(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176749
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20221122BHJP
G02B 30/56 20200101ALI20221122BHJP
【FI】
B60K35/00 A
G02B30/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083330
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白井 貴博
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 裕
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199BA32
2H199BB18
2H199BB20
2H199BB52
2H199BB59
3D344AA19
3D344AA20
3D344AA21
3D344AA26
3D344AA27
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】重要な情報の見落としを抑制することができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、空中の表示領域26に空中結像27を表示する空中結像部2と、空中結像27の視認性を高めるために空中結像部2の補助として使用される補助部3と、表示領域26の近傍に配置され、照度を測定する照度測定部4と、照度測定部4によって測定された照度に基づいて補助部3の使用、不使用を切り替える制御部6と、備えて概略構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中の表示領域に空中結像を表示する空中結像部と、
前記空中結像の視認性を高めるために前記空中結像部の補助として使用される補助部と、
前記表示領域の近傍に配置され、照度を測定する照度測定部と、
前記照度測定部によって測定された照度に基づいて前記補助部の使用、不使用を切り替える制御部と、
備えた表示装置。
【請求項2】
前記補助部は、表示画面に表示画像を表示する補助表示部と、前記補助表示部の背面側に配置され、前記補助表示部の日除けとなるバイザー部と、を有し、
前記空中結像部は、前記バイザー部の上方に前記空中結像を表示し、
前記制御部は、照度しきい値を有し、前記照度測定部によって測定された照度が前記照度しきい値以下である場合、前記空中結像部を制御してユーザに前記空中結像を呈示し、測定された照度が前記照度しきい値より大きい場合、前記補助部を制御してユーザに前記補助表示部の前記表示画像を呈示する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記バイザー部は、前記補助表示部の前記背面側となる基部と、前記基部の上部に設けられ、前記補助表示部の上方を覆うつば部と、を有し、
前記照度測定部は、前記バイザー部の前記つば部の上面に配置される、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記空中結像部は、前記補助表示部と前記バイザー部の前記基部との間に配置され、前記つば部の上方に前記空中結像を表示する、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記補助部を駆動する駆動部を備え、
前記補助部は、筐体に配置され、前記空中結像の日除けとなるバイザー部であり、前記筐体内に格納される格納状態、及び前記表示領域の背面に展開される展開状態を有し、
前記制御部は、前記駆動部を制御し、前記照度測定部によって測定された照度に基づいて前記格納状態及び前記展開状態を切り替える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記バイザー部は、前記展開状態において前記空中結像の前記背面側となる基部と、前記基部の上部に設けられ、前記空中結像の上方を覆うつば部と、を有する、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
表示装置は、車両に搭載され、
前記制御部は、前記車両の前方の視界確保が優先される画像以外の画像を表示する場合、前記補助部を使用する照度が測定されても前記空中結像の表示を継続する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両の内装部材に取り付けられる表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この表示装置は、ダッシュボード上面部に配置され、被観察物の面対称位置に被観察物の実像を結像させる実鏡映像結像光学系を有している。結像された実像は、ダッシュボードの上の空間に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の表示装置は、周囲の明るさによっては結像された実像が見え難くなり、警告などの重要な情報の見落としが生じる可能性がある。
【0006】
