(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176602
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】包装袋のガス濃度測定装置および包装袋のガス濃度測定方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/39 20060101AFI20221122BHJP
G01N 21/59 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G01N21/39
G01N21/59 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083116
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】大島 雅志
(72)【発明者】
【氏名】宮部 祐樹
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059CC07
2G059EE01
2G059GG01
2G059HH01
2G059HH06
2G059KK02
(57)【要約】
【課題】レーザー発光部の先端やレーザー受光部の先端と被測定物(包装袋)との密着性を確保できると共に、袋内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる包装袋のガス濃度測定装置および包装袋のガス濃度測定方法を提供する。
【解決手段】包装袋のガス濃度測定装置Gは、被包装物Sを充填しガス置換して包装された包装袋H内の特定ガスの濃度を測定する包装袋のガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光を照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光を受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備え、レーザー発生部2とレーザー受光部4とが包装袋Hの両側に対向して配されるレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2およびレーザー受光部4は、先端部に包装袋Hを吸着可能な吸盤部6,7を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を充填しガス置換して包装された包装袋内の特定ガスの濃度を測定する包装袋のガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備え、前記レーザー発生部と前記レーザー受光部とが前記包装袋の両側に対向して配されるレーザー式ガス濃度計を有し、
前記レーザー発生部および前記レーザー受光部は、それぞれの先端部と前記包装袋とを密閉させるための吸着可能な吸盤部を有していることを特徴とする包装袋のガス濃度測定装置。
【請求項2】
前記吸盤部は、袋ガイド板を有している請求項1に記載の包装袋のガス濃度測定装置。
【請求項3】
前記吸盤部は、厚さ方向を上下に配置された包装袋に対して斜め上方から前記包装袋を吸引するように配されている請求項1または2に記載の包装袋のガス濃度測定装置。
【請求項4】
前記レーザー発生部の先端に設けられた吸盤部は、前記発信器から発振されるレーザー光を屈折させて前記受信器に受光させるレンズを有している請求項1ないし3のいずれかに記載の包装袋のガス濃度測定装置。
【請求項5】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備え、前記レーザー発生部と前記レーザー受光部とが包装袋の両側に対向して配されるレーザー式ガス濃度計を有したガス濃度測定装置における包装袋のガス濃度測定方法であって、
前記レーザー発生部の先端部および前記レーザー受光部の先端部に設けられた吸着可能な吸盤部により、前記レーザー発生部の先端部および前記レーザー受光部の先端部と前記包装袋とをそれぞれ密閉させて測定することを特徴とする包装袋のガス濃度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋内の特定ガスの濃度を測定することができる包装袋のガス濃度測定装置および包装袋のガス濃度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被包装物が特に食品の場合、保存期間や賞味期限を長くするために、包装時に包装袋内に残留する空気を排除して窒素、二酸化炭素等の不活性ガスを充填するガス置換包装が行われている。例えば特許文献1には、包装袋内に被包装物を投入すると共に、包装袋に挿入したノズルから不活性ガスを充填して、不活性ガスと包装袋内の酸素との置換作用を行なう不活性ガス充填方法が開示されている。
【0003】
そして、製品検査において、被包装物を包装した包装袋内に残存する酸素濃度を計測する方法として、本件出願人が、例えば特許文献2にレーザー式ガス濃度測定装置による計測方法を提案している。
【0004】
ところで、このレーザー式ガス濃度測定装置による計測方法は、大半のガス分子が特定波長の光を吸収するという性質を利用して、一定距離内のガス分子の数を計測しガス濃度を測定するものである。そのため、レーザー式ガス濃度測定装置のレーザー発光部の先端やレーザー受光部の先端と被測定物(包装袋)との間に間隙が存在しないように密着させることが重要となる。
