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特開2022-176853印刷装置、印刷処理システム、及び、印刷処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176853
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷処理システム、及び、印刷処理方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20221122BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20221122BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221122BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20221122BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221122BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J2/175 119
H04N1/00 C
G06Q10/00 300
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083526
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高▲崎▼ 啓典
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
5C062
5L049
【Fターム(参考)】
2C056EB44
2C056EB45
2C056EB59
2C056EC26
2C056KC01
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061CF05
2C061CG02
2C061CG15
2C061CQ24
2C061CQ32
2C061CQ40
2C061HK11
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC58
5L049AA06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】契約の締結後に消耗品の交換が行われたとき交換前の消耗品に関する情報をユーザに提供し、利便性を向上する。
【解決手段】表示部240と、プロセッサ210と、を備え、契約モードで動作可能な複合機200であって、プロセッサ210は、S25,S45で、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50に関する情報を取得して消耗品関連情報記憶領域231に記憶し、S65で、インクカートリッジ50が交換されたか否かを判定し、契約モードでの動作中、S65において交換前のインクカートリッジ50が交換されたと判定された場合に、消耗品関連情報記憶領域231に記憶された交換前のインクカートリッジ50に関する情報に基づき、交換前のインクカートリッジ50の取り扱いに関する交換前消耗品取り扱い情報をS120,S160,S170,S190,S230,S240で表示部240に表示させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷に使用する消耗品が装着される装着部と、
前記消耗品を用いて被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、
記憶部と、
報知部と、
制御部と、
を備え、前記印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に対応した契約モードで動作可能な印刷装置であって、
前記制御部は、
前記装着部に装着された前記消耗品に関する情報を取得して記憶部に記憶する取得処理と、
前記装着部に装着される前記消耗品が交換されたか否かを判定する判定処理と、
前記契約モードでの動作中、前記判定処理において交換前の消耗品が交換されたと判定された場合に、前記記憶部に記憶された前記交換前の消耗品に関する情報に基づき、前記交換前の消耗品の取り扱いに関する交換前消耗品取り扱い情報を前記報知部に報知させる第1報知処理と、
を実行する、印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、
前記取得処理で取得した交換後の消耗品の情報に基づいて交換後の消耗品が前記締結内容に対応した第1消耗品であるか、前記第1消耗品とは異なる第2消耗品であるか判定する種別判定処理を実行し、
前記第1報知処理において、前記種別判定処理の判定結果が前記交換後の消耗品が前記締結内容に対応した第1消耗品であった場合と、前記交換後の消耗品が前記第1消耗品とは異なる第2消耗品であった場合とで、互いに異なる内容の前記交換前消耗品取り扱い情報の報知を報知部に行わせる、
請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1報知処理において、
前記交換前の消耗品が前記第2消耗品で前記交換後の消耗品が前記第1消耗品であった場合と、前記交換前の消耗品が前記第1消耗品で前記交換後の消耗品も前記第1消耗品であった場合とで、互いに異なる内容の前記交換前消耗品取り扱い情報の報知を報知部に行わせる、
請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1報知処理において、
前記交換前の消耗品が前記第2消耗品であった場合には、前記交換前消耗品取り扱い情報として、当該交換前の消耗品の保管情報の報知を報知部に行わせる、
請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1報知処理において、
前記交換前の消耗品が前記第2消耗品であった場合には、前記交換前消耗品取り扱い情報として、当該交換前の消耗品を装着可能な他の印刷装置を表す他機情報の報知を報知部に行わせる、
請求項3又は請求項4記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1報知処理において、
前記交換前の消耗品が前記第1消耗品であった場合には、当該交換前の消耗品の使用可能量が所定条件を満たすことを条件に、前記交換前消耗品取り扱い情報として、当該交換前の消耗品の前記装着部への再装着を促す装着推奨情報の報知を報知部に行わせる、
請求項4又は請求項5記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1報知処理において、
前記交換後の消耗品が前記第2消耗品であった場合には、前記交換前消耗品取り扱い情報として、前記第1消耗品への交換推奨情報の報知を報知部に行わせる、
請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項8】
前記制御部は、さらに、
前記契約モードでの動作が終了したか否かを判定する終了判定処理と、
前記終了判定処理で前記契約モードでの動作が終了したと判定された場合には、前記装着部に装着されている前記第1消耗品の処分に係わる処分情報を前記報知部に報知させる第2報知処理と、
を実行する、請求項2乃至請求項7のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記終了判定処理で前記契約モードでの動作が終了したと判定された場合には、前記第1報知処理において、当該契約モードでの動作開始時に前記交換前の消耗品である前記第2消耗品から前記交換後の消耗品である前記第1消耗品へ交換されたことに対応して前記記憶部に記憶された、前記交換前の消耗品に関する情報に基づく前記交換前消耗品取り扱い情報を前記報知部に報知させる、請求項8記載の印刷装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記交換前の消耗品である前記第2消耗品の使用可能量が所定条件を満たしかつ当該第2消耗品の使用有効期限内である場合には、前記第1報知処理において、前記交換前消耗品取り扱い情報として、当該第2消耗品の前記装着部への再装着を促す装着推奨情報の報知を報知部に行わせる、
請求項9記載の印刷装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記交換前の消耗品である前記第2消耗品の使用可能量が所定条件を満たさないか、若しくは、当該第2消耗品の使用有効期限外である場合には、前記第1報知処理において、前記交換前消耗品取り扱い情報として、当該第2消耗品を再使用できない旨の報知を報知部に行わせる、
請求項9又は請求項10記載の印刷装置。
【請求項12】
前記制御部は、さらに、
