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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176369
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】防火設備の連結材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20221117BHJP
   E06B 5/16 20060101ALI20221117BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20221117BHJP
   E06B 1/36 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
E04B1/94 K
E06B5/16
E06B1/18 X
E06B1/36 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162082
(22)【出願日】2022-10-07
(62)【分割の表示】P 2018172983の分割
【原出願日】2018-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】三室 智史
(72)【発明者】
【氏名】山田 正義
(57)【要約】
【課題】防火設備の連窓の連結部における防火性能を確保すると共に、施工のしやすい連結材を提供する。
【解決手段】 躯体開口部に固定され側方に窓枠を支持する支持鋼材と、支持鋼材の室外側に支持されるロックウール部を有し、ロックウール部は、支持鋼材の側方に支持される窓枠の見込幅内に略収まるようにする。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体開口部に固定され側方に窓枠を支持する支持鋼材と、支持鋼材の室外側に支持されるロックウール部を有し、
ロックウール部は、支持鋼材の側方に支持される窓枠の見込幅内に略収まる
防火設備の連結材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火サッシ等の防火設備を見付方向に連結する連結材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右に配置された建具を連結材で連結した連窓が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-99205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、窓設備として防火性能の高い防火建具(防火設備)を採用することが求められており、連窓においても、左右に配置される建具として防火建具が採用されている。
そして、左右の防火建具を連結する連結材についても防火性能が求められている。
【0005】
上記特許文献1の連結材は、高い防火性能を備えるものではなかった。そして、連結材に対して防火性能を付与するために、連結材にロックウール等の防火材を設けることも考えられるが、防火材の上下の仕舞いが複雑で、施工が煩雑にならざるを得なかった。
【0006】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、見付方向に連設される防火設備を連結するに際して、連結部における防火性能を確保すると共に、施工のしやすい連結材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、躯体開口部に固定され側方に窓枠を支持する支持鋼材と、支持鋼材の室外側に支持されるロックウール部を有し、ロックウール部は、支持鋼材の側方に支持される窓枠の見込幅内に略収まるようにする連結材である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態の連結材の構成により、防火設備の連窓の連結部における防火性能を確保すると共に、施工のしやすい連結材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の連結材が配置された建具の図であり、(a)は横断面図であり、(b)は(a)で矢印aからみた正面図、(c)は(a)で矢印bからみた側面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る連窓の竪断面図である。
図3】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る連結材の横断面図であり、(b)は、ロックウールを省いた連結材の横断面図である。
