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▶ エンコア メディカル エル ピーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176298
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】肩インプラント部品
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/40 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
A61F2/40
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160362
(22)【出願日】2022-10-04
(62)【分割の表示】P 2019539207の分割
【原出願日】2018-01-18
(31)【優先権主張番号】62/448,205
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516390026
【氏名又は名称】エンコア メディカル エル ピー
【氏名又は名称原語表記】Encore Medical, L.P.
【住所又は居所原語表記】9800 Metric Blvd Austin Texas 78758 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アクセルソン スチュアート エル ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ディクソン アンドリュー エム
(72)【発明者】
【氏名】ワイディング キルスティン
(72)【発明者】
【氏名】アボウド ジョセフ アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ナムダリ スレナ
(72)【発明者】
【氏名】フランクル マーク アラン
(72)【発明者】
【氏名】レビー ジョナサン シー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムス ジェラルド ロス ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】プローウマン ナサン オリバー
(72)【発明者】
【氏名】ハイアー リチャード ジャスティン
(57)【要約】
【課題】上腕骨ステムインプラントを提供すること。
【解決手段】上腕骨ステムインプラントは、中心軸線を有する下部ステム部分と、前記下部ステム部分から延び、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して角度をなすテーパ面を有する上部ステム部分と、第1の対の平行フィンの各フィンが1つまたは複数の窓を形成するように、複数の別個の位置で前記上部ステム部分の外面の後方部分に結合されている第1の対の平行フィンと、前記上部ステム部分の前記外面の前方部分に結合される第2の対の平行フィンと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上腕骨ステムインプラントであって、
中心軸線を有する下部ステム部分と、
前記下部ステム部分から延び、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して角度をなすテーパ面を有する上部ステム部分と、
第1の対の平行フィンの各フィンが1つまたは複数の窓を形成するように、複数の別個の位置で前記上部ステム部分の外面の後方部分に結合されている第1の対の平行フィンと、
前記上部ステム部分の前記外面の前方部分に結合される第2の対の平行フィンと、を備え、
前記第1の対の平行フィンおよび前記第2の対の平行フィンは、患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管に着座する前記上腕骨ステムインプラントに呼応する海綿骨を直接係合することによって前記上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供するように構成された、上腕骨ステムインプラント。
【請求項2】
前記第1の対の平行フィンの各々の後面の少なくとも一部は楔を形成し、前記第2の対の平行フィンの各々の前面の少なくとも一部は、それぞれの楔を形成する、請求項1に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項3】
前記第1の対の平行フィンの各々および前記第2の対の平行フィンの各々は、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して内側にテーパ状であり、
前記第1の対の平行フィンの各々の前記内側テーパおよび前記第2の対の平行フィンの各々の前記内側テーパは、前記上部ステム部分から前記下部ステム部分に向かって下方向に内側に延びている、請求項1に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項4】
前記第1の対の平行フィンの第1のフィンと前記第2の対の平行フィンの第1のフィンは、前記下部ステム部分の中心軸線に対して第1の角度に内側にテーパ状に形成され、前記第1の対の平行フィンのうちの第2のフィンおよび前記第2の対の平行フィンのうちの第2のフィンは、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して第2の角度に内側にテーパ状に形成され、前記第2の角度は前記第1の角度と異なる、請求項1に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項5】
前記第1の対の平行フィンのうち第1のフィンは、第1の長さを有し、前記第1の対の平行フィンのうち第2のフィンは、前記第1の長さの半分未満の第2の長さを有し、
前記第2の対の平行フィンの第1のフィンは、前記第1の長さとほぼ等しい第3の長さを有し、前記第2の対の平行フィンの第2のフィンは、前記第2の長さとほぼ等しい第4の長さを有する、請求項1に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項6】
前記1つまたは複数の窓は、それを通してそれぞれの縫合糸を受容するように構成され、前記第2の対の平行フィンの各々は、それぞれの縫合糸を受容するように構成されたそれぞれの窓を形成する、請求項1に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項7】
前記上部ステム部分の前記外面の大部分に取り付けられた生物学的内部成長コーティングをさらに含み、前記生物学的内部成長コーティングが、前記第1および前記第2の対の平行フィンを越えて少なくとも1ミリメートルだけ前記テーパ面から下方に延び、
前記生物学的内部成長コーティングは、前記テーパ面、前記下部ステム部分、前記第1の対の平行フィン、および前記第2の対の平行フィンには取り付けられていない、請求項1に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項8】
前記上部ステム部分の前記外面の中間部分において前記テーパ面に隣接して配置されたノッチをさらに備え、前記ノッチは、ステム抽出ツールの先端によって係合されるように構成され、それに着座/設置された後に、前記患者の前記調整済みの上腕骨の上腕骨管から前記上腕骨ステムインプラントを除去する、請求項1に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項9】
上腕骨ステムインプラントであって、
中心軸線を有する下部ステム部分と、
前記下部ステム部分から延び、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して角度をなすテーパ面を有する前記上部ステム部分と、
第1の中心軸線および第1の長さを有し、複数の別個の位置で前記上部ステム部分の外面の後方部分に結合される第1の長手フィンであって、縫合糸を受容するように構成された第1の窓を形成し、内側にテーパ状に形成され、第1の中心軸線が下方ステム部分の中心軸線に対して第1の角度となっている第1の長手フィンと、
第2の中心軸線および第1の長さの半分未満の第2の長さを有し、複数の別個の位置で前記上部ステム部分の前記外面の前記後方部分に結合されて、縫合糸を受容するように構成された第2の窓を形成する第2の長手フィンであって、内側に向かって内側にテーパ状に形成され、前記第2の中心軸線が前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して前記第1の角度とは異なる前記第2の角度となっており、前記第1の長手フィンおよび前記第2の長手フィンが、患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管に着座する前記上腕骨ステムインプラントに呼応する海綿骨を直接係合することによって前記上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供するように構成される、第2の長手フィンと、
前記第1の長手フィンを越えて少なくとも1ミリメートルだけ前記テーパ面から下方に延びるよう前記上部ステム部分の前記外面の大部分に取り付けられる生物学的な内部成長コーティングと、を備えた上腕骨インプラント。
【請求項10】
前記第1の長手フィンの後面の少なくとも一部は、前記上腕骨ステムインプラントの設置中に海綿骨を直接係合して緻密にする楔を形成するようにテーパ状にされている、請求項9に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項11】
前記下部ステム部分は、前記上腕骨管に着座した前記上腕骨ステムインプラントに呼応して、前記患者の前記調整済み上腕骨の骨幹端と骨幹との間の移行領域内に、前記上部ステム部のテーパ面を前記調整済みの上腕骨の骨切削部分とほぼ面一として延び、
前記下部ステム部分が、前記上腕骨管に着座した前記上腕骨ステムインプラントに呼応して、前記上部ステム部のテーパ面を前記調整済みの上腕骨の骨切削部分とほぼ面一として前記患者の前記調整済み上腕骨の皮質骨に接触しないように構成された、請求項9に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項12】
さらに、
第3の中心軸線および前記第1の長手フィンの前記第1の長さと概ね同じ第3の長さを有し、前記上部ステム部分の前記外面の前方部分に連結される第3の長手フィンであって、内部に縫合糸を受容するように構成された第3の窓を形成し、内側にテーパ状に形成され、前記第3の中心軸線が、前記下部ステム部の前記中心軸線に対して前記第1の角度となっている第3の長手フィンと、
第4の中心軸線および前記第2の長手フィンの前記第2の長さと概ね同じ第4の長さを有し、前記上部ステム部分の前記外面の前方部分に連結される第4の長手フィンであって、内部に縫合糸を受容するように構成された第4の窓を形成し、内側にテーパ状に形成され、前記第4の中心軸線が、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して前記第2の角度となっている第4の長手フィンと、を備え、前記第3の長手フィンおよび前記第4の長手フィンは、患者の前記調整済みの上腕骨の上腕骨管に上腕骨ステムインプラントが着座すると、それに呼応して、海綿骨を直接係合することによって、上腕骨ステムインプラントに回転安定性をさらに提供するように構成された、請求項9に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項13】
前記第1の長手フィンは、3つの別個の位置で前記上部ステム部分の前記外面の前記後方部分に結合され、前記第1の長手フィンが前記第1の窓と第3の窓を形成する、請求項9に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項14】
上腕骨ステムインプラントであって、
中心軸線を有する下部ステム部分と、
前記下部ステム部分から延び、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して角度をなすテーパ面を有する上部ステム部分と、
長手フィンが1つまたは複数の窓を形成するように複数の別個の位置で前記上部ステム部分の外面に結合された長手フィンであって、前記長手フィンは、前記下部ステム部分の中心軸線に対して角度的に内方に向かってテーパ状になっており、前記長手フィンの少なくとも一部は、前記上腕骨ステムインプラントの設置中に前記海綿骨を直接係合して緻密にする楔を形成する長手フィンと、を備える上腕骨ステムインプラント。
【請求項15】
前記上部ステム部分の前記外面に結合された第2の長手フィンをさらに備える、請求項14に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項16】
前記長手フィンは、前記上部ステム部分の前記外面の後方部分に結合され、前記第2の長手フィンは、前記上部ステム部分の外面の前方部分に結合される、請求項15に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項17】
前記第2の長手フィンの長さは、前記長手フィンの長さとほぼ等しい、請求項16に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項18】