【0005】
しかし、被包装物を包装した包装容器が袋の場合、上記密着性が不十分となったり、包装袋内の検知空間が十分に確保できず、測定精度が劣化することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3742042号公報
【特許文献2】特許第5124719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、レーザー発光部の先端やレーザー受光部の先端と被測定物(包装袋)との密着性を確保できると共に、袋内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる包装袋のガス濃度測定装置および包装袋のガス濃度測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するものは、被包装物を充填しガス置換して包装された包装袋内の特定ガスの濃度を測定する包装袋のガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備え、前記レーザー発生部と前記レーザー受光部とが前記包装袋の両側に対向して配されるレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部および前記レーザー受光部は、それぞれの先端部と前記包装袋とを密閉(密着)させるための吸着可能な吸盤部を有していることを特徴とする包装袋のガス濃度測定装置である(請求項1)。前記吸盤部は、袋ガイド板を有していることが好ましい(請求項2)。前記吸盤部は、厚さ方向を上下に配置された前記包装袋に対して斜め上方から前記包装袋を吸引するように配されていることが好ましい(請求項3)。前記レーザー発生部の先端に設けられた吸盤部は、前記発信器から発振されるレーザー光を屈折させて前記受信器に受光させるレンズを有していることが好ましい(請求項4)。
【0009】
また、上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備え、前記レーザー発生部と前記レーザー受光部とが包装袋の両側に対向して配されるレーザー式ガス濃度計を有したガス濃度測定装置における包装袋のガス濃度測定方法であって、前記レーザー発生部の先端部および前記レーザー受光部の先端部に設けられた吸着可能な吸盤部により、前記レーザー発生部の先端部および前記レーザー受光部の先端部と前記包装袋とをそれぞれ密閉(密着)させて測定することを特徴とする包装袋のガス濃度測定方法である(請求項5)。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の包装袋のガス濃度測定装置によれば、レーザー発光部の先端やレーザー受光部の先端と被測定物(包装袋)との密着性を確保できると共に、包装袋内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる。
請求項2に記載の包装袋のガス濃度測定装置によれば、吸盤部の吸引に伴って袋ガイド板に沿った形状に包装袋を変形させることで包装袋内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる。
請求項3に記載の包装袋のガス濃度測定装置によれば、包装袋の膨らみに対応して、吸盤部をより被測定物(包装袋)に密着させることができると共に、袋内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる。
請求項4に記載の包装袋のガス濃度測定装置によれば、発信器から発振されるレーザー光を屈折させて受信器との光軸を調整し、レーザー光を受信器に確実に受光させることができる。
請求項5に記載の包装袋のガス濃度測定方法によれば、レーザー発光部の先端やレーザー受光部の先端と被測定物(包装袋)との密着性を確保できると共に、包装袋内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の包装袋のガス測定装置の一実施例を説明するための正面概略図である。
【
図2】
図1に示した包装袋のガス測定装置を説明するための部分拡大縦断面図である。
【
図3】
図1に示した包装袋のガス測定装置の袋ガイドを説明するための説明図であり、(a)は正面概略図であり、(b)は左側面図であり、(c)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、特定波長のレーザー光を照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光を受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備え、レーザー発生部2およびレーザー受光部4が、先端部に包装袋を吸着可能な吸盤部6,7を有していることで、レーザー発光部2の先端やレーザー受光部4の先端と被測定物(包装袋)との密着性を確保できると共に、包装袋内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる包装袋のガス濃度測定装置Gを実現した。
【実施例0013】
本発明の包装袋のガス濃度測定装置を
