(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176299
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20221117BHJP
A63F 13/215 20140101ALI20221117BHJP
A63F 13/25 20140101ALI20221117BHJP
A63F 13/424 20140101ALI20221117BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/215
A63F13/25
A63F13/424
A63F13/69 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160375
(22)【出願日】2022-10-04
(62)【分割の表示】P 2020203734の分割
【原出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】坂井 暁
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(57)【要約】
【課題】 ゲーム装置の周辺機器を利用したプレイを促進することができるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【解決手段】 ゲームプログラムは、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ゲームを進行させるゲーム装置5から、ゲームの状況を含むゲーム情報と、ゲーム装置5に外付けされている周辺機器に関する機器情報を取得する取得手段234、ゲーム情報と機器情報とに基づいて、状況と、状況に対応する周辺機器の利用と、に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定手段235、所定条件を満たす場合、ゲームの進行に有利な効果をゲーム装置5のユーザに付与する付与手段236、として機能させるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームを進行させるゲーム装置から、前記ゲームの状況を含むゲーム情報と、前記ゲーム装置に外付けされている周辺機器に関する機器情報を取得する取得手段、
前記ゲーム情報と前記機器情報とに基づいて、前記状況と、前記状況に対応する前記周辺機器の利用と、に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定手段、
前記所定条件を満たす場合、前記ゲームの進行に有利な効果を前記ゲーム装置のユーザに付与する付与手段、として機能させる、
ゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マルチプレイのゲームにおいて、遠隔にいるプレイヤ同士が、ネットワークを介して会話音声によるやり取り、いわゆるボイスチャットをしながらゲームをすることを支援する技術がある。例えば、特許文献1には、操作部と音声入力部備える情報入力装置であって、操作部に対する操作が受け付けられた場合、音声入力部への音声入力を実質的に無効にする情報入力装置が開示されている。このような構成によれば、情報入力装置は、会話音声に交じってゲーム機の操作音が相手のプレイヤに届いてしまうことを抑止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ボイスチャットに用いられるヘッドホンなどのゲーム装置の周辺機器を利用することで、ゲームの臨場感を高めることができる。このため、このようなゲーム機の周辺機器を利用したプレイを促進させたいというニーズがあるが、上記従来技術では、ゲーム機の周辺機器の利用したプレイを促進することができないという課題がある。
【0005】
本開示は、ゲーム装置の周辺機器を利用したプレイを促進することができるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
ゲームを進行させるゲーム装置から、前記ゲームの状況を含むゲーム情報と、前記ゲーム装置に外付けされている周辺機器に関する機器情報を取得する取得手段、
前記ゲーム情報と前記機器情報とに基づいて、前記状況と、前記状況に対応する前記周辺機器の利用と、に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定手段、
前記所定条件を満たす場合、前記ゲームの進行に有利な効果を前記ゲーム装置のユーザに付与する付与手段、として機能させる、ゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記所定条件は、前記周辺機器が所定の機能を発揮する機器であることをさらに含むことができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記所定条件は、前記周辺機器が、前記所定の機能を発揮する機器のうち特定の機種または型式であることをさらに含むことができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記所定条件は、前記状況としてユーザが所定のゲームモードを選択して前記ゲームをプレイしていることをさらに含むことができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記所定条件は、前記状況として前記ゲームの進行において特定の場面に達したことをさらに含むことができる。
【0011】
また、第1の側面において、
前記特定の場面は、ユーザにより選択された所定のゲームモードにおいて発生し、
前記コンピュータを、前記ゲームモードにおける前記特定の場面に達する前に、その後前記特定の場面が発生することの予告を報知する報知制御手段としてさらに機能させることができる。
【0012】
また、第1の側面において、
前記周辺機器は、マイクおよびスピーカを備える音声入出力装置を含み、
前記取得手段は、前記ゲームをマルチプレイしている場合、前記マルチプレイに参加する複数のユーザがそれぞれ操作する複数のゲーム装置それぞれに関するゲーム装置情報と前記機器情報とをそれぞれ取得し、
前記コンピュータを、