図4】(a)は、本発明の第2の実施形態に係る連結材の横断面図であり、(b)は、ロックウールを省いた連結材の横断面図である。
図5】(a)は、本発明の第3の実施形態に係る連結材の横断面図であり、(b)は、ロックウールを省いた連結材の横断面図である。
図6】(a)は、本発明の第4の実施形態に係る連結材の横断面図であり、(b)は、ロックウールを省いた連結材の横断面図である。
図7】(a)は、本発明の第5の実施形態に係る連結材の横断面図であり、(b)は、ロックウールを省いた連結材の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の防火設備の連結材について、図面を参考にして、説明する。
なお、本実施形態の説明では、図1に示すような、ビル等の建物に設置される連窓を用いて説明するが、本発明の防火設備の連結材は、ビル等の建物に設置される連窓に採用される連結材に限定されない。
【0011】
(全体の構成)
図1に示す連窓は、複数(4個)の防火サッシ等の防火設備A1ないし防火設備A4が、鈎状に配置されてなり、防火設備A1と防火設備A2が連結材B1で連結され、防火設備A2と防火設備A3が連結材B2で連結され、防火設備A3と防火設備A4が連結材B3で連結されている。
【0012】
図1に示す本実施形態では、防火設備A1ないし防火設備A4は、引違い窓が採用されており、図2(b)に示すように、防火設備A1ないし防火設備A4の室内側には内装材91が配置されており、室外側の下方には水切り92が配置されている。
【0013】
-第1の実施形態-
図2及び図3を用いて、第1の実施形態の連結材を説明する。
本実施形態の連結材は、左右の防火設備A1及び防火設備A2を面一に連結する連結材B1として構成されている。
【0014】
図3(a),(b)に示すように、連結材B1は、躯体開口部に固定され、左右に配置される防火設備A1,A2の窓枠A10,A20を支持する支持鋼材10と、支持鋼材10の室外側に設けられるロックウール部202を有する防火部材20と、連結される窓枠A10,A20間を室内側から覆う室内側カバー部材30と、連結される窓枠A10,A20間を室外側から覆う室外側カバー部材(化粧材)40と、を備えている。
【0015】
支持鋼材10は、断面矩形状の長尺部材であり、矩形を形成する各辺を窓枠A10,A20の見付方向もしくは見込み方向と一致させた状態で躯体開口部に配置され、上端及び下端を躯体開口部に埋設されたアンカー部材5に溶接等することで躯体開口部に固定されている。
【0016】
支持鋼材10は、図3(b)に示すように、左右両見込面に窓枠取付片101,101が固定され、室外側見付面に防火部材取付片102が固定され、室内側見付面に内カバー取付片103が固定されている。
【0017】
窓枠取付片101は、取付壁101aと、取付壁101aの室外側端から内周側(連結材からみると、外周側)に屈曲してなる支持壁101bを有する断面略L字状の長尺部材であり、取付壁101aを支持鋼材10の左右見込面に当接した状態で固定されている。
【0018】
支持鋼材10に支持される窓枠A10,A20は、支持鋼材10に対向する見込壁60aを有する取付補助材60がビス等の固定手段bによって外周側面に固定されている。
そして、支持鋼材10は、窓枠取付片101の支持壁101bと、取付補助材60の見込壁をアングル部材70によって連結することで、窓枠A10を支持している。
【0019】
支持鋼材10に支持された窓枠A10,A20の室内側に、内カバー取付材103がビス等の固定手段により固定されている。
内カバー取付片103は、見付壁103aと、見付壁103aの左右両端が室内側に屈曲してなる左右の見込壁103b,103bを有する断面略U字状の長尺部材であり、見付壁103aの室外側面が支持鋼材10の室内側見付面に当接した状態で固定されている。
なお、内カバー取付材103は、支持鋼材10にネジ止め等の手段で固定されていてもよい。
【0020】
室内側カバー部材30は、室内壁部30aと、室内壁部30aの左右両側が室外側に屈曲してなる左右の見込壁30b,30bを有する断面略U字状の長尺部材である。
そして、支持鋼材10は、内カバー取付片103の左右の見込壁103b,103bに室内側カバー部材30の左右の見込壁30b,30bをビス等の固定手段bにより固定することで、室内側カバー部材30を支持している。
【0021】
防火部材取付片102は、取付壁102aと、取付壁102aの左右両側が室外側に屈曲してなる左右の支持壁102b,102bを有する断面略U字状の長尺部材であり、取付壁102aの室内側面が支持鋼材10の室外側見付面に当接した状態で固定されている。
【0022】
防火部材20は、裏打ちパネル201と、ロックウール部202を有している。
