(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176649
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】真空ポンプシステム、及び、真空ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 37/16 20060101AFI20221122BHJP
F04D 19/04 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
F04B37/16 D
F04B37/16 C
F04D19/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083183
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221372
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 信治
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 耕太
【テーマコード(参考)】
3H076
3H131
【Fターム(参考)】
3H076AA21
3H076AA38
3H076BB13
3H076CC52
3H076CC94
3H076CC95
3H131AA02
3H131AA07
3H131BA04
3H131CA31
3H131CA36
(57)【要約】
【課題】真空ポンプ内部の反応生成物の生成を抑制しつつ排気性能を維持する。
【解決手段】真空ポンプシステム100は、第1の真空ポンプ1と、第2の真空ポンプ3と、を備える。第2の真空ポンプ3は、第1の真空ポンプ1の第1排気口19に接続される。第2の真空ポンプ3は、ポンプ部5と、トラップ部7と、を有する。ポンプ部5は、第2ロータ51を有する。トラップ部7は、ポンプ部5の吸気により第1排気口19から第3内部空間S3に導かれたガスから生成された反応生成物を堆積する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の真空ポンプと、
前記第1の真空ポンプの排気口に接続される第2の真空ポンプと、を備え、
前記第2の真空ポンプは、
ロータを有するポンプ部と、
前記ポンプ部の吸気により前記排気口から内部空間に導かれたガスから生成された反応生成物を堆積するトラップ部と、
を有する、真空ポンプシステム。
【請求項2】
前記トラップ部を冷却する冷却部をさらに備える、
請求項1に記載の真空ポンプシステム。
【請求項3】
前記トラップ部は、前記ポンプ部よりも鉛直方向下側に配置される、
請求項1又は2に記載の真空ポンプシステム。
【請求項4】
前記内部空間にプラズマを発生させるプラズマ発生部をさらに備える、
請求項1から3のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項5】
前記ポンプ部を加熱する第1のヒータをさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項6】
前記トラップ部を加熱する第2のヒータをさらに備える、請求項1~5のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項7】
ロータを有するポンプ部と、
前記ポンプ部の吸気により内部空間に導かれたガスから生成された反応生成物を堆積するトラップ部と、
を備える、
真空ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプシステム、及び、真空ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプには、固定翼と回転翼で構成されるタービン翼ポンプ部と、タービン翼ポンプ部よりも排気下流側に設けられたドラッグポンプ部と、を備えるものがある。この真空ポンプを含む真空ポンプシステムは、例えば、ドライエッチング、又は、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)などのプロセスを実行するプロセスチャンバ内を高真空とする手段として用いられる。
【0003】
真空ポンプシステムがプロセスチャンバ内を高真空とするために用いられる場合、真空ポンプシステムに含まれる真空ポンプ、真空ポンプ以外の他の装置(例えば、ドライポンプ)、及び/又は、ガス配管に、反応生成物が生成して堆積する可能性がある。真空ポンプシステムにおける反応生成物の生成は抑制する必要がある。なぜなら、真空ポンプの内部に反応生成物が堆積すると、真空ポンプの部品(例えば、ロータ)と反応生成物が接触する可能性があるからである。また、上記の他の装置及びガス配管に反応生成物が堆積すると、真空ポンプシステムの排気能力を低下させるからである。
