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  • 特開-検出システム及び検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176486
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】検出システム及び検出方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20221122BHJP
【FI】
G06T7/70 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082951
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 志功
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096CA02
5L096CA17
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】
【課題】検出対象である物体と背景との輝度差が小さい場合でも光学系の調整作業を不要とする。
【解決手段】撮影領域を撮影することで画像を得る撮影装置1aと、撮影領域に対して光を照射する光源2aと、撮影装置1aの位置及び姿勢を可変なロボットアーム3aと、ロボットアーム3aを制御することで、撮影装置1aの撮影方向を撮影領域に向けながら当該撮影装置1aの位置を多段階的に遷移させる制御装置4aと、撮影装置1aにより得られた画像並びに当該撮影装置1aの位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体51の位置を検出する検出装置5aとを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影領域を撮影することで画像を得る撮影装置と、
前記撮影領域に対して光を照射する光源と、
前記撮影装置の位置及び姿勢を可変なロボットアームと、
前記ロボットアームを制御することで、前記撮影装置の撮影方向を前記撮影領域に向けながら当該撮影装置の位置を多段階的に遷移させる制御装置と、
前記撮影装置により得られた画像並びに当該撮影装置の位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体の位置を検出する検出装置と
を備えた検出システム。
【請求項2】
撮影領域を撮影することで画像を得る撮影装置と、
前記撮影領域に対して光を照射する光源と、
前記光源の位置及び姿勢を可変なロボットアームと、
前記ロボットアームを制御することで、前記光源の照射方向を前記撮影領域に向けながら当該光源の位置を多段階的に遷移させる制御装置と、
前記撮影装置により得られた画像並びに当該撮影装置の位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体の位置を検出する検出装置と
を備えた検出システム。
【請求項3】
前記検出装置は、前記撮影装置により得られた画像のうち、検出対象である物体と背景領域との輝度差が大きい画像を用いて、物体の位置を検出する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の検出システム。
【請求項4】
撮影領域を撮影することで画像を得る撮影装置と、前記撮影領域に対して光を照射する光源と、前記撮影装置の位置及び姿勢を可変なロボットアームとを備えた検出システムによる検出方法であって、
制御装置が、前記ロボットアームを制御することで、前記撮影装置の撮影方向を前記撮影領域に向けながら当該撮影装置の位置を多段階的に遷移させるステップと、
検出装置が、前記撮影装置により得られた画像並びに当該撮影装置の位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体の位置を検出するステップとを有する
ことを特徴とする検出方法。
【請求項5】
撮影領域を撮影することで画像を得る撮影装置と、前記撮影領域に対して光を照射する光源と、前記光源の位置及び姿勢を可変なロボットアームとを備えた検出システムによる検出方法であって、
制御装置が、前記ロボットアームを制御することで、前記光源の照射方向を前記撮影領域に向けながら当該光源の位置を多段階的に遷移させるステップと、
検出装置が、前記撮影装置により得られた画像並びに当該撮影装置の位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体の位置を検出するステップとを有する
ことを特徴とする検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物体の位置を検出する検出システム及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物体の位置検出方法では、検出対象である物体に対して光源により光が照射された状態で、撮影装置により当該物体が撮影されることで得られた画像を処理することで、物体の位置検出が実施されている(例えば特許文献1参照)。なお、撮影装置の位置及び姿勢並びに光源の位置及び姿勢は固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-199612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の物体の位置検出方法では、物体と背景との輝度差が小さい場合、物体の位置を精度よく検出できない。