(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176894
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】オフグリッドスタンドアロン動作中のマイクログリッド自動負荷分担制御
(51)【国際特許分類】
H02P 9/00 20060101AFI20221122BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20221122BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20221122BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20221122BHJP
H01M 8/249 20160101ALI20221122BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20221122BHJP
H02P 101/00 20150101ALN20221122BHJP
【FI】
H02P9/00 Z
H01M8/04858
H01M8/04537
H01M8/00 A
H01M8/249
H01M8/12 101
H02P101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022070529
(22)【出願日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】63/181,474
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514116578
【氏名又は名称】ブルーム エネルギー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピムスヴィースヴィ,プラサド
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,ボー
(72)【発明者】
【氏名】ボーミレッディ,ビナン レッディ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】様々な実施形態は、マイクログリッド内の発電機にわたる電力需要配分を管理するための方法及びシステムの提供。
【解決手段】このシステムは、それぞれが発電機を有する発電機クラスタと、それぞれが発電機クラスタの少なくとも1つに電気的に接続された電力出力ユニットと、電力出力ユニットに電気的に接続されたエネルギー貯蔵ユニットと、制御装置と、を含むことができる。制御装置は、エネルギー貯蔵ユニットのエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定し、エネルギー貯蔵ユニットのエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、発電機クラスタの分担乗算係数を計算し、この分担乗算係数を使用して、発電機クラスタの分担電力需要を計算するように構成することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に電気的に接続可能なマイクログリッドであって、
それぞれが少なくとも1つの発電機を有し、少なくとも第1の発電機を有する第1の発電機クラスタを含む2つ以上の発電機クラスタと、
それぞれが2つ以上の前記発電機クラスタのそれぞれの1つに電気的に接続され、前記第1の発電機クラスタに電気的に接続された第1の電力出力ユニットを含む2つ以上の電力出力ユニットと、
前記第1の電力出力ユニットに電気的に接続されたエネルギー貯蔵ユニットと、
制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記エネルギー貯蔵ユニットのエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定すること、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が前記エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの第1の分担乗算係数を計算すること、及び
前記第1の分担乗算係数を使用して、配分電力需要よりも少ない、前記第1の発電機クラスタの分担電力需要を計算すること、
を含む動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、マイクログリッド。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第1の電力出力ユニットが、前記分担電力需要を満たす、前記第1の発電機クラスタから受け取った電力量を出力するように、前記第1の発電機クラスタの前記分担電力需要を設定すること、
をさらに含む動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、請求項1に記載のマイクログリッド。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の電力出力ユニットが、前記配分電力需要と前記分担電力需要との差分である、前記エネルギー貯蔵ユニットから受け取った電力量を出力し、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値以上であるとの判定に応答して、前記第1の電力出力ユニットが、前記配分電力需要を満たす、前記第1の発電機クラスタから受け取った電力量を出力するように、
前記第1の発電機クラスタの前記配分電力需要を設定すること、
をさらに含む動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、請求項1に記載のマイクログリッド。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記第1の発電機クラスタの前記配分電力需要を設定することが、前記電力出力ユニットの数で、前記配分電力需要を均等に割った量に設定することを含むような動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、請求項3に記載のマイクログリッド。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算することが、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度の量を判定すること、及び
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度の前記量を使用して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算すること
を含むような動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、請求項1に記載のマイクログリッド。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が均一化されているかどうかを判定することをさらに含む動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成され、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、前記エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算することは、前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が均一化されていないとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算することをさらに含む、請求項1に記載のマイクログリッド。
【請求項7】
前記エネルギー貯蔵ユニットは、電気的エネルギー貯蔵ユニット、機械的エネルギー貯蔵ユニット、電気機械的エネルギー貯蔵ユニット、電気化学的エネルギー貯蔵ユニット、又は熱的エネルギー貯蔵ユニットのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の発電機マイクログリッド。
【請求項8】
前記第1の発電機は、燃料電池発電機を含み、
少なくとも2つの前記出力ユニットのそれぞれはインバータを含み、
前記エネルギー貯蔵ユニットは、バッテリー、キャパシタ、又はスーパーキャパシタのうちの少なくとも1つを含み、及び
前記制御装置は、前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度を判定することが、前記バッテリー、キャパシタ、又はスーパーキャパシタのうちの少なくとも1つの充電状態を判定することを含むような動作を前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、請求項7に記載のマイクログリッド。
【請求項9】
前記第1の発電機は、燃料電池発電機、燃焼発電機、太陽光発電、集中型太陽熱発電、風力タービン、地熱発電タービン、水力発電タービン、ガスタービン、原子炉、交流発電機、又は誘導発電機のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の発電機マイクログリッド。
【請求項10】
負荷に電気的に接続されたマイクログリッド内の複数の発電機にわたる電力需要配分を管理する方法であって、
前記方法は、
複数の電力出力ユニットのうち第1の電力出力ユニットに電気的に接続される、エネルギー貯蔵ユニットのエネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定すること、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、複数の発電機クラスタのうち、前記第1の電力出力ユニットに電気的に接続される第1の発電機を少なくとも含む、第1の発電機クラスタの第1の分担乗算係数を計算すること、及び
前記第1の分担乗算係数を使用して、配分電力需要よりも少ない、前記第1の発電機クラスタの分担電力需要を計算すること、
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の電力出力ユニットが、前記分担電力需要を満たす、前記第1の発電機クラスタから受け取った電力量を出力するように、前記第1の発電機クラスタの前記分担電力需要を設定することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の電力出力ユニットが、前記配分電力需要と前記分担電力需要との差分である、前記エネルギー貯蔵ユニットから受け取った電力量を出力し、及び
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値以上であるとの判定に応答して、前記第1の電力出力ユニットが、前記配分電力需要を満たす、前記第1の発電機クラスタから受け取った電力量を出力するように、
前記第1の発電機クラスタの前記配分電力需要を設定すること、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の発電機の前記配分電力需要を設定することは、前記電力出力ユニットの数で、前記配分電力需要を均等に割った量に設定することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の発電機クラスタの第1の分担乗算係数を計算することは、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度の量を判定すること、及び
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度の前記量を使用して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算すること、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記発電機は燃料電池発電機を含み、
前記エネルギー貯蔵ユニットは、バッテリー、キャパシタ、又はスーパーキャパシタのうちの少なくとも1つを含み、及び
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度の前記量を判定することは、前記バッテリー、キャパシタ、又はスーパーキャパシタのうちの少なくとも1つの充電状態を判定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が均一化されているかどうかを判定することをさらに含み、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、前記エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算することは、前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が均一化されていないとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
負荷に電気的に接続可能なマイクログリッドであって、
それぞれが少なくとも1つの燃料電池発電機を有し、少なくとも第1の燃料電池発電機を有する第1の発電機クラスタを含む2つ以上の発電機クラスタと、
それぞれが2つ以上の前記発電機クラスタのそれぞれの1つに電気的に接続されたインバータを含み、前記第1の発電機クラスタに電気的に接続された第1の電力出力ユニットを含む2つ以上の電力出力ユニットと、
前記第1の電力出力ユニットに電気的に接続されたバッテリーと、
制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記バッテリーのエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定すること、
前記バッテリーの前記エネルギー利用度が、前記エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの第1の分担乗算係数を計算すること、