【0004】
真空ポンプ内部における反応生成物の生成を抑制する方法として、真空ポンプの内部を昇温する方法が知られている。例えば、特許文献1では、真空ポンプの本体をヒータにより加熱して内部を昇温している。また、特許文献2では、高温のパージガスを真空ポンプの内部に導入して昇温している。一方、真空ポンプの排気側に接続されるガス配管及び装置における反応生成物の堆積を抑制するために、特許文献3では、真空ポンプの排気側にフィルタを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-112133号公報
【特許文献2】特開2020-90922号公報
【特許文献3】特開2006-74362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、真空ポンプの内部の昇温は、抑制することが好ましい。なぜなら、真空ポンプの内部の昇温に伴って、ロータが昇温して膨張し、他の部品と接触しやすくなるからである。その結果、ロータの膨張により他の部品と接触するまでの時間で決定される真空ポンプの寿命が短くなるからである。
【0007】
また、特許文献1及び2の方法により真空ポンプの内部を昇温する場合、さらなる昇温を抑制するために、真空ポンプの排気流量を大きくできない。具体的には、真空ポンプの排気流量を小さくして、ロータを回転させるモータにかかる負荷を低減し、当該モータからの発熱を抑制する必要がある。
【0008】
さらに、特許文献3のように真空ポンプの排気側にフィルタを設ける場合、反応生成物がフィルタに堆積するに従って、真空ポンプの排気側のガスの流れが悪化する。真空ポンプの排気側のガスの流れが悪化すると、真空ポンプの排気側の圧力(背圧)が高くなる。この結果、真空ポンプの排気性能が低下するか、及び/又は、モータの負荷が増大して発熱が多くなる。
【0009】
本発明の目的は、真空ポンプシステムにおいて、真空ポンプ内部の反応生成物の生成を抑制しつつ、排気性能を維持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る真空ポンプシステムは、第1の真空ポンプと、第2の真空ポンプと、を備える。第2の真空ポンプは、第1の真空ポンプの排気口に接続される。第2の真空ポンプは、ポンプ部と、トラップ部と、を有する。ポンプ部は、ロータを有する。トラップ部は、ポンプ部の吸気により第1の真空ポンプの排気口から内部空間に導かれたガスから生成された反応生成物を堆積する。
【発明の効果】
【0011】
上述した本発明の一態様に係る真空ポンプシステムでは、第2の真空ポンプのポンプ部が、第2の真空ポンプのトラップ部の内部空間に第1の真空ポンプの排気口からガスを吸気により導いている。これにより、第1の真空ポンプの内部から第2の真空ポンプに至る排気経路の圧力を低くすることができるので、第1の真空ポンプの内部、及び、第1の真空ポンプから第2の真空ポンプまでの排気経路における反応生成物の生成が抑制される。その結果、第1の真空ポンプ及びガス配管のメンテナンス頻度を低くできる。また、第2の真空ポンプのトラップ部の内部空間に反応生成物が堆積するので、ポンプ部における反応生成物の生成を抑制できる。
【0012】
また、第1の真空ポンプから第2の真空ポンプまでの排気経路において反応生成物の生成が抑制されることで、当該排気経路のコンダクタンスが高いまま維持される。この結果、ポンプ部が第1の真空ポンプの排気口を吸気する能力が低下しなくなるので、第1の真空ポンプの排気側の圧力(背圧)を低く維持できる。さらに、反応生成物の生成を抑制するために第1の真空ポンプの内部の昇温が不要となる。これらの結果、真空ポンプシステムの排気性能を高いまま維持できる。また、第1の真空ポンプの排気能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る真空ポンプシステムの構成を示す図である。
【
図4】ポンプ部の途中にトラップ部を設けた第2の真空ポンプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.真空ポンプシステムの構成
以下、図面を参照して一実施形態に係る真空ポンプシステムの構成を説明する。
