(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176392
(43)【公開日】2022-11-28
(54)【発明の名称】通信状態表示中継装置
(51)【国際特許分類】
H04L 13/00 20060101AFI20221118BHJP
H04L 12/66 20060101ALI20221118BHJP
H04B 17/40 20150101ALI20221118BHJP
H04W 88/16 20090101ALI20221118BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20221118BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20221118BHJP
【FI】
H04L13/00 313
H04L12/66 A
H04B17/40
H04W88/16
H04W88/04
H04W88/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082849
(22)【出願日】2021-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
【テーマコード(参考)】
5K030
5K035
5K067
【Fターム(参考)】
5K030GA18
5K030HC09
5K030HD03
5K030JL01
5K030MA04
5K030MB03
5K030MC07
5K035AA07
5K035BB01
5K035CC09
5K035CC10
5K035DD01
5K035EE01
5K035FF02
5K035HH05
5K035KK04
5K067AA26
5K067EE03
5K067FF01
(57)【要約】
【課題】 第1の通信部を介した通信と第2の通信部を介した通信とを中継し、第1の通信部を介した通信、及び、第2の通信部を介した通信の通信状態を表示する通信状態表示中継装置の提供。
【解決手段】 通信状態表示中継装置100は、第1の通信部100cを介する無線PAN規格に基づく通信の通信状態を、及び、第2の通信部100dを介する無線LAN規格に基づく通信の通信状態を、表示する。これにより、通信状態表示中継装置100の使用者は、通信状態表示中継装置100が表示する各通信状態を確認するだけで、通信状態表示中継装置100によって中継される通信状態を、容易に、確認できる。つまり、通信障害が発生した際に、第1の通信部100cを介した無線PAN規格に基づく通信、第2の通信部100dを介した無線LAN規格に基づく通信のどこに問題があるのかを、容易に、確認できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信規格に基づく通信と、第2の通信規格に基づく通信とを中継する通信状態表示中継装置であって、
前記第1の通信規格に基づき他の通信装置と通信する第1の通信部、
前記第2の通信規格に基づき通信する他の通信装置と通信する第2の通信部、
前記第1の通信部における通信、及び、前記第2の通信部における通信を、相互に中継する中継部、
前記第1の通信規格に基づく通信の通信状態を表示し、及び、前記第2の通信規格に基づく通信の通信状態を表示する通信状態表示制御部、
を有する通信状態表示中継装置。
【請求項2】
請求項1に係る通信状態表示中継装置において、
前記通信状態表示制御部は、
前記第1の通信規格に基づく通信の通信状態と前記第2の通信規格に基づく通信の通信状態とを同一画面に表示すること、
を特徴とする通信状態表示中継装置。
【請求項3】
請求項1、又は、請求項2に係る通信状態表示中継装置において、
前記通信状態表示制御部は、
全ての前記第1の通信規格に基づき通信する前記通信装置、及び、全ての前記第2の通信規格に基づき通信する前記通信装置の通信の通信状況を表示すること、
を特徴とする通信状態表示中継装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかに係る通信状態表示中継装置において、
前記通信状態表示制御部は、
前記通信状況を、前記通信状況に応じて色分けて表示すること、
を特徴とする通信状態表示中継装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれかに係る通信状態表示中継装置において、
前記通信状態表示制御部は、
前記第1の通信規格に基づき通信する前記通信装置、及び/又は、前記第2の通信規格に基づき通信する前記通信装置の数を表示すること、
機器の状態、機器の検知情報を表示すること、
を特徴とする通信状態表示中継装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに係る通信状態表示中継装置において、
前記通信状態表示制御部は、
