(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176734
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】角パイプの接続装置とそのための継手
(51)【国際特許分類】
F16B 7/04 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
F16B7/04 301B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083308
(22)【出願日】2021-05-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】392018160
【氏名又は名称】日本扉金物製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230115336
【弁護士】
【氏名又は名称】山下 あや理
(72)【発明者】
【氏名】佐野 泉三
【テーマコード(参考)】
3J039
【Fターム(参考)】
3J039AA01
3J039BB03
3J039CA07
(57)【要約】
【課題】
角パイプ同士の耐久強度と安定性に富む接続固定状態を得られる角パイプの接続装置を提供する。
【解決手段】
角パイプ(P)同士の接続部へ介挿セットされる継手(J)が、全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に造形された継手本体(A)と、その中間位置へ作用的な水平の橋渡し連結状態に組み付けられた前後一対の六角穴付きボルト(B)とを備え、そのボルト(B)を上記角パイプの外側から各々回動操作して、上記継手本体(A)における向かい合う左右両側面(13L)(13R)を相対的に離隔する方向へ移動させれば、その継手本体の全体が中空内部を拡張するように弾性変形して、その四隅部の円弧凸曲面(14)が上記角パイプの対応的な四角部を内側から各々突っ張る如く押圧するように定めた。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面矩形の角パイプ同士をその接続部へ中子として介挿する一定長さの継手により、一直線の直列状態に接続する装置であって、
上記継手が、
上下両面と左右両側面との何れもほぼV字溝状に陥没し、且つ四隅部の何れも円弧凸曲面をなす全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に造形された継手本体と、
その継手本体における上下両面の向かい合う相互間又は左右両側面の向かい合う相互間へ、作用的な橋渡し連結状態に組み付けられた前後一対の平行なボルトとを備え、
接続すべき両角パイプの外側から上記ボルトを各々時計方向へ回動操作して、その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に接近する方向へ移動させれば、
その移動に連れて上記継手本体の全体に波及する拡張的な弾性変形により、その四隅部の円弧凸曲面が上記接続すべき両角パイプの角部を内側から各々突っ張る如く押圧し、
同じく両角パイプの外側から上記ボルトを各々反時計方向へ回動操作して、その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に接近する方向へ移動させれば、
その移動に連れて上記継手本体の全体に波及する収縮的又は復元的な弾性変形に基づき、その上記四隅部の円弧凸曲面によって両角パイプの角部を内側から各々突っ張る如く押圧している状態が解放されるように定めたことを特徴とする角パイプの接続装置。
【請求項2】
継手の継手本体をその上下両面が短辺となり、左右両側面が長辺となる上下方向に細長いほぼX字形の閉鎖断面形状に造形し、
その長辺である左右両側面の中間高さ位置を平行なフラット面として、その両フラット面の向かい合う相互間へ前後一対のボルトを各々作用的な水平の橋渡し連結状態に組み付けると共に、
上記継手本体と対応する上下方向に細長い断面長方形の接続すべき両角パイプの外側から、上記継手のボルトを各々時計方向又は反時計方向へ回動操作することにより、
その継手本体における向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に離隔する方向又は接近する方向へ移動させるように定めたことを特徴とする請求項1記載の角パイプの接続装置。
【請求項3】
継手における継手本体の円弧凸曲面が接続すべき両角パイプの角部を、内側から各々突っ張る如く押圧した時には、その各円弧凸曲面が両角パイプの角部と平行な2本線での線接触状態を保つことを特徴とする請求項1又は2記載の角パイプの接続装置。
【請求項4】
継手の継手本体に組み付けられた前後一対のボルトと対応位置するボルト回動操作工具用挿入孔を、接続すべき両角パイプの接続部へ各々ボルトよりも径大な円形として1個ずつ開口形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の角パイプの接続装置。
