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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176805
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】二重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20221122BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20221122BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B65D1/02 230
B65D1/02 111
B65D77/06 A
F16K27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083425
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 雄飛
(72)【発明者】
【氏名】樽野 真輔
(72)【発明者】
【氏名】室屋 洋輔
【テーマコード(参考)】
3E033
3E067
3H051
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA15
3E033BA16
3E033BB08
3E033CA20
3E033DA04
3E033DB01
3E033DD01
3E033DE05
3E033FA03
3E067AA01
3E067AC01
3E067BA03C
3E067BA12B
3E067BB15B
3E067BB15C
3E067BB16B
3E067BB16C
3E067BB25B
3E067BB25C
3E067CA04
3E067EB27
3E067EE56
3E067EE59
3E067FA04
3E067FC01
3E067GB02
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC11
(57)【要約】
【課題】二重容器の容器本体に装着した弁部材の位置ずれを防止することができる、二重容器を提供する。
【解決手段】本発明によれば、容器本体と、弁部材を備える、二重容器であって、前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、前記外殻には、前記外殻と内袋の間の空間に外気を導入可能にする外気導入孔が設けられ、前記弁部材は、前記外気導入孔を通じたエアーの流れを制御可能に構成され、前記弁部材は、位置ずれ防止突起を備え、前記位置ずれ防止突起が前記容器本体に係合されていることによって前記弁部材の位置ずれが防止される、二重容器が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、弁部材を備える、二重容器であって、
前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、
前記外殻には、前記外殻と内袋の間の空間に外気を導入可能にする外気導入孔が設けられ、
前記弁部材は、前記外気導入孔を通じたエアーの流れを制御可能に構成され、
前記弁部材は、位置ずれ防止突起を備え、
前記位置ずれ防止突起が前記容器本体に係合されていることによって前記弁部材の位置ずれが防止される、二重容器。
【請求項2】
請求項1に記載の二重容器であって、
前記容器本体の底部には、中央凹領域と、その周囲に設けられる周縁領域が設けられ、
前記周縁領域には、弁部材収容凹部が設けられ、
前記外気導入孔は、前記弁部材収容凹部内に配置されており、
前記弁部材は、前記弁部材収容凹部内に収容される、二重容器。
【請求項3】
請求項2に記載の二重容器であって、
前記弁部材収容凹部は、前記容器本体の側面に向かって開口しており、
前記弁部材は、前記側面から前記弁部材収容凹部内に挿入可能である、二重容器。
【請求項4】
請求項3に記載の二重容器であって、
前記弁部材の挿入方向は、前記容器本体の底面に設けられたシール部の長手方向に垂直な方向である、二重容器。
【請求項5】
請求項2~請求項4の何れか1つに記載の二重容器であって、
前記弁部材は、先細り形状である、二重容器。
【請求項6】
請求項2~請求項5の何れか1つに記載の二重容器であって、
前記位置ずれ防止突起は、前記弁部材収容凹部内に設けられた突起収容凹部に係合する、二重容器。
【請求項7】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の二重容器であって、
