(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176865
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】魚釣り用中通し遠投テンビン
(51)【国際特許分類】
A01K 91/053 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
A01K91/053
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021106129
(22)【出願日】2021-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】507252111
【氏名又は名称】杉山 一彦
(72)【発明者】
【氏名】杉山 一彦
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307EB11
2B307EB16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】釣行時テンビンを遠投したとき着水、着低時に空気抵抗と水と水圧の抵抗でスピニングリール等からの道糸が道糸をパイプや、輪に通した先側の方に引き出されてしまう現象を防ぎ、魚が引き込んでいるときに道糸等にかかる水の抵抗や、オモリ等のおもみ等で魚に違和感をあたえないで、魚の引き込みに合わせて道糸を出してやることが出来るテンビンを提供する。
【解決手段】9アームを、10、11本体のパイプに通す前に9アームを手で曲げて加工する。9アームは細いピアノ線で作成しているので簡単に加工できる。手で曲げて加工した9アームを10、11本体の10パイプに通して組み込む。遠投したとき、9アームが空気抵抗と水と水圧の抵抗で抜けでたりしなくなる。また、9アームの曲げぐあいで10パイプ内側に押し付けられる9アームと10パイプの摩擦の強弱が簡単に調節できるので、釣行時現場で摩擦の強弱を調節できる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
10パイプと11おもりを合体させて本体にした。
【請求項2】
9アームの一方の端に12小さい輪を設け、もう一方の端に歯止めの7よりもどし等を設ける。この9アームは請求項1の10パイプに通すことができて分離出来る。
【請求項3】
請求項2の9アームを請求項1の10パイプに通す前に手で曲げる等の加工をしてから請求項1の10パイプ等に通す。
【請求項4】
請求項3の請求項1の10パイプ等に通した9アームの12小さい輪にスピニングリール等からの5道糸を結ぶ等で取り付け、もう一方の端に歯止めの7よりもどし等に6仕掛を取付ける。
【請求項5】
請求項3の手で曲げられた9アームを請求項1の10パイプに通すとパイプの内側に曲がり角が当たり摩擦が起きて空気抵抗や水の抵抗、水圧等で10パイプ等から9アームは簡単に抜けない。
【請求項6】
請求項4の9アームに魚の引き込みがあったとき請求項1の10パイプから9アームは引き抜かれて分離し、スピニングリール等からの5道糸と6仕掛をつけた9アームだけが魚にもっていかれる。
【請求項7】
9アームと10、11本体を合体させることで本発明全体が、L型既存天秤の2横側のアームになる。
【請求項8】
図11参照、9アームの代わりに栓等を使用すること。10、11本体の10パイプを9アームの長さにし、スピニングリール等からの5道糸を通して、通した側に引っ張れば抜けやすくした栓を7よりもどし等で止めて歯止めとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣り用中通し式遠投テンビンで、従来の中通し式遠投テンビンよりも6仕掛けがスピニングリール等からの5道糸に絡みにくなったテンビンである。このテンビンを海や川等で投げ釣り用の竿で、遠投したとき着水、着低時に空気抵抗と水と水圧の抵抗でスピニングリール等からの5道糸が仕掛け側に余分に引き出されてしまう現象を防ぎ、5道糸と6仕掛けが絡まないで、着水、着低出来て、魚が引き込んでいるときに5道糸等にかかる水の抵抗や、3オモリ等のおもみ等で魚に違和感をあたえないで、魚の引き込みに合わせて5道糸を出してやることが出来るテンビンである。
【背景技術】
【0002】
図2参照、市販されている既存の魚釣り用遠投テンビンは、外観がL字型になっていて、海や川等で投げ釣り用の竿で、遠投したときに空中や水中で6仕掛が5道糸に絡まないようにするために、2横側のアームと言う部品で6仕掛が5道糸からはなれて飛んでいくようにしている。現在一般に使用されているテンビンは外観がL字型の固定式のものと、8パイプに5道糸を通して使用する中通し式のものがあるが、それぞれ構造と使用方法等の違いがある。
