(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176780
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】圧縮ユニット、及び部品実装機
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083379
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 智太
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353EE02
5E353EE40
5E353GG01
5E353HH30
5E353HH34
5E353HH71
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353KK24
5E353LL00
5E353QQ08
(57)【要約】
【課題】作業者が空テープを収容部から取り除く頻度を減少させて作業者の負担を軽減する。
【解決手段】圧縮ユニット12は、部品Eを保持した部品テープ21を部品Eの取り出しにより空テープ22として排出するフィーダー16と排出された空テープ22を収容する収容部14Cとの間に設けられるダクト70と、空テープ22を切断する切断部80と、空テープ22を圧縮する圧縮部90と、を備え、ダクト70は、空テープ22がフィーダー16から収容部14Cへ移動する方向に延出され、切断部80及び圧縮部90は、ダクト70の途中位置に設けられていること。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を保持した部品テープを前記部品の取り出しにより空テープとして排出する部品供給装置と排出された前記空テープを収容する収容部との間に設けられるダクトと、
前記空テープを切断する切断部と、
前記空テープを圧縮する圧縮部と、
を備え、
前記ダクトは、前記空テープが前記部品供給装置から前記収容部へ移動する方向に延出され、
前記切断部及び前記圧縮部は、前記ダクトの途中位置に設けられている、圧縮ユニット。
【請求項2】
前記切断部は、前記圧縮部よりも前記部品供給装置側に設けられ、前記圧縮部は、前記切断部によって切断された前記空テープを圧縮する、請求項1に記載の圧縮ユニット。
【請求項3】
前記切断部による前記空テープの切断と前記圧縮部による前記空テープの圧縮とを制御する制御部を備える、請求項1または請求項2に記載の圧縮ユニット。
【請求項4】
前記切断部は、前記圧縮部よりも前記部品供給装置側に設けられ、
前記ダクトは、前記圧縮部側に向かうほど、前記圧縮部において前記空テープが圧縮される圧縮空間の中央側に傾いた斜面部を備えている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮ユニット。
【請求項5】
前記圧縮部は、壁部と、前記空テープの移動方向に交差する交差方向に移動可能な押圧部と、を備え、
前記押圧部は、前記交差方向への移動により前記壁部と当該押圧部との間で前記空テープを圧縮する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧縮ユニット。
【請求項6】
前記圧縮部は、前記空テープが前記壁部と前記押圧部との間の圧縮空間から前記収容部側へ移動することを規制可能な規制部を備える、請求項5に記載の圧縮ユニット。
【請求項7】
前記規制部により移動が規制された前記空テープの有無を検知するセンサと、
前記センサにより検知された前記空テープの有の状態が所定時間以上連続した場合に、前記空テープの移動の規制を停止するように前記規制部を制御する制御部と、
を備える、請求項6に記載の圧縮ユニット。
【請求項8】
前記圧縮部は、前記空テープを巻き込んで圧縮可能な回転圧縮機構を備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧縮ユニット。
【請求項9】
前記部品テープに保持された前記部品を取り出して基板に移動させるヘッドと、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の圧縮ユニットと、
を備える、部品実装機。
【請求項10】
前記ダクト、前記切断部、及び前記圧縮部は、ベースに取り付けられている、請求項9に記載の部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される技術は、圧縮ユニット、及び部品実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品実装機として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の部品実装機(電子部品実装装置)は、部品供給装置(テープフィーダ)のテープ送り方向下流端部から送り出される空テープ(部品がピックアップされて空になったキャリアテープ)を、下方に案内して排出するガイド部と、ガイド部から案内される空テープを切断するテープカッター部と、テープカッター部によって切断された空テープが導かれる回収箱と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、キャリアテープに収容されていた部品の大きさや形状等によっては、比較的かさ高い空テープが部品供給装置から排出されることがある。このようなかさ高い空テープが回収箱に溜まっていくと、回収箱がすぐに一杯になってしまい、作業者が回収箱から空テープを取り除く頻度が増加し、作業者に負担がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、部品を保持した部品テープを前記部品の取り出しにより空テープとして排出する部品供給装置と排出された前記空テープを収容する収容部との間に設けられるダクトと、前記空テープを切断する切断部と、前記空テープを圧縮する圧縮部と、を備え、前記ダクトは、前記空テープが前記部品供給装置から前記収容部へ移動する方向に延出され、前記切断部及び前記圧縮部は、前記ダクトの途中位置に設けられていることに特徴を有する、圧縮ユニットである。