前記位置ずれ防止突起は、前記外気導入孔に係合する、二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、二重容器の容器本体に、容器本体の側面に開口するスロットを設け、このスロット内に外気導入孔を設けると共に、外気導入孔を通じたエアーの流れを制御する弁部材をスロット内に装着する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案公告第212474572号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、スロット内の弁部材が位置ずれする虞がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、二重容器の容器本体に装着した弁部材の位置ずれを防止することができる、二重容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、容器本体と、弁部材を備える、二重容器であって、前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、前記外殻には、前記外殻と内袋の間の空間に外気を導入可能にする外気導入孔が設けられ、前記弁部材は、前記外気導入孔を通じたエアーの流れを制御可能に構成され、前記弁部材は、位置ずれ防止突起を備え、前記位置ずれ防止突起が前記容器本体に係合されていることによって前記弁部材の位置ずれが防止される、二重容器が提供される。
【0007】
本発明の二重容器では、弁部材に設けた位置ずれ防止突起が容器本体に係合されているので、弁部材の位置ずれが防止される。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の二重容器であって、前記容器本体の底部には、中央凹領域と、その周囲に設けられる周縁領域が設けられ、前記周縁領域には、弁部材収容凹部が設けられ、前記外気導入孔は、前記弁部材収容凹部内に配置されており、前記弁部材は、前記弁部材収容凹部内に収容される、二重容器である。
好ましくは、前記記載の二重容器であって、前記弁部材収容凹部は、前記容器本体の側面に向かって開口しており、前記弁部材は、前記側面から前記弁部材収容凹部内に挿入可能である、二重容器である。
好ましくは、前記記載の二重容器であって、前記弁部材の挿入方向は、前記容器本体の底面に設けられたシール部の長手方向に垂直な方向である、二重容器である。
好ましくは、前記記載の二重容器であって、前記弁部材は、先細り形状である、二重容器である。
好ましくは、前記記載の二重容器であって、前記位置ずれ防止突起は、前記弁部材収容凹部内に設けられた突起収容凹部に係合する、二重容器である。
好ましくは、前記記載の二重容器であって、前記位置ずれ防止突起は、前記外気導入孔に係合する、二重容器である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態の二重容器1を底部2c側から見た斜視図である。
図2図2Aは、図1の二重容器1の底面図であり、図2Bは、図2A中のB-B断面図である。
図3図3Aは、図2B中のA-A断面図であり、図3Bは、図2B中のB-B断面図である。
図4図1の領域Aの分解斜視図である。
図5図3Bの分解図である。
図6】本発明の第2実施形態についての、図5に対応する図である。
図7】本発明の第3実施形態についての、図3Aに対応する図であり、図7A及び図7Bは、それぞれ、弁部材3を弁部材収容凹部7に収容する前及び収容した後の状態を示す。
図8】本発明の第4実施形態についての、図4に対応する図である。
図9】本発明の第5実施形態についての、図3Aに対応する図である。
図10】本発明の第6実施形態についての、図2Bに対応する図である。
図11】本発明の第7実施形態についての、図3Aに対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0011】
1.第1実施形態
図1図5を用いて、本発明の第1実施形態の二重容器1について説明する。本実施形態の二重容器1は、容器本体2と、弁部材3を備える。この二重容器1は、好ましくは、容器本体2を圧縮することによって内容物を吐出するスクイズ式容器である。
【0012】
図1に示すように、容器本体2は、口部2aと、胴部2bと、底部2cを備える。口部2aは、開口端を有する筒状(好ましくは円筒状)部位である。口部2aは、キャップやポンプなどの口部装着部材を装着可能な係合部を備える。口部装着部材は、不図示の逆止弁を有しており、内容物の吐出は可能であるが、外気が容器本体2内に流入しないように構成される。
