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特開2022-176804軸受の異常診断装置、異常診断方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176804
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】軸受の異常診断装置、異常診断方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 13/04 20190101AFI20221122BHJP
【FI】
G01M13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083423
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】越智 清仁
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AC01
2G024AC06
2G024BA27
2G024CA13
2G024CA17
2G024CA26
2G024DA09
2G024FA06
2G024FA15
(57)【要約】
【課題】累積値を用いた軸受の診断の際に、誤診断の累積による誤報知の抑制および累積値のリセットによる異常の見逃しの抑制の両立を実現する。
【解決手段】軸受の異常診断装置であって、前記軸受の状態情報を取得するセンサと、前記センサにて取得した状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断手段とを備え、前記診断手段は、一定時間ごとに、前記累積結果を所定の条件に基づいて減算させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受の異常診断装置であって、
前記軸受の状態情報を取得するセンサと、
前記センサにて取得した状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断手段と
を備え、
前記診断手段は、一定時間ごとに、前記累積結果を所定の条件に基づいて減算させることを特徴とする異常診断装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記累積結果を、一定の割合または一定の値の分、減算させることであることを特徴とする請求項1に記載の異常診断装置。
【請求項3】
前記累積結果の値が前記所定の閾値を超えた際に、前記軸受に異常が発生している旨の報知を行う報知手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の異常診断装置。
【請求項4】
前記診断手段は、前記センサにて取得した状態情報を、予め規定されたテーブルを用いて評価値に変換した上で累積することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の異常診断装置。
【請求項5】
前記診断手段は、前記センサにて取得した状態情報が予め規定された閾値以上である場合にカウントされるカウンタを用いて累積を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の異常診断装置。
【請求項6】
前記センサは、振動センサであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の異常診断装置。
【請求項7】
前記センサは、温度センサであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の異常診断装置。
【請求項8】
前記所定の閾値は、異常の度合いに応じて複数の値が設定され、
前記診断手段は、前記複数の値それぞれと、前記累積結果との比較により、前記軸受の異常の度合いを診断することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の異常診断装置。
【請求項9】
軸受の異常診断方法であって、
前記軸受の状態情報を取得する取得工程と、
前記状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断工程と
を有し、
前記診断工程において、一定時間ごとに、前記累積結果が所定の条件に基づいて減算されることを特徴とする異常診断方法。
【請求項10】
コンピュータに、
軸受の状態情報を取得する取得工程と、
前記状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断工程と
を実行させ、
