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特開2022-176891カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミドを含む球状粒子、並びにその製造法及び使用法
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  • 特開-カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミドを含む球状粒子、並びにその製造法及び使用法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176891
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミドを含む球状粒子、並びにその製造法及び使用法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/165 20170101AFI20221122BHJP
   C08J 3/16 20060101ALI20221122BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221122BHJP
   B33Y 70/10 20200101ALI20221122BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20221122BHJP
   C08G 69/04 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B29C64/165
C08J3/16 CFG
B33Y10/00
B33Y70/10
B29C64/268
C08G69/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068961
(22)【出願日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】17/321,823
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100136249
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 貴光
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリー・エム.・ファルジア
(72)【発明者】
【氏名】シヴァンティ・イースワリ・スリスカンダ
【テーマコード(参考)】
4F070
4F213
4J001
【Fターム(参考)】
4F070AA54
4F070AB08
4F070AC04
4F070AC92
4F070AD02
4F070AE28
4F070DA37
4F070DC07
4F070DC09
4F070DC14
4F213AA29
4F213AB18B
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL13
4F213WL23
4F213WL24
4F213WL25
4J001DA01
4J001EB06
4J001EB07
4J001EB08
4J001EB09
4J001EB10
4J001EB14
4J001EB35
4J001EB36
4J001EB37
4J001EC03
4J001EC14
4J001EC44
4J001EC54
4J001GA02
4J001GA13
4J001JA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】極めて球状のカーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)ポリマー粒子を形成する方法を提供する。
【解決手段】方法は、(a)カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)と、(b)CNM-g-ポリアミドのポリアミドと不混和性である分散媒と、任意選択的に(c)CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーと、任意選択的に(d)乳化安定剤と、を含む混合物を、CNM-g-ポリアミドのポリアミド及び熱可塑性ポリマー(含まれる場合)の融点又は軟化温度よりも高い温度で、かつ分散媒中でCNM-g-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、混合物を融点又は軟化温度未満に冷却して、CNM-g-ポリアミド粒子を形成することと、CNM-g-ポリアミド粒子を分散媒から単離することと、を含み得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的レーザー焼結の方法であって、前記方法は、
カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)粒子を、任意選択的に他の熱可塑性ポリマー粒子と組み合わせて表面に堆積させることであって、前記CNM-g-ポリアミド粒子は、カーボンナノ材料(CNM)にグラフトされたポリアミドを含む、ことと、
堆積させた後、選択的レーザー焼結によって前記CNM-g-ポリアミド粒子の少なくとも一部をレーザーに曝露して、そのポリマー粒子を融解させ、固結体を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記CNM-g-ポリアミドは、前記CNM-g-ポリアミドの総重量に基づいて、50重量%~99.95重量%の前記ポリアミドと、約0.05重量%~約50重量%の前記カーボンナノ材料とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記CNMは、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、フラーレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ポリアミド対CMNのモル比は約500:1~約1:500である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ポリアミド対CMNのモル比は約20:1~約10:1である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリアミドは、重縮合、界面重合、又は開環重合(ROP)によって前記CNMの表面にグラフトされて、CNM-g-ポリアミドを産生する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ROPはinsituアニオン開環重合(AROP)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記insitu AROPは、開始剤、及び任意選択的に活性化剤の存在下で実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリアミド対前記開始剤の重量比は約90:10~約99:1である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記CNM-g-ポリアミド粒子は約0.90~約1.0の真円度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記CNM-g-ポリアミド粒子は、前記CNM-g-ポリアミド粒子の外側表面に埋め込まれた乳化安定剤を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記乳化安定剤はナノ粒子を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記乳化安定剤はナノ粒子を含み、前記ナノ粒子は空隙/ポリマー界面に埋め込まれている、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ポリマー粒子を含む前記CNM-g-ポリアミドは、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記CNM-g-ポリアミド粒子は、約0.1μm~約125μmのD10と、約0.5μm~約200μmのD50と、約3μm~約300μmのD90と、を有し、D10<D50<D90である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記CNM-g-ポリアミド粒子は、約0.2~約10の粒径スパンを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記CNM-g-ポリアミド粒子は約25°~約45°の安息角を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記CNM-g-ポリアミド粒子は約1.0~約1.5のハウスナー比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
方法であって、
(a)カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)であって、前記CNM-g-ポリアミド粒子は、カーボンナノ材料にグラフトされたポリアミドを含む、CNM-g-ポリアミドと、(b)前記CNM-g-ポリアミドの前記ポリアミドと不混和性である分散媒と、任意選択的に(c)CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーと、任意選択的に(d)乳化安定剤と、を含む混合物を、前記CNM-g-ポリアミドの前記ポリアミド及び前記熱可塑性ポリマー(含まれる場合)の融点又は軟化温度よりも高い温度で、かつ前記分散媒中で前記CNM-g-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、
前記混合物を前記融点又は前記軟化温度未満に冷却して、CNM-g-ポリアミド粒子を形成することと、
前記CNM-g-ポリアミド粒子を前記分散媒から単離することと、を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)を含む、極めて球状の粒子に関する。本開示は更に、かかる粒子(本明細書では、CNM-g-ポリアミド粒子とも称する)の組成物、合成法、及び用途に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性ポリマーは、フィルム、袋、粒子、及びフィラメントなどの押出成形された物体を作製するために使用されることが多い。熱可塑性ポリマーの一例は、ポリアミドである。ナイロンのようなポリアミドは、物理的特性を損なうことなく高温又は低温に耐える能力を有するオフホワイト色ポリマーである。したがって、ポリアミドなど熱可塑性ポリマーで形成された物体は、動力工具、自動車部品、ギア、及び電化製品部品のような要求の厳しい用途で使用することができる。積層造形(additive manufacturing)としても既知の三次元(3D)印刷は、物体の作製にますます使用されている。選択的レーザー焼結は、ポリスチレン、ナイロン、他のプラスチック、並びにポリマー被覆金属及びセラミックなど複合材料など様々な材料からの高い解像度かつ寸法精度の三次元物体の直接製造を可能にした。
【0003】
ポリアミドは、その流動特性、他のポリマーよりも低いコスト、及び望ましい焼結窓から、積層造形に使用される最も一般的なポリマーのうちの1つである。しかしながら、積層造形によって生成された物体に必要な物理的特性は、ポリアミドの特性を超える場合がある。ポリアミド-カーボンナノ材料複合体を物体に製造することができる方法を拡張することは、ポリマー複合体産業を更に拡大することになる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、CNM-g-ポリアミドを含む、極めて球状の粒子に関する。本開示は更に、かかる粒子(本明細書では、CNM-g-ポリアミド粒子とも称する)の組成物、合成法、及び用途に関する。
【0005】
本明細書では、選択的レーザー焼結の方法であって、CNM-g-ポリアミド粒子を、任意選択的に他の熱可塑性ポリマー粒子と組み合わせて表面に堆積させることであって、CNM-g-ポリアミド粒子は、カーボンナノ材料(carbon nanomaterial、CNM)にグラフトされたポリアミドを含む、ことと、堆積させた後、選択的レーザー焼結によってCNM-g-ポリアミド粒子の少なくとも一部をレーザーに曝露して、そのポリマー粒子を融解させ、固結体を形成することと、を含む方法を開示する。
【0006】
本明細書では、(a)CNM-g-ポリアミドであって、カーボンナノ材料にグラフトされたポリアミドを含む、CNM-g-ポリアミドと、(b)CNM-g-ポリアミドのポリアミドと不混和性である分散媒と、任意選択的に(c)CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーと、任意選択的に(d)乳化安定剤と、を含む混合物を、CNM-g-ポリアミドのポリアミド及び熱可塑性ポリマー(含まれる場合)の融点又は軟化温度よりも高い温度で、かつ分散媒中でCNM-g-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、混合物を融点又は軟化温度未満に冷却して、CNM-g-ポリアミド粒子を形成することと、CNM-g-ポリアミド粒子を分散媒から単離することと、を含む方法を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の図は、実施形態の特定の態様を例示するために含まれ、排他的な実施形態として見られるべきではない。開示される主題は、本開示の利益を有する当業者に想到されるような、形態及び機能において相当な修正、変更、組み合わせ、及び等価物が可能である。
【0008】
図1】本開示の非限定的な例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)を含む、極めて球状の粒子に関する。本開示は更に、かかる粒子(本明細書では、CNM-g-ポリアミド粒子とも称する)の組成物、合成法、及び用途に関する。
【0010】
積層造形としても知られる三次元(3D)印刷は、急速に成長している技術分野である。3D印刷は、従来、ラピッドプロトタイピング作業に使用されてきたが、この3D印刷技術は、ラピッドプロトタイプとは完全に異なる構造的及び機械的許容誤差が求められ得る商業的及び産業的物体の製造に採用されることが増えてきている。
【0011】
3D印刷は、(a)溶融状態若しくは固化可能な材料の小さな液滴若しくは流れ、又は(b)粉体微粒子のいずれかを、厳密な堆積位置に堆積させ、その後、より大きな物体(これは、任意の数の複雑な形状を有し得る)へと固結化することによって動作する。このような堆積及び固結化プロセスは、典型的には、コンピュータの制御下で行われて、より大きな物体を層ごとに積み上げる。特定の例では、粉体微粒子の固結化は、レーザーを使用して選択的レーザー焼結(selective laser sintering、SLS)を促進する3D印刷システムにおいて行われてもよい。
【0012】
3D印刷で使用可能な紛体微粒子としては、熱可塑性エラストマーなど熱可塑性ポリマー、金属、及び他の固化可能物質が挙げられる。3D印刷で複合体を使用する場合、微粒子(例えば、ポリアミド-カーボンナノ材料複合体のカーボンナノ材料)は、小粒の溶融液滴又は紛体粒子全体に均一に分散するべきであり、さもなければ、最終物体の微粒子の分布は不均一になるであろう。したがって、物体の特性(例えば、強度及び/又は導電率)も不規則であり得、これにより、物体に破損点がもたらされ得る。
【0013】
本開示は、カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)を含む、極めて球状の粒子に関する。有利には、本開示の組成物及び方法は、ポリアミドのin situ重合を使用する。したがって、ポリアミドの望ましい溶融特性及び流動特性は、積層造形法中に利用され得る。CNM-g-ポリアミド粒子は、とりわけ、積層造形、特にSLS 3D印刷の出発原料として有用であり得る。カーボンナノ材料(CNM)は、積層造形法により物理的特性を改善し、かつ/又は作製された物体に新しい物理的特性を付与し得る。更に、CNM-g-ポリアミドを使用することによって、CNMは、ポリマー粒子全体に十分に分散され得る、かつ/又は分配され得る。したがって、カーボンナノ材料は、積層造形によって作製される物体(又はその一部)全体に十分に分散され得る、かつ/又は分配され得る。
【0014】
更に、本開示は、カーボンナノチューブ(carbon nanotube、CNT)などCNMに共有結合したポリアミド熱可塑性ポリマー複合体、及び当該ポリアミド熱可塑性ポリマー複合材料から極めて球状のCNM-g-ポリアミド粒子を調製する方法に関する。CNTの非限定的な例としては、単層カーボンナノチューブ(single walled carbon nanotube、SWCNT)、多層カーボンナノチューブ(multi-walled carbon nanotube、MWCNT)、2層カーボンナノチューブ(double-walled carbon nanotube、DWCNT)が挙げられ得る。例えば、CNTは、重縮合、界面重合、又はラクタムとの開環重合(ring open polymerization、ROP)によって、ジアミン及び/又は二酸で官能化され得る。場合によっては、カルボン酸部分を用いたCNTの官能化は、硫酸、硝酸、塩素酸塩、又は過硫酸アンモニウムの酸化の存在下で実施され得る。あるいは、CNTの官能化は、直接スルホン化、金属化、CNTの脱酸素化表面への求電子付加によって実行され得る。官能基(例えば、アミノ基又はカルボン酸)を用いたCNTの共有結合修飾を、モノマー単位、オリゴマーと更に反応させて、又はポリアミドのより長いポリマー鎖と直接反応させて、ポリマーマトリックス内でのCNTの分散能力を改善し、ポリマー内での相和を容易にして、対応するポリアミド熱可塑性ポリマーナノ複合体を形成することができる。
【0015】
有利には、極めて球状のCNM-g-ポリアミド粒子/粉末は、例えば、溶融乳化、凍結粉砕、及び/又は沈殿によって、本開示のポリアミド熱可塑性ポリマー複合体から産生され得る。極めて球状のCNM-g-ポリアミド粒子は、SLSプリンタを使用して3D印刷用途で焼結され得る。
【0016】
その結果、有利には、本開示の極めて球状のCNM-g-ポリアミド粒子からSLS印刷された部品又は物体は、本開示のポリアミド熱可塑性ポリマー複合体と化合しないポリアミド系微粒子と比較して、改善された機械的特性を有する。
定義及び試験方法
【0017】
