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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176668
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】パレット及びボックスパレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/24 20060101AFI20221122BHJP
   B65D 19/18 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B65D19/24 A
B65D19/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083211
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】秋山 憲司
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA03
3E063AA06
3E063BA05
3E063BB04
3E063CA04
3E063CA05
3E063CA06
3E063CA10
3E063CA30
3E063CB01
3E063CD01
3E063CD04
3E063CD08
3E063EE03
3E063GG10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フォークを差込む際の作業効率の向上等を図る。
【解決手段】底壁構成部2は、上構成部21と下構成部22とが溶着されることで構成され、フォーク差込み部16は、底壁部3の所定の側辺部に対して略直交する第1フォーク挿入路16aと、第1フォーク挿入路16aに対して略直交する第2フォーク挿入路16bとを備える。上デッキ部14は、上構成部21のみでなる第1領域23と、上構成部21と下構成部22とが積層されてなる第2領域24とを備え、第1フォーク挿入路16aの上方部位は、第1領域23と、第2領域24とにより構成され、第2フォーク挿入路16bの上方部位は第1領域23により構成される。第2領域24の下面のフォーク支持部41は、第1領域23の下面よりも下方に位置し、第1領域23の下面のうち第2領域24との境界部には、第2領域24側に向けて下方傾斜する第1領域傾斜部42が設けられる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の柱部と、前記複数の柱部の上部間を連結する上デッキ部とを備え、前記複数の柱部の間に、フォークを備える運搬手段のフォークを差込み可能とするフォーク差込み部が形成され、平面視略矩形状をなすパレットにおいて、
前記パレットの上面側の部位を構成する上構成部と、前記パレットの下面側の部位を構成する下構成部とが溶着されることで構成され、
前記柱部は、前記パレットの4隅に設けられる隅柱部と、前記パレットの各側辺部に沿って並ぶ一対の前記隅柱部の中間部位に設けられる中間柱部と、前記パレットの中央部に設けられる中央柱部とを備え、
前記フォーク差込み部は、前記パレットの所定の側辺部に対して略直交する方向において前記パレットを貫通するようにして延在する第1フォーク挿入路と、前記第1フォーク挿入路に対して略直交する方向において前記パレットを貫通するようにして延在する第2フォーク挿入路とを備え、
前記上デッキ部は、上下方向において前記上構成部のみで構成される第1領域と、前記上構成部と前記下構成部とが上下に積層されて構成される第2領域とを備え、
前記第1フォーク挿入路の上方部位は、前記第1領域と、前記第2領域とにより構成され、
前記第2フォーク挿入路の上方部位のうち前記第1フォーク挿入路と交差する部位は前記第1領域により構成され、
前記第2領域の下面のうち、前記パレットが運搬手段に持ち上げられた場合にフォークに当接して支持されるフォーク支持部は、前記第1領域の下面よりも下方に位置し、
前記第1領域の下面のうち前記第2領域との境界部又はその近傍部位には、前記第2領域側に向けて下方傾斜する第1領域傾斜部が設けられていることを特徴とするパレット。
【請求項2】
前記第1領域傾斜部の下端部は、前記第2領域の前記フォーク支持部と上下方向において同じ位置、又は、前記フォーク支持部よりも上方に位置していることを特徴とする請求項1に記載のパレット。
【請求項3】
前記各柱部は、前記第1フォーク挿入路の内側面を構成する第1壁部と、前記第2フォーク挿入路の内側面を構成する第2壁部とを備え、
前記第2フォーク挿入路の延在方向に対して平面視で略直交する方向において、前記第1領域傾斜部の下端部は、前記第2壁部と同じ位置、又は、前記第2壁部よりも前記第2フォーク挿入路の外側方に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項4】
前記第2領域のうち前記第1領域傾斜部との境界部位における前記上構成部と前記下構成部との溶着部の下方位置において、前記下構成部から前記第1領域傾斜部側に突出する突部が設けられ、