【0006】
このような圧縮ユニットによると、部品供給装置から排出された空テープを、収容部に収容するまでの間に切断、圧縮し、空テープのかさを小さくすることができる。これにより、比較的多くの空テープを収容部に収容することができ、作業者が空テープを収容部から取り除く頻度を減少させて作業者の負担を軽減することができる。
【0007】
上記構成において、前記切断部は、前記圧縮部よりも前記部品供給装置側に設けられ、前記圧縮部は、前記切断部によって切断された前記空テープを圧縮してもよい。このような圧縮ユニットによると、空テープが圧縮部で圧縮される前に、切断部で切断される。これにより、空テープが圧縮部で圧縮される際に引っ張られて、部品テープがずれることを防ぐことができる。
【0008】
上記圧縮ユニットは、前記切断部による前記空テープの切断と前記圧縮部による前記空テープの圧縮とを制御する制御部を備えていてもよい。このような圧縮ユニットによると、空テープの切断、圧縮を自動化することができ、作業者の負担をより軽減することができる。
【0009】
上記構成において、前記切断部は、前記圧縮部よりも前記部品供給装置側に設けられ、前記ダクトは、前記圧縮部側に向かうほど、前記圧縮部において前記空テープが圧縮される圧縮空間の中央側に傾いた斜面部を備えていてもよい。このような圧縮ユニットによると、切断部によって切断された空テープが斜面部に沿って移動することで、圧縮空間の中央側に向かいやすくなる。これにより、圧縮部が圧縮空間の中央側で空テープを圧縮することができる。更に、押圧部が空テープの移動方向に交差する交差方向に移動して空テープを圧縮する場合、空テープの圧縮の際に、圧縮ユニットが空テープを引っ張る虞を軽減できる。これにより、部品テープがずれることを抑制できる。
【0010】
上記構成において、前記圧縮部は、壁部と、前記空テープの移動方向に交差する交差方向に移動可能な押圧部と、を備え、前記押圧部は、前記交差方向への移動により前記壁部と当該押圧部との間で前記空テープを圧縮することとしてもよい。このような圧縮ユニットによると、空テープを押圧部で壁部に押し付けるようにして圧縮することができる。押圧部が空テープの移動方向に交差する交差方向に移動するから、圧縮の際に空テープが引っ張られることを抑制し、当該引っ張りにより部品テープがずれることを防ぐことができる。
【0011】
上記構成において、前記圧縮部は、前記空テープが前記壁部と前記押圧部との間の圧縮空間から前記収容部側へ移動することを規制可能な規制部を備えていてもよい。このような圧縮ユニットによると、空テープを圧縮空間に溜めることができ、空テープを確実に圧縮することができる。
【0012】
上記圧縮ユニットは、前記規制部により移動が規制された前記空テープの有無を検知するセンサと、前記センサにより検知された前記空テープの有の状態が所定時間以上連続した場合に、前記空テープの移動の規制を停止するように前記規制部を制御する制御部と、を備えていてもよい。このような圧縮ユニットによると、圧縮空間に空テープをある程度溜めた状態で圧縮する作業を自動化できるので、生産性を向上できる。
【0013】
上記構成において、前記圧縮部は、前記空テープを巻き込んで圧縮可能な回転圧縮機構を備えていてもよい。このような圧縮ユニットによると、空テープが連続的に回転圧縮機構に巻き込まれて圧縮され、収容部側に移動することができ、空テープから生じる破片等が圧縮部に詰まりにくい。
【0014】
また、本開示は、前記部品テープに保持された前記部品を取り出して基板に移動させるヘッドと、上記圧縮ユニットと、を備えることに特徴を有する部品実装機である。このような構成によると、作業者が空テープを収容部から取り除く頻度を減少させて作業者の負担を軽減可能な部品実装機を提供することができる。
【0015】
上記構成において、前記ダクト、前記切断部、及び前記圧縮部は、ベースに取り付けられていてもよい。このような構成によると、各部がベースに精度よく位置決めされた部品実装機を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、作業者が空テープを収容部から取り除く頻度を減少させて作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】フィーダーから排出された空テープがダクトを通る態様を示す説明図
【
図4】第3スロープ部と圧縮部の左右方向における中央部分の断面を右上方から視た斜視図
【
図5】圧縮部を後退させ規制部を前進させた態様を示す説明図
【
図6】圧縮部を前進させて空テープを圧縮した態様を示す説明図
【
図7】圧縮部と規制部を後退させた態様を示す説明図
【
図10】変形例1における圧縮ユニットの動作を示したフローチャート
【
図11】実施形態2において第3スロープ部と圧縮部の左右方向における中央部分の断面を右上方から視た斜視図
【
