例えば、受光光学系30bは、シャインプルークの原理に基づいて眼鏡フレームFのリムの溝FAの断面形状を取得する構成となっている。
【0109】
例えば、レンズ36は、リムの溝FAでの反射により取得されるリムの溝FAの反射光(例えば、リムの溝FAの散乱光、リムの溝FAの正反射光等)を検出器37に導く。例えば、検出器37は、眼鏡フレームFのリムの溝FAと略共役な位置に配置された受光面を持っている。例えば、受光光学系30bは、投光光学系30aの投光光軸L1に対して傾斜した撮像光軸L2を持ち、シャインプルークの原理に基づいて配置されたレンズ36と検出器37を持っている。受光光学系30bは、その光軸(撮像光軸)L2が投光光学系30aの光軸L1と所定の角度で交わるように配置されている。例えば、投光光学系30aによって眼鏡フレームFのリムの溝FAに照射される光断面と、眼鏡フレームFのリムの溝FAを含むレンズ系(眼鏡フレームFのリムの溝FA及びレンズ36)と検出器37の受光面(受光位置)とがシャインプルークの関係にて配置されている。
【0110】
<制御手段>
図8は、眼鏡枠形状測定装置1に関する制御ブロック図である。制御部50には、不揮発性メモリ(記憶手段)52、ディスプレイ3、スイッチ部4等が接続されている。
【0111】
例えば、制御部50は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM等を備える。制御部50のCPUは、各部(例えば、光源31、検出器37、エンコーダ265a)及び各ユニットの駆動手段(例えば、フレーム保持ユニット100の駆動源、各モータ225、235、245、265)等、装置全体の制御を司る。また、例えば、制御部50は、各種演算(例えば、各センサからの出力信号等に基づいて眼鏡フレームの形状の演算等)を行う演算手段(解析手段)として機能する。RAMは、各種情報を一時的に記憶する。制御部50のROMには、装置全体の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。なお、制御部50は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。不揮発性メモリ(記憶手段)52は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、眼鏡枠形状測定装置1に着脱可能に装着されるUSBメモリ等を不揮発性メモリ(メモリ)52として使用することができる。
【0112】
例えば、制御部50は、レンズの周縁を加工するレンズ加工装置300と接続されている。例えば、眼鏡枠形状測定装置1によって取得された各種データがレンズ加工装置300の制御部310に送信される。レンズ加工装置300の制御部310は、受信した各種データに基づいてレンズ加工装置300の各部及び各ユニットの駆動手段を制御して、レンズの加工を行う。もちろん、レンズ加工装置300と眼鏡枠形状測定装置1は、一体的に構成された装置であってもよい。
【0113】
例えば、本実施例において、ディスプレイ3は、タッチパネル式のディスプレイが用いられる。すなわち、本実施例において、ディスプレイ3がタッチパネルであるため、ディスプレイ3が操作部(操作ユニット)として機能する。この場合、制御部50はディスプレイ3が持つタッチパネル機能により入力信号を受け、ディスプレイ3の図形及び情報の表示等を制御する。もちろん、眼鏡枠形状測定装置1に、別途、操作部が設けられる構成としてもよい。この場合、例えば、操作部には、例えば、マウス、ジョイスティック、キーボード、タッチパネル等の少なくともいずれかを用いればよい。もちろん、ディスプレイ60と、操作部と、の双方が用いられ、眼鏡枠形状測定装置1が操作される構成としてもよい。なお、本実施例においては、ディスプレイ60が操作部として機能するとともに、別途、スイッチ部(操作部)4が備えられた構成を例に挙げて説明する。
【0114】
<制御動作>
以上のような構成を持つ装置の動作を説明する。例えば、操作者は、フレーム保持ユニット100に眼鏡フレームFを保持させる。例えば、操作者は、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRが下方向、眼鏡フレームFの左右のテンプルFTL,FTRが上方向となるように、フレーム保持ユニット100に眼鏡フレームFを保持させる。
【0115】
例えば、フレーム保持ユニット100に眼鏡フレームFが保持されると、操作者は、スイッチ部4を操作して、測定を開始させる。例えば、測定開始のトリガ信号が出力されると、制御部50は、X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220、及び回転ユニット260の少なくともいずれかを駆動することによって、保持ユニット25(投光光学系30a及び受光光学系30b)を移動させて眼鏡フレームFのリムの測定を開始する。例えば、本実施例において、リムの測定は、右リムFRから測定が開始される。もちろん。左リムFLから測定が開始される構成であってもよい。
