(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176811
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】光検出装置、光検出システム、および光検出方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/3745 20110101AFI20221122BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20221122BHJP
G01S 17/894 20200101ALI20221122BHJP
【FI】
H04N5/3745 200
G01S7/481 A
G01S17/894
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083436
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 基晴
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 竜太
(72)【発明者】
【氏名】細谷 昌宏
【テーマコード(参考)】
5C024
5J084
【Fターム(参考)】
5C024CX37
5C024CY17
5C024EX13
5C024GX03
5C024GX16
5C024GX18
5C024GY39
5C024GY41
5C024HX23
5C024HX50
5J084AA04
5J084AA05
5J084AD02
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5J084BA03
5J084BA20
5J084BA34
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5J084BB02
5J084CA03
5J084CA10
5J084CA20
5J084CA23
5J084CA44
5J084CA49
5J084CA53
5J084CA56
5J084CA65
5J084CA67
5J084CA69
5J084EA31
(57)【要約】
【課題】回路面積を小さくすることができる光検出装置を得る。
【解決手段】本開示の光検出装置は、第1の方向に並設された第1の受光画素および第2の受光画素と、第2の方向に延伸し第1の受光画素に接続された第1の信号線および第2の信号線と、第2の方向に延伸し第2の受光画素に接続された第3の信号線および第4の信号線と、第1の方向に延伸し第1の受光画素に接続された第1の制御線および第2の受光画素に接続された第2の制御線と、第1の制御回路とを備える。第1の受光画素の第1および第2の制御トランジスタのゲートは、第1の制御線に接続され、第1の受光画素の第1および第2の出力回路は、第1の信号線および第2の信号線にそれぞれ接続され、第2の受光画素の第1および第2の制御トランジスタのゲートは、第2の制御線に接続され、第2の受光画素の第1および第2の出力回路は、第3の信号線および第4の信号線にそれぞれ接続される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に並設された第1の受光画素および第2の受光画素と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の信号線および第2の信号線と、
前記第2の方向に延伸し、前記第2の受光画素に接続された第3の信号線および第4の信号線と、
前記第1の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の制御線および前記第2の受光画素に接続された第2の制御線と、
前記第1の制御線および前記第2の制御線を介して前記第1の受光画素および前記第2の受光画素の動作を制御可能な第1の制御回路と
を備え、
前記第1の受光画素および前記第2の受光画素のそれぞれは、
光に基づいて電荷を生成可能な受光素子と、
前記電荷を蓄積可能な第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、
オン状態になることにより前記受光素子と前記第1の蓄積素子とを接続可能な第1の転送トランジスタと、
オン状態になることにより前記受光素子と前記第2の蓄積素子とを接続可能な第2の転送トランジスタと、
オン状態になることにより前記第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能な第1の制御トランジスタと、
オン状態になることにより前記第2の蓄積素子に前記所定の電圧を印加可能な第2の制御トランジスタと、
前記第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第1の出力回路と、
前記第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第2の出力回路と
を有し、
前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第1の制御線に接続され、
前記第1の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第1の信号線および前記第2の信号線にそれぞれ接続され、
前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第2の制御線に接続され、
前記第2の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第3の信号線および前記第4の信号線にそれぞれ接続された
光検出装置。
【請求項2】
前記第1の制御回路は、第1の期間において前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタをオン状態にし、第2の期間において前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタをオン状態にすることが可能である
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
AD変換動作を行うことが可能な第1の変換回路および第2の変換回路と、
オン状態になることにより前記第1の信号線を前記第1の変換回路に接続可能な第1のスイッチと、
オン状態になることにより前記第2の信号線を前記第2の変換回路に接続可能な第2のスイッチと、
オン状態になることにより前記第3の信号線を前記第1の変換回路に接続可能な第3のスイッチと、
オン状態になることにより前記第4の信号線を前記第2の変換回路に接続可能な第4のスイッチと、
第1の動作期間において前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチをオン状態にし、第2の動作期間において前記第3のスイッチおよび前記第4のスイッチをオン状態にすることが可能な第2の制御回路と、
をさらに備えた
請求項2に記載の光検出装置。
【請求項4】
処理部をさらに備え、
前記第1の受光画素および前記第2の受光画素は、発光部から射出された光パルスのうちの、検出対象により反射された光パルスを検出可能であり、
前記第1の制御回路は、さらに、前記発光部の動作に応じて前記第1の転送トランジスタおよび前記第2の転送トランジスタの動作を制御可能であり、
前記処理部は、
前記第1の動作期間における前記第1の変換回路の第1の変換結果および前記第2の変換回路の第2の変換結果に基づいて、前記第1の受光画素において検出された前記光パルスの第1の飛行時間を算出可能であり、
前記第2の動作期間における前記第1の変換回路の第3の変換結果および前記第2の変換回路の第4の変換結果に基づいて、前記第2の受光画素において検出された前記光パルスの第2の飛行時間を算出可能である
請求項3に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記第1の変換結果および前記第2の変換結果に加え、さらに前記第3の変換結果および前記第4の変換結果にも基づいて、前記第1の飛行時間を算出可能であり
前記第3の変換結果および前記第4の変換結果に加え、さらに前記第1の変換結果および前記第2の変換結果にも基づいて、前記第2の飛行時間を算出可能である
請求項4に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記第1の制御回路は、第3の期間において、前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタと、前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタとをオン状態にすることが可能である
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項7】
AD変換動作を行うことが可能な第1の変換回路および第2の変換回路と、
オン状態になることにより前記第1の信号線を前記第1の変換回路に接続可能な第1のスイッチと、
オン状態になることにより前記第2の信号線を前記第2の変換回路に接続可能な第2のスイッチと、
オン状態になることにより前記第3の信号線を前記第1の変換回路に接続可能な第3のスイッチと、
オン状態になることにより前記第4の信号線を前記第2の変換回路に接続可能な第4のスイッチと、
第3の動作期間において、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、および前記第4のスイッチをオン状態にすることが可能な第2の制御回路をさらに備えた
請求項6に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記第1の制御線は、2つの制御線を含み、
前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタのゲートおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第1の制御線に含まれる前記2つの制御線にそれぞれ接続され、
前記第2の制御線は、2つの制御線を含み、
前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタのゲートおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第2の制御線に含まれる前記2つの制御線にそれぞれ接続され、
前記第1の制御回路は、前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタ、前記第1の受光画素の前記第2の制御トランジスタ、前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタ、および前記第2の受光画素の前記第2の制御トランジスタを、互いに異なる期間において順次オン状態にすることが可能である
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項9】
AD変換動作を行うことが可能な変換回路と、
オン状態になることにより前記第1の信号線を前記変換回路に接続可能な第1のスイッチと、
オン状態になることにより前記第2の信号線を前記変換回路に接続可能な第2のスイッチと、
オン状態になることにより前記第3の信号線を前記変換回路に接続可能な第3のスイッチと、
オン状態になることにより前記第4の信号線を前記変換回路に接続可能な第4のスイッチと、
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、および前記第4のスイッチを、互いに異なる期間において順次オン状態にすることが可能な第2の制御回路と
をさらに備えた
請求項8に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記第1の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第3の制御線、および前記第2の受光画素に接続された第4の制御線をさらに備え、
前記第1の受光画素および前記第2の受光画素のそれぞれは、さらに
前記電荷を蓄積可能な第3の蓄積素子および第4の蓄積素子と、
オン状態になることにより、前記第1の蓄積素子および前記第3の蓄積素子を接続可能な第3の制御トランジスタと、
オン状態になることにより、前記第2の蓄積素子および前記第4の蓄積素子を接続可能な第4の制御トランジスタと、
を有し、
前記第1の受光画素の前記第3の制御トランジスタおよび前記第4の制御トランジスタのゲートは、前記第3の制御線に接続され、
前記第2の受光画素の前記第3の制御トランジスタおよび前記第4の制御トランジスタのゲートは、前記第4の制御線に接続された
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項11】
光パルスを射出可能な発光部と、
第1の方向に並設され、前記発光部から射出された前記光パルスのうちの、検出対象により反射された光パルスを検出可能な第1の受光画素および第2の受光画素と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の信号線および第2の信号線と、
前記第2の方向に延伸し、前記第2の受光画素に接続された第3の信号線および第4の信号線と、
前記第1の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の制御線、および前記第2の受光画素に接続された第2の制御線と、
前記第1の制御線および前記第2の制御線を介して前記第1の受光画素および前記第2の受光画素の動作を制御可能な第1の制御回路と
を備え、
前記第1の受光画素および前記第2の受光画素のそれぞれは、
光に基づいて電荷を生成可能な受光素子と、
前記電荷を蓄積可能な第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、
オン状態になることにより前記受光素子と前記第1の蓄積素子とを接続可能な第1の転送トランジスタと、
オン状態になることにより前記受光素子と前記第2の蓄積素子とを接続可能な第2の転送トランジスタと、
オン状態になることにより前記第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能な第1の制御トランジスタと、
オン状態になることにより前記第2の蓄積素子に前記所定の電圧を印加可能な第2の制御トランジスタと、
前記第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第1の出力回路と、
前記第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第2の出力回路と
を有し、
前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第1の制御線に接続され、
前記第1の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第1の信号線および前記第2の信号線にそれぞれ接続され、
前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第2の制御線に接続され、
前記第2の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第3の信号線および前記第4の信号線にそれぞれ接続された
光検出システム。
【請求項12】
第1の方向に並設された第1の受光画素および第2の受光画素と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の信号線および第2の信号線と、前記第2の方向に延伸し、前記第2の受光画素に接続された第3の信号線および第4の信号線と、前記第1の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の制御線および前記第2の受光画素に接続された第2の制御線とを備え、前記第1の受光画素および前記第2の受光画素のそれぞれは、光に基づいて電荷を生成可能な受光素子と、前記電荷を蓄積可能な第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、オン状態になることにより前記受光素子と前記第1の蓄積素子とを接続可能な第1の転送トランジスタと、オン状態になることにより前記受光素子と前記第2の蓄積素子とを接続可能な第2の転送トランジスタと、オン状態になることにより前記第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能な第1の制御トランジスタと、オン状態になることにより前記第2の蓄積素子に前記所定の電圧を印加可能な第2の制御トランジスタと、前記第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第1の出力回路と、前記第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第2の出力回路とを有し、前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第1の制御線に接続され、前記第1の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第1の信号線および前記第2の信号線にそれぞれ接続され、前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第2の制御線に接続され、前記第2の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第3の信号線および前記第4の信号線にそれぞれ接続された光検出装置における、前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタを、第1の期間においてオン状態にすることと、
