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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176260
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】防災システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20221117BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20221117BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20221117BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B25/10 D
G08B27/00 Z
H04M11/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156338
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2018183590の分割
【原出願日】2018-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】橋本 守
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀規
(72)【発明者】
【氏名】長藤 真作
(57)【要約】
【課題】自衛消防活動に効果的な情報を配信可能な防災システムを提供する。
【解決手段】サーバは、火災受信機60により送信された火災情報を受信した場合に当該火災情報に含まれる火災の発生場所情報を火災発生場所記憶領域に記憶し、火災発生場所記憶領域に記憶されている情報に基づいて火災の発生場所に相当する位置に火災画像(火災発生場所アイコン114)が配置されたフロア図を端末20に表示させる情報を作成し、端末20は、ユーザが操作可能な操作部を備え、操作部の操作によりフロア図内の所定範囲が指定された場合に、当該所定範囲を火の範囲、煙の範囲又は破損の範囲として報告する範囲報告情報をサーバに送信し、サーバは、範囲報告情報に基づいて、指定された所定範囲に火の範囲画像(軌跡画像141)、煙の範囲画像(軌跡画像143)又は破損の範囲画像(軌跡画像143)が配置されたフロア図を端末20に表示させる情報を作成する。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末と、前記端末と通信可能なサーバと、を備える防災システムであって、
前記サーバは、
火災感知器からの火災検出信号を受信可能な火災受信機により送信された火災情報を受信した場合に、当該火災情報に含まれる火災の発生場所情報を火災発生場所記憶領域に記憶し、
前記火災発生場所記憶領域に記憶されている情報に基づいて、火災の発生場所に相当する位置に火災画像が配置されたフロア図を前記端末に表示させるフロア図情報を作成して、前記複数の端末に送信し、
前記端末は、
ユーザが操作可能な操作部を備え、
前記操作部の操作により前記フロア図内の所定範囲が指定された場合に、当該所定範囲を火の範囲、煙の範囲又は破損の範囲として報告する範囲報告情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記複数の端末のうちのいずれかから送信された前記範囲報告情報に基づいて、前記指定された所定範囲に火の範囲画像、煙の範囲画像又は破損の範囲画像が配置されたフロア図を前記端末に表示させるフロア図情報を作成して、前記複数の端末に送信することを特徴とする防災システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災発生時に自衛消防活動を支援する防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物に配設された感知手段が異状を感知すると異状情報を送出する自動警報設備と接続された支援装置と、自衛消防隊の各隊員が携帯する複数の端末とを具備し、前記端末は、表示部と、操作部と、通信回線を介して前記支援装置と送受信する通信部とを備え、前記支援装置は、前記自動警報設備と通信する第1の通信部と、前記通信回線を介して前記端末と通信する第2の通信部とを備え、前記自動警報設備からの異状情報を受信すると、前記端末に異状情報を伝達すると共に、前記異状に対応する活動を要請するメッセージを前記端末に表示させ、該メッセージに対する前記端末からの応答を受信して活動状況を把握すると共に、前記端末に当該活動の支援情報を送信する支援システム等の防災システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-99706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の防災システムでは、自衛消防隊の活動を十分に支援できているとは言えなかった。
本発明の目的は、不規則に変わる人の位置情報や突然の警報発生においても、その状況下の人の位置情報及び防災情報に応じて柔軟かつ迅速な自衛消防活動が行えるように、自衛消防活動に効果的な情報を配信することが可能な防災システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
複数の端末と、前記端末と通信可能なサーバと、を備える防災システムにおいて、
前記サーバは、
火災感知器からの火災検出信号を受信可能な火災受信機により送信された火災情報を受信した場合に、当該火災情報に含まれる火災の発生場所情報を火災発生場所記憶領域に記憶し、
前記火災発生場所記憶領域に記憶されている情報に基づいて、火災の発生場所に相当する位置に火災画像が配置されたフロア図を前記端末に表示させるフロア図情報を作成して、前記複数の端末に送信し、
前記端末は、
ユーザが操作可能な操作部を備え、
前記操作部の操作により前記フロア図内の所定範囲が指定された場合に、当該所定範囲を火の範囲、煙の範囲又は破損の範囲として報告する範囲報告情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記複数の端末のうちのいずれかから送信された前記範囲報告情報に基づいて、前記指定された所定範囲に火の範囲画像、煙の範囲画像又は破損の範囲画像が配置されたフロア図を前記端末に表示させるフロア図情報を作成して、前記複数の端末に送信するように構成したものである。
上記のような構成を有する防災システムによれば、火の範囲、煙の範囲、破損の範囲を、端末を所持する者に周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、火の範囲、煙の範囲、破損の範囲)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、自衛消防活動に効果的な情報を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の防災システムの一例を示すブロック図である。
図2】(a)は端末が実行するアプリ起動時処理の一例を示すフローチャートであり、(b)は位置情報サーバが実行する平常時処理の一例を示すフローチャートであり、(c)は位置情報サーバが実行する火災時処理の一例を示すフローチャートである。
図3】防災システムを構成する端末、位置情報サーバ及び火災情報サーバによる処理手順であって、火災時における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図5】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図6】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図7】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図8】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図9】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図11】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図12】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図13】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図14】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図15】位置情報サーバに表示される画面の一例を示す図である。
図16】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図17】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図18】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図19】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図20】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図21】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図22】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図23】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図24】端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明を適用した防災システムの実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の防災システム1の概略構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の防災システム1は、例えば図1に示すように、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されているビーコン(送信器)10からの信号(電波)を受信可能な端末20と、携帯電話基地局30及びインターネット等の通信ネットワークNを介して端末20との間でデータ通信を行う位置情報サーバ40と、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されている火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60と、ゲートウェイ(中継器)70及びインターネット等の通信ネットワークNを介して火災受信機60との間でデータ通信を行う火災情報サーバ80とを備えて構成される。なお、位置情報サーバ40と火災情報サーバ80は1つの支援サーバとして構成しても良い。
【0009】
端末20へ無線信号(機器IDや設備情報などの固有情報)を発信するビーコン10の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)通信やIEEE 802.11規格に従ったWiFi等の無線LAN、赤外線通信、可視光通信など公知の通信方式を利用することができる。ビーコン10を配置する間隔は特に限定されないが、以下の説明では、建物内の空間を網羅できるよう、隣接するそれぞれのビーコン10の通信範囲が互いに重なるような距離をおいて配置されているものとする。
【0010】
具体的には、もともと建物内には所定の間隔をおいて火災感知器50やスプリンクラーヘッドが設置されているので、それらの機器に内蔵もしくは付加する形態で取り付けたビーコン10、あるいは、それらの機器の近傍に設置する形態で取り付けたビーコン10を利用することができる。
ビーコン10は、電源に関する情報(内蔵電池情報又は外部電源情報)と自己の識別情報(機器ID)とを無線信号に乗せて定期的に周囲に発信する発信部を備える。ビーコン10が無線で発信する信号(ビーコン信号)には、少なくとも当該ビーコン10の識別情報(機器ID)が含まれていれば良く、さらに、設置されているエリアに関する情報が含まれても良い。
【0011】
端末20は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末である。端末20は、制御部と、記憶部と、表示部と、操作部(例えば、表示部の表示画面に設けられたタッチパネル)と、ビーコン10からの信号を受信するビーコン信号受信部と、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40等の外部機器との間で各種情報の送受信を行う無線通信部とを備えて構成される。
【0012】
端末20の記憶部には、定期的にビーコン10から無線で発信されるビーコン信号を受信して、当該ビーコン信号に含まれる識別情報(機器ID)等を抽出するとともに当該ビーコン信号の受信電波強度を検出し、識別情報等と受信電波強度とを含むビーコン情報を、携帯電話基地局30及び通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へ送信する処理と、通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して位置情報サーバ40から送信されたフロア図情報に基づくフロア図画像を表示部に表示する処理とを実行するアプリケーション・プログラム(火災情報配信アプリ)が格納されている。
端末20の制御部は、ビーコン信号受信部が複数のビーコン10(通信範囲が互いに重なるビーコン10)から発信されるビーコン信号を受信した場合には、それぞれのビーコン情報を無線通信部から位置情報サーバ40へ送信する。
【0013】
火災感知器50は、例えば、熱、煙、炎、有害ガスなどの異常現象の発生を検出すると、火災検出信号を、感知器回線51を介して火災受信機60に送信する。火災感知器50は、火災検出信号に自己の設置アドレスを付加するタイプの感知器であっても良いし、火災検出信号に自身の設置アドレスを付加しないタイプの感知器であっても良い。
【0014】
火災受信機60は、火災感知器50からの火災検出信号を受信した場合に、表示部に火災報知表示を行うとともに、地区ベル鳴動や防排煙連動などの制御を行う。さらに、火災受信機60は、火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む火災情報を、当該火災受信機60の識別情報(受信機ID)とともにゲートウェイ70及び通信ネットワークNを介して火災情報サーバ80に送信する。