前記長手フィンおよび前記第2の長手フィンは、共に、前記上部ステム部分の前記外面の後方部分または前方部分に結合される、請求項15に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項19】
前記第2の長手フィンの長さは、前記長手フィンの長さの半分未満である、請求項18に記載の上腕骨ステムインプラント。
【請求項20】
前記第2の長手フィンは、前記下部ステム部分の中心軸線に対して第2の角度で内側にテーパ状であり、前記第2の角度は、前記角度とは異なり、
前記長手フィンおよび前記第2の長手フィンは、上腕骨ステムインプラントが患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管に着座するとそれに呼応して、前記海綿骨に直接係合することによって、前記上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供する、請求項18に記載の上腕骨ステムインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に援用される2017年1月19日に出願された米国特許仮出願第62/448,205号明細書全体の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
著作権
この特許文献の開示内容の一部は、著作権保護の対象となる材料を含む。著作権所有者は、特許および商標庁の特許ファイルまたは記録に見られるように、特許開示のいずれかによるファクシミリ再生に異議を持たないが、その別の点では、すべての著作権を留保する。
【0003】
本開示は、概ね肩インプラントシステムに関し、より詳細には、上腕骨ステムインプラントおよび関節窩インプラントを備えた肩インプラントシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
肩関節痛を経験する人々にとって、人の解剖学的構造の1つ以上の部分を1つ以上のインプラント部品と置き換える肩置換手術によって緩和をすることがわかるであろう。そのような場合には、患者の上腕骨の上部(例えば、上腕骨頭の一部)を切断する。次いで、上腕骨を芯付けし、その中にステムインプラントを受容できるように準備する。従来のステムインプラントのなかには、設置中にステムインプラントを整列させる助けとなるよう上腕骨の骨幹領域に入り込む比較的長い本体を有しているため、皮質骨に引っかかる可能性があるものもあり、これは望ましくない場合がある。
【0005】
ステムインプラントは、調整済みの上腕骨内に挿入/設置され、上腕骨頚部インプラント部品および上腕骨頭インプラント部品と結合され、したがって、この組み合わせは、概ね、患者の上腕骨の生来の上腕骨頭を置き換えることになる。
【0006】
患者によっては、患者の関節窩は、患者の腕の動作中に圧迫する上腕骨頭インプラント部品用の関節窩インプラントに置き換えられる。従来の関節窩インプラントは、典型的には、患者の関節窩の表面を剃毛し、その中に孔のセットまたは穴を穿孔することによって関節窩インプラントのペグを受容するように準備して、関節窩インプラントを適所に保持する必要がある。関節窩インプラントは、典型的には、外科医が関節窩インプラントを適所に位置決めし、骨接合剤が硬化するまでそれを保持することによって、所定位置に接着される。
【0007】
本開示は、別の問題を解決することとともに、上述した欠陥を解決および/または改善することを目的とする。
【発明の概要】
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、上腕骨ステムインプラントは、下部ステム部分、上部ステム部分、第1の対のフィン、および第2の対のフィンを含む。下部ステム部分は、中心軸線を有する。上部ステム部分は、下部ステム部分から延び、下部ステム部分の中心軸線に対して角度を付けられたテーパ面を有する。第1の対のフィンは、上部ステム部分の外面から延び、海綿骨と係合することによって上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供する。第2の対のフィンは、上部ステム部分の外面から延び、海綿骨と係合することによって上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供する。第2の対のフィンは、概ね、第1の対のフィンに対して上部ステム部分の反対側に配置される。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、上腕骨ステムインプラントは、下部ステム部分、上部ステム部分、第1の対の平行フィン、および第2の対の平行フィンを含む。下部ステム部分は、中心軸線を有する。上部ステム部分は、下部ステム部分から延び、下部ステム部分の中心軸線に対して角度を付けられたテーパ面を有する。第1の対の平行フィンは、上部ステム部分の外面の後方部分に結合される。第2の対の平行フィンは、上部ステム部分の外面の前方部分に結合される。第1の対の平行フィンおよび第2の対の平行フィンは、患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管に着座する上腕骨ステムインプラントに呼応する海綿骨を直接係合することによって、上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供するように構成される。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、上腕骨ステムインプラントは、下部ステム部分、上部ステム部分、第1の長手フィン、第2の長手フィン、および生物学的内部成長コーティングを含む。下部ステム部分は、中心軸線を有する。上部ステム部分は、下部ステム部分から延び、下部ステム部分の中心軸線に対して角度を付けられたテーパ面を有する。第1の長手フィンは、第1の中心軸線および第1の長さを有し、上部ステム部分の外面の後部に結合されて、第1の長手フィンがそこを通って縫合糸を受容するように構成された第1の窓を形成する。第1の長手フィンは、内側にテーパ状に形成され、第1の中心軸線が下方ステム部分の中心軸線に対して第1の角度となっている。第2の長手フィンは、第2の中心軸線および第2の長さを有し、上部ステム部分の外面の後方部分に結合され、第2の長手フィンが、そこを通って縫合糸を受容するように構成された第2の窓を形成する。第2の長手フィンは、内側にテーパ状に形成され、第2の中心軸線が下方ステム部分の中心軸線に対して第2の角度となる。第2の角度は、第1の角度とは異なる。第2の長さは、第1の長さの半分未満である。第1の長手フィンおよび第2の長手フィンは、患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管に着座する上腕骨ステムインプラントに呼応する海綿骨を直接係合することによって、上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供するように構成される。生物学的な内部成長コーティングは、上部ステム部分の外面の大部分に取り付けられ、生物学的な内部成長コーティングが、第1の長手フィンを越えて少なくとも1ミリメートルだけテーパ面から下方に延びている。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、上腕骨ステムインプラントは、下部ステム部分と、上部ステム部分と、長手フィンとを含む。下部ステム部分は、中心軸線を有する。上部ステム部分は、下部ステム部分から延び、下部ステム部分の中心軸線に対して角度を付けられたテーパ面を有する。長手フィンは、上部ステム部分の外面に結合される。長手フィンは、下方ステム部分の中心軸線に対して角度的に内側に向かってテーパ状になっている。長手フィンの少なくとも一部は、上腕骨ステムインプラントの設置中に海綿骨を直接的に係合して緻密にする楔を形成する。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、患者の調整済みの関節窩と結合される関節窩インプラントは、本体と、中央ペグと、周辺ペグとを含む。本体は、上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面と、患者の調整済みの関節窩の嵌合面と係合するように構成された凸面とを有する。凸面は、中央領域を取り囲む周辺領域を有する。中央ペグは、凸面の中央領域から延びる。中央ペグは、患者の調整済みの関節窩の中央の孔に接合されるように構成される。周辺ペグは、凸面の周辺領域から延びる。周辺ペグは、周辺ペグの第1の長手方向位置に第1の弾性突出部の組を有し、周辺ペグの第2の長手方向位置に第1の長手方向位置から離間した第2の弾性突出部の組を有する。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によれば、患者の調整済みの関節窩と結合される関節窩インプラントが提供される。調整済みの関節窩は、嵌合面と、中央の孔と、周辺孔とを有する。関節窩インプラントは、本体と、中央ペグと、周辺ペグとを含む。本体は、上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面と、患者の調整済みの関節窩の嵌合面と係合するように構成された凸面とを有する。凸面は、中央領域を取り囲む周辺領域を有する。中央ペグは、凸面の中央領域から延びる。中央ペグは、患者の調整済みの関節窩の中央の孔に接合されるように構成される。周辺ペグは、凸面の周辺領域から延びる。周辺ペグは、周辺ペグの第1の長手方向位置に配置された第1の半径方向に延びる特徴部と、第1の長手方向位置から離間された周辺ペグの第2の長手方向位置に配置された第2の半径方向に延びる特徴部を有する。第1の半径方向に延びる特徴部は、第1の回転方向において周辺ペグの周辺に離間して配置された3つの突出部を有する。第2の半径方向に延びる特徴部は、第1の回転方向から角度的にオフセットされた第2の回転方向で周辺ペグの周辺に離間して配置された3つの突出部を有している。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、関節窩インプラントは、本体と、中央ペグと、複数の周辺ペグとを含む。本体は、凹面を有する第1の側と、凸面を有する第2の対向する側とを有する。凸面は、患者の調整済みの関節窩と係合するように構成されている。凸面は、中央領域を取り囲む周辺領域を有する。中央ペグは、凸面の中央領域から延びる。複数の周辺ペグは、凸面の周辺領域から延びる。複数の周辺ペグの各々は、第1の長手方向位置に少なくとも第1の組の弾性突出部を有し、第1の長手方向位置から離間された第2の長手方向位置に第2の組の弾性突出部を有する。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、関節窩インプラントは、本体と、中央ペグと、複数の周辺ペグとを含む。本体は、凹面を有する第1の側と、凸面を有する第2の対向する側とを有する。凸面は、患者の調整済みの関節窩と係合するように構成されている。凸面は、中央領域を取り囲む周辺領域を有する。中央ペグは、凸面の中央領域から延びる。複数の周辺ペグは、凸面の周辺領域から延びる。複数の周辺ペグの各々は、半径方向に延びる複数の特徴部を有する。複数の半径方向に延びる特徴部の各々は、複数の周辺ペグのそれぞれ1つの円周の周りに離間して配置された3つの突出部を有する。複数の半径方向に延びる特徴部の第1の部分の3つの突出部は、第1の回転方向を有する。複数の半径方向に延びる特徴部の第2の部分の3つの突出部は、第1の回転方向から角度的にオフセットされた第2の回転方向を有する。複数の半径方向に延びる特徴部の第3の部分の3つの突出部は、第1および第2の回転方向から角度的にオフセットされた第3の回転方向を有する。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、患者の調整済みの関節窩と結合される関節窩インプラントが提供される。調整済みの関節窩は、嵌合面と、中央の孔と、周辺孔とを有する。関節窩インプラントは、本体と、中央ペグと、周辺ペグとを含む。本体は、上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面と、患者の調整済みの関節窩の嵌合面と係合するように構成された凸面とを有する。凸面は、中央領域を取り囲む周辺領域を有する。中央ペグは、凸面の中央領域から延びる。中央ペグは、患者の調整済みの関節窩の中央の孔に固定されるように構成されている。周辺ペグは、凸面の周辺領域から延びる。周辺ペグは、少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部を有する。調整済みの関節窩の嵌合面と直接係合する凸面の少なくとも一部に呼応して、周辺ペグの少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部は、調整済みの関節窩の海綿骨と係合するように構成され、かつ、中央ペグと中央の孔との間の骨接合剤が、調整済みの関節窩の嵌合面とのその直接係合を維持する凸面の少なくとも一部と共に硬化するのに十分な量の自己加圧を提供し、外力が関節窩インプラントに加えられない。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、関節窩インプラントを作製する方法は、ストック関節窩部品を提供する工程を包含する。在庫の関節部品は、本体と、中央ペグと、周辺ペグとを含む。本体は、凹面を有する第1の側と、凸面を有する第2の対向する側とを有する。凸面は、中央領域を取り囲む周辺領域を有する。中央ペグは、凸面の中央領域から延びる。周辺ペグは、凸面の周辺領域から延びる。周辺ペグは、ほぼ円筒状の部分を有する。