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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176599
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221122BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G09F19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083113
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】大橋 賢治
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 功一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より多くの人に対して効果的である広告を表示させることができる情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、所定の区域内にある複数の端末装置の各々から、各端末装置のユーザの興味に係る興味情報を取得する興味情報取得部と、興味情報取得部が取得した興味情報に係る統計情報を生成する統計情報生成部と、統計情報が、予め定められた広告表示条件を満たすか否かを判別する広告表示条件判別部と、統計情報が広告表示条件を満たすと判別された場合に、区域内にあるデジタルサイネージに所定の広告を表示させる広告表示制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の区域内にある複数の端末装置の各々から、各端末装置のユーザの興味に係る興味情報を取得する興味情報取得手段と、
前記興味情報取得手段が取得した前記興味情報に係る統計情報を生成する統計情報生成手段と、
前記統計情報が、予め定められた広告表示条件を満たすか否かを判別する判別手段と、
前記統計情報が前記広告表示条件を満たすと判別された場合に、前記区域内にあるデジタルサイネージに所定の広告を表示させる広告表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記興味情報は、前記区域内において、前記端末装置に表示された商品又はサービスに係る項目がユーザにより選択されたことを示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記統計情報生成手段は、前記項目を選択したユーザの人数を含む前記統計情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記広告表示条件は、前記統計情報のうち、特定の前記項目を選択したユーザの人数、又は特定のカテゴリに属する前記項目を選択したユーザの人数が所定の下限値以上である場合に満たされることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記広告表示条件は、前記統計情報のうち、特定の前記項目を選択した所定の属性のユーザの人数、又は特定のカテゴリに属する前記項目を選択した所定の属性のユーザの人数が所定の下限値以上である場合に満たされることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記統計情報生成手段は、過去に前記区域内の端末装置から前記興味情報取得手段が取得した前記興味情報の少なくとも一部を反映した前記統計情報を生成することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記統計情報生成手段は、前記興味情報取得手段による前記興味情報の取得日時に応じて選択され、又は加工がなされた前記興味情報に基づいて前記統計情報を生成することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記統計情報生成手段は、前記取得日時が現在に近いほど重み付けが大きくなるように前記興味情報を重み付けして前記統計情報を生成することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記統計情報生成手段は、現在時刻と同一の時間帯に取得された前記興味情報の重み付けが、現在時刻と異なる時間帯に取得された前記興味情報の重み付けよりも大きくなるように前記興味情報を重み付けして前記統計情報を生成することを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記統計情報生成手段は、現在の曜日と同一の曜日に取得された前記興味情報の重み付けが、現在の曜日と異なる曜日に取得された前記興味情報の重み付けよりも大きくなるように前記興味情報を重み付けして前記統計情報を生成することを特徴とする請求項7~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記広告表示制御手段は、前記統計情報が複数の前記広告表示条件のうち一の広告表示条件を満たすと判別した場合に、当該一の広告表示条件に予め対応付けられている広告を前記デジタルサイネージに表示させることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記広告表示制御手段は、前記一の広告表示条件に複数の広告が対応付けられている場合に、前記複数の広告のうち所定の選択基準に従って選択された一の広告を前記デジタルサイネージに表示させることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記広告表示制御手段は、前記端末装置において前記興味情報を収集しているアプリケーションプログラムを表す標識を、前記広告とともに前記デジタルサイネージに表示させることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
所定の区域内にある複数の端末装置の各々から、各端末装置のユーザの興味に係る興味情報を取得する興味情報取得ステップと、
前記興味情報取得ステップにおいて取得した前記興味情報に係る統計情報を生成する統計情報生成ステップと、
前記統計情報が、予め定められた広告表示条件を満たすか否かを判別する判別ステップと、
前記統計情報が前記広告表示条件を満たすと判別された場合に、前記区域内にあるデジタルサイネージに所定の広告を表示させる広告表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルサイネージの近傍に位置する端末装置から当該端末装置のユーザの興味に係る情報を取得し、ユーザの興味に合った広告をデジタルサイネージに表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-95837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1人のユーザの興味に応じて選択された広告が、必ずしもそのデジタルサイネージの近傍にいる他の人の興味を引きやすいとは限らない。よって、上記従来の技術には、デジタルサイネージの近傍に複数の人がいる場合に、より多くの人に対して効果的である広告を表示させることが困難であるという課題がある。
【0005】
この発明の目的は、より多くの人に対して効果的である広告を表示させることができる情報処理装置及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の情報処理装置の発明は、
所定の区域内にある複数の端末装置の各々から、各端末装置のユーザの興味に係る興味情報を取得する興味情報取得手段と、
前記興味情報取得手段が取得した前記興味情報に係る統計情報を生成する統計情報生成手段と、
前記統計情報が、予め定められた広告表示条件を満たすか否かを判別する判別手段と、
前記統計情報が前記広告表示条件を満たすと判別された場合に、前記区域内にあるデジタルサイネージに所定の広告を表示させる広告表示制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、
前記興味情報は、前記区域内において、前記端末装置に表示された商品又はサービスに係る項目がユーザにより選択されたことを示す情報を含むことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、
前記統計情報生成手段は、前記項目を選択したユーザの人数を含む前記統計情報を生成することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、
前記広告表示条件は、前記統計情報のうち、特定の前記項目を選択したユーザの人数、又は特定のカテゴリに属する前記項目を選択したユーザの人数が所定の下限値以上である場合に満たされることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、
