IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社メディカの特許一覧

<>
  • 特開-健康器具 図1
  • 特開-健康器具 図2
  • 特開-健康器具 図3
  • 特開-健康器具 図4
  • 特開-健康器具 図5
  • 特開-健康器具 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176502
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】健康器具
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20221122BHJP
   A61F 5/01 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
A61H39/04 H
A61F5/01 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082972
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】515210086
【氏名又は名称】株式会社メディカ
(74)【代理人】
【識別番号】100101867
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 寿武
(72)【発明者】
【氏名】片根 文男
【テーマコード(参考)】
4C098
4C101
【Fターム(参考)】
4C098BB05
4C098BC39
4C098BC42
4C101BA01
4C101BB05
4C101BC09
4C101BE01
4C101BE09
(57)【要約】
【課題】 腰椎を反らした姿勢のまま、腰椎周りに腰部を容易にねじることのできる腰痛緩和に適した健康器具を提供する。
【解決手段】 支軸12を中心に回動する複数の腰部支え部材11が、支軸12に沿って並べて設けてある。これら複数の腰部支え部材11は、それぞれ軸受孔を有し、隣接する各腰部支え部材11の間にスペーサ13を介して隙間を形成した状態で、軸受孔に支軸12を挿通して組み合わされている。複数の腰部支え部材11の上面には、クッション部材が配置される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支軸を中心に回動する複数の腰部支え部材を、前記支軸に沿って並べて設けた構成を含むことを特徴とする健康器具。
【請求項2】
前記複数の腰部支え部材の上面に配置するクッション部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の健康器具。
【請求項3】
前記複数の腰部支え部材は、それぞれ軸受孔を有し、隣接する各腰部支え部材の間にスペーサを介して隙間を形成した状態で、前記軸受孔に前記支軸を挿通して組み合わされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の健康器具。
【請求項4】
前記複数の腰部支え部材は、それぞれ床面に配置した状態で、一部が当該床面に接触する円弧面を有し、前記支軸を中心に回動したとき、前記円弧面に沿って前記床面との接触部が移動する構成としてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の健康器具。
【請求項5】
前記複数の腰部支え部材は、それぞれ上面に使用者の腰部を載せるための湾曲凹部を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の健康器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腰痛の緩和に好適な健康器具に関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛を緩和させる従来器具として、例えば、特許文献1又は2に記載のものが知られている。これらの従来器具は、いずれも床面に配置して、使用者が仰向けの姿勢で腰部を当該器具に載せることで、腰椎を反らしてのストレッチ効果と、腰痛のツボに対する指圧効果とを発現させる構成となっている。
【0003】
さらに、各特許文献に記載の従来器具は、本体に複数の穴が設けられ、突起物や押圧体を差し込む穴を任意に選択することで、これら突起物や押圧体が使用者の腰部を押圧する位置を調整できる構成が付加されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-97684号公報
【特許文献2】実用新案登録第3214028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、本発明者は、腰痛の緩和について鋭意研究を重ねた結果、腰椎周りに腰部をねじるような動作を加えることで、腰痛の顕著な緩和を期待できることを発見した。
しかしながら、上述した従来器具では、腰部をねじると突起物や押圧体が腰痛のツボからずれてしまうため、腰部をねじる動作には適さない。しかも腰部に自重が作用して腰椎を反らした状態では、腰部をねじる動作を使用者自身の筋力で行うことが難しい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、腰椎を反らした姿勢のまま、腰椎周りに腰部を容易にねじることのできる健康器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の健康器具は、支軸を中心に回動する複数の腰部支え部材を、支軸に沿って並べて設けた構成を含むことを特徴とする。
使用者は、仰向けの姿勢で腰部支え持部材の上に腰部を載せて、腰椎を反らした姿勢を形成する。この姿勢のまま、使用者が腰椎周りに腰部をねじると、人体の動きに合わせて複数の腰部支え部材が各々回動する。このように複数の腰部支え部材が各々回動することで、腰部のねじり動作に対する抵抗(摩擦抵抗など)が少なくなる。その結果、使用者自身で腰部のねじり動作を容易に行うことが可能となる。
【0008】
本発明は、さらに複数の腰部支え部材の上面に、クッション部材を配置した構成とすることもできる。
【0009】
また、複数の腰部支え部材は、それぞれ軸受孔を有し、隣接する各腰部支え部材の間にスペーサを介して隙間を形成した状態で、軸受孔に支軸を挿通して組み合わせた構成とすることができる。
【0010】
また、複数の腰部支え部材は、それぞれ床面に配置した状態で、一部が当該床面に接触する円弧面を有し、支軸を中心に回動したとき、円弧面に沿って床面との接触部が移動する構成とすることができる。
【0011】