図1は、実施形態に係る真空ポンプシステム100の構成を示す図である。真空ポンプシステム100は、排気対象装置CHの内部のガスを排気するシステムである。排気対象装置CHは、例えば、半導体製造装置のプロセスチャンバである。真空ポンプシステム100は、第1の真空ポンプ1と、第2の真空ポンプ3と、第3の真空ポンプ9と、を備える。
【0015】
第1の真空ポンプ1の吸気側は、開閉弁2を介して、排気対象装置CHの内部に接続される。開閉弁2は、弁の開閉により第1の真空ポンプ1の吸気側と排気対象装置CHの内部とを連通させるか遮断するかを切り替える。また、開閉弁2は、弁の開度を制御することで排気対象装置CHの内部の圧力を制御する真空バルブである。第1の真空ポンプ1の排気側は、第1ガスラインL1を介して、第2の真空ポンプ3に接続される。
【0016】
第2の真空ポンプ3は、ポンプ部5と、トラップ部7と、を有する。ポンプ部5の吸気側は、トラップ部7に接続される。トラップ部7は、第1ガスラインL1を介して、第1の真空ポンプ1の排気側に接続される。ポンプ部5の排気側は、第2ガスラインL2、第1バルブV1、及び、第3ガスラインL3を介して、第3の真空ポンプ9の吸気側に接続される。第3の真空ポンプ9は、例えば、ドライポンプである。また、第3の真空ポンプ9の吸気側は、第4ガスラインL4、第2バルブV2、第5ガスラインL5、及び、第3ガスラインL3を介して、排気対象装置CHの内部に接続される。
【0017】
2.第1の真空ポンプの構成
以下、
図2を用いて、第1の真空ポンプ1の具体的構成を説明する。
図2は、第1の真空ポンプ1の断面図である。第1の真空ポンプ1は、第1吸気口11と、第1ロータ13と、第1ステータ15と、第1モータ17と、第1排気口19と、を含む。第1吸気口11は、第1の真空ポンプ1の吸気側であって、開閉弁2を介して、排気対象装置CHの内部に接続される。
【0018】
第1ロータ13は、複数段のロータ翼13Aとロータ円筒部13Bとを含む。第1ロータ13は、第1ベース21と第1軸受23により回転可能に支持される。第1ロータ13は、第1モータ17により回転する。第1ステータ15は、複数段のステータ翼15Aとステータ円筒部15Bとを含む。ステータ円筒部15Bの内周面(ロータ円筒部13Bと対向する面)にはネジ溝が形成されている。第1の真空ポンプ1において、ロータ翼13Aとステータ翼15Aは交互に配置され、ターボ分子ポンプ部を構成する。一方、ロータ円筒部13Bとステータ円筒部15Bは、ターボ分子ポンプ部の下部において、わずかな隙間を設けて対向して配置され、ネジ溝ポンプ部を構成する。第1排気口19は、ネジ溝ポンプ部の下部の第1内部空間S1と連通している。第1排気口19は、第1ガスラインL1を介して、第2の真空ポンプ3に接続される。
【0019】
第1の真空ポンプ1では、第1モータ17により第1ロータ13が回転することで、ターボ分子ポンプ部とネジ溝ポンプ部が、排気対象装置CHの内部のガスを第1吸気口11に吸気する。ターボ分子ポンプ部とネジ溝ポンプ部は、第1吸気口11に吸気したガスを第1内部空間S1に導いて第1排気口19から排気する。この結果、排気対象装置CHの内部が、高真空状態となる。第1排気口19から排気されたガスは、第2の真空ポンプ3により吸気される。
【0020】
3.第2の真空ポンプの構成
次に、
図3を用いて、第2の真空ポンプ3の構成を説明する。
図3は、第2の真空ポンプ3の断面図である。なお、
図3の矢印は、鉛直方向を表す。上記のように、第2の真空ポンプ3は、ポンプ部5と、トラップ部7と、を含む。ポンプ部5は、第2ロータ51と、第2ステータ53と、を含む。
【0021】
第2ロータ51は、シャフト51Aを有する。シャフト51Aは、複数の第2軸受55A~55Dにより回転可能に支持される。複数の第2軸受55A~55Dは、第2ベース57のシャフト51Aを収納した位置に取り付けられている。第2軸受55Aは、例えば、ボールベアリングである。一方、他の第2軸受55B~55Dは、例えば、磁気軸受である。ただし、複数の第2軸受55B~55Dは、ボールベアリングなどの他の種類の軸受であってもよい。第2ベース57のシャフト51Aを収納した位置には、さらに、第2モータ59が取り付けられる。第2モータ59は、第2ロータ51を回転させる。第2ロータ51の外周部には、第2ロータ円筒部51Bが形成されている。第2ロータ円筒部51Bは、シャフト51Aの延びる軸方向に延びている。
【0022】