本明細書で使用するとき、「不混和性」という用語は、組み合わされたときに、周囲気圧及び室温で、又は室温で固体である場合は成分の融点で、互いに5重量%未満の溶融度を有する2つ以上の相を形成する成分の混合物を指す。例えば、10,000g/モルの分子量を有するポリエチレンオキシドは、室温で固体であり、65℃の融点を有する。したがって、室温で液体である材料及び当該ポリエチレンオキシドが65℃で5重量%未満の溶融度を有する場合、当該ポリエチレンオキシドは当該材料と不混和性である。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「ポリアミドモノマー」は、ポリアミドを形成するモノマーを指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、化合物を指す場合の用語「ポリ酸」は、2つ以上のカルボン酸部分を有する化合物を指す。本明細書では、無水物部分は、無水物が合成中にカルボン酸に開環するため、カルボン酸部分とみなされる。
【0020】
本明細書で使用するとき、化合物を指す場合の用語「ポリアミン」は、2つ以上のアミン部分を有する化合物を指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、化合物を指す場合の用語「アミノ酸」は、1つ以上のカルボン酸部分及び1つ以上のアミン部分を有する化合物を指す。ここでも、無水物部分は、無水物が合成中にカルボン酸に開環するため、カルボン酸部分とみなされる。
【0022】
ポリマーを-mer単位(例えば、ポリアミドモノマー)という用語で指すとき、当業者であれば、-mer単位がポリマー中で重合した形態にあることを理解するであろう。
【0023】
本明細書で使用するとき、「熱可塑性ポリマー」という用語は、加熱及び冷却において可逆的に軟化及び硬化するプラスチックポリマー材料を指す。熱可塑性ポリマーは、熱可塑性エラストマーを包含する。
【0024】
本明細書で使用するとき、「エラストマー」という用語は、結晶性「硬質」部分及び非晶性「軟質」部分を含むコポリマーを指す。ポリウレタンの場合、結晶性部分は、ウレタン官能性及び任意選択の鎖延長基を含むポリウレタンの一部分を含んでもよく、軟質部分は、例えば、ポリオールを含んでもよい。
【0025】
本明細書で使用するとき、「ポリウレタン」という用語は、ジイソシアネートと、ポリオールと、任意選択の鎖延長剤との間のポリマー反応生成物を指す。
【0026】
本明細書で使用するとき、「酸化物」という用語は、金属酸化物及び非金属酸化物の両方を指す。本開示の目的では、ケイ素は、金属であるとみなされる。
【0027】
本明細書で使用するとき、「カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド」及び「CNM-g-ポリアミド」という用語は、そこから延在するポリアミドを有する中央又は骨格構造としてカーボンナノ材料を指す。これらの用語は、構造が産生される方法を暗示するのではなく、構造自体について説明する。
【0028】
本明細書で使用するとき、「カーボンナノ材料」という用語は、粒子のコア構造が少なくとも50原子%炭素からなる、少なくとも1つの寸法が50nm以下である分子又は粒子を指す。カーボンナノ材料の例としては、限定するものではないが、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0029】
本明細書で使用するとき、「フラーレン」という用語は、コア構造としてケージを有する粒子又は分子を指し、ケージ構造は、10以下のアスペクト比を有する。
【0030】
本明細書で使用するとき、「カーボンナノチューブ」という用語は、コア構造として細長い円筒形構造を有する粒子又は分子を指し、細長い円筒構造は、10超のアスペクト比を有する。本明細書で使用するとき、「カーボンナノチューブ」という用語は、単層カーボンナノチューブ(すなわち、1つの壁を有する)、2層カーボンナノチューブ(すなわち、2つの壁を有する)、及び多層カーボンナノチューブ(すなわち、2つ以上の壁を有する)を包含する。
【0031】
本明細書で使用するとき、「グラフェン」という用語は、平面黒鉛組織を有する粒子又は分子を指し、単層グラフェン~3層グラフェンを包含する。
【0032】
本明細書で使用するとき、「グラファイト」という用語は、3層超の平面グラファイトを有する粒子又は分子を指す。
【0033】
「カーボンナノ材料」、「フラーレン」、「カーボンナノチューブ」、「グラファイト」、及び「グラフェン」という用語は、これらの官能化バージョンを包含する。
【0034】
本明細書で使用するとき、粒子(例えば、ナノ粒子)及びポリマー粒子の表面に関して「埋め込む」という用語は、ナノ粒子がポリマー粒子の表面上に単に置かれた場合よりも大きな程度に、ポリマーがナノ粒子と接触するように、粒子がポリマー粒子の表面に少なくとも部分的に延在していることを指す。
【0035】
以下本明細書では、D10、D50、D90、及び粒径スパンは、粒径を記載するために主に使用される。本明細書で使用するとき、「D10」という用語は、粒子集団の10%(別途指定のない限り、体積ベースの分布に対して)が下回ることが見出される粒径を指す。本明細書で使用するとき、「D50」、「平均粒径(average particle diameter)」、及び「平均粒径(average particle size)」という用語は、粒子集団の50%(別途指定のない限り、体積ベースの中央平均に対して)が下回ることが見出される粒径を指す。本明細書で使用するとき、「D90」という用語は、粒子集団の90%(別途指定のない限り、体積ベースの分布に対して)が下回ることが見出される粒径を指す。本明細書で使用するとき、粒径を指す際の「粒径スパン」及び「スパン」及び「スパンサイズ」という用語は、粒径分布の広がりの指標を提供し、(D90-D10)/D50として計算される。
【0036】
粒径及び粒径分布は、Malvern MASTERSIZER(商標)3000を使用した光散乱技術によって決定される。光散乱技術については、対照試料は、Malvern Analytical Ltd.から入手した商標名Quality Audit Standards QAS4002(商標)の15μm~150μmの範囲内の直径を有するガラスビーズであった。別途記載のない限り、試料は乾燥粉末として分析した。分析した粒子は、空気中に分散させ、MASTERSIZER(商標)3000により、AERO S(商標)乾燥粉体分散モジュールを使用して分析した。粒径は、サイズの関数としての体積密度のプロットから、計器ソフトウェアを使用して導出した。
【0037】
本明細書で使用するとき、篩過について言及する場合、孔/スクリーンサイズは、U.S.A.Standard Sieve(ASTM E11-17)により説明されているものである。
【0038】
本明細書で使用する場合、粒子に関する「円形度」という用語は、粒子が完全な球体にどの程度近いかを指して用いられる。真円度を測定するために、フロー粒子撮像を使用して、粒子の光学顕微鏡画像を撮影する。顕微鏡画像の平面内の粒子の周囲の長さ(P)及び面積(A)を(例えば、Malvern Instrumentsから入手可能なSYSMEX FPIA 3000粒子形状及び粒径分析器を使用して)計算する。粒子の真円度はCEA/Pであり、式中、CEAは、実際の粒子の面積(A)に相当する面積を有する円の外周である。本明細書では、真円度は、SYSMEX FPIA 3000粒子形状及び粒子サイズ分析器による3回の分析に基づいており、1回ごとに6,000~10,000個の粒子を分析する。報告された真円度は、粒子数に基づいた中央平均真円度である。分析では、背景画素と粒子画素との間のグレースケールレベル(greyscale level)を区別するための閾値(例えば、不均一な照明条件を補正するため)は、背景モーダル値の90%に設定された。
【0039】
本明細書で使用するとき、「剪断力」という用語は、流体中で機械的撹拌を誘導する撹拌又は類似のプロセスを指す。
【0040】
本明細書で使用するとき、「アスペクト比」という用語は、長さを幅で除したものを指し、ここで、長さは幅よりも大きい。
【0041】
別途指定のない限り、ポリマーの融点は、ASTM E794-06(2018)により、昇温速度及び冷却速度10℃/分で決定される。
【0042】
別途指定のない限り、ポリマーの軟化温度又は軟化点は、ASTM D6090-17により決定される。軟化温度は、1℃/分の加熱速度で0.50グラムの試料を使用して、Mettler-Toledoから入手可能なカップアンドボール装置を使用することで測定され得る。
【0043】
安息角は、粉体の流動性の尺度である。安息角の測定値は、ASTM D6393-14「Standard Test Method for Bulk Solids Characterized by Carr Indices」を使用するHosokawa MicronのPowder Characteristics Tester PT-Rを使用して決定した。
【0044】
通気密度(aerated density)(ρaer)は、ASTMD6393-14により測定される。
【0045】
嵩密度(ρbulk)は、ASTMD6393-14により測定される。
【0046】
タップ密度(ρtap)は、ASTMD6393-14により測定される。
【0047】
ハウスナー比(H)は、粉体の流動性の尺度であり、H=ρtap/ρbulkにより計算し、式中、ρbulkは、ASTM D6393-14による嵩密度であり、ρtapはASTM D6393-14によるタップ密度である。
【0048】
本明細書で使用するとき、分散媒の粘度は、別途記載のない限り、ASTM D445-19により測定して、25℃での動粘度である。商業的に調達された分散媒(例えば、ポリジメチルシロキサン油)については、本明細書に引用される動粘度データは、前述のASTM又は別の標準的な測定技法に従って測定されるかどうかにかかわらず、製造業者によって提供された。
【0049】
別途指定のない限り、結晶化温度(℃)は、ASTM D3417により決定される。結晶化温度は、ポリマーが、自然に又は人工的に開始されたプロセスで結晶化(すなわち、凝固)して構造形態になる温度であり、原子又は分子は、結晶へと高度に編成される。結晶化温度は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry、DSC)によって測定され得る。DSCは、ポリマーの溶融に必要な熱に基づいてポリマー結晶化度を決定するための迅速な方法を提供する。
【0050】
特に指定がない限り、ポリマーの結晶化度(%)は、ポリマーの溶融(融合)に関連する熱を定量化することによって、ASTMD 3417によって決定される。
【0051】
メルトフローインデックス(melt flow index、MFI)は、定められた条件セット下でのポリマー溶融物の流れに対する抵抗の尺度である(単位:g/10分)。低剪断速度条件における尺度であるため、MFIは、ポリマーの分子量に反比例する。
【0052】
SLS部分の寸法精度(%)は、3D印刷されたSLSの焼結部分の精度の定量的尺度である。
【0053】
本明細書で使用するとき、固体材料の「引張弾性率」(MPa)は、その剛性を測定する機械的特性である。MPaは、弾性変形を受けるときのその引張応力(単位面積当たりの力)対その歪み(相対変形)の比率として定義される。MPaは、1平方インチ当たりのパスカル又はポンド(psi)で表され得る。ポリマーの引張弾性率は、ASTMD638-14を使用して決定され得る。
CNM-g-ポリアミド複合体
【0054】
グラフトされたポリアミドを有し得るCNMの例としては、限定するものではないが、フラーレン、カーボンナノチューブ(例えば、単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブなど)、グラファイト(例えば、グラファイト粒子、高酸化グラファイト粒子など)、グラフェン(例えば、グラフェン粒子、グラフェンリボン、グラフェンシートなど、及びそれらの高酸化誘導体)など、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0055】
CNM-g-ポリアミドは、CNM-g-ポリアミドの総重量に基づいて、約50重量%~約99.95重量%(又は約55重量%~約95重量%、又は約60重量%~約90重量%、又は約65重量%~約85重量%、又は約70重量%~約80重量%)のポリアミドと、約0.05重量%~約50重量%(又は約5重量%~約45重量%、又は約10重量%~約40重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%、又は約25重量%~約50重量%)のCNMとを含み得る。
【0056】
ポリアミドは、本明細書で更に記載するように、重縮合反応、界面重合、又はラクタムを用いたin situ開環重合反応(ROP)によってCNMの表面にグラフトされて、CNM-g-ポリアミドを産生し得る。
【0057】
例えば、CNMは、1つ以上の1級アミン(例えば、CMN-NH)、及び/又は1つ以上の2級アミン(例えば、CMN-NRH、式中、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、及びそれらの異性体などC~C20アルキル基、C~C20シクロアルキル基、C~C20アリールアルキル基)を含むアミノ官能化CNM、カルボン酸官能化CNM(例えば、CMN-COOH)、アミノ酸官能化CNM(例えば、NH-CMN-COOH)、酸クロリド官能化CNM(例えば、CMN-COCl)など、並びにこれらの任意の組み合わせであり得る。これらの官能基は、ポリアミドをCNMに直接結合させるか、又はハンドルからポリアミドを重合するためのハンドルとして作用し得、得られたポリマーは、CNMにグラフトされる。
【0058】
例えば、カルボン酸部分を用いたCMNの官能化は、硫酸、硝酸、塩素酸塩、又は過硫酸アンモニウムの酸化の存在下で実施され得る。あるいは、CMNの官能化は、直接スルホン化、金属化、CNTの脱酸素化表面への求電子の付加によって実行され得る。
【0059】
別の例では、CNMは、改良Hummers法によって天然グラファイトから調製された酸化グラフェンであり、例えば、カルボン酸変性酸化グラファイト(GO-COOH)又はアミノ変性酸化グラファイト(GO-NH)へと更に官能化され得る。カルボン酸官能化CNM(例えば、カルボン酸変性酸化グラファイト(GO-COOH))は、縮合反応によってジアミンモノマー及び/又はジカルボン酸モノマーと共役し得る。CNM-g-ポリアミドは、ジアミン官能化酸化グラフェンとジカルボン酸モノマーとの間での縮合反応によって形成され得る。ジアミンの好適な例としては、限定するものではないが、エチレンジアミン、1,6-ジアミノヘキサン、p-フェニレンジアミン、プロピルアミン、又はブチルアミンが挙げられ得る。
【0060】
更に別の例では、CNM-g-ポリアミドは、官能性ポリマーとフラーレンとの間での共有結合反応、又はフラーレン存在下でのポリマーの合成から産生された、フラーレンを含有するポリアミドであり得、高分子フラーレンは、側鎖ポリマー、主鎖ポリマー、樹枝状フラーレン、星型ポリマー、フラーレン末端封鎖などによって調製され得る。本明細書では、官能化CNMは、例えば、アミノ官能化C60系フラーレン、カルボキサミド官能化C60系フラーレンであり得る。フラーレン-g-ポリアミドは、アミノ官能化C60系フラーレンを酸クロリド官能化ポリアミドと反応させることによって、室温の穏やかな条件下で形成され、C60-1級及び/又は2級アミンの間にアミド結合を形成し得る。
【0061】
別の非限定的な例では、CNM-g-ポリアミドは、フラーレン二重結合に添加することができる可溶性アミノポリマー(例えば、ポリアミド末端基からのNH基又は分岐アミノ基を含むモノマー)を使用してポリマー結合C60から産生されたフラーレンを含むポリアミドであり得る。CNM-g-ポリアミド(例えば、C60-g-ポリアミド)は、室温の穏やかな条件下でアミノポリマーがC60と反応できるようにすることによって得ることができる。この方法は、C60がポリマーに共有結合し得るように、又は例えば、PA6、PA11、若しくはPA12など他の汎用ポリアミドが末端封鎖反応(PAでの-NH末端基)に使用され得るように、ポリアミド設計への付加モノマーとして1,2,3-プロパントリアミンを組み込むことにより、ポリアミドに拡張され得る。
【0062】
ポリアミドの例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6、ポリアミド6、又はPA6)、ポリ(ヘキサメチレンサクシンアミド)(ナイロン4,6、ポリアミド4,6、又はPA4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6、ポリアミド6,6、又はPA6,6)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン5,6、ポリアミド5,6、又はPA5,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6,10、ポリアミド6,10、又はPA6,10)、ポリウンデカアミド(ナイロン11,ポリアミド11,又はPA11)、ポリドデカアミド(ナイロン12、ポリアミド12、又はPA12)、及びポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T、ポリアミド6T、又はPA6T)、ナイロン10,10(ポリアミド10,10又はPA10,10)、ナイロン10,12(ポリアミド10,12又はPA10,12)、ナイロン10,14(ポリアミド10,14又はPA10,14)、ナイロン10,18(ポリアミド10,18又はPA10,18)、ナイロン6,18(ポリアミド6,18又はPA6,18)、ナイロン6,12(ポリアミド6,12又はPA6,12)、ナイロン6,14(ポリアミド6,14又はPA6,14)、ナイロン12,12(ポリアミド12,12又はPA12,12)など、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。コポリアミドも使用され得る。コポリアミドの例としては、PA11/10,10、PA6/11、PA6,6/6、PA11/12、Pa 10,10/10,12、PA10,10/10,14、PA11/10,36、PA11/6,36、PA10,10/10,36、PA6T/6,6など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。第1の数、コンマ、第2の数が後に続くポリアミドは、ペンダント=Oを有しない部分の窒素間の第1の数の骨格炭素と、ペンダント=Oを有する部分の2つの窒素間の第2の数の骨格炭素とを有するポリアミドである。非限定的な例として、ナイロン6,10は、[NH-(CH-NH-CO-(CH-CO]である。数値\数値の後に続くポリアミドは、\の前後の数値によって示されるポリアミドのコポリマーである。
【0063】
ポリ縮合反応は、(a)1つ以上のポリアミンモノマー及び1つ以上のポリ酸モノマー、(b)1つ以上のアミノ酸モノマー、(c)1つ以上のポリアミンモノマー及び1つ以上のアミノ酸モノマー、(d)1つ以上のポリ酸モノマー及び1つ以上のアミノ酸モノマー、又は(e)1つ以上のポリアミンモノマー、1つ以上のポリ酸モノマー、及び1つ以上のアミノ酸モノマーの存在下で実施され得る。いくつかの場合、当該モノマーのいずれかの少なくとも1つは、少なくとも1つの不飽和脂肪族炭素-炭素結合を含み得る。上記のように、CNM上の官能基は、結果として得られるポリアミドが当該官能基においてCNMにグラフトされるように、重縮合反応に関与するハンドルとして使用され得る。
