(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176490
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】食品処理装置
(51)【国際特許分類】
B26D 3/26 20060101AFI20221122BHJP
A01J 23/00 20060101ALN20221122BHJP
A01J 25/12 20060101ALN20221122BHJP
【FI】
B26D3/26 604
B26D3/26 605E
B26D3/26 605H
A01J23/00
A01J25/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082957
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000152815
【氏名又は名称】株式会社日本キャリア工業
(72)【発明者】
【氏名】森本 浩人
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕
(72)【発明者】
【氏名】柳田 廣記
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バターやチーズ等の乳製品原料を円滑に処理することのできる食品処理装置を提供する。
【解決手段】塊状食品を供給する供給口(21)を、機体(4)の前部に備えた処理室(11)の上部に設け、供給口(21)から供給される塊状食品を切削処理ないし破砕処理する複数の処理刃(17)を備えた処理部材(12)を設け、この処理部材(12)を処理室(11)の内部に回転自在に軸架し、処理刃(17)によって処理された後の食品を排出する排出口(20)を、処理室(11)の下部に設けた食品処理装置において、処理刃(17)による処理後の食品を排出口(20)に向けて案内する案内部材(33B,33C)を設け、この案内部材(33B,33C)を、排出口(20)側に接近するほど低くなるように傾斜させて排出口(20)の縁部に配置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塊状食品を供給する供給口(21)を、機体(4)の前部に備えた処理室(11)の上部に設け、前記供給口(21)から供給される塊状食品を切削処理ないし破砕処理する複数の処理刃(17)を備えた処理部材(12)を設け、この処理部材(12)を前記処理室(11)の内部に回転自在に軸架し、前記処理刃(17)によって処理された後の食品を排出する排出口(20)を、前記処理室(11)の下部に設けた食品処理装置において、前記処理刃(17)による処理後の食品を前記排出口(20)に向けて案内する案内部材(33B,33C)を設け、この案内部材(33B,33C)を、前記排出口(20)側に接近するほど低くなるように傾斜させて前記排出口(20)の縁部に配置したことを特徴とする食品処理装置。
【請求項2】
前記案内部材(33B,33C)を、前記排出口(20)の左右両側に配置される左右の第1案内板(33C,33C)と、前記排出口(20)の後側において前記処理部材(12)の下方に配置される第2案内板(33B)とから構成した請求項1に記載の食品処理装置。
【請求項3】
前記機体(4)を支持する支持脚(30)を、前記排出口(20)の後側縁部に近接した部位に設けた請求項2に記載の食品処理装置。
【請求項4】
前記機体(4)の側面視において、前記第2案内板(33B)の下側に前記機体(4)を支持する支持脚(30)を配置した請求項2に記載の食品処理装置。
【請求項5】
前記供給口(21)に、塊状食品を案内する供給案内部材(22)の前端部を連通させ、この供給案内部材(22)を機体(4)の後部上方へ向けて延在させた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の食品処理装置。
【請求項6】
前記案内部材(33B,33C)を加熱する第1加熱手段(37,42)を設けた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の食品処理装置。
【請求項7】
前記第1加熱手段(37,42)によって、前記案内部材(33B,33C)上の食品が軟化する温度ないし流動性を有するようになる温度に前記案内部材(33B,33C)の温度を昇温させる構成とした請求項6に記載の食品処理装置。
【請求項8】
前記案内部材(33B,33C)の下面側に前記第1加熱手段(37,42)を設けた請求項7に記載の食品処理装置。
【請求項9】
塊状食品を供給する供給口(21)を、機体(4)の前部に備えた処理室(11)の上部に設け、前記供給口(21)から供給される塊状食品を切削処理ないし破砕処理する複数の処理刃(17)を備えた処理部材(12)を設け、この処理部材(12)を前記処理室(11)の内部に回転自在に軸架し、前記処理刃(17)によって処理された後の食品を排出する排出口(20)を、前記処理室(11)の下部に設けた食品処理装置において、前記処理部材(12)を加熱する第2加熱手段(47)を設けたことを特徴とする食品処理装置。
【請求項10】
