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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176615
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】天井換気材、及び天井点検口蓋
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/02 20060101AFI20221122BHJP
   E04F 19/08 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
E04B9/02
E04F19/08 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083130
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】511167618
【氏名又は名称】株式会社ヒノキヤグループ
(71)【出願人】
【識別番号】319011502
【氏名又は名称】YPC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】荒木 伸介
(72)【発明者】
【氏名】溝田 豊彦
(57)【要約】
【課題】室内の美観を損なうことなく、天井裏を換気することができるとともに、天井裏側から埃等が室内側に落下するのを防ぐことができる天井換気材、及び天井点検口蓋を提供する。
【解決手段】天井換気材50は、天井裏(TU)側と室内(R)側とを通気するための通気口80を有する通気部60と、通気口80を平面視で覆うように通気口80の上方に配されるフード部90とを備えるものとする。天井点検口蓋10は、閉状態において点検口5の周縁との間に所定隙間を存して配される蓋本体20と、前記所定隙間に配されるように蓋本体20に取り付けられる天井換気材50とを備えるものとする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に設けられた点検口に配設される天井換気材であって、
天井裏側と室内側とを通気するための通気口を有する通気部と、
前記通気口を平面視で覆うように前記通気口の上方に配されるフード部と、
を備える天井換気材。
【請求項2】
前記フード部は、天井裏側において水平方向に開口する水平開口を有し、
前記フード部における前記通気口に対する対向面は、前記通気口から前記水平開口へと向かって上凸状に湾曲した形状に形成されている請求項1に記載の天井換気材。
【請求項3】
天井に設けられた点検口に開閉自在に取り付けられる天井点検口蓋であって、
閉状態において前記点検口の周縁との間に所定隙間を存して配される蓋本体と、
前記所定隙間に配されるように前記蓋本体に取り付けられる請求項1又は2に記載の天井換気材と、
を備える天井点検口蓋。
【請求項4】
前記所定隙間は、前記蓋本体の両側に設けられ、
前記天井換気材は、前記蓋本体の両側の前記所定隙間に配されるように前記蓋本体の両側に取り付けられている請求項3に記載の天井点検口蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に設けられた点検口に配設される天井換気材、及び天井点検口蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、家屋、工場等の建築物における天井には、空調装置、配電盤等の点検、保守、修理等を行うため、点検口が設けられている。点検口には、蓋が備わっており、通常は閉じた状態にある。そのため、天井の点検口の蓋は、室内のインテリアを構成する一部となる。
【0003】
点検口が蓋によって閉じられた状態では、天井裏に熱や湿気がこもるため、天井裏の温度や湿度が異常に上昇することがある。天井裏側を換気すれば、天井裏の温度や湿度の異常な上昇を抑えることができる。
【0004】
特許文献1には、天井に設けられた開口に取り付けられる外枠に蓋が配設されてなる点検口構造が開示されている。この点検口構造において、外枠の枠内開口部分が、天井の点検口として機能する。蓋は、点検口を開閉できるように外枠に取り付けられている。蓋は、外枠の内方側に配される内枠と、この内枠内に嵌着される板状体とにより構成されている。板状体は、複数の羽根状邪魔板が並設されたガラリ状に構成されている。このような点検口構造によれば、点検口が蓋によって閉じられた状態であっても、隣り合う羽根状邪魔板の間の隙間を通って空気が天井裏側と室内側とで流通可能となり、天井裏側を換気することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-107551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の点検口構造では、隣り合う羽根状邪魔板の間の隙間を通して天井裏の内部が見えてしまうため、室内の美観が損なわれてしまうという問題がある。