新たな前記第2消耗品の再購入を促す再購入推奨情報を前記報知部に報知させる第3報知処理
を実行させる、請求項11記載の印刷装置。
【請求項13】
さらに、前記装着部に装着される前記消耗品を検知する検知部を有し、
前記判定処理は、
前記検知部の検知結果に基づき、前記装着部に装着される前記消耗品が交換されたか否かを判定する、請求項1記載の印刷装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記判定処理において、
前記取得処理で取得された装着中の消耗品の情報が前記記憶部に記憶された消耗品に関する情報と異なるか否かに基づいて、消耗品が交換されたか否かを判定する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項15】
印刷に使用する消耗品が装着される装着部、及び、前記消耗品を用いて被印刷媒体に画像を印刷する印刷部、を備え、前記印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に対応した契約モードで動作可能な印刷装置と、前記印刷装置に対し通信可能に接続される外部機器と、を有する印刷処理システムであって、
前記装着部に装着された前記消耗品に関する情報を記憶する記憶部と、
と、
前記装着部に装着される前記消耗品が交換されたか否かを判定する判定部と、
前記契約モードでの動作中、前記判定部により交換前の消耗品が交換されたと判定された場合に、前記記憶部に記憶された前記交換前の消耗品に関する情報に基づき、前記交換前の消耗品の取り扱いに関する交換前消耗品取り扱い情報を報知する報知部と、
を有する、印刷処理システム。
【請求項16】
印刷に使用する消耗品が装着される装着部、及び、前記消耗品を用いて被印刷媒体に画像を印刷する印刷部、を備え、前記印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に対応した契約モードで動作可能な印刷装置と、前記印刷装置に対し通信可能に接続される外部機器と、を有する印刷処理システムが実行する印刷処理方法であって、
前記装着部に装着される前記消耗品に関する情報を記憶する記憶ステップと、
と、
前記装着部に装着される前記消耗品が交換されたか否かを判定する判定ステップと、
前記契約モードでの動作中、前記判定ステップで交換前の消耗品が交換されたと判定された場合に、前記記憶ステップで記憶された前記交換前の消耗品に関する情報に基づき、前記交換前の消耗品の取り扱いに関する交換前消耗品取り扱い情報を報知する報知ステップと、
を有する、印刷処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗品を用いて被印刷媒体に画像を形成する印刷装置、印刷処理システム、及び印刷処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、印刷装置のユーザとの間で所定の契約が締結され、その契約に基づき、印刷内容に応じてユーザに対し課金を行う技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-118406公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように契約が締結された場合、印刷装置において使用されるカートリッジ等の消耗品としては、市販の消耗品とは異なる、その契約に対応した特定の消耗品(以下適宜、「契約消耗品」と称する)が用いられる。例えば、契約の締結前にユーザが市販の消耗品を印刷装置に装着して印刷装置を使用していた場合、契約が締結された後は、その市販の消耗品を取り外して契約消耗品に交換する必要がある。
【0005】
ここで、上記のように契約消耗品への交換により取り外された交換前の市販の消耗品については、適正に保管しておけば、上記契約が終了したときに再度使用できる可能性がある。また、その取り外された市販の消耗品を、契約が終了する前後に係わらず、別の機種の印刷装置に使用できる場合もあり得る。契約の終了後は、上記のように保管しておいた交換前の市販の消耗品を再使用できる可能性もあるが、保管期間の長さや保管状態によっては再使用できない場合もあり得る。
【0006】
以上のように、ユーザとの間で契約が締結されて印刷装置において契約消耗品への交換が行われたとき、交換前の市販消耗品に係わる適宜の報知を行うようにすれば、ユーザにとって便利である。上記従来技術では、そのような点に関しては、特に考慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、契約の締結後に消耗品の交換が行われたとき交換前の消耗品に関する情報をユーザに提供し、利便性を向上できる印刷装置、印刷処理システム、及び印刷プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明は、印刷に使用する消耗品が装着される装着部と、前記消耗品を用いて被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、記憶部と、報知部と、制御部と、を備え、前記印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に対応した契約モードで動作可能な印刷装置であって、前記制御部は、前記装着部に装着された前記消耗品に関する情報を取得して記憶部に記憶する取得処理と、前記装着部に装着される前記消耗品が交換されたか否かを判定する判定処理と、前記契約モードでの動作中、前記判定処理において交換前の消耗品が交換されたと判定された場合に、前記記憶部に記憶された前記交換前の消耗品に関する情報に基づき、前記交換前の消耗品の取り扱いに関する交換前消耗品取り扱い情報を前記報知部に報知させる第1報知処理と、を実行する。
【0009】
本願発明の印刷装置は、装着部と、印刷部と、記憶部と、報知部と、制御部と、を有し、契約モードにおいては、印刷部での印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に基づき、動作可能である。制御部は、取得処理、判定処理、第1報知処理を実行する。取得処理において、装着部に装着される消耗品に関する情報が取得され、取得された情報が記憶部に記憶される。判定処理において、装着部に装着される消耗品が交換されたか否かが判定される。
契約モードでの動作中に上記判定処理により交換前の消耗品が交換されたと判定された場合、記憶部に記憶済の上記交換前の消耗品に関する情報に基づき、第1報知処理において、当該交換前の消耗品の取り扱いに関する交換前消耗品取り扱い情報が報知される。
本願発明によれば、契約締結後に交換前の消耗品から交換が行われたとき、交換前の消耗品に関する交換前消耗品取り扱い情報が報知されることで、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、契約の締結後に消耗品の交換が行われたとき交換前の消耗品に関する情報をユーザに提供し、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による印刷処理システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
図2】情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される契約締結処理を表すシーケンスフローである。
図3】情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される契約解除処理を表すシーケンスフローである。
図4】交換前消耗品取り扱い情報を表示するために、複合機のプロセッサにより行われる処理を表すメインフローである。
図5】プロセッサにより実行される、S100のカートリッジ交換時処理の詳細手順を表すフローチャートである。
図6】複合機の表示部における表示例を表す説明図である。
図7】プロセッサにより実行される、S200の契約終了時処理の詳細手順を表すフローチャートである。
図8】複合機の表示部における表示例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0013】
本発明の一実施形態に係る印刷処理システムを図1に示す。本実施形態は、複合機200で使用している消耗品が一定程度消耗した際に自動的に交換用の消耗品を配送する配送契約に基づく配送サービスを提供可能な、印刷処理システム1の実施形態である。なお、当該印刷処理システム1は、複合機200における印刷数に応じた課金額を請求する印刷契約に基づく印刷サービスも提供可能としている。
【0014】
<印刷処理システムの概要>
図1において、この印刷処理システム1は、情報管理サーバ100と、複合機200と、モバイル端末300と、配送管理サーバ400と、を含んでいる。これら情報管理サーバ100、複合機200、モバイル端末300、及び配送管理サーバ400は、ネットワークNTに接続されており、互いに通信可能である。なお、複合機200が印刷装置の一例であり、情報管理サーバ100及びモバイル端末300が外部機器の一例である。