前記溶着部、及び、前記突部は、前記第1フォーク挿入路と前記第2フォーク挿入路とが交差していない範囲に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパレット。
【請求項5】
前記突部は、前記第2領域の前記フォーク支持部よりも上方に位置し、
前記突部の下面から前記第2領域の前記フォーク支持部に向けて下方傾斜する第2領域傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のパレット。
【請求項6】
上記請求項1乃至5のいずれかの記載のパレットにより構成される底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備えることを特徴とするボックスパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用されるパレット及びボックスパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、物品の運搬等に使用されるパレットは、複数の柱部と、当該複数の柱部の上部間、及び、下部間を連結する上デッキ部、及び、下デッキ部とを備え、柱部間においてフォークリフト等のフォークを差込み可能なフォーク差込み部を有している。また、平面視略矩形状の底壁構成部と、底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備え、底壁構成部が略パレット形状をなすボックスパレットが知られている。
【0003】
さらに、上デッキ部及び下デッキ部の両方を備えるパレットは、パレットの上側部分を構成する上構成部と、パレットの下側部分を構成する下構成部とを別体として形成した後、互いに溶着させることで構成されている。ここで、フォーク差込み部の上方部位(上デッキ部)の一部を上構成部と下構成部とを積層して構成するといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-192935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術を採用することにより、上デッキ部の補強を図ることができ、フォークによりパレットを持ち上げた際の上デッキ部の変形等を抑止することができる。しかしながら、フォーク差込み部の天井面(フォーク差込み部の上側を画定する面)において、上構成部により構成される部位と、下構成部により構成される部位とが存在しており、その境界部に段差が形成されるおそれがある。当該段差が形成される場合には、フォーク差込み部に対してフォークを差込む際にフォークが前記段差に突き当たる等して、作業効率の低下やパレットの損傷等を招くことが懸念される。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、フォーク差込み部に対してフォークを差込む際の作業効率の向上、及び、損傷の抑制を図ることのできるパレット及びボックスパレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.複数の柱部と、前記複数の柱部の上部間を連結する上デッキ部とを備え、前記複数の柱部の間に、フォークを備える運搬手段のフォークを差込み可能とするフォーク差込み部が形成され、平面視略矩形状をなすパレットにおいて、
前記パレットの上面側の部位を構成する上構成部と、前記パレットの下面側の部位を構成する下構成部とが溶着されることで構成され、
前記柱部は、前記パレットの4隅に設けられる隅柱部と、前記パレットの各側辺部に沿って並ぶ一対の前記隅柱部の中間部位に設けられる中間柱部と、前記パレットの中央部に設けられる中央柱部とを備え、
前記フォーク差込み部は、前記パレットの所定の側辺部に対して略直交する方向において前記パレットを貫通するようにして延在する第1フォーク挿入路と、前記第1フォーク挿入路に対して略直交する方向において前記パレットを貫通するようにして延在する第2フォーク挿入路とを備え、
前記上デッキ部は、上下方向において前記上構成部のみで構成される第1領域と、前記上構成部と前記下構成部とが上下に積層されて構成される第2領域とを備え、
前記第1フォーク挿入路の上方部位は、前記第1領域と、前記第2領域とにより構成され、
前記第2フォーク挿入路の上方部位のうち前記第1フォーク挿入路と交差する部位は前記第1領域により構成され、
前記第2領域の下面のうち、前記パレットが運搬手段に持ち上げられた場合にフォークに当接して支持されるフォーク支持部は、前記第1領域の下面よりも下方に位置し、
前記第1領域の下面のうち前記第2領域との境界部又はその近傍部位には、前記第2領域側に向けて下方傾斜する第1領域傾斜部が設けられていることを特徴とするパレット。
【0009】
手段1によれば、第1フォーク挿入路に対してフォークを差込む際に、フォークの先端部が第1領域から第2領域へ移動する過程で第1領域の下面に略摺接していたとしても、当該フォークの先端部が第1領域傾斜部により円滑に下方に案内される。これにより、下面が第1領域の下面よりも下方に位置する第2領域(フォーク支持部)の端部に対してフォークの先端部が引っ掛かるといった事態を防止することができる。従って、フォーク差込み部(第1フォーク挿入路)に対してフォークを差込む際の作業効率の向上を図るとともに、第2領域(下構成部)の損傷、及び、溶着部の剥離を防止することができる。