また、同点検口構造では、天井裏側の埃等が、隣り合う羽根状邪魔板の間の隙間を通って室内側に落下してしまうという問題もある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、室内の美観を損なうことなく、天井裏を換気することができるとともに、天井裏側から埃等が室内側に落下するのを防ぐことができる天井換気材、及び天井点検口蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係る天井換気材の特徴構成は、
天井に設けられた点検口に配設される天井換気材であって、
天井裏側と室内側とを通気するための通気口を有する通気部と、
前記通気口を平面視で覆うように前記通気口の上方に配されるフード部と、
を備えることにある。
【0009】
本構成の天井換気材によれば、通気部の通気口を通して、天井裏側と室内側とで空気が流通可能となる。フード部は、通気口を平面視で覆うように通気口の上方に配されている。このため、室内側から通気口を通して天井裏側を見ようとしても、フード部によって遮られることになる。また、天井裏側の埃等が通気口を通って室内側に落下しようとしても、フード部によって遮られることになる。従って、室内の美観を損なうことなく、天井裏を換気することができるとともに、天井裏側から埃等が室内側に落下するのを防ぐことができる。
【0010】
本発明に係る天井換気材において、
前記フード部は、天井裏側において水平方向に開口する水平開口を有し、
前記フード部における前記通気口に対する対向面は、前記通気口から前記水平開口へと向かって上凸状に湾曲した形状に形成されていることが好ましい。
【0011】
本構成の天井換気材によれば、通気部の通気口を通して天井裏側と室内側とで流通される空気は、通気部の通気口からフード部の水平開口へと向かって上凸状に湾曲した形状に形成されている、フード部における通気口に対する対向面に沿ってスムーズに流れることになる。従って、換気効率を向上させることができる。
【0012】
次に、上記課題を解決するための本発明に係る天井点検口蓋の特徴構成は、
天井に設けられた点検口に開閉自在に取り付けられる天井点検口蓋であって、
閉状態において前記点検口の周縁との間に所定隙間を存して配される蓋本体と、
前記所定隙間に配されるように前記蓋本体に取り付けられる上記の何れか一つの天井換気材と、
を備えることにある。
【0013】
本構成の天井点検口蓋によれば、蓋本体に取り付けられる上記の何れか一つの天井換気材における通気部の通気口を通して、天井裏側と室内側とで空気が流通可能となる。フード部は、通気口を平面視で覆うように通気口の上方に配されている。このため、室内側から通気口を通して天井裏側を見ようとしても、フード部によって遮られることになる。また、天井裏側の埃等が通気口を通って室内側に落下しようとしても、フード部によって遮られることになる。従って、室内の美観を損なうことなく、天井裏を換気することができるとともに、天井裏側から埃等が室内側に落下するのを防ぐことができる。さらに、蓋本体に取り付けられる天井換気材は、天井の点検口と蓋本体との間において、蓋本体とは別体に設けられるため、天井を見上げたときに天井換気材それ自体が目を引くとともに、室内側から通気口を通して見えるフード部は天井裏側の暗所に存在するため、通気口の奥側が暗く映り、周囲との明度が互いに際立たせあうような状態となり、室内インテリア上のアクセントとなって、室内の美観を高めることができる。
【0014】
本発明に係る天井点検口蓋において、
前記所定隙間は、前記蓋本体の両側に設けられ、
前記天井換気材は、前記蓋本体の両側の前記所定隙間に配されるように前記蓋本体の両側に取り付けられていることが好ましい。
【0015】
本構成の天井点検口蓋によれば、蓋本体が閉じた状態において、天井換気材は、蓋本体の両側に一定の距離を空けて配されることになるため、例えば、天井換気材のうちの一方の天井換気材を、天井裏側の空気を室内側へと優先的に流すように機能させ、他方の天井換気材を、室内側の空気を天井裏側へと優先的に流すように機能させることができる。これにより、天井裏側と室内側とで空気が循環する循環路を形成することができ、換気効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る天井換気材、及び天井点検口蓋を具備する天井点検口構造体を示し、(a)は天井点検口蓋が閉状態の下方斜視図、(b)は天井点検口蓋が開状態の下方斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る天井換気材、及び天井点検口蓋を具備する天井点検口構造体の底面図である。
