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特開2022-176904車両用電池パック及び関連する組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176904
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】車両用電池パック及び関連する組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20221122BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20221122BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20221122BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20221122BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20221122BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20221122BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20221122BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20221122BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20221122BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20221122BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20221122BHJP
【FI】
H01M50/262 E
H01M50/249
H01M50/289
H01M50/211
H01M50/262 S
H01M50/262 M
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/625
H01M10/647
H01M50/204 101
H01M50/50 101
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022077839
(22)【出願日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】102021000012623
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルカ ポッジョ
【テーマコード(参考)】
3D235
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
3D235AA02
3D235BB12
3D235BB18
3D235BB20
3D235BB22
3D235BB36
3D235BB45
3D235CC15
3D235DD23
3D235DD27
3D235EE63
3D235HH02
3D235HH03
3D235HH04
3D235HH52
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA01
5H040AA03
5H040AS04
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY10
5H040LL06
5H043AA05
5H043AA19
5H043CA08
5H043FA06
(57)【要約】
【課題】車両用電池パック(3)を提供すること。
【解決手段】車両用電池パックは、互いに向かい合い、箱部分(BP)を間に画定する少なくとも2つの細長い周囲部材(16、18)も備える支持構造体(15)と、少なくとも2つのハウジングを画定する箱部分(BP)を分割するように配置されたいくつかの隔壁(17)であって、隔壁(17)は、互いに向かい合う2つの周囲要素(16、18)に対して横断方向に配置される、いくつかの隔壁と、互いに及び隔壁(17)に平行であり、少なくとも2つのモジュール(12)に分割された複数の平面状の電気的に接続された電気化学セル(C、C’、C”)であって、前記少なくとも2つのモジュール(12)はそれぞれ、少なくとも2つの挿入プレート(32)を備え、挿入プレートは、隔壁(17)に平行に各モジュール(12)の端部に配置され、圧縮が挿入後でも残るように、各モジュール(12)を圧縮下でそれぞれのハウジングに挿入することを容易にするように構成される、電気化学セルとを備える。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用電池パック(3)であって、
箱部分(BP)を間に画定する少なくとも2つの細長い向かい合う周囲部材(16、18)も備える、支持構造体(15)と、
少なくとも2つのハウジングを画定することによって前記箱部分(BP)を細分するように配置された1つ又は複数の隔壁(17)であって、前記隔壁(17)は、前記2つの向かい合う周囲要素(16、18)に対して横断方向に配置される、隔壁と、
互いに及び前記隔壁(17)に平行である、複数の平面状の電気的に接続された電気化学セル(C、C’、C”)を備える少なくとも2つのモジュール(12)とを備え、