前記第1の通信規格に基づき通信する前記通信装置、及び/又は、前記第2の通信規格に基づき通信する前記通信装置に関する情報を表示すること、
を特徴とする通信状態表示中継装置。
【請求項7】
請求項6に係る通信状態表示中継装置において、
前記通信状態表示制御部は、
前記第1の通信規格に基づき通信する前記通信装置、及び/又は、前記第2の通信規格に基づき通信する前記通信装置が所定の情報を検知する検知装置である場合、前記検知した所定の情報を表示すること、
を特徴とする通信状態表示中継装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれかに係る通信状態表示中継装置において、
前記通信状態表示制御部は、
外部からの所定の操作によって、表示を切り替えること、
を特徴とする通信状態表示中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の通信部を介した通信と第2の通信部を介した通信とを中継する通信状態表示中継装置に関し、特に、第1の通信部を介した通信、及び、第2の通信部を介した通信の通信状態を表示するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信状態表示中継装置について、
図10に示す報知画面を表示する通信装置を用いて説明する。通信装置は、複数のアクセスポイントを含むネットワークに対して、複数のアクセスポイントのいずれかに接続することによってアクセスする通信部と、通信部の接続先となるアクセスポイントを再設定する再設定処理の実行タイミングの設定をユーザーから受け付ける操作表示部と、実行タイミングになったとき、複数のアクセスポイントから出力される各信号の受信強度を検知し、受信強度が最も強い信号を出力するアクセスポイントを接続先に設定する処理を再設定処理として行い、接続先として設定したアクセスポイントへの接続を通信部に行わせる制御部と、を備える。これにより、無線LAN通信の通信状態が悪くなるのを抑制する。
【0003】
この通信装置では、操作パネル3は、たとえば、
図10に示すような報知画面320を表示することにより、再設定処理の実行タイミングの設定をユーザーに促す。報知画面320には、無線LAN通信の受信強度が弱くなっている旨のメッセージMG1が配置される(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の従来の通信装置には、以下に示すような改善すべき点がある。従来の通信装置では、自らが接続しようとするアクセスポイントの受信強度のみが表示される。したがって、従来の通信装置によって通信のネットワークが構成されている場合、いずれかの通信装置からのデータが取得できなくなると、ネットワークの管理者は、各通信装置に赴き、アクセスポイントの受信強度、及び、実際にデータの送信を行えているか、を確認する必要がある、という改善すべき点がある。
【0006】
そこで、本発明は、第1の通信部を介した通信と第2の通信部を介した通信とを中継し、第1の通信部を介した通信、及び、第2の通信部を介した通信の通信状態を表示する通信状態表示中継装置を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0008】
本発明に係る通信状態表示中継装置は、第1の通信規格に基づき通信する通信装置との通信と、第2の通信規格に基づき通信する通信装置との通信とを中継する通信状態表示中継装置であって、前記第1の通信規格に基づき他の通信装置と通信する第1の通信部、前記第2の通信規格に基づき通信する他の通信装置と通信する第2の通信部、前記第1の通信部における通信を前記第2の通信部における通信に中継する中継部、前記第1の通信規格に基づく通信状態を表示し、及び、前記第2の通信規格に基づく通信状態を表示する通信状態表示制御部、を有する。
【0009】
これにより、通信状態表示中継装置の表示を確認するだけで、第1の通信部を介した通信、及び、第2の通信部を介した通信の通信状態を確認できる。よって、通信状態に異常があった場合に、どの通信部を介した通信に問題があるのかを容易に把握できる。
【0010】
本発明に係る通信状態表示中継装置では、前記通信状態表示制御部は、前記第1の通信規格に基づく通信状態と前記第2の通信規格に基づく通信状態とを同一画面に表示すること、を特徴とする。
【0011】
これにより、通信状態表示中継装置の表示を確認するだけで、第1の通信部を介した通信、及び、第2の通信部を介した通信の通信状態を、同時に、容易に、確認できる。
【0012】
本発明に係る通信状態表示中継装置では、前記通信状態表示制御部は、全ての前記第1の通信規格に基づき通信する前記通信装置、及び、全ての前記第2の通信規格に基づき通信する前記通信装置の通信状況を表示すること、を特徴とする。
【0013】
