(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176423
(43)【公開日】2022-11-29
(54)【発明の名称】燃焼設備
(51)【国際特許分類】
F23N 5/00 20060101AFI20221121BHJP
F23N 1/02 20060101ALI20221121BHJP
F23N 5/18 20060101ALI20221121BHJP
F23D 14/02 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
F23N5/00 S
F23N1/02 101
F23N5/18 101R
F23D14/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022135533
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】作部屋 幸嗣
(72)【発明者】
【氏名】片山 智樹
(72)【発明者】
【氏名】北村 徳勝
(72)【発明者】
【氏名】谷山 公勇
【テーマコード(参考)】
3K003
3K017
【Fターム(参考)】
3K003FA04
3K003FB03
3K003FC00
3K003GA03
3K017DF04
3K017DF06
(57)【要約】
【課題】 炉内の酸素濃度が変化した場合に、バーナーに供給する燃焼用空気と燃料ガスとの割合を速やかに調整して、安定した燃焼が行えるようにする。
【解決手段】 バーナー20に供給する燃料ガスGと燃焼用空気Airとの割合を空気比制御システム50により調整し、バーナーから燃料ガスと燃焼用空気とを炉10内に噴出させて燃焼させるにあたり、炉内に侵入する空気の変化による炉内の酸素濃度の変化を酸素濃度センサー51によって検知し、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から空気比制御システムに出力し、空気比制御システムにより、バーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整するようにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給管を通して供給される燃料と、空気供給管を通して供給される燃焼用空気との割合を、空気比制御システムにより調整してバーナーに供給し、このバーナーから炉内に燃焼用空気と燃料とを噴出させて燃焼させるようにした燃焼設備において、炉内に侵入する空気の量の変化による炉内の酸素濃度の変化を検知する酸素濃度センサーを設け、前記の酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から前記の空気比制御システムに出力し、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、炉内において燃料と燃焼用空気とを燃焼させることを特徴とする燃焼設備。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼設備において、前記の炉内に侵入する空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、少なくとも前記のバーナーに供給する燃焼用空気の量を調整して、バーナー内における空気比を上昇させる一方、前記の炉内に侵入する空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させることを特徴とする燃焼設備。
【請求項3】
請求項2に記載の燃焼設備において、前記のバーナーにおける燃焼量の増加により、炉内における燃焼排ガスの量が増加して炉内の圧力が高くなり、炉内に侵入する空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を上昇させる一方、前記のバーナーによる燃焼量の減少により、炉内における燃焼排ガスの量が減少して炉内の圧力が低くなり、炉内に侵入する侵入空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させることを特徴とする燃焼設備。
【請求項4】
請求項1に記載の燃焼設備において、炉に複数のバーナーが設けられ、各バーナーは、燃料を供給する燃料供給ノズルの外周に冷却用空気を導く冷却用空気案内管が設けられると共に、前記の冷却用空気案内管の外周に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ノズルが設けられてなり、燃焼が停止されるバーナーの数が増加し、燃焼が停止されたバーナーにおける冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、燃焼が行われているバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼が行われているバーナー内における空気比を減少させる一方、燃焼が停止されるバーナーの数が減少し、燃焼が停止されたバーナーにおける冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、燃焼が行われているバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼が行われているバーナー内における空気比を増加させることを特徴とする燃焼設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給管を通して供給される燃料と、空気供給管を通して供給される燃焼用空気との割合を、空気比制御システムにより調整してバーナーに供給し、このバーナーから炉内に燃焼用空気と燃料とを噴出させて燃焼させるようにした燃焼設備に関するものである。