前記少なくとも2つのモジュール(12)がそれぞれ、少なくとも2つの挿入プレート(32)をさらに備え、
前記2つの挿入プレートは、各モジュール(12)の端部に、前記隔壁(17)に平行に配置され、圧縮が挿入後でも残るように、各モジュール(12)を圧縮状態で前記それぞれのハウジング内に挿入することを容易にするように構成され、
各モジュール(12)の前記挿入プレート(32)は、前記モジュール(12)の前記それぞれのハウジング内への挿入が完了すると、前記関連するモジュール(12)の前記セル(C、C’、C”)のための圧縮プレートとして作用する、車両用電池パック。
【請求項2】
各挿入プレートが、それぞれの隔壁と接触しており、各プレートと前記それぞれの隔壁との間の静止摩擦係数が0.3未満、特に、0.1未満であり、特に、前記挿入プレート(32)はまた、前記複数のセル(C、C’、C”)の厚さの不正確さを補償しながら、前記ハウジング内の前記モジュール(12)の圧縮を調整するように構成され、特に、前記挿入プレート(32)は異なる厚さを有し、特に、前記挿入プレート(32)は、ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1に記載の車両用電池パック(3)。
【請求項3】
各挿入プレート及びそれぞれの隔壁が、前記それぞれのハウジング内への挿入中に前記モジュール(12)を方向付けるように構成された案内要素、特に少なくとも1つのスケート(34)及び少なくとも1つのそれぞれの座部(35)を備える、請求項1に記載の車両用電池パック(3)。
【請求項4】
前記セル(C、C’、C”)間に配設され、前記箱部分(BP)の少なくとも1つの側面に向かって、特に2つの対向する側面に向かって熱を伝達するように構成された複数の散逸要素を備え、特に、前記電池パック(3)は、少なくとも1つの冷却パネル(11)を含み、前記冷却パネルは、前記2つの対向する側面(LS)の少なくとも一方に配設され、前記セルによって伝達された熱を放散するように前記支持構造体(15)に固定されるように構成される、請求項1に記載の車両用電池パック(3)。
【請求項5】
各散逸要素(20)が、他の散逸要素のものと共に前記少なくとも1つの側面を画定する少なくとも1つの突出部分(21)を備え、特に、各散逸要素(20)が、他の散逸要素のものと共に前記2つの対向する側面を画定する2つの対向する突出部分、特に平行部分を備える、請求項4に記載の車両用電池パック(3)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの側面(LS)に配設され、前記散逸要素によって伝達された熱を散逸させるように前記支持構造体(15)に固定されるように構成された少なくとも1つの冷却パネル(11)を備え、特に、前記電池パック(3)は、前記2つの対向する側面に配設された2つの冷却パネル(11)を備え、特に、各冷却パネル(11)と前記それぞれの側面(LS)との間に熱対流ペーストが存在する、請求項4に記載の車両用電池パック(3)。
【請求項7】
前記パネル(11)が、前記側面又は前記後者の複数の表面を気密に封止するように、前記支持構造体(15)、特に前記周囲要素(16、18)に取り付けられる、請求項6に記載の車両用電池パック(3)。
【請求項8】
前記周囲要素(16、18)が、それぞれ基部プレート(18)及びフレーム(16)である、請求項1に記載の車両用電池パック(3)。
【請求項9】
カバー要素(9)によって気密に閉鎖された上側開口部を備え、前記電池パック(3)は、少なくとも1つの取り外し可能なバスバー(BB)をさらに備え、前記バスバー(BB)が、前記カバー要素(9)が取り外されると、順序的には、最初の取り外し可能な要素、すなわち分解可能な最初の要素となる、請求項1に記載の車両用電池パック(3)。
【請求項10】
請求項1に記載の車両用電池パック(3)を備える道路車両(1)であって、特に、前記電池パック(3)は、前記車両(1)の長手方向に横断方向に配置され、特に、前記電池パック(3)は、車両の乗員室(5)の後方の車両フレーム(2)に取り付けられる、道路車両。
【請求項11】
電池パック(3)の組立方法であって、
箱部分(BP)を間に画定する少なくとも2つの細長い向かい合う周囲要素(16、18)も備える支持構造体(15)と、少なくとも1つのハウジングを画定することによって前記箱部分(BP)を細分するように配置された1つ又は複数の隔壁(17)であって、前記隔壁(17)が、前記2つの向かい合う周囲要素(16、18)に対して横断方向に配置される、隔壁とを提供するステップと、
互いに及び前記隔壁(17)に電気的に接続され、平行である複数の平面状電気化学セル(C、C’、C”)を備える少なくとも1つのモジュール(12)を圧縮するステップであって、圧縮が、前記平面状セル(C、C’、C”)に対して横断方向に沿って行われる、ステップと、
前記圧縮方向に対して横断方向に挿入力(IF)を加えることによって、前記モジュール(12)を圧縮状態で前記それぞれのハウジング内に挿入するステップとを含み、
前記挿入が、前記隔壁(17)に平行に圧縮状態で前記モジュール(12)の端部に配置された2つの挿入プレート(32)を用いて実行され、
前記挿入プレート(32)が、圧縮が挿入後でも残るように、前記モジュール(12)を圧縮状態で前記それぞれのハウジング内に挿入することを容易にし、前記挿入プレート(32)は、前記モジュール(12)と共に前記関連するハウジング内に挿入され、留まる、組立方法。
【請求項12】