【請求項5】
請求項1記載の角パイプの接続装置に使用される継手であって、
接続すべき角パイプと同じ大きさ・形状の角パイプを材料として、プレス加工やロール加工、その他の塑性加工により、上下両面と左右両側面とが何れも内側へのほぼV字溝状に陥没し、且つ四隅部が上記接続すべき角パイプの四角部に向かって放射状に張り出す円弧凸曲面をなす全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に一体成形された継手本体と、
その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方に開口分布された前後一対のネジ孔へ、ネジ軸部が螺合状態に保たれていると共に、残る他方に対応形成された前後一対のバカ孔へ、上記ネジ軸部よりも径小なストレート軸部が通し込まれた上、そのストレート軸部の先端が座金又は止め輪を介してかしめ付けられた前後一対の六角穴付きボルトとから成ることを特徴とする角パイプ用継手。
【請求項6】
請求項1記載の角パイプの接続装置に使用される継手であって、
上下両面と左右両側面とが何れも内側へのほぼV字溝状に陥没し、且つ四隅部が接続すべき角パイプの四角部に向かって放射状に張り出す円弧凸曲面をなす全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に押出成形された継手本体と、
その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方に開口分布された前後一対のネジ孔へ、ネジ軸部が螺合状態に保たれていると共に、残る他方に対応形成された前後一対のバカ孔へ、上記ネジ軸部よりも径小なストレート軸部が通し込まれた上、そのストレート軸部の先端が座金又は止め輪を介してかしめ付けられた前後一対の六角穴付きボルトとから成ることを特徴とする角パイプ用継手。
【請求項7】
継手本体における向かい合う上下両面の中間位置又は向かい合う左右両側面の中間位置を平行なフラット面として、その向かい合う両フラット面の何れか一方をバーリング加工した上、前後一対のネジ孔を形成すると共に、
同じく向かい合う両フラット面の残る他方に前後一対のバカ孔を対応形成して、そのバカ孔に各々通し込まれた六角穴付きボルトのネジ軸部と、これよりも径小なストレート軸部との境界段差面によって、
上記ボルトを時計方向へ回動操作した時、その回動軸線に沿って上記両フラット面の残る他方をボルトの先端方向へ押し動かすように設定したことを特徴とする請求項5又は6記載の角パイプ用継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は断面矩形の角パイプ同士を直列状態に接続する装置と、そのための角パイプ用継手に関する。
【背景技術】
【0002】
断面矩形の角パイプ同士をその中子となる継手の介挿によって、一直線の直列状態に接続する構造が、特許文献1~3に開示されている。
【0003】
そのうち、特許文献1の
図3、4に記載されたパイプジョイント(B)は、両角パイプ(7)(7)の外側から各々ボルト(2)(2)を回動操作して、パイプ内側面当接片(1)(1)を相対的に接近・離隔する方向へ移動させ、その当接片(1)(1)の先端縁(11)(11)を角パイプ(7)(7)の角部へ、内側から突っ張る如く押し付けることにより、その角パイプ(7)(7)同士を接続固定するようになっている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-68405号公報
【特許文献2】特許第3877868号公報
【特許文献3】特開2007-170564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが,上記特許文献1に開示されたパイプジョイント(B)の構成では、パイプ内側面当接片(1)(1)が板材から曲成されており、しかもその別個な一対(2枚)が角パイプ(7)(7)の角部へ各別に押し付けられるようになっているため、その当接片(1)(1)における先端縁(11)(11)の稜線が、角パイプ(7)(7)の角部へ1本の線として接触するに過ぎないこととも相俟って、その角パイプ(7)(7)の角部に対する内側からの強い突っ張り押圧力を、上記当接片(1)(1)に発揮させることができず、またその突っ張り押圧力を一対の当接片(1)(1)に等しく発揮させることもできない。
【0006】
その一対の当接片(1)(1)による内側からの上記突っ張り押圧力が分散することになる結果、角パイプ(7)(7)が例えば鶏舎の給餌機走行用ガイドレールや建設作業用の仮設足場などとして使用されているような場合に、その角パイプ(7)(7)の外側から荷重や振動などを繰り返し受けると、パイプジョイント(B)の上記当接片(1)(1)が不正に変形したり、ガタツキを生じたり、角パイプ(7)(7)同士の継ぎ目段差を招来したりするおそれがあり、安定性と耐久強度に富む角パイプ(7)(7)の接続固定状態を得られない。
【0007】
