(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176544
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
B66B 29/00 20060101AFI20221122BHJP
B66B 31/00 20060101ALN20221122BHJP
【FI】
B66B29/00 B
B66B31/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083032
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽我 宗則
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA05
3F321EA14
3F321EB03
3F321EC07
3F321HA04
(57)【要約】
【課題】駆動大スプロケットと駆動小スプロケットの間に配された前記上側の部分の駆動チェーンの弛み量を測定することにより、前記下側の部分の駆動チェーンの弛み量も測定できる乗客コンベアを提供する。
【解決手段】駆動大スプロケット36が踏段14の上昇方向に回転して停止したときに、駆動大スプロケット36を下降方向に、踏段14が移動しない角度だけモータ22で回転させた後に、直流制動させてモータ22をロックし、弛み量測定装置40で前記上側の部分の駆動チェーン38aの弛み量Sを測定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、
前記トラスの後部に設けられたモータと、
前記モータを駆動するインバータ制御回路と、
前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、
複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、
前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、
前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、
前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、
前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、
を有することを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記駆動大スプロケットの回転角度を測定する角度センサを有し、
前記制御手段は、前記角度センサの測定角度が所定角度になったときに、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットが回転したとする、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記制御手段は、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットを回転させるときに、前記モータが通常運転のときに回転する回転速度より遅い回転速度で回転させる、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記制御手段は、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットを回転させるときに、前記モータのトルクを、前記踏段に乗客が乗っていても前記踏段が前記乗客の重さで下降しない大きさとする、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記制御手段は、前記モータが前記第2方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動小スプロケットから前記駆動大スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータが停止した状態で前記弛み量測定手段によって前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記弛み量測定手段は、
前記トラスの上部に設けられた軸を中心に回転自在に吊り下げられた押さえレバーと、
前記押さえレバーに取り付けられ、自重によって前記上側の部分の前記駆動チェーン上に載置された押さえ部材と、
前記押さえレバー又は前記押さえ部材の移動距離を、前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量として測定する弛み量センサと、
を有する請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記乗客コンベアがエスカレータのときは、
前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動するときに、前記踏段が前記トラスの前部から後部に上昇する、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項8】
前記乗客コンベアが動く歩道のときは、
前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動するときに、前記踏段が前記トラスの前部から後部に移動する、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
乗客コンベアの踏段は、踏段チェーンにより循環移動し、この踏段チェーンは踏段スプロケットにより駆動される。踏段スプロケットには、駆動大スプロケットが同軸に取り付けられている。一方、踏段の駆動機構であるモータの出力側には、駆動小スプロケットが取り付けられ、上記した駆動大スプロケットとの間に無端状の駆動チェーンが架け渡されている。これにより、モータが回転すると、駆動小スプロケット、駆動大スプロケット、踏段スプロケットが回転して、踏段が移動する。
【0003】
上記した無端状の駆動チェーンは、経年変化により伸びてくるため、乗客コンベアの保守点検の際に駆動チェーンの弛み量を測定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような駆動チェーンの伸びによる弛みが発生する位置は、運転方向により異なるため、駆動大スプロケットの上外周部と駆動小スプロケットの上外周部の間に配された上側の部分の駆動チェーンと、駆動大スプロケットの下外周部と駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分の駆動チェーンの上下両方の弛み量を測定する必要がある。
【0006】