ケーシングに相当する第2ステータ53は、第1端53Aと、第2端53Bと、を有する筒状の部材である。第1端53Aは、第2ベース57に接続される。第2端53Bは、開口O1を形成する。第2ステータ53は、第2ロータ円筒部51Bの外周面と第2ステータ53の内周面との間にわずかな隙間を形成した状態で、第2ロータ51を収納する。第2ステータ53の内周面、すなわち、第2ロータ円筒部51Bと対向する面には、ネジ溝が形成されている。第2ロータ円筒部51Bの外周面と第2ステータ53の内周面との間にわずかな隙間が形成され、第2ステータ53の内周面にネジ溝が形成されることで、第2ロータ円筒部51Bと第2ステータ53は、ホルベックポンプ部を形成する。ホルベックポンプ部は、第2内部空間S2に接続される。第2内部空間S2は、第2ロータ円筒部51Bの上端部、第2ステータ53の第1端53A側、及び、第2ベース57により囲まれた空間である。
【0023】
なお、上記のホルベックポンプ部では、第2ステータ53の内周面でなく、第2ステータ53と対向する第2ロータ円筒部51Bの外周面にネジ溝が設けられてもよい。
【0024】
第2ステータ53の上部には、第2排気口61が設けられる。第2排気口61は、第2内部空間S2に接続される。第2排気口61は、第2の真空ポンプ3の排気側であって、第2ガスラインL2、第1バルブV1、及び、第3ガスラインL3を介して、第3の真空ポンプ9の吸気側に接続される。
【0025】
第2ステータ53の外周面には、第1のヒータ63が設けられる。第1のヒータ63は、ポンプ部5を加熱する。第1のヒータ63によりポンプ部5を加熱することで、ポンプ部5において反応生成物が生成されることを抑制できる。第1のヒータ63によるポンプ部5の加熱温度は、例えば、150°Cである。この加熱温度は、排気対象装置CH内で行われるプロセスで用いる原料等に応じて適宜設定できる。
【0026】
ポンプ部5では、第2モータ59により第2ロータ51が回転することで、ホルベックポンプ部が、開口O1においてガスを吸気する。ホルベックポンプ部は、吸気したガスを第2内部空間S2に導いて第2排気口61から排気する。第2排気口61から排気されたガスは、第3の真空ポンプ9により吸気される。
【0027】
トラップ部7は、底面部7Aと、側面部7Bと、を有する。側面部7Bの一端は、底面部7Aと接続される。底面部7Aと側面部7Bは、第3内部空間S3を形成する。トラップ部7は、例えば、底面部7Aが円形である円筒形状を有する。トラップ部7が円筒形状であることにより、第3内部空間S3にガスを滞留しやすくできる。なお、トラップ部7は、内部にガスをある程度の時間留めておくことができれば、円筒形状以外の他の形状(例えば、直方体、底面部7Aが多角形の立体等)とできる。
【0028】
その他、トラップ部7の第3内部空間S3に他のガス滞留構造を設けてもよい。例えば、第3内部空間S3に壁面を設けて、第3内部空間S3においてガスの流れにくい箇所を形成してもよい。例えば、底面部7Aに、ルーバー形状、渦巻き形状のフィンなどのガス滞留構造を設けることができる。
【0029】
側面部7Bの他端は、第2ステータ53の第2端53Bに接続される。なお、側面部7Bは、第2ステータ53に溶接等で固定されてもよいし、第2ステータ53から脱着可能なように、ネジ等で第2ステータ53に接続されてもよい。側面部7Bを第2ステータ53から脱着可能に接続する場合には、例えば、側面部7Bと第2ステータ53との間にガスシールを設けるなどの方法により、側面部7Bと第2ステータ53とをガスタイト接続する。
【0030】
第3内部空間S3の底面部7Aとは反対側は開口しており、開口O1と接続されている。側面部7Bのいずれかには、第2吸気口71が設けられる。第2吸気口71は、第3内部空間S3に接続される。第2吸気口71は、第1ガスラインL1を介して、第1の真空ポンプ1の第1排気口19に接続される。これにより、ポンプ部5の開口O1は、第3内部空間S3、第2吸気口71、第1ガスラインL1、及び、第1の真空ポンプの第1排気口19とガス流通可能となる。これにより、ポンプ部5は、第1の真空ポンプ1が第1排気口19に排気したガスを、第1ガスラインL1を介して、第3内部空間S3に導くことができる。
【0031】
トラップ部7は、例えば、アルミニウム、ステンレスなどの金属製の部材である。トラップ部7は、例えば、1枚の金属板を曲げ加工することで形成されてもよいし、底面部7Aと側面部7Bとを別部材として形成して溶接等で底面部7Aと側面部7Bとを接続して形成してもよい。
【0032】
図3に示すように、ポンプ部5は、開口O1が鉛直方向下側に配置されている。また、トラップ部7は、開口O1よりもさらに鉛直方向下側に配置されている。すなわち、トラップ部7は、ポンプ部5よりも鉛直方向下側に配置されている。これにより、トラップ部7の底面部7A及び側面部7Bに堆積した反応生成物が、重力によりトラップ部7に留まり、ポンプ部5に侵入しにくくなる。
【0033】