なお、火災受信機60は、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されている場合には、当該設置アドレスに基づいて火災の発生場所を特定する。一方、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されていない場合には、当該火災検出信号を伝送した感知器回線51(警戒区域)に基づいて火災の発生場所を特定する。
【0015】
火災情報サーバ80は、データベース81を備えている。データベース81には、例えば、当該火災情報サーバ80が管理する建物の識別情報(ビル名や住所など)と、当該建物に設置されている火災受信機60の識別情報(受信機ID)とを対応付けて記憶するテーブル等が格納されている。
火災情報サーバ80は、火災受信機60からの火災情報を受信すると、当該火災情報とともに送信された識別情報(受信機ID)に対応する建物の識別情報(ビル名や住所など)をデータベース81から取得する。そして、当該火災情報を、取得した建物の識別情報とともに通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する処理を実行可能である。
【0016】
位置情報サーバ40は、当該位置情報サーバ40が管理する各建物の情報や各端末20の情報などを格納するデータベース41を備えている。
ここで、建物の情報とは、当該建物の識別情報(ビル名や住所など)、当該建物の各フロア(各階)のフロア図、当該建物の各フロアに設置されているビーコン10の識別情報及び設置場所情報、当該建物の各フロアに設置されている各種防災機器・設備の設置場所情報、当該建物の一時集合場所情報等を含む情報である。
また、端末20の情報とは、当該端末20の識別情報(端末ID)、当該端末20のユーザに関する情報(ユーザの名前など)等を含む情報である。例えば、端末20に表示される火災情報配信アプリの設定画面においてユーザに関する情報を入力できるようになっており、その入力された情報が、当該端末20の識別情報(端末ID)とともに位置情報サーバ40へ送信されてデータベース41に記憶されるようになっている。
【0017】
位置情報サーバ40は、端末20からのビーコン情報を受信すると、受信したビーコン情報とデータベース41に記憶されている情報とに基づいて当該端末20の現在場所を算出する。そして、データベース41から当該端末20が位置しているフロアのフロア図を抽出し、抽出したフロア図に当該端末20の現在場所をプロットしてフロア図情報を生成し、生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該端末20に送信する処理を実行可能である。これにより、端末20の表示部には、当該端末20の現在場所を示すフロア図画像が表示される。
さらに、位置情報サーバ40は、火災情報サーバ80からの火災情報を受信した場合には、当該火災情報に含まれる火災の発生場所情報等を反映させたフロア図情報を生成し、生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して端末20に送信する処理を実行可能である。これにより、端末20の表示部には、火災の発生場所を示すフロア図画像が表示される。
【0018】
次に、図2(a)に示すフローチャートを用いて、端末20の制御部が実行するアプリ起動時処理の一例を説明する。なお、このアプリ起動時処理は、火災時である(火災感知器50が作動している)か、平常時である(火災感知器50が作動していない)かにかかわらず、火災情報配信アプリの起動時に一定の周期で繰り返し実行される処理である。
【0019】
アプリ起動時処理では、まず、ビーコン信号受信部がビーコン10から発信されるビーコン信号を受信したかを判定する(ステップS11)。ビーコン信号を受信していない場合(ステップS11;No)には、ステップS13へ移行する。
一方、ビーコン信号を受信した場合(ステップS11;Yes)には、当該ビーコン信号に含まれるビーコン10の識別情報(機器ID)等と当該ビーコン信号の受信電波強度とを含むビーコン情報を、自己の識別情報(端末ID)とともに携帯電話基地局30及び通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へ送信する(ステップS12)。
【0020】
次いで、無線通信部が位置情報サーバ40から送信されるフロア図情報を受信したかを判定する(ステップS13)。フロア図情報を受信していない場合(ステップS13;No)には、アプリ起動時処理を終了する。
一方、フロア図情報を受信した場合(ステップS13;Yes)には、当該フロア図情報に基づくフロア図画像を表示部に表示して(ステップS14)、アプリ起動時処理を終了する。これにより、火災情報配信アプリの起動後最初のステップS14では、最新のフロア図画像110が表示部に表示されることとなり、火災情報配信アプリの起動後2回目以降のステップS14では、表示部に表示中のフロア図画像110が最新のフロア図画像110に更新されることとなる。
【0021】
なお、端末20は、ビーコン信号を受信する度にビーコン情報を位置情報サーバ40に送信するのではなく、例えば、前回受信したビーコン信号に含まれるビーコン10の識別情報と、今回受信したビーコン信号に含まれるビーコン10の識別情報とが異なる場合に、今回受信したビーコン信号に基づくビーコン情報を位置情報サーバ40に送信するようにしても良い。
また、本実施形態では、火災情報配信アプリが常時起動していることとするが、これに限定されない。例えば、火災情報配信アプリに加えて位置情報アプリもインストールしておき、位置情報アプリを常時起動して、この位置情報アプリでステップS11~S12の処理(すなわち、ビーコン信号を受信する度にビーコン情報を位置情報サーバ40に送信する処理)、あるいは、前回受信したビーコン信号に含まれるビーコン10の識別情報と、今回受信したビーコン信号に含まれるビーコン10の識別情報とが異なる場合に、今回受信したビーコン信号に基づくビーコン情報を位置情報サーバ40に送信する処理を実行し、火災情報配信アプリが起動された場合に、火災情報配信アプリでステップS13~S14の処理を実行するようにしても良い。
【0022】
次に、図2(b)に示すフローチャートを用いて、位置情報サーバ40の制御部が実行する平常時処理の一例を説明する。
以下、出火建物(火災感知器50が作動している建物)に位置する端末20のうち管理者権限端末を「特別端末」と称し、出火建物に位置する端末20のうち管理者権限端末以外の端末20を「一般端末」と称し、一般端末を所持する者を「一般端末ユーザ」と称する。ここで、「管理者権限端末」とは、自衛消防隊長が所持する端末20(携帯端末)及び/又は防災センターに配備されている端末20(PC端末や携帯端末など)である。すなわち、端末20は、火災情報配信アプリがインストールされている端末であれば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型の端末であっても良いし、PC端末などの設置型の端末であっても良い。
【0023】
端末に火災情報配信アプリをインストールするときに、ログインIDとパスワードを設定するようになっており、その設定された情報は、当該端末の識別情報(端末ID)とともに位置情報サーバ40へ送信されてデータベース41に記憶されるようになっている。自衛消防隊長や防災センターには事前に管理者権限用のログインIDとパスワードを通知しておき、インストール時に管理者権限用のログインIDとパスワードを設定した端末20は、管理者権限端末として登録され、インストール時に管理者権限用以外のログインIDとパスワードを設定した端末20は、管理者権限端末以外の端末20として登録される。
なお、火災情報配信アプリのインストール時に管理者権限用のログインIDとパスワードを設定することで管理者権限端末であると登録するのではなく、管理者権限端末であると予め登録された端末20を自衛消防隊長や防災センターに配るようにしても良い。
【0024】
位置情報サーバ40は、管理する複数の建物のいずれかで火災が発生した場合(火災感知器50が作動している場合)に、端末20からのビーコン情報に基づいて出火建物(火災感知器50が作動している建物)に位置する端末20を特定し、出火建物に位置する端末20のうち管理者権限端末として登録されている端末20を特別端末として扱い、出火建物に位置する端末20のうち管理者権限端末以外の端末20として登録されている端末20を一般端末として扱う。したがって、位置情報サーバ40が管理する複数の建物の全てで火災が発生していない場合(火災感知器50が作動していない場合)には、特別端末及び一般端末は存在せず、火災情報配信アプリがインストールされている全ての端末20(防災センターに設置されている端末を含む)が、特別端末及び一般端末以外の端末20になる。
【0025】
平常時処理は、特別端末及び一般端末以外の端末20に向けて実行される処理である。したがって、位置情報サーバ40が管理する複数の建物のいずれかで火災が発生しても平常時処理は実行される。すなわち、位置情報サーバ40が管理する複数の建物の全てで火災が発生していない場合には、平常時処理(図2(b))が一定の周期で繰り返し実行され、位置情報サーバ40が管理する複数の建物のいずれかで火災が発生した場合には、後述の火災時処理(図2(c))が実行されて、この火災時処理において平常時処理(ステップS36)が実行される。
【0026】
平常時処理では、まず、特別端末及び一般端末以外の端末20からのビーコン情報を受信したかを判定する(ステップS21)。ビーコン情報を受信していない場合(ステップS21;N)には、平常時処理を終了する。
一方、ビーコン情報を受信した場合(ステップS21;Yes)には、受信したビーコン情報とデータベース41に記憶されている情報とに基づいて当該端末20の現在場所を算出し(ステップS22)、データベース41から当該端末20が位置するフロア(現在階)のフロア図を抽出する(ステップS23)。
【0027】
次いで、抽出したフロア図に当該端末20の現在場所をプロットしてフロア図情報を生成する(ステップS24)。
次いで、ステップS24で生成したフロア図情報(現在階フロア図情報)を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該端末20に送信し(ステップS25)、平常時処理を終了する。これにより、端末20の表示部に、当該端末20が位置するフロア(現在階)のフロア図画像110であって、当該端末20の現在位置に相当する位置に当該端末20を示す記号(例えば現在場所アイコン111)が配置されたフロア図画像110が表示されることとなる。
【0028】
次に、図2(c)に示すフローチャートを用いて、位置情報サーバ40の制御部が実行する火災時処理の一例を説明する。火災時処理のステップS31~S35は、特別端末及び一般端末に向けて実行される処理であり、火災時処理のステップS36は、それ以外の端末20(特別端末及び一般端末以外の端末20)に向けて実行される処理である。
火災時処理では、まず、データベース41から出火階のフロア図を抽出し(ステップS31)、抽出したフロア図に火災の発生場所をプロットする(ステップS32)。
次いで、特別端末及び一般端末からのビーコン情報とデータベース41に記憶されている情報とに基づいて特別端末及び一般端末の現在場所を算出し(ステップS33)、火災の発生場所がプロットされたフロア図に、出火階に位置する端末の現在場所をプロットしてフロア図情報を生成する(ステップS34)。
【0029】
次いで、ステップS34で生成したフロア図情報(出火階フロア図情報)を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して特別端末及び一般端末に送信する(ステップS35)。これにより、特別端末及び一般端末の表示部に、出火階のフロア図画像110が表示されることとなる。
次いで、図2(b)に示す平常時処理を実行して(ステップS36)、ステップS32の処理に戻る。
【0030】
次に、図3に示すフローチャートを用いて、本実施形態の防災システム1を構成する端末20、位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80による処理手順であって、火災時(火災感知器50が作動している時)における処理手順の一例を説明する。
火災情報サーバ80は、火災受信機60からの火災情報(火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む情報)を受信すると(ステップS101)、当該火災情報とともに送信された火災受信機60の識別情報(受信機ID)に対応する建物の識別情報(ビル名や住所など)をデータベース81から取得し、当該火災情報を、取得した建物の識別情報とともに位置情報サーバ40に送信する(ステップS102)。
【0031】
位置情報サーバ40は、火災情報サーバ80からの火災情報を受信すると、当該火災情報と当該火災情報とともに送信された建物の識別情報とデータベース41に記憶されている情報とに基づいて、出火建物(火災感知器50が作動している建物)、出火階(火災感知器50が作動しているフロア)、警報発生場所(火災が発生していると思われる場所。すなわち感知器設置箇所又は感知器が設置された警戒区域)等を特定し、特定した情報を内部メモリの出火建物記憶領域、出火階記憶領域、火災発生場所記憶領域等にそれぞれ記憶する(ステップS141)。なお、特定した警報発生場所は、警報フラグを付加した状態で火災発生場所記憶領域に記憶される。ステップS141の時点では火災と判断されていないため、火災発生場所記憶領域に記憶されいる情報が、警報発生場所である(火災発生場所(火災が発生している場所)ではなく、火災が発生していると思われる場所である)ことを識別するための警報フラグを付加する。
【0032】
次いで、位置情報サーバ40は、端末20からのビーコン情報に基づいて出火建物に位置する端末20を特定し、出火建物に位置する端末20(特別端末及び一般端末)に、付近で火災感知器50が作動している旨を通知する通知情報を送信する(ステップS142)。
なお、火災情報サーバ80が特別端末及び一般端末に通知情報を送信するようにしても良い。具体的には、火災情報サーバ80が、火災受信機60からの火災情報を受信した場合に、出火建物に位置する端末20の識別情報(端末ID)を位置情報サーバ40から取得して、出火建物に位置する端末20に、付近で火災感知器50が作動している旨を通知する通知情報するようにしても良い。
【0033】
特別端末及び一般端末(出火建物に位置する端末20)は、位置情報サーバ40からの通知情報を受信すると、例えば図4(a)に示すように、表示部に表示されているロック画面やホーム画面などの待ち受け画面に、付近で火災感知器50が作動している旨を通知する通知画像101をポップアップ表示する(ステップS121,S161)。通知画像101のポップアップ表示に応じて、出火階(火災感知器50が作動しているフロア)や出火直上階(火災感知器50が作動しているフロアの直上のフロア)に位置する端末20を所持する者は付近の状況確認を行う。また、自衛消防隊長や防災センターは状況確認を行ったり現地からの報告に備えたりする。この時点では火災と判断されていないため、自衛消防隊活動は開始されない。
