(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176848
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】遊技用装置、遊技用システム及び遊技用プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083517
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 佑太
(72)【発明者】
【氏名】高木 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】塩原 康平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA01
2C088CA08
(57)【要約】
【課題】 異常情報の報知を継続させるか否かを設定できる遊技用装置を提供する。
【解決手段】 遊技場に設置されている遊技関連装置の異常状態に関する特定報知を実行し解除条件が成立した場合に特定報知を終了させることが可能な遊技場用装置に対応して設けられた遊技用装置において、遊技関連装置から送信される情報に基づき、遊技関連装置が異常状態であるか否かを判定可能な異常状態判定手段と、遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、遊技関連装置が異常状態であることを示す特別報知を実行可能な報知手段と、遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、遊技場用装置に特定情報を送信可能な送信手段と、遊技場用装置において実行されていた特定報知が終了したか否かを判定する異常報知終了判定手段と、特定報知が終了したと判定された場合に、報知手段による特別報知の実行を継続させるか否かを設定可能な設定手段と、を備える構成としてある。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定情報を受信した場合に、遊技場に設置されている遊技関連装置の異常状態に関する特定報知を実行可能であり、所定の解除条件が成立した場合に当該特定報知を終了させることが可能な遊技場用装置に対応して設けられた遊技用装置において、
前記遊技関連装置から送信される情報に基づき、前記遊技関連装置が異常状態であるか否かを判定可能な異常状態判定手段と、
前記異常状態判定手段により前記遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、前記遊技関連装置が異常状態であることを示す特別報知を実行可能な報知手段と、
前記異常状態判定手段により前記遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、前記遊技場用装置に前記特定情報を送信可能な送信手段と、
前記遊技場用装置において実行されていた特定報知が終了したか否かを判定する異常報知終了判定手段と、
前記異常報知終了判定手段により特定報知が終了したと判定された場合に、前記報知手段による特別報知の実行を継続させるか否かを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記報知手段は、
前記異常報知終了判定手段により特定報知が終了したと判定された場合に、
前記設定手段により特別報知を継続させないことを示す設定がされていた場合は、当該特別報知を終了させることが可能であり、
前記設定手段により特別報知を継続させることを示す設定がされていた場合は、当該特別報知を継続させることが可能である
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
前記異常状態は、
第1異常状態と、
前記第1異常状態とは異なる第2異常状態と、
を含み、
前記送信手段は、
前記遊技関連装置が前記第1異常状態である場合に前記特定情報を送信し、
前記遊技関連装置が前記第2異常状態である場合に前記特定情報を送信しない
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
操作者が操作可能な操作手段を備え、
前記所定の解除条件は、
前記操作手段が操作を受け付けることにより成立可能な条件である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
前記異常状態は、
第3異常状態と、
前記第3異常状態とは異なる第4異常状態と、
を含み、
前記報知手段は、
前記遊技関連装置が前記第3異常状態である場合、特別報知を実行し、
前記遊技関連装置において前記第3異常状態が終了した場合、特別報知を継続して実行し、
前記遊技関連装置が前記第4異常状態である場合、特別報知を実行し、
前記遊技関連装置において前記第4異常状態が終了した場合、特別報知を終了させる
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の遊技用装置。
【請求項5】
前記遊技場用装置は、
呼出ランプである
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の遊技用装置。
【請求項6】
特定情報を受信した場合に、遊技場に設置されている遊技関連装置の異常状態に関する特定報知を実行可能であり、所定の解除条件が成立した場合に当該特定報知を終了させることが可能な遊技場用装置に対応して設けられた遊技用システムにおいて、
前記遊技関連装置から送信される情報に基づき、前記遊技関連装置が異常状態であるか否かを判定可能な異常状態判定手段と、
前記異常状態判定手段により前記遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、前記遊技関連装置が異常状態であることを示す特別報知を実行可能な報知手段と、
前記異常状態判定手段により前記遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、前記遊技場用装置に前記特定情報を送信可能な送信手段と、
前記遊技場用装置において実行されていた特定報知が終了したか否かを判定する異常報知終了判定手段と、
前記異常報知終了判定手段により特定報知が終了したと判定された場合に、前記報知手段による特別報知の実行を継続させるか否かを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記報知手段は、
前記異常報知終了判定手段により特定報知が終了したと判定された場合に、
前記設定手段により特別報知を継続させないことを示す設定がされていた場合は、当該特別報知を終了させることが可能であり、
前記設定手段により特別報知を継続させることを示す設定がされていた場合は、当該特別報知を継続させることが可能である
ことを特徴とする遊技用システム。
【請求項7】
特定情報を受信した場合に、遊技場に設置されている遊技関連装置の異常状態に関する特定報知を実行可能であり、所定の解除条件が成立した場合に当該特定報知を終了させることが可能な遊技場用装置に対応して設けられた遊技用装置を構成するコンピュータを、
前記遊技関連装置から送信される情報に基づき、前記遊技関連装置が異常状態であるか否かを判定可能な異常状態判定手段、
前記異常状態判定手段により前記遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、前記遊技関連装置が異常状態であることを示す特別報知を実行可能な報知手段、
前記異常状態判定手段により前記遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、前記遊技場用装置に前記特定情報を送信可能な送信手段、
前記遊技場用装置において実行されていた特定報知が終了したか否かを判定する異常報知終了判定手段、及び
前記異常報知終了判定手段により特定報知が終了したと判定された場合に、前記報知手段による特別報知の実行を継続させるか否かを設定可能な設定手段、
として機能させ、
前記報知手段に、
前記異常報知終了判定手段により特定報知が終了したと判定された場合に、
前記設定手段により特別報知を継続させないことを示す設定がされていた場合は、当該特別報知を終了させ、
前記設定手段により特別報知を継続させることを示す設定がされていた場合は、当該特別報知を継続させる
ことを特徴とする遊技用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用装置、遊技用システム及び遊技用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の呼出ランプとの間で情報をやり取りすることで、複数の呼出ランプに対応する複数の遊技機に係る遊技情報を管理できる遊技用装置が特許文献1に開示されている。