第2の真空ポンプ3は、冷却部73を含む。冷却部73は、トラップ部7の底面部7Aに接触した状態で取り付けられる。なお、冷却部73は、トラップ部7の側面部7Bに取り付けられてもよい。冷却部73は、例えば、冷却液を流すことができる金属製のパイプである。冷却部73は、トラップ部7の底面部7A及び側面部7Bを冷却する。底面部7A及び側面部7Bを冷却することで、第3内部空間S3のガスを冷却できる。第3内部空間S3のガスを冷却することで、第3内部空間S3における反応生成物の生成を促進できる。なぜなら、排気対象装置CHの内部に導入されるガス、すなわち、真空ポンプシステム100にて排気されるガスを原料として反応生成物が生成される場合、ガスの温度が低いほど反応生成物が生成されやすいからである。
【0034】
第2の真空ポンプ3は、プラズマ発生部75を含む。プラズマ発生部75は、トラップ部7の第3内部空間S3に設けられる。プラズマ発生部75は、第3内部空間S3にプラズマを発生させる。プラズマ発生部75から発生するプラズマは、第3内部空間S3等に堆積した反応生成物を分解する。例えば、メンテナンス時にプラズマ発生部75からプラズマを発生させることで、トラップ部7等のクリーニング(反応生成物の除去)を実行できる。プラズマ発生部75は、例えば、平行平板型のプラズマ発生装置、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)の発生装置である。
【0035】
第2の真空ポンプ3は、第2のヒータ77を含む。第2のヒータ77は、トラップ部7の側面部7Bに設けられる。第2のヒータ77は、トラップ部7を加熱する。これにより、トラップ部7に堆積した反応生成物を、第2のヒータ77によるトラップ部7の加熱により除去できる。第2のヒータ77によるトラップ部7の加熱温度は、例えば、150°Cである。この加熱温度は、排気対象装置CH内で行われるプロセスで用いる原料等に応じて適宜設定できる。
【0036】
なお、第2の真空ポンプ3において、トラップ部7を設ける位置は、ポンプ部5の開口O1の部分に限られない。例えば、
図4に示すように、トラップ部7は、ポンプ部5の途中に設けられてもよい。具体的には、第2ステータ53に設けた開口部分に第3内部空間S3が接続されるように、トラップ部7を設けてもよい。
図4は、ポンプ部5の途中にトラップ部7を設けた第2の真空ポンプ3の断面図である。なお、この変形例では、ポンプ部5の開口O1が、第1の真空ポンプ1の第1排気口19に接続される。
【0037】
ポンプ部5の途中にトラップ部7を設けた第2の真空ポンプ3では、ポンプ部5が、第1の真空ポンプ1の第1排気口19から開口O1にガスを導く。開口O1に導かれたガスは、ポンプ部5の吸引により、第2ロータ円筒部51Bと第2ステータ53との間を通過し、第2排気口61から排気される。開口O1に導かれたガスが第2ロータ円筒部51Bと第2ステータ53との間を通過する間に、当該ガスがトラップ部7の第3内部空間S3にて滞留する。第3内部空間S3にて滞留するガスから反応生成物が生成され、トラップ部7に堆積する。
【0038】
4.排気対象装置の真空引き動作
以下、真空ポンプシステム100を用いて排気対象装置CHの内部を高真空状態とする真空引き動作を説明する。まず、第1の真空ポンプ1を動作可能な圧力となるまで排気対象装置CHを真空引きする。この真空引きは、第2バルブV2を開けた状態で第3の真空ポンプ9を動作させ、第3の真空ポンプ9で排気対象装置CHの内部を吸気することで実現できる。この真空引きの実行中、開閉弁2と第1バルブV1は閉じられている。
【0039】
排気対象装置CHの内部が第1の真空ポンプ1を動作可能な圧力に到達後、第1の真空ポンプ1による真空引きを開始する。具体的には、第2バルブV2を閉じる一方、第1バルブV1を開けた後、第1の真空ポンプ1及び第2の真空ポンプ3を動作させる。その後、開閉弁2を開けることで、第1の真空ポンプ1による真空引きが開始される。なお、第1の真空ポンプ1及び第2の真空ポンプを常時動作させている場合には、第2バルブV2を閉じて第1バルブV1を開けた後開閉弁2を開けることで、第1の真空ポンプ1による真空引きが開始される。
【0040】
第1の真空ポンプ1により排気対象装置CHが高真空状態となった後、排気対象装置CHの内部で各種プロセスが実行される。例えば、排気対象装置CHの内部に導入したガスを原料として半導体材料を生成するプロセスが実行される。または、排気対象装置CHの内部に導入したガスをエッチングガスとして用いて基板等をエッチングするプロセスが実行される。
【0041】