裏打ちパネル201は、室外側壁201aと、室外側壁201aの左右両側が室内側に屈曲してなる左右の見込壁201b,201bを有する断面略U字状の長尺部材からなり、裏打ちパネル201の内周にロックウールを充填することなどによってロックウール部202が設けられている。
【0023】
室外側カバー部材(化粧材)40は、建物の外壁面を形成する外壁面部40aと、外壁面部40aの室内側面から室内側に延設される左右の見込壁40c,40cと、見込壁40c,40cよりも内周側(連結材から見ると外周側)の位置において外壁面部40aの室内側面から室内側に延設された左右のリブ40d,40dを有する長尺部材からなる。
【0024】
そして、支持鋼材10は、防火部材取付片102の左右の支持壁102b,102bに、裏打ちパネル201の左右の見込壁201b,201b及び室外側カバー部材40の左右の見込壁40c,40cをビス等の固定手段bにより固定することで、支持鋼材10の室外側に防火部材20及び室外側カバー部材40を支持している。
【0025】
左右に窓枠A10,A20を支持した支持鋼材10に、防火部材20が支持された状態では、防火部材20のロックウール部202は、左右の窓枠A10,A20の見込幅内に略収まっている。
そして、室外側カバー部材40の左右端部位置と室内側カバー部材30の左右端部位置は、窓枠A10,A20の見込壁の位置と略一致している。
【0026】
窓枠A10,A20の室外側壁と室外側カバー部材40の外壁面部40aとの間には、バックアップ材81及びシール材82が配置されており、室外側カバー部材40の見込壁40cと窓枠A10,A20に取り付けられた取付補助材60の見込壁60aとの間にロックウールやAES(アルカリアースシリケート)等からなる不燃材83が配置されている。
【0027】
このとき、室外側カバー部材40の外壁面部40aの室内側面に設けられたリブ40dが、バックアップ材81の受けとして機能すると共に、不燃材83の保持部として機能している。
【0028】
-第2の実施形態-
図4を用いて、第2の実施形態の連結材を説明する。
本実施形態の連結材は、左右の防火設備A2,A3をコーナー部(出隅部)において略直角に連結する連結材B2として構成されている。なお、コーナー部における連結角度は、直角に限るものではない。
【0029】
連結材B2は、躯体開口部に固定され左右に配置される防火設備A2,A3の窓枠A20,A30を支持する支持鋼材10と、支持鋼材10の室外側に設けられるロックウール部202を有する防火部材20と、連結される窓枠A20,A30間を室内側から覆う室内側カバー部材30と、連結される窓枠A20,A30間を室外側から覆う室外側カバー部材40と、を備えている。
【0030】
支持鋼材10は、断面矩形状の長尺部材であり、矩形を形成する各辺を窓枠A20,A30の見付方向もしくは見込み方向と一致させた状態で躯体開口部に配置され、上端及び下端を躯体開口部に埋設されたアンカー部材5に溶接等することで躯体開口部に固定されている。
【0031】
支持鋼材10は、一方の窓枠A20の外周側見込面と対向する右室内側壁面10a及び他方の窓枠A30の外周側見込面と対向する左室内側壁面10bに窓枠取付片101,101が固定され、右室内側壁面10aの室外側端部に連続し一方の窓枠A20の見付方向外周側に延びる右室外側壁面10c及び左室内側壁面10bの室外側端部に連続し他方の窓枠A30の見付方向外周側に延びる左室外側壁面10dに左右の防火部材取付片104,104が固定されている。
【0032】
窓枠取付片101,101は、支持鋼材10に溶接等によって固定される取付壁101aと、取付壁101aの室外側端から内周側(連結材からみると、外周側)に屈曲してなる支持壁101bを有する断面略L字状の長尺部材であり、取付壁101aが支持鋼材10の右室内側壁面10aもしくは左室内側壁面10bに当接した状態で固定されている。
【0033】
支持鋼材10に支持される窓枠A20,A30は、支持鋼材10に対向する見込壁60aを有する取付補助材60がビス等の固定手段bによって外周側面に固定されている。
そして、支持鋼材10は、窓枠取付片101の支持壁101bと、取付補助材60の見込壁60aをアングル部材70によって連結することで、窓枠A20,A30を支持している。
【0034】
支持鋼材10に支持された窓枠A20,A30の室内側に、内カバー取付材105がビス等の固定手段により固定されている。
内カバー取付材105は、窓枠A20,A30に固定される固定部105aと、固定部105aの室内側面に突出する係止部105bを有する長尺部材であり、固定部105aの左右端部近傍が窓枠A20,A30の室内側外周端部に当接した状態で固定されている。
【0035】