この場合、ユーザによる光学系の調整作業が必要となり、煩雑である。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、検出対象である物体と背景との輝度差が小さい場合でもユーザによる光学系の調整作業が不要な検出システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る検出システムは、撮影領域を撮影することで画像を得る撮影装置と、撮影領域に対して光を照射する光源と、撮影装置の位置及び姿勢を可変なロボットアームと、ロボットアームを制御することで、撮影装置の撮影方向を撮影領域に向けながら当該撮影装置の位置を多段階的に遷移させる制御装置と、撮影装置により得られた画像並びに当該撮影装置の位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体の位置を検出する検出装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、検出対象である物体と背景との輝度差が小さい場合でもユーザによる光学系の調整作業が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る検出システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る検出システムの動作例を示すフローチャートである。
図3】実施の形態2に係る検出システムの構成例を示す図である。
図4】実施の形態2に係る検出システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る検出システムの構成例を示す図である。
検出システムは、検出対象である物体51の位置を検出する。この検出システムは、図1に示すように、撮影装置1a、光源2a、ロボットアーム3a、制御装置4a及び検出装置5aを備えている。なお図1では、検出対象である物体51が、台52の上に置かれた場合を示している。
【0010】
撮影装置1aは、撮影領域を撮影することで画像を得る。上記撮影領域は、検出対象である物体51が配置される領域を含む。撮影装置1aにより得られた画像を示すデータは、検出装置5aに送信される。
【0011】
光源2aは、撮影領域に対して光を照射する。なお、実施の形態1における光源2aは、位置及び姿勢が固定されている。
【0012】
ロボットアーム3aは、先端(ハンド部)の位置及び姿勢を可変に構成されている。実施の形態1におけるロボットアーム3aでは、先端に、撮影装置1aが取付けられている。すなわち、実施の形態1におけるロボットアーム3aは、撮影装置1aの位置及び姿勢を可変である。
【0013】
制御装置4aは、ロボットアーム3aを制御する。この際、実施の形態1における制御装置4aは、ロボットアーム3aを制御することで、撮影装置1aの撮影方向を撮影領域に向けながら当該撮影装置1aの位置を多段階的に遷移させる。図1の符号101で示す矢印は、ロボットアーム3aによる撮影装置1aの軌跡を示している。
【0014】
検出装置5aは、撮影装置1aにより得られた画像並びに撮影装置1aの位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体51の位置を検出する。この際、検出装置5aは、撮影装置1aにより得られた画像のうち、検出対象である物体51と背景領域(図1では台52を含む背景に該当する領域)との輝度差が大きい画像を用いて、物体51の位置を検出する。なお、各画像に対応する撮影装置1aの位置及び姿勢を示す情報は、例えば、事前にユーザ設定を受付けることで取得してもよいし、制御装置4aから現在のロボットアーム3aの先端の位置及び姿勢を示す情報を随時受付けることで取得してもよい。また、検出装置5aによる画像を用いた物体51の位置検出の原理自体は、従来の原理と同様であり、その説明を省略する。
【0015】
なお、制御装置4a及び検出装置5aは、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0016】
次に、図1に示す実施の形態1に係る検出システムの動作例について、図2を参照しながら説明する。
ここで、撮影装置1aにより得られた画像を用いて物体51の位置を検出する場合、検出対象である物体51の形状又は表面の状態等により、最適な光学系の条件(撮影装置1aの位置及び姿勢並びに光源2aの位置及び姿勢)が異なる。そのため、従来の位置検出方法では、ユーザが、最適な光学系の条件に合わせて光学系の調整作業を行う必要がある。そこで、実施の形態1に係る検出システムでは、ロボットアーム3aの先端に撮影装置1aを取付けて撮影装置1aの位置及び姿勢を自動で変えながら撮影を行うことで、検出対象である物体51の形状又は表面の状態等に応じて最適な光学系の条件に合うような画像を得る。
【0017】
図1に示す実施の形態1に係る検出システムの動作例では、図2に示すように、まず、光源2aは、撮影領域に対する光の照射を開始する(ステップST201)。
また、撮影装置1aは、撮影領域の撮影を開始し、画像の取得を開始する(ステップST202)。撮影装置1aにより得られた画像を示すデータは、検出装置5aに送信される。
【0018】
次いで、制御装置4aは、ロボットアーム3aを制御することで、撮影装置1aの撮影方向を撮影領域に向けながら当該撮影装置1aの位置を多段階的に遷移させる(ステップST203)。これにより、撮影装置1aでは、制御装置4aにより遷移された各位置及び姿勢での画像が得られる。