前記第1の分担乗算係数を使用して、配分電力需要よりも少ない、前記第1の発電機クラスタの分担電力需要を計算すること、
前記第1の電力出力ユニットを、前記分担電力需要を満たす、前記第1の発電機クラスタから受け取った電力量を出力するように構成すること、及び
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の電力出力ユニットを、前記配分電力需要と前記分担電力需要との差分である、前記バッテリーから受け取った電力量を出力するように構成すること
を含む動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、マイクログリッド。
【請求項18】
前記制御装置は、
前記第1の電力出力ユニットが、前記分担電力需要を満たす、前記第1の発電機クラスタから受け取った電力量を出力するように構成することは、前記第1の発電機クラスタの前記分担電力需要を設定することを含むような動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、請求項17に記載のマイクログリッド。
【請求項19】
前記制御装置は、
前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算することが、
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度の量を判定すること、及び
前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度の前記量を使用して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算すること
を含むような動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される、請求項17に記載のマイクログリッド。
【請求項20】
前記制御装置は、
前記バッテリーの前記エネルギー利用度が均一化されているかどうかを判定することをさらに含む動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成され、
前記バッテリーの前記エネルギー利用度が、前記エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算することは、前記バッテリーの前記エネルギー利用度が均一化されていないとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの前記第1の分担乗算係数を計算することをさらに含む、請求項19に記載のマイクログリッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、発電システム一般、及び、具体的には様々な発電機にわたる電力需要配分を管理するマイクログリッドを対象とする。
【背景技術】
【0002】
燃料電池等の電気化学的装置は、燃料に蓄えられたエネルギーを高効率で電気エネルギーに変換することができる。固体酸化物形燃料電池(SOFC)システム等の燃料電池システムでは、燃料電池のカソード側を酸化流が通過し、燃料電池のアノード側を燃料吸入流が通過する。酸化流は通常空気であり、燃料流は、例えばメタン、天然ガス、ペンタン、エタノール、又はメタノール等の炭化水素燃料であり得る。燃料電池は、負の電荷を帯びた酸素イオンをカソードフロー流からアノードフロー流に運ぶことができ、イオンは、炭化水素分子内の遊離水素又は水素のいずれかと結合して水蒸気を形成し、及び/又は、一酸化炭素と結合して二酸化炭素を形成する。負の電荷を帯びたイオンからの過剰な電子は、アノードとカソードの間に完成した電気回路を通って燃料電池のカソード側に戻され、その結果、回路に電流が流れる。
【0003】
SOFCシステムは、多くの異なる配置の下で多くの異なる負荷に電力を供給するために用いることができる。様々な潜在的な用途は、様々な使用配置の下で様々な種類の負荷を用いた使用に容易に適合できるSOFCシステム及び制御方法に対するニーズを生み出す。
【発明の概要】
【0004】
様々な実施形態は、負荷に電気的に接続可能なマイクログリッドを含むことができ、これは、それぞれが少なくとも1つの発電機を有し、少なくとも第1の発電機を有する第1の発電機クラスタを含む2つ以上の発電機クラスタと、それぞれが2つ以上の前記発電機クラスタのそれぞれの1つに電気的に接続され、前記第1の発電機クラスタに電気的に接続された第1の電力出力ユニットを含む2つ以上の電力出力ユニットと、前記第1の電力出力ユニットに電気的に接続されたエネルギー貯蔵ユニットと、制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記エネルギー貯蔵ユニットのエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定すること、前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が前記エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの第1の分担乗算係数を計算すること、及び前記第1の分担乗算係数を使用して、配分電力需要よりも少ない、前記第1の発電機クラスタの分担電力需要を計算すること、を含む動作を前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される。
【0005】
様々な実施形態は、負荷に電気的に接続されたマイクログリッド内の複数の発電機にわたる電力需要配分を管理する方法を含むことができ、この方法は、複数の電力出力ユニットのうちの第1の電力出力ユニットに電気的に接続される、エネルギー貯蔵ユニットのエネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定すること、前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、複数の発電機クラスタのうち、前記第1の電力出力ユニットに電気的に接続される第1の発電機を少なくとも含む、第1の発電機クラスタの第1の分担乗算係数を計算すること、及び前記第1の分担乗算係数を使用して、配分電力需要よりも少ない、前記第1の発電機クラスタの分担電力需要を計算すること、を含む。
【0006】
様々な実施形態は、負荷に電気的に接続可能なマイクログリッドを含むことができ、これは、それぞれが少なくとも1つの燃料電池発電機を有し、少なくとも第1の燃料電池発電機を有する第1の発電機クラスタを含む2つ以上の発電機クラスタと、それぞれが2つ以上の前記発電機クラスタのそれぞれの1つに電気的に接続されたインバータを含み、前記第1の発電機クラスタに電気的に接続された第1の電力出力ユニットを含む2つ以上の電力出力ユニットと、前記第1の電力出力ユニットに電気的に接続されたバッテリーと、制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記バッテリーのエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定すること、前記バッテリーの前記エネルギー利用度が、前記エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の発電機クラスタの第1の分担乗算係数を計算すること、前記第1の分担乗算係数を使用して、配分電力需要よりも少ない、前記第1の発電機クラスタの分担電力需要を計算すること、前記第1の電力出力ユニットを、前記分担電力需要を満たす、前記第1の発電機クラスタから受け取った電力量を出力するように構成すること、及び前記エネルギー貯蔵ユニットの前記エネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して、前記第1の電力出力ユニットを、前記配分電力需要と前記分担電力需要との差分である、前記バッテリーから受け取った電力量を出力するように構成すること、を含む動作を、前記制御装置に実行させるように構成された制御装置実行コードを備えて構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、様々な実施形態の燃料電池システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、様々な実施形態のホットボックスの概略側面断面図である。
【
図3A】
図3Aは、ある実施形態による、発電機にわたる電力配分を管理するマイクログリッドのブロック図である。
【
図3B】
図3Bは、ある実施形態による、発電機にわたる電力配分を管理するマイクログリッドのブロック図である。
【
図4】
図4は、ある実施形態による、例示の分担乗算係数の関数のグラフ図である。
【
図5】
図5は、ある実施形態による、発電機にわたる電力需要配分を管理するマイクログリッドの例示的な電力出力の、電力対時刻のグラフ図である。
【
図6】
図6は、ある実施形態による、マイクログリッド内の発電機の各クラスタの分担乗算係数を設定するためのプロセスフロー図である。
【
図7】
図7は、ある実施形態による、マイクログリッド内の発電機にわたる電力需要配分を管理するためのプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図を参照して、様々な実施形態を詳細に説明する。同じ又は類似の部品への言及には、可能な限り、図面を通して同じ参照番号を用いる。特定の実施例及び実施形態への言及は、例示を目的とするものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0009】
本明細書で使用される場合、「electric power generator(発電機)」、「power generator(発電機)」、及び「generator(発電機)」という用語は、例えば、燃料電池、燃焼発電機、光電池、集光型ソーラーシステム、風力タービン、地熱発電タービン、水力発電タービン、ガスタービン、原子炉、交流発電機、誘導発電機などの、任意の供給源から電力を生成できる発電機への言及のために交換可能に使用される。燃料電池発電機に関してここに記載される例は、特許請求項の範囲及び説明の範囲をこのようなタイプの発電機に限定しない。
【0010】
本明細書で使用される場合、「エネルギー貯蔵ユニット」という用語は、電力に変換され得る任意の形態のエネルギー貯蔵、例えば、電気的貯蔵、機械的貯蔵、電気機械的貯蔵、電気化学的貯蔵、熱的貯蔵などへの言及のために使用される。例としては、バッテリー、キャパシタ、スーパーキャパシタ、フライホイール、液体貯蔵器、ガス貯蔵器などが挙げられる。バッテリーに関してここに記載される例は、特許請求の範囲及び説明の範囲をこのようなタイプのエネルギー貯蔵ユニットに限定しない。
【0011】
様々な実施形態は、アンバランスな発電能力(すなわち、最大発電容量)を有する複数の発電機にわたる電力需要配分に対処するようにマイクログリッドを管理するための電気回路、電気部品、及び方法を含む。アンバランスな発電機は、電力出力ユニットに電力を供給するように構成することができ、電力出力ユニットは、各電力出力ユニットの電力需要に応答して、バランスのとれた量の、例えば等しい量の電力を出力するように構成することができる。発電容量は、それぞれのエネルギー貯蔵ユニットに貯蔵されたエネルギーで補うことができ、これは、電力需要が所与の発電機の発電容量を超える場合に、電力出力ユニットに電力を供給するために使用することができる。マイクログリッドは、電力需要が発電機の容量を超えないように、エネルギー貯蔵ユニットのエネルギー利用度(例えば、充電状態など)に基づいて発電機の出力電力を修正することができる。
【0012】
並列に接続された固体酸化物形燃料電池系の発電機などの発電機は、本明細書では電力需要又は負荷需要とも呼ばれる、電気負荷の電力需要を均等に分担する。分散型発電機(例えば、グリッド並列)の動作モードでは、マイクログリッド制御の望ましい方法は、各発電機の発電レベルを安定且つ一定に保つことである。しかしながら、スタンドアロンの発電機(例えば、オフグリッド)の動作モードでは、発電レベルは、電力供給されている電気負荷の性質によって判定され、発電機によって制御することができない。
【0013】
並列に電気接続された発電機を備えた既存のマイクログリッドシステムは、発電機又は発電機のクラスタにわたる負荷の望ましい配分についての情報を有するコントローラを欠いている。発電機がクラスタ間で不均一に分散している場合、又は最大発電容量が異なる場合、個々の発電機又はクラスタの負荷が不均一になってしまう。各発電機又はクラスタの負荷需要が発電機又はクラスタの発電容量を超える状況では、従来のマイクログリッドは各発電機又はクラスタに対し等しい負荷を要求する。これにより、マイクログリッド内の他のすべての発電機又はクラスタの発電容量が、発電容量が最も低いマイクログリッド内の発電機又はクラスタの発電容量に人為的に制限される。
【0014】
本明細書に記載の実施形態は、それぞれの発電機又はクラスタのそれぞれのエネルギー貯蔵ユニットによって貯蔵されるエネルギーの量に基づいて、各発電機又は発電機のクラスタの分担乗算係数を動的に調整することによって、前述の問題を解決する。
【0015】
それぞれの発電機又は発電機のクラスタに対する電力需要が、発電機又は発電機のクラスタの発電容量を超える場合、エネルギー貯蔵ユニットから電力を引き出すことができる。これは、マイクログリッドが、負荷とマイクログリッドが電力系統に電気的に接続されていないオフグリッド、スタンドアロンの動作モードで動作する場合に起こり得る。発電機又は発電機のクラスタの最大発電容量は、電力需要の増加によって及び/又は発電機のさまざまな正常性要因による最大発電容量の減少によって超過され得る。
【0016】