前記ゲーム情報と前記ゲーム装置情報と前記機器情報とに基づいて、前記マルチプレイしているか否か、前記複数のユーザが音声によるやり取りをしているか否か、および前記複数のユーザがそれぞれ遠隔にいるか否かを判定する判定手段としてさらに機能させ、
前記所定条件は、前記判定手段により、前記マルチプレイしていること、前記複数のユーザが音声によるやり取りをしていること、および前記複数のユーザがそれぞれ遠隔にいることが判定されること、を含み、
前記付与手段は、前記所定条件を満たす場合、前記ゲームの進行に有利な効果を前記複数のユーザそれぞれに付与することができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、
前記複数のユーザの間でのネットワークを介した音声によるやり取りを実現する通話部と連携して、前記複数のユーザのうち一のユーザから前記通話部に入力された音声が、前記複数のユーザのうち他のユーザの前記通話部から出力されていることを検出する第1検出手段としてさらに機能させ、
前記判定手段は、前記検出の結果に基づいて、前記複数のユーザが音声によるやり取りをしているか否かを判定することができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、
前記機器情報に基づいて、前記複数のユーザそれぞれの前記スピーカから、前記ゲームのゲーム音声を出力していることを検出する第2検出手段としてさらに機能させ、
前記判定手段は、前記検出の結果に基づいて、前記複数のユーザが音声によるやり取りをしているか否かを判定することができる。
【0015】
また、第1の側面において、
前記ゲーム装置情報は、前記ゲーム装置の位置を示す位置情報を含み、
前記判定手段は、前記位置情報に基づいて、前記複数のユーザがそれぞれ遠隔にいるか否かを判定することができる。
【0016】
第2の側面は、
ゲームを進行させるゲーム装置から、前記ゲームの状況を含むゲーム情報と、前記ゲーム装置に外付けされている周辺機器に関する機器情報を取得する取得部と、
前記ゲーム情報と前記機器情報とに基づいて、前記状況と、前記状況に対応する前記周辺機器の利用と、に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記所定条件を満たす場合、前記ゲームの進行に有利な効果を前記ゲーム装置のユーザに付与する付与部、と、を備える、サーバ装置である。
【0017】
第3の側面は、
ゲームを進行させるゲーム装置から、前記ゲームの状況を含むゲーム情報と、前記ゲーム装置に外付けされている周辺機器に関する機器情報を取得する取得部と、
前記ゲーム情報と前記機器情報とに基づいて、前記状況と、前記状況に対応する前記周辺機器の利用と、に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記所定条件を満たす場合、前記ゲームの進行に有利な効果を前記ゲーム装置のユーザに付与する付与部、と、を備える、
ゲームシステムである。
【0018】
本開示によれば、ゲーム装置の周辺機器を利用したプレイを促進することができるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態におけるゲームシステムでの周辺機器の利用したプレイと周辺機器と所定の条件との関係の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態におけるゲームシステムの一連の動作を表すシーケンス図である。
【
図4】第1実施形態におけるゲームシステムでの周辺機器の利用したプレイと周辺機器と所定の条件との関係の一例を示す図である。
【
図5】ゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図6】第1実施形態におけるゲームシステムでのミキサーを利用したプレイの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
本開示の実施形態にかかるゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0021】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0022】
本実施形態にかかるゲームは、ゲームシステム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタ(オブジェクトに相当)を仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。
【0023】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0024】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。
【0025】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0026】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0027】
<ゲームシステム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0028】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインタフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインタフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0029】
ネットワークインタフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能接続されている。
【0030】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、抽選リスト222などの各種データなどが記憶されている。
