(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176221
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】デバイス容器
(51)【国際特許分類】
A61J 1/00 20060101AFI20221117BHJP
B65D 43/16 20060101ALI20221117BHJP
B65D 77/26 20060101ALI20221117BHJP
A61M 5/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A61J1/00 430
B65D43/16 100
B65D77/26
A61M5/00 516
A61M5/00 518
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146050
(22)【出願日】2022-09-14
(62)【分割の表示】P 2021192865の分割
【原出願日】2013-07-03
(31)【優先権主張番号】61/667,550
(32)【優先日】2012-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505007364
【氏名又は名称】バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーン ピー. ジャンソン
(72)【発明者】
【氏名】イーサン ビー. ジャコビー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック キャレル ステインマン
(72)【発明者】
【氏名】ニクヒル ガンディー
(72)【発明者】
【氏名】チャド プレッシャー
(57)【要約】
【課題】改善された人間工学、多用途性、耐久性、および/または使いやすさを備えた治療キット用の容器を提供すること。
【解決手段】治療キット容器などのデバイス容器が開示される。一実施形態では、デバイス容器は、注射器外筒を解放可能に保持するように構成された第1の部材と、バイアルを解放可能に保持するように構成された第2の部材であって、第1のヒンジによって第1の部材に連結される第2の部材と、バイアルアダプタを解放可能に保持するように構成された第3の部材であって、第2のヒンジによって第2の部材に連結される第3の部材とを備える。一実施形態において、第1、第2、および第3の部材が、単一構造として形成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療液剤の投与のための注射器アセンブリを準備する方法であって、
医療デバイスキット容器を閉鎖構成から開放構成に手動で操作することであって、前記医療デバイスキット容器は、
注射器外筒およびプランジャーロッドを解放可能に保持するように構成される第1の部材と、
キャップを有するバイアルを解放可能に保持するように構成され、内面および外面を有する第2の部材であって、第1のヒンジによって前記第1の部材に連結される第2の部材と、
バイアルアダプタを解放可能に保持するように構成される第3の部材であって、第2のヒンジによって前記第2の部材に連結される第3の部材と
を備え、前記容器は、前記バイアルの基部がスリーブによって所定の位置に解放可能に保持されている間に前記注射器外筒が前記バイアルの前記キャップに連結されるとき、前記第1、第2、および第3の部材の底面が調製表面に対して平行に置かれるように構成され、前記スリーブは、複数の壁および複数の空洞から構成され、前記第2の部材の前記内面上に含まれ、前記第2の部材の前記内面から上方向に延在し、
前記容器は、使用者が、前記第2の部材上に含まれ前記第2の部材から上方向に延在する前記スリーブから前記バイアルを最初に解放することなく前記注射器外筒を前記バイアルの前記キャップに連結することができるように構成され、
前記第1の部材は、内面と、第1の支持壁と、第2の支持壁とを備え、前記第1および第2の支持壁の各々は、前記第1の部材の前記内面から上方向に延在し、各々は、第1および第2の構造上の特徴を備え、
前記注射器外筒が前記第1の部材の前記第1および第2の支持壁に解放可能に嵌合され得るように、前記第1および第2の支持壁の前記第1の構造上の特徴が相互に整合され、
前記注射器プランジャーロッドが前記第1の部材の前記第1および第2の支持壁に解放可能に嵌合され得るように、前記第1および第2の支持壁の前記第2の構造上の構造が相互に整合され、
前記第1および第2の支持壁の各々の前記第1の構造上の特徴は、前記注射器外筒と解放可能に嵌合するための弓状の陥凹であり、前記第1および第2の支持壁の各々の前記第2の構造上の特徴は、前記注射器プランジャーロッドと解放可能に嵌合するための溝であり、前記注射器外筒および前記注射器プランジャーロッドは、前記第1の部材に対して別に保管されている、ことと、
前記第2の部材の少なくとも前記底面を調整表面と接触するように配置することと、
前記バイアルアダプタを前記第3の部材から取り外すことと、
前記バイアルアダプタを前記第2の部材上に保持された前記バイアルに連結することと、
前記注射器外筒および前記注射器プランジャーロッドを前記第1の部材の前記第1および第2の支持壁の前記第1および第2の構造上の特徴から取り外すことと、
前記注射器プランジャーロッドを前記注射器外筒に連結することによって、前記注射器アセンブリを形成することと、
前記注射器アセンブリを前記バイアルアダプタに接続することと、
前記治療液剤を前記バイアルから前記注射器アセンブリ内へ前記バイアルアダプタを介して抽出することと、
前記治療液剤を含有する前記注射器アセンブリを前記バイアルアダプタから連結解除することと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1、第2、および第3の部材を備える前記容器は、単一構造である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記容器を前記閉鎖構成から前記開放構成に手動で操作することは、前記第1の部材および前記第2の部材を前記第1の部材および前記第2の部材の中間の前記第1のヒンジ周りに相互に対して移動させることと、前記第2の部材および前記第3の部材を前記第2の部材および前記第3の部材の中間の前記第2のヒンジ周りに相互に対して移動させることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記注射器外筒を前記第1の部材から取り外すことは、前記注射器外筒を前記第1の部材から突出している1つ以上のフックから取り外すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記注射器プランジャーロッドを前記第1の部材から取り外すことは、前記注射器プランジャーロッドを前記第1の部材から突出している1つ以上のフックから取り外すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バイアルアダプタを前記バイアルの前記キャップに連結することは、前記バイアルアダプタの内針で前記バイアルの前記キャップを貫通することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バイアルアダプタを前記バイアルに連結することは、前記バイアルアダプタの前記内針が前記バイアルの上部を貫通するように、前記バイアルが前記第2の部材上に保持されている間に、前記バイアルアダプタを前記バイアルの前記上部上へ下向きに手動で押すことを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記注射器アセンブリを前記バイアルアダプタに連結することは、前記注射器外筒のハブを前記バイアルアダプタのコネクタに接続することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記バイアルアダプタは、周辺スカートを備え、
前記バイアルアダプタを前記第3の部材から取り外すことは、前記バイアルアダプタのスカートを前記第3の部材上に形成されたスロットから取り外すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記閉鎖構成において、前記第1の部材および前記第3の部材の各々の前記底面は、実質的に平行であり、
前記開放構成において、前記第1の部材および前記第3の部材の各々の前記底面は、実質的に平行ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
治療液剤の投与のために注射器アセンブリを準備する方法であって、
医療デバイスキットを閉鎖構成から開放構成に手動で操作することであって、前記医療デバイスキットは、
注射器外筒と、
注射器プランジャーロッドと、
キャップおよび基部を有するバイアルと、
バイアルアダプタと、
前記注射器外筒、前記注射器プランジャーロッド、前記バイアル、および前記バイアルアダプタを保持するための容器であって、前記容器は、
内面と、第1の支持壁と、第2の支持壁とを備える第1の部材であって、前記第1および第2の支持壁の各々は、前記第1の部材の前記内面から上方向に延在し、各々は、第1および第2の構造上の特徴を備え、前記第1の部材は、フックを用いて前記注射器外筒を解放可能に保持するように構成され、前記フックは、前記第1および第2の支持壁の前記第1の構造上の特徴の各々に組み込まれ、前記第1および第2の支持壁の前記第2の構造上の特徴との摩擦嵌合により前記注射器プランジャーロッドを解放可能に保持するように構成される、第1の部材と、
内面および外面を有し、スリーブによって前記バイアルをその基部で解放可能に保持するように構成される第2の部材であって、前記スリーブは、複数の壁および複数の空洞から構成され、前記第2の部材の前記内面上に含まれ、前記第2の部材の前記内面から上方向に延在する、第2の部材と、
前記バイアルアダプタを解放可能に保持するように構成される第3の部材と
を備える、容器と
を備える、ことと、
前記第2の部材の少なくとも前記外面を調整表面と接触するように配置することと、
前記バイアルアダプタを前記第3の部材から取り外すことと、
前記バイアルアダプタを前記第2の部材上に保持された前記バイアルに連結することと、
前記注射器外筒および前記注射器プランジャーロッドを前記第1の部材の前記第1および第2の支持壁の前記第1および第2の構造上の特徴から取り外すことと、
前記注射器プランジャーロッドを前記注射器外筒に連結することによって、前記注射器アセンブリを形成することと、
前記注射器アセンブリを前記バイアルアダプタに接続することと、
前記治療液剤を前記バイアルから前記注射器アセンブリ内へ前記バイアルアダプタを介して抽出することと、
前記治療液剤を含有する前記注射器アセンブリを前記バイアルアダプタから連結解除することと
を含む方法。
【請求項12】
前記第1、第2、および第3の部材を備える前記容器は、単一構造である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記注射器外筒を前記第1の部材から取り外すことは、前記注射器外筒を前記第1の部材から突出しているフックから取り外すことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記バイアルアダプタを前記バイアルの前記キャップに連結することは、前記バイアルアダプタの内針で前記バイアルの前記キャップを貫通することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記バイアルアダプタを前記バイアルに連結することは、前記バイアルアダプタの前記内針が前記バイアルの上部を貫通するように、前記バイアルが前記第2の部材上に保持されている間に、前記バイアルアダプタを前記バイアルの前記上部上へ下向きに手動で押すことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記注射器アセンブリを前記バイアルアダプタに連結することは、前記注射器外筒のハブを前記バイアルアダプタのコネクタに接続することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記バイアルアダプタは、周辺スカートを備え、