室内側カバー部材30は、室内壁部30aと、室内壁部30aの室外側に突設された係止片30cを有する長尺部材であり、係止片30cを内カバー取付材105の係止部105bに係止することで、窓枠A20,A30間の室内側を覆うように取り付けられる。
【0036】
防火部材取付片104,104は、取付壁104aと、取付壁104aの内周側端(連結材からみると、外周側端)が室外側に屈曲してなる支持壁104bを有する断面略L字状の長尺部材であり、取付壁104aの室内側面が支持鋼材10の右室外側壁面10cもしくは左室外側壁面10dに当接した状態で固定されている。
【0037】
防火部材20は、裏打ちパネル201と、ロックウール部202を有している。
裏打ちパネル201は、左右に配置された左、右外側壁が略直角に連続して形成された室外側壁201aと室外側壁201aの左右両側が室内側に屈曲してなる左右の見込壁201b,201bを有する長尺部材からなり、裏打ちパネル201の内周にロックウールを充填することなどによってロックウール部202が設けられている。
【0038】
室外側カバー部材40は、左右に配置された左、右外壁面部が略直角に連続して形成された外壁面部40aと、左、右外壁面部の室内側面からそれぞれ室内側に延設される左右の脚部40b,40bと、左、右外壁面部の室内側面の左右の脚部40b,40bが延設されている位置からさらに内周側(連結材からみると、外周側)の位置から室内側に延設される左右の見込壁40c,40cと、左、右外壁面部の室内側面の左右の見込壁40c,40cが延設されている位置からさらに内周側(連結材からみると、外周側)の位置から室内側に延設される左右のリブ40d,40dを有する長尺部材からなる。
【0039】
そして、支持鋼材10は、防火部材取付片104,104の支持壁104b,104bに、裏打ちパネル201の左右の見込壁201b,201b及び室外側カバー部材40の左右の見込壁40c,40cをビス等の固定手段bにより固定することで、支持鋼材10の室外側に防火部材20及び室外側カバー部材40を支持している。
【0040】
窓枠A20,A30を支持する支持鋼材10に、防火部材20が支持された状態では、ロックウール部202は、左右の窓枠A10,A20の見込幅内に略収まっており、左右の窓枠A20,A30間の室外側を覆うように室外側カバー部材40が配置されている。
【0041】
そして、室外側カバー部材40の左右端部位置と室内側カバー部材30の左右端部位置は、窓枠A20及び窓枠A20の見込壁の位置と略一致している。
さらに、窓枠A20,A30の室外側壁と室外側カバー部材40の外壁面部40aとの間には、バックアップ材81及びシール材82が配置されており、室外側カバー部材40の見込壁40cと窓枠A20,A30に取り付けられた取付補助材60の見込壁60aとの間にロックウールやAES(アルカリアースシリケート)等からなる不燃材83が配置されている。
【0042】
このとき、室外側カバー部材40の外壁面部40aの室内側面に設けられたリブ40dが、バックアップ材81の受けとして機能すると共に、不燃材83の保持部としての機能している。
【0043】
-第3の実施形態-
図5を用いて、第3の実施形態の連結材を説明する。
本実施形態の連結材は、左右の防火設備A3,A4をコーナー部(入隅部)において略直角に連結する連結材B3として構成されている。なお、コーナー部における連結角度は、直角に限るものではない。
【0044】
連結材B3は、躯体開口部に固定され右側に配置される防火設備A3の窓枠A30を支持すする支持鋼材11と、躯体開口部に固定され左側に配置される防火設備A4の窓枠A40を支持する支持鋼材12と、支持鋼材11,12の室外側に配置されるロックウール部202を有する防火部材20と、連結される窓枠A30,A40間を室内側から覆う室内側カバー部材30と、連結される窓枠A30,A40間を室外側から覆う室外側カバー部材40と、を備えている。
【0045】
本実施形態の連結材B3の2つの支持鋼材11,12は、それぞれ断面矩形状の長尺部材であり、支持鋼材11,12の断面矩形を構成する辺が、それぞれが支持する窓枠A30,A40の見付方向もしくは見込み方向に一致するようにコーナー部において間隔をあけて配置され、それぞれ上端及び下端が躯体開口部に埋設されたアンカー部材5に固定されている。
なお、本実施形態の支持鋼材11,12は、一辺の長さが窓枠A30,A40の見込み方向寸法の略半分の寸法の略正方形の断面形状を有している。
【0046】
支持鋼材11,12は、それぞれ窓枠A30,A40の外周側見込面と対向する見込壁面11a,12aに窓枠取付片101,101が固定され、室外側の見付壁面11b,12bに防火部材取付片104,104が固定されている。
【0047】
窓枠取付片101は、見込み方向に延びる取付壁101aと,取付壁101aの室外側端から内周側(連結材からみると、外周側)に屈曲してなる支持壁101bを有する断面略L字状の長尺部材であり、取付壁101aが支持鋼材11,12の見込壁面11a,12aに当接した状態で固定されている。