特に、バーナーにおける燃焼量の変化によって炉内に侵入する空気の量が変化して、炉内の酸素濃度が変化した場合や、燃料を供給する燃料供給ノズルの外周に冷却用空気を導く冷却用空気案内管が設けられると共に、前記の冷却用空気案内管の外周に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ノズルが設けられたバーナーが複数設けられた炉において、燃焼が停止されるバーナーの数が変化して、停止されたバーナーの冷却用空気案内管から炉内に導かれる冷却用空気の量が変化して、炉内の酸素濃度が変化した場合等においても、空気比制御システムによりバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を速やかに調整し、炉内における空気比が所定の値になるようにして安定して燃焼できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、燃焼設備においては、燃料供給管を通して供給される燃料と、空気供給管を通して供給される燃焼用空気とを、所定の割合にしてバーナーに供給し、このバーナーから炉内に燃料と燃焼用空気とを噴出させて燃焼させるようにしている。
【0003】
ここで、バーナーから炉内に燃料と燃焼用空気とを噴出させ、炉内において燃料と燃焼用空気とが、所定の空気比になるようにして燃焼させるにあたり、特許文献1においては、予め固定値として設定されたバーナーの流量係数Nと、前記バーナーの燃焼量に対して予め設定された燃料流量並びにこの燃料流量と予め設定された空気比とから求められる燃焼用空気の流量と、燃料供給系及び燃焼用空気供給系に設けた流量調整弁の一次側における流体の供給圧力P0との関係を示す所定の式(A)に前記供給圧力P0の実測値を適用して前記燃料供給系及び燃焼用空気供給系に設けた流量調整弁の流量係数Vをそれぞれ演算するとともに、予め前記流量調整弁の弁開度S’と流量係数V’との関係を実測しておき、この実測した流量係数V’と前記演算により求めた流量係数Vとを比較して偏差を求め、この偏差が零となるように弁開度を調整することで空気比を一定に保持したまま燃焼量を制御するようにしたものが示されている。
【0004】
また、特許文献2においては、少なくとも、流量係数と開度の関係が既知の燃料制御弁の開度の測定値と、流量係数と開度の関係が既知の燃焼空気制御弁の開度の測定値と、流量係数が既知のバーナーに供給される燃料の供給温度及び供給圧力の測定値と、上記バーナーに供給される燃焼空気の供給温度及び供給圧力の測定値と、炉内温度の測定値と、炉内圧力の測定値とをバーナー制御装置に入力し、上記バーナー制御装置が、上記炉内温度の測定値と設定値との偏差から上記バーナーの燃焼量を決定し、上記決定されたバーナーの燃焼量を維持する燃料流量と燃焼空気流量に対応する上記燃料制御弁及び上記燃焼空気制御弁の開度を、予め設定された燃焼空気比を維持するように複合絞り演算により演算し、上記燃料制御弁及び燃焼空気制御弁の開度の測定値が上記複合絞り演算により求めた燃料制御弁及び燃焼空気制御弁の開度の演算値と一致するよう上記各制御弁の開度を調整して燃料及び燃焼空気の流量を制御する際、上記バーナー制御装置において上記各測定値を常時最新の測定値に更新しながら所定時間分保存するとともに、上記測定値のいずれかが上記各測定項目の設定値に対する許容範囲を越えた場合、この許容範囲を越えた時点から所定時間経過したのち測定値の更新を停止し、測定値の更新を停止した時点でバーナー制御装置に保存されている上記許容範囲を越える前に測定した上記それぞれの測定値と上記許容範囲を越えた後に測定した上記それぞれの測定値とから許容範囲を越えた原因を判断
し、上記燃料の供給圧力の測定値が急低下して上記許容範囲を超えたが上記炉内温度と上記炉内圧力は上記許容範囲内である場合に、上記燃料の供給圧力を測定する圧力センサーの故障が原因であると判断するようにしたものが示されている。
【0005】
一方、燃焼設備を操業する際の空気比は燃焼排ガス中のCOやススやNOxが低減できる適正値に設定して調整している。
【0006】
しかし、実際の燃焼設備には、炉と扉との間の隙間や、炉の壁面における継ぎ目や亀裂等の隙間を通して外部から炉内に侵入する侵入空気が存在し、炉内ではそれが燃焼用空気と混合して燃料を燃焼させているため、実際に炉内で燃焼している空気比(炉内における空気比)は、バーナーで調整した空気比(バーナー内における空気比)とは異なってしまっている。
【0007】
また、炉内に侵入する侵入空気の量は、炉内圧力が高くなると減少し、炉内圧力が低くなると増加する。
【0008】
また、燃焼設備の操業では炉内温度の変更や調整のため、バーナーの燃焼量を変化させたり、複数のバーナーのうちの一部を消火したり再点火したりしているが、そのときにバーナーの燃焼排ガスの量が大きく変わって炉内圧力が大きく変動し、それに伴って侵入空気の量が変動し、炉内における空気比も変動する。
【0009】
このように、従来の燃焼設備においては、前記のようにバーナーの空気比(バーナー内における空気比)を適正な値に調整しても、実際に炉内で燃焼している空気比(炉内における空気比)は異なっているうえ変動もしており、燃焼排ガスへのCOやススやNOの低減対策が十分にできていないという問題がある。
【0010】