前記光検出装置における、前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタを、第2の期間においてオン状態にすることと
を含む光検出方法。
【請求項13】
第1の動作期間において、前記第1の信号線を、AD変換動作を行うことが可能な第1の変換回路に接続するとともに、前記第2の信号線を、AD変換動作を行うことが可能な第2の変換回路に接続することと、
第2の動作期間において、前記第3の信号線を前記第1の変換回路に接続するとともに、前記第4の信号線を前記第2の変換回路に接続することと
を含む
請求項12に記載の光検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光を検出する光検出装置、光検出システム、および光検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検出対象までの距離を計測する際、しばしば、ToF(Time Of Flight)法が用いられる。このToF法では、光を射出するとともに、検出対象により反射された反射光を検出する。そして、ToF法では、光を射出したタイミングおよび反射光を検出したタイミングの間の時間差を計測することにより、検出対象までの距離を計測する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光検出装置では、回路面積が小さいことが望まれており、さらなる回路面積の縮小が期待されている。
【0005】
回路面積を小さくすることができる光検出装置、光検出システム、および光検出方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態における光検出装置は、第1の受光画素および第2の受光画素と、第1の信号線および第2の信号線と、第3の信号線および第4の信号線と、第1の制御線および第2の制御線と、第1の制御回路とを備えている。第1の受光画素および第2の受光画素は、第1の方向に並設される。第1の信号線および第2の信号線は、第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、第1の受光画素に接続される。第3の信号線および第4の信号線は、第2の方向に延伸し、第2の受光画素に接続される。第1の制御線は、第1の方向に延伸し、第1の受光画素に接続される。第2の制御線は、第1の方向に延伸し、第2の受光画素に接続される。第1の制御回路は、第1の制御線および第2の制御線を介して第1の受光画素および第2の受光画素の動作を制御可能に構成される。第1の受光画素および第2の受光画素のそれぞれは、受光素子と、第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、第1の転送トランジスタと、第2の転送トランジスタと、第1の制御トランジスタと、第2の制御トランジスタと、第1の出力回路と、第2の出力回路とを有する。受光素子は、光に基づいて電荷を生成可能に構成される。第1の蓄積素子および第2の蓄積素子は、電荷を蓄積可能に構成される。第1の転送トランジスタは、オン状態になることにより受光素子と第1の蓄積素子とを接続可能に構成される。第2の転送トランジスタは、オン状態になることにより受光素子と第2の蓄積素子とを接続可能に構成される。第1の制御トランジスタは、オン状態になることにより第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能に供給される。第2の制御トランジスタは、オン状態になることにより第2の蓄積素子に所定の電圧を印加可能に供給される。第1の出力回路は、第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能に構成される。第2の出力回路は、第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能に構成される。第1の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタのゲートは、第1の制御線に接続され、第1の受光画素の第1の出力回路および第2の出力回路は、第1の信号線および第2の信号線にそれぞれ接続される。第2の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタのゲートは、第2の制御線に接続され、第2の受光画素の第1の出力回路および第2の出力回路は、第3の信号線および第4の信号線にそれぞれ接続される。
【0007】
本開示の一実施の形態における光検出システムは、発光部と、第1の受光画素および第2の受光画素と、第1の信号線および第2の信号線と、第3の信号線および第4の信号線と、第1の制御線および第2の制御線と、第1の制御回路とを備えている。発光部は、光パルスを射出可能に構成される。第1の受光画素および第2の受光画素は、第1の方向に並設され、発光部から射出された光パルスのうちの、検出対象により反射された光パルスを検出可能に構成される。第1の信号線および第2の信号線は、第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、第1の受光画素に接続される。第3の信号線および第4の信号線は、第2の方向に延伸し、第2の受光画素に接続される。第1の制御線は、第1の方向に延伸し、第1の受光画素に接続される。第2の制御線は、第1の方向に延伸し、第2の受光画素に接続される。第1の制御回路は、第1の制御線および第2の制御線を介して第1の受光画素および第2の受光画素の動作を制御可能に構成される。第1の受光画素および第2の受光画素のそれぞれは、受光素子と、第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、第1の転送トランジスタと、第2の転送トランジスタと、第1の制御トランジスタと、第2の制御トランジスタと、第1の出力回路と、第2の出力回路とを有する。受光素子は、光に基づいて電荷を生成可能に構成される。第1の蓄積素子および第2の蓄積素子は、電荷を蓄積可能に構成される。第1の転送トランジスタは、オン状態になることにより受光素子と第1の蓄積素子とを接続可能に構成される。第2の転送トランジスタは、オン状態になることにより受光素子と第2の蓄積素子とを接続可能に構成される。第1の制御トランジスタは、オン状態になることにより第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能に供給される。第2の制御トランジスタは、オン状態になることにより第2の蓄積素子に所定の電圧を印加可能に供給される。第1の出力回路は、第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能に構成される。第2の出力回路は、第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能に構成される。第1の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタのゲートは、第1の制御線に接続され、第1の受光画素の第1の出力回路および第2の出力回路は、第1の信号線および第2の信号線にそれぞれ接続される。第2の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタのゲートは、第2の制御線に接続され、第2の受光画素の第1の出力回路および第2の出力回路は、第3の信号線および第4の信号線にそれぞれ接続される。
【0008】
本開示の一実施の形態における光検出方法は、第1の方向に並設された第1の受光画素および第2の受光画素と、第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、第1の受光画素に接続された第1の信号線および第2の信号線と、第2の方向に延伸し、第2の受光画素に接続された第3の信号線および第4の信号線と、第1の方向に延伸し、第1の受光画素に接続された第1の制御線および第2の受光画素に接続された第2の制御線とを備え、第1の受光画素および第2の受光画素のそれぞれは、光に基づいて電荷を生成可能な受光素子と、電荷を蓄積可能な第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、オン状態になることにより受光素子と第1の蓄積素子とを接続可能な第1の転送トランジスタと、オン状態になることにより受光素子と第2の蓄積素子とを接続可能な第2の転送トランジスタと、オン状態になることにより第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能な第1の制御トランジスタと、オン状態になることにより第2の蓄積素子に所定の電圧を印加可能な第2の制御トランジスタと、第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第1の出力回路と、第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第2の出力回路とを有し、第1の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタのゲートは、第1の制御線に接続され、第1の受光画素の第1の出力回路および第2の出力回路は、第1の信号線および第2の信号線にそれぞれ接続され、第2の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタのゲートは、第2の制御線に接続され、第2の受光画素の第1の出力回路および第2の出力回路は、第3の信号線および第4の信号線にそれぞれ接続された光検出装置における、第1の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタを、第1の期間においてオン状態にすることと、光検出装置における、第2の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタを、第2の期間においてオン状態にすることとを含む。
【0009】
本開示の一実施の形態における光検出装置、光検出システム、および光検出方法では、第1の受光画素および第2の受光画素のそれぞれにおいて、受光素子により電荷が生成される。この電荷は、第1の転送トランジスタがオン状態になることにより第1の蓄積素子に蓄積され、第2の転送トランジスタがオン状態になることにより第2の蓄積素子に蓄積される。第1の制御トランジスタがオン状態になることにより、第1の蓄積素子には所定の電圧が印加される。第2の制御トランジスタがオン状態になることにより、第2の蓄積素子には所定の電圧が印加される。第1の出力回路により、第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧が出力され、第2の出力回路により、第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧が出力される。第1の受光画素および第2の受光画素は、第1の方向に並設される。第1の信号線および第2の信号線は、第2の方向に延伸し、第1の受光画素に接続される。第3の信号線および第4の信号線は、第2の方向に延伸し、第2の受光画素に接続される。第1の制御線は、第1の方向に延伸し、第1の受光画素に接続される。第2の制御線は、第1の方向に延伸し、第2の受光画素に接続される。第1の受光画素および第2の受光画素の動作は、第1の制御回路により、第1の制御線および第2の制御線を介して制御される。第1の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタのゲートは、第1の制御線に接続され、第1の受光画素の第1の出力回路および第2の出力回路は、第1の信号線および第2の信号線にそれぞれ接続される。第2の受光画素の第1の制御トランジスタおよび第2の制御トランジスタのゲートは、第2の制御線に接続され、記第2の受光画素の第1の出力回路および第2の出力回路は、第3の信号線および第4の信号線にそれぞれ接続される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る光検出システムの一構成例を表すブロック図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る光検出部の一構成例を表すブロック図である。
【
図3】
図2に示した画素アレイの一構成例を表す説明図である。
【
図4】
図3に示した受光画素の一構成例を表す回路図である。
【
図5】
図2に示した読出部の一構成例を表すブロック図である。
【
図6】
図2に示した光検出部の一実装例を表す説明図である。
【
図7】
図1に示した光検出システムの一動作例を表す説明図である。
【
図8】第1の実施の形態に係る光検出システムの一動作例を表すタイミング波形図である。
【
図9】
図1に示した光検出システムにおける露光動作の一例を表すタイミング波形図である。
【
図10A】
図5に示したスイッチ部の一動作状態を表す説明図である。
【
図10B】
図5に示したスイッチ部の他の一動作状態を表す説明図である。
【
図11】
図1に示した光検出システムにおける露光動作の一例を表すタイミング波形図である。
【
図12】
図2に示した処理部の一動作例を表す説明図である。
【
図13】第1の実施の形態の変形例に係る画素アレイの一構成例を表す説明図である。
【
図14】
図13に示した受光画素の一構成例を表す回路図である。
【
図15A】第1の実施の形態の他の変形例に係る処理部の一動作例を表す説明図である。
【
図15B】第1の実施の形態の他の変形例に係る処理部の一動作例を表す他の説明図である。
【
図15C】第1の実施の形態の他の変形例に係る処理部の一動作例を表す他の説明図である。
【
図16】第2の実施の形態に係る光検出部の一構成例を表すブロック図である。
【
図17】第2の実施の形態に係る光検出システムの一動作例を表すタイミング波形図である。
【
図18】第2の実施の形態に係るスイッチ部の一動作状態を表す説明図である。
【
図19】第3の実施の形態に係る光検出部の一構成例を表すブロック図である。
【
図20】
図19に示した画素アレイの一構成例を表す説明図である。
【
図21】
図20に示した受光画素の一構成例を表す回路図である。
【
図22】
図19に示した読出部の一構成例を表すブロック図である。
【
図23】第3の実施の形態の変形例に係る画素アレイの一構成例を表す説明図である。
【
図24】
図23に示した受光画素の一構成例を表す回路図である。
【
図25】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図26】撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.移動体への応用例
【0012】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る光検出システム(光検出システム1)の一構成例を表すものである。光検出システム1は、ToFセンサであり、検出対象に対して光を射出するとともに、検出対象により反射された反射光を検出するように構成される。光検出システム1は、発光部11と、光学系12と、光検出部20と、制御部14とを備えている。
【0013】
発光部11は、制御部14からの指示に基づいて、検出対象に向かって光パルスL0を射出するように構成される。発光部11は、制御部14からの指示に基づいて、発光および非発光を交互に繰り返す発光動作を行うことにより光パルスL0を射出するようになっている。発光部11は、例えば赤外光を射出する光源を有する。この光源は、例えば、レーザ光源やLED(Light Emitting Diode)などを用いて構成される。
【0014】
光学系12は、光検出部20の受光面Sにおいて像を結像させるレンズを含んで構成される。この光学系12には、発光部11から射出され、検出対象により反射された光パルス(反射光パルスL1)が入射するようになっている。
【0015】
光検出部20は、制御部14からの指示に基づいて、反射光パルスL1を検出するように構成される。そして、光検出部20は、検出結果に基づいて距離画像を生成し、生成した距離画像の画像データをデータDTとして出力するようになっている。
【0016】
制御部14は、発光部11および光検出部20に制御信号を供給し、これらの動作を制御することにより、光検出システム1の動作を制御するように構成される。
【0017】
図2は、光検出部20の一構成例を表すものである。光検出部20は、画素アレイ21と、駆動部22と、読出部30と、処理部24と、光検出制御部25とを有している。
【0018】
画素アレイ21は、複数の受光画素Pがマトリックス状に配置されたものである。各受光画素Pは、受光量に応じた画素信号SIGA,SIGBを出力するようになっている。
【0019】
図3は、画素アレイ21の一構成例を表すものである。なお、
図2には、画素アレイ21に加え、読出部30をも描いている。画素アレイ21は、複数の制御線OFGLと、複数の制御線RSTL1と、複数の制御線RSTL2と、複数の制御線FDGL1と、複数の制御線FDGL2と、複数の制御線SELLと、複数の信号線VSLAと、複数の信号線VSLBとを有している。制御線OFGL,RSTL1,RSTL2,FDGL1,FDGL2,SELLは、水平方向(
図3における横方向)に延伸するように構成される。信号線VSLA,VSLBは、垂直方向(
図3における縦方向)に延伸するように構成される。
【0020】
複数の受光画素Pは、複数の受光画素P1と、複数の受光画素P2とを含んでいる。