【0010】
手段2.前記第1領域傾斜部の下端部は、前記第2領域の前記フォーク支持部と上下方向において同じ位置、又は、前記フォーク支持部よりも上方に位置していることを特徴とする手段1に記載のパレット。
【0011】
手段2によれば、第1フォーク挿入路に対してフォークを差込む際に、フォークの先端部が第2領域から第1領域へ移動する過程で、第1領域傾斜部に対してフォークの先端部が引っ掛かるといった事態を抑制することができる。従って、第1領域傾斜部の損傷を防止しつつ、フォーク差込み部(第1フォーク挿入路)に対してフォークを差込む際の作業効率の向上をより一層図ることができる。
【0012】
手段3.前記各柱部は、前記第1フォーク挿入路の内側面を構成する第1壁部と、前記第2フォーク挿入路の内側面を構成する第2壁部とを備え、
前記第2フォーク挿入路の延在方向に対して平面視で略直交する方向において、前記第1領域傾斜部の下端部は、前記第2壁部(前記第2フォーク挿入路を構成する面)と同じ位置、又は、前記第2壁部よりも前記第2フォーク挿入路の外側方(前記第1壁部の横幅方向中央部側)に位置していることを特徴とする手段1又は2に記載のパレット。
【0013】
手段3によれば、第2フォーク挿入路に対してフォークを差込む際に、フォークの先端部が第1領域傾斜部の側端部に対して引っ掛かり難くすることができる。従って、第1領域傾斜部の損傷を防止しつつ、フォーク差込み部(第2フォーク挿入路)に対してフォークを差込む際の作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
手段4.前記第2領域のうち前記第1領域傾斜部との境界部位における前記上構成部と前記下構成部との溶着部の下方位置において、前記下構成部から前記第1領域傾斜部側に突出する突部が設けられ、
前記溶着部、及び、前記突部は、前記第1フォーク挿入路と前記第2フォーク挿入路とが交差していない範囲に設けられていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のパレット。
【0015】
手段4によれば、上構成部と下構成部とを溶着することで生じ得る余剰樹脂(溶着バリ)を、突部を設けることによって、第2領域の下面と、第1領域(第1領域傾斜部)の下面との境界部において露出させない構成とすることができる。従って、第1フォーク挿入路に対してフォークを差込む際に、フォークの先端部が第1領域から第2領域へ移動する過程で、フォークの先端部が溶着バリに引っ掛かるといった事態を回避することができる。さらに、第2領域の下面と、第1領域の下面との境界部において溶着バリが形成されてしまう場合のように溶着バリを除去する作業を行わなくても済み、製造作業性の向上等を図ることができる。加えて、溶着部、及び、突部が第2フォーク挿入路に差込まれるフォークの移動を阻害するといった事態についても回避することができる。
【0016】
手段5.前記突部は、前記第2領域の前記フォーク支持部よりも上方に位置し、
前記突部の下面から前記第2領域の前記フォーク支持部に向けて下方傾斜する第2領域傾斜部が設けられていることを特徴とする手段4に記載のパレット。
【0017】
手段5によれば、第1フォーク挿入路に対してフォークを差込む際に、フォークの先端部が第1領域から第2領域へ移動する過程で、(第2領域のフォーク支持部が第1領域傾斜部の下端部よりも下方、又は、同じ高さに位置するとしても)第1領域傾斜部に案内されてきたフォークの先端部を、第2領域傾斜部によって第2領域のフォーク支持部にまで円滑に案内することができる。従って、第2領域(下構成部)の損傷を防止しつつ、フォーク差込み部(第1フォーク挿入路)に対してフォークを差込む際の作業効率の向上を図ることができる。
【0018】
手段6.上記手段1乃至5のいずれかの記載のパレットにより構成される底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備えることを特徴とするボックスパレット。
【0019】
手段6によれば、底壁構成部が上記パレットにより構成されるボックスパレットにおいても、フォーク差込み部に対してフォークを差込む際の作業効率の向上、及び、損傷の抑制を図る等の上記作用効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】組立状態にあるボックスパレットの斜視図である。
図2】折畳状態にあるボックスパレットの斜視図である。
図3】底壁構成部の上面側を示す斜視図である。
図4】底壁構成部の下面側を示す斜視図である。
図5】上構成部の下面側を示す斜視図である。
図6】下構成部の上面側を示す斜視図である。
図7】上構成部の下面側を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図8】上構成部の部分拡大側面図である。
図9】上構成部の部分拡大下面図である。
図10】底壁構成部の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図11】底壁構成部の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図12】底壁構成部の部分拡大側面図である。