図3図3は、図2のA-A線断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る天井点検口蓋を示し、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る天井換気材を示し、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図である。
図6図6は、図4(a)のB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
【0018】
<天井点検口構造体の概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る天井換気材、及び天井点検口蓋を具備する天井点検口構造体を示し、(a)は天井点検口蓋が閉状態の下方斜視図、(b)は天井点検口蓋が開状態の下方斜視図である。図1(a)及び(b)に示す天井点検口構造体1は、天井(T)に設けられた開口に嵌着される矩形状の外枠3と、天井の点検口5、すなわち外枠3の枠内開口部分に開閉自在に取り付けられる底面視矩形状の天井点検口蓋10とを備えている。外枠3は、例えば、金属のような高剛性材料で構成することが好ましい。
【0019】
図1(a)に示すように、外枠3は、所定間隔を存して平行に配設される一対の縦枠部3aと、これら縦枠部3aと直角を成すようにそれら縦枠部3aと組み合わされる一対の横枠部3bとにより構成されている。なお、外枠3は、天井(T)を支える野縁(図3参照;符号「Y」にて示す部材)に固定されている。
【0020】
図1(a)及び(b)に示す天井点検口蓋10は、一対の縦枠部3aのそれぞれの一端部に枢着されており、枢着部分(後述する枢支軸33と軸受部35との係合部分)を支点として、図1(a)に示すような点検口5を閉じる閉位置と、図1(b)に示すような室内側に垂下状態となって点検口5を開く開位置との間で回動可能とされている。天井点検口構造体1においては、天井点検口蓋10が図1(a)に示す閉位置において点検口5を閉じた閉状態に保つためのロック機構7が装備されている。ロック機構7としては、公知のロック機構を採用することができ、所定の操作によりロックを解除できるように構成されている。天井点検口蓋10は、図1(a)に示す閉状態において、ロック機構7のロックを解除した後、下向きに回動操作することにより、図1(b)に示す開位置として点検口5を開いた開状態とすることができる。
【0021】
<天井点検口蓋>
図2は、本発明の一実施形態に係る天井換気材、及び天井点検口蓋を具備する天井点検口構造体の底面図である。図2に示す天井点検口構造体1において、天井点検口蓋10(以下、単に「蓋10」と略称する。)は、底面視矩形状の蓋本体20と、一対の天井換気材50とを備えている。天井換気材50は、例えば、樹脂のような弾性材料で構成することが好ましい。蓋10が閉状態において、蓋本体20と点検口5の周縁との間、本例の場合、蓋本体20と一対の縦枠部3aの内側縁との間には、それぞれ所定隙間Sが設けられている。一対の天井換気材50は、蓋10が閉状態において、蓋本体20の両側に設けられる前記所定隙間Sに配されるように蓋本体20の両側に取り付けられている。
【0022】
<蓋本体>
蓋本体20は、外枠3の内方側に配される矩形状の内枠23と、この内枠23内に嵌着される蓋用天井材25とにより構成されている。内枠23は、例えば、金属のような高剛性材料で構成することが好ましい。
【0023】
内枠23は、一対の縦枠部23aと一対の横枠部23bとが縦横に組み合わされて構成されている。一対の縦枠部23aは、蓋10が閉状態において、外枠3における一対の縦枠部3aとの間に一対の天井換気材50を配設するのに必要な上記の所定隙間Sが存するようにそれら縦枠部3aに対し平行を成して配設されている。一対の横枠部23bは、蓋10の開閉操作時に、外枠3における一対の横枠部3bと干渉しないようにするのに必要な微小隙間(図示省略)が存するように、蓋10が閉状態において、それら横枠部3bに対し平行を成して配設されている。
【0024】
図3は、図2のA-A線断面図である。図3に示すように、内枠23の下端部には、枠内側に張り出すように内向きフランジ27が額縁状に形成されるとともに、枠外側に張り出すように外向きフランジ29が額縁状に形成されている。内向きフランジ27は、内枠23内に嵌着される蓋用天井材25を下側から支持する。外向きフランジ29は、内枠23と天井換気材50との突き合わせ部分を覆うことにより、美観向上に寄与する。一方、外枠3の下端部には、枠外側に張り出すように、外向きフランジ9が形成されている。外向きフランジ9は、天井の開口周縁部を額縁状に覆うことにより、美観向上に寄与する。
