(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017672
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】いなり寿司の皮移送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/91 20060101AFI20220119BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20220119BHJP
【FI】
B65G47/91 A
A23L7/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120356
(22)【出願日】2020-07-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 博覧会名 第48回国際ホテル・レストランショー(HCJ2020) 開催日 令和2年2月18日から同年2月21日 開催場所 幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)
(71)【出願人】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
【テーマコード(参考)】
3F072
4B023
【Fターム(参考)】
3F072AA12
3F072GA10
3F072GC07
3F072GD05
3F072HA09
3F072KA01
3F072KD01
4B023LE16
4B023LP20
4B023LT60
4B023LT61
(57)【要約】
【課題】コンベアの上に皮収納筒からいなり寿司の皮を自動的に移送するいなり寿司の皮移送装置を提供すること。
【解決手段】いなり寿司の皮1を収納し得る皮収納筒2を設け、皮収納筒の最上部の皮に当接した押圧状態と、皮の上面から離間した非押圧状態とを取り得る押え部材23を設け、押圧状態において最上部の皮に接触するまで下降して皮の1枚を開閉チャック18で摘まんで上昇し皮を1枚剥す剥し動作と、非押圧状態において摘まんだ1枚の皮を前進位置まで前進して、開閉チャックを開いて1枚の皮をコンベア4に移送する移送動作と、前進位置から皮収納筒の上方に後退する戻り動作を行う剥し移載機構を設け、皮収納筒の最上部の位置に常時皮が位置するように、皮収納部の下側から皮を持ち上げる皮持上機構を設け、剥し移載機構は皮の剥し動作と、移送動作及び戻り動作を、繰り返し行うように構成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
いなり寿司の皮を縦方向に重ねて収納し得る皮収納部が設けられ、
上記皮収納部の最上部の皮の上面に当接して上記最上部の皮を押える押圧状態と、上記最上部の皮の上面から離間する非押圧状態とを取り得る押え部材が設けられ、
上記押え部材の上記押圧状態において、上記皮収納部の上記最上部の皮に接触するまで下降して、上記皮の1枚を開閉チャックで摘まんで上昇することで上記皮1枚を捲り剥す捲り剥し動作と、上記押え部材の上記非押圧状態において、上記開閉チャックで摘まんだ1枚の上記皮を前進位置まで前進して、上記開閉チャックを開いて上記1枚の皮を隣接する移送手段に移送する移送動作と、上記皮の移送後に上記前進位置から上記皮収納部の上方の後退した位置までの戻り動作を行う剥し移載機構が設けられ、
上記皮収納部の最上部の位置に常時上記皮が位置するように、上記皮収納部の下側から上記皮を上方に持ち上げる皮持上機構が設けられ、
上記剥し移載機構は、上記押え部材の上記押圧状態における上記捲り剥し動作と、上記押え部材の上記非押圧状態における上記移送動作及び上記戻り動作を、繰り返し行うことにより、移動する上記移送手段に順次上記皮を移載し得るように構成されたものであるいなり寿司の皮移送装置。
【請求項2】
上記剥し移載機構は、上記皮の1枚を上記開閉チャックで摘まんだ状態での上記上昇と、若干の後退を同時に動作することにより、上記皮1枚の上記捲り剥し動作を行うものであることを特徴とする請求項1記載のいなり寿司の皮移送装置。
【請求項3】
上記開閉チャックは、上記最上部の皮の1枚を摘まむために開閉可能に構成されており、上記捲り剥し動作において上記剥し移載機構の上記開閉チャックが上記最上部の皮への接触状態にて開から閉に移行することにより上記皮の1枚を摘まむことが可能に構成されており、
かつ上記開閉チャックは、上記移送動作において、上記移送手段上にて上記剥し移載機構の上記開閉チャックを閉から開に移行することにより上記移送手段に上記皮の1枚の移送を可能に構成されており、
上記剥し移載機構は、上記開閉チャックを開閉駆動するチャック駆動手段が設けられているものである請求項1又は2記載のいなり寿司の皮移送装置。
【請求項4】
上記剥し移載機構は、上記上昇と上記下降を行う基台と、上記基台に対して弾性部材の附勢力を以って下向きに附勢された上下移動部材とが設けられており、
上記開閉チャックは上記上下移動部材に設けられており、
上記剥し移載機構は、上記下降した位置において、上記開閉チャックが上記最上部の皮に接触したとき、上記上下移動部材は上記弾性部材の附勢力に抗して上方に移動するクッション性を有するように構成されたものである請求項1~3の何れかに記載のいなり寿司の皮移送装置。
【請求項5】
上記皮持上機構は、上記皮収納部と平行に設けられた底部材ガイド部と、上記底部材ガイド部に螺合又は噛合して上記底部材ガイド部に沿って上下する昇降部と、上記昇降部と共に昇降し、上記皮収納部の最下部の皮を支持する底部材と、上記底部材ガイド部又は上記昇降部を駆動する底部材駆動手段とから構成され、
かつ上記皮持上機構には、上記最上部の皮が上記移送手段に移送されたことを検知する検知手段が設けられ、
上記皮持上機構は、上記検知手段の上記検知に基づいて、上記皮収納部内の皮が上記最上部に位置するように上記底部材を上昇するように構成されたものである請求項1~4の何れかに記載のいなり寿司の皮移送装置。
【請求項6】
上記押え部材は、上記押圧状態と上記非押圧状態との間を突出後退駆動手段により突出後退されるように構成されたものであり、
上記剥し移載機構は、上記摘まんだ皮を前方の上記移送手段上に移送する上記前進位置と、上記後退した位置とを前進後退駆動手段により前進後退されるように構成されたものであり、
かつ上記剥し移載機構は、上記最上部の皮に接触するまで上記下降した位置と、摘まんだ皮を上方に持ち上げる上記上昇した位置とを昇降駆動手段により昇降されるように構成されたものである請求項1~5の何れかに記載のいなり寿司の皮移送装置。
【請求項7】
上記突出後退駆動手段は、共通回転軸を中心に回転する第1カムと、該第1カムに第1カムフォロワを介して上記押え部材を上記押圧状態と上記非押圧状態の各位置に移行し得る第1動作伝達機構とが含まれており、
上記前進後退駆動手段は、上記共通回転軸を中心に回転する第2カムと、該第2カムに第2カムフォロワを介して上記剥し移載機構を上記前進位置と上記後退した位置の各位置に移行し得る第2動作伝達機構とが含まれており、
上記昇降駆動手段は、上記共通回転軸を中心に回転する第3カムと、該第3カムに第3カムフォロワを介して上記剥し移載機構を上記下降した位置と上記上昇した位置の各位置に移行し得る第3動作伝達機構とが含まれており、