また、上記当接片(1)(1)は板材から成り、その一対(2枚)として別個独立している関係上、特にボルト(2)(2)の軸線と直交する方向から加わる外圧や荷重に対する対抗力が弱く、その対抗力の発揮にボルト(2)(2)を役立てるため、そのボルト(2)(2)が垂直姿勢となる
図3、4のような使用状態に保つ必要があり、そのパイプジョイント(B)の使い方や用途などに制約を受けることになる。
【0008】
更に、上記当接片(1)(1)は板材から疑似等脚台形に折り曲げられており、その一対(2枚)が背中合わせの対向状態にあるところ、一方(
図3、4の上側)の当接片(1)はネジ孔(14)(14)において、ボルト(2)(2)のネジ軸部と螺合状態にあるが、残る他方(同じく
図3、4の下側)の当接片(1)はその中央部の連結板(13)(13)において、ボルト(2)(2)の先端部(下端部)とただ単に当接しているにとどまり(請求項3と段落[0030]を参照)、そのボルト(2)(2)と予め組み付けられていない。
【0009】
このように、他方の当接片(1)がボルト(2)(2)と組み付けられていないことも、上記角パイプ(7)(7)の外側から加わる荷重や振動などの外力に対する強い対抗力を発揮することができない原因となる。
【0010】
それにもまして、上記ボルト(2)(2)と螺合されている一方(上側)の当接片(1)と、残る他方(下側)の当接片(1)とは言わばバラバラの分離状態にあるため、このような状態のパイプジョイント(B)を両角パイプ(7)(7)の内部へ、すばやく正確に挿入セットすることができない。その中子として挿入セットする際、一対の当接片(1)(1)を正確な背中合わせの対向状態に保つことが難しく、角パイプ(7)(7)の長手方向に沿う互いの位置ズレを生じることは必至であって、作業性(施工性)に劣る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はこのような諸問題の完全な解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では断面矩形の角パイプ同士をその接続部へ中子として介挿する一定長さの継手により、一直線の直列状態に接続する装置であって、
上記継手が、
【0012】
上下両面と左右両側面との何れもほぼV字溝状に陥没し、且つ四隅部の何れも円弧凸曲面をなす全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に造形された継手本体と、
【0013】
その継手本体における上下両面の向かい合う相互間又は左右両側面の向かい合う相互間へ、作用的な橋渡し連結状態に組み付けられた前後一対の平行なボルトとを備え、
【0014】
接続すべき両角パイプの外側から上記ボルトを各々時計方向へ回動操作して、その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に接近する方向へ移動させれば、
【0015】
その移動に連れて上記継手本体の全体に波及する拡張的な弾性変形により、その四隅部の円弧凸曲面が上記接続すべき両角パイプの角部を内側から各々突っ張る如く押圧し、
【0016】
同じく両角パイプの外側から上記ボルトを各々反時計方向へ回動操作して、その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に接近する方向へ移動させれば、
【0017】
その移動に連れて上記継手本体の全体に波及する収縮的又は復元的な弾性変形に基づき、その上記四隅部の円弧凸曲面によって両角パイプの角部を内側から各々突っ張る如く押圧している状態が解放されるように定めたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項2では継手の継手本体をその上下両面が短辺となり、左右両側面が長辺となる上下方向に細長いほぼX字形の閉鎖断面形状に造形し、
【0019】
その長辺である左右両側面の中間高さ位置を平行なフラット面として、その両フラット面の向かい合う相互間へ前後一対のボルトを各々作用的な水平の橋渡し連結状態に組み付けると共に、
【0020】
上記継手本体と対応する上下方向に細長い断面長方形の接続すべき両角パイプの外側から、上記継手のボルトを各々時計方向又は反時計方向へ回動操作することにより、
【0021】
その継手本体における向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に離隔する方向又は接近する方向へ移動させるように定めたことを特徴とする。
【0022】
請求項3では継手における継手本体の円弧凸曲面が接続すべき両角パイプの角部を、内側から各々突っ張る如く押圧した時には、その各円弧凸曲面が両角パイプの角部と平行な2本線での線接触状態を保つことを特徴とする。
【0023】
請求項4では継手の継手本体に組み付けられた前後一対のボルトと対応位置するボルト回動操作工具用挿入孔を、接続すべき両角パイプの接続部へ各々ボルトよりも径大な円形として1個ずつ開口形成したことを特徴とする。
【0024】