しかし、前記の特許文献1、2に示されているものにおいては、バーナーから炉内に燃料と燃焼用空気とを噴出させ、炉内において燃料と燃焼用空気とが、所定の空気比になるようにして燃焼させるにあたり、前記に示したような問題の対策がなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3495995号公報
【特許文献2】特許第4234309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、燃料供給管を通して供給される燃料と、空気供給管を通して供給される燃焼用空気との割合を、空気比制御システムにより調整してバーナーに供給し、このバーナーから炉内に燃焼用空気と燃料とを噴出させて燃焼させるようにした燃焼設備に前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0013】
すなわち、本発明は、前記のような燃焼設備において、バーナーにおける燃焼量の変化によって炉内に侵入する空気の量が変化して、炉内の酸素濃度が変化した場合や、燃料を供給する燃料供給ノズルの外周に冷却用空気を導く冷却用空気案内管が設けられると共に、前記の冷却用空気案内管の外周に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ノズルが設けられたバーナーが複数設けられた炉において、燃焼が停止されるバーナーの数が変化して、停止されたバーナーの冷却用空気案内管から炉内に導かれる冷却用空気の量が変化して、炉内の酸素濃度が変化した場合等においても、空気比制御システムによりバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を速やかに調整し、炉内における空気比が所定の値になる
ようにして安定して燃焼できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る燃焼設備においては、前記のような課題を解決するため、燃料供給管を通して供給される燃料と、空気供給管を通して供給される燃焼用空気との割合を、空気比制御システムにより調整してバーナーに供給し、このバーナーから炉内に燃焼用空気と燃料とを噴出させて燃焼させるようにした燃焼設備において、炉内に侵入する空気の量の変化による炉内の酸素濃度の変化を検知する酸素濃度センサーを設け、前記の酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から前記の空気比制御システムに出力し、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、炉内において燃料と燃焼用空気とを燃焼させるようにした。
【0015】
そして、本発明の燃焼設備においては、前記のように炉内に侵入する空気の量の変化による炉内の酸素濃度の変化を酸素濃度センサーによって検知し、前記の酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から空気比制御システムに出力し、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼用空気と燃料とを炉内において燃焼させるようにしたため、炉内に侵入する空気の量が変化しても、炉内における燃焼用空気と燃料とが速やかに所定の空気比になるようにして、安定した燃焼が行えるようになる。
【0016】
ここで、本発明の燃焼設備において、前記の炉内に侵入する空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を上昇させる一方、前記の炉内に侵入する空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させるようにする。
【0017】
そして、本発明の燃焼設備において、前記のバーナーにおける燃焼量の増加により、炉内における燃焼排ガスの量が増加して炉内の圧力が高くなり、炉内に侵入する空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を上昇させる一方、前記のバーナーによる燃焼量の減少により、炉内における燃焼排ガスの量が減少して炉内の圧力が低くなり、炉内に侵入する侵入空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させるようにする。このようにすると、バーナーにおける燃焼量が変化した場合においても、炉内における空気比が速やかに所定の値になるようにして、安定した燃焼が行えるようになる。
【0018】
また、本発明の燃焼設備において、炉に複数のバーナーが設けられ、各バーナーは、燃料を供給する燃料供給ノズルの外周に冷却用空気を導く冷却用空気案内管が設けられると共に、前記の冷却用空気案内管の外周に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ノズルが設けられてなり、燃焼が停止されるバーナーの数が増加し、燃焼が停止されたバーナーにおける冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、燃焼が行われているバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼が行われているバーナー内における空気比を減少させる一方、燃焼が停止されるバーナーの数が減少し、燃焼が停止されたバーナーにおける冷却用空気案内管から炉内に侵