【0031】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報(ステータスなど)、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、ゲーム情報、ゲーム装置情報、機器情報などが、対応づけられて記憶されている。以降、これらの情報を総称して「ユーザ情報」ともいう。
【0032】
「消費媒体」とは、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0033】
「ゲーム情報」とは、ゲーム装置5でプレイされている各ゲームに関する情報である。ゲーム情報は、例えば、各ゲームを識別するための情報、各ゲームの状況を含む。
【0034】
ゲームの状況は、例えば、選択されたゲームモード、ゲームの動作状況(例えば、起動中、スリープ中、停止中など)、ゲームにおける各ステージや各シーンの進行状況(例えば、未プレイ、進行中(プレイ中)や完了(クリア)など)、またはユーザが操作するプレイヤキャラクタ、その他の仮想ゲーム空間オブジェクト(ゲーム空間の地形、フィールドを構成するオブジェクト、もしくは敵キャラクタ等のNPC(non player character)オブジェクト)などの状態を表すパラメータの値などである。
【0035】
「ゲームモード」とは、例えば、チュートリアルモード、マルチプレイ(協力マルチプレイまたは対戦マルチプレイ)かシングルプレイか、オンラインモードかローカル接続モードか、トレーニングモードなどである。
【0036】
「パラメータ」とは、例えば、キャラクタの戦力、HP、攻撃力、防御力、体力、賢さ、スキルレベル、スキルの種類、もしくはランク、またはアイテムの価値もしくはレアリティなどである。
【0037】
「ゲーム装置情報」とは、ゲーム装置5に関する情報である。ゲーム装置情報は、例えば、ゲーム装置5の機種、製造元(メーカー)、製造番号、または位置情報などを含む。
【0038】
「位置情報」とは、ゲーム装置5の位置を示す情報である。位置情報は、言い換えるとゲーム装置5を所有するユーザの位置を示す情報でもある。位置情報は、例えば、ゲーム装置5の測位部58を用いて測位された特定の時刻におけるゲーム装置5の緯度経度座標であってもよい。位置情報は、他の例として、ゲーム装置5のWifi通信のアクセスポイントであってもよい。
【0039】
「機器情報」とは、ゲーム装置5に外付けされた周辺機器(以下、単に「周辺機器」ともいう)に関する情報である。機器情報は、例えば、周辺機器の機種、製造番号、利用可能な接続形態(有線/無線)、または利用可能な接続形態が有線の場合、コネクタ端子の種類(USB、HDMI(登録商標)、プラグ・ジャックなど)、利用可能な接続形態が無線の場合、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信による接続対応の可否、周辺機器の動作状況(動作中や停止中)、後述の通話音声データやゲーム音声に関する音声データ(以下、「ゲーム音声データ」ともいう)などの音声データなどを含む。
【0040】
周辺機器は、例えば、マイクおよびスピーカを備える音声入出力装置でもよい。
【0041】
抽選リスト222は、一般にガチャと呼ばれる抽選処理を抽選実行手段233(後述)が行う際に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リスト222には、ゲーム媒体に関する情報(名称、パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。
【0042】
「ガチャ」とは、サーバ装置2にて、抽選リスト222の中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置5に付与される。“ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0043】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0044】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選実行手段233、取得手段234、判定手段235、付与手段236、第1検出手段237、および第2検出手段238として機能する。
【0045】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報、ゲーム情報、ゲーム装置情報、機器情報などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0046】
「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽せん方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDB221に記憶され管理される。
【0047】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0048】
―抽選実行手段―
抽選実行手段233は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リスト222の中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。抽選実行手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連付ける。これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0049】
―取得手段―
取得手段234は、ゲームを進行させるゲーム装置5から、ネットワークインタフェース21を介して、当該ゲームの状況を含むゲーム情報と、このゲーム装置5に外付けされている周辺機器に関する機器情報を取得する。例えば、ゲーム装置5が汎用的に備える周辺機器との接続を制御する機能(不図示)(以下、「接続制御部」ともいう)がゲーム装置5と周辺機器との接続を検出する。取得手段234は、この接続制御部から、機器情報を取得する。この「ゲーム装置5と周辺機器との接続」は、有線でも無線でもよく、例えば、無線の場合は、Bluetooth接続などが考えられる。
【0050】
取得手段234は、例えば、ゲームをマルチプレイしている場合、当該マルチプレイに参加する複数のユーザ(以下、単に「複数のユーザ」ともいう)それぞれが操作する複数のゲーム装置5それぞれに関するゲーム装置情報と機器情報とを取得してもよい。