図12】回転圧縮機構が空テープを圧縮する態様を示す説明図
【
図13】センサが空テープを検知した態様を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図9の図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、プリント基板(基板)P上に部品Eを実装して実装基板を生産する部品実装機10を例示している。部品Eは、例えばチップ部品やパッケージ部品などの電子部品とされている。
【0020】
部品実装機10は、基台(ベース)11と、基台11上に配置される一対の搬送コンベア15と、プリント基板P上に部品Eを実装するための部品実装装置20と、部品実装装置20に部品Eを供給するための複数のフィーダー(部品供給装置)16と、を備えている。なお、以下の説明において、左右方向とは、
図1における左右方向を基準とし、前後方向とは、
図1における上下方向を基準とし(図示下側を前側とする)、上下方向とは、
図2における上下方向を基準とする。
【0021】
基台11は、前後方向に長い平面視略矩形状をなしている。基台11上には、プリント基板P用の搬送コンベア15が前後方向に一対並んで設置されている。プリント基板Pの下方には、プリント基板P上に部品Eを実装する際に、プリント基板Pをバックアップするための図示しないバックアップ装置等が設けられている。
【0022】
一対の搬送コンベア15は、基台11の前後方向の略中央部に配されており、プリント基板Pを上流側(
図1の右側)から下流側(
図1の左側)に搬送する。一対の搬送コンベア15には、プリント基板Pがその前後側の縁部を支持される形でセットされる。
【0023】
一対の搬送コンベア15に支持されたプリント基板Pは、搬送コンベア15によって基台11の上流側から基台11の左右方向における中央部に搬入され、部品Eの実装作業がされた後、搬送コンベア15によって基台11の下流側に搬出される。
【0024】
基台11における前後側の縁部11Aの上方には、複数のフィーダー16が左右方向に整列した状態で設けられている。各フィーダー16は、台車14に設けられたフィーダー装着部13に取り付けられている。各フィーダー16は、複数の部品Eが収容された部品テープ21(
図3参照)をリールから引き出す前側スプロケット163等を有しており、フィーダー16の前端部で部品Eが一つずつ供給されるようになっている。
【0025】
台車14は、底部14Aと、底部14Aから立ち上がりフィーダー装着部13を支持する支持部14Bと、を備えている。底部14Aの下側には、複数の車輪が取り付けられ、底部14Aの上側には、箱状の収容部14Cが設けられている。台車14は、基台11に対し前後側から近接させることで、基台11の縁部11Aの上方にフィーダー装着部13を位置させ、当該縁部11Aの下方に収容部14Cを位置させることができる。収容部14Cは、フィーダー16から排出される空テープ22(
図3参照)を溜めて収容することができる。収容部14Cに空テープ22が一定量収容されると、作業者によって当該空テープ22が取り除かれる。
【0026】
部品実装装置20は、
図1に示すように、ヘッド駆動装置40と、ヘッド駆動装置40に設けられたヘッドユニット30とを備えて構成されている。
【0027】
ヘッド駆動装置40は、基台11上において各ヘッドユニット30を前後左右に移動させる。ヘッド駆動装置40は、基台11の左右側の縁部に配置された一対のY方向フレーム41と、一対のY方向フレーム41に支持されたX方向フレーム43とを備えている。X方向フレーム43には、ヘッドユニット30が取り付けられている。一対のY方向フレーム41は、前後方向に延びた形をなしている。
【0028】
各Y方向フレーム41には、前後方向に延びたY方向主軸44が設けられている。右側のY方向主軸44には、図示しないボールナットと、Y軸サーボモーター51と、が取り付けられている。Y軸サーボモーター51が通電制御されることで、Y方向主軸44に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたX方向フレーム43が前後方向に移動可能となる。
【0029】
X方向フレーム43は、上流側(右側)に配された一方のY方向フレーム41と下流側(左側)に配された他方のY方向フレーム41とに跨るように左右方向に延びた形をなしている。X方向フレーム43には、左右方向に延びたX方向主軸42が設けられている。X方向主軸42には、図示しないボールナットと、X軸サーボモーター52と、が取り付けられている。X方向主軸42には、ボールナットを介してヘッドユニット30が左右方向に移動可能に取り付けられている。このような構成により、ヘッドユニット30は、プリント基板P上をX方向(左右方向)およびY方向(前後方向)に自在に移動可能とされている。
【0030】
ヘッドユニット30は、部品供給装置16から供給される部品Eを取得してプリント基板P上に実装する構成とされる。
図2に示すように、ヘッドユニット30は、箱状をなすヘッドユニット本体31と、ヘッドユニット本体31から下方に突出した複数の実装ヘッド(ヘッド)32と、を備える。
【0031】
複数の実装ヘッド32は、ヘッドユニット本体31の下端部から下方に突出した形態で左右方向に4つ並んで配されている。各実装ヘッド32は、上下方向に延びるノズルシャフト(不図示)と、ノズルシャフトの下端部に着脱可能に取り付けられた略円筒状の吸着ノズル33と、を備える。
【0032】