前記広告表示条件は、前記統計情報のうち、特定の前記項目を選択した所定の属性のユーザの人数、又は特定のカテゴリに属する前記項目を選択した所定の属性のユーザの人数が所定の下限値以上である場合に満たされることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記統計情報生成手段は、過去に前記区域内の端末装置から前記興味情報取得手段が取得した前記興味情報の少なくとも一部を反映した前記統計情報を生成することを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の情報処理装置において、
前記統計情報生成手段は、前記興味情報取得手段による前記興味情報の取得日時に応じて選択され、又は加工がなされた前記興味情報に基づいて前記統計情報を生成することを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、
前記統計情報生成手段は、前記取得日時が現在に近いほど重み付けが大きくなるように前記興味情報を重み付けして前記統計情報を生成することを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の情報処理装置において、
前記統計情報生成手段は、現在時刻と同一の時間帯に取得された前記興味情報の重み付けが、現在時刻と異なる時間帯に取得された前記興味情報の重み付けよりも大きくなるように前記興味情報を重み付けして前記統計情報を生成することを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項7~9のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記統計情報生成手段は、現在の曜日と同一の曜日に取得された前記興味情報の重み付けが、現在の曜日と異なる曜日に取得された前記興味情報の重み付けよりも大きくなるように前記興味情報を重み付けして前記統計情報を生成することを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記広告表示制御手段は、前記統計情報が複数の前記広告表示条件のうち一の広告表示条件を満たすと判別した場合に、当該一の広告表示条件に予め対応付けられている広告を前記デジタルサイネージに表示させることを特徴としている。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の情報処理装置において、
前記広告表示制御手段は、前記一の広告表示条件に複数の広告が対応付けられている場合に、前記複数の広告のうち所定の選択基準に従って選択された一の広告を前記デジタルサイネージに表示させることを特徴としている。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記広告表示制御手段は、前記端末装置において前記興味情報を収集しているアプリケーションプログラムを表す標識を、前記広告とともに前記デジタルサイネージに表示させることを特徴としている。
【0019】
また、上記目的を達成するため、請求項14に記載の情報処理方法の発明は、
所定の区域内にある複数の端末装置の各々から、各端末装置のユーザの興味に係る興味情報を取得する興味情報取得ステップと、
前記興味情報取得ステップにおいて取得した前記興味情報に係る統計情報を生成する統計情報生成ステップと、
前記統計情報が、予め定められた広告表示条件を満たすか否かを判別する判別ステップと、
前記統計情報が前記広告表示条件を満たすと判別された場合に、前記区域内にあるデジタルサイネージに所定の広告を表示させる広告表示制御ステップと、
を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、より多くの人に対して効果的である広告を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】情報処理サーバの主要な機能構成を示すブロック図である。
図3】端末装置の主要な機能構成を示すブロック図である。
図4】項目登録処理の制御手順を示すフローチャートである。
図5】登録項目データの内容例を示す図である。
図6】消費行動サポート処理の制御手順を示すフローチャートである。
図7】検索画面の例を示す図である。
図8】除外条件データの内容例を示す図である。
図9】検索結果表示画面の例を示す図である。
図10】検索画面の他の例を示す図である。
図11】位置履歴データの内容例を示す図である。
図12図10の検索画面に対応する検索結果表示画面の例を示す図である。
図13】ユーザ情報画面の例を示す図である。
図14】ECサイトの例を示す図である。
図15】報酬データの内容例を示す図である。
図16】広告表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図17】項目別統計データの内容例を示す図である。
図18】注目商品TL画面の例を示す図である。
図19】広告表示条件別統計データの内容例を示す図である。
図20】広告管理データの内容例を示す図である。
図21】デジタルサイネージにおける広告表示の例を示す図である。
図22】変形例で生成される項目別統計データの例を示す図である。
図23】時間帯及び/又は曜日を考慮した係数の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の情報処理装置及び情報処理方法に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<情報処理システムの概要>
図1は、情報処理システム1の概略構成を示す図である。
情報処理システム1は、情報処理装置としての情報処理サーバ10と、複数の端末装置20と、EC(電子商取引)サーバ30と、デジタルサイネージ40とを備える。情報処理サーバ10、端末装置20、ECサーバ30及びデジタルサイネージ40は、通信ネットワークNを介して通信接続されている。通信ネットワークNは、例えばインターネットであるが、これに限られない。また、情報処理サーバ10、端末装置20、ECサーバ30及びデジタルサイネージ40の相互の通信経路の一部は、無線通信により実現されていていてもよい。図1では、端末装置20が無線通信を介して通信ネットワークNに通信接続される構成を例示している。
【0024】
情報処理サーバ10は、端末装置20及びECサーバ30との間で各種データの送受信を行い、必要なデータ処理を行うことで、端末装置20を使用するユーザの消費行動をサポートするサービスを提供する。以下では、情報処理サーバ10により提供されるサービスを「消費行動サポートサービス」と記す。また、消費行動サポートサービスを受けるユーザを「顧客ユーザ」と記す。消費行動サポートサービスは、以下の(1)~(4)のサービスを含む。
【0025】
(1)お気に入り情報の登録/公開サービス
情報処理サーバ10は、消費行動サポートサービスに登録している各ユーザから、お気に入りの商品等や、こだわりを持っている商品等に関する情報(以下、「お気に入り情報」と記す)の入力を受け付けて登録する。お気に入り情報は、各ユーザが使用する端末装置20において入力されて情報処理サーバ10に送信される。情報処理サーバ10は、登録した各ユーザのお気に入り情報を、他のユーザから閲覧可能な状態で公開する。お気に入り情報として登録される商品等は、例えば、ユーザがその日に身に着けている商品(被服やアクセサリー等)であってもよい。これにより、各ユーザは、その日に身に着けている商品を他のユーザに対して公開することができる。
【0026】
(2)ユーザ検索サービス
情報処理サーバ10は、端末装置20を使用する顧客ユーザから、所定の位置条件を満たす他のユーザを検索する検索指示を受け付ける。情報処理サーバ10は、当該検索指示がなされた場合に、当該検索指示により特定される位置条件を満たす他のユーザを抽出して顧客ユーザに提示する。ここで、位置条件は、特定の日時に特定の場所にいたこと、とすることができる。すなわち、顧客ユーザは、任意の日時及び場所を指定して、指定した日時に指定した場所にいた他のユーザを検索することができる。日時を現在とし、場所を顧客ユーザの現在位置とすることで(又は、日時及び場所の指定を省略することで)、その時点において顧客ユーザの周囲にいる他のユーザを検索することもできる。顧客ユーザは、検索で抽出された他のユーザが公開しているお気に入り情報を閲覧することができる。よって、顧客ユーザは、任意の日時に任意の場所にいた他のユーザのお気に入りの商品等を知得することができる。
【0027】
(3)ECサイトへの誘導サービス
端末装置20において他のユーザのお気に入り情報が閲覧されているときに、お気に入り情報に含まれる1つの商品等の項目が選択されると、情報処理サーバ10は、当該項目に対応付けられたECサイト(ウェブサイト)に表示を遷移させて誘導する。これにより、顧客ユーザは、ECサイトにおいて簡易に他のユーザのお気に入りの商品等を購入したり予約したりすることができる。
【0028】
(4)アフィリエイト報酬付与サービス
情報処理サーバ10は、(3)により誘導したECサイトにおいて消費行動が行われた場合に、消費行動の対象となった商品等の項目を公開していたユーザに対し、所定のアフィリエイト報酬を付与する。これにより、各ユーザが自身のお気に入り情報を登録する動機付けを与えることができる。ここで、消費行動は、例えば、上記項目の商品若しくはサービスを購入する行動、又は上記項目の商品若しくはサービスの購入を予約する行動である。