【0116】
例えば、制御部50は、保持ユニット25を移動させることによって、眼鏡フレーム測定光学系30(投光光学系30a及び受光光学系30b)を眼鏡フレームのリム輪郭を測定していくことによって、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する。なお、本実施例においては、投光光学系30a及び受光光学系30bは、シャインプルークの関係を維持した状態で、眼鏡フレームFに対して移動される。すなわち、眼鏡フレームFのリムの溝に対して、眼鏡フレーム測定光学系30が一定の位置関係となるように移動させることで、眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状が取得できる。
【0117】
例えば、測定開始のトリガ信号が出力されると、制御部50は、移動ユニット210(X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220の少なくともいずれか)、及び回転ユニット260の駆動を制御し、退避位置に置かれていた保持ユニット25を測定開始の初期位置まで移動させる。なお、例えば、測定開始の初期位置は、保持ユニット25が右リムFRの下端側のクランプピン130a,130bと、クランプピン131a,131bと、の中央位置に設定されている。もちろん、測定開始の初期位置は、任意の位置に設定することができる。
【0118】
例えば、保持ユニット25が測定開始の初期位置まで移動されると、制御部50は、光源31を点灯する。そして、光源31の点灯とともに、制御部50は、眼鏡フレームFの所定の位置のリムの溝に測定光を照射するために、移動ユニット210、及び回転ユニット260の少なくともいずれかの駆動を制御する。
【0119】
例えば、本実施例において、リムの溝の断面形状を取得する位置を設定する場合に、制御部50は、回転ユニット260を制御し、取得位置を設定する。
図9は、回転ユニット260を制御して、異なる動径角にてリムの断面形状を取得する場合について説明する図である。
図9(a)と
図9(b)は、異なる動径角にてリムの断面形状を取得している。
例えば、制御部50は、回転ユニット260を制御して、投光光学系30aの光軸L1をXY平面上で回転させて、投光光学系30aの光軸L1をリムの周方向に移動させる。すなわち、制御部50は、X回転ユニット260を制御して、リムの溝の断面形状を取得する動径角を変更する。例えば、回転ユニット260が制御されることによって、投光光学系30aの照射位置T1が投光光学系30aの照射位置T2へと変更される。
【0120】
例えば、本実施例において、リムの溝の断面形状を取得する位置が設定され、リムの溝に対する測定光の照射位置を変更する場合、移動ユニット210(X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220の少なくともいずれか)を制御して、リムの溝に測定光が照射されるように測定光の照射位置を変更する。
【0121】
なお、本実施例において、リムの溝の断面形状を取得する位置の設定と、リムの溝に対する測定光の照射位置の変更とは、同時に実施されるようにしてもよい。また、例えば、リムの溝の断面形状を取得する位置の設定は、回転ユニット260のみならず、X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220の少なくともいずれかが用いられるようにしてもよい。また、リムの溝の断面形状を取得する位置の設定は、X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220の少なくともいずれかで行われるようにしてもよい。また、例えば、リムの溝に対する測定光の照射位置の変更は、X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220の少なくともいずれかのみならず、回転ユニット260も用いられる構成としてもよい。また、例えば、リムの溝に対する測定光の照射位置の変更は、回転ユニット260のみが用いられる構成としてもよい。
【0122】
例えば、光源31の点灯により、眼鏡フレームFのリムの溝はスリット光により光切断される。スリット光で光切断された眼鏡フレームFのリムの溝からの反射光は受光光学系30bに向かい、検出器37により受光される。例えば、制御部50は、検出器37によって受光された反射光に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の二次元断面形状を取得する。なお、本実施例においては、断面形状として、断面画像を取得する。もちろん、断面形状は、信号として取得される構成であってもよい。
【0123】