前記挿入力(IF)が、前記挿入プレート(32)及び/又は前記ハウジングとは反対側の前記複数のセル(C、C’、C”)に配置された、特に2つの平行な列に配置された前記複数のセル(C、C’、C”)の第1と第2の端子との間に配置された、特にプラスチックの適切な支持体に加えられる、請求項11に記載の組立方法。
【請求項13】
前記箱部分(BP)の少なくとも2つの対向する側面に対応して前記細長い周囲要素(16、18)に沿ってシール流体を加え、前記側面に対応して配置された同じ数の冷却パネルで前記側面を気密に封止するさらなるステップを含む、請求項11に記載の組立方法。
【請求項14】
前記箱部分(BP)の少なくとも一方の上側開口部において前記細長い周囲要素(16、18)に沿ってシール流体を加え、前記上面をカバー要素(9)で気密に閉鎖するステップをさらに含む、請求項11に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2021年5月17日に出願されたイタリア特許出願第102,021,000,012,623号明細書の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、自動車産業用の電力貯蔵システムに関し、特に、車両用電池パック及び関連する組立方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウム電池は、その高いエネルギー密度のおかげで、電気駆動システムが自動車産業においてますます実施されることを可能にする。特に、リチウムポリマーは、現在、化学的観点から、高容量電池の製造における最新技術を表している。
【0004】
車両用電池パックの所望の総電圧及びエネルギー密度に達するために、異なるセル(一般的には、それぞれ3.7Vを有する)を直列及び並列に相互接続することを含む解決策が、知られている。
【0005】
現在市販されている電池モジュール(自動車産業だけでなく、家電産業においても)は、他の寸法と比較してはるかに制限された厚さを有する平面状パウチ電池からなることが多い。(熱がほぼ完全に散逸される)2つの非常に大きい対向面及び4つの細長い狭い側部が存在し、セルの正端子及び負端子は、一方の側又は2つの対向する側に配置される。
【0006】
詳細には、電気駆動車両用の知られている電力貯蔵システムは、電気的に互いに接続された複数の電池モジュールからなる電池パックを備える。各電池モジュールは、さらに、直列及び/又は並列に互いに電気的に接続された複数の電気化学セルを担持する大きな支持構造体も備える。
【0007】
知られている電力貯蔵システムは、電力貯蔵システムを電気駆動車両の駆動システムに接続するための電気コネクタと、各電池モジュールの各セル又は電気化学セルのセットを制御及び管理するためにすべての電池モジュールと相互作用する制御ユニット(通常、BMS-「電池管理システム」と呼ばれる)とをさらに備える。
【0008】
あるいは、各電池モジュールは、さらなる制御ユニットに総合的に接続されたそれぞれのBMSを有する。詳細には、各電気化学セルは、端部に正極を有し、反対側の端部(又は同じ端部)に負極を有し、制御ユニット(すなわち、BMS)は、各電気化学セルの電圧値を制御するために電気化学セルの各極に接続される。
【0009】
一般に、単一の電気化学セルの極の制御ユニットへの接続は、複数のマルチコア電気ケーブルを介して行われる。
【0010】
各電池モジュールは、2つの温度センサをさらに備え、2つの温度センサは、2つの異なるゾーン内のモジュール(通常)の内部温度の測定値を制御ユニットに送信するために、対応する電気ケーブルを介して制御ユニットに接続される。
【0011】
通常、「気化」として一般的に知られている不都合な現象、すなわち、例えば電解質の酸化又は(セルの過熱又は過負荷などの現象によって増加することが多い)その化学分解による単一セル内のガスの形成を回避するために、セルは、一定の圧縮状態に維持される。従来技術によれば、この圧縮は、セルを大きな対向面に対して垂直に圧縮するように構成された各電池モジュールの支持構造体によって提供される。この圧縮は、例えば、支持構造体を補強し、少なくとも2つの横方向壁が圧縮においてタイロッドとして作用することを確実にすることによって提供される。結果として、各電池モジュールは、通常、事前に組み立てられ、その後、車両のフレームの一部に一体化されたさらなる支持構造体内に設置され、それによって、異なるモジュールをその相互接続を危険にさらすことなくこれらのモジュールを所定の位置に保持する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、これは、特にスポーツカーなどの高性能車両において、貯蔵システム、すなわち電池パックに必要な質量及び空間の増加につながらない。さらに、各電池モジュールの事前組み立て時間が、車両に搭載される電池モジュールの通常の設置に追加されなければならない。
【0013】
また、上記のことから、知られている電力貯蔵システムが、1つの電気化学セルを制御ユニットに接続し、貯蔵システムの内部に延びる複数の電気ケーブルを有することも明らかである。この複数の電気ケーブルの存在は、電力貯蔵システムの構造及び組み立てを複雑にし、電力貯蔵システムの容積、寸法及び重量の増加をもたらし、特に、電池パックの最初の電気化学セルを接続するケーブルと電池パックの最後の電気化学セルを接続するケーブルとの間に、数百ボルトの範囲内であっても大きな電圧差が存在し得ると考えられる場合、電力貯蔵システムの安全性を損なう危険性がある。
【0014】