【0029】
また、情報処理サーバ10は、所定の区域Rの内部にある端末装置20及びデジタルサイネージ40との間で各種データの送受信を行い、必要なデータ処理を行うことで、デジタルサイネージ40に適切な広告を表示させる。詳しくは、区域Rの内部にある端末装置20のユーザの興味に応じた広告をデジタルサイネージ40に表示させる。情報処理サーバ10による広告表示制御動作については、後に詳述する。
【0030】
端末装置20は、上記の消費行動サポートサービスを受けるユーザが使用する端末である。端末装置20は、例えばユーザが携帯するスマートフォン、タブレット端末又はノートPCなどである。
【0031】
ECサーバ30は、端末装置20のユーザに対して電子商取引サービスを提供する。なお、ECサーバ30の機能は、情報処理サーバ10に含まれていてもよい。この場合にはECサーバ30を省略することができる。
【0032】
デジタルサイネージ40は、区域R内に設置されている大型の表示装置である。デジタルサイネージ40は、区域R内にいる人の目に付きやすい場所に設定されている。デジタルサイネージ40の表示方式は、特には限られないが、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイといった表示装置を用いたもの、プロジェクタにより壁面等に映像を投影するもの、及びマトリクス状に配列されたLED(Light Emitting Diode)等の光源により表示を行うものなどが挙げられる。図1では、区域R内において2つのデジタルサイネージ40が設置されているが、これに限られず、区域R内に設置されているデジタルサイネージ40の数は、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0033】
<情報処理サーバの構成>
図2は、情報処理サーバ10の主要な機能構成を示すブロック図である。
情報処理サーバ10は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、通信部15などを備え、これらの各部はバス16により接続されている。
【0034】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を有し、情報処理サーバ10の各部の動作を統括制御するプロセッサー(コンピューター)である。このうちCPUは、記憶部12に記憶されているプログラム121を読み出してRAMに展開し、当該プログラム121を実行することで各種処理を行う。制御部11は、CPUがプログラム121を実行することで、項目登録部111、位置情報取得部112、ユーザ抽出部113、端末表示制御部114、興味情報取得部115(興味情報取得手段)、統計情報生成部116(統計情報生成手段)、広告表示条件判別部117(判別手段)、及び広告表示制御部118(広告表示制御手段)などとして機能する。
【0035】
項目登録部111は、端末装置20から受信したユーザのお気に入り情報を記憶部12の登録項目データ1221に登録する。言い換えると、項目登録部111は、複数のユーザの各々から、他のユーザに対して開示する商品又はサービスに係る項目(お気に入り情報)の入力を受け付け、入力された項目を各ユーザに対応付けて登録項目データ1221に登録する。
【0036】
位置情報取得部112は、端末装置20から位置情報を取得して、受信した日時とともに位置履歴データ1222(位置履歴情報)に記録する。
【0037】
ユーザ抽出部113は、ユーザを検索する検索指示に応じて、記憶部12のユーザデータ122に予め登録されている複数のユーザの中から、検索指示により特定される位置条件を満たすユーザを抽出する。
【0038】
端末表示制御部114は、端末装置20に対して表示制御信号を送信して、端末装置20の操作表示部23(表示部)に所望の表示を行わせる。
【0039】
興味情報取得部115は、区域R内にある複数の端末装置20の各々から、各端末装置20のユーザの興味に係る興味情報を取得する。
【0040】
統計情報生成部116は、興味情報取得部115が取得した興味情報に基づいて統計処理を行い、興味情報に係る統計情報1225を生成する。統計情報1225は、項目別統計データ1225a及び広告表示条件別統計データ1225bを含む。
【0041】
広告表示条件判別部117は、統計情報1225が、予め定められた広告表示条件を満たすか否かを判別する。
【0042】
広告表示制御部118は、統計情報1225が広告表示条件を満たすと判別された場合に、区域R内にあるデジタルサイネージ40に所定の広告を表示させる。
【0043】
この他にも、制御部11は、消費行動サポートサービス、及びデジタルサイネージ40による広告表示に係る種々の処理を行う。例えば、制御部11は、顧客ユーザをECサイトに誘導した場合に、当該ECサイトにおいて所定の消費行動が行われたか否かを判別する。また、制御部11は、消費行動が行われたと判別された場合に、上記の選択された項目を登録していたユーザ(選択された項目が対応付けられていたユーザ)に対して所定の報酬を付与する設定を行い、報酬データ1223に反映させる。また、制御部11は、各ユーザから、自身を検索対象から除外する除外条件の設定指示を受け付ける。制御部11は、当該設定指示に応じて各ユーザに除外条件を対応付けて設定し、除外条件データ1224に反映させる。除外条件の内容については後述する。
【0044】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリ等を備え、プログラム121や、ユーザデータ122を始めとする各種データ等を記憶している。ユーザデータ122は、端末装置20を使用する各ユーザに係る各種情報を含む。詳しくは、ユーザデータ122は、各ユーザのお気に入り情報が登録されている登録項目データ1221、各ユーザの位置の履歴に係る情報が登録されている位置履歴データ1222、各ユーザのアフィリエイト報酬が設定されている報酬データ1223、各ユーザの除外条件が設定されている除外条件データ1224、上述の統計情報1225、及び広告を管理するための広告管理データ1226などを含む。これらの各データの内容については後述する。
【0045】
操作部13は、オペレータからの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。例えば、操作部13は、キーボード及びマウス等の入力装置を備える。
【0046】
表示部14は、液晶ディスプレイ等の表示装置を備え、制御部11による制御下で各種情報画面などを表示する。
【0047】
通信部15は、通信インターフェース等により構成され、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介して端末装置20及びECサーバ30との間でデータの送受信を行う。
【0048】
<端末装置の構成>
図3は、端末装置20の主要な機能構成を示すブロック図である。
端末装置20は、制御部21と、記憶部22と、操作表示部23と、位置検出部24と、通信部25などを備え、これらの各部はバス26により接続されている。
【0049】
制御部21は、CPU、ROM及びRAM等を有し、端末装置20の各部の動作を統括制御するプロセッサー(コンピューター)である。このうちCPUは、記憶部22に記憶されているアプリ221(アプリケーションプログラム)等のプログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムを実行することで各種処理を行う。
【0050】
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリ等を備え、アプリ221等のプログラム、及び各種データ等を記憶している。
【0051】
アプリ221は、情報処理サーバ10による消費行動サポートサービスを受けるために端末装置20において実行されるプログラムである。アプリ221が実行されると、当該アプリ221上では、ユーザの操作、及び情報処理サーバ10から受信した制御信号に応じて、上記の(1)~(4)のサービスを受けるための端末装置20側の各種処理が実行される。
【0052】
例えば、アプリ221上でユーザから認証情報(例えば、ユーザID及びパスワード)が入力されると、当該認証情報が情報処理サーバ10に送信されてユーザ認証が行われる。ユーザ認証に成功してログインセッションが開始されると、以降、端末装置20は、ログインしたユーザに紐付けられる。例えば、端末装置20の位置情報は、ユーザの位置情報としてユーザに対応付けられて情報処理サーバ10において記録される。
【0053】
また、「(1)お気に入り情報の登録/公開サービス」では、アプリ221上でユーザからのお気に入り情報の入力が受け付けられ、入力された情報が情報処理サーバ10に送信される。
【0054】
また、「(2)ユーザ検索サービス」では、アプリ221上でユーザからの検索指示が受け付けられ、当該検索指示の内容が情報処理サーバ10に送信される。また、情報処理サーバ10から検索結果が送信されると、当該検索結果を示す検索結果表示画面232(図9参照)等が操作表示部23に表示される。