前記診断工程において、一定時間ごとに、前記累積結果が所定の条件に基づいて減算されることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、軸受の異常診断装置、異常診断方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種装置を構成する軸受に対し、故障や不具合を防止するために、定期的に異常診断が行われている。異常診断は、軸受を含む装置を定期的に分解することで目視検査により行われている。一方、近年では、目視検査によるコストや負荷を低減するために装置を分解することなく、装置の稼働中に得られる各種信号に基づいて異常診断する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、転がり軸受の診断の際に、歪センサにて得られる値の同期加算平均値を用いて周波数成分を求め、その値と基準値との比較により損傷等を検出する手法が記載されている。特許文献2では、温度センサにて検知した軸受の温度に基づいて点数化を行い、この点数複数の閾値との比較により、軸受の異常を検知する手法が開示されている。特許文献3では、駆動装置が備える軸受部の異常を診断する際に、駆動装置により搬送されるストリップの張力または速度の測定値または制御値のいずれかの所定の間隔ごとの変化率に基づいて軸受部の異常を判定する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-181267号公報
【特許文献2】特開2012-98253号公報
【特許文献3】特開2003-262570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献の構成においては、センサ等にて検出した値に基づく点数などの累積値を異常診断に用いている。累積値の扱いに関し、例えば、累積値をリセットしない場合には、散発的に発生するノイズデータが累積することに起因して正常な軸受を異常として判断してしまう可能性が生じる。また、予め規定された所定の時間間隔にて定期的に累積値をリセットした場合には、その間隔内において累積値が閾値に到達することができなかったことにより、異常な軸受を正常として扱ってしまう可能性が生じる。
【0006】
例えば、特許文献1では、累積値に対する累積条件や累積中止条件については考慮されていない。そのため、ノイズ等に起因した異常を誤検知したことを繰り返した結果、その繰り返しの累積値により誤報知を行う可能性が生じる。また、特許文献2や特許文献3では、定期的に累積値が消去している。このような構成において、例えば、異常診断(異常発生の検出)の頻度が少ない場合には、累積値が閾値に到達する前にリセットしてしまうこととなり、異常を検出して報知することができない場合が生じる。
【0007】
上記課題を鑑み、本願発明は、累積値を用いた軸受の異常診断の際に、誤診断の累積による誤報知の抑制および累積値のリセットによる異常の見逃しの抑制の両立を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、軸受の異常診断装置であって、前記軸受の状態情報を取得するセンサと、前記センサにて取得した状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断手段とを備え、前記診断手段は、一定時間ごとに、前記累積結果を所定の条件に基づいて減算させる。
【0009】
また、本願発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、軸受の異常診断方法であって、前記軸受の状態情報を取得する取得工程と、前記状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断工程とを有し、前記診断工程において、一定時間ごとに、前記累積結果が所定の条件に基づいて減算される。
【0010】
また、本願発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、プログラムであって、コンピュータに、軸受の状態情報を取得する取得工程と、前記状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断工程とを実行させ、前記診断工程において、一定時間ごとに、前記累積結果が所定の条件に基づいて減算される。
【発明の効果】
【0011】
本願発明により、累積値を用いた軸受の診断の際に、誤診断の累積による誤報知の抑制および累積値のリセットによる異常の見逃しの抑制の両立を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係るシステムの全体構成の例を示す図。
図2】第1の実施形態に係る異常診断の処理のフローチャート。
図3】本願発明に係る手法と従来手法とを比較した場合の累積カウンタの変化を説明するための図。
図4】第2の実施形態に係る検出値と評価値の関係を示す図。
図5】第2の実施形態に係る異常診断の処理のフローチャート。
図6】本願発明の一実施形態に係るシステム全体の構成例を示す図。