【0013】
胴部2bは、口部2aよりも開口端から離れた側に口部2aに隣接して配置される。胴部2bは、口部2aよりも外径(本明細書において、「外径」は、断面が円形でない場合は、外接円径を意味する。)が大きい。胴部2bは筒状であり、底部2cは、胴部2bの下端に設けられ、胴部2bの下端を閉塞する。
【0014】
図2Bに示すように、容器本体2は、内袋14と、内袋14を覆うように配置された外殻12を備える。内袋14内の内容物の減少に伴って内袋14が収縮する。外殻12には、外殻12と内袋14の間の空間に外気を導入可能にする外気導入孔15が設けられる。
【0015】
外殻12は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィンなどで構成される。内袋14は、複数の層から構成することが好ましい。例えば、外殻12と接触する層にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなるEVOH層を用い、内容物に接触する層に、例えば、上述のポリオレフィンからなる内面層を用いることができる。そして、上記EVOH層と内面層との間には、接着層を設けることが好ましい。
【0016】
容器本体2は、ダイレクトブロー成形によって形成することができる。この場合、容器本体2の底部2cには、一対の分割金型で筒状のパリソンを押し潰して、パリソンの対向する面同士を溶着することによって形成されるシール部27が設けられる。シール部27はシール強度を高めるために底面から突出していることが好ましいが、突出していなくてもよい。
【0017】
弁部材3は、外気導入孔15を通じたエアーの流れを制御可能に構成されている。図3Bに示すように、弁部材3に設けた位置ずれ防止突起3cが容器本体2に係合されている。位置ずれ防止突起3cは、弁部材3がその挿入方向に沿って移動することを防止する突起である。位置ずれ防止突起3cが容器本体2に係合されることによって、弁部材3が位置ずれすることが防止される。
【0018】
図4に示すように、容器本体2の底部2cには、中央凹領域2c1と、その周囲に設けられる周縁領域2c2が設けられている。周縁領域2c2によって容器本体2の接地面が構成される。周縁領域2c2には、弁部材収容凹部7が設けられている。外気導入孔15は、弁部材収容凹部7内に配置されている。弁部材3は、弁部材収容凹部7内に収容されている。この状態では、図3Aに示すように、弁部材3の外面が周縁領域2c2と面一になっており、弁部材3の外面が容器本体2の接地面の一部を構成している。
【0019】
図3B及び図4に示すように、弁部材収容凹部7は、容器本体2の側面2dに向かって開口しており、弁部材3は、側面2d側から弁部材収容凹部7内に挿入可能になっている。
【0020】
より具体的な構成は、以下の通りである。図3Aに示すように、弁部材収容凹部7は、幅広部7aと、幅狭部7bを備える。幅狭部7bは、幅広部7aよりも幅が狭い。幅広部7aと幅狭部7bは繋がっており、幅狭部7bが幅広部7aよりも容器本体2の底部2cの外表面側に配置される。弁部材3は、幅広部3aと、幅狭部3bを備える。幅狭部3bは、幅広部3aよりも幅が狭い。幅広部3aと幅狭部3bは繋がっている。幅広部3aは、幅広部7a内に収容可能であり、好ましくは幅広部7aの相補形状である。幅狭部3bは、幅狭部7b内に収容可能であり、好ましくは幅狭部7bの相補形状である。幅広部3aの幅は、幅狭部7bの幅よりも広いので、弁部材3を底部2c側から弁部材収容凹部7内に挿入することはできない。一方、幅広部3aと幅狭部3bは、側面2d側から幅広部7aと、幅狭部7bに挿入可能になっている。
【0021】
側面2dからの弁部材3の挿入方向は、シール部27の長手方向に垂直な方向(図2Aの左右方向)であることが好ましい。この方向は、言い換えると、ブロー成形の際の分割金型の開閉方向であり、この方向に延びる弁部材収容凹部7は、精度良く形成することが容易である。
【0022】
弁部材3は、筐体4と、コア5を備える。図2B及び図4に示すように、筐体4は、外側開口4aと、容器側開口4bと、コア挿入開口4cを備える。これらの開口は、筐体4の内部で互いに連通している。外側開口4aは、外部に開口しており、中央凹領域2c1に向いている。容器側開口4bは、外気導入孔15側に開口している。コア挿入開口4cは、側面2d側に開口している。図3Aに示すように、外側開口4aは、幅狭部3bに配置され、図4及び図5に示すように、容器側開口4bと、コア挿入開口4cは、幅広部3aに配置される。外気導入孔15は、弁部材収容凹部7内に設けた突起7d上に形成されており、図2Bに示すように、突起7dが容器側開口4b内に収容されている。