上記共通回転軸を回転駆動するカム駆動手段とを具備するものである請求項6記載のいなり寿司の皮移送装置。
【請求項8】
上記第2動作伝達機構は、上記剥し機構に接続されたシャフトと、該シャフトの前進後退をガイドするシャフトガイド部材を有するものであり、
上記シャフトと上記シャフトガイド部材は、上記第3動作伝達機構による上記下降した位置と上記上昇した位置との間を昇降し得るように構成されたものである請求項7記載のいなり寿司の皮移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いなり寿司の皮を、皮収納部からコンベア上に、1枚ずつ自動的に移送することができる、いなり寿司の皮移送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、いなり寿司を製造するにあたり、いなり寿司の皮にシャリ玉を自動的に挿入する装置が開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、テーブル上、或いは、コンベア上にいなり寿司の皮の複数枚を予め並べておく必要があり、順次、テーブル或いはコンベア等の移送手段が間歇駆動され、しゃり玉投入位置において、シャリ玉が自動的に投入される構成であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の装置によると、いなり寿司の皮にシャリ玉の投入は自動的に行うことができるが、テーブル又はコンベア等の移送手段上にいなり寿司の皮の載置は、操作者(人間)が行っていた。
【0006】
従って、1日に大量のいなり寿司を生産する場合、人が行う作業としては、非効率的であった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、移送手段の上に、皮収納部から、いなり寿司の皮を自動的に移送し得るいなり寿司の皮移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、いなり寿司の皮を縦方向に重ねて収納し得る皮収納部が設けられ、上記皮収納部の最上部の皮の上面に当接して上記最上部の皮を押える押圧状態と、上記最上部の皮の上面から離間する非押圧状態とを取り得る押え部材が設けられ、上記押え部材の上記押圧状態において、上記皮収納部の上記最上部の皮に接触するまで下降して、上記皮の1枚を開閉チャックで摘まんで上昇することで上記皮1枚を捲り剥す捲り剥し動作と、上記押え部材の上記非押圧状態において、上記開閉チャックで摘まんだ1枚の上記皮を前進位置まで前進して、上記開閉チャックを開いて上記1枚の皮を隣接する移送手段に移送する移送動作と、上記皮の移送後に上記前進位置から上記皮収納部の上方の後退した位置までの戻り動作を行う剥し移載機構が設けられ、上記皮収納部の最上部の位置に常時上記皮が位置するように、上記皮収納部の下側から上記皮を上方に持ち上げる皮持上機構が設けられ、上記剥し移載機構は、上記押え部材の上記押圧状態における上記捲り剥し動作と、上記押え部材の上記非押圧状態における上記移送動作及び上記戻り動作を、繰り返し行うことにより、移動する上記移送手段に順次上記皮を移載し得るように構成されたものであるいなり寿司の皮移送装置により構成される。
【0009】
上記皮収納部は例えば皮収納筒(2)により構成することができる。上記移送手段は例えばコンベア(4)により構成することができる。上記皮持上機構は、例えば、底板(5)、昇降部(7)、雄螺子部(6)、雄螺子部(6)を回転する駆動モータ(M1)等により構成することができる。このように構成すると、皮持上機構が、皮収納部の最上部の位置に常時上記皮が位置するように下側から皮収納部内の皮を上方に持ち上げ、かつ、剥し移載機構が、最上部に位置する皮を押え部材での押圧状態において、下降して開閉チャックにて最上部の皮1枚を摘まんで上昇し、上記皮を上方に捲り剥す捲り剥し動作と、上記押え部材での非押圧状態において、摘まんだ1枚の皮を前進位置まで移動して、開閉チャックを開いて移送手段に移送する移送動作と、上記前進位置から後退する戻り動作を繰り返し行うものであるから、皮収納部内の1枚の皮の、例えば間歇移動する移送手段への移送を自動的に行うことができ、1日に大量のいなり寿司の製造を、人手を使わずに、効率的に行うことが可能となる。
【0010】
第2に上記剥し移載機構は、上記皮の1枚を上記開閉チャックで摘まんだ状態での上記上昇と、若干の後退を同時に動作することにより、上記皮1枚の上記捲り剥し動作を行うものであることを特徴とする上記第1記載のいなり寿司の皮移送装置により構成される。
【0011】
このように構成すると、剥し移載機構は、皮を摘まんだ後、上昇と若干の後退を同時に動作するので、1枚の皮の捲り剥し動作を円滑に行うことができる。
【0012】
第3に、上記開閉チャックは、上記最上部の皮の1枚を摘まむために開閉可能に構成されており、上記剥し動作において上記剥し移載機構の上記開閉チャックが上記最上部の皮への接触状態にて開から閉に移行することにより上記皮の1枚を摘まむことが可能に構成されており、かつ上記開閉チャックは、上記移送動作において、上記移送手段上にて上記剥し移載機構の上記開閉チャックを閉から開に移行することにより上記移送手段に上記皮の1枚の移送を可能に構成されており、上記剥し移載機構は、上記開閉チャックを開閉駆動するチャック駆動手段が設けられているものである上記第1又は2記載のいなり寿司の皮移送装置により構成される。
【0013】
上記チャック駆動手段は、例えばエアシリンダ(21)、エアシリンダの伸縮ロッド(21a)に固定された押圧板(22)、上記チャック(18)の可動片(18b)等により構成することができる。このように構成すると、上記捲り剥し動作において、上記開閉チャックが最上部の皮への接触状態で開から閉に移行することにより上記皮1枚を摘まんで上方に捲り剥すものであり、上記移動動作において、移動手段上で開閉チャックを閉から開にすることにより、1枚の皮を移送手段に移送することができ、この動作を繰り返すことにより、いなり寿司の皮を1枚ずつ、移送手段上に自動的に移送することができる。
【0014】
第4に、上記剥し移載機構は、上記上昇と上記下降を行う基台と、上記基台に対して弾性部材の附勢力を以って下向きに附勢された上下移動部材とが設けられており、上記開閉チャックは上記上下移動部材に設けられており、上記剥し移載機構は、上記下降した位置において、上記開閉チャックが上記最上部の皮に接触したとき、上記上下移動部材は上記弾性部材の附勢力に抗して上方に移動するクッション性を有するように構成されたものである上記第1~3の何れかに記載のいなり寿司の皮移送装置により構成される。
【0015】
上記基台は例えばコ字状部材(13)により構成することができる。上記弾性部材は例えばスプリング(17)により構成することができる。上記上下移動部材は例えば縦部材(15)により構成することができる。このように構成すると、開閉チャックが最上部の皮の上面に接触したとき、上下移動部材が弾性部材の附勢力に抗して上方に移動するため、開閉チャックが設けられた上下移動部材が上記基台に対してクッション性を有しており、これにより皮を傷つけることはない。
【0016】