前記第2加熱手段(47)によって、前記処理刃(17)に接触した食品が軟化する温度ないし流動性を有するようになる温度に前記処理部材(12)の温度を昇温させる構成とした請求項9に記載の食品処理装置。
【請求項11】
前記第2加熱手段(47)を、前記処理部材(12)の回転軸(13)の内部と、この回転軸(13)を中心とする円周上に配置され、前記処理刃(17)を支持する複数の支持部材(15)の内部とに設けた請求項9または請求項10に記載の食品処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塊状の食品を切削処理ないし粉砕処理する食品処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、乳製品の加工工場等には、バターやチーズ等の塊状食品を細かく切削ないし破砕し、混合装置や混錬機等へ供給する食品処理装置が設置されている。
一方、食肉加工工場では、冷凍状態の塊状肉を細かく切削するために、フレーカーと呼ばれる処理装置が使用されている。
そして、このフレーカーでも塊状のバターやチーズ等を処理することが可能であるため、このフレーカーの乳製品加工工場への導入が期待される。
【0003】
このようなフレーカーとして、特許文献1には、塊状食品を供給する供給口を、機体の上部に備えた処理室の後部に設け、供給口から供給される塊状食品を切削処理する切削刃を備えた切削部材を設け、この切削部材を処理室の内部に回転自在に軸架し、切削刃によって処理された後の食品を排出する排出口を処理室の下部に設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたフレーカーは、処理室の排出口の下側に、この排出口よりも大きい開口部を有するワゴンをセットし、切削刃によって切削された食品を、この排出口からワゴン内に落下させる構成である。
このため、排出口の対地高さが比較的高く設定されており、しかも、排出口には、切削後の食品を集中させて落下させる手段を備えていない。
一方、乳製品の加工工場では、一般的に、混合装置や混錬機は、例えば床面に埋設されるような形態で設置されており、その原料受入口の高さは非常に低く設定されている。
【0006】
したがって、特許文献1に開示されたフレーカーを乳製品の加工工場で使用した場合、排出口から混合装置や混錬機等の原料受入口までの落差が大きく、切削された食品が原料受入口に円滑に落下せず、周囲に飛散して損失となる問題が生じる。
また、バターやチーズ等の主成分は乳脂肪であるため、切削中に切削刃や切削部材の回転軸に付着しやすく、排出口周辺にも付着しやすいため、処理室内部での停滞や詰まりを生じやすくなる問題がある。
【0007】
本発明は、バターやチーズ等の乳製品原料を円滑に処理することのできる食品処理装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の技術的手段を講じる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、塊状食品を供給する供給口(21)を、機体(4)の前部に備えた処理室(11)の上部に設け、前記供給口(21)から供給される塊状食品を切削処理ないし破砕処理する複数の処理刃(17)を備えた処理部材(12)を設け、この処理部材(12)を前記処理室(11)の内部に回転自在に軸架し、前記処理刃(17)によって処理された後の食品を排出する排出口(20)を、前記処理室(11)の下部に設けた食品処理装置において、前記処理刃(17)による処理後の食品を前記排出口(20)に向けて案内する案内部材(33B,33C)を設け、この案内部材(33B,33C)を、前記排出口(20)側に接近するほど低くなるように傾斜させて前記排出口(20)の縁部に配置したことを特徴とする食品処理装置とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記案内部材(33B,33C)を、前記排出口(20)の左右両側に配置される左右の第1案内板(33C,33C)と、前記排出口(20)の後側において前記処理部材(12)の下方に配置される第2案内板(33B)とから構成した請求項1に記載の食品処理装置とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記機体(4)を支持する支持脚(30)を、前記排出口(20)の後側縁部に近接した部位に設けた請求項2に記載の食品処理装置とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記機体(4)の側面視において、前記第2案内板(33B)の下側に前記機体(4)を支持する支持脚(30)を配置した請求項2に記載の食品処理装置とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記供給口(21)に、塊状食品を案内する供給案内部材(22)の前端部を連通させ、この供給案内部材(22)を機体(4)の後部上方へ向けて延在させた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の食品処理装置とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記案内部材(33B,33C)を加熱する第1加熱手段(37,42