(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176543
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】菓子用チューブ、菓子キット、ティーキット、及びティーキットの使用方法
(51)【国際特許分類】
A23G 3/28 20060101AFI20221122BHJP
A23G 3/54 20060101ALI20221122BHJP
A21D 13/80 20170101ALI20221122BHJP
A23F 3/16 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
A23G3/28
A23G3/54
A21D13/80
A23F3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083031
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】514243335
【氏名又は名称】株式会社ドリス
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】三宅 良仁
【テーマコード(参考)】
4B014
4B027
4B032
【Fターム(参考)】
4B014GB11
4B014GG17
4B014GQ04
4B014GU26
4B027FB30
4B027FE09
4B027FP90
4B032DB05
4B032DE06
4B032DK32
4B032DP55
(57)【要約】
【課題】ケーキ及び/又は菓子を装飾することのできる菓子用チューブを提供する。
【解決手段】菓子用チューブ1は、変形可能なチューブ本体部2と、チューブ本体部2の先端に取り付けられる絞り口部3であって、複数の孔31、・・・が形成された絞り口部3と、絞り口部3を開閉可能に封鎖する蓋部4と、チューブ本体部2に封入されるクリームペースト5であって、絞り口部3から複数の筋状に絞り出される、クリームペースト5と、から構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形可能なチューブ本体部と、
前記チューブ本体部の先端に取り付けられる絞り口部であって、複数の孔が形成された絞り口部と、
前記絞り口部を開閉可能に封鎖する蓋部と、
前記チューブ本体部に封入されるクリームペーストであって、前記絞り口部から複数の筋状に絞り出される、クリームペーストと、から構成される、菓子用チューブ。
【請求項2】
請求項1に記載された、菓子用チューブと、
前記クリームペーストが絞り出される菓子と、
から構成される、菓子キット。
【請求項3】
前記クリームペーストは、モンブランケーキ用のマロンクリームペーストであるとともに、前記菓子はモンブランケーキ用の土台である、請求項2に記載された、菓子キット。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載された菓子キットと、
茶葉が封入されたティーバッグと、から構成される、ティーキット。
【請求項5】
請求項4に記載されたティーキットの使用方法であって、
前記菓子キットと前記ティーバッグを準備する工程と、
前記ティーキットを所定の使用場所まで配送する工程と、
使用場所において前記クリームペーストが前記絞り口部から前記菓子の上に複数の筋状に絞り出される工程と、
前記ティーバッグを用いて茶をいれる工程と、
を備える、ティーキットの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の菓子用チューブと、菓子キットと、ティーキットと、ティーキットの使用方法と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、スポンジケーキ材料と、組み立て式の焼き型とからなる組み立てケーキ焼き型を組み合わせたスポンジケーキセットが知られている。このようなスポンジケーキセットを用いれば、家庭内においても容易に味の良いスポンジケーキが製造できる、とされている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来の技術は、スポンジケーキを製造することができる一方で、このスポンジケーキを装飾することはできなかった。そのため、家庭内でケーキや菓子を装飾する場合には、クリームや絞り口などを別途に購入して準備しておく必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、ケーキ及び/又は菓子を装飾することのできる菓子用チューブを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の菓子用チューブは、変形可能なチューブ本体部と、前記チューブ本体部の先端に取り付けられる絞り口部であって、複数の孔が形成された絞り口部と、前記絞り口部を開閉可能に封鎖する蓋部と、前記チューブ本体部に封入されるクリームペーストであって、前記絞り口部から複数の筋状に絞り出される、クリームペーストと、から構成される。
