(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176472
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】食品の検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
G01N21/892 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082931
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 公人
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA05
2G051AA33
2G051AB02
2G051BA05
2G051BA08
2G051BA20
2G051BB20
2G051CA04
2G051CB01
2G051CD07
2G051DA06
2G051EA17
(57)【要約】
【課題】各種の食品を簡易な構成で検査することができる食品の検査装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る食品の検査装置は、コントローラと;前記コントローラからの信号に基づいて、可視光、および紫外線の少なくともいずれかを照射するとともに、照射される前記可視光の波長を変更可能な光源と;前記光源から照射され、検査対象物により反射された、前記可視光、および前記紫外線の少なくともいずれかを検出する検出部と;を具備している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラと;
前記コントローラからの信号に基づいて、可視光、および紫外線の少なくともいずれかを照射するとともに、照射される前記可視光の波長を変更可能な光源と;
前記光源から照射され、検査対象物により反射された、前記可視光、および前記紫外線の少なくともいずれかを検出する検出部と;
を具備した食品の検査装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記検査対象物の正常部分の主色を最も際立たせる波長の前記可視光、
または、
前記検査対象物の異常部分の主色を最も際立たせる波長の前記可視光、を前記光源から照射させる請求項1記載の食品の検査装置。
【請求項3】
前記検査対象物を撮影する撮影部をさらに備え、
前記撮影部により撮影された画像のデータは、前記コントローラに入力され、
前記コントローラは、入力された前記画像のデータに基づいて、前記検査対象物の正常部分の主色を最も際立たせる波長、および、前記検査対象物の異常部分の主色を最も際立たせる波長の少なくともいずれかを求める請求項1記載の食品の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、食品の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品市場においては、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)などへの対応により食品に対する安全意識が高まっている。また、食品市場には、腐敗などによるフードロスなどの問題もある。フードロスは、食品の生産、加工、小売り、消費など各サプライチェーンで発生し、社会問題にもなっている。
【0003】
そのため、例えば、農産物の表面に紫外線を照射して、農産物の表面の損傷部分または病障害部分を励起発光させることで異常の有無を判定する技術が提案されている。また、紫外線の照射の前に、農産物の表面に白色光を照射して、紫外線による検査の範囲を検出する技術も提案されている。
【0004】
しかしながら、紫外線のみを用いた検査では、各種の食品を検査するのは困難である。この場合、ハイパースペクトルカメラを用いた検査を行えば、各種の食品を検査することができるが、検査装置の高価格化を招くことになる。
そこで、各種の食品を簡易な構成で検査することができる食品の検査装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、各種の食品を簡易な構成で検査することができる食品の検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る食品の検査装置は、コントローラと;前記コントローラからの信号に基づいて、可視光、および紫外線の少なくともいずれかを照射するとともに、照射される前記可視光の波長を変更可能な光源と;前記光源から照射され、検査対象物により反射された、前記可視光、および前記紫外線の少なくともいずれかを検出する検出部と;を具備している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、各種の食品を簡易な構成で検査することができる食品の検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る食品の検査装置を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る食品の検査装置1を例示するための模式図である。