ここで、眼鏡フレームFのリムの溝に測定光が照射されていない場合には、断面形状(本実施例では、断面画像)を取得することができない。このため、制御部50は、眼鏡フレームFのリムの溝に測定光が照射されていない場合には、眼鏡フレームFのリムの溝に測定光を照射するための駆動制御を行う。以下、眼鏡フレームFのリムの溝に測定光を照射するための駆動制御について説明する。
【0124】
例えば、
図10は、眼鏡フレームFのリムの溝に測定光が照射されるように保持ユニット25を移動させる前の受光結果を示す図である。例えば、
図11は、眼鏡フレームFのリムの溝に測定光が照射されるように保持ユニット25を移動させた後の受光結果を示す図である。
【0125】
例えば、
図10において、投光光学系30aの照射位置T3がリムの溝に位置していない。このため、眼鏡フレームFのリムの溝からの反射光を受光することができない。例えば、反射光を受光できていない状態で、制御部50が断面画像を取得した場合に、取得結果を示す画像40上には、断面画像が表示されない。一方、
図11において、投光光学系30aの照射位置T4がリムの溝に位置している。このため、眼鏡フレームFのリムの溝からの反射光を受光することできる。例えば、反射光を受光できた状態で、制御部50が断面画像を取得した場合に、取得結果を示す画像40上には、断面画像41が表示される。
【0126】
例えば、本実施例において、制御部50は、眼鏡フレームFのリムの溝に測定光が照射されるように保持ユニット25を移動させる際に、受光結果に基づいて、移動ユニット210を制御する。例えば、制御部50は、断面画像が取得できているか否かに基づいて、移動ユニット210を制御する。例えば、制御部50は、取得された画像40を解析し、断面画像が検出できなかった場合に、断面画像が検出されるように、移動ユニット210を制御する。
【0127】
例えば、制御部50は、輝度値の変化を検出することによって、断面画像が取得された否かを検出することができる。例えば、断面画像が取得されている場合には、一定の輝度値が検出される。すなわち、反射光が検出器によって検出できるため、輝度値が上昇する。
図12は、輝度値の検出について説明する図である。例えば、制御部50は、取得された断面画像に対して、走査線S1、走査線S2、走査線S3、・・・走査線Snの順に輝度値の検出を行い、輝度分布を得る。すなわち、制御部50は、輝度値を検出することによって、画像上からリムの断面画像を抽出することができる。
【0128】
ここで、眼鏡フレームFのタイプによっては、受光される反射光の輝度レベルが良好でなく、リムの溝の断面形状を精度よく取得することが困難である場合がある。このため、
制御部50は、輝度レベルを制御する。これによって、リムの溝の断面形状が精度よく取得できる。以下、輝度レベルの制御について説明する。なお、本実施例においては、輝度レベルの制御を行う構成として、光源31の投光光量を制御する構成を例に挙げて説明する。もちろん、輝度レベルの制御を行う構成としては、上記構成に限定されない。
【0129】
また、例えば、輝度レベルの制御を行う構成としては、検出器37のゲインを制御する構成、光源31から検出器37までの光路中に測定光の光量を調整する部材を設ける構成、検出器37における露光時間を制御する構成、光源31の発光時間を制御する構成等の少なくともいずれかであってもよい。
【0130】
本実施例において、例えば、制御部50は、断面画像が検出できるように制御を行った後、プレ測定(本測定の前測定)を行う。例えば、制御部50は、測定開始の初期位置において、プレ測定を行い、断面画像を取得する。例えば、制御部50は、断面画像から輝度レベル(輝度値)を検出し、検出した輝度レベルに基づいて、輝度レベルを制御する。例えば、制御部50は、輝度レベルが許容レベルであるか否かを判定し、輝度レベルが許容レベルを満たしていないという判定結果を得た場合に、輝度レベルを制御する。
なお、プレ測定を行う位置は初期位置に限定されない。例えば、操作者によって任意の位置を選択し、プレ測定を行う位置として設定してもよい。また、例えば、プレ測定は、複数の位置で行われるようにしてもよい。この場合、例えば、プレ測定を行った複数の位置において、少なくとも1つ以上の位置でプレ測定輝度レベルが許容レベルを満たしていないという判定結果を得た場合に、輝度レベルを制御するようにしてもよい。また、すべての位置でプレ測定輝度レベルが許容レベルを満たしていないという判定結果を得た場合に、輝度レベルを制御するようにしてもよい。
【0131】
より詳細に説明する。本実施例において、例えば、制御部50は、断面画像から輝度値を検出し、輝度レベルを示す指標として所定の評価値が用いられる。例えば、評価値は、評価値=((画像の平均最大輝度値)-(画像の背景領域の平均輝度値))/(背景領域の輝度値の標準偏差)の式より求めるようにしてもよい。例えば、制御部50は、取得された断面画像に対して、走査線S1、走査線S2、走査線S3、・・・走査線Snの順に輝度値の検出を行い、輝度分布を得る。
【0132】