これにより、通信状態表示中継装置の表示を確認するだけで、全ての第1の通信部を介した通信、及び、全ての第2の通信部を介した通信の通信状態を、容易に、確認できる。
【0014】
本発明に係る通信状態表示中継装置では、前記通信状態表示制御部は、前記通信状況を、前記通信状況に応じて色分けて表示すること、を特徴とする。
【0015】
これにより、通信状態表示中継装置の表示を確認するだけで、第1の通信部を介した通信、及び、第2の通信部を介した通信の通信状態を、容易に、確認できる。
【0016】
本発明に係る通信状態表示中継装置では、前記通信状態表示制御部は、前記第1の通信規格に基づき通信する前記通信装置、及び/又は、前記第2の通信規格に基づき通信する前記通信装置の数を表示すること、を特徴とする。
【0017】
これにより、通信している通信装置の数を、容易に、把握できる。
【0018】
本発明に係る通信状態表示中継装置では、前記通信状態表示制御部は、前記第1の通信規格に基づき通信する前記通信装置、及び/又は、前記第2の通信規格に基づき通信する前記通信装置に関する情報を表示すること、を特徴とする。
【0019】
これにより、通信している通信装置の情報、容易に、把握できる。
【0020】
本発明に係る通信状態表示中継装置では、前記通信状態表示制御部は、前記第1の通信規格に基づき通信する前記通信装置、及び/又は、前記第2の通信規格に基づき通信する前記通信装置が所定の情報を検知する検知装置である場合、前記検知した所定の情報を表示すること、を特徴とする。
【0021】
これにより、通信している通信装置が検知している情報を、容易に、把握できる。
【0022】
本発明に係る通信状態表示中継装置では、前記通信状態表示制御部は、外部からの所定の操作によって、表示を切り替えること、を特徴とする。
【0023】
これにより、より多くの情報を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る通信状態表示中継装置の一実施例である通信状態表示中継装置100の概要を示す図である。
【
図2】通信状態表示中継装置100の外観を示す図である。
【
図3】通信状態表示中継装置100の内部構成を示す図である。
【
図4】通信状態表示処理を示すフローチャートである。
【
図6】本発明に係る通信状態表示中継装置の一実施例である通信状態表示中継装置200の概要を示す図である。
【
図7】通信状態表示中継装置200の内部構成を示す図である。
【
図8】通信状態表示処理を示すフローチャートである。
【
図10】従来の通信状態表示中継装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0026】
本発明に係る通信状態表示中継装置について、一実施例である通信状態表示中継装置100を例に説明する。
【0027】
第1 通信状態表示中継装置100の概要
通信状態表示中継装置100は、第1の通信規格に基づく通信と、第2の通信規格に基づく通信とを中継する、いわゆるゲートウェイ装置として機能する。
【0028】
通信状態表示中継装置100の概要について、
図1を用いて説明する。通信状態表示中継装置100は、第1の通信規格である無線PAN(Personal Area Network)として用いられる通信規格(以下、無線PAN規格とする)に基づく通信、例えば、工場に配置されるIoT(Internet of Things)装置との間の通信と、第2の通信規格である無線LANとして用いられる通信規格(以下、無線LAN規格とする)に基づく通信、例えば、無線LANルータRTとの間の通信と、を中継する。つまり、通信状態表示中継装置100は、所定の通信規格間の通信を中継するゲートウェイ装置として機能する。なお、本実施例においては、通信状態表示中継装置100と無線PAN規格に基づく通信によって形成される第1のネットワークによって下位のネットワークが、通信状態表示中継装置100と無線LAN規格に基づく通信によって形成される第2のネットワークによって上位のネットワークが、それぞれ形成される。無線LANルータRTは、インターネット回線を通じて、所定のクラウド・サーバCSに接続されている。
【0029】
通信状態表示中継装置100は、第1の通信部100cを介する無線PAN規格に基づく通信の通信状態、具体的には、IoT装置との間の通信の通信状態を、及び、第2の通信部100dを介する無線LAN規格に基づく通信の通信状態、具体的には、無線LANルータRTとの間の通信状態を、表示する。これにより、通信状態表示中継装置100の使用者は、通信状態表示中継装置100が表示する各通信状態を確認するだけで、通信状態表示中継装置100によって中継される通信状態を、容易に、確認できる。つまり、通信障害が発生した際に、第1の通信部100cを介した無線PAN規格に基づく通信、第2の通信部100dを介した無線LAN規格に基づく通信のどこに問題があるのかを、容易に、確認できる。
【0030】