図3では、受光画素P2を網掛けで示している。受光画素P1は、制御線OFGL,RSTL1,FDGL1,SELL、および信号線VSLA,VSLBに接続される。受光画素P2は、制御線OFGL,RSTL2,FDGL2,SELL、および信号線VSLA,VSLBに接続される。受光画素P1および受光画素P2は、
図3に示したように、水平方向(
図3における横方向)において交互に配置される。水平方向に並設された1行分の受光画素P1および受光画素P2は、画素ラインを構成する。
【0021】
図4は、受光画素Pの一構成例を表すものである。受光画素Pは、フォトダイオードPDと、トランジスタOFGと、トランジスタGDA,GDBと、フローティングディフュージョンFDA,FDBと、トランジスタRSTA,RSTBと、トランジスタFGDA,FGDBと、フローティングディフュージョンFDA2,FDB2と、トランジスタAMPA,AMPBと、トランジスタSELA,SELBとを有している。トランジスタOFG,GDA,GDB,RSTA,RSTB,FDGA,FDGB,AMPA,AMPB,SELA,SELBは、この例では、N型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
【0022】
フォトダイオードPDは、受光量に応じて電荷を発生させる光電変換素子である。フォトダイオードPDのアノードは接地され、カソードはトランジスタGDA,GDB,OFGのソースに接続されている。
【0023】
トランジスタOFGのゲートは制御線OFGLに接続され、ドレインには電圧VOFGが供給され、ソースはフォトダイオードPDのカソードおよびトランジスタGDA,GDBのソースに接続される。トランジスタOFGのゲートには、駆動部22から、制御線OFGLを介して制御信号SOFGが供給される。
【0024】
トランジスタGDAのゲートには駆動部22により生成された制御信号SGDAが供給され、ソースはフォトダイオードPDのカソードおよびトランジスタGDB,OFGのソースに接続され、ドレインはフローティングディフュージョンFDA、トランジスタRSTAのソース、トランジスタFDGAのドレイン、およびトランジスタAMPAのゲートに接続される。
【0025】
フローティングディフュージョンFDAは、フォトダイオードPDからトランジスタGDAを介して供給された電荷を蓄積するように構成される。フローティングディフュージョンFDAは、例えば、半導体基板の表面に形成された拡散層を用いて構成される。この
図4では、フローティングディフュージョンFDAを、容量素子のシンボルを用いて示している。
【0026】
トランジスタRSTAのドレインには電圧VRSTが供給され、ソースはトランジスタGDAのドレイン、フローティングディフュージョンFDA、トランジスタFDGAのドレイン、およびトランジスタAMPAのゲートに接続される。受光画素P1のトランジスタRSTAのゲートは制御線RSTL1に接続される。受光画素P1のトランジスタRSTAのゲートには、駆動部22から、制御線RSTL1を介して制御信号SRST1が供給される。受光画素P2のトランジスタRSTAのゲートは制御線RSTL2に接続される。受光画素P2のトランジスタRSTAのゲートには、駆動部22から、制御線RSTL2を介して制御信号SRST2が供給される。
【0027】
トランジスタFDGAのドレインはトランジスタGDAのドレイン、フローティングディフュージョンFDA、トランジスタRSTAのソース、およびトランジスタAMPAのゲートに接続され、ソースはフローティングディフュージョンFDA2に接続される。受光画素P1のトランジスタFDGAのゲートは制御線FDGL1に接続される。受光画素P1のトランジスタFDGAのゲートには、駆動部22から、制御線FDGL1を介して制御信号SFDG1が供給される。受光画素P2のトランジスタFDGAのゲートは制御線FDGL2に接続される。受光画素P2のトランジスタFDGAのゲートには、駆動部22から、制御線FDGL2を介して制御信号SFDG2が供給される。
【0028】
フローティングディフュージョンFDA2は、フォトダイオードPDからトランジスタGDA,FDGAを介して供給された電荷を蓄積するように構成される。フローティングディフュージョンFDA2は、フローティングディフュージョンFDAと同様に、例えば、半導体基板の表面に形成された拡散層を用いて構成される。
【0029】
トランジスタAMPAのゲートはトランジスタGDAのドレイン、フローティングディフュージョンFDA、トランジスタRSTAのソース、およびトランジスタFDGAのドレインに接続され、ドレインには電源電圧VDDが供給され、ソースはトランジスタSELAのドレインに接続される。
【0030】
トランジスタSELAのゲートは制御線SELLに接続され、ドレインはトランジスタAMPAのソースに接続され、ソースは信号線VSLAに接続される。トランジスタSELAのゲートには、駆動部22から、制御線SELLを介して制御信号SSELが供給される。
【0031】
トランジスタGDBのゲートには駆動部22により生成された制御信号SGDBが供給され、ソースはフォトダイオードPDのカソードおよびトランジスタGDA,OFGのソースに接続され、ドレインはフローティングディフュージョンFDB、トランジスタRSTBのソース、トランジスタFDGBのドレイン、およびトランジスタAMPBのゲートに接続される。
【0032】
フローティングディフュージョンFDBは、フォトダイオードPDからトランジスタGDBを介して供給された電荷を蓄積するように構成される。フローティングディフュージョンFDBは、例えば、半導体基板の表面に形成された拡散層を用いて構成される。
【0033】
トランジスタRSTBのドレインには電圧VRSTが供給され、ソースはトランジスタGDBのドレイン、フローティングディフュージョンFDB、トランジスタFDGBのドレイン、およびトランジスタAMPBのゲートに接続される。受光画素P1のトランジスタRSTBのゲートは制御線RSTL1に接続される。受光画素P1のトランジスタRSTBのゲートには、駆動部22から、制御線RSTL1を介して制御信号SRST1が供給される。受光画素P2のトランジスタRSTBのゲートは制御線RSTL2に接続される。受光画素P2のトランジスタRSTBのゲートには、駆動部22から、制御線RSTL2を介して制御信号SRST2が供給される。
【0034】
トランジスタFDGBのドレインはトランジスタGDBのドレイン、フローティングディフュージョンFDB、トランジスタRSTBのソース、およびトランジスタAMPBのゲートに接続され、ソースはフローティングディフュージョンFDB2に接続される。受光画素P1のトランジスタFDGBのゲートは制御線FDGL1に接続される。受光画素P1のトランジスタFDGBのゲートには、駆動部22から、制御線FDGL1を介して制御信号SFDG1が供給される。受光画素P2のトランジスタFDGBのゲートは制御線FDGL2に接続される。受光画素P2のトランジスタFDGBのゲートには、駆動部22から、制御線FDGL2を介して制御信号SFDG2が供給される。
【0035】
フローティングディフュージョンFDB2は、フォトダイオードPDからトランジスタGDB,FDGBを介して供給された電荷を蓄積するように構成される。フローティングディフュージョンFDB2は、フローティングディフュージョンFDBと同様に、例えば、半導体基板の表面に形成された拡散層を用いて構成される。
【0036】
トランジスタAMPBのゲートはトランジスタGDBのドレイン、フローティングディフュージョンFDB、トランジスタRSTBのソース、およびトランジスタFDGBのドレインに接続され、ドレインには電源電圧VDDが供給され、ソースはトランジスタSELBのドレインに接続される。
【0037】
トランジスタSELBのゲートは制御線SELLに接続され、ドレインはトランジスタAMPBのソースに接続され、ソースは信号線VSLBに接続される。トランジスタSELBのゲートには、駆動部22から、制御線SELLを介して制御信号SSELが供給される。
【0038】
この構成により、受光画素Pでは、後述するように、露光動作において、トランジスタGDAおよびトランジスタGDBが交互にオン状態になる。例えば、トランジスタFDGA,FDGBがオフ状態である場合には、フォトダイオードPDにより生成された電荷は、フローティングディフュージョンFDAまたはフローティングディフュージョンFDBに選択的に蓄積される。例えば、トランジスタFDGA,FDGBがオン状態である場合には、フォトダイオードPDにより生成された電荷は、フローティングディフュージョンFDA,FDA2、またはフローティングディフュージョンFDB,FDB2に選択的に蓄積される。
【0039】
このように、トランジスタFDGA,FDGBがオフ状態である場合には、電荷は、フローティングディフュージョンFDAまたはフローティングディフュージョンFDBに選択的に蓄積される。この場合には、容量値が小さいので、受光画素Pにおける、電荷を電圧に変換する変換利得を高くすることができる。また、トランジスタFDGA,FDGBがオフ状態である場合には、電荷は、フローティングディフュージョンFDA,FDA2、またはフローティングディフュージョンFDB,FDB2に選択的に蓄積される。この場合には、容量値が大きいので、受光画素Pにおける、電荷を電圧に変換する変換利得を低くすることができるようになっている。
【0040】
また、受光画素Pでは、読出動作において、トランジスタSELA,SELBがオン状態になる。この場合には、
図3,4に示したように、トランジスタAMPAのソースは定電流源31A(後述)に接続され、トランジスタAMPBのソースは定電流源31B(後述)に接続される。これにより、トランジスタAMPA,AMPBはソースフォロワとして動作する。その結果、受光画素Pは、フローティングディフュージョンFDAにおける電圧に応じた電圧を、画素信号SIGAとして読出部30に供給し、フローティングディフュージョンFDBにおける電圧に応じた電圧を、画素信号SIGBとして読出部30に供給するようになっている。
【0041】
駆動部22(
図2)は、光検出制御部25からの指示に基づいて、複数の受光画素P1,P2を駆動するように構成される。具体的には、駆動部22は、複数の制御線OFGLに対して複数の制御信号SOFGをそれぞれ印加し、複数の制御線RSTL1に対して複数の制御信号SRST1をそれぞれ印加し、複数の制御線RSTL2に対して複数の制御信号SRST2をそれぞれ印加し、複数の制御線FDGL1に対して複数の制御信号SFDG1をそれぞれ印加し、複数の制御線FDGL2に対して複数の制御信号SFDG2をそれぞれ印加し、複数の制御線SELLに対して複数の制御信号SSELをそれぞれ印加する。また、駆動部22は、複数の受光画素P1,P2のそれぞれに対して、制御信号SGDA,SGDBを供給するようになっている。
【0042】
読出部30は、画素アレイ21から信号線VSLA,VSLBを介して供給された画素信号SIGA,SIGBに基づいてAD変換を行うことにより、データDT1を生成するように構成される。
【0043】
図5は、読出部30の一構成例を表すものである。なお、
図5には、読出部30に加え、処理部24および光検出制御部25をも描いている。読出部30は、スイッチ部29と、複数の定電流源31Aと、複数の定電流源31Bと、複数のAD(Analog to Digital)変換部32Aと、複数のAD変換部32Bと、転送制御部39とを有している。
【0044】
スイッチ部29は、光検出制御部25からの制御信号に基づいて、画素アレイ21における複数の信号線VSLAおよび複数の信号線VSLBを、読出部30における複数のAD変換部32Aおよび複数のAD変換部32Bに接続するように構成される。スイッチ部29は、複数のスイッチSW1と、複数のスイッチSW2と、複数のスイッチSW3と、複数のスイッチSW4とを有している。
【0045】
図3に示したように、スイッチSW1の一端は受光画素P1に接続された信号線VSLAに接続され、他端は定電流源31AおよびAD変換部32Aに接続される。スイッチSW2の一端は受光画素P1に接続された信号線VSLBに接続され、他端は定電流源31BおよびAD変換部32Bに接続される。スイッチSW3の一端は受光画素P2に接続された信号線VSLAに接続され、他端は定電流源31AおよびAD変換部32Aに接続される。スイッチSW4の一端は受光画素P2に接続された信号線VSLBに接続され、他端は定電流源31BおよびAD変換部32Bに接続される。
【0046】
定電流源31Aは、一端から他端に向かって所定の電流値の電流を流すように構成される。定電流源31Aの一端はスイッチSW1,SW3およびAD変換部32Aに接続され、他端は接地される。定電流源31Bは、一端から他端に向かって所定の電流値の電流を流すように構成される。定電流源31Bの一端はスイッチSW2,SW4およびAD変換部32Bに接続され、他端は接地される。
【0047】
AD変換部32Aは、スイッチSW1,SW3を介して供給された画素信号SIGAに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードを生成するように構成される。AD変換部32Aは、コンパレータ35と、カウンタ36と、ラッチ37とを有している。
【0048】
コンパレータ35は、参照信号RAMPおよび画素信号SIGAを比較し、その比較結果を示す信号CPを出力するように構成される。参照信号RAMPは、後述するように、AD変換を行う2つの期間(変換期間T1,T2)において、時間の経過に応じて電圧レベルが徐々に変化する、いわゆるランプ波形を有する。
【0049】
カウンタ36は、コンパレータ35から供給された信号CPに基づいて、光検出制御部25から供給されたクロック信号CLKのパルスをカウントするカウント動作を行うように構成される。具体的には、カウンタ36は、変換期間T1において、信号CPが遷移するまでクロック信号CLKのパルスをカウントすることによりカウント値CNT1を生成し、このカウント値CNT1を、複数のビットを有するデジタルコードとして出力する。また、カウンタ36は、変換期間T2において、信号CPが遷移するまでクロック信号CLKのパルスをカウントすることによりカウント値CNT2を生成し、このカウント値CNT2を、複数のビットを有するデジタルコードとして出力するようになっている。
【0050】
ラッチ37は、カウンタ36から供給されたデジタルコードを一時的に保持するとともに、転送制御部39からの指示に基づいて、そのデジタルコードをバス配線BUSに出力するように構成される。
【0051】
AD変換部32Bは、スイッチSW2,SW4を介して供給された画素信号SIGBに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードを生成するように構成される。AD変換部32Bは、AD変換部32Aと同様に、コンパレータ35と、カウンタ36と、ラッチ37とを有している。
【0052】
転送制御部39は、光検出制御部25から供給された制御信号CTLに基づいて、複数のAD変換部32A,32Bのラッチ37が、デジタルコードをバス配線BUSに順次出力するように制御するように構成される。読出部30は、このバス配線BUSを用いて、複数のAD変換部32A,32Bから供給された複数のデジタルコードを、データDT1として、処理部24に順次転送するようになっている。
【0053】
処理部24(
図2,5)は、光検出制御部25からの指示に基づいて、データDT1に対して処理の信号処理を行うことにより、各画素値が距離についての値を示す距離画像を生成するように構成される。
【0054】
光検出制御部25(
図2,5)は、駆動部22、読出部30、および処理部24に制御信号を供給し、これらの回路の動作を制御することにより、光検出部20の動作を制御するように構成される。
【0055】
光検出制御部25は、
図5に示したように、参照信号生成部26を有している。参照信号生成部26は、参照信号RAMPを生成するように構成される。参照信号RAMPは、AD変換を行う2つの期間(変換期間T1,T2)において、時間の経過に応じて電圧レベルが徐々に変化する、いわゆるランプ波形を有する。参照信号生成部26は、生成した参照信号RAMPを、読出部30の複数のAD変換部32A,32Bに供給するようになっている。
【0056】
次に、光検出部20の実装について説明する。光検出部20において、
図2に示した各ブロックは、例えば、1枚の半導体基板に形成されてもよいし、複数の半導体基板に形成されてもよい。
【0057】
図6は、2枚の半導体基板101,102に形成した場合における光検出部20の実装例を表すものである。半導体基板101は、光検出部20における受光面Sの側に配置され、半導体基板102は、光検出部20の受光面Sとは反対側に配置される。半導体基板101,102は互いに重ね合わされる。半導体基板101の配線と、半導体基板102の配線とは、配線103により接続される。配線103は、例えばCu-Cuなどの金属結合などを用いることができる。例えば、画素アレイ21は、半導体基板101に形成される。また、駆動部22、読出部30、処理部24、および光検出制御部25は、半導体基板102に形成される。
【0058】
ここで、受光画素P1は、本開示における「第1の受光画素」の一具体例に対応する。受光画素P2は、本開示における「第2の受光画素」の一具体例に対応する。受光画素P1に接続された信号線VSLAは、本開示における「第1の信号線」の一具体例に対応する。受光画素P1に接続された信号線VSLBは、本開示における「第2の信号線」の一具体例に対応する。受光画素P2に接続された信号線VSLAは、本開示における「第3の信号線」の一具体例に対応する。受光画素P2に接続された信号線VSLBは、本開示における「第2の信号線」の一具体例に対応する。制御線RSTL1は、本開示における「第1の制御線」の一具体例に対応する。制御線RSTL2は、本開示における「第2の制御線」の一具体例に対応する。制御線FDGL1は、本開示における「第3の制御線」の一具体例に対応する。制御線FDGL2は、本開示における「第4の制御線」の一具体例に対応する。駆動部22は、本開示における「第1の制御回路」の一具体例に対応する。処理部24は、本開示における「処理部」の一具体例に対応する。発光部11は、本開示における「発光部」の一具体例に対応する。