【0034】
次いで、特別端末及び一般端末は、通知画像101がタップされると、アプリ起動時処理(図2(a))のフォアグラウンドでの繰り返し実行を開始する(ステップS122,S162)。これにより、特別端末及び一般端末の表示部に、位置情報サーバ40からのフロア図情報に基づくフロア図画像110が表示される。
すなわち、本実施形態では、火災情報配信アプリが常時起動しており、通知画像101がタップされた場合や火災情報配信アプリのアイコンがタップされた場合に、火災情報配信アプリがバックグラウンドで起動する状態(アプリ起動時処理のステップS11~S14をバックグラウンドで実行する状態)から、火災情報配信アプリがフォアグラウンドで起動する状態(アプリ起動時処理のステップS11~S14をフォアグラウンドで実行する状態)に切り替わる。
なお、火災情報配信アプリがバックグラウンドで起動する状態では、アプリ起動時処理のステップS11~S12の処理のみを実行し、アプリ起動時処理のステップS13~S14の処理を実行しないようにしても良い。
【0035】
位置情報サーバ40は、通知情報を送信した後、火災時処理(図2(c))の実行を開始する(ステップS143)。これにより、出火建物に位置する端末20(特別端末及び一般端末)への出火階フロア図情報の送信が開始されるとともに、出火建物に位置しない端末20(特別端末及び一般端末以外の端末20)への現在階フロア図情報の送信が継続される。火災時処理(図2(c))のステップS31では、内部メモリの出火階記憶領域に記憶されている情報(ステップS141で記憶した情報)に基づいて出火階のフロア図が抽出され、火災時処理(図2(c))のステップS32では、内部メモリの火災発生場所記憶領域に記憶されている情報(ステップS141で記憶した情報。すなわち警報フラグが付加された情報)に基づいて警報の発生場所がプロットされる。
【0036】
<一般端末用警報発生中画面>
そして、位置情報サーバ40は一般端末に対して、まず、一般端末用警報発生中情報を送信する。これにより、一般端末の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、一般端末用警報発生中情報に基づくメッセージ画像160が重畳された一般端末用警報発生中画面が表示される(ステップS123)。この時点では火災と判断されていないため、自衛消防隊活動は開始されない。
【0037】
一般端末用警報発生中画面のフロア図画像110には、例えば図4(b)に示すように、当該端末20の現在場所に相当する位置に現在場所アイコン111と、火災が発生していると思われる場所(警報発生場所)に相当する位置に警報発生場所アイコン112とが配置されている。無論、当該端末20が出火階に位置していない場合には、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110に現在場所アイコン111は配置されない。すなわち、位置情報サーバ40は、原則として、出火階に位置する一般端末に対し、火災時処理(図2(c))のステップS34で当該一般端末の現在場所のみをプロットして作成した出火階フロア図情報を送信するとともに、出火階に位置しない一般端末に対し、火災時処理(図2(c))のステップS34を省略して作成した出火階フロア図情報を送信する。
【0038】
また、一般端末用警報発生中画面のメッセージ画像160には、例えば図4(b)に示すように、出火階を知らせるメッセージや、付近で火災感知器50が作動している旨のメッセージや、現場確認を行うよう促すメッセージなどが表示されている。
なお、火災情報配信アプリの起動時に特別端末及び一般端末に表示される各画面(図4図24図4(a)、図6図15は除く))において、メッセージ画像160は、画面下端から上昇(上へとスライド)して表示される。
また、火災情報配信アプリの起動時に特別端末及び一般端末に表示される各画面(図4図24図4(a)、図6図15は除く))において、フロア図画像110は、随時最新のフロア図画像110に更新される。また、フロア図画像110は、ピンチアウト操作やピンチイン操作によって拡大縮小できるようになっている。
【0039】
前述したように、火災受信機60は、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されている場合には、当該設置アドレスに基づいて火災の発生場所を特定する。一方、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されていない場合には、当該火災検出信号を伝送してきた感知器回線51(警戒区域)に基づいて火災の発生場所を特定する。そして、位置情報サーバ40は、火災受信機60によって特定された火災の発生場所をステップS141で火災発生場所記憶領域に記憶する。
したがって、警報発生場所アイコン112は、火災受信機60がR型受信機やアドレッサブルなP型受信機の場合には、フロア図画像110の、火災検出信号を送信してきた火災感知器50(作動している火災感知器50)の設置場所に相当する位置に配置される。また、火災受信機60がアドレッサブルでないP型受信機の場合には、フロア図画像110の、火災検出信号を伝送してきた感知器回線51に対応するエリア(警戒区域)内の所定場所(例えばエリア中央)に相当する位置に配置される。
【0040】
<確認報告画面>
次いで、位置情報サーバ40は一般端末に対して、確認報告情報を送信する。これにより、一般端末の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、確認報告情報に基づくメッセージ画像160が重畳された確認報告画面が表示される(ステップS124)。
確認報告画面のフロア図画像110は、例えば図5(a)に示すように、グレーアウト表示されており、このフロア図画像110をタップすることで、一般端末用警報発生中画面(図4(b))へ戻ることができるようになっている。
また、確認報告画面のメッセージ画像160には、例えば図5(a)に示すように、火災が発生していることを確認した際にタップされる火災ボタン161aと、火災が発生していないことを確認した際にタップされる非火災ボタン161bとが配置されている。
【0041】
火災ボタン161a及び非火災ボタン161bの表示態様(例えば色)には、選択されていないことを示す初期表示態様と、選択されていることを示す選択表示態様とがある。火災ボタン161a及び非火災ボタン161bの両方が選択表示態様で表示されることはない。
火災ボタン161a及び非火災ボタン161bの両方が初期表示態様で表示されている場合に、火災ボタン161aのボタンがタップされると、例えば図5(b)に示すように、火災ボタン161aの表示態様が選択表示態様に変化する。また、火災ボタン161a及び非火災ボタン161bの両方が初期表示態様で表示されている場合に、非火災ボタン161bのボタンがタップされると、非火災ボタン161bの表示態様が選択表示態様に変化する。
【0042】
一般端末は、火災ボタン161a又は非火災ボタン161bがタップされると、当該端末20のOS標準搭載の電話機能や電話帳を呼び出して、例えば図6に示すように、防災センターに自動発信する(ステップS125)。発信中に切ボタン102をタップすることで、防災センターへの発信を中止して、確認報告画面(図5(a))へ戻ることができるようになっている。
なお、火災ボタン161a又は非火災ボタン161bがタップされると、防災センターの電話番号と発信ボタンを表示し、この発信ボタンがタップされると、例えば図6に示すように、防災センターに発信するように構成することも可能である。
【0043】
防災センターに電話がつながると、当該端末20のユーザ(一般端末ユーザ)は火災の有無を報告する。その際、火災報告がなされた場合(火災である旨が報告された場合)には、自衛消防隊の火災時対応活動が開始されるとともに、防災センターで火災報告の時間が記録される。一方、火災でない旨が報告された場合には警報発生中の状態が維持され、自衛消防隊長が情報を集約して対象エリアに問題がないことを確認した後に非火災と判断されて警報発生中の状態が解除される。
【0044】
そして、当該端末20は、防災センターに電話がつながると、発信情報を位置情報サーバ40に送信する(ステップS126)。具体的には、火災ボタン161aがタップされた場合には、例えば図3に示すように、火災が発生している旨を報知する発信情報を、自己の識別情報(端末ID)とともに位置情報サーバ40に送信する。また、非火災ボタン161bがタップされた場合には、火災が発生していない旨を報知する発信情報を、自己の識別情報(端末ID)とともに位置情報サーバ40に送信する。これにより、位置情報サーバ40は、発信情報を送信してきた一般端末(すなわち防災センターに電話報告を行った一般端末ユーザが所持する端末20)を把握することができる。
【0045】
<特別端末用警報発生中画面>
一方、位置情報サーバ40は特別端末に対して、まず、特別端末用警報発生中情報を送信する。これにより、特別端末の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、特別端末用警報発生中情報に基づくメッセージ画像160が重畳された特別端末用警報発生中画面が表示される(ステップS163)。この時点では火災と判断されていないため、自衛消防隊活動は開始されない。
【0046】
特別端末用警報発生中画面のフロア図画像110には、例えば図7(a)に示すように、警報発生場所に相当する位置に警報発生場所アイコン112と、出火階に位置する一般端末の現在場所に相当する位置に出火階一般端末場所アイコン113とが配置されている。無論、当該端末20(特別端末)が出火階に位置している場合には、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110に現在場所アイコン111が配置される。すなわち、位置情報サーバ40は、原則として、特別端末に対し、火災時処理(図2(c))のステップS34で出火階に位置する全ての端末20の現在場所をプロットして作成した出火階フロア図情報を送信する。
また、特別端末用警報発生中画面のメッセージ画像160には、例えば図7(a)に示すように、出火階を知らせるメッセージや、付近で火災感知器50が作動している旨のメッセージや、報告に備えるよう促すメッセージなどが表示されている。
【0047】
<判断報告画面>
次いで、位置情報サーバ40は特別端末に対して、判断報告情報を送信する。これにより、特別端末の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、判断報告情報に基づくメッセージ画像160が重畳された判断報告画面が表示される(ステップS164)。
判断報告画面のフロア図画像110は、例えば図7(b)に示すように、グレーアウト表示されており、このフロア図画像110をタップすることで、火災の有無が未確定の場合には特別端末用警報発生中画面(図7(a))へ戻ることができるようになっている。
また、判断報告画面のメッセージ画像160には、例えば図7(b)に示すように、火災が発生していると判断した際にタップされる火災断定ボタン162aと、火災が発生していないと判断した際にタップされる非火災断定ボタン162bと、判断結果を周知する際にタップされる周知ボタン162cとが配置されている。
【0048】
防災センターに火災である旨の電話報告があった場合には、防災センター(あるいは自衛消防隊長)は、火災が発生していると判断して、火災断定ボタン162aをタップする。あるいは、自衛消防隊長は、電話報告がなくても、火災が発生していると判断した場合には、火災断定ボタン162aをタップする。
また、自衛消防隊長は、情報を集約して対象エリアに問題がないことを確認した後に、火災が発生していないと判断して、非火災断定ボタン162bをタップする。
【0049】
火災断定ボタン162a及び非火災断定ボタン162bの表示態様(例えば色)には、選択されていないことを示す初期表示態様と、選択されたことを示す選択表示態様とがある。火災断定ボタン162a及び非火災断定ボタン162bの両方が選択表示態様で表示されることはない。
火災断定ボタン162a及び非火災断定ボタン162bの両方が初期表示態様で表示されている場合に、火災断定ボタン162a及び非火災断定ボタン162bのうち一方のボタンがタップされると、当該一方のボタンの表示態様が選択表示態様に変化する。また、火災断定ボタン162a及び非火災断定ボタン162bのうち一方のボタンが選択表示態様で表示されている場合に、他方のボタンがタップされると、当該他方のボタンの表示態様が選択表示態様に変化し、当該一方のボタンの表示態様が初期表示態様に戻る。
【0050】
周知ボタン162cの表示態様(例えば色)には、操作可能でないことを示す操作不能表示態様と、操作可能であることを示す操作可能表示態様とがある。火災断定ボタン162a及び非火災断定ボタン162bの両方が初期表示態様で表示されている場合には、周知ボタン162cは操作不能表示態様で表示され、火災断定ボタン162a又は非火災断定ボタン162bが選択表示態様で表示されている場合には、周知ボタン162cは操作可能表示態様で表示される。
【0051】
特別端末は、操作可能表示態様で表示されている周知ボタン162cがタップされると、周知情報を位置情報サーバ40に送信する(ステップS165)。具体的には、火災断定ボタン162aが選択表示態様で表示されている状態で周知ボタン162cがタップされた場合には、例えば図3に示すように、火災が発生している旨を報知する周知情報を、自己の識別情報(端末ID)とともに位置情報サーバ40に送信する。また、非火災断定ボタン162bが選択表示態様で表示されている状態で周知ボタン162cがタップされた場合には、火災が発生していない旨を報知する周知情報を、自己の識別情報(端末ID)とともに位置情報サーバ40に送信する。これにより、位置情報サーバ40は、周知情報を送信してきた特別端末を把握することができる。
【0052】
位置情報サーバ40は、火災が発生していない旨を報知する周知情報を受信した場合には、火災が発生していないと確定した旨を通知する情報を特別端末及び一般端末に送信する。これにより、特別端末及び一般端末の表示部に、火災が発生していないと確定した旨(例えば「火災感知器の誤作動であることを確認しました。通常業務に戻ってください」)が表示されて、火災が発生していなかったことが周知される。
そして、位置情報サーバ40は、火災時処理(図2(c))の実行を終了して、平常時処理(図2(b))の実行を再開する。
【0053】
また、特別端末は、火災が発生している旨を報知する周知情報を送信した場合には、その送信時刻を内部メモリに記録する。これにより、火災断定から避難終了までの時間を計測することが可能となる。
なお、特別端末用警報発生中画面(図7(a))の表示中、あるいは判断報告画面(図7(b))の表示中に、一般端末において火災ボタン161a又は非火災ボタン161b(図5(a))がタップされた場合には、表示中の画面(特別端末用警報発生中画面又は判断報告画面)のメッセージ画像160に、「本館1階○○○(登録名)から防災センターへ発信中・・・」等のメッセージが表示される。