周辺ペグの概ね円筒状の部分は、1つ以上のツールの少なくとも1つを介して切断され、それによって複数の半径方向に延びるディスクを形成する。生成された複数の半径方向に延びるディスクは、1つ以上のツールの少なくとも1つを介して、周辺ペグの中心軸線に対して1つ以上の螺旋パターンで切断され、それにより、複数の半径方向に延びるディスクの各々を変更して、周辺ペグの周辺に離間して配置された3つの突出部を有する。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、患者の調整済みの関節窩に関節窩インプラントを設置する方法が記載される。調整済みの関節窩は、嵌合面、中央の孔、および複数の周辺孔を有する。この方法は、関節窩インプラントを提供することを含む。提供される関節窩インプラントは、本体と、中央ペグと、複数の周辺ペグとを含む。本体は、凹面を有する第1の側と、凸面を有する第2の対向する側とを有する。凸面は、中央領域を取り囲む周辺領域を有する。中央ペグは、凸面の中央領域から延びる。複数の周辺ペグは、凸面の周辺領域から延びる。周辺ペグの各々は、少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部を有する。骨接合剤は、中央ペグの少なくとも一部に適用される。関節窩インプラントは、以下のように、1つ以上のツールのうちの少なくとも1つを介して位置決めされ、(i)凸面の少なくとも一部は、調整済みの関節窩の嵌合面と直接係合し、(ii)中央ペグは、調整済みの関節窩の中央の孔内に位置決めされ、(iii)複数の周辺ペグの各々は、調整済みの関節窩の周辺孔のそれぞれの内に位置決めされる。1つ以上のツールの少なくとも1つは、骨接合剤が前記中央ペグ硬化の少なくとも一部に適用される前に、関節窩インプラントから係合解除される。骨接合剤が硬化する間、関節窩インプラントの位置は、複数の周辺ペグの少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部を介して、調整済みの関節窩に対して維持される。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、肩インプラントシステムは、上腕骨ステムインプラント、上腕骨頚部インプラント部品、上腕骨頭インプラント部品、および関節窩インプラントを含む。上腕骨ステムインプラントは、その外面に結合されたフィンを有する。フィンは、垂直に対して角度的に内側にテーパ状になっている。フィンの少なくとも一部は、上腕骨ステムインプラントの設置中に海綿骨を直接的に係合して緻密にする楔を形成する。上腕骨頚部インプラント部品は、上腕骨ステムインプラントに結合して、上腕骨頚部インプラント部品の一部が上腕骨ステムインプラントの傾斜面から突出するように構成される。上腕骨頭インプラント部品は、上腕骨ステムインプラントの傾斜面から突出する上腕骨頚部インプラント部品の部分に結合されるように構成される。関節窩インプラントは、上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面を有する。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、肩インプラントシステムは、上腕骨ステムインプラント、上腕骨頚部インプラント部品、上腕骨頭インプラント部品、および関節窩インプラントを含む。上腕骨ステムインプラントは、内部孔を有する。上腕骨頚部インプラント部品は、上腕骨頚部インプラント部品の一部が上腕骨ステムインプラントから突出するように、内部孔を介して上腕骨ステムインプラントと結合されるように構成される。上腕骨頭インプラント部品は、上腕骨ステムインプラントから突出する上腕骨頚部インプラント部品の部分に結合されるように構成される。関節窩インプラントは、本体と、中央ペグと、周辺ペグとを有する。本体は、凹面を有する第1の側と、凸面を有する第2の対向する側とを有する。凹面は上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成されている。凸面は、患者の調整済みの関節窩と係合するように構成されている。凸面は、中央領域を取り囲む周辺領域を有する。中央ペグは、凸面の中央領域から延び、周辺ペグは、凸面の周辺領域から延びる。周辺ペグは、第1の長手方向位置に弾性突出部の第1の組を有し、第1の長手方向位置から離間された第2の長手方向位置に弾性突出部の第2の組を有する。
【0021】
本開示のさらなる態様および実施形態は、図面を参照して行われる様々な実施形態の詳細な説明を考慮すれば当業者にはとっては明白であり、以下に簡潔に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】本開示のいくつかの実施形態による肩インプラントシステムの組み立て後の斜視図である。
図1B図1Aの肩インプラントシステムの組み立て後の側断面図である。
図2A図1Aの肩インプラントシステムの第1の分解斜視図である。
図2B図1Aの肩インプラントシステムの第2の分解斜視図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、図1Aの肩インプラントシステムの関節窩インプラントの斜視図である。
図4A図3の関節窩インプラントの周辺ペグの部分斜視図である。
図4B図4Aの周辺ペグの平面図である。
図4C】線4C-4Cに沿って切った図4Bの周辺ペグの断面図である。
図4D】線4D-4Dに沿って切った図4Bの周辺ペグの断面図である。
図4E】線4E-4Eに沿って切った図4Bの周辺ペグの断面図である。
図4F】線4F-4Fに沿って切った図4Bの周辺ペグの断面図である。
図4G】線4Gー4Gに沿って切った図4Bの周辺ペグの断面図である。
図5A】本開示のいくつかの実施形態による半径方向に延びる特徴部をより良く示すために、複数の半径方向に延びる特徴部を分解して示す図4Aの周辺ペグの斜視図である。
図5B図5Aの複数の半径方向に延びる特徴部の1つを拡大した斜視図である。
図6A】本開示のいくつかの実施形態による、周辺ペグを形成し始め始めるツールを示す側面図である。
図6B図6Aの周辺ペグの部分的に形成されたバージョンの斜視図である。
図6C】複数の半径方向に延びるディスク特徴部を形成することによって、図6Bの周辺ペグの部分的に形成されたバージョンを変更するツールを示す側面図である。
図6D】複数の半径方向に延びるディスク特徴部を有する図6Cの変更された周辺ペグの斜視図である。
図6E図6Dの変更された周辺ペグの複数の半径方向に延びるディスク特徴部に螺旋状溝を形成するツールを示す側面図である。
図6F】螺旋溝が切られた複数の半径方向に延びるディスク特徴部を有する、図6Eの変更された周辺ペグの斜視図である。
図6G図6Fの変更された周辺ペグの複数の半径方向に延びるディスク特徴部に第2の螺旋状溝を形成するツールを示す側面図である。
図6H】複数の半径方向に延びるディスク特徴部を有する図6Gの変形された周辺ペグの斜視図であり、螺旋溝および第2螺旋溝がそこに切断され、それによって、複数の半径方向に延びるディスク特徴部の各々を、本開示のいくつかの実施形態による3つの弾性突出部に形成する。
図7A】本開示のいくつかの実施形態による、図1Aの肩インプラントシステムの上腕骨ステムインプラントの正面斜視図または内側斜視図である。
図7B図7Aの上腕骨ステムインプラントの背面または側面斜視図である。
図7C図7Aの上腕骨ステムインプラントの正面図または内側平面図である。
図7D図7Aの上腕骨ステムインプラントの後方または側方平面図である。
図7E図7Aの上腕骨ステムインプラントの側面(後方または前方)平面図である。
図7F】線7F-7Fに沿って切った図7Eの上腕骨ステムインプラントの部分断面図である。
図7G】線7G-7Gに沿って切った図7Eの上腕骨ステムインプラントの断面図である。
図7H】線7H-7Hに沿って切った図7Eの上腕骨ステムインプラントの部分断面図である。
図7I】線7I-7Iに沿って切った図7Eの上腕骨ステムインプラントの部分断面図である。
【0023】
本開示は、様々な変更および代替形態を受けやすいが、特定の実施形態は、図面に例示として示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本開示は、開示される特定の形態に限定されることを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の精神および範囲内に入る全ての変更、等価物、および代替物を包含することが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、実施形態を多くの異なる形態に変更しやすいが、本開示は、図面に示され、本開示が開示の原理を例示するものとして考慮されるべきであり、図示された実施形態に対して開示の広範な局面を限定することを意図するものではないことを理解しながら、本開示の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1A図2Bを参照すると、肩インプラントシステム100は、上腕骨ステムインプラント110と、上腕骨頚部インプラント部品210と、上腕骨頭インプラント部品250と、関節窩インプラント310とを含む。概ね、上腕骨ステムインプラント110は、上腕骨ステムインプラント110の一部(例えば、図7Aに示されるテーパ面132)が露出されたままであり、上腕骨頚部インプラント部品210の第1端部分212a(図2Aおよび図2B)に結合されるように、患者の調整済みの上腕骨内に設置/移植される。このように、上腕骨頚部インプラント部品210の第2の対向する端部212bは、露出され且つ突出しており、上腕骨頭インプラント部品250がそこに結合されることができるようになっている(図1Bに最もよく示される)。
【0026】
上腕骨頚部インプラント部品210は、第1の端部212a、第2の端部212b、中央部214、および貫通孔220(図1Bに最もよく示される)を有する。第1の端部212aは、上腕骨頚部インプラント部品210が上腕骨ステムインプラント110の内部孔135とテーパロック構成(例えば、モールステーパロック)で嵌合することができるように、概ねテーパの付いた円筒状を有する。具体的には、第1の端部212aは、中央部214から第1の端部212aに向かって上腕骨頚部インプラント部品210の中心軸線Xに沿った方向に内向きにテーパ状になっている。同様に、第2の端部212bは、概ねテーパの付いた円筒状を有して、上腕骨頚部インプラント部品210が上腕骨頭インプラント部品250とテーパロック構成(例えば、モールステーパロック)で嵌合することができるようになっている。具体的には、第2の端部212bは、中央部214から第2の端部212bに向かって、上腕骨頚部インプラント部品210の中心軸線Xに沿った方向に内向きにテーパ状になっている。
【0027】
図示するように、第2の端部212bは、第1の端部212aと比較して相対的に大きい最大外径を有するが、逆も考えられる。このような実施形態では、第1の端部212aおよび第2の端部212bの最大外径の差により、上腕骨ステムインプラント110および上腕骨頭インプラント部品250へ上腕骨頚部インプラント部品210が適切に結合しやすいようになっている。
【0028】
上腕骨頚部インプラント部品210の貫通孔220は、そこからツールを配置することができるので、上腕骨ステムインプラント110との係合(例えば、テーパロック係合)から上腕骨頚部インプラント部品210を除去しやすくすることができる。いくつかの代替的な実施形態では、上腕骨頚部インプラント部品210は、貫通孔220を備えていない。
【0029】
上腕骨頚部インプラント部品210は、特定の形状(すなわち、概ね円筒形)およびサイズを有するように示されているが、上腕骨頚部インプラント部品210は、様々な別の形状および/またはサイズを有してもよい。例えば、上腕骨頚部インプラント部品210は、非回転形状、例えば、概ね矩形の直方体形状、概ねクローバ形状の断面、概ね三角形の断面等、またはそれらの任意の組み合わせが可能である。
【0030】
上腕骨頭インプラント部品250は、概ね凸状の外面255(図2Aに最もよく示される)、概ね平坦な内面260(図2Bに最もよく示される)、内部孔270(図2Bに最もよく示される)、および外側フランジ280(図1Bに最もよく示される)を有する。概ね凸状の外面255は、概ね半球状の形状を有し、患者における肩インプラントシステム100の動作中に関節窩インプラント310の対応する凹面322(図2B)と係合するためのものである。
【0031】
上腕骨頭インプラント部品250の内部孔270は、先に説明したように、テーパロック構成(例えば、モールステーパロック)で上腕骨頚部インプラント部品210の第2の端部212bと係合するためのものである。したがって、内部孔270は、図1Bに示すように、中央部214から第2の端部212bに向かって上腕骨頚部インプラント部品210の中心軸線Xに沿った方向に内向きにテーパ状になっている。
【0032】
概ね平坦な内面260は、外側フランジ280の縁部285(図1B)から後退する(すなわち凹む)ように設定され、(i)テーパロックがその間に固定されることを妨げることができる上腕骨頭インプラント部品250を上腕骨頚部インプラント部品210上に設置する間、および/または(ii)上腕骨頭インプラント部品250が上腕骨頚部インプラント部品210に完全に係合されるか、または完全に着座した時に、概ね平坦な内面260が上腕骨ステムインプラント110に直接係合または接触しないようになっている。このような実施形態のいくつかでは、上腕骨頭インプラント部品250の内部孔270および上腕骨頚部インプラント部品210の第2の端部212bは、上腕骨ステムインプラント110の概ね平坦な内面260とテーパ面132(図7A)との間にギャップGが維持されるように構成される。ギャップGは、例えば、約1ミリメートルの半分~約3ミリメートルの間、約1ミリメートルの半分~約2ミリメートルの間、約1ミリメートルの半分~約1ミリメートルの間、約1ミリメートルなどでよい。いくつかの実施形態では、ギャップGはまた、上腕骨頭インプラント部品250が、患者の体内に設置されたとき上腕骨ステムインプラント110に対して移動(例えば、屈曲、傾斜等)することができるような空間を提供する。