この遊技用装置が呼出ランプを制御するためには、呼出ランプのメーカー(以下、ランプメーカーともいう)各社で仕様が異なるため、ランプメーカーごとに個別に制御できる制御端末を設置する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技用装置には、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の遊技用装置は、特定情報を受信した場合に、遊技場に設置されている遊技関連装置の異常状態に関する特定報知を実行可能であり、所定の解除条件が成立した場合に当該特定報知を終了させることが可能な遊技場用装置に対応して設けられた遊技用装置において、前記遊技関連装置から送信される情報に基づき、前記遊技関連装置が異常状態であるか否かを判定可能な異常状態判定手段と、前記異常状態判定手段により前記遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、前記遊技関連装置が異常状態であることを示す特別報知を実行可能な報知手段と、前記異常状態判定手段により前記遊技関連装置が異常状態と判定された場合に、前記遊技場用装置に前記特定情報を送信可能な送信手段と、前記遊技場用装置において実行されていた特定報知が終了したか否かを判定する異常報知終了判定手段と、前記異常報知終了判定手段により特定報知が終了したと判定された場合に、前記報知手段による特別報知の実行を継続させるか否かを設定可能な設定手段と、を備え、前記報知手段は、前記異常報知終了判定手段により特定報知が終了したと判定された場合に、前記設定手段により特別報知を継続させないことを示す設定がされていた場合は、当該特別報知を終了させることが可能であり、前記設定手段により特別報知を継続させることを示す設定がされていた場合は、当該特別報知を継続させることが可能な構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】異常情報が表示された呼出ランプを示す図である。
【
図3】ランプ端末用スイッチのポート接続先を示す図である。
【
図4】ランプ端末の制御構成を示すブロック図である。
【
図5】通信処理の流れを示すタイムチャートである。
【
図6】ランプ端末における一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】ホールコンピュータの表示部に表示されるノードバージョン情報画面(異常個所特定)を示す図である。
【
図8】ホールコンピュータの表示部に表示されるノードバージョン情報画面(バージョン不揃い)を示す図である。
【
図9】ホールコンピュータの表示部に表示される制御処理確認画面を示す図である。
【
図10】ホールコンピュータの表示部に表示されるエラー情報確認画面を示す図である。
【
図11】ホールコンピュータの制御構成を示すブロック図である。
【
図12】遊技用システムの各装置間の信号の流れを示すブロック図である。
【
図13】ホールコンピュータの表示部に表示される稼働状態画面を示す図である。
【
図14】ホールコンピュータの表示部に表示される台個別データ画面を示す図である。
【
図15】呼出ランプによる異常情報の報知の解除条件を説明するためのフローチャートである。
【
図16】遊技場の店員が携帯する無線通信手段を示す図である。
【
図17】ホールコンピュータの表示部に表示される異常連携設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技用システム1は、プログラム(遊技用プログラム)に制御されたコンピュータにより動作する。
プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、ホールコンピュータ100におけるデータの送受信、記憶及び演算等を行わせる。
遊技用システム1は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものであり、プログラムの全部、又は一部は、磁気ディスク、光ディスク及びその他任意のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体により提供され、記憶媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。
なお、プログラムは、記憶媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードして、実行することも可能である。
【0008】
図1は、遊技用システム1の構成を概略化した図である。
遊技用システム1は、遊技機10、貸出機20、呼出ランプ30、代表ランプ40、台コンピュータ50、島コンピュータ60、計数機70、ハブ75、ランプ端末用スイッチ80、ランプ端末90及びホールコンピュータ100が、所定のネットワーク(例えば、ローカル エリア ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
遊技機10、貸出機20、呼出ランプ30、代表ランプ40、台コンピュータ50、島コンピュータ60、計数機70及びハブ75(呼出ランプ30側)は、遊技場内に設置され、ランプ端末用スイッチ80、ランプ端末90、ハブ75(ホールコンピュータ100側)及びホールコンピュータ100は、事務所内に設置される。
なお、以下の説明では、遊技機10、貸出機20、台コンピュータ50、島コンピュータ60、計数機70、ハブ75及びランプ端末用スイッチ80に加え、遊技球、又はメダル等の遊技媒体と景品との交換処理を行う景品交換機(不図示)や会員カード等から現金の残高を読み取り、操作に応じて現金を遊技者に戻す精算機(不図示)等、その他遊技用システム1に接続可能な装置や機器を、総称して「遊技関連装置」というものとする。
【0009】
遊技機10は、遊技島において、機種ごと、貸出レートごとに設置され、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ機10aやメダルを用いるパチスロ機10b等であり、遊技者は、貸し出された遊技媒体を用いて遊技を行うことができる。
遊技機10の遊技状態として、例えば、遊技媒体を所定の割合で費やす通常遊技状態と、通常遊技状態より遊技媒体の増加が期待でき遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態等がある。
この特別遊技状態は、通常遊技状態より大当りやボーナスに当選する確率が高い遊技状態であり、遊技者は、ボーナスに当選すると、その後の入賞によって大量の遊技媒体が払い出されるようにゲームが制御される。
【0010】
貸出機20(20aはパチンコ機用、20bはパチスロ機用)は、併設された遊技機10において獲得した遊技媒体の計数、計数された遊技媒体の払い戻し、投入金額に応じた遊技媒体の貸出し、計数された遊技媒体の数や投入金額の残高を特定する記憶媒体(例えば、ICカード)の発行等、遊技媒体の提供における様々な動作を実行できる。
例えば、獲得した遊技媒体の計数は、貸出機20の下部に設けられた投入口から遊技媒体を投入することで計数が行われ、計数された遊技媒体の払い戻しは、遊技者による払い戻し操作に基づいて払出口から遊技媒体を払い出すことで行われる。
投入金額に応じた遊技媒体の貸出しは、遊技者による貸出し操作に基づいて払出口から遊技媒体を払い出すことにより行われる。
【0011】
呼出ランプ30は、発光手段を点灯、又は点滅させることにより、大当りの発生、確変中、店員の呼出中等を遊技者に告知するとともに、遊技に関する遊技データを表示する装置である。
図2は、呼出ランプ30の外観を示す図であり、(a)は遊技データを表示する呼出ランプ30、(b)は異常情報を表示する呼出ランプ30をそれぞれ示している。
ホールコンピュータ100は、遊技機10等の異常状態を判定し、正常状態のときには、呼出ランプ30に遊技データを表示させ、異常状態のときには、呼出ランプ30に異常情報を表示(以下、報知ともいう)させる。
【0012】
このような呼出ランプ30は、主として発光部31と、表示部32と、リモコン受光部33と、呼出ボタン34とから構成される。
発光部31は、多色(RGB)発光(フルカラー)のLEDと、LEDの点灯や点滅を制御するLEDドライバとを備え、このLEDの点灯や点滅等により多種多様な発光態様を実現できる。
発光部31では、大当り等の特別遊技状態や遊技機10等で発生した異常を外部に報知できる。
【0013】
表示部32は、例えば、本日、前日、前々日における大当り回数及び確変回数、前回大当りからの回転数であるスタート回数、大当りの履歴等を見やすいように数字やグラフ等を用いて遊技者に有益な情報として表示する。
また、表示部32は、ホールコンピュータ100から遊技機10等に異常が発生したとき送信される異常情報(特定情報)を受信すると、遊技機10等の異常を識別できるように表示する。
【0014】
リモコン受光部33は、遊技場の店員が携帯するリモコンRから無線送信される信号を受信する。
本実施形態では、店員によるリモコンRからの操作により、複数のランプメーカーの呼出ランプ30でも制御できる(
図16参照)。
【0015】
呼出ボタン34は、店員を呼び出すための操作ボタンであり、この呼出ボタン34が操作されると、呼出情報をホールコンピュータ100に送信し、再度、呼出ボタン34が操作されることで、呼出情報の送信を解除する。
ホールコンピュータ100は、受信した呼出情報を、例えば、店員が携帯するインカムに送信することで、店員に各種情報を伝えることができる。
呼出ランプ30は、遊技機10から「遊技情報(以下、単に情報ともいう)」、貸出機20から「取引情報(以下、単に情報ともいう)」を受信し、これらの情報を台コンピュータ50へ送信する。
また、呼出ランプ30は、ホールコンピュータ100から異常情報やコンテンツデータ等も受信する。
