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  • 特開-振動発生装置付きランプ 図1
  • 特開-振動発生装置付きランプ 図2
  • 特開-振動発生装置付きランプ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176671
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】振動発生装置付きランプ
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
H04R1/02 103F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083214
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勝
(57)【要約】      (修正有)
【課題】音と光が一緒に変化する振動発生装置付きランプを提供する。
【解決手段】振動発生装置付きランプ1は、光源11と、光源11から出射される光を反射または屈折させる光学部材(リフレクタ)12と、永久磁石21とボイスコイル22とを含み電気信号を振動に変換する電気振動変換装置20を有し、光学部材12が電気振動変換装置20により振動させられて空気振動を発生させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射される光を反射または屈折させる光学部材と、
永久磁石とボイスコイルとを含み、電気信号を振動に変換する電気振動変換装置と、を有し、
前記光学部材が前記電気振動変換装置により振動されて空気振動を発生させる、振動発生装置付きランプ。
【請求項2】
前記光学部材は軸線上を変位可能であり、
前記光学部材は、前記電気振動変換装置に印加された電圧に応じて前記軸線上を変位する、請求項1に記載の振動発生装置付きランプ。
【請求項3】
前記光学部材は凹面鏡であり、
凹面鏡の湾曲の内側に前記光源が配置され、
前記凹面鏡の湾曲の外側に前記電気振動変換装置が配置されている、請求項1に記載の振動発生装置付きランプ。
【請求項4】
前記光学部材は表面に金属の蒸着膜が設けられた凹面鏡である、請求項1に記載の振動発生装置付きランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発生装置付きランプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の振動発生装置付きランプが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開2001-112076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで本発明者は、音と光が一緒に変化すると新しい娯楽体験を提供できると考えた。
本発明は、音と光が一緒に変化する振動発生装置付きランプを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面に係る振動発生装置付きランプは、
光源と、
前記光源から出射される光を反射または屈折させる光学部材と、
永久磁石とボイスコイルとを含み、電気信号を振動に変換する電気振動変換装置と、を有し、
前記光学部材が前記電気振動変換装置により振動されて空気振動を発生させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、音と光が一緒に変化する振動発生装置付きランプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】振動発生装置付きランプの概念図である。
図2】振動発生装置付きランプにより形成される光の像を示す模式図である。
図3】本発明の変形例に係る振動発生装置付きランプの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0009】
図1は、本実施形態に係る振動発生装置付きランプ1の概念図である。図1に示すように振動発生装置付きランプ1は、光源11と、光学部材としてのリフレクタ12と、電気振動変換装置20と、を有する。以降の説明において、リフレクタ12が光を反射する方向(図1の左方)を前方、図1の右方を後方と呼ぶ。
【0010】
光源11は、光を発する装置である。光源11は例えば、LED光源、LD光源、フィラメント電球、ハロゲンランプなどを採用できる。図1では、点光源を図示したが、発光面を有する面光源を光源11として採用してもよい。白色光を発する光源11を採用してもよいし、青色、赤色、などの色の光を発する光源11を採用してもよい。また、多数の光源11が設けられていてもよい。
【0011】
光学部材は、光源11から発せられた光を反射または屈折させる部材である。図1では、光学部材として、反射面が凹面として構成されたリフレクタ12を図示している。光源11から後方に出射された光はリフレクタ12によって反射されて前方へ出射される。図示した例では、リフレクタ12は凹面鏡である。
リフレクタ12の背面からは、筒状の筒状部25が後方に突出している。筒状部25を含むリフレクタ12は樹脂成形などにより一体的に形成されていることが好ましい。
【0012】
電気振動変換装置20は、電気信号を振動に変換する装置である。電気振動変換装置20は、永久磁石21とボイスコイル22を有する。
図示した電気振動変換装置20は、ヨーク23と、ヨーク23の内部に設けられた永久磁石21と、ボイスコイル22を備えている。ヨーク23は、永久磁石21で生じる磁力線をボイスコイル22の位置に集中させて磁束密度を高めている。ボイスコイル22は、リフレクタ12の筒状部25に巻かれている。