【0033】
概ね、図3~4Gを参照すると、関節窩インプラント310は、本体320と、中央ペグ330と、3つの周辺ペグ350(例えば、1つの周辺ペグ、2つの周辺ペグ、4つの周辺ペグ、5つの周辺ペグ等の任意数の周辺ペグが企図されるが、これらに限定されるものではない)とを含む。関節窩インプラント310の本体320は、患者の肩甲骨の自然関節窩または自然関節溝の形状に概ね対応する不規則な形状を有する。いくつかの実施形態では、本体320の断面形状は、概ね卵形である。
【0034】
本体320は、上腕骨頭インプラント部品250と係合するための、横方向に面する凹面322(図2Bに最もよく示される)を有する。本体320はまた、内側に面する凸面324(図3に最もよく示される)を有し、患者の調整済みの関節窩(例えば、患者の剃毛された関節窩および/または穿孔された関節窩)の嵌合面と係合するように構成される。凸面324は、概ね、中央領域325aを取り囲む周辺領域325bを有する。中央領域325aは、凸面324の幾何学的中心と、幾何学的中心を取り囲む凸面324の一部とを含む。いくつかの実施形態では、中央領域325aは、凸面324の総表面積の約5パーセントから約30パーセントを含み、周辺領域325bは、平衡である。いくつかの実施形態では、中央領域325aは、凸面324の総表面積の約10パーセントから約25パーセントを含み、周辺領域325bは、平衡である。いくつかの実施形態では、中央領域325aは、凸面324の総表面積の約15パーセントから約20パーセントを含み、周辺領域325bは、平衡である。中央領域325aは、中央ペグ330を中心とする概ね円形の領域として示されているが、中央領域325aは、任意の形状(例えば、楕円形、正方形、三角形、多角形など、またはそれらの任意の組み合わせ)を有することができる。関節窩インプラント310の本体320はまた、凹面322と凸面324との間に延びる端面326を有する。端面326は、本体320の厚さに基づいて変化する。
【0035】
関節窩インプラント310は、単一のモノリシック部品である。いくつかの実施形態では、関節窩インプラント310は、材料の固体ブロックから研磨される。別のいくつかの実施形態では、関節窩インプラント310は、関節窩インプラント310を単一のモノリシック部品として印刷する3Dプリンタによって作製される。あるいは、関節窩インプラント310はモノリシックではない。いくつかのこのような代替実施形態では、関節窩インプラント310の本体320は、それぞれ別個の部品である中央ペグ330および周辺ペグ350に取り付けられた第1の部品である。関節窩インプラント310は、例えば、プラスチック(例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレンなど)、金属(例えば、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなど)、セラミック、またはそれらの任意の組合せなど、任意の材料から作製することができる。
【0036】
中央ペグ330は、中心軸線X図3)を有し、3つの周辺ペグ350の各々は、それぞれの中心軸線XP1、XP2およびXP3を有する(図3)。中心軸線Xは、中心軸線XP1、XP2、XP3の各々と概ね平行であり、関節窩インプラント310は、単一の中間方向に設置されて、中央ペグ330および3つの周辺ペグ350は、ほぼ同時に、患者の調整済みの関節窩に穿孔されたそれぞれの孔に入り、係合することができる(例えば、中央ペグ330は、その相対的に大きい高さ/長さによって最初に入る)。
【0037】
中央ペグ330は、円筒状の本体331を有する。円筒状本体331は、関節窩インプラント310の本体320と一体化された第1の端部と、中央ペグ330の丸みを帯びたおよび/またはテーパ状の先端部332を形成する第2の対向する端部とを有する。中央ペグ330の先端部332により、関節窩インプラント310の設置中に、中央ペグ330は、調整済みの関節窩の中央の孔(図示せず)と係合し、そこに進入しやすくなる。
【0038】
中央ペグ330は、中央ペグ330の円筒状の本体331から延びる多数のフィン340を有する。フィン340は剛性であり、関節窩インプラント310が取り付けられる(例えば、中央ペグ330を患者の調整済みの関節窩の中心孔内に位置させる)ときに、円筒形本体331に対して曲がったり撓んだり変形したり、移動したりすることはない。フィン340は、円筒形本体331の長さ/高さに沿って、円筒形本体331の周辺に沿って離間して配置され、1つ以上のチャネル342(例えば、2つの垂直チャネル、3つの垂直チャネル等)がフィン340間に形成されるようになっている。フィン340およびチャネル342は、中央ペグ330を患者の調整済みの関節窩の中央の孔に固定する際に使用するための骨接合剤(図示せず)を係合および/または保持するための表面、溝および/またはアンダーカットを提供する。
【0039】
いくつかの実施形態では、調整済みの関節窩の中央の孔は、中央ペグ330(フィン340を含む)の最大外径よりも大きい内径を有する。このように、比較的大きな骨接合剤マントルを形成して、中央ペグ330を患者の調整済みの関節窩の中央の孔にしっかりと結合するのを助けることができる。いくつかの代替的な実施形態では、調整済みの関節窩の中央の孔は、中央ペグ330(フィン340を含む)の最大外径とほぼ等しいか、またはそれよりもわずかに小さい内径を有する。そのような代替の実施形態では、フィン340は、中央の孔によって係合され、わずかに圧縮されるが、フィン340は、概ね、円筒状本体331に対して曲がったり、撓みたり、変形したり、移動したりすることはない。
【0040】
中央ペグ330は、高さ/長さおよび最大外径を有する。いくつかの実施形態では、中央ペグ330の高さは、約5ミリメートルから約30ミリメートルの間である。別のいくつかの実施形態では、中央ペグ330の高さは、約10ミリメートルから約25ミリメートルの間である。いくつかの実施形態では、中央ペグ330の高さは、約15ミリメートルである。いくつかの実施形態では、中央ペグ330(フィン340を含む)の最大外径は、約1ミリメートルから約8ミリメートルの間である。別のいくつかの実施形態では、中央ペグ330の最大外径は、約2ミリメートルから約6ミリメートルの間である。別のいくつかの実施形態では、中央ペグ330の最大外径は、約3ミリメートルから約5ミリメートルの間である。
【0041】
中央ペグ330と同様に、周辺ペグ350の各々は、円筒状の本体351を有する。円筒状本体351は、関節窩インプラント310の本体320と一体化された第1の端部と、周辺ペグ350の丸みを帯びたおよび/またはテーパ状の先端部352(図4Aに最も良く示される)を形成する第2の対向する端部とを有する。周辺ペグ350の先端部352は、関節窩インプラント330の設置中に、調整済みの関節窩内のそれぞれの周辺孔(図示せず)と係合し、それに入る周辺ペグ350を補助する。
【0042】
周辺ペグ350の各々は、周辺ペグ350の円筒状の本体351から延びる多数の半径方向に延びる特徴360(図3)を有する。図4Aに最もよく示されているように、各周辺ペグ350は、円筒状本体351から延びる4つの半径方向に延びる特徴部360a~dを有するが、各周辺ペグ350は、任意の数の半径方向に延びる特徴部360(例えば、1つの半径方向に延びる特徴部、2つの半径方向に延びる特徴部、3つの半径方向に延びる特徴部、5つの半径方向に延びる特徴部など)を有し得る。4つの半径方向に延びる特徴部360は、周辺ペグ350の円筒状本体351の4つの長手方向位置に配置される。
【0043】
具体的には、図4Aに示すように、半径方向に延びる特徴部のうち第1の特徴部360aは、関節窩インプラント310の本体320の凸面324(図3)に最も近い周辺ペグ350の第1の長手方向位置に配置される。半径方向に延びる特徴部のうち第2の特徴部360bは、第1の半径方向に延びる特徴部360aよりも遠い側に直接的に隣接する周辺ペグ350の第2の長手方向の位置に配置される。半径方向に延びる特徴部のうち第3の特徴部360cは、第2の半径方向に延びる特徴部360bに直接隣接し、第1及び第2の半径方向に延びる特徴部360a、360bよりも遠位に位置する周辺ペグ350の第3の長手方向位置に配置される。半径方向に延びる特徴部のうち第4の特徴部360dは、第3の半径方向に延びる特徴部360cに直接隣接する周辺ペグ350の第4の長手方向位置、および第1、第2、第3の半径方向に延びる特徴部360a、360b、360cよりも遠位側に位置する。さらに、半径方向に延びる特徴部360a~dは、円筒状本体351の一部が半径方向に延びる特徴部360a~dの間に露出するように、周辺ペグ350の円筒状本体351に沿って互いに分離されている。このように、半径方向に延びる特徴部360は、屈曲および/または偏向するための間隙を有する。
【0044】
半径方向に延びる特徴部360の各々は、多数の突出部365を有する。円筒状本体351から分離された半径方向に延びる特徴部360a~dを示す例示的な目的で、図5Aに最もよく示されているように、半径方向に延びる特徴部360a~dの各々は、円筒状本体351の周辺に離間して配置された3つの突出部365を有する。各突出部365は、関節窩インプラント310が設置されるとき(例えば、周辺ペグ350が患者の調整済みの関節窩のそれぞれの周辺孔に配置されるとき)、各突出部365が円筒状の本体351に対して曲がるか、または撓むように、偏向性かつ可撓性であり、弾力性がある。いくつかのそのような実施形態では、各突出部365は、設置中に患者の調整済みの関節窩の皮質骨によって係合されたときに、撓み、および/または変形する。
【0045】
突出部365は、1つ以上のチャネル370が突出部365の間に形成されるように、円筒状の本体351の周辺に離間して配置されている。図4Aおよび図5A~5Bに最もよく示されるように、1つ以上のチャネル370は、3つのチャネルを含み、3つのチャネル370の各々は、周辺ペグ350の中心軸線XP1の周りに概ね螺旋状の経路を有する。さらに、各半径方向に延びる特徴部360の突出部365は、各直接隣接する半径方向に延びる特徴部360の突出部365から角度的にオフセットされて、チャネル370の概ね螺旋状の形状に寄与する。
【0046】
図4Bに示される4つの半径方向に延びる特徴部360a~dの各々を通る断面図である図4D図4Gに最もよく示されているように、第1の半径方向に延びる特徴部360a(図4D)は、中心軸線XP1を中心とする第1の回転方向を有する3つの突出部365a1、365a2および365a3を有する。第2の半径方向に延びる特徴部360b(図4E)は、3つの突出部365b1、365b2および365b3を有し、これらは、中心軸線XP1を中心とする第2の回転方向を有し、第2の回転方向(図4E)は、第1の回転方向(図4D)から角度的にオフセットされている。第3の半径方向に延びる特徴部360c(図4F)は、3つの突出部365c1、365c2、および365c3を有し、これは、中心軸線XP1を中心とする第3の回転方向を有し、第3の回転方向(図4F)は、第1の回転方向(図4D)および第2の回転方向(図4E)から角度的にオフセットされている。第4の半径方向に延びる特徴部360d(図4G)は、中心軸線XP1を中心とする第4の回転方向を有する3つの突出部365d1、365d2、および365d3を有し、第4の回転方向(図4G)は、第1の回転方向(図4D)から、第2の回転方向(図4E)から、そして、第3の回転方向(図4F)から角度的にオフセットされている。回転方向は、半径方向に延びる特徴部360a~dの各々について、3つの破線を有して強調/図示されており、これらの破線は、それぞれの3つの突出部の中心点から中央を通って延びる。
【0047】
図5Bを参照すると、半径方向に延びる特徴部360および突出部365をより良く示すために、半径方向に延びる特徴部360の1つの拡大図が、円筒状本体351から分解された状態で示されている。図示するように、突出部365の各々は、上面366a、対向する下面366b、外縁面366c、および共有側面366dを有する。共有された側面366dは、突出部365のうち2つの直接隣接するものの間で共有される。さらに、共有側面366dは、螺旋状チャネル370によって画定される。
【0048】
突出部360および螺旋溝370は、患者の調整済みの関節窩の周辺孔(図示せず)に周辺ペグ350を固定する際に使用するための骨接合剤(図示せず)を係合および/または保持するための表面、溝および/またはアンダーカットを提供する。いくつかの実施形態では、周辺ペグ350は、骨接合剤を用いて周辺孔に固定されない。むしろ、いくつかのそのような実施形態では、半径方向に延びる特徴部360は、調整済みの関節窩の海綿骨と係合し、十分な量の保持および/または加圧を提供するので、患者の調整済みの関節窩における周辺ペグ350と周辺孔との間に骨接合剤は必要とされない。
【0049】