【0059】
フォトダイオードPDは、本開示における「受光素子」の一具体例に対応する。フローティングディフュージョンFDAは、本開示における「第1の蓄積素子」の一具体例に対応する。フローティングディフュージョンFDBは、本開示における「第2の蓄積素子」の一具体例に対応する。フローティングディフュージョンFDA2は、本開示における「第3の蓄積素子」の一具体例に対応する。フローティングディフュージョンFDB2は、本開示における「第4の蓄積素子」の一具体例に対応する。トランジスタGDAは、本開示における「第1の転送トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタGDBは、本開示における「第2の転送トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタRSTAは、本開示における「第1の制御トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタRSTBは、本開示における「第2の制御トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタFDGAは、本開示における「第3の制御トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタFDGBは、本開示における「第4の制御トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタAMPA,SELAは、本開示における「第1の出力回路」の一具体例に対応する。トランジスタAMPB,SELBは、本開示における「第2の出力回路」の一具体例に対応する。
【0060】
AD変換部32Aは、本開示における「第1の変換回路」の一具体例に対応する。AD変換部32Bは、本開示における「第2の変換回路」の一具体例に対応する。スイッチSW1は、本開示における「第1のスイッチ」の一具体例に対応する。スイッチSW2は、本開示における「第2のスイッチ」の一具体例に対応する。スイッチSW3は、本開示における「第3のスイッチ」の一具体例に対応する。スイッチSW4は、本開示における「第4のスイッチ」の一具体例に対応する。光検出制御部25は、本開示における「第2の制御回路」の一具体例に対応する。
【0061】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の光検出システム1の動作および作用について説明する。
【0062】
(全体動作概要)
まず、
図1,2を参照して、光検出システム1の全体動作概要を説明する。発光部11は、制御部14からの指示に基づいて、発光および非発光を交互に繰り返す発光動作を行うことにより、光パルスL0を射出する。光検出部20は、制御部14からの指示に基づいて、発光部11が射出した光パルスL0に応じた反射光パルスL1を受光することにより、距離画像を生成する。具体的には、光検出部20の画素アレイ21における複数の受光画素Pのそれぞれは、反射光パルスL1を受光することにより画素信号SIGA,SIGBを生成する。読出部30は、画素アレイ21から供給された画素信号SIGA,SIGBに基づいてAD変換を行うことにより、データDT1を生成する。処理部24は、データDT1に基づいて、各画素値が距離についての値を示す距離画像を生成し、この距離画像の画像データをデータDTとして出力する。
【0063】
(詳細動作)
光検出システム1は、まず、露光動作を行うことにより、複数の受光画素P1,P2のそれぞれにおけるフローティングディフュージョンFDA,FDA2,FDB,FDB2に電荷を蓄積する。そして、光検出システム1は、読出動作を行うことにより、複数の受光画素P1,P2から信号線VSLA,VSLBを介して供給された画素信号SIGA,SIGBに基づいてAD変換を行い、データDT1を生成する。そして、光検出システム1は、データDT1に基づいて距離画像を生成する。以下に、この動作について詳細に説明する。
【0064】
図7は、光検出システム1における露光動作D1および読出動作D2の一例を表すものである。この
図7において、上端は画素アレイ21の最上部を示し、下端は画素アレイ21の最下部を示す。
【0065】
光検出システム1は、タイミングt1~t2の期間において、露光動作D1を行う。具体的には、発光部11は、発光および非発光を交互に繰り返す発光動作を行うことにより、光パルスL0を射出する。また、駆動部22は、画素アレイ21における複数の受光画素P1,P2に対して制御信号SGDA,SGDBを供給し、複数の受光画素P1,P2は、光パルスL0に応じた反射光パルスL1を検出する。
【0066】
そして、光検出システム1は、タイミングt2~t3の期間において、読出動作D2を行う。具体的には、駆動部22は、画素アレイ21における複数の受光画素P1,P2を、画素ライン単位で順次駆動し、複数の受光画素P1,P2のそれぞれは、画素信号SIGA,SIGBを、信号線VSLA,VSLBを介して読出部30に供給する。そして、読出部30は、この画素信号SIGA,SIGBに基づいてAD変換を行うことにより、データDT1を生成する。
【0067】
光検出システム1は、このような露光動作D1および読出動作D2を繰り返す。処理部24は、データDT1に基づいて、各画素値が距離についての値を示す距離画像を生成する。
【0068】
次に、受光画素Pにおける変換利得が高い場合における、光検出システム1の動作について、詳細に説明する。
【0069】
図8は、光検出システム1の一動作例を表すものであり、(A)は発光部11の射出光の波形を示し、(B)は制御信号SGDAの波形を示し、(C)は制御信号SGDBの波形を示し、(D)は制御信号SOFGの波形を示し、(E)はn番目の画素ラインに係る制御信号SSEL(制御信号SSEL(n))の波形を示し、(F)は(n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SSEL(制御信号SSEL(n+1))の波形を示し、(G)はn番目の画素ラインに係る制御信号SRST1(制御信号SRST1(n))の波形を示し、(H)はn番目の画素ラインに係る制御信号SRST2(制御信号SRST2(n))の波形を示し、(I)は(n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SRST1(制御信号SRST1(n+1))の波形を示し、(J)は(n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SRST2(制御信号SRST2(n+1))の波形を示し、(K)はn番目の画素ラインに係る制御信号SFDG1(制御信号SFDG1(n))の波形を示し、(L)はn番目の画素ラインに係る制御信号SFDG2(制御信号SFDG2(n))の波形を示し、(M)は(n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SFDG1(制御信号SFDG1(n+1))の波形を示し、(N)は(n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SFDG2(制御信号SFDG2(n+1))の波形を示し、(O)はスイッチ部29におけるスイッチSW1,SW2に供給される制御信号SSW12の波形を示し、(P)はスイッチ部29におけるスイッチSW3,SW4に供給される制御信号SSW34の波形を示す。制御信号SSW12が低レベルである場合に、スイッチSW1,SW2はオフ状態になり、制御信号SSW12が高レベルである場合に、スイッチSW1,SW2はオン状態になる。同様に、制御信号SSW34が低レベルである場合に、スイッチSW3,SW4はオフ状態になり、制御信号SSW34が高レベルである場合に、スイッチSW3,SW4はオン状態になる。
【0070】
タイミングt11より前において、駆動部22は、全ての画素ラインに係る制御信号SOFGを高レベルに設定する(
図8(D))。これにより、全ての画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタOFGがオン状態になり、フォトダイオードPDのカソードに電圧VOFGが供給される。その結果、フォトダイオードPDはリセットされる。
【0071】
タイミングt11において、駆動部22は、全ての画素ラインに係る制御信号SFDG1,SFDG2を低レベルから高レベルに変化させる(
図8(K)~(N))。これにより、全ての画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタFDGA,FDGBがオン状態になる。
【0072】
次に、タイミングt12において、駆動部22は、全ての画素ラインに係る制御信号SRST1,SRST2を低レベルから高レベルに変化させる(
図8(G)~(J))。これにより、全ての画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタRSTA,RSTBがオン状態になる。その結果、フローティングディフュージョンFDA,FDA2,FDB,FDB2に電圧VRSTが供給され、フローティングディフュージョンFDA,FDA2,FDB,FDB2がリセットされる。
【0073】
次に、タイミングt13において、駆動部22は、全ての画素ラインに係る制御信号SFDG1,SFDG2を高レベルから低レベルに変化させる(
図8(K)~(N))。これにより、全ての画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタFDGA,FDGBがオフ状態になる。
【0074】
次に、タイミングt14において、駆動部22は、全ての画素ラインに係る制御信号SRST1,SRST2を高レベルから低レベルに変化させる(
図8(G)~(J))。これにより、全ての画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタRSTA,RSTBがオフ状態になる。
【0075】
次に、タイミングt15において、駆動部22は、全ての画素ラインに係る制御信号SOFGを高レベルから低レベルに変化させる(
図8(D))。これにより、全ての画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタOFGがオフ状態になる。
【0076】
次に、タイミングt15~t17の期間において、駆動部22は、制御信号SGDAおよび制御信号SGDBを、交互に高レベルにする(
図8(B),(C))。これにより、受光画素P1,P2では、トランジスタGDAおよびトランジスタGDBが、交互にオン状態になる。
【0077】
タイミングt16~t17において、発光部11は、発光および非発光を交互に繰り返す発光動作を行うことにより、光パルスL0を射出する(
図8(A))。発光部11の発光動作は、制御信号SGDA,SGDBと同期している。この例では、制御信号SGDAが低レベルであり制御信号SGDBが高レベルである期間において、発光部11は光を射出する。このようにして、発光部11は、光パルスL0を射出する。そして、検出対象により反射された反射光パルスL1が光検出部20に入射する。受光画素P1,P2では、フォトダイオードPDは、この反射光パルスL1に基づいて電荷を生成する。トランジスタGDAおよびトランジスタGDBは、交互にオン状態になる。すなわち、トランジスタGDA,GDBのいずれか一方がオン状態になる。これにより、フォトダイオードPDにより生成された電荷がフローティングディフュージョンFDAまたはフローティングディフュージョンFDBに選択的に蓄積される。
【0078】
図9は、受光画素Pの一動作例を表すものであり、(A)は発光部11の射出光の波形を示し、(B)はフォトダイオードPDへの入射光の波形を示し、(C)は制御信号SGDAの波形を示し、(D)は制御信号SGDBの波形を示す。この例では、タイミングt31において、光パルスL0が立ち上がり、制御信号SGDAが立ち下がり、制御信号SGDBが立ち上がる。そして、タイミングt31から位相が“π”だけ遅れたタイミングt33において、光パルスL0が立ち下がり、制御信号SGDAが立ち上がり、制御信号SGDBが立ち下がる。同様に、タイミングt33から位相が“π”だけ遅れたタイミングt35において、光パルスL0が立ち上がり、制御信号SGDAが立ち下がり、制御信号SGDBが立ち上がる。そして、タイミングt35から位相が“π”だけ遅れたタイミングt37において、光パルスL0が立ち下がり、制御信号SGDAが立ち上がり、制御信号SGDBが立ち下がる。
【0079】
反射光パルスL1の位相は、光パルスL0の位相よりも位相φだけずれる(
図9(B))。この位相φは、光検出システム1から検出対象までの距離に対応する。この例では、タイミングt31よりも位相φに対応する時間だけ遅れたタイミングt32において反射光パルスL1が立ち上がり、タイミングt33よりも位相φに対応する時間だけ遅れたタイミングt34において反射光パルスL1が立ち下がる。フォトダイオードPDは、この反射光パルスL1に基づいて、タイミングt32~t34の期間において電荷を生成する。
【0080】
トランジスタGDAは、制御信号SGDAが高レベルである期間において、フォトダイオードPDにより生成された電荷をフローティングディフュージョンFDAに転送し、トランジスタGDBは、制御信号SGDBが高レベルである期間において、フォトダイオードPDにより生成された電荷をフローティングディフュージョンFDBに転送する。すなわち、トランジスタGDAは、タイミングt33~t34の期間においてフォトダイオードPDにより生成された電荷をフローティングディフュージョンFDAに転送し、トランジスタGDBは、タイミングt32~t33の期間においてフォトダイオードPDにより生成された電荷をフローティングディフュージョンFDBに転送する。これにより、タイミングt32~t33の期間において、フローティングディフュージョンFDBに電荷QBが蓄積され、タイミングt33~t34の期間において、フローティングディフュージョンFDAに電荷QAが蓄積される。電荷QA,QBは、位相φに応じて変化し得る。
【0081】
図8に示したように、光検出システム1は、
図9に示したタイミングt31~t35における動作を繰り返す。これにより、フローティングディフュージョンFDAには、電荷QAが繰り返し蓄積され、フローティングディフュージョンFDBには、電荷QBが繰り返し蓄積される。これにより、フローティングディフュージョンFDAには、繰り返し蓄積された電荷QAに応じた電圧が生じ、同様に、フローティングディフュージョンFDBには、繰り返し蓄積された電荷QBに応じた電圧が生じる。
図8に示したタイミングt16~t17の動作は、露光動作D1(
図7)に対応する。
【0082】
そして、タイミングt17において、発光部11は発光動作を終了し(
図8(A))、駆動部22は、制御信号SGDAおよび制御信号SGDBを低レベルに設定する(
図8(B),(C))。
【0083】
また、このタイミングt17において、駆動部22は、全ての画素ラインに係る制御信号SOFGを高レベルに設定する(
図8(D))。これにより、受光画素P1,P2では、トランジスタOFGがオン状態になり、フォトダイオードPDのカソードに電圧VOFGが供給される。その結果、フォトダイオードPDはリセットされる。
【0084】
このタイミングt17以降において、光検出システム1は、読出動作D2(
図7)を行う。光検出システム1は、1つの画素ラインを単位として走査を行うことにより、読出動作D2を行う。以下に、n番目の画素ラインおよび(n+1)番目の画素ラインに係る読出動作D2について説明する。
【0085】
タイミングt21において、光検出制御部25は、制御信号SSW12を低レベルから高レベルに変化させ、制御信号SSW34を高レベルから低レベルに変化させる(
図8(O),(P))。これにより、スイッチ部29では、スイッチSW1,SW2がオン状態になり、スイッチSW3,SW4がオフ状態になる。
【0086】
図10Aは、スイッチ部29の動作を表すものである。このように、スイッチSW1,SW2がオン状態になり、スイッチSW3,SW4がオフ状態になると、n番目の画素ラインL(n)に係る受光画素P1に接続された信号線VSLAがAD変換部32Aに接続され、この受光画素P1に接続された信号線VSLBが、AD変換部32Bに接続される。
【0087】
そして、タイミングt22において、駆動部22は、制御信号SSEL(n)を低レベルから高レベルに変化させる(
図8(E))。これにより、n番目の画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタSELA,SELBがオン状態になる。
【0088】
これにより、n番目の画素ラインに係る受光画素P1におけるトランジスタAMPAのソースは、トランジスタSELA、信号線VSLA、およびスイッチSW1を介して定電流源31Aに接続され、トランジスタAMPAはソースフォロワとして動作する。同様に、この受光画素P1におけるトランジスタAMPBのソースは、トランジスタSELB、信号線VSLB、およびスイッチSW2を介して定電流源31Bに接続され、トランジスタAMPBはソースフォロワとして動作する。よって、n番目の画素ラインに係る受光画素P1は、フローティングディフュージョンFDAにおける電圧に応じた電圧を、画素信号SIGAとしてAD変換部32Aに供給するとともに、フローティングディフュージョンFDBにおける電圧に応じた電圧を、画素信号SIGBとしてAD変換部32Bに供給する。