それぞれの発電機又は発電機のクラスタに対する電力需要が、発電機又は発電機のクラスタの発電容量を超える場合、それぞれの発電機又は発電機のクラスタに関連付けられたそれぞれのエネルギー貯蔵ユニットから、貯蔵されたエネルギー(すなわち、電力)が引き出される。エネルギー貯蔵ユニットから引き出された電力は、エネルギー貯蔵ユニットに貯蔵されるエネルギーの量を所定の閾値未満に減少させる(例えば、バッテリー、キャパシタ又はスーパーキャパシタの充電状態が100%未満に減少する)。一実施形態では、閾値未満の貯蔵エネルギーの減少は、共通の負荷に電力を供給する異なる発電機又は発電機のクラスタの分担乗算係数の修正(例えば、再計算)を引き起こす。
【0017】
分担乗算係数は、エネルギー貯蔵ユニットの残り又は消費された貯蔵エネルギー(例えば、充電状態)の関数として動的に再計算され、及び/又は、貯蔵エネルギーの残り又は消費された貯蔵エネルギー(例えば、充電状態)が所定のカットオフ値に達する(例えば、充電状態が20~90%の範囲の値に達する)と、固定値に設定され得る。分担乗算係数を使用して、例えば、負荷需要を依然満たすために、マイクログリッド内で最大発電容量が最低の発電機又は発電機クラスタをその最大発電容量で運転し、他の発電機又はクラスタをより高い電力出力で運転することができる。可能であれば、マイクログリッドは、負荷需要が減少した後、エネルギー貯蔵ユニットをその完全な貯蔵容量(つまり、100%の充電状態)に再充電するように動作することができる。
【0018】
本明細書に記載の実施形態は、マイクログリッド内の発電機又はそのクラスタの電力出力を個別に制御することができる。それぞれのエネルギー貯蔵ユニットの貯蔵されたエネルギーの利用度に依存することにより、本明細書に記載の実施形態は、発電機又はそのクラスタの実際の正常性の状態の情報を必要とせずに、発電機又はそのクラスタの正常性の状態の変化、又は他の任意の発電容量変化状態に動的に応答することができる。さらに、発電機のクラスタの電力出力を個別に制御することにより、マイクログリッド内の最低の最大発電容量を有する発電機又は発電機のクラスタの最大発電容量に基づいた、マイクログリッド内のすべての発電機又はそのクラスタの発電容量に対する人為的な制限を回避することにより、発電機マイクログリッドシステムの発電容量の利用を高めることができる。
【0019】
図1は、モジュール式燃料電池システムの説明のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,440,362号に、より完全に記載されているモジュール式燃料電池システムを含む1つの発電機の一例を示す。このモジュール式システムは、上述の特許、並びに、モジュール式燃料電池システムの説明のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,190,693号に記載のモジュール及び構成要素を含むことができる。燃料電池システム格納筐体10のモジュール設計は、柔軟なシステムの設置及び運転を提供する。
【0020】
モジュール式燃料電池システム格納筐体10は、複数のパワーモジュールハウジング12(燃料電池パワーモジュール構成要素を含む)、1つ又は複数の燃料入力(すなわち、燃料処理)モジュールハウジング16、及び1つ又は複数の電力調整(すなわち、電気出力)モジュールハウジング18を含む。例えば、システム格納筐体は、2~30個のパワーモジュール等、例えば6~12個のパワーモジュールのような、任意の所望の数のモジュールを含むことができる。
図1は、共通のベース20上に、6個のパワーモジュール(6個のモジュールを横1列に重ねたもの)、1つの燃料処理モジュール、及び1つの電力調整モジュールを含むシステム格納筐体10を示す。各モジュールは、それ自体のキャビネット又はハウジングを備えることができる。あるいは、電力調整及び燃料処理モジュールを組み合わせて、1つのキャビネット又はハウジング14に配置された単一の入力/出力モジュールにすることができる。簡潔にするために、各ハウジング12,14,16,18は、以下では「モジュール」と呼ぶこととする。
【0021】
1列のパワーモジュール12が示されているが、システムは、パワーモジュール12を2列以上備えてもよい。例えば、システムは2列のパワーモジュールを背中合わせに重ねてもよい。
【0022】
各パワーモジュール12は、1つ又は複数のホットボックス13を収容するように構成される。各ホットボックスは、例えば、導電性インターコネクトプレートによって分離されたセラミック酸化物電解質を有する固体酸化物形燃料電池の1つ又は複数のスタック又はカラムなど、1つ又は複数の燃料電池のスタック又はカラム(明確性のために示さず)を含む。PEM、溶融炭酸塩、リン酸などの他のタイプの燃料電池を使用することもできる。
【0023】
モジュール式燃料電池システム格納筐体10はまた、1つ又は複数の入力又は燃料処理モジュール16を含む。このモジュール16は、脱硫床等の、燃料の前処理に使用される構成要素を含有するキャビネットを含む。燃料処理モジュール16は、異なるタイプの燃料を処理するように設計することができる。例えば、ディーゼル燃料処理モジュール、天然ガス燃料処理モジュール、及びエタノール燃料処理モジュールを、同じ又は別個のキャビネットに設けることができる。特定の燃料に合わせて調整された異なる床組成が各モジュールに設けられ得る。処理モジュール16は、パイプラインから供給される天然ガス、圧縮天然ガス、メタン、プロパン、液体石油ガス、ガソリン、ディーゼル、家庭用暖房油、灯油、JP-5、JP-8、航空燃料、水素、アンモニア、エタノール、メタノール、合成ガス、バイオガス、バイオディーゼル及びその他の適切な炭化水素又は水素含有燃料から選択される燃料の少なくとも1つを処理することができる。必要に応じて、燃料処理モジュール16に改質器17を配置してもよい。あるいは、改質器17を燃料電池スタックと熱的に統合することが望ましい場合には、別個の改質器17をそれぞれのパワーモジュール12内の各ホットボックス13に配置することができる。さらに、内部改質型燃料電池が使用される場合、外部改質器17を完全に省略することができる。
【0024】
モジュール式燃料電池システム格納筐体10は、また、1つ又は複数の電力調整モジュール18を含む。電力調整モジュール18は、燃料電池スタックで発生したDC電力をAC電力に変換するための構成要素、グリッドに出力されるAC電力用の電気コネクタ、電気的過渡現象を管理するための回路、システムコントローラ(例えば、コンピュータ又は専用の制御ロジックデバイス又は回路)を含むキャビネットを含む。電力調整モジュール18は、燃料電池モジュールからのDC電力を様々なAC電圧及び周波数に変換するように設計することができる。208V,60Hz;480V,60Hz;415V,50Hz及びその他の一般的な電圧及び周波数に設計することができる。
【0025】
燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、1つの入力/出力キャビネット14に収容することができる。単一の入力/出力キャビネット14が設けられる場合には、モジュール16,18を、キャビネット14内で、上下方向に(例えば、電力処理モジュール16脱硫キャニスター/床の上方に電力調整モジュール18構成要素)又は横に並べて配置してもよい。
【0026】
図1の例示の実施形態に示されるように、入力/出力モジュール14の片側に直線状に横並びで配置された6つのパワーモジュール12の1列に対して、入力/出力キャビネット14が1つ提供される。モジュールの列は、例えば、システムが電力を供給する建造物に隣接して配置され得る(例えば、モジュールのキャビネットの背面が建造物の壁に面するように)。1列のパワーモジュール12が示されているが、システムは、2列以上のモジュール12を含んでもよい。例えば、上記のように、システムは、背中合わせに重ねられた2列のパワーモジュールを含むことができる。
【0027】
パワーモジュール12と入力/出力モジュール14のそれぞれはドア30(例えばハッチ、アクセスパネル等)を含み、モジュールの内部構成要素にアクセスできる(例えば、メンテナンス、修理、交換等のために)。一実施形態によると、モジュール12,14は、各キャビネットの片面にのみドア30を有する直線配列で配置され、システムの連続する列を端どうし互いに隣接させて設置することができる。このようにして、燃料電池格納筐体10のサイズ及び容量は、既存のモジュール12,14及びベース20の必要最小限の再配置で、追加のモジュール12又は14及びベース20で調整することができる。必要に応じて、モジュール14へのドア30は、キャビネットの前面ではなく側面に配置することができる。
【0028】
図2は、燃料電池スタック又はカラム40を含む燃料電池システムホットボックス13の平面図を示す。ホットボックス13は、燃料電池スタック又はカラム40を含むことが分かる。ただし、ホットボックス13は、2つ以上のスタック又はカラム40を含み得る。スタック又はカラム40は、インターコネクト50を燃料電池45の間に配置して、互いに積み重ねられ電気的に接続された燃料電池45を含むことができる。スタック又はカラムの最初と最後の燃料電池45は、それぞれのエンドプレート60とインターコネクト50との間に配置される。エンドプレート60は、燃料電池スタック又はカラム40の電気出力に電気的に接続される。ホットボックス13は、例えば燃料導管、空気導管、シール、電気接点などの他の構成要素を含むことができ、バランス・オブ・プラント構成要素を含む燃料電池システムに組み込むことができる。燃料電池45は、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)又はスカンジア安定化ジルコニア(SSZ)等のセラミック電解質、例えばニッケル-YSZ、Ni-SSZ又はニッケルサマリアドープセリア(SDC)サーメット等のアノード電極、及び、例えばランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)等のカソード電極を含む固体酸化物形燃料電池であってよい。インターコネクト50及び/又はエンドプレート60は、例えばクロム-鉄合金、例えば4~6wt%が鉄で残りがクロムである合金など、任意の適切なガス不透過性の導電性材料を含むことができる。インターコネクト50は、隣接する燃料電池45を電気的に接続し、燃料及び空気が燃料電池45に到達するためのチャネルを提供する。
【0029】
モジュール式燃料電池システム格納筐体10等の燃料電池システムは、各種支援設備を含む及び/又はそれにより拡張される。支援設備は、燃料電池システムの運転を支援するための様々な補助設備及びシステムを含むことができる。支援設備は、燃料電池システムが設置される現場での制約及び/又は特徴に基づいて異なっていてよい。非限定的な例として、支援設備は、燃料支援設備、空気支援設備、及び/又は換気支援設備を含むことができる。1つのタイプの燃料支援設備は、燃料電池システム内の供給及び/又は排気燃料圧力を制御するように構成された設備を含んでよく、例えば、燃料電池システムに燃料を供給する、燃料電池システムで燃料/排気を再循環させる、及び/又は燃料電池システムから燃料を排出するための燃料ブロア又はポンプであってよい。別のタイプの燃料支援設備は、燃料電池システム用の燃料を処理するように構成することができ、例えば、燃料予熱器、排気スクラバ等であってよい。他のタイプの燃料支援設備を使用することもできる。1つのタイプの空気支援設備は、燃料電池システムに空気を供給する及び/又は燃料電池システムから空気を排出するように構成された空気供給設備であってよく、例えば、燃料電池カソード、アノードテールガス酸化器(ATO)、空気熱交換器、CPOx反応器などへ空気を提供する、及び/又はこれらから空気を排出するためのブロワ又はファンであってよい。他のタイプの空気支援設備も使用することができる。1つのタイプの換気支援設備は、ホットボックスの外部のハウジングの一部(例えば、モジュール式燃料電池システム格納筐体10の内部であるがホットボックス13自身の外部の部分)から換気し及び/又はそこで空気を循環させるように構成された設備を含むことができ、例えば、許容される格納筐体10圧力を維持するために、格納筐体10の内部から格納筐体10の外へと空気を吹き出すための換気ファンを含むことができる。他のタイプの換気支援設備も使用できる。
【0030】
図3A及び
図3Bは、異なる発電機又はそのクラスタにわたる電力需要配分を管理するように構成されたマイクログリッドの異なる実施形態を示す。マイクログリッドは、任意の数及び組み合わせの、発電機クラスタ300、発電機302、電力出力ユニット304、エネルギー貯蔵ユニット306、電力発電機バス310、エネルギー貯蔵ユニットバス312、及び電気負荷バス316を含む、様々な構成要素を含み得る。
【0031】
各発電機クラスタ300は、1つ又は複数の発電機302を含み得る。発電機302は、燃料電池モジュール又はシステム、燃焼発電機、光電池、集光型ソーラーシステム、風力タービン、地熱発電タービン、水力発電タービン、ガスタービン、原子炉、交流発電機、又は誘導発電機を含み得る。一実施形態では、発電機302は、
図1に関して上で説明した1つの燃料電池パワーモジュール12を備えることができる。この実施形態では、発電機クラスタ300は、1つのシステム格納筐体10のすべての燃料電池発電機モジュール12を含む。1つのシステム格納筐体10のすべての発電機モジュール12は、DCバス310を用いて、インバータを含む同じ電力出力ユニット304に電気的に接続される。別の実施形態では、発電機302は、1つのシステム格納筐体10内のすべてのパワーモジュール12を含むことができる。この実施形態では、発電機クラスタ300は、インバータを含む同じ電力出力ユニット304にDCバス310を用いて電気的に接続される2つ以上のシステム格納筐体10を含む。
【0032】
エネルギー貯蔵ユニット306は、少なくとも1つのバッテリー、キャパシタ、スーパーキャパシタ、フライホイール、液体貯蔵器、又はガス貯蔵器を含むことができる。一実施形態では、エネルギー貯蔵ユニット306は、バッテリーバンク、キャパシタバンク、又はスーパーキャパシタバンクを含む。各電力出力ユニット304は、それぞれのクラスタ300及び少なくとも1つのそれぞれのエネルギー貯蔵ユニット306に電気的に接続される。各それぞれのエネルギー貯蔵ユニット306は、エネルギー貯蔵ユニット306及びそれぞれのクラスタ300が、同じ電力出力ユニット304に電気的に接続される限り、それぞれのクラスタ300の内部又はそれぞれのクラスタ300の外部に物理的に配置することができる。