吸着ノズル33には、ノズルシャフトを通じてエア供給装置から正圧および負圧が供給される。吸着ノズル33に負圧が供給されると、吸着ノズル33の下端部に部品Eを吸着保持することができ、吸着ノズル33に正圧が供給されると、吸着ノズル33から部品Eを解放することができる。
【0033】
各実装ヘッド32は、ヘッドユニット本体31においてノズルシャフト毎に設けられたZ軸サーボモーター53(
図8参照)の駆動によって上下方向に昇降可能とされると共に、ヘッドユニット30に設けられたR軸サーボモーター54(
図8参照)によって軸周りの回転動作が可能とされている。これにより、実装ヘッド32は、部品供給装置16から供給される部品Eを吸着ノズル33によって吸着保持し、部品Eをプリント基板Pの実装位置に適切に配置することができるようになっている。
【0034】
ヘッドユニット30には、基板認識カメラ46(
図8参照)が設けられている。基板認識カメラ46は、ヘッドユニット30を移動させることで、プリント基板Pに設けられた一対のフィデューシャルマークなど、基台11上の任意の位置を撮像して画像信号として出力することができる。また、基台11上における部品供給装置16の近傍には、部品認識カメラ17が複数設けられている。各部品認識カメラ17は、吸着ノズル33が部品供給装置16において保持した部品Eを撮像して画像信号として出力することができる。
【0035】
本実施形態のフィーダー16は、ローディングを自動で行う自動フィーダー(以下、「AF」という場合がある)とされている。
図3に示すように、フィーダー16は、前後方向(図示左右方向)に長い形状をなす本体部161と、本体部161の前側部分に設けられた前側送出部162と、本体部161の後側部分に設けられた後側送出部164と、AF制御部118と、本体部161の後端側に着脱可能に配されるクランプ部材170と、を備えている。本体部161は、例えばアルミダイキャスト製とされる。
【0036】
フィーダー16には、複数の部品Eが一定のピッチでテープ23に保持された部品テープ21が装着されている。リールから引き回された部品テープ21が駆動軸モーター55によって前方に送られることで、テープ23に保持された複数の部品Eが順次供給される。部品テープ21は、保持した部品Eが実装ヘッド32の吸着ノズル33によって吸着されて取り出されると、空テープ22としてフィーダー16の前側から排出される。プリセットされた交換用の部品テープ21は、生産中の部品テープ21が部品切れと判断された場合に、ローディング軸モーター56によってローディングされる。駆動軸モーター55とローディング軸モーター56は、AF制御部118からの信号により、それぞれの動作が制御される。
【0037】
フィーダー16の前側送出部162は、駆動軸モーター55と、一対の前側スプロケット163と、駆動軸モーター55および一対の前側スプロケット163を互いに連結して回動させる一対のタイミングベルト168と、を備える。タイミングベルト168は、駆動軸モーター55の動力を伝達して前側スプロケット163を回転させる。前側スプロケット163の外周には、部品テープ21の係合孔に係合される歯163Aが等間隔で形成されている。前側送出部162は、前側スプロケット163の歯163Aが部品テープ21に設けられた係合孔に係合した状態で前側スプロケット163を回転させることで、部品テープ21を前方に送出する。
【0038】
フィーダー16の後側送出部164は、ローディング軸モーター56と、本体部161の後端上部に配された後側スプロケット169と、ローディング軸モーター56と後側スプロケット169とを互いに連結して回動させるタイミングベルト168と、を備える。タイミングベルト168は、ローディング軸モーター56の動力を伝達して後側スプロケット169を回転させる。後側スプロケット169の外周には、部品テープ21の係合孔に係合される歯169Aが等間隔で形成されている。
【0039】
フィーダー16は、リールから引き回された部品テープ21が本体部161の後端部から図示しないテープ通路に入り、本体部161の前側においてテープ通路から抜け、本体部161の上面に露出するようになっている。AFでは先行する部品テープ21によって生産を行いながら、後続の部品テープ21を後側スプロケット169にセットすることができる。
【0040】
次に、部品実装機10の電気的構成について、
図8を参照しながら説明する。部品実装機10は、制御部110によって全体が制御統括されている。制御部110は、CPU等により構成される演算処理部111と、演算処理部111に接続された実装プログラム記憶手段112、搬送系データ記憶手段120、設備固有データ記憶手段121、モーター制御部113、外部入出力部114、画像処理部115、サーバ通信手段116、フィーダー通信制御部117と、を備える。制御部110は、演算処理部111を介して表示ユニット119に接続されている。
【0041】
実装プログラム記憶手段112には、部品E等を実装するための実装プログラム、各種データ等が記憶されている。各種データには、生産が予定されているプリント基板Pの生産枚数や品種に関する基板情報、フィーダー16に収容された部品Eの数や種類に関する情報等が含まれている。
【0042】
モーター制御部113は、実装プログラム記憶手段112に記憶されている実装プログラムに基づいて、Y軸サーボモーター51、X軸サーボモーター52、Z軸サーボモーター53、R軸サーボモーター54、搬送コンベア15等を制御する。
【0043】
外部入出力部114は、いわゆるインターフェースである。外部入出力部114は、後述する切断部80、圧縮部90、センサ98等が接続されており、これらの動作を制御する制御信号の入出力を仲介する。