【0089】
そして、AD変換部32Aは、この受光画素P1が生成した画素信号SIGAに基づいてAD変換を行い、AD変換部32Bは、この受光画素P1が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行う。このAD変換については、詳細に後述する。
【0090】
次に、タイミングt23において、光検出制御部25は、制御信号SSW12を高レベルから低レベルに変化させ、制御信号SSW34を低レベルから高レベルに変化させる(
図8(O),(P))。これにより、スイッチ部29では、スイッチSW1,SW2がオフ状態になり、スイッチSW3,SW4がオン状態になる。
【0091】
図10Bは、スイッチ部29の動作を表すものである。このように、スイッチSW1,SW2がオフ状態になり、スイッチSW3,SW4がオン状態になると、n番目の画素ラインL(n)に係る受光画素P2に接続された信号線VSLAがAD変換部32Aに接続され、この受光画素P2に接続された信号線VSLBがAD変換部32Bに接続される。
【0092】
これにより、n番目の画素ラインに係る受光画素P2におけるトランジスタAMPAのソースは、トランジスタSELA、信号線VSLA、およびスイッチSW3を介して定電流源31Aに接続され、トランジスタAMPAはソースフォロワとして動作する。同様に、この受光画素P2におけるトランジスタAMPBのソースは、トランジスタSELB、信号線VSLB、およびスイッチSW4を介して定電流源31Bに接続され、トランジスタAMPBはソースフォロワとして動作する。よって、n番目の画素ラインに係る受光画素P2は、フローティングディフュージョンFDAにおける電圧に応じた電圧を、画素信号SIGAとしてAD変換部32Aに供給するとともに、フローティングディフュージョンFDBにおける電圧に応じた電圧を、画素信号SIGBとしてAD変換部32Bに供給する。
【0093】
そして、AD変換部32Aは、この受光画素P2が生成した画素信号SIGAに基づいてAD変換を行い、AD変換部32Bは、この受光画素P2が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行う。
【0094】
次に、タイミングt24において、光検出制御部25は、制御信号SSW12を低レベルから高レベルに変化させ、制御信号SSW34を高レベルから低レベルに変化させる(
図8(O),(P))。これにより、スイッチ部29では、スイッチSW1,SW2がオン状態になり、スイッチSW3,SW4がオフ状態になる。その結果、
図10Aに示したように、受光画素P1に接続された信号線VSLA,VSLBが、AD変換部32A,32Bに接続される。
【0095】
そして、タイミングt25において、駆動部22は、制御信号SSEL(n)を高レベルから低レベルに変化させるとともに(
図8(E))、制御信号SSEL(n+1)を低レベルから高レベルに変化させる(
図8(F))。これにより、n番目の画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタSELA,SELBがオフ状態になり、(n+1)番目の画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタSELA,SELBがオン状態になる。その結果、(n+1)番目の画素ラインに係る受光画素P1は、画素信号SIGAをAD変換部32Aに供給するとともに、画素信号SIGBをAD変換部32Bに供給する。
【0096】
そして、AD変換部32Aは、この受光画素P1が生成した画素信号SIGAに基づいてAD変換を行い、AD変換部32Bは、この受光画素P1が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行う。
【0097】
次に、タイミングt26において、光検出制御部25は、制御信号SSW12を高レベルから低レベルに変化させ、制御信号SSW34を低レベルから高レベルに変化させる(
図8(O),(P))。これにより、スイッチ部29では、スイッチSW1,SW2がオフ状態になり、スイッチSW3,SW4がオン状態になる。その結果、
図10Bに示したように、受光画素P2に接続された信号線VSLA,VSLBが、AD変換部32A,32Bに接続される。そして、(n+1)番目の画素ラインに係る受光画素P2は、画素信号SIGAをAD変換部32Aに供給するとともに、画素信号SIGBをAD変換部32Bに供給する。
【0098】
そして、AD変換部32Aは、この受光画素P2が生成した画素信号SIGAに基づいてAD変換を行い、AD変換部32Bは、この受光画素P2が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行う。
【0099】
以下に、n番目の画素ラインに係る受光画素P1,P2に着目し、この受光画素P1,P2が生成する画素信号SIGAに基づいて、AD変換部32AがAD変換を行う動作について、詳細に説明する。
【0100】
図11は、AD変換部32AにおけるAD変換の一例を表すものであり、(A)は制御信号SSELの波形を示し、(B)は制御信号SRST1の波形を示し、(C)は制御信号SRST2の波形を示し、(D)は制御信号SFDG1の波形を示し、(E)は制御信号SFDG2の波形を示し、(F)は制御信号SSW12の波形を示し、(G)は制御信号SSW34の波形を示し、(H)は参照信号RAMPの波形を示し、(I)は画素信号SIGAの波形を示し、(J)は信号CMPの波形を示す。
【0101】
まず、タイミングt41において、光検出制御部25は、制御信号SSW12を低レベルから高レベルに変化させ、制御信号SSW34を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(F),(G))。これにより、
図10Aに示したように、スイッチ部29では、スイッチSW1,SW2がオン状態になり、スイッチSW3,SW4がオフ状態になる。その結果、受光画素P1に接続された信号線VSLA,VSLBが、AD変換部32A,32Bにそれぞれ接続される。
【0102】
次に、タイミングt42において、駆動部22は、制御信号SSELを低レベルから高レベルに変化させる(
図11(A))。これにより、受光画素P1,P2では、トランジスタSELA,SELBがオン状態になる。その結果、受光画素P1が生成した画素信号SIGAは、AD変換部32Aに供給され、受光画素P1が生成した画素信号SIGBは、AD変換部32Bに供給される。
【0103】
このようにして、受光画素P1が生成した画素信号SIGAは、AD変換部32Aに供給されるので、このタイミングt42において、画素信号SIGAの電圧は電圧VP1に変化する(
図11(I))。この電圧VP1は、受光画素P1における、電荷が蓄積されたフローティングディフュージョンFDAの電圧に応じた電圧である。
【0104】
次に、タイミングt43~t45の期間(変換期間T1)において、AD変換部32Aは、画素信号SIGAに基づいてAD変換を行う。具体的には、タイミングt43において、参照信号生成部26は、参照信号RAMPの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(
図11(H))。また、光検出制御部25は、クロック信号CLKの生成を開始し、AD変換部32Aのカウンタ36は、クロック信号CLKのパルスをカウントするカウント動作を開始する。
【0105】
そして、タイミングt44において、参照信号RAMPの電圧が画素信号SIGAの電圧を下回る(
図11(H),(I))。これに応じて、AD変換部32Aのコンパレータ35は、信号CMPを高レベルから低レベルに変化させる(
図11(J))。これにより、カウンタ36は、カウント動作を停止する。このときのカウンタ36のカウント値CNT1は、受光画素P1における、電荷が蓄積されたフローティングディフュージョンFDAの電圧に応じた値である。
【0106】
次に、タイミングt45において、参照信号生成部26は、変換期間T1の終了に伴い、参照信号RAMPの電圧の変化を停止させ、参照信号RAMPの電圧を電圧V1に設定する(
図11(H))。これに伴い、参照信号RAMPの電圧が画素信号SIGAの電圧を上回るので(
図11(H),(I))、AD変換部32Aのコンパレータ35は、信号CMPを低レベルから高レベルに変化させる(
図11(J))。また、光検出制御部25は、クロック信号CLKの生成を停止する。
【0107】
次に、タイミングt46において、駆動部22は、制御信号SRST1を低レベルから高レベルに変化させ(
図11(B))、制御信号SFDG1を低レベルから高レベルに変化させる(
図11(D))。これにより、受光画素P1では、トランジスタRSTA,RSTBがオン状態になるとともに、トランジスタFDGA,FDGBがオン状態になる。その結果、フローティングディフュージョンFDA,FDA2,FDB,FDB2に電圧VRSTが供給される。これにより、画素信号SIGAの電圧は、電圧VR1に変化する(
図11(I))。この電圧VR1は、受光画素P1における、リセットされたフローティングディフュージョンFDAの電圧VRSTに応じた電圧である。
【0108】
次に、タイミングt47において、駆動部22は、制御信号SFDG1を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(D))。これにより、受光画素P1では、トランジスタFDGA,FDGBがオフ状態になる。
【0109】
次に、タイミングt48において、駆動部22は、制御信号SRST1を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(B))。これにより、受光画素P1では、トランジスタRSTA,RSTBがオフ状態になる。
【0110】
次に、タイミングt49~t51の期間(変換期間T2)において、AD変換部32Aは、画素信号SIGAに基づいてAD変換を行う。具体的には、タイミングt49において、参照信号生成部26は、参照信号RAMPの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(
図11(H))。また、光検出制御部25は、クロック信号CLKの生成を開始し、AD変換部32Aのカウンタ36は、クロック信号CLKのパルスをカウントするカウント動作を開始する。
【0111】
そして、タイミングt50において、参照信号RAMPの電圧が画素信号SIGAの電圧を下回る(
図11(H),(I))。これに応じて、AD変換部32Aのコンパレータ35は、信号CMPを高レベルから低レベルに変化させる(
図11(J))。これにより、カウンタ36は、カウント動作を停止する。このときのカウンタ36のカウント値CNT2は、受光画素P1における、リセットされたフローティングディフュージョンFDAの電圧VRSTに応じた値である。
【0112】
次に、タイミングt51において、参照信号生成部26は、変換期間T2の終了に伴い、参照信号RAMPの電圧の変化を停止させ、参照信号RAMPの電圧を電圧V1に変化させる(
図11(H))。これに伴い、参照信号RAMPの電圧が画素信号SIGAの電圧を上回るので(
図11(H),(I))、AD変換部32Aのコンパレータ35は、信号CMPを低レベルから高レベルに変化させる(
図11(J))。また、光検出制御部25は、クロック信号CLKの生成を停止する。
【0113】
そして、AD変換部32Aのラッチ37は、タイミングt51~t52の期間において、カウント値CNT1を示すデジタルコード、およびカウント値CNT2を示すデジタルコードを、データDT1を用いて、処理部24に供給する。処理部24は、例えば、カウント値CNT2からカウント値CNT1を減算することにより、この受光画素P1における画素信号SIGAに係る画素値VALA1を算出する。
【0114】
この例では、AD変換部32Aの動作について説明したが、同様に、AD変換部32Bは、この受光画素P1が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行うことにより、カウント値CNT1,CNT2を生成する。処理部24は、カウント値CNT2からカウント値CNT1を減算することにより、この受光画素P1における画素信号SIGBに係る画素値VALB1を算出する。
【0115】
次に、タイミングt52において、光検出制御部25は、制御信号SSW12を高レベルから低レベルに変化させ、制御信号SSW34を低レベルから高レベルに変化させる(
図11(F),(G))。これにより、
図10Bに示したように、スイッチ部29では、スイッチSW1,SW2がオフ状態になり、スイッチSW3,SW4がオン状態になる。その結果、受光画素P2に接続された信号線VSLA,VSLBが、AD変換部32A,32Bにそれぞれ接続される。このようにして、受光画素P2が生成した画素信号SIGAは、AD変換部32Aに供給され、受光画素P2が生成した画素信号SIGBは、AD変換部32Bに供給される。
【0116】
このようにして、受光画素P2が生成した画素信号SIGAは、AD変換部32Aに供給されるので、このタイミングt52において、画素信号SIGAの電圧は電圧VP2に変化する(
図11(I))。この電圧VP2は、受光画素P2におけるフローティングディフュージョンFDAの電圧に応じた電圧である。
【0117】
次に、タイミングt53~t55の期間(変換期間T1)において、AD変換部32Aは、画素信号SIGAに基づいてAD変換を行う。具体的には、タイミングt53において、参照信号生成部26は、参照信号RAMPの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(
図11(H))。また、光検出制御部25は、クロック信号CLKの生成を開始し、AD変換部32Aのカウンタ36は、クロック信号CLKのパルスをカウントするカウント動作を開始する。
【0118】
そして、タイミングt54において、参照信号RAMPの電圧が画素信号SIGAの電圧を下回る(
図11(H),(I))。これに応じて、AD変換部32Aのコンパレータ35は、信号CMPを高レベルから低レベルに変化させる(
図11(J))。これにより、カウンタ36は、カウント動作を停止する。このときのカウンタ36のカウント値CNT1は、受光画素P2における、電荷が蓄積されたフローティングディフュージョンFDAの電圧に応じた値である。
【0119】
次に、タイミングt55において、参照信号生成部26は、変換期間T1の終了に伴い、参照信号RAMPの電圧の変化を停止させ、参照信号RAMPの電圧を電圧V1に設定する(
図11(H))。これに伴い、参照信号RAMPの電圧が画素信号SIGAの電圧を上回るので(
図11(H),(I))、AD変換部32Aのコンパレータ35は、信号CMPを低レベルから高レベルに変化させる(
図11(J))。また、光検出制御部25は、クロック信号CLKの生成を停止する。
【0120】
次に、タイミングt56において、駆動部22は、制御信号SRST2を低レベルから高レベルに変化させ(
図11(C))、制御信号SFDG2を低レベルから高レベルに変化させる(
図11(E))。これにより、受光画素P2では、トランジスタRSTA,RSTBがオン状態になるとともに、トランジスタFDGA,FDGBがオン状態になる。その結果、フローティングディフュージョンFDA,FDA2,FDB,FDB2に電圧VRSTが供給される。これにより、画素信号SIGAの電圧は、電圧VR2に変化する(
図11(I))。この電圧VR2は、受光画素P2における、リセットされたフローティングディフュージョンFDAの電圧VRSTに応じた電圧である。
【0121】
次に、タイミングt57において、駆動部22は、制御信号SFDG2を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(E))。これにより、受光画素P2では、トランジスタFDGA,FDGBがオフ状態になる。
【0122】
次に、タイミングt58において、駆動部22は、制御信号SRST2を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(C))。これにより、受光画素P2では、トランジスタRSTA,RSTBがオフ状態になる。
【0123】
次に、タイミングt59~t61の期間(変換期間T2)において、AD変換部32Aは、画素信号SIGAに基づいてAD変換を行う。具体的には、タイミングt59において、参照信号生成部26は、参照信号RAMPの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(
図11(H))。また、光検出制御部25は、クロック信号CLKの生成を開始し、AD変換部32Aのカウンタ36は、クロック信号CLKのパルスをカウントするカウント動作を開始する。
【0124】
そして、タイミングt60において、参照信号RAMPの電圧が画素信号SIGAの電圧を下回る(
図11(H),(I))。これに応じて、AD変換部32Aのコンパレータ35は、信号CMPを高レベルから低レベルに変化させる(
図11(J))。これにより、カウンタ36は、カウント動作を停止する。このときのカウンタ36のカウント値CNT2は、受光画素P1における、リセットされたフローティングディフュージョンFDAの電圧VRSTに応じた値である。
【0125】
次に、タイミングt61において、参照信号生成部26は、変換期間T2の終了に伴い、参照信号RAMPの電圧の変化を停止させ、参照信号RAMPの電圧を電圧V1に変化させる(
図11(H))。これに伴い、参照信号RAMPの電圧が画素信号SIGAの電圧を上回るので(