図1に示される燃料電池発電機302の場合、エネルギー貯蔵ユニット306は、パワーモジュール12と同じシステム格納筐体10の内部に配置され得るか、又はシステム格納筐体10の外部に配置され得る。
【0033】
電力出力ユニット304は、DC/ACインバータ、AC/DC整流器、DC/DCコンバータ、及び/又はAC/AC変圧器として構成する、及び/又はこれらを含むように構成することができる。例えば、電力出力ユニット304は、DC/ACインバータとして構成され及び/又はDC/ACインバータを含むように構成されるとともに、発電機クラスタ300から及び/又はエネルギー貯蔵ユニット306から受け取ったDC電力をAC電力に反転するように構成された無停電電力モジュールであってよい。電力出力ユニット304は、一方向性であってよく、入力端で発電機クラスタ300からDC電力を受け取るとともに、出力端で負荷308にAC電力を供給するように構成され得る。電力出力ユニット304は、それぞれの発電機バス310を介して、それぞれの発電機クラスタ300及びそれぞれのエネルギー貯蔵ユニット306に電気的に接続され得、電気負荷バス316を介して電気負荷308に電気的に接続可能であってよい。
【0034】
各発電機バス310は、1つ又は複数の発電機クラスタ300及び電力出力ユニット304のための共通の電線管として構成され得る。発電機バス310は、発電機クラスタ300と電力出力ユニット304との間でDC電力を伝送するように構成されたDCバスであってよい。
【0035】
各エネルギー貯蔵ユニットバス312は、エネルギー貯蔵ユニット306と発電機バス310との間でDC電力を伝送するように構成されたDCバスであってよい。あるいは、エネルギー貯蔵ユニットバス312は、発電機バス310にではなく、電力出力ユニット304に直接接続されてもよい。
【0036】
電気負荷バス316は、電力出力ユニット304のための共通の電線管として構成され得る。電気負荷バス316は、電力出力ユニット304と電気負荷308との間で電力を伝送するように構成されたACバスであってよい。電気負荷バス316は、電力出力ユニット304のそれぞれの出力端と電気負荷308とを電気的に接続することができる。
【0037】
負荷308は、例えば、1つ以上の建造物、1つ以上の工場、1つ以上のデータセンター、1つ以上の電気機器などのような任意の適切な電気負荷を含むことができる。単一の発電機クラスタ300のすべての発電機302の最大発電容量は、電気負荷308の少なくとも通常の電力需要を満たすのに十分な電力を生成するには不十分であってよい。しかしながら、マイクログリッドの2つ以上の発電機クラスタ300に配置される発電機302の数は、電気負荷308の少なくとも通常の電力需要を満たすのに十分な電力を生成するのに十分でなければならない。
【0038】
どの時点でも、負荷308は、マイクログリッドのすべての電力出力ユニット304における総電力需要を生み出し、これは、電気負荷308に電気的に接続されるマイクログリッドの電力出力ユニット304の間で配分される。本明細書において使用されるように、「配分電力需要」は、各電力出力ユニット304及びそれに関連する(すなわち、電気的に接続された)発電機クラスタ300及び/又はエネルギー貯蔵ユニット306に対する、電力負荷308の電力需要を満たすために必要な電力の均等な配分(すなわち、一部)であってよい。いくつかの実施形態では、本明細書でさらに説明する発電機クラスタ300の通常動作中など、配分電力需要は、電力負荷308の電力需要を、電力出力ユニット304及び/又は関連するクラスタ300の数で割ったものであってよい。例えば、マイクログリッド内に2つの電力出力ユニット304及び関連するクラスタ300が存在する場合、各出力ユニット304の配分電力需要は、負荷308の総電力需要の半分である。いくつかの実施形態では、本明細書でさらに説明する発電機クラスタ300の異常動作中など、少なくとも1つの電力出力ユニット304及び/又は関連するクラスタ300から電力を供給する際の不足分を埋め合わせるために、配分電力需要は電力負荷308の電力需要よりも大きくてもよい。
【0039】
次に、コントローラ314は、配分電力需要及び分担乗算係数を使用して、分担電力需要を判定する。具体的には、分担電力需要は、以下でより詳細に議論されるように、配分電力需要と分担乗算係数の積であってよい。各クラスタ300は、分担電力需要を受け取り、それに応じて、分担電力需要を満たす電力(例えば、電流)の量を出力する。一実施形態では、エネルギー貯蔵ユニット306から電力が引き出されない場合には、すべての分担電力需要の合計(したがって、マイクログリッドのすべてのクラスタ300の合計出力電力)は、負荷308の総電力需要に等しい。
【0040】
様々な実施形態において、発電機302の数は、任意の数の冗長な発電機302を含むことができ、その結果、少なくとも1つの発電機302からの電気出力が減少するか又は全くない場合に、冗長な発電機302が使用されて、電力負荷308の電力需要の供給を継続することができる。いくつかの実施形態では、マイクログリッドは、任意の数及び組み合わせの、発電機クラスタ300、発電機302、及び/又はエネルギー貯蔵ユニット306を含むことができる。電力出力ユニット304は、発電機バス310及び/又はエネルギー貯蔵ユニットバス312を介して、入力端で、それぞれのクラスタ300及びエネルギー貯蔵ユニット306に電気的に接続することができる。
【0041】
例えば、マイクログリッドは、任意の数「M」の発電機クラスタ300を含むことができ、ここで、Mは、2~20、例えば、2~6など、1より大きい正の整数である。各発電機クラスタ300は、任意の数の発電機302を含むことができる。いくつかの実施形態では、発電機クラスタ300の少なくとも1つは、任意の数「N」の発電機302を含むことができ、発電機クラスタ300の少なくとも別の1つは、任意の数「Q」の発電機302を含むことができ、ここで、N及びQは、1~12、例えば、5~8などの正の整数である。一実施形態では、NとQは等しくない。別の実施形態では、NとQは等しいが、一方のクラスタ300のN個の発電機302は、他方のクラスタ300のQ個の発電機とは異なる最大発電容量を有する。したがって、各発電機クラスタ300内の発電機302の数及び/又はそれらの最大発電容量は、各種発電機クラスタ300間で様々であってよい。
【0042】
マイクログリッドは、それぞれがそれぞれのクラスタ300と電気負荷308との間に電気的に接続された、任意の数「R」の電力出力ユニット304を含み得る。いくつかの実施形態では、マイクログリッドは、R=Mであるように、発電機クラスタ300対電力出力ユニット304を1対1の比率で含むことができる。
【0043】
マイクログリッドは、任意の数「V」のエネルギー貯蔵ユニット306を含むことができ、ここで、Vは、2~20、例えば、3~6などの正の整数である。いくつかの実施形態において、マイクログリッドは、VがM以上であるように、発電機クラスタ300及び/又は電力出力ユニット304ごとに少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニット306を含むことができる。
【0044】
マイクログリッドは、任意の数「T」の有線及び/又は無線の接続部A1からATを介して、任意の数及び組み合わせのマイクログリッドの構成要素からデータ信号を受信し、これに制御信号を送信するように構成された任意の数の制御装置(本明細書ではコントローラとも呼ばれる)314を含むことができる。制御装置314は、サーバー又はシステム制御装置など、任意の形態のプログラム可能なコンピューティングデバイス又はシステムであってよく、
図6及び
図7を参照して本明細書で説明される方法600,700の動作を含む、様々な実施形態の動作を実行するように構成することができる。マイクログリッドは、マイクログリッドによって供給される電力を使用して動作するように構成された電気負荷308に電気的に接続可能であり得る。各電力出力ユニット304は、電気負荷バス316を介して電気負荷308に同じ量の電力を供給するように構成することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、コントローラ314は、任意の数及び組み合わせのマイクログリッドの構成要素に通信可能に接続するように構成された中央コントローラ314であってよい。いくつかの実施形態では、コントローラ314は、任意の数及び組み合わせのマイクログリッドの構成要素に通信可能に接続するように構成された複数の分散型コントローラ314であってよい。いくつかの実施形態では、コントローラ314は、マイクログリッドのスタンドアロンコントローラであってよい。いくつかの実施形態では、コントローラ314は、任意の数及び組み合わせのマイクログリッドの構成要素の統合されたコントローラであってよい。任意の数及び組み合わせの、コントローラ314の前述の構成をマイクログリッドに実装することができる。
【0046】
コントローラ314は、受信信号をエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度として直接測定し及び/又は読み取ることができる。例えば、コントローラ314は、エネルギー貯蔵ユニット306、発電機バス310、エネルギー貯蔵ユニットバス312、及び/又は電力出力ユニット304からの受信信号を直接測定し及び/又は読み取ることができる。コントローラ314は、受信信号の測定及び/又は読み取りから、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を判定することができる。エネルギー利用度は、例えば、エネルギー貯蔵ユニット306の充電状態若しくはインピーダンス(例えば、バッテリー、キャパシタ、又はスーパーキャパシタの場合)、周波数、速度(例えば、フライホイールの場合)、又は、温度、体積、若しくは圧力(例えば、ガス又は液体貯蔵装置の場合)などの、1つ又は複数のパラメーターに基づいて判定できる。エネルギー利用度という用語は、エネルギー貯蔵ユニット306に残された貯蔵エネルギーの量を含む。充電状態は、充電残量又は引き出された充電量(つまり、100%マイナス充電残量パーセント)の測定値であってよい。
【0047】
コントローラ314はさらに、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満かどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー利用度の閾値は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量の100%及び/又はほぼ100%であってよい。コントローラ314は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度をエネルギー利用度の閾値と比較して、エネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値に達しないかどうかを判定することができる。例えば、エネルギー利用度がエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量の100%を下回る場合、コントローラは、エネルギー貯蔵ユニット306から電力が引き出されており、エネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値に達しないと判定する。あるいは、エネルギー利用度の閾値は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量の100%未満、例えば、20%~90%、例えば、50%~80%などであってもよい。
【0048】
エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値に達しないとの判定に応答して、コントローラ314は、関連するエネルギー貯蔵ユニット306からの電力の引き出しに頼らなければならなかった電力出力ユニット304の発電機クラスタ300に対する分担電力需要を減らすように分担乗算係数を変更及び適用することによって、配分電力需要を修正するようにそれぞれの電力出力ユニット304に信号を送り及び/又は制御することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値に達しないとの判定に応答して、コントローラ314は、さらに、関連するエネルギー貯蔵ユニット306からの電力の引き出しに頼らなければならなかった電力出力ユニット304の発電機クラスタ300から電力を供給する際の不足分を埋め合わせるように配分電力を増加させることによって配分電力需要を修正することができるように、それぞれの電力出力ユニット304に信号を送り及び/又は制御することができる。
【0050】
分担電力需要は、配分電力需要の一部(すなわち、小部分)である場合もあれば、配分電力需要に等しい場合もある。エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値を下回らないとの判定に応答して、コントローラ314は、関連する発電機クラスタ300に配分電力需要を供給するように、それぞれの電力出力ユニット304に信号を送り及び/又は制御することができる。あるいは、発電機クラスタ300の異常動作下では、エネルギー貯蔵ユニット306が、発電機クラスタ300が供給できない可能性がある配分電力需要を満たすために必要とされる電力量を補うために電力を出力する可能性があるので、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度はエネルギー利用度の閾値に達しない可能性がある。コントローラ314は、関連する発電機クラスタ300に分担電力需要を提供するように、電力出力ユニット304に信号を送り及び/又は制御することができるが、関連するエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度はエネルギー利用度の閾値を下回ったままである。コントローラ314は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度に基づいて分担乗算係数を判定し、経時的に動的に調整することができる。