図13】底壁構成部の部分拡大下面図である。
図14】底壁構成部の部分拡大断面図である。
図15図14のJ部を示す部分拡大断面図である。
図16】フォークリフトのフォークをボックスパレットのフォーク差込み部に差込む過程を示す一部断面を含む斜視図である。
図17】別の実施形態におけるパレットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1図2等に示すように、ボックスパレット1は、平面視略矩形状の底壁部3と、底壁部3の相対する一対の第1側辺部からそれぞれ上方に突出する第1土台部4と、一対の第1土台部4の間において、底壁部3のうち第1側辺部に対して略直交する方向に延在する相対する一対の第2側辺部からそれぞれ上方に突出する第2土台部5と、各第1土台部4の内面両側部と各第2土台部5の上面両端部との間を連結する補助土台部6とを具備する底壁構成部2を備えている。第1土台部4の底壁部3からの突出長は、第2土台部5の底壁部3からの突出長よりも長くなっている。また、本実施形態の底壁部3はパレット形状をなしている。底壁構成部2(特に、底壁部3)の詳細については後述する。
【0022】
さらに、ボックスパレット1は、各第1土台部4に対してそれぞれ着脱自在に設けられた第1側壁部7と、各第2土台部5に対してそれぞれ回動可能に設けられた第2側壁部8とを備えている。第1側壁部7の横幅は、第1土台部4の長さとほぼ同じに構成され、第2側壁部8の横幅は、第2土台部5の長さ、すなわち、一対の第1土台部4間の距離とほぼ同じに構成されている(第2側壁部8のうち補助土台部6に対応する部位に関しては、干渉を回避する形状となっている)。
【0023】
第1側壁部7、及び、第2側壁部8は、それぞれ第1土台部4、及び、第2土台部5の上方に立設される起立姿勢と、底壁構成部2の中央部側(底壁部3の上方)に寝かされる寝かせ姿勢との間を姿勢変化可能に構成されている。このため、本実施形態のボックスパレット1は、物品を収容して運搬等する場合には、全ての第1側壁部7、及び、第2側壁部8が起立姿勢とされた組立状態(図1参照)とし、ボックスパレット1のみを運搬、又は、保管等する場合には、全ての第1側壁部7、及び、第2側壁部8が寝かせ姿勢とされた折畳み状態(図2参照)とする。本実施形態では、第2側壁部8は、底壁構成部2から取外すことなく回動変位させて姿勢変化させるのに対し、第1側壁部7を姿勢変化させる場合には、第1側壁部7を底壁構成部2から一旦取り外し、第1側壁部7の姿勢を変更してから底壁構成部2に設置するように構成されている。
【0024】
加えて、図1に示すように、第2側壁部8の両側部近傍部位には、ボックスパレット1の組立状態において、第2側壁部8と、第1側壁部7との間を連結するための側壁ロック部材9が装着されている。各側壁ロック部材9は、第2側壁部8の外面側から操作可能、かつ、左右方向にスライド変位可能に構成されている。第1側壁部7、及び、第2側壁部8を起立姿勢としてから、側壁ロック部材9を側方にスライドさせることにより、側壁ロック部材9のスライド方向先端部側が、第1側壁部7の対応部位に挿入されて係止される(ロック状態とされる)。これにより、第2側壁部8のボックスパレット1の内方側への変位が規制される上、第2側壁部8に対する第1側壁部7の上方への相対変位が規制されるようになっている。
【0025】
本実施形態では、折畳み状態にあるボックスパレット1を組立状態とする場合には、先ず、寝かせ姿勢にある一対の第1側壁部7を底壁構成部2から取外し(一旦、横に置き)、一対の第2側壁部8を起立姿勢へと回動変位させてから、一対の第1側壁部7を起立姿勢として底壁構成部2に取付け、側壁ロック部材9をスライドさせてロック状態とする。また、組立状態にあるボックスパレット1を折畳み状態とする場合には、先ず、側壁ロック部材9のロック状態を解除して、起立姿勢にある一対の第1側壁部7を底壁構成部2から取外し(上方に引き抜き)、一対の第2側壁部8を寝かせ姿勢へと回動変位させてから、第1側壁部7を寝かせ姿勢として、底壁構成部2に設置する。尚、起立姿勢にある第1側壁部7を寝かせ姿勢とする場合には、一対の第1側壁部7をそれぞれ第1土台部4から取外し、一方の第1側壁部7を内面が上向き、かつ、上辺部が一方の第2土台部5に沿って延在するようにして、寝かせ位置とされた第2側壁部8の上方に重ねて設置し、他方の第1側壁部7を外面が内向き、かつ、上辺部が他方の第2土台部5に沿って延在するようにして、寝かせ位置とされた第2側壁部8、及び、前記一方の第1側壁部7の上方に重ねて設置する。このとき、一対の第1側壁部7は、一対の第1土台部4の間に配置され、各第1側壁部7の側辺部が、第1土台部4の内面に当接、又は、近接する。
【0026】