第2 通信状態表示中継装置100の構成
通信状態表示中継装置100の外部構成について、
図2に示す斜視図を用いて説明する。通信状態表示中継装置100は、筐体100H、電源スイッチ100S、操作ボタン100B、電力受給端子100U、及び、表示部100eを有している。
【0031】
筐体100Hは、電気回路等を内部空間に収納する。電源スイッチ100Sは、通信状態表示中継装置100の動作のオン、オフを切り替える。
【0032】
操作ボタン100Bは、表示部100eに表示される一部の項目に対する支持を入力する。電力受給端子100Uは、外部の電力源から通信状態表示中継装置100の内部の各構成要素に供給するための電力を取得する端子である。電力受給端子100Uは、USB端子である。
【0033】
通信状態表示中継装置100の内部構成について、
図3に示す構成図を用いて説明する。通信状態表示中継装置100は、CPU100a、メモリ100b、第1通信部100c、第2通信部100d、表示部100e、及び、電源部100fを有している。
【0034】
CPU100aは、メモリ100bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、通信状態表示中継プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ100bは、CPU100aに対して作業領域を提供する。メモリ100bは、OS、通信状態表示中継プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0035】
第1の通信部100cは、無線PAN規格を用いて、第1のネットワークに属する他の通信装置と接続する。第1の通信部100cは、無線PAN規格として、BLE(Blotooth Low Energy(商標))を用いる。
【0036】
第2の通信部100dは、無線LAN規格を用いて、第2のネットワークに属する他の通信装置と接続する。第2の通信部100dは、無線LAN規格として、IEEE 802.11gを用いる。
【0037】
表示部100eは、無線PAN規格に基づく通信の通信状態、つまり、第1のネットワークに属する通信装置との通信状態、及び、無線LAN規格に基づく通信の通信状態、つまり、第2のネットワークに属する通信装置との通信状態を、表示する。表示部100eは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)により構成されている。また、表示部100eは、外部入力を受け付けるタッチパネル機能を有している。
【0038】
電源部100fは、電力受給端子100Uを介して受給した電力を内部の構成要素に供給する。
ds
【0039】
第3 通信状態表示中継装置100の動作
【0040】
通信状態表示中継装置100のCPU100aは、通信状態表示中継プログラムに基づき、通信状態表示処理、及び、通信中継処理を実行する。以下においては、第1のネットワークに属し、通信状態表示中継装置100が無線PAN規格に基づき通信する通信装置をIoT装置とし、第2のネットワークに属し、通信状態表示中継装置100が無線LAN規格に基づき通信する通信装置をいわゆる無線LANルータRTとする。通信状態表示処理について、
図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0041】
1.初期設定
CPU100aは、第1の通信部100cを介して、無線LAN規格に基づき、第1のネットワークに属する新たなIoT装置と接続する際に、接続したIoT装置の通信情報、例えば、各通信装置を特定するIDや名前等の特定情報を取得し、メモリ100bに、第1の接続情報として、記憶保持する。本実施例においては、各IoT装置には、特定情報として装置番号「NO.101」等を設定しておく。
【0042】
同様に、CPU100aは、第2の通信部100dを介して、無線LAN規格に基づき、第2のネットワークに属する新たな無線LANルータRTに接続する際に設定した設定情報、例えば、無線LANルータRTのIDや名前の特定情報、IPアドレス、MACアドレス(Media Access Control address)を取得し、メモリ100bに、第2の接続情報として、記憶保持する。
【0043】
2.通信状態表示処理
CPU100aは、電源が入ると、第1の通信部100cを介して、無線PAN規格に基づき、第1のネットワークに属する各IoT装置と接続する(S401)。CPU100aは、第1のネットワークに属する各IoT装置との通信状態を判断する(S403)。通信状態として、例えば、「良」、「可」、「不通」が判断される。ここで、通信状態「良」は、理想的な状態で通信が行えている通信状態を、通信状態「可」は、通信できているが、理想的とは言えない状態で通信が行えている通信状態を、通信状態「不通」は、全く通信が行えていない通信状態を、それぞれ示すものとする。なお、通信状態の判断には、例えば、データ欠損率、応答時間、リトライ回数等を用いる。