【0054】
位置情報サーバ40は、火災が発生している旨を報知する周知情報を受信すると、内部メモリの火災発生場所記憶領域に記憶されている情報に付加されている警報フラグを解除することで、警報発生場所を火災発生場所に変更する(ステップS144)。これにより、以降に実行される火災時処理(図2(c))のステップS32では、内部メモリの火災発生場所記憶領域に記憶されている情報(警報フラグが付加されていない情報)に基づいて火災の発生場所がプロットされることになるため、以降、特別端末及び一般端末の表示部に表示されるフロア図画像110には、警報発生場所アイコン112が配置されていた位置と同じ位置に、警報発生場所アイコン112に代えて火災発生場所アイコン114が配置される。
また、位置情報サーバ40は、火災が発生している旨を報知する周知情報を受信した場合には、その受信時刻を内部メモリに記録する。これにより、火災断定から避難終了までの時間を計測することが可能となる。
【0055】
このように本実施形態の防災システム1は、端末20(特別端末)と、前記端末20(特別端末)と通信可能なサーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)と、を備える防災システムであって、前記端末20(特別端末)は、自衛消防隊長が所持する端末20及び/又は防災センターに設置されている端末20であり、サーバは、報告された火災の有無を報知するよう促す火災有無報告促進画面として、火災が発生していると判断した際に選択される第1ボタン画像(火災断定ボタン162a)と、火災が発生していないと判断した際に選択される第2ボタン画像(非火災断定ボタン162b)と、判断結果を報告する際に選択される第3ボタン画像(周知ボタン162c)と、を含む火災有無報告促進画面(判断報告画面(図7(b))を前記端末20(特別端末)に表示させる情報を前記端末20(特別端末)に送信可能であり、前記端末20(特別端末)は、ユーザが操作可能な操作部(例えばタッチパネル)を備え、操作部を操作して火災有無報告促進画面内の第1ボタン画像が選択されている状態で第3ボタン画像が選択された場合に火災有断定情報(火災が発生している旨を報知する周知情報)をサーバに送信可能であり、操作部を操作して火災有無報告促進画面内の第2ボタン画像が選択されている状態で第3ボタン画像が選択された場合に火災無断定情報(火災が発生していない旨を報知する周知情報)をサーバに送信可能であり、サーバは、火災有断定情報を受信した場合には火災が発生していると確定したことを、火災無断定情報を受信した場合には火災が発生していないと確定したことを、前記端末20(特別端末)及び自衛消防隊長以外の者が所持する端末20(一般端末)に対して通知可能である。
【0056】
具体的には、本実施形態では、警報発生場所アイコン112を火災発生場所アイコン114に切り替えることによって、特別端末及び一般端末に火災が発生していると確定したことを周知するようになっている。また、火災が発生していないと確定した旨(例えば「火災感知器の誤作動であることを確認しました。通常業務に戻ってください」)を端末20に表示させる情報を特別端末及び一般端末に送信することで、特別端末及び一般端末に火災が発生していないと確定したことを周知するようになっている。
したがって、火災の有無が確定したことを、端末20を所持する者(一般端末ユーザや自衛消防隊長や防災センター)に周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、火災の有無が確定したこと)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0057】
また、本実施形態の防災システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、火災有断定情報を受信した時刻を記録可能である。
したがって、火災発生が確定した時点から避難終了までの時間を計測することが可能となる。
【0058】
<報告者用画面>
位置情報サーバ40は、火災が発生している旨を報知する周知情報を受信した場合には、当該周知情報を送信してきた特別端末に報告者用情報を送信する。また、火災が発生している旨を報知する発信情報を受信した場合には、当該発信情報を送信してきた一般端末に報告者用情報を送信する。これにより、報告者用情報を受信した端末20の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、報告者用情報に基づくメッセージ画像160が重畳された報告者用画面が表示される(ステップS127,S166)。
【0059】
なお、火災が発生している旨を報知する周知情報を送信してきた特別端末が複数ある場合には、これら特別端末の全部に報告者用情報を送信しても良いし、これら特別端末のうちのいずれか(例えば、周知情報を最初に送信してきた特別端末)に報告者用情報を送信しても良い。
また、火災が発生している旨を報知する発信情報を送信してきた一般端末が複数ある場合には、これら一般端末の全部に報告者用情報を送信しても良いし、これら一般端末のうちのいずれか(例えば、発信情報を最初に送信してきた一般端末)に報告者用情報を送信しても良い。
【0060】
報告者用画面のフロア図画像110には、例えば図8(a)に示すように、当該端末20の現在場所に相当する位置に現在場所アイコン111と、火災が発生している場所(火災発生場所)に相当する位置に火災発生場所アイコン114と、発信機の設置場所に相当する位置に発信機アイコン115とが配置されている。なお、特別端末に表示される報告者用画面には、出火階に位置する一般端末の現在場所に相当する位置に出火階一般端末場所アイコン113が配置されていても良い。
すなわち、位置情報サーバ40は、報告者用情報を送信する端末20に対しては例外として、当該端末20が報告者用画面を表示している間、火災時処理(図2(c))のステップS32で火災の発生場所と発信機の設置場所とをプロットして作成した出火階フロア図情報を送信する。発信機の設置場所のプロットは、データベース41に記憶されている情報(防災機器・設備の設置場所情報)に基づき行われる。
【0061】
ここで、発信機は、例えばP型発信機等であり、所定操作が行われた場合(例えば押しボタンが押された場合)に火災の発生を知らせる火災信号を火災受信機60に送信する。火災受信機60は、当該火災信号を受信した場合に火災確定と判断する。
また、報告者用画面のメッセージ画像160には、例えば図8(a)に示すように、火災発生を大声で2回知らせた際にタップされるチェックボックス163aと、発信機に対し所定操作(例えば押しボタンを押す操作)を行った際にタップされるチェックボックス163bとが配置されている。
【0062】
報告者用画面では、火災発生場所アイコン114の表示位置を変更できるようになっている。具体的には、例えば図8(b)に示すように、火災発生場所アイコン114を指でロングタップし、そのまま指を離さずに所望の位置(例えば正確な火災発生場所に相当する位置)まで移動させることで、火災発生場所アイコン114の表示位置を変更することができる。
端末20は、火災発生場所アイコン114の表示位置が変更されると、変更後の表示位置を通知する火災発生場所変更情報を位置情報サーバ40に送信する(ステップS128)。
【0063】
位置情報サーバ40は、火災発生場所変更情報を受信すると、当該火災発生場所変更情報に基づいて内部メモリの火災発生場所記憶領域に記憶されている情報を更新する(ステップS145)。これにより、以降に実行される火災時処理(図2(c))のステップS32では、内部メモリの火災発生場所記憶領域に記憶されている情報(更新後の火災発生場所)に基づいて火災の発生場所がプロットされることになるため、以降、特別端末及び一般端末の表示部に表示されるフロア図画像110には、更新前の位置とは異なる位置に火災発生場所アイコン114が配置される。
【0064】
なお、図3に示す例では、報告者用画面を表示している一般端末から火災発生場所変更情報を送信しているが、無論、報告者用画面を表示している特別端末から火災発生場所変更情報を送信することも可能である。すなわち、一般端末で火災発生場所アイコン114の表示位置が変更された場合にも、特別端末で火災発生場所アイコン114の表示位置が変更された場合にも、火災発生場所が更新される。
また、報告者用画面の表示中であれば火災発生場所アイコン114の表示位置を複数回変更することも可能であり、その度に火災発生場所が更新される。
【0065】
このように本実施形態の防災システム1は、端末20(防災センターに設置されている端末を含む)と、端末20と通信可能なサーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)と、を備える防災システムであって、所定操作により火災の発生を知らせる信号を発信する発信機の設置場所情報を記憶する発信機設置場所記憶手段(データベース41)を備え、サーバは、火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60により送信された火災の発生場所情報を含む火災情報と、発信機設置場所記憶手段に記憶されている情報と、に基づいて、火災の発生場所と発信機の設置場所とが示されたフロア図(図8(a))を端末20に表示させるフロア図情報(出火階フロア図情報)を作成し、対象の端末20に送信可能である。
したがって、発信機の設置場所を、端末20を所持する者(一般端末ユーザや自衛消防隊長や防災センター)に報知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、発信機の設置場所)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0066】
また、本実施形態の防災システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、火災の有無を報告するよう促す火災有無報告促進画面(確認報告画面(図5)、判断報告画面(図7(b))を端末20に表示させる情報を対象の端末20に送信可能であり、火災有無報告促進画面に応じて所定操作により火災が発生していると報告してきた端末20(具体的には、火災が発生している旨を報知する発信情報を送信してきた一般端末、火災が発生している旨を報知する周知情報を送信してきた特別端末)に、前記フロア図情報(すなわち、火災の発生場所と発信機の設置場所とが示されたフロア図画像110を端末20に表示させる出火階フロア図情報)を送信可能である。
したがって、複数の端末20のうち発信機に対する所定操作を行うのに適した位置にある端末20を所持する者に、発信機の設置場所を報知することが可能となる。
【0067】
出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110には、出火階に設置されている発信機の設置場所は示されるが、出火階以外のフロアに設置されている発信機の設置場所は示されない。すなわち、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110によって、出火階に設置されている発信機の設置場所を報知することはできるが、出火階以外のフロアに設置されている発信機の設置場所を報知することはできない。
一方、火災が発生していると報告してきた者は、出火階にいる可能性が高い。すなわち、その者は、他の者よりも早く、出火階に設置されている発信機を操作できる可能性が高い。したがって、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110によって発信機の設置場所を報知する対象として、火災が発生していると報告してきた者を選ぶことで、発信機の設置場所を他の者に報知する場合よりも、発信機に対する所定操作のタイミングを早まらせることが可能となる。
【0068】
無論、ビーコン情報に基づき算出した各端末20の現在場所から出火階に位置する端末20を特定することができるため、出火階に位置する端末20の全部に報告者用情報を送信して報告者用画面(図8(a))を表示させることも可能である。しかし、この場合、多数の者が発信機を操作するために発信機に集まってしまう(無駄足を踏ませてしまう)可能性が高い。よって、発信機の設置場所を報知する者を絞り込む必要がある。火災が発生していると報告してきた者は通常業務を既に中断していて発信機を操作できる状態にある可能性が高いため、本実施形態では、このような者にのみ発信機の設置場所を報知することとする。
【0069】
また、本実施形態の防災システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60により送信された火災情報を受信した場合に、当該火災情報に含まれる火災の発生場所情報を火災発生場所記憶領域(内部メモリ内の記憶領域)に記憶し、火災発生場所記憶領域に記憶されている情報に基づいて、火災の発生場所に相当する位置に火災画像(火災発生場所アイコン114)が配置されたフロア図を端末20に表示させるフロア図情報(出火階フロア図情報)を作成し、対象の端末20に送信可能であり、端末20は、ユーザが操作可能な操作部(例えばタッチパネル)を備え、当該操作部の操作によりフロア図内に配置される火災画像の位置が変更された場合に(図8(b))、当該火災画像の変更後の位置を報知する火災発生場所変更情報をサーバに送信可能であり(ステップS128)、サーバは、火災発生場所変更情報に基づいて火災発生場所記憶領域を更新可能であり(ステップS145)、更新後の火災発生場所記憶領域に記憶されている情報に基づいて前記フロア図情報を作成し、対象の端末20に送信可能である。
したがって、より正確な火災発生場所を、端末20を所持する者(一般端末ユーザや自衛消防隊長や防災センター)に周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、より正確な火災発生場所)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0070】
<役割選択画面>
一般端末は、報告者用画面(図8(a))のチェックボックス163a及びチェックボックス163bの2つがタップ(チェック)されると、その旨を位置情報サーバ40に送信し、位置情報サーバ40は、それに応じて当該一般端末に役割選択情報を送信する。また、位置情報サーバ40は、火災が発生している旨を報知する発信情報を送信してこなかった一般端末に対して、報告者用情報を送信せずに役割選択情報を送信する。これにより、一般端末の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、役割選択情報に基づくメッセージ画像160が重畳された役割選択画面が表示される(ステップS129)。
【0071】