前記バイアルアダプタを前記第3の部材から取り外すことは、前記バイアルアダプタのスカートを前記第3の部材上に形成されたスロットから取り外すことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記閉鎖構成において、前記第1の部材および前記第3の部材の各々の主面は、実質的に平行であり、
前記開放構成において、前記第1の部材および前記第3の部材の各々の前記主面は、実質的に平行ではない、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
治療液剤の投与のために注射器アセンブリを準備する方法であって、
医療デバイスキットを閉鎖構成から開放構成に手動で操作することであって、前記医療デバイスキットは、
長手方向軸を有する注射器外筒と、
長手方向軸を有する注射器プランジャーロッドと、
長手方向軸を有するバイアルと、
前記注射器外筒、前記注射器プランジャーロッド、および前記バイアルを保持するための容器であって、前記容器は、閉鎖構成および開放構成を有し、前記容器は、
内面と、第1の支持壁と、第2の支持壁とを備える第1の部材であって、前記第1および第2の支持壁の各々は、前記第1の部材の前記内面から上方向に延在し、各々は、第1および第2の構造上の特徴を備え、前記第1の部材は、前記注射器外筒を解放可能に保持するように構成され、前記第1および第2の支持壁の前記第1および第2の構造上の特徴それぞれにおいて前記注射器外筒から分離した前記注射器プランジャーロッドも解放可能に保持するように構成される、第1の部材と、
内面を有し、スリーブによって前記バイアルをその基部で解放可能に保持するように構成される第2の部材であって、前記スリーブは、複数の壁および複数の空洞から構成され、前記第2の部材の前記内面上に含まれ、前記第2の部材の前記内面から上方向に延在する、第2の部材と
を備える、容器と
を備え、
前記容器がその閉鎖位置にあるとき、前記注射器外筒の前記長手方向軸は、前記注射器プランジャーロッドの前記長手方向軸および前記バイアルの前記長手方向軸に略平行であり、
前記容器がその開放位置にあるとき、前記注射器外筒の前記長手方向軸は、前記プランジャーロッドの前記長手方向軸に略平行であり、前記バイアルの前記長手方向軸に略垂直であり、
前記容器は、使用者が、前記第2の部材の前記内面上に含まれ前記第2の部材の前記内面から上方向に延在する前記スリーブから前記バイアルを最初に解放することなく前記注射器外筒を前記バイアルのキャップに組み立てることができるように構成される、ことと、
前記第2の部材の少なくとも前記外面を調整表面と接触するように配置することと、
前記注射器外筒および前記注射器プランジャーロッドを前記第1の部材の前記第1および第2の支持壁の前記第1および第2の構造上の特徴から取り外すことと、
前記注射器プランジャーロッドを前記注射器外筒に連結することによって、前記注射器アセンブリを形成することと、
前記注射器アセンブリを前記バイアルに接続することと、
前記治療液剤を前記バイアルから前記注射器アセンブリ内へ抽出することと、
前記治療液剤を含有する前記注射器アセンブリを前記バイアルから連結解除することと
を含む方法。
【請求項20】
前記注射器外筒を前記第1の部材から取り外すことは、前記注射器外筒を前記第1の部材から突出している1つ以上のフックから取り外すことを含み、前記注射器プランジャーロッドを前記第1の部材から取り外すことは、前記注射器プランジャーロッドを前記第1の部材から突出している1つ以上のフックから取り外すことを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、デバイス容器に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、改善された人間工学、多用途性、耐久性、および/または使いやすさを備えた治療キット用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの人が治療薬による処置を必要とする疾患または医学的状態に罹患している。治療液剤の調製および個人への投与は、多くの場合、2つ以上の薬物または他の物質を混合して、治療液剤を形成し、その後、混合した治療液剤を個人に送達することを伴う。薬物または他の物質の混合は、多くの場合、液体形態の1つの薬物または他の物質をバイアルまたは他の入れ物から抽出し、この薬物または他の物質を、他の薬物または物質を保持する別個の入れ物、例えば、注射器に移すことを伴う。
【0003】
いくつかの治療薬は、治療「キット」の一部として患者および介護者に販売されている。これらのキットは、例えば、1つ以上のバイアル、注射器、および治療液剤を形成する薬物または物質、ならびにこれらの構成要素を収容するための容器を含み得る。
【0004】
既存の治療キット容器は、多くの欠点に悩まされている。例えば、多くの既存の治療キット容器は、過度に大きく、かつ/または十分な耐久性がないため、これらの容器は、保管または移動に便利でも安全でもない。さらなる例として、多くの既存の治療キット容器は、本質的に空の入れ物であり、内部編成の形態を有さず、人間工学的構造に欠くため、使用者は、所定の時間に必要な構成要素を探し出すか、または探し回ることを要求され得る。最後に、多くの既存の治療キット容器は、使用前にそれらの内容物を単に保管することができるが、これらの容器は、治療液剤の調製および投与の際に使用者を実際に支援し得る構造上の特徴を含まない。
【0005】
治療薬を調製および投与する患者および介護者に、改善された人間工学、多用途性、耐久性、および/または使いやすさを提供する新たな治療キット容器が必要とされている。
【0006】
しかしながら、本考察は、主に治療キット容器に焦点を当てているが、本明細書に記載されるデバイス容器のいくつかの実施形態は、治療キットとの使用に限定される必要はなく、様々な非治療および非医療目的で品目を保管するのに好適であり得ることに留意されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、閉鎖構成および開放構成を有する容器に関し得る。容器は、外面を有する第1の部材と、外面を有する第2の部材であって、第1のヒンジによって第1の部材に連結される第2の部材と、外面を有する第3の部材であって、第2のヒンジによって第2の部材に連結される第3の部材とを含み得、容器は、閉鎖構成にあるとき、第1および第3の部材の外面が互いに略平行であり、かつ互いに反対側を向くように構成され、容器は、開放構成にあるとき、第1、第2、および第3の部材の外面が互いに略平行であり、かつ同一方向を向くように構成される。
【0008】
本発明の実施形態は、閉鎖構成および開放構成を有する容器にも関し得る。容器は、天板と、側板であって、バイアルを解放可能に保持するように構成される側板と、底板とを含み得、容器は、閉鎖構成にあるとき、天板および底板が互いに略平行であるように構成され、側板は、天板および底板に略垂直であり、側板は、バイアルの長手方向軸が天板および底板に略平行になるように、バイアルを解放可能に保持するように構成される。
【0009】
本発明の実施形態はさらに、注射器外筒を解放可能に保持するように構成された第1の部材と、バイアルを解放可能に保持するように構成された第2の部材であって、第1のヒンジによって第1の部材に連結される第2の部材と、バイアルアダプタを解放可能に保持するように構成された第3の部材であって、第2のヒンジによって第2の部材に連結される第3の部材とを含み得る容器に関し得る。
【0010】
本発明の実施形態は、注射器外筒と、キャップおよび基部を有するバイアルと、注射器外筒およびバイアルを保持するための容器とを含み得る治療キットにも関し得、この場合、容器は、バイアルをその基部によって解放可能に保持するように構成される部材を含み得、容器は、使用者が最初にバイアルを部材から解放することなく注射器外筒をバイアルのキャップに連結することができるように構成される。
【0011】
本発明の実施形態はさらに、長手方向軸を有する注射器外筒と、長手方向軸を有するバイアルと、注射器外筒およびバイアルを保持するための容器とを含み得る治療キットに関し得、容器は閉鎖構成および開放構成を有し、この場合、容器は、注射器外筒を解放可能に保持するように構成される第1の部材と、バイアルを解放可能に保持するように構成される第2の部材とを含み得、容器がその閉鎖位置にあるとき、注射器外筒の長手方向軸は、バイアルの長手方向軸に略平行であり、容器がその開放位置にあるとき、注射器外筒の長手方向軸は、バイアルの長手方向軸に略垂直である。
【0012】
本発明の実施形態は、バイアルと、注射器外筒と、注射器外筒およびバイアルを保持するための容器とを含み得る治療キットにも関し得、この場合、容器はバイアルを直立位置に解放可能に保持するように構成される部材を含み得、容器は、バイアルが直立位置に解放可能に保持されているときに、バイアルに安定性を提供するように構成され、容器は、バイアルが依然として直立位置に解放可能に保持されているときに注射器外筒がバイアルに連結される場合、注射器外筒に安定性を提供するようにさらに構成される。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、注射器、バイアル、およびバイアルアダプタを解放可能に保持するために構成される容器は、それ自体が外装容器の表面上にラベル表示、マーケティング、または他の製品情報を含み得る大きい外装容器内に収容され得る。
【0014】
注射器、バイアル、およびバイアルアダプタに加えて、本発明のさらなる実施形態では、治療キットは、例えば、製品の説明書、注入針セット、アルコールスワブ、ガーゼパッド、またはバンドエイドなどの追加要素を含み得る。そのような追加要素は、大きい外装容器内に注射器、バイアル、およびバイアルアダプタを保持する同じ容器内、またはキットに含まれる全く別の容器に含まれ得る。
【0015】
本発明の他の実施形態では、単一の治療キットは、複数の注射器、複数のバイアル、および/または複数のバイアルアダプタを保持するように構成され得る。
【0016】
本考察は、主に治療キット容器に焦点を当てているが、本明細書に記載されるデバイス容器のいくつかの実施形態は、治療キットとの使用に限定される必要はなく、様々な非治療および非医療目的で品目を保管するのに好適であり得ることに留意されたい。
【0017】
本発明のさらなる実施形態、特徴、および利点、ならびに本発明の種々の実施形態の構造および動作は、添付の図面を参照して以下で詳細に説明される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
閉鎖構成および開放構成を有する容器であって、
外面を備える第1の部材と、
外面を備える第2の部材であって、第1のヒンジによって前記第1の部材に連結される、第2の部材と、
外面を備える第3の部材であって、第2のヒンジによって前記第2の部材に連結される、第3の部材と、を備え、
前記容器が、前記閉鎖構成にあるとき、前記第1および第3の部材の前記外面が互いに略平行であり、かつ互いに反対側を向くように構成され、
前記容器が、前記開放構成にあるとき、前記第1、第2、および第3の部材の前記外面が互いに略平行であり、かつ同一方向を向くように構成される、容器。