図7】本願発明の一実施形態に係るシステム全体の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本願発明を説明するための一実施形態であり、本願発明を限定して解釈されることを意図するものではなく、また、各実施形態で説明されている全ての構成が本願発明の課題を解決するために必須の構成であるとは限らない。また、各図面において、同じ構成要素については、同じ参照番号を付すことにより対応関係を示す。
【0014】
<第1の実施形態>
以下、本願発明の第1の実施形態について説明を行う。なお、本願発明に係る軸受が備えられる装置や機械は特に限定するものではない。また、軸受の種類も特に限定するものではなく、例えば、たま軸受、スラスト軸受、自動調心ころ軸受など様々な種類の軸受を対象として、本願発明が適用されてよい。
【0015】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る軸受の異常診断装置(以下、単に「診断装置」と称する)の全体構成の一例を示す図である。本実施形態では、診断対象となる軸受3と、診断装置1とが別個の構成とし、診断装置1は、センサ2により軸受3の状態情報を取得して、異常診断を行う。
【0016】
センサ2は、軸受3の状態情報を取得する。本実施形態においてセンサ2は、振動センサを用い、軸受3の稼働により生じる振動を状態情報として検知する。振動センサは、例えば、加速度センサにより構成されてよい。センサ2は、軸受3の状態を検知する際の精度を向上させるため、軸受3の近傍に設置することが望ましい。ここでの軸受3とセンサ2との距離や位置関係は、軸受3の構造や、センサ2の機能などに応じて規定されてよい。
【0017】
なお、図1においては、センサ2は、1つのみ示しているが、この構成に限定するものではない。例えば、診断対象となる軸受3のサイズや構成などに応じて、複数のセンサが設けられてよい。この場合、例えば、複数のセンサ2により検知された値を平均化することで、検出精度を向上させたり、ノイズを低減させたりする構成であってよい。
【0018】
診断装置1は、状態情報取得部11、状態情報管理部12、診断処理部13、診断結果記憶部14、計時部15、および報知処理部16を含んで構成される。状態情報取得部11は、センサ2にて検出された、軸受3が稼働している際に発生する状態情報(ここでは、振動情報)を取得する。状態情報管理部12は、状態情報取得部11にて取得した状態情報を管理する。また、状態情報管理部12は、状態情報取得部11にて取得した状態情報を診断処理にて用いられる形式に変換する。
【0019】
診断処理部13は、本実施形態に係る診断処理を実行する。本実施形態に係る診断処理の詳細は図2を用いて後述する。診断結果記憶部14は、診断処理部13による診断結果および診断処理の途中経過に関する各種情報を記憶する。計時部15は、診断処理部13による診断処理の際に、診断経過における時間の測定を行う。報知処理部16は、診断処理の結果の報知処理を行う。報知処理部16の報知方法は特に限定するものではなく、画面出力などによる視覚的な報知方法であってもよいし、音声出力などによる聴覚的な報知方法を用いてもよい。
【0020】
[処理フロー]
図2は、本実施形態に係る診断装置1による診断処理を示すフローチャートである。本処理は、例えば、診断装置1が備えるCPU(Central Processing Unit)などの処理部が図1に示した各部位を実現するためのプログラムをHDD(Hard Disk Drive)やROM(Read Only Memory)などの記憶部から読み出して実行することにより実現されてよい。また、本処理が開始される際には、センサ2は、診断対象の軸受3の近傍における所定の位置に設置され、診断装置1は、センサ2から軸受3の状態情報(ここでは、振動情報)を取得可能な状態であるとする。
【0021】
S201にて、診断装置1は、診断装置1が備えるRAM(Random Access Memory)などの記憶部(不図示)に構成されるタイマー及び異常カウンタの値を初期化する。
【0022】
S202にて、診断装置1は、計時部15により計時を開始する。本実施形態では、タイマーを用いてカウントすることで時間の計測を行う。
【0023】
S203にて、診断装置1は、診断対象である軸受3の状態情報を、センサ2を介して取得する。ここでは、状態情報として振動情報が取得される。振動情報は、予め規定された時間間隔や軸受3の回転回数における振動情報であってもよい。また、振動情報は、例えば、電気的・機械的ノイズの影響を抑制するために、センサ2から入力信号(振動情報)から、任意の単位時間当たりの実効値、平均値、または移動平均値を算出して用いるような構成であってよい。
【0024】
S204にて、診断装置1は、S203にて取得した状態情報を所定の変換規則に基づき、異常状態を判断するための値(以下、「評価値」と称する)に変換する。ここでの所定の変換規則の一例としては、状態情報である振動情報が示す周波数成分に対して、所定の期間における移動平均値を求めてもよい。または、振動情報に対してLPF(Low Pass Filter)を適用して高周波成分を除去することで、ノイズを低減させてもよい。または、予め規定されたLUT(Look Up Table)などの変換テーブルを用いて、振動情報の値を評価値に変換してもよい。