すなわち、防災センターに電話報告した一般端末ユーザが所持する端末20では、報告者用画面が表示された後、役割選択画面が表示される(ステップS129)。一方、防災センターに電話報告しなかった一般端末ユーザが所持する端末20では、報告者画面が表示されることなく、役割選択画面が表示される(ステップS129)。
なお、火災が発生している旨を報知する発信情報を送信してこなかった一般端末に対して役割選択情報を送信するタイミングは、火災が発生している旨を報知する発信情報を送信してきた一般端末に対して報告者用情報を送信するタイミングと同じであっても良いし、火災が発生している旨を報知する発信情報を送信してきた一般端末に対して役割選択情報を送信するタイミングと同じであっても良い。
【0072】
役割選択画面のメッセージ画像160には、例えば図9(a)に示すように、自衛消防隊の役割と、当該役割を選択している一般端末ユーザの人数とが役割ごとに列挙されている。さらに、自衛消防隊の役割のうち、自衛消防地区隊長(以下、単に「地区隊長」という)を選択する際にタップされるチェックボックス164aと、通報連絡班を選択する際にタップされるチェックボックス164bと、初期消火班を選択する際にタップされるチェックボックス164cと、避難誘導班を選択する際にタップされるチェックボックス164dと、応急救護班を選択する際にタップされるチェックボックス164eと、安全防護班を選択する際にタップされるチェックボックス164fとが配置されている。
すなわち、一般端末ユーザは、自衛消防隊員として行動するための取るべき役割を選択することができる。
【0073】
通報連絡班及び初期消火班は、出火階を担当する一般端末ユーザのみが選択できる。したがって、出火階を担当する一般端末ユーザが所持する端末20に表示される役割選択画面では、例えば図9(a)に示すように、通報連絡班及び初期消火班に関連する表示が、その他の役割に関連する表示と同様、通常表示態様(選択の対象から外れていないことを示す表示態様)で表示されるのに対し、出火階以外のフロアを担当する一般端末ユーザが所持する端末20に表示される役割選択画面では、例えば図9(b)に示すように、通報連絡班及び初期消火班に関連する表示が選択の対象から外れていることを示す表示態様で表示(例えばグレーアウト表示)される。なお、出火階以外のフロアを担当する一般端末ユーザが所持する端末20に表示される役割選択画面では、通報連絡班及び初期消火班に関連する表示を非表示としても良い。
【0074】
位置情報サーバ40の内部メモリには、一般端末の識別情報(端末ID)と、当該一般端末を所持する者が担当するフロアとを対応付けて記憶する担当フロアテーブルが格納されている。位置情報サーバ40は、一般端末からのビーコン情報(例えば、役割選択情報を送信する直前に受信したビーコン情報)に基づいて当該一般端末が位置するフロアを特定し、その特定したフロアを、当該ビーコン情報とともに送信された端末IDと対応付けて担当フロアテーブルに記憶する。すなわち、位置情報サーバ40は、一般端末からのビーコン情報に基づいて当該一般端末が位置するフロアを特定し、その特定したフロアを、当該一般端末を所持する者が担当するフロアとみなす。
【0075】
位置情報サーバ40は、担当フロアテーブルに記憶されている情報に基づいて、出火階を担当する一般端末ユーザが所持する端末20と、出火階以外のフロアを担当する一般端末ユーザが所持する端末20とを判別する。そして、出火階を担当する一般端末ユーザが所持する端末20には、出火階用の役割選択画面を表示させる役割選択情報を送信し、出火階以外のフロアを担当する一般端末ユーザが所持する端末20には、出火階以外のフロア用の役割選択画面(通報連絡班及び初期消火班に関連する表示が選択の対象から外れていることを示す表示態様で表示されている画面)を表示させる役割選択情報を送信する。
【0076】
一般端末は、役割選択画面(図9(a))のチェックボックス164a~164fのいずれか一つがタップ(チェック)されると、選択した役割を報知する役割報知情報を、自己の識別情報(端末ID)とともに位置情報サーバ40に送信する(ステップS130)。
位置情報サーバ40の内部メモリには、一般端末ユーザが選択した役割と、当該一般端末ユーザが所持する端末20の識別情報(端末ID)とを対応付けて記憶する担当役割テーブルが格納されている。位置情報サーバ40は、役割報知情報を受信した場合に、選択された役割と、当該役割報知情報とともに送信された端末IDとを対応付けて、担当役割テーブルに記憶する(ステップS146)。これにより、位置情報サーバ40は、地区隊長を選択した一般端末ユーザが所持する端末20と、通報連絡班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20と、初期消火班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20と、避難誘導班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20と、応急救護班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20と、安全防護班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20とを把握することができる。すなわち、位置情報サーバは、一般端末と、当該一般端末を所持する者と、当該一般端末が所持する者の役割とを関係付けて把握することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、位置情報サーバ40は、一般端末からのビーコン情報に基づいて当該一般端末を所持する者が担当するフロアを判別するようにしたが、これに限定されない。例えば、データベース41に、端末20のユーザに関する情報として、一般端末ユーザが所持する端末20の識別情報(端末ID)とともに、当該一般端末ユーザが担当するフロアが記憶されている場合には、その情報に基づいて、出火階用の役割選択画面を表示させる役割選択情報を送信する一般端末と、出火階以外のフロア用の役割選択画面を表示させる役割選択情報を送信する一般端末とを決定するようにしても良い。
【0078】
一般端末に表示される役割選択画面のメッセージ画像160には、例えば図9(a)に示すように、各役割を選択している一般端末ユーザ(同じフロアを担当する一般端末ユーザ)の人数が列挙されているが、このメッセージ画像160内の人数は、内部メモリの担当役割テーブルに記憶されている情報に基づいている。したがって、位置情報サーバ40は、担当役割テーブルが更新(すなわち担当役割テーブルに新たな情報が記憶)される度に、このメッセージ画像160内の人数を更新するための情報を一般端末に送信する。これにより、役割選択画面のメッセージ画像160によって、各役割を選択している端末ユーザの人数として最新の情報を報知することができる。なお、選択した役割を報知する役割報知情報を受信するまでは、人数の情報は0人である。
【0079】
このように本実施形態の防災システム1は、端末20の識別情報(端末ID)と、自衛消防隊の各役割のうち当該端末20を所持する者が選択した役割と、を対応付けて記憶する役割テーブル(担当役割テーブル)を備え、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、役割テーブルに記憶されている情報に基づいて、役割を選択するよう促す役割選択促進画面として、自衛消防隊の役割が役割ごとに示された役割選択促進画面(役割選択画面(図9))を端末20に表示させる役割選択促進情報(役割選択情報)を作成し、対象の端末20に送信可能であり、端末20は、ユーザが操作可能な操作部(例えばタッチパネル)を備え、当該操作部を操作して役割選択促進画面内に示された自衛消防隊の各役割のうちのいずれかが選択された場合に、選択された役割を報知する役割報知情報をサーバに送信可能であり(ステップS130)、サーバは、役割報知情報に基づいて役割テーブルを更新可能であり(ステップS146)、更新後の役割テーブルに基づいて役割選択促進情報を作成し、対象の端末20に送信可能である。
したがって、自衛消防隊の役割を一般端末ユーザに周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、自衛消防隊の役割)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0080】
また、本実施形態の防災システム1において、役割選択促進画面(役割選択画面(図9))には、自衛消防隊の役割と、当該役割を選択している自衛消防隊員の人数と、が役割ごとに示されているように構成可能である。
したがって、最新の対応人数(各役割を選択している自衛消防隊員の人数)を一般端末ユーザに周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、自衛消防隊の役割と最新の対応人数)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0081】
また、本実施形態の防災システム1において、自衛消防隊の役割には、出火階において端末20を所持する者は選択可能だが、出火階以外のフロアにおいて端末20を所持する者は選択不可の役割(例えば通報連絡班及び初期消火班)があり、端末20は、送信器(ビーコン10)からの信号を受信して、当該送信器の識別情報(機器ID)を含む送信器情報(ビーコン情報)をサーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)に送信可能であり、サーバは、端末20からの送信器情報に基づいて当該端末20の現在場所を特定可能であり、端末20の現在場所が出火階である場合には、自衛消防隊の各役割が通常表示態様で表示された役割選択促進画面(役割選択画面(図9(a)))を表示させる役割選択促進情報(役割選択情報)を当該端末20に送信し、端末20の現在場所が出火階でない場合には、出火階以外のフロアにおいて端末20を所持する者が選択可能な役割が通常表示態様で表示され、出火階以外のフロアにおいて端末20を所持する者が選択不可の役割が非表示、あるいは通常表示態様とは異なる表示態様で表示(例えばグレーアウト表示)された役割選択促進画面(役割選択画面(図9(b)))を表示させる役割選択促進情報(役割選択情報)を当該端末20に送信することが可能である。
したがって、選択できない役割を誤って選択してしまう不都合を回避することができる。
【0082】
<地区隊長対応項目画面>
次いで、位置情報サーバ40は、地区隊長を選択した一般端末ユーザ(自衛消防隊員)が所持する端末20に、地区隊長対応項目情報を送信する。これにより、当該端末20の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、地区隊長対応項目情報に基づくメッセージ画像160が重畳された地区隊長対応項目画面が表示される(ステップS131)。
地区隊長対応項目画面のメッセージ画像160には、例えば図10(a)に示すように、他の一般端末ユーザに対し指揮や命令を行った際にタップされるチェックボックス165aと、防災センターに初期消火の状況報告を行った際にタップされるチェックボックス165bと、防災センターに逃げ遅れ者や負傷者の状況報告を行った際にタップされるチェックボックス165cと、防災センターに出火場所や火災規模などの状況報告を行った際にタップされるチェックボックス165dと、担当するフロアにおいて避難が完了したことを確認した際にタップされる避難完了報告ボタン165eとが配置されている。
【0083】
一般端末は、避難完了報告ボタン165eがタップされると、避難完了情報を位置情報サーバ40に送信する。位置情報サーバ40は、地区隊長からの避難完了情報を受信した場合に、当該避難完了情報とともに送信された端末IDと、担当フロアテーブルに記憶されている情報とに基づいて避難が完了したフロアを特定して、内部メモリの避難完了フロア記憶領域に記憶する。
また、地区隊長対応項目画面のメッセージ画像160には、役割選択ボタン166aが配置されており、この役割選択ボタン166aをタップすることで、役割選択画面(図9)へ戻ることができるようになっている。
【0084】
地区隊長対応項目画面のフロア図画像110は、例えば図10(a)に示すように、グレーアウト表示されている。このフロア図画像110をタップすることで、メッセージ画像160が下へとスライドして、例えば図10(b)に示すように、フロア図画像110の表示領域が拡大する。
地区隊長対応項目画面のフロア図画像110には、例えば図10(b)に示すように、火災発生場所に相当する位置に火災発生場所アイコン114と、当該端末20の現在場所に相当する位置に現在場所アイコン111と、地区隊長の現在場所に相当する位置に地区隊長アイコン121と、地区隊長以外の一般端末ユーザや自衛消防隊長の現在場所に相当する位置に他ユーザアイコン122とが配置されている。無論、当該端末20が出火階に位置していない場合には、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110に現在場所アイコン111は配置されない。すなわち、位置情報サーバ40は、地区隊長を選択した一般端末ユーザが所持する端末20に対しては例外として、当該端末20が地区隊長対応項目画面を表示している間、火災時処理(図2(c))のステップS34で出火階に位置する全ての端末20の現在場所をプロットして作成した出火階フロア図情報を送信する。
【0085】
図10(b)に示す地区隊長対応項目画面は、出火階を担当する一般端末ユーザであって地区隊長を選択した一般端末ユーザ(自衛消防隊員)が所持する端末20に表示されている画面である。したがって、この画面のフロア図画像110では、例えば図10(b)に示すように、現在場所アイコン111(本実施形態の場合、白色ピン型のアイコン)と、地区隊長アイコン121(本実施形態の場合、赤色丸型のアイコン)とが合体した状態で配置されている。
【0086】
下へスライドした状態のメッセージ画像160には、例えば図10(b)に示すように、「対応項目を共有」という表示166bが配置されている。この表示166bをタップすると、対応人員表等の情報が表示されるようになっている。
また、メッセージ画像160の表示166b以外の部分をタップすることで、メッセージ画像160が上へとスライドして、図10(a)に示す状態へ戻ることができるようになっている。
【0087】
<通報連絡班対応項目画面>
また、位置情報サーバ40は、通報連絡班を選択した一般端末ユーザ(自衛消防隊員)が所持する端末20に、通報連絡班対応項目情報を送信する。これにより、当該端末20の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、通報連絡班対応項目情報に基づくメッセージ画像160が重畳された通報連絡班対応項目画面が表示される(ステップS131)。
通報連絡班対応項目画面のメッセージ画像160には、例えば図11(a)に示すように、出火場所や火災規模などを確認した際にタップされるチェックボックス165fと、逃げ遅れ者や負傷者の有無などを確認した際にタップされるチェックボックス165gと、役割選択画面(図9)を再表示する際にタップされる役割選択ボタン166aとが配置されている。