(項目2)
前記第1、第2、および第3の部材が、単一構造として形成される、項目1に記載の容器。
(項目3)
前記第1、第2、および第3の部材が、射出成型プロセスによって形成される、項目2に記載の容器。
(項目4)
前記第1および第2のヒンジがリビングヒンジである、項目1に記載の容器。
(項目5)
前記第2の部材が、バイアルを解放可能に保持するように構成される、項目1に記載の容器。
(項目6)
前記容器が、注射器外筒を解放可能に保持するように構成される、項目5に記載の容器。
(項目7)
前記容器が、使用者が最初に前記バイアルを前記容器から解放することなく前記注射器外筒を前記バイアルに連結することができるように構成される、項目6に記載の容器。
(項目8)
前記バイアルが依然として所定の位置に解放可能に保持されているときに前記注射器外筒が前記バイアルに連結される場合、前記容器が、前記注射器外筒に安定性を提供することができるように構成される、項目6に記載の容器。
(項目9)
閉鎖構成および開放構成を有する容器であって、
天板と、
側板であって、バイアルを解放可能に保持するように構成される、側板と、
底板と、を備え、
前記容器が、前記閉鎖構成にあるとき、
前記天板および底板が、互いに略平行であり、
前記側板が、前記天板および底板に略垂直であり、
前記側板が、前記バイアルの長手方向軸が前記天板および底板に略平行になるように、バイアルを解放可能に保持するように構成される、容器。
(項目10)
前記容器が、前記開放構成にあるとき、
前記天板、側板、および底板が、互いに略平行であり、
前記側板が、前記バイアルの長手方向軸が前記天板、側板、および底板に略垂直になるように、バイアルを解放可能に保持するように構成される、項目9に記載の容器。
(項目11)
前記天板、側板、および底板が、単一構造として形成される、項目9に記載の容器。
(項目12)
前記天板、側板、および底板が、射出成型プロセスによって形成される、項目11に記載の容器。
(項目13)
前記天板、側板、および底板が、1つ以上のリビングヒンジを介して一緒に連結される、項目9に記載の容器。
(項目14)
前記容器が、注射器外筒を解放可能に保持するように構成される、項目9に記載の容器。
(項目15)
前記容器が、使用者が最初に前記バイアルを前記側板から解放することなく前記注射器外筒を前記バイアルに連結することができるように構成される、項目14に記載の容器。(項目16)
前記バイアルが依然として所定の位置に解放可能に保持されているときに前記注射器外筒が前記バイアルに連結される場合、前記容器が、前記注射器外筒に安定性を提供することができるように構成される、項目14に記載の容器。
(項目17)
容器であって、
注射器外筒を解放可能に保持するように構成される第1の部材と、
バイアルを解放可能に保持するように構成される第2の部材であって、第1のヒンジによって前記第1の部材に連結される、第2の部材と、
バイアルアダプタを解放可能に保持するように構成される第3の部材であって、第2のヒンジによって前記第2の部材に連結される、第3の部材と、を備える、容器。
(項目18)
前記第1、第2、および第3の部材が、単一構造として形成される、項目17に記載の容器。
(項目19)
前記第1、第2、および第3の部材が、射出成型プロセスによって形成される、項目18に記載の容器。
(項目20)
前記第1、第2、および第3の部材が、1つ以上のリビングヒンジを介して一緒に連結される、項目17に記載の容器。
(項目21)
前記容器が、使用者が最初に前記バイアルを前記第2の部材から解放することなく前記注射器外筒を前記バイアルに連結することができるように構成される、項目17に記載の容器。
(項目22)
前記バイアルが依然として所定の位置に解放可能に保持されているときに前記注射器外筒が前記バイアルに連結される場合、前記容器が、前記注射器外筒に安定性を提供することができるように構成される、項目17に記載の容器。
(項目23)
治療キットであって、
注射器外筒と、
キャップおよび基部を有するバイアルと、
注射器外筒および前記バイアルを保持するための容器であって、
前記バイアルをその基部によって解放可能に保持するように構成される部材を備える、容器と、を備え、
前記容器が、使用者が最初に前記バイアルを前記部材から解放することなく前記注射器外筒を前記バイアルの前記キャップに連結することができるように構成される、治療キット。
(項目24)
前記容器が、射出成型プロセスによって形成される、項目23に記載の治療キット。
(項目25)
前記容器が、1つ以上のリビングヒンジを使用して開閉するように構成される、項目23に記載の治療キット。
(項目26)
前記バイアルが依然として所定の位置に解放可能に保持されているときに前記注射器外筒が前記バイアルに連結される場合、前記容器が、前記注射器外筒に安定性を提供することができるように構成される、項目23に記載の治療キット。
(項目27)
治療キットであって、
長手方向軸を有する注射器外筒と、
長手方向軸を有するバイアルと、
前記注射器外筒および前記バイアルを保持するための容器であって、閉鎖構成および開放構成を有し、
前記注射器外筒を解放可能に保持するように構成される第1の部材と、
前記バイアルを解放可能に保持するように構成される第2の部材と、を備える、容器と、を備え、
前記容器がその閉鎖位置にあるとき、前記注射器外筒の前記長手方向軸が、前記バイアルの前記長手方向軸に略平行であり、
前記容器がその開放位置にあるとき、前記注射器外筒の前記長手方向軸が、前記バイアルの前記長手方向軸に略垂直である、治療キット。
(項目28)
前記第1および第2の部材が、単一構造として形成される、項目27に記載の治療キット。
(項目29)
前記第1および第2の部材が、射出成型プロセスによって形成される、項目28に記載の治療キット。
(項目30)
前記第1および第2の部材が、リビングヒンジによって一緒に連結される、項目27に記載の治療キット。
(項目31)
前記容器が、使用者が最初に前記バイアルを前記第2の部材から解放することなく前記注射器外筒を前記バイアルに連結することができるように構成される、項目27に記載の治療キット。
(項目32)
前記バイアルが依然として所定の位置に解放可能に保持されているときに前記注射器外筒が前記バイアルに連結される場合、前記容器が、前記注射器外筒に安定性を提供することができるように構成される、項目27に記載の治療キット。
(項目33)
治療キットであって、
バイアルと、
注射器外筒と、
前記注射器外筒および前記バイアルを保持するための容器であって、
前記バイアルを直立位置に解放可能に保持するように構成される部材を備える、容器と、を備え、
前記バイアルが直立位置に解放可能に保持されているときに、前記容器が、前記バイアルに安定性を提供することができるように構成され、
前記バイアルが依然として直立位置に解放可能に保持されているときに前記注射器外筒が前記バイアルに連結される場合、前記容器が、前記注射器外筒に安定性を提供することができるようにさらに構成される、治療キット。
(項目34)
前記容器が、射出成型プロセスによって形成される、項目33に記載の治療キット。
(項目35)
前記容器が、1つ以上のリビングヒンジを使用して開閉するように構成される、項目33に記載の治療キット。
(項目36)
前記容器が、使用者が最初に前記バイアルを前記第2の部材から解放することなく前記注射器外筒を前記バイアルに連結することができるように構成される、項目33に記載の治療キット。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、例として本発明を例証しており、限定するものではなく、説明と共に、本発明の原則を説明するためにさらに機能し、当業者が本発明を為し、かつ利用することを可能にする。
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に従う様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット容器の上からの正面斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に従う閉鎖構成にある治療キット容器の上からの正面斜視図である。
【
図3A】本発明の実施形態に従う閉鎖構成にある治療キット容器の上からの後方斜視図である。
【
図3B】本発明の実施形態に従う閉鎖構成にある治療キット容器の底面図である。
【
図4】本発明の実施形態に従う開放構成にある空の治療キット容器の上からの正面斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に従う様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット容器の上からの正面斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に従う様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット容器の上面図である。
【
図7】本発明の実施形態に従う様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット容器の右側面図である。
【
図8】本発明の実施形態に従う一体に組み立てられた様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット容器の右側面図である。
【
図9A】本発明の実施形態に従う閉鎖構成にある互いの上に積み重ねられた2つの治療キット容器の正面図である。
【
図9B】本発明の実施形態に従う閉鎖構成にある互いの上に積み重ねられた48の治療キット容器の正面図である。
【
図10】本発明の代替えの実施形態に従う様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット容器の上からの正面斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に従う開放構成にある空の治療キット容器の上からの後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、これから、添付の図面に例示されるその実施形態を参照して詳細に説明される。「一実施形態」、「実施形態」、「実施形態の例」等への言及は、記載の実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が、必ずしもそれらの特定の特徴、構造、または特性を含まなくてもよい。さらに、かかる語句は、必ずしも同一の実施形態を指さない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、実施形態に関連して記述されるとき、かかる特徴、構造、または特性を、他の実施形態に関連して作用することは、明確に記載されているか否かにかかわらず、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0021】
多くの人が治療薬による処置を必要とする疾患または医学的状態に罹患している。本明細書で使用される、用語「治療薬」は、疾患もしくは医学的状態の処置または治癒に関連するものを指す。治療的処置は、例えば、薬物、医療デバイス、または身体活動を伴う場合がある。本明細書で使用される、用語「薬物」は、疾患または医学的状態を処置または治癒するための物質を指す。
【0022】
薬物または医療デバイスなどのいくつかの治療薬は、治療「キット」として患者および介護者に販売され得る。