【0025】
図4は、本発明の一実施形態に係る天井点検口蓋を示し、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図である。なお、図4(b)では、蓋用天井材25の一部を透過してある。図4(a)及び(b)に示すように、内枠23における一対の縦枠部23aのそれぞれの一端部には、対応する外枠3における一対の縦枠部3aのそれぞれの一端部に向けて枢支軸33が突出形成されている。図3に示すように、枢支軸33は、外枠3における縦枠部3aの一端部に形成された軸受部35に係合されている。このようにして、蓋本体20は、枢支軸33とそれに対応する軸受部35との係合部分を支点として、外枠3に回動可能に支持されている。
【0026】
図4(b)に示す蓋用天井材25は、図1(a)に示す外枠3の周囲の天井(T)を構成する天井材と同様の外観デザインの板状体によって構成されている。なお、蓋用天井材25としては、必ずしも、外枠3の周囲の天井材と同様の外観デザインとするとは限られず、室内インテリアの観点上、好ましい場合は、外枠3の周囲の天井材と異なる外観デザインとしてもよい。
【0027】
<天井換気材>
図5は、本発明の一実施形態に係る天井換気材を示し、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図である。図5(a)及び(b)に示す天井換気材50は、蓋10が閉状態(図1(a)参照)において、点検口5に配設される。天井換気材50は、複数の縦側板部61,62と、複数の横側板部71~77とを備えている。
【0028】
複数の縦側板部61,62は、第一縦側板部61、及び第二縦側板部62を含む。第一縦側板部61は、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態において、蓋本体20の内枠23における縦枠部23aに接触する板面を有し、縦枠部23aの長手方向にその縦枠部23aの長さ未満の長さで延在する。一方、第二縦側板部62は、第一縦側板部61よりも長く、第一縦側板部61に対し所定間隔を存して対向配置され、縦枠部23aと略同じ長さで延在する。
【0029】
複数の横側板部71~77は、第一横側板部71、第二横側板部72、及び第三横側板部73を含む。第一横側板部71は、第二縦側板部62の一端部にその第二縦側板部62と直角を成すように一体的に接続されている。第二横側板部72は、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態において、蓋本体20に設けられた枢支軸33(図4(a)及び(b)参照)の近傍に位置し、且つ、第一横側板部71に対し所定間隔を存して対向配置され、第二縦側板部62に一体的に接続されている。第三横側板部73は、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態において、蓋本体20に設けられた枢支軸33の近傍に位置し、且つ、第二横側板部72に対し所定間隔を存して対向配置され、第一縦側板部61、及び第二縦側板部62に一体的に接続されている。すなわち、第二横側板部72、及び第三横側板部73は、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態において、枢支軸33をそのラジアル方向で挟むような位置関係にある。第二横側板部72、及び第三横側板部73の下側には、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態において、枢支軸33を底面視で覆うように、軸覆蓋部78が一体的に設けられている。
【0030】
複数の横側板部71~77は、第四横側板部74、第五横側板部75、第六横側板部76、及び第七横側板部77をさらに含む。第四横側板部74は、第三横側板部73に対し所定間隔を存して対向配置され、第一縦側板部61、及び第二縦側板部62に一体的に接続されている。第五横側板部75は、第四横側板部74に対し所定間隔を存して対向配置され、第一縦側板部61、及び第二縦側板部62に一体的に接続されている。第六横側板部76は、第五横側板部75に対し所定間隔を存して対向配置され、第一縦側板部61、及び第二縦側板部62に一体的に接続されている。第七横側板部77は、第六横側板部76に対し所定間隔を存して対向配置され、第二縦側板部62の他端部にその第二縦側板部62と直角を成すように一体的に接続されている。
【0031】
<通気部>
図5(b)に示すように、天井換気材50においては、複数の縦側板部61,62、及び複数の横側板部71~77により、天井裏側と室内側とを通気するための複数の通気口81~85を有する通気部60が構成されている。