本発明の目的は、上記で説明した欠点が少なくとも部分的になく、同時に、製造及び実施が簡単で経済的な車両用電池パック及び関連する組立方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲による車両用電池パック及び関連する組立方法が、提供される。
【0016】
添付の特許請求の範囲は、本発明の好ましい実施形態を説明し、説明の不可欠な部分を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による電池パックを備える電気駆動車両の概略斜視図である。
図2】本発明による電気駆動車両用の電池パックの概略斜視図である。
図3図1の電池パックの概略正面図である。
図4図1の電池パックの概略分解図である。
図4a図1の電池パックの別の概略分解図である。
図5図1の電池パックの一部の概略分解斜視図である。
図6図4及び図4aの電池パックのモジュールの概略部分分解斜視図である。
図7図6のモジュールの非分解詳細図である。
図8】適切なハウジングへの挿入中の図6のモジュールを示す、図4の電池パックの一部の概略側面図である。
図9図4の電池パックの一部の概略上面図である。
図10図4の電池パックの一部の斜視図である。
図11】本発明による制御ユニットの第1の角度からの概略斜視図である。
図12】本発明による制御ユニットの第2の角度からの概略斜視図である。
図13図4の電池パック内に設置されたときの図11及び図12の制御ユニットの詳細の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を、そのいくつかの非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して説明する。
図1において、番号1は、全体として、2つの前輪W及び2つの後輪Wを備えた道路車両を示す。道路車両1は、少なくとも部分的に電気自動車であり、フレーム2が設けられる。
【0019】
道路車両1は、フレーム2に支持された(取り付けられた)電池パック3を備える。特に、電池パック3は、エンジン室4内に配置されている。
【0020】
より具体的には、電池パックは、乗員室5の後部、例えば車両の床の領域内の、乗員室5の内側に含まれる座部の後ろに配置される。
【0021】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、図1から図3によれば、電池パック3は、細長い形状(実質的に平行六面体の形状)を有し、車両の長手方向軸に対して横方向に(すなわち、駆動方向に対して横方向に、特に垂直に)配置される。このようにして、エンジン室内の空間は、重量の配置に関しても最適化される。
【0022】
特に、電池パック3は、少なくとも部分的に電気自動車1の駆動システム(ここでは図示せず)に接続されるのに適しており、電気機械(ここでは図示せず)によって生成された電力を貯蔵するように設計されている。電池パック3は、電力変換器(一般にインバータとして知られている)を介在させて電気機械に接続され、電力変換器は、電気機械及び電池パック3の異なるニーズに基づいて、電池パック3によって出力された直流を電気機械用の交流に変換し、逆もまた同様である。
【0023】
図2から図4aの非限定的な実施形態によれば、電池パック3は、電気化学セルC(例えば、図4に示される)の動作パラメータを制御するように設計された電池管理システム8(BMSとも呼ばれる)を収容するように構成された少なくともセクション6を備える。電池パック3内に含まれるセルCの端部は、BUS接続を介してセクション6の領域内に配置された端子T(図4)に接続されている。
【0024】
2つのコネクタCNが、制御システム8から突出し、制御システム8から電流が流れること及び制御システム8に電流が流れることを可能にするように構成される。
【0025】
図2から図4aの非限定的な実施形態によれば、電池パック3は、電気化学セル(すなわち、電池パック3の活性物質)を収容するように構成されたセクション7をさらに備える。
【0026】
有利には、そして例えば図4及び図4aによれば、車両用電池パック3は、支持構造体15を備え、支持構造体は、互いに対向し、間に箱部分BP(図4)を画定する少なくとも細長い周囲要素16及び18をさらに備える。
【0027】
特に、図4及び図4aの非限定的な実施形態では、周囲要素は、フレーム16及び基部18である。他の実施形態では、周囲要素は、互いに向かい合う2つのフレーム、管状要素、...であることができる。
【0028】
電池パック3は、少なくとも2つのハウジングを画定することによって箱部分BPを分割するように配置された1つ又は複数の隔壁17をさらに備え、隔壁17は、互いに向かい合う2つの周囲要素16及び18に対して横断方向に配置される。言い換えれば、フレーム16及び基部18は、隔壁17が横方向に(垂直に)その間を延びる2つの平行な平面を画定する。図4及び図4aの非限定的な実施形態では、隔壁17は、箱部分BPの内側に、3つの異なるハウジングを画定する。
【0029】
特に、電池パック3は、複数のモジュール12を備え、複数のモジュールは、複数の平面状電気化学セルCも備え、複数の平面状電気化学セルCは、互いに及び隔壁17の両方に電気的に接続されて平行であり、少なくとも2つのモジュール12、特に各ハウジングに対して1つのモジュール12に分割される。したがって、図4及び図4aの非限定的な実施形態では、3つのモジュール12が存在する。他の実施形態では、必要に応じて異なるように配置された(例えば、T字、L字又は交差配置を用いて)2つ又は4つ以上のモジュール12が、存在する。
【0030】