ここで、例えば、制御部70は、各走査線に対応する輝度分布から輝度値の最大値(以下、最大輝度値と省略する)を算出する。そして、制御部70は、断面画像における最大輝度値として、各走査線における最大輝度値の平均値を算出する。そして、制御部70は、断面画像における背景領域の平均輝度値として、各走査線における背景領域の輝度値の平均値を算出する。
【0133】
例えば、制御部50は、上記のようにして取得された断面画像の評価値が所定の閾値を満たすか否かを判定する。なお、所定の閾値は、予め設定された閾値であってもよい。例えば、予め、シミュレーションや実験等によって輝度レベルが良好であると判定される閾値が設定されるようにしてもよい。例えば、閾値は、検者が任意に設定できる構成としてもよい。また、例えば、閾値は、取得した断面画像に基づいて設定するようにしてもよい。
【0134】
例えば、制御部50は、その判定結果に基づいて、光源76の投光光量を制御(変更)する。例えば、制御部50は、断面画像の評価値が所定の閾値を満たさない(例えば、所定の閾値より小さい)と判定した場合に、輝度レベルが高くなるように制御を行う。例えば、制御部50は、断面画像の評価値が所定の閾値を満たさないと判定した場合に、断面画像の評価値が所定の閾値を満たすように、光源31の投光光量を増加させる。
【0135】
また、例えば、制御部50は、断面画像の評価値が所定の閾値を満たす(例えば、所定の閾値以上である)と判定した場合に、輝度レベルの制御を行わず、光源31の投光光量を維持する。もちろん、制御部50は、断面画像の評価値が所定の閾値を満たす判定した場合であっても、より適正な輝度レベルとなるように、輝度レベルの制御を行うようにしてもよい。例えば、断面画像の輝度レベルが高くなり過ぎることによって、眼鏡フレームのリムの断面形状が検出しづらくなることがある。このため、評価値が所定の閾値を満たすとともに、評価値と閾値との差が所定値よりも大きい場合には、差が所定値以下となるように、輝度レベルを制御するようにしてもよい。
【0136】
なお、輝度レベルを制御する際の判定方法としては、上記手法に限るものではない。例えば、判定方法としては、断面画像において、各画素毎の輝度値を積算させた積算値(各画素毎の輝度値の総和)が許容レベルを満たすか否かを判定するようにしてもよい。また、例えば、判定方法としては、断面画像における各画素毎の輝度値の総和を画素数で割ったときの平均値(全輝度の加重平均)が許容レベルを満たすか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、断面画像における輝度分布に基づいて、輝度レベルがリムの断面形状の検出に影響を及ぼすかどうかを判定できるような判定方法であればよい。
【0137】
例えば、制御部50は、プレ測定が行われて、輝度レベルの制御が完了すると、本測定を開始する。以上のようにして、所定の位置におけるリムの溝の断面画像を取得することができる。例えば、制御部50は、回転ユニット260を制御し、回転軸(本実施例では、光源31を通る軸)LOを中心として、動径角を変更しながら、リムの溝の断面画像を取得する位置を変更していく。これによって、リムの断面画像を取得する位置がリムの周方向に移動されていく。例えば、制御部50は、リムの断面画像を取得する位置が変更される毎に、移動ユニット210を制御し、測定光がリムの溝に照射されるように照射位置の変更を行っていく。
【0138】
例えば、制御部50は、各動径角において、リムの溝の断面画像が取得されていく際に、所定の回転角度毎に断面画像をメモリ52に記憶させる。また、各断面画像を取得した位置を、モータ225のパルス数と、モータ235のパルス数と、モータ245のパルス数と、エンコーダ265aの検出結果と、の少なくともいずれかから演算し、メモリ52に記憶させる。すなわち、モータ225のパルス数と、モータ235のパルス数と、モータ245のパルス数と、エンコーダ265aの検出結果と、の少なくともいずれかを取得することで、リムの断面画像が取得された位置を特定することができる。このようにして、例えば、制御部50は、リムの溝の断層画像を取得した位置(取得位置情報)を取得することができる。例えば、取得位置情報は、リムの溝の三次元断面画像、眼鏡フレームの形状、等を取得する際に用いることができる。
【0139】
例えば、制御部50は、取得した断面画像を解析処理することによって、リムの溝に関する種々のパラメータを取得することができる。
図13は、リムの溝の断面画像から取得されるパラメータについて説明する図である。例えば、制御部50は、画像処理によって、断面画像の輝度分布を取得することで、リムの溝のパラメータを取得することができる。例えば、制御部50は、リムの溝のパラメータとして、リムの溝の底までの距離K1、リムの溝の左右の斜面角度θ1,θ2、リムの溝の左右の斜面長さK2,K3、左右のリム肩の長さK4,K5、等を得ることができる。
【0140】