【0055】
また、「(3)ECサイトへの誘導サービス」では、ECサーバ30との通信が行われて、ユーザにより選択された商品等の項目に対応するECサイトが操作表示部23に表示される。また、項目の選択結果が、ユーザの興味情報として情報処理サーバ10に送信される。
【0056】
また、「(4)アフィリエイト報酬付与サービス」では、付与されたアフィリエイト報酬の内容などがアプリ221上で操作表示部23に表示されてユーザに通知される。
【0057】
操作表示部23は、液晶ディスプレイ等の表示装置と、当該表示装置の表示画面に重ねられて設けられたタッチパネルなどを備える。
このうちの表示装置は、制御部21による制御下で各種操作画面やステータス画面などを表示する。制御部21は、情報処理サーバ10の制御部11(端末表示制御部114)から受信したデータや制御信号に応じて操作表示部23の表示装置を動作させるため、当該表示装置の表示内容は、間接的に制御部11(端末表示制御部114)により制御される。
また、タッチパネルは、指などの操作手段の接触操作を検出して、その接触位置に係る操作信号を制御部21に出力する。操作表示部23は、物理ボタンなどの入力デバイスをさらに有していてもよい。
【0058】
位置検出部24は、端末装置20の位置を検出して、当該位置を表す位置情報を制御部21に出力する。位置検出部24は、例えばGPS(Global Positioning System)の測位衛星からの送信電波を受信してGPSデータを取得し、端末装置20の現在位置を算出するGPSモジュールである。位置検出部24は、制御部21の命令に基づいて現在位置を算出し、生成した位置情報を制御部21に出力する。なお、位置検出部24による現在位置の検出方式は、GPSデータを用いるものに限られない。例えば、公共の施設などに設置されている発信機(無線LANアクセスポイント等)から受信したビーコン信号に基づいて位置を検出するものであってもよい。
【0059】
通信部25は、通信インターフェース等により構成され、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介して情報処理サーバ10及びECサーバ30との間でデータの送受信を行う。
【0060】
<消費行動サポートサービスに係る動作>
次に、上述の消費行動サポートサービスを実現するための情報処理システム1の動作について、情報処理サーバ10において実行される処理を中心に説明する。
【0061】
まず、上述の(1)~(4)のサービスのうち、「(1)お気に入り情報の登録/公開サービス」を実行するための項目登録処理について説明する。
【0062】
図4は、項目登録処理の制御部11による制御手順を示すフローチャートである。
項目登録処理が開始されると、制御部11は、端末装置20からお気に入り情報を受信したか否かを判別し(ステップS101)、当該情報を受信していないと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、再度ステップS101の処理を実行する。
【0063】
お気に入り情報を受信したと判別された場合には(ステップS101で“YES”)、制御部11は、受信したお気に入り情報の項目を登録項目データ1221に記録する(ステップS102)。
【0064】
図5は、登録項目データ1221の内容例を示す図である。
登録項目データ1221の1つのデータ行は、あるユーザが登録を申請したお気に入り情報のうち、1つの商品又はサービスの項目に対応する。各データ行は、「ユーザID」、「項目カテゴリ」、「項目名」、「項目ID」及び「ECサイトURL」のデータ項目を含む。
「ユーザID」は、各ユーザに割り当てられた固有の符号である。ここでは数字が用いられているが、これに限られず、文字などを含んでいてもよい。
「項目カテゴリ」は、そのデータ行の商品又はサービスのカテゴリである。
「項目名」は、そのデータ行の商品名又はサービス名である。
「項目ID」は、そのデータ行の商品又はサービスに対応付けられている固有の符号である。項目IDから、1つの商品又はサービスを特定することができる。
「ECサイトURL」は、そのデータ行の商品又はサービスに対応付けられているECサイトのURLである。
【0065】
図4のステップS102が終了すると、制御部11は、項目登録処理を終了させる。
【0066】
次に、上述の(1)~(4)のサービスのうち、「(2)ユーザ検索サービス」、「(3)ECサイトへの誘導サービス」及び「(4)アフィリエイト報酬付与サービス」を実行するための消費行動サポート処理について、端末装置20における画面遷移を参照しつつ説明する。
【0067】
図6は、消費行動サポート処理の制御部11による制御手順を示すフローチャートである。
消費行動サポート処理が開始されると、情報処理サーバ10の制御部11(端末表示制御部114)は、端末装置20に制御信号を送信して、ユーザの検索指示を受け付けるための検索画面231を操作表示部23に表示させる(ステップS201)。
【0068】
図7は、検索画面231の例を示す図である。
検索画面231では、ユーザを検索する位置条件の入力が受け付けられる。詳しくは、場所を指定するための場所入力欄51、及び日時を指定するための日時入力欄52が表示されている。場所入力欄51及び日時入力欄52は、内容を直接入力可能なテキストボックスであってもよいし、所定の選択肢の中から内容を選択するドロップダウンリスト等であってもよい。場所入力欄51及び日時入力欄52に所望の場所及び日時が入力(選択)された状態で検索実行ボタン53を選択すると、ユーザの検索を開始させることができる。なお、図7では、場所入力欄51に「現在地(半径500m)」が入力され、日時入力欄52に「現在」が入力されている。この状態で検索を開始させると、端末装置20の現在位置を含む所定範囲内(ここでは、半径500mの区域内)にいる他のユーザを検索することができる。
【0069】
図6のステップS201が終了すると、制御部11は、検索指示を受け付けたか否か、すなわち検索画面231において検索実行ボタン53が選択されたか否かを判別する(ステップS202)。検索指示を受け付けたと判別された場合には(ステップS202で“YES”)、制御部11(ユーザ抽出部113)は、検索指示に係る位置条件を満たし、かつ除外条件を満たさないユーザを抽出する(ステップS203)。
【0070】
このステップS203では、制御部11は、まず検索画面231で指定された検索の条件(場所及び日時)を特定する。
次に、制御部11は、位置履歴データ1222を参照し、指定された日時に指定された場所にいたユーザを抽出する。図7のように日時の指定が「現在」である場合には、位置情報取得部112が各端末装置20から現在の位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて、位置条件を満たすユーザをユーザ抽出部113が抽出する。例えば、図7に示すように、指定された条件が「現在地(半径500m)」である場合には、制御部11は、顧客ユーザが使用している端末装置20の現在位置を特定し、当該現在位置から500mの区域を特定する。そして、他のユーザの端末装置20の位置情報に基づいて、特定した区域内に位置するユーザを抽出する。
【0071】
また、ステップS203において、制御部11は、図8に示す除外条件データ1224を参照し、除外条件を満たすユーザを抽出対象から除外する。
ユーザは、他のユーザからの検索によって、自宅や勤務先といった特定の場所が特定されないように、除外条件を設定することができる。この除外条件は、他のユーザによる検索対象から除外するときのユーザの位置に係る除外位置設定を含む。除外位置を設定しておくことで、ユーザが除外位置及びその近傍範囲にいた(又は、いる)ときの位置情報を、ユーザ検索に用いられないようにすることができる。例えば、自宅を除外位置として設定すると、位置履歴データ1222における当該ユーザの位置情報のうち、自宅から所定の近傍範囲(例えば、半径500mの範囲)に相当する位置情報は、検索に用いられなくなる。よって、他のユーザが、自宅を含む範囲を指定してユーザ検索を行っても、検索結果としてそのユーザが抽出されないようにすることができる。
図8に示す除外条件データ1224の1つのデータ行は、あるユーザが設定した1つの除外位置設定に対応する。各データ行は、「ユーザID」及び上述した「除外位置」のデータ項目を含む。
「除外位置」は、ユーザが設定した除外位置を表す緯度及び経度のデータである。
【0072】
このような除外条件データ1224を参照して、制御部11は、一のユーザの除外位置設定により特定される位置(設定された除外位置から所定の近傍範囲)が、検索指示で指定された場所に含まれている場合(検索に係る位置条件の判定対象となる場所に含まれている場合)に、当該一のユーザを、除外条件を満たすユーザであると判別する。
【0073】
ステップS203で、位置条件を満たし、かつ除外条件を満たさないユーザの抽出が完了すると、制御部11(端末表示制御部114)は、検索指示を受け付けた端末装置20に制御信号を送信して、当該端末装置20の操作表示部23に、ユーザの検索結果を表示するための検索結果表示画面232を表示させる。また、制御部11は、検索結果表示画面232において、抽出されたユーザを表すユーザアイコン54を地図55上に表示させる(ステップS204)。