【0048】
支持鋼材11,12に支持される窓枠A30,A40は、見込壁60aを有する取付補助材60が外周側面に固定されている。
そして、支持鋼材11,12は、支持鋼材11,12の見込壁面11a,12aに固定された窓枠取付片101,101の支持壁101b,101bと、取付補助材60の見込壁60aをアングル部材70によって連結することで、窓枠A30,A40を支持している。
【0049】
支持鋼材11,12に支持された窓枠A30,A40の室内側に、断面略L字状の内カバー取付片106a,106bが固定されている。
右側に配置される内カバー取付片106aは、窓枠A30の室内側面に当接する見付壁部と見付壁部の内周側から室内側に延びる見込壁部とからなり、見込壁部の位置が窓枠A30の外周面の見付け方向の位置とほぼ一致した状態で室内側に延びるように取り付けられ、左側に配置される内カバー取付片106bは、窓枠A40の室内側面に当接するとともに外周側に延びる見付壁部と見付壁部の外周側端から室内側に延びる見込壁部とからなり、見込壁部が窓枠A40の外周側の位置で室内方向に延びるように取り付けられている。
【0050】
室内側カバー部材30は、左右に配置された左、右内壁部が略直角に連続して形成された室内壁部30aと、室内壁部30aの見付方向両端部が室外側に屈曲して突設された見込壁30b,30bを有する長尺部材であり、見込壁30b,30bが内カバー取付片106a,106bの見込壁部にボルト等の固定手段によって固定されることで、窓枠A30と窓枠A40の室内側の間を覆うように取り付けられている。
【0051】
防火部材取付片104,104は、見付け方向に延びる取付壁104aと、取付壁104aの内周側(連結材からみると、外周側)端が室外側に屈曲してなる支持壁104bを有する断面略L字状の長尺部材であり、取付壁104aの室内側面が支持鋼材11,12の見付壁面11b,12bに当接した状態で固定されている。
【0052】
防火部材20は、裏打ちパネル201と、ロックウール部202を有している。
裏打ちパネル201は、左右に配置された左、右内壁部が略直角に連続して形成された室外側壁201aと、室外側壁201aの左右両側が室内側に屈曲してなる左右の見込壁201b,201bを有する長尺部材からなり、裏打ちパネル201の内周(室内側)にロックウールを充填することなどによってロックウール部202が設けられている。
【0053】
室外側カバー部材40は、左右に配置された左、右外壁面部が略直角に連続して形成された外壁面部40aと、外壁面部40aの左、右外壁面部の室内側面から室内側に延設され、裏打ちパネル201の室外側面に当接する脚部40b,40bと、脚部40b,40bよりも内周側(連結材から見ると外周側)の位置において左、右外壁面部の室内側面から室内側に延設された見込壁40c,40cと、見込壁40c,40cよりもさらに内周側(連結材から見ると外周側)の位置において左、右外壁部の室内側面から室内側に延設されたリブ40d,40dを有する長尺部材からなる。
【0054】
そして、支持鋼材11,12は、防火部材取付片104,104の支持壁104b,104bに、裏打ちパネル201の左右の見込壁201b,201b及び室外側カバー部材40の左右の見込壁40c,40cをビス等の固定手段により固定することで、支持鋼材10の室外側に防火部材20及び室外側カバー部材40を支持している。
【0055】
窓枠A30,A40を支持する支持鋼材11,12に、防火部材20が支持された状態で、防火部材20のロックウール部202は、窓枠A30及び窓枠A40の見込幅内に略収まっており、左右の窓枠A30,A40間の室外側を覆うように室外側カバー部材40が配置されている。
【0056】
そして、室外側カバー部材40の左右端部位置と室内側カバー部材30の左右端部位置は、窓枠A30及び窓枠A40の見込壁の位置と略一致している。
さらに、窓枠A30及び窓枠A40の室外側壁と室外側カバー部材40の外壁面部40aとの間には、バックアップ材81及びシール材82が配置されており、室外側カバー部材40の見込壁40cと窓枠A30,A40に取り付けられた取付補助材60の見込壁60aとの間、即ちロックウール部202と窓枠A30,A40との間には、ロックウールやAES(アルカリアースシリケート)等からなる不燃材83が配置されている。
【0057】
このとき、室外側カバー部材40の外壁面部40aの室内側面に設けられたリブ40dが、バックアップ材81の受けとして機能すると共に、不燃材83の保持部としての機能している。
【0058】