そのため、従来、上下それぞれの弛み量を測定するセンサを、2箇所に設置する必要があるという問題点があった。特に、下側の部分の駆動チェーンの弛み量を測定するためのセンサを取り付けるためのスペースが、機械室内に少ないという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、駆動大スプロケットと駆動小スプロケットの間に配された前記上側の部分の駆動チェーンの弛み量を測定することにより、下側の部分の駆動チェーンの弛み量も測定できる乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、前後方向に配されたトラスと、前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、前記トラスの後部に設けられたモータと、前記モータを駆動するインバータ制御回路と、前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、を有することを特徴とする乗客コンベアである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態を示すエスカレータの側面全体図である。
【
図3】踏段が上昇運転しているときの駆動大スプロケットと駆動小スプロケットの説明図である。
【
図4】踏段が下降運転しているときの駆動大スプロケットと駆動小スプロケットの説明図である。
【
図5】駆動チェーンの弛み量の測定に関わるエスカレータの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態である乗客コンベアについて、
図1~
図6を参照して説明する。本実施形態では、乗客コンベアとしてエスカレータ10で説明する。
【0011】
(1)エスカレータ10の構造
エスカレータ10の構造について
図1を参照して説明する。
図1に示すように、エスカレータ10のトラス12は、建屋の上階床1と下階床2との間に設置されている。この明細書において、トラス12の長手方向を前後方向とし、上階床1から下階床2を見下ろす方向で上階床1が後側、下階床2が前側として説明する。このトラス12の内部には、無端状に連結された複数の踏段14が設けられている。トラス12の上面の左右両側部には左右一対の欄干16,16が設けられ、左右一対の欄干16,16の周縁部には、手摺りベルト18,18がそれぞれ設けられている。
【0012】
図1及び
図2に示すように、トラス12の上階側(後部側)には機械室20が設けられ、この機械室20の内部には、エスカレータ10の駆動源であるモータ22、減速装置24、モータ22の回転を停止させるディスク式の電磁ブレーキ74が設けられ、減速装置24の出力側に駆動小スプロケット26が設けられている。上階側の機械室20の内部には、左右一対の踏段スプロケット30が水平な回転シャフト42を中心に回転自在に設けられ、下階側の機械室32の内部にも左右一対の踏段スプロケット34が回転自在に設けられている。左右一対の踏段スプロケット30,30と左右一対の踏段スプロケット34,34との間には、左右一対の無端状の踏段チェーン28,28がそれぞれ架け渡されている。左右一対の踏段チェーン28,28には、複数の踏段14が順番に取り付けられている。
【0013】
これらの図に示すように、上階側の機械室20の内部において駆動小スプロケット26より大径の駆動大スプロケット36が、回転シャフト42によって踏段スプロケット30と同軸に設けられている。駆動大スプロケット36と駆動小スプロケット26との間には、無端状の駆動チェーン38が架け渡されている。ここで、駆動大スプロケット36の上外周部と駆動小スプロケット26の上外周部との間に配された駆動チェーン38を、「上側の部分の駆動チェーン38a」と呼び、駆動大スプロケット36の下外周部と駆動小スプロケット26の下外周部との間に配された駆動チェーン38を、「下側の部分の駆動チェーン38b」と呼ぶ。この前記上側の部分の駆動チェーン38aの弛み量Sを測定するための弛み量測定装置40が設けられている。この弛み量測定装置40については後から詳しく説明する。
【0014】
また、上階側の機械室20の内部には、エスカレータ10の制御装置68が設置されている。
【0015】
(2)弛み量測定装置40
次に、弛み量測定装置40について
図2を参照して説明する。上階側の機械室20を構成するトラス12の上部の前後方向にある左右一対の枠体44,44の間には、梁46が左右方向に設けられている。この梁46は、駆動大スプロケット36の斜め上方に位置している。この梁46には、軸48を介して押さえレバー52が吊り下げられ、押さえレバー52の下端部には押さえ部材(シュー)54が設けられている。
【0016】
この押さえ部材54は、連結板56とすり板60を有している。連結板56は、前記上側の部分の駆動チェーン38aの前後方向に沿って長い長方形の板材であって、ピン58を介して押さえレバー52の下端部に回転自在に吊り下げられている。すり板60は、ゴムや合成樹脂よりなり、前記上側の部分の駆動チェーン38aの上に直接載置されている。
【0017】
押さえレバー52の下部から上方に向かって板状の金属製の支持部材62が上方に突出している。この金属板よりなる支持部材62は、軸48を中心とした円弧状に湾曲している。支持部材62の上端部には金属板よりなる検出板64が設けられている。検出板64は、押さえレバー52の移動と共に移動する。一方、梁46が取り付けられている枠体44の近傍には、光電センサよりなる弛み量センサ50が設けられている。この弛み量センサ50は、検出板64までの距離を測定する。
【0018】
駆動大スプロケット36の上方に位置する枠体44には、近接センサよりなる角度センサ66が設けられている。駆動大スプロケット36が回転するとその外周部に等角度毎にある歯も回転するため、この角度センサ66は、所定時間内に検出する歯の数をカウントし、このカウントした歯の数を駆動大スプロケット36の回転角度とみなすものである。なお、踏段14が上方または下方に移動はしないが、駆動大スプロケット36が回転できる回転角度(歯の数)を予め求めておく。
【0019】
(3)エスカレータ10の電気的構成
駆動チェーンの弛み量の測定に関するエスカレータ10の電気的構成について、
図5のブロック図を参照して説明する。
【0020】
エスカレータ10の制御を行う制御装置68には、モータ22を駆動させるモータ駆動装置70、電磁ブレーキ74、弛み量測定装置40の弛み量センサ50、角度センサ66が接続されている。また、制御装置68は、エスカレータ10の遠隔監視を行う監視装置76と通信回線を介して接続されている。
【0021】
モータ22は、三相誘導電動機(インダクションモータ)であり、モータ駆動装置70にはインバータ制御回路72が含まれ、モータ22の回転方向、回転速度、運転/停止(モータロック)をインバータ制御できる。
【0022】
弛み量測定装置40は、経年変化により駆動チェーン38が伸び、前記上側の部分の駆動チェーン38aが弛んでくると、それに載置されている押さえ部材54が下方に移動し、それと共に押さえレバー52が軸48を中心に回転するようになされている。押さえレバー52が下方に回転すると、支持部材62の上端に設けられている検出板64が下方に移動する。一方、弛み量センサ50は、検出板64までの位置を検出し、検出板64が初期位置から移動すると検出距離が変化する。この弛み量センサ50の検出距離の変化量を、前記上側の部分の駆動チェーン38aの弛み量Sとみなす。駆動チェーン38aが弛まっておらず、正常なときの弛み量センサ50から検出板64までの距離と、駆動チェーン38aが弛まっており、異常なときの検出板64までの距離との差(閾値)を予め求めておけば、前記変化量(弛み量S)が閾値になったときに、駆動チェーン38aが弛んだと判断できる。