【0025】
S205にて、診断装置1は、S204にて変換した評価値と、予め規定された閾値とを比較する。ここでの評価値が閾値以上である場合とは、評価値が異常値を示すことを意味する。閾値は、診断対象となる軸受3に対応して予め定義され、記憶部(不図示)にて保持、管理されているものとする。評価値が異常値を示す場合(S205にてYES)、診断装置1の処理はS206へ進む。一方、評価値が異常値を示さない場合、すなわち、評価値が閾値よりも小さい場合(S205にてNO)、診断装置1の処理はS207へ進む。
【0026】
S206にて、診断装置1は、異常カウンタを1インクリメントする。その後、診断装置1の処理は、S207へ進む。
【0027】
S207にて、診断装置1は、異常カウンタの値が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでの所定の閾値は予め規定され、記憶部(不図示)にて保持されているものとする。なお、S205の処理にて用いる閾値と、S207の処理にて用いる閾値は異なるものである。異常カウンタの値が閾値以上である場合(S207にてYES)、診断装置1の処理はS210へ進む。一方、異常カウンタの値が閾値より小さい場合(S207にてNO)、診断装置1の処理はS208へ進む。
【0028】
S208にて、診断装置1は、タイマーの値を参照し、一定の値を超えたか否かを判定する。言い換えると、診断装置1は、タイマーに対する前回の初期化から一定時間が経過したか否かを判定する。ここでの一定時間は、予め規定され、記憶部(不図示)にて保持されているものとし、例えば、24時間(1日)などが用いられてよい。一定時間が経過している場合(S208にてYES)、診断装置1の処理はS209へ進む。一方、一定時間が経過していない場合(S208にてNO)、診断装置1の処理はS212へ進む。
【0029】
S209にて、診断装置1は、異常カウンタの値を所定の規則に基づき減算する。ここでの所定の規則は、例えば、異常カウンタの値に所定の比率R1(0<R1<1)をかけることで減算してもよい。または、異常カウンタの値から所定の値A1(0<A1)を引くことで減算してもよい。所定の規則は、予め規定され、記憶部(不図示)に保持されているものとする。その後、診断装置1の処理は、S211へ進む。
【0030】
S210にて、診断装置1は、所定の報知先に対して診断対象である軸受3に異常が発生していることを報知する。ここでの報知方法は特に限定するものではないが、例えば、診断装置1が備える表示装置(不図示)のディスプレイ上に異常を知らせる画面を表示してもよいし、異常を示す信号を所定の宛先に送信するような構成であってもよい。また、報知方法は、診断装置1の利用者が複数の報知方法の中から任意のものを選択可能に構成されていてもよい。その後、診断装置1の処理は、S211へ進む。
【0031】
S211にて、診断装置1は、タイマーの値を初期化する。その後、診断装置1の処理はS212へ進む。
【0032】
S212にて、診断装置1は、診断を継続するか否かを判定する。診断継続の判定は、診断装置1の利用者の指示に基づいて行われてもよい。または、異常を報知した回数や内容を報知履歴として管理しておき、その報知履歴に基づいて、診断継続の判定が行われてもよい。診断を継続すると判定した場合(S212にてYES)、診断装置1の処理はS214へ進む。一方、診断を継続しないと判定した場合(S212にてNO)、診断装置1の処理はS213へ進む。
【0033】
S213にて、診断装置1は、S202にて開始した計時動作を停止させる。そして、本処理フローを終了する。
【0034】
S214にて、診断装置1は、予め規定された時間、待機を行う。ここでの待機時間は、診断の処理負荷や精度などに応じて予め規定され、記憶部(不図示)にて管理されているものとする。ここでの待機時間は、診断間隔に対応し、例えば、数十秒などが用いられてよい。なお、異常カウンタの値を減算する間隔(S208の処理にて用いられる一定時間に対応)や診断間隔(S214の待機時間に対応)は、軸受3の動作条件に応じて、切り替えるような構成であってもよい。その後、診断装置1の処理は、S203の処理へ戻り、以降の処理を繰り返す。
【0035】
なお、上記の処理では、異常カウンタに対して、1の閾値を設定するような構成を示したが、この構成に限定するものではない。例えば、異常の緊急度(もしくは、異常の発生度合い)に対応して複数の閾値を設定し、それらの閾値と異常カウンタの値との比較により、異常の緊急度を判定するような構成であってもよい。この場合、診断結果として得られた緊急度に応じて、報知内容を切り替えるような構成であってもよい。
【0036】
[異常カウンタの変動例]