排気対象装置CHの内部に導入されたガスは、真空ポンプシステム100により排気される。具体的には、排気対象装置CHの内部のガスは、まず、第1の真空ポンプ1により吸気され、第1排気口19から排気される。第1排気口19から排気されたガスは、第2の真空ポンプ3のポンプ部5の吸気により、第1ガスラインL1を通過して第3内部空間S3に導かれる。第3内部空間S3に導かれたガスは、第3内部空間S3内に滞留する間に冷却される。この結果、第3内部空間S3に導かれたガスから反応生成物が生成され、トラップ部7に堆積される。第3内部空間S3に導かれたガスは、反応生成物を生成後、ポンプ部5により第2排気口61から排気され、第3の真空ポンプ9により吸気される。
【0042】
真空ポンプシステム100において、第2の真空ポンプ3の第3内部空間S3は、第1ガスラインL1を介して、第1排気口19に接続されている。また、第1排気口19は、第1の真空ポンプ1の内部に接続されている。このため、第2の真空ポンプ3のポンプ部5により、第1の真空ポンプ1の内部の圧力が下がる。第1の真空ポンプ1の内部の圧力が低くなると、第1の真空ポンプ1の内部で反応生成物の原料となるガスの分圧が飽和蒸気圧よりも低くなるので、第1の真空ポンプ1の内部における反応生成物の生成と堆積が抑制される。内部に反応生成物が堆積しなくなれば、第1の真空ポンプ1の内部のクリーニングが不要になる。また、第1排気口19及び第1ガスラインL1もポンプ部5により吸気されるので、第1排気口19及び第1ガスラインL1への反応生成物の生成も抑制される。これらの結果、第1の真空ポンプ1及び第1ガスラインL1のメンテナンス頻度を低くできる。
【0043】
また、第1排気口19及び第1ガスラインL1への反応生成物の生成が抑制されることで、第1排気口19及び第1ガスラインL1のコンダクタンスが高いまま維持される。この結果、ポンプ部5が第1排気口19を吸気する能力が低下しなくなるので、第1の真空ポンプ1の背圧を低く維持できる。この結果、真空ポンプシステム100が排気対象装置CHの内部を排気する能力を高いまま維持できる。さらに、反応生成物の生成を抑制するために第1の真空ポンプ1の内部の昇温が不要であるので、第1の真空ポンプ1の排気能力が向上する。具体的には、第1の真空ポンプ1が排気できるガスの量を大きくできる。また、排気対象装置CHの内部を従来よりも高真空とできる。
【0044】
真空ポンプシステム100では、第2の真空ポンプ3のトラップ部7に反応生成物が生成され堆積され、反応生成物を生成後のガスが、ポンプ部5により排気される。これにより、ポンプ部5において反応生成物が生成されにくくなる。その結果、ポンプ部5のクリーニングの頻度を低くできるので、第2の真空ポンプ3のメンテナンスが容易になる。トラップ部7に多くの反応生成物が堆積した場合には、トラップ部7を交換する、又は、トラップ部7をクリーニングする。
【0045】
また、トラップ部7が第2ステータ53の大きな開口O1に設けられている第2の真空ポンプ3では、トラップ部7に反応生成物が多く堆積しても、ポンプ部5と第3内部空間S3との間のコンダクタンスが低下せず、ポンプ部5による第3内部空間S3の吸気能力が低下しにくい。
【0046】
なお、真空ポンプシステム100では、第1の真空ポンプ1と第2の真空ポンプ3とを両方動作させて排気対象装置CHの内部を真空引きするだけでなく、第2の真空ポンプ3のみを動作させて排気対象装置CHの内部を真空引きすることもできる。第2の真空ポンプ3は第1の真空ポンプ1ほど排気能力が高くないので、第2の真空ポンプ3のみで排気対象装置CHの内部を真空引きすることで、第1の真空ポンプ1では実現できない高い圧力に排気対象装置CHを真空引きできる。その結果、1つの排気対象装置CHにて実行できるプロセスの種類を増加できる。例えば、1つの排気対象装置CHにて、高真空が必要なプロセス(例えば、スパッタリング、エッチング)と、低真空が必要なプロセス(例えば、CVD)とを実行できる。なお、第2の真空ポンプ3のみで排気対象装置CHを真空引きする際には、例えば、第1の真空ポンプ1の内部を昇温することで、第1の真空ポンプ1の内部に反応生成物を生成しにくくできる。
【0047】
5.プラズマ発生部を用いたクリーニング動作
次に、第2の真空ポンプ3のトラップ部7に設けられたプラズマ発生部75を用いた、真空ポンプシステム100等のクリーニング動作を説明する。プラズマ発生部75を用いたクリーニングは、開閉弁2、第1バルブV1、及び/又は第2バルブV2を開状態として、プラズマ発生部75により第3内部空間S3にプラズマを発生させることで行う。これにより、プラズマにより発生したラジカルが、第3内部空間S3から、当該ラジカルが到達できる箇所までの反応生成物を除去できる。
【0048】