【0044】
CPU100aは、各IoT装置の通信状態を、表示部100eに表示する(S405)。各IoT装置の通信状態を表示する際には、各IoT装置の特定情報、例えば、IDと通信状態とを関連付けて、表示する。また、CPU100aは、通信状態に関連付けた色を用いて、つまり、色分けて、各通信装置の通信状態を表示する。通信状態に関連付けた色としては、例えば、通信状態「良」を青色、通信状態「可」を黄色、通信状態「不通」を赤色とする。
【0045】
CPU100aは、第2の通信部100dを介して、無線LAN規格に基づき、第2のネットワークに属する無線LANルータRTと接続する(S407)。CPU100aは、第2のネットワークに属する無線LANルータRTとの通信状態を判断する(S409)。通信状態としては、第1のネットワークと同様に、「良」、「可」、「不通」で判断される。
【0046】
CPU100aは、第2のネットワークに属する無線LANルータRTの通信状態を、表示部100eに表示する(S411)。無線LANルータRTの通信状態を表示する際には、IoT装置と同様に、無線LANルータRTの特定情報、例えば、IDと通信状態とを関連付けて、また、通信状態に関連付けた色表示で、表示する。
【0047】
CPU100aは、所定の時間ごとに、ステップS401~ステップS411の処理を、動作の終了まで(S415)、繰り返す(S413)。
【0048】
3.通信中継処理
一方、CPU100aは、一般的な通信中継装置と同様に、第1の通信部100cを介して、無線PAN規格に基づき、IoT装置からデータを取得すると、第2の通信部100dを介して、無線LAN規格に基づき、無線LANルータRTに、取得したデータを中継する。同様に、CPU100aは、第2の通信部100dを介して、無線LAN規格に基づき、無線LANルータRTからデータを取得すると、第1の通信部100cを介して、無線PAN規格に基づき、IoT装置に、取得したデータを中継する。
【0049】
4.通信状態の表示
図5A、Bに通信状態表示中継装置100が、表示部100eに、各通信装置の通信状態を表示した状態の一例を示す。ここでは、第1の通信部100cを介した、無線PAN規格に基づく第1のネットワークに属するIoT装置との通信状態を、表示部100eの下部に、及び、第2の通信部100dを介した、無線LAN規格に基づく第2のネットワークに属する無線LANルータRTとの通信状態を、表示部100eの上部に、それぞれ表示している。
【0050】
図5Aでは、表示部100eの下部における「No.201:不通」の赤色の背景と関連付けられた表示は、第1の通信部100cを介した、無線PAN規格に基づく第1のネットワークに属する特定情報「No.201」のIoT装置との通信が不通であることを示している。一方、表示部100eの上部における「RT001:良」の青色の背景と関連付けられた表示は、第2の通信部100dを介した、無線PAN規格に基づく第2のネットワークに属する特定情報「RT001」の無線LANルータRTとの通信が理想的な状態で行われていることを示している。
【0051】
したがって、通信状態表示中継装置100の使用者は、通信状態表示中継装置100の表示部100eの表示を確認するだけで、特定情報「No.201」のIoT装置から情報を取得できない原因が、特定情報「No.201」のIoT装置と通信状態表示中継装置100との間の通信不通にあると特定できるため、第2の通信部100dを介した、無線PAN規格に基づく第2のネットワークに属する無線LANルータRTとの通信を調べる必要がない。つまり、使用者は、短時間で原因特定できる。
【0052】
また、
図5Bでは、表示部100eの上部における「RT001:不通」の赤色の背景と関連付けられた表示は、第2の通信部100dを介した、無線LAN規格に基づく第2のネットワークに属する特定情報「RT001」の無線LANルータRTとの通信が不通であることを示している。一方、表示部100eの下部における「No.104:良」の青色の背景と関連付けられた表示は、第1の通信部100cを介した、無線PAN規格に基づく第1のネットワークに属する特定情報「No.104」のIoT装置との通信が理想的な状態で行われていることを示している。
【0053】
したがって、通信状態表示中継装置100の使用者は、通信状態表示中継装置100の表示部100eの表示を確認するだけで、特定情報「No.104」のIoT装置から情報を取得できない原因が、特定情報「RT001」の無線LANルータRTと通信状態表示中継装置100との間の通信不通にあると特定できるため、第1の通信部100dを介した、無線PAN規格に基づく第1のネットワークに属するIoT装置との通信を調べる必要がない。つまり、使用者は、短時間で原因特定できる。
【0054】