【0051】
―判定手段―
判定手段235は、ゲーム情報と機器情報とに基づいて、所定条件を満たすか否かを判定する。
【0052】
「所定条件」とは、ゲームの状況と、当該ゲームの状況に対応する周辺機器の利用と、に関する条件である。判定手段235は、例えば、周辺機器が利用されているか否かを判定するにあたって、(a)ゲーム装置5への周辺機器の接続を検出すること、(b)ゲームの進行中に、周辺機器から音声や情報などが出力されていること、(c)周辺機器から出力された情報がゲーム装置5に入力されていること、などの条件の少なくともいずれかを満たした場合、周辺機器を利用していると判定してもよい。また、所定条件において「ゲームの状況に対応する周辺機器の利用」とすることで、ゲームに関係ない周辺機器の利用を一定程度含めないようにすることができる。
【0053】
例えば、ゲームの状況「起動中」に対応する周辺機器が「ヘッドホン」であれば、所定条件は、「ゲームの状況が『起動中』であること」、かつ、「ヘッドホンのゲーム装置5への接続が検出されること」、としてもよい。そして、判定手段235は、この所定条件について、ゲームの状況が「起動中」か否か、およびヘッドホンのゲーム装置5への接続が検出されたか否かを判定する。
【0054】
所定条件は、周辺機器が所定の機能を発揮する機器であることをさらに含んでもよい。所定条件は、例えば、この点もふまえ、
図2にも示すように、以下の(1)~(4)の少なくともいずれかを含んでもよい。
(1)周辺機器が所定の機能を発揮する機器であること
(2)所定のゲームモードであること(例えば、マルチプレイしていること、など)
(3)複数のユーザが音声によるやり取りをしていること(例えば、ボイスチャットを利用していること、など)
(4)複数のユーザ同士が遠隔でプレイしていること(例えば、複数のユーザがそれぞれ遠隔にいること、など)
【0055】
「所定の機能」とは、例えば、ヘッドホンやスピーカなどが備える音声を出力する機能、マイクなどが備える音声を入力する機能、ユーザの操作や指示などをゲーム装置5に伝えるコントローラなどが備える機能などが考えられる。
【0056】
所定条件において、上記の(1)~(4)のうち、「マルチプレイしていること」、「複数のユーザが音声によるやり取りをしていること」、および「複数のユーザがそれぞれ遠隔にいること」の3つのAND/OR条件を、以降、「ボイスチャットに関する条件」ともいう。
【0057】
上記構成によれば、周辺機器の中でも所定の機能を発揮する機器に限定して、この機器を利用したプレイを促進することができる。例えば、音声を出力する機能と、音声を入力する機能とを発揮する機器(例えば、イヤセットやヘッドセットなど)に限定して、この機器を利用したボイスチャットなどのユーザの間での音声によるやり取りをしながらのプレイを促進することができる。このため、上記構成によれば、促進対象とするプレイの態様を明確にすることができる。
【0058】
判定手段235は、例えば、ゲーム情報とゲーム装置情報と機器情報とに基づいて、マルチプレイしているか否か(上記(2))、複数のユーザが音声によるやり取りをしているか否か(上記(3))、および複数のユーザがそれぞれ遠隔にいるか否か(上記(4))を判定する。
【0059】
判定手段235は、例えば、後述の第1検出手段237の検出の結果に基づいて、複数のユーザが音声によるやり取りをしているか否かを判定する。判定手段235は、例えば、第1検出手段237の検出の結果が「複数のユーザのうち一のユーザから通話部65に入力された音声が、複数のユーザのうち他のユーザの通話部65から出力されている」であれば、複数のユーザが音声によるやり取りをしていると判定する。
【0060】
判定手段235は、例えば、ゲーム装置情報に含まれる位置情報に基づいて、複数のユーザがそれぞれ遠隔にいるか否かを判定する。
【0061】
判定手段235は、例えば、後述の第2検出手段238の検出の結果に基づいて、複数のユーザが音声によるやり取りをしているか否かを判定する。判定手段235は、例えば、第2検出手段238の検出の結果が「複数のユーザそれぞれのスピーカから、ゲームのゲーム音声を出力していることが検出された」であれば、複数のユーザが音声によるやり取りをしていると判定する。
【0062】
―付与手段―
付与手段236は、所定条件を満たす場合、ゲームの進行に有利な効果をゲーム装置5のユーザに付与する。
【0063】
「ゲームの進行に有利な効果(以下、単に「ゲーム効果」ともいう)」とは、ゲームを有利にする設定変更であればどのようなものでもよく、例えば、報酬(例えば、ゲーム媒体)の付与、プレイヤキャラクタなどのパラメータの有利化、ゲームイベントの開放、相手プレイヤキャラクタや敵キャラクタに対するハンデの付与(パラメータの不利化)などであってもよい。
【0064】
上記構成によれば、付与手段236は、ゲーム状況に対応する周辺機器を利用するユーザにゲーム効果を付与することができる。従って、付与手段236は、ゲーム機の周辺機器を利用したプレイを促進することができる。
【0065】
所定条件は、上記(1)について、例えば、所定の機能を発揮する機器のうち、特定の機種または型式であることをさらに含んでもよい。所定条件は、例えば、所定の機能を発揮する機器が「イヤホン」の場合、イヤホンのうち特定の機種または型式であることを含んでもよい。
【0066】
付与手段236は、例えば、ゲーム装置5の周辺機器が所定の機能を発揮する機器のうち特定の機種または型式である場合、第1報酬をこのゲーム装置5のユーザに付与し、他方、周辺機器が所定の機能を発揮する機器のうち特定の機種および型式でない場合、第2報酬をゲーム装置5のユーザに付与してもよい。第1報酬は、第2報酬より、ユーザに有利な効果を付与する報酬である。
【0067】
例えば、所定の機能を発揮する機器が音声を出力する機能を発揮するイヤホンやヘッドホンなどの機器で特定の機種が「メーカーAの機種aのヘッドホン」である場合、周辺機器が機種aのイヤホンである場合、周辺機器が機種a以外のイヤホン(例えば、機種bのイヤホン)の場合と比較して、付与手段236は、2倍のパラメータの値をもつアイテムを付与してもよい。
【0068】