【0032】
複数の通気口81~85は、第一通気口81、第二通気口82、第三通気口83、第四通気口84、及び第五通気口85を含む。
【0033】
第一通気口81は、第一横側板部71、第二横側板部72、及び第二縦側板部62によって区画形成されている。なお、通気部60における第一横側板部71と第二横側板部72との間の開口は、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態の蓋本体20の内枠23における縦枠部23aによって閉じられる。このため、第一通気口81は、実質的に、第一横側板部71、第二横側板部72、第二縦側板部62、及び縦枠部23aによって囲まれた底面視矩形状に開口した通気口となる。
【0034】
第二通気口82は、第三横側板部73、第四横側板部74、第一縦側板部61、及び第二縦側板部62によって区画形成されている。第三通気口83は、第四横側板部74、第五横側板部75、第一縦側板部61、及び第二縦側板部62によって区画形成されている。第四通気口84は、第五横側板部75、第六横側板部76、第一縦側板部61、及び第二縦側板部62によって区画形成されている。
【0035】
第五通気口85は、第六横側板部76、第七横側板部77、及び第二縦側板部62によって区画形成されている。なお、通気部60における第六横側板部76と第七横側板部77との間の開口は、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態の蓋本体20の内枠23における縦枠部23aによって閉じられる。このため、第五通気口85は、実質的に、第六横側板部76、第七横側板部77、第二縦側板部62、及び縦枠部23aによって囲まれた底面視矩形状に開口した通気口となる。
【0036】
図5(a)に示すように、天井換気材50は、複数の庇状部101~105をさらに備えている。複数の庇状部101~105は、第一庇状部101、第二庇状部102、第三庇状部103、第四庇状部104、及び第五庇状部105を含む。
【0037】
図5(b)に示すように、第一庇状部101は、第一通気口81を平面視で覆うように第一通気口81の上方に配され、下部側が第二縦側板部62に一体的に接続されている。第二庇状部102は、第二通気口82を平面視で覆うように第二通気口82の上方に配され、下部側が第二縦側板部62に一体的に接続されている。第三庇状部103は、第三通気口83を平面視で覆うように第三通気口83の上方に配され、下部側が第二縦側板部62に一体的に接続されている。第四庇状部104は、第四通気口84を平面視で覆うように第四通気口84の上方に配され、下部側が第二縦側板部62に一体的に接続されている。第五庇状部105は、第五通気口85を平面視で覆うように第五通気口85の上方に配され、下部側が第二縦側板部62に一体的に接続されている。
【0038】
<フード部>
天井換気材50においては、複数の庇状部101~105、及び複数の横側板部71~77により、複数の通気口81~85を平面視で覆うようにそれら通気口81~85の上方に配されるフード部90が構成されている。
【0039】
図5(a)及び(b)に示すように、フード部90は、第一フード部91、第二フード部92、第三フード部93、第四フード部94、及び第五フード部95を含む。
【0040】
図5(b)に示すように、第一フード部91は、第一横側板部71、及び第二横側板部72と、これら横側板部71,72の上側に一体的に接続される第一庇状部101とによって構成されている。第一フード部91は、第一水平開口111を有している。第一水平開口111は、第一横側板部71、第二横側板部72、及び第一庇状部101によって区画形成されている。なお、通気部60における第一横側板部71と第二横側板部72との間の開口は、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態の蓋本体20の内枠23における縦枠部23aによって閉じられる。このため、第一水平開口111は、実質的に、第一横側板部71、第二横側板部72、第一庇状部101、及び縦枠部23aによって囲まれた水平方向視矩形状に開口した通気口となり、天井裏側において蓋10の内方側に向かう水平方向に開口する。
【0041】
第二フード部92は、第三横側板部73、及び第四横側板部74と、これら横側板部73,74の上側に一体的に接続される第二庇状部102とによって構成されている。第二フード部92は、第二水平開口112を有している。第二水平開口112は、第三横側板部73、第四横側板部74、第二庇状部102、及び第一縦側板部61によって区画形成される水平方向視矩形状に開口した通気口となり、天井裏側において蓋10の内方側に向かう水平方向に開口する。
【0042】