さて、図3図4に示すように、本実施形態の底壁部3はパレット形状をなしており、底壁部3の4隅に設けられる隅柱部11と、底壁部3の各側辺部に沿って並ぶ一対の隅柱部11の中間部位に設けられる中間柱部12と、底壁部3の中央部に設けられる中央柱部13と、隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13の上部間を連結する上デッキ部14と、隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13の下部間を連結する下デッキ部15とを備えている。図3図4図16に示すように、隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13の間には、運搬手段としてのフォークリフト51(又は、ハンドリフト)のフォーク52を差込み可能とするフォーク差込み部16が形成されている。
【0027】
本実施形態のフォーク差込み部16は、底壁部3の所定の側辺部に対して略直交する方向において底壁部3を貫通するようにして延在する第1フォーク挿入路16aと、第1フォーク挿入路16aに対して略直交する方向において底壁部3を貫通するようにして延在する第2フォーク挿入路16bとを備えている。つまり、本実施形態の底壁部3は、底壁部3の外周面を構成する4つの側面からフォークを差込み可能な4方差しタイプのパレット形状となっている。
【0028】
また、本実施形態では、隅柱部11、中間柱部12、中央柱部13、及び、上デッキ部14の上面によって物品を載置可能な「載置面17」が構成されている。さらに、隅柱部11、中間柱部12、中央柱部13、及び、下デッキ部15の下面によって、ボックスパレット1が設置される場所(床面等の設置面)に接地する「接地面18」が構成されている。
【0029】
加えて、底壁構成部2は、土台部4、5、6、及び、底壁部3の上面側の部位(少なくとも載置面17を含む部位)を具備する上構成部21(図5参照)と、底壁部3の下面側の部位(少なくとも接地面18を含む部位)を具備する下構成部22(図6参照)とを備えている。さらに、図4図10等に示すように、本実施形態では、上デッキ部14は、上下方向において上構成部21のみで構成される第1領域23(単層部)と、上構成部21と下構成部22とが上下に積層されて構成される第2領域24(積層部)とを備えている。
【0030】
従って、本実施形態の上構成部21(図5参照)には、隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13の上側部分と、当該隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13の間を連結する上デッキ部14とが含まれる。また、下構成部22(図6参照)には、隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13の下側部分と、当該隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13の下側部分の下端部間を連結する下デッキ部15と、第2領域24に対応して、前記隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13の下側部分の上端部間を連結する上デッキ部14とが含まれる。以下、上デッキ部14のうち、上構成部21により構成される部位を「上対応部25」とも称し、下構成部22により構成される部位を「下対応部26」とも称する。尚、本実施形態の載置面17に開口部はなく、上デッキ部14は、隅柱部11と中間柱部12との間を底壁部3の所定の側辺部に沿って直線状に連結する部位だけではなく、当該直線状に連結する部位の間を連結する部位を備えている。
【0031】
また、図5等に示すように、上対応部25の下面側には、柱部11、12、13間を連結するリブと、当該リブに対して略直交する方向に当該リブと連結されつつ延在するリブとにより構成される上デッキ上対応補強リブ27が設けられている。また、図6等に示すように、下対応部26の上面側には、柱部11、12、13間を連結するリブと、当該リブに対して略直交する方向に当該リブと連結されつつ延在するリブとにより構成される上デッキ下対応補強リブ28が設けられている。加えて、図4等に示すように、下デッキ部15の下面側には、柱部11、12、13間を連結するリブと、当該リブに対して略直交する方向に当該リブと連結されつつ延在するリブとにより構成される下デッキ補強リブ29が設けられている。
【0032】
さらに、上構成部21、及び、下構成部22は、それぞれポリプロピレンにより一体的に形成されている。そして、上構成部21の隅柱部11、中間柱部12、中央柱部13、及び、上デッキ部14の下縁部と、下構成部22の隅柱部11、中間柱部12、中央柱部13、及び、上デッキ部14の上縁部とが溶着(例えば、熱溶着、振動溶着)されることにより、上構成部21と下構成部22とが一体化され、底壁構成部2が構成される。
【0033】
加えて、図3図6に示すように、隅柱部11、中間柱部12、及び、中央柱部13は、それぞれの外周面を構成する周壁部31と、載置面17を構成する上壁部32と、接地面18を構成する下壁部33とを備えている。周壁部31は、底壁部3の外周面を構成する外向壁部34と、第1フォーク挿入路16aの内側面を構成する第1壁部35と、第2フォーク挿入路16bの内側面を構成する第2壁部36とを備えている。外向壁部34、第1壁部35、及び、第2壁部36は、基本的に底壁部3の各側辺部と略平行して(又は、略直交して)延在している。尚、隅柱部11、及び、中間柱部12の第1壁部35、及び、第2壁部36と、外向壁部34とのコーナー部は、フォーク差込み部16の入口付近におけるフォーク差込み部16の横幅がフォーク差込み部16の奥側から入口(端部)側に向けて次第に広がるようにするべく、R形状をなしている。