従って本発明の目的は、重要な情報の見落としを抑制することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、空中の表示領域に空中結像を表示する空中結像部と、空中結像の視認性を高めるために空中結像部の補助として使用される補助部と、表示領域の近傍に配置され、照度を測定する照度測定部と、照度測定部によって測定された照度に基づいて補助部の使用、不使用を切り替える制御部と、備えた表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、重要な情報の見落としを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(a)は、第1の実施の形態に係る表示装置の空中結像部によって画像が表示されている場合の一例を示す図であり、
図1(b)は、補助表示部によって画像が表示されている場合の一例を示す図であり、
図1(c)は、表示装置のブロック図の一例である。
【
図2】
図2(a)は、第1の実施の形態に係る表示装置の配置の一例を説明するための模式図であり、
図2(b)は、空中結像部の一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態に係る表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4(a)は、第2の実施の形態に係る表示装置の空中結像部によって画像が表示されている場合の一例を示す図であり、
図4(b)は、補助表示部によって画像が表示されている場合の一例を示す図であり、
図4(c)は、表示装置のブロック図の一例である。
【
図5】
図5(a)は、第2の実施の形態に係る表示装置の補助部の格納状態の一例を側面から見た模式図であり、
図5(b)は、補助部の展開状態の一例を側面から見た模式図である。
【
図6】
図6は、第2の実施の形態に係る表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る表示装置は、空中の表示領域に空中結像を表示する空中結像部と、空中結像の視認性を高めるために空中結像部の補助として使用される補助部と、表示領域の近傍に配置され、照度を測定する照度測定部と、照度測定部によって測定された照度に基づいて補助部の使用、不使用を切り替える制御部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
表示装置は、周囲の照度に応じて補助部の使用、不使用を切り替えることができるので、切り替えない場合と比べて、補助部によって視認性を確保して重要な情報の見落としを抑制することができる。
【0012】
[第1の実施の形態]
(表示装置1の概要)
図1(a)は、空中結像部によって画像が表示されている場合の一例を示す図であり、
図1(b)は、補助表示部によって画像が表示されている場合の一例を示す図であり、
図1(c)は、表示装置のブロック図の一例である。
図2(a)は、表示装置の配置の一例を説明するための模式図であり、
図2(b)は、空中結像部の一例を説明するための図である。なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また
図1(c)及び
図4(c)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。また上下左右は、特に断らない限り車両8の上下左右を基準としている。
【0013】
表示装置1は、一例として、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、車両8に搭載され、運転席と助手席の間となるダッシュボード80の中央付近に配置されている。なお表示装置1は、ダッシュボード80の中央付近に限定されず、ダッシュボード80の他の位置に配置されても良いし、ダッシュボード80以外に配置されても良く、また車両8以外に配置されても良い。
【0014】
本実施の形態の表示装置1は、
図1(c)に示すように、被制御装置85が要求する画像を表示するように構成されている。この被制御装置85は、車両8に搭載されるナビゲーション装置、空調装置、音楽及び映像再生装置、車両制御装置などであり、また有線又は無線で接続された携帯端末などである。
【0015】
車両制御装置は、例えば、車両8を総合的に制御するものであり、警告に関する画像、自動運転に関する画像や車両8の設定に関する画像などを表示装置1に表示させる。携帯端末は、例えば、モバイルパソコン、スマートフォン、タブレット端末、ファブレット端末、スマートウオッチなどである。なおこれらの画像は、図形、記号及び文字などの画像やこれらを組み合わせた画像である。
【0016】
表示装置1は、
図1(a)~
図1(c)に示すように、空中の表示領域26に空中結像27を表示する空中結像部2と、空中結像27の視認性を高めるために空中結像部2の補助として使用される補助部3と、表示領域26の近傍に配置され、照度を測定する照度測定部4と、照度測定部4によって測定された照度に基づいて補助部3の使用、不使用を切り替える制御部6と、備えて概略構成されている。
【0017】
補助部3は、
図1(b)及び
図2(a)に示すように、表示画面300に表示画像301を表示する補助表示部30と、補助表示部30の背面302側に配置され、補助表示部30の日除けとなるバイザー部31と、を有している。空中結像部2は、バイザー部31の上方に空中結像27を表示する。制御部6は、照度しきい値60を有し、照度測定部4によって測定された照度が照度しきい値60以下である場合、空中結像部2を制御してユーザに空中結像27を呈示し、測定された照度が照度しきい値60より大きい場合、補助部3を制御してユーザに補助表示部30の表示画像301を呈示する。
【0018】
制御部6は、車両8の前方の視界確保が優先される画像以外の画像を表示する場合、補助部3を使用する照度が測定されても空中結像27の表示を継続する。
【0019】