図3に最もよく示されるように、周辺ペグ350の各々は、高さ/長さおよび最大外径を有する。周辺ペグ350の各々の高さは、中央ペグ330の高さよりも小さい。いくつかの実施形態では、周辺ペグ350の各々の高さは、中央ペグ330の高さの75パーセント未満である。いくつかの実施形態では、周辺ペグ350の各々の高さは、中央ペグ330の高さの60パーセント未満である。いくつかの実施形態では、周辺ペグ350の各々の高さは、中央ペグ330の高さの50パーセント未満である。いくつかの実施形態では、周辺ペグ350の各々の高さは、2ミリメートルから約20ミリメートルの間である。別の実施形態では、周辺ペグ350の各々の高さは、5ミリメートルから約15ミリメートルの間である。いくつかの実施形態では、周辺ペグ350の各々の高さは、約8ミリメートルである。
【0050】
いくつかの実施形態では、周辺ペグ350(半径方向に延びる特徴部360を含む)の各々の最大外径は、中央ペグ330の最大外径(フィン340を含む)より大きい(例えば、5%大きい、10%大きい、15%大きい、20%大きい、30%大きい、50%大きい等)。いくつかの実施形態では、周辺ペグ350(半径方向に延びる特徴部360を含む)の各々の最大外径は、約1ミリメートルから約15ミリメートルの間である。別の実施形態では、周辺ペグ350(半径方向に延びる特徴部360を含む)の各々の最大外径は、約3ミリメートルから約8ミリメートルの間である。別のいくつかの実施形態では、周辺ペグ350(半径方向に延びる特徴部360を含む)の各々の最大外径は、約4ミリメートルから約6ミリメートルの間である。いくつかの実施形態では、各周辺ペグ350の円筒状本体351の外径は、中央ペグ330の円筒状本体331の外径よりも大きい(例えば、5%大きい、10%大きい、15%大きい、20%大きい、30%大きい、50%大きい等)。
【0051】
ここで、本開示の関節窩インプラント310を患者の調整済みの関節窩に設置する方法を説明する。最初に、自然関節窩の嵌合面または外面が関節窩インプラント310の凸面324にほぼ一致するように、自然関節窩を剃るための技法および/またはツールを使用して、患者の自然関節窩を準備する。この準備は、中央ペグ330を受容する天然関節窩の中央の孔を穿孔する工程をさらに含む。この準備は、例えば、ドリルガイドを使用して、3つの周辺ペグ350のそれぞれを受容する自然関節窩に1組の周辺孔を穿孔することをさらに含む。そのように調整済みの自然関節窩を用いれば、関節窩インプラント310は、設置準備完了である。
【0052】
骨接合剤は、中央ペグ330の少なくとも一部に塗布する。骨接合剤は、凸面324の少なくとも一部に塗布することもできるが、いくつかの実施形態では、骨接合剤は凸面324には塗布しない。さらに、骨接合剤は、1つ以上の周辺ペグ350の少なくとも一部に塗布することもできるが、いくつかの実施形態では、骨接合剤は、周辺ペグ350のいずれにも塗布しない。
【0053】
関節窩インプラント310を保持するためのツールを使用して、中央ペグ330の少なくとも一部に骨接合剤を適用すると、関節窩インプラント310は、関節窩インプラントが位置決めされる調整済みの関節窩に対して次のように完全に設置/着座される。(1)凸面324の少なくとも一部は、調整済みの関節窩の嵌合面と直接係合する。(2)中央ペグ330は、調整済みの関節窩の中央の孔内に配置する。(3)3つの周辺ペグ350の各々は、調整済みの関節窩の周辺孔のそれぞれの内に配置する。この設置中、中央ペグ330の先端部332は、まず、調整済みの関節窩の中央の孔に係合して進入する。次いで、各周辺ペグ350の先端部352は、調整済みの関節窩のそれぞれの周辺孔に係合して進入する。周辺ペグ350が周辺孔に移動されると、半径方向に延びる特徴部360の少なくとも一部分の突出部365には、調整済みの関節窩の皮質骨が直接係合し、それにより、突出部365は、それぞれの周辺ペグ350の円筒状本体351に対して撓むおよび/または曲がる。いくつかのそのような実施形態では、突出部365はまた変形(例えば塑性変形)し、関節窩インプラント310が完全に設置されたとき(例えば、凸面324の全てまたは大部分が、調整済みの関節窩の嵌合面に直接係合するとき)、調整済みの関節窩の海綿骨と係合するフック形状および/または鉤形状を取る。
【0054】
関節窩インプラント310が完全に設置/着座されると、関節窩インプラント310を保持するツールは、中央ペグ330と中央の孔との間で骨接合剤が硬化(例えば、硬化)する機会を得る前に、そこから解放される。しかしながら、調整済みの関節窩に対する関節窩インプラント310の完全に設置された/着座した位置は、3つの周辺ペグ350の半径方向に延びる特徴部360によって、ツールまたは別ツールを使用することなく維持され、調整済みの関節窩の海綿骨と係合して次のような十分な量の自己加圧を提供する。(1)中央ペグ330と調整済みの関節窩の中央の孔との間の骨接合剤を、関節窩インプラント310を所定位置に保持する外力を伴わずに硬化することができる。(2)骨接合剤を、少なくとも凸面324の一部と、調整済みの関節窩の嵌合面との間に塗布する場合は、関節窩インプラント310を所定位置に保持する外力を伴わずに硬化させることができる。(3)骨接合剤を、少なくとも1つ以上の周辺ペグ350一部と、調整済みの関節窩の各周辺ボア孔との間に塗布する場合は、関節窩インプラント310を所定位置に保持する外力を伴わずに硬化させることができる。
【0055】
図6A図6Hを参照すると、本開示の関節窩インプラント310を作製する方法を、ここで概ね記載する。材料のブロック(例えば、プラスチックの立方体)を準備し、ストック関節窩部品に研磨される。ストック関節窩部品は、凹面322と、凸面324と、エッジ表面326とを有する本体320を有する。材料のブロックをさらに研磨し、ストック関節窩部品が凸面324の中央領域325aから延びる中央ペグ330を含むようにする。材料のブロックを、さらに研磨し、ストック関節窩部品が、凸面324の周辺領域325bから延びて凸面324の周辺領域325bと一体化された(すなわちモノリシック)3つの周辺ペグブランクを含むようにする。周辺ペグブランクの各々は、概ね円筒状の材料部品である。周辺ペグブランクの各々を、1つ以上のツール500(図6A)を使用して研磨し、図6Bに示すように、円筒状本体351の一部、先端部352および概ね円筒状部分400を形成する。
【0056】
そのように形成された周辺ペグブランク(図6B)を用いて、周辺ペグブランクの概ね円筒状の部分400は、1つ以上のツール500(図6C)を用いて切断および/または研磨され、図6Cおよび図6Dに示すように、円筒形本体351の一部と、円筒形本体351から延びる多数の半径方向に延びるディスク410とを形成する。このようにして形成された半径方向に延びるディスク410を用いて、1つ以上の工具500(図6Eおよび図6G)は、周辺ペグブランクの中心軸線XPに対して1つ以上の螺旋状の経路で移動し、形成された半径方向に延びるディスク410を切断および/または研磨することよって、3つの突出部365を有するように半径方向に延びるディスク410の各々を変更する(図6H)。いくつかのこのような実施形態では、1つ以上のツール500が、周辺ペグブランクの中心軸線XPに対して3つの別個の異なる螺旋状経路で移動し、半径方向に延びる特徴部360の各々の螺旋状チャネル370および3つの突出部365を形成する。
【0057】
1本または複数本の螺旋状経路内で移動される1つ以上のツール500の代わりに、1つ以上のツール500および/または1つ以上の異なるツールを様々な別の経路内で移動させて、作成された半径方向に延びるディスク410のそれぞれを、3つの別個の異なる突出部に切断および/または研磨加工してもよい。いくつかのこのような実施形態では、1つ以上のツール500が、周辺ペグブランクの中心軸線XPに対して垂直に移動され、半径方向に延びるディスク410のうちの第1のディスクにおいて3つの垂直チャネル(図示せず)を生成および/または切断する。したがって、第1の半径方向に延びるディスク410内の3つの垂直チャネルは、第1の回転方向を有する。次いで、1つ以上のツールは、周辺ペグブランクの中心軸線XPに対して垂直に再位置決めされ、移動されて、半径方向に延びるディスク410の第2のディスク内の3本の垂直チャネル(図示せず)を形成および/または切断して、第2の半径方向に延びるディスク410の3本の垂直チャネルが、第1の半径方向に延びるディスク410に形成された3本の垂直方向のチャネルから角度的にオフセットされる。この工程を、半径方向に延びる別のディスク410についても引き続き行って、半径方向に延びるディスク410の各々が、半径方向に延びる別のディスク410に形成された3つの突出部と比較して、半径方向に延びるディスク410の3つの突出部が角度的にオフセットされる3つの突出部または3つの部分に切断されるようにしてもよい。
【0058】
関節窩インプラント310を作製/作成する際に使用するため、例えばフライス盤、旋盤機、バール、ドリルビット、ねじ山付きダイ、マルチリードネジ付きダイ、ロボットアーム、チゼル、またはそれらの任意の組み合わせなどの任意のツール(単数または複数)が企図される。
【0059】
ここで図7A図7Iを参照すると、上腕骨ステムインプラント110は、下部ステム部分120、上部ステム部分130、第1の対のフィン140a、第2の対のフィン140b、および生物学的内部成長コーティング180を含む。下部ステム部分120は、概ね円筒状の部分122を含み、この部分は、中心軸線Xを有し、この中心軸線Xは、一般に、下部ステム部分120の中心軸線、または上腕骨ステムインプラント110の中心軸線とも呼ばれる。下部ステム部分120は、概ね滑らかであり、生物学的な内部成長コーティング180を含まない。
【0060】
上部ステム部分130は、下部ステム部分120から延びる。いくつかの実施形態では、上部ステム部分130および下部ステム部分120は、モノリシックであり、同じ材料ブロックから形成される。上部ステム部分130は、下部ステム部分120の中心軸線XSに対して角度を付けられたテーパ面132を有する。下部ステム部分120の中心軸線XSに対するテーパ面132の角度は、約15度から約75度の間である。いくつかの実施形態では、下部ステム部分120の中心軸線XSに対するテーパ面132の角度は、約30度から約60度の間である。いくつかの実施形態では、下部ステム部分120の中心軸線XSに対するテーパ面132の角度は、約45度である。
【0061】
内側孔135(図2A、7A、7C)は、上部ステム部分130内に形成されている。上述したように、内部孔135は、テーパロック構成(例えば、モールステーパロック)で上腕骨頚部インプラント部品210の第1の端部212a(図2Aおよび図2B)と係合するためのものである。内部孔135は、テーパ面132から内向きに延び、テーパ面132から内部孔135の中心軸線に沿って内側にテーパ状になっている。
【0062】
上腕骨ステムインプラント110は、患者の調整済みの左上腕骨および患者の調整済みの右上腕骨の両方に設置され得るが、以下の議論は、上腕骨ステムインプラント110が患者の調整済みの左上腕骨内に設置されることを前提とする。第1の対のフィン140aは、上部ステム部分130の外面の後方部分130aに結合され、第2の対のフィン140bは、上部ステム部分130の外面の前側部分130bに結合される。さらに、中心軸XSから内側方向では、上部ステム部分130の外面の中間部分130cは、後側部分130aと前側部分130bとの間に位置し、中心軸線XSから横方向では、上部ステム部130の外面の側方部分130d(図7B参照)が後側部分130aと前側部分130bの間に位置している。
【0063】
図7Cおよび図7Dに最もよく示されるように、第1の対のフィン140aは、第1のフィン141aおよび第2のフィン151aを含む。同様に、第2の対のフィン140bは、第1のフィン141bと第2のフィン151bとを含む。第2の対のフィン140bは、中心軸線XSを通って上腕骨ステムインプラント110を二等分する中央面上の第1の対のフィン140aの鏡像である。にもかかわらず、いくつかの実施形態では、第2の対のフィン140bは、第1の対のフィン140Aとは異なる。
【0064】
図7Dおよび図7Fに最もよく示されるように、第1の対のフィン140aの第1のフィン141aは、中心軸線XSに対して角度θ1Aおよび/または垂直である中心軸線XF1Aを有し、角度θ1Aは、例えば、約5度と約30度の間の任意の角度であり得る。いくつかの実施形態では、角度θ1Aは、約10度と約15度との間である。同様に、第2の対のフィン140bの第1のフィン141bは、中心軸線Xに対して角度θ1Bで、かつ/または垂直の中心軸線XF1Bを有し、角度θ1Bは、例えば、約5度から約30度までの任意の角度であり得る。いくつかの実施形態では、角度θ1Bは、約10度と約15度との間である。
【0065】
第1の対のフィン140aの第1のフィン141aは、第1の高さ/長さを有し、3つの別個の異なる位置で上部ステム部分130の外面の後方部分130aに取り付けられているので、第1のフィン141aが上部ステム部分130にしっかりと連結される。このような3点結合により、縫合糸を受容することができる2つの窓142aおよび143aを形成する第1のフィン141aが得られ、肩インプラントシステム100の設置中に骨および/または肉を上腕骨ステムインプラント110に向けて縫合および/または引っ張る際に使用することができる。代替的にまたは追加的に、2つの窓142aおよび143aにより、さらに、上腕骨ステムインプラント110を適所に保持しやすい、骨の成長位置が提供される。
【0066】