)を設けた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の食品処理装置とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記第1加熱手段(37,42)によって、前記案内部材(33B,33C)上の食品が軟化する温度ないし流動性を有するようになる温度に前記案内部材(33B,33C)の温度を昇温させる構成とした請求項6に記載の食品処理装置とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、前記案内部材(33B,33C)の下面側に前記第1加熱手段(37,42)を設けた請求項7に記載の食品処理装置とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、塊状食品を供給する供給口(21)を、機体(4)の前部に備えた処理室(11)の上部に設け、前記供給口(21)から供給される塊状食品を切削処理ないし破砕処理する複数の処理刃(17)を備えた処理部材(12)を設け、この処理部材(12)を前記処理室(11)の内部に回転自在に軸架し、前記処理刃(17)によって処理された後の食品を排出する排出口(20)を、前記処理室(11)の下部に設けた食品処理装置において、前記処理部材(12)を加熱する第2加熱手段(47)を設けたことを特徴とする食品処理装置とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、前記第2加熱手段(47)によって、前記処理刃(17)に接触した食品が軟化する温度ないし流動性を有するようになる温度に前記処理部材(12)の温度を昇温させる構成とした請求項9に記載の食品処理装置とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、前記第2加熱手段(47)を、前記処理部材(12)の回転軸(13)の内部と、この回転軸(13)を中心とする円周上に配置され、前記処理刃(17)を支持する複数の支持部材(15)の内部とに設けた請求項9または請求項10に記載の食品処理装置とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、排出口(20)の縁部に配置した案内部材(33B,33C)によって処理後の食品を集中させ、周囲への飛散を少なくして円滑に排出することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果を奏するうえで、左右の第1案内板(33C,33C)と後側の第2案内板(33B)によって、処理後の食品が排出口(20)へ円滑に案内される。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果を奏するうえで、支持脚(30)によって機体(4)を支持しながら、この支持脚(30)の前側に位置する排出口(20)から、処理後の食品を円滑に排出することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果を奏するうえに、第2案内板(33B)の下側の空間を利用して支持脚(30)を装着することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の効果を奏するうえで、機体(4)の後部上方へ延在させた供給案内部材(22)によって、機体(4)の後側から塊状食品を供給することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、案内部材(33B,33C)を第1加熱手段(37,42)によって加熱することで、この案内部材(33B,33C)上の食品が滑りやすくなり、円滑に排出することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の効果を奏するうえで、案内部材(33B,33C)上の食品が軟化する又は流動性を有するようになり、より円滑に流れ落ちる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果を奏するうえで、案内部材(33B,33C)の上面側の障害物が邪魔になることなく、食品が円滑に流れ落ちる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、処理刃(17)を備えた処理部材(12)を加熱することで、この処理刃(17)等へ食品が付着しにくくなり、処理後の食品を円滑に排出することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の効果を奏するうえで、処理刃(17)に接触した食品が軟化する又は流動性を有するようになることで、より円滑に流れ落ちる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、請求項9または請求項10に記載の発明の効果を奏するうえで、処理部材(12)の回転軸(13)や処理刃(17)支持用の支持部材(15)への食品の付着や停滞が減少し、より円滑に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】食品処理装置(フレーカー)の左側面図である。