【0015】
<情報管理サーバ>
情報管理サーバ100は、例えば複合機200のメーカーが設置及び管理するサーバであり、プロセッサ110と、記憶装置115と、インタフェース190と、を有している。これらプロセッサ110、記憶装置115、及びインタフェース190は、バス105を介して互いに接続されている。
【0016】
記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を備えている。
揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、ユーザID記憶領域121を有している。不揮発性記憶装置130は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、プログラム記憶領域131と、料金テーブル記憶領域132と、を有している。料金テーブル記憶領域132には、例えば、印刷やインクカートリッジの配送に対応してユーザに課金される料金を計算するための所定の相関が記憶されている。
【0017】
プロセッサ110は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ110は、プログラム記憶領域131に格納されたプログラムを実行することによって、ネットワークNTに接続されたモバイル端末300、複合機200、配送管理サーバ400に対するデータ通信を含む、後述の図2図3図4図5図7等に示す各種の処理を実行する。
【0018】
インタフェース190は、他の装置と通信するための有線LANインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0019】
<配送管理サーバ>
配送管理サーバ400は、例えば各種物品の配送サービスを行う配送サービス会社に設置されており、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。
【0020】
<複合機>
複合機200は、例えば、上記印刷サービスを提供する事業者によって保有されている。なお、この複合機200は、使用するユーザの個人所有のものであってもよい。複合機200は、スキャナ部280と、印刷部290と、プロセッサ210と、記憶装置215と、表示部240と、操作部250と、通信部285と、装着検知センサ265と、通信インタフェース270と、カバーセンサ275と、を有している。これらスキャナ部280、印刷部290、プロセッサ210、記憶装置215、表示部240、操作部250、通信部285、装着検知センサ265、カバーセンサ275、及び通信インタフェース270は、バス205を介して互いに接続されている。
【0021】
記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230とを、含んでいる。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMである。不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置230は、インクカートリッジ50に係わる消耗品関連情報を記憶する消耗品関連情報記憶領域231と、プログラム記憶領域232と、ユーザが契約元と交わした契約の締結内容を記憶する契約情報記憶領域233と、を備えている。消耗品関連情報記憶領域231が記憶部の一例である。
【0022】
消耗品関連情報記憶領域231は、種別情報記憶領域231Aと、使用可能量情報記憶領域231Bと、を有している。これらの機能については後述する。
【0023】
プログラム記憶領域232には各種プログラムが格納されており、それら各種プログラムには、後述の図2図3図4図5図7等のシーケンスフローやフローチャートに基づく本実施形態の印刷処理方法の実行に係わる本実施形態の印刷処理プログラムをはじめとした複合機の動作プログラムが含まれる。この印刷処理プログラムは、例えば、ファームウェアとしてプログラム記憶領域232に予め格納されている。また、後述する契約内容に基づいた印刷動作に関する情報も印刷処理プログラムの一部として記憶されている。
【0024】
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。なおプロセッサ210が制御部の一例である。プロセッサ210は、プログラム記憶領域232に格納された上記印刷処理プログラムを実行し、本実施形態の印刷処理システム1による印刷処理方法をプロセッサ110と協働して実行する。なお、プロセッサ210の処理内容の詳細については後述する。
【0025】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイであり、後述するような消耗品に関する種々の情報を表示可能である。表示部240は報知部の一例であり、表示による報知を行う。なお、表示部240に代えて、報知部の別の例として、音声報知を行うスピーカ等を設けてもよい。操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。通信インタフェース270は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0026】
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に読取り対象物である原稿を読み取ることによって、読み取った画像を表すスキャンデータを生成する。
【0027】
印刷部290は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中の用紙を取り出して搬送しつつ、その搬送される用紙に対して所定の方式で画像を印刷する。以下は、インクジェット方式で印刷が行われる場合を例にとって説明する。印刷部290は、モバイル端末300から送信された印刷ジョブ、若しくは、操作部250での操作に基づき自ら生成した印刷ジョブに応じて、カートリッジホルダ51に着脱可能に装着されるインクカートリッジ50のインクを用いて用紙に対し画像の形成を行う。詳細には、印刷部290は、キャリッジに搭載されたインクジェットヘッドを有しており、キャリッジがインクジェットヘッドを主走査方向に移動させながらインクジェットヘッドがインクを吐出することで、印刷が行われる。なお、用紙が被印刷媒体の一例であり、インクカートリッジ50が消耗品の一例であり、カートリッジホルダ51が装着部の一例である。なお、詳細には、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、それぞれのインクカートリッジ50が含まれるが、以下、便宜上、特に断らない限り、それらを区別せず単に「インクカートリッジ50」と表記して説明する。
【0028】
印刷部290は、メンテナンス部290Aを有する。メンテナンス部290Aは、キャップや吸引ポンプを有する。複合機200は、メンテナンス部290Aを動作させてフラッシングまたはパージングを実行する。具体的には、フラッシングは、用紙への印刷実行前に、キャリッジを所定のフラッシング位置に位置させた状態で、インクジェットヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出させ、ノズル内の増粘したインクを排出させる処理を行い、パージングは、キャップが被せられたノズルに吸引ポンプを接続して吸引ポンプを駆動し、ノズルからインクジェットヘッドの流路内のインクを吸引して排出する処理を行う。なお、公知の手法により、ノズルの上部に設けられたエアトラップ室に侵入して溜まったエアを排出する処理を行ってもよい。
【0029】
装着検知センサ265は、例えばインクカートリッジ50がカートリッジホルダ51に装着されたときにそのインクカートリッジ50が有する電極と導通するコネクタである。装着検知センサ265が検知部の一例である。プロセッサ210は、装着検知センサ265の検知結果に基づき、カートリッジホルダ51にインクカートリッジ50が装着されているか否かを識別することができる。
【0030】
通信部285は、例えば端子などであり、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50が有するカートリッジメモリ(ICチップ)に電気的に接続される。すなわち、前述したように、本実施形態の複合機200は、所定の配送契約に基づく配送サービスにおいて使用することができる機種であるとともに、また別に所定の印刷契約に基づく印刷サービスにおいて使用することができる機種である。このような契約に基づいて使用されるインクカートリッジ50(以下適宜、単に「契約カートリッジ50」と称する)は、例えば複合機200の所有者が自ら市販品を購入して使用する通常のインクカートリッジ50(以下適宜、単に「通常カートリッジ50」と称する)とは異なる仕様となっている。契約カートリッジ50が第1消耗品の一例であり、通常カートリッジ50が第2消耗品の一例である。なお、不正に通常カートリッジ50を模倣した模倣品によるインクカートリッジ50もまた第2消耗品の一例である。