【0064】
重縮合で使用するのに好適なアミノ酸ポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、nが1~20であるHN-(CH-COOH、分枝脂肪族アミノ酸(例えば、C~C20)、環状脂肪族アミノ酸(例えば、C~C20)、芳香族アミノ酸(例えば、3-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。重縮合で使用するのに好適な少なくとも1つの不飽和脂肪族炭素-炭素結合を有さないアミノ酸ポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、nが1~20であるHN-(CH-COOH、分枝脂肪族アミノ酸(例えば、C~C20)、環状脂肪族アミノ酸(例えば、C~C20)、芳香族アミノ酸(例えば、3-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。少なくとも1つの不飽和脂肪族炭素-炭素結合を有するアミノ酸ポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、マレアミド酸、N-プロピルマレアミド酸など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0065】
重縮合で使用するのに好適なポリ酸ポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、nが1~20であるHOOC-(CH-COOH(例えば、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、デカン二酸、ドデカン二酸)、イソフタル酸、テレフタル酸、ペント-2-エンジオ酸、ドデカ-2-エンジオ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。重縮合で使用するのに好適な少なくとも1つの不飽和脂肪族炭素-炭素結合を有さないポリ酸ポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、nが1~20であるHOOC-(CH-COOH(例えば、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、デカン二酸、ドデカン二酸)、イソフタル酸、テレフタル酸、ペント-2-エンジオ酸、ドデカ-2-エンジオ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。少なくとも1つの不飽和脂肪族炭素-炭素結合を有するポリ酸ポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、フマル酸、マレイン酸、グルタコン酸、アコニット酸、イタコン酸など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0066】
重縮合で使用するのに好適なポリアミンポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、nが1~20であるHN-(CH-NH、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン、1,2-ジアミノプロパン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2-メチルオクタン-1,8-ジアミン、Nが2又は3であるn-メチル1,6-ヘキサメチレンジアミン、Nが2~4であるn-メチル1,7-ヘプタメチレンジアミン、Nが2~4であるn-メチル1,8-オクタメチレンジアミン、Nが2~6であるn-メチル1,12-ドデカメチレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、オルト-フェニレン-ビス(メチルアミン)、1,4-ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、ジフェニルエチレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-ビフェニルジアミン、1,8-ジアミノナフタレンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。重縮合で使用するのに好適な少なくとも1つの不飽和脂肪族炭素-炭素結合を有さないポリアミンポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、nが1~20であるHN-(CH-NH、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン、1,2-ジアミノプロパン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2-メチルオクタン-1,8-ジアミン、Nが2又は3であるn-メチル1,6-ヘキサメチレンジアミン、Nが2~4であるn-メチル1,7-ヘプタメチレンジアミン、Nが2~4であるn-メチル1,8-オクタメチレンジアミン、Nが2~6であるn-メチル1,12-ドデカメチレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、オルト-フェニレン-ビス(メチルアミン)、1,4-ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、ジフェニルエチレンジアミン、ジフェニルエチレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-ビフェニルジアミン、1,8-ジアミノナフタレンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。少なくとも1つの不飽和脂肪族炭素-炭素結合を有するポリアミンポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、1,4-ジアミノ-2-ブテン、1,5-ビス(3-アミノフェニル)-1,4-ペンタジエン-3-オン(DADBA)、トランス-4-シクロヘキセン-1,2-ジアミンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0067】
重縮合反応は、活性化剤及び/又は金属塩の存在下で行われ得る。活性化剤の例としては、限定するものではないが、トリフェニルホスフィンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。金属塩の例としては、塩化カルシウム、フッ化セシウムなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0068】
重縮合反応は、約50℃~約200℃(又は約50℃~約100℃、又は約75℃~約150℃、又は約125℃~約200℃)で行われ得る。
【0069】
重縮合反応は、約5分~約24時間(又は約5分~約6時間、又は約2時間~約12時間、又は約6時間~約24時間)にわたって行われ得る。
【0070】
重縮合反応は、限定するものではないが、N-メチルピロリドン(N-mehtyl pyrrolidone、NMP)、ピリジン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフランなど、及びこれらの任意の組み合わせなど溶媒中で行われ得る。
【0071】
重縮合反応は、約500:1~約1:500(又は約500:1~約100:1、又は約250:1~約50:1、又は約100:1~約10:1、又は約50:1~約1:1、又は約25:1~約1:25、又は約1:1~約1:50、又は約1:10~約1:100、又は約1:50~約1:250、又は約1:100~約1:500)のポリアミドモノマー対CMNのモル比で行われ得る。場合によっては、重縮合反応は、約100:1~約0.5:1、又は約50:1~約5:1、又は約20:1~約10:1のポリアミドモノマー対CMNのモル比で行われ得る。
【0072】
別の非限定的な例では、本開示のポリアミドは、CNMのinsituアニオン開環重合(anionic ring-opening polymerization、AROP)など開環重合(ROP)によってグラフトされ得る。当該CNMは、コポリマー(例えば、スチレン無水マレイン酸)で共有結合的に官能化され得る。本明細書では、AROPは、約50℃~約150℃の温度、及び/又は約60分以下、例えば約40分以下、例えば約20分以下、例えば5分~60分の反応時間で、したがって、活性化剤と組み合わせて開始剤(例えば、カプロラクタム臭化マグネシウム)を使用することによって実行され得る。活性化剤の例としては、限定するものではないが、ジカルバモイルカプロラクタム(例えば、二官能性ヘキサメチレン-1,6-ジカルバモイルカプロラクタム)などが挙げられ得る。
【0073】
開環重合で使用するのに好適な環状ポリアミドモノマーの例としては、限定するものではないが、アゼリジノン、2-アゼチジノン、2-ピロリジノン、2-ピペリジノン、ε-カプロラクタム、2-アザシクロオクタノン、2-アザシクロノナノン、2-アザシクロデカノン、2-アザシクロウンデカノン、2-アザ-シクロドデカノン、ラウロラクタム、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε-カプロラクタム、カプリロラクタム、エナントラクタム、ウンデカノンラクタム、ラウロラクタム(ドデカノラクタム)、カプロラクタムマグネシウムブロミドなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0074】
開環重合反応は、活性化剤及び/又は金属塩の存在下で行われ得る。活性化剤の例としては、限定するものではないが、トリフェニルホスフィン、又はヘキサメチレン-1,6-ジカルバモイルカプロラクタムなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。金属塩の例としては、塩化カルシウム、フッ化セシウムなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0075】
開環重合反応は、約200℃(又は室温~約150℃、又は約50℃~約100℃、又は約75℃~約150℃、又は約125℃~約200℃)で行われ得る。
【0076】
開環重合反応は、約5分~約24時間(又は約5分~約6時間、又は約2時間~約12時間、又は約6時間~約24時間)にわたって行われ得る。
【0077】
開環重合反応は、限定するものではないが、N-メチルピロリドン(NMP)、ピリジン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフランなど、及びこれらの任意の組み合わせなど溶媒中で行われ得る。
【0078】
開環重合反応は、約500:1~約1:500(又は約500:1~約100:1、又は約250:1~約50:1、又は約100:1~約10:1、又は約50:1~約1:1、又は約25:1~約1:25、又は約1:1~約1:50、又は約1:10~約1:100、又は約1:50~約1:250、又は約1:100~約1:500)のポリアミドモノマー対CMNのモル比で行われ得る。場合によっては、重縮合反応は、約100:1~約0.5:1、又は約50:1~約5:1、又は約20:1~約10:1のポリアミドモノマー対CMNのモル比で行われ得る。重縮合反応に含まれる少なくとも1つの不飽和脂肪族炭素-炭素結合を有するポリアミドモノマーが多ければ多いほど、架橋の可能性がある場所が多くなる。
【0079】
本開示のCNM-g-ポリアミドは、界面重合によって産生され得、重合プロセスは、2つの不混和性相(例えば、CMN及びポリアミド)間の界面で生じ、その結果、界面に拘束されるポリマーをもたらす。CNM(例えば、MWCNT)にグラフトされたポリアミド(例えば、ナイロン6,6)を含むCNM-g-ポリアミド複合体は、反応押出によってポリアミド(例えば、ナイロン6,6)及び塩化アシルグラフト化CMN「CMN-COCl」(例えば、塩化アシルグラフト化MWCNT「MWCNT-COCl」)から産生され得る。CMN-COClは、酸処理CMNを塩化チオニルと反応させることによって産生され得る。反応押出によるCNM-g-ポリアミド(例えば、ナイロン6,6-g-MWCNT)の形成は、フーリエ変換赤外分光法、X線光電子分光法、熱重量分析、及び走査型電子顕微鏡によって分析/確認され得る。ポリアミド(例えば、ナイロン6,6)、及び未処理の官能化CMN(例えば、未処理の官能化MWCNT)の界面接着エネルギーを定量化するために、汎用液滴形状分析を使用することによって、円筒状ドロップオンファイバシステム(drop-on-fiber system)の接触角が決定され得る。少なくとも1つの実施形態では、ポリアミド/CNM-g-ポリアミド(例えば、ナイロン6,6/ナイロン6,6-g-MWCNT複合体)の界面接着エネルギーは、ポリアミド/未処理CNM-g-ポリアミド(例えば、ナイロン6,6/未処理MWCNT複合体)の界面接着エネルギーよりも大きい。CNM-g-ポリアミド(例えば、ナイロン6,6-g-MWCNT)は、複合体中に優れた分散を示し、未処理CNM-g-ポリアミド(例えば、未処理MWCNT)は、複合膜が溶液流延法によって調製される場合、不十分な分散を示す。CMN含有量(例えば、MWCNT含有量)が増加すると、複合体の補強レベルが増加する。
CNM-g-ポリアミド粒子及び作製法
【0080】
本開示のCNM-g-ポリアミドは、球状微粒子、ペレット、又はフィラメントを産生するために使用され得る。本開示のCNM-g-ポリアミドを含む球状微粒子(又は粉末)は、選択的レーザー焼結(SLS)によって三次元(3D)印刷技術で使用され得るが、本開示のCNM-g-ポリアミドを含むフィラメント又はペレットは、溶融フィラメント製造(fused filament fabrication、FFF)によって三次元(3D)印刷技術で使用され得る。
【0081】
本明細書に記載の方法及び組成物は、CNM-g-ポリアミドを含む、極めて球状のポリマー粒子に関する。理論に限定されるものではないが、CNMにグラフトされたポリアミドを有することは、ポリマー粒子中のCNMのより均質な分布を支援し、これにより、当該ポリマー粒子を使用して積層造形法によって作製される物体(又はその一部)により均質な分布がもたらされると考えられる。
【0082】
本開示はまた、(a)CNM-g-ポリアミド、(b)CNM-g-ポリアミドのポリアミドと不混和性である分散媒、任意選択的に(c)ポリアミドではなく、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー(CNM-g-ポリアミドのポリアミドと同一であり得る、又は異なり得る)、及び任意選択的に(d)乳化安定剤を含む混合物を、CNM-g-ポリアミドのポリアミドの融点又は軟化温度よりも高い温度で、かつ分散媒中でCNM-g-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、混合物をポリアミドの融点又は軟化温度未満に冷却して、球状ポリマー粒子を形成することと、球状ポリマー粒子を分散媒から単離することと、を含む方法に関する。
【0083】
図は、本開示の非限定的な例示的方法100のフロー図である。CNM-g-ポリアミド102、分散媒104、任意選択的に乳化安定剤106、及び任意選択的にCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108(例えば、CNM-g-ポリアミド102のポリアミド、CNM-g-ポリアミド102のポリアミドではないポリポリアミド、別の熱可塑性ポリマー、又はこれらの任意の組み合わせ)を混ぜ合わせて(110)、混合物112を産生する。成分102、104、106、及び108は、個別に、又は成分のブレンドで任意の順序で添加することができ、成分102、104、106、及び108を混ぜ合わせる(110)プロセス中の混合及び/又は加熱を含む。例えば、CNM-g-ポリアミド102及びCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108(含まれる場合)を、混ぜ合わせる(110)前に、予備混合し得る。本明細書では、CNM-g-ポリアミドのポリアミドがCNMにグラフトされていない場合、これをvと称する。
【0084】
次いで、(a)CNM-g-ポリアミド102のポリアミド、又は(b)CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108の融点又は軟化温度(いずれか高い方)よりも高い温度で、混合物112に十分に高い剪断力を適用することによって混合物112を処理して(114)、溶融乳化物116を形成する。この温度は、混合物112(すなわち、CNM-g-ポリアミド102のポリアミド、及び含まれる場合は、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108)のポリマー部分の融点又は軟化温度を超えるので、CNM-g-ポリアミド102、及び含まれる場合は、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108を含むポリマー溶融物が形成される。剪断速度は、ポリマー溶融物(例えば、CNM-g-ポリアミドを含む)を液滴(すなわち、ポリマー乳化物116)として分散媒104中に分散させるのに十分であるべきである。理論に束縛されるものではないが、全ての他の要因が同じである場合、剪断力を高めると、分散媒104中のポリマー溶融物の液滴のサイズが減少するはずであると考えられる。しかしながら、ある時点では、剪断を増加させ、液滴サイズを減少させた際に戻りが減少する場合がある、又は液滴の内容物が崩壊して、それから製造される粒子の品質が低下する場合がある。
【0085】
次いで、混合容器の中及び/又は外にある溶融乳化物116を冷却して(118)、ポリマー液滴を固化させてCNM-g-ポリアミド粒子124にする。「CNM-g-ポリアミド粒子」という用語は、CNM-g-ポリアミド102を含むポリマー粒子を指し、ポリマー粒子中の他の成分(例えば、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108)を含み得る。
【0086】