【
図4】食品処理装置を要部のみ実線で示す左側面図である。
【
図5】食品処理装置を要部のみ実線で示す右側面図である。
【
図6】食品処理装置を要部のみ実線で示す正面図である。
【
図28】処理刃の支持構成を示す説明用正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を実施するための形態においては、乳製品加工工場にて使用されるフレーカーを食品処理装置の一実施例として、以下に詳述する。
なお、この食品処理装置における塊状食品を供給し排出する方向を基準として、その上流側を「後側」、下流側を「前側」と定義し、上流側に向いた状態での左手側を「左側」、右手側を「右側」と定義して説明する。
【0032】
(加工工場内設備)
図1に示すように、加工工場の床面1には、食品加工装置2が埋設されるように設置されている。
この食品加工装置2の原料供給口3は、床面1から10~20cmの高さに突出形成され、この原料供給口3から供給されたバターやチーズの切削物または破砕物を熱しながら、他の原料等と混合ないし混錬する。
【0033】
(食品処理装置の全体構成)
しかして、
図1~
図3に示すように、フレーカーの機体4は、機枠5の前側に処理部6を設け、機枠5の上方に供給部7を設け、機枠5の上部に原動部8を設け、機枠5の下部に支持部9を設けて構成する。
なお、機体4の後側には、供給部7に供給するバターやチーズ等の塊状食品を載置する補助台10を配置している。
【0034】
(処理部)
図4~
図7に示すように、処理部6は、上部と左右両側部と前部を壁体で覆って処理室11を形成し、この処理室11に、処理部材12を駆動回転自在に内装して構成する。
この処理部材12は、左右方向の回転軸13と、左右のプレート14と、4つの支持棒(請求項の「支持部材」)15と、6つの湾曲プレート16と、複数の処理刃17とから構成する。
【0035】
回転軸13は、処理室11の左右の側壁間に渡架し、その左右両端を軸受18で回転自在に支持する。
左右のプレート14は、回転軸13と一体で回転するように、この回転軸13の左右両端部に固着する。
【0036】
4つの支持棒15は、回転軸13の軸心を中心とした円周上に等位相で配置し、左右のプレート14と一体で回転するように、その左右両端部を左右のプレート14に固着する。
6つの湾曲プレート16は、回転軸13の軸心方向に所定の間隔をおいて配置し、この湾曲プレート16に形成した4つの貫通孔に、4つの支持棒15を挿通して固着する。
【0037】
処理刃17は、左右のプレート14および6つの湾曲プレート16を合わせた8つのプレートにおいて、1つのプレートを挟みその左右両側に位置するプレートに、凸状に屈曲形成した刃体の左右両端部をボルト19で締結固定して取り付ける。
この処理刃17における回転軸13の軸心を中心とした回転方向下流側の端面に、刃縁を形成する。
【0038】
この処理室11の下部は開口し、平面視で矩形の排出口20を形成する。
なお、処理室11の前壁の上部から上壁の前部にわたる部位を「く」字状に屈折した開閉板体11Aで覆い、この開閉板体11Aを処理室11の上部に設けた左右方向の開閉支点11Hを中心に上方回動可能に構成する。
これによって、開閉板体11Aを上方回動させて処理室11の前部から上部にわたる部位を開放し、処理部材12等のメンテナンスを行なうことができる。
【0039】
(供給部)
図4、
図6に示すように、上述の処理室11の後側上部に、平面視で矩形の供給口21を開口し、この供給口21に、供給案内部材22の前端部下面に形成した開口部を連通させて固定する。
この供給案内部材22は、断面形状を矩形に形成した角筒であり、機体4の後部上方へ向けて延在させ、その後端部を側面視で「く」字形状に屈折形成し、開口した後端部の下部内側面を略水平な面に形成する。
【0040】
作業者によって、上述の補助台10上の塊状食品を前方へ押し出し、この塊状食品の前端部を上述の水平面上に移載し、この塊状食品を徐々に前傾させながら供給案内部材22の内部へ滑り落とす作業が行われる。
【0041】
(原動部)
図4、
図6、
図7に示すように、原動部8には、電動モーター23を、機枠5の上部に載置した状態で、螺子式の位置調節部材23Sによって前後位置調節可能に設ける。
この電動モーター23の出力軸24を、機体4の左右方向に向けて配置し、この出力軸24の先端部(左端部)に出力スプロケット25を固定する。
【0042】
一方、上述の処理部材12の回転軸13の左端部に入力スプロケット26を固定し、出力スプロケット25と入力スプロケット26にわたって無端状の伝動チェーン27を巻き掛ける。
【0043】
機体5の後側上部右側面からL字形状に屈折した取付部材28の一端を固定し、この取付部材28の上端部に操作ボックス29を固定する。
この操作ボックス29の後面には、電源の入り/切りスイッチと、上述の電動モーター23を始動させるスイッチと、この電動モーター23を停止させる停止スイッチと、この電動モーター23を非常停止させるスイッチと、処理部材12の回転にブレーキを掛けるスイッチおよびブレーキを解除するスイッチと、異常表示用のランプを設ける。(スイッチおよびランプは図示省略)
【0044】
(支持部)
図1~