なお、通信状態表示中継装置100は、複数のIoT装置、複数の無線LANルータRTが存在する場合には、順次、それぞれの通信状態を表示していく。また、あるIoT装置、無線LANルータRTの通信状態が表示されているときに、表示部100eを介して、表示しているIoT装置、無線LANルータRTに関する通信情報の表示命令を取得すると、例えば、表示しているIoT装置、無線LANルータRTに関する通信ログを表示する。さらに、表示部100eを介して、別途、所定のメニュー表示命令を取得すると、通信状態の一覧や、通信状態が「不通」であるIoT装置、無線LANルータRTの一覧等を表示する。これにより、小さい表示部100eであっても、多くの情報を表示し、使用者に提供できる。
前述の実施例1における通信状態表示中継装置100では、第1の通信部100cが無線PAN規格に基づき、及び、第2の通信部100dが無線LAN規格に基づき、それぞれ通信していたが、本実施例における通信状態表示中継装置200では、第2の通信部200dが携帯電話回線を用いた通信規格に基づき通信する。なお、以下においては、実施例1と同一の構成については、実施例1と同様の符号を付し、詳細な記述を省略する。
通信状態表示中継装置200は、第1の通信部100cを介した無線PAN規格に基づくスマートフォン装置との通信の通信状態、及び、第2の通信部200dを介した携帯電話回線を用いた通信規格に基づく無線携帯電話基地局MBSとの通信の通信状態を表示する。これにより、通信状態表示中継装置200の使用者は、通信状態表示中継装置200が表示する各通信状態を確認するだけで、通信状態表示中継装置200によって中継される通信状態を、容易に、確認できる。つまり、通信障害が発生した際に、第1の通信部100cを介した無線PAN規格に基づく通信、第2の通信部200dを介した携帯電話通信規格に基づく通信のどこに問題があるのかを、容易に確認できる。
CPU200aは、メモリ200bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、通信状態表示中継プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ200bは、CPU200aに対して作業領域を提供する。メモリ200bは、OS、通信状態表示中継プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
第2の通信部200dは、携帯電話通信規格を用いて、第2のネットワークに属する他の通信装置、例えば、無線携帯電話基地局MBSと接続する。通信状態表示中継装置200では、携帯電話通信規格として、4G/LTE(Long Term Evolution)を用いている。
一方、CPU200aは、第2の通信部200dを介して、第2のネットワークに属する新たな通信装置、例えば、クラウド・サーバに接続する際に設定した設定情報、例えば、クラウド・サーバのIDや名前の特定情報、公開鍵などのセキュリティ情報、IPアドレス、MACアドレス(Media Access Control address)を取得し、メモリ100bに、第2の接続情報として、記憶保持する。本実施例においては、クラウド・サーバの特定情報として「WAN」を設定しておく。
CPU200aは、各スマートフォンの通信状態を、表示部100eに表示する(S805)。各通信装置の通信状態を表示する際には、第1の通信部100cを介して接続できたスマートフォンの数と通信状態とを関連付けて、表示する。また、CPU200aは、通信状態に関連付けた色を用いて、つまり、色分けて、各通信装置の通信状態を表示する。通信状態に関連付けた色としては、例えば、通信状態「良」を青色、通信状態「可」を黄色、通信状態「不通」を赤色とする。
CPU200aは、第2の通信部200dを介して、携帯電話通信規格に基づき、第2のネットワークに属する無線携帯電話基地局MBSと接続する(S807)。CPU200aは、第2のネットワークに属する無線携帯電話基地局MBSとの通信状態を判断する(S809)。通信状態としては、第1のネットワークと同様に、「良」、「可」、「不通」で判断される。
CPU200aは、第2のネットワークに属する無線携帯電話基地局MBSの通信状態を、表示部100eに表示する(S811)。無線携帯電話基地局MBSの通信状態を表示する際には、無線携帯電話基地局MBSの特定情報、例えば、IDと通信状態とを関連付けて、また、通信状態に関連付けた色表示で、表示する。
したがって、通信状態表示中継装置200の使用者は、通信状態表示中継装置200の表示部100eの表示を確認するだけで、第1の通信部100cを介して接続しているスマートフォンの数を特定できる。また、第1の通信部100cを介して接続しているスマートフォンと通信状態表示中継装置200との間の通信、及び、第2の通信部200dを介して接続している無線携帯電話基地局MBSと通信状態表示中継装置200との間の通信は良好であると確認できる。