図1は、本発明の実施形態に従う様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット100容器101の上からの正面斜視図である。治療キット100は、治療の投与に使用するための1つ以上の薬物、医療デバイス、および/または他の構成要素を単一のパッケージに収容することができるため、患者および介護者に有用である。
【0023】
図1に図示されるように、治療キット100は、容器101を含み得る。容器101は、例えば、紙パック、箱、木箱、缶、または瓶などの物または材料を収容するように構成されるあらゆるものであり得る。本発明の実施形態に従う容器101は、様々な形状および大きさで提供され、様々な材料から作製され、様々な開閉構成を有し得る。
【0024】
本発明の一実施形態では、図全体を通して図示されるように、治療キット100容器101は、一般的に、その閉鎖構成にあるとき、縁が丸い四角柱のように成形され得る。他の実施形態では、容器101は、一般的に、例えば、真っ直ぐまたは丸い縁のいずれかを有する立方形、三角柱、円柱、球体、円錐形、または円錐台(frustocone)のように成形され得る。いくつかの実施形態では、丸い縁は、敏感な患者に損傷のリスクをあまり与えない可能性があるため望ましい場合がある。
【0025】
その閉鎖構成にある容器101の全体的な大きさは、容器に保管される薬物、医療デバイス、および/または他の構成要素の大きさおよび形状により変動し得る。一実施形態では、容器101は、その閉鎖構成にあるとき、2.1~3.1インチの幅、3.5~4.5インチの長さ、および1.0~2.0インチの高さであり得る。一実施形態では、容器101は、その閉鎖構成にあるとき、約2.6インチの幅、約4.0インチの長さ、および約1.5インチの高さであり得る。いくつかの実施形態では、その閉鎖構成にある容器101の全体的な大きさは、小さい容器101が、特に、複数の容器101を保管または携帯する場合、患者または介護者にとって保管または移動が容易であり得るため、最小化されるべきである。
【0026】
本発明の実施形態に従う治療キット100容器101は、例えば、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、環状オレフィンポリマー、もしくは環状オレフィンコポリマーなどのプラスチック、ボール紙、紙、金属、ガラス、木、またはそれらの組み合わせを含む多種多様な材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、完全にポリプロピレンなどのプラスチックから容器101を形成することは、得られる容器が射出成型プロセスによってコスト効率良く形成することができ、構造的に耐久性があり、防水の両方であるように構成され得るため、望ましい場合がある。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態では、治療キット100は、容器101を収容するための大きい外装容器も含み得る。大きい外装容器は、製造、流通、販売、および/または使用中の様々な時点で容器101を保管し、保護するために使用され得、外装容器の表面上にラベル表示、マーケティング、または他の製品情報を含み得る。大きい外装容器は、例えば、プラスチック、ボール紙、紙、金属、ガラス、木、またはそれらの組み合わせを含む多種多様な材料から作製され得る。
【0028】
本発明の実施形態に従う異なる容器101は、様々な開放および閉鎖構成を有し得る。いくつかの実施形態では、容器101の内部が常に外部環境に開放されていることが望ましい場合がある。そのような実施形態では、容器101は、内容物が開放容器101に自由に追加または取り除くことができる、単一構成のみを有し得る。他の実施形態では、容器が別個の開閉構成を有することが望ましい場合があり、容器101の内容物は、閉鎖構成では外部環境から簡単にアクセスすることができないが、開放構成では、外部環境から簡単にアクセスすることができる。
【0029】
本発明の一実施形態に従って、
図1は、開放構成の治療キット100容器101(様々な構成要素を含む)を図示するが、
図2は、閉鎖構成の治療キット100容器101を図示する。両構成において、容器またはその一部分は、容器101内に1つ以上の内部空間114を形成することができる。
【0030】
図1に図示される容器101は、複数の部材で構成されていると考えることができる。これらの部材は、第1の部材102、第2の部材104、および第3の部材106を含む。他の実施形態では、容器101は、3つより少ない、または多い部材から構成され得る。
図1に図示される第1の部材102および第3の部材106は、比較的大きい平坦な板と、上方向に突出する側壁とを含むが、第2の部材104は、上方向に突出する側壁がない小さい平坦な板に良く似ている。
【0031】
第1の部材102、第2の部材104、および第3の部材106は、1つ以上のヒンジ108によって一緒に接合され得る。
図1に図示される容器101に関して、第1の部材102は、第1のヒンジ108によって第2の部材104に接合され、第2の部材104は、第2のヒンジ108によって第3の部材106に接合される。ヒンジ108は、例えば、リビングヒンジ、背出ヒンジ、フラッシュヒンジ、バレルヒンジ、隠しヒンジ、またはピアノヒンジであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒンジは存在しなくてもよく、容器101の部材は互いに完全に分離可能であり得る。容器101が射出成型プロセスによってプラスチックから形成される実施形態では、様々な部材を接続するリビングヒンジ108は、射出成型プロセス中に形成され得る。
【0032】
本発明の実施形態に従う治療キット100容器101は、治療の投与に使用するための1つ以上の薬物、医療デバイス、および/または他の構成要素を収容することができる。
図1を参照して、一実施形態では、容器100は、注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400を保管するように構成され得る。注射器200は、容器100に保管されている間、任意に、注射器200バレル202および注射器200プランジャーロッド204構成要素に分離することができる。別の実施形態では、容器101は、上に指定したものより少ない、または多い構成要素を保管するように構成されるか、または完全に異なる構成要素を保管するように構成され得る。
【0033】
一部の治療的処置は、治療液剤を調製し、患者に投与することを伴い、これは、2つ以上の薬物または他の物質を混合して、治療液剤を形成することを伴う場合がある。薬物または他の物質の混合は、液体形態の1つの薬物または物質をバイアル300または他の入れ物から抽出し、この薬物物質を、他の薬物または物質を保持する別個の入れ物(注射器200バレル202など)に移すことを伴うことが多い。したがって、本発明の実施形態に関して本明細書に記載されるものなど、容器101を含む治療キット100は、治療薬を調製および投与する患者および介護者に、改善された人間工学、多用途性、耐久性、および/または使いやすさを提供することができる。
【0034】
容器101の構成自体の詳解に戻ると、
図2は、本発明の実施形態に従う閉鎖構成にある治療キット100容器101の上からの正面斜視図である。容器101は、ここでは閉鎖構成で図示されるため、容器101の外面110のみしかこの図において見ることができない。図示されるように、第1の部材102は、閉鎖構成にあるとき、容器101の底半分に位置する。これは、
図1の左側にあるように図示された第1の部材102と同じである。
図2に図示されるように、第3の部材106は、閉鎖構成にあるとき、容器101の上半分に位置する。これは、
図1の右側にあるように図示された第3の部材106と同じである。
図2は、閉鎖構成にある治療キット100容器101の上からの正面斜視図であるため、第2の部材104または任意のヒンジ108のいずれもこの図では見えない。
【0035】
図2に図示されるように、一実施形態では、容器101は、この図で見ることができる正面122および右側128を有すると考えることができる。後側124および左側126は、この図では見えない。加えて、容器101は、第3の部材106の外面110の一部を形成する比較的大きい、平坦な板である天板116を有すると考えることができる。いくつかの実施形態では、容器101は、以下でさらに詳細に記載されるように、閉鎖構成から開放構成に容器101を移行するのに役立ち得る解放要素130も含み得る。
図2では、単一の解放要素130が容器101の右側128に図示される。いくつかの実施形態では、解放要素130は別の箇所に位置するか、または複数の解放要素130が存在し得る。
【0036】
図3Aは、本発明の実施形態に従う閉鎖構成にある治療キット100容器101の上からの後方斜視図である。容器101は、ここでは閉鎖構成で図示されるため、容器101の外面110のみしかこの図において見ることができない。図示されるように、第1の部材102は、閉鎖構成にあるとき、容器101の底半分に位置する。これは、
図2の容器101の底半分にあるように図示された第1の部材102と同じであるが、異なる角度からである。
図3Aに図示されるように、第3の部材106は、閉鎖構成にあるとき、容器101の上半分に位置する。これは、
図2の容器101の上半分にあるように図示された第3の部材106と同じである。
図3Aは、閉鎖構成にある治療キット100容器101の上からの後方斜視図であるため、第2の部材104および2つの別個のヒンジ108の両方ともこの図では見えない。
【0037】
図3Aに図示されるように、一実施形態では、容器101は、この図で見ることができる後側124および左側126を有すると考えることができる。正面122および右側128は、この図では見えない。加えて、
図2に図示された容器101の天板116はこの
図3でも見えるが、異なる角度からである。天板116は、第3の部材106の外面110の一部を形成する比較的大きい、平坦な板である。
図2に図示される容器101の右側128の解放要素130に加えて、いくつかの実施形態では、容器101は、
図3Aに図示されるように、その左側126にも解放要素130を含み得る。以下でさらに詳細に記載されるように、解放要素130は、閉鎖構成から閉鎖構成に容器101を移行するのに役立ち得る。
【0038】
解放要素130は、容器101の第1の部材102に位置するように
図2および
図3Aにおいて図示されるが、他の実施形態では、1つ以上の解放要素130は、代わりに、容器101の第2の部材104または第3の部材106に位置し得る。いくつかの実施形態では、容器101は、互いに垂直に整合される第1の部材102および第3の部材106の両方に解放要素130を含み得る。別の実施形態は、
図11に示されるように、解放要素130を含み得る。
【0039】
実施形態では、
図3Aに図示されるように、容器101は、容器101の上または下に積み重ねられる他の容器101と嵌合するための1つ以上の嵌合要素を含み得ることも留意されたい。例えば、
図3Aに図示されるように、容器101は、第3の部材106の外面110に複数の上部嵌合要素132を含み得る。実施形態では、上部嵌合要素132は、第3の部材106の角に、またはその付近に位置する上方向を向く陥凹であり得る。以下でさらに詳細に説明されるように、1つの容器101の上部嵌合要素132は、複数の容器101を保管または移動のために便宜的かつ確実に積み重ねることができるように別の容器101の相補的要素と嵌合し得る。
【0040】
図3Bは、本発明の実施形態に従う閉鎖構成にある治療キット100容器101の底面図である。容器101は、ここでは閉鎖構成で図示されるため、容器101の外面110のみしかこの図において見ることができない。図示されるように、第1の部材102は、閉鎖構成にあるとき、容器101の底半分に位置する。これは、