【0034】
図4図10等に示すように、第1フォーク挿入路16aの上方部位は、第1領域23と、第2領域24とにより構成されている。本実施形態では、第1フォーク挿入路16aの上方部位のうち第2フォーク挿入路16bと交差する部位が第1領域23により構成され、それ以外の部位が第2領域24により構成されている。さらに、第2フォーク挿入路16bの上方部位は、その全域が第1領域23により構成されている。本実施形態の下デッキ部15は、第2フォーク挿入路16bの下方部位において、隅柱部11と中間柱部との間、及び、中間柱部12と中央柱部13との間をそれぞれ連結するようにして設けられている。第2フォーク挿入路16bと、第1フォーク挿入路16aとが交差する部位には、下デッキ部15が設けられておらず下方に開口していることから、第2フォーク挿入路16bにハンドリフトのフォークを差込んだ場合に、かかる開口部を介して、フォークの下面側に取付けられたキャスターを接地可能となっている。尚、第1フォーク挿入路16aの下方部位には、下デッキ部15は設けられていない。また、図6図11等に示すように、下デッキ部15の上面のうち第2フォーク挿入路16b(フォーク差込み部16)の入口付近の部位は、第2フォーク挿入路16bの奥側から入口(端部)側に向けて下方傾斜している。さらに、下デッキ部15の上面のうち、第2フォーク挿入路16bと第1フォーク挿入路16aとが交差する部位付近の部位は、当該交差部位に向けて下方傾斜している。
【0035】
図10図14図15等に示すように、第2領域24の下面のうち、ボックスパレット1がフォークリフト51等に持ち上げられた場合にフォーク52に当接して支持されるフォーク支持部41(略水平方向に延在する部位)は、第1領域23の下面よりも下方に位置している。また、図10図11図14等に示すように、第1領域23の下面のうち第2領域24との境界部には、第2領域24側に向けて下方傾斜する第1領域傾斜部42が設けられている。図15に示すように、第1領域傾斜部42の下端部は、第2領域24のフォーク支持部41よりも上方に位置している。さらに、図7図15に示すように、第2フォーク挿入路16bの延在方向に対して平面視で略直交する方向(第1フォーク挿入路16aの延在方向、第2フォーク挿入路16bの横幅方向)において、第1領域傾斜部42の下端部は、第2壁部36(第2フォーク挿入路16bを構成する面)よりも第2フォーク挿入路16bの外側方(第1壁部35の横幅方向中央部側)に位置している。その一方で、第1領域傾斜部42のうち第2フォーク挿入路16bの横幅方向中央部側の部位は、第2壁部36よりも第2フォーク挿入路16bの内方(第2フォーク挿入路16bの横幅方向の中央部側)に位置している。つまり、第2フォーク挿入路16bの横幅方向において、第1領域傾斜部42の中間位置が、第2フォーク挿入路16bの側縁部(第2壁部36)と同じ位置とされている。
【0036】
尚、図10図14等に示すように、第1領域傾斜部42は、上デッキ部14の上対応部25の上デッキ上対応補強リブ27のうち第1フォーク挿入路16aの延在方向に沿って延びる複数のリブを下方に向けて側面視略三角形状となるように延長させるとともに、当該複数のリブのうち第2フォーク挿入路16bの外側方であって略鉛直方向に延在する縦辺部間を連結するリブを、上デッキ上対応補強リブ27のうち第2フォーク挿入路16bの延在方向に沿って延びるリブを下方に延長させる格好で設けることにより構成されている。また、第2領域24は、上対応部25の上デッキ上対応補強リブ27と、下対応部26の上デッキ下対応補強リブ28とを溶着することで構成されている。このため、第1領域傾斜部42と、第2領域24との間には、上デッキ上対応補強リブ27の形成間隔程度の隙間が形成されている。
【0037】
さらに、第1領域傾斜部42の両側面(第1フォーク挿入路16aの横幅方向において最も側方に位置するリブの外側面)と、上デッキ上対応補強リブ27との間を連結する略三角形板状の第1領域第2傾斜部43が設けられている。つまり、上記のように、第2フォーク挿入路16bの横幅方向において、第1領域傾斜部42の一部(上デッキ上対応補強リブ27からの延出長が短い側)が、第2壁部36よりも第2フォーク挿入路16bの横幅方向中央部側に位置している。そして、当該部位の側面に向けて上デッキ上対応補強リブ27からの突出長が次第に長くなる第1領域第2傾斜部43を設けることとしている。当該第1領域第2傾斜部43の下辺部は、上デッキ上対応補強リブ27の下端部と、第1領域傾斜部42の下辺部とにかけて連続して下方傾斜して延在している。
【0038】
また、図15に示すように、第2領域24のうち第1領域傾斜部42との境界部位における上構成部21と下構成部22との溶着部44の下方位置において、下構成部22(下対応部26)から第1領域傾斜部42側に突出する突部45が設けられている。突部45は、第2領域24のフォーク支持部41よりも上方に位置している。さらに、突部45は、第1領域傾斜部42の下端部よりも上方に位置している。加えて、溶着部44、及び、突部45は、第1フォーク挿入路16aと第2フォーク挿入路16bとが交差していない範囲に設けられている。