次いで、冷却した混合物120を処理して(122)、CNM-g-ポリアミド粒子124を他の成分126(例えば、分散媒104、過剰な乳化安定剤106など)から単離し、洗浄するか、さもなければCNM-g-ポリアミド粒子124を精製し得る。CNM-g-ポリアミド粒子124は、CNM-g-ポリアミド102と、含まれる場合は、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108とを含み、含まれる場合は、乳化安定剤106の少なくとも一部は、CNM-g-ポリアミド粒子124の外側表面をコーティングする。乳化安定剤106又はその一部は、CNM-g-ポリアミド粒子124上にコーティングとして、恐らく均一なコーティングとして堆積され得る。温度(冷却速度を含む)、CNM-g-ポリアミド102の種類、並びに乳化安定剤106の種類及びサイズなど非限定的な要因に依存し得るいくつかの場合には、乳化安定剤106のナノ粒子は、CNM-g-ポリアミド粒子124の外側表面内に少なくとも部分的に埋め込まれた状態であり得る。埋め込みを行わなかったとしても、乳化安定剤106内のナノ粒子の少なくとも一部は、CNM-g-ポリアミド粒子124と強固に会合したままであり、その更なる使用を容易にし得る。対照的に、既に形成されたポリマー微粒子(例えば、低温粉砕又は沈殿のプロセスによって形成された)とシリカナノ粒子のような流動助剤との乾燥ブレンドによって、ポリマー微粒子上の流動助剤の強固で均一なコーティングは得られない。
【0087】
任意選択的にCNM-g-ポリアミド粒子124を更に精製して(128)(以下により詳細に記載)、精製したCNM-g-ポリアミド粒子130を得ることができる。
【0088】
分散媒104は、様々な処理温度(例えば、室温~プロセス温度)にてCNM-g-ポリアミド102及び分散媒104が不混和性であるように選択されるべきである。考慮され得る追加の要因は、CNM-g-ポリアミド102と分散媒104との間のプロセス温度における粘度の差(例えば、差又は比)である。粘度の差は、液滴破壊及び粒径分布に影響を及ぼし得る。理論に束縛されるものではないが、CNM-g-ポリアミド102及び分散媒104の粘度が類似しすぎると、全体としての生成物の円形度が低減することがあり、粒子はより卵形になり、より細長い構造が観察されると考えられる。
【0089】
CNM-g-ポリアミド102は、混ぜ合わせたCNM-g-ポリアミド102、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108、及び分散媒104の約5重量%~約60重量%(又は約5重量%~約25重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約45重量%、又は約25重量%~約50重量%、又は約40重量%~約60重量%)で混合物112中に存在し得る。CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108が含まれる場合、混ぜ合わされたCNM-g-ポリアミド102及びCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108は、混ぜ合わせたCNM-g-ポリアミド102、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108、及び分散媒104の約5重量%~約60重量%(又は約5重量%~約25重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約45重量%、又は約25重量%~約50重量%、又は約40重量%~約60重量%)で、混合物112中に存在し得る。含まれる場合、CNM-g-ポリアミド102対CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108の重量比は、約10:90~約99:1(又は約10:90~約50:50、又は約25:75~約75:25、又は約50:50~約99:1、又は約80:20~約99:1)であり得る。
【0090】
CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108は、官能化非極性ポリマーであり得る。ポリアミド/非極性ポリマー(PA/NPP)の不均一ブレンド(例えば、PA/PEの不均一ブレンド)の不混和性は、ポリオレフィンの骨格への少数の極性基(例えば、無水マレイン酸、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、又は(メタ)アクリル酸エステル)の導入であり得る。ポリアミド/非極性ポリマー(PA/NPP)の不均一ブレンド(例えば、PA/PE不均一ブレンド)の相溶性を改善するための別の方法は、非極性ポリマー鎖(例えば、PE鎖)に極性基をグラフトすることであり得る。
【0091】
CNM108にグラフトされていない熱可塑性ポリマーの例としては、限定するものではないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン(好ましくは官能化ポリエチレン)、ポリプロピレン(好ましくは官能化ポリプロピレン)、ポリアセタール(ポリエチレングリコールの存在下であり得る)、ポリカーボネート(例えば、マレイン化ポリアルケン(マレイン化PP又はEPR)、ポリエステルアミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)及びマレイン化ABS(MA-g-ABS)、ブタジエン-スチレン-アクリロニトリル-アクリレートコポリマー、スチレン無水マレイン酸(styrene maleic anhydride、SMA)、スチレン-プロピレン-エチレン-ブチレン-スチレン(styrene- -propylene ethylene-butylene-styrene、SEBS)及びMA-g-SEBS、ポリエチルオキサゾリン、エチレン-グリシジルメタクリレートグラフトコポリマーなど相溶化剤の存在下であり得る)、ポリブチルテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレンポリピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンエラストマー(ethylene celastomer)(EPR)(例えば、MAでグラフトされたエチレンプロピレンコポリマーなど相溶化剤の存在下であり得る)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリスチレン(例えば、統計若しくはブロックスチレンコポリマー、グラフトスチレン、又は相溶化基など)、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル(例えば、ポリ乳酸)、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリスルホン(PSU)(好ましくは、官能化PSU)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフェニレンスルフィド、ビニルポリマー、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドーイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテル、ポリエーテルブロック及びポリアミドブロックを含むコポリマー(PEBA又はポリエーテルブロックアミド)、グラフト化又は未グラフト化熱可塑性ポリアミド、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマーポリマー、官能化又は非官能化エチレン/アルキル(メタ)アクリレート、官能化又は非官能化(メタ)アクリル酸ポリマー、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマー/アルキル(メタ)アクリレートターポリマー、エチレン/ビニルモノマー/カルボニルターポリマー、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/カルボニルターポリマー、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)型コアシェルポリマー、ポリスチレン-ブロック-ポリブタジエン-ブロック-ポリ(メチルメタクリレート)(SBM)ブロックターポリマー、塩化又はクロロスルホン化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(ポリエーテルアミドブロックコポリマーを用いた相溶化中であり得る)、フェノール樹脂、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンブロックコポリマー、ポリアクリロニトリル、シリコーンなど、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。また、前述の1つ以上を含むコポリマーが本開示の方法及びシステムにおいて使用されてもよい。
【0092】
本開示の組成物及び方法におけるCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108は、エラストマー又は非エラストマーであり得る。熱可塑性ポリマーの前述の例のうちのいくつかは、ポリマーの正確な組成に応じて、エラストマー又は非エラストマーであってもよい。例えば、エチレンとプロピレンとのコポリマーであるポリエチレンは、ポリマー中のプロピレンの量に応じて、エラストマーであっても又はエラストマーでなくてもよい。
【0093】
熱可塑性エラストマーは、概して、スチレン系ブロックコポリマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性加硫ゴム(エラストマー合金とも称される)、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、及び熱可塑性ポリアミド(典型的にはポリアミドを含むブロックコポリマー)の6つのクラスのうちの1つの範囲内に入る。熱可塑性エラストマーの例は、Handbook of Thermoplastic Elastomers,2nd ed.,B.M.Walker and C.P.Rader,eds.,Van Nostrand Reinhold,New York,1988に見出すことができる。熱可塑性エラストマーの例としては、エラストマー性ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルブロック及びポリアミドブロックを含むコポリマー(PEBA又はポリエーテルブロックアミド)、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(methacrylate-butadiene-styrene、MBS)型コアシェルポリマー、ポリスチレン-ブロック-ポリブタジエン-ブロック-ポリ(メチルメタクリレート)(polystyrene-block-polybutadiene-block-poly(methyl methacrylate)、SBM)ブロックターポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン系ブロックコポリマー、並びにポリアクリロニトリル、シリコーンなどが挙げられるが、これらに限定されない。弾性スチレン系ブロックコポリマーとしては、イソプレン、イソブチレン、ブチレン、エチレン/ブチレン、エチレン-プロピレン、及びエチレン-エチレン/プロピレンからなる群から選択される少なくとも1つのブロックが挙げられ得る。より具体的な弾性スチレン系ブロックコポリマーの例としては、ポリ(スチレン-エチレン/ブチレン)、ポリ(スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン)、ポリ(スチレン-エチレン/プロピレン)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン)、ポリ(スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン-エチレン-プロピレン)、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)、ポリ(スチレン-ブチレン-ブタジエン-スチレン)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いかなる理論にも束縛されるものではないが、エチレン-メタクリル酸-イソブチルアクリレートコポリマーなど相溶化剤を使用した熱可塑性エラストマー(例えば、ブチルゴム)は、2相間の界面接着及びPAマトリックス中での熱可塑性エラストマードメインの分散を改善することができる。
【0094】
ポリウレタンの例としては、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、混合ポリエーテル及びポリエステルポリウレタンなど、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。熱可塑性ポリウレタンの例としては、ポリ[4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)-alt-1,4-ブタンジオール/ジ(プロピレングリコール)/ポリカプロラクトン]、ELASTOLLAN(登録商標)1190A(ポリエーテルポリウレタンエラストマー、BASFから入手可能)、ELASTOLLAN(登録商標)1190A10(ポリエーテルポリウレタンエラストマー、BASFから入手可能)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
相溶化剤は、CNM-g-ポリアミド102と1つ以上の熱可塑性ポリマーとのブレンドの効率性及び有効性を改善するために任意選択的に使用され得る。ポリマー相溶剤の例としては、PROPOLDER(商標)MPP2020 20(ポリプロピレン、Polygroup Inc.から入手可能)、PROPOLDER(商標)MPP2040 40(ポリプロピレン、Polygroup Inc.から入手可能)、NOVACOM(商標)HFS2100(無水マレイン酸官能化高密度ポリエチレンポリマー、Polygroup Inc.から入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPS(商標)L(商標)12/L(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KENーREACT(商標)CAPOW(商標)L(商標)12/H(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)LICA(商標)12(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPS(商標)KPR(商標)12/LV(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPOW(商標)KPR(商標)12/H(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)チタネート&ジルコネート(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、VISTAMAXX(商標)(エチレン-プロピレンコポリマー、ExxonMobilから入手可能)、SANTOPRENE(商標)(エチレン-プロピレン-ジエンゴム及びポリプロピレンの熱可塑性加硫ゴム、ExxonMobilから入手可能)、VISTALON(商標)(エチレン-プロピレン-ジエンゴム、ExxonMobilから入手可能)、EXACT(商標)(プラストマー、ExxonMobilから入手可能)、EXXELOR(商標)(ポリマー樹脂、ExxonMobilから入手可能)、FUSABOND(商標)M603(ランダムエチレンコポリマー、Dowから入手可能)、FUSABOND(商標)E226(無水変性ポリエチレン、Dowから入手可能)、BYNEL(商標)41E710(共押し出し可能な接着剤樹脂、Dowから入手可能)、SURLYN(商標)1650(アイオノマー樹脂、Dowから入手可能)、FUSABOND(商標)P353(化学的に変性されたポリプロピレンコポリマー、Dowから入手可能)、ELVALOY(商標)PTW(エチレンターポリマー、Dowから入手可能)、ELVALOY(商標)3427AC(エチレン及びブチルアクリレートのコポリマー、Dowから入手可能)、LOTADER(商標)AX8840(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3210(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3410(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3430(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)4700(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)AX8900(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)4720(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 301(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 311(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 303(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 280(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 201(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 130(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 110(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、スチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、EASTMAN(商標)G-3003(無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン、Eastmanから入手可能)、RETAIN(商標)(ポリマー変性剤、Dowから入手可能)、AMPLIFY TY(商標)(無水マレイン酸グラフトポリマー、Dowから入手可能)、INTUNE(商標)(オレフィンブロックコポリマー、Dowから入手可能)、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
CNM-g-ポリアミド102のポリアミド及び/又はCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108は、約50℃~約450℃(又は約50℃~約125℃、又は約100℃~約175℃、又は約150℃~約280℃、又は約200℃~約350℃、又は約300℃~約450℃)の融点又は軟化温度を有し得る。
【0097】