【0044】
画像処理部115は、基板認識カメラ46や部品認識カメラ17から出力される画像信号が取り込まれるようになっており、取り込んだ画像信号に基づいて画像を生成する。
【0045】
フィーダー通信制御部117は、フィーダー装着部13に取り付けられた各フィーダー16のAF制御部118に対して電気的に接続されており、各フィーダー16を統括して制御する。AF制御部118は、駆動軸モーター55とローディング軸モーター56とに接続されており、これらの作動を制御する。
【0046】
図2に示すように、部品実装機10は、側壁10A等を介してベース11に取り付けられた圧縮ユニット12を備える。
図3に示すように、圧縮ユニット12は、フィーダー16と収容部14Cとの間に設けられるダクト70と、空テープ22を切断する切断部80と、空テープ22を圧縮する圧縮部90と、を備える。ダクト70は、空テープ22がフィーダー16から収容部14Cへ移動する方向である下方に延出されており、空テープ22を収容部14Cに向けて案内する通路とされる。ダクト70は、左右方向に並んだ各フィーダー16(
図1参照)から排出される複数の空テープ22を受け入れて収容部14Cへ移動させるために、左右方向(
図3において奥手前方向)における幅が各フィーダー16の合計の幅以上となっている。
【0047】
ダクト70は、第1スロープ部71と、第1スロープ部71の下方に配された第2スロープ部72と、第2スロープ部72の下方に配された第3スロープ部73と、第3スロープ部73の下方に配された第4スロープ部74と、を備える。切断部80及び圧縮部90は、ダクト70の途中位置に設けられている。具体的には、第1スロープ部71と第2スロープ部72との間に、切断部80が設けられている。第3スロープ部73と第4スロープ部74との間に、圧縮部90が設けられている。切断部80は、圧縮部90よりも上方の位置であるフィーダー16側に設けられている。圧縮部90は、切断部80によって切断された空テープ22を圧縮する。
【0048】
図3以降の構造説明においては水平方向を前後方向として図示右側を前側とし、鉛直方向を上下方向とする。第1スロープ部71は、フィーダー16の前側送出部162側の方向である後方に向いている開口である上側開口部71Aと、下端部において下方に向いている開口である下側開口部71Bと、を備え、全体として斜め上下方向に延びた筒状をなしている。第1スロープ部71は、前側送出部162から前方に排出された空テープ22を上側開口部71Aから内部に受け入れ、下方に移動させた後、下側開口部71Bから切断部80に向けて排出する。
【0049】
切断部80は、第1スロープ部71の下側開口部71Bと第2スロープ部72の上側開口部72Aとの間に設けられている。切断部80は、テープカッター81と、テープカッター81を前後方向(空テープ22の移動方向に交差する方向)に移動可能なエアシリンダー82と、前方に移動したテープカッター81との間で空テープ22を切断する固定刃83と、を備える。エアシリンダー82にエアが供給されると、テープカッター81が前方に飛び出すように移動し、テープカッター81と固定刃83の間で空テープ22が切断される。
【0050】
第2スロープ部72は、第1スロープ部71の下側開口部71B側に位置する上端部に開口する上側開口部72Aと、上側開口部72Aの反対側に位置する下端部に開口する下側開口部72Bと、を備え、全体として斜め上下方向に延び、第1スロープ部71よりも前後方向における内径が大きい筒状をなしている。下側開口部72Bは、上側開口部72Aよりもやや前側に位置しており、第3スロープ部73に挿入されている。第2スロープ部72は、切断部80によって切断された空テープ22を上側開口部72Aから内部に受け入れ、下後方に移動させた後、下側開口部72Bから第3スロープ部73に向けて排出する。
【0051】
第3スロープ部73は、上方に向いている開口である上側開口部73Aと、圧縮部90において後述する圧縮空間94の中央94C側の方向に向いている開口である下側開口部73Bと、を備え、第2スロープ部72よりも前後方向における内径が大きい形をなしている。また、第3スロープ部73は、上側開口部73Aと下側開口部73Bとの間の部分において、下方(圧縮部90側の方向)に向かうほど、圧縮空間94の中央94C側に傾いた複数の斜面部73Cを備える。
図4に示すように、複数の斜面部73Cは、第3スロープ部73における前後両側及び左右両側(右側の斜面部は不図示)に設けられている。例えば、前側の斜面部73Cは、下方に向かうほど後方に傾いた斜面を構成している。第3スロープ部73は、上側開口部73A側から下側開口部73B側に向かうほど、前後方向及び左右方向における内径が小さくなる構成とされる。下側開口部72Bは、圧縮部90の圧縮空間94に繋がっている。第3スロープ部73は、第2スロープ部72の下側開口部72Bから排出された空テープ22を、上側開口部73Aから内部に受け入れ、斜面部73Cに沿って圧縮空間94の中央94C側に移動させるようにして圧縮空間94に排出する。
【0052】
図5に示すように、第3スロープ部73の上下方向における中央よりもやや下側には、水平方向に貫通した貫通穴99と、貫通穴99の外側に配されたセンサ98と、が設けられている。センサ98は、光電センサとされ、第3スロープ部73の前後両側に投光用と受光用が対になる形で設けられている。センサ98は、例えば貫通穴99を通して赤外線を水平方向(空テープ22の移動方向に交差する方向)に投光する(投光された赤外線を一点鎖線で示す)。センサ98は、投光する赤外線が、第3スロープ部73の内部を下方に通過する空テープ22や後述する規制部95により移動が規制され積み重なった空テープ22によって遮られることで、当該空テープ22の有無を検知する。