有利には、モジュール12はそれぞれ、さらに、少なくとも2つの挿入プレート32を備え、挿入プレートは、隔壁17に平行に各モジュール12の端部に配置され、圧縮が挿入後でも残るように、各モジュール12を圧縮状態で関連するハウジング内に挿入することを容易にするように構成される。このようにして、セルCのモジュール12は、ハウジングの外側で圧縮され、圧縮を維持しながらハウジングに挿入される。そうすることによって、セルCは、それぞれのハウジングを画定する2つの隔壁17の間で圧縮されたままである。
【0031】
特に、挿入プレート32は、モジュール12のそれぞれのハウジングへの挿入が完了すると、関連するモジュール12のセルCのための圧縮プレート(以下でより詳細に論じるように、「機能的圧縮」を意味する)として機能する。詳細には、挿入プレート32は、各隔壁17とモジュール12の最初又は最後のセルCとの間に介在したままである。
【0032】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、各挿入プレート32は、それぞれの隔壁17と接触している。特に、各プレート32とそれぞれの隔壁17との間の静止摩擦係数は、0.3よりも小さく、好ましくは0.1よりも小さい。このようにして、挿入プレート32と隔壁17との間の小さな摩擦は、圧縮されたセルによって及ぼされる(言い換えれば、再拡張する傾向がある)圧縮反力にもかかわらず、各モジュール12がそれぞれのハウジング内に摺動することを可能にする。
【0033】
挿入プレート32は、活性物質で作られていなくても、「非必須」要素、すなわち電池パックの内部に残されると考えることができる。しかし、有利には、必ずしもそうである必要はないが、挿入プレート32はまた、複数のセルCの厚さの不正確さを補償しながら、ハウジング内のモジュール12の圧縮を調整するように構成される。特に、挿入プレート32は、異なる厚さを有する。このようにして、可能な製造公差を補う(セルの数及びサイズに応じた)電池の所望の圧縮の達成及び保存を確実にすることが、可能である。
【0034】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、挿入プレート32は、主にポリテトラフルオロエチレンを含む(すなわち、作製される)。
【0035】
図4及び図4a、並びに指摘するように、図6から図10の非限定的な実施形態によれば、各挿入プレート32及びそれぞれの隔壁17は、望ましくない回転を回避しながら、それぞれのハウジングへの挿入中にモジュール12を導くように構成された案内要素34、36を備える。特に、案内要素34、36は、形状結合、より具体的にはスケート34及び少なくとも1つのそれぞれの座部35(又はレール)を備えた相補的な要素である。
【0036】
添付の図面の非限定的な実施形態では、各隔壁は、それぞれの挿入プレート32と接触する表面ごとに、それぞれの挿入プレート32上に得られた3つの対応する平行なスケート34を収容する3つの平行な座部35を備える。
【0037】
図5から図9の非限定的な実施形態によれば、電池パック3は、複数の散逸要素20を備え、この散逸要素は、セルC、C’、C”の間に配置され、箱部分の少なくとも1つの側面LSに向かって、特に2つの対向する側面LSに向かって熱を伝達するように構成される。
【0038】
特に、各散逸要素20は、少なくとも1つの突出部分21を備え、この突出部分は、他の散逸要素20のものと共に側面LSを画定する。詳細には、添付の図面の非限定的な実施形態によれば、各散逸要素20は、特に互いに平行な2つの対向する突出部分21を備え、この突出部分は、他の散逸要素20のものと共に2つの対向する側面LSを画定する。
【0039】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、図5から図9の非限定的な実施形態によれば、各モジュール12は、互いに平行に配置され、2つの挿入プレート32間に封入された複数のエネルギーユニット19を備える。
【0040】
図5の非限定的な実施形態では、ユニット19は、2つの平面状パウチセルC’及びC”を備え、それらの間に散逸要素20が挿入される。
【0041】
各セルC’、C”は、セルC’、C”の同じ側に延びる一対の又は端子極TT’、TT”(正極及び負極、すなわちカソード及びアノード)を備える。
【0042】
他の非限定的な事例では、端子極TT’、TT”は、セルC’、C”の両側に配置される。
【0043】
特に、散逸要素20は、セルC’及びC”の主面に平行な主(金属)プレートと、ユニット19の両側、詳細には端子極TT’、TT”がない両側の突出部分21とを備える。
【0044】
好ましくは、突出部分21は、主プレートに垂直な表面を備える。言い換えれば、散逸要素20の断面は、H字形である。
【0045】
有利には、同じユニット19のセルC’及びC”は直列に接続され、同じモジュール12のユニット19は直列に接続され、異なるモジュール12も直列に接続される。
【0046】
図5の非限定的な実施形態によれば、ユニット19は、セルC’、C”に平行な、好ましくは同じ寸法を有する補償発泡体を備える(からなる)層23をさらに備える。このようにして、充放電サイクル中のセルC’、C”の可能性のある膨張を補償することが可能である。特に、前記発泡体層23は、セルC’の外側のユニット19内に配置される。