【0019】
なお、制御装置4aにより遷移される撮影装置1aの初回の位置及び姿勢、並びに、制御装置4aにより遷移される撮影装置1aの2回目以降の位置の調整間隔は、事前に実験等が行われることで設定されてもよいし、機械学習により常に最適な条件に更新されてもよい。
【0020】
次いで、検出装置5aは、撮影装置1aにより得られた画像並びに撮影装置1aの位置及び姿勢に基づいて、撮影装置1aにより得られた画像のうち、検出対象である物体51と背景領域との輝度差が大きい画像を用いて、検出対象である物体51の位置を検出する(ステップST204)。この際、検出装置5aは、撮影装置1aにより得られた画像に対して、例えばエッジ検出処理又はブロブ検出処理を行うことで、検出対象である物体51と背景領域との輝度差が大きい画像を選択する。
【0021】
ここで、検出対象である物体51が半田又はバリ等のような高さを有する物体であり、検出システムが物体51に対して水平方向における位置を検出する場合を考える。また、光源2aは、物体51の側方から光を照射可能な位置及び姿勢に固定されているとする。
この場合、例えば図1に示すように、まず、制御装置4aは、ロボットアーム3aを制御することで、撮影装置1aを物体51に対して上方から撮影可能な位置及び姿勢とし、撮影装置1aはこの位置及び姿勢での画像を得る。その後、制御装置4aは、ロボットアーム3aを制御することで、撮影装置1aの撮影方向を物体51に向けた状態のまま撮影装置1aの位置を物体51を中心として円弧上に移動させつつ、撮影装置1aは各位置及び姿勢での画像を得る。そして、検出装置5aは、撮影装置1aにより得られた画像のうち、物体51のエッジ部分の反射光が強く且つ背景領域については反射光の小さい、誤判定を抑制可能な画像を用いて、画像処理を行うことで、物体51の位置を検出する。
【0022】
なお上記では、制御装置4aが、ロボットアーム3aを制御することで、撮影装置1aを、検出対象である物体51を中心として円弧上に移動させる場合を示した。このように、制御装置4aが、撮影装置1aを物体51に対する距離が変わらないように移動させることで、物体51の位置検出における誤差要因を低減可能となると考えられる。しかしながら、これに限らず、例えば、制御装置4aが、ロボットアーム3aを制御することで、撮影装置1aを水平方向に移動させてもよい。
【0023】
以上のように、この実施の形態1によれば、検出システムは、撮影領域を撮影することで画像を得る撮影装置1aと、撮影領域に対して光を照射する光源2aと、撮影装置1aの位置及び姿勢を可変なロボットアーム3aと、ロボットアーム3aを制御することで、撮影装置1aの撮影方向を撮影領域に向けながら当該撮影装置1aの位置を多段階的に遷移させる制御装置4aと、撮影装置1aにより得られた画像並びに当該撮影装置1aの位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体51の位置を検出する検出装置5aとを備えた。これにより、実施の形態1に係る検出システムは、検出対象である物体51と背景との輝度差が小さい場合でもユーザによる光学系の調整作業が不要となる。よって、この検出システムでは、光学系の調整作業といった作業工数という観点での煩わしさを低減可能となる。
【0024】
実施の形態2.
実施の形態1に係る検出システムでは、ロボットアーム3aが撮影装置1aの位置及び姿勢を可変である場合を示した。これに対し、実施の形態2に係る検出システムでは、ロボットアーム3bが光源2bの位置及び姿勢を可変である場合を示す。
【0025】
図3は実施の形態2に係る検出システムの構成例を示す図である。
検出システムは、検出対象である物体51の位置を検出する。この検出システムは、図3に示すように、撮影装置1b、光源2b、ロボットアーム3b、制御装置4b及び検出装置5bを備えている。なお図3では、検出対象である物体51が、台52の上に置かれた場合を示している。
【0026】
撮影装置1bは、撮影領域を撮影することで画像を得る。上記撮影領域は、検出対象である物体51が配置される領域を含む。撮影装置1bにより得られた画像を示すデータは、検出装置5bに送信される。なお、実施の形態2における撮影装置1bは、位置及び姿勢が固定されている。
【0027】
光源2bは、撮影領域に対して光を照射する。
【0028】
ロボットアーム3bは、先端(ハンド部)の位置及び姿勢を可変に構成されている。実施の形態2におけるロボットアーム3bでは、先端に、光源2bが取付けられている。すなわち、実施の形態2におけるロボットアーム3bは、光源2bの位置及び姿勢を可変である。
【0029】
制御装置4bは、ロボットアーム3bを制御する。この際、実施の形態2における制御装置4bは、ロボットアーム3bを制御することで、光源2bの照射方向を撮影領域に向けながら当該光源2bの位置を多段階的に遷移させる。図3の符号301で示す矢印は、ロボットアーム3bによる光源2bの軌跡を示している。
【0030】
検出装置5bは、撮影装置1bにより得られた画像並びに撮影装置1bの位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体51の位置を検出する。この際、検出装置5bは、撮影装置1bにより得られた画像のうち、検出対象である物体51と背景領域(図3では台52を含む背景に該当する領域)との輝度差が大きい画像を用いて、物体51の位置を検出する。なお、各画像に対応する撮影装置1aの位置及び姿勢を示す情報は、事前に把握可能である。また、検出装置5bによる画像を用いた物体51の位置検出の原理自体は、従来の原理と同様であり、その説明を省略する。