したがって、通信状態表示中継装置100の使用者は、通信状態表示中継装置100の表示部100eの表示を確認するだけで、特定情報「No.104」のスマートフォンから情報を取得できない原因が、特定情報「WAN」の無線携帯電話基地局MBSと通信状態表示中継装置200との間の通信不通にあると特定できるため、第1の通信部100cを介した第1のネットワークに属するスマートフォンとの通信を調べる必要がない。つまり、使用者は、短時間で原因特定できる。
(2)通信状態表示中継装置の内部構成:前述の実施例1においては、第1の通信部100c、及び、第2の通信部100dの2つの通信部を有するとしたが、3つ以上の通信部を有するようにしてもよい。この場合、いずれか2つを選択し、互いの通信を中継するようにすればよい。いずれか2つの通信部の選択は、手動であっても、自動であってもよい。通信部の選択が自動で行われる場合には、時間等の条件によって、適宜、選択するようにしてもよい。
例えば、通信状態表示中継装置が、3つの無線による通信部、及び、3つの有線による通信部を有する場合、1つの無線による通信部を無線PAN規格に基づくIoT装置接続用とし、もう1つの無線による通信部を無線PAN規格に基づくスマートフォン接続用とし、さらにもう1つの通信部を携帯電話通信規格に基づく通信用とし、また、1つの有線による通信部をModbus規格に基づき周辺機器接続用とし、もう1つの有線による通信部をUSB(Universal Serial Bus)における通信規格に基づくプログラム更新用、及び、USBを介した電源供給用とし、さらにもう1つの有線による通信部をI2C(Inter-Integrated Circuit)バスにおける通信規格に基づく物理情報の受信用としてもよい。これにより、従来、配線や設定が複雑になりがちだった構成を簡素化できる。
(3)通信状態の表示:前述の実施例1においては、通信状態表示中継装置100は、接続が想定されている通信装置の通信状態を、順次、表示するとしたが、全ての通信装置を、同時に、表示するようにしてもよい。また、選択した複数の通信装置を、同時に、表示するようにしてもよい。
さらに、付加的にスイッチを配置し、使用者によるスイッチ操作により、対象の通信装置の通信状態を、順次、表示させてもよい。さらに、対象の通信装置が多数である場合、使用者によるスイッチ操作等によって、画面を切り替えて、対象の通信装置の一覧や通信ログを表示させるようにしてもよい。
(4)通信状態の色表示:前述の実施例1においては、通信状態を青色、黄色、赤色に色分けて表示するとしたが、例示のものに限定されない。例えば、2階調で、濃度により色分けするようにしてもよい。また、3色でなく、2色、4色以上に色分けて表示するようにしてもよい。
さらに、第1の通信部で接続されているIoT装置が複数あるとして、24時間内に全数と通信できれば青色で表示し、通信できないIoT装置の数に応じて、表示する色を変化させ、通信できないIoT装置の数が所定数を超えると、所定の色、例えば、黄色とすることで、通信できないIoT装置の数を色だけで認識できるようにしてもよい。
(5)通信状態の判断:前述の実施例1においては、通信状態を、「良」、「可」、「不通」の3カテゴリとしたが、通信状態を示すものであれば、例示のものに限定されない。例えば、「優」、「良」、「可」、「不通」の4カテゴリとしてもよい。
また、前述の実施例1においては、表示部100eに、各通信装置の特定情報、及び、通信状況を表示し、前述の実施例2においては、表示部100eに、通信できる通信装置の台数を表示するとしたが、各通信装置の電波強度、欠損率、及び/又は、通信装置が所定の情報を検知する検知装置である場合、検知装置によって検知した検知情報(温度や人感情報等)を表示するようにしてもよい。さらに、通信装置自体の情報(ソフトウェアバージョン情報、所有者情報、装置温度、異常等)を表示するようにしてもよい。
また、通信状況に合わせて、通信装置自体の故障等のエラーを、各通信装置から取得し、通信状態として表示するようにしもよい。この場合、エラーに気付いた操作者による画面やスイッチ等の操作によって、別画面に切り替えてエラーログ等を表示させるようにしてもよい。
(6)電力受給端子100U:前述の実施例1、実施例2においては、電力受給端子100Uを介して外部から電力を受給するとしたが、ボタン電池、乾電池、太陽電池等の所定の電力供給源を用いるようにしてもよい。
(7)通信状態表示中継装置の内部構成:前述の実施例1においては、通信状態表示中継装置100は、CPU100a等を用いて、通信状態表示処理、通信中継処理を実行するとしたが、各処理を実行するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、専用のロジック回路を用いて、各処理を実行するようにしてもよい。実施例2についても同様である。