【0088】
通報連絡班対応項目画面のフロア図画像110は、例えば図11(a)に示すように、グレーアウト表示されている。このフロア図画像110をタップすることで、メッセージ画像160が下へとスライドして、例えば図11(b)に示すように、フロア図画像110の表示領域が拡大する。
通報連絡班対応項目画面のフロア図画像110には、例えば図11(b)に示すように、火災発生場所アイコン114と、現在場所アイコン111と、地区隊長アイコン121と、他ユーザアイコン122とが配置されている。無論、当該端末20が出火階に位置していない場合には、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110に現在場所アイコン111は配置されない。すなわち、位置情報サーバ40は、通報連絡班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20に対しては例外として、当該端末20が通報連絡班対応項目画面を表示している間、火災時処理(図2(c))のステップS34で出火階に位置する全ての端末20の現在場所をプロットして作成した出火階フロア図情報を送信する。
【0089】
図11(b)に示す通報連絡班対応項目画面は、出火階を担当する一般端末ユーザであって、通報連絡班を選択した一般端末ユーザ(すなわち地区隊長以外の自衛消防隊員)が所持する端末20である。したがって、この画面のフロア図画像110では、例えば図11(b)に示すように、現在場所アイコン111(本実施形態の場合、白色ピン型のアイコン)と、他ユーザアイコン122(本実施形態の場合、青色丸型のアイコン)とが合体した状態で配置されている。
【0090】
下へスライドした状態のメッセージ画像160には、例えば図11(b)に示すように、「対応項目を共有」という表示166bが配置されている。この表示166bをタップすると、対応人員表等の情報が表示されるようになっている。
また、メッセージ画像160の表示166b以外の部分をタップすることで、メッセージ画像160が上へとスライドして、図11(a)に示す状態へ戻ることができるようになっている。
【0091】
<初期消火班対応項目画面>
また、位置情報サーバ40は、初期消火班を選択した一般端末ユーザ(自衛消防隊員)が所持する端末20に、初期消火班対応項目情報を送信する。これにより、当該端末20の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、初期消火班対応項目情報に基づくメッセージ画像160が重畳された初期消火班対応項目画面が表示される(ステップS131)。
初期消火班対応項目画面のメッセージ画像160には、例えば図12(a)に示すように、初期消火を行った際にタップされるチェックボックス165hと、役割選択画面(図9)を再表示する際にタップされる役割選択ボタン166aとが配置されている。
【0092】
初期消火班対応項目画面のフロア図画像110は、例えば図12(a)に示すように、グレーアウト表示されている。このフロア図画像110をタップすることで、メッセージ画像160が下へとスライドして、例えば図12(b)に示すように、フロア図画像110の表示領域が拡大する。
初期消火班対応項目画面のフロア図画像110には、例えば図12(b)に示すように、火災発生場所アイコン114と、現在場所アイコン111と、地区隊長アイコン121と、他ユーザアイコン122とが配置されている。無論、当該端末20が出火階に位置していない場合には、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110に現在場所アイコン111は配置されない。
【0093】
図12(b)に示す初期消火班対応項目画面は、出火階を担当する一般端末ユーザであって、初期消火班を選択した一般端末ユーザ(すなわち地区隊長以外の自衛消防隊員)が所持する端末20である。したがって、この画面のフロア図画像110では、例えば図12(b)に示すように、現在場所アイコン111(本実施形態の場合、白色ピン型のアイコン)と、他ユーザアイコン122(本実施形態の場合、青色丸型のアイコン)とが合体した状態で配置されている。
【0094】
初期消火班対応項目画面のフロア図画像110には、さらに、消火器の設置場所に相当する位置に消火器アイコン131と、消火栓の設置場所に相当する位置に消火栓アイコン132とが配置されている。すなわち、位置情報サーバ40は、初期消火班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20に対しては例外として、当該端末20が初期消火班対応項目画面を表示している間、火災時処理(図2(c))のステップS32で火災発生場所と消火用設備(消火器や消火栓など)の設置場所とをプロットするとともに、ステップS34で出火階に位置する全ての端末20の現在場所をプロットして作成した出火階フロア図情報を送信する。消火用設備の設置場所のプロットは、データベース41に記憶されている情報(防災機器・設備の設置場所情報)に基づき行われる。
【0095】
下へスライドした状態のメッセージ画像160には、例えば図12(b)に示すように、「対応項目を共有」という表示166bが配置されている。この表示166bをタップすると、対応人員表等の情報が表示されるようになっている。
また、メッセージ画像160の表示166b以外の部分をタップすることで、メッセージ画像160が上へとスライドして、図12(a)に示す状態へ戻ることができるようになっている。
【0096】
初期消火班対応項目画面では、フロア図画像110内に配置されている消火設備の設置場所を示すアイコン(消火器アイコン131や消火栓アイコン132)がタップされると、例えば図13(a)に示すように、タップされた消火設備の簡易取扱説明133が表示されるようになっている。
【0097】
さらに、消火栓の設置場所は変更できないが消火器の設置場所は変更できるため、初期消火班対応項目画面では、消火器アイコン131の表示位置を変更できるようになっている。具体的には、例えば図13(b)に示すように、消火器アイコン131を指でロングタップし、そのまま指を離さずに所望の位置(例えば正確な消火器設置場所に相当する位置)まで移動させることで、消火器アイコン131の表示位置を変更することができる。
端末20は、消火器アイコン131の表示位置が変更されると、変更後の表示位置を通知する機器設置場所変更情報を位置情報サーバ40に送信する。
【0098】
位置情報サーバ40では、機器設置場所変更情報を受信すると、当該機器設置場所変更情報に基づいてデータベース41に記憶されている防災機器・設備の設置場所情報を更新する。これにより、以降に実行される火災時処理(図2(c))のステップS32では、データベース41に記憶されている情報(更新後の消火器設置場所)に基づいて消火器の設置場所がプロットされることになるため、以降、初期消火班を担当する自衛消防隊が所持する端末20の表示部に表示される初期消火班対応項目画面のフロア図画像110には、更新前の位置とは異なる位置に消火器アイコン131が配置される。
【0099】
このように本実施形態の防災システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、所定の防災機器の設置場所情報を記憶する機器設置場所記憶手段(データベース41)に記憶されている情報に基づいて、当該所定の防災機器の設置場所に相当する位置に機器画像(消火器アイコン131)が配置されたフロア図を端末20に表示させるフロア図情報(出火階フロア図情報)を作成し、対象の端末20に送信可能であり、端末20は、ユーザが操作可能な操作部(例えばタッチパネル)を備え、当該操作部の操作によりフロア図内に配置される機器画像の位置が変更された場合に、当該機器画像の変更後の位置を報知する機器設置場所変更情報をサーバに送信可能であり、サーバは、機器設置場所変更情報に基づいて機器設置場所記憶手段を更新可能であり、更新後の機器設置場所記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記フロア図情報を作成し、対象の端末20に送信可能である。
したがって、より正確な防災機器設置場所を、端末20を所持する者(一般端末ユーザや自衛消防隊長や防災センター)に周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、より正確な防災機器設置場所)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
なお、表示位置を変更可能な機器画像は消火器アイコン131に限定されない。すなわち、所定の防災機器は消火器に限定されず、設置場所を変更可能な防災機器であれば、適宜変更可能である。
【0100】
<避難誘導班対応項目画面>
また、位置情報サーバ40は、避難誘導班を選択した一般端末ユーザ(自衛消防隊員)が所持する端末20に、避難誘導班対応項目情報を送信する。これにより、当該端末20の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、避難誘導班対応項目情報に基づくメッセージ画像160が重畳された避難誘導班対応項目画面が表示される(ステップS131)。
避難誘導班対応項目画面のメッセージ画像160には、例えば図14(a)に示すように、避難誘導を開始した際にタップされるチェックボックス165iと、一時集合場所を認識した際にタップされるチェックボックス165jと、担当するフロアにおいて避難が完了したことを確認した際にタップされる避難完了報告ボタン165eと、役割選択画面(図9)を再表示する際にタップされる役割選択ボタン166aとが配置されている。
【0101】
避難誘導班は、担当するフロアにおいて自衛消防隊員以外の避難が完了したことを確認した際に、避難誘導班対応項目画面の避難完了報告ボタン165eをタップする。一般端末は、避難完了報告ボタン165eがタップされると、避難完了情報を位置情報サーバ40に送信する。一方、地区隊長対応項目画面(図10(a))にも避難完了報告ボタン165eが表示されるが、地区隊長は、担当するフロアにおいて全員(自衛消防隊員を含む)の避難が完了したことを確認した際に地区隊長対応項目画面の避難完了報告ボタン165eをタップする。
位置情報サーバ40は、地区隊長からの避難完了情報を受信した場合に、内部メモリの避難完了フロア記憶領域を更新(すなわち避難完了フロア記憶領域に新たな情報を記憶)する。一方、避難誘導班からの避難完了情報を受信した場合には、内部メモリの避難完了フロア記憶領域を更新しない。
【0102】
一時集合場所は、例えば、位置情報サーバ40のお客様管理画面(図15参照)にて任意に設定できるようになっている。
具体的には、例えば、まず、位置情報サーバ40の操作部を操作して、位置情報サーバ40の表示部に、一時集合場所を設定する建物のお客様管理画面を表示させる。
次いで、お客様管理画面において「一時集合場所設定モード」を選択すると、例えば図15に示すように、一時集合場所設定モードに切り替わる。
次いで、一時集合場所となるフロアを選択すると、選択したフロアのフロア図画像が表示されるため、そのフロア図画像内の所望領域を一時集合場所として指定する。
【0103】
次いで、指定した場所の名称を入力し、問題なければ「完了」ボタンをクリックする。これにより、指定及び入力された情報が当該建物の一時集合場所情報として、データベース41に記憶される。
図15に示す例では、「△△ビル」のお客様管理画面の一時集合場所設定モードにおいて、指定した場所の名称が「本館1階玄関前」と入力されているため、「△△ビル」で火災が発生した場合には、避難誘導班対応項目画面のメッセージ画像160や、後述の応急救護班対応項目画面のメッセージ画像160に「一時避難場所は本館1階玄関前です」と表示されることとなる。
【0104】
このように、本実施形態の防災システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、ユーザによって任意設定可能な一時集合場所を記憶し、一時集合場所を報知する情報を対象の端末20に送信可能である。
したがって、端末20を所持する者(一般端末ユーザや自衛消防隊長や防災センター)に一時集合場所を周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、一時集合場所)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0105】
避難誘導班対応項目画面のフロア図画像110は、例えば図14(a)に示すように、グレーアウト表示されている。このフロア図画像110をタップすることで、メッセージ画像160が下へとスライドして、例えば図14(b)に示すように、フロア図画像110の表示領域が拡大する。
避難誘導班対応項目画面のフロア図画像110には、例えば図14(b)に示すように、火災発生場所アイコン114と、現在場所アイコン111と、地区隊長アイコン121と、他ユーザアイコン122とが配置されている。無論、当該端末20が出火階に位置していない場合には、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110に現在場所アイコン111は配置されない。
【0106】
図14(b)に示す避難誘導班対応項目画面は、出火階を担当する一般端末ユーザであって、避難誘導班を選択した一般端末ユーザ(すなわち地区隊長以外の自衛消防隊員)が所持する端末20である。したがって、この画面のフロア図画像110では、例えば図14(b)に示すように、現在場所アイコン111(本実施形態の場合、白色ピン型のアイコン)と、他ユーザアイコン122(本実施形態の場合、青色丸型のアイコン)とが合体した状態で配置されている。
【0107】
避難誘導班対応項目画面のフロア図画像110には、さらに、避難口の設置場所に相当する位置に避難口アイコン134と、階段の設置場所に相当する位置に階段アイコン135とが配置されている。すなわち、位置情報サーバ40は、避難誘導班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20に対しては例外として、当該端末20が避難誘導班対応項目画面を表示している間、火災時処理(図2(c))のステップS32で火災発生場所と避難用設備(避難口や非常階段など)の設置場所とをプロットするとともに、ステップS34で出火階に位置する全ての端末20の現在場所をプロットして作成した出火階フロア図情報を送信する。避難用設備の設置場所のプロットは、データベース41に記憶されている情報(防災機器・設備の設置場所情報)に基づき行われる。
【0108】
下へスライドした状態のメッセージ画像160には、例えば図14(b)に示すように、「対応項目を共有」という表示166bが配置されている。この表示166bをタップすると、対応人員表等の情報が表示されるようになっている。
また、メッセージ画像160の表示166b以外の部分をタップすることで、メッセージ画像160が上へとスライドして、図14(a)に示す状態へ戻ることができるようになっている。