第三フード部93は、第四横側板部74、及び第五横側板部75と、これら横側板部74,75の上側に一体的に接続される第三庇状部103とによって構成されている。第三フード部93は、第三水平開口113を有している。第三水平開口113は、第四横側板部74、第五横側板部75、第三庇状部103、及び第一縦側板部61によって区画形成される水平方向視矩形状に開口した通気口となり、天井裏側において蓋10の内方側に向かう水平方向に開口する。
【0043】
第四フード部94は、第五横側板部75、及び第六横側板部76と、これら横側板部75,76の上側に一体的に接続される第四庇状部104とによって構成されている。第四フード部94は、第四水平開口114を有している。第四水平開口114は、第五横側板部75、第六横側板部76、第四庇状部104、及び第一縦側板部61によって区画形成される水平方向視矩形状に開口した通気口となり、天井裏側において蓋10の内方側に向かう水平方向に開口する。
【0044】
第五フード部95は、第六横側板部76、及び第七横側板部77と、これら横側板部76,77の上側に一体的に接続される第五庇状部105とによって構成されている。第五フード部95は、第五水平開口115を有している。第五水平開口115は、第六横側板部76、第七横側板部77、及び第五庇状部105によって区画形成されている。なお、通気部60における第六横側板部76と第七横側板部77との間の開口は、天井換気材50が蓋本体20に取り付けられた状態の蓋本体20の内枠23における縦枠部23aによって閉じられる。このため、第五水平開口115は、実質的に、第六横側板部76、第七横側板部77、第五庇状部105、及び縦枠部23aによって囲まれた水平方向視矩形状に開口した通気口となり、天井裏側において蓋10の内方側に向かう水平方向に開口する。
【0045】
本実施形態では、各フード部91~95を、各横側板部71~77と、各庇状部101~105とによって構成する例を示したが、これに限定されるものではない。各フード部91~95を構成する上で、各横側板部71~77は必須の構成要素ではなく任意の構成要素であり、各フード部91~95を各庇状部101~105だけで構成する態様もある。各フード部91~95は、各通気口81~85の上方に配されて、各通気口81~85を平面視で覆う機能を少なくとも有していればよい。
【0046】
以下の説明においては、各通気口81~85を総称して、「通気口80」と表記する。また、各水平開口111~115を総称して、「水平開口110」と表記する。
【0047】
本実施形態において、フード部90(各庇状部101~105)における通気口80に対する対向面90aは、通気口80から水平開口110へと向かって上凸状に湾曲した形状に形成されている。なお、対向面90aとしては、本例のような湾曲面形状に限定されるものではなく、水平方向に平坦に延在する水平面形状や、通気口80から水平開口110へと向かって上向きに傾斜した傾斜面形状であってもよい。
【0048】
<天井換気材と蓋本体との係止構造>
図6は、図4(a)のB-B線断面図である。図6に示す天井換気材50において、第一縦側板部61の上端部には、図6中上側の要部拡大図に示すように、上向きに突出した所要の上側係止凸部121が第一縦側板部61の長手方向に所定ピッチで形成されている。また、第一縦側板部61の下端部には、図6中下側の要部拡大図に示すように、下向きに突出した所要の下側係止凸部123が第一縦側板部61の長手方向に所定ピッチで形成されている。一方、蓋本体20の内枠23において、縦枠部23aの上部には、図6中上側の要部拡大図に示すように、上側係止凸部121に対応する上側係止凹部125が形成されている。また、縦枠部23aの下部には、図6中下側の要部拡大図に示すように、下側係止凸部123に対応する下側係止凹部127が形成されている。
【0049】
蓋本体20に対して天井換気材50は、例えば、次のようにして取り付けられる。まず、天井換気材50側に設けられた下側係止凸部123を、蓋本体20側に設けられた下側係止凹部127に嵌め込む。次いで、下側係止凸部123と下側係止凹部127との嵌め合せ部分を支点として、縦枠部23aに対し第一縦側板部61を接触させるように、内枠23に対し天井換気材50を押付け操作する。このとき、天井換気材50側に設けられた上側係止凸部121が、蓋本体20側に設けられた上側係止凹部125を構成する部分に当接し、さらに天井換気材50の押付け操作を続けると、天井換気材50が弾性変形し、その後、上側係止凸部121が上側係止凹部125に対応する位置まで押し込まれると、天井換気材50が元の形状に戻って、上側係止凸部121が上側係止凹部125に嵌り込む。これにより、上側係止凹部125、及び下側係止凹部127に対し、上側係止凸部121、及び下側係止凸部123が係合される。こうして、天井換気材50に対して所定以上の引離し力を意図的に作用させない限り、蓋本体20から天井換気材50が外れないように、蓋本体20に対し天井換気材50が係止される。