以上のように、第1ないし第3の実施形態の連結材は、支持鋼材10の室外側に防火部材20及び不燃材83を配置して、左右の防火設備Aの間をロックウール部202及び不燃材83によって塞ぐことができ、防火設備Aによって得られる防火性能を損なうことなく、高い防火性能を有する外壁(非耐力壁)を構成することができる。
【0059】
そして、ロックウール部202は、連結材により連結される窓枠の見込幅内に略収まるように配置されているので、ロックウール部202の上下端部を、躯体開口部の上窓枠及び下窓枠を配置する内周面内に納めることができ、ロックウール部202の上下端部が水切り等の傾斜面に対向せずに安定した配置を行うことができる。
【0060】
-第4の実施形態-
図6を参考にして、第4の実施形態の連結材を説明する。
本実施形態の連結材は、左右の防火設備A1及び防火設備A2を面一に連結する連結材B1として構成されている。
なお、本実施形態の連結材は、室外側カバー部材がロックウール部202を有している点で、第1の実施形態と主に異なっている。
【0061】
連結材B1は、躯体開口部に固定され左右に配置される防火設備の窓枠A10,A20を支持する支持鋼材10と、支持鋼材10の室外側に設けられ連結される窓枠A10,A20間を室内側から覆う室外側カバー部材(化粧材)50と、連結される窓枠A10,A20間を室内側から覆う室内側カバー部材30と、を備えている。
【0062】
支持鋼材10は、断面矩形状の長尺部材であり、矩形を形成する各辺を窓枠A10及び窓枠A20の見付方向及び見込み方向と一致させた状態で躯体開口部に配置され、上端及び下端を躯体開口部に埋設されたアンカー部材5に溶接等することで躯体開口部に固定されている。
【0063】
支持鋼材10は、左右両側面に窓枠取付材107が溶接等によって固定されている。窓枠取付材107は、棒状鋼材107aと、棒状鋼材107aに溶接等によって固定されているアンカー部107bとを有し、棒状鋼材107aが支持鋼材10の窓枠A10,A20の外周面と対向する見込壁面に溶接等によって固定されることで、アンカー部107bが窓枠A10,A20の外周面に向くように取付られている。
そして、支持鋼材10は、支持鋼材10の左右側面に固定された窓枠取付材107のアンカー部107bに窓枠A10,A20の外周部を係合することによって、窓枠A10,A20を支持している。
【0064】
支持鋼材10に支持された窓枠A20,A30の室内側に、内カバー取付材105がビス等の固定手段bにより固定されている。
内カバー取付材105は、窓枠A10,A20に固定される固定部105aと、室内側カバー部材30を係止する係止部105bを有する長尺部材もしくはピース状の部材であり、固定部105aの室外側面が窓枠A20,A30の室内側外周端部及び支持鋼材10に当接した状態で固定されている。
【0065】
室内側カバー部材30は、室内壁部30aと、室内壁部30aの左右端部が室外側に屈曲されて形成された係止片30cを有する長尺部材であり、係止片30cを内カバー取付材105の係止部105bに係止することで、窓枠A20,A30間の室内側を覆うように取り付けられる。
【0066】
支持鋼材10は、左右両側面に室外側カバー部材取付材108が固定されている。
室外側カバー部材取付材108は、板状部材からなり、支持鋼材10の左右両側面に室外側カバー部材取付材108が固定されることで、支持鋼材10の室外側に室外側カバー部材(化粧材)50を保持する保持部が形成される。
【0067】
室外側カバー部材50は、外壁面部501aと、外壁面部501aの内周面から室内側に延設される左右の見込壁501c,501cと、外壁面部501aの室内側面の左右の見込壁501c,501cが延設されている位置からさらに内周側(連結材からみると、外周側)位置から室内側に延設される左右のリブ501d,501dを有している。さらに、室外側カバー部材501は、左右の見込壁501c,501c間であって、見込み方向で窓枠A10,A20の室外側壁面の位置に、左右の見込壁501c,501cを連結する内壁部501eが設けられており、外壁面部501aの室内側に中空部を形成している。
【0068】
室外側カバー部材50の左右の見込壁501c,501cの間であって、内壁部501eよりも室内側には、ロックウール等が充填され、ロックウール部502が形成されている。
そして、支持鋼材10は、左右の室外側カバー部材取付材108によって形成された保持部に、室外側カバー部材50の見込壁501c、501cを挿入して固定することで、支持鋼材10の室外側に室外側カバー部材50を支持している。
【0069】
左右に窓枠A10,A20を支持する支持鋼材10に、室外側カバー部材50が固定された状態で、室外側カバー部材50の外壁面部501aは、室外側に大きく突出することなく、内壁部501eの室内側に形成されたロックウール部502は、左右の窓枠A10,A20の見込幅内に略収まっている。