請求項5では請求項1記載の角パイプの接続装置に使用される継手であって、
【0025】
接続すべき角パイプと同じ大きさ・形状の角パイプを材料として、プレス加工やロール加工、その他の塑性加工により、上下両面と左右両側面とが何れも内側へのほぼV字溝状に陥没し、且つ四隅部が上記接続すべき角パイプの四角部に向かって放射状に張り出す円弧凸曲面をなす全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に一体成形された継手本体と、
【0026】
その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方に開口分布された前後一対のネジ孔へ、ネジ軸部が螺合状態に保たれていると共に、残る他方に対応形成された前後一対のバカ孔へ、上記ネジ軸部よりも径小なストレート軸部が通し込まれた上、そのストレート軸部の先端が座金又は止め輪を介してかしめ付けられた前後一対の六角穴付きボルトとから成ることを特徴とする。
【0027】
請求項6では請求項1記載の角パイプの接続装置に使用される継手であって、
【0028】
上下両面と左右両側面とが何れも内側へのほぼV字溝状に陥没し、且つ四隅部が接続すべき角パイプの四角部に向かって放射状に張り出す円弧凸曲面をなす全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に押出成形された継手本体と、
【0029】
その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方に開口分布された前後一対のネジ孔へ、ネジ軸部が螺合状態に保たれていると共に、残る他方に対応形成された前後一対のバカ孔へ、上記ネジ軸部よりも径小なストレート軸部が通し込まれた上、そのストレート軸部の先端が座金又は止め輪を介してかしめ付けられた前後一対の六角穴付きボルトとから成ることを特徴とする。
【0030】
更に、請求項7では継手本体における向かい合う上下両面の中間位置又は向かい合う左右両側面の中間位置を平行なフラット面として、その向かい合う両フラット面の何れか一方をバーリング加工した上、前後一対のネジ孔を形成すると共に、
【0031】
同じく向かい合う両フラット面の残る他方に前後一対のバカ孔を対応形成して、そのバカ孔に各々通し込まれた六角穴付きボルトのネジ軸部と、これよりも径小なストレート軸部との境界段差面によって、
【0032】
上記ボルトを時計方向へ回動操作した時、その回動軸線に沿って上記両フラット面の残る他方をボルトの先端方向へ押し動かすように設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
請求項1の構成によれば、断面矩形の角パイプ同士を接続する継手の継手本体が、その上下両面と左右両側面との何れも内側へのほぼV字溝状に凹み、しかも四隅部の何れも円弧凸曲面をなす全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状(中空)に造形された一体品であるため、これを角パイプの接続部へ中子として挿入セットした状態において、前後一対のボルトを接続すべき両パイプの外側から、各々時計方向又は反時計方向へ回動操作すると、その継手本体における向かい合う上下両面又は向かい合う左右両側面が相対的に離隔する方向又は接近する方向へ移動し、その移動に連れて上記継手本体の全体が、その中空内部を拡張又は収縮するように弾性変形することとなり、これによって四隅部の円弧凸曲面を角パイプの対応的な四角部へ、内側から各々突っ張る如く押圧させることができ、その押圧状態の解除も行える結果、角パイプ同士の耐久強度と安定性に富む接続固定状態を得られ、冒頭に述べた公知技術の諸問題をすべて解決できる効果がある。
【0034】
その場合、特に請求項2の構成を採用するならば、上下(縦)方向に細長い断面長方形をなす角パイプとの関係上、その接続用継手の継手本体が角パイプとの対応的な上下(縦)方向に細長いほぼX字形の閉鎖断面形状に造形されており、その長辺である左右両側面の中間高さ位置に形成されたフラット面の向かい合う相互間に、前後一対のボルトが水平の橋渡し連結状態に組み付けられているため、そのボルトの回動操作に起因する上記左右両側面の相対的に離隔又は接近する移動作用と、これに連れて継手本体の全体に波及する拡張的又は収縮的な弾性変形作用が、極めて円滑に行われることとなり、請求項1の上記効果をますます向上させることができる。
【0035】
また、請求項3の構成を採用するならば、上記継手本体における四隅部の円弧凸曲面が接続すべき両角パイプの対応的な四角部へ、各々平行な2本線での線接触状態に押圧されるため、その内側から突っ張る押圧状態が著しく安定・強固になり、上記継手本体が全体として1つ物の中空品であることとも相俟って、両角パイプの外側から加わる荷重や振動などの外力に対し、優れた対抗力を発揮させることができる。
【0036】