【0053】
図3及び
図4に示すように、圧縮部90は、後側に配された壁部91と、壁部91に対向するように前側に配され、前後方向(空テープ22の移動方向に交差する交差方向)に移動可能な押圧部92と、壁部91と押圧部92との下側に設けられた規制部95と、エアシリンダー93,96と、を備える。壁部91の前面91Aは、第3スロープ部73の下側開口部73Bよりも後側に位置している。本実施形態では、壁部91は、第3スロープ部73(前側の斜面部73C)と一体的に形成されているが、これに限られず、第3スロープ部73と別体であってもよい。
【0054】
押圧部92は、前後左右平面を板面とし上下方向を厚さとする板状をなしており、エアシリンダー93にエアが供給されることにより、前後方向に移動可能とされる。押圧部92の後面92Aは、壁部91の前面91Aに対向するように配されており、押圧部92が突出した(後方に移動した)場合に前面91Aに当接することができる。壁部91の前面91Aと押圧部92の後面92Aとの間の空間を、圧縮空間94とし、この圧縮空間94における中央の位置(黒丸で示す位置)を中央94Cとする。圧縮部90は、第3スロープ部73の下側開口部73Bから圧縮空間94の中央94Cに排出された空テープ22を、押圧部92の突出により(交差方向への移動により)壁部91の後面91Aに押し付けて押圧し、壁部91と押圧部92との間で圧縮する(
図5から
図7参照、詳しくは後述する)。
【0055】
規制部95は、前後左右平面を板面とし上下方向を厚さとする板状を呈しており、その厚みが、押圧部92よりも薄い。規制部95は、エアシリンダー96にエアが供給されることにより前後方向に移動可能とされ、突出した場合に圧縮空間94を下側から塞ぐことができる。
図5に示すように、規制部95は、圧縮空間94を塞いだ状態では、切断された空テープ22を圧縮空間94にせき止めることにより、空テープ22が圧縮空間94から収容部14C側の方向である下方へ移動することを規制することができる。
【0056】
図3に示すように、第4スロープ部74は、下方に向かうほど後方に傾いた斜面を有している。第4スロープ部74は、圧縮部90における圧縮空間94の下方に位置しており、その上端部74Aが、押圧部92が引っ込んだ(前方に移動)した場合の後面92Aの直下に位置し、その下端部74Bが、収容部14Cの内側に位置している。第4スロープ部74は、圧縮部90によって圧縮された空テープ22を収容部14Cの内側に向かって移動させる。
【0057】
次に、制御部110が各部を制御して、フィーダー16から排出された空テープ22が収容部14Cに収容される流れを、主に
図9のフローチャートを参照しながら説明する。まず、制御部110は、押圧部92を後退させて(引っ込ませて)圧縮空間94を広げるとともに、規制部95を前進させて(突出させて)、圧縮空間94を規制部95によって下側から塞いだ状態にする(S10、
図4参照)。
【0058】
次に、制御部110は、フィーダー16によって部品テープから部品を取り出し、空テープを前方に排出させる(S20)。次に、制御部110は、フィーダー16から排出され第1スロープ部71を通る空テープ22を、切断部80によって切断する(S30)。
図5に示すように、切断部80によって所定の長さに切断された空テープ22は、圧縮空間94に移動する。制御部110は、この状態を所定時間保つことで、規制部95によって空テープ22の下方への移動を規制し、空テープ22を圧縮空間94に一定量溜める。
【0059】
所定時間経過後、
図6に示すように、制御部110は、押圧部92を前進させ、空テープ22を押し潰すようにして圧縮する(S40)。
【0060】
次に、制御部110は、押圧部92と規制部95とを後退させ、圧縮空間94を広げる(S50)。これにより、
図7に示すように、圧縮された空テープ22が、収容部14Cの内部に落下して収容される。尚、制御部110は、押圧部92の後退に追従するように規制部95を後退させたり、後退した押圧部92よりもわずかに先行して規制部95を後退させたりしてもよい。これにより、規制部95上に配された空テープ22を押圧部92の前面92Aで掻き出すようにして収容部14C側へ落下させることができる。
【0061】
次に、制御部110は、切断部80による空テープ22の切断を停止する(S60)。これにより、切断されていない空テープ22が圧縮空間94を通過して収容部14Cに落下することを防ぐことができる。
【0062】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、部品Eを保持した部品テープ21を部品Eの取り出しにより空テープ22として排出するフィーダー16と排出された空テープ22を収容する収容部14Cとの間に設けられるダクト70と、空テープ22を切断する切断部80と、空テープ22を圧縮する圧縮部90と、を備え、ダクト70は、空テープ22がフィーダー16から収容部14Cへ移動する方向に延出され、切断部80及び圧縮部90は、ダクト70の途中位置に設けられている、圧縮ユニット12を示した。
【0063】