【0070】
そして、室外側カバー部材50の左右端部位置と室内側カバー部材30の左右端部位置は、左右に窓枠A10,A20の見込壁の位置と略一致しており、窓枠A10,A20の室外側壁と室外側カバー部材50の外壁面部501aとの間には、バックアップ材81とシール材82が配置されている。
【0071】
さらに、本実施形態においては、左右の窓枠A10,A20と室外側カバー部材50及び支持鋼材10との間に、必要に応じて、ロックウール503が充填されている。
【0072】
このとき、室外側カバー部材50の外壁面部501aの室内側面に設けられたリブ501dがバックアップ材81の受けとして機能すると共に、バックアップ材81が、ロックウール503の受けとして機能している。
【0073】
-第5の実施形態-
図7を用いて、第5の実施形態の連結材を説明する。
本実施形態の連結材は、左右の防火設備A2,A3をコーナー部(出隅部)において略直角に連結する連結材B2として構成されている。なお、コーナー部における連結角度は、直角に限るものではない。
なお、本実施形態の連結材は、室外側カバー部材がロックウール部202を有している点で、第2の実施形態と主に異なっている。
【0074】
連結材B2は、躯体開口部に固定され左右に配置される防火設備A2,A3の窓枠A20,A30を支持する支持鋼材10と、支持鋼材10の室外側に設けられ連結される窓枠A20,A30間を室内側から覆う室外側カバー部材(化粧材)50と、連結される窓枠A20,A30間を室内側から覆う室内側カバー部材30と、を備えている。
【0075】
支持鋼材10は、断面矩形状の長尺部材であり、矩形を形成する各辺を窓枠A20,A30の見付方向もしくは見込み方向と一致させた状態で躯体開口部に配置され、上端及び下端を躯体開口部に埋設されたアンカー部材5に溶接等することで躯体開口部に固定されている。
【0076】
支持鋼材10は、一方の窓枠A20の外周側見込面と対向する右室内側壁面10a及び他方の窓枠A30の外周側見込面と対向する左室内側壁面10bに窓枠取付材107が溶接等によって固定されている。
窓枠取付材107は、棒状鋼材107aと、棒状鋼材107aに溶接等によって固定されているアンカー部107bとを有し、棒状鋼材107aが支持鋼材10の右室内側壁面10a及び左室内側壁面10bに溶接等によって固定されることで、アンカー部107bが窓枠A20,A30の外周面に向くように配置されている。
そして、支持鋼材10は、支持鋼材10の左右側面に固定された窓枠取付材107のアンカー部107bに窓枠A20,A30の外周部を係合することによって、窓枠A20,A30を支持している。
【0077】
支持鋼材10に支持された窓枠A20と窓枠A30の室内側に、内カバー取付材105がビス等の固定手段により固定されている。
内カバー取付材105は、窓枠A20,A30に固定される固定部105aと、室内側カバー部材30を係止する係止部105bを有する長尺部材であり、固定部105aの左右端部近傍が窓枠A20,A30の室内側外周端部に当接した状態で固定されている。
【0078】
室内側カバー部材30は、室内壁部30aと、室内壁部30aの室外側に突設された係止片30cを有する長尺部材であり、係止片30cを内カバー取付材105の係止部105bに係止することで、窓枠A20,A30間の室内側を覆うように取り付けられる。
【0079】
支持鋼材10は、右室内側壁面10a及び左室内側壁面10bに室外側カバー部材取付材108が溶接等によって固定されている。
室外側カバー部材取付材108は、板状部材からなり、支持鋼材10の右室内側壁面10a及び左室内側壁面10bに室外側カバー部材取付材108が固定されることで、支持鋼材10の室外側に室外側カバー部材50を保持する保持部が形成されている。
【0080】
室外側カバー部材50は、左右に配置された左、右外壁面部が略直角に連続して形成された外壁面部501aと、外壁面部501aの室内側面から室内方向に延設される左右の見込壁501c,501cと、外壁面部501aの室内側面の左右の見込壁501c,501cが延設されている位置からさらに内周側(連結材からみると、外周側)位置から室内側に延設される左右のリブ501d,501dを有している。
さらに、室外側カバー部材50は、左右の見込壁501c,501c間であって、見込み方向で窓枠A10,A20の室外側壁面の位置に、左右の見込壁501c,501cを連結する断面略L字状の内壁部501eが設けられている。
【0081】
室外側カバー部材50の左右の見込壁501c,501cの間であって、内壁部501eよりも室内側には、ロックウールが略L字状に充填されてロックウール部502が形成されている。
そして、支持鋼材10は、左右の室外側カバー部材取付材108によって形成された保持部に、室外側カバー部材50の見込壁501c、501cを固定することで、支持鋼材10の室外側に室外側カバー部材50を支持している。