バイザー部31は、補助表示部30の背面302側となる基部310と、基部310の上部に設けられ、補助表示部30の上方を覆うつば部311と、を有する。照度測定部4は、バイザー部31のつば部311の上面312に配置されている。
【0020】
空中結像部2は、補助表示部30とバイザー部31の基部310との間に配置され、つば部311の上方に空中結像27を表示する。
【0021】
(空中結像部2の構成)
本実施の形態の空中結像部2は、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、表示画面210に表示画像211を表示する表示部21と、表示部21から出力された光24を入射方向と平行な方向に反射する再帰反射部材22と、入射した光24の一部を透過させ、その他を反射させるビームスプリッタ23と、を備えている。表示部21、再帰反射部材22及びビームスプリッタ23は、筐体20に配置されている。表示画像211は、一例として、
図1(a)に示す複数の画像100を含んでいる。
【0022】
表示部21は、一例として、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。表示部21は、
図1(c)に示すように、制御部6から出力された表示情報S
1に基づいて表示画像211を表示画面210に表示する。制御部6は、被制御装置85から取得した画像情報S
4に基づいて表示情報S
1を生成する。
【0023】
画像100は、一例として、前方の視界の確保より優先される重要な情報を含む画像であるがこれに限定されない。前方の視界の確保より優先される重要な情報とは、一例として、自動運転から手動運転、手動運転から自動運転の切替に関する情報、警告に関する情報、正常な走行を維持できない機械的な故障に関する情報などの情報である。正常な走行を維持できない機械的な故障とは、一例として、エンジンやモータなどの駆動装置、トランスミッション、パワーステアリング、ブレーキなどの故障である。警告は、一例として、シートベルト未装着に関する警告、走行レーン逸脱に関する警告、死角に車などが存在することに関する警告、運転時間超過に関する警告、衝突回避に関する警告などである。
【0024】
再帰反射部材22は、プリズム型又はマイクロビーズ型の再帰反射素子である。本実施の形態の再帰反射部材22は、一例として、マイクロビーズ型の再帰反射素子である。再帰反射部材22は、およそ屈折率2の微小な複数のボールレンズが入射面220の縦横方向に並んで配置されている。
【0025】
再帰反射部材22は、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、表示部21とおよそ90°の角度となるように配置されている。なお再帰反射部材22と表示部21の角度は、90°に限定されない。
【0026】
ビームスプリッタ23は、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、光24が入射する入射面230と、入射面230の裏側の面であり、光24が出射する出射面231と、を備えている。ビームスプリッタ23は、一例として、銀やアルミニウムの薄膜により形成された反射膜を入射面230に有している。
【0027】
ビームスプリッタ23は、入射面230に入射した光24の一部を反射し、その他を出射面231から表示領域26に出射する。
【0028】
ビームスプリッタ23は、出射面231がバイザー部31のつば部311の上面312に露出するように配置されている。表示部21の表示画面210と表示領域26は、ビームスプリッタ23を対称面として面対称の関係にある。また言い換えるなら表示画面210と表示領域26は、
図2(b)の紙面においてビームスプリッタ23の中心を通る直線を軸として回転対称の関係にある。
【0029】
なおビームスプリッタ23は、筐体20の中が見え難くなるように、光の透過率を抑制したスモーク処理が出射面231になされても良い。
【0030】
・表示画像211と空中結像27について
表示部21の表示画面210から出射される光24の光路25は、まずビームスプリッタ23によって変更される。次にビームスプリッタ23の入射面230に入射した光24は、一部が再帰反射部材22の方向に反射し、光路25が変更される。
【0031】
次に再帰反射部材22の入射面220に入射した光24は、入射した光24と平行でかつ反対方向に反射し、光路25が変更される。再帰反射部材22を反射した光24は、ビームスプリッタ23の入射面230に入射し、一部が透過して出射面231から出射して収束して表示領域26において空中結像27を生成する。
【0032】
図2(b)に示す表示部21側の実線の矢印は、表示部21に表示された表示画像211である。また
図2(b)に示す表示領域26側の実線の矢印は、表示領域26に表示された空中結像27である。なお矢印の方向は、一例として、表示される画像の向きを示している。
【0033】
なお空中結像27の位置は、主に、表示部21とビームスプリッタ23の位置によって定まる。従って空中結像27は、
図2(b)の紙面からユーザ側に傾斜させる、つまり反時計回りに傾斜させる場合、表示部21とビームスプリッタ23を反時計回りに移動させれば良い。
【0034】
なお変形例として空中結像部2は、ビームスプリッタ23の位置にビームスプリッタ23の代わりに配置され、入射面に入射する表示部21の光24を出射面から出射させ、表示領域26において空中結像27として結像させる結像部材を備えても良い。この結像部材が配置された場合、空中結像部2は、再帰反射部材22が必要ない。
【0035】