CNM-g-ポリアミド102のポリアミド及び/又はCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108は、約-50℃~約400℃(又は約-50℃~約0℃、又は約-25℃~約50℃、又は約0℃~約150℃、又は約100℃~約250℃、又は約150℃~約300℃、又は約200℃~約400℃)のガラス転移温度(ASTM E1356-08(2014)で10℃/分の昇温及び冷却速度を使用)を有し得る。
【0098】
CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108は、任意選択的に添加剤を含み得る。典型的には、添加剤は、混合物への熱可塑性ポリマーの添加前に存在する。したがって、ポリマー溶融物液滴及び得られたCNM-g-ポリアミド粒子124/130では、添加剤は、熱可塑性ポリマー全体に分散する。そのため、明確にするために、この添加剤は本明細書では「内部添加剤」と称される。内部添加剤は、混合物を作製する直前に又はかなり前に熱可塑性ポリマーとブレンドされ得る。
【0099】
本明細書に記載の組成物(例えば、混合物112及びCNM-g-ポリアミド粒子124)中の成分量を説明する場合、内部添加剤を含まない熱可塑性ポリマーに基づいた重量パーセントである。例えば、10重量%の内部添加剤及び90重量%の熱可塑性ポリマーを含む100gの熱可塑性ポリマーの重量に対して1重量%の乳化安定剤106を含む組成物は、0.9gの乳化安定剤106と、90gの熱可塑性ポリマーと、10gの内部添加剤と、を含む組成物である。
【0100】
本開示は、カーボンナノ材料にグラフトされたポリアミドを含むCNM-g-ポリアミド粒子を含む組成物を提供する。CNM-g-ポリアミド粒子は、約10μm~約100μmの平均粒径を有し得、約1~約2の粒径スパンを有する。CNM-g-ポリアミド粒子は、CNM-g-ポリアミド粒子の約0.05重量%~約50重量%のCNMを含み得、CNMは、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、フラーレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る
【0101】
内部添加剤は、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108の約0.1重量%~約60重量%(又は約0.1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約5重量%~約20重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約25重量%~約50重量%、又は約40重量%~約60重量%)で熱可塑性ポリマー中に存在し得る。例えば、熱可塑性ポリマーは、約70重量%~約85重量%の熱可塑性ポリマーと、約15重量%~約30重量%のガラス繊維又は炭素繊維のような内部添加剤と、を含み得る。
【0102】
内部添加剤の例としては、充填剤、強化剤、顔料、pH調整剤など、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。充填剤の例としては、ガラス繊維、ガラス粒子、鉱物繊維、炭素繊維、酸化物粒子(例えば、二酸化チタン及び二酸化ジルコニウム)、金属粒子(例えば、アルミニウム粉体)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。顔料の例としては、有機顔料、無機顔料、カーボンブラックなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、本明細書で使用される充填剤としては、剥離グラファイト(exfoliated graphite、EG)、剥離グラファイトナノ粒子(exfoliated graphite nanoplatelet、xGnP)、カーボンブラック、カーボンナノ繊維(carbon nanofiber、CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、酸化グラフェン、酸化グラファイト、酸化グラフェンナノシート、フラーレンが挙げられ得る。
【0103】
好適な分散媒(例えば、分散媒104)は、25℃で約1,000cSt~約150,000cSt(又は約1,000cSt~約60,000cSt、又は約40,000cSt~約100,000cSt、又は約75,000cSt~約150,000cSt)の粘度を有し得る。例えば、好適な分散媒(例えば、分散媒104)は、25℃で約10,000cSt~約60,000cStの粘度を有し得る。
【0104】
分散媒(例えば、分散媒104)の例としては、限定するものではないが、シリコーンオイル、フッ素化シリコーンオイル、ペルフッ素化シリコーンオイル、ポリエチレングリコール、アルキル末端ポリエチレングリコール(例えば、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(tetraethylene glycol dimethyl ether、TDG)などC~C末端アルキル基)、パラフィン、流動ワセリン、ミンクオイル、タートルオイル、大豆油、ペルヒドロスクアレン、スイートアーモンドオイル、カロフィルムオイル、パームオイル、パールリームオイル、グレープシードオイル、ゴマ油、トウモロコシ油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、杏油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、穀物胚芽油、ラノリン酸のエステル、オレイン酸のエステル、ラウリン酸のエステル、ステアリン酸のエステル、脂肪族エステル、高級脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸変性ポリシロキサン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。シリコーンオイルの例としては、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、PDMS)、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。分散媒104が前述のうちの2つ以上を含む場合、分散媒104は1つ以上の相を有してもよい。例えば、脂肪酸変性ポリシロキサン及び脂肪族アルコール変性ポリシロキサン(好ましくは、脂肪酸及び脂肪族アルコールと同様の鎖長を有する)は、単相分散媒を形成し得る。別の例では、シリコーンオイル及びアルキル末端ポリエチレングリコールを含む分散媒104は、二相分散媒を形成し得る。少なくとも1つの実施形態では、分散媒104は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0105】
分散媒104は、混ぜ合わせたCNM-g-ポリアミド102、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108、及び分散媒104の約40重量%~約95重量%(又は約75重量%~約95重量%、又は約70重量%~約90重量%、又は約55重量%~約80重量%、又は約50重量%~約75重量%、又は約40重量%~約60重量%)で混合物中に存在し得る。分散媒は、50:50~90:10の範囲の分散媒対CNMg-ポリアミド102と熱可塑性ポリマーとの組み合わせの重量比で存在し得る。
【0106】
いくつかの場合、分散媒104は、約0.6g/cm~約1.5g/cmの密度を有し得、熱可塑性ポリマーは、約0.7g/cm~約1.7g/cmの密度を有し得、熱可塑性ポリマーは、分散媒104の密度と同様であるか、それより低いか、又はそれより高い密度を有し得る。
【0107】
CNMは、処理温度で分解しないように十分に安定であるべきである。CNMの例としては、限定するものではないが、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、フラーレン、カーボンブラックなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。
【0108】
本開示の方法及び組成物に使用される乳化安定剤(例えば、乳化安定剤106)は、ナノ粒子(例えば、酸化物ナノ粒子、カーボンブラック、ポリマーナノ粒子、及びこれらの組み合わせ)、界面活性剤など、及びこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0109】
酸化物ナノ粒子は、金属酸化物ナノ粒子、非金属酸化物ナノ粒子、又はこれらの混合物であってもよい。酸化物ナノ粒子の例としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化鉄、酸化銅、酸化スズ、酸化ホウ素、酸化セリウム、酸化タリウム、及び酸化タングステンなど、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及びアルミノホウケイ酸塩のような混合された金属酸化物及び/又は非金属酸化物も、金属酸化物という用語に含まれる。酸化物ナノ粒子は、親水性であっても疎水性であってもよく、天然の粒子であっても粒子の表面処理の結果であってもよい。例えば、ジメチルシリル、トリメチルシリルなどのような疎水性表面処理を有するシリカナノ粒子が本開示の方法及び組成物に使用されてもよい。加えて、メタクリレート官能基のような機能的な表面処理を施したシリカが、本開示の方法及び組成物に使用されてもよい。非官能化酸化物ナノ粒子もまた同様に、使用に好適であり得る。
【0110】
シリカナノ粒子の市販の例としては、Evonikから入手可能なAEROSIL(登録商標)(例えば、AEROSIL(登録商標)R812S(疎水変性表面及び260±30m/gのBET表面積を有する平均直径約7nmのシリカナノ粒子)、AEROSIL(登録商標)RX50(疎水変性表面及び35±10m/gのBET表面積を有する平均直径約40nmのシリカナノ粒子)、AEROSIL(登録商標)380(疎水変性表面及び380±30m/gの表面積を有するシリカナノ粒子)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
カーボンブラックは、本明細書に開示される組成物及び方法において乳化安定剤として存在し得る別の種類のナノ粒子である。様々な等級のカーボンブラックが当業者に馴染みのあるものであり、そのうちのいずれかが本明細書で使用され得る。赤外線を吸収することができる他のナノ粒子が同様に使用されてもよい。
【0112】
ポリマーナノ粒子は、本明細書の開示において乳化安定剤(例えば、乳化安定剤106)として存在し得る、別の種類のナノ粒子である。好適なポリマーナノ粒子は、本明細書の開示による溶融乳化によって処理されたときに溶融しないように、熱硬化性である及び/又は架橋されている1つ以上のポリマーを含んでもよい。高い融点又は分解点を有する高分子量熱可塑性ポリマーも同様に、好適なポリマーナノ粒子乳化安定剤を含んでもよい。
【0113】
界面活性剤は、アニオン性であっても、カオチン性であっても、非イオン性であっても、双極性イオン性であってもよい。界面活性剤の例としては、限定するものではないが、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ソルビタン、ポリ[ジメチルシロキサン-co-[3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピルメチルシロキサン]]、ドキュセートナトリウム(ナトリウム1,4-ビス(2-エチルヘキソキシ)-1,4-ジオキソブタン-2-スルホネート)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。界面活性剤の市販の例としては、CALFAX(登録商標)DB-45(ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、Pilot Chemicalsから入手可能)、SPAN(登録商標)80(ソルビタンマレエート非イオン性界面活性剤)、MERPOL(登録商標)界面活性剤(Stepan Companyから入手可能)、TERGITOL(商標)TMN-6(水溶性非イオン性界面活性剤、DOWから入手可能)、TRITON(商標)X-100(オクチルフェノールエトキシレート、SigmaAldrichから入手可能)、IGEPAL(登録商標)CA-520(ポリオキシエチレン(5)イソオクチルフェニルエーテル、SigmaAldrichから入手可能)、BRIJ(登録商標)S10(ポリエチレングリコールオクタデシルエーテル、SigmaAldrichから入手可能)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
界面活性剤は、CNM-g-ポリアミド102の重量を基準として、約0.01重量%~約10重量%(又は約0.01重量%~約1重量%、又は約0.5重量%~約2重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約2重量%~約5重量%、又は約5重量%~約10重量%)の濃度で混合物に含まれ得る。あるいは、混合物は、界面活性剤を含まない(すなわち、界面活性剤が不在である)場合がある。
【0115】
乳化安定剤106中のナノ粒子対界面活性剤の重量比は、約1:10~約10:1(又は約1:10~約1:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:1~約10:1)であり得る。
【0116】
乳化安定剤106は、混ぜ合わされたCNM-g-ポリアミド102及びCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108の重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%(又は約0.01重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約5重量%~約10重量%)の濃度で混合物中に含まれ得る。
【0117】
図の混ぜ合わせること(110)に関連して、いくつかの場合では、乳化安定剤106は、CNM-g-ポリアミド102及び/又はCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108の添加前に、分散媒104中に最初に分散され、任意選択的に、当該分散液の加熱を伴い得る。別の非限定的な例では、CNM-g-ポリアミド102及び/又はCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108が加熱されて、分散媒104及び乳化安定剤106が一緒に又は任意の順序で添加されるポリマー溶融物を産生し得る。更に別の非限定的な例では、CNM-g-ポリアミド102及び/又はCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108は、分散媒104と共に、本明細書に記載の必要な融点又は軟化温度よりも高い温度、かつ分散媒104中にポリマー溶融物を分散させるのに十分な剪断速度で混合され得る。次いで、乳化安定剤106を加えて、混合物112を形成し、設定した期間の間、好適なプロセス条件で維持することができる。
【0118】
CNM-g-ポリアミド102、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108、分散媒104、及び任意選択的に乳化安定剤106を任意の組み合わせで混ぜ合わせることは、処理に使用される混合装置及び/又は別の好適な容器において生じ得る。非限定的な例として、CNM-g-ポリアミド102及び/又はCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108は、処理に使用される混合装置内で、本明細書に記載の必要な融点又は軟化温度よりも高い温度に加熱され得、乳化安定剤106は、別の容器内の分散媒104中に分散され得る。次いで、当該分散液は、処理に使用される混合装置内の溶融物に添加され得る。
【0119】
溶融乳化物116を産生するための処理(114)に使用する混合装置は、溶融乳化物116を本明細書に記載の必要な融点又は軟化温度を超える温度に維持し、ポリマー溶融物を液滴として分散媒104中に分散させるのに十分な剪断速度を適用することができるべきである。
【0120】
溶融乳化物116を製造するための処理(114)に使用する混合装置の例としては、限定するものではないが、押出機(例えば、連続押出機、バッチ押出機など)、撹拌反応器、ブレンダ、インラインホモジナイザシステムを備える反応器など、及びそこから派生する装置が挙げられ得る。
【0121】
設定した期間に好適なプロセス条件(例えば、温度、剪断速度など)での処理(114)及び溶融乳化物116の形成。
【0122】
処理(114)及び溶融乳化物116の形成の温度は、本明細書に記載の必要な融点又は軟化温度よりも高く、混合物112中の任意の成分(すなわち、CNM-g-ポリアミド102、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108、分散媒104、乳化安定剤106)の分解温度未満であるべきである。例えば、処理(114)及び溶融乳化物116の形成の温度は、処理及び溶融乳化物116の形成の温度が混合物112中の任意の成分(すなわち、CNM-g-ポリアミド102、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108、分散媒104、乳化安定剤106)の分解温度未満であるという条件で、本明細書に記載の融点又は軟化温度より約1℃~約50℃(又は約1℃~約25℃、又は約5℃~約30℃、又は約20℃~約50℃)高いことがある。
【0123】
処理(114)及び溶融乳化物116の形成の剪断速度は、ポリマー溶融物を液滴として分散媒104中に分散させるのに十分な高さであるべきである。当該液滴は、直径が約1000μm以下(又は約1μm~約1000μm、又は約1μm~約50μm、又は約10μm~約100μm、又は約10μm~約250μm、又は約50μm~約500μm、又は約250μm~約750μm、又は約500μm~約1000μm)の液滴を含むべきである。
【0124】
処理(114)及び溶融乳化物116の形成の当該温度及び剪断速度を維持する時間は、10秒~18時間以上(又は10秒~30分、又は5分~1時間、又は15分~2時間、又は1時間~6時間、又は3時間~18時間)であり得る。理論に束縛されるものではないが、液滴直径の定常状態には、処理を停止し得る時点で到達すると考えられる。当該時間は、とりわけ、温度、剪断速度、CNM-g-ポリアミド102、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108、分散媒組成物104、及び乳化安定剤組成物106に依存し得る。
【0125】
溶融乳化物116は、その後冷却118されてもよい。冷却(118)は低速(例えば、周囲条件下で溶融乳化物116を冷却すること(118)を可能にする)から高速(例えば、急冷)であり得る。例えば、冷却(118)の速度は、約10℃/時間~約100℃/秒、更には急冷(例えばドライアイス中)によるほぼ瞬時(又は約10℃/時間~約60℃/時間、又は約0.5℃/分~約20℃/分、又は約1℃/分~約5℃/分、又は約10℃/分~約60℃/分、又は約0.5℃/秒~約10℃/秒、又は約10℃/秒~約100℃/秒)の範囲であり得る。