例えば、制御部50は、リムの全周に亘って、上記制御を繰り返していくことによって、リムの全周におけるリムの溝の断面画像を取得することができる。例えば、リム全周におけるリムの溝の断面画像の取得が完了すると、制御部50は、メモリ52に記憶したリム全周の断面画像とその取得位置情報を呼び出し、演算処理を行って、三次元断面画像を取得する。例えば、制御部50は、取得した三次元断面画像を、メモリ52に記憶させる。なお、本実施例においては、リム全周における断面画像の取得が完了した後に三次元断面画像を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。リムの溝の断面画像の各取得位置にといて、断面画像を取得する毎に、演算処理を行っていく構成であってもよい。
【0141】
なお、例えば、制御部50は、取得した断面画像から眼鏡フレームの形状(形状データ)を取得することができる。例えば、制御部50は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面画像から眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の底をそれぞれ検出し、検出した検出結果に基づいて、眼鏡フレームの形状を取得する。
【0142】
例えば、制御部50は、画像処理によって、断面画像の輝度分布を取得することで、リムの溝の底の位置を検出する。
図12に示されるように、例えば、制御部50は、取得された断面画像に対して、走査線S1、走査線S2、走査線S3、・・・走査線Snの順に輝度値の検出を行い、輝度分布を得る。例えば、制御部50は、得られた輝度分布において、もっとも下側の位置で輝度値の検出がされた位置をリムの溝の底として検出してもよい。
【0143】
例えば、制御部50は、各動径角毎に取得された断面画像をそれぞれ処理して、画像上におけるリムの溝の底の位置をそれぞれ検出する。例えば、制御部50は、断面画像から検出された画像上におけるリムの溝の底の位置と、その断面画像を取得した取得位置情報と、からリムの溝の底の位置情報を取得する。例えば、制御部50は、各動径角毎においてそれぞれ取得された断面画像から画像上におけるリムの溝の底の位置を検出し、検出された画像上におけるリムの溝の底の位置と、その断面画像を取得した取得位置情報と、から各動径角毎のリムの溝の底の位置情報をそれぞれ取得する。これによって、例えば、制御部50は、眼鏡フレームFの三次元形状(rn,zn,θn)(n=1,2,3、・・・,N)を取得する。例えば、眼鏡フレームFnの三次元形状は、リムの全周に亘って取得されてもよいし、リムの全周の内、一部の領域において、取得されてもよい。以上のようにして、眼鏡フレームFの形状を取得することができる。
【0144】
なお、本実施例においては、各動径角毎にリムの溝の底の位置情報を取得することによって、眼鏡フレームの三次元形状を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、眼鏡フレームの三次元形状を取得する際に、各動径角において、リムの溝の底の位置情報を取得していない位置については、周辺の動径角におけるリムの溝の底の位置情報に基づいて、補間することで、リムの溝の底の位置情報を取得するようにしてもよい。また、例えば、眼鏡フレームの三次元形状を取得する際に、各動径角において、リムの溝の底の位置情報を取得していない位置については、周辺の動径角におけるリムの溝の底の位置情報の近似の結果から補間するようにしてもよい。
【0145】
例えば、制御部50は、右リムFRの測定が終了すると、X移動ユニット240の駆動を制御し、左リムFLの測定用の所定位置に保持ユニット25を移動させる。上記の測定制御と同様にして、右リムFRの断面形状の取得と、眼鏡フレームの形状を取得する。右リムFR及び左リムFLの断面画像と形状は、メモリ52に記憶される。
【0146】
なお、例えば、取得した眼鏡フレームの三次元形状に基づいて各種パラメータを取得してもよい。例えば、眼鏡フレームの三次元形状から二次元形状を取得するようにしてもよい。例えば、二次元形状は、三次元形状を眼鏡フレームFの正面方向のXY平面に投影した形状することによって取得することができる。なお、二次元形状は、三次元形状から取得する構成を例に挙げたがこれに限定されない。各動径角におけるリムの断面画像に基づいて、リムの溝の底の位置情報を取得する際に、XY平面上におけるリムの溝の底の位置情報のみを検出するようにすることで、取得するようにしてもよい。
【0147】
以上のようにして、眼鏡枠形状測定装置1によって取得されたリムの溝の断面形状、眼鏡フレームの形状、等は、制御部50によって、レンズ加工装置300に送信される。例えば、レンズ加工装置300の制御部310は、眼鏡枠形状測定装置1によって取得されたリムの溝の断面形状、眼鏡フレームの形状、等を受信する。
【0148】