結像部材は、例えば、多数のマイクロミラー、多数の微小孔、多数の2面反射体などによって構成されている。結像部材は、結像部材を対称面として面対称の位置に空中結像27を結像する。
【0036】
(補助部3の構成)
補助部3の補助表示部30は、一例として、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。補助表示部30は、
図1(c)に示すように、制御部6から出力された表示情報S
2に基づいて表示画像301を表示画面300に表示する。補助表示部30は、バイザー部31の基部310とつば部311とによって環境状態の影響を受け難い場所に配置されている。
【0037】
なお補助表示部30は、補助部3として専用に設けられたディスプレイに限定されず、車両8に搭載されているメインディスプレイ81やサブディスプレイ82などであっても良い。メインディスプレイ81は、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、運転席と助手席の間の前方に配置され、地図画像や各種設定画像などを表示する。サブディスプレイ82は、運転席前方のインストルメントパネルに配置され、速度計や回転速度計などを表示する。
【0038】
バイザー部31は、
図2(a)に示すように、補助表示部30の日除けとして設けられ、側面視においてL字形状を有している。基部310は、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、補助表示部30の横幅よりも広い横幅を有している。基部310は、横幅が広いので、補助表示部30の表示画面300へのフロントウインドウ83からの環境光の回り込みを抑制することができる。
【0039】
つば部311は、
図2(a)に示すように、基部310から空中結像部2及び補助表示部30の上方に突出している。このつば部311は、補助表示部30のひさしの役割をしている。つば部311は、その上面312に照度測定部4が配置されると共に、空中結像部2のビームスプリッタ23の出射面231が露出している。空中結像27は、つば部311の上面312の上方に表示される。
【0040】
(照度測定部4の構成)
照度測定部4は、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、バイザー部31の上面312であって空中結像27の近くに配置されている。照度測定部4は、例えば、フォトダイオードを用いて構成された照度センサである。照度測定部4は、測定した照度の情報を含む照度情報S
3を制御部6に出力する。
【0041】
(制御部6の構成)
制御部6は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部6が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。
【0042】
制御部6は、照度しきい値60を有している。制御部6は、
図1(a)及び
図2(a)に示すように、照度測定部4が測定した照度が照度しきい値60より小さい場合、ユーザ9に空中結像27を呈示する。制御部6は、
図1(b)に示すように、照度が照度しきい値60以上である場合、ユーザ9に補助表示部30の表示画像301を呈示する。
【0043】
なお制御部6は、照度が照度しきい値60以上である場合、空中結像27から表示画像301に切り替えなくても良く、空中結像27と表示画像301とをユーザに呈示しても良い。例えば、制御部6は、予め定められた特に重要な情報を表示する場合、視認性をさらに高めるために空中結像27と表示画像301とをユーザに呈示しても良い。
【0044】
表示装置1は、一例として、ユーザが車両8の電源を投入した際には空中結像27を呈示するものとするがこれに限定されず、ユーザが設定可能であっても良いし、車両8の電源が投入された際の照度に基づいて定められても良い。
【0045】
制御部6は、照度に基づいて空中結像27を表示させる場合、被制御装置85から所得した画像情報S4に基づいて表示情報S1を生成して表示部21に表示画像211を表示させ、空中結像27を表示させる。また制御部6は、照度に基づいて補助表示部30に表示画像301を表示させる場合、被制御装置85から所得した画像情報S4に基づいて表示情報S2を生成して補助表示部30に出力し、表示画像301を表示させる。
【0046】
ここで制御部6は、被制御装置85から取得した画像情報S4に基づいて画像100が前方の視界確保より優先されない場合、つまり重要な情報ではない場合、測定された照度が照度しきい値60以上となっても空中結像27の表示を継続する。
【0047】
以下では、本実施の形態の表示装置1の動作の一例について
図3のフローチャートに従って説明する。
【0048】
(動作)
表示装置1の制御部6は、照度測定部4から照度情報S3を取得する(Step1)。制御部6は、照度情報S3に基づく照度が照度しきい値60以上ではない場合(Step2:No)、空中結像27の呈示を継続する(Step3)。
【0049】
ここでステップ2において制御部6は、照度が照度しきい値60以上である場合(Step2:Yes)、空中結像27として表示させている画像が前方の視界確保より優先するか否か判定する。制御部6は、当該画像が前方の視界確保より優先されない場合(Step4:No)、空中結像27の呈示を継続する(Step3)。
【0050】
またステップ4において制御部6は、空中結像27として表示させている画像が前方の視界確保より優先される画像である場合(Step4:Yes)、空中結像27の呈示から補助表示部30の表示画像301の呈示に切り替える(Step5)。なお制御部6は、空中結像27の呈示から表示画像301の呈示に切り替える際、空中結像27の呈示を終了せずに継続して行っても良い。