【0031】
なお、インクカートリッジ50の一種として、契約カートリッジ50の機能と通常カートリッジ50の機能とを併せ持つ両機能インクカートリッジ50が用いられる場合がある。この両機能インクカートリッジ50は、契約に基づくサービスが提供されている時には契約カートリッジ50として機能し、提供されていない時には通常カートリッジ50として機能する。したがって、両機能インクカートリッジ50は、契約に基づくサービスが提供されている時には契約カートリッジ50として取り扱うことができ、この場合は第1消耗品の一例となる。一方、契約に基づくサービスが提供されていない時には両機能インクカートリッジ50は通常カートリッジ50として取り扱うことができるため、第2消耗品の一例となる。
【0032】
インクカートリッジ50には、それぞれカートリッジメモリ(図示省略)が備えられ、このカートリッジメモリに、カートリッジ情報が記憶されている。このカートリッジ情報は、例えば、当該インクカートリッジ50が、契約カートリッジ50であるか通常カートリッジ50であるかを表すカートリッジ種別情報と、型番と、当該インクカートリッジ50に固有の識別情報すなわちカートリッジIDと、等を含む。プロセッサ210は、通信部285によって接続された各インクカートリッジ50のカートリッジメモリから上記カートリッジ情報を取得する。これにより、プロセッサ210は、その取得結果に基づき、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50が契約カートリッジ50であるか通常カートリッジ50であるかを識別することができる。その識別結果は、プロセッサ210により上記カートリッジIDや型番と対応付けられて、前述の消耗品関連情報記憶領域231の種別情報記憶領域231Aに随時記憶される。
なお、種別情報記憶領域231Aには、後述の図2において説明するように、当該複合機200に適合した通常カートリッジ50の型番、及び、当該複合機200が適用対象となる印刷契約が締結された場合に当該契約に適合する契約カートリッジ50の型番、についても予め記憶されている。
【0033】
なお、カートリッジホルダ51には、開閉可能な開閉カバー(図示せず)が設けられており、インクカートリッジ50をカートリッジホルダ51に対し装着したり取り外したりする際には、この開閉カバーが開かれ、装着又は取り外しの後には開閉カバーが閉じられる。この開閉カバーの開き状態及び閉じ状態は、公知の手法によりカバーセンサ275により検出され、対応する検出信号がプロセッサ210へと入力される。
なお、プロセッサ210が、上記装着検知センサ265に代え、カバーセンサ275による検出結果に基づき、カートリッジホルダ51にインクカートリッジ50が装着されているか否かを識別するようにしてもよい。この場合、カバーセンサ275が検知部の一例となる。
【0034】
このとき複合機200では、プロセッサ210の処理により、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50のインク残量又はインク使用量が公知の手法で随時取得される。そして、そのインク残量が低下して予め定めた残量しきい値に達したとき、又は、インク使用量が増大して予め定めた使用量しきい値に達したとき、インクカートリッジ50を交換すべきことが、表示部240において表示可能となっている。これにより、ユーザがインクカートリッジ50を交換するときの便宜が図られる。
なお、上記インク残量及びインク使用量を総称して以下適宜、「使用可能量」と称し、これらを表す情報を「使用可能量情報」と称する。前述のようにして取得された使用可能量情報は、通信部285によってカートリッジメモリへ書き込み、カートリッジメモリ内のカートリッジ情報に含めることができる。この場合、プロセッサ210は、カートリッジホルダ51にインクカートリッジ50が装着されているときに通信部285を介して取得されるカートリッジ情報に基づき、当該インクカートリッジ50の使用可能量がどれだけであるかを識別することができる。その識別結果は、プロセッサ210により上記カートリッジIDや型番と対応付けられて、前述の消耗品関連情報記憶領域231の使用可能量情報記憶領域231Bに随時記憶される。
【0035】
<モバイル端末>
モバイル端末300は、ユーザの所有するスマートフォン等のモバイル端末であり、無線通信を介してネットワークNTに接続される。モバイル端末300は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、適宜の表示装置とを有している(図示省略)。記憶装置に備えられたプログラム記憶領域には各種プログラムが記憶されており、それら各種プログラムには、後述の図2及び図3のシーケンスフローの実行に係わる処理プログラムが含まれている。なお、モバイル端末300に代えて、例えばパソコンやタブレットコンピュータ、等の他の情報端末を用いてもよい。以下適宜、それら情報端末を総称して、単に「情報端末300」と称する。
【0036】
<実施形態の特徴>
本実施形態の特徴は、配送契約の締結後にカートリッジホルダ51のインクカートリッジ50が交換されたとき、交換前に装着されていたインクカートリッジ50の取り扱いに関する交換前消耗品取り扱い情報(詳細は後述)が表示部240に表示されることにある。
【0037】
すなわち、配送契約の締結後には、配送管理サーバ400による管理の下、所定の配送元からユーザの元へ契約カートリッジ50が配送される。例えば、契約の締結前にユーザが通常カートリッジ50をカートリッジホルダ51に装着して複合機200を使用していた場合、契約カートリッジ50が配送された後は、通常カートリッジ50をカートリッジホルダ51から取り外して契約カートリッジ50に交換することとなる。
【0038】
このとき、上記のように契約カートリッジ50への交換により取り外された交換前の通常カートリッジ50については、適正に保管しておけば、上記契約が終了したときに再度使用できる可能性がある。
また、その取り外された通常カートリッジ50を、契約が終了する前後に係わらず、別の機種の複合機200あるいは他の種類の印刷装置に使用できる場合もあり得る。
契約の終了後は、上記のように保管しておいた交換前の通常カートリッジ50を再使用できる可能性もあるが、保管期間の長さや保管状態によっては再使用できない場合もあり得る。
【0039】
<処理の流れ>
上記に応じ本実施形態において実行される処理を、以下、図2図8により順を追って説明する。
【0040】
<契約締結時>
まず、複合機200のプロセッサ210と、情報管理サーバ100のプロセッサ110と、配送管理サーバ400のプロセッサと、情報端末300のプロセッサと、により実行される、配送契約を締結する際の処理を図2のシーケンスフローにより説明する。なお、以下、の説明においては、各プロセッサの記述を省略し、「複合機200のプロセッサにおいて」「複合機200のプロセッサにより」等、を単に「複合機200において」「複合機200により」等で記載する。
【0041】
図2において、まず複合機200において、ユーザが操作部250を介し適宜の操作を行うことで、当該複合機200に適合した通常カートリッジ50の型番が表示部240で表示される(SS1)。なおこの時点では、後述の印刷契約は締結されておらず、カートリッジホルダ51には通常カートリッジ50が装着されているか、あるいはカートリッジ50が何も装着されていない状態である。
【0042】
また情報端末300では、ユーザが操作部250を介し適宜の操作を行うことで、SS1の処理に連携して、複合機200から取得された上記同様のブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクそれぞれの型番(図示省略)が表示される(SS3)。
【0043】
その後、ユーザが、前述の配送契約と印刷契約に基づき複合機200を使用する意図で情報端末300における適宜の操作を行うことにより、情報端末300から情報管理サーバ100へ配送契約・印刷契約要求が送信され、情報管理サーバ100において受信される(SS5)。
【0044】
これに対応して、情報管理サーバ100では、上記印刷契約に基づく印刷サービスを実行するための所定の準備、例えば印刷ページ数のカウント準備等が行われる。
【0045】