【0023】
(4)駆動チェーン38の弛み量Sの測定方法
次に、駆動チェーン38の弛み量Sの測定方法について説明する。
【0024】
まず、踏段14が上昇運転しているときには、
図3に示すように、モータ22によって駆動小スプロケット26が時計回りの方向に回転し、駆動大スプロケット36もそれと共に時計回りの方向に回転している。このとき、前記上側の部分の駆動チェーン38aは緊張状態にあり、前記下側の部分の駆動チェーン38bも正常な状態では緊張状態(点線の状態)にあるが、経年変化により駆動チェーン38が伸びてくると、前記下側の部分の駆動チェーン38bが弛んで垂れ下がってくる(実線の状態)。
【0025】
また、踏段14が下降運転しているときには、
図4に示すように、モータ22によって駆動小スプロケット26が反時計回りの方向に回転し、駆動大スプロケット36もそれと共に反時計回りの方向に回転する。このとき、前記下側の部分の駆動チェーン38bは緊張状態にあり、前記上側の部分の駆動チェーン38aも正常な状態では緊張状態(点線の状態)にあるが、経年変化により駆動チェーン38が伸びてくると、前記上側の部分の駆動チェーン38aが弛んで垂れ下がってくる(実線の状態)。
【0026】
本実施形態の弛み量測定方法では、踏段14が上昇運転し、前記下側の部分の駆動チェーン38bが弛んで垂れ下がっている場合には、その弛みを前記上側の部分の駆動チェーン38aに移動させて、その弛み量Sを測定する。一方、踏段14が下降運転し、前記上側の部分の駆動チェーン38aが弛んで垂れ下がっている場合には、その弛み量Sをそのまま測定する。以下、
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
ステップS1において、エスカレータ10が上昇運転、又は、下降運転で通常運転している。そしてステップS2に進む。
【0028】
ステップS2において、制御装置68は、エスカレータの上昇運転、又は、下降運転が停止したか否かを判断し、停止していなければステップS2の状態を維持し(nの場合)、停止していればステップS3に進む(yの場合)。
【0029】
ステップS3において、停止する前の運転が上昇運転のときはステップS4に進み(yの場合)、下降運転のときはステップS5に進む(nの場合)。
【0030】
ステップS4において、制御装置68は、下降運転の方向にモータ22を微速で、かつ、一定のトルクで一定角度を回転させる。これを行う理由は、今まで上昇運転であり、前記下側の部分の駆動チェーン38が弛んでいる状態であるため、駆動小スプロケット26を回転させて、その弛みを前記上側の部分の駆動チェーン38aに移動させるためである。その回転速度は微速(例えば通常運転が20~30m/分のときには、2~3m/分)とし、回転角度は、角度センサ66で駆動大スプロケット36の回転角度を測定し、予め求めていた踏段14が移動しない程度の回転角度まで回転させる。この回転角度は、例えば駆動大スプロケット36の歯の数で2個~3個が移動する程度の回転角度である。また、このときのモータ22のトルクは、何らかの理由により乗客が踏段14に乗っていることを考慮し、所定人数分(例えば5,6人分)が乗っていても、踏段14が乗客の重さで下方に勝手に移動しない大きさとする。そして、制御装置68は、モータ22を微速で下降運転させたときに、駆動大スプロケット36が所定角度回転したときには、モータ駆動装置70のインバータ制御回路72で直流制動を行い、モータ22の回転をロックする。その後に電磁ブレーキ74でモータ22が完全に回転しないように固定する。このようにインバータ直流制動でモータ22をロックするのは、角度センサ66で所定角度回転した直後にモータ22を止めないと、踏段14が下方に移動するためである。即ち、モータロックを行わず、電磁ブレーキ74を用いてモータ22の回転を停止させた場合には、停止するまでに時間がかかり、踏段14が下方に移動する可能性があるからである。この微速の下降運転の後、ステップS5に進む。
【0031】
ステップS5において、今までの運転が上昇運転であっても、また下降運転であっても、駆動チェーン38の弛んでいる部分は前記上側の部分の駆動チェーン38aであるため、制御装置68は、弛み量測定装置40で前記上側の部分の駆動チェーン38aの弛み量Sを測定する。そしてステップS6に進む。
【0032】
ステップS6において、制御装置68は、測定した弛み量Sが閾値より高い場合にはステップS7に進み(yの場合)、閾値より低い場合には終了する(nの場合)。
【0033】
ステップS7において、制御装置68は、測定した弛み量Sが閾値より大きいため異常であると判断し、監視装置76にその旨を通知すると共に、制御装置68内部にあるメモリに、測定した時刻と弛み量Sを記憶し、終了する。
【0034】
なお、上記制御はエスカレータ10が停止した状態で行うが、乗客を検出した場合には、この制御は中止し、エスカレータ10が再度停止したときに再び行う。
【0035】
(5)効果
本実施形態によれば、エスカレータ10の下降運転の際には、前記上側の部分の駆動チェーン38aの弛み量Sをそのまま測定できる。また上昇運転の際にも、エスカレータ10が上昇運転して停止した後に、前記下側の部分の駆動チェーン38bの弛みを前記上側の部分の駆動チェーン38aに移動させて測定するため、前記下側の部分の駆動チェーン38の弛みを測定するための装置が不要となり、コストを下げ、また保守も簡単になる。
【0036】
また、前記下側の部分の駆動チェーン38の弛み量を上側に移動させるときに、駆動大スプロケット36と踏段スプロケット30を微速で、かつ、踏段14が動かない程度に回転させるため、仮に踏段14の上に乗客が立っていても安全を確保できる。また、このときに、モータ22のトルクを、所定人数分の乗客が踏段14に乗った状態であっても、踏段14が乗客の重さで勝手に下方に移動しない大きさにしているので、乗客の安全をより確保できる。
【変更例】
【0037】
上記実施形態では、乗客コンベアとしてエスカレータ10で説明したが、これに代えて動く歩道で実施してもよい。動く歩道の場合には、エスカレータ10における上昇運転という概念は、トラス12の後部側に踏段(ステップ)14が移動すること、即ち、後部側の乗降板に踏段14が引き込まれる状態に対応する。また、下降運転という概念は、トラス12の後部側から踏段14が前部側に移動すること、即ち、後部側の乗降板から踏段14が送り出される状態に対応する。
【0038】