第5に、上記皮持上機構は、上記皮収納部と平行に設けられた底部材ガイド部と、上記底部材ガイド部に螺合又は噛合して上記底部材ガイド部に沿って上下する昇降部と、上記昇降部と共に昇降し、上記皮収納部の最下部の皮を支持する底部材と、上記底部材ガイド部又は上記昇降部を駆動して上記底部材を昇降する底部材駆動手段とから構成され、かつ上記皮持上機構には、上記最上部の皮が上記移送手段に移送されたことを検知する検知手段が設けられ、上記皮持上機構は、上記検知手段の上記検知に基づいて、上記皮収納部内の皮が上記最上部に位置するように上記底部材駆動手段を以って上記底部材を上昇するように構成されたものである上記第1~4の何れかに記載のいなり寿司の皮移送装置により構成される。
【0017】
上記底部材ガイド部は、例えば雄螺子部(6)により構成することができる。上記昇降部は、例えば雄螺子部(6)に螺合する雌螺子部(7a)を有する昇降部(7)により構成することができる。上記底部材は例えば底板(5)により構成することができる。上記底部材駆動手段は、例えば底部材ガイド部材(雄螺子部(6))をギア(8,9)にて駆動する駆動モータ(M1)により構成することができる。上記検知手段は例えばセンサ(42)から構成することができる。また、底部材駆動手段は、上記底部材ガイド部を例えばラックギア、上記昇降部を上記ラックギアに噛合するピニオンギアとすれば、上記昇降部(ピニオンギア)を駆動することもできる。このように構成すると、検知手段の検知(皮が移送手段に移送されたことの検知)に基づいて、底部材駆動手段が例えば底部材ガイド部を駆動することで、底部材が上方に移動するので、常時、皮収納部の最上部にはいなり寿司の皮を位置させることができる。よって、かかる動作を繰り返すことにより、上記剥し移載機構は最上部の皮を順次、1枚ずつ移送手段に移送することが可能となる。
【0018】
第6に、上記押え部材は、上記押圧状態と上記非押圧状態との間を突出後退駆動手段により突出後退されるように構成されたものであり、上記剥し移載機構は、上記摘まんだ皮を前方の上記移送手段上に移送する上記前進位置と、上記後退した位置とを前進後退駆動手段により前進後退されるように構成されたものであり、かつ上記剥し移載機構は、上記最上部の皮に接触するまで上記下降した位置と、摘まんだ皮を上方に持ち上げる上記上昇した位置とを昇降駆動手段により昇降されるように構成されたものである上記第1~5の何れかに記載のいなり寿司の皮移送装置により構成される。
【0019】
上記突出後退駆動手段は、例えばカム(26)、一端ローラ(30a)を有するL型アーム(30)、連結アーム(32)、押え部材に接続された駆動シャフト(24)等から構成することができる。上記前進後退駆動手段は、例えばカム(27)、一端ローラ(33a)、L型アーム(33)、連結アーム(34)、回動アーム(35)、前後移動スライダ(37)、剥し移載機構に接続された水平シャフト(14)、前後方向ガイド部材(38)等により構成することができる。上記昇降駆動手段は、例えばカム(28)、ローラ(39b)、回動アーム(39)、上下移動スライダ(40)、上下方向にガイドする上下方向ガイド(41)、前後方向ガイド部材(38)に接続された可動軸(40a)、前後方向ガイド部材(38)等により構成することができる。このように構成すると、前進後退駆動手段にて上記押え部材を上記押圧状態の位置と、上記非押圧状態の位置とに繰り返し前進後退することが可能となり、上記剥し移載機構については、前進後退は、上記前進後退駆動手段にて行い、上記上昇下降は、上記昇降駆動手段にて行うことができ、押圧部材の前進後退、剥し移載機構の前進後退動作、及び、上昇下降動作を各別の駆動手段にて行うことができる。
【0020】
第7に、上記突出後退駆動手段は、共通回転軸を中心に回転する第1カムと、該第1カムに第1カムフォロワを介して上記押え部材を上記押圧状態と上記非押圧状態の各位置に移行し得る第1動作伝達機構とが含まれており、上記前進後退駆動手段は、上記共通回転軸を中心に回転する第2カムと、該第2カムに第2カムフォロワを介して上記剥し移載機構を上記前進位置と上記後退した位置の各位置に移行し得る第2動作伝達機構とが含まれており、上記昇降駆動手段は、上記共通回転軸を中心に回転する第3カムと、該第3カムに第3カムフォロワを介して上記剥し移載機構を上記下降した位置と上記上昇した位置の各位置に移行し得る第3動作伝達機構とが含まれており、上記共通回転軸を回転駆動するカム駆動手段とを具備するものである上記第6記載のいなり寿司の皮移送装置により構成される。
【0021】
上記共通回転軸は駆動軸(25)により構成することができる。上記第1カムはカム(26)、上記第1カムフォロワは一端ローラ(30a)により構成することができる。上記第1動作伝達機構は、例えば、L型アーム(30)、連結アーム(32)及び押え部材に固定された駆動シャフト(24)等により構成することができる。上記第2カムはカム(27)、上記第2カムフォロアは一端ローラ(33a)により構成することができる。上記第2動作伝達機構はL型アーム(33)、連結アーム(34)、回動アーム(35)、前後移動スライダ(37)、上記剥し移載機構3に接続された水平シャフト(14)、前後方向ガイド部材(38)等により構成することができる。上記第3カムはカム(28)、上記第3カムフォロアはローラ(39b)により構成することができる。上記第3動作伝達機構は回動アーム(39)、上下移動スライダ(40)、上記前後方向ガイド部材(38)に接続された可動軸(40a)、上下方向のガイド(41)等により構成することができる。上記カム駆動手段は駆動モータ(M2)により構成することができる。このように構成すると、共通回転軸を単一のカム駆動手段にて回転駆動することにより、第1カム~第3カムの回転により、上記押え部材の前進後退、上記剥し移載機構の前進後退及び昇降動作を行わせることができ、各部を効率的に駆動することが可能となる。
【0022】
第8に、上記第2動作伝達機構は、上記剥し移載機構に接続されたシャフトと、該シャフトの前進後退をガイドするシャフトガイド部材を有するものであり、上記シャフトと上記シャフトガイド部材は、上記第3動作伝達機構による上記下降した位置と上記上昇した位置との間を昇降し得るように構成されたものである上記第7記載のいなり寿司の皮移送装置により構成される。
【0023】
上記シャフトは水平シャフト(14)により構成することができる。上記シャフトガイド部材は前後方向ガイド部材(38)により構成することができる。このように構成すると、剥し移載機構の昇降動作と前進後退動作とを同時期に行うことができ、例えば剥し移載機構を上昇させながら後退させる動作(下降した後皮を開閉チャックで摘まんだ後、後退しながら上昇する動作)を行わせることができ、剥し移載機構のより複雑な動作を行わせることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上述のように、皮収納部内の1枚のいなり寿司の皮の移送手段への移送を、完全に自動的に行うことができ、1日に大量のいなり寿司の製造を、人手に頼らずに、極めて効率的に行うことが可能となる。
【0025】
また、剥し移載機構は、皮を摘まんだ後、上昇と若干の後退を同時に行うので、1枚の皮の捲り剥し動作を円滑に行うことができる。
【0026】
また、開閉チャックにより最上部の皮の1枚を摘まんで上方に捲り剥す動作、及び、移動手段上で開閉チャックを閉から開にすることにより、1枚の皮を移送手段に移送する動作を完全に自動化することができ、非常に効率的にいなり寿司の皮を1枚ずつ、移送手段上に確実に移送することができる。