【0047】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、図5の非限定的な実施形態によれば、ユニット19は、セルC’、C”ごとに、周辺熱保護部24を備え、周辺熱保護部は、セルによって生成された熱を散逸要素20に向かって運びながら、セルC’、C”の縁部及び関連する端子極TT’、TT”を保護するように構成される。特に、各周辺保護は、ポリイミドフィルム、好ましくはカプトンを含む(から作製される)。より正確には、熱保護部24は、散逸要素20とセルC’、C”との間に配置される。
【0048】
好ましくは、散逸要素20の主板は、保護フィルム層26(詳細には、イソフオイルで作製される)が載置する2つの平坦面を有する。加えて、ユニット19は、2つの隣接するユニット19間にさらなる保護層、すなわち分離フィルム26(これもまた、イソフオイルで作製される)をさらに備える。
【0049】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、ユニット19は、端子極TT’、TT”を支持するように構成され、端子極がその上に直列に接続されるプラスチック材料支持体27をさらに備える。特に、第1のセルC’の場合、両方の端子極TT’、TT”は同じ方向に曲げられ、一方、中間セルC”の場合、端子極TT’、TT”は、各中間セルC”を先行セル及び後続セルの両方に接続するようにS字形状に曲げられる。接続直列が形成されなければならない場合、支持体27は、セルC’、C”間の相互接続を可能にする通路28を有する。反対に、支持体27は、隣接する2つのセルC’、C”の極が接触するのを防止する分離部29を有する。
【0050】
好ましくは、支持体27は、散逸要素20上に得られるチャネル22に前記支持体が固定されることを可能にする固定手段30を有する。
【0051】
特に、ユニット19は、2つの端子極TT’、TT”間を接続し、その接続を保護するように構成された1つ又は複数の接続プレート31をさらに備える。
【0052】
図6及び図9の非限定的な実施形態では、各モジュール12は、互いに平行に配置された複数のユニット19を備え、その端部には、2つの挿入プレート32が存在する。特に、各挿入プレートとセルC、すなわちユニット19との間には、断熱材料の2つの層33が存在する。このようにして、温度はモジュールに沿って均一なままであり、したがって、外側セルが内側セルと比較してより多くの熱を支持構造体(及び隔壁17)に向かって散逸するのを防止する。
【0053】
温度分布が均一であるほど、各セルCの寿命は長くなる。特に、挿入プレート32はまた、モジュール12の断熱性を高めるのに役立つ。
【0054】
添付の図の非限定的な実施形態によれば、電池パック3は、少なくとも1つの冷却パネル11を備え、この冷却パネルは、前記少なくとも1つの側面LSの領域内に配置され、散逸要素20によって伝達された熱を散逸させるように支持構造体15に固定されるように構成される。
【0055】
特に、電池パック3は、2つの対向する側面LS上に配置された2つの冷却パネル11を備える。より具体的には、冷却パネル11は、固定要素10、10’によって、支持構造体15に搭載され、特に隔壁17に搭載されて取り付けられる。冷却パネル11は、散逸要素20によって提供される熱を散逸させるように構成される。
【0056】
添付の図の非限定的な実施形態では、電池パック3は、いくつかのモジュール12、特に各側面LSに対して単一の冷却パネル11を備える。
【0057】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、各冷却パネル11とそれぞれの側面との間に、熱対流ペーストが存在する。このようにして、散逸要素20の突出部分21と冷却パネル11との間の熱の伝達が、さらに増加する。
【0058】
代替的又は追加的に、有利には、限定的ではないが、パネル11は、1つ又は複数の側面LSを気密に封止するように、支持構造体15、特に周囲要素16、18に取り付けられる。特に、前述の気密シールを得るために、シール流体が、セクション7の側方周囲上又はパネル11の周囲上に加えられる。
【0059】
いくつかの非限定的な場合、図2から図4に示されるもののように、電池パック3は、カバー要素9によって気密に閉鎖される上側開口部を備える。特に、電池パック3は、少なくとも1つの取り外し可能なバスバーBBをさらに備え、カバー要素が取り外されると、バスバーBBは、最初の取り外し可能な要素となる。このようにして、制御システム8への電流を容易に切断しながら、メンテナンス作業が容易になる。
【0060】
このようにして、閉鎖要素9、基部18及び冷却パネル11を介して、電池パック3の気密シール、特にIP67シールが確保され、エンジン室4の内部に存在する液体、粉塵、煙からセルCを保護する。さらに、有利には、前記気密シールは、通気弁CCを通して、電池パック3内の空気流を最大限の精度で調整することを可能にし、これは必須の通路となる。特に、隔壁17は、支持構造体15を軽量化するように構成されたチャネル36を備える。
【0061】
いくつかの非限定的な場合、支持構造体15及び/又は隔壁は、アルミニウム又は複合材料(例えば、炭素繊維)で作製される。
【0062】
好ましくは、隔壁17は、フレーム16と基部18を接続するように構成される。
【0063】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、バスバーBBは、細長い形状を有し、一連のセルCを制御システム8の端子Tに接続するように、カバー要素9の下でセクション7の全長に沿って通る。好ましくは、バスバーBBは、バスバーBBを通る電流の流れ及びセクション6内の自由空間をより正確に監視するために、例えばバスバーBBの長さの半分のところに、電流センサを備える。
【0064】