図3Aの容器101の底半分にあるように図示された第1の部材102と同じであるが、異なる角度からである。
図3Bは、閉鎖構成にある治療キット100容器101の底面図であるため、第2の部材104および第3の部材106の両方ともこの図では見えない。たまたまリビングヒンジ108であるヒンジ108がこの図で見ることができる。
【0041】
図3Bに図示されるように、一実施形態では、容器101は、第1の部材102の外面110の一部を形成する比較的大きい、平坦な板である底板118を有すると考えることができる。実施形態では、
図3Bに図示されるように、容器101は、容器101の上または下に積み重ねられる他の容器101と嵌合するための1つ以上の嵌合要素を含み得ることも留意されたい。例えば、
図3Bに図示されるように、容器101は、第1の部材102の外面110に複数の底部嵌合要素134を含み得る。実施形態では、底部嵌合要素134は、第1の部材102の角に、またはその付近に位置する下方向を向く伸長部であり得る。以下でさらに詳細に説明されるように、1つの容器101のこれらの底部嵌合要素134は、
図3Aに関して上述されるように、複数の容器101を保管または移動のために便宜的かつ確実に積み重ねることができるように別の容器101の相補的上部嵌合要素132と嵌合し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、上部嵌合要素132および底部嵌合要素134などの嵌合要素は、容器101に存在しなくてもよい。他の実施形態では、嵌合要素は、陥凹もしくは伸長部以外の実質的に異なる嵌合構成を取るか、または陥凹および伸長部の位置が交換されてもよい。
【0043】
容器101の内面112の詳解に戻ると、
図4は、本発明の実施形態に従う開放構成にある空の治療キット100容器101の上からの正面斜視図である。この図では、注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400は、容器101から取り外されている。
【0044】
図4に図示されるように、一実施形態では、第1の部材102は、注射器200を容器101内に解放可能に保持するように設計されるいくつかの構造上の特徴を含み得る。例えば、第1の部材102は、容器101の内面112に1つ以上の支持壁を含み得る。支持壁は、注射器200またはその構成要素と解放可能に嵌合するように構成される上方向に延在する壁であり得る。
【0045】
一実施形態では、第1の部材102は、容器101の内面112に第1の支持壁142と、第2の支持壁144とを含み得る。第1の支持壁142は、容器101の第1の部材102の内面112から上方向に延在し、容器の左側126から容器の右側128まで広がってよい。他の実施形態では、第1の支持壁142は、異なる様式で第1の部材102に対して配向されるか、または片側からもう片側まで容器101全体にわたって広がらなくてもよい。実施形態では、壁は、2つ以上の別個の壁からなり得る。さらに他の実施形態では、「壁」の代わりに、支持構造は、ブロック、球体、または他の好適な形状の支持構造であり得る。
【0046】
一実施形態では、第1の支持壁142は、注射器200またはその構成要素と解放可能に嵌合できるある特定の構造上の特徴を含み得る。例えば、
図4において、第1の支持壁142は、弓状の陥凹146および溝148を含む。他の実施形態では、第1の支持壁142は、追加の弓状の陥凹146および/または溝148を含む、これらの特徴を含まない、または第1の支持壁142を注射器200またはその構成要素と解放可能に嵌合させる追加の構造上の特徴を含み得る。
【0047】
弓状の陥凹146は、注射器200バレル202と解放可能に嵌合するように構成され得る、第1の支持壁142の、そうでなければ連続構造となる場所にある半円形の空洞であり得る。注射器200バレル202が円筒形ではない実施形態では、弓状の陥凹146とは異なって成形される陥凹がより適切であり得る。陥凹の大きさおよび形状は、注射器200バレル202により変動し得る。
【0048】
溝148は、プランジャーロッド204がバレル202とは別に保管される場合に注射器200プランジャーロッド204と解放可能に嵌合するように構成され得る、第1の支持壁142の、そうでなければ連続構造となる場所にある、スリット、薄い矩形の彫られた、薄い三角形の彫られた、または他の好適な空洞であり得る。ビームのうちの1つが下方向に溝148に延在し得るように、注射器200プランジャーロッド204が4つの等間隔の支持ビームから形成される「X」形状の断面を有する実施形態では、溝148が適切であり得る。注射器200プランジャーロッド204が「X」形状の断面を有さない実施形態では、
図4に示されるものとは異なって成形される溝148がより適切であり得る。溝148の大きさおよび形状は、注射器200プランジャーロッド204により変動し得る。
【0049】
一実施形態では、第1の支持壁142に加えて、容器101の第1の部材102の内面112は、第2の支持壁144も含み得る。第2の支持壁144は、容器101の第1の部材102の内面112から上方向に延在し、容器の左側126から容器の右側128まで広がってよい。他の実施形態では、第2の支持壁144は、異なる様式で第1の部材102に対して配向され得る。実施形態では、第1の支持壁142は、容器101の正面122付近に位置するが、第2の支持壁144は、容器101の後側124付近に位置し得る。
【0050】
一実施形態では、第2の支持壁144は、注射器200またはその構成要素、および場合によりバイアル300またはその一部分と解放可能に嵌合できるある特定の構造上の特徴を含み得る。例えば、
図4において、第2の支持壁144は、弓状の陥凹146および溝148を含む。他の実施形態では、第2の支持壁144は、追加の弓状の陥凹146および/または溝148を含む、これらの特徴を含まない、または第2の支持壁144を注射器200またはその構成要素と解放可能に嵌合させる追加の構造上の特徴を含み得る。実施形態では、第2の支持壁144は、容器101が閉鎖構成にあるとき、バイアル300の形状と一致するように設計された弓状の陥凹146を含み得、バイアル300および第1の部材102の第2の支持壁144は、互いに近接される。
【0051】
第1の支持壁142に関して記載される弓状の陥凹146と同様に、第2の支持壁144の弓状の陥凹146は、注射器200バレル202と解放可能に嵌合するように構成され得る第2の支持壁144の、そうでなければ連続構造となる場所にある半円形の空洞であり得る。注射器200バレル202が円筒形ではない実施形態では、弓状の陥凹146とは異なって成形される陥凹がより適切であり得る。陥凹の大きさおよび形状は、注射器200バレル202により変動し得る。
【0052】
第1の支持壁142に関して記載される溝148と同様に、第2の支持壁144の溝148は、プランジャーロッド204がバレル202とは別に保管される場合に注射器200プランジャーロッド204と解放可能に嵌合するように構成され得る、第2の支持壁144の、そうでなければ連続構造となる場所にある、スリット、薄い矩形の彫られた、薄い三角形の彫られた、または他の好適な空洞であり得る。ビームのうちの1つが下方向に溝148に延在し得るように、注射器200プランジャーロッド204が4つの等間隔の支持ビームから形成される「X」形状の断面を有する実施形態では、溝148が適切であり得る。注射器200プランジャーロッド204が「X」形状の断面を有さない実施形態では、
図4に示されるものとは異なって成形される溝148がより適切であり得る。溝148の大きさおよび形状は、注射器200プランジャーロッド204により変動し得る。
【0053】
本発明の実施形態では、第1の支持壁142および第2の支持壁144の弓状の陥凹146および/または溝148は、第1の部材102が容器101内の空間を効果的に使用するように注射器200バレル202および注射器200プランジャーロッド204を保持することができるように、互いに整合され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の支持壁142および/または第2の支持壁144は、溝148に加えて、1つ以上の他の好適な空洞を含み得る。例えば、
図11は、4つの等間隔の支持ビームから形成される「X」形状の断面を有する注射器200プランジャーロッド204が追加の空洞または溝を形成する第1の支持壁142および/または第2の支持壁144材内に設置することができる、および/またはそれによって保持されるように、追加の空洞または溝が第1の溝148に垂直に成形および配置された実施形態を示す。いくつかの実施形態では、第1の支持壁142および/または第2の支持壁144は、1つ以上のフック150など、容器101内に注射器200プランジャーロッド204を解放可能に保持するように設計される構造上の特徴を含み得る。
【0055】
他の実施形態では、第1の支持壁142および/または第2の支持壁144は、
図11に図示される弓状の陥凹146内に組み込まれ得る1つ以上のフック150など、容器101内に注射器200バレル202を解放可能に保持するように設計される構造上の特徴を含み得る。
【0056】
一実施形態では、
図4に図示されるように、第1の部材102は、注射器200を容器101内に解放可能に保持するように設計されるいくつかの追加の構造上の特徴を含み得る。例えば、第1の部材102は、容器101の内面112に1つ以上のフック150も含み得る。フック150は、球根状に湾曲されるか、またはさもなければ注射器200もしくはその構成要素と解放可能に嵌合するように構成される第1の部材102の成形された伸長部またはその追加物であり得る。
【0057】
一実施形態では、第1の部材102は、容器101の内面112に第1の支持壁142と、第2の支持壁144とを含み得る。第1の支持壁142は、注射器200バレル202と嵌合するための1つのフック150と、注射器200プランジャーロッド204と嵌合するための別のフック150とを有し得る。以下でさらに詳細に記載されるように、第1の支持壁142および第2の支持壁144は、注射器200バレル202および注射器200プランジャーロッド204が摩擦嵌合により容器101に解放可能に設置され、そこから取り外すことができるように、これらのフック150と連携して動作し得る。
【0058】
他の実施形態では、フック150は、注射器200を解放可能に保持するそれらの機能を補助することができるヒンジ、バネ、または他の構造上の特徴を含み得る。さらに他の実施形態では、ヒンジ、バネ、または他の構造上の特徴は、フック150がなく存在し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、別個のフック150は、存在しなくてよい。代わりに、
図11に示されるように、第1の支持壁142および/または第2の支持壁144は、弓状の陥凹146内に直接組み込まれるが、別々のフック150ではない、容器101内に注射器200バレル202および/またはプランジャーロッド204を解放可能に保持するように設計される、構造上の特徴を含み得る。
【0060】
図4をさらに参照して、他の実施形態では、第2の部材104は、バイアル300または他の入れ物を容器101内に解放可能に保持するように設計される構造上の特徴を含み得る。例えば、第2の部材104は、容器101の内面112に、バイアル300もしくはその構成要素と解放可能に嵌合するためのスリーブ152または他の構造を含み得る。
【0061】
様々な実施形態では、第2の部材104の内面112は、様々な異なる配向でバイアル300を保持するように構成され得る。例えば、