【0074】
図9は、検索結果表示画面232の例を示す図である。
検索結果表示画面232では、検索の位置条件に係る場所(検索の条件として指定された場所。ここでは、現在地から半径500mを含む範囲)の地図55が表示される。また、地図55における抽出されたユーザの位置に対応付けてユーザアイコン54が表示される。図9では、各ユーザの位置にユーザアイコン54が表示されているが、これに限られず、例えばユーザの位置とは異なる位置にユーザアイコン54を表示させて、地図上のユーザの位置とユーザアイコン54とを引き出し線などにより紐付けてもよい。図9に示すように、ユーザアイコン54には、ユーザがお気に入りとして登録している代表的な商品等の画像又は項目名などが含まれていてもよい。また、ユーザアイコン54には、ユーザが公開している場合には、当該ユーザの顔写真、又はユーザが自身のアイコンとして登録している画像などが表示されてもよい。
【0075】
なお、図10に示す検索画面231の他の例のように、現在地とは異なる任意の場所、及び過去の任意の日時を指定してユーザを検索することもできる。図10では、場所入力欄51に「ニューヨーク」が入力され、日時入力欄52に「2019/6/11 20:00」が入力されている。この状態で検索を開始させると、2019年6月11日の20時においてニューヨークにいた他のユーザを検索することができる。なお、このように地域名(図10では、都市名)のみが指定されている場合には、その地域の全域を検索対象の場所としてもよいし、当該地域の代表地点(ユーザによる指定地点がある場合には当該指定地点)から所定距離範囲内の区域を検索対象の場所としてもよい。図10のように過去の日時が指定された場合には、制御部11は、位置履歴データ1222を参照してユーザの抽出を行う。
【0076】
図11は、位置履歴データ1222の内容例を示す図である。
位置履歴データ1222の1つのデータ行は、あるユーザが使用している端末装置20の、ある時点における位置を表す。本明細書では、「ユーザが使用している端末装置20の位置」を、単に「ユーザの位置」とも記す。各データ行は、「ユーザID」、「日時」及び「位置」のデータ項目を含む。
「日時」は、そのデータ行の位置が記録されたときの日時である。
「位置」は、ユーザの位置を表す緯度及び経度のデータである。
図11に示すように、本実施形態では、各ユーザの位置が定期的に(例えば10分ごとに)取得されて位置履歴データ1222に蓄積される。位置の記録は、ユーザの指示によらずに自動的に行われてもよいし、ユーザが指示した期間においてのみ(例えば、アプリ221が起動している期間のみ)記録することとしてもよい。
【0077】
このような位置履歴データ1222を参照して、制御部11は、指定された日時において、指定された場所にいたユーザを抽出する。また、除外条件を満たすユーザについては、抽出対象から除外する。
【0078】
図12は、図10の検索画面に対応する検索結果表示画面232の例を示す図である。
図12に示す検索結果表示画面232では、指定された位置条件に係るニューヨークの地図55が表示されている。また、2019年6月11日の20時においてニューヨークにいたユーザのユーザアイコン54が、地図55上の各ユーザの位置に表示されている。
【0079】
図6に戻り、ステップS204が終了すると、制御部11は、検索結果表示画面232においていずれかのユーザアイコン54を選択する入力操作(例えば、指でタップする操作)がなされたか否かを判別する(ステップS205)。いずれかのユーザアイコン54を選択する入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、制御部11は、端末装置20に制御信号を送信して、選択されたユーザアイコン54のユーザに係るユーザ情報画面233を操作表示部23に表示させる(ステップS206)。
【0080】
図13は、ユーザ情報画面233の例を示す図である。
ユーザ情報画面233では、選択されたユーザに予め対応付けられている、商品又はサービスに係る項目57が、項目カテゴリ56ごとに表示されている。ステップS206において制御部11は、登録項目データ1221を参照し、選択されたユーザに対応付けられている項目カテゴリ56及び項目57を特定し、これらの項目カテゴリ56及び項目57を含む表示制御信号を端末装置20に送信することで、ユーザ情報画面233を表示させる。
【0081】
図6のステップS206が終了すると、制御部11は、ユーザ情報画面233においていずれかの項目57を選択する入力操作(例えば、指でタップする操作)がなされたか否かを判別する(ステップS207)。当該入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS207で“YES”)、制御部11(興味情報取得部115)は、項目57の選択結果を受信し、当該選択結果をユーザの興味情報として取得する(ステップS208)。取得した興味情報は、後述するデジタルサイネージ40への広告表示に係る処理に用いられる。また、ステップS208において、制御部11は、登録項目データ1221を参照し、選択された項目57に対応付けられたURLのECサイト234を操作表示部23に表示させる。
【0082】
図14は、ECサイト234の例を示す図である。
ここでは、図13のユーザ情報画面233において「お薦め店」のカテゴリのうち「ビストロC」の項目57が選択された場合のECサイト234を例示している。ECサイト234では、ビストロCに係る各種情報を表示させるためのメニューボタン58と、ビストロCの予約を行うための予約実行ボタン59とが表示されている。なお、ECサイト234は、店舗が独自に提供しているウェブサイトであってもよいし、複数の店舗の情報を集約して掲載するグルメサイトなどであってもよい。
【0083】
図14では、サービスに係る項目57が選択された場合を例示したが、選択された項目57が商品であった場合には、商品を購入可能なECサイト234が表示される。この場合のECサイト234には、商品を購入するための購入ボタンなどが表示される。この場合のECサイト234は、商品を提供している個別のメーカーのウェブサイトであってもよいし、複数のメーカーの商品の情報を集約して掲載するショッピングサイトであってもよい。
【0084】
図6のステップS208が終了すると、制御部11は、ECサイト234において所定の消費行動が行われたか否かを判別する(ステップS209)。例えば、制御部11は、図14のECサイト234において予約実行ボタン59が選択されて予約が完了した場合に、消費行動が行われたと判別する。
【0085】
消費行動が行われたと判別された場合には(ステップS209で“YES”)、制御部11は、ユーザ情報画面233で選択された項目57が対応付けられていたユーザに対して所定のアフィリエイト報酬を付与する設定を行い、報酬データ1223に反映させる(ステップS210)。
【0086】
図15は、報酬データ1223の内容例を示す図である。
報酬データ1223の1つのデータ行は、あるユーザに対して設定された1件のアフィリエイト報酬に対応する。各データ行は、「ユーザID」、「日時」、「項目名」、「項目ID」及び「報酬額」のデータ項目を含む。
「日付」は、そのデータ行のアフィリエイト報酬を付与する設定がなされた日付である。
「項目名」は、そのユーザが登録している商品等の項目のうち、他のユーザの消費行動に繋がった項目の商品名又はサービス名である。
「項目ID」は、そのデータ行の商品又はサービスに対応付けられている固有の符号である。報酬データ1223では、登録項目データ1221と共通の項目IDが用いられている。
「報酬額」は、消費行動に応じて付与された報酬の金額である。
【0087】
報酬データ1223に設定されたアフィリエイト報酬の支払いは、ステップS210において即時に実行されてもよいし、後日所定のタイミングで実行されてもよい。また、アフィリエイト報酬は、金融機関におけるユーザの口座への振り込み等により支払われてもよいし、ECサイト等で使用可能なポイントとして支払われてもよい。
【0088】
ステップS210が終了した場合、又はステップS202、S205、S207、S209で“NO”と判別された場合には、制御部11は、消費行動サポート処理を終了する指示がなされたか否かを判別する(ステップS211)。当該指示がなされていないと判別された場合には(ステップS211で“NO”)、制御部11は、処理をステップS201に戻す。消費行動サポート処理を終了する指示がなされたと判別された場合には(ステップS211で“YES”)、制御部11は、消費行動サポート処理を終了させる。
【0089】
<デジタルサイネージへの広告表示に係る動作>
次に、デジタルサイネージ40に広告を表示させるための情報処理システム1の動作について、情報処理サーバ10において実行される広告表示処理の制御手順に沿って説明する。
【0090】
図16は、広告表示処理の制御部11による制御手順を示すフローチャートである。