本発明のさらなる態様によれば、制御ユニット13が提供され、この制御ユニットは、車両用電池パック3の支持構造体15に搭載されて担持された複数の電気化学セルCが設けられた少なくとも1つのモジュール12を備える電池パック3内に設置することができる。特に、ユニット13は、上記の説明に従って電池パック3内に設置することができる。
【0065】
有利には、必ずしもそうであるとは限らないが、制御ユニット13は、支持構造体15(特に、端子極TT’、TT”の上方に)に搭載して設置することができる。
【0066】
図11から図13の非限定的な実施形態では、制御ユニット13は、少なくとも部分的に絶縁材料を備える(からなる)平面状支持基板37を備える。さらに、制御ユニット13は、モジュール12の電気化学セルCの動作パラメータ(電圧、温度、...)を制御するように構成された複数のセンサ素子14を備える。
【0067】
有利には、必ずしもそうであるとは限らないが、センサ素子14の少なくとも一部は、ユニット13が車両用電池パック3に搭載されて設置された後、各電気化学セルC’、C”のそれぞれの端子極TT’、TT”の領域内にそれぞれが位置決めされるように支持基板37上に単列に配置される。
【0068】
いくつかの非限定的な事例では、図11から図13に示されているもののように、センサ素子14は、少なくとも2つの導体の弾性変形可能な接触要素39を備える少なくとも1つの電圧検知デバイスTSを備え、弾性変形可能な接触要素は、使用時に、それぞれの端子と2つの異なる点で接触しながら、平面状支持基板37とそれぞれの端子極TT’、TT”(図13)との間で弾性的に圧縮されるように構成される。このようにして、ユニット13は、多数の有線接続の必要性を排除し、組み立てを容易にして設置することができる。
【0069】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、接触要素39は、平面状支持基板37と各電気化学セルC’、C”のそれぞれの端子極TT’、TT”(図13)との間に(完全に)介在し、圧縮される(押しつぶされる)。このようにして、接触要素39と端子極TT’、TT”との間の溶接部は必要とされず、したがって、組み立てがより簡単かつ非常に迅速になる。したがって、詳細には、接触要素39と端子極TT’、TT”との間に溶接部は存在しない。
【0070】
したがって、特に、接触要素39は、平面状基板37から(詳細には、その下面から)下方に延在し、端子極TT’、TT”に接触し、圧縮によって接触を保持する。
【0071】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、接触要素39は、2つの連続するセグメントを有するV字形であり、第1のセグメントは、平面状基板37に平行かつ固定され、一方で第2のセグメントは、平面状基板37自体から、特に端子極TT’、TT”の外側に向かって分岐する(図13)。
【0072】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、各センサ素子14は、それぞれの端子極TT’、TT”の領域内の温度を検出するように構成された温度センサTSをさらに備える。
【0073】
好ましくは、温度センサTSは、2つの単一の列に配置される。
【0074】
いくつかの非限定的な事例では、温度センサは、NTCタイプの有線(及び遠隔)サーミスタである。
【0075】
好ましくは、温度センサは、セルC’、C”に可能な限り近接して配置されたプローブが配線される遠隔NTCコネクタ38を備える。
【0076】
代替的又は追加的に、温度センサは、それぞれの端子極TT’、TT”の熱伝導を検出するように構成された、熱ギャップを有するNTCSMDタイプのサーミスタ42である。
【0077】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、温度センサTSは、平面状基板37に搭載されて接触要素(39)と同じ(下側)面上に配置され、端子極の温度を測定するためにそれぞれの赤外線ビーム41を端子極に向けるようにそれぞれの端子極TT’、TT”に面するように構成された、赤外線センサ40である。特に、光ビーム41は、円錐形状を有するビームである(図13)。より具体的には、赤外線センサ40は、それぞれの端子極TT’、TT”に(詳細には、同じ直線に沿って)関連付けられた2つの接触要素39間に配置される。好ましくは、接触要素39の第2のセグメントは、センサ40に対して反対方向に平面状基板37から分岐する。このようにして、要素39は、光ビーム41の円錐形状に追従し、誤った測定のリスクを低減する。
【0078】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、電池パック3は、モジュール12ごとに少なくとも1つのユニット13を備える。
【0079】
特に、ユニット13は、ユニット19のセルC’、C”の端子極TT’、TT”と閉鎖要素9(又はバスバーBB)との間の同じ平面上に配置される。
【0080】
本発明のさらなる態様によれば、これまでに説明したタイプの電池パック3を備える道路車両1が、提供される。
【0081】
本発明のさらなる態様によれば、電池パック3を組み立てる方法が提供される。本方法は、
-上記で説明した支持構造体15を提供するステップと、
-互いに及び隔壁17の両方に電気的に接続されかつ平行である複数の平面状電気化学セルCを備えるモジュール12を圧縮するステップであって、圧縮は、特に圧縮力CFを加えることによって、平面状セルに対して横断方向TDに沿って行われる、ステップ(図8)と、