また、複数の腰部支え部材は、それぞれ上面に使用者の腰部を載せるための湾曲凹部を有した構成とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の健康器具によれば、腰椎を反らした姿勢のまま、腰椎周りに腰部を容易にねじることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る健康器具の外観を示す斜視図である。
図2図1に示した健康器具の器具本体を示す斜視図である。
図3図2に示した器具本体の平面図である。
図4図2に示した器具本体の構成要素を示す図で、(a)は複数の腰部支え部材を示す平面図、(b)は腰部支え部材の正面図、(c)はスペーサの平面図、(d)はスペーサの正面図、(e)は支軸の平面図である。
図5図4(b)に示した腰部支え部材の詳細構造を説明するための拡大正面図である。
図6図1に示した健康器具のクッション部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る健康器具は、腰痛の緩和を目的として使用されるものであり、図1に示すように、器具本体10とクッション部材20とを備えている。
【0015】
器具本体10は、図2及び図3に示すように、複数の腰部支え部材11と、支軸12と、円筒状に形成した複数のスペーサ13とで構成されている。これらの各構成要素は、図4(a)~(e)に示すように分解することができる。
【0016】
複数の腰部支え部材11には、図4(b)に示すように、幅方向の中央部に軸受孔11aが穿設してあり、この軸受孔11aに図4(e)に示す支軸12を挿通することで回動自在に組み合わされる。このとき、隣接する腰部支え部材11の間に、図4(c)に示すスペーサ13を介在させることで、隙間が形成される。これにより、隣接する腰部支え部材11の対向面が接触せず摩擦抵抗を小さくして、滑らかに個々の腰部支え部材11を回動させることができる。
支軸12は、図4(e)に示すように、一端に頭部12aが設けられ、他端はねじ部12bを形成している。そして、複数の腰部支え部材11とスペーサ13を支軸12に外嵌した後、他端のねじ部12bにナット部材14を締結することで、図2及び図3に示すような器具本体10が組み立てられる。
【0017】
複数の腰部支え部材11は、図4(a)(b)に示すように、それぞれ任意の厚さを有する板状体で構成され、木材、合成樹脂、金属など各種の材料を用いて製作することができる。図4(a)では、複数の腰部支え部材11を同じ厚さに形成してあるが、これに限定されず、必要に応じて各腰部支え部材11を一部又は全部が異なる任意の厚さ寸法に設定することもできる。
【0018】
複数の腰部支え部材11は、幅方向中央部における軸受孔11aの中心部oから底部aまでの高さHaをほぼ同じ寸法に設定して、各腰部支え部材11の当該底部aが床面に接するように調整してある(図5参照)。
【0019】
また、複数の腰部支え部材11は、図5に示すように底面を円弧面11bに形成してある。各腰部支え部材11は、ほぼ同じ曲率の円弧面11bで底面が形成され、支軸12を中心にそれぞれ回動したとき、各腰部支え部材11部における床面との接触部(底面の一部)が当該円弧面11bに沿って移動する構成としてある。これにより、各腰部支え部材11部がそれぞれ個別に回動しても床面から浮き上がることなく、各腰部支え部材11部に作用する使用者の体重を床面に伝えることができるので、がたつきなく長期間の使用に耐えることが可能となる。
【0020】
また、複数の腰部支え部材11は、図5に示すように上面に湾曲凹部11cを形成してあり、使用者の腰部を当該湾曲凹部11cで支えて保持する構成となっている。これにより、各腰部支え部材11によって使用者の腰部を安定して支持することができる。しかも、腰部のねじる動作を行った際にも、使用者の腰部を湾曲凹部11cが保持するため、各腰部支え部材11からの腰部の脱落を防止することができる。
【0021】
クッション部材20は、例えば、図6に示すように、内部が中空の袋体21と、手動の空気ポンプ22とで構成することができる。同図のクッション部材20は、空気ポンプ22の操作により袋体21の内部に空気を送り、適宜の膨らみを形成することでエアクッションとして機能する。空気ポンプ22は、逆止弁22aを開放することで袋体21の内部に充填して空気を適宜排気することもできる。
なお、クッション部材20は、これに限定されるものではなく、例えば、スポンジや綿などの柔軟性を有する材料を袋体21の内部に詰めた構成とすることもできる。
【0022】
クッション部材20は、複数の腰部支え部材11の上面に配置され、使用者の腰部を柔らかく保持する機能を有している。クッション部材20は、面ファスナーなどの結合部材により各腰部支え部材11の上面に結合して、使用中の位置ずれを防止する構成とすることが好ましい。本実施形態では、図2及び図3に示すように、面ファスナーの一方23を各腰部支え部材11の上面に設けてあり、クッション部材20の底面に設けた面ファスナーの他方(図示せず)をこれらに結合する構成としてある。
【0023】
次に、本実施形態に係る健康器具の使用方法を説明する。
健康器具は床面に配置しておく。使用者は、仰向けになって腰部をクッション部材20の上に載せる。これにより、健康器具の高さだけ使用者の腰部が持ち上げられて、腰椎を反らした姿勢が保持されるので、ストレッチ効果による腰痛の緩和を期待することができる。
さらに、腰椎を反らした姿勢のまま、腰椎周りに腰部をねじるような動作を加えることで、腰痛の緩和をいっそう期待することができる。腰部をねじる動作は、使用者自身で行われるが、当該ねじり動作に合わせて複数の腰部支え部材11が個別に回動する。このように複数の腰部支え部材11が各々回動することで、腰部のねじり動作に対する抵抗が少なくなる。その結果、使用者自身で腰部のねじり動作を容易に行うことが可能となる。
一方、腰部支え部材11が回動せず固定されたままの状態を想定すると、腰部のねじり動作に対して、クッション部材20と使用者の人体又は衣服との間に摩擦抵抗が生じるため、当該腰部のねじり動作に大きな筋力が必要となる。これに対して、本発明の健康器具によれば、例えば筋力の衰えた高齢者であっても腰部のねじり動作を容易に行うことが可能となる。
【0024】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施や応用実施が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0025】
10:器具本体、11:腰部支え部材、11a:軸受孔、11b:円弧面、11c:湾曲凹部、12:支軸、12a:頭部、12b:ねじ部、13:スペーサ、14:ナット部材、
20:クッション部材、21:袋体、22:空気ポンプ、22a:逆止弁、23:面ファスナーの一方
図1
図2
図3
図4
図5
図6