図3は、本実施形態に係る異常診断を行う際に用いる異常カウンタの変動を説明するための図である。また、比較対象として、従来手法における異常カウンタ(異常診断に関する累積値)の変動を併せて説明する。従来手法としては、異常カウンタをリセットしない手法と、定期的に異常カウンタをリセットする手法とを例に挙げる。本実施形態に係る診断方法では、所定の規則に基づき、異常カウンタの値は減算される。図3に示す各グラフの横軸は時間の経過を示し、縦軸は異常カウンタの値を示す。また、図3に示す破線は、異常カウンタに対して設定された報知のための閾値であり、図2のS207の判定処理にて用いられる閾値に対応する。
【0037】
図3において、上段は、軸受3に異常が発生している場合の異常カウンタの変動を示す。一方、下段は、軸受3に異常が発生していない場合の異常カウンタの変動を示す。図3(a)と図3(b)は、軸のスケールが異なる。図3(a)は、少ない回数の異常診断の結果に基づいて、異常の報知を行うか否かを判断する場合の例を示す。図3(a)において、1ステップが異常カウンタの1に対応する。これに伴い、異常カウンタに対する閾値も低く設定されることとなり、例えば、閾値は数十程度の値が用いられる。図3(b)は、比較的多い回数の異常診断の結果に基づいて、異常の報知を行うか否かを判断する場合の例を示す。図3(b)では、図3(a)と横軸のスケールが異なるため、異常カウンタの値の変遷をスロープ状にて示している。これは、図3(b)の方が診断期間が長い(すなわち、異常診断の回数が多い)場合に相当し、異常カウンタに対する閾値も高く設定される。例えば、閾値は数百~数千程度の値が用いられる。
【0038】
従来手法のうち、異常カウンタのリセットを行わない手法では、軸受3に異常がある場合、異常カウンタがカウントされることにより、報知のための閾値に到達し、異常の報知がなされる(図3(a)や図3(b)の上段中央参照)。その一方、軸受3にて異常が発生していない場合でも、異常の誤検知が繰り返されることで、異常カウンタの値が報知のための閾値に達してしまい、誤報知がなされる可能性が生じる(図3(a)や図3(b)の下段中央参照)。つまり、異常カウンタをリセットしない手法では、誤検知の累積に起因した誤報知が発生し得る。
【0039】
従来手法のうち、異常カウンタのリセットを定期的に行う手法では、軸受3に異常がない場合、定期的に異常カウンタがリセットされるため、異常の誤検知が行われたとしても報知のための閾値に達することが抑制され、誤報知の発生が抑制される(図3(a)や図3(b)の下段右参照)。その一方、軸受3に異常が発生している場合において、その異常の検知のタイミングにより異常カウンタの値が閾値に達する直前で、異常カウンタがリセットされた際などには、異常の報知を行うことができない(図3(a)や図3(b)の上段右参照)。その結果、異常を見逃す、つまり、異常が発生していても報知漏れが発生し得る。
【0040】
本実施形態に係る手法では、軸受3に異常がある場合、異常カウンタのカウントと減算とが繰り返されることで、異常カウンタの値が報知のための閾値を超える(図3(a)や図3(b)の上段左参照)。このとき、異常であると判断されたことによる異常カウンタの増加率(増加頻度)の方が、減算処理(図2のS209に相当)による異常カウンタの減少率(減少頻度)よりも大きくなるように、所定の規則が設定される構成される。その結果、異常である旨が報知される。一方、軸受3に異常がない場合には、異常であると判断されたことによる異常カウンタの増加率(増加頻度)よりも、減算処理(図2のS209に相当)による異常カウンタの減少率(減少頻度)の方が大きくなるように所定の規則が構成される。そのため、軸受3に異常が発生していない場合には、異常カウンタの値は、報知のための閾値に到達することが抑制される(図3(a)や図3(b)の下段左参照)。したがって、本実施形態では、従来手法のような不都合が生じることなく、適切に異常カウンタを扱うことが可能となる。これにより、軸受に対する異常の誤報知や異常の見逃しの抑制が可能となる。
【0041】
以上、本実施形態により、累積値を用いた軸受の異常診断の際に、適切な診断を行うことが可能となる。より具体的には、累積値を用いた軸受の診断の際に、誤診断の累積による誤報知の抑制および累積値のリセットによる異常の見逃しの抑制の両立を実現することが可能となる。
【0042】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、軸受3から取得する状態情報として振動情報を用いる形態について説明した。本願発明の第2の実施形態では、軸受3から取得する状態情報として温度情報を用いる形態について説明する。なお、第1の実施形態と重複する構成については、説明を省略し、差分に着目して説明する。本実施形態に係るシステム構成は、第1の実施形態にて述べた図1の構成と大部分では同様であるとし、差異としては、センサ2が振動センサから温度センサに置き換えられているものとする。
【0043】