入する冷却用空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、燃焼が行われているバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼が行われているバーナー内における空気比を増加させるようにする。このようにすると、燃焼が停止されるバーナーの数が変化して、冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が変化しても、炉内における空気比が速やかに所定の値になるようにして、安定した燃焼が行えるようになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明における燃焼設備においては、前記のように炉内に侵入する空気の量の変化による炉内の酸素濃度の変化を酸素濃度センサーによって検知し、前記の酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から空気比制御システムに出力し、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整するようにしたため、炉内に侵入する侵入空気の量が変化した場合においても、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムによりバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を適切に調整し、炉内における空気比が速やかに所定の値になるようにして、安定した燃焼が行えるようになる。
【0020】
なお、炉内の酸素濃度の値と炉内における空気比の値は比例関係にあるため、炉内の酸素濃度を測定することにより、その値から炉内における空気比を演算によって換算することができる。
【0021】
また、燃焼量は燃料と燃焼用空気の流量で調整され、空気比は主に燃焼用空気の流量で調整される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態1に係る燃焼設備において、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、空気比制御システムにより、バーナー内における空気比が所定の値になるように、バーナーに供給する燃焼用空気と燃料である燃料ガスとの割合を調整する構成を示した概略説明図である。
【
図2】前記の実施形態1に係る燃焼設備において、(A)は、バーナーにおける燃焼量が増加して炉内に侵入する空気の量が減少し、酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合に、バーナーに供給する燃焼用空気と燃料ガスとの割合を調整して、バーナー内における空気比を増加させる状態を示した概略説明図、(B)は、バーナーにおける燃焼量が減少して炉内に侵入する空気の量が増加し、酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合に、バーナーに供給する燃焼用空気と燃料ガスとの割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させる状態を示した概略説明図である。
【
図3】前記の実施形態1に係る燃焼設備において、(A)は、バーナーにおける燃焼量を増加させた場合における、燃焼量の変化と、炉内圧力の変化と、炉内への侵入空気量の変化と、炉内の酸素濃度の変化と、バーナー内における空気比の変化とを示したタイミング図、(B)は、バーナーにおける燃焼量を減少させた場合における、燃焼量の変化と、炉内圧力の変化と、炉内への侵入空気量の変化と、炉内の酸素濃度の変化と、バーナー内における空気比の変化とを示したタイミング図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係る燃焼設備において、燃料ガスを供給する燃料ガス供給ノズルの外周に冷却用空気を導く冷却用空気案内管が設けられ、前記の冷却用空気案内管の外周に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ノズルが設けられたバーナーを炉に複数設け、全てのバーナーにおいて燃焼を行う状態を示した概略説明図である。
【
図5】前記の実施形態2に係る燃焼設備において、炉に設けられた一部のバーナーにおける燃焼を停止させた状態を示した概略説明図である。
【
図6】前記の実施形態2に係る燃焼設備において、全てのバーナーにおいて燃焼を行う
図4に示す状態から、一部のバーナーにおける燃焼を停止させる
図5に示す状態に変更させた場合における、燃焼量の変化と、炉内圧力の変化と、冷却用空気案内管から炉内に侵入する侵入冷却用空気量の変化と、炉内の酸素濃度の変化と、バーナー内における空気比の変化とを示したタイミング図である。
【
図7】前記の実施形態2に係る燃焼設備において、一部のバーナーにおける燃焼を停止させた
図5に示す状態から、全てのバーナーにおいて燃焼を行う
図4に示す状態に変更させた場合における、燃焼量の変化と、炉内圧力の変化と、冷却用空気案内管から炉内に侵入する侵入冷却用空気量の変化と、炉内の酸素濃度の変化と、バーナー内における空気比の変化とを示したタイミング図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る燃焼設備を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る燃焼設備は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0024】
(実施形態1)
実施形態1における燃焼設備においては、