上記構成によれば、所定の機能を発揮する周辺機器の中でも特定の機種や型式に限定して、この特定の機種や型式を利用したプレイを促進することができる。例えば、音声を出力するヘッドセットの中でもこのメーカーのこの機種というように限定して、この機種を利用したボイスチャットなどの音声によるやり取りをしながらのプレイを促進することができる。このため、上記構成によれば、促進対象とするプレイの態様をより明確にすることができる。
【0069】
所定条件は、上記(2)について、例えば、ゲームの状況としてユーザが所定のゲームモードを選択して当該ゲームをプレイしていることをさらに含んでもよい。例えば、所定のゲームモードが「マルチプレイ」である場合、所定条件は、ユーザがマルチプレイを事前(ゲーム開始前)に選択してゲームをプレイしていることをさらに含んでもよい。
【0070】
上記構成によれば、マルチプレイなどの所定のゲームモードでプレイしていることを条件にゲーム効果を付与することができる。このため、例えば、周辺機器を利用したプレイの中で、促進対象とするゲームモードでのプレイを明確にすることができる。
【0071】
付与手段236は、例えば、所定条件を満たす場合、ゲームの進行に有利な効果を、マルチプレイに参加する複数のユーザそれぞれに付与する。付与手段236は、例えば、ボイスチャットに関する条件を満たす場合、マルチプレイに参加する複数のユーザそれぞれに対して、特定のゲームイベントを開放してもよい。
【0072】
上記構成によれば、周辺機器を利用したマルチプレイを促進することができる。また、With/Afterコロナ時代においては、ユーザ同士が遠隔にいることが求められることがある。しかしながら、遠隔にいると、マルチプレイでユーザ同士が直接会話することができない。マルチプレイでは、ユーザ同士が会話することで、ゲームの興趣性を高めることがある。上記構成によれば、イヤセットやヘッドセットなどを利用して、ユーザ同士が遠隔にいながらもボイスチャットなどで会話しながらのマルチプレイできるため、上記のようなニーズにも応えつつ興趣性を高めることができる。
【0073】
―第1検出手段―
第1検出手段237は、通話部65と連携して、複数のユーザのうち一のユーザから後述の通話部65に入力された音声が、複数のユーザのうち他のユーザの通話部65から出力されていることを検出する。
【0074】
第1検出手段237は、例えば、複数のユーザのゲーム装置5が備える通話部65に対して、複数のユーザのうち一のユーザから後述の通話部65に入力された音声が、複数のユーザのうち他のユーザの通話部65から出力されているか否かを問い合わせる。第1検出手段237は、この問い合わせの結果により、複数のユーザのうち一のユーザからこのボイスチャットアプリに入力された音声が、複数のユーザのうち他のユーザのボイスチャットアプリから出力されていること、すなわち複数のユーザがボイスチャットをしていることを検出する。
【0075】
第1検出手段237は、上記とは異なる例として、複数のユーザのゲーム装置5が備える通話部65それぞれからゲームのプレイ中にチャットをしていることなどを示すチャットのログやチャットのデータを収集してもよい。そして、第1検出手段237は、このログやデータに基づいて、複数のユーザのうち一のユーザからこのボイスチャットアプリに入力された音声が、複数のユーザのうち他のユーザのボイスチャットアプリから出力されていること、すなわち複数のユーザがボイスチャットをしていることを検出してもよい。
【0076】
上記構成によれば、複数のユーザの音声が通話部65を介してやり取りしていることを検出した上で、複数のユーザの音声によるやり取りをしているか否かを判定させることができる。このため、上記構成によれば、より精度よく複数のユーザの音声によるやり取りをしているか否かを判定させることができる。
【0077】
―第2検出手段―
第2検出手段238は、機器情報に基づいて、複数のユーザそれぞれのスピーカから、ゲームのゲーム音声を出力していることを検出する。例えば、機器情報に含まれる機種がヘッドセットの機種の場合、第2検出手段238は、ゲーム情報および機器情報に基づいて、ゲームのプレイ中に、ゲーム装置5からゲーム音声データを含む音声データをこの機種のヘッドセットに出力していることを検出することで、ゲームのゲーム音声を出力していることを検出してもよい。第2検出手段238は、例えば、この音声データを出力していることを検出するにあたって、プレイ中にゲーム装置5からヘッドセットに出力された音声データが存在するか否かを音声データの内容は問わずに判定して、間接的に検出してもよい。また、第2検出手段238は、他の例として、音声データの内容を解析してプレイ中のゲームのゲーム音声か否かを判定して、ゲームのゲーム音声を出力していることを直接的に検出してもよい。
【0078】
例えば、スピーカを備える周辺機器をゲーム装置5に接続していても、単に接続しているだけでゲーム音声を含むは音声が出力されていないという状態も考えられる。上記構成によれば、周辺機器がゲーム音声を出力していることを検出した上で、複数のユーザが音声によるやり取りをしているか否か判定するため、より精度よく周辺機器を利用したプレイを判定することができる。
【0079】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、タッチパッド63およびマイク64が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインタフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、制御部56、を有する。ネットワークインタフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。マイク64は、周囲の音声(アナログ振動信号)を入力し、電気的な信号(デジタル信号)に変換して音声データを生成する。
【0080】
ネットワークインタフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0081】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0082】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0083】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0084】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0085】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0086】
記憶部55は、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、サーバ装置2の記憶部22で記憶するユーザDB221の少なくとも一部の情報である。ユーザDB221でユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置5の記憶部55は、このマスタの少なくとも一部の情報をサーバ装置2から配信されて記憶する。
【0087】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、および報知制御手段563として機能する。
【0088】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0089】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求、ユーザ情報(ゲーム情報、ゲーム装置情報、機器情報)などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0090】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0091】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介した操作(以下、単に「ユーザ操作」という)に応じて、ゲームにおいてクエストを実行させる。また、ゲーム実行手段562は、ユーザ操作に応じて、ユーザにより選択されたゲーム媒体をプレイヤキャラクタに使用させる。
【0092】
ゲーム実行手段562は、ゲーム情報を生成する。また、ゲーム実行手段562は、接続制御部から、ゲーム装置5に接続された周辺機器の機器情報を取得する。ゲーム実行手段562は、通話部65から、通話情報を取得する。また、ゲーム実行手段562は、ネットワークインタフェース51を介して、ゲーム情報と、ゲーム装置5に接続された周辺機器の機器情報と、をサーバ装置2に送信する。
【0093】
―報知制御手段-
報知制御手段563は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御およびスピーカ62の音声出力制御を行う。
【0094】
測位部58は、所定の測位手法によって位置情報を測位する。測位部58は、例えば、GPS受信機を有しており、GPS衛星が送信する信号を受信して、ユーザの現在位置としてゲーム装置5の緯度経度座標を測定する。
【0095】
通話部65とは、複数のユーザの間でのネットワークを介した音声によるやり取りを実現する。通話部65は、典型的には、ボイスチャットアプリケーションプログラム(以下、単に「ボイスチャットアプリ」ともいう)またはボイスチャット機能であるが、通話部65をこれらに限る趣旨ではない。このボイスチャットアプリは、ゲームプログラムとは別のプログラムである。また、このボイスチャット機能は、本実施形態に係わるゲームプログラムの一つの機能である。本実施形態では、通話部65は、ボイスチャット機能とする例を説明する。
【0096】
通話部65は、通話情報を生成する。ここで「通話情報」とは、音声によるやり取りに関する情報である。通話情報は、例えば、通話の状態(例えば、ボイスチャットアプリへのログイン中/ログオフ中、発話中、など)、通話に関する音声データ(以下、「通話音声データ」ともいう)、などを含む。
【0097】
通話部65は、例えば、ネットワークインタフェース51を介して、マイク64が生成した通話音声データを通話相手のユーザのゲーム装置5に送信する。また、通話部65は、ネットワークインタフェース51を介して、通話相手のユーザのゲーム装置5から当該ユーザの通話音声データを受信して、オーディオ処理部53およびスピーカ62により出力する。
【0098】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図3を参照して、ゲーム装置5a、5bにおいて周辺機器との接続を検出する処理からゲーム装置5a、5bそれぞれのユーザへゲーム効果を反映する処理までの流れ・相互作用について説明する。なお、本例では、周辺機器を「ヘッドセット」とする。
【0099】
図3に示すように、まず、ゲーム装置5a、5bの接続制御部は、ゲーム装置5にヘッドセットが接続されたことを検出する(ステップst1)。
【0100】
次いで、ゲーム装置5a、5bそれぞれの通話部65は、それぞれのユーザの入力によりボイスチャットを開始する(ステップst2)。サーバ装置2の通話部65は、このボイスチャットにおける通話音声データなどの送受信について、ゲーム装置5aとゲーム装置5bとの間を中継する(ステップst3)。以降、後続の処理と並行して、通話音声データの送受信により、通話部65によるボイスチャットの処理は随時行われているものとする。
【0101】
次いで、ゲーム装置5a、5bそれぞれのゲーム実行手段562は、それぞれのユーザの入力により、ゲームのマルチプレイを開始する(ステップst4)。サーバ装置2の情報処理手段231は、このマルチプレイによるゲームの進行のためのゲームデータなどの送受信について、ゲーム装置5aとゲーム装置5bとの間を中継する(ステップst5)。以降、後続の処理と並行して、ゲーム実行手段562によるゲームを進行させるための処理は随時行われているものとする。
【0102】
次いで、ゲームを進行させるゲーム装置5a、5bそれぞれのゲーム実行手段562は、ネットワークインタフェース51を介して、それぞれのユーザに関する、ゲーム情報と、ゲーム装置情報と、機器情報と、通話情報と、をサーバ装置2に送信する(ステップst6)。
【0103】
次いで、サーバ装置2の取得手段234は、ゲームを進行させるゲーム装置5a、5bそれぞれから、ゲーム情報と、ゲーム装置情報と、機器情報と、通話情報と、を取得する