【0082】
左右に窓枠A20,A30を支持する支持鋼材10に、室外側カバー部材50が固定された状態で、室外側カバー部材50の外壁面部501aは、室外側に大きく突出することなく、内壁部501eの室内側に形成されたロックウール部502は、左右の窓枠A20,A30の見込幅内に略収まっている。
【0083】
そして、室外側カバー部材50の左右端部位置と室内側カバー部材30の左右端部位置は、左右に窓枠A20,A30の見込壁の位置と略一致しており、左右に窓枠A20,A30の室外側壁と室外側カバー部材50の外壁面部501aとの間には、バックアップ材81とシール材82が配置されている。また、左右の窓枠A20,A30と室外側カバー部材50及び支持鋼材10との間には、必要に応じて、ロックウール503が充填されている。
【0084】
このとき、室外側カバー部材50の外壁面部501aの室内側面に設けられたリブ501dがバックアップ材81の受けとして機能すると共に、バックアップ材81が、ロックウール503の受けとして機能している。
【0085】
以上のように、第4及び第5の実施形態の連結材は、支持鋼材10の室外側にロックウール部502が形成された室外側カバー部材50を配置することによって、さらに、室外側カバー部材50及び支持鋼材10と左右の窓枠との間にロックウールが充填されることによって、左右の防火サッシの間を耐火材料によって塞ぐことができ、防火サッシによって得られる防火性能を維持する外壁(非耐力壁)を構成することができる。
【0086】
そして、ロックウール部502は、支持鋼材10の側方に支持される窓枠の見込幅内にほぼ収まるように配置されているので、ロックウール部502の上下端部を、躯体開口部の上窓枠及び下窓枠を配置する内周面内にほぼ収めることができ、ロックウール部502の上下端部が水切り等の傾斜面にあまり対向せずに安定した配置を行うことができる。
さらに、化粧材である室外側カバー部材50が耐火部材を兼用しているので、施工工程を増加することなく防火性能を付与することができる。
【0087】
なお、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
例えば、支持鋼材10に固定される窓枠取付片101やアングル部材70等の各取付部材は、長尺部材に限定されるものではなく、複数のピース部材によって形成してもよい。また、各取付部材の固定は、溶接やビス止め等の公知の手段によって行うことができる。
また、室外側カバー部材40,50と窓枠の室外側面との間のシール材は、パッキン等の乾式のシール材でもよい。
さらに、防火設備は、引違いの防火サッシに限定されるものではなく、開き建具やすべり出し建具等、防火設備の種類は何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0088】
10~12 :支持鋼材
202,502 :ロックウール部
30 :室内側カバー部材
40,50 :室外側カバー部材(化粧材)
A10~A40 :窓枠

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体開口部に固定される支持鋼材と、支持鋼材の室外側に支持されるロックウール部と、支持鋼材を挟んで配置される複数の窓枠とを有し、
複数の窓枠は、支持鋼材に支持されている防火設備。
【請求項2】
躯体開口部に固定される支持鋼材と、支持鋼材の室外側に支持されるロックウール部と、支持鋼材を挟んで配置される複数の窓枠とを有し、
複数の窓枠は、支持鋼材に支持されており、外周側見込面がロックウール部に対向している防火設備。
【請求項3】
躯体開口部に固定される支持鋼材と、支持鋼材の室外側に支持されるロックウール部と、支持鋼材を挟んで配置される複数の窓枠とを有し、
支持鋼材は、所定角度で配置される複数の見込壁を有しており、
複数の窓枠は、それぞれ見込壁に対向するように配置されて該見込壁に支持されており、
窓枠の外周側見込面がロックウール部に対向している防火設備。
【請求項4】
躯体開口部に固定される支持鋼材と、支持鋼材の室外側に支持されるロックウール部と、支持鋼材を挟んで配置される複数の窓枠とを有し、
支持鋼材は、見込壁を有し、窓枠は、見込壁に対向するように配置されて該見込壁に支持されており、
支持鋼材の見込壁と窓枠との間にロックウールが充填されている防火設備。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明一実施形態は、躯体開口部に固定される支持鋼材と、支持鋼材の室外側に支持されるロックウール部と、を有し、支持鋼材を挟んで配置される複数の窓枠とを有し、複数の窓枠は、支持鋼材に支持されている防火設備である。