その後、情報管理サーバ100から契約開始情報すなわちActivation指示が送信され、複合機200において受信される(SS9)。これにより、前述の配送契約及び印刷契約の両契約が成立した状態となる。複合機200は、Activation指示を受信したことに基づいて複合機200自身が契約開始状態に移行したことを契約情報記憶領域233にフラグ処理するなどして書き込む。Activationが行われることによって、複合機200は契約の締結内容に基づいた動作モード、すなわち契約モードによる印刷動作が可能となる。なお、この契約開始状態に移行するより前は、契約とは関係のない、予め定められている一般的な動作モード、すなわち通常モードによる印刷動作が行われる。
【0046】
なお、このときに契約情報記憶領域233に記憶されたフラグなどの情報が本発明における「契約の締結内容」に対応する情報の一例であり、当該フラグの有無に基づく複合機の印刷動作が前述したように「契約モードでの動作」の一例である。複合機200のプロセッサ210は、この「契約モードでの動作」として、フラグの有無に応じて記憶装置215の消耗品関連情報記憶領域231に記憶された、後述の交換前消耗品取り扱い情報を含む消耗品関連情報にアクセスし、表示部240に表示するなどの処理を行うことができる。なお、他の態様として、「契約の締結内容」に対応する情報は契約元の締結内容そのものを情報として消耗品関連情報記憶領域231に記憶されていてもよい。
【0047】
その後、複合機200では、印刷契約の成立に対応し、プロセッサ210の制御に基づき、SS1で開始した通常カートリッジ50の型番表示が中止される。つまり表示されなくなる(SS10)。そして、前述の消耗品関連情報記憶領域231の記憶内容に基づき、当該複合機200に適合した契約カートリッジ50の型番が新たに表示部240で表示される(SS11)。
【0048】
また、情報端末300においても、契約成立に対応し、SS11の処理に連携して、SS3で開始した通常カートリッジ50の型番表示が中止される。つまり表示されなくなる(SS12)。そして、上記同様、複合機200に適合した契約カートリッジ50の型番が新たに表示される(SS13)。
【0049】
その後、複合機200から契約了承通知すなわちActivation通知が送信され(SS15)、情報管理サーバ100において受信される(SS17)。なお、情報管理サーバ100から問い合わせを行い、それに対して複合機200から応答としてActivation通知が送信されるようにしてもよい。これにより、情報管理サーバ100において、前述の印刷契約が契約済であることが認識される。以降、複合機200は、情報管理サーバ100と定期的に契約に関する情報交換を行う通信を実施する。
【0050】
その後、当該ユーザに対し契約カートリッジ50を配送するための配送登録情報が、情報管理サーバ100より配送管理サーバ400へ送信される(SS19)。これにより、配送サービスを行う会社から当該ユーザへ契約カートリッジ50を配送するための登録手配が完了する。
【0051】
<契約解除時>
次に、複合機200のプロセッサ210と、情報管理サーバ100のプロセッサ110と、配送管理サーバ400のプロセッサと、情報端末300のプロセッサと、により実行される、配送契約が解除される際の処理を図3のシーケンスフローにより説明する。なお、契約の解除には、契約期間の満了により解除される場合と、契約期間の満了前にユーザの意思により強制的に解除する場合と、があるが、以下はユーザの意志による契約解除の場合を例にとって説明する。
【0052】
図3において、前述の図2のSS11で説明したように、複合機200では、ユーザが適宜の操作を行うことで、当該複合機200に適合した契約カートリッジ50の型番が表示部240で表示されている(SS51)。なおこの時点でカートリッジホルダ51に契約カートリッジ50が装着されたままである場合は、種別情報記憶領域231Aの記憶内容に基づき、当該装着されている契約カートリッジ50の表示が行われてもよい。
【0053】
また情報端末300では、ユーザが操作部250を介し適宜の操作を行うことで、SS51の処理に連携して、複合機200から取得された前述と同様の型番(図示省略)が表示される(SS53)。
【0054】
その後、ユーザが、自ら前述の配送契約及び印刷契約を解除しそれらに基づく複合機200の使用を終了する意図で情報端末300における適宜の操作を行うことにより、情報端末300から情報管理サーバ100へ配送契約・印刷契約解除要求が送信され、情報管理サーバ100において受信される(SS55)。
【0055】
これに対応して、情報管理サーバ100では、上記印刷契約に基づく印刷サービスを終了するための所定の準備、例えば印刷ページ数のカウントリセット等が行われる。
【0056】
その後、情報管理サーバ100から契約終了情報すなわちNon-Activation指示が送信され、複合機200において受信される(SS59)。これにより、前述の配送契約及び印刷契約の両契約が解除した状態となる。複合機200は、Non-Activation指示を受信したことに基づいて前述の契約情報記憶領域233へ書き込んだにフラグを消去し、契約のない通常状態に復帰する。Non-Activationが行われることによって、複合機200は上記契約モードに代えて前述の通常モードによる印刷動作が可能となる。
【0057】
その後、複合機200では、印刷契約の解除に対応し、プロセッサ210の制御に基づき、SS51で開始した契約カートリッジ50の型番表示が中止される。つまり表示されなくなる(SS60)。そして、前述の消耗品関連情報記憶領域231の記憶内容に基づき、当該複合機200に適合した通常カートリッジ50の型番が新たに表示部240で表示される(SS61)。
【0058】
また、情報端末300においても、契約解除に対応し、SS61の処理に連携して、SS53で開始した契約カートリッジ50の型番表示が中止される。つまり表示されなくなる(SS62)。そして、上記同様、複合機200に適合した通常カートリッジ50の型番が新たに表示される(SS63)。
【0059】
その後、複合機200から契約解除了承通知すなわちNon-Activation通知が送信され(SS65)、情報管理サーバ100において受信される(SS67)。なお、情報管理サーバ100から問い合わせを行い、それに対して複合機200から応答としてNon-Activation通知が送信されるようにしてもよい。これにより、情報管理サーバ100において、前述の印刷契約が解除済であることが認識される。
【0060】
その後、前述のSS19で通知された配送登録を解除するための配送登録解除情報が、情報管理サーバ100より配送管理サーバ400へ送信される(SS69)。これにより、前述の登録手配が解除される。
【0061】
なお、以上は、契約期間の満了前にユーザの意思により契約解除される場合を例にとって説明した。これに対し、契約期間満了による契約解除の場合は、例えば契約期間が満了したか否かの判定が随時プロセッサ210において行われ、満了時に、複合機200から情報管理サーバ100へ、上記SS55の契約解除要求と同等の契約解除要求若しくは契約満了通知が送信される。情報管理サーバ100ではこれを受信することで図3に示すSS57の処理が行われ、以降は、図3のSS59以降の各処理が各部において行われる。
【0062】
<交換前消耗品取り扱い情報を表示するためのメインフロー~その1>
前述の交換前消耗品取り扱い情報を表示するために、複合機200のプロセッサ210により行われる処理を表すメインフローを図4に示す。
【0063】
まず、複合機200が契約モードで動作しているか否かが判定される(S15)。具体的には、図2を用いて前述したように複合機200はActivationが行われることによって契約モードによる印刷動作が可能となるため、複合機200が前述の契約開始状態(Activate)となっているか否かが判定される。
【0064】
ActivateになっていればS15がYes判定され、通信部285を介し、カートリッジホルダ51に装着されているインクカートリッジ50のカートリッジ種別情報が取得される。その際、当該インクカートリッジ50のカートリッジIDも併せて取得される。適宜、型番も併せて取得されてもよい。これら取得された情報は種別情報記憶領域231Aに記憶される(S25)。
【0065】
また、カートリッジホルダ51に装着されているインクカートリッジ50のこの時点での使用可能量を表す使用可能量情報が、前述したように公知の適宜の手法で取得される(S45)。なお、この取得の際、当該インクカートリッジ50の使用期限情報も併せて取得される。使用期限情報については、例えば前述と同様、通信部285を介してインクカートリッジ50から取得される。なお、カートリッジホルダ51に装着直後の使用可能量情報については、上記同様に通信部285を介してインクカートリッジ50から取得され、その後前述の公知の手法により、インクの消費に応じてその取得された使用可能量情報を更新するようにしてもよい。これら取得された情報は使用可能量情報記憶領域231Bに記憶される。S25及びS45が記憶ステップの一例であり、S25及びS45でプロセッサ210が実行する処理が取得処理の一例である。上記取得された使用可能量情報に対応する使用可能量は、表示部240において表示される(S55)。