-圧縮方向を横断する(垂直な)方向PDに挿入力IFを加えることによって、モジュール12を圧縮下で関連するハウジング内に挿入するステップとを含む。
【0082】
特に、挿入は、隔壁17に平行に、圧縮下でモジュール12の端部に配置された2つの挿入プレート32によって達成され、挿入プレート32は、圧縮が挿入後でも残るように、モジュール12を圧縮下で関連するハウジングに挿入することを容易にする。より詳細には、挿入プレート32は、モジュール12と共に関連するハウジング内に挿入され、挿入後も電池パック3の内部に留まる。
【0083】
詳細には、新世代電池では、セルCの正しい圧縮圧力を維持することが、セルCの性能を利用し、充電/放電サイクル中にその機能を維持するために重要であることが知られている。モジュール12の挿入後に残る圧縮(力CF)は、いわゆる「機能的圧縮」であり、これは、モジュール12のセルCを表面圧力範囲内に維持し、知られているように、モジュール12の正しい電気化学的動作を確実にするために必要である。
【0084】
好ましくは、挿入後に残る圧縮は、セルCのタイプ(例えば、リチウムイオン、リチウム金属、固体などである)に依存し、0.5から25バールの範囲である。特に、液体電解質を有するセルCについては0.5バールから5バール、固体セルCについては2.5バールから25バールである。
【0085】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、圧縮力CFは、ハウジングに対して反対側の、挿入プレート32及び/又は複数のセルC(及びユニット19)の領域内に配置された支持体27の部分に加えられる。特に、前述の部分は、2つの平行な列に配置された複数のセルCの端子極TT’、TT”間に配置されている。
【0086】
有利には、必ずしもそうである必要はないが、本方法は、箱部分BPの2つの対向する側面LSを取り囲むように細長い周囲要素に沿ってシール流体を加え、側面の領域内に配置された同じ数の冷却パネル11で前記側面LSを気密に封止するさらなるステップを含む。
【0087】
いくつかの非限定的な場合には、代替的又は追加的に、本方法は、箱部分BPの少なくとも1つの上側開口部の領域内で細長い周囲要素に沿ってシール流体を加え、カバー要素9で前記上側開口部を気密に閉鎖するさらなるステップを含む。
【0088】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、方法は、各センサ素子14がそれぞれの端子極TT’、TT”の領域内にあり、前記少なくとも2つの導体の弾性変形可能な接触要素39が平面状支持基板37とそれぞれの端子極TT’、TT”との間で、それぞれの端子極TT’、TT”と2つの異なる点で接触しながら弾性的に圧縮されるように、上記の説明による1つ又は複数のユニット13を設置することをさらに伴う。
【0089】
上記で説明した本発明は詳細にはいくつかの正確な実施形態に関連するが、その保護範囲において、例えば、電池パックの異なる形状、その異なる位置、ユニット19の異なる構造、異なる種類の材料など、添付の特許請求の範囲によってカバーされるすべての変形、変更、又は簡略化を含むため、前記実施形態に限定されると見なされるべきではない。
【0090】
本発明は多くの利点を提供する。
【0091】
第1に、これは、モジュールごとに1つずつ、モジュール間の相互接続及びフレーム内でのそれらの位置決めのために1つずつの、いくつかの同心ハウジングを備える従来の電池パックの全体寸法を低減し、通常の構造を軽量化する。
【0092】
さらに、本発明は、電池パックの組み立てを容易にし、いずれにせよ十分な放熱を確保する。
【0093】
本発明のさらなる利点は、挿入プレートの厚さを変更することによってハウジング内の圧縮を調整できることにある。
【0094】
加えて、本発明は、電流放電のリスクが低減され、バスバーの取り外しが容易になるため、メンテナンスが容易な電池パックを提供する。
【0095】
さらに、本発明は、製造業者が制御ユニット13を迅速かつ容易に設置することを可能にし、無駄な配線を排除し、構造をさらに軽量化する。
【0096】
最後に、本発明は、セルの端子極の温度を、必ずしもそれらに接触する必要なく、したがってこれらを維持しながら、監視することを可能にする。
【符号の説明】
【0097】
1 車両
2 フレーム
3 電池パック
4 エンジン室
5 乗員室
6 セクション
7 セクション
8 制御システム
9 カバー要素
10 固定要素
11 冷却パネル
12 モジュール
13 制御ユニット
14 センサ素子
15 支持構造体
16 フレーム
17 隔壁
18 基部
19 エネルギーユニット
20 散逸要素
21 突出部分
22 チャネル
23 補償発泡体
24 周辺熱保護部
25 分離フィルム
26 保護フィルム
27 プラスチック支持体
28 通路
29 分離
30 固定手段
31 接続プレート
32 挿入プレート
33 断熱材
34 スケート
35 座部
36 チャネル
37 少なくとも部分的に絶縁性の基板
38 遠隔NTCコネクタ
39 接触要素
40 赤外線センサ
41 ビーム
42 nTCSMD
BB バスバー
BP 箱部分
C、C’、C” セル
CF 圧縮力
CN コネクタ
IF 挿入力
LS 側面
PD 方向
T 端子
TD 方向
TS 温度センサ
TT’ 端子極
TT” 端子極
VS 電圧センサ
VV 通気弁
W 車輪
図1
図2
図3
図4
図4a
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】