【0016】
代表ランプ40は、各遊技島の島端に設置され、呼出ランプ30と同様に、発光手段を点灯、又は点滅する装置である。
代表ランプ40は、各遊技島に設置されている遊技機10のうち、1台でもその対応する呼出ランプ30が備える呼出ボタン34が操作された状態(以下、呼出状態ともいう)であれば、代表して点灯等される。
そのため、店員は、代表ランプ40の点灯等をもって、該当する遊技島に設置された遊技機10が呼出状態であることを把握できる。
なお、本実施形態では、呼出ランプ30及び代表ランプ40を遊技場用装置の一例として説明するが、この他にも遊技に応じて演出を行う演出機等も遊技場用装置として含めることができる。
この演出機には、例えば、遊技者が遊技機10を選択する際に役立つ遊技データを提供するとともに、キャンペーン等の他の有用な情報を提供するデータ公開機(不図示)、呼出ランプ30とは別に設けられ、大当り回数、確変回数等の遊技に関する情報を表示する持玉表示機(不図示)等が挙げられる。
【0017】
台コンピュータ50は、遊技機10ごとに設けられ、呼出ランプ30から送信される各種情報を受信し、その情報を適宜蓄積して島コンピュータ60に送信する中継装置として動作する。
【0018】
島コンピュータ60は、遊技島単位で設けられ、代表ランプ40、台コンピュータ50、計数機70及びハブ75等とネットワークを介して接続されており、これらの装置間で各種情報を送受信する。
そして、島コンピュータ60は、ホールコンピュータ100からの要求に応じて、又は所定の周期ごとにホールコンピュータ100に各種情報を送信する。
【0019】
計数機70(70aは遊技球用、70bはメダル用)は、遊技機10において遊技者が獲得した遊技媒体を計数するための装置であり、遊技場内の複数箇所(例えば、遊技島の島端)に設置される。
具体的には、計数機70に獲得した遊技媒体が投入されると、その個数が自動的に計数されるとともに、計数結果を記録したチケットが発行され、遊技者は、この発行されたチケットを遊技場内の景品交換カウンターに提示することで、獲得した遊技媒体数に応じた景品と交換できる。
また、計数機70は、この計数した遊技媒体の数量等を示す「遊技媒体数情報(以下、単に情報ともいう)」を、計数に係る遊技媒体の獲得先の遊技機10を特定する情報とともに、発行操作ごとに島コンピュータ60、ランプ端末90を経由してホールコンピュータ100に送信する。
なお、計数に係る遊技媒体の獲得先の遊技機10を特定する方法は、例えば、店員がリモコンR等から遊技機10を特定する情報を入力して、計数機70に送信するようにしても良い。
【0020】
ハブ75は、複数のポートを有する中継装置であり、ランプ端末90とホールコンピュータ100との間、島コンピュータ60とランプ端末用スイッチ80との間にネットワークを介して接続される。
島コンピュータ60とランプ端末用スイッチ80との間のハブ75は、ランプメーカーごとに必要となり、例えば、A社、B社及びC社の呼出ランプ30を設置する場合には、A社用のハブ75、B社用のハブ75及びC社用のハブ75がそれぞれ必要になる(
図1参照)。
【0021】
ランプ端末用スイッチ80は、例えば、OSI参照モデルのレイヤ2の処理を行うL2スイッチ等を使用でき、複数のポートを介して受信したIPパケット(データ)のMACアドレスから転送先を判別してIPパケットを転送する中継装置である。
ランプ端末用スイッチ80は、複数のデータを互いに衝突させることなく転送する機能を有しているため、ネットワーク全体の負荷が軽減され、セキュリティも向上させることができる。
ランプ端末用スイッチ80の有するポートの接続先は、予め定められており、例えば、ハブ75とランプ端末90がそれぞれ接続される。
図3に示す例では、ポート1をA社の呼出ランプ30側のハブ75に接続し、ポート3をB社の呼出ランプ30側のハブ75に接続し、ポート5をC社の呼出ランプ30側のハブ75に接続する。
また、ポート2を1台目のランプ端末90に接続し、ポート4を2台目のランプ端末90に接続し、ポート6を3台目のランプ端末90に接続し、ポート7及びポート8は、未使用となっており、ランプ端末用スイッチ80は、ランプ端末90を最大3台まで接続できる。
【0022】
ランプ端末90は、ランプ端末90と製造元が異なる他社製の呼出ランプ30や複数メーカーの呼出ランプ30を設置する場合であっても、ホールコンピュータ100が各ランプメーカーの呼出ランプ30を適切に処理するための情報処理装置である。
ランプ端末90は、ホールコンピュータ100と呼出ランプ30との間を結ぶ通信経路を形成し、この通信経路を通して必要な情報の送受信を行う。
ランプ端末90は、
図4に示すように、通信部91(取得手段)と、記憶部92(記憶手段)と、変換部93と及び制御部95(制御手段、特定手段、選択手段、通信異常判定手段、通信経路特定手段)とから構成される。
【0023】
通信部91は、インターネット通信網等の通信手段を介して他の装置と通信するためのポート等の通信インターフェースであり、ポートには、ハブ75とランプ端末用スイッチ80がネットワークを介してそれぞれ接続される。
例えば、ホールコンピュータ100からは、各種設定情報やコマンド等、呼出ランプ30からは、呼出ランプ30の状態を示す状態情報等を受信し、要求される必要な情報を送信する。
なお、通信部91は、HDMI(登録商標)ポートを有するため、このHDMIポートを介してディスプレイを接続して表示部を構成することもできる。
【0024】
記憶部92は、例えば、ROM、RAM及びHDD等で構成することができ、ランプ端末90の有する各種機能を実行するためのデータやプログラムを記憶する。
記憶部92が記憶するデータとして、例えば、遊技機テーブル、ランプテーブル及び島コンテーブル等のホールコンピュータ100から送信される設定情報等がある。
遊技機テーブルは、遊技場に設置された遊技機10を特定する台番号や遊技データ等の遊技機10に関する情報である。
ランプテーブルは、呼出ランプ30の機種、台数、ランプメーカー及びID番号等の呼出ランプ30固有の識別情報である。
島コンテーブルは、島コンピュータ60の台数、IPアドレス、グループ構成(呼出ランプ30がどの島コンピュータ60のグループの配下にあるか)及びチャネル等の島コンピュータ60に関する情報である。
【0025】
記憶部92が記憶するプログラムとして、例えば、IFプログラム及び管理プログラム等がある。
IFプログラム(第1プログラム)は、ランプメーカーごとに作成され、同一ランプメーカーの呼出ランプ30を制御するプログラムである。
そのため、IFプログラムは、通信プロトコルごと、すなわち遊技場に設置されるランプメーカーの数だけ必要となり、例えば、異なる3社のランプメーカーの呼出ランプ30を設置する場合には、3つのIFプログラムが必要となる。
管理プログラム(第2プログラム)は、IFプログラムを管理(制御)するプログラムである。
【0026】
変換部93は、通信部91が受信した文字情報、画像、動画及び音声等のコンテンツデータを、呼出ランプ30規定のデータ形式に準拠するように変換する。
【0027】
制御部95は、例えば、CPUによって構成することができ、記憶部92に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、ランプ端末90の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、ランプ端末90の有する各種機能を制御する。
【0028】
ここで、
図5及び
図6を参照しながら、ランプ端末90(制御部95)の動作について説明する。
図5は、ホールコンピュータ100、ランプ端末90及び呼出ランプ30間における通信処理の流れを示すタイムチャートであり、
図6は、ランプ端末90における一連の動作を説明するためのフローチャートである。
ホールコンピュータ100は、表示されるUI(User Interface)を通して、呼出ランプ30の制御内容が設定されると、その制御内容に基づき、呼出ランプ30を制御するためのコマンド(以下、制御コマンドという)を生成し、制御コマンド(制御指令)を設定情報とともにランプ端末90に送信する(S10)。
設定情報は、遊技用システム1を構成する各装置固有の情報であり、例えば、遊技機10を特定する台番号、呼出ランプ30の機種、島コンピュータ60のIPアドレス等の情報である。
制御部95は、このホールコンピュータ100から送信された制御コマンド等を受信すると、管理プログラムを実行し(S11)、管理プログラムは、実行時に記憶部92に記憶された設定情報を参照する。
そのため、制御部95は、設定情報に含まれる遊技機10の台番号から呼出ランプ30のランプ機種を特定でき(S12)、さらに特定したランプ機種からランプメーカーを選択できる(S13(S13a、S13b))。
【0029】
次に、制御部95は、選択したランプメーカーに対応するIFプログラムを特定し(S14(S14a~S14c))、その特定したIFプログラムを実行する(S15)。
例えば、IFプログラムは、複数のランプメーカーの呼出ランプ30を設置する場合には、ランプメーカーごとに複数のIFプログラムが必要となり、制御部95は、その複数のIFプログラムの中から、対応するランプメーカーのIFプログラムを選択して実行する。