【発明の効果】
【0007】
このように、本発明の菓子用チューブは、チューブ本体部と、複数の孔が形成された絞り口部と、蓋部と、絞り口部から複数の筋状に絞り出されるクリームペーストと、から構成されている。このような構成の菓子用チューブであれば、絞り口部から複数の筋状にクリームペーストが絞り出されることによって、きわめて簡単にケーキ及び/又は菓子を装飾することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】菓子用チューブの構成を説明する説明図である。
【
図2】ティーキットの構成を説明する説明図である。
【
図3】ティーキットの使用方法を説明するフロー図である。
【
図4】菓子用チューブの作用を説明する作用図である。
【
図5】変形例の複数の孔の構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例0010】
(菓子用チューブの構成)
まず、
図1を用いて本発明の菓子用チューブ1の構成を説明する。本発明の菓子用チューブ1は、チューブ本体部2と、絞り口部3と、蓋部4と、クリームペースト5と、から構成されている。なお、以下の実施例では、「菓子用」チューブ1と表記するが、装飾される菓子(6)としては、スポンジケーキ、カップケーキ、タルトなどのいわゆる「土台」も含まれる。
【0011】
チューブ本体部2は、ラミネートチューブ、共押出多層チューブ、スタンド型パウチなどの変形可能な素材(合成樹脂)から円筒状に形成されており、一方の端部2aは圧着されて封鎖され、他方の端部2bには絞り口部3が取り付けられている。
【0012】
絞り口部3は、チューブ本体部2と一体に形成されており、チューブ本体部2の他方の端部2bに配置されている。絞り口部3は、チューブ本体部2とは別体として形成して後付けされるものであってもよい。絞り口部3は、全体として、円筒容器形状にされており、底面には複数の孔31、・・・が配置されている。
【0013】
より具体的に言うと、複数の孔31、・・・は、例えば、5つの孔31、・・・が1列に配置されていたり、2列に配置されていたりすることが好ましい。なお、この複数の孔31、・・・の配列は、整列されたものに限定されるものではなく、ランダムに配置されていてもよい。さらに、複数の孔31、・・・は、
図5の変形例に示すように、複数行かつ複数列の複数の微細な孔31、・・・として構成することもできる。このように構成することによって、一度に多量の筋状のクリームペースト5を絞り出すことができる。
【0014】
この複数の孔31、・・・から、チューブ本体部2の内部に封入されたクリームペースト5を、複数の筋状に吐出することで、菓子(6)に趣のある外観を施すことができるようになっている。すなわち、クリームペースト5は一度の絞り出し動作によって、複数の孔31、・・・を通じて隣接する複数列の筋状(ひも状、糸状)に絞り出される。
【0015】
蓋部4は、絞り口部3の外径よりひと周り大きい円筒容器形状とされており、絞り口部3を開閉可能に封鎖している。すなわち、蓋部4の内面と絞り口部3の外面が接触することで、内部に封入されたクリームペースト5が漏れ出ないようになっている。なお、蓋部4は、一部が絞り口部3と繋がって一体に形成されるものであってもよい。
【0016】
クリームペースト5は、チューブ本体部2に封入されているクリーム状のペーストである。クリームペースト5としては、例えば、モンブランケーキ用のマロンクリームペーストを用いることができる。なお、クリームペースト5には、保存のために防腐剤を添加することができる。さらに、クリームペースト5は、チューブ本体部2に封入された状態で冷凍することも可能である。なお、クリームペースト5としては、栗(マロンペースト)に限定されるものではなく、いちご、マンゴー、ぶどう等のペーストとすることも好ましい。
【0017】
(菓子キットの構成)
そして、上述した菓子用チューブ1と、クリームペースト5によって装飾される菓子6と、によって菓子キットCが構成されている。この菓子キットCの使用方法についても、後述するティーキットKと略同様に、
1)菓子用チューブ1と菓子6とを準備する工程(ステップS1)と、
2)菓子キットCを所定の使用場所まで配送する工程(ステップS2)と、
3)使用場所においてクリームペースト5が絞り口部3から菓子6の上に複数の筋状に絞り出される工程(ステップS3)と、から構成することができる。このように菓子キットCを構成すれば、家庭内においても、容易にモンブラン等を楽しむことができる。
【0018】
菓子6としては、例えば、装飾されるスポンジケーキ、タルト、カップケーキ、焼き菓子、サンドウィッチ、スイートポテト、セサミスティック、プチメンドルケーキ、クッキー、スコーン等を含むことができる。
【0019】
特に、本実施例では、菓子用チューブ1のクリームペースト5としてモンブランケーキ用のマロンクリームを用いるとともに、菓子6としてモンブランケーキ用の土台を用いることが好ましい。この場合、土台としては、タルトやスポンジケーキを用いることが好ましい。