図3に示すように、機枠5の下部に設けた支持部9には、機枠5の前部下面に縦軸中心に旋回自在に取り付けた左右の前部キャスター(請求項の「支持脚」)30と、機枠5の後端部下面に縦軸中心に旋回自在に取り付けたロック装置31付きの左右の後部キャスター32を設ける。
この左右の前部キャスター30および後部キャスター32によって機体4が床面1上に支持され、これによって、処理室11の下部に開口した排出口20が、食品加工装置2の原料供給口3の直上となる高さに位置する。
【0045】
この状態で、後部キャスター32のロック装置31をロックして機体4の移動を停止状態に保持すれば、食品加工装置2の原料供給口3に対する排出口20の位置を固定することができる。
【0046】
(案内部材)
図4~
図6、
図10に示すように、処理室11の後部に後板33を設ける。
この後板33の左右両端縁部は、処理室11の左右の側壁の内側面に当接させ、溶接して取り付ける。
この後板33の上部における左右両側部を、処理部材12の外周に沿うように側面視で湾曲させて左右の後壁部33Aを形成し、この左右の後壁部33Aを供給口21の左右両側に配置し、この左右の後壁部33Aを処理室11の後壁とする。
【0047】
また、この後板33の下部の案内板部(請求項の「案内部材」および「第2案内板」)33Bは、その上下方向中間部の左右方向の折れ線で屈折させ、排出口20の後側において処理部材12の下方に配置する。
これにより、案内板部33Bは、処理室11の排出口20側に接近するほど低くなるように傾斜し、この傾斜下端部が排出口20の後側の縁部に配置される。
【0048】
一方、
図4~
図9に示すように、処理室11の排出口20の左右両側に、この排出口20側に接近するほど低くなるように傾斜した左右の側部案内板(請求項の「案内部材」および「第1案内板」)33C,33Cを配置する。
この側部案内板33C,33Cの上端縁部を、処理室11の左右の側壁の内側面に当接させ、溶接して取り付ける。
【0049】
また、この側部案内板33C,33Cの後縁部を、上述の案内板部33Bの外側部上面に当接させ、溶接によって固定する。
さらに、この側部案内板33C,33Cの前側端縁部を、処理室11の前側の側壁の内側面に当接させ、溶接によって固定する。
これにより、左右の側部案内板33C,33Cは、処理室11の排出口20側に接近するほど低くなるように、互いに逆方向へ傾斜し、この各傾斜下端部が排出口20の左右の縁部に配置される。
【0050】
(案内部材の加熱手段)
図10、
図11に示すように、上述の案内板部33Bの下面に補強板34を重合し、案内板部33B側のウエルドボルト35Aの先端部にナット35Bを螺合して締結固定する。
この補強板34の下面には左右方向の角棒36を溶接によって一体化し、この角棒36に形成した左右方向の貫通孔に、丸棒状のヒーター(請求項の「第1加熱手段」)37を挿通して内蔵する。
【0051】
このヒーター37は、鋼材から形成した丸パイプの内部に、絶縁体を介してコイル状の発熱線を内蔵し、このコイルの両端に接続された2本のリード線37A,37Bと、ヒーター37の温度を検出する温度センサー(図示省略)に接続されたハーネス38A,38Bを、丸パイプの一端部から外部へ引き出したものである。
この2本のリード線37A,37Bおよびハーネス38A,38Bは、原動部8に備えた電源回路(図示省略)に接続され、温度センサーによって検出されるヒーター37の温度が設定温度に維持されるように、リード線37A,37Bを介して発熱線に電力が供給される構成とする。
【0052】
これにより、ヒーター37が発熱し、熱伝導によって案内板部33Bの上面までが加熱されて昇温し、この案内板部33B上に落下した処理後の食品が軟化、または流動性を有するものとなる。
なお、このヒーター37の温度は任意に変更設定可能に構成する。
また、補強板34と角棒36は、熱伝導率の高い銅で形成される。
【0053】
一方、
図6、
図8、
図9に示すように、上述の左右の側部案内板33C,33Cの下面に補強板39を重合し、側部案内板33C,33C側のウエルドボルト40Aの先端部にナット40Bを螺合して締結固定する。
この補強板39の下面には前後方向の角棒41を溶接によって一体化し、この角棒41に形成した前後方向の貫通孔に、丸棒状のヒーター(請求項の「第1加熱手段」)42を挿通して内蔵する。
【0054】
このヒーター42の構造は、上述のヒーター37と同様であり、鋼材から形成した丸パイプの内部に、絶縁体を介してコイル状の発熱線を内蔵し、このコイルの両端に接続された2本のリード線43A,43Bと、ヒーター42の温度を検出する温度センサー(図示省略)に接続されたハーネス44A,44Bを、丸パイプの一端部から外部へ引き出したものである。
この2本のリード線43A,43Bおよびハーネス44A,44Bは、上述の電源回路に接続され、温度センサーによって検出されるヒーター42の温度が設定温度に維持されるように、リード線43A,43Bを介して発熱線に電力が供給される構成とする。
【0055】
これにより、ヒーター37と共にヒーター42が発熱し、熱伝導によって側部案内板33Cの上面までが加熱されて昇温し、この側部案内板33C上に落下した処理後の食品が軟化、または流動性を有するものとなる。
なお、このヒーター42の温度も任意に変更設定可能に構成する。
また、補強板39と角棒41は、熱伝導率の高い銅で形成される。