更に、請求項4の構成を採用するならば、上記継手本体における前後一対のボルトと対応位置するボルト回動操作工具用挿入孔が、接続すべき両角パイプの接続部に1個ずつ開口形成されているため、一定長さの継手を両角パイプの接続部へ、前半部と後半部との半分ずつ挿入セットした上、その径大な円形の挿入孔からボルト回動操作工具を挿入して、上記ボルトを誤りなく回動操作することができ、両角パイプの接続作業を能率良く便利に行える。
【0037】
他方、請求項5や請求項6に記載された角パイプ用継手の構成によれば、その継手本体を鋼管材の塑性加工やアルミ材などの押出成形によって容易に製作することができ、特に請求項5のような接続すべき角パイプと同じ大きさ・形状の角パイプを、継手本体の材料として採用することにより、その継手本体の製作に特別の材料を調達する必要がなく、最大限の量産効果を期待できる実用上の利点がある。
【0038】
その請求項5と請求項6との何れに記載の継手にあっても、請求項7の構成を採用するならば、その継手本体における上下両面の中間位置又は左右両側面の中間位置に形成されたフラット面の向かい合う相互間へ、六角穴付きボルトを抜け止め状態での安定良く組み付けることができるほか、上記向かい合う両フラット面のうち、前後一対のボルト受け入れ用バカ孔が開口形成された一方を、上記ボルトの時計方向(螺進方向)に向かう回動操作に連れて、そのネジ軸部とストレート軸部との境界段差面により、ボルトの先端方向へ押し動かすことができ、これを起因として、上記継手本体の全体的な弾性変形作用を円滑に遂行させ得る効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の実施形態に係る角パイプの接続部を示す側面図である。
【
図5】
図1の角パイプへ継手を挿入セットした状態の側面図である。
【
図6】同じく角パイプへ継手を挿入セットした状態の拡大正面図である。
【
図8】継手本体が全体的に拡張又は収縮する弾性変形作用を示す説明図である。
【
図9】拡張した継手本体の円弧凸曲面が角パイプの角部を内側から押圧している使 用状態の
図6に対応する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述する。
図1、2は本発明の実施形態に係る角パイプ(P)の接続部を示しており、
図3、4はその角パイプ(P)の接続用継手(J)を示している。
【0041】
本発明の対象とする角パイプ(P)は断面矩形をなすが、図示実施形態のそれは特に上下(縦)方向への細長い断面長方形をなす鋼管又はアルミ押出管であり、一例として長辺(y):60mm×短辺(x):30mm×厚み(t):1.6mmの大きさを有し、その取り扱いやすい一定の単位長さ(例えば5m)を備えた角パイプ(P)の複数が、一直線の直列状態に接続(継ぎ足し)固定された適当な全体長さ(例えば50m)のもとで、例えば鶏舎の給餌機が走行するガイドレールや建設作業者が歩行する仮設足場、倉庫の骨組となる支柱、その他の各種用途に広く使われる。
【0042】
(10)は上記角パイプ(P)の長辺(y)をなす左右両側面(11L)(11R)の何れか一方(
図2の右側面(11R))に穿孔された円形のボルト回動操作工具用挿入孔であって、その角パイプ(P)の切り離し端部(角パイプ同士の突き合わせ端部)から例えば25mmの一定間隔距離(d)を保つ位置に開口しており、継手(J)の後述するボルトよりも径大な口径(例えば12mm)を有する。
【0043】
他方、継手(J)は上記角パイプ(P)の安定・確固な接続に必要な一定の長さ(L)(例えば80mm)を有し、その角パイプ(P)同士の接続部に中子として介挿される。つまり、その一定長さ(L)を備えた継手(J)の半分ずつが接続すべき両角パイプ(P)の中空内部へ、各々その切り離し端部から挿入セットされるようになっており、その中空内部から各々抜き出すことも可能である。
【0044】
上記継手(J)は角パイプ(P)との対応的な一連の上下(縦)方向に細長いほぼX字形の閉鎖断面形状に造形された継手本体(A)と、その継手本体(A)の中間高さ位置へ作用的な水平の橋渡し連結状態に組み付けられた前後一対のボルト(B)とから成る。
【0045】
その構成を
図3、4に基いて詳しく説明すると、継手(J)の継手本体(A)はその短辺(X)をなす上下両面(12U)(12D)と長辺(Y)をなす左右両側面(13L)(13R)との何れも内側へのほぼV字溝状に陥没し、且つ四隅部の何れも上記角パイプ(P)の四角(かど)部に向かって放射状に張り出す(換言すれば、角パイプのブレースとしても機能し得る対角線に沿って相反する方向へ張り出す)円弧凸曲面(14)をなす全体的な上下(縦)方向への細長いほぼX字形の閉鎖断面形状(中空)に造形されている。
【0046】
つまり、その継手本体(A)の上下両面(12U)(12D)が相互の対称に陥没するV字溝については、その開度(交叉角度)(α)が例えば85度の狭い小角度(鋭角)として深く、同じく継手本体(A)の左右両側面(13L)(13R)が相互の対称に陥没するV字溝については、その開度(交叉角度)(β)が例えば150度の広い大角度(鈍角)として浅く、相違変化する関係状態に形成されているのである。
【0047】