(ステップst7)。
【0104】
次いで、サーバ装置2の判定手段235は、ゲーム情報に基づいて、マルチプレイしているか否かを判定する(ステップst8)。
【0105】
次いで、サーバ装置2の判定手段235は、ゲーム装置情報に基づいて、ゲーム装置5a、5bのユーザがそれぞれ遠隔にいるか否かを判定する(ステップst9)。
【0106】
次いで、サーバ装置2の判定手段235は、機器情報および通話情報に基づいて、ゲーム装置5a、5bそれぞれのユーザが音声によるやり取りをしているか否かを判定する(ステップst10)。
【0107】
次いで、サーバ装置2の付与手段236は、所定条件を満たした場合、複合フラグメントopt1(Option1)が示すエリア内の処理を実行する。具体的には、付与手段236は、所定条件を満たす場合、ゲーム効果をゲーム装置5a、5bそれぞれのユーザに付与する(ステップst11)。
【0108】
次いで、サーバ装置2の付与手段236は、ネットワークインタフェース21を介して、付与したゲーム効果に関する効果情報をゲーム装置5a、5bそれぞれに送信する(ステップst12)。
【0109】
次いで、ゲームを進行させるゲーム装置5a、5bそれぞれのゲーム実行手段562は、ネットワークインタフェース51を介して、効果情報を受信し、ゲームに反映する(ステップst13)。例えば、ゲーム効果が「プレイヤキャラクタの攻撃力をUPさせる」であれば、それぞれのゲーム実行手段562は、それぞれのプレイヤキャラクタの攻撃力をUPさせる。
【0110】
以上をまとめると、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ゲームを進行させるゲーム装置5から、ゲームの状況を含むゲーム情報と、ゲーム装置5に外付けされている周辺機器に関する機器情報を取得する取得手段234、ゲーム情報と機器情報とに基づいて、状況と、状況に対応する周辺機器の利用と、に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定手段235、所定条件を満たす場合、ゲームの進行に有利な効果をゲーム装置5のユーザに付与する付与手段236、として機能させるものである。
【0111】
<効果>
本実施形態によれば、ゲーム状況に対応する周辺機器が利用されている場合には、ゲームの進行に有利な効果をユーザに付与することができる。このため、本実施形態によれば、ゲーム装置の周辺機器を利用したプレイを促進することができる。
【0112】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0113】
[第1変形例]
上記実施形態では、周辺機器を利用したプレイとして、イヤホンやヘッドホン、イヤセットやヘッドセットなどの音声入出力装置を利用したプレイヤの音声によるやり取りでのプレイを説明したが、本発明をこれに限る趣旨ではない。本実施形態に係わる周辺機器を利用したプレイは、例えば、
図4に示すように、以下の(ア)~(ウ)の少なくともいずれかのプレイなどであってもよい。
(ア)ゲーム場面に応じた特定の機種または型式のスピーカやヘッドホンなどの音声出力装置を利用したプレイ
(イ)ヘッドホンやスピーカなどの音声出力装置を利用した音楽ゲームでのプレイ
(ウ)コントローラなどの操作装置を利用した対戦ゲームやEスポーツゲームでのプレイ
【0114】
<(ア)ゲーム場面に応じた特定の機種または型式のスピーカやヘッドホンなどの音声出力装置を利用したプレイ>
ゲーム場面に応じておすすめのスピーカやヘッドホンなどの音声出力装置の利用を促進する例を説明する。ゲーム場面に合わせた周辺機器の利用を促進するため、所定条件は、例えば、ゲームの状況として当該ゲームの進行において特定の場面に達したことをさらに含んでもよい。「特定の場面」とは、例えば、ユーザにより選択された所定のゲームモードにおいて発生する場面である。特定の場面は、例えば、ユーザにより選択されたストーリーモードのシナリオにおける特定のシーンであってもよい。このような構成によれば、特定の画面に合わせたおすすめの周辺機器の利用を促進することができる。
【0115】
報知制御手段563は、例えば、ゲームモードにおける特定の場面に達する前に、その後特定の場面が発生することの予告を報知してもよい。報知制御手段563は、特定の場面に達する前に、例えば、後述する
図5のおすすめ機器画面610を、ディスプレイ61に表示させる。報知制御手段563は、例えば、特定の場面に到達する推定N分前(N:自然数)などのゲームの進行度に応じて、ゲームのトップページなどに、特定の場面が発生することの予告を表示させてもよい。このような構成によれば、予めユーザにおすすめの周辺機器を知らせた上で特定の場面を見させることができる。
【0116】
<報知制御手段>
ここで
図5を用いて、報知制御手段563の処理の例について説明する。
【0117】
図5に示すように、報知制御手段563は、おすすめ機器画面610をディスプレイ61に表示させる。おすすめ機器画面610は、おすすめ領域611と、閉じるボタン612と、を含む。本例では、特定の場面は、ゲームのストーリーのN章の最後に流れるムービーシーン(以下、単に「ムービーシーン」ともいう)とする。報知制御手段563は、ゲームの進行上ムービーシーンが動作する推定到達時刻の3時間前に、おすすめ機器画面610をディスプレイ61に表示させる。
【0118】
おすすめ領域622は、ムービーシーンの動作に関する説明(「この章の最後には、大事なムービーシーンがあります」と表記)と、推定到達時刻に関する説明(「通常、3時間ほどのプレイで到達できます」と表記)と、おすすめメッセージ(「迫力ある重低音をお楽しみ頂けるよう、下記の音響機器をオススメします。」と表記)と、おすすめ特定の機種または型式の音声出力装置(「・●●社製 ヘッドホン 型番:・・・」と表記)と、おすすめ特定の機種または型式の音声出力装置の利用により付与されるゲーム効果(「」と表記)と、を表示する。
【0119】
閉じるボタン612が指定されると、報知制御手段563は、おすすめ機器画面610を非表示にする。
【0120】
<(イ)ヘッドホンやスピーカなどの音声出力装置を利用した音楽ゲームでのプレイ>