【0109】
<応急救護班対応項目画面>
また、位置情報サーバ40は、応急救護班を選択した一般端末ユーザ(自衛消防隊員)が所持する端末20に、応急救護班対応項目情報を送信する。これにより、当該端末20の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、応急救護班対応項目情報に基づくメッセージ画像160が重畳された応急救護班対応項目画面が表示される(ステップS131)。
応急救護班対応項目画面のメッセージ画像160には、例えば図16(a)に示すように、負傷者や逃げ遅れ者を介助して避難を開始した際にタップされるチェックボックス165mと、一時集合場所を認識した際にタップされるチェックボックス165nと、役割選択画面(図9)を再表示する際にタップされる役割選択ボタン166aとが配置されている。
【0110】
応急救護班対応項目画面のフロア図画像110は、例えば図16(a)に示すように、グレーアウト表示されている。このフロア図画像110をタップすることで、メッセージ画像160が下へとスライドして、例えば図16(b)に示すように、フロア図画像110の表示領域が拡大する。
応急救護班対応項目画面のフロア図画像110には、例えば図16(b)に示すように、火災発生場所アイコン114と、現在場所アイコン111と、地区隊長アイコン121と、他ユーザアイコン122とが配置されている。無論、当該端末20が出火階に位置していない場合には、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110に現在場所アイコン111は配置されない。
【0111】
図16(b)に示す応急救護班対応項目画面は、出火階を担当する一般端末ユーザであって、応急救護班を選択した一般端末ユーザ(すなわち地区隊長以外の自衛消防隊員)が所持する端末20である。したがって、この画面のフロア図画像110では、例えば図16(b)に示すように、現在場所アイコン111(本実施形態の場合、白色ピン型のアイコン)と、他ユーザアイコン122(本実施形態の場合、青色丸型のアイコン)とが合体した状態で配置されている。
【0112】
応急救護班対応項目画面のフロア図画像110には、さらに、避難口の設置場所に相当する位置に避難口アイコン134と、階段の設置場所に相当する位置に階段アイコン135とが配置されている。すなわち、位置情報サーバ40は、応急救護班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20に対しては例外として、当該端末20が応急救護班対応項目画面を表示している間、火災時処理(図2(c))のステップS32で火災発生場所と避難用設備(避難口や非常階段など)の設置場所とをプロットするとともに、ステップS34で出火階に位置する全ての端末20の現在場所をプロットして作成した出火階フロア図情報を送信する。避難用設備の設置場所のプロットは、データベース41に記憶されている情報(防災機器・設備の設置場所情報)に基づき行われる。
【0113】
下へスライドした状態のメッセージ画像160には、例えば図16(b)に示すように、「対応項目を共有」という表示166bが配置されている。この表示166bをタップすると、対応人員表等の情報が表示されるようになっている。
また、メッセージ画像160の表示166b以外の部分をタップすることで、メッセージ画像160が上へとスライドして、図16(a)に示す状態へ戻ることができるようになっている。
【0114】
<安全防護班対応項目画面>
また、位置情報サーバ40は、安全防護班を選択した一般端末ユーザ(自衛消防隊員)が所持する端末20に、安全防護班対応項目情報を送信する。これにより、当該端末20の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、安全防護班対応項目情報に基づくメッセージ画像160が重畳された安全防護班対応項目画面が表示される(ステップS131)。
安全防護班対応項目画面のメッセージ画像160には、例えば図17(a)に示すように、防火戸や防火シャッターを閉鎖した際にタップされるチェックボックス165pと、排煙設備を起動した際にタップされるチェックボックス165qと、役割選択画面(図9)を再表示する際にタップされる役割選択ボタン166aとが配置されている。
【0115】
安全防護班対応項目画面のフロア図画像110は、例えば図17(a)に示すように、グレーアウト表示されている。このフロア図画像110をタップすることで、メッセージ画像160が下へとスライドして、例えば図17(b)に示すように、フロア図画像110の表示領域が拡大する。
安全防護班対応項目画面のフロア図画像110には、例えば図17(b)に示すように、火災発生場所アイコン114と、現在場所アイコン111と、地区隊長アイコン121と、他ユーザアイコン122とが配置されている。無論、当該端末20が出火階に位置していない場合には、出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110に現在場所アイコン111は配置されない。
【0116】
図17(b)に示す安全防護班対応項目画面は、出火階を担当する一般端末ユーザであって、安全防護班を選択した一般端末ユーザ(すなわち地区隊長以外の自衛消防隊員)が所持する端末20である。したがって、この画面のフロア図画像110では、例えば図17(b)に示すように、現在場所アイコン111(本実施形態の場合、白色ピン型のアイコン)と、他ユーザアイコン122(本実施形態の場合、青色丸型のアイコン)とが合体した状態で配置されている。
【0117】
安全防護班対応項目画面のフロア図画像110には、さらに、防火戸の設置場所に相当する位置に防火戸アイコン136と、防火シャッターの設置場所に相当する位置に防火シャッターアイコン137とが配置されている。すなわち、位置情報サーバ40は、安全防護班を選択した一般端末ユーザが所持する端末20に対しては例外として、当該端末20が安全防護班対応項目画面を表示している間、火災時処理(図2(c))のステップS32で火災発生場所と防火用設備(防火戸や防火シャッターなど)の設置場所とをプロットするとともに、ステップS34で出火階に位置する全ての端末20の現在場所をプロットして作成した出火階フロア図情報を送信する。防火用設備の設置場所のプロットは、データベース41に記憶されている情報(防災機器・設備の設置場所情報)に基づき行われる。
【0118】
下へスライドした状態のメッセージ画像160には、例えば図17(b)に示すように、「対応項目を共有」という表示166bが配置されている。この表示166bをタップすると、対応人員表等の情報が表示されるようになっている。
また、メッセージ画像160の表示166b以外の部分をタップすることで、メッセージ画像160が上へとスライドして、図17(a)に示す状態へ戻ることができるようになっている。
【0119】
このように本実施形態の防災システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、自衛消防隊の役割ごとに異なる災害対応が示された災害対応画面として、役割選択促進画面(役割選択画面(図9))の再表示を指示する際に選択されるボタン画像(役割選択ボタン166a)を含む災害対応画面(地区隊長対応項目画面(図10)、通報連絡班対応項目画面(図11)、初期消火班対応項目画面(図12)、避難誘導班対応項目画面(図14)、応急救護班対応項目画面(図16)、安全防護班対応項目画面(図17))を端末20に表示させる情報を、役割別に対象の端末20に送信可能であり、端末20の操作部(例えばタッチパネル)を操作して災害対応画面内のボタン画像が選択された場合に、当該端末20に表示中の画面が当該災害対応画面から役割選択促進画面に切り替わるように構成可能である。
このように構成することで、端末20を所持する者(一般端末ユーザ等)は、先に選択した役割での災害対応の途中や終了後に、役割選択促進画面(役割選択画面(図9))を再度見ることができる。すなわち、先に選択した役割での災害対応の途中や終了後に、最新の対応人数(各役割を選択している自衛消防隊員の人数)を把握することができるとともに、先に選択した役割とは異なる役割を選択し直すことができる。したがって、人手が足りない役割を把握することが可能となるとともに、人手が足りない役割に乗り換えることが可能となるため、自衛消防活動をより円滑に行うことができる。
【0120】
また、本実施形態の防災システム1において、端末20は、送信器(ビーコン10)からの信号を受信して、当該送信器の識別情報(機器ID)を含む送信器情報(ビーコン情報)をサーバに送信可能であり、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、端末20からの送信器情報に基づいて当該端末20の現在場所を特定可能であり、火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60により送信された火災の発生場所情報を含む火災情報と、複数の端末20からの送信器情報と、役割テーブル(担当役割テーブル)に記憶されている情報と、に基づいて、火災の発生場所に相当する位置に火災画像(火災発生場所アイコン114)と、一の端末20の現在場所に相当する位置に現在場所画像(現在場所アイコン111)と、自衛消防隊の役割の一種である地区隊長が所持する端末20の現在場所に相当する位置に地区隊長場所画像(地区隊長アイコン121)と、地区隊長以外の者が所持する端末20の現在場所に相当する位置に他者場所画像(他ユーザアイコン122)と、が配置されたフロア図を当該一の端末20に表示させるフロア図情報(出火階フロア図情報)を作成し、対象の端末20に送信可能であり、地区隊長が所持する端末20では、現在場所画像と地区隊長場所画像とが合体した状態(図10(b)参照)で表示されるように構成可能である。
このように構成することで、端末20を所持する者(一般端末ユーザや自衛消防隊長や防災センター)は、自身の現在場所だけでなく、端末20を所持する他の者の現在場所を地区隊長と地区隊長以外とを判別可能に把握することができる。
【0121】
<特別端末対応項目画面>
警報発生場所に居合わせた一般端末ユーザが、所持する端末20を操作し、確認報告画面(図5)において確認結果を選択すると(火災ボタン161a又は非火災ボタン161bをタップすると)、特別端末に判断報告画面(図7(b))が表示される。特別端末は、判断報告画面(図7(b))において火災又は非火災の断定操作(火災断定ボタン162a又は非火災断定ボタン162bをタップする操作)及び周知操作(周知ボタン162cをタップする操作)がなされると、周知情報を位置情報サーバ40に送信する。位置情報サーバ40は、周知情報を受けて、特別端末及び一般端末に報告者用画面(図8(a))を表示させる。特別端末で火災の断定操作及び周知操作がなされた場合(判断報告画面(図7(b))において火災断定ボタン162a及び周知ボタン162cがタップされた場合)には、特別端末及び一般端末の画面の警報発生場所アイコン112が火災発生場所アイコン114に変わる(図4図5図7図8(a))。
【0122】
一般端末は、報告者用画面(図8(a))においてチェックボックス163a及びチェックボックス163bの2つがタップ(チェック)されると、タップ完了情報を位置情報サーバ40に送信する。位置情報サーバ40は、一般端末からのタップ完了情報を受けて、当該特別端末(すなわち、周知情報を送信してきた特別端末)に特別端末対応項目情報を送信する。また、位置情報サーバ40は、周知情報を送信してこなかった特別端末に対して、報告者用情報を送信せずに特別端末対応項目情報を送信する。これにより、特別端末の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、特別端末対応項目情報に基づくメッセージ画像160が重畳された特別端末対応項目画面(図18)が表示される(ステップS167)。
【0123】
すなわち、火災が発生している旨を報知する周知情報を送信してきた特別端末では、報告者用画面が表示された後、特別端末対応項目画面が表示される(ステップS167)。
なお、火災が発生している旨を報知する周知情報を送信してこなかった特別端末に対して特別端末対応項目情報を送信するタイミングは、火災が発生している旨を報知する周知情報を送信してきた特別端末に対して報告者用情報を送信するタイミングと同じであっても良いし、火災が発生している旨を報知する周知情報を送信してきた特別端末に対して特別端末対応項目情報を送信するタイミングと同じであっても良い。
【0124】
特別端末対応項目画面のメッセージ画像160には、例えば図18に示すように、119番通報した際にタップされるチェックボックス167aと、非常放送で火災発生を周知した際にタップされるチェックボックス167bとが配置されている。
特別端末は、チェックボックス167a及びチェックボックス167bの2つがタップ(チェック)されると、その旨を位置情報サーバ40に送信し、位置情報サーバ40は、それに応じて当該特別端末に状況情報を送信する。これにより、特別端末の表示部には、最新の出火階フロア図情報に基づくフロア図画像110上に、状況情報に基づくメッセージ画像160が重畳された状況画面が表示される(ステップS168)。
【0125】
<状況画面>
状況画面のメッセージ画像160には、対応人員タブ168aに対応するメッセージ画像160と、避難報告タブ168bに対応するメッセージ画像160と、消火状況タブ168cに対応するメッセージ画像160とがある。
対応人員タブ168aに対応するメッセージ画像160には、例えば図19(a)に示すように、自衛消防隊の役割と、当該役割を選択している一般端末ユーザの人数とが役割ごとに列挙されている。このメッセージ画像160内の人数は、内部メモリの担当役割テーブルに記憶されている情報に基づいている。したがって、位置情報サーバ40は、担当役割テーブルが更新(すなわち、担当役割テーブルに新たな情報が記憶)される度に、このメッセージ画像160内の人数を更新するための情報を特別端末に送信する。これにより、状況画面の対応人員タブ168aに対応するメッセージ画像160によって、各役割を選択している一般端末ユーザの人数として最新の情報を報知することができる。
【0126】
避難報告タブ168bに対応するメッセージ画像160には、例えば図19(b)に示すように、フロアの名前と、当該フロアでの避難完了の有無と、当該フロアに残留している人数と、当該フロアから避難した人数とがフロアごとに列挙されている。このメッセージ画像160内の避難完了の有無は、内部メモリの避難完了フロア記憶領域に記憶されている情報に基づいている。したがって、位置情報サーバ40は、避難完了フロア記憶領域が更新(すなわち避難完了フロア記憶領域に新たな情報が記憶)される度に、このメッセージ画像160内の避難完了の有無を更新するための情報を特別端末に送信する。これにより、状況画面の避難報告タブ168bに対応するメッセージ画像160によって、避難が完了しているフロアとして最新の情報を報知することができる。