【0051】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る表示装置1は、重要な情報の見落としを抑制することができる。具体的には、表示装置1は、周囲の照度に応じて空中結像27の呈示と補助部3の表示画像301の呈示を切り替えることができるので、切り替えない場合と比べて、視認性を確保して重要な情報の見落としを抑制することができる。
【0052】
表示装置1は、補助表示部30の日除けとなるバイザー部31を有しているので、この構成を採用しない場合と比べて、環境状態の影響を受け難く、視認性を確保することができる。
【0053】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、補助部が照度に応じて格納状態及び展開状態を有する点で第1の実施の形態と異なっている。
【0054】
図4(a)は、補助部の格納状態の一例を示す図であり、
図4(b)は、補助部の展開状態の一例を示す図であり、
図4(c)は、表示装置のブロック図の一例である。
図5(a)は、補助部の格納状態の一例を側面から見た模式図であり、
図5(b)は、補助部の展開状態の一例を側面から見た模式図である。なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0055】
本実施の形態の表示装置1は、
図4(c)に示すように、補助部3を駆動する駆動部5を備えている。本実施の形態の補助部3は、
図4(a)~
図5(b)に示すように、筐体10に配置され、空中結像27の日除けとなるバイザー部31aであり、筐体10内に格納される格納状態、及び表示領域26の背面に展開される展開状態を有している。制御部6は、駆動部5を制御し、照度測定部4によって測定された照度に基づいて格納状態及び展開状態を切り替える。
【0056】
バイザー部31aは、展開状態において空中結像27の背面側となる基部310aと、基部310aの上部に設けられ、空中結像27の上方を覆うつば部311aと、を有している。
【0057】
バイザー部31aは、空中結像27の日除けとして設けられ、側面視においてL字形状を有している。基部310aは、
図4(b)に示すように、空中結像27の横幅よりも広い横幅を有している。基部310aは、横幅が広いので、空中結像27への環境光の回り込みを抑制することができる。
【0058】
また基部310aは、駆動部5の駆動により、筐体10に格納されたり、筐体10から展開されたりするように構成されている。
【0059】
つば部311aは、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、基部310aから空中結像部2の上方に突出している。このつば部311aは、空中結像27の日除けの役割をしている。つば部311は、空中結像部2のビームスプリッタ23の出射面231の上方に位置している。空中結像27は、つば部311の下方に表示される。
【0060】
駆動部5は、一例として、モータやギアなどから構成されている。駆動部5は、制御部6から出力される駆動信号S5に基づいてバイザー部31aを格納状態から展開状態、展開状態から格納状態に駆動する。
【0061】
以下に本実施の形態の表示装置1の動作の一例を
図6のフローチャートに従って説明する。
【0062】
(動作)
表示装置1の制御部6は、照度測定部4から照度情報S3を取得する(Step10)。制御部6は、照度情報S3に基づく照度が照度しきい値60以上ではない場合(Step11:No)、補助部3の格納状態を継続する(Step12)。
【0063】
ここでステップ11において制御部6は、照度が照度しきい値60以上である場合(Step11:Yes)、空中結像27として表示させている画像が前方の視界確保より優先するか否か判定する。制御部6は、当該画像が前方の視界確保より優先されない場合(Step13:No)、補助部3の格納状態を継続する(Step12)。
【0064】
またステップ13において制御部6は、空中結像27として表示させている画像が前方の視界確保より優先される画像である場合(Step13:Yes)、補助部3の格納状態から展開状態に切り替える(Step14)。
【0065】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態の表示装置1は、空中結像27の周囲の環境状態に応じてバイザー部31aを格納状態及び展開状態を切り替えるので、日除けとなる部材が格納されない場合と比べて、格納状態ではユーザの前方の視界の妨げになったり、閉塞感を与えたりすることが抑制され、展開状態では環境光の回り込みを抑制して視認性の低下を抑制することができる。
【0066】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の表示装置1は、重要な情報の見落としを抑制することができる。
【0067】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1…表示装置、2…空中結像部、3…補助部、4…照度測定部、5…駆動部、6…制御部、8…車両、10…筐体、21…表示部、22…再帰反射部材、23…ビームスプリッタ、24…光、25…光路、26…表示領域、27…空中結像、30…補助表示部、31,31a…バイザー部、100…画像、210…表示画面、211…表示画像、300…表示画面、301…表示画像、302…背面、310,310a…基部、311,311a…つば部、312…上面