図1参照(外観がL字型の固定式)
市販の魚釣り用投げ竿に市販のスピニングリール等の糸巻き機を取り付けて、5道糸(スピニングリール等に巻かれている糸ナイロンテグス等)をテンビンのアーム(材質がピアノ線等で出来ている)と言う外観がL字型になっている部品の1上側のアームの先に5道糸を結んで固定する、2横側のアームの先に6仕掛け(ナイロンテグス等の釣り糸に釣針を結びエサをつけたもの長さ約1メータ前後)を結んで固定し、L字型の中央部に3オモリを取り付けて使用する。
図3参照(8パイプやアームの先の輪等に5道糸を通して使用する中通し式)
アームがビニール等の材質で作られたL字型の8パイプで8パイプに5道糸を通し、通した先に7ヨリモドシ等を取り付けハドメにして、これに6仕掛を取り付けて使用するもの。
図4参照 二本のアームがピアノ線製等で出来ているものでアームの先が小さい輪のアームと大きい輪のアームがあり、小さい輪がある1アームの輪に5道糸を通し、その先に7ヨリモドシ等を取り付けハドメとし、これに6仕掛を取り付け大きい輪のある2アームの輪に通して使用する。ハドメの7ヨリモドシと6仕掛は大きい輪を通り抜けることができる。この2種類の中通しテンビンはリールからの5道糸を8パイプや輪を通した先にハドメの7ヨリモドシで止めているが、5道糸を通す側の方にはハドメがない。
【0003】
【特許文献1】実開平05-004875 公開実用新案広報(U) [考案の名称]魚釣り用仕掛けてんびん
【非特許文献1】富士工業ジェット天秤2j030 30号 富士工業(fuji kogyo)フジ)kaiso天秤2k027 富士工業(fuji kogyo)誘導kaiso天秤20号2uko 20
【非特許文献2】(daiichiseiko/第一精工)スパイク天秤2本パック
【非特許文献3】TAKAMIYA(タカミヤ)ヒット天秤11誘導式5本入sc-3511 30号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今回の発明は、8パイプ等に5道糸を通して使用する中通し式なので、解決しようとする課題としてこのタイプで説明する。中通し式では、魚がかかったときに魚が大きければ大きいほど、引き込みが強いものだが、魚に針を飲み込ませるために必要な引き込みに合わせて5道糸をいくらでもだしてやることが出来るのがこのタイプなのである。しかし5道糸を通す側の方には7ヨリモドシ等のハドメがないので、
図5参照、空気抵抗や水の抵抗、水圧等で5道糸が6仕掛け側に余分に引き出されてしまう現象が起き、6仕掛けが5道糸に絡まる等のトラブルがおきるのである。
魚に違和感をあたえないで6仕掛が絡まない中通し式のテンビンの必要性について
魚のアタリは、さいしょこつこつと小さな感じでくるが、だんだん強くなってくる。そして強く引き込んで行く、このときのさいしょの引き込みでは、まだ魚はエサを口でくわえているだけなので、引き込んですぐアワせると針がスッポぬけてバラシてしまうことが多い。魚が大きいものほど早合ワセで失敗する。魚はエサを捕食したところから、離れたところまで持って行きそこで飲み込む習性を持ったものが多く、離れたところまで持って行くとき強く引き込んで行く時であり5道糸を通した先側に5道糸が多く引き出されるアタリになる。大きいものほどこの習性がある。また、魚が引き込んでいるときに5道糸等にかかる水の抵抗や、3オモリ等のおもみ等で魚に違和感をあたえると、途中でエサをはなしてしまう。そこで、魚に対するこれらの障害を解消するために5道糸を引き込みに合わせて出してやれる5道糸を通す側にハドメのない中通し式のテンビンを使用するのである。
図5参照 5道糸を通す側にハドメをしない既存の中通しテンビンが5道糸に6仕掛が絡まる原因について。
現在市販されている中通しの釣り用テンビンは市販の投げ竿で遠投したとき、竿の反発力を利用して、テンビンの部品、3オモリと6仕掛に反発力をつけて飛ばしてやるものだが。空中の中ほどまで飛んで行くと、竿の反発力は3オモリだけにあり6仕掛には反発力なくなっている。そして3オモリに6仕掛が引きづられて行くようなかたちで飛んでいて6仕掛には空気抵抗だけかかっていてる。するとさらに飛んで行こうとする3オモリと3オモリに引きづられているだけの6仕掛には、5道糸を6仕掛側に引き出そうとする作用が働く現象が起きる。このことで、いくらでも5道糸が5道糸を通した先側に引き出されてしまう。このまま着水して着底するまでの間に、こんどは6仕掛に水の抵抗と、水圧がかかり6仕掛を水中にのこし5道糸を引き出しながら3オモリだけが先に着底してしまう。3オモリだけ着底して6仕掛は6仕掛そのものの長さと引き出された5道糸とで何倍もの長さになって水中をただよいながら下りてくるので5道糸に絡まってしまうのである。