図4に図示されるように、第2の部材104は、略円筒形に成形されたバイアル300を解放可能に保持するのに適し得る円筒形のスリーブ152を含み得る。円筒形状のスリーブ152は、これらの構造が円筒形状のスリーブ152内に嵌合により適合することができるため、そのキャップ302または基部304によってバイアルを解放可能に保持するのに最適であり得る。他の実施形態では、スリーブ152は、バイアル300をその側面に保持するために、必要に応じて他の形状を取ることができる。
【0062】
バイアル300が円筒形ではない実施形態では、
図4のスリーブ152とは異なって成形されるスリーブ152がより適切であり得る。スリーブ152の大きさおよび形状は、バイアル300により変動し得る。加えて、他の実施形態において、スリーブ152以外の手段がバイアルを固定するために使用され得る。例えば、接着剤、面ファスナー(hook and look fastener)、スナップ式、スロット、または他の手段が使用され得る。
【0063】
図4に示される実施形態では、スリーブ152は、等間隔であり、4つの等間隔の空洞を画定する4つの上方向に延在する壁を含む。スリーブ152は、略円筒形、略円錐台、または他の適切な形状を形成することができる。いくつかの実施形態では、スリーブ152は、3つより少ない、または多い上方向に延在する壁および空洞を含み得る。スリーブ152は、第2の部材104の内面112の中心にあるか、または中心からずれていてもよい。
【0064】
図4をさらに参照して、他の実施形態では、第3の部材106は、バイアルアダプタ400を容器101内に解放可能に保持するように設計される構造上の特徴を含み得る。いくつかの実施形態では、バイアルアダプタ400は、その基部にスカート404を有し得る。したがって、第3の部材106は、容器101の内面112に、バイアルアダプタ400スカート404と接触するための1つ以上のスロット154および/またはガイド156を含み得る。
【0065】
図4に示されるように、スロット154は、第3の部材106の底部および/または側壁から延在する比較的短いレールまたはタブからなってよい。他の図を参照して以下でさらに詳細に説明されるように、バイアルアダプタ400を容器101に解放可能に固定するために、1つ以上のスロット154下でバイアルアダプタ400のスカート404、またはその一部分を摺動または屈曲させ、挿入することが可能であり得る。
図4は、第3の部材106の左側126の側壁から延在する1つのスロット154、および第3の部材106の底部の右側から延在する1つのスロット154を示す。他の実施形態では、2つより少ない、または多いスロット154が採用されるか、またはスロットは完全に省くことができる。
【0066】
図4にさらに示されるように、ガイド156は、第3の部材106の底面から上方向に延在する比較的小さい隆起からなってよい。他の図を参照して以下でさらに詳細に説明されるように、1つ以上のスロット154と組み合わせて、バイアルアダプタ400を容器101に解放可能に固定するために、1つ以上のガイド156を超えて、またはそれにわたってバイアルアダプタ400のスカート404、またはその一部分を摺動または屈曲させ、挿入することが可能であり得る。
図4は、第3の部材106の底面から第3の部材106の左側126に向かって延在する1つのガイド156突起、および第3の部材106の底面から第3の部材106の右側128に向かって延在する別のガイド156突起を示す。他の実施形態では、2つより少ない、または多いガイド156が採用されるか、またはガイド156は完全に省くことができる。いくつかの実施形態では、ガイド156は、小さい突起以外の他の構成を取ることができる。
【0067】
図4は、開放構成から閉鎖構成およびその逆も同様に、容器101を移行するのに役立ち得る容器101の例示的な構成要素も図示する。
【0068】
一実施形態では、連続する2段縁138は、容器101の第1の部材102の側壁の上端にわたって広がる。図示される実施形態では、容器101がその閉鎖構成にあるときに第2の部材104を収容する必要があるため、側壁にも不連続部がある所に、この底部縁138に不連続部がある。
【0069】
加えて、容器101の第3の部材106の側壁の上端にわたって広がる相補的な連続する2段縁136が存在し得る。図示される実施形態では、容器101がその閉鎖構成にあるときに第2の部材104を収容する必要があるため、側壁にも不連続部がある所に、この上部縁136に不連続部がある。
【0070】
底部縁138および上部縁136は、容器101がその閉鎖構成に移行されるときに嵌合により連結し得る。この構成では、1つの縁の2段配列が他の縁の反対側の2段配列と一致し、閉鎖された密封を作り出す。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、この閉鎖された密封は、1つ以上の閉鎖要素140により、意図しない開口が起こらないように係止し得る。閉鎖要素140は、様々なレベルの複雑性の任意の好適な係止手段であり得る。一実施形態では、
図4に図示されるように、閉鎖要素140は、スナップ嵌め要素からなってよい。スナップ嵌めは、部品間の取り付けが、接合される構成要素のうちの1つまたはもう一方と同種である係止特徴により達成され得る機械的接合システムである。接合は、嵌合部品と係合するために横に移動し、その後、構成要素を一緒に留めるために必要とされる干渉を達成するためにその元の位置に係止特徴を戻す可撓性の係止特徴を必要とする。
【0072】
一実施形態では、スナップ嵌め閉鎖要素140は、第1の部材102の底部縁138上に1つ以上の係止突出部、および第3の部材106の上部縁136上に対応する嵌合係止凹部を含み得る。容器101がその開放構成からその閉鎖構成に操作されるとき、第3の部材106の上部縁136は、上部縁136の係止凹部が底部縁138の係止突出部にわたって摺動し、よって、第1の部材102に対して第3の部材106を定位置に係止するように、第1の部材102の底部縁138に移動され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、容器101は、
図2および
図3Aに示される解放要素130など、閉鎖構成から閉鎖構成に容器101を移行するのに役立ち得る解放要素130も含み得る。より具体的には、第1の部材102の左側126および右側128はそれぞれ、容器101の外面110の底部縁138上の係止突出部のちょうど下に位置する球状の窪みの形状で解放要素130を有し得る。例示的な解放要素130は、
図4に見ることができる。係止機構を解放するために、使用者は、第1の部材102の側壁および底部縁138をわずかに内方向に屈曲させることができる1つ以上の解放要素130に圧力を適用してよい。この内方向の屈曲により、底部縁138上の係止突出部が上部縁136上の係止凹部を有する係止構成から引き出されてよい。したがって、第1の部材102および第3の部材106は相互に解放され、容器101は開放構成に操作され得る。
【0074】
他の実施形態では、別の閉鎖要素140および解放要素130を採用する他の種類の係止機構が採用され得る。いくつかの実施形態では、2組より少ない、または多い閉鎖要素140および解放要素130が採用され、いくつかの実施形態では、閉鎖要素140および解放要素130は、全く使用されなくてよい。
【0075】
図5~7は、本発明の実施形態に従う容器の中に保管される様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット容器の様々な図を図示する。
【0076】
図5は、本発明の実施形態に従う様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット容器の上からの正面斜視図である。
図5は、注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400が
図5において容器の定位置にあることを除き、
図4のものに類似する図を図示する。
【0077】
特に
図5および6に図示されるように、本発明の実施形態では、第1の部材102の第1の支持壁142および第2の支持壁144は、摩擦嵌合により注射器200バレル202および注射器200プランジャーロッド204を定位置に解放可能に保持するために、第1の部材102の2つのフック150と連携して動作し得る。
【0078】
具体的には、注射器200バレル202および注射器200プランジャーロッド204は、バレル202およびプランジャーロッド204をほぼ定位置に置き、バレル202およびプランジャーロッド204が定位置に移動する間、フック150が一時的に曲がる、ずれる、またはさもなければ一時的に外れるように、それらに下方向の圧力を適用することにより容器101の第1の部材102内に設置され得る。最終的には、フック150は、バレル202およびプランジャーロッド204を定位置に解放可能に保持するために必要とされる干渉を達成するために、それらの元の位置に(またはそれ付近に)再整合する動作の自由を有する。
【0079】
図5に図示されるように、いくつかの実施形態では、第1の部材102は、注射器200のバレル202のバックストップ206(またはフィンガーフランジ)およびハブ208を収容するための開放空間、および注射器200のプランジャーロッド204の頭部210を収容するための開放空間により構成され得る。他の実施形態では、第1の部材102は、注射器200のバックストップ206、ハブ208、および/または頭部210に連結するための特定の構成要素により(例えば、追加の支持壁、フック、または他の構造上の要素により)特定的に構成され得る。
【0080】
第1の部材102からバレル202およびプランジャーロッド104を取り外すことが望ましい場合、バレル202およびプランジャーロッド204が第1の部材102から引き出される間、フック150が一時的に曲がる、ずれる、またはさもなければ一時的に外れるように、上方向の圧力がバレル202およびプランジャーロッド104に適用され得る。最終的には、フック150は、それらの元の位置に(またはそれ付近に)再整合する動作の自由を有する。
【0081】
図5~7に図示されるように、本発明の実施形態では、第2の部材104のスリーブ152は、バイアル300または他の入れ物を容器101内に解放可能に保持するように構成され得る。第2の部材104は、略円筒形に成形されたバイアル300を解放可能に保持するのに適し得る円筒形または略円錐台に成形されたスリーブ152を含み得る。
図6に示される実施形態では、スリーブ152は、等間隔であり、4つの等間隔の空洞を画定する4つの上方向に延在する壁を含む。いくつかの実施形態では、スリーブ152は、3つより少ない、または多い上方向に延在する壁および空洞を含み得る。スリーブ152は、第2の部材104の内面112の中心にあるか、または中心からずれていてもよい。
【0082】
この例示的なスリーブ152の構成により、実施形態では、スリーブは、
図7に最良に図示されるように、その基部304によってバイアル200を解放可能に保持するように構成され得る。この様式では、バイアル300は直立に保持され、その基部304はスリーブ152によって確実に把持され、そのキャップ302は、第2の部材104から離れて上方向に提示される。スリーブ152の4つの壁は、摩擦嵌合により、その基部304によってバイアル200を保持するように連携して動作し得る。
【0083】
具体的には、バイアル300は、バイアル300をほぼ定位置に置き、バイアル300が定位置に移動する間、スリーブ152の4つの壁がわずかに外側に変形するように、それに下方向の圧力を適用することにより、容器101の第2の部材104内に設置され得る。いくつかの実施形態では、略円筒形状のスリーブ152は、バイアル300の基部304の高さに沿って比較的等しく圧力を適用することができるが、上方向に先細りされる略円錐台に成形されたスリーブ152は、バイアル300の基部304のより高い点にわずかに大きい圧力を提供することができる。