図1に示すように、食品の検査装置1(以下、単に、検査装置1と称する)は、例えば、供給部10、移動部20、検査部30、収容部40、およびコントローラ50を有する。
【0012】
供給部10は、移動部20の搬入側の端部の近傍に設けることができる。供給部10は、検査対象物100を内部に複数収容し、収容されている検査対象物100を移動部20に供給する。例えば、供給部10は、複数の検査対象物100を収納したホッパと、内部に収容されている検査対象物100を取り出して移動部20に供給する供給装置とを有することができる。
なお、供給部10の構成は例示をしたものに限定されるわけではない。供給部10は、検査対象物100同士が重ならないようにして、検査対象物100を移動部20に供給することができるものであればよい。
【0013】
また、供給部10は、必ずしも必要ではなく省くこともできる。供給部10を省く場合には、例えば、作業者が、検査対象物100を移動部20に供給すればよい。
【0014】
ここで、検査対象物100は、食品とすることができる。検査対象物100は、例えば、可視光および紫外線の少なくともいずれかを透過可能な包装フィルム、トレー、容器などの内部に収納された食品であってもよいし、包装フィルムなどに収納されていない食品であってもよい。
【0015】
食品は、例えば、農産物、精肉素材、鮮魚素材、加工食品などである。
なお、「農産物」は、例えば、人為的に栽培され収穫される植物、あるいは、自然界において生育し収穫される植物とすることができる。「農産物」は、栽培植物を計画的に栽培し収穫する農耕、自然界で自生している植物の採取(野生植物の採取)、栽培と野生の中間的な状態で生育し収穫するいわゆる半栽培などにより得られたものであってもよい。「農産物」の用途には特に限定がなく、例えば、食用、薬用、観賞用などの様々な用途が考えられる。
【0016】
「加工食品」は、例えば、総菜、弁当、サラダなどである。
また、食品は、例示をしたものに限定されるわけではなく、例えば、消費期限を有するものであればよい。
【0017】
移動部20は、供給部10から供給された検査対象物100を移動させる。
移動部20は、例えば、供給部10と収容部40との間に設けることができる。移動部20は、例えば、ベルトコンベアやローラコンベアなどとすることができる。
【0018】
また、移動部20が、検査対象物100を水平方向に移動させる場合を例示したが、移動部20が、水平に対して傾斜した方向に検査対象物100を移動させてもよい。
また、移動部20は、必ずしも必要ではなく省くこともできる。例えば、移動部20に代えて、検査対象物100を載置する台などを設けることもできる。
【0019】
検査対象物100の移動方向に交差する方向において、検査部30は、検査対象物100の一方の側に設けられている。検査部30は、例えば、移動部20の上方に設けることができる。検査対象物100の移動方向において、検査部30は、例えば、供給部10と、収容部40との間に設けられている。
【0020】
検査部30は、検査対象物100の一方の側に、可視光、および紫外線領域の光(以下、単に紫外線と称する)の少なくともいずれかを照射する。
【0021】
図2は、検査部30を例示するための模式図である。
なお、
図2は、
図1における検査部30をA-A線方向から見た模式図である。
図2に示すように、検査部30は、例えば、撮影部31、光源32、検出部33、および回路部34を有する。
【0022】
撮影部31は、例えば、検査の直前における検査対象物100を撮影する。撮影部31は、例えば、検査対象物100のカラー画像が撮影可能なCCDカメラ(Charge-Coupled Device camera)などとすることができる。検査対象物100の移動方向において、撮影部31は、例えば、供給部10と、光源32および検出部33と、の間に設けられる。この様にすれば、撮影部31により、光源32および検出部33による検査を行う前の検査対象物100を撮影することができる。撮影部31により撮影された検査対象物100の画像データは、コントローラ50に入力される。
【0023】
光源32は、コントローラ50からの信号に基づいて、可視光、および紫外線の少なくともいずれかを照射するとともに、照射される可視光の波長を変更する。
【0024】
光源32に用いられる発光体は、所定の波長の光を照射するものであれば、特に限定はない。例えば、発光体は、発光ダイオード、レーザダイオード、有機発光ダイオードなどの発光素子とすることもできるし、紫外線を照射する放電ランプなどとすることもできる。ただし、光源32に用いられる発光体が、発光ダイオード(LED:light emitting diode)であれば、低コスト化、小型化、長寿命化、省エネルギー化などを図ることができる。