図11(H),(I))、AD変換部32Aのコンパレータ35は、信号CMPを低レベルから高レベルに変化させる(
図11(J))。また、光検出制御部25は、クロック信号CLKの生成を停止する。
【0126】
そして、AD変換部32Aのラッチ37は、タイミングt61~t62の期間において、カウント値CNT1を示すデジタルコード、およびカウント値CNT2を示すデジタルコードを、データDT1を用いて、処理部24に供給する。処理部24は、例えば、カウント値CNT2からカウント値CNT1を減算することにより、この受光画素P2における画素信号SIGAに係る画素値VALA2を算出する。
【0127】
この例では、AD変換部32Aの動作について説明したが、同様に、AD変換部32Bは、この受光画素P2が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行うことにより、カウント値CNT1,CNT2を生成する。処理部24は、カウント値CNT2からカウント値CNT1を減算することにより、この受光画素P2における画素信号SIGBに係る画素値VALB2を算出する。
【0128】
以上、受光画素Pにおける変換利得が高い場合における、光検出システム1の動作を説明したが、受光画素Pにおける変換利得を低くする場合には、全ての画素ラインに係る制御信号SFDG1,SFDG2を高レベルに維持する。この場合には、受光画素P1,P2において、フローティングディフュージョンFDAおよびフローティングディフュージョンFDA2は互いに接続され、フローティングディフュージョンFDBおよびフローティングディフュージョンFDB2は互いに接続される。その他の動作は、受光画素Pにおける変換利得が高い場合の動作と同じである。
【0129】
図12は、処理部24の一動作例を表すものである。
図11に示した期間のうちの前半期間において、処理部24は、受光画素P1における画素信号SIGAに係る画素値VALA1、およびその受光画素P1における画素信号SIGBに係る画素値VALB1を算出する。そして、
図11に示した期間のうちの後半期間において、処理部24は、受光画素P2における画素信号SIGAに係る画素値VALA1、およびその受光画素P2における画素信号SIGBに係る画素値VALB1を算出する。
【0130】
処理部24は、前半期間において算出された画素値VALA1,VALB1に対してノイズ除去処理を行い、ノイズ除去処理が行われた画素値VALA1,VALB1に基づいて、受光画素P1が検出した反射光パルスL1の光飛行時間を算出することにより、受光画素P1における距離値DP1を算出する。すなわち、画素値VALA1は、受光画素P1における、電荷QAが繰り返し蓄積されたフローティングディフュージョンFDAの電圧に応じた値であり、画素値VALB1は、受光画素P1における、電荷QBが繰り返し蓄積されたフローティングディフュージョンFDBの電圧に応じた値である。よって、処理部24は、ノイズ除去処理が行われた画素値VALA1,VALB1に基づいて、受光画素P1における距離値DP1を算出することができる。
【0131】
同様に、処理部24は、後半期間において算出された画素値VALA2,VALB2に対してノイズ除去処理を行い、ノイズ除去処理が行われた画素値VALA2,VALB2に基づいて、受光画素P2が検出した反射光パルスL1の光飛行時間を算出することにより、受光画素P2における距離値DP2を算出する。すなわち、画素値VALA2は、受光画素P2における、電荷QAが繰り返し蓄積されたフローティングディフュージョンFDAの電圧に応じた値であり、画素値VALB2は、受光画素P2における、電荷QBが繰り返し蓄積されたフローティングディフュージョンFDBの電圧に応じた値である。よって、処理部24は、ノイズ除去処理が行われた画素値VALA2,VALB2に基づいて、受光画素P2における距離値DP2を算出することができる。
【0132】
ここで、画素値VALA1は、本開示における「第1の変換結果」の一具体例に対応する。画素値VALB1は、本開示における「第2の変換結果」の一具体例に対応する。画素値VALA2は、本開示における「第3の変換結果」の一具体例に対応する。画素値VALB2は、本開示における「第4の変換結果」の一具体例に対応する。
【0133】
以上のように、光検出システム1では、水平方向に並設された受光画素P1,P2と、垂直方向に延伸し受光画素P1に接続された信号線VSLA,VSLBと、垂直方向に延伸し受光画素P2に接続された信号線VSLA,VSLBと、水平方向に延伸し、受光画素P1に接続された制御線RSTL1および受光画素P2に接続された制御線RSTL2と、制御線RSTL1および制御線RSTL2を介して受光画素P1,P2の動作を制御する駆動部22とを設けるようにした。そして、受光画素P1のトランジスタRSTA,RSTBのゲートを制御線RSTL1に接続し、受光画素P2のトランジスタRSTA,RSTBのゲートを制御線RSTL2に接続した。これにより、光検出システム1では、駆動部22は、
図11に示したように、第1の期間において、受光画素P1のトランジスタRSTA,RSTBをオン状態にし、第2の期間において、受光画素P2のトランジスタRSTA,RSTBをオン状態にすることができる。
【0134】
また、光検出システム1では、光検出制御部25は、例えば、第1の動作期間においてスイッチSW1,SW2をオン状態にし、第2の動作期間においてスイッチSW3,SW4をオン状態にするようにした。これにより、
図11に示したように、AD変換部32A,32Bは、前半期間において、受光画素P1が生成した画素信号SIGA,SIGBに基づいてAD変換を行い、後半期間において、受光画素P2が生成した画素信号SIGA,SIGBに基づいてAD変換を行うことができる。光検出システム1では、このように時分割的にAD変換を行うことにより、AD変換部32A,34Bの数を少なくすることができる。すなわち、このように時分割的に処理を行わない場合には、複数の信号線にそれぞれ対応するように複数のAD変換部を設ける必要がある。この場合には、複数のAD変換部の数が多くなってしまう。一方、光検出システム1では、この例では、
図3に示したように、受光画素P1に接続された信号線VSLA,VSLBおよび受光画素P2に接続された信号線VSLA,VSLBに対して、AD変換部32A,32Bを設けることができる。すなわち、4つの信号線に対して2つのAD変換部を設けることができる。これにより、光検出システム1では、回路面積を小さくすることができる。
【0135】
[効果]
以上のように本実施の形態では、水平方向に並設された受光画素P1,P2と、垂直方向に延伸し受光画素P1に接続された信号線VSLA,VSLBと、垂直方向に延伸し受光画素P2に接続された信号線VSLA,VSLBと、水平方向に延伸し、受光画素P1に接続された制御線RSTL1および受光画素P2に接続された制御線RSTL2と、制御線RSTL1および制御線RSTL2を介して受光画素P1,P2の動作を制御する駆動部22とを設けるようにした。そして、受光画素P1のトランジスタRSTA,RSTBのゲートを制御線RSTL1に接続し、受光画素P2のトランジスタRSTA,RSTBのゲートを制御線RSTL2に接続した。これにより、回路面積を小さくすることができる。
【0136】
[変形例1-1]
上記実施の形態では、
図4に示したように、トランジスタFDGA,FDGBおよびフローティングディフュージョンFDA2,FDB2を設け、受光画素Pにおける、電荷を電圧に変換する変換利得を変更可能にしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、
図13,14に示す画素アレイ21Aのように、トランジスタFDGA,FDGBおよびフローティングディフュージョンFDA2,FDB2を設けなくてもよい。この画素アレイ21Aは、複数の制御線OFGLと、複数の制御線RSTL1と、複数の制御線RSTL2と、複数の制御線SELLと、複数の信号線VSLAと、複数の信号線VSLBとを有している。受光画素P1は、制御線OFGL,RSTL1,SELL、および信号線VSLA,VSLBに接続される。受光画素P2は、制御線OFGL,RSTL2,SELL、および信号線VSLA,VSLBに接続される。
【0137】
[変形例1-2]
上記実施の形態では、
図12に示したように、処理部24は、前半期間において算出された画素値VALA1,VALB1に基づいて、受光画素P1における距離値DP1を算出し、後半期間において算出された画素値VALA2,VALB2に基づいて、受光画素P2における距離値DP2を算出するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、処理部24は、前半期間において得られた画素値VALA1,VALB1に加え、さらに後半期間において得られた画素値VALA2,VALB2にも基づいて距離値DP1を算出し、後半期間において得られた画素値VALA2,VALB2に加え、さらに前半期間において得られた画素値VALA1,VALB1にも基づいて距離値DP2を算出してもよい。以下に、本変形例に係る処理部24の動作について詳細に説明する。
【0138】
図15A~15Cは、本変形例に係る処理部24の一動作例を表すものである。まず処理部24は、
図15Aに示したように、前半期間において、受光画素P1における画素信号SIGAに係る画素値VALA1、およびその受光画素P1における画素信号SIGBに係る画素値VALB1を算出する。そして、処理部24は、後半期間において、受光画素P2における画素信号SIGAに係る画素値VALA1、およびその受光画素P2における画素信号SIGBに係る画素値VALB1を算出する。
【0139】
次に、処理部24は、
図15Bに示したように、前半期間において算出した画素値VALA1,VALB1に基づいて、受光画素P2における画素値VALA12,VALB12を生成する。例えば、画素値VALA12は画素値VALA1と同じであり、画素値VALB12は画素値VALB1と同じである。同様に、処理部24は、後半期間において算出した画素値VALA2,VALB2に基づいて、受光画素P1における画素値VALA21,VALB21を生成する。例えば、画素値VALA21は画素値VALA2と同じであり、画素値VALB21は画素値VALB2と同じである。
【0140】
次に、処理部24は、
図15Cに示したように、画素値VALA1,VALB1、および画素値VALA21,VALB21を合成し、合成した画素値に対してノイズ除去処理を行い、ノイズ除去処理が行われた画素値に基づいて、反射光パルスL1の光飛行時間を算出することにより、受光画素P1における距離値DP1を算出する。同様に、処理部24は、画素値VALA2,VALB2、および画素値VALA12,VALB12を合成し、合成した画素値に対してノイズ除去処理を行い、ノイズ除去処理が行われた画素値に基づいて、反射光パルスL1の光飛行時間を算出することにより、受光画素P2における距離値DP2を算出する。
【0141】
これにより、本変形例では、上記実施の形態の場合に比べて、距離画像におけるノイズを低減することができる。
【0142】
本変形例では、処理部24は、
図15A~15Cに示した方法により距離値DP1,DP2を生成するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、処理部24は、2つの第1の動作モードおよび第2の動作モードを有し、第1の動作モードでは、処理部24は、上記実施の形態に示した方法により距離値DP1,DP2を算出し、第2の動作モードでは、
図15A~15Cに示した方法により距離値DP1,DP2を算出してもよい。
【0143】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0144】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る光検出システムについて説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の駆動方法とは異なる駆動方法を用いて、画素アレイ21を駆動するものである。なお、上記第1の実施の形態に係る光検出システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0145】
図16は、第2の実施の形態に係る光検出システムにおける光検出部40の一構成例を表すものである。光検出部40は、駆動部42と、光検出制御部45とを有している。
【0146】
駆動部42は、光検出制御部45からの指示に基づいて、複数の受光画素P1,P2を駆動するように構成される。
【0147】
光検出制御部45は、駆動部42、読出部30、および処理部24に制御信号を供給し、これらの回路の動作を制御することにより、光検出部40の動作を制御するように構成される。
【0148】
図17は、本実施の形態に係る光検出システムの一動作例を表すものであり、(A)は発光部11の射出光の波形を示し、(B)は制御信号SGDAの波形を示し、(C)は制御信号SGDBの波形を示し、(D)は制御信号SOFGの波形を示し、(E)は(2n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SSEL(制御信号SSEL(2n+1))の波形を示し、(F)は(2n+2)番目の画素ラインに係る制御信号SSEL(制御信号SSEL(2n+2))の波形を示し、(G)は(2n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SRST1(制御信号SRST1(2n+1))の波形を示し、(H)は(2n+2)番目の画素ラインに係る制御信号SRST2(制御信号SRST2(2n+2))の波形を示し、(I)は(2n+2)番目の画素ラインに係る制御信号SRST1(制御信号SRST1(2n+2))の波形を示し、(J)は(2n+2)番目の画素ラインに係る制御信号SRST2(制御信号SRST2(2n+2))の波形を示し、(K)は(2n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SFDG1(制御信号SFDG1(2n+1))の波形を示し、(L)は(2n+1)番目の画素ラインに係る制御信号SFDG2(制御信号SFDG2(2n+1))の波形を示し、(M)は(2n+2)番目の画素ラインに係る制御信号SFDG1(制御信号SFDG1(2n+2))の波形を示し、(N)は(2n+2)番目の画素ラインに係る制御信号SFDG2(制御信号SFDG2(2n+2))の波形を示し、(O)はスイッチ部29におけるスイッチSW1,SW2に供給される制御信号SSW12の波形を示し、(P)はスイッチ部29におけるスイッチSW3,SW4に供給される制御信号SSW34の波形を示す。
【0149】
タイミングt17までの動作は、上記第1の実施の形態に係る光検出システム1の動作(
図8)と同じである。このタイミングt17以降において、本実施の形態に係る光検出システムは、読出動作D2(
図7)を行う。本実施の形態に係る光検出システムは、2つの画素ラインを単位として走査を行うことにより、読出動作D2を行う。以下に、(2n+1)番目の画素ラインおよび(2n+2)番目の画素ラインに係る読出動作D2について説明する。
【0150】
タイミングt71において、光検出制御部45は、制御信号SSW12を低レベルから高レベルに変化させ、制御信号SSW34を低レベルから高レベルに変化させる(
図17(O),(P))。これにより、スイッチ部29では、スイッチSW1,SW2,SW3,SW4がオン状態になる。
【0151】
図18は、スイッチ部29の動作を表すものである。このように、スイッチSW1,SW2,SW3,SW4がオン状態になると、(2n+1)番目の画素ラインL(2n+1)および(2n+2)番目の画素ラインL(2n+2)に係る受光画素P1,P2に接続された2つの信号線VSLAがAD変換部32Aに接続され、これらの受光画素P1,P2に接続された2つの信号線VSLBがAD変換部32Bに接続される。
【0152】
そして、タイミングt72において、駆動部42は、制御信号SSEL(2n+1)を低レベルから高レベルに変化させ(
図17(E))、制御信号SSEL(2n+2)を低レベルから高レベルに変化させる(
図17(F))。これにより、(2n+1)番目の画素ラインおよび(2n+2)番目の画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタSELA,SELBがオン状態になる。
【0153】
これにより、
図18に示した4つの受光画素P(2つの受光画素P1および2つの受光画素P2)は、フローティングディフュージョンFDAにおける電圧に応じた電圧を、画素信号SIGAとしてAD変換部32Aに供給することができる。例えば、4つの受光画素Pにおいて、フローティングディフュージョンFDAにおける電圧がほぼ同じである場合には、これらの4つの受光画素Pが、画素信号SIGAをAD変換部32Aに供給する
。
【0154】
同様に、
図18に示した4つの受光画素P(2つの受光画素P1および2つの受光画素P2)は、フローティングディフュージョンFDBにおける電圧に応じた電圧を、画素信号SIGBとしてAD変換部32Bに供給することができる。例えば、4つの受光画素Pにおいて、フローティングディフュージョンFDBにおける電圧がほぼ同じである場合には、これらの4つの受光画素Pが、画素信号SIGBをAD変換部32Bに供給する。
【0155】
この例では、制御信号SRST1(2n+1),SRST2(2n+1),SRST1(2n+2),SRST1(2n+2)は、互いに同じ信号である(
図17(G)~(J))。また、制御信号SFDG1(2n+1),SFDG2(2n+1),SFDG1(2n+2),SFDG2(2n+2)は、互いに同じ信号である(