同様に、第2の対のフィン140bの第1のフィン141bは、第1の高さ/長さを有し、3つの別個の異なる位置で上部ステム部分130の外面の前方部分130bに取り付けられて、第1のフィン141bが上部ステム部分130にしっかりと連結される。このような3点結合により、肩インプラントシステム100の設置中に骨および/または肉を上腕骨ステムインプラント110に向けて縫合および/または引っ張る際に使用するために、縫合糸を受容することができる2つの窓142bおよび143bを形成する第1のフィン141bが得られる。代替的にまたは追加的に、2つの窓142bおよび143bにより、さらに、上腕骨ステムインプラント110を適所に保持しやすい骨の成長位置が提供される。
【0067】
第1のフィン141aおよび第1のフィン141bの高さ/長さは、上腕骨ステムインプラント110の全高の約20パーセントから約60パーセントの間とすることができる。いくつかの実施形態では、第1のフィン141aおよび第1のフィン141bの高さ/長さは、上腕骨ステムインプラント110の全高の約30パーセントから約50パーセントの間である。いくつかの実施形態では、第1のフィン141aおよび第1のフィン141bの高さ/長さは、上腕骨ステムインプラント110の全高の約40パーセントである。いくつかの実施形態では、第1のフィン141aおよび第1のフィン141bの高さ/長さは、約15ミリメートル~約40ミリメートルの間である。いくつかの実施形態では、第1のフィン141aおよび第1のフィン141bの高さ/長さは、約20ミリメートル~約30ミリメートルの間である。いくつかの実施形態では、第1のフィン141aおよび第1のフィン141bの高さ/長さは、約25ミリメートルである。
【0068】
図7Cおよび図7Gに最もよく示されるように、第1の対のフィン140aの第2のフィン151aは、中心軸線Xに対して角度θ2Aであるおよび/または垂直の中心軸線XF2Aを有し、角度θ2Aは、例えば、約20度と約40度の間の任意の角度であり得る。いくつかの実施形態では、角度θ2Aは、約25度と約30度との間である。同様に、第2の対のフィン140bの第2のフィン151bは、中心軸線Xに対して角度θ2Bかつ/または垂直な中心軸線XF2Bを有し、角度θ2Bは、例えば、約20度から約40度までの任意の角度であり得る。いくつかの実施形態では、角度θ2Bは、約25度と約30度との間である。
【0069】
第2のフィン151a、151bと比較して異なる第1のフィン141a、141bの角度により、海綿骨を様々な角度で係合することによって、患者の調整済みの上腕骨の上腕骨腔内に配置する際、上腕骨ステムインプラント110が回転するのを防止する助けとなる。
【0070】
第1の対のフィン140aの第2のフィン151aは、第2の高さ/長さ(例えば、第1のフィン141aの第1の高さよりも小さい)を有し、2つの別の位置で上部ステム部分130の外面の後方部分130aに取り付けられ、第2のフィン151aが上部ステム部分130にしっかりと接続される。このような2点結合はまた、縫合糸を受容することができる1つの窓152aを形成する第2のフィン151aを形成するので、肩インプラントシステム100の設置中に骨および/または肉を上腕骨ステムインプラント110に向けて縫合および/または引っ張る際に使用することができる。代替的にまたは追加的に、窓152aにより、さらに、上腕骨ステムインプラント110を適所に保持しやすい、骨の成長位置が提供される。
【0071】
同様に第2の対のフィン140bの第2のフィン151bは、第2の高さ/長さ(例えば、第1のフィン141bの第1の高さよりも小さい)を有し、2つの別個の位置で上部ステム部分130の外面の前方部分130bに取り付けられ、第2のフィン151bが上部ステム部分130にしっかりと接続される。このような2点結合はまた、縫合糸を受容することができる1つの窓152aを形成する第2のフィン151bを形成するので、肩インプラントシステム100の設置中に骨および/または肉を上腕骨ステムインプラント110に向けて縫合および/または引っ張る際に使用することができる。代替的にまたは追加的に、窓152bにより、さらに、上腕骨ステムインプラント110を適所に保持しやすい、骨の成長位置が提供される。
【0072】
第2のフィン151aおよび第2のフィン151bの高さ/長さは、上腕骨ステムインプラント110の全高の約5パーセントから約35パーセントの間とすることができる。いくつかの実施形態では、第2のフィン151aおよび第2のフィン151bの高さ/長さは、上腕骨ステムインプラント110の全高の約15パーセントから約25パーセントの間である。いくつかの実施形態では、第2のフィン151aおよび第2のフィン151bの高さ/長さは、上腕骨ステムインプラント110の全高の約20パーセントである。いくつかの実施形態では、第2のフィン151aおよび第2のフィン151bの高さ/長さは、約5ミリメートル~約20ミリメートルの間である。いくつかの実施形態では、第2のフィン151aおよび第2のフィン151bの高さ/長さは、約10ミリメートル~約15ミリメートルの間である。いくつかの実施形態では、第2のフィン151aおよび第2のフィン151bの高さ/長さは、約12ミリメートルである。
【0073】
図7Hおよび7Iに最もよく示されるように、第1のフィン141aの本体の高さ/長さに沿った差を例示するための第1のフィン141aに沿った2つの異なる高さでの第1のフィン141a(図7E)の断面図である。具体的には、第1のフィン141aの上部は、丸みを帯びた角を有する概ね正方形の断面を有し(図7H)、第1のフィン141aの下部は、丸みを帯びた縁部145を有する楔形の断面を有する(図7I)。このように、第1のフィン141aの下側部分のくさび形状は、上腕骨ステムインプラント110の設置時に、患者の調整済みの上腕骨内の海綿骨を直接的に係合し、圧縮する。上腕骨ステムインプラント110が完全に設置されると(例えば、テーパ面132は、切断された上腕骨または骨切り切断面とほぼ同一平面上にある)、第1のフィン141aによる海綿骨のこのような圧縮により、上腕骨ステムインプラント110の回転を防止しやすくなる。同様に、第1のフィン141bおよび第2のフィン151aおよび第2のフィン151bの部分(例えば、下部部分)は、同じかまたは類似のくさび形状を含み、同様に海綿骨と係合してそれを圧縮してもよい。また、各フィン141a、141b、151a、151bの全体は、くさび形の断面を有することができる。いくつかの実施形態では、くさび形断面は、鋭利なエッジまたはナイフエッジ(例えば、丸みを帯びたエッジ145の代わりに)を形成して、上腕骨ステムインプラント110の設置中の海綿骨の切断を補助できるようにする。
【0074】
図7A図7Dに最も良く示されているように、生物学的な内部成長コーティング180は、上部ステム部分130の外面の大部分に取り付けられている。いくつかの実施形態では、生物学的内部成長コーティング180は、テーパ面132から下方に延び、第1のフィン141aおよび第1のフィン141bを通って、またはそれを越えて延びる。いくつかの実施形態では、生物学的内部成長コーティング180は、テーパ面132から下方に第1のフィン141aおよび第1のフィン141bを通って、またはそれを越えて少なくとも1mm延びる。図示のように、生物学的な内部成長コーティング180は、テーパ面132、下部ステム部分120、第1の対のフィン140a、および第2の対のフィン140bには取り付けられていない。あるいは、生物学的内部成長コーティング180は、(i)テーパ面132、(ii)下部ステム部分120、(iii)第1の対のフィン140a、および(iv)第2の対のフィン140bのうちの1つ以上の部分に取り付けられてもよい。生物学的内部成長コーティング180は、概ね上部ステム部分130に取り付けられた非常に多孔質の材料である。いくつかの実施形態では、生物学的な内部成長コーティング180は、多孔性の多孔質材料であり、材料の細孔はまた、細孔を有する。生物学的な内部成長コーティング180は、概ね上腕骨ステムインプラント110に取り付けられ、上腕骨ステムインプラント110と患者の調整済みの上腕骨との一体化を促進する。
【0075】
いくつかの実施形態では、上腕骨ステムインプラント110の上部ステム部分130は、ノッチ190(図7A図7C図7E)を含む。ノッチ190は、上部ステム部分130の外面の中間部分130cにおけるテーパ面132に隣接して(例えば、下側に)配置される。ノッチ190は、ステム抽出ツール(図示せず)の先端によって係合されるようなサイズおよび形状にされ、それに着座/設置された後に、患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管から上腕骨ステムインプラント110を除去する。
【0076】
本明細書に列挙される請求項のいずれか1つまたは複数からの任意の1つ以上の要素は、別のいずれかの請求項における1つ以上の別の要素と組み合わせて本開示で意図される実施形態を形成できることは明らかである。
【0077】
上記の実施形態および明らかな変形形態の各々は、特許請求の範囲に記載されている請求の範囲に記載された発明の精神および範囲内に入るものとして意図される。なお、以下に本発明の構成の一例を付記として示す。
(付記1)
患者の調整済みの関節窩に結合される関節窩インプラントであって、
上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面と、前記患者の前記調整済みの関節窩の嵌合面と係合するように構成され、中央領域を取り囲む周辺領域を有する凸面とを有する本体と、
前記凸面の前記中央領域から延び、前記患者の前記調整済みの関節窩の中央の孔に接合されるように構成されている中央ペグと、
前記凸面の前記周辺領域から延び、第1の長手方向位置に前記第1組の弾性突出部を有し、第2の長手方向位置に第2の組の弾性突出部を有し、第1の長手方向位置から離間されている周辺ペグと、を備える関節窩インプラント。
(付記2)
前記第1の組の弾性突出部は、前記周辺ペグの周りに第1の回転方向を有し、前記第2の組の弾性突出部は、前記第1の回転方向から角度的にオフセットされた前記周辺ペグの周りに第2の回転方向を有する、付記1に記載の関節窩インプラント。
(付記3)
前記第1の組の弾性突出部の各々および前記第2の組の弾性突出部の各々は、前記調整済みの関節窩への前記関節窩インプラントの設置中に皮質骨に最初に係合されると変形および偏向するように構成され、前記調整済みの関節窩への前記関節窩インプラントの最終的な着座時に、前記第1の組の弾性突出部の各々および前記第2の組の弾性突出部の各々は、前記調整済みの関節窩の海綿骨と係合するように構成された、付記1に記載の関節窩インプラント。
(付記4)
前記周辺ペグは、前記中央ペグの最大外径より大きい最大外径を有する、付記1に記載の関節窩インプラント。
(付記5)
患者の調整済みの関節窩に結合される、嵌合面、中央の孔、および周辺の孔を有する関節窩インプラントであって、
上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面と、前記患者の前記調整済みの関節窩の前記嵌合面と係合するように構成され、中央領域を取り囲む周辺領域を有する凸面とを有する本体と、
前記凸面の前記中央領域から延び、前記患者の前記調整済みの関節窩の前記中央の孔に接合されるように構成されている中央ペグと、
前記凸面の前記周辺領域から延び、第1の長手方向位置に配置された第1の半径方向に延びる特徴部と、前記第1の長手方向位置から離間された第2の長手方向位置に配置された第2の半径方向に延びる特徴部を有する周辺ペグとを備え、
前記第1の半径方向に延びる特徴部は、第1の回転方向において前記周辺ペグの周辺に離間して配置された3つの突出部を有し、前記第2の半径方向に延びる特徴部は、前記第1の回転方向から角度的にオフセットされた第2の回転方向を有する前記周辺ペグの周辺に離間された3つの突出部を有する、関節窩インプラント。
(付記6)
前記第1の半径方向に延びる特徴部のうちの前記3つの突出部の各々および前記第2の半径方向に延びる特徴部の前記3つの突出部の各々は、前記調整済みの関節窩への前記関節窩インプラントの設置中に皮質骨に最初に係合されると変形および偏向するように構成され、前記調整済みの関節窩への前記関節窩インプラントの最終的な着座時に、前記第1の半径方向に延びる特徴部の前記3つの突出部の各々および前記第2の半径方向に延びる特徴部の前記3つの突出部の各々は、前記調整済みの関節窩の海綿骨と係合するように構成された、付記5に記載の関節窩インプラント。
(付記7)
前記中央ペグは第1の長さを有し、前記周辺ペグは前記第1の長さよりも小さい第2の長さを有する、付記5に記載の関節窩インプラント。
(付記8)
前記周辺ペグは、前記中央ペグの最大外径より大きい最大外径を有する、付記7に記載の関節窩インプラント。
(付記9)
前記調整済みの関節窩と結合される関節窩インプラントに呼応して、(i)凸面の少なくとも一部は、調整済みの関節窩の嵌合面と直接係合し、(ii)中央ペグは、前記調整済みの関節窩の前記中央の孔内に位置決めされ、(iii)前記周辺ペグは、前記調整済みの関節窩の前記周辺孔内に配置されており、前記第1の半径方向に延びる特徴部及び前記第2の半径方向に延びる特徴部は、前記調整済みの関節窩の海綿骨と係合するように構成され、前記中央ペグと前記中央の孔との間の骨接合剤が前記関節窩インプラントを所定位置に保持する外力なしで硬化することができるように十分な量の自己加圧を提供する、付記5に記載の関節窩インプラント。
(付記10)
さらに、前記第1および前記第2の長手方向位置から離間して配置された前記周辺ペグの第3の長手方向位置に配置される、第3の半径方向に延びる特徴部を備え、前記第3の半径方向に延びる特徴部は、前記第1と前記第2の回転方向から角度的にオフセットされた第3の回転方向を有する前記周辺ペグの周辺に離間された3つの突出部を有する、付記5に記載の関節窩インプラント。
(付記11)