その他、開閉弁2、及び、第2バルブV2を開状態とする一方、第1バルブV1を閉状態とし、第3の真空ポンプ9を動作させ、プラズマ発生部75により第3内部空間S3にプラズマを発生させることよってクリーニングを実行してもよい。この場合、プラズマにより発生したラジカルが、第3内部空間S3から、第1ガスラインL1、第1の真空ポンプ1の内部、排気対象装置CHの内部、第4ガスラインL4、第5ガスラインL5、及び、第3ガスラインL3まで到達しやすくなる。この結果、第3内部空間S3から、第1ガスラインL1、第1の真空ポンプ1の内部、排気対象装置CHの内部、第4ガスラインL4、第5ガスラインL5、及び、第3ガスラインL3までのクリーニングを実行できる。
【0049】
また、第1バルブV1を開状態とする一方、開閉弁2、及び、第2バルブV2を閉状態とし、第3の真空ポンプ9を動作させ、プラズマ発生部75により第3内部空間S3にプラズマを発生させることよってクリーニングを実行してもよい。この場合、プラズマにより発生したラジカルが、第3内部空間S3から、第2ガスラインL2、及び、第3ガスラインL3まで到達しやすくなる。この結果、第3内部空間S3から、第2ガスラインL2、及び、第3ガスラインL3までのクリーニングを実行できる。
【0050】
以上説明した本実施形態に係る真空ポンプシステム100では、第2の真空ポンプ3のポンプ部5が、第2の真空ポンプ3のトラップ部7の第3内部空間S3に第1の真空ポンプ1の第1排気口19からガスを吸気している。これにより、第1の真空ポンプ1の内部から第2の真空ポンプ3に至る排気経路の圧力を低くできる。第1の真空ポンプ1の内部から第2の真空ポンプ3に至る排気経路の圧力が低くなると、これらの箇所で反応生成物の原料となるガスの分圧が飽和蒸気圧よりも低くなるので、第1の真空ポンプ1の内部から第2の真空ポンプ3に至る排気経路における反応生成物の生成と堆積が抑制される。その結果、第1の真空ポンプ1及びガス配管(第1ガスラインL1)のメンテナンス頻度を低くできる。また、第2の真空ポンプ3のトラップ部7の第3内部空間S3に反応生成物が堆積するので、ポンプ部5における反応生成物の生成を抑制できる。
【0051】
また、第1の真空ポンプ1から第2の真空ポンプ3までの排気経路において反応生成物の生成が抑制されることで、当該排気経路のコンダクタンスが高いまま維持される。この結果、ポンプ部5が第1の真空ポンプ1の第1排気口19を吸気する能力が低下しなくなるので、第1の真空ポンプ1の排気側の背圧を低く維持できる。さらに、反応生成物の生成を抑制するために第1の真空ポンプ1の内部の昇温が不要となる。これらの結果、真空ポンプシステム100の排気性能を高いまま維持できる。さらに、反応生成物の生成を抑制するために第1の真空ポンプ1の内部の昇温が不要であるので、第1の真空ポンプ1の排気能力が向上する。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0053】
第2の真空ポンプ3は、予め真空ポンプシステム100に組み込まれていなくてもよい。つまり、第2の真空ポンプ3は、独立した真空ポンプとしても使用できる。この場合、第1の真空ポンプ1と第3の真空ポンプ9とを含む既存のシステムに、第2の真空ポンプ3を組み込むことができる。
【0054】
第2の真空ポンプ3において、ポンプ部5とトラップ部7との位置関係は、トラップ部7に堆積した反応生成物がポンプ部5に侵入しにくい位置関係であれば、ポンプ部5の鉛直方向下側にトラップ部7が設けられるとの位置関係でなくてもよい。例えば、ポンプ部5とトラップ部7とが水平方向に並ぶ位置関係であってもよい。
【0055】
第2の真空ポンプ3の第3内部空間S3にガスを滞留させる方法は、第3内部空間S3の構造をガスが滞留しやすい形態にすることに限られない。例えば、ポンプ部5の第2ロータ51を適切な回転数で回転させることによっても、第3内部空間S3のガスを滞留させることができる。
【0056】
上記の実施形態に係る第1の真空ポンプ1は、複数段のロータ翼13Aと複数段のステータ翼15Aとにより構成されるターボ分子ポンプ部と、ロータ円筒部13Bとステータ円筒部15Bとにより構成されるネジ溝ポンプとが一体化されたポンプである。しかし、ネジ溝ポンプは省略されてもよい。すなわち、第1の真空ポンプ1は、ターボ分子ポンプであってもよい。或いは、ターボ分子ポンプは省略されてもよい。すなわち、第1の真空ポンプ1は、ネジ溝ポンプであってもよい。
【0057】
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0058】