【0051】
電力出力ユニット304の制御は、電力出力ユニット304が、マイクログリッドの各電力出力ユニット304に対する同じ配分電力需要の一部又は全部であり得る分担電力需要を満たすのに十分な電力を提供することを可能にし得る。この制御は、マイクログリッドのすべての発電機クラスタ300の発電容量の完全な利用又は少なくともより高い利用を可能にし得る。マイクログリッドの1つの発電機クラスタ300のより高い発電容量を、より低い発電容量を有する同じマイクログリッド内の別の発電機クラスタ300が人為的に制限するのを回避することによって、完全又はより高い利用を提供することができる。
【0052】
図3A及び
図3Bに示される実施例は、例示の目的で説明されており、本明細書でなされる特許請求の範囲及び開示を限定することを意味するものではない。これらの実施例は、本明細書では、2つの発電機クラスタ300(第1の発電機クラスタ300、例えば、
図3A及び
図3Bの発電機クラスタ1、及び第2の発電機クラスタ300、例えば、
図3A及び
図3Bの発電機クラスタM)及びそれらのそれぞれの発電機バス310(第1の発電機バス310及び第2の発電機バス310)、2つの関連するエネルギー貯蔵ユニット306(第1のエネルギー貯蔵ユニット306、例えば、
図3A及び
図3Bのエネルギー貯蔵ユニット1、及び第2のエネルギー貯蔵ユニット306、例えば、
図3A及び
図3Bのエネルギー貯蔵ユニットV)及びそれらのそれぞれのエネルギー貯蔵ユニットバス312(第1のエネルギー貯蔵ユニットバス312及び第2のエネルギー貯蔵ユニットバス312)、及び2つの電力出力ユニット304(第1の電力出力ユニット304、例えば、第1のDCバス310を介してクラスタ1に電気的に接続される
図3A及び
図3Bの電力出力ユニット1、及び第2の電力出力ユニット304、例えば、第2のDCバス310を介してクラスタMに電気的に接続される
図3A及び
図3Bの電力出力ユニットR)に関して説明される。しかしながら、本明細書に図示及び説明された実施例は、2つを超える任意の数の発電機クラスタ300及びそれらのそれぞれの発電機バス310、エネルギー貯蔵ユニット306及びそれらのそれぞれのエネルギー貯蔵ユニットバス312、及び/又は、電力出力ユニット304に適用可能であると考えられる。
【0053】
マイクログリッドは、少なくとも第1の電力出力ユニット304及び少なくとも第2の電力出力ユニット304を含むことができ、それぞれ、出力端で、電気負荷バス(例えば、ACバス)316を介して負荷308に電気的に接続可能である。第1の電力出力ユニット304は、入力端において、少なくとも第1の発電機バス(例えば、DCバス)310を介して少なくとも第1の発電機クラスタ300に、及び、少なくとも第1のエネルギー貯蔵ユニットバス312を介して少なくとも第1のエネルギー貯蔵ユニット306に電気的に接続され得る。第2の電力出力ユニット304は、入力端で、少なくとも第2の発電機バス(例えば、DCバス)310を介して、少なくとも第2の発電機クラスタ300に、及び、少なくとも第2のエネルギー貯蔵ユニットバス312を介して少なくとも第2のエネルギー貯蔵ユニット306に電気的に接続され得る。第1の発電機クラスタ300は、
図3A及び
図3Bで「N」として表される第1の数の発電機302を含み得、第2の発電機クラスタ300は、
図3A及び
図3Bで「Q」として表される第2の数の発電機302を含み得る。例示及び説明の目的で、NはQ未満であってよい。しかしながら、代替の実施形態では、NはQに等しく、N個の発電機の最大電力容量が、Q個の発電機の最大電力容量と異なっていてよい。
【0054】
電気負荷308は、
図3A及び
図3Bにおいて「X」として表される総電力需要を有し得る。X電力需要は、マイクログリッドの1つ又は複数のコントローラ314に、電気負荷308がマイクログリッドから必要とする電力の総量を示し得る。
【0055】
コントローラ314は、X電力需要を使用して、各電力出力ユニット304の発電機302に対して、
図3A及び
図3Bで「Y」として表される配分電力需要を判定することができる。例えば、Y配分電力需要は、X電力需要を、
図3A及び
図3Bで「R」として表される電力出力ユニット304の数で割ることによって判定することができる。発電機クラスタ300の通常動作下で、電力出力ユニット304は、
図3A及び
図3Bで「PO」として表される各電力出力ユニット304の電力出力が、互いに等しく、Y配分電力需要であるように構成され得る。
【0056】
発電機302のそれぞれは、
図3A及び
図3Bにおいて「PG」によって表される発電機出力と、
図3A及び
図3Bにおいて「PG Max」として表される、等しい又はほぼ等しい量の最大発電容量とを有することができる。上記のように、代替の実施形態では、発電機のPG Maxは等しくなくてもよい。エネルギー貯蔵ユニット306のそれぞれは、
図3A及び
図3Bにおいて「A」で表されるエネルギー利用度と、
図3A及び
図3Bにおいて「ES」で表されるエネルギー貯蔵ユニット出力とを有することができる。
【0057】
エネルギー貯蔵ユニット306のAエネルギー利用度を使用して、コントローラ314は、それぞれの電力出力ユニット304に対して、
図3A及び
図3Bにおいて「S」として表される分担乗算係数を判定することができる。したがって、コントローラ314は、第1のエネルギー貯蔵ユニット306のAエネルギー利用度を使用して、第1の電力出力ユニット304のS分担乗算係数を判定することができる。コントローラ314は、第2のエネルギー貯蔵ユニット306のAエネルギー利用度を使用して、第2の電力出力ユニット304のS分担乗算係数を判定することができる。
【0058】
コントローラ314は、S分担乗算係数を用いて、S分担乗算係数とY配分電力需要とを乗算することにより、それぞれの電力出力ユニット304の発電機クラスタ300の分担電力需要を判定することができる。S分担乗算係数は、発電機クラスタ300の通常動作下で、Aエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値以上である場合に、分担電力需要がY配分電力需要に等しくなるようなものであってよい。あるいは、S分担乗算係数は、少なくとも1つの発電機クラスタ300の異常動作下で、Aエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満である場合に、分担電力需要がY配分電力需要より小さくなるようなものであってよい。そのような場合、それぞれの電力出力ユニット304のPO電力出力は、マイクログリッド内の他の電気出力ユニット304に電気的に接続される他のクラスタ300の電力出力を制限することなく、それぞれのエネルギー貯蔵ユニット306のESエネルギー貯蔵ユニット出力と組み合わされた分担電力需要であってよい。
【0059】
少なくとも1つのクラスタ300が異常動作下にある場合の発電機クラスタ300について、コントローラ314は、Y配分電力需要を絶えず及び/又は繰り返し計算することができ、これは時間とともに変化し得る。コントローラ314は、クラスタ300がエネルギー貯蔵ユニット306のサポートなしにX電力需要をサポートできるまで、異常動作下での各発電機クラスタ300のY配分電力需要を絶えず及び/又は繰り返し増加させ、S分担乗算係数を減少させることができる。例えば、異常動作下で、発電機クラスタ300が、関連するエネルギー貯蔵ユニット306のサポートなしでクラスタ300の分担電力需要をサポートし、通常動作下で、発電機クラスタ300が、Y配分電力需要をサポートする場合、クラスタ300は、エネルギー貯蔵ユニット306のサポートなしにX電力需要をサポートすることができる。分担電力需要とY配分電力需要を組み合わせて、X電力需要をサポートすることができる。そのような時点で、エネルギー貯蔵ユニット306のAエネルギー利用度は均一になり得る。
【0060】
図3Aは、発電機クラスタ300の通常動作下での発電機302にわたる電力需要配分を管理するマイクログリッドの一例を示す。電力出力ユニット304は、それぞれの分担電力需要に等しいPO電力出力を提供するように、コントローラ314によって制御される及び/又は信号を送られ得る。コントローラ314は、各発電機クラスタ300の発電機302の分担電力需要を、Y配分電力需要に等しく、及び、通常動作下のすべての発電機クラスタ300の他の分担電力需要に等しくなるように判断することができる。
【0061】
本明細書で説明するように、発電機クラスタ300の通常動作下で、発電機クラスタ300の発電機302は、Y配分電力需要を満たすのに十分なPG発電機出力を提供することができる。したがって、何れかの発電機302のPG MAX最大発電容量は、Y配分電力需要を発電機クラスタ300内の発電機302の数で割った値以上であってよい。何れかの発電機302のPG発電機出力は、コントローラ314によって、Y配分電力需要をそれぞれの発電機クラスタ300内の発電機302の数で割ったものになるように制御され及び/又は信号を送られ得る。第1の発電機クラスタ300の発電機302のPG発電機出力は、Y配分電力需要をN個の発電機302で割ったものであってよい。第2の発電機クラスタ300の何れかの発電機302のPG発電機出力は、Y配分電力需要を、Q発電機302で割ったものであってよい。
【0062】
発電機クラスタ300によるY配分電力需要の充足の結果として、エネルギー貯蔵ユニット306は、ESエネルギー貯蔵ユニット出力がない、及び/又はESエネルギー貯蔵ユニット出力がごくわずかであってよく、エネルギー利用度の閾値以上のAエネルギー利用度を保持し得る。第1のエネルギー貯蔵ユニット306及び第2のエネルギー貯蔵ユニット306は、ESエネルギー貯蔵ユニットの出力がない、及び/又はESエネルギー貯蔵ユニットの出力がごくわずかであってよい。コントローラ314は、第1のエネルギー貯蔵ユニット306及び第2のエネルギー貯蔵ユニット306のAエネルギー利用度の受信信号を測定及び/又は読み取り、Aエネルギー利用度をエネルギー利用度の閾値と比較して、第1のエネルギー貯蔵ユニット306及び第2のエネルギー貯蔵ユニット306がエネルギー利用度の閾値以上のAエネルギー利用度を保持すると判定することができる。
【0063】
エネルギー貯蔵ユニット306のそれぞれのAエネルギー利用度を使用して、コントローラ314は、各発電機クラスタ300の発電機302の分担電力需要を、すべてのクラスタ300に対して同じであり、Y配分電力需要に等しくなるように判断し、制御及び/又は信号を送ることができる。コントローラ314は、それぞれのAエネルギー利用度を使用して、各電力出力ユニット304のS分担乗算係数を判定することができる。発電機クラスタ300の通常動作下で、S分担乗算係数は、分担電力需要を生成するために使用される場合に、結果として生じる分担電力需要がY配分電力需要に等しくなり得るようにすることができる。第1の発電機クラスタ300及び第2の発電機クラスタ300の発電機302の分担電力需要は、同じであり、Y配分電力需要に等しくなるように判断され、制御され及び/又は信号が送られ得る。
【0064】
電力出力ユニット304は、Y配分電力需要に等しいPO電力出力を提供するように、コントローラ314によって制御され及び/又は信号が送られ得る。第1の電力出力ユニット304及び第2の電力出力ユニット304は、Y配分電力需要に等しくなり得るそれぞれの分担電力需要に等しいPO電力出力を提供するように、制御され及び/又は信号が送られ得る。発電機クラスタ300の通常動作下では、電力出力ユニット304のPO電力出力は、分担電力需要に等しい、それぞれの発電機302のPG発電機出力と、それぞれのエネルギー貯蔵ユニット306のESエネルギー貯蔵ユニット出力がない及び/又はわずかであることとの組み合わせであってよい。
【0065】
例えば、マイクログリッド動作の通常モード中に総負荷308需要Xが180kWである場合、2つのクラスタ300(例えば、2つのクラスタ300マイクログリッドのクラスタ1とクラスタM)のそれぞれのY配分電力需要は90kW(つまり、180/2)となる。クラスタ1とMの両方の各発電機302のPG Maxが45kWであり、クラスタ1に2つの発電機(つまり、N=2)とクラスタMに3つの発電機(つまり、Q=3)がある場合、第1のクラスタ300(例えば、クラスタ1)及びそれに関連する電力出力ユニット304(例えば、ユニット1)に対する分担電力需要は、90kWである。第1のクラスタ1の各発電機302は、分担電力需要を満たすために、そのPG Max 45kWの電力(すなわち、45kW×2=90kW)を出力する。したがって、第1のクラスタ1の分担電力需要は、Y配分電力需要に等しくなる。第1のクラスタ1及び第1の電力出力ユニット1のS分担乗算係数は100%である(すなわち、1に等しい)。第1のクラスタ1及び第1の電力出力ユニット1に関連する第1のエネルギー貯蔵ユニット1について、Aの値は100%であり、ESの値=0である。
【0066】
同様に、第2のクラスタ300(例えば、クラスタM)及びそれに関連する電力出力ユニット304(例えば、ユニットR)に対する分担電力需要もまた、90kWである。第2のクラスタMの各発電機302は、90kWの分担電力需要を満たすために30kWの電力(すなわち、30kW×3=90kW)を出力する。したがって、第2のクラスタM内の各発電機302は、そのPG Max 45kWの2/3であるPGを出力する。第2のクラスタMの分担電力需要はまた、Y配分電力需要に等しくなる。第2のクラスタM及び第2の電力出力ユニットRのS分担乗算係数はまた、100%である(すなわち、1に等しい)。第2のクラスタM及び第2の電力出力ユニットRに関連する第2のエネルギー貯蔵ユニットVについて、Aの値は100%であり、ESの値=0である。
【0067】
図3Bは、発電機クラスタ300の通常動作及び異常動作の混合下で、発電機302にわたる電力需要配分を管理するマイクログリッドの一例を示す。電力出力ユニット304は、それぞれの分担電力需要に等しいPO電力出力を提供するように制御され得る。コントローラ314は、通常動作下の各発電機クラスタ300の発電機302の分担電力需要を、Y配分電力需要に等しく、すべての発電機クラスタ300の他の分担電力需要に等しくなるように判断することができる。コントローラ314は、異常動作下の各発電機クラスタ300の発電機302の分担電力需要を、Y配分電力需要の小部分であるように判断することができる。