図4は、本実施形態に係る軸受3の温度情報とその温度情報に対して付与される点数との関係を示す。ここで割り当てられる点数が異常診断の際の評価値として用いられる。図4(a)は、軸受3の絶対温度[℃]と相対温度差[℃]との関係を示す。本実施形態では、軸受3の正常動作時における温度の基準値を設定しておき、その基準値と現在の絶対温度との差異を相対温度差とする。なお、現在の絶対温度との差異を求める基準値は予め定義された値に限定するものではなく、同様の環境条件下にて動作している他の軸受からの検知温度に基づいて算出されてもよい。例えば、複数の他の軸受の絶対温度を取得し、その平均値から基準温度を導出してもよい。
【0044】
図4(b)は、軸受3の一定時間(ここでは、1分単位)での温度の上昇率[℃/min]に対する評価値を示す。ここでの単位時間は、一例であり、他の単位が用いられてもよい。また、図4に示す点数は一例であり、他の値が用いられてもよい。
【0045】
[処理フロー]
図5は、本実施形態に係る診断装置1による診断処理を示すフローチャートである。本処理は、例えば、診断装置1が備えるCPUなどの処理部(不図示)が図1に示した各部位を実現するためのプログラムをHDDやROMなどの記憶部(不図示)から読み出して実行することにより実現されてよい。また、本処理が開始される際には、センサ2は、診断対象の軸受3の近傍における所定の位置に設置され、診断装置1は、センサ2から軸受3の状態情報(ここでは、温度情報)を取得可能な状態であるものとする。
【0046】
S501にて、診断装置1は、診断装置1が備えるRAMなどの記憶部(不図示)に構成されるタイマー及び累積値を初期化する。
【0047】
S502にて、診断装置1は、計時部15により計時を開始する。本実施形態では、タイマーを用いてカウントすることで時間の計測を行う。
【0048】
S503にて、診断装置1は、診断対象である軸受3の状態情報を、センサ2を介して取得する。ここでは、状態情報として温度情報が取得される。また、温度情報は、軸受3の絶対温度、および、所定の単位時間当たりの温度変化の情報を含む。
【0049】
S504にて、診断装置1は、S503にて取得した状態情報と、図4に示すテーブルに基づき、温度情報に対する点数を導出する。なお、図4に示すテーブルは予め規定され、記憶部(不図示)にて保持されているものとする。
【0050】
S505にて、診断装置1は、S504にて導出した点数を累積値に加算する。
【0051】
S506にて、診断装置1は、現在の累積値が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでの所定の閾値は予め規定され、記憶部(不図示)にて保持されているものとする。累積値が閾値以上である場合(S506にてYES)、診断装置1の処理はS509へ進む。一方、累積値が閾値より小さい場合(S506にてNO)、診断装置1の処理はS507へ進む。
【0052】
S507にて、診断装置1は、タイマーの値を参照し、一定の値を超えたか否かを判定する。言い換えると、診断装置1は、タイマーに対する前回の初期化から一定時間が経過したか否かを判定する。ここでの一定時間は、予め規定され、記憶部(不図示)にて保持されているものとし、例えば、24時間(1日)などが用いられてよい。一定時間が経過している場合(S507にてYES)、診断装置1の処理はS508へ進む。一方、一定時間が経過していない場合(S507にてNO)、診断装置1の処理はS511へ進む。
【0053】
S508にて、診断装置1は、累積値を所定の規則に基づき減算する。ここでの所定の規則は、例えば、累積値に所定の比率R2(0<R2<1)をかけることで減算してもよい。または、累積値から所定の値A2(0<R2)を引くことで減算してもよい。所定の規則は、予め規定され、記憶部(不図示)に保持されているものとする。その後、診断装置1の処理は、S510へ進む。
【0054】
S509にて、診断装置1は、所定の報知先に対して診断対象である軸受3に異常が発生していることを報知する。ここでの報知方法は特に限定するものではないが、例えば、診断装置1が備える表示装置(不図示)のディスプレイ上に異常を知らせる画面を表示してもよいし、異常を示す信号を所定の宛先に送信するような構成であってもよい。また、報知方法は、診断装置1の利用者が複数の報知方法の中から任意のものを選択可能に構成されていてもよい。その後、診断装置1の処理は、S510へ進む。
【0055】
S510にて、診断装置1は、タイマーの値を初期化する。その後、診断装置1の処理はS511へ進む。
【0056】
S511にて、診断装置1は、診断を継続するか否かを判定する。診断継続の判定は、診断装置1の利用者の指示に基づいて行われてもよい。または、異常を報知した回数や内容を報知履歴として管理しておき、その報知履歴に基づいて、診断継続の判定が行われてもよい。診断を継続すると判定した場合(S511にてYES)、診断装置1の処理はS513へ進む。一方、診断を継続しないと判定した場合(S511にてNO)、診断装置1の処理はS512へ進む。