【0027】
また、開閉チャックが最上部の皮の上面に接触しても、開閉チャックが設けられた上下移動部材が上記基台に対してクッション性を有しているため、皮を傷つけることはない。
【0028】
また、検知手段の検知に基づいて、底部材駆動手段が例えば底部材ガイド部を駆動するので、常時、皮収納部の最上部にはいなり寿司の皮を位置させることができる。よって上記剥し移載機構は最上部の皮を順次、1枚ずつ移送手段に移送することが可能となる。
【0029】
また、前進後退駆動手段にて上記押え部材を上記押圧状態の位置と、上記非押圧状態の位置とに繰り返し前進後退することが可能となり、上記剥し移載機構については、前進後退は、上記前進後退駆動手段にて行い、上記上昇下降は、上記昇降駆動手段にて行うことができ、押圧部材の前進後退、剥し移載機構の前進後退動作、及び、上昇下降動作を各別の駆動手段にて円滑に行うことができる。
【0030】
また、共通回転軸を単一のカム駆動手段にて回転駆動することにより、第1カム~第3カムの回転により、上記押え部材の前進後退、上記剥し移載機構の前進後退及び昇降動作を行わせることができ、各部を効率的に駆動することが可能となる。
【0031】
また、剥し移載機構の昇降動作と前進後退動作とを同時期に行うことができ、例えば剥し移載機構を上昇させながら後退させる動作(下降した後皮を開閉チャックで摘まんだ後、後退しながら上昇する動作)を行わせることができ、剥し移載機構のより複雑な動作を行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明に係るいなり寿司の皮移送装置の概略側面断面図である。
【
図3】同上装置の剥し移載機構及び押圧部材とそれらの駆動機構の主要斜視図である。
【
図4】同上装置の剥し移載機構及び押圧部材近傍の側面図である。
【
図5】同上装置の剥し移載機構及び押圧部材近傍の側面図である。
【
図6】同上装置の押圧部材の駆動機構の側面図である。
【
図7】同上装置の剥し移載機構の前進後退の駆動機構の側面図である。
【
図8】同上装置の剥し移載機構の昇降動作の駆動機構の側面図である。
【
図10】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【
図11】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【
図12】同上装置のセンサに係る動作手順を示すフローチャートである。
【
図13】同上装置のエアシリンダに係る動作手順を示すフローチャートである。
【
図14】同上装置のコンベアに係る動作手順を示すフローチャートである。
【
図15】同上装置の後退位置における動作を示す主要部の側面図である。
【
図16】同上装置の押圧部材が押圧状態の動作を示す主要部の側面図である。
【
図17】同上装置の剥し移載機構が下降位置にある動作を示す主要部の側面図である。
【
図18】同上装置の剥し移載機構が皮を摘まんだ動作を示す主要部の側面図である。
【
図19】同上装置の剥し移載機構が皮を摘まんだ状態で上昇した動作を示す主要部の側面図である。
【
図20】同上装置の剥し移載機構が皮を摘まんだ状態で前進位置にある動作を示す主要部の側面図である。
【
図21】同上装置の剥し移載機構が皮をコンベアに載置する動作を示す主要部の側面図である。
【
図22】同上装置の剥し移載機構が皮をコンベア上に載置して上昇した動作を示す主要部の側面図である。
【
図23】同上装置のいなり寿司の皮の斜視図である。
【
図24】同上装置の制御部の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係るいなり寿司の皮移送装置について詳細に説明する。
【0034】
本発明に係る装置は、全体的には、
図1、
図2に示すように、下部に、いなり寿司の皮1(
図23参照)を、1枚ずつ縦に積み重ねた状態で収納し得る皮収納筒(皮収納部)2(1つの皮収納筒2に例えば80枚の皮1を収納することができる)が設けられており、この皮収納筒2の最上部の皮1に対応して、皮1の剥し移載機構3及び押え部材23が設けられており、剥し移載機構3により、上記皮収納筒2の最上部Sの上記皮1が、上記押え部材23が押えている間、1枚ずつ捲り剥され、上記押え部材23が最上部Sの皮1から離間している間、隣接するコンベア4上に、上記皮1を1枚ずつ移送載置(移載)するように構成されている(
図2、
図21参照)。
【0035】
上記皮収納筒2の上部には、上記剥し移載機構3の駆動部(前進後退駆動手段(
図7参照)、昇降駆動手段(
図8参照))及び上記押え部材23の駆動部(突出後退駆動手段(
図6参照)10が収納された筐体11が設けられており、上記筐体11の下側には、上記皮収納筒2の駆動部(皮持上機構)12が収納された筐体12aが設けられている。尚、装置全体の筐体は符号45にて示す。
【0036】
また、
図1において、図面に向かって左側を「前方」、図面に向かって右側を「後方」という。上記「前方」を「前進」、上記「後方」を「後退」とも表現する(他の図においても同じ)。
【0037】
上記皮収納筒2は、最下部に底板(底部材)5が設けられており、この底板5は、上記皮収納筒2と平行に、皮収納筒2の最下部から最上部まで設けられた雄螺子部(底部材ガイド部材)6と、該雄螺子部6に螺合している雌螺子部7aを有する昇降部7とが設けられており、上記昇降部7に上記底板5が水平に固定されている。そして、上記皮1は皮収納筒2内において、開口部を後方に向けて、上記底板5上に重ねて載置されている。上記皮収納筒2は上下開口の筒状構造(断面は皮1と略同一サイズの方形)であり、後方側は上下方向に開口しており、底板5は後方側から皮収納筒2内に挿入され、皮収納筒2内に積層された皮1の底部を支持している。よって、底板5は皮収納筒2の内部の断面積より若干小の面積を有する方形状のものであり、皮収納筒2内を最下部から最上部まで昇降し得るように構成されている。
【0038】
また、上記雄螺子部6の最下部にはギア8が設けられており、当該ギア8に駆動モータ(底部材駆動手段)M1のプーリに設けられた駆動ギア9が噛合することにより、上記雄螺子部6は回転駆動されるように構成されている。
【0039】
よって、上記駆動モータM1を回転することにより、上記雄螺子部6を回転し、上記昇降部7従って底板5を徐々に上昇させ、上記皮収納筒2の最上部Sの同一水準位置に、常時、上記皮1が位置するように構成されている。
【0040】
また、
図1に示すように、最上部Sの皮1の存否を検知するセンサ42(例えば光反射センサ等)が上記最上部Sの皮1に対応して設けられており、後述の制御部43(
図9参照)は、上記センサ42にて最上部の皮1がコンベア4に移送されることにより、最上部の皮1の検知が出来なくなった場合は、上記駆動モータM1を駆動して駆動ギア9,8を回転して上記雄螺子部6を回転駆動し、次の皮1を最上部Sの位置に位置するように(上記センサ42で最上部Sの位置に次の皮1が到来するまで)上記底板5を上昇させるものである。
【0041】