【0126】
冷却中、剪断力はほとんど又は全く溶融乳化物116に適用されないことがある。いくつかの場合、加熱中に適用される剪断力が冷却(118)中に適用され得る。
【0127】
溶融乳化物116の冷却(118)から得られる冷却された混合物は、固化したCNM-g-ポリアミド粒子124及び他の成分(例えば、分散媒104、過剰な乳化安定剤106など)を含み得る。固化したCNM-g-ポリアミド粒子124は、分散媒104中に分散され得るか、又は分散媒104中に沈降し得る。
【0128】
次いで、冷却された混合物を処理して、CNM-g-ポリアミド粒子124を他の成分から単離し得る。好適な処理としては、洗浄、濾過、遠心分離、及びデカントなど、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
CNM-g-ポリアミド粒子124の洗浄に使用される溶媒は、概して、(a)分散媒104と混和性であり、かつ(b)CNM-g-ポリアミド102、及び/又はCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108と非反応性(例えば、非膨潤性及び非溶解性)であるべきである。溶媒の選択は、とりわけ、分散媒104、CNM-g-ポリアミド102、及びCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108の組成に依存することになる。
【0130】
溶媒の例としては、炭化水素溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、デカン、ドデカン、トリデカン、及びテトラデカン)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、2-メチルナフタレン、及びクレゾール)、エーテル溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、及びジオキサン)、ケトン溶媒(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン)、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びn-プロパノール)、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、及び酪酸ブチル)、ハロゲン化溶媒(例えば、クロロホルム、ブロモフォーム、1,2-ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、及びヘキサフルオロイソプロパノール)、水など、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
溶媒は、空気乾燥、熱乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、又はこれらのハイブリッドなど適切な方法を使用して乾燥することによって、CNM-g-ポリアミド粒子124から除去され得る。加熱は、好ましくは、CNM-g-ポリアミド102及びCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー108(含まれる場合)のポリアミドのガラス転移点よりも低い温度(例えば、約50℃~約150℃)で実施され得る。
【0132】
有利には、本明細書に記載のシステム及び方法の分散媒(例えば、分散媒104)及び洗浄溶媒は、再生可能かつ再利用可能である。当業者であれば、再生プロセスに必要な使用済み分散媒104及び溶媒の任意の必要な洗浄を認識するであろう。
【0133】
他の成分から単離した後のCNM-g-ポリアミド粒子は124、任意選択的に更に精製され得る。例えば、粒径分布を狭める(すなわち粒径スパンを低減させる)ために、CNM-g-ポリアミド粒子124は、約10μm~約250μm(又は約10μm~約100μm、又は約50μm~約200μm、又は約150μm~約250μm)の孔径を有する篩に通され得る。
【0134】
別の例示的な精製技法では、CNM-g-ポリアミド粒子124の表面に関連するナノ粒子の実質的に全てを維持しつつ、CNM-g-ポリアミド粒子124を水で洗浄して界面活性剤を除去し得る。更に別の例示的な精製技法では、CNM-g-ポリアミド粒子124を添加剤とブレンドして、所望の最終生成物を得ることができる。明確にするために、このような添加剤は、本明細書に記載のCNM-g-ポリアミド粒子124の固化後にこの粒子とブレンドされるため、このような添加剤は、本明細書では「外部添加剤」と称される。外部添加剤の例としては、流動助剤、他のポリマー粒子、充填剤など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0135】
いくつかの場合、CNM-g-ポリアミド粒子124の作製に使用される界面活性剤は、下流用途において望ましくないことがある。したがって、更に別の例示的な精製技法は、CNM-g-ポリアミド粒子124から(例えば、洗浄及び/又は熱分解により)界面活性剤を少なくとも実質的に除去することを含み得る。
【0136】
CNM-g-ポリアミド粒子124及び/又は精製されたCNM-g-ポリアミド粒子124は、組成、物理的構造などによって特徴付けられ得る。
【0137】
上述のように、乳化安定剤(例えば、乳化安定剤106)は、ポリマー溶融物と分散媒104との間の界面にある。その結果、混合物が冷却されると、乳化安定剤(例えば、乳化安定剤106)は、当該界面に、又はその付近に留まる。したがって、CNM-g-ポリアミド粒子124の構造は、概して、乳化安定剤(例えば、乳化安定剤106)が使用されるとき、(a)CNM-gポリアミド粒子124の外側表面に分散し、かつ/又は(b)CNM-g-ポリアミド粒子124の外側部分(例えば、外側1体積%)に埋め込まれた、乳化安定剤を含む。
【0138】
更に、ポリマー溶融物液滴の内部に空隙が形成される場合、乳化安定剤(例えば、乳化安定剤106)は、概して、空隙の内部とCNM-g-ポリアミド124及び/又は熱可塑性ポリマーとの間の界面にある(及び/又はそこに埋め込まれている)べきである。空隙は概して、CNM-g-ポリアミド124及び/又は熱可塑性ポリマーを含有しない。むしろ、空隙は、例えば、分散媒104を含み得る、空気を含み得る、又は空隙であり得る。CNM-g-ポリアミド粒子124は、分散媒104を、CNM-g-ポリアミド粒子124の約5重量%以下(又は約0.001重量%~約5重量%、又は約0.001重量%~約0.1重量%、又は約0.01重量%~約0.5重量%、又は約0.1重量%~約2重量%、又は約1重量%~約5重量%)で含み得る。
【0139】
CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーが含まれない場合、混ぜ合わされたCNM-g-ポリアミド及びCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーは、CNM-g-ポリアミド粒子の約90重量%~約99.5重量%(又は約90重量%~約95重量%、又は約92重量%~約97重量%、又は約95重量%~約99.5重量%)で、CNM-g-ポリアミド粒子中に存在し得る。CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーが含まれる場合、混ぜ合わされたCNM-g-ポリアミド及びCNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーは、CNM-g-ポリアミド粒子の約90重量%~約99.5重量%(又は約90重量%~約95重量%、又は約92重量%~約97重量%、又は約95重量%~約99.5重量%)で、CNM-g-ポリアミド粒子中に存在し得る。CNM-g-ポリアミド対CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマー(含まれる場合)の重量比は、約10:90~約99:1(又は約10:90~約50:50、又は約25:75~約75:25、又は約50:50~約99:1、又は約80:20~約99:1)であり得る。
【0140】
含まれる場合、乳化安定剤(例えば、乳化安定剤106)は、CNM-g-ポリアミド粒子124の約10重量%以下(又は約0.01重量%~約10重量%、又は約0.01重量%~約1重量%、又は約0.5重量%~約5重量%、又は約3重量%~約7重量%、又は約5重量%~約10重量%)で、CNM-g-ポリアミド粒子124中に存在し得る。界面活性剤又は別の乳化安定剤を少なくとも実質的に除去するように精製すると、乳化安定剤は、0.01重量%未満(又は0重量%~約0.01重量%、又は0重量%~0.001重量%)でCNM-g-ポリアミド粒子124/130中に存在し得る。
【0141】
微粒子状乳化安定剤を使用して本明細書の開示による熱可塑性微粒子を形成する際、シリカナノ粒子など微粒子状乳化安定剤の少なくとも一部は、CNM-g-ポリアミド粒子124/130の外側表面にコーティングとして配設され得る。界面活性剤の少なくとも一部分は、使用される場合、同様に外側表面に会合し得る。コーティングは、外側表面上に実質的に均一に配置され得る。コーティングに関して本明細書で使用するとき、「実質的に均一」という用語は、コーティング組成物(例えば、ナノ粒子及び/又は界面活性剤)によって被覆される表面位置、特に外側表面全体における、均一なコーティング厚さを指す。乳化安定剤106は、CNM-g-ポリアミド粒子の表面積の少なくとも5%(又は約5%~約100%、又は約5%~約25%、又は約20%~約50%、又は約40%~約70%、又は約50%~約80%、又は約60%~約90%、又は約70%~約100%)を被覆するコーティングを形成し得る。界面活性剤又は別の乳化安定剤を少なくとも実質的に除去するように精製すると、乳化安定剤は、CNM-g-ポリアミド粒子124/130の表面積の25%未満(又は0%~約25%、又は約0.1%~約5%、又は約0.1%~約1%、又は約1%~約5%、又は約1%~約10%、又は約5%~約15%、又は約10%~約25%)でCNM-g-ポリアミド粒子124/130中に存在し得る。CNM-g-ポリアミド粒子124/130の外側表面での乳化安定剤の被覆率は、走査電子顕微鏡画像(SEM顕微鏡写真)の分析を使用して決定され得る。乳化安定剤は、CNM-g-ポリアミド粒子124/130(及びコーティングされたCNM-g-ポリアミド粒子(産生される場合))の表面積の少なくとも5%(又は約5%~約100%、又は約5%~約25%、又は約20%~約50%、又は約40%~約70%、又は約50%~約80%、又は約60%~約90%、又は約70%~約100%)を被覆するコーティングを形成し得る。界面活性剤又は別の乳化安定剤を少なくとも実質的に除去するように精製すると、乳化安定剤は、CNM-g-ポリアミド粒子124/130の表面積の25%未満(又は0%~約25%、又は約0.1%~約5%、又は約0.1%~約1%、又は約1%~約5%、又は約1%~約10%、又は約5%~約15%、又は約10%~約25%)でCNM-g-ポリアミド粒子124/130中に存在し得る。CNM-g-ポリアミド粒子の外側表面での乳化安定剤被覆率は、SEM顕微鏡写真の画像分析を使用して決定され得る。
【0142】
本開示のCNM-g-ポリアミド粒子124/130は、CNM-g-ポリアミド粒子124/130の約0.01重量%~約50重量%(又は約0.01重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約5重量%~約20重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約25重量%~約50重量%)のカーボンナノ材料(又は2つ以上を使用する場合、累積でのカーボンナノ材料)を含み得る。
【0143】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、1つ以上のカーボンナノ材料を含み得る。例えば、2つ以上の異なるカーボンナノ材料が同一反応でポリアミドにグラフトされ、次いで本明細書に記載の方法及び組成物においてCNM-g-ポリアミド102として使用され得る。別の例では、2つの異なるCNM-g-ポリアミドは、本明細書に記載の溶融乳化プロセスの混合プロセスの前(又は最中)に産生され、ブレンドされ得る。
【0144】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.90~約1.0の真円度を有し得る。
【0145】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約10m/g~約500m/g(又は約10m/g~約150m/g、又は約25m/g~約100m/g、又は約100m/g~約250m/g、又は約250m/g~約500m/g)のBET表面積を有し得る。
【0146】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.1μm~約125μm(又は約0.1μm~約5μm、約1μm~約10μm、約5μm~約30μm、又は約1μm~約25μm、又は約25μm~約75μm、又は約50μm~約85μm、又は約75μm~約125μm)のD10と、約0.5μm~約200μm(又は約0.5μm~約10μm、又は約5μm~約50μm、又は約30μm~約100μm、又は約30μm~約70μm、又は約25μm~約50μm、又は約50μm~約100μm、又は約75μm~約150μm、又は約100μm~約200μm)のD50と、約3μm~約300μm(又は約3μm~約15μm、又は約10μm~約50μm、又は約25μm~約75μm、又は約70μm~約200μm、又は約60μm~約150μm、又は約150μm~約300μm)のD90と、を有し得、D10<D50<D900である。CNM-g-ポリアミド粒子124/130はまた、約0.2~約10(又は約0.2~約0.5、又は約0.4~約0.8、又は約0.5~約1、又は約1~約3、又は約2~約5、又は約5~約10)の粒径スパンを有し得る。限定するものではないが、1.0以上の粒径スパン値は広いとみなされ、粒径スパン値0.75以下は狭いとみなされる。好ましくは、CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.2~約1の粒径スパンを有する。
【0147】
第1の非限定的な例では、CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.1μm~約10μmのD10と、約0.5μm~約25μmのD50と、約3μm~約50μmのD90とを有し得、D10<D50<D90である。当該CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.2~約2の粒径スパンを有し得る。
【0148】
第2の非限定的な例では、CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約5μm~約30μmのD10、約30μm~約70μmのD50、及び約70μm~約120μmのD90を有し得、D10<D50<D90である。当該CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約1.0~約2.5の粒径スパンを有し得る。
【0149】
第3の非限定的な例では、CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約25μm~約60μmのD10と、約60μm~約110μmのD50と、約110μm~約175μmのD90とを有し得、D10<D50<D90である。当該CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.6~約1.5の粒径スパンを有し得る。
【0150】
第4の非限定的な例では、CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約75μm~約125μmのD10と、約100μm~約200μmのD50と、約125μm~約300μmのD90とを有し得、D10<D50<D90である。当該CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.2~約1.2の粒径スパンを有し得る。
【0151】
第5の非限定的な例では、CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約1μm~約50μm(又は約5μm~約30μm、又は約1μm~約25μm、又は約25μm~約50μm)のD10と、約25μm~約100μm(又は約30μm~約100μm、又は約30μm~約70μm、又は約25μm~約50μm、又は約50μm~約100μm)のD50と、約60μm~約300μm(又は約70μm~約200μm、又は約60μm~約150μm、又は約150μm~約300μm)のD90と、を有し得、D10<D50<D90である。CNM-g-ポリアミド粒子124/130はまた、約0.4~約3(又は約0.6~約2、又は約0.4~約1.5、又は約1~約3)の粒径スパンを有し得る。
【0152】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.9以上(又は約0.90~約1.0、又は約0.93~約0.99、又は約0.95~約0.99、又は約0.97~約0.99、又は約0.98~1.0)の真円度を有し得る。
【0153】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約25°~約45°(又は約25°~約35°、又は約30°~約40°、又は約35°~約45°)の安息角を有し得る。
【0154】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約1.0~約1.5(又は約1.0~約1.2、又は約1.1~約1.3、又は約1.2~約1.35、又は約1.3~約1.5)のハウスナー比を有し得る。
【0155】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.3g/cm~約0.8g/cm(又は約0.3g/cm~約0.6g/cm、又は約0.4g/cm~約0.7g/cm、又は約0.5g/cm~約0.6g/cm、又は約0.5g/cm~約0.8g/cm)の嵩密度を有し得る。
【0156】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.5g/cm~約0.8g/cm(又は約0.5g/cm~約0.7g/cm、又は約0.55g/cm~約0.80g/cm)の通気密度を有し得る。
【0157】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.6g/cm~約0.9g/cm(又は約0.60g/cm~約0.75g/cm、又は約0.65g/cm~約0.80g/cm、又は約0.70g/cm~約0.90g/cm)のタップ密度を有し得る。