図6に示す例では、A社、B社及びC社の異なるランプメーカーの呼出ランプ30を設置する場合を示しており、制御部95は、ランプメーカーがA社か否かを判定し(S13a)、ランプメーカーがA社であると判定した場合には(S13a:Yes)、A社用のIFプログラムを特定した後(S14a)、S15に処理を進める。
一方、ランプメーカーがA社でないと判定した場合には(S13a:No)、S13bに処理を進め、ランプメーカーがB社か否かを判定し(S13b)、ランプメーカーがB社であると判定した場合には(S13b:Yes)、B社用のIFプログラムを特定した後(S14b)、S15に処理を進める。
S13bの処理で、ランプメーカーがB社でないと判定した場合には(S13b:No)、C社用のIFプログラムを特定した後(S14c)、S15に処理を進める。
【0030】
次に、制御部95は、特定したIFプログラムを実行した後(S15)、制御する呼出ランプ30に制御コマンドを送信する(S16)。
したがって、ランプ端末90の内部では、複数のランプメーカーの呼出ランプ30が設置された場合に、管理プログラムと複数のIFプログラムとが実行されることになる。
なお、設置されていないランプメーカーのIFプログラムは、実行されることはない。
【0031】
その後、制御部95は、呼出ランプ30の動作を確認するため、送信した制御コマンドの成功失敗の結果の受信待ちを行う。
受信待ちは、呼出ランプ30ごとに、例えば、所定の期間に限って行われる。
制御部95は、全ての制御コマンドの成功失敗の判定結果を受信した後(S17)、管理プログラムを実行する(S18)。
そして、ホールコンピュータ100にその判定結果を送信し(S19)、ホールコンピュータ100は、この判定結果をUI上に表示する。
【0032】
以上の処理によれば、制御部95がホールコンピュータ100から送信された設定情報及び管理プログラムに基づき、制御したいランプメーカーのIFプログラムを特定し、実行できるため、ランプメーカー区別なく、ホールコンピュータ100のUI上で一括制御できるようになる。
具体的には、制御コマンドの仕様を全ランプメーカー共通にしているため、制御部95が異なるIFプログラムに対して同一の制御処理を実行できる。
これは、管理プログラムは、IFプログラムを制御するだけで、呼出ランプ30本体の制御は、IFプログラムが行っているため、複数メーカーの呼出ランプ30であっても、管理プログラムが果たす役割は、常に同一であるためである。
これにより、従来、複数メーカーの呼出ランプ30を制御するには、ランプメーカー各社で仕様が異なるためランプメーカーごとに個別に制御できる制御端末が必要であったが、制御端末をランプ端末90のみに集約できる。
その結果、導入コストが下がり、装置の設置スペースの自由度を確保できる。
【0033】
続いて、接続先の装置の通信状態やバージョン等の確認方法について説明する。
制御部95は、ネットワーク間の通信異常(異常状態)をリアルタイムで検出するため、各装置に対し定期的に通信(ポーリング)を行い、各装置の状態を示す状態情報(以下、単に情報ともいう)を取得し確認している。
制御部95は、各装置の動作状態を取得するための要求指示を含んだデータを一定間隔で送信し、接続先の各装置から送信要求に対する応答として状態情報を受信する。
例えば、制御部95は、記憶部92に記憶される設定情報から装置固有のIPアドレスやID番号等を抽出し、その抽出したIPアドレス等を宛先に指定して、要求指示を含んだデータを送信し、送信要求に対する応答として状態情報を受信する。
そして、制御部95は、予め取り決められた通信プロトコルに基づき、異常検出、通信回線の断線等を検出し、各装置に何らかの異常が発生している場合には、状態情報として異常情報を受信する。
この異常情報には、各装置の識別情報や異常の種類等の情報が含まれる。
また、制御部95が取得する異常情報には、送信要求に対する応答として受信する異常情報の他に、送信要求に対して各装置から一定時間経過しても応答を受信できず、応答がタイムアウトしたときの異常情報等がある。
このような異常情報を受信した際は、制御部95は、各装置間で通信異常が発生したと判定し、ホールコンピュータ100にその判定結果を送信する。
これにより、制御部95は、送信要求に対する応答に基づき、呼出ランプ30との間の通信経路に通信異常が発生したか否かを判定でき、通信異常が発生した場合には、ランプ端末90でランプメーカー問わず呼出ランプ30を一括制御しているため、何れのメーカーの呼出ランプ30との通信異常が発生したかを特定できる。
そして、制御部95は、通信経路に通信異常が発生したときには、その通信異常をホールコンピュータ100に表示できる。
【0034】
[ノードバージョン情報画面]
以下、ホールコンピュータ100に表示されるノードバージョン情報画面の一例について説明する。
ノードバージョン情報画面は、遊技用システム1を構成する各装置(ノード)間の動作確認として、各装置の通信状態やプログラムバージョン等を確認するための画面である。
図7及び
図8に示すように、ノードバージョン情報画面では、A社のランプA、B社のランプB及びC社のランプCに対する通信状態やバージョンの判定結果が同一画面で確認でき、ランプメーカー区別なく表示される。
ノードバージョン情報画面は、「簡易接続
図200」、「ランプ機種及び判定201」及び「バージョン情報202」が表示され、操作ボタンとしては、「実行ボタン203」、「閉じるボタン204」が表示される。
「簡易接続
図200」は、遊技用システム1の通信経路の概略を示しており、ホールコンピュータ100からランプ端末90、ランプ端末90から島コンピュータ60、島コンピュータ60から呼出ランプ30にネットワークを介して接続されることを示している。
「ランプ機種及び判定201」は、ランプ機種とそのランプ機種ごとの登録台数及び動作確認の判定結果が表示される。
この判定結果は、制御部95による各装置の通信状態やバージョンを判定した判定結果が「〇」(正常状態)、「×」(異常状態)で示される。
「バージョン情報202」は、「簡易接続
図200」で示す接続図と対応しており、呼出ランプ30に接続される各装置のバージョン((4)ランプ(呼出ランプ30)の場合は、バージョンに加え、LSCチャネル、ID番号))がランプ機種ごとに表示される。
「実行ボタン203」は、「ランプ機種及び判定201」でランプ機種や登録台数を確認した後、クリックすると確認した内容でノードバージョン取得処理が開始され、判定結果が表示される。
「閉じるボタン204」は、クリックするとノードバージョン情報画面が閉じられる。
【0035】
図7に示す例では、「ランプB」の台番号「118」~「122」の呼出ランプ30において、(3)LSC通信異常が発生して、バージョン取得に失敗したことを示している。
具体的には、「ランプB」の判定結果と、該当する台番号の(3)LSC(島コン)及び(4)ランプ(呼出ランプ30)のバージョン情報に「×」が表示されるとともに、背景色が、例えば赤色(
図7では、太線で囲って表示)に表示される。
また、後述する
図13のレイアウトのマスが通信異常を示す表示に変更されるとともに、
図14の「ランプ状態604」に通信異常情報(例えば、LSC通信異常 発生)が表示される。
これに伴い、遊技場の管理者は、「簡易接続
図200」を見て、ランプ端末90と、B社のランプBを配下に置く島コンピュータ60との間で通信異常が発生したことを容易に認識できる。
このような画面が表示される原因として、ランプ端末90や島コンピュータ60の電源がオフになっているか、電源がオンになっている場合は、ランプ端末90と島コンピュータ60との間にあるLANケーブルに問題があること等が想定される。
これにより、遊技場の管理者は、通信異常が発生した場合でも、どのランプメーカーの呼出ランプ30との通信経路で発生したのかを一目で認識できるため、複数のランプメーカーの呼出ランプ30を設置した場合でも、通信異常の原因の特定を迅速に行える。
その結果、通信異常の解決期間の削減によるコスト低減を図ることができる。
【0036】
この他にも、制御部95は、下記の通信異常を判定できる。
(1)管理プログラム通信異常
管理プログラム通信異常は、ランプ端末90とホールコンピュータ100間の通信異常であり、ランプ端末90とホールコンピュータ100との間にあるLANケーブルが抜けている等の問題があること等が想定される。
(2)IFプログラム通信異常
IFプログラム通信異常は、ランプ端末90の通信異常であり、ランプ端末90の故障等が想定される。
(4)ランプ通信異常
島コンピュータ60と呼出ランプ30間の通信異常であり、呼出ランプ30の電源がオフになっているか、電源がオンになっている場合は、島コンピュータ60と呼出ランプ30との間にあるLANケーブルが抜けている等の問題があること等が想定される。
【0037】
また、各装置のノードバージョン情報の確認時に送信するデータは、プログラム(管理プログラム、IFプログラム、島コンピュータ60及び呼出ランプ30のプログラム等)のバージョン情報を取得するための要求指示を含んだデータとなっている。
そのため、制御部95は、各装置から応答されたバージョン情報を受信すると、そのバージョン情報が一致するか否かを比較してバージョンの不揃い異常を判定できる。
例えば、呼出ランプ30のプログラムは、ランプメーカーごとに異なるため、バージョン情報もランプメーカーごとに異なる。