継手(J)の継手本体(A)をこのような閉鎖断面形状に造形する方法に制限はなく、自由に設計してさしつかえないが、特に接続すべき
図2のような上記断面長方形の角パイプ(P)と同じ大きさ・形状の角パイプ(先に大きさの寸法となる数値を例示した鋼管)を材料として採用し、これにプレス(絞り)加工やロール加工、その他の塑性加工を施すことによって、継手本体(A)の周長がその材料の角パイプ(上記鋼管)と同じ全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に一体成形することが好ましい。
【0048】
そうすれば、上記継手本体(A)の製作上特別の材料を調達する必要がなく、接続すべき角パイプ(P)の端切れ材や、その他の一部分を活用することができ、最大限の量産効果を得られるからである。
【0049】
但し、接続すべき角パイプ(P)と同じ大きさ・形状の上記鋼管から、継手本体(A)をほぼX字形の閉鎖断面形状に塑性変形させる方法だけに限らず、例えばアルミニウムやマグネシウム、銅などを継手本体(A)の材料として、これらの金属材料から全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に押出成形しても良い。
【0050】
継手本体(A)の長辺(Y)をなす左右両側面(13L)(13R)について、その何れも内側へのほぼV字溝状に陥没している旨を説明したが、その左右両側面(13L)(13R)の中間高さ位置は
図4のようなフラット面(15L)(15R)として形成されており、しかもその向かい合う両フラット面(15L)(15R)の何れか一方(
図4の右側面(13R)に形成されたフラット面(15R))には前後一対のネジ孔(16)が設けられていると共に、残る他方(同じく
図4の左側面(13L)に形成されたフラット面(15L))にはそのネジ孔(16)と対応位置する前後一対のバカ孔(17)が開口分布されている。
【0051】
その場合、上記左右両側面(13L)(13R)における何れか一方(右側面(13R))のフラット面(15R)は、ネジ孔(16)の深さを出すためにバーリング加工されているが、そのバーリング加工とタップ加工に代るナット(図示省略)を上記一方(右側面(13R))のフラット面(15R)へ外側から溶接して、その溶接ナットにより上記ネジ孔(16)の充分な深さを確保しても良い。
【0052】
上記継手(J)における前後一対のボルト(B)としては、例えば外径:8mmのネジ軸部(18)とこれよりも径小(6mm)なストレート(非ネジ)軸部(19)とから成り、そのネジ軸部(18)よりも径大な頭部が無い互いに同じM8の六角穴(20)付きボルトを採用することが望ましい。
【0053】
そして、その六角穴(20)付きボルト(B)のネジ軸部(18)を各々上記継手本体(A)の左右両側面(13L)(13R)における何れか一方(上記右側面(13R))のフラット面(15R)に開口しているネジ孔(16)へねじ込んで、そのネジ孔(16)から先端方向(
図4の左方向)へ螺進させ乍ら、ストレート軸部(19)を同じく継手本体(A)の左右両側面(13L)(13R)における残る他方(上記左側面(13L))のフラット面(15L)に開口しているバカ孔(17)へ通し込み、その他方(左側面(13L))のフラット面(15L)から外側へ張り出す先端をかしめることにより、その継手本体(A)における左右両側面(13L)(13R)の向かい合う相互間へ水平の横架状態に組み付けている。
【0054】
(21)はその先端のかしめ付け部、(22)は上記ストレート軸部(19)へ外側から差し込まれた座金又は止め輪、(23)は上記ネジ軸部(18)とこれよりも径小なストレート軸部(19)との境界段差面(垂直面)であり、その境界段差面(23)と座金(22)又は止め輪とによって、上記継手本体(A)の左右両側面(13L)(13R)におけるバカ孔(17)が開口する他方(上記左側面(13L))のフラット面(15L)を内外方向から挟持している。
【0055】
このような上下(縦)方向に細長いほぼX字形の閉鎖断面形状に造形された継手本体(A)と、その長辺(Y)をなす左右両側面(13L)(13R)の中間高さ位置に形成されたフラット面(15L)(15R)の向かい合う相互間へ、上記六角穴(20)付きボルト(B)が水平に組み付けられた完成状態の継手(J)としては、上記接続すべき上下(縦)方向への細長い断面長方形をなす角パイプ(P)(先に大きさとなる寸法の数値を例示した鋼管又はアルミ押出管)との関係上、例えばその継手本体(A)の長辺(Y)が53.6mm、短辺(X)が23.6mmに寸法化されており、その状態のままで角パイプ(P)の中空内部へ無理なく挿入セットすることができるようになっている。
【0056】
その場合、上記ボルト(B)における六角穴(20)の凹んだ基端から先端のかしめ付け部(21)に至るまでの一定長さ(Z)は、その継手本体(A)の短辺(X)(上記23.6mm)よりも短く、一例として21mmである。尚、継手本体(A)の厚み(T)は1.6mmとして、上記角パイプ(P)の厚み(t)と同じである。