なお、上述の電源回路には、加工工場の設備電源から電力が供給される。
【0056】
(処理部材の加熱手段)
図12、
図13に示すように、上述の処理部材12自体に加熱手段を内蔵する構成としてもよい。
すなわち、
図13に示すように、処理部材12における右側のプレート14の右外側部に、皿状または椀状の閉塞部材45を固定し、プレート14と閉塞部材45の間に閉塞された空間45Aを形成する。
【0057】
一方、
図13、
図15に示すように、回転軸13には、軸心方向に貫通する第1貫通孔46Aを形成し、この回転軸13における空間45A内に位置する部位に、軸心方向と直交する方向に貫通する第2貫通孔46Bを形成し、この第1貫通孔46Aと第2貫通孔46Bを連通させる。
図13、
図14に示すように、4つの支持棒15の内部には、その長手方向に貫通する第3貫通孔46Cを形成し、この第3貫通孔46Cの右側端部を上述の空間45Aに連通させる。
しかして、回転軸13に形成した第1貫通孔46Aと、4つの支持棒15に形成した第3貫通孔46Cの夫々に、丸棒状のヒーター(請求項の「第2加熱手段」)47を挿通して内蔵する。
【0058】
このヒーター47の構造は、上述のヒーター37,42と同様であり、鋼材から形成した丸パイプの内部に、絶縁体を介してコイル状の発熱線を内蔵し、このコイルの両端に接続された2本のリード線48A,48Bを、丸パイプの一端部から外部へ引き出したものである。
なお、回転軸13の第1貫通孔46Aに挿通したヒーター47の断面直径を、支持棒15の第3貫通孔46Cに挿通したヒーター47の断面直径よりも大きいものとし、より発熱量を大きいものとしている。
【0059】
図15に示すように、4つの支持棒15に内蔵したヒーター47から引き出される各2本のリード線48A,48Bのうち、一極側のリード線48Aの端部は、右側のプレート14の右側面に絶縁体49Aを介して取り付けた一極側導電板50Aに集中的に接続する。
また、他極側のリード線48Bの端部は、右側のプレート14の右側面に絶縁体49Bを介して取り付けた他極側導電板50Bに集中的に接続する。
【0060】
一極側導電板50Aと他極側導電板50Bには、回転軸13の右側端部から第1貫通孔46A内へ引き込まれ、第2貫通孔46Bを経て空間45A内に配策された供給リード線51A,51Bの一端部を接続する。
回転軸13に内蔵したヒーター47から引き出される2本のリード線48A,48Bは、回転軸13内の第1貫通孔46A内を経て回転軸13の右側端部から引き出される。
【0061】
このように配策された2本の供給リード線51A,51Bの他端部と、回転軸13に内蔵したヒーター47からの2本のリード線48A,48Bの端部は、水銀封入式の接点により通電状態を維持したまま相対回転自在なコネクター52に接続する。
このコネクター52には、上述の電源回路からコード53を介して電力が供給される。
【0062】
以上の構成により、回転軸13に内蔵したヒーター47と4つの支持棒15に内蔵したヒーター47の発熱線に電力が供給されると、これらのヒーター47からの熱伝導によって、回転軸13と4つの支持棒15に加え、支持棒15に支持された処理刃17までもが加熱されて昇温し、これらに接触した処理後の食品が軟化、または流動性を有するようになる。
なお、この処理部材12に内蔵したヒーター47の温度も任意に変更設定可能に構成するとよい。
【0063】
(補助台)
なお、
図1に示すように、補助台10は、枠組みされたフレーム54の下部の前後及び左右の部位に、転動および転向自在なキャスター55を備え、上端部に塊状食品の載置面56を備え、この載置面の左右両側に側面視で直角三角形上の落下防止板57を備える。
【0064】
(作業状態)
上述のように構成された食品加工装置2による作業状態について説明する。
操作ボックス29に備えたスイッチを操作して電動モーター23を始動させると、出力スプロケット25から伝動チェーン27を介して入力スプロケット26が駆動され、処理部材12が、
図4において半時計方向(
図5では時計方向)へ回転する。
この状態で、作業者が上述の補助台10上の塊状食品を前方へ押し出し、この塊状食品の前端部を上述の水平面上に移載し、この塊状食品を徐々に前傾させながら供給案内部材22の内部へ滑り落とす。
【0065】
供給案内部材22の前端部から処理室11の内部に進入した塊状食品の先端部は、処理部材12の外周部に配置された処理刃17によって切削ないし破砕される。
切削ないし破砕された食品は、案内板部33Bと左右の側部案内板33C,33Cの上に落下する。
【0066】
このとき、ヒーター(第1加熱手段)37,42によって後板33の案内板部33Bと左右の側部案内板33C,33Cが加熱されているため、この案内板部33Bと左右の側部案内板33C,33C上の食品が軟化し、または流動性を有するようになり、排出口20側へ円滑に案内されて排出される。
また、処理部材12を加熱するヒーター(第2加熱手段)47を設けた構成では、このヒーター47からの熱伝導によって、回転軸13と4つの支持棒15と処理刃17が加熱されて昇温し、これらに接触した処理中ないし処理後の食品が軟化し、または流動性を有するようになり、円滑に落下する。
【0067】