【0039】
また、突部45の下面から第2領域24のフォーク支持部41にかけて下方傾斜する第2領域傾斜部46が設けられている。尚、下対応部26の下面のうち第1フォーク挿入路16a(フォーク差込み部16)の入口付近の部位は、第1フォーク挿入路16aの奥側から入口(端部)側に向けて上方傾斜している。
【0040】
以上詳述したように、本実施形態によれば、第1フォーク挿入路16aに対してフォーク52を差込む際に、フォーク52の先端部が第1領域23から第2領域24へ移動する過程で第1領域23の下面に略摺接していたとしても、当該フォーク52の先端部が第1領域傾斜部42により円滑に下方に案内される。これにより、下面が第1領域23の下面よりも下方に位置する第2領域24(フォーク支持部41)の端部に対してフォーク52の先端部が引っ掛かるといった事態を防止することができる。従って、フォーク差込み部16(第1フォーク挿入路16a)に対してフォーク52を差込む際の作業効率の向上を図るとともに、第2領域24(下対応部26)の損傷、及び、溶着部44の剥離を防止することができる。
【0041】
また、第2フォーク挿入路16bの延在方向に対して平面視で略直交する方向(第1フォーク挿入路16aの延在方向)において、第1領域傾斜部42の下端部は、第2壁部36(第2フォーク挿入路16bの構成面)よりも第2フォーク挿入路16bの外側方(第1壁部35の横幅方向中央部側)に位置している。このため、例えば、第1領域傾斜部42の全体が第2壁部36よりも第2フォーク挿入路16bの内側に配置される場合に比べ、第2フォーク挿入路16bに対してフォーク52を差込む際に、フォーク52の先端部が第1領域傾斜部42の側端部に対して引っ掛かり難くすることができる。従って、第1領域傾斜部42の損傷を防止しつつ、フォーク差込み部16(第2フォーク挿入路16b)に対してフォーク52を差込む際の作業効率の向上を図ることができる。
【0042】
特に、本実施形態では、第1領域傾斜部42の両側面と、上デッキ上対応補強リブ27との間を連結する第1領域第2傾斜部43が設けられている。このため、第2フォーク挿入路16bに差込まれたフォーク52の先端部が第2壁部36、及び、上デッキ部14の下面に沿って移動した場合に、当該フォーク52の先端部が第1領域第2傾斜部43に案内されて比較的スムースに第1領域傾斜部42を乗り越えるようになっている。従って、第1領域傾斜部42の損傷を防止しつつ、第2フォーク挿入路16bに対してフォーク52を差込む際の作業効率の向上を図るといった作用効果がより確実に奏される。
【0043】
さらに、第1領域傾斜部42の下端部は、第2領域24のフォーク支持部41よりも上方に位置している。このため、第1フォーク挿入路16aに対してフォーク52を差込む際に、フォーク52の先端部が第2領域24から第1領域23へ移動する過程で、第1領域傾斜部42に対してフォーク52の先端部が引っ掛かるといった事態を抑制することができる。従って、第1領域傾斜部42の損傷を防止しつつ、フォーク差込み部16(第1フォーク挿入路16a)に対してフォーク52を差込む際の作業効率の向上をより一層図ることができる。
【0044】
加えて、第2領域24のうち第1領域傾斜部42との境界部位における上構成部21(上デッキ部14の上対応部25)と下構成部22(下対応部26)との溶着部44の下方位置において、下構成部22から第1領域傾斜部42側に突出する突部45が設けられている。このため、上構成部21と下構成部22とを溶着することで生じ得る余剰樹脂(溶着バリ)を、第2領域24の下面と、第1領域23(第1領域傾斜部42)の下面との境界部において露出させない構成とすることができる。従って、第1フォーク挿入路16aに対してフォーク52を差込む際に、フォーク52の先端部が第1領域23から第2領域24へ移動する過程で、フォーク52の先端部が溶着バリに引っ掛かるといった事態を回避することができる。さらに、第2領域24の下面と、第1領域23の下面との境界部において溶着バリが形成されてしまう場合のように溶着バリを除去する作業を行わなくても済み、製造作業性の向上等を図ることができる。
【0045】
さらに、溶着部44、及び、突部45は、第1フォーク挿入路16aと第2フォーク挿入路16bとが交差していない範囲に設けられている。このため、溶着部44、及び、突部45が第2フォーク挿入路16bに差込まれるフォーク52の移動を阻害するといった事態についても回避することができる。
【0046】
また、突部45は、第2領域24のフォーク支持部41よりも上方に位置している。さらに、突部45の下面から第2領域24のフォーク支持部41に向けて下方傾斜する第2領域傾斜部46が設けられている。このため、第1フォーク挿入路16aに対してフォーク52を差込む際に、フォーク52の先端部が第1領域23から第2領域24へ移動する過程で、第2領域24のフォーク支持部41が第1領域傾斜部42の下端部よりも下方に位置するとしても、第1領域傾斜部42に案内されてきたフォークの先端部を、第2領域傾斜部46によって第2領域24のフォーク支持部41にまで円滑に案内することができる。従って、第2領域24(下構成部22)の損傷を防止しつつ、フォーク差込み部16(第1フォーク挿入路16a)に対してフォーク52を差込む際の作業効率の向上を図ることができる。