【0068】
第2の発電機クラスタ300は、通常動作下で動作することができ、
図3Aを参照して本明細書に記載されるとおりであってよい。第1の発電機クラスタ300は、異常動作下で動作する可能性がある。1つ又は複数の発電機クラスタ300の異常動作下では、発電機クラスタ300の発電機302は、Y配分電力需要を満たすのに不十分なPG発電機出力を提供する可能性がある。したがって、何れかの発電機302のPG MAX最大発電容量は、Y配分電力需要を発電機クラスタ300内の発電機302の数で割ったものよりも小さくなり得る。何れかの発電機302のPG発電機出力は、コントローラ314によって、各それぞれの発電機302のPG MAX最大発電容量となるように制御され及び/又は信号が送られ得る。第1の発電機クラスタ300の何れかの発電機302のPG発電機出力は、各それぞれの発電機302のPG MAX最大発電容量であり得る。
【0069】
マイクログリッドの第1の発電機クラスタ300によってY配分電力需要が満たされない結果として、第1のエネルギー貯蔵ユニット306は、ESエネルギー貯蔵ユニット出力を有し得、エネルギー利用度の閾値未満のAエネルギー利用度を有し得る。コントローラ314は、第1のエネルギー貯蔵ユニット306のAエネルギー利用度の受信信号を測定及び/又は読み取り、Aエネルギー利用度をエネルギー利用度の閾値と比較して、第1のエネルギー貯蔵ユニット306がエネルギー利用度の閾値未満のAエネルギー利用度を有し得ることを判定し得る。
【0070】
エネルギー貯蔵ユニット306のそれぞれのAエネルギー利用度を使用して、コントローラ314は、各発電機クラスタ300の発電機302の分担電力需要を判定し、制御及び/又は信号を送ることができる。コントローラ314は、それぞれのAエネルギー利用度を使用して、各電力出力ユニット304のS分担乗算係数を判定することができる。1つ又は複数の発電機クラスタ300の異常動作下では、分担乗算係数は、分担電力需要を生成するために使用された場合に、結果として生じる分担電力需要がY配分電力需要より小さくなり得るようなものであってよい。したがって、特定の実施例では、第1の発電機クラスタ300の発電機302の分担電力需要は、Y配分電力需要より小さくなるように判断され、制御され及び/又は信号を送られ得る。
【0071】
電力出力ユニット304は、Y配分電力需要に等しいPO電力出力を提供するように、コントローラ314によって制御され及び/又は信号が送られ得る。第1の電力出力ユニット304は、Y配分電力需要より小さくあり得るそれぞれの分担電力需要に等しいPO電力出力を提供するように制御され及び/又は信号を送られ得る。発電機クラスタ300の異常動作下では、電力出力ユニット304のPO電力出力は、分担電力需要に等しい、それぞれの発電機302のPG発電機出力と、それぞれの電力貯蔵装置306のESエネルギー貯蔵ユニット出力とを組み合わせたものであってよい。第1の電力出力ユニット304は、分担電力需要に等しい、第1の電力出力ユニット304の発電機302のPG発電機出力と、第1のエネルギー貯蔵ユニット306のESエネルギー貯蔵ユニット出力とを組み合わせたものを出力することができる。
【0072】
異常動作下の電力出力ユニット304の分担電力需要は、関連するエネルギー貯蔵ユニット306のAエネルギー利用度が均一になるまで、絶えず及び/又は繰り返し調整され得る。通常動作下の電力出力ユニット304の分担電力需要もまた、異常動作下の電力出力ユニット304に関連するエネルギー貯蔵ユニット306のAエネルギー利用度が均一になるまで、絶えず及び/又は繰り返し調整され得る。分担電力需要は、すべての電力出力ユニット304のY配分電力需要と、異常動作下の電力出力ユニット304のS分担乗算係数を変更することによって調整され得る。
【0073】
例えば、第1の電力出力ユニット304(例えば、電力出力ユニット1)及び第2の電力出力ユニット304(例えば、電力出力ユニットR)の分担電力需要は、第1の電力出力ユニット1に関連する第1のエネルギー貯蔵ユニット306(例えば、エネルギー貯蔵ユニット1)のAエネルギー利用度が均一になるまで調整され得る。より具体的には、マイクログリッド動作の異常モード中に総負荷308需要Xが215kWである場合、2つのクラスタ300(例えば、2つのクラスタ300マイクログリッド内のクラスタ1及びクラスタM)のそれぞれにおけるY配分電力需要は、107.5kW(つまり、215/2)である。クラスタ1とMの両方の各発電機302のPG Maxは45kWであり、クラスタ1には2つの発電機があり(つまり、N=2)、クラスタMには3つの発電機がある(つまり、Q=3)。
【0074】
第1のクラスタ1のすべての発電機302のPG Maxの合計は90kWであり、これは107.5kWのY配分電力需要よりも少ない。これにより、第1のエネルギー貯蔵ユニット1から電力が引き出され、これによりESエネルギー貯蔵ユニットの出力がゼロより大きくなり、Aエネルギー利用度が100%未満になる。第1のエネルギー貯蔵ユニット1からのこの電力の引き出しは、コントローラ314に、第1の出力ユニット1及びそれに関連する第1のクラスタ1に対してS分担乗算係数を1未満となるように再計算するきっかけとなる。第1のエネルギー貯蔵ユニット1からの電力の引き出しは、コントローラ314に、Y配分電力需要を再計算するきっかけとなり、Y配分電力需要を増加させて、前のY配分電力需要を供給するための第1のクラスタ1の不足分を埋め合わせする。
【0075】
第2のクラスタM内のすべての発電機302のPG Maxの合計は135kWであり、これは、107.5kWのY配分電力需要よりも大きい。第2のエネルギー貯蔵ユニットVから電力を引き出す必要はない。したがって、第2のエネルギー貯蔵ユニットVの場合、ESエネルギー貯蔵ユニットの出力はゼロ又はゼロをわずかだけ超え、Aは100%又は約100%であり得る。第2のクラスタMのS分担乗算係数は100%であり得る。コントローラ314は、これらのESエネルギー貯蔵ユニット出力に基づく第2のクラスタMのY配分電力需要及びS分担乗算係数のさらなる再計算を実施するきっかけとなることはなく、Aエネルギー利用度値は、第2のエネルギー貯蔵ユニットVに対して持続する。
【0076】
第1のクラスタ1と第2のクラスタMの両方のY配分電力需要と、第1のクラスタ1のS分担乗算係数が再計算されると、コントローラは、第1のクラスタ1と第2のクラスタMが、それぞれの分担電力需要に一致するかどうかを繰り返し又は絶えず判定することができる。Y配分電力需要及び/又はS分担乗算係数の再計算は、第1のエネルギー貯蔵ユニット1のAエネルギー利用度が均一になるまで継続し得る。第1のエネルギー貯蔵ユニット1のAエネルギー利用度が均一になる点で、第1のクラスタ1と第2のクラスタMは、それらのそれぞれの分担電力需要を満たすことができ、第1のエネルギー貯蔵ユニット1からの電力引き出しは必要なくなる。
【0077】
例を続けると、Y配分電力需要を再計算することにより、最終的にY配分電力需要が125kWに設定される可能性がある。S分担電力乗算係数を再計算することにより、最終的に、第1の出力ユニット1及びそれに関連する第1のクラスタ1に対して、S分担電力乗算係数が72%(つまり、0.72)に設定され、分担電力出力がPG Max(つまり、90kW)に等しくなる。言い換えると、Y配分電力需要(つまり、125kW)にS分担電力乗算係数(つまり、0.72)を掛けると、分担電力出力は90kWになり、これは第1のクラスタ1及びそれに関連する電力出力ユニット1のPG Maxに等しくなる。しかしながら、代替の実施形態において、Sの計算は、分担電力出力がPG Maxよりも小さい固定された所定の値に設定されるように設定されてもよい。
【0078】
対照的に、Y配分電力需要(つまり、125kW)は、第2のクラスタMのすべての発電機のPG Maxの合計(つまり、45+45+45=135kW)よりも小さい。したがって、第2のクラスタM及び関連する電力出力ユニットRは、関連するエネルギー貯蔵ユニットVから電力が引き出されず、Aのエネルギー利用度が100%又は約100%であるため、通常モードで動作し続ける。第2のクラスタMとそれに関連する電力出力ユニットRの分担電力需要も125kWである。第2のクラスタMの各発電機302は、41.6kWの電力を出力し(すなわち、41.6kW×3=125kW)、その分担電力需要及びそのY配分電力需要の125kWの両方を満たす。したがって、第2のクラスタMの各発電機302は、45kWのPG Max発電機出力の92.4%であるPG発電機出力を出力する。第2のクラスタMに対する分担電力需要は、配分電力需要に等しい。第2のクラスタM及び第2の電力出力ユニットRのS分担乗算係数はまた、100%である(すなわち、1に等しい)。第2のクラスタM及び第2の電力出力ユニットRに関連する第2のエネルギー貯蔵ユニットVについて、Aエネルギー利用度の値は100%であり、ESエネルギー貯蔵ユニット出力の値=0である。
【0079】
図4は、いくつかの実施形態による、例示的な分担乗算係数の関数を示す。グラフ400は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度(
図4のグラフ400の横軸に沿った「エネルギー貯蔵利用可能」)と、コントローラ314によって判定される分担乗算係数(
図4のグラフ400の縦軸に沿った「分担乗算係数」)との関係を示す。プロット402は、グラフ400上にプロットされた分担乗算係数の関数を表すことができる。いくつかの実施形態では、プロット402は、エネルギー貯蔵ユニット306及び電力出力ユニット304に関連する発電機クラスタ300の発電機302の分担乗算係数の関数を表すことができる。いくつかの実施形態では、分担乗算係数の関数は、コントローラ314によって実現され得る。
【0080】
この例では、分担乗算係数の関数は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量のような及び/又はほぼエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量であるエネルギー利用度の閾値以上であり得る点404をプロットすることができる。いくつかの実施形態では、エネルギー利用度の閾値は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量の100%及び/又はほぼ100%であり得る。代替の実施形態では、この閾値は、20~90%などの100%未満であり得る。さらに、点404において、分担乗算係数は、発電機302の配分電力需要に等しい分担電力需要を生成するように構成されてもよい。例えば、分担乗算係数は100%であってよく、配分電力需要と分担乗算係数を使用して計算された分担電力需要は、配分電力需要と等しくなってよい。
【0081】
プロット402の残りの部分は、エネルギー利用度の閾値未満のエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度の値を表すことができ、これは、所与のクラスタ300の発電機302が配分電力需要をサポートできない可能性があることをコントローラ314に示すことができる。したがって、コントローラ314は、配分電力需要より小さい発電機302の分担電力需要を判定することができる。
【0082】
分担乗算係数の関数は、エネルギー利用度の閾値を下回るエネルギー貯蔵ユニット306の減少するエネルギー利用度が、減少する分担乗算係数と相関し得るライン406を含み得る。同様に、ライン406の場合、エネルギー利用度の閾値を下回るエネルギー貯蔵ユニット306の増加するエネルギー利用度は、増加する分担乗算係数と相関し得る。エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値を下回ったままであると、分担乗算係数は、発電機302の配分電力需要より小さい分担電力需要を生成するように構成され得る。エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が減少し、及び/又は、発電機302の配分電力需要が増加すると、分担乗算係数は減少する。配分電力需要と分担乗算係数を使用して計算された分担電力需要は、配分電力需要より小さくてもよい。例えば、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度は100%未満且つ85%超えであるが、分担乗算係数は100%未満且つ25%超えであり得る。
図3Bに関して上で述べた例に関して、コントローラが、第1のエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が例えば89.2%であると判定する場合、第1のクラスタ300の分担乗算係数は、ライン406の傾きに基づいて72%となる。したがって、S分担乗算係数は、ライン406の傾きに基づいてエネルギー利用度の値の範囲に対し動的に変化し得る。
【0083】
分担乗算係数の関数は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が均一化され得る点408を含み得る。エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度は、クラスタ300の発電機302が、エネルギー貯蔵ユニット306から電力を引き出す必要なしに、それぞれの分担電力需要を満たすことができるときに均一化され得る。例えば、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が均一化され得る点408は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量の85%及び/又はほぼ85%であり得る。いくつかの実施形態では、点408において、分担乗算係数は、発電機302の配分電力需要より小さい分担電力需要を生成するように構成された固定値であってよい。例えば、分担乗算係数は、25%及び/又はほぼ25%であり得、配分電力需要と分担乗算係数を用いて計算された分担電力需要は、配分電力需要より小さくてよい。