【0127】
避難完了フロア記憶領域は、地区隊長対応項目画面(図10(a))の避難完了報告ボタン165eがタップされた場合に更新されるのに対し、避難誘導班対応項目画面(図14(a))の避難完了報告ボタン165eがタップされても更新されない。したがって、図19(b)に示す例では、本館1階及び本館2階が「完了」となっているため、本館1階を担当する地区隊長と本館2階を担当する地区隊長が避難完了報告ボタン165eをタップしたことを示している。
また、状況画面の避難報告タブ168bに対応するメッセージ画像160には、例えば図19(b)に示すように、非常放送で全館(他階)に避難開始を指示した際にタップされるチェックボックス167cが配置されている。
【0128】
消火状況タブ168cに対応するメッセージ画像160には、例えば図20(a),(b)に示すように、初期消火に失敗した際にタップされる初期消火失敗ボタン167dと、初期消火に成功した際にタップされる初期消火成功ボタン167eとが配置されている。初期消火失敗ボタン167dがタップされた場合には、例えば図18(a)に示すように、初期消火に失敗した際に行う災害対応がメッセージ画像160に列挙される。一方、初期消火成功ボタン167eがタップされた場合には、例えば図18(b)に示すように、初期消火に成功した際に行う災害対応がメッセージ画像160に列挙される。
【0129】
状況画面のフロア図画像110は、例えば図19及び図20に示すように、グレーアウト表示されている。このフロア図画像110をタップすることで、メッセージ画像160が下へとスライドして、例えば図21に示すように、フロア図画像110の表示領域が拡大する。
状況画面のフロア図画像110には、例えば図21に示すように、火災発生場所アイコン114と、地区隊長アイコン121と、他ユーザアイコン122とが配置されている。無論、当該端末20(特別端末)の現在場所が表示エリア内である場合には、状況画面のフロア図画像110に現在場所アイコン111も配置される。
【0130】
下へスライドした状態のメッセージ画像160には、例えば図21に示すように、「対応項目を共有」という表示166bが配置されている。この表示166bをタップすると、対応人員表等の情報が表示されるようになっている。
また、メッセージ画像160の表示166b以外の部分をタップすることで、メッセージ画像160が上へとスライドして、図19及び図20に示す状態のいずれかへ戻ることができるようになっている。
【0131】
このように本実施形態の防災システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、避難状況を報告するよう促す避難状況報告促進画面として、担当するフロアにおいて避難が完了したことを報告する際に選択されるボタン画像(避難完了報告ボタン165e)を含む避難状況報告促進画面(地区隊長対応項目画面(図10(a))、避難誘導班対応項目画面(図14(a)))を端末20に表示させる避難状況報告促進情報(地区隊長対応項目情報、避難誘導班対応項目情報)を対象の端末20に送信可能であり、端末20は、送信器(ビーコン10)からの信号を受信して、当該送信器の識別情報(機器ID)を含む送信器情報(ビーコン情報)をサーバに送信可能であり、ユーザが操作可能な操作部(例えばタッチパネル)を備え、当該操作部を操作して避難状況報告促進画面内のボタン画像が選択された場合に避難完了情報をサーバに送信可能であり、サーバは、端末20からの送信器情報に基づいて当該端末20の現在場所を特定可能であり、端末20からの避難完了情報と、当該端末20からの送信器情報と、に基づいて、当該端末20を所持する自衛消防隊員が位置するフロアにおいて避難が完了した旨の避難完了通知を、自衛消防隊長が所持する端末20及び/又は防災センターに設置される端末20に送信可能である。
したがって、自衛消防隊員は担当するフロア(自身が位置するフロア)において避難が完了したことを自衛消防隊長や防災センターに報知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、避難が完了したこと)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0132】
また、本実施形態の防災システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、避難状況報告促進情報(地区隊長対応項目情報、避難誘導班対応項目情報)を、自衛消防隊の役割のうち地区隊長又は避難誘導班を選択した自衛消防隊員が所持する端末20に送信可能であり、地区隊長が所持する端末20からの避難完了情報に基づいて、避難完了通知を自衛消防隊長が所持する端末20及び/又は防災センターに設置される端末20に送信可能である。
したがって、地区隊長は担当するフロア(自身が位置するフロア)において避難が完了(全員の避難が完了)したことを自衛消防隊長や防災センターに報知することができる。
【0133】
<変形例>
上記実施形態では、例えば図8(b)に示すように、報告者用画面において火災発生場所アイコン114の表示位置を変更できるよう構成したが、それに加えて、火の範囲、煙の範囲、破損の範囲、要救助者がいる場所、通行不可の場所などを指定できるようにしても良い。
具体的には、例えば図22(a)に示すように、報告者用画面のメッセージ画像160(あるいは、フロア図画像110であっても良い)に、報告項目表示169aと次ボタン169bとを配置して、報告項目表示169aが「火点の移動」となっている場合にのみ、火災発生場所アイコン114の表示位置を変更できるようにするとともに、「火点の移動」となっている報告項目表示169aがタップされると、変更後の表示位置を通知する火災発生場所変更情報を位置情報サーバ40に送信するようにしても良い。
【0134】
報告項目表示169aは、次ボタン169bがタップされる度に、例えば「火点の移動」→「火の範囲報告」→「煙の範囲報告」→「破損の範囲報告」→「要救助者報告」→「通行不可報告」→「火点の移動」→…と切り替わるようになっている。
【0135】
端末20では、例えば図22(b)に示すように、報告項目表示169aが「火の範囲報告」となっている場合に、フロア図画像110上(操作部(タッチパネル)上)におけるユーザの指の軌跡に対応して軌跡画像141を表示し、その後、報告項目表示169aがタップされると軌跡画像141の表示範囲(軌跡画像141で囲まれた範囲)を通知する火の範囲報告情報を位置情報サーバ40に送信する。
位置情報サーバ40は、火の範囲報告情報を受信すると、この情報を内部メモリに記憶し、そして、この情報を反映させたフロア図情報(具体的には、例えば、前記軌跡画像141の表示範囲と同じ範囲に軌跡画像141が配置されたフロア図を表示させるための出火階フロア図情報)を生成して特別端末及び一般端末に送信する。これにより、火の範囲を周知することが可能となる。
【0136】
また、端末20では、例えば図23(a)に示すように、報告項目表示169aが「煙の範囲報告」となっている場合に、フロア図画像110上(操作部(タッチパネル)上)におけるユーザの指の軌跡に対応して軌跡画像142を表示し、その後、報告項目表示169aがタップされると軌跡画像142の表示範囲(軌跡画像142で囲まれた範囲)を通知する煙の範囲報告情報を位置情報サーバ40に送信する。
位置情報サーバ40は、煙の範囲報告情報を受信すると、この情報を内部メモリに記憶し、そして、この情報を反映させたフロア図情報(具体的には、例えば、前記軌跡画像142の表示範囲と同じ範囲に軌跡画像142が配置されたフロア図を表示させるための出火階フロア図情報)を生成して特別端末及び一般端末に送信する。これにより、煙の範囲を周知することが可能となる。
【0137】
また、端末20では、例えば図23(b)に示すように、報告項目表示169aが「破損の範囲報告」となっている場合に、フロア図画像110上(操作部(タッチパネル)上)におけるユーザの指の軌跡に対応して軌跡画像143を表示し、その後、報告項目表示169aがタップされると軌跡画像143の表示範囲(軌跡画像143で囲まれた範囲)を通知する破損の範囲報告情報を位置情報サーバ40に送信する。
位置情報サーバ40は、破損の範囲報告情報を受信すると、この情報を内部メモリに記憶し、そして、この情報を反映させたフロア図情報(具体的には、例えば、前記軌跡画像143の表示範囲と同じ範囲に軌跡画像143が配置されたフロア図を表示させるための出火階フロア図情報)を生成して特別端末及び一般端末に送信する。これにより、破損の範囲を周知することが可能となる。
【0138】
また、端末20では、例えば図24(a)に示すように、報告項目表示169aが「要救助者報告」となっている場合に、フロア図画像110がタップされるとタップされた位置に要救助者アイコン144を表示し、その後、報告項目表示169aがタップされると要救助者アイコン144の表示位置を通知する要救助者の位置報告情報を位置情報サーバ40に送信する。
位置情報サーバ40は、要救助者の位置報告情報を受信すると、この情報を内部メモリに記憶し、そして、この情報を反映させたフロア図情報(具体的には、例えば、前記要救助者アイコン144の表示位置と同じ位置に要救助者アイコン144が配置されたフロア図を表示させるための出火階フロア図情報)を生成して特別端末及び一般端末に送信する。これにより、要救助者の有無や要救助者の位置を周知することが可能となる。
【0139】
また、端末20では、例えば図24(b)に示すように、報告項目表示169aが「通行不可報告」となっている場合に、フロア図画像110がタップされるとタップされた位置に通行不可アイコン145を表示し、その後、報告項目表示169aがタップされると通行不可アイコン145の表示位置を通知する通行不可の位置報告情報を位置情報サーバ40に送信する。
位置情報サーバ40は、通行不可の位置報告情報を受信すると、この情報を内部メモリに記憶し、そして、この情報を反映させたフロア図情報(具体的には、例えば、前記通行不可アイコン145の表示位置と同じ位置に通行不可アイコン145が配置されたフロア図を表示させるための出火階フロア図情報)を生成して特別端末及び一般端末に送信する。これにより、通行不可である通路や階段や扉などを周知することが可能となる。
【0140】
このように本変形例の防災システム1において、端末20は、操作部(例えばタッチパネル)の操作によりフロア図内の所定範囲が指定された場合に、当該所定範囲を火の範囲、煙の範囲又は破損の範囲として報告する範囲報告情報をサーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)に送信可能であり、サーバは、範囲報告情報に基づいて、指定された所定範囲に火の範囲画像(軌跡画像141)、煙の範囲画像(軌跡画像143)又は破損の範囲画像(軌跡画像143)が配置されたフロア図を端末20に表示させるフロア図情報(出火階フロア図情報)を作成し、対象の端末20に送信可能である。
したがって、火の範囲、煙の範囲、破損の範囲を、端末20を所持する者(一般端末ユーザや自衛消防隊長や防災センター)に周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、火の範囲、煙の範囲、破損の範囲)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0141】
また、本変形例の防災システム1において、端末20は、操作部(例えばタッチパネル)の操作によりフロア図内の所定位置が指定された場合に、当該所定位置を要救助者位置又は通行不可位置として報告する位置報告情報をサーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)に送信可能であり、サーバは、位置報告情報に基づいて、指定された所定位置に要救助者画像(要救助者アイコン144)又は通行不可画像(通行不可アイコン145)が配置されたフロア図を端末20に表示させるフロア図情報(出火階フロア図情報)を作成し、対象の端末20に送信可能である。
したがって、要救助者の位置、通行不可の位置を、端末20を所持する者(一般端末ユーザや自衛消防隊長や防災センター)に周知することができる。すなわち、自衛消防活動に効果的な情報(この場合、要救助者の位置、通行不可の位置)を配信することができるので、自衛消防活動をより円滑に行うことが可能となる。
【0142】
以上、本発明を実施形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態及び上記変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80は、別体ではなく共通の支援サーバ等として一体的に構成されていても良い。
また、上記実施形態では、ビーコンからの信号を端末20によって受信し受信した情報を無線通信で位置情報サーバ40へ送信すると説明したが、監視対象エリアがオフィスのような空間である場合には、オフィス内の机に設置されているパソコンにビーコンからの信号を受信可能な機器を接続して、当該機器が受信した情報をパソコンがLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して位置情報サーバ40へ送信するようにしても良い。
【0143】
また、上記実施形態では、ビーコンは情報を送信する機能のみ有していると説明したが、ビーコンが端末20からの無線信号を受信する機能さらには受信した情報をサーバへ送信する機能を有していても良い。
また、上記実施形態では、防災システムとして、ビーコンによる測位を利用したシステムを例示したが、これに限定されず、防災システムは、例えば、IMES(Indoor MEssaging System)等のその他の方式による測位を利用したシステムであっても良い。すなわち、送信器は、ビーコン10に限定されず、例えば、IMES送信機等であっても良い。
【符号の説明】
【0144】
1 防災システム
10 ビーコン(送信器)
20 端末
40 位置情報サーバ(サーバ)
41 データベース(発信機設置場所記憶手段、機器設置場所記憶手段)
50 火災感知器
60 火災受信機
80 火災情報サーバ(サーバ)
110 フロア図画像(フロア図)
111 現在場所アイコン(現在場所画像)
114 火災発生場所アイコン(火災画像)
121 地区隊長アイコン(地区隊長場所画像)
122 他ユーザアイコン(他者場所画像)
131 消火器アイコン(機器画像)
141 軌跡画像(火の範囲画像)
142 軌跡画像(煙の範囲画像)
143 軌跡画像(破損の範囲画像)
144 要救助者アイコン(要救助者画像)
145 通行不可アイコン(通行不可画像)
162a 火災断定ボタン(第1ボタン画像)
162b 非火災断定ボタン(第2ボタン画像)
162c 周知ボタン(第3ボタン画像)
165e 避難完了報告ボタン(ボタン画像)
166a 役割選択ボタン(ボタン画像)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24