【0158】
処理の温度及び剪断速度、並びに成分(CNM-g-ポリアミド102、熱可塑性ポリマー、分散媒104、過剰な乳化安定剤106など)の組成及び相対濃度に応じて、CNM-g-ポリアミド124/130を構成する異なる形状の構造が産生され得る。典型的には、CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、実質的に球状の(約0.97以上の真円度を有する)粒子を含む。しかしながら、円盤状及び細長い構造など他の構造が、CNM-g-ポリアミド粒子124/130において観察され得る。したがって、CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、(a)0.97以上の真円度を有する、実質的に球状の粒子、(b)約2~約10のアスペクト比を有する、円盤状構造、及び(c)10以上のアスペクト比を有する、細長い構造のうちの1つ以上を含み得る。上記の(a)、(b)、及び(c)構造の各々は、乳化安定剤が、(a)、(b)、及び(c)構造の外側表面上に分散されている、及び/又は(a)、(b)、及び(c)構造の外側部分に埋め込まれている。(a)、(b)、及び(c)構造のうちの少なくともいくつかは凝集し得る。例えば、(c)の細長い構造は、(a)の実質的に球状の粒子の表面上に位置し得る。
【0159】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、CNM-g-ポリアミドのポリアミドの焼結ウィンドウの10℃以内、好ましくは5℃以内である焼結ウィンドウを有し得る。
【0160】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約170℃~約200℃(又は約175℃~約195℃、又は約180℃~約190℃、例えば約185℃~約190℃など)の範囲の融点を有し得る。
【0161】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約130℃~約170℃(又は約135℃~約165℃、又は約140℃~約160℃、例えば約145℃~約155℃など)の範囲の結晶化温度を有し得る。
【0162】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約20%~約40%(又は約22%~約38%、又は約24%~約36%、又は約26%~約34%、又は約28%~約32%、又は約20%~約30%、又は約22%~約28%)の範囲の結晶化度を有し得る。
【0163】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約0.5g/10分~約10g/10分(又は約1g/10分~約8g/10分、又は約1.5g/10分~約6g/10分、又は約2g/10分~約5g/10分)の範囲のMFI流量を有し得る。
【0164】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、0.1%~約5%(又は約0.5%~約4.5%、又は約1%~約4%)の範囲のSLS部分の寸法精度を提供し得る。
【0165】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約50MPa~約200Mpa(又は約60MPa~約150Mpa、又は約80MPa~約100Mpa)の範囲の引張強度を有し得る。
【0166】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130のSLS部分の引張強度及び寸法精度は、同一の処理パラメータを有する典型的なポリアミド粒子のSLS部分の引張強度及び寸法精度よりも有利に高いことがある。
【0167】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約400MPa~約1000MPa(又は約425MPa~約800MPa、又は約450MPa~約600MPa、又は約475MPa~約500MPa、又は約500MPa~約600MPa)の範囲の引張弾性率(繊維として)を有し得る。
【0168】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約50Mpa~約500Mpa(又は約60Mpa~約450Mpa、又は約70Mpa~約400Mpa、又は約80MPa~約350Mpa、又は約90Mpa~約300Mpa、又は約100Mpa~約250Mpa、又は約50Mpa~約150Mpa、又は約80Mpa~約120Mpa)の範囲の極限強度を有し得る。
【0169】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約50MPa~約2000Mpa(又は約100MPa~約1500Mpa、又は約150MPa~約1000Mpa、又は約200MPa~約800Mpa、又は約500MPa~約1000Mpa)の範囲の曲げ弾性率を有し得る。
【0170】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130は、約2%~約20%(又は約4%~約18%、又は約6%~約16%、又は約8%~約14%、又は約10%~約12%、又は約5%~約15%、又は約6%~約12%、又は約7%~約10%)の範囲の伸長度を有し得る。
CNM-g-ポリアミドの用途
【0171】
本開示はまた、選択的レーザー焼結の方法に関し、この方法は、(a)(a1)CNM-g-ポリアミドと、任意選択的に(a2)CNM-g-ポリアミドのポリアミドではなく、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーと、を含む極めて球状のポリマー粒子、及び任意選択的に、(b)CNM-g-ポリアミドを含まない、他の熱可塑性ポリマー粒子を表面に堆積させることと、堆積させた後、球状ポリマー粒子の少なくとも一部をレーザーに曝露して、ポリマー粒子を融解させ、固結体を形成することと、を含み得る。
【0172】
本明細書に記載のCNM-g-ポリアミド粒子124/130は、様々な物品を製造するために使用され得る。非限定的な例として、本開示の3D印刷プロセスは、本明細書に記載のCNM-g-ポリアミド粒子124/130を表面に(例えば、層状で及び/又は特定の形状で)堆積させることと、堆積させた後、粒子の少なくとも一部を加熱して、粒子の固結化を促進し、固結体(又は物体)を形成することと、を含み得る。固結化体は、固結後の空隙率が、約5%以下(例えば、0%~約5%、又は約0.5%~約2%、又は約1%~約3%、又は約2%~約5%)であってもよい。例えば、ポリマー粒子(例えば、CNM-g-ポリアミド粒子124/130及び他の熱可塑性ポリマー粒子)の加熱及び固結化は、選択的レーザー焼結によって加熱及び固結化が行われるように、レーザーを用いた3D印刷装置内で行われ得る。
【0173】
CNM-g-ポリアミド粒子124/130を使用して物品の全体又は一部を形成し得る、かかる方法により製造され得る当該物品の例としては、限定するものではないが、粒子、フィルム、梱包材、玩具、家庭用品、自動車部品、航空宇宙/航空機関連部品、容器(例えば、食品、飲料、化粧品、パーソナルケア組成物、医薬品などのためのもの)、靴のソール、家具部品、装飾用家庭用品、プラスチックギア、ネジ、ナット、ボルト、結束バンド、宝飾品、芸術品、彫像、医療品目、補装具、整形外科用インプラント、教育における学習を支援するアーチファクトの製造、手術を支援するための3D解剖学的モデル、ロボット工学用品、生体医学装置(装具)、家庭電化製品、歯科用品、電子機器、スポーツ用品などが挙げられる。更に、粒子は、塗料、粉体コーティング、インクジェット材料、電子写真トナー、3D印刷などが挙げられるがこれらに限定されない用途において有用であってもよい。
例示的実施形態
【0174】
本開示の第1の非限定的な例示的実施形態は、選択的レーザー焼結の方法であり、この方法は、カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)粒子を、任意選択的に他の熱可塑性ポリマー粒子と組み合わせて表面に堆積させることであって、CNM-g-ポリアミド粒子は、カーボンナノ材料(CNM)にグラフトされたポリアミドを含む、ことと、堆積させた後、選択的レーザー焼結によってCNM-g-ポリアミド粒子の少なくとも一部をレーザーに曝露して、そのポリマー粒子を融解させ、固結体を形成することと、を含む。第1の非限定的な例示的実施形態は、以下のうちの1つ以上を更に含み得る:要素1:CNM-g-ポリアミドは、CNM-g-ポリアミドの総重量に基づいて、50重量%~99.95重量%のポリアミドと、約0.05重量%~約50重量%のカーボンナノ材料とを含む;要素2:ポリアミドは、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される;要素3:CNMは、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、フラーレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される;要素4:ポリアミド対CMNのモル比は約500:1~約1:500である;要素5:要素4であり、ポリアミド対CMNのモル比は約20:1~約10:1である;要素6:ポリアミドは、重縮合、界面重合、又は開環重合(ROP)によってCNMの表面にグラフトされて、CNM-g-ポリアミドを産生する;要素7:要素6であり、ROPはinsituアニオン開環重合(AROP)である;要素8:要素7であり、insitu AROPは、開始剤、及び任意選択的に活性化剤の存在下で実行される;要素9:要素8であり、ポリアミド対開始剤の重量比は約90:10~約99:1である;要素10:CNM-g-ポリアミド粒子は約0.90~約1.0の真円度を有する;要素11:CNM-g-ポリアミド粒子は、CNM-g-ポリアミド粒子の外側表面に埋め込まれた乳化安定剤を有する;要素12:要素11であり、乳化安定剤はナノ粒子を含む;要素13:要素11であり、CNM-g-ポリアミド粒子の少なくとも一部は、空隙/ポリマー界面に乳化安定剤を含む空隙を有する;要素14:要素11であり、乳化安定剤はナノ粒子を含み、ナノ粒子は空隙/ポリマー界面に埋め込まれている;要素15:ポリマー粒子を含むCNM-g-ポリアミドは、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーを更に含む;要素16:ポリマー粒子を含むCNM-g-ポリアミドは、CNM-g-ポリアミドのポリアミドと不混和性である分散媒を更に含む;要素17:要素16であり、分散媒は、50:50~90:10の範囲の分散媒対CNM-g-ポリアミドと熱可塑性ポリマーとの組み合わせの重量比で存在する;要素18:CNM-g-ポリアミド粒子は、約0.1μm~約125μmのD10と、約0.5μm~約200μmのD50と、約3μm~約300μmのD90と、を有し、D10<D50<D90である;要素19:CNM-g-ポリアミド粒子は、約0.2~約10の粒径スパンを有する;要素20:CNM-g-ポリアミド粒子は約25°~約45°の安息角を有する;並びに要素21:CNM-g-ポリアミド粒子は約1.0~約1.5のハウスナー比を有する。組み合わせの例としては、限定するものではないが、要素6、7及び10のうちの2つ以上の組み合わせ、要素1を要素2~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素2を要素3~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素3を要素4~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素5を要素6~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素7を要素8~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素8を要素9~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素9を要素10~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素11を要素12~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素12を要素13~21のうちの1つ以上と組み合わせたもの;要素14~21のうちの2つ以上の組み合わせ;並びに要素18~21のうちの2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0175】
本開示の第2の非限定的な例示的実施形態は、カーボンナノ材料にグラフトされたポリアミドを含むCNM-g-ポリアミド粒子を含む組成物である。CNM-g-ポリアミド粒子は、CNM-g-ポリアミドの約0.05重量%~約50重量%のCNMを含み得、CNMは、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、フラーレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る第2の非限定的な例示的実施形態は、以下のうちの1つ以上を更に含み得る:要素18:ポリアミドは、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。第2の非限定的な例示的実施形態は、要素1;要素2;要素3;要素4;要素5;要素6;要素7;要素8;要素9;要素10;要素11;要素12;要素13;要素14;要素15;要素16;要素17;要素18;要素19;要素20;及び要素21のうちの1つ以上を更に含み得る。
【0176】
第3の非限定的な例示的実施形態は、(a)カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)であって、CNM-g-ポリアミド粒子は、カーボンナノ材料にグラフトされたポリアミドを含む、CNM-g-ポリアミドと、(b)CNM-g-ポリアミドのポリアミドと不混和性である分散媒と、任意選択的に(c)CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーと、任意選択的に(d)乳化安定剤と、を含む混合物を、CNM-g-ポリアミドのポリアミド及び熱可塑性ポリマー(含まれる場合)の融点又は軟化温度よりも高い温度で、かつ分散媒中でCNM-g-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、混合物を融点又は軟化温度未満に冷却して、CNM-g-ポリアミド粒子を形成することと、CNM-g-ポリアミド粒子を分散媒から単離することと、を含む方法である。第3の非限定的な例示的実施形態は、要素1;要素2;要素3;要素4;要素5;要素6;要素7;要素8;要素9;要素10;要素11;要素12;要素13;要素14;要素15;要素16;要素17;要素18;要素19;要素20;要素21;要素22:分散媒はポリジメチルシロキサン(PDMS)である、のうちの1つ以上を更に含み得る。
条項
【0177】
条項1.選択的レーザー焼結の方法であって、方法は、カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)粒子を、任意選択的に他の熱可塑性ポリマー粒子と組み合わせて表面に堆積させることであって、CNM-g-ポリアミド粒子は、カーボンナノ材料(CNM)にグラフトされたポリアミドを含む、ことと、堆積させた後、選択的レーザー焼結によってCNM-g-ポリアミド粒子の少なくとも一部をレーザーに曝露して、そのポリマー粒子を融解させ、固結体を形成することと、を含む、方法。
【0178】
条項2.CNM-g-ポリアミドは、CNM-g-ポリアミドの総重量に基づいて、50重量%~99.95重量%のポリアミドと、約0.05重量%~約50重量%のカーボンナノ材料とを含む、条項1に記載の方法。
【0179】
条項3.ポリアミドは、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第1節に記載の方法。
【0180】
条項4.CNMは、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、フラーレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、条項1に記載の方法。
【0181】
条項5.ポリアミド対CMNのモル比は約500:1~約1:500である。条項1に記載の方法。
【0182】
条項6.ポリアミド対CMNのモル比は約20:1~約10:1である、条項5に記載の方法。
【0183】
条項7.ポリアミドは、重縮合、界面重合、又は開環重合(ROP)によってCNMの表面にグラフトされて、CNM-g-ポリアミドを産生する、条項1に記載の方法。
【0184】
条項8.ROPはinsituアニオン開環重合(AROP)である、条項7に記載の方法。
【0185】
条項9.insitu AROPは、開始剤、及び任意選択的に活性化剤の存在下で実行される、条項8に記載の方法。
【0186】
条項10.ポリアミド対開始剤の重量比は約90:10~約99:1である、条項9に記載の方法。
【0187】
条項11.CNM-g-ポリアミド粒子は約0.90~約1.0の真円度を有する、条項1に記載の方法。
【0188】
条項12.CNM-g-ポリアミド粒子は、CNM-g-ポリアミド粒子の外側表面に埋め込まれた乳化安定剤を有する、条項1に記載の方法。
【0189】
条項13.乳化安定剤はナノ粒子を含む、条項12に記載の方法。
【0190】
条項14.CNM-g-ポリアミド粒子の少なくとも一部は、空隙/ポリマー界面に乳化安定剤を含む空隙を有する、条項12に記載の方法。
【0191】
条項15.乳化安定剤はナノ粒子を含み、ナノ粒子は空隙/ポリマー界面に埋め込まれている、条項12に記載の方法。
【0192】
条項16.ポリマー粒子を含むCNM-g-ポリアミドは、CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーを更に含む、条項1に記載の方法。
【0193】
条項17.ポリマー粒子を含むCNM-g-ポリアミドは、CNM-g-ポリアミドのポリアミドと不混和性である分散媒を更に含む、条項1に記載の方法。
【0194】
条項18.分散媒は、50:50~90:10の範囲の分散媒対CNM-g-ポリアミドと熱可塑性ポリマーとの組み合わせの重量比で存在する、条項17に記載の方法。
【0195】
条項19.CNM-g-ポリアミド粒子は、約0.1μm~約125μmのD10と、約0.5μm~約200μmのD50と、約3μm~約300μmのD90と、を有し、D10<D50<D90である、条項1に記載の方法。
【0196】
条項20.CNM-g-ポリアミド粒子は、約0.2~約10の粒径スパンを有する、条項1に記載の方法。
【0197】
条項21.CNM-g-ポリアミド粒子は約25°~約45°の安息角を有する、条項1に記載の方法。