図17(K)~(N))。よって、(2n+1)番目の画素ラインおよび(2n+2)番目の画素ラインに係る受光画素P1,P2は、同じタイミングで駆動される。
【0156】
AD変換部32Aは、この受光画素P1が生成した画素信号SIGAに基づいてAD変換を行い、AD変換部32Bは、この受光画素P1が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行う。
【0157】
そして、タイミングt73において、駆動部42は、制御信号SSEL(2n+1)を高レベルから低レベルに変化させ(
図17(E))、制御信号SSEL(2n+2)を高レベルから低レベルに変化させる(
図17(F))。これにより、(2n+1)番目の画素ラインおよび(2n+2)番目の画素ラインに係る受光画素P1,P2では、トランジスタSELA,SELBがオフ状態になる。
【0158】
以上のように、本実施の形態に係る光検出システムでは、駆動部42は、受光画素P1のトランジスタRSTA,RSTBと、受光画素P2のトランジスタRSTA,RSTBとを、同じ期間においてオン状態にした。また、光検出制御部45は、スイッチSW1~SW4を、同じ動作期間においてオン状態にした。これにより、本実施の形態に係る光検出システムでは、例えば、4つの受光画素Pが画素信号SIGAをAD変換部32Aに供給し、4つの受光画素Pが画素信号SIGBをAD変換部32Bに供給することができる。これにより、例えば、画素信号SIGA,SIGBが変化する時間を短くすることができる。また、4つのトランジスタAMPAが画素信号SIGAを出力するとともに、4つのトランジスタAMPBが画素信号SIGBを出力するので、トランジスタのゲート幅が等価的に増えるので、S/N比を高めることができる。
【0159】
以上のように本実施の形態では、駆動部42は、受光画素P1のトランジスタRSTA,RSTBと、受光画素P2のトランジスタRSTA,RSTBとを、同じ期間においてオン状態にした。また、光検出制御部45は、スイッチSW1~SW4を、同じ動作期間においてオン状態にした。これにより、例えば、画素信号SIGA,SIGBが変化する時間を短くすることができる。また、例えば、S/N比を高めることができる。
【0160】
[変形例2]
例えば、上記第2の実施の形態に係る光検出システムは、第1の動作モードおよび第2の動作モードを有し、第1の動作モードでは、上記第1の実施の形態のように動作し、第2の動作モードでは、上記第2の実施の形態のように動作してもよい。
【0161】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る光検出システムについて説明する。本実施の形態は、受光画素Pにおける2つのトランジスタRSTA,RSTBが互いに異なるタイミングで動作するものである。なお、上記第1の実施の形態に係る光検出システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0162】
図19は、第3の実施の形態に係る光検出システムにおける光検出部60の一構成例を表すものである。光検出部60は、画素アレイ61と、駆動部62と、読出部70と、光検出制御部65とを有している。
【0163】
図20は、画素アレイ61の一構成例を表すものである。画素アレイ61は、複数の制御線OFGLと、複数の制御線RSTAL1と、複数の制御線RSTBL1と、複数の制御線RSTAL2と、複数の制御線RSTBL2と、複数の制御線FDGAL1と、複数の制御線FDGBL1と、複数の制御線FDGAL2と、複数の制御線FDGBL2と、複数の制御線SELLと、複数の信号線VSLAと、複数の信号線VSLBとを有している。制御線RSTAL1,RSTBL1,RSTAL2,RSTBL2,FDGAL1,FDGBL1,FDGAL2,FDGBL2は、水平方向(
図20における横方向)に延伸するように構成される。
【0164】
受光画素P1は、制御線OFGL,RSTAL1,RSTBL1,FDGAL1,FDGBL1,SELL、および信号線VSLA,VSLBに接続される。受光画素P2は、制御線OFGL,RSTAL2,RSTBL2,FDGAL2,FDGBL2,SELL、および信号線VSLA,VSLBに接続される。
【0165】
【0166】
受光画素P1のトランジスタRSTAのゲートは制御線RSTAL1に接続される。受光画素P1のトランジスタRSTAのゲートには、駆動部62から、制御線RSTAL1を介して制御信号SRSTA1が供給される。受光画素P2のトランジスタRSTAのゲートは制御線RSTAL2に接続される。受光画素P2のトランジスタRSTAのゲートには、駆動部62から、制御線RSTAL2を介して制御信号SRSTA2が供給される。
【0167】
受光画素P1のトランジスタFDGAのゲートは制御線FDGAL1に接続される。受光画素P1のトランジスタFDGAのゲートには、駆動部62から、制御線FDGAL1を介して制御信号SFDGA1が供給される。受光画素P2のトランジスタFDGAのゲートは制御線FDGAL2に接続される。受光画素P2のトランジスタFDGAのゲートには、駆動部62から、制御線FDGAL2を介して制御信号SFDGA2が供給される。
【0168】
受光画素P1のトランジスタRSTBのゲートは制御線RSTBL1に接続される。受光画素P1のトランジスタRSTBのゲートには、駆動部62から、制御線RSTBL1を介して制御信号SRSTB1が供給される。 受光画素P2のトランジスタRSTBのゲートは制御線RSTBL2に接続される。受光画素P2のトランジスタRSTBのゲートには、駆動部62から、制御線RSTBL2を介して制御信号SRSTB2が供給される。
【0169】
受光画素P1のトランジスタFDGBのゲートは制御線FDGBL1に接続される。受光画素P1のトランジスタFDGBのゲートには、駆動部62から、制御線FDGBL1を介して制御信号SFDGB1が供給される。受光画素P2のトランジスタFDGBのゲートは制御線FDGBL2に接続される。受光画素P2のトランジスタFDGBのゲートには、駆動部62から、制御線FDGBL2を介して制御信号SFDGB2が供給される。
【0170】
駆動部62(
図19)は、光検出制御部65からの指示に基づいて、複数の受光画素P1,P2を駆動するように構成される。具体的には、駆動部62は、複数の制御線OFGLに対して複数の制御信号SOFGをそれぞれ印加し、複数の制御線RSTAL1に対して複数の制御信号SRSTA1をそれぞれ印加し、複数の制御線RSTBL1に対して複数の制御信号SRSTB1をそれぞれ印加し、複数の制御線RSTAL2に対して複数の制御信号SRSTA2をそれぞれ印加し、複数の制御線RSTBL2に対して複数の制御信号SRSTB2をそれぞれ印加し、複数の制御線FDGAL1に対して複数の制御信号SFDGA1をそれぞれ印加し、複数の制御線FDGBL1に対して複数の制御信号SFDGB1をそれぞれ印加し、複数の制御線FDGAL2に対して複数の制御信号SFDGA2をそれぞれ印加し、複数の制御線FDGBL2に対して複数の制御信号SFDGB2をそれぞれ印加し、複数の制御線SELLに対して複数の制御信号SSELをそれぞれ印加する。また、駆動部62は、複数の受光画素P1,P2のそれぞれに対して、制御信号SGDA,SGDBを供給するようになっている。
【0171】
読出部70は、画素アレイ61から信号線VSLA,VSLBを介して供給された画素信号SIGA,SIGBに基づいてAD変換を行うことにより、データDT1を生成するように構成される。
【0172】
図22は、読出部70の一構成例を表すものである。読出部70は、スイッチ部69と、複数の定電流源71と、複数のAD変換部72と、転送制御部79とを有している。
【0173】
スイッチ部69は、複数のスイッチSW1と、複数のスイッチSW2と、複数のスイッチSW3と、複数のスイッチSW4とを有している。
図18に示したように、スイッチSW1の一端は受光画素P1に接続された信号線VSLAに接続され、他端は定電流源71およびAD変換部72に接続される。スイッチSW2の一端は受光画素P1に接続された信号線VSLBに接続され、他端は定電流源71およびAD変換部72に接続される。スイッチSW3の一端は受光画素P2に接続された信号線VSLAに接続され、他端は定電流源71およびAD変換部72に接続される。スイッチSW4の一端は受光画素P2に接続された信号線VSLBに接続され、他端は定電流源71およびAD変換部72に接続される。
【0174】
定電流源71の一端はスイッチSW1~SW4およびAD変換部72に接続され、他端は接地される。
【0175】
AD変換部72は、スイッチSW1~SW4を介して供給された画素信号SIGA,SIGBに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードを生成するように構成される。AD変換部72は、上記第1の実施の形態に係るAD変換部32A,32Bと同様に、コンパレータ35と、カウンタ36と、ラッチ37とを有している。
【0176】
転送制御部79は、光検出制御部65から供給された制御信号CTLに基づいて、複数のAD変換部72のラッチ37が、デジタルコードをバス配線BUSに順次出力するように制御するように構成される。
【0177】
光検出制御部65(
図19)は、駆動部62、読出部70、および処理部24に制御信号を供給し、これらの回路の動作を制御することにより、光検出部60の動作を制御するように構成される。
【0178】
ここで、制御線RSTAL1,RSTBL1は、本開示における「第1の制御線」の一具体例に対応する。制御線RSTAL2,RSTBL2は、本開示における「第2の制御線」の一具体例に対応する。駆動部62は、本開示における「第1の制御回路」の一具体例に対応する。AD変換部72は、本開示における「変換回路」の一具体例に対応する。光検出制御部65は、本開示における「第2の制御回路」の一具体例に対応する。
【0179】
本実施の形態に係る光検出システムは、上記第1の実施の形態に係る光検出システム1の場合(
図8)と同様に、1つの画素ラインを単位として走査を行うことにより、読出動作D2を行う。
【0180】
例えば、光検出制御部65は、スイッチSW1をオン状態にする。これにより、n番目の画素ラインL(n)に係る受光画素P1に接続された信号線VSLAがAD変換部72に接続される。そして、AD変換部72は、この受光画素P1が生成した画素信号SIGAに基づいてAD変換を行う。
【0181】
次に、例えば、光検出制御部65は、スイッチSW2をオン状態にする。これにより、n番目の画素ラインL(n)に係る受光画素P1に接続された信号線VSLBがAD変換部72に接続される。そして、AD変換部72は、この受光画素P1が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行う。
【0182】
次に、例えば、光検出制御部65は、スイッチSW3をオン状態にする。これにより、n番目の画素ラインL(n)に係る受光画素P2に接続された信号線VSLAがAD変換部72に接続される。そして、AD変換部72は、この受光画素P2が生成した画素信号SIGAに基づいてAD変換を行う。
【0183】
次に、例えば、光検出制御部65は、スイッチSW4をオン状態にする。これにより、n番目の画素ラインL(n)に係る受光画素P2に接続された信号線VSLBがAD変換部72に接続される。そして、AD変換部72は、この受光画素P2が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行う。
【0184】
このように、AD変換部72は、互いに異なる動作期間において、受光画素P1が生成した画素信号SIGA、受光画素P1が生成した画素信号SIGB、受光画素P2が生成した画素信号SIGA、および受光画素P2が生成した画素信号SIGBに基づいて、AD変換を行う。よって、駆動部62は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、受光画素P1のトランジスタRSTA、受光画素P1のトランジスタRSTB、受光画素P2のトランジスタRSTA、および受光画素P2のトランジスタRSTBを、互いに異なる期間において順次オン状態にする。
【0185】
以上のように、本実施の形態に係る光検出システムでは、受光画素P1のトランジスタRSTAのゲートを制御線RSTLA1に接続し、受光画素P1のトランジスタRSTBのゲートを制御線RSTLB1に接続し、受光画素P2のトランジスタRSTAのゲートを制御線RSTLA2に接続し、受光画素P2のトランジスタRSTBのゲートを制御線RSTLB2に接続するようにした。これにより、本実施の形態に係る光検出システムでは、駆動部62は、受光画素P1のトランジスタRSTA、受光画素P2のトランジスタRSTB、受光画素P2のトランジスタRSTA、および受光画素P2のトランジスタRSTBを、互いに異なる期間において順次オン状態にするようにすることができる。
【0186】
また、本実施の形態に係る光検出システムでは、光検出制御部65は、スイッチSW1,SW2,SW3,SW4を、互いに異なる動作期間において、順次オン状態にするようにした。これにより、AD変換部72は、時分割的に、受光画素P1が生成した画素信号SIGA、受光画素P1が生成した画素信号SIGB、受光画素P2が生成した画素信号SIGA、および受光画素P2が生成した画素信号SIGBに基づいてAD変換を行うことができる。本実施の形態に係る光検出システムでは、このように時分割的にAD変換を行うことにより、AD変換部72の数を少なくすることができるので、回路面積を小さくすることができる。
【0187】
以上のように本実施の形態では、受光画素P1のトランジスタRSTAのゲートを制御線RSTLA1に接続し、受光画素P1のトランジスタRSTBのゲートを制御線RSTLB1に接続し、受光画素P2のトランジスタRSTAのゲートを制御線RSTLA2に接続し、受光画素P2のトランジスタRSTBのゲートを制御線RSTLB2に接続するようにしたので、回路面積を小さくすることができる。
【0188】
[変形例3]
上記実施の形態では、
図21に示したように、トランジスタFDGA,FDGBおよびフローティングディフュージョンFDA2,FDB2を設け、受光画素Pにおける、電荷を電圧に変換する変換利得を変更可能にしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、
図23,24に示す画素アレイ61Aのように、トランジスタFDGA,FDGBおよびフローティングディフュージョンFDA2,FDB2を設けなくてもよい。この画素アレイ61Aは、複数の制御線OFGLと、複数の制御線RSTAL1と、複数の制御線RSTBL1と、複数の制御線RSTAL2と、複数の制御線RSTBL2と、複数の制御線SELLと、複数の信号線VSLAと、複数の信号線VSLBとを有している。受光画素P1は、制御線OFGL,RSTAL1,RSTBL1,SELL、および信号線VSLA,VSLBに接続される。受光画素P2は、制御線OFGL,RSTAL2,RSTBL2,SELL、および信号線VSLA,VSLBに接続される。
【0189】
<4.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0190】
図25は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0191】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図25に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0192】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0193】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0194】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0195】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0196】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0197】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0198】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0199】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0200】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図25の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0201】
図26は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0202】
図26では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0203】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0204】
なお、