【0066】
その後、前述の契約締結に応じて配送される契約カートリッジ50が到着する到着予定日時又は到着した到着完了日時を表す到着時期情報が、取得される(S60)。具体的には、配送管理サーバ400により提供される配送サービス会社のサービスサイトにアクセスすることにより、対応する契約カートリッジ50の到着時期情報が取得される。このときのアクセスは、プロセッサ210ネットワークNTを介し配送管理サーバ400を通じてサービスサイトから情報を取得するか、プロセッサ210URLに基づき直接上記サービスサイトから情報を取得すればよい。
【0067】
その後、カートリッジホルダ51においてインクカートリッジ50の交換が行われたか否かが判定される(S65)。具体的には、検知部としての装着検知センサ265又はカバーセンサ275の検知結果に基づき、例えばインクカートリッジ50の検知状態から非検知状態となった後に再び検知状態になったことにより、インクカートリッジ50が交換されたと判定される。
あるいは、前述のように通信部285を介して随時行われるインクカートリッジ50のカートリッジメモリからのカートリッジ情報の取得結果に基づき、その取得内容が異なる内容となったことによりインクカートリッジ50が交換されたと判定してもよい。
あるいは、高精度な判定を行うために、上記検知部による検知状態→非検知状態→検知状態の検知結果と、通信部285を介したカートリッジ情報の取得内容が異なる内容となったこと、の両方が満たされた場合に、インクカートリッジ50が交換されたと判定してもよい。
S65が判定ステップの一例であり、S65でプロセッサ210が実行する処理が判定処理の一例であり、S65を実行するプロセッサ210が判定部の一例である。
【0068】
インクカートリッジ50が交換されていない場合はS65がNo判定されて後述のS75へ移行する一方、インクカートリッジ50が交換された場合はS65がYes判定され、カートリッジ交換時処理が行われる(S100)。
【0069】
<カートリッジ交換時処理>
プロセッサ210により実行されるS100のカートリッジ交換時処理の詳細を図5により説明する。まず、図4のS25での取得結果に基づき、上記のように交換された後にカートリッジホルダ51に装着されているインクカートリッジ50が、通常カートリッジ50であるか否かが判定される(S110)。S110でプロセッサ210が実行する処理が種別判定処理の一例である。
【0070】
カートリッジホルダ51に装着されているのが通常カートリッジ50であった場合はYes判定され、契約期間内においては契約カートリッジ50の装着を推奨する旨の表示が表示部240においてなされる(S120)。図6(a)にこのとき表示部240に表示される交換推奨画面240Aを示す。交換推奨画面240Aでの表示内容が第1消耗品への交換推奨情報の一例であり、交換前消耗品取り扱い情報の一例でもある。またS120は報知ステップの一例であり、S120でプロセッサ210が実行する処理が第1報知処理の一例である。S120が完了したらこのルーチンを終了し、図4のS75へ移行する。
【0071】
カートリッジホルダ51に装着されているのが契約カートリッジ50であった場合はS110がNo判定される。そして、先の図4のS25で取得され種別情報記憶領域231Aに記憶されていた内容に基づき、上記のように交換される前に装着されていた、すなわち取り外されたインクカートリッジ50が、通常カートリッジ50であったか否かが判定される(S130)。
【0072】
取り外されたものが通常カートリッジ50であった場合はYes判定される。そして当該通常カートリッジ50に関して先の図4のS45で取得され使用可能量情報記憶領域231Bに記憶されていた内容に基づき、当該通常カートリッジ50における使用可能量が第1の所定条件を満たすか否かが判定される(S140)。具体的には、例えば前述のようにして公知の手法により取得された、当該通常カートリッジ50の取り外し時点でのインク残量が、その後当該通常カートリッジ50を再利用できるだけの所定量以上残っていればYes判定され、残っていなければNo判定される。あるいは、当該通常カートリッジ50の取り外し時点でのインク使用量が、当該通常カートリッジ50をその後再利用できるだけの所定量未満にとどまっていればYes判定され、その量を超えていればNo判定される。No判定された場合はこのルーチンを終了し、図4のS75へ移行する。
【0073】
S140がYes判定された場合は、当該通常カートリッジ50に係わるカートリッジ情報、すなわちカートリッジ種別情報、型番、カートリッジID、使用可能量情報等が改めて種別情報記憶領域231A及び使用可能量情報記憶領域231Bに記憶され、更新される(S150)。その後、予め用意され消耗品関連情報記憶領域231に記憶されていた保管関連情報に基づき、当該通常カートリッジ50の保管期間及び保管方法に係わる情報が表示部240において表示される(S160)。保管関連情報は、例えばインクカートリッジ50の種別や使用可能量に応じた適切な保管方法や保管期間を表す情報である。図6(b)にこのとき表示部240に表示される保管案内画面240Bを示す。この例では保管期間として、当該通常カートリッジ50の上記使用期限情報に対応した使用期限を表示しているが、これに代えて、上記保管方法によって許容可能な期間を別途表示してもよい。保管案内画面240Bでの表示内容が保管情報の一例であり、交換前消耗品取り扱い情報の一例でもある。またS160もまた報知ステップの一例であり、S160でプロセッサ210が実行する処理もまた第1報知処理の一例である。
【0074】
その後、予め用意され消耗品関連情報記憶領域231に記憶されていた機種別関連情報に基づき、当該通常カートリッジ50を装着して使用可能な他の複合機200あるいはそれ以外の印刷装置の各機種に係わる情報が表示部240において表示される(S170)。図6(c)にこのとき表示部240に表示される他機種案内画面240Cを示す。他機種案内画面240Cでの表示内容が他機情報の一例であり、交換前消耗品取り扱い情報の一例でもある。またS170もまた報知ステップの一例であり、S170でプロセッサ210が実行する処理もまた第1報知処理の一例である。S170が完了したらこのルーチンを終了し、図4のS75へ移行する。
【0075】
一方、取り外されたものが契約カートリッジ50であった場合はS130がNo判定される。そして、S140と同様、当該契約カートリッジ50に関して先の図4のS45で取得され使用可能量情報記憶領域231Bに記憶されていた内容に基づき、当該契約カートリッジ50における使用可能量が第2の所定条件を満たすか否かが判定される(S180)。具体的には、例えば前述のようにして公知の手法により取得された、当該契約カートリッジ50の取り外し時点でのインク残量が、メンテナンス部290Aにおけるメンテナンス処理を実行できるだけの所定量以上残っていればYes判定され、残っていなければNo判定される。あるいは、当該契約カートリッジ50の取り外し時点でのインク使用量が、フル充填されたインク量から上記メンテナンス処理を実行できる量を差し引いた所定量未満にとどまっていればYes判定され、その量を超えていればNo判定される。使用可能量が上記第2の所定条件を満たさずNo判定された場合はこのルーチンを終了し、図4のS75へ移行する。
【0076】
使用可能量が上記第2の所定条件を満たしYes判定された場合は、取り外されたその契約カートリッジ50内の残存インクをメンテナンス部290Aによるメンテナンスに利用するよう、契約カートリッジ50の再装着を推奨する表示が表示部240でなされる(S190)。図6(d)にこのとき表示部240に表示される再装着案内画面240Dを示す。再装着案内画面240Dでの表示内容が装着推奨情報の一例であり、交換前消耗品取り扱い情報の一例でもある。またS190もまた報知ステップの一例であり、S190でプロセッサ210が実行する処理もまた第1報知処理の一例である。S190が完了したらこのルーチンを終了し、図4のS75へ移行する。
【0077】
<交換前消耗品取り扱い情報を表示するためのメインフロー~その2>
図4に戻り、S75では、複合機200の契約モードでの動作が終了しているか否かが判定される。具体的には、図3を用いて前述したように複合機200はNon-Activationとなることで契約モードによる印刷動作が終了して通常モードとなるため、複合機200が前述の契約終了状態(Non-Activate)となっているか否かが判定される。S75でプロセッサ210が実行する処理が終了判定処理の一例である。契約開始状態(Activate)のままであればNo判定され、S25に戻って前述の処理が繰り返される。契約終了状態(Non-Activate)となっていれS75がYes判定され、契約終了時処理が行われる(S200)。
【0078】
<契約終了時処理>