【0198】
条項22.CNM-g-ポリアミド粒子は約1.0~約1.5のハウスナー比を有する、条項1に記載の方法。
【0199】
条項23.カーボンナノ材料にグラフトされたポリアミドを含むCNM-g-ポリアミド粒子を含む組成物。CNM-g-ポリアミド粒子は、CNM-g-ポリアミド粒子の約0.05重量%~約50重量%のCNMを含み得、CNMは、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、フラーレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0200】
条項24.ポリアミドは、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、条項23に記載の組成物。
【0201】
条項25.CNM-g-ポリアミド粒子は約0.90~約1.0の真円度を有する、条項23に記載の組成物。
【0202】
条項26.CNM-g-ポリアミド粒子は、CNM-g-ポリアミド粒子の外側表面に埋め込まれた乳化安定剤を有する、条項23に記載の組成物。
【0203】
条項27.乳化安定剤はナノ粒子を含む、条項23に記載の組成物。
【0204】
条項28.CNM-g-ポリアミド粒子は、約0.1μm~約125μmのD10と、約0.5μm~約200μmのD50と、約3μm~約300μmのD90と、を有し、D10<D50<D90である、条項23に記載の組成物。
【0205】
条項29.CNM-g-ポリアミド粒子は、約0.2~約10の粒径スパンを有する、条項23に記載の組成物。
【0206】
条項30.CNM-g-ポリアミド粒子は約25°~約45°の安息角を有する、条項23に記載の組成物。
【0207】
条項31.CNM-g-ポリアミド粒子は約1.0~約1.5のハウスナー比を有する、条項23に記載の組成物。
【0208】
条項32.方法であって、(a)カーボンナノ材料-グラフト-ポリアミド(CNM-g-ポリアミド)であって、CNM-g-ポリアミド粒子は、カーボンナノ材料にグラフトされたポリアミドを含む、CNM-g-ポリアミドと、(b)CNM-g-ポリアミドのポリアミドと不混和性である分散媒と、任意選択的に(c)CNMにグラフトされていない熱可塑性ポリマーと、任意選択的に(d)乳化安定剤と、を含む混合物を、CNM-g-ポリアミドのポリアミド及び熱可塑性ポリマー(含まれる場合)の融点又は軟化温度よりも高い温度で、かつ分散媒中でCNM-g-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、混合物を融点又は軟化温度未満に冷却して、CNM-g-ポリアミド粒子を形成することと、CNM-g-ポリアミド粒子を分散媒から単離することと、を含む方法。
【0209】
条項33.ポリアミドは、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、条項32に記載の方法。
【0210】
条項34.CNM-g-ポリアミドは、CNM-g-ポリアミドの総重量に基づいて、50重量%~99.95重量%のポリアミドと、約0.05重量%~約50重量%のカーボンナノ材料とを含む、条項32に記載の方法。
【0211】
条項35.分散媒は、50:50~90:10の範囲の分散媒対CNM-g-ポリアミドと熱可塑性ポリマーとの組み合わせの重量比で存在する、条項32に記載の方法。
【0212】
条項36.分散媒はポリジメチルシロキサン(PDMS)である、条項32に記載の方法。
【0213】
条項37.CNM-g-ポリアミド粒子は約0.90~約1.0の真円度を有する、条項32に記載の方法。
【0214】
条項38.CNM-g-ポリアミド粒子は、CNM-g-ポリアミド粒子の外側表面に埋め込まれた乳化安定剤を有する、条項32に記載の方法。
【0215】
条項39.乳化安定剤はナノ粒子を含む、条項32に記載の方法。
【0216】
条項40.CNM-g-ポリオレフィン粒子は、約0.1μm~約125μmのD10と、約0.5μm~約200μmのD50と、約3μm~約300μmのD90と、を有し、D10<D50<D90である、条項32に記載の方法。
【0217】
条項41.CNM-g-ポリオレフィン粒子は、約0.2~約10の粒径スパンを有する、条項32に記載の方法。
【0218】
条項42.CNM-g-ポリオレフィン粒子は約25°~約45°の安息角を有する、条項32に記載の方法。
【0219】
条項43.CNM-g-ポリオレフィン粒子は約1.0~約1.5のハウスナー比を有する、条項32に記載の方法。
【0220】
別途記載のない限り、本明細書及び関連する特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量などの特性、プロセス条件などを表す全ての数字は、あらゆる場合において、「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本開示の実施形態によって得ることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではなく、それぞれの数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の四捨五入法を適用することによって解釈されるべきである。
【0221】
本明細書に開示される本開示の実施形態を組み込む1つ以上の例示的実施形態が、本明細書に提示される。明確にするために、物理的実装のすべての特徴が本出願に記載又は表示されているわけではない。本開示の実施形態を組み込む物理的実施形態の開発において、実装形態によって、また時によって異なる、システム関連、ビジネス関連、政府関連、及び他の制約を伴うコンプライアンスなどの開発者の目標を達成するために、数多くの実装形態固有の決定がなされなければならないことが理解される。開発者の努力には時間がかかる場合があるが、それにもかかわらず、そのような努力は、当業者にとって日常的な作業であり、本開示の利益を得るものとなるであろう。
【0222】
組成物及び方法は、様々な成分又は工程を「含む」という用語で本明細書に記載されているが、組成物及び方法はまた、様々な成分及び工程「から本質的になる」又は「からなる」可能性がある。
【0223】
本開示の実施形態のより良好な理解を容易にするために、好ましい又は代表的な実施形態の以下の実施例を付与する。以下の実施例は、決して、本開示の範囲を制限するか、又は定義するように読解されるべきではない。
【実施例0224】
理論実施例1a.ポリアミド合成のためのアミノ官能化カーボンナノチューブの調製について説明する。スキーム1は、酸性化による、アミノ官能化CNTの非限定的な合成経路の例を示す。多層カーボンナノチューブ(MWCNT)などCNTは、最初に、3:1の体積比を有する濃硫酸と硝酸との混合物によって酸化され得る。酸性化は、超音波浴中の50℃、3時間の酸溶液中でのCNTの超音波処理によって行われ得る。次いで、得られたCNM/酸混合物を脱イオン水に注ぎ入れ、濾過し、濾過溶液のpH値が約7(中性pH)になるまで繰り返し洗浄し得る。次いで、酸性化CNT生成物(CNT-COOH)を80℃の真空オーブン内で6時間乾燥させ得る。約1gのCNM-COOHを、超音波処理下で少なくとも1時間、2LのTHF中に分散させ得る。この分散液に、周囲温度で撹拌しながら、20g(340mmol)のエチレンジアミン(EDA)、1g(10mmol)の4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、10g(50mmol)のN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を添加し得る。分散液/溶液は60℃に加熱し得、撹拌しながらこの温度で24時間保持し得る。生成物は、容易に回収され得る黒色固体であり得、THF(1回の洗浄あたり1L~1.5L)で3回洗浄し得る。生成物を真空オーブン内で乾燥させて、アミノ官能化CNTを得ることができる。更なる官能化(例えば、アミノ基)により、ポリアミドモノマーとのCNTの反応性を向上させることができ得る。CNT-COOH直接経路は、ポリアミド/CNTを調製するために直接使用され得る。ただし、COOHがCNTの表面に直接結合し、アミノ基のように延出しないことにより移動度が低下するため、反応の低下が観察され得る。
【化1】
【0225】
理論実施例1b.in-situ重縮合によるポリアミド/アミノ官能化CNT(PA/CNT)ナノ複合体の調製について説明する。スキーム2は、アミノ官能化CNT(FCNT)を用いたポリアミドの合成の非限定的な例を示しており、不溶性短鎖PA/FCNT及び可溶性長鎖PA/FCNTをもたらす。2重量%のPA/CNTナノ複合体は、30分間の超音波処理中に0.497gのアミノ-FCNT(例えば、実施例1aから)をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)(60mL)に分散させることによって調製され得る。最終混合物は、アミノ-FCNTの均質な溶液であり得る。得られた混合物を、磁気撹拌機又はオーバーヘッド撹拌機を備えた1Lの3つ口フラスコに移し得る。当該フラスコに、10gのアジピン酸(68mmol)、17gの4,4-ジアミノジフェニルスルホン(68mmol)、3gの塩化カルシウム(18mmol)、42.4mLのトリフェニルホスファイト(137mmol)、及びピリジン(7mL)を添加し得る。60℃で1時間、90℃で2時間、及び120℃で8時間の反応をそれぞれ実行し得、粘性混合物をもたらし得る。500mLのメタノール中で粘性混合物を沈殿させて、PA/CNTを得ることができる。沈殿物は、濾過によって回収し、約45℃~約50℃の範囲の温度の温メタノールで完全に洗浄し得る。
【化2】
【0226】
必要に応じて、短鎖及び長鎖ポリマーグラフト化CNTは、溶媒溶解度の違いによって単離され得る(スキーム2)。グラフト化PA/CNTを、250mLのN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)中に分散させ得、65℃で1時間撹拌し得る。より短いポリマーCNT鎖を有する材料を濾紙で濾過して固体生成物を回収し得、95℃の真空オーブン内で約12時間乾燥させ得る。長鎖ポリマーCNT生成物の沈殿を促進するために、濃い色であり得るDMAc溶液を500mLの水に注ぎ入れ得る。長鎖ポリマーCNT生成物を濾過によって回収し、メタノールで完全に数回洗浄し、95℃の真空オーブン内で12時間乾燥させ得る。
【0227】
理論実施例2.溶融乳化によってSLS粉末を製造するために、反応押出によるポリヘキサメチレンアジパミド-MWCNTグラフト複合体(ポリアミド6,6-MWCNTグラフト複合体)の調製について説明する。スキーム3は、ポリアミド6,6グラフト化MWCNTを調製するための合成経路として使用され得る反応押出アプローチの非限定的な例を示し、COClグラフト化MWCNTは、PA6,6のアミン末端基と反応し得る。上記のように、未処理MWCNTはHSO/HNOで官能化され得、1グラムのMWCNTは、HSO(濃度98体積%)及びHNO(濃度70体積%)と、3/2のHSO:HNO体積比率(合計2000mL)で混合され得る。混合物は、24時間還流させながら60℃に加熱し得る。次いで、混合物を約1Lの脱イオン水(DIW)で希釈し得、450nmのナイロン膜を通して濾過し得る。MWCNTをDIW(5×200mL)で更に洗浄し、次いで、周囲温度の真空オーブン内で24時間乾燥させ得る。得られたCOOH官能化MWCNT(MWCNT-COOH)は、超音波処理器内で2時間、塩化チオニル(SOCl)(500mL))中に分散させ得、更に70℃で更に24時間撹拌し得る。更に、混合物は、450nmナイロン膜を通して真空濾過し、テトラヒドロフラン(3×200mL)及びエタノール(3×200mL)で洗浄し得る。得られたMWCNT-COClは、周囲温度の真空オーブン内で12時間乾燥させ得る。
【化3】
【0228】
反応押出を使用して、ポリアミド6,6-MWCNT(2重量%のMWCNT-COClを有する50gのPA6,6)を調製し、供給(265℃)、溶融(280℃)、混合(280℃)、及び排出(260℃)に使用され得る4つの異なるゾーンを有する二軸押出機を使用し得る。材料供給速度及び押出速度は、それぞれ10g/分及び300rpmで一定に保つことができる。押し出されると、溶融混合複合体は、水浴中で急冷され得る。複合体をギ酸(50gの複合体に対して約3L)に溶解させて、約4000xg~約10,000xg、約10分間以上(又は約20分間以上、又は約30分間以上)、4℃での遠心分離によって、PA6,6-MWCNTから未反応PA6,6を除去し得る。回収したPA6,6-MWCNTをギ酸(3L)中に再分散させ、遠心分離によって再回収して、未反応PA6,6を更に除去することができる。この手順を5回以上繰り返し得、得られた生成物をギ酸(3L×3)で洗浄し得、30℃の真空オーブン内で12時間乾燥させ得る。得られたPA6,6-MWCNTは、フーリエ変換赤外分光法(Fourier-transform infrared spectroscopy、FT-IR)、X線光電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy、XPS)、電界放射型走査電子顕微鏡法(field emission scanning electron microscopy、FE-SEM)、及び熱重量分析(TGA)によって確認し得る。複合体の引張弾性率及び降伏強度は、PA6,6単独又はPA6,6と未処理MWCNTとの溶融混合バージョンよりも高いことが予想され、したがって、PA6,6マトリックスとMWCNTにグラフトされたPA6,6との間の水素結合及び鎖の絡み合いによる強力な界面接着及び補強によるものである。得られた複合体は、選択的レーザー焼結(SLS)3Dプリンタで使用するために、その対応する球状粒子に変換され得る。
【0229】
理論実施例3.溶融乳化によるPA-CNT微粒子の調製について説明する。微粒子は、高剪断ロータを備えたHAAKE(商標)RHEOMIX二軸スクリュー押出機内での溶融押出によって、理論実施例1b及び理論実施例2で調製したポリアミド-CNTナノ複合体から産生され得る。押出機はポリマーの融点付近の温度にされ得、ロータは、低速(50rpm~100rpmの範囲、次いで最大250rpm)で開始され得る。上記の実施例のいずれかのPA-CNTポリマーペレットを加熱した押出機に添加し、続いて分散媒を添加し得る。分散媒は、室温で10,000cSt~60,000cStの粘度を有する、PDMS油であり得る。PDMS油対ポリマーの比率は、70:30、すなわち、70%の油中に30%のポリマー固体であり得る。乾燥粒子の流動を支援するために、分散媒の前に、任意の分散剤又は流動助剤を添加し得る。押出機は、200rpm(最大速度)で30分間動作させ得る。混合物を、ドライアイスと共に金属トレイ上に排出させ得、急冷処理を施し得る。ドライアイスを昇華させた後に、3回のヘプタン洗浄で微粒子から油を洗い流し得、真空濾過によって微粒子を単離し得る。次いで、室温の真空オーブン内で微粒子を一晩乾燥させて、残留ヘプタンを蒸発させ得る。乾燥粒子を150μm又は250μmの篩にかけて篩過し得る。得られた粉末は、約50マイクロメートルの最終平均粒径(D50)及び約1.000のスパンを有し得る。
【0230】
理論対照例1.溶融乳化によるポリドデカアミド(ナイロン12、ポリアミド12、又はPA12)及びPA6,6微粒子の調製について説明する。無充填PA12又はPA6,6粉末は、理論実施例3に記載した手順と同一の手順を使用して、溶融押出によって対応するペレットから調製され得る。
【0231】
理論対照例2.溶融乳化によるCNT(例えば、MWCNT)を用いた、PA12溶融混合微粒子及びPA6,6溶融混合微粒子の調製について説明する。PA12又はPA6,6は、理論実施例3に記載の同一の溶融押出プロセスによって微粒子を産生するために、CNTと物理的に溶融混合され得る。ポリアミド樹脂ペレットをより低速でチャンバに供給し、温度をポリマーの融点に近づけることによって十分に溶融し得た後に、CNTを添加し得る。
【0232】
SLS印刷及び機械的試験。
【0233】
乾燥粉末のベースライン性能は、SNOWWHITE SLSプリンタ(Sharebotから入手可能)を使用して材料を焼結することによって決定され得る。SNOWWHITE SLSプリンタは、CO2レーザーを使用して熱可塑性粉末を層ごとに焼結する、業務用3Dプリンタである。レーザーは、コンピュータ支援設計(CAD)モデルを使用して作り出された所望の物体の断面を走査することによって、材料を選択的に融合させる。第1の層の走査後、粉体層を下げ、その上に新しい紛体材料を転動させる。以降の層は、その部分が完了するまで走査される。他の積層造形技術と比較した、この粉末ベースのシステムの主な利点は、印刷支持体を排除し、材料を再利用できることである。
【0234】
理論実施例1b、理論実施例2、比較例1、及び比較例2の機械的特性は、SNOWWHITE SLSプリンタ上でASTM Tensile D638-14のType V Dogboneバーを印刷することによって決定され得る。
【0235】
したがって、本開示は、言及された目標及び利点、並びにそれに固有の目標及び利点を達成するように十分に適合されている。本開示は、本明細書の教示の利益を有する当業者には明らかな、異なるが等価な方法で修正かつ実施してもよいため、上記に開示された特定の実施例及び構成は単なる例示に過ぎない。更に、以下の特許請求の範囲に記載されるもの以外の、本明細書に示される構造又は設計の詳細に限定することを意図するものではない。したがって、上記に開示された具体的な例示的実施例が、変更され、組み合わされ、又は修正され得、全てのそのような変形が、本開示の範囲及び趣旨内で考慮されることは明らかである。好適に本明細書に例示的に開示される本開示は、本明細書に具体的に開示されない任意の要素、及び/又は本明細書に開示される任意の任意選択の要素の不在下で実施され得る。組成物及び方法は、様々な成分又は工程を「含む(comprising)」、「含む(containing)」、又は「含む(including)」という用語で記載されているが、組成物及び方法はまた、様々な成分及び工程「から本質的になる」又は「からなる」可能性がある。上に開示された全ての数及び範囲は、多少異なる場合がある。下限及び上限を有する数値範囲が開示されるときはいつでも、その範囲内にある任意の数及び任意の含まれる範囲が具体的に開示される。とりわけ、本明細書に開示される(「約a~約b(from about a to about b)」、又は等しく「約a~b(approximately a to b)」、又は等しく「約a~b(from approximately a-b)」という形態の)値のすべての範囲は、広範な値の範囲内に包含されるすべての数及び範囲を記載するものと理解されるべきである。また、特許請求の範囲における用語は、特許権所有者によって明示的かつ明確に定義されない限り、平易な通常の意味を有する。加えて、請求項で使用するとき、不定冠詞「a」又は「an」は、本明細書において、それが導入する要素のうちの1つ又は1つ超を意味するように定義される。
図1