制御部95は、ランプメーカーごとにバージョン情報を比較判定し、比較判定の結果、全てのバージョン情報が一致する場合には、正常状態であると判定し、一つでもバージョン情報が一致しない場合には、異常状態(バージョンの不揃い異常)であると判定する。
【0038】
図8に示す例では、「ランプA」の台番号「21」~「29」の呼出ランプ30において、バージョンの不揃い異常が発生したことを示している。
具体的には、台番号「21」~「29」の呼出ランプ30のプログラムが、「1.20」と古いバージョンであるため、「ランプA」の判定結果に「×」が表示され、(4)ランプ(呼出ランプ30)のバージョン情報とともに、背景色が、例えば赤色(
図8では、太線で囲って表示)に表示される。
本実施形態の呼出ランプ30は、ホールコンピュータ100の入れ替え情報を参照して、遊技データ等の入れ替えを行っているため、改めて遊技機10の入れ替え情報を入力し直す必要がなく便利な構成になっている。
しかし、呼出ランプ30等のプログラムのバージョンが誤って使用されると遊技機10等の遊技データの入れ替えが困難になるため、制御部95は、機種やバージョンが異なる状態で、呼出ランプ30の入れ替えを行おうとすると、警告を表示してバージョンを揃えるよう促している。
これにより、異常の中では、比較的発生しやすいバージョン不揃いによる異常を減少させることができる。
【0039】
[制御処理確認画面]
図9に示す制御処理確認画面は、ノードバージョン情報画面で各装置間の動作確認をした後、呼出ランプ30に対して実行した処理が、正常に処理されたことを確認するための画面である。
エラー情報確認画面は、「遊技機選択300」、「機種名、失敗台絞り込み301」及び「判定結果302」が表示される。
また、操作ボタンとして、「実行ボタン303」、「結果を消去ボタン304」及び「エラー情報確認ボタン305」が表示される。
【0040】
「遊技機選択300」は、遊技場内に設置される遊技機10のうち、対象としたい遊技機10を選択できる。
例えば、ラジオボタンで「個別」を選択すれば、遊技場に設置される遊技機10を個別に指定して表示される。
「機種名、失敗台絞り込み301」は、機種名ごと、実行した処理の失敗台ごとに絞り込んで表示できる。
例えば、機種名絞り込みの入力欄に文字を入れると、その入力した文字を使っている機種に絞り込まれて表示される。
「判定結果302」は、呼出ランプ30に実行した処理の処理結果が、該当する台番号とともに表示される。
図9に示す例では、制御処理に異常が発生した「A機種」の台番号101~107が表示され、その異常のエラーコードは、「A-1」であることを示している。
【0041】
「実行ボタン303」は、クリックすると「遊技機選択300」及び「機種名、失敗台絞り込み301」で設定した条件で絞り込みが実行される。
「結果を消去ボタン304」は、「判定結果302」の中央にあるチェックボックスにチェックを入れた後、クリックするとチェックを入れた台番号の判定結果が消去される。
「エラー情報確認ボタン305」は、クリックすると次に説明するエラー情報確認画面が表示される。
【0042】
[エラー情報確認画面]
図10は、エラー情報確認画面の一例を示す図である。
エラー情報確認画面は、制御処理確認画面と同時に表示され、制御処理確認画面の「判定結果302」で表示されたエラーコードに対して、そのエラーコードの内容や対処方法を確認するための画面である。
エラー情報確認画面は、「メーカー選択400」、「エラーコード及び対処方法401」が表示される。
「メーカー選択400」は、ランプメーカーを選択でき、例えば、A社の呼出ランプ30の制御処理に異常が発生した場合には、コンボボックスで、「A社」を選択すれば、A社に対応したエラーコードの内容や対処方法が表示される。
「エラーコード及び対処方法401」は、エラーコードとその内容や対処方法が対応付けて表示される。
例えば、制御処理確認画面の「判定結果302」で表示されたエラーコードが「A-1」の場合は、エラーコードの内容が「内部タイムアウト」で、その対処方法は、「しばらく時間をおいてから再度実行し、実行後もエラーとなる場合には、呼出ランプ30、島コンピュータ60及びハブ75(呼出ランプ30側)の各装置をそれぞれ再起動」すればよいことがわかる。
これにより、店員は、呼出ランプ30の制御処理に異常が発生した場合でも迅速に対処できる。
【0043】
このエラーコードは、ランプメーカーごとに異なり、そのエラーコードに対する対処方法も異なってくるが、エラー情報確認画面では、表示されたエラーコードから、エラーの内容や対処方法を一目で確認できるように表示される。
特に複数メーカーの呼出ランプ30を用いる場合には、エラーコード数も設置するランプメーカーに合わせて増加するため、対処方法を見つけ出すのに時間がかかる場合がある。
エラー情報確認画面によれば、複数のランプメーカーの呼出ランプ30を設置する場合であっても、エラーコードごとの対処方法を容易に確認できるため、店員は、呼出ランプ30が異常状態にあっても迅速に対処できる。
【0044】
このような制御部95の動作により、複数のランプメーカーの呼出ランプ30が存在しても、ランプメーカーやランプ機種を区別することなく、あたかも全てが同一ランプメーカーの呼出ランプ30のように制御できる。
すなわち、本実施形態のランプ端末90を用いれば、何れのランプメーカーの呼出ランプ30でも、制御できるようになる。
その結果、ホールコンピュータ100は、複数のランプメーカーの呼出ランプ30を一括制御できるため、ランプメーカーごとにランプ端末90を設置して個別に呼出ランプ30を制御するより、作業時間と手間が軽減される。
【0045】
なお、ランプ端末90が備える機能を、次に説明するホールコンピュータ100が備えることもできるため、ランプ端末90をホールコンピュータ100と同様に遊技用装置の一例として説明する。
したがって、ランプ端末90の備える機能を、ホールコンピュータ100の中に組み込む構成としても良い。
この場合、ランプ端末90の通信部91は、ホールコンピュータの通信部101、ランプ端末90の記憶部92は、ホールコンピュータの記憶部102、ランプ端末90の変換部93及び制御部95は、ホールコンピュータの制御部105にそれぞれ対応することになる。
【0046】
ホールコンピュータ100は、遊技用装置の一例であり、プログラムに従って動作する情報処理装置であり、例えば、遊技場の管理者等が操作可能な場所、例えば、カウンター奥の事務所等に設置されている。
ホールコンピュータ100は、遊技場に設置されている全遊技機10の遊技に関する情報を記憶、管理及び分析し、遊技場における営業情報を管理している。
ホールコンピュータ100は、
図11に示すように、通信部101(送信手段)と、記憶部102(記憶手段)と、操作部103(操作手段、設定手段)と、表示部104(報知手段)と及び制御部105(異常状態判定手段、異常報知終了判定手段)とから構成される。
【0047】
通信部101は、島コンピュータ60等の中継装置を介して、遊技機10から「遊技情報」、貸出機20から「取引情報」、計数機70から「遊技媒体数情報」等の各種情報を受信する。
【0048】
記憶部102は、ホールコンピュータ100の各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶可能な記憶媒体(例えば、ROM、RAM、ハードディスク等)で構成される。
【0049】
記憶部102は、遊技機10から送信される「遊技情報」を、各遊技機10を特定する情報とともに記憶する。
遊技機10からは、
図12に示すような各種「遊技情報」が送信される。
例えば、遊技機10からは、遊技媒体の投入数を示す「アウト情報」、遊技媒体の払出数を示す「セーフ情報」、遊技者に有利な大当り、ビックボーナス(以下、BBという)、レギュラーボーナス(以下、RBという)(AT、ARTを含む)等の特別遊技の発生を示す「状態情報」、1ゲームの実行を示す「スタート情報」、遊技機10の扉体・枠の開閉状態を示す「扉開閉情報」等を受信できる。
「アウト情報」は、例えば、パチンコ機10aの場合、遊技球が10玉投入されるごとに1回送信され、パチスロ機10bの場合、メダルが1枚投入されるごとに1回送信される。
「セーフ情報」は、例えば、パチンコ機10aの場合、入賞により遊技球が10玉払い出されるごとに1回送信され、パチスロ機10bの場合、メダルが1枚払い出されるごとに1回送信される。
「状態情報」は、例えば、パチンコ機10aの場合、確変中、又は時短中に送信され、パチスロ機10bの場合、BB、RB等のボーナス中に送信される。
そのため、「状態情報」が送信されているときは、特別遊技状態として特定でき、「状態情報」が送信されていないときは、通常遊技状態として特定できる。
「スタート情報」は、例えば、パチンコ機10aの場合、始動口への入賞、又は図柄変動により送信され、パチスロ機10bの場合、スタートレバーを押下するごとに送信される。
「扉開閉情報」は、遊技機10の扉体・枠に設けられたセンサ(例えば、マイクロスイッチ、光電センサ等)が扉体・枠の開閉状態を検出することで送信され、例えば、パチンコ機10aの場合、遊技機10の前面を覆う外枠(木枠)やガラス扉(金枠)の開状態によって送信され、パチスロ機10bの場合、前扉の開状態によって送信される。
【0050】
また、記憶部102は、貸出機20から送信される「取引情報」を記憶する。