このような圧縮ユニット12によると、フィーダー16から排出された空テープ22を、収容部14Cに収容するまでの間に切断、圧縮し、空テープ22のかさを小さくすることができる。これにより、比較的多くの空テープ22を収容部14Cに収容することができ、作業者が空テープ22を収容部14Cから取り除く頻度を減少させて作業者の負担を軽減することができる。
【0064】
切断部80は、圧縮部90よりもフィーダー16側に設けられ、圧縮部90は、切断部80によって切断された空テープ22を圧縮する。このような圧縮ユニット12によると、空テープ22が圧縮部90で圧縮される前に、切断部80で切断される。これにより、空テープ22が圧縮部90で圧縮される際に引っ張られて、部品テープ21がずれることを防ぐことができる。
【0065】
圧縮ユニット12は、切断部80による空テープ22の切断と圧縮部90による空テープ22の圧縮とを制御する制御部110を備える。このような圧縮ユニット12によると、空テープ22の切断、圧縮を自動化することができ、作業者の負担をより軽減することができる。
【0066】
切断部80は、圧縮部90よりもフィーダー16側に設けられ、ダクト70は、圧縮部90側に向かうほど、圧縮部90において空テープ22が圧縮される圧縮空間94の中央94C側に傾いた斜面部73Cを備える。このような圧縮ユニット12によると、切断部80によって切断された空テープ22が斜面部73Cに沿って移動することで、圧縮空間94の中央94C側に向かいやすくなる。これにより、圧縮部90が圧縮空間94の中央94C側で空テープ22を圧縮することができる。更に、押圧部92が空テープ22の移動方向に交差する交差方向に移動して空テープ22を圧縮する場合、空テープ22の圧縮の際に、圧縮ユニット12が空テープ22を引っ張る虞を軽減できる。これにより、部品テープ21がずれることを抑制できる。
【0067】
圧縮部90は、壁部91と、空テープ22の移動方向に交差する交差方向に移動可能な押圧部92と、を備え、押圧部92は、交差方向への移動により壁部91と押圧部92との間で空テープ22を圧縮する。このような圧縮ユニット12によると、空テープ22を押圧部92で壁部91に押し付けるようにして圧縮することができる。押圧部92が空テープ22の移動方向に交差する交差方向に移動するから、圧縮の際に空テープ22が引っ張られることを抑制し、当該引っ張りにより部品テープ21がずれることを防ぐことができる。
【0068】
圧縮部90は、空テープ22が壁部91と押圧部92との間の圧縮空間94から収容部14C側へ移動することを規制可能な規制部95を備える。このような圧縮ユニット12によると、空テープ22を圧縮空間94に溜めることができ、空テープ22を確実に圧縮することができる。
【0069】
また、本実施形態では、部品テープ21に保持された部品Eを取り出して基板Pに移動させる実装ヘッド32と、上記圧縮ユニット12と、備える部品実装機10を示した。このような構成によると、作業者が空テープ22を収容部14Cから取り除く頻度を減少させて作業者の負担を軽減可能な部品実装機10を提供することができる。
【0070】
ダクト70、切断部80、及び圧縮部90は、基台11に取り付けられている。このような構成によると、各部が基台11に精度よく位置決めされた部品実装機10を提供することができる。
【0071】
<変形例1>
次に、
図10のフローチャートを主に用いて本開示の変形例1を説明する。本変形例では、制御部110が各部を制御する手順が上記実施形態とは異なる態様について説明する。尚、本変形例では、上記実施形態と同じ構成、手順等には、同一の符号を用い、重複する説明を省略する。
【0072】
S30において、切断部80によって切断された空テープ22は、第2スロープ部72から第3スロープ部73に排出され(
図5参照)、センサ98において投光されている赤外線を一時的に遮り(このとき、制御部110は、空テープ22が有の状態であると判定する)、圧縮空間94に落下して溜まる。また、圧縮空間94に溜められた空テープ22は、第3スロープ部73側へ積み重なり、一定の高さ以上になると、センサ98において投光されている赤外線を再び遮る(このとき、制御部110は、空テープ22が有の状態であると判定する)。尚、制御部110は、センサ98において赤外線が遮られていないときは、空テープ22が無の状態であると判定する。
【0073】
そして、制御部110は、空テープ22の有の状態が所定時間(例えば数秒)以上連続したか否かを判定する(S31)。制御部110は、空テープ22の有の状態が所定時間以上連続した場合(31でYES)、押圧部92を前進させ空テープ22を圧縮する(S40)。その後、制御部110は、押圧部92と規制部95とを後退させて(S50)、圧縮された空テープ22を収容部14Cに収容する。一方、制御部110は、空テープ22の有の状態が所定時間以上連続しなかった場合(S31でNO)、S31に戻り、その判定を繰り返す。
【0074】
このように、本変形例では、圧縮ユニット12は、規制部95により移動が規制された空テープ22の有無を検知するセンサ98を備え、制御部110は、センサ98により検知された空テープ22の有の状態が所定時間以上連続した場合に、空テープ22の移動の規制を停止するように規制部95を制御する。このような圧縮ユニット12によると、圧縮空間94に空テープ22をある程度溜めた状態で圧縮する作業を自動化できるので、生産性を向上できる。
【0075】
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2を
図11から
図14によって説明する。尚、本実施形態では、上記実施形態と同じ構成等には、同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