図26には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0205】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0206】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0207】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0208】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0209】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。これにより、車両制御システム12000では、例えば、撮像部12031を小型化し、あるいはコストを低減することができる。また、例えば、回路面積が小さくなることを利用して、受光画素Pの数を増やすことにより、距離画像の解像度を高めることができる。その結果、車両制御システム12000では、車両の衝突回避あるいは衝突緩和機能、車間距離に基づく追従走行機能、車速維持走行機能、車両の衝突警告機能、車両のレーン逸脱警告機能等を、高い精度で実現できる。
【0210】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびにそれらの具体的な応用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0211】
例えば、上記の各実施の形態では、例えば
図4,21に示したような受光画素Pを設けたが、受光画素Pの回路構成は、これに限定されるものではなく、様々な回路構成を適用することができる。
【0212】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0213】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。以下の構成の本技術によれば、回路面積を小さくすることができる。
【0214】
(1)
第1の方向に並設された第1の受光画素および第2の受光画素と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の信号線および第2の信号線と、
前記第2の方向に延伸し、前記第2の受光画素に接続された第3の信号線および第4の信号線と、
前記第1の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の制御線および前記第2の受光画素に接続された第2の制御線と、
前記第1の制御線および前記第2の制御線を介して前記第1の受光画素および前記第2の受光画素の動作を制御可能な第1の制御回路と
を備え、
前記第1の受光画素および前記第2の受光画素のそれぞれは、
光に基づいて電荷を生成可能な受光素子と、
前記電荷を蓄積可能な第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、
オン状態になることにより前記受光素子と前記第1の蓄積素子とを接続可能な第1の転送トランジスタと、
オン状態になることにより前記受光素子と前記第2の蓄積素子とを接続可能な第2の転送トランジスタと、
オン状態になることにより前記第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能な第1の制御トランジスタと、
オン状態になることにより前記第2の蓄積素子に前記所定の電圧を印加可能な第2の制御トランジスタと、
前記第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第1の出力回路と、
前記第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第2の出力回路と
を有し、
前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第1の制御線に接続され、
前記第1の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第1の信号線および前記第2の信号線にそれぞれ接続され、
前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第2の制御線に接続され、
前記第2の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第3の信号線および前記第4の信号線にそれぞれ接続された
光検出装置。
(2)
前記第1の制御回路は、第1の期間において前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタをオン状態にし、第2の期間において前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタをオン状態にすることが可能である
前記(1)に記載の光検出装置。
(3)
AD変換動作を行うことが可能な第1の変換回路および第2の変換回路と、
オン状態になることにより前記第1の信号線を前記第1の変換回路に接続可能な第1のスイッチと、
オン状態になることにより前記第2の信号線を前記第2の変換回路に接続可能な第2のスイッチと、
オン状態になることにより前記第3の信号線を前記第1の変換回路に接続可能な第3のスイッチと、
オン状態になることにより前記第4の信号線を前記第2の変換回路に接続可能な第4のスイッチと、
第1の動作期間において前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチをオン状態にし、第2の動作期間において前記第3のスイッチおよび前記第4のスイッチをオン状態にすることが可能な第2の制御回路と、
をさらに備えた
前記(2)に記載の光検出装置。
(4)
処理部をさらに備え、
前記第1の受光画素および前記第2の受光画素は、発光部から射出された光パルスのうちの、検出対象により反射された光パルスを検出可能であり、
前記第1の制御回路は、さらに、前記発光部の動作に応じて前記第1の転送トランジスタおよび前記第2の転送トランジスタの動作を制御可能であり、
前記処理部は、
前記第1の動作期間における前記第1の変換回路の第1の変換結果および前記第2の変換回路の第2の変換結果に基づいて、前記第1の受光画素において検出された前記光パルスの第1の飛行時間を算出可能であり、
前記第2の動作期間における前記第1の変換回路の第3の変換結果および前記第2の変換回路の第4の変換結果に基づいて、前記第2の受光画素において検出された前記光パルスの第2の飛行時間を算出可能である
前記(3)に記載の光検出装置。
(5)
前記処理部は、
前記第1の変換結果および前記第2の変換結果に加え、さらに前記第3の変換結果および前記第4の変換結果にも基づいて、前記第1の飛行時間を算出可能であり
前記第3の変換結果および前記第4の変換結果に加え、さらに前記第1の変換結果および前記第2の変換結果にも基づいて、前記第2の飛行時間を算出可能である
前記(4)に記載の光検出装置。
(6)
前記第1の制御回路は、第3の期間において、前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタと、前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタとをオン状態にすることが可能である
前記(1)に記載の光検出装置。
(7)
AD変換動作を行うことが可能な第1の変換回路および第2の変換回路と、
オン状態になることにより前記第1の信号線を前記第1の変換回路に接続可能な第1のスイッチと、
オン状態になることにより前記第2の信号線を前記第2の変換回路に接続可能な第2のスイッチと、
オン状態になることにより前記第3の信号線を前記第1の変換回路に接続可能な第3のスイッチと、
オン状態になることにより前記第4の信号線を前記第2の変換回路に接続可能な第4のスイッチと、
第3の動作期間において、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、および前記第4のスイッチをオン状態にすることが可能な第2の制御回路をさらに備えた
前記(6)に記載の光検出装置。
(8)
前記第1の制御線は、2つの制御線を含み、
前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタのゲートおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第1の制御線に含まれる前記2つの制御線にそれぞれ接続され、
前記第2の制御線は、2つの制御線を含み、
前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタのゲートおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第2の制御線に含まれる前記2つの制御線にそれぞれ接続され、
前記第1の制御回路は、前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタ、前記第1の受光画素の前記第2の制御トランジスタ、前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタ、および前記第2の受光画素の前記第2の制御トランジスタを、互いに異なる期間において順次オン状態にすることが可能である
前記(1)に記載の光検出装置。
(9)
AD変換動作を行うことが可能な変換回路と、
オン状態になることにより前記第1の信号線を前記変換回路に接続可能な第1のスイッチと、
オン状態になることにより前記第2の信号線を前記変換回路に接続可能な第2のスイッチと、
オン状態になることにより前記第3の信号線を前記変換回路に接続可能な第3のスイッチと、
オン状態になることにより前記第4の信号線を前記変換回路に接続可能な第4のスイッチと、
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、および前記第4のスイッチを、互いに異なる期間において順次オン状態にすることが可能な第2の制御回路と
をさらに備えた
前記(8)に記載の光検出装置。
(10)
前記第1の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第3の制御線、および前記第2の受光画素に接続された第4の制御線をさらに備え、
前記第1の受光画素および前記第2の受光画素のそれぞれは、さらに
前記電荷を蓄積可能な第3の蓄積素子および第4の蓄積素子と、
オン状態になることにより、前記第1の蓄積素子および前記第3の蓄積素子を接続可能な第3の制御トランジスタと、
オン状態になることにより、前記第2の蓄積素子および前記第4の蓄積素子を接続可能な第4の制御トランジスタと、
を有し、
前記第1の受光画素の前記第3の制御トランジスタおよび前記第4の制御トランジスタのゲートは、前記第3の制御線に接続され、
前記第2の受光画素の前記第3の制御トランジスタおよび前記第4の制御トランジスタのゲートは、前記第4の制御線に接続された
前記(1)から(9)のいずれかに記載の光検出装置。
(11)
光パルスを射出可能な発光部と、
第1の方向に並設され、前記発光部から射出された前記光パルスのうちの、検出対象により反射された光パルスを検出可能な第1の受光画素および第2の受光画素と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の信号線および第2の信号線と、
前記第2の方向に延伸し、前記第2の受光画素に接続された第3の信号線および第4の信号線と、
前記第1の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の制御線、および前記第2の受光画素に接続された第2の制御線と、
前記第1の制御線および前記第2の制御線を介して前記第1の受光画素および前記第2の受光画素の動作を制御可能な第1の制御回路と
を備え、
前記第1の受光画素および前記第2の受光画素のそれぞれは、
光に基づいて電荷を生成可能な受光素子と、
前記電荷を蓄積可能な第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、
オン状態になることにより前記受光素子と前記第1の蓄積素子とを接続可能な第1の転送トランジスタ、
オン状態になることにより前記受光素子と前記第2の蓄積素子とを接続可能な第2の転送トランジスタと、
オン状態になることにより前記第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能な第1の制御トランジスタと、
オン状態になることにより前記第2の蓄積素子に前記所定の電圧を印加可能な第2の制御トランジスタと、
前記第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第1の出力回路と、
前記第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第2の出力回路と
を有し、
前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第1の制御線に接続され、
前記第1の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第1の信号線および前記第2の信号線にそれぞれ接続され、
前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第2の制御線に接続され、
前記第2の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第3の信号線および前記第4の信号線にそれぞれ接続された
光検出システム。
(12)
第1の方向に並設された第1の受光画素および第2の受光画素と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の信号線および第2の信号線と、前記第2の方向に延伸し、前記第2の受光画素に接続された第3の信号線および第4の信号線と、前記第1の方向に延伸し、前記第1の受光画素に接続された第1の制御線および前記第2の受光画素に接続された第2の制御線とを備え、前記第1の受光画素および前記第2の受光画素のそれぞれは、光に基づいて電荷を生成可能な受光素子と、前記電荷を蓄積可能な第1の蓄積素子および第2の蓄積素子と、オン状態になることにより前記受光素子と前記第1の蓄積素子とを接続可能な第1の転送トランジスタと、オン状態になることにより前記受光素子と前記第2の蓄積素子とを接続可能な第2の転送トランジスタと、オン状態になることにより前記第1の蓄積素子に所定の電圧を印加可能な第1の制御トランジスタと、オン状態になることにより前記第2の蓄積素子に前記所定の電圧を印加可能な第2の制御トランジスタと、前記第1の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第1の出力回路と、前記第2の蓄積素子における電圧に応じた電圧を出力可能な第2の出力回路とを有し、前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第1の制御線に接続され、前記第1の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第1の信号線および前記第2の信号線にそれぞれ接続され、前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタのゲートは、前記第2の制御線に接続され、前記第2の受光画素の前記第1の出力回路および前記第2の出力回路は、前記第3の信号線および前記第4の信号線にそれぞれ接続された光検出装置における、前記第1の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタを、第1の期間においてオン状態にすることと、
前記光検出装置における、前記第2の受光画素の前記第1の制御トランジスタおよび前記第2の制御トランジスタを、第2の期間においてオン状態にすることと
を含む光検出方法。
(13)
第1の動作期間において、前記第1の信号線を、AD変換動作を行うことが可能な第1の変換回路に接続するとともに、前記第2の信号線を、AD変換動作を行うことが可能な第2の変換回路に接続することと、
第2の動作期間において、前記第3の信号線を前記第1の変換回路に接続するとともに、前記第4の信号線を前記第2の変換回路に接続することと
を含む
前記(12)に記載の光検出方法。
【符号の説明】
【0215】
1…光検出システム、11…発光部、12…光学系、14…制御部、20,40,60…光検出部、21,21A,61,61A…画素アレイ、22,42,62…駆動部、24…処理部、25,45,65…光検出制御部、29,69…スイッチ部、30,70…読出部、31A,31B,71…定電流源、32A,32B,72…AD変換部、35…コンパレータ、36…カウンタ、37…ラッチ、39,79…転送制御部、101,102…半導体基板、103…配線、AMPA,AMPB,FDGA,FDGB,GDA,GDB,OFG,RSTA,RSTB,SELA,SELB…トランジスタ、BUS…バス配線、CLK…クロック信号、CTL…制御信号、DP1,DP2…距離値、DT,DT1…データ、D1…露光動作、D2…読出動作、FDGL1,FDGAL1,FDGBL1,FDGL2,FDGAL2,FDGBL2,OFGL,RSTL1,RSTAL1,RSTBL1,RSTL2,RSTAL2,RSTBL2,SELL…制御線、L0…光パルス、L1…反射光パルス、P,P1,P2…受光画素、PD…フォトダイオード、RAMP…参照信号、S…受光面、SFDG1,SFDGA1,SFDGB1,SFDG2,SFDGA2,SFDGB2,SGDA,SGDB,SOFG,SRST1,SRSTA1,SRSTB1,SRST2,SRSTA2,SRSTB2,SSEL,SSW12,SSW34…制御信号、SIGA,SIGB…画素信号、SW1~SW4…スイッチ、VALA1,VALA2,VALA12,VALA21,VALB1,VALB2,VALB12,VALB21…画素値、VDD…電源電圧、VOFG,VRST…電圧、VSLA,VSLB…信号線。