以上のことから中通しテンビンで遠投したとき、エサを付けた6仕掛に空気抵抗と着水してから海底に着低するまでの水と水圧の抵抗でスピニングリール等からの5道糸が引き出される現象を止め。3オモリ等のおもみ等で魚に違和感をあたえないで、魚の引き込みに合わせて5道糸を出してやることが出来る中通しテンビンが必要なのである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図6参照、課題解決のために新しく開発した遠投用中通しテンビンの構造について説明する。
図中の9アームは既存のテンビンのアームにあたる部品で、1上側のアームと2横側のアームの両方の役割を果たす。7ハドメのよりもどしに6仕掛を取り付け、先の小さい輪の部分にスピニングリール等からの5道糸を取り付ける。資材はピアノ線等を加工して作成する。
図7参照 10パイプと11オモリは一体になっており本体である。9アームは本体と独立しており本体の10パイプに組み込んで使用する。また、9アームの先端の小さい輪は10パイプを通り抜けることが出来るサイズの輪である。これを遠投したとき11オモリが中心より7ハドメのよりもどし側にあり、やや斜めに飛んでいき6仕掛がスピニングリール等からの5道糸に絡まることはない。
図9参照 次に、このテンビンの使用方法を説明する。
9アームを、10、11本体の10パイプに通して使用するが、そのまま手で加工せずに9アームを10、11本体の10パイプに通して使用すると、前記で紹介したように、9アームが10、11本体の10パイプから空気抵抗と水と水圧の抵抗でスピニングリール等からの5道糸が5道糸を通した先側に引き出されてしまう。この現象を防ぐために。図のように9アームを、10、11本体の10パイプに組入れる前に9アームを手で曲げて加工する。9アームはピアノ線を加工して作成しているので簡単に加工できる。
図10参照、手で曲げて加工した9アームを10、11本体の10パイプに通して組み込む。加工された9アームは、10、11本体の10パイプの中で曲がりの部分が10パイプ内側にあたり、9アームと10パイプに摩擦が起きて、遠投したとき5道糸側にハドメがなくても9アームが空気抵抗と水と水圧の抵抗で抜けでたりしなくなる。
また、9アームの曲げぐあいで10パイプ内側に9アームを押し付けて9アームと10パイプの摩擦の強弱を調節しているので、釣り場の深度や対象魚に合わせて簡単に、釣行時の現場で摩擦の強弱を調節できる。このテンビンを自作して使用してきた今までの経験では、魚は引き込む前の最初のあたりで9アームを10パイプから引き抜いているので。9アームが10パイプから抜けないで10、11本体ごと引っ張って行くと言うことはない。
【発明の効果】
【0006】
釣行時このテンビンを遠投したとき着水、着低時に空気抵抗と水と水圧の抵抗でスピニングリール等からの5道糸が10パイプに5道糸を通した先側に引き出されてしまう現象を防ぎ、5道糸と6仕掛が絡まってしまうことがなくなった。さらに魚が引き込んでいくときに本体を残して9アームだけ持っていくので、10、11本体等のおもみや、その重みによる5道糸等にかかる水の抵抗等、がなくなり魚に違和感をあたえないで、魚の引き込みに合わせて10パイプに5道糸を通した先側に5道糸を出してやることが出来る。結果、大きな魚を釣ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】 既存ピアノ線等で作成された小さい輪と大きい輪の中通し式テンビンについて
【
図7】 本発明の部品を組み込んだときの側面図である
【
図9】 本発明の部品9アームを手で曲げて加工した状態を示す図である。
【
図10】 本発明の9アームを手で曲げて加工し本体の10パイプに組み込んだ状態を示す断面図である。
【
図11】 9アームの代わりになる栓について示した図である。
【実施例0008】
以下、本発明の実体の形態について説明する。
(ア)10パイプと11オモリを合体させて本体とした。
(イ)9アームが10パイプと11オモリ本体から分離できる構造である。
(ウ)9アームの一方の端に7ハドメのヨリモドシと4ハドメのビーズ玉を取り付けハドメとし、もう一方の端に本体の10パイプをすり抜けられる小さい輪を設ける。
(エ)9アームを手で曲げる等の加工をして10パイプに通す。
(オ)10、11本体と9アームを10パイプに通し合体させることで全体が、L型既存天秤の6仕掛を結んで取り付ける2横側のアームになった。
本発明は以上の構成よりなる。
本発明を使用する場合は、9アームを手で曲げる等の加工をしてから10、11本体の10パイプに通して、スピニングリール等からの5道糸を一方の小さい輪に結ぶ等で取り付け、もう一方に取り付けた7ハドメのヨリモドシに6仕掛を取付ける。
6仕掛にある釣り針にエサを取り付け海等の広い場所で市販されている既存の遠投用の釣り竿及びスピニングリール等を介して使用するものである。