例えば、レンズ加工装置300としては、レンズをレンズチャック軸に保持して回転するレンズ回転手段と、加工具回転軸に取り付けられた加工具を回転する加工具回転手段と、を備える。例えば、レンズ加工装置300において、レンズ加工装置の制御部310は、眼鏡枠形状測定装置1によって取得された取得情報(例えば、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状、眼鏡フレームの形状、等)に基づいて、レンズ回転手段と加工具回転手段を制御して、レンズの周縁加工を行う。なお、レンズ加工装置の制御部310としては、眼鏡枠形状測定装置1の制御部が兼用される構成であってもよいし、別途、レンズ加工装置の各種制御を行うための制御部310が設けられる構成であってもよい。
【0149】
例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームのリムに向けて光源から測定光を照射する投光光学系と、投光光学系によって眼鏡フレームのリムに向けて照射され、眼鏡フレームのリムによって反射された測定光の反射光を検出器によって受光する受光光学系と、検出器によって受光された反射光に基づいて眼鏡フレームのリムの断面形状を取得する取得手段と、を備える。これによって、例えば、眼鏡フレームのリムの断面形状を容易に精度よく取得することができる。また、例えば、測定光による測定であるため、迅速に測定を行うことができる。
【0150】
また、例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定光の照射位置を変更する第1変更手段と、第1変更手段を制御する第1制御手段と、を備える。これによって、眼鏡フレームにおける任意のリムの溝の位置へ測定光を照射することが可能となり、任意の位置におけるリムの溝の断面形状を取得することができる。
【0151】
また、例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置は、第1変更手段が投光光学系の少なくとも一部の位置を移動させる変更手段であって、第1制御手段は、第1変更手段を制御することによって、眼鏡フレームのリムの溝に対して投光光学系の少なくとも一部の位置を変更させ、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定光の照射位置を変更する。これによって、眼鏡フレームにおける任意のリムの溝の位置へ測定光を照射することが可能となり、任意の位置におけるリムの溝の断面形状を取得することができる。
【0152】
また、例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置は、受光光学系による反射光の受光位置を変更する第2変更手段と、第2変更手段を制御する第2制御手段と、を備える。これによって、リムの溝の断面形状を良好に取得することができる位置に受光位置を変更することができ、眼鏡フレームのリムの断面形状をより精度よく取得することができる。
【0153】
また、例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置は、第1制御手段が第1変更手段を制御して、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝に対して測定光を照射する。取得手段は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状をそれぞれ取得する。眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状から眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の底をそれぞれ検出し、検出した検出結果に基づいて、眼鏡フレームの形状を取得する解析手段を備える。これによって、従来のように、眼鏡フレームによっては、測定子がレンズ枠の溝から外れてしまい測定できないことを抑制することができ、種々の形状の眼鏡フレームに対して、容易に精度よく眼鏡フレームの形状を取得することできる。
【0154】
また、例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置は、第1制御手段が第1変更手段を制御して、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝に対して測定光を照射する。取得手段は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状をそれぞれ取得し、三次元断面形状を取得する。これによって、容易に精度よく眼鏡フレームの三次元断面形状を取得することできる。
【0155】
また、例えば、本実施例において、レンズ加工装置は、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状に基づいてレンズの周縁を加工する加工制御手段を備える。これによって、眼鏡フレームに加工後のレンズを良好に枠入れする際に、リムの溝の形状と加工後のレンズの輪郭形状が近い形状となるため、枠入れを良好に行うことができる。