そのため、以下においては、一例として、光源32に用いられる発光体が、LEDである場合を説明する。
【0025】
光源32は、例えば、フルカラーLED、および紫外線LEDの少なくともいずれかを有する。また、光源32は、フルカラーLEDに代えて、赤色LED、緑色LED、および青色LEDを有することもできる。また、光源32は、赤色、緑色、および青色以外の可視光を照射するLEDをさらに備えることもできる。
【0026】
例えば、フルカラーLEDおよび赤色LEDは、ピーク波長が630nm程度の光を照射可能とすることができる。例えば、フルカラーLEDおよび緑色LEDは、ピーク波長が525nm程度の光を照射可能とすることができる。例えば、フルカラーLEDおよび青色LEDは、ピーク波長が455nm程度の光を照射可能とすることができる。
例えば、紫外線LEDは、ピーク波長が280nm~400nm程度の紫外線を照射可能とすることができる。
【0027】
フルカラーLED、および紫外線LEDの数および配置は、検査対象物100の大きさなどに応じて適宜変更することができる。例えば、複数のフルカラーLED、および複数の紫外線LEDをマトリクス状に並べたり、同心円上に並べたりすることができる。
【0028】
赤色LED、緑色LED、青色LED、および紫外線LEDの数および配置は、検査対象物100の大きさなどに応じて適宜変更することができる。例えば、複数の赤色LED、複数の緑色LED、複数の青色LED、および複数の紫外線LEDをマトリクス状に並べたり、同心円上に並べたりすることができる。
【0029】
検出部33は、光源32から照射され、検査対象物100により反射された、可視光および紫外線の少なくともいずれかを検出する。検出部33は、例えば、可視光の画像、および紫外線の画像の少なくともいずれかを撮影可能なCCDカメラなどとすることができる。この場合、検出部33は、例えば、カラー画像を検出するCCDカメラと、紫外線の画像を検出するCCDカメラとを有していてもよい。
【0030】
検出部33により検出された反射光のデータは、回路部34を介して、コントローラ50に入力される。
【0031】
回路部34は、コントローラ50からの信号に基づいて、光源32を制御する。例えば、回路部34は、コントローラ50により指定された波長の可視光、および紫外線の少なくともいずれかを、光源32に照射させる。光源32から可視光を照射させる場合には、フルカラーLED、あるいは、赤色LED、緑色LED、および青色LEDの少なくともいずれか、から光を照射させることができる。
【0032】
また、フルカラーLEDの場合は、電圧を印加する端子を選択したり、印加する電圧を増減させたりすることで、照射される可視光の波長や光の強度を制御することができる。 赤色LED、緑色LED、および青色LEDの場合は、電圧を印加するLEDを選択したり、印加する電圧を増減させたりすることで、照射される可視光の波長や光の強度を制御することができる。
なお、照射される可視光および紫外線の制御に関する詳細は後述する。
【0033】
また、検査対象物100の位置を検出するセンサ35をさらに設けることもできる。センサ35は、例えば、撮影部31による撮影タイミングを求めたり、光源32による照射のタイミングを求めたり、照射の開始と照射の停止の切り替えを行ったりするために設けられる。例えば、
図1に示すように、センサ35は、検査部30の上流側であって、検査部30の近傍に設けることができる。センサ35の形式には特に限定がない。センサ35は、例えば、光センサ、超音波センサ、近接センサなどとすることができる。
【0034】
収容部40は、検査済みの検査対象物100aを収容する。収容部40は、例えば、移動部20の排出側の端部の近傍に設けられる。収容部40は、例えば、コンテナなどである。また、検査において「異常なし」と判定された検査対象物100aを収納する収容部と、「異常あり」と判定された検査対象物100aを収納する収容部と、を別々に設けることもできる。この場合、検査結果に基づいて、検査対象物100aの振り分けを行う装置を移動部20に設けることができる。なお、検査対象物100aの振り分けは、作業者やロボットなどが行うようにしてもよい。
【0035】
コントローラ50は、検査装置1に設けられた各要素の動作を制御する。コントローラ50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算素子と、半導体メモリなどの記憶素子を有する。コントローラ50は、例えば、コンピュータである。記憶素子には、例えば、検査装置1に設けられた各要素の動作を制御する制御プログラムなどを格納することができる。また、コントローラ50には、作業者などが検査条件などのデータを入力する入力装置を接続することもできる。コントローラ50には、作業状態、異常警告などを表示する表示装置を接続することもできる。