【0023】
コア挿入開口4cを通じて、筐体4内にコア5を挿入可能になっている。図2Bに示すように、コア5は、外側開口4aと容器側開口4bの間の流路4dを開閉可能に構成されている。具体的には、コア5は、ベース5aと、ベース5aから延びるフラップ5bを備える。ベース5aとフラップ5bの間にはヒンジ5cが設けられている。ベース5aは、フラップ5bよりもコア挿入開口4c側に設けられており、ベース5aがコア挿入開口4cを閉塞する。コア5は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、フラップ5bは、ベース5aを支点にして回動可能に構成されており、フラップ5bが回動することによって、流路4dが開閉される。ヒンジ5cは、フラップ5bが回動されやすくするためのものであり、不要な場合には省略可能である。また、コア5は、筐体4内で変位して流路4dを開閉するものであればよく、例えば、ボール弁のボールであってもよい。
【0024】
二重容器1内の内容物を吐出する際に外殻12を圧縮すると、外殻12と内袋14の間の中間空間にあるエアーによってフラップ5bが流路4dに押し付けられて流路4dが閉じられる。この状態では、外気導入孔15を通じてエアーが流出しないので、外殻12に加えた圧力が内袋14に伝わって内容物が吐出される。内容物の吐出後に外殻12に加えた力を除くと、外殻12の復元力によって外殻12と内袋14の間の中間空間が減圧されることによってフラップ5bが開かれて外側開口4aからのエアーが外気導入孔15を通じて中間空間内に流入する。これによって、外殻12が速やかに元の形状に復帰する。
【0025】
図5に示すように、位置ずれ防止突起3cは、幅広部3aの両側面から突出するように設けられている。幅広部7aの両側面には、位置ずれ防止突起3cを収容する突起収容凹部7cが設けられている。位置ずれ防止突起3cが突起収容凹部7cに係合することによって、容器本体2に対する弁部材3の位置ずれが防止される。位置ずれ防止突起3cには弁部材3の先端3dに向かって低くなる傾斜面3c1が設けられており、これによって、位置ずれ防止突起3cが幅広部7aの縁に当接して挿入が阻害されることが抑制される。
【0026】
位置ずれ防止突起3cは、容器側開口4bよりも弁部材3の先端3dから離れた位置に設けられている。位置ずれ防止突起3cを設ける位置が先端3dに近いほど、弁部材3を挿入するときに強い摩擦抵抗が加わる距離が長くなるので、弁部材3の挿入時の負荷が高くなるからである。
【0027】
位置ずれ防止突起3cは、弁部材3の位置ずれを防止可能な任意の位置に配置可能である。例えば、幅狭部3bに設けたり、弁部材3の底面3e(容器側開口4bが設けられている面)に設けてもよい。また、位置ずれ防止突起3cを弁部材3の底面3eに設ける場合、位置ずれ防止突起3cは、外気導入孔15に係合させてもよい。
【0028】
2.第2実施形態
図6を用いて、本発明の第2実施形態の二重容器1について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、弁部材3が先細りになっている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0029】
本実施形態では、弁部材3が先細りになっており、弁部材収容凹部7も同様に先細りになっている。このような構成により、弁部材3を挿入しやすくなる。なお、弁部材3を先細りにすることによって、弁部材3が位置ずれしやすくなるが、本実施形態では、弁部材3の位置ずれ防止突起3cが容器本体2に係合しているので、弁部材3を先細りにした場合でも位置ずれが防止される。
【0030】
3.第3実施形態
図7を用いて、本発明の第3実施形態の二重容器1について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、以下、相違点を中心に説明する。
【0031】
第1実施形態では、側面2dから弁部材3を弁部材収容凹部7内に挿入したが、本実施形態では、弁部材収容凹部7には、幅狭部7bが設けられておらず、弁部材3は、底部2cの周縁領域2c2に垂直な方向から弁部材収容凹部7内に挿入可能になっている。また、弁部材3は、本体部3fと、本体部3fから外気導入孔15に向かって突出する挿入部3gを備える。挿入部3gが、外気導入孔15内に挿入される。挿入部3gには、位置ずれ防止突起3cが設けられる。位置ずれ防止突起3cが外殻12の内側から外気導入孔15の縁に係合することによって、弁部材3の位置ずれが防止される。本実施形態では、挿入部3gを外気導入孔15に挿入する際に、内袋14を押圧して、外気導入孔15の近傍において内袋14を外殻12から剥離させることができる。これによって、外殻12と内袋14の間の空間への外気導入性が向上する。