【0076】
図11及び
図12に示すように、ダクト270における第3スロープ部273は、上側開口部273A、下側開口部273B、複数の斜面部273C、及び上側開口部273A付近に取り付けられたセンサ298を備える。複数の斜面部273Cは、第3スロープ部273の内側において、左右両側及び前側の斜面を構成している。
図12に示すように、センサ298は、上側開口部273Aの上端付近において赤外線(一点鎖線で示す)が水平方向に投光されるように設けられている。
【0077】
圧縮部290は、前後方向に移動可能な可動部292と、エアが供給されることにより可動部292を前後方向に移動させるエアシリンダー293と、可動部292の後方に設けられた回転圧縮機構297と、を備える。可動部292は、下方に向かうほど後述する圧縮空間294の中央側に傾いた斜面を構成する可動斜面部292Cを備える。可動斜面部292Cは、第3スロープ部273における斜面部273Cに比してその傾きが緩やかである。可動斜面部292Cの上方には、第2スロープ部72の下側開口部72Bが設けられている。
【0078】
回転圧縮機構297は、左右方向を高さ方向とする円柱状の第1回転部297A及び第2回転部297Bを備える。第1回転部297Aは、
図12に示すように、右方から視た場合に左回り(反時計回り)に回転する構成とされる。第1回転部297Aは、可動部292に取り付けられており、可動部292の移動に伴って前後方向に移動可能とされる。第2回転部292Bは、
図12に示すように、右方から視た場合に右回り(時計回り)に回転する構成とされる。第2回転部292Bは、その外周側において複数設けられた凹凸状の凹凸部292B1を備える。各凹凸部292B1は、第2回転部292Bの回転方向(右回りの方向)に向かうほどその高さが高くなる。
【0079】
回転圧縮機構297は、第1回転部297Aと第2回転部297Bとをそれぞれ回転させることにより、第1回転部297Aと第2回転部297Bとの間の圧縮空間294に、空テープ22を巻き込むようにして圧縮し、収容部14C側に送り出すことができる。このような構成を備える圧縮ユニットによると、空テープ22が連続的に回転圧縮機構297に巻き込まれて圧縮され、収容部14C側に移動することができ、空テープ22から生じる破片等が圧縮部290に詰まりにくい。
【0080】
図13に示すように、第2スロープ部72から下方に移動した空テープ22は、第3スロープ部273の内側において一定の高さ以上に積み重なると、センサ298に投光されている赤外線を遮る(このとき、制御部110は、空テープ22が有の状態であると判定する)。そして、制御部110は、空テープ22の有の状態が所定時間(例えば数秒)以上連続したか否かを判定し、空テープ22の有の状態が所定時間以上連続した場合、
図14に示すように、可動部292及び第1回転部297Aを後退させ、圧縮空間294を広げる。このとき、一部の空テープ22が圧縮部290によって圧縮されることなく、圧縮空間294を下方に通過し、収容部14Cに収容される。これにより、空テープ22がダクト270や圧縮部290において詰まることを抑制することができる。
【0081】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
【0082】
(1)上記実施形態では、フィーダーは、台車のフィーダー装着部に取り付けられていることとしたが、これに限られない。例えば、フィーダーは、基台に設けられたフィーダー装着部に取り付けられていてもよい。また、収容部は、台車に載置されておらず、地面に載置されていてもよい。
【0083】
(2)上記実施形態に限らず、ダクトの構成は適宜変更可能である。ダクトは、下方に向かうほど
図2における制御部110側の方向に傾くように延びていてもよい。また、ダクトの形は、筒状に限らず、上方視コの字状、上方視V字状等の形であってもよい。
【0084】
(3)上記実施形態では、切断部と圧縮部は、2つのスロープ部の間に設けられていたが、これに限られない。例えば、切断部は、フィーダーと第1スロープ部との間に設けれられていてもよい。また、圧縮部は、第4スロープ部と収容部との間に設けられていてもよい。
【0085】
(4)上記実施形態では、一定量の空テープが収容された収容部は、作業者により回収され、空テープが取り除かれることとしたが、これに限られない。例えば、収容部は、ロボット(自動搬送ロボット)により回収されてもよい。その場合、ロボットは、一定量の空テープが収容された収容部を台車等から取り外し、当該収容部と空テープが収容されていない別の収容部とを取り替え、一定量の空テープが収容された当該収容部をゴミ捨て場へ搬送して空テープを当該収容部から取り出してもよい。
【0086】
(5)上記実施形態に限らず、ヘッドユニットを移動させる機構は、適宜変更可能である。例えば、Y方向フレームにリニアモーターを設けて、当該リニアモーターを通電制御することにより、X方向フレーム(ひいてはヘッドユニット)を移動させる機構であってもよい。
【符号の説明】
【0087】
10…部品実装機、11…基台(ベース)、12…圧縮ユニット、14C…収容部、16…フィーダー(部品供給装置)、21…部品テープ、22…空テープ、32…実装ヘッド(ヘッド)、70,270…ダクト、73C,273C…斜面部、80…切断部、90,290…圧縮部、91…壁部、92…押圧部、94,294…圧縮空間、94C…中央、95…規制部、98,298…センサ、110…制御部、297…回転圧縮機構、E…部品