「取引情報」には、例えば、遊技者が遊技の開始にあたり貸出機20に現金を投入して、貸出操作を行うときに送信される「売上情報」や、大当り等で得た出玉を景品に交換せずに、遊技場に預けた貯玉を引き出して遊技するときに送信される「再プレイ情報」等があり、遊技機10ごとの情報として発生した時刻に順次記憶される。
「売上情報」は、遊技者により貸出機20に現金が投入されると、例えば、パチンコ機10aの場合、25玉(1玉が4円の場合100円)の遊技球の貸出しが行われるごとに1回送信され、パチスロ機10bの場合、5枚(1メダルが20円の場合100円)のメダルの貸出しが行われるごとに1回送信される。
なお、一度の遊技媒体の貸出し操作によって払い出される遊技媒体の数が設定されているため、例えば、一度に125玉が貸玉として払い出されるように設定されている場合は、一度の遊技媒体の貸出し操作によって「売上情報」が5回送信される。
「再プレイ情報」は、遊技者による貯玉の払戻し操作が行われると、例えば、パチンコ機10aの場合、25個の遊技媒体の払い出しが行われるごとに1回送信され、パチスロ機10bの場合、5枚のメダルの払い出しが行われるごとに1回送信される。
【0051】
また、記憶部102は、計数機70から送信される「遊技媒体数情報」を記憶する。
「遊技媒体数情報」には、例えば、遊技者が手持ちの遊技媒体を計数機70で計数するときに送信される「計数情報」等がある。
「計数情報」は、計数時に会員カード等が挿入されている場合、カードリーダーが、会員カードの識別情報を読み取るとともに、この読み取った識別情報と、計数結果である計数値が関連付けて送信される。
記憶部102は、このような各種情報を、営業日(例えば、1日単位)ごとに記憶できる。
【0052】
さらに、記憶部102は、遊技機10、貸出機20及び計数機70等の遊技関連装置から送信される各種情報に基づき、遊技関連装置が異常状態にあると判定したときの「異常情報」を記憶する。
「異常情報」には、例えば、遊技機10から送信されるアウト情報やセーフ情報等の異常を示す「点検異常」、ケーブルの断線、短絡等による異常や不正な磁気、電波等による異常を示す「セキュリティ異常」等がある。
【0053】
操作部103は、キーボードやマウス等で構成される操作手段であり、遊技場の管理者等が操作することにより、所定のデータや指示、命令等を選択、入力できるようになっている。
【0054】
表示部104は、液晶ディスプレイ等の報知手段であり、遊技場の店員が操作部103を操作することにより、表示部104に異常情報等の各種情報を表示する。
例えば、表示部104は、必要な画像を容易に選択できるように、呼出ランプ30に転送する画像のサイズや形式等(例えば、JPEG)を表示する。
なお、表示部104は、報知手段として機能するが、報知手段は、音声、ブザー及びランプ等でも良い。
【0055】
制御部105は、CPU、ROM、RAM等で構成されており、記憶部102に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、上述した各部を監視及び制御しながらホールコンピュータ100としての処理を行う。
例えば、制御部105は、操作部103を通してランプ端末90との接続が指示された場合には、管理プログラムの起動を指示し、呼出ランプ30の制御内容を設定するUIを表示部104に表示させる。
制御部105は、通信部101を介して遊技機10等から受信した各種情報に基づき、遊技場の営業時に用いる遊技場固有の情報である営業情報(例えば、アウト、出率、粗利等)を算出する。
【0056】
また、制御部105は、異常状態判定手段として機能することにより、遊技機10等から送信される各種情報に基づき、不正行為や故障等に起因する異常状態を判定して、異常の種類を特定できる。
そして、制御部105は、遊技機10等が異常状態であると判定した場合に、その異常の種類を識別できるように呼出ランプ30や代表ランプ40等の遊技場用装置に異常情報を送信する。
これにより、店員がインカムから伝えられた異常情報を忘れてしまった場合でも、呼出ランプ30等が遊技機10等の異常情報を報知することができるため、事務所等に確認することなく、異常状態の原因を調査し対処できる(
図2参照)。
【0057】
[稼働状態画面]
このような構成からなるホールコンピュータ100は、ランプメーカー区別なく呼出ランプ30が異常情報を表示していることを視覚的な態様で報知することができ、例えば、
図13に示すような稼働状態画面を表示できる。
稼働状態画面は、フロアごとの遊技機10の配置を図式化したレイアウトが表示され、そのレイアウトで稼働状態を確認するための画面である。
稼働状態画面は、「フロア500」、「遊技機・ランプ選択501」、「選択台502」及び「表示選択503」が表示される。
【0058】
「フロア500」は、稼働状態を表示するフロアを選択できる。
「遊技機・ランプ選択501」は、遊技機10、又は呼出ランプ30の何れかのうち、表示したい稼働状態を選択できる。
例えば、ラジオボタンで「ランプ」を選択すれば、レイアウトのマスに呼出ランプ30の稼働状態が表示される。
「選択台502」は、選択した遊技機10の台番号及び機種名が表示される。
「表示選択503」は、表示したい稼働状態を選択でき、稼働状態として、例えば、「稼働」、「通信異常」、「点検異常」、「セキュリティ異常」、「遊技客操作」、「食事・離席操作」及び「夜間監視」等がある。
遊技場の管理者は、「表示選択503」のチェックボックスにチェックを入れることで、その稼働状態を表示することができ、チェックボックスのチェックを外すことで、その稼働状態を非表示にできる。
そして、「現在の条件を既定にする」をクリックすれば、設定した条件を既定値にできる。
なお、実際の稼働状態画面は、呼出ランプ30の稼働状態が該当するとき、色により区別しているが、図は白黒なので、
図13では、ハッチング等で区別して表示してある。
【0059】
「稼働」は、遊技機10が稼働しているときに、例えば黒色で表示される。
「通信異常」は、遊技用システム1の通信経路で通信異常が発生しているときに、例えば赤色で表示される。
「点検異常」は、遊技機10等の遊技関連装置で点検異常が発生しているときに、例えば黄色で表示される。
「セキュリティ異常」は、遊技機10等の遊技関連装置でセキュリティ異常が発生しているときに、例えば橙色で表示される。
「遊技客操作」は、呼出ランプ30の呼出ボタン34が操作された状態(呼出状態)のときに、例えば緑色で表示される。
「食事・離席操作」は、食事や休憩等の理由で遊技機10から離れて離席状態のときに、例えば灰色で表示される。
「夜間監視」は、夜間の監視状態にあるときに、例えば青色で表示される。
図13に示す例では、フロア「1F」の台番号「2」の遊技機10に対応する呼出ランプ30に制御部105が「点検異常」を送信していることを示しており、店員が異常状態を対処すると、色による区別は解除される。
このように制御部105は、現在の呼出ランプ30の稼働状態を一目で認識できるように、異なる表示形態(色、文字、図形、網掛け、点滅表示等)で表示部104に表示できる。
これにより、遊技場の管理者は、不正行為や故障等の異常を早期に発見することができ、その対処を早期に実施できる。
【0060】
[台個別データ画面]
ホールコンピュータ100(制御部105)は、稼働状態画面上で個別に確認したい呼出ランプ30をダブルクリックすることにより、
図14に示すような台個別データ画面を表示できる。
台個別データ画面は、稼働状態画面と同時に表示することができ、呼出ランプ30の稼働状態の詳細を確認するための画面である。
台個別データ画面は、「遊技機情報600」、「稼働状態601」、「セキュリティ異常602」、「点検異常603」、「ランプ状態604」及び「営業情報605」が表示される。
また、操作ボタンとして、「セキュリティ異常を強制復帰するボタン606」、「点検異常を強制復帰するボタン607」が表示される。
「遊技機情報600」は、呼出ランプ30に対応する遊技機10の台番号、機種名及び機種グループ等の遊技機情報が表示される。
「稼働状態601」は、稼働の状態が表示され、例えば、非稼働時間等が表示される。
「セキュリティ異常602」は、信号異常や不正異常等のセキュリティ異常が発生しているか否かが表示(特別報知)される。
「点検異常603」は、アウト異常、セーフ異常及びベース異常等の点検異常が発生しているか否かが表示(特別報知)される。
図14に示す例では、制御部105が台番号「2」の呼出ランプ30に送信している点検異常は、「セーフ異常」であることを示している。
「ランプ状態604」は、呼出ランプ30の稼働状態とその詳細が表示され、異常情報に加え、対応するエラーコードが表示される。
また、制御部105は、表示部104に異常情報を表示する以外にも、店内放送、遊技場の店員が携帯するインカム等の報知手段に異常情報を送信し、店員等の遊技場の関係者にセーフ異常の報知を行う。
【0061】
「営業情報605」は、呼出ランプ30に対応する遊技機10(パチンコ機10a)のアウト、セーフ、差玉等の営業情報が表示される。
「セキュリティ異常を強制復帰するボタン606」は、呼出ランプ30によるセキュリティ異常の報知をホールコンピュータ100側から強制的に解除(復帰)する操作ボタンである。