広告表示処理が開始されると、制御部11(興味情報取得部115)は、区域R内にある端末装置20から取得した興味情報を特定する。詳しくは、制御部11は、その時点において区域R内にある端末装置20から、区域R内において取得した興味情報を特定する(ステップS301)。ここで、興味情報は、図6の消費行動サポート処理のステップS208において端末装置20から取得する情報であって、区域R内において、端末装置20に表示された商品又はサービスに係る項目57がユーザにより選択(タップ)されたことを示す情報である。よって、必ずしも項目57の選択後にECサイト234において消費行動が行われていなくてもよい。
【0091】
次に、制御部11(統計情報生成部116)は、特定した興味情報の統計処理を行って統計情報1225のうち項目別統計データ1225aを生成する(ステップS302)。
【0092】
図17は、項目別統計データ1225aの内容例を示す図である。
項目別統計データ1225aにおける1つのデータ行は、商品又はサービスに係る1つの項目57に対応する。各データ行では、項目名及び項目IDにより項目57が特定されている。項目別統計データ1225aは、各データ行の項目57を選択(タップ)したユーザ(よって、当該項目57について興味を持っているユーザ)の人数の集計結果を含む。言い換えると、項目別統計データ1225aでは、各項目57の選択数が項目57ごとにカウントされて記録されている。より詳しくは、各項目57について、ユーザの属性ごとに人数がカウントされていてもよい。図17では、年代(10代、20代…)及び性別(男性又は女性)の組み合わせごとに人数がカウントされ、最右列にその合計人数が記録されている。図17の項目別統計データ1225aからは、「TシャツE」の項目57をタップしたユーザが区域R内に20人いることが分かる。同様に、「TシャツX」については18人、「眼鏡Y」については16人、「デニムZ」については13人のユーザがそれぞれ区域R内においてタップしていることがわかる。なお、項目別統計データ1225aにおいて集計するユーザの属性は、年齢及び性別に限られず、後述する広告条件などに応じて任意に定めることができる。また、ユーザの属性を区別せずに人数のみを集計することとしてもよい。
【0093】
図16のステップS302が終了すると、制御部11は、項目別統計データ1225aを端末装置20に配信して、端末装置20の操作表示部23において注目商品TL(タイムライン)画面235を表示させる(ステップS303)。
【0094】
図18は、注目商品TL画面235の例を示す図である。
注目商品TL画面235では、項目別統計データ1225aに含まれる項目57が縦方向に配列されている。各項目57には、当該項目57をタップした(興味を持っている)ユーザが区域R内に何人いるかを示す人数マーク57aが表示されている。ここでは、図17の項目別統計データ1225aの内容に応じて、上から順に「TシャツE」、「TシャツX」、「眼鏡Y」及び「デニムZ」の項目57が、人数マーク57aとともに表示されている。図18では、商品の項目57が表示されているが、サービスの項目57が含まれていてもよい。注目商品TL画面235における項目57の配列順は、ユーザの操作に応じて切り替え可能となっていてもよい。例えば、図18に示す人数順(人気順)の他、最後にタップされた時刻順、価格順、商品名順、メーカー順などに切り替え可能となっていてもよい。各端末装置20のユーザは、注目商品TL画面235から、自身が今いる区域R(本実施形態では、渋谷)において他のユーザが注目している商品又はサービスを知ることができる。
【0095】
図16のステップS303が終了すると、制御部11(統計情報生成部116)は、特定した興味情報の統計処理を行って、統計情報1225のうち広告表示条件別統計データ1225bを生成する(ステップS304)。ステップS304の処理は、ステップS302、S303と並行して行われてもよい。
【0096】
図19は、広告表示条件別統計データ1225bの内容例を示す図である。
広告表示条件別統計データ1225bにおける1つのデータ行は、所定の広告を表示するか否かの判定に用いられる1つの広告表示条件に対応する。左端の「広告表示条件ID」は、広告表示条件ごとに定められた固有の符号である。各広告表示条件は、「対象項目」、「対象カテゴリ」、「ユーザ属性条件」及び「ユーザ数条件」のデータ項目をパラメータとして定められている。すなわち、「対象項目」又は「対象カテゴリ」の項目57をタップしたユーザのうち「ユーザ属性条件」を満たすユーザの数が、「ユーザ数条件」以上である場合に、当該広告表示条件を満たすと判定される。
【0097】
例えば、広告表示条件IDが「AD01」の広告表示条件は、「TシャツE」の項目57をタップしたユーザが10人以上いる場合に満たされる。当該広告表示条件では、「ユーザ属性条件」が「なし」とされているため、「TシャツE」の項目57をタップしたすべてのユーザの興味情報がカウントされる。
広告表示条件IDが「AD02」の広告表示条件は、「スニーカーF」の項目57をタップした「10代(性別不問)」のユーザが5人以上いる場合に満たされる。
広告表示条件IDが「AD03」の広告表示条件は、「デニムZ」の項目57をタップした「20代女性」のユーザが20人以上いる場合に満たされる。
広告表示条件IDが「AD04」の広告表示条件は、「ガジェット」のカテゴリに属する任意の項目57をタップした「男性」のユーザが15人以上いる場合に満たされる。
【0098】
このように、広告表示条件は、特定の項目57を選択した所定の属性のユーザの人数、又は特定のカテゴリに属する項目57を選択した所定の属性のユーザの人数が所定の下限値以上である場合に満たされる。なお、ユーザの属性を区別せず、特定の項目57を選択したユーザの人数、又は特定のカテゴリに属する項目57を選択したユーザの人数が所定の下限値以上である場合に広告表示条件が満たされることとしてもよい。なお、広告表示条件を定めるパラメータは、図19に例示したものに限られない。
【0099】
ステップS304では、広告表示条件別統計データ1225bの各データ行について、指定された条件を満たすユーザの数がカウントされ、「条件充足人数」のデータ列に記録される。例えば、広告表示条件IDが「AD03」の広告表示条件については、「デニムZ」をタップした「20代女性」のユーザがカウントされ、カウント結果(8人)が記録される。また、広告表示条件IDが「AD04」の広告表示条件については、「ガジェット」のカテゴリの任意の商品をタップした「男性」のユーザがカウントされ、カウント結果(11人)が記録される。
【0100】
図16のステップS304が終了すると、制御部11(広告表示条件判別部117)は、いずれかの広告表示条件が満たされているか否かを判別する(ステップS305)。ここでは、制御部11は、図19に示す広告表示条件別統計データ1225bの各広告表示条件について、「条件充足人数」が「ユーザ数条件」以上となっている場合に、当該広告表示条件が満たされていると判別する。図19では、広告表示条件が満たされていると判別されたデータ行において、「広告表示条件充足判定」が「○」となっており、満たされていないと判別されたデータ行において、「広告表示条件充足判定」が「×」となっている。いずれの広告表示条件も満たされていないと判別された場合には(ステップS305で“NO”)、制御部11は、処理をステップS301に戻す。
【0101】
いずれかの広告表示条件が満たされていると判別された場合には(ステップS305で“YES”)、制御部11(広告表示条件判別部117)は、満たされていると判別された各広告表示条件について、複数の広告が対応付けられているか否かを判別する(ステップS306)。図19の広告表示条件別統計データ1225bでは、広告表示条件IDが「AD01」の広告表示条件、及び広告表示条件IDが「AD02」の広告表示条件が、それぞれ満たされていると判別されるため、これらの各広告表示条件についてステップS306の判定が行われる。当該判定では、広告管理データ1226が参照される。
【0102】
図20は、広告管理データ1226の内容例を示す図である。
広告管理データ1226は、広告表示条件が満たされたときに表示する広告を管理するために用いられる。図20では、各広告表示条件に対応付けられている順位1~順位3の3つの広告が記載されているが、4つ以上の広告が対応付けられていてもよい。また、同一の広告表示条件が、異なる複数の区域Rにおいて設定されている場合がある。例えば、図20では、広告表示条件IDが「AD01」の広告表示条件が、渋谷及び六本木の区域Rにおいてそれぞれ設定されている。また、広告表示条件IDが「AD02」の広告表示条件が、渋谷及び銀座の区域Rにおいてそれぞれ設定されている。以下では、広告表示条件及び区域Rの組み合わせを「広告設定」と記す。図20の1つのデータ列は、1つの広告設定に対応し、各広告設定に対して複数の広告が対応付けられている。ステップS306では、広告管理データ1226のうち、区域が「渋谷」となっている広告設定が参照される。
【0103】