【0057】
S512にて、診断装置1は、S502にて開始した計時動作を停止させる。そして、本処理フローを終了する。
【0058】
S513にて、診断装置1は、予め規定された時間、待機を行う。ここでの待機時間は、診断の処理負荷や精度などに応じて予め規定され、記憶部(不図示)にて管理されているものとする。ここでの待機時間は、診断間隔に対応し、例えば、数十秒などが用いられてよい。なお、異常カウンタの値を減算する間隔(S507の処理にて用いられる一定時間に対応)や診断間隔(S513の待機時間に対応)は、軸受3の動作条件に応じて、切り替えるような構成であってもよい。その後、診断装置1の処理は、S503の処理へ戻り、以降の処理を繰り返す。
【0059】
なお、上記の処理では、累積値に対して、1の閾値を設定するような構成を示したが、この構成に限定するものではない。例えば、異常の緊急度(程度)に対応して複数の閾値を設定し、それらの閾値と累積値との比較により、異常の緊急度を判定するような構成であってもよい。この場合、診断結果として得られた緊急度に応じて、報知内容を切り替えるような構成であってもよい。
【0060】
以上、本実施形態により、累積値を用いた軸受の異常診断の際に、適切な診断を行うことが可能となる。より具体的には、累積値を用いた軸受の診断の際に、誤診断の累積による誤報知の抑制および累積値のリセットによる異常の見逃しの抑制の両立を実現することが可能となる。
【0061】
<その他の実施形態>
上記の実施形態では、診断装置1およびセンサ2が軸受3とは別個の構成である形態について説明した。本願発明は上記構成に限定するものではない。例えば、図6に示すように、軸受3を備える駆動装置60と、診断装置1とがネットワーク62を介して通信可能に接続された構成であってもよい。
【0062】
図6は、本願発明を適用可能なシステムの一実施形態に係る全体構成の例を示す図である。本実施形態において、駆動装置60と診断装置50とがネットワーク62を介して通信可能に接続される。ネットワーク62における通信方法や通信規格は特に限定するものではなく、複数のネットワークが組み合わされていてもよい。
【0063】
駆動装置60は、センサ2、軸受3、および通信制御部61を含んで構成される。通信制御部61は、外部との通信処理を制御する処理部であり、センサ2にて検出された各種情報を外部(ここでは、診断装置1)に送信する。
【0064】
診断装置1は、通信制御部63、状態情報管理部12、診断処理部13、診断結果記憶部14、計時部15、および報知処理部16を含んで構成される。通信制御部63は、外部との通信処理を制御する処理部であり、ネットワーク62を介して、駆動装置60から送信されてくる各種情報を取得する。それ以外の構成は、第1の実施形態にて示した図1の構成と同様である。
【0065】
また、図7に示すように、センサ2と軸受3とを備える軸受ユニット70として構成されても、本願発明は適用可能である。
【0066】
図6図7に示すような構成においても、上記の実施形態と同様、軸受の異常診断を行うことが可能である。
【0067】
また、上記の実施形態では、構成部品の状態情報として振動センサや温度センサにより検知される状態情報を用いて、当該構成部品の診断を行う構成について示したが、この構成に限定するものではない。例えば、構成部品の状態情報を取得する状態センサとしては、音センサ(マイク)が用いられてもよい。この場合、音センサにて検出される音(騒音)情報を用いて診断が行われることとなる。なお、状態センサの種類や構成は特に限定するものではなく、構成部品に応じて他の種類のセンサが用いられてもよい。また、診断対象となる構成部品の種類や構造などに応じて、複数の種類のセンサを組み合わせ、各センサの検知結果を組み合わせて診断を行ってもよい。
【0068】
また、上記の実施形態において、振動センサを用いる場合に異常カウンタを用い(第1の実施形態)、温度センサを用いる場合に点数を用いた例(第2の実施形態)を示した。しかし、この構成に限定されるものではなく、センサの種類と、評価値の累積方法(点数やカウンタなど)の組み合わせは任意に変更可能であってよい。
【0069】
また、本願発明において、上述した1以上の実施形態の機能を実現するためのプログラムやアプリケーションを、ネットワーク又は記憶媒体等を用いてシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
【0070】
また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))によって実現してもよい。
【0071】
本願発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本願発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0072】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 軸受の異常診断装置であって、