【0013】
信号源26から供給される電気信号がボイスコイル22に流れると、その電流の大きさ及び方向に比例したローレンツ力が、永久磁石21とヨーク22によって生成される磁界とボイスコイル22との間に発生し、リフレクタ12が前方、あるいは後方に移動し、軸線方向に振動する。これにより、電気信号に応じた音がリフレクタ12から生じる。すると、光源11から出射されていた光を反射していたリフレクタ12の位置が変化するので、リフレクタ12によって光源11の前方に形成されていた像が変化する。
【0014】
図2は、振動発生装置付きランプ1により形成される光の像を示す模式図である。図2において、最も前方に位置した時にリフレクタ12が光源11からの光を反射して形成する像をA1、最も後方に位置したときにリフレクタ12が光源11からの光を反射して形成する像をA2で示している。リフレクタ12がボイスコイル22によって振動させられると、像はA1からA2の範囲で大きさが変動する。
【0015】
つまり、電気振動変換装置20に電気信号を入力すると、光学部材がスピーカの振動板のように作用し、電気信号に応じて光学部材が振動する。光学部材の振動により空気振動、つまり音(可聴音および非可聴音)が生じる。さらに、光学部材の位置が変位するので、光源11から光学部材に入射し、光学部材から出射する光の経路が変化する。このため、電気信号に応じて光の経路が変化する。つまり、電気信号に応じて光学部材が振動して音が生じ、かつ、光の経路が変化するので、音と光が同期して変化するように見える。このように、本実施形態の振動発生装置付きランプ1によれば、音に合わせて像が変化するため、新しい娯楽体験を提供できる。
【0016】
なお、信号源26から交流成分のみを含む電気信号をボイスコイル22へ供給すると、リフレクタ12は基準位置を中心に振動する。この場合は、光源11から発せられる光によって形成される像は、ある大きさ(基準大きさ)を基準に大きくなったり小さくなったりする。
信号源26から直流成分のみを含む電気信号をボイスコイル22へ供給すると、リフレクタ12は基準位置からずれた位置で静止する。この場合、基準大きさから大きい、あるいは小さい像が形成される。
信号源26から直流成分と交流成分を含む電気信号をボイスコイル22に供給すると、リフレクタ12は基準位置から前方または後方へずれた位置を中心に振動する。この場合、基準大きさとは異なる大きさを基準にして、像は小さくなったり大きくなったりする。
このように、信号源26から供給する信号に応じて、光源11から発せられる光により形成される像の大きさを様々に変化させることができる。
また、信号源26から光源へ電力を供給するように構成してもよい。このように構成した場合には、音に合わせて光源から発せられる光の明るさを変化させるように構成できる。
【0017】
また本実施形態の振動発生装置付きランプ1において、
リフレクタ12は前後方向の軸線上を変位可能であり、
リフレクタ12は、電気振動変換装置20に印加された電圧に応じて前後方向の軸線上を変位する。
リフレクタ12は直線上を変位するため、リフレクタ12の変位によって変化させる像の設計が容易である。
【0018】
また本実施形態の振動発生装置付きランプ1において、
リフレクタ12は凹面鏡であり、
凹面鏡の湾曲の内側(前方)に光源11が配置され、
凹面鏡の湾曲の外側(後方)に電気振動変換装置20が配置されている。
このような配置によれば、リフレクタ12の前方に他の部材が設けられていないため、リフレクタ12によって反射される光が妨げられず、また、凹面鏡のリフレクタ12から発せられる音が妨げられずに前方に投射される。
【0019】
また本実施形態の振動発生装置付きランプ1において、
リフレクタ12は表面に金属の蒸着膜が設けられた凹面鏡である。
ボイスコイル22によってリフレクタ12を直接振動させるため、リフレクタ12は軽量であることが好ましい。このため、反射面を金属の蒸着膜で形成することが好ましい。また、リフレクタ12はポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂、あるいはアルミニウムやマグネシウムなどの軽量の金属で構成することが好ましい。
【0020】
なお、上述した実施形態では、光学部材としてリフレクタ12を採用した例を説明したが、本発明はこの例に限られない。図3は、本発明の変形例に係る振動発生装置付きランプ30の概要図である。図3に示したように、振動発生装置付きランプ30は、凸レンズや凹レンズ、あるいは非球面レンズなどのレンズを光学部材32として採用してもよい。
【0021】
また、図1に示した例では、光源11、光学部材12、ボイスコイル22、永久磁石21は同一直線上に配列されていたが、図3に示したように、光源31、光学部材32、ボイスコイル42、永久磁石41は同一直線上に配列されていなくてもよい。もっとも、図1に示したように光学部材12とボイスコイル22、永久磁石21は同一直線上に配列されている方が、光学部材12とボイスコイル22とを接続する接続部を小さく構成できるので好ましい。
また、図1に示したように光源11とボイスコイル22との間に光学部材12が設けられていてもよいし、図3に示したように光源31とボイスコイル42とが光学部材32に対して同じ側に設けられていてもよい。
【0022】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0023】
1 ランプ
11 光源
12 光学部材(リフレクタ)
20 電気振動変換装置
21 永久磁石
22 ボイスコイル
23 ヨーク
25 筒状部
26 信号源
図1
図2
図3