【0084】
図5~6に図示されるように、本発明の実施形態では、第3の部材106のスロット154およびガイド156は、バイアルアダプタ400を容器101内に解放可能に保持するように構成され得る。
図6に図示されるように、スロット154は、第3の部材106の底部および/または側壁から延在する比較的短いレールまたはタブからなってよい。
図6に見られるように、バイアルアダプタ400を容器101に解放可能に固定するために、1つ以上のスロット154下でバイアルアダプタ400のスカート404、またはその一部分を摺動または屈曲させ、挿入することが可能であり得る。
【0085】
図6にさらに示されるように、ガイド156は、第3の部材106の底面から上方向に延在する比較的小さい隆起からなってよい。実施形態では、1つ以上のスロット154と組み合わせて、摩擦嵌合によりバイアルアダプタ400を容器101に解放可能に固定するために、1つ以上のガイド156を超えて、またはそれにわたってバイアルアダプタ400のスカート404、またはその一部分を摺動または屈曲させ、挿入することが可能であり得る。
【0086】
具体的には、バイアルアダプタ400は、バイアルアダプタ400をほぼ定位置に置き、バイアルアダプタ400のスカートが屈折し、ガイド156突起を通過するように、それに摺動圧力を適用することにより、または可撓性のスカート404の端部が、スロット154の下に嵌まるまで、一時的に屈曲または折り畳まれるように、バイアルアダプタ400の可撓性のスカート404に圧力を適用することにより、容器101の第3の部材106内に摺動または設置され得る。
【0087】
本発明の実施形態に関して本明細書に記載されるものなど、容器101を含む治療キット100は、治療薬を調製および投与する患者および介護者に、改善された人間工学、多用途性、耐久性、および/または使いやすさを提供する。いくつかの実施形態では、場合により、第1の部材102、第2の部材104、および第3の部材106を含む容器101は、それらの内容物を最適に隠し、使用者に提示するために、開放と閉鎖構成との間を様々な方法で操作することができる。
【0088】
一実施形態では、容器101は、
図2に図示されるように、閉鎖構成にあるとき、第1の部材102および第3の部材106の外面110が互いに略平行であり、かつ互いに反対側を向くが、
図4に図示されるように、開放構成にあるとき、第1の部材102、第2の部材104、および第3の部材106の外面110は、互いに略平行であり、かつ同一方向を向くように構成される。
【0089】
別の実施形態では、容器101は、閉鎖構成にあるとき、第3の部材106の天板および第1の部材102の底板が互いに略平行であり、第2の部材104の側板などの側板が天板および底板に略垂直であるように構成され得る。容器101は、閉鎖構成にあるとき、側板が、バイアル300の長手方向軸(すなわち、そのキャップ302とその基部304との間のバイアル300の中心を走る軸)が天板および底板に略平行になるようにバイアル300を解放可能に保持するように構成されるようにさらに構成され得る。
【0090】
また別の実施形態では、容器101は、閉鎖構成にあるとき、注射器200バレル202の長手方向軸(すなわち、そのバックストップ206とそのハブ208との間の注射器200バレル202の中心を走る軸)がバイアル300の長手方向軸に略平行であり、開放構成にあるとき、注射器200バレル202の長手方向軸がバイアル300の長手方向軸に略垂直であるように構成され得る。
【0091】
図7は、本発明の実施形態に従う解体された注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400を含む開放構成にある治療キット容器101の右側面図である。逆に、
図8は、本発明の実施形態に従う一体に組み立てられた注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400を含む開放構成にある治療キット容器101の右側面図である。
【0092】
前述のように、治療液剤の調製および個人への投与は、2つ以上の薬物または他の物質を混合して、治療液剤を形成し、その後、混合した治療液剤を個人に送達することを伴うことが多い。薬物または他の物質の混合は、液体形態の1つの薬物または他の物質をバイアル300または他の入れ物から抽出し、この薬物または他の物質を、他の薬物または物質を保持する別個の入れ物、例えば、注射器200に移すことを伴うことが多い。
【0093】
したがって、
図8を参照して、本発明の実施形態では、治療液剤を調製するために、注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400を接続することが望ましい場合がある。一実施形態では、バイアルアダプタ400のスカート404がバイアル300キャップ302の外縁上に載っている間に、注射器200プランジャーロッド204は注射器200バレル202内に挿入され、係止され、注射器200バレル202のハブ208はバイアルアダプタ400のコネクタ402に取り付けられ、バイアルアダプタ400の内針(図示せず)はバイアル300のキャップ302を貫通し得る。
【0094】
注射用の治療液剤を調製するための注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400を連結するための例示的な方法が、ここで説明される。しかしながら、様々な他の方法およびステップの順序が、治療液剤の調製を達成するために代替えとして使用され得る。
【0095】
最初に、使用者は、第2の部材104が調製面上に平らに置かれ、バイアル300のキャップ302の上部が上向きに提示されるように、容器101を開ける。次に、使用者は、他の解放可能な保持機構のスロット154の外にバイアルアダプタ400を摺動することにより、容器101の第3の部材106からバイアルアダプタ400を取り外す。次いで、使用者は、バイアル300のキャップ302の上部にバイアルアダプタ400を設置し、バイアルアダプタ400の内針(図示せず)がバイアル300のキャップ302を貫通し得るように、バイアルアダプタ400を下方向に押す。他の実施形態では、バイアルアダプタ400およびバイアル300は、バイアル300のキャップ302を貫通するバイアルアダプタ400の内針を有すること以外の機構によって接続することができる。例えば、バイアルアダプタ400は、バイアル300のキャップ302の適合する締結機構と嵌合することができる締結機構を含み得る。好適な締結機構は、例えば、プラスチックのルアーロック、または他の好適なネジ式、摩擦嵌合、もしくは他の締結手段を含み得る。
【0096】
次に、使用者は、容器101の第1の部材102から注射器200のバレル202およびプランジャーロッド204を、第1の支持壁142、第2の支持壁144、フック150、または他の解放可能な保持機構から解放することによって、取り外すことができる。使用者は、次いで、注射器200のバレル202およびプランジャーロッド204を一体に組み立て、完全な注射器200を形成することができる。この時点で、使用者は、注射器200ハブ208をバイアルアダプタのコネクタ402に接続することにより、注射器200をバイアルアダプタ400に接続することができる。バイアルアダプタのコネクタ402および/または注射器のハブ208は、互いの適合する締結機構と嵌合することができる締結機構を含み得る。好適な締結機構は、例えば、プラスチックのルアーロック、ルアーコーン、ルアースリップ、または他の好適なネジ式、摩擦嵌合、もしくは他の締結手段を含み得る。
【0097】
図8に図示され、上述されるように、注射器200、バイアルアダプタ400、およびバイアル300を長い連続する構造に組み立てるのは、患者および介護者にとって難しい場合がある。一部の個人は、注射器200プランジャーロッド204の頭部210が上を指す、バイアル300の基部がテーブルの上面などの水平面にある直立様式で構造を組み立てる試みを好む。しかしながら、この配列は、非常に不安定であり、配列が積み重ねられているテーブルのわずかな振動または移動など、ほんの少しの環境の支障により倒れ安い可能性がある。バイアルアダプタ400の内針がバイアル300のキャップ302を貫通するように使用者がバイアルアダプタ400を下に押す点は、装置が安定していない場合に装置全体が倒れる可能性がある、特に不安定なときである。同様の潜在的な不安定さは、使用者が注射器200ハブ208をバイアルアダプタのコネクタ402に接続することによって注射器200をバイアルアダプタ400に接続するときにも生じ得る。加えて、物質がバイアル300から注射器200に引き込まれるとき、配列は、上が重くなり、よって、さらに不安定になる。
【0098】
本発明の実施形態に従って、これらの問題は、患者または介護者が注射器200、バイアルアダプタ400、およびバイアル300を一体に組み立てることができ、同時に、これらの要素が容器101自体によって支持されるように、容器101を構成することによって解決することができる。これは、容器101によって着脱可能に固定され得るバイアル300から開始する要素の連続構成を構築することによって達成することができる。
【0099】
さらに、本発明の実施形態に従って、容器101は、バイアル300の基部304が容器101に着脱可能に固定され得、同時に、バイアルのキャップ302が上方向に示され、バイアルアダプタ400により自由に係合されるが、バイアル300の基部304が依然として定位置に保持されるように構成され得る。
【0100】
加えて、本発明の実施形態に従って、容器101は、容器101がその閉鎖構成からその開放構成に操作されるとき、バイアル300を移動またはさもなければ再配向する必要がないが、バイアルアダプタ400によって係合されるように自動的に適切な位置にあるように、バイアル300を固定することができる。この方法により、バイアル300が保管中に配向される方法に関わらず、バイアル300のキャップ302は、開放構成にあるとき、上方向に示され得る。
【0101】
上述のように、第1の部材102、第2の部材104、および第3の部材106を採用する実施形態では、容器101の配列は、バイアル300の基部として機能する、スリーブ152を含む中央の第2の部材102を基盤とし、支持する拳部材102および第3の部材106が幅広い安定した基部を提供することができるという点で、さらに利点を提供することができる。
図8に図示されるように、この構成では、注射器200、バイアルアダプタ400、バイアル300配列に作用する力は、それを不安定にさせる可能性があるが(湾曲した矢印によって図示される)、相互接続された第1の部材102、第2の部材104、および第3の部材106によって提供される安定した基部は、そのような力に耐えることができる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態では、組み立て中に作業表面(テーブルなど)と接触し得る第1の部材102、第2の部材104、および/または第3の部材106の部分は、配列をさらに安定させるために、容器101と作業表面との間の摩擦を増加するように特別に適合され得る。例えば、いくつかの実施形態では、質感の増加は、ゴムなどの材料を使用することにより、あるいは刻みを付ける、たたき塗りする、または窪み、隆起、もしくは他の質感表面要素を追加することにより提供され得る。
【0103】
したがって、そのような容器101構成は、改善された人間工学、多用途性、耐久性、および/または使いやすさを提供できる場合がある。
【0104】
加えて、おそらく