さらに前記凸面の前記周辺領域から延びる第2の周辺ペグを備え、前記第2の周辺ペグは、第1の長手方向位置に配置された第3の半径方向に延びる特徴部と、前記第1の長手方向位置から離間された第2の長手方向位置に配置された第4の半径方向に延びる特徴部とを有し、前記第3の半径方向に延びる特徴部は、前記第1の回転方向において前記第2の周辺ペグの周辺に離間して配置された3つの突出部を有し、前記第4の半径方向に延びる特徴部は、前記第2の回転方向において前記第2の周辺ペグの前記周辺に離間して配置された3つの突出部を有する、付記5に記載の関節窩インプラント。
(付記12)
関節窩インプラントであって、
凹面を有する第1の側と、患者の調整済みの関節窩と係合するように構成され、中央領域を取り囲む周辺領域を有する凸面を有する第2の対向する側とを有する本体と、
前記凸面の前記中央領域から延びる中央ペグと、
前記凸面の前記周辺領域から延びる複数の周辺ペグと、を備え、前記複数の周辺ペグの各々は、第1の長手方向位置に少なくとも第1の組の弾性突出部を有し、前記第1の長手方向位置から離間された第2の長手方向位置に第2の組の弾性突出部を有する、関節窩インプラント。
(付記13)
関節窩インプラントであって、
凹面を有する第1の側と、患者の調整済みの関節窩と係合するように構成され、中央領域を取り囲む周辺領域を有する凸面を有する第2の対向する側とを有する本体と、
前記凸面の前記中央領域から延びる中央ペグと、
前記凸面の前記周辺領域から延びる複数の周辺ペグと、を備え、前記複数の周辺ペグの各々は、半径方向に延びる複数の特徴部を有し、前記複数の半径方向に延びる特徴部の各々は、前記複数の周辺ペグの前記それぞれ1つの周囲に離間して配置された3つの突出部を有し、前記複数の半径方向に延びる特徴部の第1の部分の3つの突出部は、前記第1の回転方向を有し、前記複数の半径方向に延びる特徴部の第2の部分の前記3つの突出部は、第1の回転方向から角度的にオフセットされた第2の回転方向を有し、前記複数の半径方向に延びる特徴部の第3の部分の前記3つの突出部は、前記第1および前記第2の回転方向から角度的にオフセットされた第3の回転方向を有する、関節窩インプラント。
(付記14)
前記複数の半径方向に延びる特徴部の各々に対し、前記複数の周辺ペグの前記それぞれ1つの前記周囲に概ね等離間して前記3つの突出部が配置された、付記13に記載の関節窩インプラント。
(付記15)
前記凸面の少なくとも一部が前記調整済みの関節窩と直接係合するように前記調整済みの関節窩と結合した前記関節窩インプラントに呼応して、前記複数の半径方向に延びる特徴部は、調整済みの関節窩の海綿骨と係合して、前記調整済みの関節窩の中央ペグと中央の孔との間の骨接合剤が前記関節窩インプラントを所定位置に保持する外力なしで硬化することができるように十分な量の自己加圧を提供するように構成される、付記13に記載の関節窩インプラント。
(付記16)
患者の調整済みの関節窩に結合される、嵌合面、中央の孔、および周辺の孔を有する関節窩インプラントであって、
上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面と、前記患者の前記調整済みの関節窩の前記嵌合面と係合するように構成され、中央領域を取り囲む周辺領域を有する凸面とを有する本体と、
前記凸面の前記中央領域から延び、前記患者の前記調整済みの関節窩の前記中央の孔に取り付けられるように構成されている中央ペグと、
前記凸面の前記周辺領域から延び、少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部を有する周辺ペグと、を備え、前記調整済みの関節窩の嵌合面と直接係合する前記凸面の少なくとも一部に呼応して、前記周辺ペグの少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部は、前記調整済みの関節窩の海綿骨と係合して、前記中央ペグと前記中央孔との間の骨接合剤が、外力が前記関節窩インプラントに加えられることなく前記調整済みの関節窩の前記嵌合面とのその直接係合を維持する凸面の少なくとも一部と共に硬化するのに十分な量の自己加圧を提供するように構成される、関節窩インプラント。
(付記17)
前記少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部は、少なくとも3つの半径方向に延びる特徴部であり、前記少なくとも3つの半径方向に延びる特徴部の各々は、前記周辺ペグの長さに沿って異なる長手方向位置から突出している、付記16に記載の関節窩インプラント。
(付記18)
前記少なくとも3つの半径方向に延びる特徴部の各々は、複数の突出部を含む、付記17に記載の関節窩インプラント。
(付記19)
前記少なくとも3つの半径方向に延びる特徴部のうちの第1のものの前記複数の突出部は、前記周辺ペグの中心軸線を中心とする第1の回転方向を有し、前記少なくとも3つの半径方向に延びる特徴部のうちの第2のものにおける前記複数の突出部は、前記第1の回転方向から角度的にオフセットされる前記周辺ペグの前記中心軸線を中心として第2の回転方向を有する、付記18に記載の関節窩インプラント。
(付記20)
関節窩インプラントを作製する方法であって、
(i)凹面を有する第1の側と、中央領域を取り囲む周辺領域を有する凸面を有する第2の対向する側とを有する本体と、(ii)前記凸面の前記中央領域から延びる中央ペグと、(iii)前記凸面の前記周辺領域から延び、概ね円筒形部を有する周辺ペグとを含む在庫の関節部品を提供することと、
1つ以上の工具のうちの少なくとも1つを介して、前記周辺ペグの前記概ね円筒状の部分を切断することにより、複数の半径方向に延びるディスクを形成することと、
前記1つ以上の工具の少なくとも1つを介して、前記周辺ペグの中心軸線に関して1つ以上の螺旋パターンで前記複数の半径方向に延びる、形成されたディスクを切断し、それによって前記複数の半径方向に延びるディスクの各々を、前記外周ペグの周辺に離間して配置された3つの突出部を有するように変更することと、を含む方法。
(付記21)
前記周辺ペグの前記中心軸線に関して1つ以上の螺旋パターンで前記複数の半径方向に延びる、形成されたディスクを切断することにより、第1の回転方向を有する、前記変更された複数の半径高校に延びるディスクのうちの第1のディスクの前記3つの突出部と、前記第1の回転方向から角度的にオフセットされた第2の回転方向を有する前記変更された複数の半径方向に延びるディスクの第2の部分の前記3つの突出部とが形成される、付記20に記載の方法。
(付記22)
3つの突出部の各々は、調整済みの関節窩への関節窩インプラントの設置中に皮質骨によって最初に係合されたときに変形して偏向するように構成され、前記調整済みの関節窩への前記関節窩インプラントの最終的な着座時に、前記3つの突出部の各々は、前記調整済みの関節窩の海綿骨と係合するように構成される、付記20に記載の方法。
(付記23)
前記1つ以上のツールは、研磨機、旋盤機械、バリ、ドリルビット、ねじ付きダイ、マルチリードねじ付きダイ、ロボットアーム、チゼル、またはこれらの任意の組み合わせを含む、付記20に記載の方法。
(付記24)
前記調整済みの関節窩が、嵌合面、中央の孔および複数の周辺孔を有する、患者の調整済み関節窩に関節窩インプラントを設置する方法であって、
(i)凹面を有する第1の側と、中央領域を取り囲む周辺領域を有する凸面とを有する第2の対向する側とを有する本体と、(ii)前記凸面の中央領域から延びる中央ペグと、(iii)前記凸面の周辺領域から延び、それぞれが少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部を有する複数の周辺ペグとを備える関節窩インプラントを提供することと、
中央ペグの少なくとも一部に骨接合剤を塗布すること、
1つ以上のツールのうち少なくとも1つを介して前記関節窩インプラントを、(i)前記凸面の少なくとも一部は、前記調整済みの関節窩の前記嵌合面と直接係合し、(ii)前記中央ペグは、前記調整済みの関節窩の中央の孔内に配置され、(iii)前記複数の周辺ペグの各々は、前記調整済みの関節窩の周辺孔のそれぞれの内に配置されるように、位置決めすることと、
前記1つ以上のツールの前記少なくとも1つを、前記骨接合剤が前記中央ペグ硬化の少なくとも一部に適用される前に、前記関節窩インプラントから係合解除することと、
前記骨接合剤が硬化する間、前記関節窩インプラントの位置を、前記複数の周辺ペグの少なくとも1つの半径方向に延びる特徴部を介して、前記調整済みの関節窩に対して維持することと、を含む方法。
(付記25)
前記位置決めの前に、前記凸面の少なくとも一部に骨接合剤を塗布することをさらに含む付記24に記載の方法。
(付記26)
前記位置決めの前に、前記複数の周辺ペグに骨接合剤を塗布しない付記24に記載の方法。
(付記27)
肩インプラントシステムであって、
上腕骨ステムインプラントの外面に結合されており、垂直に対して角度的に内側にテーパ状であり、少なくとも一部が上腕骨ステムインプラントの設置中に海綿骨を直接係合して緻密にする楔を形成するフィンを有する前記上腕骨ステムインプラントと、
前記上腕骨ステムインプラントに結合され、上腕骨頚部インプラント部品の一部が前記上腕骨ステムインプラントの傾斜面から突出するように構成される前記上腕骨頚部インプラント部品と、
前記上腕骨ステムインプラントの傾斜面から突出する前記上腕骨頚部インプラント部品の部分に結合されるように構成される上腕骨頭インプラント部品と、
前記上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面を有する関節窩インプラントと、を備える肩インプラントシステム。
(付記28)
肩インプラントシステムであって、
内側孔を有する上腕骨ステムインプラントと、
上腕骨頚部インプラント部品の一部が前記上腕骨ステムインプラントから突出するように、前記内部孔を介して前記上腕骨ステムインプラントと結合されるように構成される上腕骨頚部インプラント部品と、
前記上腕骨ステムインプラントから突出する前記上腕骨頚部インプラント部品の部分に結合されるように構成される上腕骨頭インプラント部品と、
前記上腕骨頭インプラント部品と係合するように構成された凹面を有する第1の側面と、患者の調整済みの関節窩と係合するように構成され、中央領域を囲む周辺領域を有する凸面を有する第2の側面とを有する本体と、前記凸面の前記中央領域から延びる中央ペグと、前記凸面の前記周辺領域から延び、第1の長手方向位置に弾性突出部の第1の組を有し、第1の長手方向位置から離間された第2の長手方向位置に弾性突出部の第2の組を有する周辺ペグとを有する関節窩インプラントと、を備える肩インプラントシステム。
(付記29)
前記第1の組の弾性突出部は、前記周辺ペグの周りに第1の回転方向を有し、前記第2の組の弾性突出部は、前記第1の回転方向から角度的にオフセットされた前記周辺ペグの周りに第2の回転方向を有する、付記28に記載のシステム。
(付記30)
前記第1の組の弾性突出部の各々および前記第2の組の弾性突出部の各々は、前記調整済みの関節窩への関節窩インプラントの設置中に皮質骨に最初に係合されると変形および偏向するように構成され、前記調整済みの関節窩への前記関節窩インプラントの最終的な着座時に、前記第1の組の弾性突出部の各々および前記第2の組の弾性突出部の各々は、前記調整済みの関節窩の海綿骨と係合するように構成される、付記28に記載のシステム。
(付記31)
前記上腕骨ステムインプラントは、さらに、その外面に結合されたフィンを有し、前記フィンは、垂直に対して角度的に内側にテーパ状であり、少なくとも一部が前記上腕骨ステムインプラントの設置中に海綿骨を直接係合して緻密にする楔を形成する、付記28に記載のシステム。
(付記32)
上腕骨ステムインプラントであって、
中心軸線を有する下部ステム部分と、
前記下部ステム部分から延び、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して角度をなすテーパ面を有する上部ステム部分と、
前記上部ステム部分の外面から延び、海綿骨と係合することによって前記上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供する第1の対のフィンと、
前記上部ステム部分の前記外面から延び、海綿骨と係合することによって前記上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供し、概ね前記第1の対のフィンに対して前記上部ステム部分の反対側に位置する第2の対のフィンと、を備える上腕骨ステムインプラント。
(付記33)
前記第1の対のフィンの各々の少なくとも一部が、前記上腕骨ステムインプラントの設置中に海綿骨を直接係合しかつ緻密にするそれぞれの楔を形成し、前記第2の対のフィン各々の少なくとも一部が、前記上腕骨ステムインプラントの設置中に、海綿骨を直接係合して緻密にするそれぞれの楔を形成する、付記32に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記34)
前記第1の対のフィンの各々および前記第2の対のフィンの各々は、前記下部ステム部分の中心軸線に対して内側に向かってテーパ状に形成されている付記32に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記35)
前記第1の対のフィンのうちの第1のフィンの中心軸線は、前記第1の対のフィンの第2のフィンの中心軸線と平行であり、前記第2の対のフィンの第1のフィンの中心軸線は、前記第2の対のフィンの第2のフィンの中心軸線と平行である、付記32に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記36)
上腕骨ステムインプラントであって、