【0156】
なお、本実施例において、断面形状と、眼鏡フレームの形状との少なくともいずれかは、にディスプレイ3上に表示されるようにしてもよい。もちろん、レンズ加工装置300の図示無きディスプレイに表示されるようにしてもよい。例えば、断面形状と、眼鏡フレームの形状とは、ディスプレイ3上において、異なる画面にて表示されるようにしてもよい。この場合、画面が切り換えられることによって、断面形状と、眼鏡フレームの形状と、が切り換え表示されるようにしてもよい。また、例えば、断面形状と、眼鏡フレームの形状とは、同一画面上に表示されるようにしてもよい。この場合、例えば、断面形状と、眼鏡フレームの形状とは、同一画面上に並べて配置されるようにしてもよい。このとき、例えば、眼鏡フレームの形状において、断面形状の取得位置が識別できるような断面形状の取得位置を示す表示をするようにしてもよい。また、この場合、例えば、断面形状と、眼鏡フレームの形状とが重畳表示されるようしてもよい。重畳表示をする場合、断面形状の取得位置情報と、リム溝の断面形状の取得位置と、に基づいて、断面形状と眼鏡フレームの形状とが位置合わせされるようにしてもよい。
【0157】
なお、本実施例において、断面画像から輝度レベルを検出して、輝度レベルの制御を行う構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、眼鏡フレームタイプ情報に基づいて輝度レベルを制御するようにしてもよい。例えば、予め、輝度レベルを制御するための設定が眼鏡フレームタイプ毎に設定されている構成であってもよい。この場合、例えば、操作者によって眼鏡フレームタイプが選択されると、制御部50は、選択された眼鏡フレームタイプに対応する輝度レベルの制御設定を行う。例えば、制御部50は、光源31の投光光量を選択された眼鏡フレームタイプに対応する投光光量に設定する。
【0158】
なお、眼鏡フレームタイプ情報に基づく輝度レベルの制御は光源の投光光量の制御に限定されない。例えば、眼鏡フレームタイプ情報に基づいて、検出器37のゲインを制御する構成、光源31から検出器37までの光路中に測定光の光量を調整する部材を設ける構成、検出器37における露光時間を制御する構成、光源31の発光時間を制御する構成等の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、眼鏡フレームタイプ情報に基づいて、輝度レベルを制御する構成としては、輝度レベルを制御することが可能な構成であれば、上記構成と異なる構成であってもよい。
【0159】
なお、眼鏡フレームタイプとしては、眼鏡フレームの形状、眼鏡フレームの材料、眼鏡フレームの色、眼鏡フレームのデザイン等の少なくとも1つが設定される構成であればよい。例えば、眼鏡フレームタイプが各項目別に設定されるようにしてもよい。この場合、眼鏡フレーム形状としてはナイロール、眼鏡フレーム材料としてはメタル、眼鏡フレームの色としてはグレー(灰色)等の設定がされるようにしてもよい。
【0160】
また、所定の眼鏡フレームタイプが選択された際には、選択された眼鏡フレームタイプの他に、その他の項目の眼鏡フレームタイプが設定される構成としてもよい。例えば、メタル、プラスチック、オプチルのいずれかの眼鏡フレームの材料が選択された場合には、眼鏡フレームの形状は、フルリムとして設定されるようにしてもよい。この場合、予め、眼鏡フレームタイプ間の対応づけをしておくとよい。
【0161】
なお、眼鏡フレームタイプとしては、これらのタイプに限定されず、様々なタイプの眼鏡フレームを設定することができる。もちろん、眼鏡フレームタイプは、検者によって、任意に追加又は削除することが可能な構成としてもよい。
【0162】
一例として、例えば、眼鏡フレームの材料をプラスチックで設定した場合、制御部50は、眼鏡フレームの材料がメタルの場合の輝度レベルよりも、輝度レベルが高くなるように制御するようにしてもよい。例えば、眼鏡フレームの材料をプラスチックで設定した場合、制御部50は、メタルを測定するための光源31の投光光量よりも、光源31の投光光量を増加させるように制御してもよい。また、例えば、眼鏡フレームの材料をプラスチックで設定した場合、制御部50は、メタルを測定するための検出器37のゲインよりも、検出器37のゲインを高くさせるように制御してもよい。
【符号の説明】
【0163】
1 眼鏡枠形状測定装置
3 ディスプレイ
4 スイッチ部
10 フレーム保持ユニット
20 測定ユニット
25 保持ユニット
30 眼鏡フレーム測定光学系
30a 投光光学系
30b 受光光学系
31 光源
37 検出器
50 制御部
52 メモリ
210 移動ユニット
220 Z移動ユニット
230 Y移動ユニット
240 X移動ユニット
260 回転ユニット
300 レンズ加工装置
310 制御部