プロセッサ210により実行されるS200の契約終了時処理の詳細を図7により説明する。まず、S210において、契約終了により使用されなくなる契約カートリッジ50について、予め用意され消耗品関連情報記憶領域231に記憶されていた処分関連情報に基づき、当該契約カートリッジ50の処分方法に係わる情報が表示部240において表示される(S210)。処分関連情報は、例えばインクカートリッジ50の種別や、使用可能量特にインク残量、等に応じた適切な処分方法を表す情報である。図8(a)にこのとき表示部240に表示される処分案内画面240Eを示す。処分案内画面240Eでの表示内容が処分情報の一例であり、S210でプロセッサ210が実行する処理が第2報知処理の一例である。
【0079】
その後、先の図4のS45で取得され使用可能量情報記憶領域231Bに記憶されていた内容に基づき、契約締結後に契約カートリッジ50に交換される前にカートリッジホルダ51に装着されていた、すなわち取り外された通常カートリッジ50について、当該通常カートリッジ50における使用可能量及び使用期限が第3の所定条件を満たすか否かが判定される(S220)。
【0080】
使用可能量については、例えば前述のようにして公知の手法により取得された、当該通常カートリッジ50の取り外し時点でのインク残量が、その後当該通常カートリッジ50を再利用できるだけの所定量以上残っていれば条件を満たし、残っていなければ条件を満たさないとされる。あるいは、当該通常カートリッジ50の取り外し時点でのインク使用量が、当該通常カートリッジ50をその後再利用できるだけの所定量未満にとどまっていれば条件を満たし、その量を超えていれば条件を満たさないとされる。
使用期限については、この時点での日時が、当該通常カートリッジ50の使用期限内であれば条件を満たし、当該通常カートリッジ50の使用期限外であれば条件を満たさないとされる。使用期限が使用有効期限の一例である。
【0081】
S220において使用可能量及び使用期限の両方について条件を満たすとされた場合に限りYes判定され、契約締結後に取り外され保管されていた上記通常カートリッジ50の再装着を推奨する旨の表示が表示部240においてなされる(S230)。図8(b)にこのとき表示部240に表示される再装着推奨画面240Fを示す。再装着推奨画面240Fでの表示内容が第2消耗品の装着推奨情報の一例であり、交換前消耗品取り扱い情報の一例でもある。またS230もまた報知ステップの一例であり、S23でプロセッサ210が実行する処理もまた第1報知処理の一例である。S230が完了したらこのルーチンを終了し、図4のフローを終了する。
【0082】
S220において使用可能量及び使用期限のいずれか1つでも条件を満たさないとされた場合はNo判定され、契約締結後に取り外され保管されていた上記通常カートリッジ50はもう使用できない旨の表示が表示部240においてなされる(S240)。図8(c)にこのとき表示部240に表示される使用禁止案内画面240Gを示す。使用禁止案内画面240Gでの表示が第2消耗品を再使用できない旨の報知の一例であり、交換前消耗品取り扱い情報の一例でもある。またS240もまた報知ステップの一例であり、S240でプロセッサ210が実行する処理もまた第1報知処理の一例である。
【0083】
その後、新しい通常カートリッジ50の再購入を推奨する表示が表示部240においてなされる(S250)。図8(d)にこのとき表示部240に表示される再購入推奨画面240Hを示す。再購入推奨画面240Hでの表示内容が再購入推奨情報の一例であり、S250でプロセッサ210が実行する処理が第3報知処理の一例である。S250が完了したらこのルーチンを終了し、図4のフローを終了する。
【0084】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の複合機200は、カートリッジホルダ51と、印刷部290と、消耗品関連情報記憶領域231と、表示部240と、プロセッサ210と、を有し、契約モードにおいては、印刷部290での印刷に使用するインクカートリッジ50に関する契約元との契約の締結内容に基づき、動作可能である。
S25,S45において、カートリッジホルダ51に装着されるインクカートリッジ50に関する情報が取得され、取得された情報が消耗品関連情報記憶領域231に記憶される。S65において、カートリッジホルダ51に装着されるインクカートリッジ50が交換されたか否かが判定される。
契約モードでの動作中に上記S65により交換前のインクカートリッジ50が交換されたと判定された場合、消耗品関連情報記憶領域231に記憶済の上記交換前のインクカートリッジ50に関する情報に基づき、S120,S160,S170,S190,S230,S240において、当該交換前のインクカートリッジ50の取り扱いに関する交換前消耗品取り扱い情報が報知される。
本実施形態によれば、契約締結後に交換前のインクカートリッジ50から交換が行われたとき、交換前のインクカートリッジ50に関する交換前消耗品取り扱い情報が表示部240において報知されることで、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、S110において、S25で取得した交換後のインクカートリッジ50の情報に基づいて、交換後のインクカートリッジ50が契約カートリッジ50であるか通常カートリッジ50であるかが判定される。S120,S160,S170,S190,S230,S240で交換前消耗品取り扱い情報の報知が行われる際、交換後の交換後のインクカートリッジ50が契約カートリッジ50であった場合と、契約カートリッジ50とは異なる通常カートリッジ50であった場合とで、異なる内容とされる。
本実施形態によれば、交換後のインクカートリッジ50の種類に応じて、適切な内容の交換前消耗品取り扱い情報をユーザに提供することができる。
【0086】
また、本実施形態では特に、交換前消耗品取り扱い情報の報知が行われる際、通常カートリッジ50から契約カートリッジ50への交換が行われた場合のS160,S170と、契約カートリッジ50から契約カートリッジ50への交換が行われた場合のS190とで、異なる内容とする。
本実施形態によれば、交換前のインクカートリッジ50の種類に応じて、適切な内容の交換前消耗品取り扱い情報をユーザに提供することができる。
【0087】
上述のように、例えば契約の締結前にユーザが通常カートリッジ50を装着して複合機200を使用していた場合、契約の締結後にはその通常カートリッジ50は取り外され契約カートリッジ50が使用されるが、取り外された通常カートリッジ50については、適正に保管しておけば契約終了後に再度使用できる可能性がある。本実施形態においては特に、上記のように交換前のインクカートリッジ50が通常カートリッジ50であった場合は、当該交換前のインクカートリッジ50の保管期間や保管方法等の保管情報が報知される(S160)。
本実施形態によれば、ユーザは契約終了後に再度通常カートリッジ50を複合機200に装着して使用することが可能となる。
【0088】
上述のように、例えば契約の締結前にユーザが通常カートリッジ50を装着して複合機200を使用していた場合、契約の締結後にはその通常カートリッジ50は取り外され契約カートリッジ50が使用されるが、取り外された通常カートリッジ50を、他の複合機200や別の印刷装置において流用できる可能性がある。本実施形態においては特に、上記のように交換前のインクカートリッジ50が通常カートリッジ50であった場合は、当該交換前のインクカートリッジ50を装着可能な他の印刷装置を表す他機情報が報知される(S170)。
本実施形態によれば、ユーザは契約締結後に取り外した通常カートリッジ50を他の複合機200や印刷装置に装着して使用することが可能となる。
【0089】
例えばユーザが交換前の契約カートリッジ50を取り外し、交換後に新たな契約カートリッジ50を装着した際、取り外した契約カートリッジ50がまだ使用可能である場合がある。その場合、資源の有効活用や無駄防止との観点からは当該取り外した契約カートリッジ50の残りを少しでも活用することが好ましい。本実施形態においては特に、上記のように交換前のインクカートリッジ50が契約カートリッジ50であって、かつその使用可能量が所定条件を満たす場合には、取り外した当該契約カートリッジ50をカートリッジホルダ51へ再装着するよう促す装着推奨情報が報知される(S190)。
本実施形態によれば、ユーザは、契約締結後に取り外した契約カートリッジ50を再度複合機200に装着し、例えばメンテナンス部290Aによるフラッシングやパージング等のメンテナンス処理に使用することで有効活用することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態では特に、契約締結後に交換された交換後のインクカートリッジ50が通常カートリッジ50であった場合には、S120において、契約カートリッジ50への交換推奨情報が報知される。