上記実施形態では、弛み量センサ50として光電センサを用いたが、これ以外のセンサを用いてもよい。また、本実施形態では、押さえレバー52に支持部材62を取り付け、その先端に検出板64を設けたが、これに代えて、押さえ部材54に支持部材62を設け、その先端に検出板64を設けてもよい。また、弛み量センサ50で、前記上側の部分の駆動チェーン38aまでの距離を直接測定してもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、角度センサ66として近接センサを用いたが、駆動大スプロケット36の回転角度を測定できるセンサであれば、他のセンサでもよい。
【0040】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
10・・・エスカレータ、12・・・トラス、14・・・踏段、22・・・モータ、26・・・駆動小スプロケット、28・・・踏段チェーン、30・・・踏段スプロケット、36・・・駆動大スプロケット、38・・・駆動チェーン、40・・・弛み量測定装置、50・・・弛み量センサ、66・・・角度センサ、68・・・制御装置、70・・・モータ駆動装置、72・・・インバータ制御回路
【手続補正書】
【提出日】2022-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、
前記トラスの後部に設けられたモータと、
前記モータを駆動するインバータ制御回路と、
前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、
複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、
前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、
前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、
前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、
前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、
前記駆動大スプロケットの回転角度を測定する角度センサを有し、
前記制御手段は、前記角度センサの測定角度が所定角度になったときに、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットが回転したとする、
ことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、
前記トラスの後部に設けられたモータと、
前記モータを駆動するインバータ制御回路と、
前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、
複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、
前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、
前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、
前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、
前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットを回転させるときに、前記モータが通常運転のときに回転する回転速度より遅い回転速度で回転させる、
ことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項3】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、
前記トラスの後部に設けられたモータと、
前記モータを駆動するインバータ制御回路と、
前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、
複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、
前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、
前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、
前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、
前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットを回転させるときに、前記モータのトルクを、前記踏段に乗客が乗っていても前記踏段が前記乗客の重さで下降しない大きさとする、
ことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項4】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、
前記トラスの後部に設けられたモータと、
前記モータを駆動するインバータ制御回路と、
前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、
複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、
前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、
前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、
前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、
前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記モータが前記第2方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動小スプロケットから前記駆動大スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータが停止した状態で前記弛み量測定手段によって前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する、
ことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項5】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、
前記トラスの後部に設けられたモータと、
前記モータを駆動するインバータ制御回路と、
前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、
複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、
前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、
前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、