【0047】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0048】
(a)上記実施形態では、第1側壁部7が底壁構成部2に対して着脱自在に構成され、第2側壁部8が底壁構成部2に対して回動変位可能に連結され、組立状態と、折畳み状態とに状態変化可能なボックスパレット1に具体化されているが、少なくともパレット形状をなす底壁部3を有する構成に適用可能である。例えば、各第2側壁部を姿勢変化させる場合に、第2側壁部を底壁構成部から一旦取外し、姿勢を変えてから、底壁構成部に取付ける構成としてもよいし、第1側壁部を底壁構成部に対して取外すことなく回動変位可能(ボックスパレットを折畳状態とすることが可能)な構成としてもよい。また、例えば、図17に示すように、上記実施形態の底壁部3と同様の構成を具備するパレット61に具体化することも可能である。
【0049】
(b)上記実施形態では、第2フォーク挿入路16bの上方全域の上デッキ部14が第1領域23により構成されているが、第1フォーク挿入路16aと交差する部位は第1領域23とし、それ以外の部位(一部又は全部)を第2領域24とするように構成してもよい。当該構成を採用する場合には、第2フォーク挿入路16bの上方における上デッキ部14の強度の向上及び剛性等を図ることができ、第2フォーク挿入路16bの上方における上デッキ部14の変形等をより一層抑制することができる。その一方で、上記実施形態のように、第2フォーク挿入路16bの上方における上デッキ部14の全域を第1領域23とすることで、上構成部21と下構成部22との溶着面積(溶着範囲)が減少するため、溶着作業性の向上等が図られる。
【0050】
また、上記実施形態において、下デッキ部15を省略することも可能である。但し、下デッキ部15を設けることで、第2フォーク挿入路16bの目印となる上、下構成部22、ひいては、ボックスパレット1の強度の向上等を図ることができる。
【0051】
(c)上記実施形態では、第1領域傾斜部42は、第1領域23の下面のうち第2領域24との境界部に設けられているが、第1領域23の下面のうち第2領域24との境界部の近傍部位に(第1領域傾斜部42と第2領域24との間に第1領域23(上デッキ上対応補強リブ27)が介在するようにして)設けられることとしてもよい。また、上記実施形態では、第2フォーク挿入路16bの延在方向に対して平面視で略直交する方向(第1フォーク挿入路16aの延在方向)において、第1領域傾斜部42の下端部は、第2壁部36(第2フォーク挿入路16bの構成面)よりも第2フォーク挿入路16bの外側方に位置しているが、第1領域傾斜部42の下端部が、第2壁部36と同じ位置となるように構成してもよい。尚、第1領域傾斜部42の下端部が、第2壁部36よりも第2フォーク挿入路16bの横幅方向中央部側に位置するように構成することも可能であるが、第2フォーク挿入路16bにフォーク52を差込む場合の作業性の低下や、第2フォーク挿入路16bの上下幅の実質的な減少等が懸念されることから、第1領域傾斜部42は極力第2フォーク挿入路16bの側方に配置することが望ましい。
【0052】
(d)上記実施形態では、第1領域傾斜部42の下端部は、第2領域24のフォーク支持部41よりも上方に位置しているが、第1領域傾斜部42の下端部が、第2領域24のフォーク支持部41と上下方向において同じ位置となるように構成してもよい。尚、当該構成を採用する場合、第1領域傾斜部42の下端部と、第2領域24のフォーク支持部41との間の距離が極力近くなるように構成する(例えば、第2領域傾斜部46を省略して第2領域24の第1領域23との境界部までフォーク支持部41とする、さらには、突部45の下面をフォーク支持部41と面一とする)こととしてもよい。
【0053】
尚、第2領域傾斜部46と、第2領域24のフォーク支持部41との間は連続していなくてもよいが、両者間にフォーク52の先端部が引っ掛かることを回避するべく、連続している(連結されている)ことが望ましい。また、上記実施形態において、突部45を省略することも可能である。
【0054】
(e)上記実施形態では、ボックスパレット1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…ボックスパレット、2…底壁構成部、3…底壁部、11…隅柱部、12…中間柱部、13…中央柱部、14…上デッキ部、15…下デッキ部、16…フォーク差込み部、16a…第1フォーク挿入路、16b…第2フォーク挿入路、21…上構成部、22…下構成部、23…第1領域、24…第2領域、25…上対応部、26…下対応部、35…第1壁部、36…第2壁部、41…フォーク支持部、42…第1領域傾斜部、44…溶着部、45…突部、46…第2領域傾斜部、51…フォークリフト、52…フォーク、61…パレット。
図1
図2
図3
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