図1に示すように、開口部11の開閉を行なう扉12が設けられた炉10にバーナー20を設け、前記のバーナー20に、燃料供給管30を通して燃料である都市ガス等の燃料ガスGを供給すると共に、空気供給管40を通して燃焼用空気Airを供給し、このバーナー20から燃焼用空気Airと燃料ガスGとを炉10内に噴出させて燃焼させるようにしている。
【0025】
そして、実施形態1における燃焼設備においては、前記のようにバーナー20に、燃料供給管30を通して燃料ガスGを供給すると共に、空気供給管40を通して燃焼用空気Airを供給するにあたり、前記の燃料供給管30に設けた流量調整弁31と空気供給管40に設けた流量調整弁41とを空気比制御システム50により調整して、バーナー20に供給する燃料ガスGと燃焼用空気Airとの割合を制御し、バーナー20における燃焼量とバーナー20内における空気比μAを所定の値に調整して、バーナー20から燃料ガスGと燃焼用空気Airとを炉10内に噴出させて燃焼させるようにしている。
【0026】
また、実施形態1における燃焼設備においては、炉10内の酸素濃度を検知する酸素濃度センサー51を設け、この酸素濃度センサー51によって検知された炉10内の酸素濃度を、出力制御装置52により前記の空気比制御システム50に出力させ、出力された炉10内の酸素濃度に基づいて、炉10内における空気比に換算して、前記の空気比制御システム50により、燃料供給管30に設けた流量調整弁31と空気供給管40に設けた流量調整弁41とを調整して、バーナー20に供給する燃料ガスGと燃焼用空気Airとの割合を制御し、バーナー20における燃焼量とバーナー20内における空気比μAを調整するようにしている。なお、バーナー20における燃焼量は、燃料ガスGと燃焼用空気Airの流量で調整され、バーナー20内における空気比μAは、主に燃焼用空気Airの流量で調整される。
【0027】
ここで、実施形態1における燃焼設備において、
図2(A)及び
図3(A)に示すように、バーナー20に供給する燃焼用空気Airと燃料ガスGの量を増加させて、バーナー20における燃焼量を増加させると、炉10内における燃焼排ガスの量が増加して、炉10内の圧力(炉内圧力)が高くなり、炉10と扉12との間の隙間や、炉10の壁面13における継ぎ目や亀裂等の隙間を通して外部から炉10内に侵入する侵入空気Air’の量(侵入空気量)が減少して、前記の酸素濃度センサー51によって検知される炉10内の酸素濃度が減少するようになる。
【0028】
そして、このように酸素濃度センサー51によって検知される炉10内の酸素濃度が減少した場合には、酸素濃度センサー51によって検知された炉10内の酸素濃度を、前記の出力制御装置52によって前記の空気比制御システム50に出力し、炉10内における空気比に換算して、この空気比制御システム50により、空気供給管40に設けた流量調整弁41を調整して、バーナー20における空気比μBを元の空気比μAよりも増加させて(μB>μA)、炉10内における酸素濃度を元の酸素濃度に戻して、炉10内における空気比を元に戻すようにしている。
【0029】
このようにすると、バーナー20における燃焼量を増加させた場合にも、炉10内における酸素濃度を元の酸素濃度に戻して、炉10内における空気比を速やかに一定化させて、燃料ガスGを安定して燃焼させることができるようになる。
【0030】
また、実施形態1における燃焼設備において、
図2(B)及び
図3(B)に示すように、バーナー20に供給する燃焼用空気Airと燃料ガスGの量を減少させて、バーナー20における燃焼量を減少させると、炉10内における燃焼排ガスの量が減少して、炉10内の圧力(炉内圧力)が低くなり、炉10と扉12との間の隙間や炉10の壁面13における継ぎ目や亀裂等の隙間を通して外部から炉10内に侵入する侵入空気Air’の量(侵入空気量)が増加して、前記の酸素濃度センサー51によって検知される炉10内の酸素濃度が増加するようになる。
【0031】
そして、このように酸素濃度センサー51によって検知される炉10内の酸素濃度が増加した場合には、酸素濃度センサー51によって検知された炉10内の酸素濃度を、前記の出力制御装置52によって前記の空気比制御システム50に出力し、炉10内における空気比に換算して、この空気比制御システム50により、空気供給管40に設けた流量調整弁41を調整して、バーナー20における空気比μCを元の空気比μAよりも減少させて(μC<μA)、炉10内における酸素濃度を元の酸素濃度に戻して、炉10内における空気比を元に戻すようにしている。
【0032】
このようにすると、バーナー20における燃焼量を減少させた場合にも、炉10内における酸素濃度を元の酸素濃度に戻して、炉10内における空気比を速やかに一定化させて、燃料ガスGを安定して燃焼させることができるようになる。
【0033】
(実施形態2)
実施形態2における燃焼設備においては、
図4及び
図5に示すように、炉10に複数のバーナー20が設けられており、各バーナー20においては、燃料ガスGを、燃料供給管30を通して燃料ガス供給ノズル21に導くようにする共に、冷却用空気Air”を、冷却用空気供給管60に設けた弁61を通して前記の燃料ガス供給ノズル21の外周に設けた冷却用空気案内管22に導くようにし、さらに燃焼用空気Airを、空気供給管40を通して前記の冷却用空気案内管22の外周に設けた燃焼用空気供給ノズル23に導くようにしている。
【0034】
そして、前記のバーナー20においては、燃料供給管30を通して燃料ガス供給ノズル21に導かれた燃料ガスGと、冷却用空気案内管22を通して燃料ガス供給ノズル21の外周に導かれた冷却用空気Air”と、空気供給管40を通して燃焼用空気供給ノズル23に導かれた燃焼用空気Airとを炉10内に噴出させて燃焼させるようにしている。
【0035】