【0084】
図4に示される例は、例示及び説明を目的とするものであり、特許請求の範囲及び明細書の範囲をこの例の値に限定するものではない。分担乗算係数の関数は、配分電力需要と分担乗算係数を使用して計算された分担電力需要が配分電力需要より小さくなり得るように、エネルギー利用度の閾値未満のエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を分担乗算係数と関係するよう構成された任意の関数であってよい。さらに、エネルギー利用度の閾値、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度の均一化点、及び/又は固定の分担乗算係数は任意の値であってよく、用途及び実装形態における変動に依存できると考えられる。
【0085】
図5は、いくつかの実施形態による、発電機302にわたる電力需要配分を管理するマイクログリッドの、電力対時刻のプロットを示す。グラフ500は、様々な発電機302の電力出力、様々なエネルギー貯蔵ユニット306の電力利用度、及び電気負荷308の電力需要(
図5のグラフ500の縦軸に沿った「電力」)を経時的(
図5のグラフ500の横軸に沿った「時刻」)に示す。グラフ500は、電気負荷308の電力需要を満たすための、発電機302の電力需要及び出力と、関連するエネルギー貯蔵ユニット306の電力利用度との間の関係の一例を示す。プロット502は、電気負荷308の総電力需要を表す。プロット504a、504b、及び506は、第1のクラスタ300(例えば、クラスタ1)の分担電力需要及び対応する電力出力を表す。プロット504a、504b、及び508は、第2のクラスタ300(例えば、クラスタM)の分担電力需要及び対応する電力出力を表す。プロット510a、510b、及び512は、第1のエネルギー貯蔵ユニット306(例えば、ユニット1)の電力利用度を表す。プロット510a、510b、及び514は、第2のエネルギー貯蔵ユニット306(例えば、ユニットV)の電力利用度を表す。いくつかの実施形態では、電力需要502、分担電力需要及び電力出力504a,504b,506,508、及び/又は電力利用度510a,510b,512,514は、コントローラ314によって測定され、読み取られ、及び/又は判定され得る。
【0086】
図5の例において、負荷308は、朝、夕方、又は夜間よりも日中のほうが総電力需要が高い建造物であり得る。第1の時刻516は日中の始まり(例えば、午前7時30分)に対応し、第2の時刻518は日中の終わり(例えば、午後4時30分)に対応する。第1の時刻516の前に(すなわち、夜間及び朝の間)、第1のエネルギー貯蔵ユニット1及び第2のエネルギー貯蔵ユニットVの電力利用度510aは、エネルギー利用度の閾値以上であり得る。いくつかの実施形態では、エネルギー利用度の閾値は、個々のエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量であり得るか、及び/又はほぼエネルギー貯蔵容量であり得る(例えば、エネルギー貯蔵ユニット306から電力が引き出されず、発電機302だけで負荷308の総電力需要を満たすことができる)。
図5に示される例では、第1のエネルギー貯蔵ユニット306及び第2のエネルギー貯蔵ユニット306の電力利用度510aは、同じであり得るか、及び/又はほぼ同じであり得る。
【0087】
発電機302の第1のクラスタ300(例えば、クラスタ1)及び発電機302の第2のクラスタ300(例えば、クラスタM)は、それぞれ、曲線504aによって表されるそれぞれの分担電力需要及び等しい電力出力(すなわち、PO)を有し得る。発電機302の第1のクラスタ及び発電機302の第2のクラスタの分担電力需要504aは、配分電力需要に等しくてよく、これは、総負荷電力需要502の等しい部分であってよい。分担電力需要504aは、通常動作下での発電機302の第1のクラスタ及び発電機302の第2のクラスタの分担電力需要を表すことができる。電力需要504aは、コントローラ314によって、分担乗算係数を使用せずに配分電力需要であると判定することができる。分担乗算係数を使用して電力需要504aを判定する場合、コントローラ314は、1に等しい分担乗算係数を使用して、配分電力需要に等しい分担電力需要を生成することができる。
【0088】
第1の時刻516と第2の時刻518との間(例えば、日中)に、発電機302の第1のクラスタ300は、配分電力需要に等しい電力需要502のその分担が発電機302の第1のクラスタ300の電力出力能力を超え得るとき、異常動作下で動作し得る。コントローラ314が、配分電力需要を満たすために、負荷の総電力需要502と、発電機302の第1のクラスタ300の不足分に応答するとき、発電機302の第1のクラスタは、配分電力需要(電力需要508と同じであり得る)を満たすことができない可能性がある。発電機302の第1のクラスタ300(例えば、クラスタ1)に関連する第1のエネルギー貯蔵ユニット306(例えば、ユニット1)は、配分電力需要と、発電機302の第1のクラスタ300の電力出力能力との間の不足分を補うために電力を出力することができる。電力を出力した結果として、第1のエネルギー貯蔵ユニット306の電力利用度512は、エネルギー利用度の閾値未満に低減され得る。コントローラ314は、分担電力需要が配分電力需要508よりも少なくなるように、発電機302の第1のクラスタ300について1未満の新しい分担乗算係数を決定することができる。
【0089】
第1の時刻516と第2の時刻518との間の同じ期間(例えば、日中)の間、発電機302の第2のクラスタ300(例えば、クラスタM)は、通常動作下で動作し、配分電力需要に等しくてよい電力需要508を満たすために電力を供給し続けることができる。配分電力需要が引き続き満たされるので、発電機302の第2のクラスタに関連する第2のエネルギー貯蔵ユニット306(例えば、ユニットV)の電力利用度514は、エネルギー利用度の閾値以上のままであり得る。電力需要及び出力508は、少なくとも2つのクラスタ300にとって等しくない分担電力需要を使用して、エネルギー貯蔵ユニット306の助けを借りて及び/又は助けを借りずに、クラスタ300が総電力需要502を満たすことができるように、コントローラ314によって判断され得る。
【0090】
第2の時刻518の後(例えば、夕方及び夜間)、発電機302の第1のクラスタ300は、配分電力需要に等しい電力需要502のその分担が、発電機302の第1のクラスタ300の電力出力能力(すなわち、PG Maxの合計)をもはや超え得ないとき、通常動作下での動作に戻ることができる。第1のエネルギー貯蔵ユニット306の電力利用度510bは、再び、エネルギー利用度の閾値以上になり得る。第2のエネルギー貯蔵ユニット306の電力利用度510bは、エネルギー利用度の閾値以上のままであり得る。
【0091】
発電機302の第1のクラスタ300の電力需要及び出力504bは、配分電力需要に等しくなるように戻ることができ、発電機302の第2のクラスタの電力需要及び出力504bは、配分電力需要と等しいままであり得る。電力需要504bは、通常動作下での、発電機302の第1のクラスタ及び発電機302の第2のクラスタの電力需要を表し得る。電力需要504bは、電力需要504aと同様の方法でコントローラ314によって判定され得る。
【0092】
図6は、様々な実施形態による、マイクログリッド内の発電機302の各クラスタ300のS分担乗算係数を設定するための方法600を示す。方法600は、任意の数及び組み合わせの、発電機302、発電機クラスタ300、エネルギー貯蔵ユニット306、電力出力ユニット304、発電機バス310、エネルギー貯蔵ユニットバス312、及び電気負荷バス316から信号を受信及び/又はこれに制御信号を送信するように構成された1つ又は複数のコントローラ314を使用して実施することができる。様々な実施形態で可能になる代替の構成を包含するために、方法600を実施するハードウェアを、本明細書では「制御装置」と呼ぶ。
【0093】
ブロック602において、制御装置は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を監視することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、例えば、開回路電圧測定、クーロンカウンティング、電気化学インピーダンス分光法など、任意の既知の充電状態判定方法を使用して、バッテリー、キャパシタ又はウルトラキャパシタエネルギー貯蔵ユニット306の充電状態を判定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、受信信号をエネルギー貯蔵ユニット306で利用可能な電圧及び/又は電流として直接測定及び/又は読み取ることができる。いくつかの実施形態では、受信信号は、エネルギー貯蔵ユニット306によって出力される電力を含み得る。例えば、制御装置は、エネルギー貯蔵ユニット306、エネルギー貯蔵ユニットバス312、及び/又はDCバス310、及び/又は電力出力ユニット304にて及び/又はそれから受信した信号を、直接測定及び/又は読み取ることができる。
【0094】
判定ブロック604において、制御装置は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満かどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、エネルギー貯蔵ユニット306の充電状態及び/又は電力出力に基づいて、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態において、制御装置は、ブロック606を参照して本明細書でさらに論じられるように、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を測定及び/又は読み取り、それをエネルギー利用度の閾値と比較することができる。制御装置は、上記比較から、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が、エネルギー利用度の閾値未満であるかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー利用度の閾値は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー貯蔵容量の100%及び/又はほぼ100%であり得る。
【0095】
エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値未満であるとの判定に応答して(すなわち、判定ブロック604=「はい」)、制御装置は、判定ブロック606で、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が均一化されているかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、クラスタ300の発電機302が、エネルギー貯蔵ユニット306から電力を引き出さずに、それぞれの分担電力需要を満たすのに十分な電力を出力する場合に、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が均一化されていると判定することができる。例えば、分担電力需要は、配分電力需要に分担乗算係数を適用することによって計算された配分電力需要の一部又は全部であり得る。制御装置は、クラスタ300の最大発電容量及び/又は測定された電力出力を、それぞれの分担電力需要と比較することができる。エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度は、クラスタ300の最大発電容量及び/又は測定された電力出力が、それぞれの分担電力需要を満たす及び/又は超える場合に均一化され得る。いくつかの実施形態では、制御装置は、エネルギー利用度が所定の値に達したときに、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が均一化されていると判定することができる。
【0096】
エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が均一化されているとの判定に応答して(すなわち、判定ブロック606=「はい」)、制御装置は、ブロック602においてエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を監視することができる。
【0097】
エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度が均一化されていないとの判定に応答して(すなわち、判定ブロック606=「いいえ」)、制御装置は、ブロック608においてエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度の量を判定することができる。制御装置は、受信信号をエネルギー貯蔵ユニット306で利用可能な電圧及び/又は電流として直接測定及び/又は読み取ることができる。例えば、制御装置は、バッテリー、キャパシタ、スーパーキャパシタ等の電気化学インピーダンス分光法(EIS)応答、開回路電圧充電状態判定方法、クーロンカウンティング等によってエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を判定することができる。別の例として、制御装置は、フライホイールの速度としてエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を判定することができる。別の例では、制御装置は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を、液体貯蔵器、ガス貯蔵器などの充填量及び/又は圧力として判定することができる。いくつかの実施形態では、ブロック608の機能は、判定ブロック604の前に及び/又はその一部としてなど、方法600の他の地点にて制御装置によって実行することもできる。
【0098】