図1ないし
図3に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の包装袋のガス濃度測定装置Gは、被包装物Sを充填しガス置換して包装された包装袋H(食品を充填した包装袋に限定されず、例えば医療用輸液を充填した輸液バッグなどの食品以外を充填した包装袋も含む。)内の特定ガスの濃度を測定する包装袋のガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光を照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光を受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備え、レーザー発生部2とレーザー受光部4とが包装袋Hの両側に対向して配されるレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2およびレーザー受光部4は、先端部に包装袋Hを吸着可能な吸盤部6,7を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0014】
この実施例のガス濃度測定装置被包装物Gは、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスによりガス置換をして包装された包装袋H内の特定ガスである酸素濃度をレーザー式ガス濃度計5によって測定するものであり、単独の測定装置として使用され、または、ロータリー式包装機、トラック式包装機、製袋包装機等の各種包装機内の検査工程に設置して使用され、さらには、ロータリー式包装機、トラック式包装機、製袋包装機等の各種包装機のアウトラインに設けられたコンベア式検査工程に設置して使用される。
【0015】
レーザー式ガス濃度計5は、
図1または
図2に示すように、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備えており、レーザー発生部2とレーザー受光部4とが包装袋Hの両側に対向して配されるように構成されている。
【0016】
レーザー式ガス濃度計5は、半導体レーザーを光源とする赤外線吸収分光法を利用するもので、測定対象の分子(測定ガス:この実施例では酸素ガス)に固有周波数の光を与えると光エネルギーを吸収し、これを測定することによりガス濃度の表示を行なうものである。
【0017】
具体的には、レーザー発生部2の発信器1から発振されるレーザー光Lは、レーザー発生部2の鏡筒部8内を通過して包装袋H内に侵入し、レーザー受光部4の受信器3に受光されるように構成されている。発信器1から発振される特定波長のレーザー光Lは、酸素ガスの場合、波長(固有周波数)760~770nmの範囲から選択される。そして、特定波長のレーザー光Lが、包装袋H内に残留している酸素ガスによって吸収されると、レーザー受光部4の受信器3に受光されたレーザー光の吸光度に基づいて包装体H内に残留している酸素ガスのガス濃度が測定されるように構成されている。
【0018】
レーザー発生部2は、発信器1から発振されるレーザー光Lの波長を特定の波長に設定し、所定の光強度に調整する制御部9を有している。制御部9は、半導体レーザー素子(図示しない)から出力されるレーザー光Lの波長を測定対象の特定ガス固有の特定波長に調整して、レーザー光Lが所定の入射光強度で射出されるように増幅制御する。
【0019】
レーザー受光部4は、包装袋Hを透過したレーザー光Lを受光する受信器3と、受信器3からの受光ケーブル10を介する受光信号に基づいてガス濃度を測定する測定部11とを有している。
【0020】
受信器3は、包装袋Hを透過したレーザー光Lの透過光強度を電気的な透過光信号に変換する素子、例えばフォトダイオード(図示略)を有している。これによって、包装袋Hを透過したレーザー光Lの透過光強度を電気的に処理することができる。
【0021】
測定部11は、透過光強度に係る透過光信号と、発信器1から発振されたレーザー光Lの入射光強度に係る入射光信号に基づいて透過率を計算し、当該透過率に基づいてレーザー光の特定ガスによる吸光度を求め、当該吸光度に基づいて包装袋H内の特定ガスの濃度を測定するように構成されている。
【0022】
そして、レーザー発生部2およびレーザー受光部4は、先端部に包装袋Hを吸着可能な吸盤部6,7をそれぞれ有している。これにより、レーザー発光部2の先端やレーザー受光部4の先端と被測定物(包装袋H)との密着性または密閉性を確保(隙間なく付着させ空気を入れない状態を確保)できると共に、包装袋H内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる。
【0023】
具体的には、レーザー発生部2およびレーザー受光部4は、
図1または
図2に示すように、鏡筒部8,12の先端部に包装袋Hを吸着可能な吸盤部6,7をそれぞれ有している。これらの吸盤部6,7は、鏡筒部8,12に設けられた吸引穴13,14を備えた連通路15,16に流量調整弁(図示しない)や圧力計(図示しない)を介して真空ポンプ等の真空源(図示しない)が取り付けられてそれぞれ吸引可能に構成されている。
【0024】