また、実施形態2における燃焼設備においては、各バーナー20に対応して、それぞれ空気比制御システム50を設けると共に、各バーナー20に燃料ガスGを導く燃料供給管30にそれぞれ流量調整弁31を、燃焼用空気Airを導く空気供給管40にそれぞれ流
量調整弁41を設けている。
【0036】
また、実施形態2における燃焼設備においては、炉10内の酸素濃度を検知する酸素濃度センサー51を設け、この酸素濃度センサー51によって検知された炉10内の酸素濃度を、出力制御装置52により前記の各空気比制御システム50に出力し、出力された炉10内の酸素濃度に基づいて、各空気比制御システム50により、各バーナー20に対応して燃料供給管30に設けられた流量調整弁31と空気供給管40に設けられた流量調整弁41とを制御し、バーナー20に供給する燃料ガスGと燃焼用空気Airとの割合を調整して、各バーナー20における燃焼量と、各バーナー20内における空気比μDとを調整するようにしている。なお、各バーナー20における燃焼量は燃料ガスGと燃焼用空気Airの流量で調整され、各バーナー20内における空気比μDは、主に燃焼用空気Airの流量で調整される。
【0037】
ここで、実施形態2における燃焼設備において、
図4に示すように、全てのバーナー20において燃焼を行う場合には、前記の冷却用空気供給管60を通して、各バーナー20に設けた冷却用空気案内管22に冷却用空気Air”を供給すると共に、前記の酸素濃度センサー51によって検知された炉10内の酸素濃度に基づいて、各空気比制御システム50により、各バーナー20に対応して燃料供給管30に設けられた流量調整弁31と空気供給管40に設けられた流量調整弁41とを制御し、各バーナー20に供給する燃焼用空気Airと燃料ガスGの量を調整して、各バーナー20における燃焼量と各バーナー20内における空気比μDを調整して燃焼させるようにしている。
【0038】
また、実施形態2における燃焼設備において、
図5に示すように、一部のバーナー20における燃焼を停止させる場合、燃焼を停止させるバーナー20においては、前記の空気比制御システム50により、前記のバーナー20に対する燃料供給管30に設けた流量調整弁31と、空気供給管40に設けた流量調整弁41とを閉じて、燃料ガス供給ノズル21と燃焼用空気供給ノズル23とに燃料ガスGと燃焼用空気Airとを導かないようにして燃焼を停止させる一方、このように燃焼を停止させたバーナー20の内部に突出している燃料ガス供給ノズル21が炉10内の熱によって変形するのを防止するため、燃焼を停止させたバーナー20においても、前記の冷却用空気供給管60を通して冷却用空気Air”を炉10内に供給するようにしている。
【0039】
ここで、
図4に示すように、全てのバーナー20において燃焼を行っている状態から、
図5に示すように、一部のバーナー20における燃焼を停止させるようにした場合、
図6に示すように、炉10全体における燃焼量が減少すると共に、炉10内の圧力(炉内圧力)が減少し、燃焼に使用されずに冷却用空気供給管60を通して炉10内に侵入する冷却用空気Air”の量(侵入冷却用空気量)が増えて、酸素濃度センサー51によって検知される炉10内の酸素濃度が増加するようになる。
【0040】
そして、このように炉10内の酸素濃度が増加した場合には、酸素濃度センサー51によって検知された炉10内の酸素濃度を、前記の出力制御装置52によって燃焼を継続している各バーナー20における各空気比制御システム50に出力し、炉10内における空気比に換算して、それぞれの空気比制御システム50により、燃焼を継続している各バーナー20における空気供給管40に設けた流量調整弁41を調整して、
図5及び
図6に示すように、燃焼を継続している各バーナー20内における空気比μEを、
図4に示すバーナー20内における空気比μDよりも減少させて(μD>μE)、炉10内における酸素濃度を元の酸素濃度に戻し、炉10内における空気比を元に戻すようにしている。
【0041】
このようにすると、一部のバーナー20における燃焼を停止させた場合においても、炉10内における酸素濃度を元の酸素濃度に戻し、炉10内における空気比を速やかに一定
化させて、燃料ガスGを安定して燃焼させることができるようになる。
【0042】
また、実施形態2における燃焼設備において、
図5に示すように、一部のバーナー20における燃焼を停止させた状態から、
図4に示すように、燃焼を停止させていた前記のバーナー20に対する燃料供給管30に設けた流量調整弁31と空気供給管40に設けた流量調整弁41とを開けて、燃料ガス供給ノズル21と燃焼用空気供給ノズル23とに燃料ガスGと燃焼用空気Airとを導き、全てのバーナー20において燃焼を行うようにした場合、
図7に示すように、炉10全体における燃焼量が増加すると共に、炉10内の圧力(炉内圧力)が増加し、燃焼に使用されずに冷却用空気供給管60を通して炉10内に侵入する冷却用空気Air”の量(侵入冷却用空気量)が減少し、酸素濃度センサー51によって検知される炉10内の酸素濃度が減少するようになる。
【0043】
そして、このように炉10内の酸素濃度が減少した場合には、酸素濃度センサー51によって検知された炉10内の酸素濃度を、前記の出力制御装置52によって各バーナー20における各空気比制御システム50に出力し、炉10内における空気比に換算して、それぞれの空気比制御システム50により、各バーナー20における空気供給管40に設けた流量調整弁41を調整し、
図4及び
図7に示すように、各バーナー20内における空気比μDを、
図5に示す燃焼を行っているバーナー20内における元の空気比μEよりも増加させて(μE<μD)、炉10内における酸素濃度が元の酸素濃度に戻し、炉10内における空気比を元に戻すようにしている。