(第1態様)真空ポンプシステムは、第1の真空ポンプと、第1の真空ポンプの排気口に接続される第2の真空ポンプと、を備える。第2の真空ポンプは、ポンプ部と、トラップ部と、を有する。ポンプ部は、ロータを有する。トラップ部は、ポンプ部の吸気により第1の真空ポンプの排気口から内部空間に導かれたガスから生成された反応生成物を堆積する。
【0059】
第1態様に係る真空ポンプシステムでは、第2の真空ポンプのポンプ部が、第2の真空ポンプのトラップ部の内部空間に第1の真空ポンプの排気口からガスを吸気している。これにより、第1の真空ポンプの内部から第2の真空ポンプに至る排気経路の圧力を低くできるので、第1の真空ポンプの内部、及び、第1の真空ポンプから第2の真空ポンプまでの排気経路における反応生成物の生成が抑制される。その結果、第1の真空ポンプ及びガス配管のメンテナンス頻度を低くできる。また、第2の真空ポンプのトラップ部の内部空間に反応生成物が堆積するので、ポンプ部における反応生成物の生成を抑制できる。
【0060】
また、第1の真空ポンプから第2の真空ポンプまでの排気経路において反応生成物の生成が抑制されることで、当該排気経路のコンダクタンスが高いまま維持される。この結果、ポンプ部が第1の真空ポンプの排気口を吸気する能力が低下しなくなるので、第1の真空ポンプの排気側の背圧を低く維持できる。さらに、第1の真空ポンプの内部の昇温が不要となる。これらの結果、真空ポンプシステムの排気性能を高いまま維持できる。また、第1の真空ポンプの排気能力が向上する。
【0061】
(第2態様)第1態様の真空ポンプシステムは、冷却部をさらに備えてもよい。冷却部は、トラップ部を冷却する。これにより、トラップ部7の内部空間のガスを冷却して、内部空間内で反応生成物を生成しやすくできる。
【0062】
(第3態様)トラップ部は、ポンプ部よりも鉛直方向下側に配置されてもよい。これにより、トラップ部に堆積された反応生成物がポンプ部に侵入しにくくなる。
【0063】
(第4態様)真空ポンプシステムは、プラズマ発生部をさらに備えてもよい。プラズマ発生部は、トラップ部の内部空間にプラズマを発生させる。これにより、真空ポンプシステムの分解等をすることなく、真空ポンプシステムにおいて生成した反応生成物を除去するクリーニングを実行できる。
【0064】
(第5態様)真空ポンプシステムは、第1のヒータをさらに備えてもよい。第1のヒータは、ポンプ部を加熱する。第1のヒータによりポンプ部を加熱することで、ポンプ部に反応生成物が堆積することを抑制できる。
【0065】
(第6態様)真空ポンプシステムは、第2のヒータをさらに備えてもよい。第2のヒータは、トラップ部を加熱する。これにより、トラップ部に堆積した反応生成物を、第2のヒータによるトラップ部の加熱により除去できる。
【0066】
(第7態様)真空ポンプは、ポンプ部と、トラップ部と、を備える。ポンプ部は、ロータと、ロータを収納するステータと、により構成される。トラップ部は、ステータの開口に接続された内部空間を有する。トラップ部は、ポンプ部の吸気により内部空間に導かれたガスから生成される反応生成物を堆積する。第7態様に係る真空ポンプでは、トラップ部の内部空間に反応生成物が堆積し、反応生成物を生成後のガスが、ポンプ部により排気される。これにより、ポンプ部において反応生成物が生成されにくくなる。その結果、ポンプ部のクリーニングの頻度を低くできるので、第2の真空ポンプのメンテナンスが容易になる。また、トラップ部がステータの大きな開口に設けられているので、トラップ部に反応生成物が多く堆積しても、ポンプ部と内部空間との間のコンダクタンスが低下せず、ポンプ部による内部空間の吸気能力が低下しにくい。
【符号の説明】
【0067】
100 真空ポンプシステム
1 第1の真空ポンプ
11 第1吸気口
13 第1ロータ
13A ロータ翼
13B ロータ円筒部
15 第1ステータ
15A ステータ翼
15B ステータ円筒部
17 第1モータ
19 第1排気口
21 第1ベース
23 第1軸受
S1 第1内部空間
S2 第2内部空間
2 開閉弁
3 第2の真空ポンプ
5 ポンプ部
51 第2ロータ
51A シャフト
51B 第2ロータ円筒部
53 第2ステータ
53A 第1端
53B 第2端
O1 開口
55A~55D 第2軸受
57 第2ベース
59 第2モータ
61 第2排気口
63 第1のヒータ
7 トラップ部
7A 底面部
7B 側面部
S3 第3内部空間
71 第2吸気口
73 冷却部
75 プラズマ発生部
77 第2のヒータ
9 第3の真空ポンプ
CH 排気対象装置
L1 第1ガスライン
L2 第2ガスライン
L3 第3ガスライン
L4 第4ガスライン
L5 第5ガスライン
V1 第1バルブ
V2 第2バルブ