【0036】
次に、検査装置1の作用について説明する。
例えば、コントローラ50は、供給部10を制御して、検査対象物100を移動部20に供給する。
例えば、コントローラ50は、移動部20を制御して、検査対象物100を検査部30に向けて移動させる。
【0037】
コントローラ50は、センサ35により、撮影部31の撮影領域に検査対象物100が搬入されたことが検出された場合には、例えば、撮影部31に、検査対象物100のカラー画像を撮影させる。撮影されたカラー画像のデータは、コントローラ50に入力される。
【0038】
ここで、検査対象物100の表面には、損傷部分、病障害部分、腐敗部分などの異常部分が発生している場合がある。例えば、異常部分の主色は、正常部分の主色(検査対象物100の本来の色)とは、色相、明度、および彩度の少なくともいずれかが異なるものとなる。また、一般的には、異常部分の面積は、正常部分の面積に比べて小さくなる。
【0039】
そのため、検査対象物100のカラー画像における色相、明度、および彩度の少なくともいずれかを分析すれば、正常部分の主色、あるいは、異常部分の主色を求めることができる。
【0040】
この場合、例えば、最も値が高い色相、明度、および彩度、あるいは、面積の大きい部分の色相、明度、および彩度を、正常部分の主色相、明度、および彩度とすることができる。また、例えば、最も値が低い色相、明度、および彩度、あるいは、面積の小さい部分の色相、明度、および彩度を、異常部分の主色相、明度、および彩度とすることができる。
【0041】
なお、正常部分の主色および異常部分の主色は、予め求めることもできる。この様な場合には、予め求められた正常部分の主色の色相、明度、および彩度の少なくともいずれかのデータをコントローラ50に入力することができる。予め求められた異常部分の主色の色相、明度、および彩度の少なくともいずれかのデータをコントローラ50に入力することもできる。予め求められた正常部分のデータ、および異常部分のデータをコントローラ50に入力することもできる。
なお、これらのデータを予め求める場合には、撮影部31を省くことができる。ただし、撮影部31が設けられていれば、検査の直前における検査対象物100の正常部分の主色、あるいは、異常部分の主色を求めることができる。そのため、より実状に近い検査が可能となる。
【0042】
コントローラ50は、撮影部31により撮影されたデータを分析することで得られた正常部分の主色、または、予め求められコントローラ50に入力された正常部分の主色に基づいて、正常部分の主色を最も際立たせる可視光の波長を求める。正常部分の主色を最も際立たせる可視光の波長は、例えば、正常部分に太陽光を照射した際に、色相、明度、および彩度が最も高くなる可視光の波長とすることができる。例えば、検査対象物100が苺の場合には、赤色光の波長である。
【0043】
また、コントローラ50は、異常部分の主色を最も際立たせる可視光の波長を求めることができる。
例えば、前述した正常部分の主色を最も際立たせる可視光の波長を求めた場合には、求められた可視光の色と補色関係にある色の波長を、異常部分の主色を最も際立たせる可視光の波長とすることができる。この様にすれば、コントローラ50における演算処理が容易となる。
【0044】
また、撮影部31により撮影されたデータを分析することで得られた異常部分の主色、または、予め求められコントローラ50に入力された異常部分の主色に基づいて、異常部分の主色を最も際立たせる可視光の波長を求めることもできる。異常部分の主色を最も際立たせる可視光の波長は、例えば、異常部分に太陽光を照射した際に、色相、明度、および彩度が最も高くなる可視光の波長とすることができる。
【0045】
なお、紫外線を照射すれば、損傷部分、病障害部分、腐敗部分などの異常部分を際立たせることができる。しかしながら、検査対象物100の種類や異常部分の程度などによっては、紫外線を照射しても異常部分を際立たせることができない場合もある。
そのため、前述した異常部分の主色を最も際立たせる可視光の照射と、紫外線の照射とを選択的に切り替えることもできる。例えば、作業者の判断や、実験やシミュレーションの結果などに応じて、作業者が、可視光の照射と、紫外線の照射とを適宜切り替えることもできる。
【0046】
また、例えば、コントローラ50が、異常部分の主色を最も際立たせる可視光を照射した際の画像データと、紫外線を照射した際の画像データとを比較して、異常部分の判断をより容易に行える照射に切り替えるようにしてもよい。
また、例えば、異常部分の主色を最も際立たせる可視光の照射と、紫外線の照射とを、順次または同時に実行し、異常部分の判断をより容易に行える画像データを判定の対象としてもよい。
【0047】