【0032】
なお、挿入部3gは、弁部材3による弁の機能には関与せず、本体部3fのみで弁の機能が完結する。具体的には、本体部3fに、第1実施形態と同様のコア5が設けられ、外側開口4aと容器側開口4bの間の流路4dがコア5によって開閉されることによって、弁部材3の弁機能が発揮される。
【0033】
4.第4実施形態
図8を用いて、本発明の第4実施形態の二重容器1について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、以下、相違点を中心に説明する。
【0034】
本実施形態では、弁部材3の上面3h(底面3eの反対側の面)に、弾性部材3i(例えば板バネ)が配置されており、弾性部材3iによる付勢力によって弁部材3の底面3e(図2を参照)が弁部材収容凹部7の底面7e(外気導入孔15が設けられている面)に押し付けられる。底面3eと底面7eの間に隙間があると、内容物の吐出時に外殻12を圧縮したときに、底面3eと底面7eの間に隙間からエアーが漏れ出て、外殻12に加えた圧力が内袋14に伝わりにくくなるという問題があるが、本実施形態では、底面3eが底面7eに押し付けられるので、このようなエアーの漏れ出しが抑制される。弾性部材3iは、幅狭部3bの両側に設けることが好ましい。
【0035】
なお、本実施形態は、位置ずれ防止突起3cによる位置ずれ防止とは無関係に成立する発明に関するものであり、この観点の発明では、位置ずれ防止突起3cは必須ではない。
【0036】
すなわち、本観点の発明によれば、
容器本体と、弁部材を備える、二重容器であって、
前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、
前記外殻には、前記外殻と内袋の間の空間に外気を導入可能にする外気導入孔が設けられ、
前記弁部材は、前記外気導入孔を通じたエアーの流れを制御可能に構成され、
前記弁部材は、前記外気導入孔につながる開口を有する第1面を備え、
前記外殻は、前記外気導入孔が設けられた第2面を備え、
第1面が第2面に押し付けられるように付勢されている、二重容器が提供される。
【0037】
5.第5実施形態
図9を用いて、本発明の第5実施形態の二重容器1について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、以下、相違点を中心に説明する。
【0038】
本実施形態では、弁部材3の底面3eと弁部材収容凹部7の底面7eの間に外気導入孔15を取り囲むようにパッキン材8が設けられている。底面3eと底面7eの間に隙間があると、内容物の吐出時に外殻12を圧縮したときに、底面3eと底面7eの間に隙間からエアーが漏れ出て、外殻12に加えた圧力が内袋14に伝わりにくくなるという問題があるが、本実施形態では、パッキン材8を配置することで、このようなエアーの漏れ出しが抑制される。パッキン材8は環状であることが好ましい。底面3eと底面7eの少なくとも一方にはパッキン材8を収容する凹部が設けられていることが好ましい。
【0039】
なお、本実施形態は、位置ずれ防止突起3cによる位置ずれ防止とは無関係に成立する発明に関するものであり、この観点の発明では、位置ずれ防止突起3cは必須ではない。また、本実施形態のパッキン材8と、第4実施形態の弾性部材3iの併用によって、エアーの漏れ出しがより一層抑制される。
【0040】
すなわち、本観点の発明によれば、
容器本体と、弁部材を備える、二重容器であって、
前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、
前記外殻には、前記外殻と内袋の間の空間に外気を導入可能にする外気導入孔が設けられ、
前記弁部材は、前記外気導入孔を通じたエアーの流れを制御可能に構成され、
前記弁部材は、前記外気導入孔につながる開口を有する第1面を備え、
前記外殻は、前記外気導入孔が設けられた第2面を備え、
第1面と第2面の間に前記外気導入孔を取り囲むパッキン材が設けられる、二重容器が提供される。
【0041】
6.第6実施形態
図10を用いて、本発明の第6実施形態の二重容器1について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、以下、相違点を中心に説明する。
【0042】