【0044】
このようにすると、燃焼を停止させた一部のバーナー20における燃焼を再開させた場合にも、炉10内における酸素濃度を元の酸素濃度に戻して、炉10内における空気比を速やかに一定化させて、燃料ガスGを安定して燃焼させることができるようになる。
【0045】
なお、前記の実施形態1、2における燃焼設備において、前記の空気比制御システム50により、燃料供給管30を通してバーナー20に供給する燃料ガスGと、空気供給管40を通してバーナー20に供給する燃焼用空気Airとの割合を調整するにあたり、バーナー20内における空気比μが低くなりすぎると、バーナー20に供給された燃料ガスGが、燃焼用空気Airによって十分に燃焼されずに未燃ガスが発生し、この未燃ガスが炉10から外部に排出されたり、未完全燃焼によって発生した煤が被処理物に付着したりする等の問題が生じるため、前記の空気比制御システム50により、燃料供給管30を通してバーナー20に供給する燃料ガスGと、空気供給管40を通してバーナー20に供給する燃焼用空気Airとの割合を調整するにあたり、バーナー20内における空気比μの下限値を設定し、バーナー20内における空気比μが下限値以下にならないようにすることが好ましい。
【0046】
また、前記の実施形態1、2においては、燃料として燃料ガスGを用いるようにしたが、燃料は気体の燃料ガスGに限られず、液体燃料を使用することもできる。
【符号の説明】
【0047】
10 :炉
11 :開口部
12 :扉
13 :壁面
20 :バーナー
21 :燃料ガス供給ノズル
22 :冷却用空気案内管
23 :燃焼用空気供給ノズル
30 :燃料供給管
31 :流量調整弁
40 :空気供給管
41 :流量調整弁
50 :空気比制御システム
51 :酸素濃度センサー
52 :出力制御装置
60 :冷却用空気供給管
61 :弁
Air :燃焼用空気
Air’ :侵入空気
Air” :冷却用空気
G :燃料ガス
μ(μA,μB,μC,μD,μE) :バーナー内における空気比
【手続補正書】
【提出日】2022-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給管を通して供給される燃料と、空気供給管を通して供給される燃焼用空気との割合を、空気比制御システムにより調整してバーナーに供給し、このバーナーから炉内に燃焼用空気と燃料とを噴出させて燃焼させるようにした燃焼設備において、炉内に侵入する空気の量の変化による炉内の酸素濃度の変化を検知する酸素濃度センサーを設け、前記の酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から前記の空気比制御システムに出力し、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、炉内において燃料と燃焼用空気とを燃焼させるにあたり、前記のバーナーにおける燃焼量の増加により、炉内における燃焼排ガスの量が増加して炉内の圧力が高くなり、炉内に侵入する空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を上昇させる一方、前記のバーナーによる燃焼量の減少により、炉内における燃焼排ガスの量が減少して炉内の圧力が低くなり、炉内に侵入する侵入空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させることを特徴とする燃焼設備。
【請求項2】
燃料供給管を通して供給される燃料と、空気供給管を通して供給される燃焼用空気との割合を、空気比制御システムにより調整してバーナーに供給し、このバーナーから炉内に燃焼用空気と燃料とを噴出させて燃焼させるようにした燃焼設備において、炉内に侵入する空気の量の変化による炉内の酸素濃度の変化を検知する酸素濃度センサーを設け、前記の酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から前記の空気比制御システムに出力し、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整するにあたり、炉に複数のバーナーが設けられ、各バーナーは、燃料を供給する燃料供給ノズルの外周に冷却用空気を導く冷却用空気案内管が設けられると共に、前記の冷却用空気案内管の外周に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ノズルが設けられてなり、燃焼が停止されるバーナーの数が増加し、燃焼が停止されたバーナーにおける冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、燃焼が行われているバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼が行われているバーナー内における空気比を減少させる一方、燃焼が停止されるバーナーの数が減少し、燃焼が停止されたバーナーにおける冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、燃焼が行われているバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼が行われているバーナー内における空気比を増加させることを特徴とする燃焼設備。