例えば、コントローラ50は、正常部分の主色を最も際立たせる可視光、および紫外線の少なくともいずれかが光源32から照射されるように、回路部34を制御する。
例えば、回路部34は、コントローラ50からの信号に基づいて、光源32に、正常部分の主色を最も際立たせる可視光、および紫外線の少なくともいずれかを照射させる。
【0048】
または、例えば、コントローラ50は、異常部分の主色を最も際立たせる可視光、および紫外線の少なくともいずれかが光源32から照射されるように回路部34を制御する。 回路部34は、コントローラ50からの信号に基づいて、光源32に、異常部分の主色を最も際立たせる可視光、および紫外線の少なくともいずれかを照射させる。
【0049】
以上に説明した様に、コントローラ50は、検査対象物100の正常部分の主色を最も際立たせる波長の可視光を光源32から照射させる。または、コントローラ50は、検査対象物100の異常部分の主色を最も際立たせる波長の可視光を光源32から照射させる。
また、コントローラ50は、撮影部31により入力された画像のデータに基づいて、検査対象物100の正常部分の主色を最も際立たせる波長、および、検査対象物100の異常部分の主色を最も際立たせる波長の少なくともいずれかを求めることができる。
【0050】
光源32から照射され、検査対象物100の表面で反射された可視光、および紫外線の少なくともいずれかは、検出部33により検出される。検出部33により検出されたデータは、回路部34を介して、コントローラ50に入力される。
【0051】
例えば、コントローラ50は、検出部33により入力されたデータに基づいて、異常部分の有無、および異常部分の程度の少なくともいずれかを判定する。
正常部分の主色を最も際立たせる可視光が照射された場合、正常部分の範囲や大きさなどが明確になる。そのため、正常部分の範囲や大きさなどが予め定められた閾値よりも大きい場合には、異常部分が無い、あるいは異常部分の大きさや程度などが許容範囲内と判定することができる。
【0052】
異常部分の主色を最も際立たせる可視光が照射された場合、異常部分の範囲や大きさなどが明確になる。そのため、異常部分の範囲や大きさなどが予め定められた閾値よりも大きい場合には、異常部分が有る、あるいは異常部分の大きさや程度などが許容範囲を超えていると判定することができる。
【0053】
紫外線が照射された場合、異常部分の範囲や大きさなどが明確になる。そのため、異常部分の範囲や大きさなどが予め定められた閾値よりも大きい場合には、異常部分が有る、あるいは異常部分の大きさや程度などが許容範囲を超えていると判定することができる。
【0054】
また、例えば、コントローラ50は、検査対象物100の検査を行う際に、移動部20を一時的に停止させたり、移動速度を一時的に低下させたりすることができる。この場合、コントローラ50は、検査対象物100の検査が終了した際には、移動を再開させたり、移動速度を元に戻したりすることができる。
【0055】
例えば、コントローラ50は、移動部20を制御して、検査済みの検査対象物100aを収容部40に向けて移動させる。なお、検査結果に基づいて、検査対象物100aの振り分けを行う装置が移動部20に設けられている場合には、コントローラ50は、振り分けを行う装置を制御して、「異常なし」と判定された検査対象物100aと、「異常あり」と判定された検査対象物100aとを別々の収容部40に収容することができる。検査対象物100aの振り分けを作業者が行う場合には、コントローラ50は、「異常あり」と判定された検査対象物100aであることを作業者に知らせる警告などを発することができる。
【0056】
本実施の形態に係る検査装置1には、照射する可視光の波長を変更可能な光源32が設けられている。例えば、光源32は、可視光、および紫外線の少なくともいずれかを照射可能となっている。そのため、コントローラ50は、正常部分の主色を最も際立たせる光、および紫外線の少なくともいずれかを光源32から照射させることができる。または、コントローラ50は、異常部分の主色を最も際立たせる光、および紫外線の少なくともいずれかを光源32から照射させることができる。
【0057】
そのため、異常部分の有無、および異常部分の程度の少なくともいずれかを、より正確に判定することができる。
すなわち、本実施の形態に係る検査装置1によれば、各種の食品を簡易な構成で検査することができる。
【0058】
また、撮影部31が設けられていれば、検査の直前における検査対象物100の正常部分の主色、あるいは、異常部分の主色を求めることができる。そのため、より実状に近い検査が可能となる。
【0059】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 検査装置、20 移動部、30 検査部、31 撮影部、32 光源、33 検出部、34 回路部、50 コントローラ、100 検査対象物、100a 検査対象物