上記説明の皮持上機構12では、底部材ガイド部として雄螺子部6と、昇降部7としてこれに螺合する雌螺子部7aを有する構造としたが、これに限定されず、雄螺子部(底部材ガイド部)6の代わりにラックギア、雌螺子部(昇降部7)7aの代わりに、ラックギアに噛合するピニオンギア等を用いても良く、その他、底部材ガイド部とこれに沿って昇降する昇降部であれば、各種の構成をとっても良い。この場合、駆動モータM1でピニオンギアを駆動するように構成しても良い。
【0042】
尚、
図2に示すように、上記皮収納筒2は2台並設されており(80枚×2=160枚)、各皮収納筒2,2に対応して2つの剥し移載機構3,3、2つのセンサ42,42、2つの押圧部材23,23が設けられており、上記皮収納筒2,2には各々上記駆動部12,12が設けられ、かつ、上記剥し移載機構3,3には各々上記駆動部10,10が設けられている。
【0043】
そして、上記2つの上記剥し移載機構3,3によって、上記コンベア4上には、2枚ずつの皮1,1が載置されるように構成されている(
図2参照)。以下の説明において、上記皮収納筒2、剥し移載機構3は何れも同一構造(又は対称構造)なので、1つの構成について説明する。
【0044】
上記剥し移載機構3は、
図3~
図5に示すように、水平シャフト14(14a,14b)の前端に基部13b(
図3参照)及びその左側又は右側にコ字状部材(基台)13が固定され、該コ字状部材13内に縦部材15が上下移動(矢印A,A’方向)可能に配置され、コ字状部材13の腕13aと、縦部材(上下移動部材)15の腕15aとの間に、該腕15aに固定された支持棒16が上記腕13aの貫通孔に抜け止め状態に挿通され、上記支持棒16にはスプリング(弾性部材)17が装着され、通常は上記スプリング17の附勢力により、上記腕13aと上記腕15a(従って縦部材15)は、所定の間隔T(
図4参照)を以って離間した状態を維持している。
【0045】
即ち、上記剥し移載機構3は、水平シャフト14と共に上昇と下降を行うコ字状部材13と、コ字状部材13に対してスプリング(弾性部材)17の附勢力を以って下向きに附勢された縦部材15とから構成され、開閉チャック18は上記縦部材15に設けられており、上記剥し移載機構3は、下降した位置において、開閉チャック18が上記最上部Sの皮1に接触したとき、上記縦部材15は上記スプリング(弾性部材)17の附勢力に抗して上方に移動するクッション性を有している。
【0046】
上記縦部材15の下端には上記開閉チャック18の固定片18aが固定されている。この固定片18aには、可動片18bが軸19を以って回動可能に設けられており、可動片18bの延長片18cの先端には駆動ローラ20が回転自在に軸支されている。
【0047】
上記可動片18bは、上記固定片18aと共に、開閉チャック18が常時閉鎖するように、上記軸19内に設けられたバネ(図示せず)により附勢されており、上記駆動ローラ20には、上記縦部材15に固定されたエアシリンダ(開閉チャック駆動機構)21の伸縮ロッド21a先端に設けられた押圧板22が当接している。よって、上記開閉チャック18は、常時閉状態で、上記駆動ローラ20が上記押圧板22を前方に附勢しているが、エアシリンダ21の伸縮ロッド21aを縮小することにより、
図5に示すように、上記開閉チャック18を開状態に設定し得るように構成されている。
【0048】
上記開閉チャック18の固定片18a、上記エアシリンダ21等は、上記縦部材15及び上記腕15aに固定されており、上記開閉チャック18、上記エアシリンダ21等は、上記縦部材15と共に、上記コ字状部材13(腕13a)に対して、上記スプリング17の附勢力に抗して、上記縦部材15と共に、上方(矢印A方向)に移動(スプリング17は縮小)し得るように構成されている。尚、これは上記開閉チャック18が最上段の皮1の方向に下降して上記皮1に当接したとき(
図17参照)、上記開閉チャック18(及びエアシリンダ21等の縦部材15)が、コ字状部材13に対して上昇し得るように構成し、上記チャック18にクッション性を与えるためである。
【0049】
図3に示すように、上記剥し移載機構3の手前には、押え部材23が設けられている。この押え部材23は、上記開閉チャック18により最上部の皮1を掴む際、上記最上部の皮1の上面を押えるものである。この押え部材23の駆動シャフト24は水平から約45度の傾斜角を有しているため、直方体状のブロックからなる押え部材23も水平から約45度の傾斜状態となっているが、底面23aは上記皮1と平行な水平面を構成している(
図4参照)。そして、上記駆動シャフト24が斜め前方に突出することにより(
図4矢印B参照)、上記押え部材23の底面23aによって、最上部の皮1の上面を押えるものである(
図4、
図5、
図16参照)。
【0050】
次に、上記剥し移載機構3と上記押え部材23の駆動部10を説明する。
上記駆動部10には、
図3に示すように、左右方向の駆動軸(共通回転軸)25が筐体11に回転自在に軸支されており、この駆動軸25に3枚のカム26(第1カム),27(第2カム),28(第3カム)が軸方向に固定されている(
図6~
図8参照)。また、上記筐体11には固定軸29が上記駆動軸25に平行に設けられている。上記駆動軸25は駆動モータ(カム駆動手段)M2(
図9参照)により矢印C方向に回転駆動(従って、カム26,27,28も矢印C方向に回転)し得るように構成されている。
【0051】
(押え部材23の駆動、
図6参照)
上記カム板26にはカム溝26aが形成されており、該カム溝26aに上記固定軸29に屈曲部30cが回転自在に軸支されたL型アーム30の一端ローラ(第1カムフォロア)30aが嵌合している。このL型アーム30の他端は支軸30bを介して連結アーム32の一端に軸支され、上記連結アーム32の他端は上記駆動シャフト24の支軸24aに軸支されている。上記駆動シャフト24は筐体11に固定されたガイド部材31に沿って水平面に対して約45度の傾斜角度を以って配置されている。
【0052】
ここで、
図6の位置では、上記一端ローラ30aはカム溝26aの駆動軸25に対する最小径サの位置にあり、この位置では上記押え部材23は後退した位置(非押圧状態)(
図6の最上位の位置)に位置している。
【0053】
その後、カム26が矢印C方向に回転し、カム溝26aの最大径部アの範囲に一端ローラ30aが位置すると、上記L型アーム30が屈曲部30c(固定軸29)を支点に、矢印D方向に回転し、連結アーム32を前方に押すため、駆動シャフト24を介して押え部材23は矢印B方向(斜め前方方向)に突出し、底面23aにて最上部の皮1の上面に当接し、押え動作を行う(
図16参照、押圧状態)。
【0054】
その後、上記カム26がさらに矢印C方向に回転し、カム溝26aの最小径部オの範囲に一端ローラ30aが移行すると、上記L型アーム30は屈曲部30c(固定軸29)を支点とした矢印D’方向に復帰し、上記駆動シャフト24を後方に引くので、上記押え部23は矢印B’方向(斜め後方)に後退し、
図6の非押圧状態に復帰する。
【0055】
このように、上記カム26の回転に応じて、上記押え部材23は、斜め前方への突出(押圧状態)、斜め後方への後退(非押圧状態)の動作を繰り返し行う。
【0056】
(剥し移載機構3の前後移動、
図7参照)
上記カム板27にはカム溝27aが形成されており、該カム溝27aに上記固定軸29に屈曲部33cが回転自在に軸支されたL型アーム33の一端ローラ(第2カムフォロア)33aが嵌合している。このL型アーム33の他端は支軸33bを介して連結アーム34の一端に軸支されており、上記連結アーム34の他端34aは回動アーム35の上半部に軸支されている。