「点検異常を強制復帰するボタン607」は、呼出ランプ30による点検異常の報知をホールコンピュータ100側から強制的に解除する操作ボタンである。
そのため、遊技場の管理者は、これらの操作ボタンをクリックすることにより、呼出ランプ30の表示部32に表示された異常情報の報知を一括解除できる。
なお、これらの操作ボタンをクリックすることにより、呼出ランプ30による異常情報の報知を一括解除できるが、指定した異常情報のみを解除するようにしても良い。
【0062】
このように、制御部105は、表示部104を報知手段として機能させ、異常情報を表示部104に表示できる。
例えば、遊技機10等が異常状態であると判定した場合には、異常の種類まで特定して表示部104に表示できる。
これにより、遊技場の管理者は、〇〇番台の遊技機10等に異常が発生しているか否かが容易に確認できる。
【0063】
ここで、
図15のフローチャートを参照しながら、呼出ランプ30による異常情報の報知の解除条件について説明する。
制御部105は、遊技機10等が異常状態であると判定すると(S20)、呼出ランプ30に異常情報を送信し(S21)、呼出ランプ30に異常情報を報知(特定報知)するように制御する(S22)。
解除条件とは、呼出ランプ30は、ホールコンピュータ100から送信される異常情報の受信に基づき、異常情報を報知するがその報知を解除する条件である。
本実施形態においては、(1)リモート解除、(2)無線解除、(3)自動解除の3つの解除条件を有し、何れかの条件が成立した場合に呼出ランプ30による異常情報の報知が解除される。
【0064】
(1)リモート解除
まず、第1の解除条件は、ホールコンピュータ100の操作部103を用いて、呼出ランプ30による異常情報の報知を解除する場合である(S23)。
この場合、ホールコンピュータ100が設置された事務所から上述した台個別データ画面の操作ボタン(「セキュリティ異常を強制復帰するボタン606」、又は「点検異常を強制復帰するボタン607」)を操作することで解除条件が成立する(
図14参照)。
制御部105は、これらの操作ボタンがクリックされると、呼出ランプ30に解除情報を送信して異常情報の報知を解除する(S24)。
したがって、遊技場の管理者は、呼出ランプ30による異常情報の報知を、呼出ランプ30のところに行くことなく、ホールコンピュータ100からリモート操作を行うことで強制的に解除できる。
【0065】
(2)無線解除
第2の解除条件は、遊技場の店員が携帯する無線通信手段を用いて、呼出ランプ30による異常情報の報知を解除する場合である(S25)。
例えば、店員が異常状態にあると判定された遊技機10のところへ行き、調査した結果、正常状態であると判断したとき等に、
図16に示すようなリモコンRを用いることで、呼出ランプ30による異常情報の報知を解除できる。
【0066】
リモコンRは、呼出ランプ30のリモコン受光部33に向けて、赤外線や電波等で信号を送信することができ、1つのリモコンRで、複数のランプメーカーの呼出ランプ30を設置する場合であっても、一括制御できる構成になっている。
リモコンRは、切替ボタン部R1と、制御ボタン部R2とにより構成される。
切替ボタン部R1は、制御したいランプメーカーを選択することができ、一度選択するとその選択されたランプメーカーへの制御機能が保持される。
制御ボタン部R2は、呼出ランプ30を制御することができ、操作ボタンとして、ワイヤーロックを開放する「開錠」、ワイヤーロックをロックする「施錠」、異常情報の報知を解除する「不正解除」、食事休憩時間を設定する「食事」、空席確認する「空席」、空席時間を表示する「空席時間」、呼出し(サービス)を解除する「サービス解除」、無制限ランプ動作を行う「無制限」、連続ランプ動作を行う「連続」が設けられている。
そして、これらの操作ボタンの操作によって、各種赤外線信号が送信される。
【0067】
そのため、店員がリモコンRの制御ボタン部R2の中の「不正解除」ボタンを操作することで、呼出ランプ30に解除信号が無線送信される。
その結果、呼出ランプ30に送信された全ての異常情報が解除されることで解除条件が成立し、呼出ランプ30による異常情報の報知を強制的に解除できる(S26)。
なお、店員がリモコンRの「不正解除」ボタンを操作すると、呼出ランプ30に解除信号が無線送信されるが、ホールコンピュータ100にも解除信号が送信される。
制御部95は、その解除信号を受信したときを呼出ランプ30による異常情報の報知が解除されたと判定する異常報知終了判定手段として機能する。
【0068】
(3)自動解除
第3の解除条件は、店員が遊技機10等の異常状態の原因を調査し対処することによって、その異常状態を解消することで自動的に、呼出ランプ30による異常情報の報知を解除する場合である(S27)。
ホールコンピュータ100は、遊技機10等の遊技関連装置が特定の異常状態であると判定した場合に、店員の携帯するインカムにその異常情報を送信することで、店員に対し異常情報を報知できる。
このとき、インカムは、ホールコンピュータ100から異常情報を受信すると、「台番号「2」の遊技機10でセーフ異常が発生しました」等といった情報を、解除情報を受信するまで繰り返し音声出力することにより、セーフ異常の報知を実行する。
その音声を聞いた店員は、台番号2の遊技機10に移動して、セーフ異常が起きた原因を調査し対処する。
例えば、セーフ異常は、補給メーターの蛇腹部分の玉詰まり等により、払い出されるべき遊技媒体が払い出されない異常であるため、店員は、払出装置の故障や、遊技機10に遊技媒体を補給する補給装置の故障等を調査し対処することになる。
そして、店員の対応により玉詰まり等の異常状態が解消され、遊技球が正常に流れ出すことで解除条件が成立し、自動的に呼出ランプ30による異常情報の報知を解除できる。
これにより、店員が遊技機10等の異常状態を解消することで自動的に、呼出ランプ30による異常情報の報知を解除でき、ホールコンピュータ100側で、特別に解除操作する必要がなくなるため、作業効率の向上が見込める。
ホールコンピュータ100は、これら(1)~(3)の解除条件の一部、又は全部を設定できる。
【0069】
また、異常情報の中には、店員が異常状態を解消しても自動的に、呼出ランプ30による異常情報の報知が解除されない情報もある。
具体的には、点検異常の「アウト異常」、「セーフ異常」、「ベース異常」等、セキュリティ異常の「売上断線」、「売上短絡」等の異常(第3異常状態)は、店員が異常状態を解消することで、自動で呼出ランプ30による異常情報の報知が解除される(
図17参照)。
一方、点検異常の「賞球誤差異常」、「持ち込み玉異常」等、セキュリティ異常の「不正(木枠開閉)異常」、「不正(金枠開閉)異常」等の異常(第4異常状態)は、店員が異常状態を解消しても自動で呼出ランプ30による異常情報の報知が解除されない。
これは、制御部105がゴト等の不正行為に直接関連する異常は、店員が対処しても異常情報の報知を残すように制御しているためであり、店員に異常が発生したことを再認識させている。
これに対して、注意は必要だがゴト等の不正行為に比べるとそこまで影響を受けない、例えば、玉詰まり等が原因で発生する異常は、店員に毎回、異常の発生を認識させることなく、店員の対処後に異常情報の報知を解除するように制御している。
この結果、遊技場経営に大きな影響を及ぼしかねないゴト等の不正行為とその他の異常を区別して管理できる。
なお、第3異常状態及び第4異常状態は、一義的にあらかじめ設定されており、変更できない構成だが、ホールコンピュータ100の操作部103や店員が携帯するリモコンR等で、いつでも設定を変更できる構成としても良い。
また、第3異常状態及び第4異常状態が、次に説明する異常連携設定画面の「発生/復帰・ランプ通知」で設定できる第1異常状態及び第2異常状態の少なくとも何れかに重複して設定される場合もある。
【0070】
[異常連携設定画面]
図17は、パチンコ機10aにおける異常連携設定画面の一例を示す図である。
異常連携設定画面は、異常情報に関して、呼出ランプ30とのシステム連携を設定するための画面である。
異常連携設定画面は、「絞り込み条件700」、「異常情報の設定702」が表示され、操作ボタンとして、画面下部に「登録ボタン701」が表示される。
【0071】
「絞り込み条件700」は、チェックボックスによって、「異常情報の設定702」に表示する異常情報を絞り込むことができる。
例えば、点検異常のチェックボックスにチェックを入れると点検異常が表示され、点検異常のチェックボックスのチェックを外すと、点検異常が表示対象外となる。
図17に示す例では、点検異常及びセキュリティ異常のチェックボックスにチェックを入れ、異常連携設定画面に点検異常及びセキュリティ異常をともに表示している。
「登録ボタン701」は、クリックすると操作部103を用いて設定された設定条件が記憶部102に記憶され、この記憶された設定条件に基づき呼出ランプ30とのシステム連携が有効になる。
【0072】
「異常情報の設定702」には、「異常情報」、「エラーコード」、「発生/復帰・ランプ通知」、「リモコン使用・強制復帰」の項目が表示される。
「異常情報」には、「絞り込み条件700」で選択した異常情報が表示される。
「エラーコード」は、異常情報を示し、異常情報と一対一に対応して設けられる。