弁部材3は、コア5のフラップ5bがベース5aを支点にして回動することによって流路4dを開閉するように構成されており、外殻12を圧縮していない状態でフラップ5bが流路4dに密着していることが好ましい。フラップ5bが流路4dに密着していないと、外殻12を圧縮した直後の時点では流路4dが開いているので、圧縮に伴ってエアーが逃げてしまって外殻12に加えた圧縮力が内袋14に伝達されないという現象が生じる。このような現象が生じると、少量吐出時の応答性が良好でないという問題が発生する場合がある。本実施形態では、このような問題を解決するために、弾性部材3j(例えば板バネ)による付勢力によってフラップ5bを、流路4dが設けられている面に押し付けるように構成している。つまり、流路4dを閉じる方向にフラップ5bが付勢されている。これによって、少量吐出時の応答性が向上する。
【0043】
なお、本実施形態は、位置ずれ防止突起3cによる位置ずれ防止とは無関係に成立する発明に関するものであり、この観点の発明では、位置ずれ防止突起3cは必須ではない。
【0044】
すなわち、本観点の発明によれば、
容器本体と、弁部材を備える、二重容器であって、
前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、
前記外殻には、前記外殻と内袋の間の空間に外気を導入可能にする外気導入孔が設けられ、
前記弁部材は、前記外気導入孔を通じたエアーの流れを制御可能に構成され、
前記弁部材は、フラップの回動に伴って前記エアーの流路を開閉するように構成され、
前記フラップは、前記流路を閉じる方向に付勢されている、二重容器が提供される。
【0045】
7.第7実施形態
図11を用いて、本発明の第7実施形態の二重容器1について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、以下、相違点を中心に説明する。
【0046】
弁部材3の幅広部3aは幅広部7aに収容されるが、製造ばらつきによって、幅広部7aの高さが幅広部3aの高さよりもわずかでも低くなってしまうと、弁部材3を弁部材収容凹部7内に挿入する際に、幅広部3aによって幅狭部7bが押し上げられて周縁領域2c2から突出した状態になってしまう場合がある。周縁領域2c2と弁部材3によって容器本体2の接地面が構成されるので、幅狭部7bが周縁領域2c2から突出すると、容器本体2を接地させたときにグラグラしてしまう。本実施形態では、このような問題を解決するために、幅狭部7bの外側の縁を面取りした面取り部7b1している。面取りは、C面取りであってもR面取りであってもよい。面取り部7b1を設けることによって、幅広部3aによって幅狭部7bが押し上げられても、周縁領域2c2から突出しにくくなるので、上記問題の発生が抑制される。
【0047】
なお、本実施形態は、位置ずれ防止突起3cによる位置ずれ防止とは無関係に成立する発明に関するものであり、この観点の発明では、位置ずれ防止突起3cは必須ではない。
【0048】
すなわち、本観点の発明によれば、
容器本体と、弁部材を備える、二重容器であって、
前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、
前記外殻には、前記外殻と内袋の間の空間に外気を導入可能にする外気導入孔が設けられ、
前記弁部材は、前記外気導入孔を通じたエアーの流れを制御可能に構成され、
前記弁部材は、弁部材収容凹部内に配置され、
前記弁部材収容凹部は、幅広部と、幅狭部を備え、
前記幅狭部は、前記幅広部よりも幅が狭く、
前記幅広部と前記幅狭部は繋がっており、前記幅狭部が前記幅広部よりも前記容器本体の外側に配置され、
前記幅狭部の外側の縁が面取りされている、二重容器が提供される。
【符号の説明】
【0049】
1 :二重容器
2 :容器本体
2a :口部
2b :胴部
2c :底部
2c1 :中央凹領域
2c2 :周縁領域
2d :側面
3 :弁部材
3a :幅広部
3b :幅狭部
3c :位置ずれ防止突起
3c1 :傾斜面
3d :先端
3e :底面
3f :本体部
3g :挿入部
3h :上面
3i :弾性部材
3j :弾性部材
4 :筐体
4a :外側開口
4b :容器側開口
4c :コア挿入開口
4d :流路
5 :コア
5a :ベース
5b :フラップ
5c :ヒンジ
7 :弁部材収容凹部
7a :幅広部
7b :幅狭部
7b1 :面取り部
7c :突起収容凹部
7d :突起
7e :底面
8 :パッキン材
12 :外殻
14 :内袋
15 :外気導入孔
27 :シール部
図1
図2
図3
図4
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図7
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図9
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図11