図4に最良に図示されるように、いくつかの実施形態では、バイアルのキャップ302に設置するためにバイアルアダプタ400が第3の部材106から取り外される場合、第3の部材106の内面112は、本質的に、開放された減菌作業領域となる。この開放空間は、注射を調製する間、注射器200、格納したバイアルアダプタ400、または他の付属要素(例えば、説明書、注入針セット、アルコールスワブ、ガーゼパッド、またはバンドエイド)を一時的に設定または保管するための作業または中継領域として有利に使用することができる。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態では、使用者が彼らの意図する目的(例えば注射の投与)の治療キット100容器101の要素の使用を完了した場合、その要素は、廃棄のために容器101に戻されてよい。容器101が耐久性のあるポリプロピレンなどの耐久性のある材料から作製され、閉鎖要素140などの好適な閉鎖機構を有する実施形態では、容器101は、注射器200の針などの危険および/または有害な可能性のある品目を配置するための耐久性のある確実な手段として機能し得る。
【0106】
図9Aおよび9Bを参照して、それらの閉鎖構成にあるとき、本発明の実施形態に従う容器101を、それらの人間工学的特徴およびコンパクトな大きさのため、大量に積み重ねて保管することができ得る。
【0107】
図9Aでは、第1の容器101は、第2の容器101の上に積み重ねられる。上に説明されるように、上の容器101は、その第1の部材102の外面110上に複数の底部嵌合要素134を含むことができ、同時に、下の容器101は、その第3の部材106の外面110上に複数の上部嵌合要素132を含むことができる。1つの容器101の底部嵌合要素134は、複数の容器101が保管または移動のために便宜的かつ確実に積み重ねることができるように、他の容器101の相補的な上部嵌合要素132と嵌合することができる。
【0108】
図9Bは、互いに積み重ねられた48個の個々の容器101を図示する。ある特定の疾患または医療状態は、冷却している間のみ有意な時間期間安定している薬物の投与を必要とする場合がある。これらの同じ疾患または医学的状態が頻繁な(例えば毎日)投与量を必要とし得る範囲内において、複数の薬物販売者への外出が必要ではないように冷却下で大量の薬物を保管することができることは、患者および介護者にとって重要であり得る。一般的な制限された冷却環境は、例えば、家庭用冷蔵庫、寮用冷蔵庫、または病院用冷蔵庫を含み得る。
【0109】
そのような薬物が治療キット100の一部として最も便宜的に流通し、使用される範囲内で、そのようなキット100の容器101は、できる限り小さくかつ容易に積み重ねが可能であるべきである。したがって、便利な人間工学の積み重ね特徴に加えて比較的コンパクトな寸法を有する上述の本発明の実施形態に従う容器100は、バルク保管の必要性を有する利点を患者または介護者に提供することができる。
【0110】
例えば、安定を維持するために冷却を必要とする薬物などの薬物と使用するためのいくつかの実施形態では、容器101の断熱レベルを増加することが望ましい場合がある。この方法では、容器(およびその中に保有される薬物)は、暖かい環境において、バックパック、財布、おむつ袋、または手荷物などの冷却されない旅行鞄で旅行するときに使用者が容器101を持ち運ぶ場合でも、より長く冷たいままである。一実施形態では、容器101は、第1の部材102、第2の部材104、および第3の部材106を構成する容器101の壁を厚くすることにより断熱される。別の実施形態では、容器101は、例えば、鉱滓綿、ガラス綿、可撓性の弾性発泡体、剛性発泡体、ポリエチレン、シリカエアロゲル断熱材、または空気もしくは水などのガスまたは液体で充填された空気袋から作製された層など、追加の断熱層を容器101に適用することにより断熱される。
【0111】
図10は、本発明の代替えの実施形態に従う様々な構成要素を含む開放構成にある治療キット100容器101の上からの正面斜視図である。
【0112】
図1および4~6に図示される治療キット100容器101の内面112とは対照的に、この代替え容器101は、上に前述された注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400のうちのいくつかを異なる位置に保管するように構成されることに留意されたい。具体的には、
図10の実施形態では、バイアル300に加えて、注射器200バレル202および注射器プランジャーロッド204は両方とも、容器101の中央の第2の部材104に解放可能に固定される。したがって、第1の部材102および第3の部材106のうちの1つは、バイアルアダプタ400を収容するように残されるが、これらの部材のうちのもう一方は、開放された減菌作業領域として残される。この作業領域は、注射を調製する間、注射器200、格納したバイアルアダプタ400、または他の付属要素(例えば、説明書、注入針セット、アルコールスワブ、ガーゼパッド、またはバンドエイド)を一時的に設定または保管するために有利に使用することができる。
【0113】
本明細書に詳解される本発明の実施形態に従う容器101により潜在的に収容された医療構成要素は、主に、注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタであったが、他の実施形態では、容器101は、製品の説明書、注入針セット、アルコールスワブ、ガーゼパッド、またはバンドエイドを保管および/または解放可能に保持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、これらの付属要素は、代替えとして、製造、流通、販売、および/または使用中の様々な時点で容器101を保管し、保護するために使用され得る大きな外装容器に保管および/または保持され得る。
【0114】
他の実施形態では、単一の容器101は、複数の注射器200、複数のバイアル300、および/または複数のバイアルアダプタを保持するように構成され得る。様々な実施形態では、第2の部材104は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ以上のバイアル300を保持するように構成され得る。
【0115】
加えて、本発明の例示的な実施形態は、容器の第1の部材102、第2の部材104、または第3の部材106のいずれかに特定の構成要素を解放可能に保持するように記載されてきたが、本発明はそのように限定される必要はない。いくつかの実施形態では、注射器200は、第1の部材102、第2の部材104、または第3の部材106のいずれかによって解放可能に保持され、バイアル300は、第1の部材102、第2の部材104、または第3の部材106のいずれかによって保持され、バイアルアダプタ400は、第1の部材102、第2の部材104、または第3の部材106のいずれかによって保持され得る。実施形態では、注射器200、バイアル300、およびバイアルアダプタ400のそれぞれは、第1の部材102、第2の部材104、または第3の部材106のうちの1つによってのみ解放可能に保持され得る。
【0116】
さらに、本発明の例示的な実施形態の多くは、第1の部材102、第2の部材104、または第3の部材106を有する容器101の文脈において記載されるが、本発明の他の実施形態に従う容器101は、3つより少ない、または多い部材を有してよい。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態では、異なるキット100および/または容器101が異なる治療薬またはその用量のために設計され得る。例えば、ある特定の容器101は、異なる濃度、容量、および/または強度を有する治療薬を保持することができる。実施形態では、各容器101の一部分は、特定の色で色を付けることができ、容器101は、それが収容する治療薬の種類および/または治療薬の用量を示すために色分けされる。
【0118】
本発明の別の実施形態では、キット100および/または容器101の一部は、製品のラベル表示を有する部分を含み得る。標示付けは、ラベルステッカーを追加することにより、またはラベル表示をキット100および/もしくは容器101の一部に印刷するか、彫刻するか、成形するか、またはさもなければ形成することにより含まれ得る。いくつかの実施形態では、キット100および/または容器101は、それらが収容する治療薬の種類および/または用量を示すためにラベル表示される。いくつかの実施形態では、ラベル表示は、容器101、容器101を包囲するスリーブ、または他の好適な手段を収容するための大きい外装容器の一部であり得る。
【0119】
前述のように、治療キット100は、多種多様の薬物用に販売され得る。本発明の一実施形態では、治療キット100容器101は、血友病処置キットに使用するために構成される。
【0120】
血友病は、世界において最も一般的な遺伝性血液凝固障害の1つである。インビボおよびインビトロ血液凝固活性の減少をもたらし、罹患した個人の一生を通じて広範な医療監視を必要とする。介入の不在において、罹患した個人は、深刻な医療合併症をもたらすことが多い自然出血を患う。血友病において、凝固は、ある特定の血漿凝固因子の欠如により妨害される。例えば、血友病Aは、第VIII因子(FVIII)の欠乏により生じるが、血友病Bは、第IX因子(FIX)の欠乏により生じる。血友病のこれらの形態のそれぞれは、関連する血液凝固因子タンパク質(例えば、FVIIIまたはFIX)の合成の減少、または活性の減少を伴う欠損した血液凝固因子タンパク質のいずれかに起因し得る。
【0121】
血友病の処置は、欠落した血液凝固因子タンパク質を、欠落した凝固因子において高度に濃縮された外因性因子濃縮物で置き換えることにより生じる。必要な血液凝固因子タンパク質は、典型的には、注射器200を使用して、血友病に罹患した個人に静脈注射を介して週に少なくとも数回投与される。一部の罹患した個人は、介護者から注射を受けることができるが、多くの個人は、多くの場合、費用および便宜上の理由のため、注射を自己投与することを選択する。
【0122】
血友病に罹患した個人は、日常の状況において、予想外の出血を高度に受けやすいため、道具(例えば、容器101)の応力点、環境表面(例えば、テーブルの表面または端部)により発生する応力点、および身体の不自然な動作に起因する応力は、個人が彼らの環境において道具と接触するとき、微小出血を生じる可能性を有する。日常的な注射の場合において、治療キット100は、特に処置を自己投与する罹患した個人に関して、容器101構成および容器101を操作し、その内容物を組み立てるのに必要な動作における小さな好ましい変化でさえ、微小出血または個人に対する他の損傷を最小にする可能性を有する。
【0123】
したがって、本発明の実施形態に従う改善された人間工学、多用途性、耐久性、および/または使いやすさを提供する治療キット100容器101は、血友病処置を投与する患者または介護者に利点を提供することができる。
【0124】
本発明の実施形態に従う治療キット100容器101の利点のため、これらの容器は、例えば、関節炎患者など、同様の必要条件(すなわち、人間工学、多用途性、耐久性、および/または使いやすさ)の患者または介護者のための他の薬物の投与に等しく適し得る。
【0125】
本考察は、主に治療キット100容器101に焦点を当てているが、本明細書に記載されるデバイス容器のいくつかの実施形態は、治療キットとの使用に限定される必要はなく、様々な非治療および非医療目的で品目を保管するのに好適であり得ることに留意されたい。
【0126】
本発明は、例示的な実施形態として上述された。したがって、本発明は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではないが、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ定義されるべきである。