【0031】
なお、制御装置4b及び検出装置5bは、システムLSI等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU等により実現される。
【0032】
次に、図3に示す実施の形態2に係る検出システムの動作例について、図4を参照しながら説明する。
ここで、撮影装置1bにより得られた画像を用いて物体51の位置を検出する場合、検出対象である物体51の形状又は表面の状態等により、最適な光学系の条件(撮影装置1bの位置及び姿勢並びに光源2bの位置及び姿勢)が異なる。そのため、従来の位置検出方法では、ユーザが、最適な光学系の条件に合わせて光学系の調整作業を行う必要がある。そこで、実施の形態2に係る検出システムでは、ロボットアーム3bの先端に光源2bを取付けて光源2bの位置及び姿勢を自動で変えながら撮影装置1bで撮影を行うことで、検出対象である物体51の形状又は表面の状態等に応じて最適な光学系の条件に合うような画像を得る。
【0033】
図3に示す実施の形態2に係る検出システムの動作例では、図4に示すように、まず、光源2bは、撮影領域に対する光の照射を開始する(ステップST401)。
また、撮影装置1bは、撮影領域の撮影を開始し、画像の取得を開始する(ステップST402)。撮影装置1bにより得られた画像を示すデータは、検出装置5bに送信される。
【0034】
次いで、制御装置4bは、ロボットアーム3bを制御することで、光源2bの照射方向を撮影領域に向けながら当該光源2bの位置を多段階的に遷移させる(ステップST403)。これにより、撮影装置1bでは、制御装置4bにより遷移された光源2bからの各光の照射方向での画像が得られる。
【0035】
なお、制御装置4bにより遷移される光源2bの初回の位置及び姿勢、並びに、制御装置4bにより遷移される光源2bの2回目以降の位置の調整間隔は、事前に実験等が行われることで設定されてもよいし、機械学習により常に最適な条件に更新されてもよい。
【0036】
次いで、検出装置5bは、撮影装置1bにより得られた画像並びに撮影装置1bの位置及び姿勢に基づいて、撮影装置1bにより得られた画像のうち、検出対象である物体51と背景領域との輝度差が大きい画像を用いて、検出対象である物体51の位置を検出する(ステップST404)。この際、検出装置5bは、撮影装置1bにより得られた画像に対して、例えばエッジ検出処理又はブロブ検出処理を行うことで、検出対象である物体51と背景領域との輝度差が大きい画像を選択する。
【0037】
ここで、検出対象である物体51が半田又はバリ等のような高さを有する物体であり、検出システムが物体51に対して水平方向における位置を検出する場合を考える。また、撮影装置1bは、物体51の上方から撮影可能な位置及び姿勢に固定されているとする。
この場合、例えば図3に示すように、まず、制御装置4bは、ロボットアーム3bを制御することで、光源2bを物体51に対して側方から光を照射可能な位置及び姿勢とし、撮影装置1bはこの光の照射方向での画像を得る。その後、制御装置4bは、ロボットアーム3bを制御することで、光源2bの照射方向を物体51に向けた状態のまま光源2bの位置を物体51を中心として円弧上に移動させつつ、撮影装置1bは各光の照射方向での画像を得る。そして、検出装置5bは、撮影装置1bにより得られた画像のうち、物体51のエッジ部分の反射光が強く且つ背景領域については反射光の小さい、誤判定を抑制可能な画像を用いて、画像処理を行うことで、物体51の位置を検出する。
【0038】
なお上記では、制御装置4bが、ロボットアーム3bを制御することで、光源2bを、検出対象である物体51を中心として円弧上に移動させる場合を示した。このように、制御装置4bが、光源2bを物体51に対する距離が変わらないように移動させることで、光量の変化を低減可能となると考えられる。しかしながら、これに限らず、例えば、制御装置4bが、ロボットアーム3bを制御することで、光源2bを垂直方向に移動させてもよい。
【0039】
以上のように、この実施の形態2によれば、検出システムは、撮影領域を撮影することで画像を得る撮影装置1bと、撮影領域に対して光を照射する光源2bと、光源2bの位置及び姿勢を可変なロボットアーム3bと、ロボットアーム3bを制御することで、光源2bの照射方向を撮影領域に向けながら当該光源2bの位置を多段階的に遷移させる制御装置4bと、撮影装置1bにより得られた画像並びに当該撮影装置1bの位置及び姿勢に基づいて、検出対象である物体51の位置を検出する検出装置5bとを備えた。これにより、実施の形態2に係る検出システムは、検出対象である物体51と背景との輝度差が小さい場合でもユーザによる光学系の調整作業が不要となる。よって、この検出システムでは、光学系の調整作業といった作業工数という観点での煩わしさを低減可能となる。
【0040】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組合わせ、或いは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1a,1b 撮影装置
2a,2b 光源
3a,3b ロボットアーム
4a,4b 制御装置
5a,5b 検出装置
51 物体
52 台
図1
図2
図3
図4