前記軸受の状態情報を取得するセンサと、
前記センサにて取得した状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断手段と
を備え、
前記診断手段は、一定時間ごとに、前記累積結果を所定の条件に基づいて減算させることを特徴とする異常診断装置。
この構成によれば、累積値を用いた軸受の異常診断の際に、適切な診断を行うことが可能となる。より具体的には、累積値を用いた軸受の診断の際に、誤診断の累積による誤報知の抑制および累積値のリセットによる異常の見逃しの抑制の両立を実現することが可能となる。
【0073】
(2) 前記所定の条件は、前記累積結果を、一定の割合または一定の値の分、減算させることであることを特徴とする(1)に記載の異常診断装置。
この構成によれば、一定時間ごとに、累積結果を一定の割合または一定の値の分、減算させることで、軸受の異常診断を適切に行ことが可能となる。
【0074】
(3) 前記累積結果の値が前記所定の閾値を超えた際に、前記軸受に異常が発生している旨の報知を行う報知手段を更に有することを特徴とする(1)または(2)に記載の異常診断装置。
この構成によれば、累積値を用いた軸受の診断の際に、所定の条件に基づいて減算される累積値に応じて、適切に異常を報知することが可能となる。
【0075】
(4) 前記診断手段は、前記センサにて取得した状態情報を、予め規定されたテーブルを用いて評価値に変換した上で累積することを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の異常診断装置。
この構成によれば、状態情報から、診断の際に用いられる評価値への変換が容易となる。
【0076】
(5) 前記診断手段は、前記センサにて取得した状態情報が予め規定された閾値以上である場合にカウントされるカウンタを用いて累積を行うことを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の異常診断装置。
この構成によれば、状態情報に基づく、診断処理が容易となる。
【0077】
(6) 前記センサは、振動センサであることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の異常診断装置。
この構成によれば、振動センサから得られる振動情報に基づいて、軸受の異常診断が可能となる。
【0078】
(7) 前記センサは、温度センサであることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の異常診断装置。
この構成によれば、温度センサから得られる温度情報に基づいて、軸受の異常診断が可能となる。
【0079】
(8) 前記所定の閾値は、異常の度合いに応じて複数の値が設定され、
前記診断手段は、前記複数の値それぞれと、前記累積結果との比較により、前記軸受の異常の度合いを診断することを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載の異常診断装置。
この構成によれば、異常の度合いに応じた軸受の異常診断が可能となる。
【0080】
(9) 軸受の異常診断方法であって、
前記軸受の状態情報を取得する取得工程と、
前記状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断工程と
を有し、
前記診断工程において、一定時間ごとに、前記累積結果が所定の条件に基づいて減算されることを特徴とする異常診断方法。
この構成によれば、累積値を用いた軸受の異常診断の際に、適切な診断を行うことが可能となる。より具体的には、累積値を用いた軸受の診断の際に、誤診断の累積による誤報知の抑制および累積値のリセットによる異常の見逃しの抑制の両立を実現することが可能となる。
【0081】
(10) コンピュータに、
軸受の状態情報を取得する取得工程と、
前記状態情報に基づく評価値の累積結果と、所定の閾値の比較により、前記軸受にて異常が発生しているか否かの診断を行う診断工程と
を実行させ、
前記診断工程において、一定時間ごとに、前記累積結果が所定の条件に基づいて減算されることを特徴とするプログラム。
この構成によれば、累積値を用いた軸受の異常診断の際に、適切な診断を行うことが可能となる。より具体的には、累積値を用いた軸受の診断の際に、誤診断の累積による誤報知の抑制および累積値のリセットによる異常の見逃しの抑制の両立を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
1…診断装置
2…センサ
3…軸受
11…状態情報取得部
12…状態情報管理部
13…診断処理部
14…診断結果記憶部
15…計時部
16…報知処理部
60…駆動装置
61、63…通信制御部
62…ネットワーク
70…軸受ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7