中心軸線を有する下部ステム部分と、
前記下部ステム部分から延び、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して角度をなすテーパ面を有する上部ステム部分と、
前記上部ステム部分の外面の後方部分に結合されている第1の対の平行フィンと、
前記上部ステム部分の前記外面の前方部分に結合される第2の対の平行フィンと、を備え、
前記第1の対の平行フィンおよび前記第2の対の平行フィンは、患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管に着座する前記上腕骨ステムインプラントに呼応する海綿骨を直接係合することによって前記上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供するように構成された、上腕骨ステムインプラント。
(付記37)
前記第1の対の平行フィンの各々の後面の少なくとも一部は楔を形成し、前記第2の対の平行フィンの各々の前面の少なくとも一部は、それぞれの楔を形成する、付記36に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記38)
前記第1の対の平行フィンの各々および前記第2の対の平行フィンの各々は、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して内側にテーパ状である、付記36に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記39)
前記第1の対の平行フィンの各々の前記内側テーパおよび前記第2の対の平行フィンの各々の前記内側テーパは、前記上部ステム部分から前記下部ステム部分に向かって下方向に内側に延びている、付記38に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記40)
前記第1の対の平行フィンの第1のフィンと前記第2の対の平行フィンの第1のフィンは、前記下部ステム部分の中心軸線に対して第1の角度に内側にテーパ状に形成され、前記第1の対の平行フィンのうちの第2のフィンおよび前記第2の対の平行フィンのうちの第2のフィンは、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して第2の角度に内側にテーパ状に形成された、付記36に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記41)
前記第1の角度は、前記第2の角度とは異なる付記40に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記42)
前記第1の対の平行フィンのうち第1のフィンは、第1の長さを有し、前記第1の対の平行フィンのうち第2のフィンは、前記第1の長さの半分未満の第2の長さを有する付記36に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記43)
前記第2の対の平行フィンの第1のフィンは、前記第1の長さとほぼ等しい第3の長さを有し、前記第2の対の平行フィンの第2のフィンは、前記第2の長さとほぼ等しい第4の長さを有する付記42に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記44)
前記第1の対の平行フィンの各々は、その中にそれぞれの縫合糸を受容するように構成されたそれぞれの窓を形成し、前記第2の対の平行フィンの各々は、それぞれの縫合糸を受容するように構成されたそれぞれの窓を形成する付記36に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記45)
前記テーパ面から内側に延びる前記上部ステム部分に形成された内部孔をさらに備え、前記内部孔は、上腕骨頚部インプラント部品と結合して上腕骨頭インプラント部品を支持するように構成されている、付記36に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記46)
前記上部ステム部分の前記外面の大部分に取り付けられた生物学的内部成長コーティングをさらに含み、前記生物学的内部成長コーティングが、前記第1および前記第2の対の平行フィンを越えて少なくとも1ミリメートルだけ前記テーパ面から下方に延びる、付記36に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記47)
前記生物学的内部成長コーティングは、前記テーパ面、前記下部ステム部分、前記第1の対の平行フィン、および前記第2の対の平行フィンには取り付けられていない、付記46に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記48)
前記上部ステム部分の前記外面の中間部分において前記テーパ面に隣接して配置されたノッチをさらに備え、前記ノッチは、ステム抽出ツールの先端によって係合されるように構成され、それに着座/設置された後に、前記患者の前記調整済みの上腕骨の上腕骨管から前記上腕骨ステムインプラントを除去する、付記36に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記49)
上腕骨ステムインプラントであって、
中心軸線を有する下部ステム部分と、
前記下部ステム部分から延び、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して角度をなすテーパ面を有する前記上部ステム部分と、
第1の中心軸線および第1の長さを有し、前記上部ステム部分の外面の後方部分に結合される第1の長手フィンであって、縫合糸を受容するように構成された第1の窓を形成し、内側にテーパ状に形成され、第1の中心軸線が下方ステム部分の中心軸線に対して第1の角度となっている第1の長手フィンと、
第2の中心軸線および第1の長さの半分未満の第2の長さを有し、前記上部ステム部分の前記外面の前記後方部分に結合されて、縫合糸を受容するように構成された第2の窓を形成する第2の長手フィンであって、内側に向かって内側にテーパ状に形成され、前記第2の中心軸線が前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して前記第1の角度とは異なる前記第2の角度となっており、前記第1の長手フィンおよび前記第2の長手フィンが、患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管に着座する前記上腕骨ステムインプラントに呼応する海綿骨を直接係合することによって前記上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供するように構成される、第2の長手フィンと、
前記第1の長手フィンを越えて少なくとも1ミリメートルだけ前記テーパ面から下方に延びるよう前記上部ステム部分の前記外面の大部分に取り付けられる生物学的な内部成長コーティングと、を備えた上腕骨インプラント。
(付記50)
前記第1の長手フィンの後面の少なくとも一部は、前記上腕骨ステムインプラントの設置中に海綿骨を直接係合して緻密にする楔を形成するようにテーパ状にされている、付記49に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記51)
前記第1の長手フィンの前記テーパおよび前記第2の長手フィンの前記テーパは、前記上部ステム部分から前記下部ステム部分に向かって下方向に内側に延びる、付記49に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記52)
前記下部ステム部分は、前記上腕骨管に着座した前記上腕骨ステムインプラントに呼応して、前記患者の前記調整済み上腕骨の骨幹端と骨幹との間の移行領域内に、前記上部ステム部のテーパ面を前記調整済みの上腕骨の骨切削部分とほぼ面一として延びる、付記49に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記53)
前記下部ステム部分が、前記上腕骨管に着座した前記上腕骨ステムインプラントに呼応して、前記上部ステム部のテーパ面を前記調整済みの上腕骨の骨切削部分とほぼ面一として前記患者の前記調整済み上腕骨の皮質骨に接触しないように構成された、付記52に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記54)
さらに、
第3の中心軸線および前記第1の長手フィンの前記第1の長さと概ね同じ第3の長さを有し、前記上部ステム部分の前記外面の前方部分に連結される第3の長手フィンであって、内部に縫合糸を受容するように構成された第3の窓を形成し、内側にテーパ状に形成され、前記第3の中心軸線が、前記下部ステム部の前記中心軸線に対して前記第1の角度となっている第3の長手フィンと、
第4の中心軸線および前記第2の長手フィンの前記第2の長さと概ね同じ第4の長さを有し、前記上部ステム部分の前記外面の前方部分に連結される第4の長手フィンであって、内部に縫合糸を受容するように構成された第4の窓を形成し、内側にテーパ状に形成され、前記第4の中心軸線が、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して前記第2の角度となっている第4の長手フィンと、を備え、前記第3の長手フィンおよび前記第4の長手フィンは、患者の前記調整済みの上腕骨の上腕骨管に上腕骨ステムインプラントが着座すると、それに呼応して、海綿骨を直接係合することによって、上腕骨ステムインプラントに回転安定性をさらに提供するように構成された、付記49に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記55)
前記第1の長手フィンは、3つの別個の位置で前記上部ステム部分の前記外面の前記後方部分に結合され、前記第1の長手フィンが前記第1の窓と第3の窓を形成する、付記49に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記56)
前記テーパ面から内向きに延びる前記上部ステム部分に形成された内部孔をさらに備え、前記内部孔は、上腕骨頚部インプラント部品の第1の端部に結合されるように構成され、前記上腕骨頚部インプラント部品の第2の対向する端部は、上腕骨頭インプラント部品に結合されるように構成された、付記49に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記57)
前記生物学的な内部成長コーティングは、前記テーパ面、前記下部ステム部分、前記第1長手フィンおよび前記第2長手フィンに取り付けられていない、付記49に記載の上腕骨ステムインプラト。
(付記58)
前記生物学的内部成長コーティングは、骨内成長を促進するように構成された多孔性多孔質コーティングである、付記49に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記59)
上腕骨ステムインプラントであって、
中心軸線を有する下部ステム部分と、
前記下部ステム部分から延び、前記下部ステム部分の前記中心軸線に対して角度をなすテーパ面を有する上部ステム部分と、
前記上部ステム部分の外面に結合された長手フィンであって、前記長手フィンは、前記下部ステム部分の中心軸線に対して角度的に内方に向かってテーパ状になっており、前記長手フィンの少なくとも一部は、前記上腕骨ステムインプラントの設置中に前記海綿骨を直接係合して緻密にする楔を形成する長手フィンと、を備える上腕骨ステムインプラント。
(付記60)
前記上部ステム部分の前記外面に結合された第2の長手フィンをさらに備える、付記59に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記61)
前記長手フィンおよび前記第2の長手フィンは、共に、前記上部ステム部分の前記外面の後方部分または前方部分に結合される、付記60に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記62)
前記第2の長手フィンの長さは、前記長手フィンの長さの半分未満である、付記61に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記63)
前記第2の長手フィンは、前記下部ステム部分の中心軸線に対して第2の角度で内側にテーパ状であり、前記第2の角度は、前記角度とは異なる、付記61に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記64)
前記長手フィンおよび前記第2の長手フィンは、上腕骨ステムインプラントが患者の調整済みの上腕骨の上腕骨管に着座するとそれに呼応して、前記海綿骨に直接係合することによって、前記上腕骨ステムインプラントに回転安定性を提供する、付記63に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記65)
前記長手フィンは、前記上部ステム部分から前記下部ステム部分に向かって下方向に内向きにテーパが付けられている、付記59に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記66)
前記長手フィンは、前記上部ステム部分の前記外面の後方部分に結合され、前記第2の長手フィンは、前記上部ステム部分の外面の前方部分に結合される、付記60に記載の上腕骨ステムインプラント。
(付記67)
前記第2の長手フィンの長さは、前記長手フィンの長さとほぼ等しい、付記66に記載の上腕骨ステムインプラント。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I