1つの広告設定に対応付けられている複数の広告は、その広告設定に対する入札金額によって順位付けされている。例えば、図20の広告設定No.1には、「広告F04(F社)」、「広告G02(G社)」及び「広告H02(H社)」の3つの広告が対応付けられているところ、このうち最も入札金額が高い広告が「広告F04(F社)」であるため、順位1とされている。他の広告設定についてもそれぞれ、入札金額により複数の広告が順位付けされている。
【0104】
図16に戻り、ステップS306において、一の広告表示条件について複数の広告が対応付けられていると判別された場合には(ステップS306で“YES”)、制御部11(広告表示制御部118)は、複数の広告のうち所定の選択基準に従って一の広告を選択する(ステップS307)。上記の選択基準は、広告管理データ1226における順位(入札金額)が最も高いこと、とすることができる。例えば、広告表示条件IDが「AD01」(渋谷)の広告表示条件については、順位1の「広告F04(F社)」が選択される。また、広告表示条件IDが「AD02」(渋谷)の広告表示条件については、順位1の「広告J02(J社)」が選択される。なお、選択基準はこれに限られず、例えば直近で表示済の広告を除外することとされていてもよい。
【0105】
ステップS307が終了した場合、又はステップS306において、広告表示条件に複数の広告が対応付けられていないと判別された場合には(ステップS306で“NO”)、制御部11(広告表示制御部118)は、ステップS307で選択した広告(広告表示条件に対応付けられている広告が1つである場合にはその広告)をデジタルサイネージ40に表示させる(ステップS308)。なお、ステップS305において、2以上の広告表示条件が満たされていると判別されている場合には、各広告表示条件に対応付けられている広告を、別個のデジタルサイネージ40にそれぞれ表示させてもよい。あるいは、各広告表示条件に対応付けられている広告を、各デジタルサイネージ40において順番に表示させてもよい。
【0106】
図21は、デジタルサイネージ40における広告表示の例を示す図である。
図21では、広告表示条件IDが「AD02」の広告表示条件に対応する「広告J02(J社)」の広告41が例示されている。ステップS307において、制御部11は、予めJ社から指定されている画像データに基づいて広告41をデジタルサイネージ40に表示させる。また、制御部11は、端末装置20において興味情報を収集しているアプリ221(アプリケーションプログラム)を表すアプリアイコン42(標識)を、広告41とともにデジタルサイネージ40に表示させる。
【0107】
図16のステップS308が終了すると、制御部11は、広告表示を終了するか否かを判別する(ステップS309)。広告表示を終了しないと判別した場合には(ステップS309で“NO”)、制御部11は、処理をステップS301に戻す。広告表示を終了すると判別した場合には、制御部11は、広告表示処理を終了させる。例えば、広告表示時間が終了してデジタルサイネージ40においてニュース等の所定のコンテンツの表示が開始される場合や、デジタルサイネージ40の表示がオフ状態となる場合などに、制御部11は、広告表示を終了すると判別する。
【0108】
<変形例>
次に、上記実施形態の変形例について説明する。本変形例は、統計情報1225を生成するための統計処理が上記実施形態と異なる。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。
【0109】
上記実施形態では、その時点において区域R内にいるユーザが、区域R内で項目57を選択(タップ)した場合に、当該項目57についての興味情報としてカウントした。すなわち、その項目57について興味を持っているユーザが、その時点において区域R内に何人いるかを表す統計情報1225が生成された。本変形例では、これに代えて、過去に区域R内にいたユーザの興味情報が統計情報1225に反映される。言い換えると、制御部11は、過去に区域R内の端末装置20から取得した興味情報の少なくとも一部を反映した統計情報1225を生成する。さらに、興味情報の取得日時に応じて選択され、又は加工がなされた興味情報に基づいて統計情報1225が生成される。
【0110】
図22は、本変形例で生成される項目別統計データ1225aの例を示す図である。
図22の項目別統計データ1225aでは、各項目57について、今日(当日に)興味情報が取得された人数と、1日前に興味情報が取得された人数と、2日前に興味情報が取得された人数とが集計されている。これより前の日に興味情報が取得された人数がさらに集計されてもよい。集計においては、今日興味情報が取得された人数には係数「1」が乗じられ、1日前に興味情報が取得された人数には係数「0.5」が乗じられ、2日前に興味情報が取得された人数には係数「0.3」が乗じられた上で加算される。すなわち、取得日時が現在に近いほど重み付けが大きくなるように興味情報が重み付けされる。このように重み付けがなされた興味情報の加算結果が、右端の換算人数に記録されている。図22の例では、今日興味情報が取得された人数は「TシャツE」が最も多いものの(20人)、過去の興味情報を反映した換算人数は、「TシャツX」が最も多くなっている(52.8人)。
【0111】
換算人数の集計方法は、現在までの経過日数に応じた重み付けに限られない。一例を挙げると、時間帯を考慮してもよい。すなわち、現在時刻と同一の時間帯に取得された興味情報の重み付けが、現在時刻と異なる時間帯に取得された興味情報の重み付けよりも大きくなるように興味情報を重み付けしてもよい。時間帯は任意に設定することができ、例えば12時を起点として3時間ごとに区切った時間帯とすることができる。例えば、現在時刻が13:00である場合に、昨日の10:00に取得された興味情報よりも、昨日の14:00に取得された興味情報の重み付けを大きくしてもよい。
【0112】
他の例としては、曜日を考慮してもよい。すなわち、現在の曜日と同一の曜日に取得された興味情報の重み付けが、現在の曜日と異なる曜日に取得された興味情報の重み付けよりも大きくなるように興味情報を重み付けしてもよい。例えば、今日が日曜日である場合に、1~6日前の月~土曜日に取得された興味情報よりも、7日前の日曜日に取得された興味情報の重み付けを大きくしてもよい。
【0113】
図23は、時間帯及び/又は曜日を考慮した係数の例を示す図である。
時間帯及び/又は曜日を考慮する場合には、統計情報1225の生成において、興味情報に対し、図23に示す時間帯係数a及び/又は曜日係数bを掛ければよい。ここで、時間帯係数aは、現在時刻と同一の時間帯に取得された興味情報については「1」とされ、現在時刻と異なる時間帯に取得された興味情報については「0.3」とされている。また、曜日係数bは、現在時刻と同一の曜日に取得された興味情報については「1」とされ、現在時刻と異なる曜日に取得された興味情報については「0.3」とされている。
【0114】
さらに、興味情報の取得から現在までの経過日数に応じた経過日数係数cをさらに乗じてもよい。一例を挙げると、経過日数係数cは、c=1/(経過日数+1)とすることができる。この場合、興味情報の取得から3日が経過しているときの経過日数係数cは、1/(3+1)=0.25となる。
【0115】
時間帯係数a、曜日係数b及び経過日数係数cを用いる場合には、興味情報に対して「a×b×c」で表される値を乗じた上で加算すればよい。時間帯係数a、曜日係数b及び経過日数係数cのうち1つ又は2つを選択して適用してもよい。
【0116】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置としての情報処理サーバ10は、興味情報取得部115、統計情報生成部116、広告表示条件判別部117及び広告表示制御部118として機能する制御部11を備える。興味情報取得部115は、所定の区域R内にある複数の端末装置20の各々から、各端末装置20のユーザの興味に係る興味情報を取得する。統計情報生成部116は、興味情報取得部115が取得した興味情報に係る統計情報1225を生成する。広告表示条件判別部117は、統計情報1225が、予め定められた広告表示条件を満たすか否かを判別する。広告表示制御部118は、統計情報1225が広告表示条件を満たすと判別された場合に、区域R内にあるデジタルサイネージ40に所定の広告を表示させる。これにより、区域R内にいる複数のユーザの興味を反映した広告をデジタルサイネージ40に表示させることができる。よって、より多くの人に対して効果的である広告を表示させることができる。
【0117】
また、興味情報は、区域R内において、端末装置20に表示された商品又はサービスに係る項目57がユーザにより選択されたことを示す情報を含む。これにより、区域Rにいるユーザのリアルタイムの興味情報に応じて、表示させる広告を選択することができる。この結果、区域Rの特性に合った広告を表示させることができる。例えば、比較的若い年齢層の人が多く集まる渋谷において、複数のユーザから取得した興味情報に基づいて選択した広告を表示することで、端末装置20のユーザのみならず、その周囲にいる若い年齢層の多くの人に訴求しやすい広告を表示させることができる。また、曜日や時間帯によって集まる人の属性が変化する区域Rにおいても、その曜日や時間帯に合った広告を表示させることができる。
【0118】
また、統計情報生成部116は、項目57を選択したユーザの人数を含む統計情報1225を生成する。これにより、簡易な処理で適切な統計情報1225を生成することができる。