本実施形態によれば、契約の締結後においてインクカートリッジ50の交換が行われる際、例えば本来であれば契約カートリッジ50を装着すべきところで誤って通常カートリッジ50が装着されたとき、ユーザに対しその誤りを報知することができる。
【0091】
例えば締結された契約の契約期間が満了した場合は、複合機200は契約モードによる動作を終了し通常モードの動作へと復帰する。また何らかの理由でユーザが自主的に契約を解除した場合も、契約モードによる動作が終了する。契約モードよる動作終了後は契約カートリッジ50は複合機200で使用できないため、複合機200から取り外されることとなる。本実施形態においては特に、契約モードでの動作が終了したか否かを判定され(S75)、契約モードでの動作が終了した場合には、カートリッジホルダ51に装着されている契約カートリッジ50の処分に係わる処分情報が報知される(S210)。
本実施形態によれば、複合機200の契約モードによる動作終了後、ユーザは、取り外した契約カートリッジ50を適切に処分することができる。
【0092】
上述のように複合機200が契約モードによる動作を終了後は契約カートリッジ50は複合機200で使用できないため、それ以降に印刷を行うためには通常カートリッジ50を装着する必要がある。
本実施形態においては特に、上記契約モードでの動作開始時における通常カートリッジ50から契約カートリッジ50への交換に対応して当該通常カートリッジ50に関する情報が消耗品関連情報記憶領域231に記憶されており、S230,S240においてその記憶された通常カートリッジ50に関する情報が報知される。
本実施形態によれば、ユーザは、複合機200の契約モードによる動作開始時に取り外された通常カートリッジ50を、契約モードによる動作終了後に再利用できるか否かを知ることができる。
【0093】
契約モードでの動作開始時に取り外した通常カートリッジ50の使用可能量が条件を満たしかつ使用期限内であれば、契約モードでの動作終了後に再使用可能である。本実施形態においては特に、そのような場合、S230において装着推奨情報が報知され、当該通常カートリッジ50のカートリッジホルダ51への再装着が促される。
本実施形態によれば、ユーザは、複合機200の契約モードによる動作開始時に取り外された通常カートリッジ50を、契約モードによる動作終了後に再利用することができる。
【0094】
契約モードでの動作開始時に取り外した通常カートリッジ50の使用可能量が条件を満たさなかったりあるいは使用期限外である場合には、契約モードでの動作終了後にその通常カートリッジ50を再使用することはできない。本実施形態においては、そのような場合、S240において、当該通常カートリッジ50を再使用できない旨が報知される。
本実施形態によれば、ユーザは、複合機200の契約モードによる動作開始時に取り外された通常カートリッジ50を、契約モードによる動作終了後にはもう再利用できないことを認識することができる。
【0095】
また、本実施形態では特に、上記のようにS240で通常カートリッジ50を再使用できない旨が報知される際、併せてS250において、新たな通常カートリッジ50の再購入を促す再購入推奨情報が報知される。
本実施形態によれば、ユーザは、複合機200の契約モードによる動作開始時に取り外された通常カートリッジ50が再利用できないため新たに通常カートリッジ50を再購入する必要があることを認識することができる。
【0096】
また、本実施形態では特に、カートリッジホルダ51にインクカートリッジ50が装着されると装着検知センサ265によって検知される。プロセッサ210は、S65において、その装着検知センサ265における検知結果に基づき、カートリッジホルダ51に装着されるインクカートリッジ50が交換されたか否かを確実に判定することができる。
【0097】
また、本実施形態では特に、前述したように、S25,S45で取得された装着中のインクカートリッジ50の情報が、既に消耗品関連情報記憶領域231に記憶されたインクカートリッジ50に関する情報と異なるか否かに基づいて、インクカートリッジ50が交換されたか否かを判定することもできる。この場合、カートリッジホルダ51にインクカートリッジ50が装着されたことを検知する手段を特に設けなくても、カートリッジホルダ51に装着されるインクカートリッジ50が交換されたか否かを判定することができる。
【0098】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例も技術的範囲に含まれる。
【0099】
(1)情報をカートリッジメモリや情報管理サーバや情報端末に記憶する場合
すなわち、上記実施形態においては、種別情報記憶領域231A及び使用可能量情報記憶領域231Bを備えた不揮発性記憶装置230に各種の情報を記憶しかつ読み出してプロセッサ210において使用していたが、これに限られない。すなわち、カートリッジホルダ51にインクカートリッジ50が装着されている間は、不揮発性記憶装置に代えて、上記通信部285を介しカートリッジメモリにアクセスすることで、各種の情報を記憶しかつ読み出して複合機200において使用してもよい。
あるいは、情報管理サーバ100に備えられた不揮発性記憶装置130に複合機200からアクセスすることで、各種の情報を記憶しかつ読み出して複合機200において使用してもよい。
さらには、情報端末300に備えられた記憶装置に複合機200からアクセスすることで、各種の情報を記憶しかつ読み出して複合機200において使用してもよい。
【0100】
(2)情報端末が主な処理を実行する場合
すなわち、上記実施形態においては、図4図8に示した処理をすべて複合機200のプロセッサ210が実行したが、これに限られず、それらの処理を情報端末300のプロセッサが実行するようにしてもよい。
【0101】
その場合、上記(1)で述べたように各種情報が情報端末300の記憶装置に記憶されている場合にはそれらを用いて処理を行えばよい。各種情報が複合機200や情報管理サーバ100等の情報端末300外の他の機器等に記憶されている場合には、当該他の機器等に適宜にアクセスして取得した情報に応じて情報端末300のプロセッサが図4図5図7の各処理を行えば足りる。その際には、表示部240ではなく、情報端末300の表示装置において、同様の各種表示が行われる。
【0102】
この場合、情報端末300の記憶装置が記憶部の一例であり、表示装置が報知部の一例である。
また、情報端末300の実行するS25及びS45が記憶ステップの一例であり、S65が判定ステップの一例である。またS120,S160,S170,S190,S230,S240が報知ステップの一例であり、S65を実行する情報端末300のプロセッサが判定部の一例である。
【0103】
(3)その他
なお、以上は消耗品の例としてインクを例にとり、使用可能量情報としてその残量又は使用量を例にとって説明したが、これに限られない。例えばインクジェット方式ではなくレーザ方式の複合機200が用いられる場合には、トナーを消耗品としその残量又は使用量を使用可能量情報として取り扱ってもよいし、ドラムを消耗品としその残り寿命を使用可能量情報として取り扱ってもよい。
【0104】
また、図2図3図4図5図7等に示すシーケンスチャート及びフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0105】
上記実施形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0106】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0107】
発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上記した内容に限定されるものではない。すなわち、本発明によって、上述されていない課題を解決したり、上述されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0108】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0109】
1 印刷処理システム
50 インクカートリッジ(消耗品の一例)
51 カートリッジホルダ(装着部の一例)
52 装着検知センサ(検知部の一例)
100 情報管理サーバ(外部機器の一例)
200 複合機(印刷装置の一例)
210 プロセッサ(制御部の一例)
231 消耗品関連情報記憶領域(記憶部の一例)
231A 種別情報記憶領域
231B 使用可能量情報記憶領域
240 表示部(報知部の一例)
240A 交換推奨画面
240B 保管案内画面
240C 他機種案内画面
240D 再装着案内画面
240E 処分案内画面
240F 再装着推奨画面
240G 使用禁止案内画面
240H 再購入推奨画面
275 カバーセンサ(検知部の一例)
290 印刷部
300 モバイル端末(外部機器の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8