ブロック610において、制御装置は、配分電力需要を計算することができる。本明細書で論じられるように、配分電力需要は、各電力出力ユニット304及びそれに関連する発電機クラスタ300及び/又はエネルギー貯蔵ユニット306に対する、電気負荷308の電力需要を満たすために必要な電力の均等な配分(すなわち、一部)であってよい。いくつかの実施形態では、配分電力需要は、発電機クラスタ300の通常動作中等、電気負荷308の電力需要を、電力出力ユニット304及び/又は関連するクラスタ300の数で割ったものであってよい。いくつかの実施形態では、配分電力需要は、発電機クラスタ300の異常動作中等、少なくとも1つの電力出力ユニット304及び/又は関連するクラスタ300から電力を供給する際の不足分を埋め合わせるために、電気負荷308の電力需要よりも大きくてもよい。制御装置は、発電機クラスタ300から電力を供給する際の不足分を埋め合わせるために、配分電力を増加させることにより、先の配分電力需要値を修正することができる。
【0099】
ブロック612において、制御装置は、エネルギー貯蔵ユニット306に関連するクラスタ300の発電機302の分担乗算係数を計算することができる。制御装置は、エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を使用して分担乗算係数を計算することができる、分担乗算係数の関数を実行することができる。分担乗算係数の関数は、配分電力需要と分担乗算係数との積を用いて計算された発電機302の分担電力需要が配分電力需要より小さくなるように、エネルギー利用度の閾値を下回るエネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度を分担乗算係数と関連付けるよう構成された任意の関数であってよい。
【0100】
ブロック614において、制御装置は、クラスタ300の発電機302の分担乗算係数を設定することができる。制御装置は、ブロック612で計算された分担乗算係数を使用して、分担乗算係数を設定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、それぞれの電力出力ユニット304で発電機302の分担乗算係数を設定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、例えば、キャッシュ、バッファ、レジスタなどのメモリ内に分担乗算値を表す値を格納することによって分担乗算係数を設定することができる。
【0101】
エネルギー貯蔵ユニット306のエネルギー利用度がエネルギー利用度の閾値以上であるとの判定に応答して(すなわち、判定ブロック604=「いいえ」)、制御装置は、ブロック616で、クラスタの発電機302の分担乗算係数を設定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、配分電力需要と分担乗算係数の積を使用して計算された発電機302の分担電力需要が配分電力需要に等しくなるように、1に等しいデフォルトの分担乗算係数を使用することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、それぞれの電力出力ユニット304で発電機302の分担乗算係数を設定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、例えば、キャッシュ、バッファ、レジスタ、フラグビットなどのメモリ内に分担乗算値を表す値を格納することによって分担乗算係数を設定することができる。
【0102】
図7は、様々な実施形態による、マイクログリッド内の発電機にわたる電力需要及び出力配分を管理するための方法700を示す。方法700は、任意の数及び組み合わせの、発電機302、発電機クラスタ300、エネルギー貯蔵ユニット306、電力出力ユニット304、発電機バス310、エネルギー貯蔵ユニットバス312、及び電気負荷バス316から信号を受信及び/又はこれらに制御信号を送信するように構成された1つ又は複数のコントローラ314を使用して実施することができる。様々な実施形態で可能になる代替の構成を包含するために、方法700を実施するハードウェアを、本明細書では「制御装置」と呼ぶ。
【0103】
ブロック702において、制御装置は、電気負荷308の電力需要を監視することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、受信信号を、電気負荷308の電力需要の電圧及び/又は電流として直接測定及び/又は読み取ることができる。いくつかの実施形態では、受信信号は、マイクログリッドを電気負荷308に電気的に接続する電気負荷バス316上の基準信号を含み得る。
【0104】
ブロック704において、制御装置は、配分電力需要を設定することができる。本明細書で論じられるように、配分電力需要は、各電力出力ユニット304及びそれに関連する発電機クラスタ300及び/又はエネルギー貯蔵ユニット306に対する、電気負荷308の電力需要を満たすために必要な電力の均等な配分(すなわち、一部)であってよい。いくつかの実施形態では、配分電力需要は、発電機クラスタ300の通常動作中等、電気負荷308の電力需要を、電力出力ユニット304及び/又は関連するクラスタ300の数で割ったものであってよい。いくつかの実施形態では、配分電力需要は、発電機クラスタ300の異常動作中等、少なくとも1つの電力出力ユニット304及び/又は関連するクラスタ300から電力を供給する際の不足分を埋め合わせるために、電気負荷308の電力需要よりも大きくてもよい。制御装置は、発電機クラスタ300から電力を供給する際の不足分を埋め合わせるために、配分電力を増加させることにより、先の配分電力需要値を修正することができる。いくつかの実施形態では、配分電力需要は、
図6を参照して本明細書に記載される方法600のブロック610で計算された配分電力需要であってよい。いくつかの実施形態では、制御装置は、それぞれの電力出力ユニット304で各発電機クラスタ300の配分電力需要を設定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、例えば、キャッシュ、バッファ、レジスタなどのメモリ内に配分電力需要を表す値を格納することによって配分電力需要を設定することができる。
【0105】
ブロック706において、制御装置は、配分電力需要及び分担乗算係数を使用して、分担電力需要を計算することができる。いくつかの実施形態では、配分電力需要は、ブロック704に設定された配分電力需要であってよい。いくつかの実施形態では、分担乗算係数は、
図6を参照して本明細書に記載された方法600のブロック612及び/又はブロック614で設定された分担乗算係数であってよい。制御装置は、分担電力需要関数において分担乗算係数及び配分電力需要を使用して、分担電力需要を計算することができる。分担電力需要関数は、任意の数及び組み合わせの数学及び/又は論理演算を使用して、分担乗算係数及び配分電力需要から分担電力需要を計算することができる。発電機302の通常動作下では、分担電力需要は、配分電力需要であってよい。発電機302の異常動作下では、分担電力需要は、配分電力需要より小さくてもよい。
【0106】
ブロック708において、制御装置は、クラスタ300の発電機302の分担電力需要を設定することができる。制御装置は、ブロック706で計算された計算後の分担電力需要を使用して、発電機302の分担電力需要を設定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、それぞれの電力出力ユニット304で発電機302の分担電力需要を設定することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、例えば、キャッシュ、バッファ、レジスタなどのメモリに分担電力需要を表す値を格納することによって、分担電力需要を設定することができる。
【0107】
ブロック710において、それぞれの電力出力ユニット304は、分担電力需要を満たすために、発電機302からの分担電力出力を出力することができる。発電機302は、分担電力需要を満たすのに十分な電力を生成することができる。それぞれの電力出力ユニット304は、発電機302によって生成された電力を受け取ることができる。それぞれの電力出力ユニット304は、分担電力需要を満たすために、発電機302から受け取った電力を出力することができる。
【0108】
任意選択のブロック712において、それぞれの電力出力ユニット304は、発電機302の配分電力需要を満たすために、それぞれのエネルギー貯蔵ユニット306から、配分電力需要と分担電力需要との差分を出力できる。それぞれのエネルギー貯蔵ユニット306は、配分電力需要と分担電力需要との差分を満たすために十分な電力を出力できる。それぞれの電力出力ユニット304は、それぞれのエネルギー貯蔵ユニット306によって出力される電力を受け取ることができる。それぞれの電力出力ユニット304は、配分電力需要を満たすために、発電機302からの分担電力出力とともに、それぞれのエネルギー貯蔵ユニット306から受け取った電力を出力することができる。いくつかの実施形態において、任意選択のブロック712は、最大発電容量が配分電力需要未満である異常動作下で、クラスタ300の発電機302に対して実行され得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、方法600,700は、直列及び/又は並列に実施され得る。方法600,700は、定期的、反復的、及び/又は継続的に実施され得る。
【0110】
前述の方法の説明及び図は、単に例示的な例として提供されており、様々な実施形態のステップが提示された順序で実行されなければならないことを要求又は暗示することを意図するものではない。当業者によって理解されるように、前述の実施形態におけるステップの順序は、任意の順序で実行され得る。さらに、「その後」、「それから」、「次へ」などの用語は、ステップの順序を制限することを意図したものではない。つまり、これらの用語は、単に方法の説明を通して読み手をガイドするために用いたものである。
【0111】
例示的な実施形態を説明するために、1つ又は複数の図を用いた。図の使用は、実行される動作の順序に関して制限することを意味するものではない。例示的な実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示した。開示された正確な形態に関して網羅的又は限定的であることを意図するものではなく、上記の教示に照らして修正及び変形が可能であるか、又は開示された実施形態の実施から取得され得る。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲及びそれらの均等物によって明らかになるが意図される。
【0112】
制御装置314及び本明細書に記載の接続されたコントローラを含む制御要素は、特定の機能を実行するための命令でプログラムされたプログラム可能なプロセッサ、メモリ及び他の構成要素を含むコンピューティングデバイス(コンピュータなど)を使用して実現することができ、又は、特定された機能を実行するように設計されたプロセッサで実現することができる。プロセッサは、任意のプログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はマルチプロセッサチップ、又は本明細書に記載の様々な実施形態の機能を含む様々な機能を実行するためのソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成することができるチップであってもよい。いくつかのコンピューティングデバイスでは、マルチプロセッサが提供され得る。通常、ソフトウェアアプリケーションは、アクセスされてプロセッサにロードされる前に、内部メモリに格納され得る。いくつかのコンピューティングデバイスでは、プロセッサは、アプリケーションソフトウェア命令を格納するのに十分な内部メモリを含むことができる。
【0113】
本明細書に開示される実施形態に関連して記載された様々な例示の論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実現され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示の構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップを、それらの機能性の観点から一般的に上で説明した。このような機能性がハードウェアとして実現されるか又はソフトウェアとして実現されるかは、特定の用途とシステム全体に課せられる設計上の制約に依存する。当業者は、特定の用途ごとに、様々な方法で、記載の機能性を実現することができるが、そのような実現の判定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0114】
本明細書で開示された態様に関連して記載された様々な例示のロジック、論理ブロック、モジュール、及び回路を実現するために使用されるハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はこれらの任意の組み合わせであってよい又は含んでよい制御装置を用いて実現され得る又は実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替で、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせとして、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成の組み合わせとして実現することができる。あるいは、いくつかのブロック又は方法は、所与の機能に特有の回路によって実行されてもよい。
【0115】
開示した実施形態の前述の説明は、当業者が、記載の実施形態を成すか又は使用できるようにするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書に明記される包括的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。したがって、本願請求の範囲は、本明細書に示した実施形態に限定されることを意図するものではなく、請求項の記載及び本明細書に開示される原理及び新規の特徴と矛盾しない最も広い範囲を与えられるべきである。
【外国語明細書】