以上により、塊状食品の処理作業中に、切削ないし破砕された食品が、処理部材12や後板33の案内板部33Bおよび左右の側部案内板33C,33Cに付着しにくくなり、排出口20から円滑に排出される。
【0068】
(食品加工装置の別実施例)
図16~
図18に示す食品加工装置60は、上述の食品加工装置2と同様に、主に冷凍状態の塊状肉などの塊状食品を切削ないし破砕する装置である。
この食品加工装置60は、駆動部を内蔵した機台61の上部に、塊状食品を供給する供給部62を設け、この供給部62の後側に、供給部62に供給された塊状食品を前方へ押し出すエアシリンダーを備えた押出部63を設け、供給部62の前側に、押し出された塊状食品の先端部を切削ないし破砕して排出する処理部64を設けて構成する。
【0069】
(機台)
機台61は箱型に形成し、その内部に、後述する電動モーター65および電源回路(図示省略)を内蔵する。
この機台61の下部の四隅には、高さ調節可能なスタンド66を備える。
【0070】
なお、機台61の後部からL字形状の支持部材61Aを立ち上げ、この支持部材61Aの上端部に操作ボックス61Bを支持する。
この操作ボックス61Bに備えたスイッチ類によって、食品加工装置60の駆動状態が調節される。
【0071】
(供給部)
供給部62は、塊状食品を滑動自在に載置支持する支持面67を備え、この支持面67の上方および左右側方を覆う供給部カバー68を備える。
この供給部カバー68は、機台61の左側端部に配置したヒンジ69によって開閉自在に取り付ける。
この供給部カバー68を上方回動させて開放し、塊状食品を支持面67上に載置して供給する構成である。
なお、この供給部カバー68の上面には、開閉操作用の把持部材70を設ける。
【0072】
供給部62の後部と前部は常時開放し、供給部62の後部から、押出部63のエアシリンダーのピストン先端に取り付けた押出板(図示省略)が進入し、この押出板による押圧によって塊状食品が前方へ押し出される。
前方へ押し出された塊状食品の先端部は、供給部62の前部から、処理部64内へ進入する。
【0073】
(押出部)
押出部63は、長尺のエアシリンダー71を箱体72に内蔵して構成する。
エアシリンダー71のピストン先端には、上述の押圧板を取り付ける。
このエアシリンダー71を作動させる空気は、加工工場の圧縮空気供給設備から供給される。
なお、エアシリンダー71に替えて電動シリンダーを用いてもよい。
【0074】
(処理部および駆動部)
図16~18に示すように、処理部64は、左右の側壁と後壁と上壁によって囲われた空間内に、処理部材73を駆動回転自在に設けて構成する。
この処理部64の後部は開口し、上述の供給部62の前部に連通させる。
処理部64の下部は開放し、処理後の食品が排出される排出口74を形成する。
この排出口74の左右両側および後側には、排出口74に向かって下がり傾斜する案内板75を設ける。
【0075】
なお、処理部64の上壁76は、側面視で「へ」字状に屈折形成し、この処理部64の後側上部に設けたヒンジ77によって開放自在に取り付ける。
この上壁76の自由端部と処理部64の後壁との間にロック装置78を設け、上壁76の自由端部には開閉操作用の把持部材79を取り付ける。
【0076】
図19に示すように、処理部64の内部において、左右の側壁84,84の間に処理部材73の回転軸85を渡架し、この回転軸85の左右両端部を、左右の側壁84,84の夫々に設けた軸受86,86で回転自在に支持する。
この処理部64の左側部には、カバー87で覆われた伝動室88を設け、この伝動室88内における回転軸85の左端部に、入力スプロケット89を嵌合し、キー90で回り止めを施して取り付ける。
【0077】
上述の機台61に内蔵した駆動部には、電動モーター65を設ける。
すなわち、機台61側の支持板91の左側上部に支持台92をナット93で締結固定し、この支持台92に対して電動モーター65の左側下部をボルト94で締結固定して取り付ける。
この電動モーター65の出力軸95は伝動室88内に侵入させ、この出力軸95の端部に出力スプロケット96を嵌合し、キー97で回り止めを施して取り付ける。
この出力スプロケット96と上述の入力スプロケット89に、無端状の伝動チェーン88Aを巻き掛ける。
この電動モーター65は、上述の操作ボックス61Bに備えたスイッチ類の操作によって作動する。
【0078】
(処理刃)
しかして、
図19、
図20に示すように、上述の処理部材73には、円筒状の胴体98の左右の側壁99に回転軸85を貫通させて固定し、この胴体98の外周面に多数(本実施例では8枚だがこれに限定しない)の環状プレート100の内周を嵌合させて溶接固定して備える。
この多数の環状プレート100は、回転軸85の軸心方向に所定の間隔をおいて配置され、その周縁部の一部に処理刃101の端部を取り付ける凹部102と、処理刃101の中央部に対して内周側へ円弧状に退避した退避部103を形成する。
図21~
図27に示すように、上述の処理刃101は、刃縁を有しない下板101Aと、一側に刃縁を有する上刃板101Bと、下板101Aと上刃板101Bの間に配置され一側に刃縁を有する2枚の縦刃101Cから構成する。
【0079】
上述の下板101Aは、平板状の鋼材であり、その両端部にボルト挿通用の貫通孔(図示省略)を形成する。