【0057】
要するに、継手(J)の上記全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に造形された継手本体(A)の周囲には、接続すべき角パイプ(P)と予め遊合させるための適当な一定間隙(S)が、好ましくはその継手本体(A)の厚み(T)(先に例示した1.6mm)に相応する数値(寸法)分だけ確保されているのである。
【0058】
図示実施形態の角パイプ用継手(J)は上記した構成を備えているので、その使用により角パイプ(P)同士を接続するに当っては、先ず継手(J)における一定長さ(L)の前半部を
図5~7のように、接続すべき両角パイプ(P)の何れか一方へ挿入セットする。その際、継手(J)の六角穴(20)付きボルト(B)と、角パイプ(P)のボルト回動操作工具用挿入孔(10)とが対応合致するように位置決め調整する。
【0059】
そして、その角パイプ(P)の外側(左又は図示のような右の横方向)から上記挿入孔(20)を通じて、ボルト回動操作工具(24)(六角棒レンチ)を挿入し、これを継手(J)における上記ボルト(B)の六角穴(20)へ係止させて、その六角穴(20)付きボルト(B)を時計方向(螺進方向)へ回動操作する。
【0060】
そうすれば、継手(J)の継手本体(A)における左右両側面(13L)(13R)の何れか一方(
図6、8の左側面(13L))が、その中間高さ位置のフラット面(15L)を上記ボルト(B)におけるネジ軸部(18)とストレート軸部(19)との境界段差面(23)によって、そのボルト(B)の先端方向(
図6、8の左方向)へ押し動かされると同時か、又はその左側面(13L)が押し動かされて角パイプ(P)の対応的な左側面(11L)へ接触した(押し付けられた)後には、同じく継手本体(A)における残る他方のボルト(B)とネジ孔(16)を介して螺合状態にある右側面(13R)が、上記左側面(13L)との相対的に離隔する螺退方向(
図6、8の右方向)へ、角パイプ(P)の対応的な右側面(11R)と接触する(押し付けられる)まで移動し、その移動するに連れて、上記継手本体(A)のほぼV字溝状をなす上下両面(12U)(12D)も含む全体が、
図8の点線と実線で示唆する如く、その中空内部の拡張するように弾性変形し、遂にはその継手本体(A)の四隅部にある円弧凸曲面(14)が
図8~10のように、角パイプ(P)の対応位置する四角部を内側から突っ張るように押圧することとなる結果、その継手(J)の前半部と一方の角パイプ(P)とが強く固定一体化されて、互いに離脱するおそれはない。
【0061】
そこで、次に上記角パイプ(P)から未だ露出した状態にある継手(J)の後半部へ、接続すべき他方の角パイプ(P)を
図5の鎖線で示すように差し込み套嵌して、上記一方の角パイプ(P)と突き合わせれば、その角パイプ(P)のボルト回動操作工具用挿入孔
(10)と継手(J)の六角穴(20)付きボルト(B)とが、自ずと正確に対応合致することとなる。
【0062】
そのため、その角パイプ(P)の外側(図示する同じ右の横方向)から上記挿入孔(10)を通じて、やはりボルト回動操作工具(24)(同じ六角棒レンチ)を挿入し、これを上記継手(J)におけるボルト(B)の六角穴(20)に係止させて、そのボルト(B)を時計方向(螺進方向)へ回動操作すれば良い。
【0063】
その六角穴(20)付きボルト(B)の回動操作によって、継手(J)の継手本体(A)における左右両側面(13L)(13R)が相対的に離隔する方向へ移動し、その移動に基づき上下両面(12U)(12D)も含む継手本体(A)の全体が
図8のように連動して、その中空内部を大きく拡張する如く弾性変形することにより、その四隅部の円弧凸曲面(14)が角パイプ(P)の対応的な四角部を、
図8~10のように内側から各々突っ張る如く押圧することとなる作用は、上記継手(J)の前半部と一方の角パイプ(P)との固定関係について
図6~8に基づき説示した作用と同じであり、その継手(J)の後半部も他方の角パイプ(P)と離脱不能に固定一体化される。
【0064】
このようなボルト回動操作工具(24)を使用した前後2回の操作により、角パイプ(P)同士がその接続部に中子として介挿する一定長さ(L)の継手(J)を介して、一直線の直列状態に整然と接続固定されるのであり、その繰り返しによって先に例示した走行ガイドレールや仮設足場などを形作ることができる。上記角パイプ(P)に開口形成されたボルト回動操作工具用挿入孔(10)は、必要に応じて図外の化粧キャップにより閉鎖すれば良い。
【0065】
その場合、上記継手本体(A)の放射状に張り出す円弧凸曲面(14)の各個は、角パイプ(P)の対応位置する各角部の就中入隅よりも半径の大きい円弧形状をなしており、そのためこれによって両角パイプ(P)の角部を内側から各々突っ張る如く押圧した時、その各円弧凸曲面(14)が
図8~10から示唆されるように、両角パイプ(P)における角部の就中入隅と各々平行な2本線(a)(b)での線接触状態を保つことになる。
【0066】