なお、この実施例のレーザー式ガス濃度計5は、連通路15,16とレーザー経路17,18とがそれぞれ連通し、吸盤部6,7による吸引により、レーザー発光部2とレーザー受光部4のレーザー経路17,18内も真空雰囲気下となるように構成されている。これにより、レーザー経路17,18内の残存酸素率をほぼ0%として測定精度をより高めることができる。
【0025】
また、この実施例のレーザー式ガス濃度計5は、吸盤部6,7が、厚さ方向を上下に配置された包装袋Hに対して斜め上方から包装袋Hを吸引するように配されている。これにより、包装袋Hの膨らみに対応して、吸盤部6,7をより被測定物(包装袋)Hに密着させることができると共に、包装袋H内に十分な検知空間を確保して測定精度が向上させることができる。
【0026】
具体的には、この実施例の吸盤部6,7は、
図3(a)中、中心線nに対して線対称の位置に設けられている。すなわち、この実施例の吸盤部6,7は、包装袋Hの中央を縦断し垂直方向に延在する中心線nに対して、同一角度で、かつ同一高さの位置に配されている。これにより、レーザー発光部2とレーザー受光部4間における包装袋Hの測定距離Wが一定に保持されるように構成されている。
【0027】
レーザー発生部2の先端に設けられた吸盤部6は、発信器1から発振されるレーザー光Lを屈折させて受信器3に受光させるレンズ19を有している。これにより、発信器1から発振されるレーザー光Lを屈折させて受信器3との光軸を調整し、レーザー光Lを受信器3に確実に受光させることができる。
【0028】
なお、この実施例のガス濃度測定装置Gは、レーザー発生部2とレーザー受光部4が定位置に固定されているが、これに限定されるものではなく、レーザー発生部2とレーザー受光部4間は、それぞれ往復動機構に取り付けられて相対的に接近及び離隔可能に構成されたものも本発明の範疇に包含される。具体的には、レーザー発生部2とレーザー受光部4をそれぞれ、シリンダーやサーボモーターなどの往復動機構により、順次測定される包装袋Hに対して内外に移動可能に構成する。そして、往復動機構により移動した後、吸盤部6,7にて被測定物(包装袋H)を吸引するように構成する。
【0029】
順次測定される包装袋Hが異なる幅を有する場合は、対となる吸盤部6,7により包装袋Hを吸引させた状態で、両者間の離隔距離を測定し、当該離隔距離における測定値から基準となる一定距離に換算した数値を算出して補正することにより包装袋H内の特定ガスの濃度を測定してもよい。
【0030】
具体的には、離隔距離は、例えば往復動機構による対となる吸盤部の移動距離などを基にして算出され、離隔距離:測定値=基準となる一定距離:ガス濃度X(換算して補正された数値)から、ガス濃度X(ガス濃度X=測定値×基準となる一定距離/離隔距離)の数値が求められ表示されるように構成されている。これにより、包装袋Hによってレーザー発生部とレーザー受光部間における被測定物(包装袋H)の幅が異なる場合でも、異なったままガス濃度を高精度で測定することができる。なお、被測定物(包装袋H)の異なる幅に対応した対となる吸盤部の移動は、位置センサなどにより被測定物(包装袋H)の幅を検出し、その検出値に基づいて対となる吸盤部6,7を往復動させる方法やサーボモーターを使用する方法などが好適である。
【0031】
吸盤部6,7は、袋ガイド板20,21をそれぞれ有している。これにより、吸盤部6,7の吸引に伴って袋ガイド板20に沿った形状に包装袋Hを変形させることで包装袋H内に十分な検知空間を確保して測定精度が向上させることができる。
【0032】
具体的には、この実施例の袋ガイド板20,21は、
図3に示すように、矩形の板状体にて構成されており、袋ガイド板20,21の中央付近には、円形の貫通穴22,23がそれぞれ設けられ、吸盤部6,7の先端側に設けられた細径部24,25を貫通穴22,23内にそれぞれ位置させて装着することで、吸盤部6,7の先端部に袋ガイド板20,21が取り付けられている。また、袋ガイド板20,21は、吸盤部6,7または鏡筒部8,12の軸方向に直交する方向に延在するよう配されている。そして、吸盤部6,7の吸引に伴い、袋ガイド板20,21の内側面20a,21bに沿って包装袋Hが引張されることにより、包装袋H内に十分な検知空間が確保されるように構成されている。
【0033】
また、本発明の包装袋のガス濃度測定方法は、例えば上記包装袋のガス濃度測定装置Gにおける包装袋のガス濃度測定方法であり、特定波長のレーザー光を照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光を受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備え、レーザー発生部2とレーザー受光部2とが包装袋Hの両側に対向して配されるレーザー式ガス濃度計5を有したガス濃度測定装置Gにおける包装袋のガス濃度測定方法であって、記レーザー発生部2の先端部およびレーザー受光部4の先端部にそれぞれ設けられた吸着可能な吸盤部6,7により、レーザー発生部2の先端部およびレーザー受光部4の先端部と包装袋Hとをそれぞれ密閉(密着)させて測定することを特徴とする包装袋のガス濃度測定方法である。前述した包装袋のガス濃度測定装置Gと同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。これにより、レーザー発光部2の先端やレーザー受光部4の先端と被測定物(包装袋H)との密着性を確保できると共に、包装袋H内に十分な検知空間を確保して測定精度を向上させることができる。