上述の上刃板101Bは、平板状の鋼材を、その中間の部位が両端部に対して偏倚するように折り曲げて形成する。
これにより、上刃板101Bの中間の部位を、平板状を維持した上刃部101BAとし、この上刃部101BAの左右両端部から左右の端部101BB,101BBにかけて傾斜した部位を、傾斜部101BCとして形成する。
上刃部101BAにおける一側の縁部には、正面視および平面視で直線状の刃縁101BDを形成する。
【0080】
上述の縦刃101Cは、側面視で直角三角形上に近似した縦板部101CAの前下がり傾斜縁部に刃縁101CBを形成する。
図27に示すように、この縦刃101Cの下部には、下板101Aに形成した長孔に嵌合する下側取付部101CCを一体形成し、この縦刃101Cの上部には、上刃板101Bの下面に形成した溝に嵌合する上側取付部101CDを一体形成する。
【0081】
以上の構成により、まず、下板101Aに間隔をおいて形成した2つの長孔に、2枚の縦刃101Cの下部に形成した下側取付部101CCを挿し込んで嵌合する。
この状態で、上刃板101Bを、その下面に間隔をおいて形成した2つの溝に2枚の縦刃101Cの上部に形成した上側取付部101CDを嵌合させながら、下板101Aの左右両端部上に、上刃板101Bの左右の端部101BB,101BBを重合させる。
【0082】
そして、
図28に示すように、上刃板101Bの左右の端部101BB,101BBと、下板101Aの左右両端部とに形成したボルト挿通孔にボルト104,104を挿通し、環状プレート100に固定した雌螺子部材105,105(
図20では省略)に螺合して締結固定する。
これによって、処理刃101が、隣接する3枚の環状プレート100に対して、左右両端部の環状プレート100に固定され、回転軸85の軸心に直交する方向(処理刃101の回転方向)から見て、中央の環状プレート100が左右の縦刃101C,101Cの間に位置する。
【0083】
図29に示すように、回転軸85の軸心方向から見て、上刃板101Bにおける刃縁101BDから上刃板101Bの下面に至る傾斜面と、縦刃101Cの刃縁101CBとの間には、横倒れしたV字形状の導入空間101Kが形成される。
この導入空間101Kは、上述の中央の環状プレート100の凹部102における、この環状プレート100の外周円の仮想延長線上に位置する。
これによって、中央の環状プレート100の外周面に当接した塊状食品の先端部が、この環状プレート100の外周面によって案内されながら、上刃板101Bの刃縁101BDで切断ないし切削されて導入空間101K内に導入され、この導入空間101Kの奥側端部に至る間に、この食品片が2枚の縦刃101C,101Cの刃縁101CB,101CBで細断される。
【0084】
すなわち、上刃板101Bの刃縁101BDで切断ないし切削された食品片は、上刃板101Bと下板101Aの間において2枚の縦刃101C,101Cで仕切られた3つの通過空間101Pを通過するときに細断(破砕)されて排出され、処理刃101の周回方向の上流側へ抜け出て落下する。
これによって、処理後の食品片の詰まりが少なくなる。
【0085】
なお、縦刃101Cの刃縁101CBの先端部を、環状プレート100の外周円の仮想延長線上と同じ位置に配置してもよい。
また、この食品片の通過空間101Pからの排出を促進するために、下板101Aと上刃板101Bの後端面(処理刃101の周回方向上流側端の端面)を、後端側ほど互いに拡開するように傾斜させて形成してもよい。
【0086】
また、
図30に示すように、処理刃101の内周側における左右に隣接する環状プレート100,100の間にわたって、プレート106を溶接固定して設けてもよい。
このプレート106の中間部は平板状に形成し、このプレート106の前端部(処理刃101の周回方向下流側の端部)および後端部を、処理刃101の内周側の位置において外周側へ指向する方向へ屈折させて傾斜面とし、側面視で凹状の退避部103を形成する。
これにより、処理刃101で切削ないし破砕された食品片が、プレート106に受けられ、このプレート106の後端部の傾斜面によって外周方向へ円滑に押し出すことができる。
【0087】
また、
図31に示すように、上述のプレート106を、回転軸85の軸心方向視において円弧状に湾曲させた形状としてもよい。
これにより、退避部103の容積を拡大しながらも、この退避部103に入った食品片を円弧状の面によって外周方向へ円滑に押し出すことができる。
【0088】
(補助台)
なお、
図16~
図18に示すように、食品加工装置2における供給部62の右側方には、処理前の塊状食品を載置する補助台80を配置する。
この補助台80は、機枠81の上部に塊状食品を載置する支持面82を備え、機枠81の下部に転動自在なキャスター83を備えて構成する。
この補助台80の支持面82上に載置された塊状食品を、作業者によって食品加工装置2の供給部62へ供給する構成である。
【符号の説明】
【0089】
4 機体
11 処理室
12 処理部材
13 回転軸
15 支持棒(支持部材)
17 処理刃
20 排出口
21 供給口
22 供給案内部材
30 前部キャスター(支持脚)
33B 案内板部(案内部材、第2案内板)
33C 側部案内板(案内部材、第1案内板)
37 ヒーター(第1加熱手段)
42 ヒーター(第1加熱手段)
47 ヒーター(第2加熱手段)