【0020】
(ティーキットの構成)
そして、上述した菓子用チューブ1と、クリームペースト5によって装飾される菓子6と、茶葉が封入されるティーバッグ7と、によって、ティーキットKが構成されている。すなわち、ティーキットKは、菓子キットCとティーバッグ7とから構成されている。この他、ティーキットKは、これらを個別に収納することのできる、意匠の施された箱81に収納することができる。
【0021】
このうち菓子6としては、例えば、装飾されるスポンジケーキ、カップケーキ、焼き菓子、サンドウィッチ、スイートポテト、セサミスティック、プチメンドルケーキ、クッキー、スコーン等を含むことができる。
【0022】
また、ティーバッグ7には、様々な種類の紅茶、オリジナルにブレンドされたティーを含む茶葉など(ショウガ粉末等も含む)を封入することができる。この他、ティーバッグ7と湯を入れるための紙コップ82を備えることも好ましい。
【0023】
(使用方法)
次に、
図3、
図4を用いて、本実施例のティーキットKの使用方法について説明する。使用方法は、以下の1)~4)の各ステップから構成される。
1)菓子用チューブ1と菓子6とティーバッグ7を準備する工程(ステップS1)
すなわち、ティーキットK(菓子キットC及びティーバッグ7)を準備して梱包する工程である。
2)ティーキットKを所定の使用場所まで配送する工程(ステップS2)
例えば、宅配よって、ティーキットKを個別の家庭まで届ける工程である。
3)使用場所においてクリームペースト5が絞り口部3から菓子6の上に複数の筋状に絞り出される工程(ステップS3)
つまり、チューブ本体部2を手で握ることによって、先端の絞り口部3の複数の孔31、・・・から複数の筋状(ひも状)にクリームペースト5が一部の菓子6の上に絞り出される(
図4参照)。これによって、ケーキや菓子6等を装飾することができる。
4)ティーバッグ7を用いて茶をいれる工程(ステップS4)
すなわち、ポットやカップの中に湯を入れて、ティーバッグ7を浸す工程である。所定時間経過後に、ティーバッグ7を取り出して紅茶を飲むことになる。
【0024】
このようにして、本実施例のティーキットKを用いれば、家庭内において簡単にティーを優雅に楽しむことができる。なお、紅茶の茶葉の種類は、家庭内にあるものを使用することももちろん可能である。
【0025】
(効果)
次に、本実施例の菓子用チューブ1、菓子キットC、及びティーキットKの奏する作用を列挙して説明する。
【0026】
(1)上述してきたように、本実施例の菓子用チューブ1は、変形可能なチューブ本体部2と、チューブ本体部2の先端に取り付けられる絞り口部3であって、複数の孔31、・・・が形成された絞り口部3と、絞り口部3を開閉可能に封鎖する蓋部4と、チューブ本体部2に封入されるクリームペースト5であって、絞り口部3から複数の筋状に絞り出される、クリームペースト5と、から構成されている。このような構成の菓子用チューブ1であれば、絞り口部3から複数の筋状にクリームペースト5が絞り出されることによって、きわめて簡単にケーキ及び/又は菓子(6)を装飾することができる。
【0027】
(2)また、本実施例の菓子キットCは、上述した菓子用チューブ1と、クリームペースト5が絞り出される菓子6と、から構成される。このように構成すれば、従来は装飾することが困難であったモンブランケーキなど、宅配中に崩れてしまうようなケーキであっても、家庭内で楽しみながら装飾することができる。
【0028】
(3)さらに、本実施例の菓子キットCは、チューブ本体部2に封入されたクリームペースト5は、モンブランケーキ用のマロンクリームペーストであることが好ましい。さらに、菓子6は、モンブランケーキ用の土台(スポンジケーキ等)であることが好ましい。そうすれば、土台に複数の筋状のクリームペースト5を絞り出すことによって、きわめて簡単にモンブランケーキを楽しむことができる。
【0029】
(4)また、ティーキットKは、上述した菓子キットC(菓子用チューブ1及び菓子6)と、茶葉が封入されたティーバッグ7と、から構成されている。このような構成であれば、特別に準備することなく、きわめて簡単にティーを楽しむことができる。
【0030】
(5)そして、本実施例のティーキットKの使用方法は、上述したティーキットKの使用方法であって、菓子キットCとティーバッグ7を準備する工程と、ティーキットKを所定の使用場所まで配送する工程と、使用場所においてクリームペースト5が絞り口部3から菓子6の上に複数の筋状に絞り出される工程と、ティーバッグ7を用いて茶をいれる工程と、を備えている。このように構成すれば、従来は装飾することが困難であったモンブランケーキなど、宅配中に崩れてしまうようなケーキであっても、家庭内で楽しみながら装飾することができる。
【0031】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0032】
例えば、実施例では、クリームペースト5によって装飾される対象を「菓子6」と表現したが、この表現に限定されるものではなく、ケーキや焼き菓子なども「菓子6」の概念に含まれる。