【0057】
上記回動アーム35は、その上端部35aは上記筐体11に左右方向に設けられた固定軸36に回転自在に軸支されており、下端部の回動軸35bは前後方向(矢印E,E’方向)に移動する前後移動スライダ37の上下方向長孔37aに係合している。
【0058】
上記前後移動スライダ37は前方に上記水平シャフト14(14a、前端に上記剥し移載機構3が接続されている)が接続されており、この水平シャフト14は、前後方向ガイド部材(シャフトガイド部材)38に沿って、前後移動スライダ37と共に、前後方向(矢印E,E’方向)に移動可能に構成されている(前後方向ガイド部材38は前後方向位置には固定されている)。尚、上記前後方向ガイド部材38は、上記前後移動スライダ37の上記上下方向長孔37aの範囲内で、上記水平シャフト14、上記剥し移載機構3共々上下方向(矢印A,A’方向、
図8参照)に移動可能である(後述の剥し移載機構3の上下移動の説明参照)。
【0059】
ここで、
図7の位置では、上記L型アーム33の一端ローラ33aはカム溝27aの駆動軸25に対する小径コの位置(範囲)にあり、この位置では上記剥し移載機構3は後退した位置(
図7の後退した位置)に位置している。
【0060】
その後、カム27が矢印C方向に回転すると、カム溝27aの駆動軸25に対する径の長さに応じて、上記L型アーム33が矢印D,D’方向に回動して、上記水平シャフト14を前後方向に駆動する。例えば、上記一端ローラ33aが最小径部ウに位置すると、上記L型アーム33は上記固定軸29を中心に矢印D’方向に回転し回動アーム35を矢印D’方向に引くため、前後移動スライダ37は若干後退し、従って、水平シャフト14(14a)を介して剥し移載機構3も若干、矢印E’方向に
図7の初期位置から後退する(
図19参照)。
【0061】
さらに、上記カム27が矢印C方向に回転し、上記一端ローラ33aが、最大径部カの範囲に位置すると、上記L型アーム33が固定軸29を中心に矢印D方向に回転し、連結アーム34を前方に押すため、回動アーム35は固定軸36を支点として矢印D方向に回動し、下端部の回動軸35bを介して前後移動スライダ37を前方(矢印E方向)に押圧する。従って、上記剥し移載機構3は前方(矢印E方向)に突出することになる(前進位置、
図21、
図22参照)。
【0062】
その後、カム板27がさらに矢印C方向に回転し、上記一端ローラ33aが再びカム溝27bの小径部コに達すると、上記L型アーム33が矢印D’方向に復帰し、上記連結アーム34を後方に引くので、上記回動アーム35も固定軸36を支点として、矢印D’方向に復帰し、上記前後移動スライダ37を後方(矢印E’方向)に引くので、上記水平シャフト14を介して上記剥し移載機構3が後退する(
図7、
図15の後退した位置)。即ち、上記開閉チャック18を開いて上記1枚の皮1を隣接するコンベア4に移送する移送動作と、上記皮1の移送後に上記前進位置から上記皮収納筒2の上方の後退した位置までの戻り動作を行う剥し移載機構が設けられている。このように、上記カム27の回転に応じて、上記剥し移載機構3は、前方への突出、後方への後退(戻り動作)の動作を繰り返し行う。
【0063】
(剥し移載機構3の上下移動、
図8参照)
上記カム板28にはその外周上部に、上記固定軸29に一端39aを回動自在に軸支された設けた回動アーム39のローラ(第3カムフォロア)39bが係合しており、上記回動アーム39の先端ローラ39cは、上下移動スライダ40の横長孔に係合している。
【0064】
上記上下移動スライダ40は、上下方向の可動軸40a,40aを有しており、これら可動軸40a,40aは上記筐体11に固定の上下方向ガイド41に上下方向をガイドされながら、当該スライダ40、可動軸40a,40aは上下方向(矢印A,A’方向)に移動可能に構成されている。そして、上記可動軸40a,40aの下端は、上記前後方向ガイド部材38に接続されている。
【0065】
上記カム板28が矢印C方向に回転すると、カム板28の駆動軸25に対する半径に応じて、上記回動アーム39が、固定軸29を支点として、矢印F,F’方向に回動し、これによって、ローラ39bを介して上記スライダ40が上下方向ガイド41にガイドされながら上下方向に移動し、これにより上記前後方向ガイド部材38及び水平シャフト14(14b)を介して、上記剥し移載機構3が上下方向(矢印A,A’方向)に移動し得るように構成されている。
【0066】
尚、上記前後方向ガイド部材38が上下方向に移動する際、上記回動アーム35の回動軸35bは(
図7参照)、前後移動スライダ37の上下方向長孔37a内を上下方向に移動することになる(上昇位置(
図19参照)、下降位置(
図17、
図21参照))。
【0067】
即ち、上記カム28が矢印C方向に回転し、小径部イが上記ローラ39bに到来したときは、上記回動アーム39は固定軸29を支点として矢印F’方向に回動し、これによりスライダ40が下降し(矢印A’方向)、上記前後方向ガイド部材38を介して、剥し移載機構3は下降し、上記開閉チャック18が最上部Sの皮1に当接する(
図17参照)。
【0068】
さらに、カム28が回転して、小径部イから径の大きい大径部エの範囲が上記ローラ39bに到来すると、その間、上記回動アーム39は固定軸29を支点として矢印F方向に回動し、これによりスライダ40が徐々に上昇し(矢印A方向)、上記前後方向ガイド部材38を介して剥し移載機構3は上昇し、摘まんだ皮1の1枚を上方に捲り剥す動作を行う(
図19参照)。
【0069】
その後は、上記カム28の小径部キの位置では同様に剥し移載機構3は下降し、コンベア4上に皮1の1枚を移送し(
図21参照)、その後、大径部ク、ケの位置では同様に剥し移載機構3は上昇する(
図22、
図15参照)という動作を繰り返し行う。
【0070】
図9は、本発明に係るいなり寿司の皮移送装置に係る電気的構成を示すブロック図であり、
図10~
図14のフローチャートに示す動作手順に係るプログラムが記憶されたCPUを有する制御部43と、上記制御部43には上記駆動モータM1(雌螺子部6を駆動),M2(駆動軸25を駆動)が接続されると共に、上記制御部43に上記エアシリンダ21、センサ42、コンベア4のコンベア駆動部4’が接続されており、
図10~
図14に示す動作手順に従って、上記各部を駆動させるものである。また、上記制御部43はタイマ44を内蔵しており、上記エアシリンダ21の動作タイミングは、動作開始からの上記タイマ44の経過時間(t1~t4、
図13参照)によるものである。
図24は上記制御部43の機能ブロック図である。具体的な動作については、以下の動作説明にて説明する。
【0071】
本発明は、上述のように構成されているものであるから、以下、
図10~
図12のフローチャートに従って動作を説明する。尚、
図15~
図22までの図面では、説明の簡単のため、皮収納筒2を省略し、縦に重ねて収納されている皮1のみを示すが、これらの皮1は上記皮収納筒2内に収納されている状態を示し、センサ42によって最上部Sの皮1がコンベア4に移載された場合は、底板5が上昇し、次の皮1が最上部Sに位置するものである。
【0072】
まず、上記皮収納筒2には80枚(2列で160枚)のいなりの皮1が縦に重ねて収納され、上端部のセンサ42は最上部Sの皮1を検出しているものとする(