点検異常には、例えば、セーフ情報が検出されているにも関わらず、アウト情報が検出されないNo1の「アウト異常」、アウト情報が検出されているにも関わらず、セーフ情報が検出されないNo2の「セーフ異常」、ベースが基準範囲から逸脱するNo3の「ベース異常」、単位時間(例えば、10分)あたりの出玉数が基準値を超えるNo4の「出過ぎ異常」、通常遊技状態にも関わらず、差数が基準値を超えるNo5の「手持ち異常」、始動口に遊技球が入った際の遊技媒体の払出数が異なるNo15の「賞球誤差異常」、他の遊技場からの遊技媒体の持ち込みや遊技場内での貸出レートが異なる他の遊技機10からの遊技媒体の持ち込みのNo16の「持ち込み異常」等がある。
【0073】
セキュリティ異常には、例えば、貸出機20との通信経路が断線したNo30の「売上断線」、貸出機20との通信経路が短絡したNo31の「売上短絡」、遊技機10の外枠(木枠)が開放されるNo47の「不正(木枠開閉)異常」、遊技機10の前面を覆うガラス扉(金枠)が開放されるNo48の「不正(金枠開閉)異常」等がある。
【0074】
ここで、一例として、No6の「確変ベース異常」とNo7の「確変出過ぎ異常」における制御部105の異常状態判定手段としての動作について説明する。
まず、確変中のベースが正常な値を示さずに異常な値を示す「確変ベース異常」について説明する。
「確変ベース異常」では、一般的な確変時のベースが、50~130の範囲内(基準範囲内)にあることから、制御部105は、確変中のベースが0~50未満の範囲内、又は130を超える範囲内にあるか否かを判定する。
そのため、制御部105は、確変時のベースが基準範囲内にあるときには、遊技機10が正常状態にあると判定し、基準範囲内にないときには、遊技機10が異常状態にあると判定する。
【0075】
同様に、確変中の出玉(差玉ともいう)が正常な値を示さずに異常な値を示す「確変出過ぎ異常」について説明する。
「確変出過ぎ異常」では、確変時の出玉が、10分あたり2000玉以内(基準範囲内)にあることから、制御部105は、確変中の出玉が2000玉を超える範囲内にあるか否かを判定する。
そのため、制御部105は、確変時の出玉が基準範囲内にあるときには、遊技機10が正常状態にあると判定し、基準範囲内にないときには、遊技機10が異常状態にあると判定する。
このような異常の原因としては、例えば、体感機等の不正な器具を使用して特定の小役入賞を不正に発生させ、セーフ数を不正に増加させる不正行為、「セーフ情報」が設定された数より多く送信される信号異常、又は「セーフ情報」を検出するケーブルの接続ミス等が想定される。
【0076】
なお、時短中においても、通常、ベースが100前後に維持されることから、上記と同様な判定値を用いて、「確変ベース異常」及び「確変出過ぎ異常」と同義である「時短ベース異常」及び「時短出過ぎ異常」を判定することもできる。
また、非確変時(通常遊技状態)は、ベース及び出玉は確変時よりも低い値となるため、「ベース異常」の判定値が「確変ベース異常」よりも低い数値範囲(例えば、10~50)になることが好ましく、さらに、「出過ぎ異常」の判定値が「確変出過ぎ異常」よりも低い数値(例えば、500玉以内)になることが好ましい。
また、非確変時及び確変時等の各遊技状態において異常を判定するときの判定値は、遊技場の管理者等の操作者が操作部103を介して入力することにより、任意の値に設定できる。
【0077】
再び、
図17に戻って、異常連携設定画面の説明を続ける。
「発生/復帰・ランプ通知」は、異常の種類に応じて「〇」、「×」を設定することで、異常情報を呼出ランプ30に報知させるか否かを設定できる。
具体的には、呼出ランプ30に表示したい異常(第1異常状態)を「〇」とし、呼出ランプ30に表示したくない異常(第2異常状態)を「×」に設定する。
このとき、制御部105は、「〇」に設定された異常の場合、呼出ランプ30に異常情報を送信するように制御する。
一方、制御部105は、「×」に設定された異常の場合、呼出ランプ30に異常情報を送信しないように制御する。
【0078】
図17に示す例では、「確変出過ぎ異常」が「×」に設定されているため、制御部105は、遊技機10が「確変出過ぎ異常」であると判定しても、呼出ランプ30にその異常情報を送信しないように制御する。
【0079】
「リモコン使用・強制復帰」は、異常の種類に応じて「〇」、「×」を設定することで、呼出ランプ30による異常情報の報知を遊技場の店員が携帯するリモコンRで強制的に解除(復帰)したときに、同時に表示部104による異常情報の表示も解除するか否かを設定できる。
具体的には、呼出ランプ30による異常情報の報知をリモコンRで解除したときに、同時に
図13のレイアウトのマスの「セキュリティ異常602」及び「点検異常603」の表示及び
図14に示す台個別データ画面の「セキュリティ異常602」及び「点検異常603」の異常情報の表示も解除したい異常を「〇」とし、リモコンRで解除したときでも、表示を維持したい異常を「×」に設定する。
【0080】
図17に示す例では、点検異常の「確変ベース異常」及びセキュリティ異常の「売上短絡」がそれぞれ「×」に設定されているため、「確変ベース異常」及び「売上短絡」の異常状態のときには、呼出ランプ30による異常情報の報知を店員がリモコンRで解除したとしても、表示部104に表示される異常情報は、表示されたままとなる。
すなわち、稼働状態画面及び台個別データ画面の「点検異常603」に表示される「確変ベース異常」と「セキュリティ異常602」に表示される「売上短絡」の異常状態のときには、店員がリモコンRで呼出ランプ30による異常情報の報知を解除しても、表示部104に表示されたままとなる。
例えば、遊技場経営に対し影響の大きい異常を、ホールコンピュータ100の操作部103のみによって表示を解除できる設定とし、一方、影響の比較的小さい異常を、店員がリモコンRで呼出ランプ30による報知を解除したときに、同時に表示部104の表示も解除できるように設定する。
これにより、影響の大きい異常の場合、表示部104による異常情報の報知を継続するように設定すれば、経験の浅い店員が遊技機10等を調査して正常状態にあると判断してリモコンRで呼出ランプ30による異常情報の報知を解除した場合でも、遊技場の管理者が表示部104により本当に遊技機10等が正常状態であるか否かを確認できるようになる。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る遊技用システム1によれば、複数メーカーの呼出ランプ30を管理できるランプ端末90を備えるため、ランプ端末90と異なるランプメーカーや複数メーカーの呼出ランプ30を設置した場合でも、ホールコンピュータ100が適切に呼出ランプ30を制御できる。
これにより、従来、ランプメーカーごとにランプ端末90が必要であったが、複数メーカーの呼出ランプ30を一括制御できるランプ端末90を備えるため、設置スペースやコストの削減を図ることができる。
また、本実施形態に係るホールコンピュータ100によれば、呼出ランプ30による異常情報の報知が解除された場合に、ホールコンピュータ100の表示部104による異常情報の報知を継続するか否かを設定する設定手段を備えるため、表示部104による報知を、呼出ランプ30による報知と非同期に制御できる。
例えば、表示部104による異常情報の報知を継続するように設定すれば、店員が遊技機10等を調査して正常状態にあると判断してリモコンRで呼出ランプ30による異常情報の報知を解除した場合でも、管理者がホールコンピュータ100にて本当に遊技機10等が正常状態にあるか否かを改めて確認できる。
これにより、遊技場の管理者は、遊技場経営に大きな影響を及ぼしかねない異常(例えば、ゴト等の不正行為)とその他の異常を区別して管理できる。
【0082】
従来の遊技用装置では、複数メーカーの呼出ランプ30を設置した場合には、ランプメーカーごとにランプ端末90が必要であり、さらにホールコンピュータ100の表示部104が遊技機10等の異常状態を適切に報知できないという問題があった。
本発明の遊技用装置によれば、従来の遊技用装置が改善すべきこのような課題の全部、又は一部を解決できる。
【0083】
以上、本発明の遊技用装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明の遊技用装置は、上述した実施形態にのみに限定されるものではなく、パチンコ機10aやパチスロ機10b関係なくその他の遊技機10にも本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。
また、本実施形態では、遊技用装置の一例として、ランプ端末90及びホールコンピュータ100に適用して説明したが、これに限るものではなく、例えば、貸出機20、呼出ランプ30、代表ランプ40、台コンピュータ50、島コンピュータ60、計数機70、景品交換機、精算機等にも適用できる。
【符号の説明】
【0084】
1 遊技用システム
10 遊技機(遊技関連装置)
20 貸出機(遊技関連装置)
30 呼出ランプ(遊技場用装置)
40 代表ランプ(遊技場用装置)
70 計数機(遊技関連装置)
90 ランプ端末(遊技用装置)
91 通信部(取得手段)
92 記憶部(記憶手段)
95 制御部(制御手段、特定手段、選択手段、通信異常判定手段、通信経路特定手段)
100 ホールコンピュータ(遊技用装置)
101 通信部(送信手段)
103 操作部(操作手段、設定手段)
104 表示部(報知手段)
105 制御部(異常状態判定手段、異常報知終了判定手段)