前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、
前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、
を有し、
前記弛み量測定手段は、
前記トラスの上部に設けられた軸を中心に回転自在に吊り下げられた押さえレバーと、
前記押さえレバーに取り付けられ、自重によって前記上側の部分の前記駆動チェーン上に載置された押さえ部材と、
前記押さえレバー又は前記押さえ部材の移動距離を、前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量として測定する弛み量センサと、
を有することを特徴とする乗客コンベア。
【請求項6】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、
前記トラスの後部に設けられたモータと、
前記モータを駆動するインバータ制御回路と、
前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、
複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、
前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、
前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、
前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、
前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、
を有した乗客コンベアがエスカレータのときは、
前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動するときに、前記踏段が前記トラスの前部から後部に上昇する、
ことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項7】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、
前記トラスの後部に設けられたモータと、
前記モータを駆動するインバータ制御回路と、
前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、
複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、
前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、
前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、
前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、
前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、
を有した乗客コンベアが動く歩道のときは、
前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動するときに、前記踏段が前記トラスの前部から後部に移動する、
ことを特徴とする乗客コンベア。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の実施形態は、前後方向に配されたトラスと、前記トラスを前後方向に循環移動する複数の踏段と、前記トラスの後部に設けられたモータと、前記モータを駆動するインバータ制御回路と、前記モータによって回転する駆動小スプロケットと、複数の前記踏段を連結する無端状の踏段チェーンと、前記踏段チェーンを駆動する踏段スプロケットと、前記踏段スプロケットと同軸に設けられた駆動大スプロケットと、前記駆動大スプロケットと前記駆動小スプロケットとの間に架け渡され、前記駆動大スプロケットの上外周部と前記駆動小スプロケットの上外周部との間に配された上側の部分と、前記駆動大スプロケットの下外周部と前記駆動小スプロケットの下外周部との間に配された下側の部分とを含む無端状の駆動チェーンと、前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する弛み量測定手段と、前記モータが第1方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に前記踏段が移動しない角度だけ回転させた後に、直流制動させて前記モータをロックし、前記弛み量測定手段で前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定する制御手段と、を有することを特徴とする乗客コンベアに関し、第1の実施形態は、前記駆動大スプロケットの回転角度を測定する角度センサを有し、前記制御手段は、前記角度センサの測定角度が所定角度になったときに、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットが回転したとするものであり、第2の実施形態は、前記制御手段は、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットを回転させるときに、前記モータが通常運転のときに回転する回転速度より遅い回転速度で回転させるものであり、第3の実施形態は、前記制御手段は、前記踏段が移動しない角度だけ前記駆動大スプロケットを回転させるときに、前記モータのトルクを、前記踏段に乗客が乗っていても前記踏段が前記乗客の重さで下降しない大きさとするものであり、第4の実施形態は、前記制御手段は、前記モータが前記第2方向に回転することによって前記駆動大スプロケットが回転して、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動小スプロケットから前記駆動大スプロケットに移動する通常運転を行った後に停止したときは、前記モータが停止した状態で前記弛み量測定手段によって前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量を測定するものであり、第5の実施形態は、前記弛み量測定手段は、前記トラスの上部に設けられた軸を中心に回転自在に吊り下げられた押さえレバーと、前記押さえレバーに取り付けられ、自重によって前記上側の部分の前記駆動チェーン上に載置された押さえ部材と、前記押さえレバー又は前記押さえ部材の移動距離を、前記上側の部分の前記駆動チェーンの弛み量として測定する弛み量センサと、を有するものであり、第6の実施形態は、乗客コンベアがエスカレータであり、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動するときに、前記踏段が前記トラスの前部から後部に上昇するものであり、第7の実施形態は、乗客コンベアが動く歩道のときであり、前記上側の部分の前記駆動チェーンが前記駆動大スプロケットから前記駆動小スプロケットに移動するときに、前記踏段が前記トラスの前部から後部に移動するものである。