【0050】
以上に述べたように構成される天井点検口構造体1において、通常は、蓋10が図1(a)に示すような閉状態とされる。天井裏側に配設された空調装置、配電盤等の点検、保守、修理等を行う際には、ロック機構7のロックを解除することにより、蓋10を図1(b)に示すような開状態とし、点検口5を開く。こうして、作業者は、点検口5を通して、天井裏側に配設された空調装置、配電盤等の点検、保守、修理等の作業を行うことができる。点検、保守、修理等の作業が終了すれば、蓋10を図1(a)に示すような閉状態とし、ロック機構7でロックして点検口5を閉じた状態に保持する。
【0051】
図3に示すように、天井点検口構造体1において、点検口5(外枠3の枠内開口部分)が蓋10によって閉じられた状態であっても、蓋本体20に取り付けられる天井換気材50における、通気部60の通気口80、及びフード部90の水平開口110を通して、天井裏(TU)側と室内(R)側とで空気が流通可能となる。これにより、天井裏に熱や湿気がこもるようなことがなくなり、天井裏側が換気されて、天井裏の温度や湿度の異常な上昇を抑えることができる。
【0052】
天井換気材50において、通気口80、及び水平開口110を通して天井裏側と室内側とで流通される空気は、通気口80から水平開口110へと向かって上凸状に湾曲した形状に形成されている対向面90aに沿ってスムーズに流れることになる。従って、換気効率を向上させることができる。
【0053】
なお、本実施形態において、水平開口110は、天井裏側において蓋10の内方側に向かう水平方向に開口している。蓋10の内方側には、何ら通気を阻害するものが存在しないため、水平開口110を通して空気がスムーズに流れることになる。仮に、水平開口110が天井裏側において蓋10の外方側に向かう水平方向に開口している場合、野縁(図3参照;符号「Y」にて示す部材)が通気を阻害する虞がある。従って、水平開口110は、天井裏側において蓋10の内方側に向かう水平方向に開口していることが好ましい。勿論、通気の阻害の問題が無ければ、水平開口110を、天井裏側において蓋10の外方側に向かう水平方向に開口するようにしてもよい。
【0054】
点検口5(外枠3の枠内開口部分)を閉じている蓋10において、蓋本体20の両側に取り付けられる天井換気材50のうちの一方の天井換気材50(例えば、図3において左側の天井換気材50)を、天井裏(TU)側の空気を室内(R)側へと優先的に流すように機能させ、他方の天井換気材50(例えば、図3において右側の天井換気材50)を、室内(R)側の空気を天井裏(TU)側へと優先的に流すように機能させることができる。これにより、天井裏側と室内側とで空気が循環する循環路を形成することができ、換気効率をより向上させることができる。
【0055】
通気部60には、通気口80を平面視で覆うようにフード部90が連設されている。このため、点検口5の真下の室内(R)側から通気口80を通して天井裏(TU)側を見ようとしても、フード部90によって遮られることになる。また、天井裏(TU)側の埃等が蓋10の真上から通気口80を通って室内(R)側に落下しようとしても、フード部90によって遮られることになる。従って、室内の美観を損なうことなく、天井裏を換気することができるとともに、天井裏側から埃等が室内側に落下するのを防ぐことができる。
【0056】
さらに、蓋10において、蓋本体20に取り付けられる天井換気材50は、天井(T)の点検口5を形成する外枠3の枠内開口部分と蓋本体20との間において、蓋本体20とは別体に設けられるため、天井(T)を見上げたときに天井換気材50それ自体が目を引くとともに、室内(R)側から通気口80を通して見えるフード部90は天井裏(TU)側の暗所に存在するため、通気口80の奥側が暗く映り、周囲との明度が互いに際立たせあうような状態となり、室内インテリア上のアクセントとなって、室内の美観を高めることができる。
【0057】
以上、本発明の天井換気材、及び天井点検口蓋について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の天井換気材、及び天井点検口蓋は、例えば、ビル、家屋、工場等の建築物における天井裏に配設される、空調装置、配電盤等の点検、保守、修理等を行うための点検口に取り付けて天井裏の換気をする用途において利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 天井点検口蓋
20 蓋本体
50 天井換気材
60 通気部
80 通気口
90 フード部
110 水平開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6