音楽ゲーム(いわゆる、音ゲー)において、ヘッドホンなどの音声出力装置を利用するプレイを促進する例を説明する。音楽ゲームでは、周辺機器から出力される音楽に合わせて移動するノーツをタップする等のアクションをする必要がある。このため、ヘッドホンなどの音声出力装置の遅延が生じると、ユーザは、音楽に合わせて上手くアクションすることができず、プレイ意欲が低下してしまうおそれがある。このため、音楽ゲームでの周辺機器を利用したプレイに対しては、所定条件の周辺機器を「音声出力装置」として、付与手段236は、周辺機器の特性に合わせたプレイヤのアクションの判定の調整することでゲーム効果を付与してもよい。付与手段236は、例えば、音声出力装置が遅延を生じやすい機種の場合には、事前に当該音声出力装置から音楽が出力されるまでの遅延量を測定し、当該遅延量に応じてノーツ判定のタイミングを遅くしたり、遅延が無い場合と比較してノーツが移動を開始するタイミングを遅くしたりすることで調整してもよい。
【0121】
<(ウ)コントローラなどの操作装置を利用した対戦ゲームやeスポーツゲームでのプレイ>
対戦ゲームやeスポーツにおいて、コントローラなどの操作装置を利用するプレイを促進する例を説明する。対戦ゲームやeスポーツでは、ユーザの操作のスピードや正確さで勝敗が決まることがあり、操作装置に対して、その操作のしやすさが他のゲームより求められることがある。このため、操作装置の機種や型式の違いによっては、対戦するユーザ間でのハンデとなりうることがある。このため、対戦ゲームやeスポーツでの周辺機器を利用したプレイに対しては、所定条件の周辺機器を「特定の機種または型式の操作装置」として、付与手段236は、利用する周辺機器の特性に応じてゲームに関するハンデを付与(パラメータの有利化/不利化、特定の操作フレームの無効化など)してもよい。例えば、レバーコントローラを使用する場合には、左方向入力から右方向入力に切り替える場合に、レバーがニュートラル(無入力)状態を経由する必要がある。一方、レバーレスコントローラを使用する場合には、このニュートラル状態を経由すること無く、左方向入力から右方向入力に切り替えることが可能となり得る。従って、付与手段236は、レバーレスコントローラを使用するプレイヤと、レバーコントローラを使用するプレイヤによる対戦の場合には、レバーコントローラを使用するプレイヤが操作するプレイヤキャラのパラメータを有利化したり、上記方向入力を切り替える際の無入力状態を無視させるようにしたりしてもよい。また、付与手段236は、入力によるコマンド発動後の硬直フレームを無くすと等、特定フレームを無効化する処理を実行してもよい。逆に、付与手段236は、レバーコントローラを使用するプレイヤが操作するプレイヤキャラのパラメータを不利化したり、上記方向入力を切り替える際に無入力状態を経由するようにするように取り扱ったりしてもよい。また、付与手段236は、入力によるコマンド発動後の硬直フレームが長くなるように調整する処理を実行してもよい。
【0122】
[第2変形例]
上記実施形態では通話部65がゲーム装置5に搭載する例を説明したが、本発明を、これに限る趣旨ではない。通話部65はゲーム装置5とは異なる装置に搭載されていてもよい。
【0123】
例えば、
図6に示すように、ゲーム装置5と、ボイスチャットアプリなどの通話部65が搭載された端末装置(以下、「チャット用端末」ともいう)が別デバイスの場合がある。この場合、ゲーム装置5から出力されるゲーム音声とチャット用端末から出力されるチャット音声(通話音声)を、周辺機器であるミキサーで音声合成してヘッドホンから合成した音声を出力するという態様が考えられる。このような態様においては、所定条件を「ゲーム装置5から周辺機器(ミキサー)に対して音声を外部出力していること」「マルチプレイ中であること」および「マルチプレイの相手のユーザも音声が外部出力されていること」としてもよい。
【0124】
[第2実施形態]
第1実施形態では、サーバ装置2の制御部23に取得手段234、判定手段235、付与手段236を備える例を説明したが、本発明をこれに限る趣旨ではない。第2実施形態として、取得手段234、判定手段235、付与手段236が有する機能をゲーム装置5に備えさせてもよい。
【0125】
例えば、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ゲームを進行させるゲーム実行手段562、前記コンピュータに外付けされている周辺機器に関する機器情報を取得する取得手段、前記ゲームの状況と前記機器情報とに基づいて、前記状況と、前記状況に対応する前記周辺機器の利用と、に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定手段、前記所定条件を満たす場合、前記ゲームの進行に有利な効果をユーザに付与する付与手段、として機能させるものであってもよい。
【0126】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0127】
上記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0128】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0129】
上記実施形態では、オブジェクトがプレイヤキャラクタである場合を例示したが、これに限定されない。例えば、オブジェクトは、仮想ゲーム空間内で使用されるカードやアイテム(武器、防具などの装備品)などであることができる。
【0130】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が一体となってゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち、取得手段、判定手段、付与手段などが、サーバ装置2単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、サーバ装置2とゲーム装置5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0131】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
234 取得手段
235 判定手段
236 付与手段
237 第1検出手段
238 第2検出手段
5 ゲーム装置
56 制御部