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明に係る燃焼設備においては、前記のような課題を解決するため、燃料供給管を通して供給される燃料と、空気供給管を通して供給される燃焼用空気との割合を、空気比制御システムにより調整してバーナーに供給し、このバーナーから炉内に燃焼用空気と燃料とを噴出させて燃焼させるようにした燃焼設備において、炉内に侵入する空気の量の変化による炉内の酸素濃度の変化を検知する酸素濃度センサーを設け、前記の酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から前記の空気比制御システムに出力し、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、炉内において燃料と燃焼用空気とを燃焼させるにあたり、前記のバーナーにおける燃焼量の増加により、炉内における燃焼排ガスの量が増加して炉内の圧力が高くなり、炉内に侵入する空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を上昇させる一方、前記のバーナーによる燃焼量の減少により、炉内における燃焼排ガスの量が減少して炉内の圧力が低くなり、炉内に侵入する侵入空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させるようにした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、本発明の燃焼設備においては、前記の炉内に侵入する空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を上昇させる一方、前記の炉内に侵入する空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させるようにしている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
そして、本発明の第1の燃焼設備においては、前記のようにバーナーにおける燃焼量の増加により、炉内における燃焼排ガスの量が増加して炉内の圧力が高くなり、炉内に侵入する空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を上昇させる一方、前記のバーナーによる燃焼量の減少により、炉内における燃焼排ガスの量が減少して炉内の圧力が低くなり、炉内に侵入する侵入空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、バーナー内における空気比を減少させるようにしている。このようにすると、バーナーにおける燃焼量が変化した場合においても、炉内における空気比が速やかに所定の値になるようにして、安定した燃焼が行えるようになる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、本発明の第2の燃焼設備においては、炉に複数のバーナーが設けられ、各バーナーは、燃料を供給する燃料供給ノズルの外周に冷却用空気を導く冷却用空気案内管が設けられると共に、前記の冷却用空気案内管の外周に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ノズルが設けられてなり、燃焼が停止されるバーナーの数が増加し、燃焼が停止されたバーナーにおける冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が増加して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が増加した場合には、前記の空気比制御システムにより、燃焼が行われているバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼が行われているバーナー内における空気比を減少させる一方、燃焼が停止されるバーナーの数が減少し、燃焼が停止されたバーナーにおける冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が減少して、前記の酸素濃度センサーによって検知される炉内の酸素濃度が減少した場合には、前記の空気比制御システムにより、燃焼が行われているバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整して、燃焼が行われているバーナー内における空気比を増加させるようにする。このようにすると、燃焼が停止されるバーナーの数が変化して、冷却用空気案内管から炉内に侵入する冷却用空気の量が変化しても、炉内における空気比が速やかに所定の値になるようにして、安定した燃焼が行えるようになる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明における第1及び第2の燃焼設備においては、前記のように炉内に侵入する空気の量の変化による炉内の酸素濃度の変化を酸素濃度センサーによって検知し、前記の酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度を出力制御装置から空気比制御システムに出力し、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムにより、前記のバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を調整するようにしたため、炉内に侵入する侵入空気の量が変化した場合においても、酸素濃度センサーに検知された炉内の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御システムによりバーナーに供給する燃焼用空気と燃料との割合を適切に調整し、炉内における空気比が速やかに所定の値になるようにして、安定した燃焼が行えるようになる。