図12P1,P4参照)。従って駆動モータM1は停止した状態を維持している。尚、上記皮1は、開口部1aが後を向いた状態で、皮収納筒2に収納されているものとする(
図23参照)。従って、コンベア4に載置された際、コンベア4の右側(後方側)に、次段のシャリ玉の収納機構(図示せず)が配置されているものとする。
【0073】
また、剥し移載機構3及び押え部材23は、
図15の後退した位置(初期位置)にあるものとする。また、エアシリンダ21は伸長状態であり、チャック18は閉鎖されている(
図10S1,P1,K0参照)。また、センサ42は最上部Sの皮1検知してオン状態であるので、制御部43(
図24、雄螺子動作手段43b)は駆動モータM1を停止している(
図12P1,P4,P5参照)。
【0074】
この状態から制御部43(
図24、駆動軸動作手段43a)は駆動モータM2を一定速度で駆動する。すると、上記駆動軸25が矢印C方向に回転し、各カム26,27,28の矢印C方向の回転が開始する。また、この時点から、制御部43(
図24、エアシリンダ動作手段43d)は、タイマ44の計測を開始する(
図13P1,P2参照)。また、制御部43(
図24、コンベア動作手段43e)は、コンベア4は停止している(
図14P1,P3,P4参照)。
【0075】
上記駆動軸25の回転によりカム26の大径部アの範囲が上記一端ローラ30aに位置すると(
図10K1参照)、L型アーム30が固定軸29を支点に矢印D方向に回転し、押え部材23は斜め前方(矢印B方向)に突出下降し、皮収納筒2の最上部Sの皮1の上面に底面23aが接触する。即ち、押え部材23が最上部の皮1の上面を押える(押圧状態、
図10P2、
図16参照)。
【0076】
このとき、制御部43(
図24、エアシリンダ動作手段43d)はタイマ44のカウント値がt1になるので、エアシリンダ21を縮小してチャック18を開に設定する(
図10S2、
図13P3、
図16参照)。
【0077】
次に、上記駆動軸25が回転し、カム28の小径部イが上記ローラ39bに位置すると(
図10K2参照)、回動アーム39は一端39aを支点として矢印F’方向(下方)に回動し、これによって、可動軸40aが上下方向ガイド41に沿って下降し、前後方向ガイド部材38、従って、剥し移載機構3が下降し、開閉チャック18が最上部Sの皮1に当接する(
図10P3、
図17参照、下降した位置)。尚、このとき回動アーム35の回動軸35bは、回動アーム35が矢印D方向に回動するので、上下方向長孔37aを下降する。
【0078】
このとき、開閉チャック18が最上部の皮1に当接した時点において(剥し移載機構3は最下点に位置している)、スプリング17が若干縮小し、縦部材15及び腕15aがコ字状部材13に対して若干上方に移動することで、クッション性が発揮され、最上部Sの皮1を痛めることはない。
【0079】
次に、制御部43(
図24、エアシリンダ動作手段43d)はタイマ44のカウント値がt2になったことを検知し、エアシリンダ21を伸長し(
図13P4,P5、
図10S3参照)、最上部の皮1の1枚を上記チャック18にて摘まむ(
図10P4,P5、
図18参照)。
【0080】
その後、上記駆動軸25が回転し、カム27の小径部ウの範囲が上記一端ローラ33aに位置すると(
図10K3参照)、L型アーム33が屈曲部33cを支点として矢印D’方向に若干回動し、これにより、回動アーム35が固定軸36を中心に、初期位置から若干後退し、従って水平シャフト14が矢印E’方向に若干後退し、剥し移載機構3は初期位置から若干後退する(
図10P5、
図19参照)。
【0081】
その直後又は略同時期又は同時に、カム28が矢印C方向に回転して、大径部エの範囲がローラ39bに位置するので(
図10K4参照)、回動アーム39は固定軸29を支点として矢印F方向に回動し、その結果、上下移動スライダ40が上昇し、可動軸40a,40aを介して、前後方向移動スライダ38、従って剥し移載機構3が矢印A方向に上昇する(
図10P5、
図19参照)。このとき、上記剥し移載機構3の上記若干の後退と上記上昇(
図10ステップK3,K4参照)は同時でも良い。
【0082】
このステップP5の剥し移載機構3の後退と上昇は、略同時又は同時に行われ、開閉チャック18は上記最上部の皮1の1枚を摘まんだ状態なので、上記開閉チャック18は上記皮1の1枚を摘まんだまま、若干後退しながら上昇し、皮1の1枚の前半部を上方に捲り剥した状態、即ち、
図19の状態となる。
【0083】
次に、カム26が矢印C方向に回転して、小径部オの位置(範囲)が一端ローラ30aの位置に位置する(
図10K5参照)。すると、L型アーム30が固定軸29を支点として矢印D’方向に回動し、これにより駆動シャフト24が矢印B’方向に引っ込み、従って、押え部材23は最上部の皮1の上面から離間して後退した位置に位置する(非押圧状態、
図10P6、
図20参照)。
【0084】
その後、カム27が回転して、大径部カの範囲が一端ローラ33aに位置すると(
図10K6参照)、L型アーム33が固定軸29を支点として矢印D方向に回転し、回動アーム35を介して、前後移動スライダ37を前方に押すので、水平シャフト14が前後方向ガイド部材38に沿って前方(矢印E方向)に突出し、剥し移載機構3は、上記開閉チャック18にて摘まんだ皮1を、前方のコンベア4上に運ぶ(
図10P7、
図20参照、前進位置)。即ち、摘まんだ皮1をコンベア4上に移送する移送動作を行う。尚、このときコンベア4は停止している。
【0085】
その後、カム28が回転して、小径部キの範囲が上記ローラ39bの位置に位置すると(
図11K7参照)、回動アーム39が矢印F’方向(下方向)に回動し、上下移動スライダ40が下方向(矢印A’方向)に移動(下降)するので、剥し移載機構3が皮1を摘まんだまま下降して、皮をコンベア4上に載置する(
図10P8,P9、
図21参照、前進位置)。このとき、制御部43(
図24、エアシリンダ動作手段43d)はタイマ44のカウント値がt3になるので、エアシリンダ21を縮小し(
図13P6,P7参照)、その結果、開閉チャック18が開くので(
図11S4参照)、開閉チャック18から皮1は離間し、該皮1はコンベア4上に載置された状態となる(
図21参照)。
【0086】
ここで、上記皮収納筒2の最上部Sの皮1の1枚がコンベア4上に移動するので、制御部43(
図24、センサ検知手段43c)は、センサ42による最上部の皮1の検出をすることができなくなる(
図12P1参照)。従って、制御部43(
図24、雄螺子動作手段43b)は駆動モータM1を駆動し、底板5を上昇させる(
図12P2参照)。すると、皮収納筒2内の重ねられた皮全体が若干上昇し、次の皮1がセンサ42によって検出される(
図12P3参照)。すると制御部43(
図24、雄螺子動作手段43b)は上記駆動モータM1を停止し、次の皮1が最上部Sに位置することになる(
図12P4,P5参照)。
【0087】
その後、引き続きカム28が回転し、大径部クの範囲がローラ39bの位置に到来するので(
図11K8参照)、回動アーム39を介して先端ローラ39cは矢印F方向に上昇し、その結果、上下移動スライダ40が上昇し、従って、剥し移載機構3は皮1を摘まむことなく上昇する(
図11P10、
図22参照)。
【0088】