【0119】
また、広告表示条件は、統計情報1225のうち、特定の項目57を選択したユーザの人数、又は特定のカテゴリに属する項目57を選択したユーザの人数が所定の下限値以上である場合に満たされる。これにより、特定の項目57やカテゴリに興味を持っているユーザに対して効果的な広告を表示させることができる。
【0120】
また、広告表示条件は、統計情報1225のうち、特定の項目57を選択した所定の属性のユーザの人数、又は特定のカテゴリに属する項目57を選択した所定の属性のユーザの人数が所定の下限値以上である場合に満たされる。これにより、特定の項目57やカテゴリに興味を持っているユーザに対して効果的な広告を表示させることができる。また、特定の属性のユーザに対して効果的な広告を表示させることができる。
【0121】
また、変形例に係る統計情報生成部116は、過去に区域R内の端末装置20から興味情報取得部115が取得した興味情報の少なくとも一部を反映した統計情報1225を生成する。これにより、過去の一定期間における、区域Rにいた人の興味の傾向に合わせた広告を表示させることができる。
【0122】
また、変形例に係る統計情報生成部116は、興味情報取得部115による興味情報の取得日時に応じて選択され、又は加工がなされた興味情報に基づいて統計情報1225を生成する。これにより、時間条件によって区域Rに集まる人の興味の傾向が変わるような場合においても、その興味の傾向に合わせた広告を表示させることができる。
【0123】
また、変形例に係る統計情報生成部116は、取得日時が現在に近いほど重み付けが大きくなるように興味情報を重み付けして統計情報1225を生成する。これにより、区域Rに集まる人の過去の興味の傾向を反映させつつ、直近の興味のトレンドに合った広告を表示させることができる。
【0124】
また、変形例に係る統計情報生成部116は、現在時刻と同一の時間帯に取得された興味情報の重み付けが、現在時刻と異なる時間帯に取得された興味情報の重み付けよりも大きくなるように興味情報を重み付けして統計情報1225を生成する。これにより、時間帯によって区域Rに集まる人の興味の傾向が変わるような場合においても、その興味の傾向に合わせた広告を表示させることができる。
【0125】
また、変形例に係る統計情報生成部116は、現在の曜日と同一の曜日に取得された興味情報の重み付けが、現在の曜日と異なる曜日に取得された興味情報の重み付けよりも大きくなるように興味情報を重み付けして統計情報1225を生成する。これにより、曜日によって区域Rに集まる人の興味の傾向が変わるような場合においても、その興味の傾向に合わせた広告を表示させることができる。
【0126】
また、広告表示制御部118は、統計情報1225が複数の広告表示条件のうち一の広告表示条件を満たすと判別した場合に、当該一の広告表示条件に予め対応付けられている広告をデジタルサイネージ40に表示させる。このように、予め複数の広告表示条件を定めておき、その時点において区域Rにいる人の特性に合った広告表示条件を選択することで、より柔軟に効果的な広告を表示させることができる。
【0127】
また、広告表示制御部118は、一の広告表示条件に複数の広告が対応付けられている場合に、複数の広告のうち所定の選択基準に従って選択された一の広告をデジタルサイネージ40に表示させる。これにより、広告表示条件ごとに複数の広告の入札を受け付け、最も入札金額の高い広告を表示させるといった処理が可能となる。
【0128】
また、広告表示制御部118は、端末装置20において興味情報を収集しているアプリ221を表すアプリアイコン42を、広告とともにデジタルサイネージ40に表示させる。これにより、デジタルサイネージ40を見ている人に対してアプリ221を認識させることができるため、アプリ221の普及を図ることができる。また、既にアプリ221をインストールしているユーザに対し、アプリ221で収集される興味情報が広告の選択に関わっていることを周知することができ、ユーザに対してより積極的なアプリ221の使用を促すことができる。
【0129】
本実施形態に係る情報処理方法は、所定の区域R内にある複数の端末装置20の各々から、各端末装置20のユーザの興味に係る興味情報を取得する興味情報取得ステップと、興味情報取得ステップにおいて取得した興味情報に係る統計情報1225を生成する統計情報生成ステップと、統計情報1225が、予め定められた広告表示条件を満たすか否かを判別する判別ステップと、統計情報1225が広告表示条件を満たすと判別された場合に、区域R内にあるデジタルサイネージ40に所定の広告を表示させる広告表示制御ステップと、を含む。このような方法によれば、区域R内にいる複数のユーザの興味を反映した広告をデジタルサイネージ40に表示させることができる。よって、より多くの人に対して効果的である広告を表示させることができる。
【0130】
<その他>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、情報処理サーバ10の機能の一部は、一又は二以上の別個のサーバにより実現されていてもよい。
【0131】
また、図19の広告表示条件別統計データ1225bにおける条件充足人数の集計結果に応じて、広告の表示時間を調整したり、表示させるデジタルサイネージ40を選択したりしてもよい。例えば、条件充足人数が多いほど広告の表示時間を長くしてもよい。また、区域Rに複数のデジタルサイネージ40が設けられている場合において、条件充足人数が多いほど立地条件のよい(多くの人の目にとまりやすい)デジタルサイネージ40に広告を表示させることとしてもよい。
【0132】
上記実施形態では、区域Rの内部でユーザが項目57を選択(タップ)した場合に興味情報が収集されたが、これに限られない。例えば、区域Rの外部を含む任意の場所でユーザの興味情報を収集し、当該ユーザが区域Rに入った場合に、当該ユーザの興味情報を統計情報1225の生成のための統計処理の対象としてもよい。
【0133】
興味情報は、ユーザ情報画面233において項目57をタップしたことを示す情報に限られず、ユーザの興味を反映した任意の情報を用いることができる。
【0134】
検索結果表示画面232は、地図55上にユーザアイコン54を分布させたものに限られない。例えば、抽出されたユーザをリストアップした画面であってもよい。当該リストにおいて、各ユーザのお気に入りの商品等の項目57の一部を表示させてもよい。
【0135】
上記実施形態では、検索結果表示画面232において1つのユーザアイコン54がタップされたことに応じて、ユーザ情報画面233に遷移させてそのユーザのお気に入り情報に係る項目57を表示させたが、検索結果表示画面232から他の方法で項目57を特定して表示させてもよい。例えば、検索結果表示画面232において、顧客ユーザが所望の項目57を検索できるようになっていてもよい。例えば、検索結果表示画面232において「香水」を検索した場合に、検索結果表示画面232で抽出されている複数のユーザがお気に入り情報として登録している香水の項目57を抽出し、抽出された香水の項目57を一覧表示させてもよい。
【0136】
除外条件として、除外位置を設定するものを例示したが、これに限られない。例えば、特定の日時における位置情報を検索対象から除外するように設定できてもよい。あるいは、検索を行っている顧客ユーザの属性(年齢、性別等)に応じて検索対象から除外できるようにしてもよい。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0138】
1 情報処理システム
10 情報処理サーバ(情報処理装置)
11 制御部
111 項目登録部
112 位置情報取得部
113 ユーザ抽出部
114 端末表示制御部
115 興味情報取得部(興味情報取得手段)
116 統計情報生成部(統計情報生成手段)
117 広告表示条件判別部(判別手段)
118 広告表示制御部(広告表示制御手段)
12 記憶部
121 プログラム
122 ユーザデータ
1221 登録項目データ
1222 位置履歴データ
1223 報酬データ
1224 除外条件データ
1225 統計情報
1225a 項目別統計データ
1225b 広告表示条件別統計データ
1226 広告管理データ
13 操作部
14 表示部
15 通信部
16 バス
20 端末装置
21 制御部
22 記憶部
221 アプリ(アプリケーションプログラム)
23 操作表示部
231 検索画面
232 検索結果表示画面
233 ユーザ情報画面
234 ECサイト
235 注目商品TL画面
24 位置検出部
25 通信部
26 バス
30 ECサーバ
40 デジタルサイネージ
41 広告
42 アプリアイコン(標識)
51 場所入力欄
52 日時入力欄
53 検索実行ボタン
54 ユーザアイコン
56 項目カテゴリ
57 項目
57a 人数マーク
58 メニューボタン
59 予約実行ボタン
N 通信ネットワーク
R 区域
図1
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図3
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