そのため、上記継手(J)の継手本体(A)が上下(縦)方向に細長い断面長方形をなす角パイプ(P)の中子として、その角パイプ(P)との対応的な上下(縦)方向に細長いほぼX字形の閉鎖断面形状に造形されており、その一連に弾性変形する全体として、角パイプ(P)を内側から均一に突っ張り押圧することとも相俟って、角パイプ(P)同士の耐久強度と安定性に富む接続固定状態を得られるのであり、その角パイプ(P)の外側から繰り返し振動や荷重などを受けるも、上記継手本体(A)が不正に変形したり、ガタツキを起したり、角パイプ(P)同士の継ぎ目段差を生じたりするおそれはない。
【0067】
また、上記ボルト(B)をその回動操作工具(24)(六角棒レンチ)により反時計方向へ回動操作して、上記継手(J)の継手本体(A)における左右両側面(13L)(13R)を相対的に接近する方向へ移動させることもでき、そうすればその移動に基き、上下両面(12U)(12D)も含む継手本体(A)の全体が
図8のように連動して、その中空内部を逆に
図9の状態から
図6の状態へ、小さく収縮又は復元する如く弾性変形することとなり、その結果その継手本体(A)における四隅部の円弧凸曲面(14)によって両角パイプ(P)の対応的な四角部が、内側から突っ張る如く押圧されていた状態を解放することができ、角パイプ(P)同士の接続状態を分解して、その接続部から上記継手(J)を抜き出し交換することも可能である。
【0068】
尚、図示の実施形態としては上下(縦)方向に細長い断面長方形の角パイプ(P)と、これとの対応的な上下(縦)方向に細長いほぼX字形の閉鎖断面形状(中空)に造形された一体品の継手本体(A)について、その具体的な構成並びに作用(接続方法)を説明したが、その接続すべき角パイプ(P)としては断面正方形であっても良く、またその接続用継手(J)の継手本体(A)としても図示はしないが、上下両面(12U)(12D)と左右両側面(13L)(13R)との直交する2辺に長短差がないすべて同じほぼX字形の閉鎖断面形状(中空)に造形された一体品を採用することができ、本発明の範疇に属する。このような断面正方形の角パイプ(P)を接続する継手(J)の構成と作用(接続方法)は、上記した図示実施形態と実質的に同じであるため、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0069】
(10)・・・ボルト回動操作工具用挿入孔
(11L)(13L)・・・左側面
(11R)(13R)・・・右側面
(12U)・・・上面
(12D)・・・下面
(14)・・・円弧凸曲面
(15L)・・・(左)フラット面
(15R)・・・(右)フラット面
(16)・・・ネジ孔
(17)・・・バカ孔
(18)・・・ネジ軸部
(19)・・・ストレート軸部
(20)・・・六角穴
(21)・・・かしめ付け部
(22)・・・座金
(23)・・・境界段差面
(24)・・・ボルト回動操作工具
(P)・・・・角パイプ
(J)・・・・継手
(A)・・・・継手本体
(B)・・・・ボルト
(L)・・・・継手の長さ
(Z)・・・・ボルトの長さ
(X)(x)・・・短辺
(Y)(y)・・・長辺
(S)・・・間隙
(a)(b)・・・2本線
(T)(t)・・・厚み
【手続補正書】
【提出日】2021-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
断面矩形の角パイプ同士をその接続部へ中子として介挿する一定長さの継手により、一直線の直列状態に接続する装置であって、
上記継手が、
上下両面と左右両側面との何れもほぼV字溝状に陥没し、且つ四隅部の何れも円弧凸曲面をなす全体的なほぼX字形の閉鎖断面形状に造形された継手本体と、
その継手本体における上下両面の向かい合う相互間又は左右両側面の向かい合う相互間へ、作用的な橋渡し連結状態に組み付けられた前後一対の平行なボルトとを備え、
接続すべき両角パイプの外側から上記ボルトを各々時計方向へ回動操作して、その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に離隔する方向へ移動させれば、
その移動に連れて上記継手本体の全体に波及する拡張的な弾性変形により、その四隅部の円弧凸曲面が上記接続すべき両角パイプの角部を内側から各々突っ張る如く押圧し、
同じく両角パイプの外側から上記ボルトを各々反時計方向へ回動操作して、その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に接近する方向へ移動させれば、
その移動に連れて上記継手本体の全体に波及する収縮的又は復元的な弾性変形に基づき、その上記四隅部の円弧凸曲面によって両角パイプの角部を内側から各々突っ張る如く押圧している状態が解放されるように定めたことを特徴とする角パイプの接続装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
接続すべき両角パイプの外側から上記ボルトを各々時計方向へ回動操作して、その継手本体における向かい合う上下両面の何れか一方又は向かい合う左右両側面の何れか一方を、残る他方との相対的に離隔する方向へ移動させれば、