その後、引き続き駆動軸25は矢印C方向に回転し、カム26は小径部サ(初期位置)が一端ローラ30aの位置、カム27は小径部コ(初期位置)が一端ローラ33aの位置、カム28は大径部ケ(初期位置)がローラ39bの位置に位置するので(
図11K9参照)、上記剥し移載機構3及び押え部材23は
図15の初期位置(後退した位置)に復帰する(
図11P11参照)。要は、上記剥し移載機構3は、上記皮1の移送後に、上記前進位置から上記皮収納部2の上方に後退する戻り動作を行う。
【0089】
このとき、制御部43(
図24、エアシリンダ動作手段43d)はタイマ44のカウント値がt4に達するので、エアシリンダ21を伸長し(
図13P8,P9,P1参照)、チャック18は閉鎖状態となる(
図11S5、
図15参照)。
【0090】
その後、終了でなければ(
図11P12参照)、当初のステップ(
図10S1,P1,K0参照)に戻り、同様の動作を繰り返す。即ち、剥し移載機構3は、上記押え部材23の上記押圧状態における上記捲り剥し動作と、上記押え部材23の上記非押圧状態における上記移送動作及び上記戻り動作を、繰り返し行うことにより、間歇移動する上記コンベア4に順次上記皮1を移載し得るように構成されている。
【0091】
上記制御部43(
図24、コンベア動作手段43e)は、上記
図10のプログラムがステップP1(ステップS1,K0)に復帰したことを確認すると、皮1の移載動作(移送動作)が終了したことを検知し(
図14P1参照)、コンベア駆動部4’(
図9参照)を間歇駆動し、具体的には、皮2枚分のコンベアベルトを矢印G方向に移動して、上記剥し移載機構3,3の前方には、皮の載置されていないコンベアベルトのエリアとし(
図14P2参照)、コンベア駆動部4’を停止し(
図14P3参照)、終了でなければ(
図14P4参照)、皮の移送動作が終了したか否かの待機状態となる。よって、制御部43(
図24、コンベア動作手段43e)は、皮1のコンベア4への移送動作が終了した時点で、コンベア4を間歇駆動することを繰り返し、これにより、常時、剥し移載機構3,3の前方には、皮1の移送されていないコンベアベルトが到来することになる。
【0092】
このように、上記コンベア4は矢印G方向に例えば間歇的に移動している(
図2参照)。即ち、上記剥し移載機構3,3によって、2枚の皮1,1を上記の動作によって、皮収納筒2,2から各々コンベア4に同時に載置するときは、一時的に停止しているが、2枚ずつの皮1,1が載置されたら、所定距離矢印G方向に移動し、剥し移載機構3,3の前方にコンベア4の空の部分が位置するまで間歇的に移動する、という動作を繰り返し行う。
【0093】
その後、上記コンベア4にて搬送された皮1は、
図2のコンベア4の進行方向後方側に設けられたシャリ玉自動挿入部(図示せず)から各皮1内にシャリ玉が投入されていく。
【0094】
本発明は以上のように、皮収納部(2)内の1枚のいなり寿司の皮1の移送手段(コンベア4)への移送を、完全に自動的に行うことができ、1日に大量のいなり寿司の製造を、人手に頼らずに、極めて効率的に行うことが可能となる。
【0095】
また、剥し移載機構3は、皮1を摘まんだ後、上昇と若干の後退を同時に動作するので、1枚の皮1の捲り剥し動作を円滑に行うことができる。
【0096】
また、開閉チャック18により最上部の皮1の1枚を摘まんで上方に捲り剥す動作、及び、移送手段(コンベア4)上で開閉チャック18を閉から開にすることにより、1枚の皮1を移送手段(コンベア4)に移送する動作を完全に自動化することができ、非常に効率的にいなり寿司の皮1を1枚ずつ、移送手段(コンベア4)上に確実に移送することができる。
【0097】
また、開閉チャック18が最上部の皮1の上面に接触しても、開閉チャック18が設けられた上下移動部材(縦部材15)が上記基台(コ字状部材13)に対してクッション性を有しているため、皮1を傷つけることはない。
【0098】
また、制御部43(
図24、センサ検知手段43c)は、検知手段(センサ42)の検知に基づいて、雄螺子動作手段43b(
図24)が、底部材駆動手段(駆動モータM1)を以って例えば底部材ガイド部(雄螺子部6)を駆動するので、常時、皮収納部(2)の最上部にはいなり寿司の皮1を位置させることができる。よって上記剥し移載機構3は最上部の皮1を順次、1枚ずつ移送手段(コンベア4)に移送することが可能となる。
【0099】
また、前進後退駆動手段にて上記押え部材23を上記押圧状態の位置と、上記非押圧状態の位置とに繰り返し前進後退することが可能となり、上記剥し移載機構3については、前進後退は、上記前進後退駆動手段にて行い、上記上昇下降は、上記昇降駆動手段にて行うことができ、押え部材23の前進後退、剥し移載機構3の前進後退動作、及び、上昇下降動作を各別の駆動手段にて行うことができる。
【0100】
また、共通回転軸(25)を単一のカム駆動手段(駆動モータM2)にて回転駆動することにより、第1カム~第3カム(カム26~28)の回転により、上記押え部材23の前進後退、上記剥し移載機構3の前進後退及び昇降動作を行わせることができ、各部を効率的に駆動することが可能となる。
【0101】
また、剥し移載機構3の昇降動作と前進後退動作とを同時期に行うことができ、例えば剥し移載機構3を上昇させながら後退させる動作(下降した後皮を開閉チャック18で皮1を摘まんだ後、後退しながら上昇する動作)を行わせることができ、剥し移載機構のより複雑な動作を行わせることが可能となる。
【0102】
図2において、皮収納筒2が2列、剥し移載機構3が2列であり、2枚ずつの皮をコンベア4に移送する構成を示したが、皮収納筒2が1列(剥し移載機構3も1列)であっても良いし、何れも3列以上存在しても良い。また、移送手段としては、直線的なコンベアの事例を説明したが、移送手段としては円形のテーブル等であっても良い。また、上記実施形態では、押え部材23及び剥し移載機構3を3枚のカム26,27,28にて駆動する例を説明したが、カムによる駆動ではなく、例えば、各別のシリンダー等による駆動であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明に係るいなり寿司の皮移送装置によれば、大量のいなり寿司を製造する際、コンベア等へのいなり寿司の皮の載置を完全に自動化することができ、極めて効率的にいなり寿司を製造することができるものである。
【符号の説明】
【0104】
1 皮
2 皮収納筒(皮収納部)
3 剥し移載機構
4 コンベア(移送手段)
5 底板(底部材)
6 雄螺子部(底部材ガイド部)
7 昇降部
7a 雌螺子部
12 皮持上機構
13 コ字状部材(基台)
14 水平シャフト
15 縦部材(上下移動部材)
17 スプリング(弾性部材)
18 開閉チャック
21 エアシリンダ(チャック駆動手段)
23 押え部材
24 駆動シャフト
26 カム(第1カム)
26a カム溝
27 カム(第2カム)
27a カム溝
28 カム(第3カム)
30 L型アーム
30a 一端ローラ(第1カムフォロア)
32 連結アーム
33 L型アーム
33a 一端ローラ(第2カムフォロア)
34 連結アーム
35 回動アーム
37 前後移動スライダ
38 前後方向ガイド部材
39 回動アーム
39b ローラ(第3カムフォロア)
40 上下移動スライダ
40a 可動軸
41 上下方向ガイド
42 センサ(検知手段)
S 最上部
M1 駆動モータ(底部材駆動手段)
M2 駆動モータ(カム駆動手段)