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特開2022-176923炭素コイン取引システム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176923
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】炭素コイン取引システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20221122BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080528
(22)【出願日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】110117789
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】596009559
【氏名又は名称】姚 立和
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】姚 立和
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】小規模事業体が脱炭素で収益を得られるようにすることで、小規模事業体が脱炭素に参加し、脱炭素の利益を享受することを促進する、炭素コイン取引システムの提供。
【解決手段】本発明の炭素コイン取引システム及びその方法は、当該システムが、設備に接続された少なくとも1つの認証装置と、少なくとも1つの炭素コイン装置と、取引管理ホストで構成され、当該認証装置の検出モジュールを利用して設備の消費エネルギーデータを検出し、当該設備の消費エネルギーデータに基づいて当該炭素コイン装置の炭素量計算モジュールに第1の炭素排出量を算出させて、当該取引管理ホストにアップロードし、当該取引管理ホストが宣告計算モジュールを通じて代替宣告を取得し、当該代替宣告に基づき当該宣告計算モジュールに第2の炭素排出量を算出させ、さらに取得可能な有価デジタルトークンを算出し、炭素コイン取引イベントを生成して記録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素コイン取引システムであって、設備に連結される少なくとも1つの認証装置と、前記等認証装置に接続してデータを伝送できる少なくとも1つの炭素コイン装置と、前記等認証装置及び前記等炭素コイン装置に接続してデータを伝送できる取引管理ホストと、を含み、
前記認証装置が、少なくとも、第2の処理装置と、記憶装置と、通信装置と、検出モジュールを含み、
前記炭素コイン装置が、少なくとも、第3の処理装置と、記憶装置と、通信装置と、炭素量計算モジュールを含み、
前記取引管理ホストが、少なくとも、第1の処理装置と、記憶装置と、通信装置と、個別会員管理モジュールと、宣告計算モジュールと、取引イベント管理モジュールを含み、
これにより、前記認証装置の検出モジュールを利用して前記設備の消費エネルギーデータを検出し、前記設備の消費エネルギーデータに基づいて前記炭素コイン装置の前記炭素量計算モジュールに第1の炭素排出量を算出させて、前記取引管理ホストにアップロードし、前記取引管理ホストが、前記宣告計算モジュールを通じて代替宣告を取得し、前記代替宣告に基づき前記宣告計算モジュールに第2の炭素排出量を算出させ、さらに取得可能な有価デジタルトークンを算出し、炭素コイン取引イベントを生成して記録する、ことを特徴とする、炭素コイン取引システム。
【請求項2】
前記認証装置の第2の処理装置にさらに電力交換ユニットが接続され、前記炭素コイン装置の前記第3の処理装置が対応して接続可能な電力貯蔵ユニットを備え、前記認証装置と前記炭素コイン装置間の電力伝送に用いられる、ことを特徴とする、請求項1に記載の炭素コイン取引システム。
【請求項3】
前記電力交換ユニットが、電力管理ユニットと、前記電力管理ユニットに接続された少なくとも1つの電力接続ポートと少なくとも1つの蓄電装置を含むことができる、ことを特徴とする、請求項2に記載の炭素コイン取引システム。
【請求項4】
前記電力貯蔵ユニットが、電力管理ユニットと、前記電力管理ユニットに接続された少なくとも1つの電力接続ポートと少なくとも1つの蓄電装置を含むことができる、ことを特徴とする、請求項2に記載の炭素コイン取引システム。
【請求項5】
前記蓄電装置の電力が、グリーン電力または外部接続されたグリーンエネルギー設備に由来する、ことを特徴とする、請求項4に記載の炭素コイン取引システム。
【請求項6】
炭素コイン取引の方法であって、請求項1に記載のシステムに応用され、前記方法が少なくとも、
a、少なくとも1つの取引者がその炭素コイン装置を利用して少なくとも1つの認証装置の消費エネルギーデータを受け取り、炭素コイン取引イベントを生成する工程と、
b、前記炭素コイン装置が前記炭素コイン取引イベントの消費エネルギーデータに基づき、第1の炭素排出量の計算を実行する工程と、
c、前記炭素コイン取引イベントのデータを取引管理ホストにアップロードする工程と、
d、前記取引管理ホストが前記炭素コイン取引イベントのデータに基づき、前記取引者から代替宣告を取得し、前記代替宣告の内容に基づき、第2の炭素排出量の計算を実行する工程と、
e、前記取引管理ホストが前記第1の炭素排出量、前記第2の炭素排出量に基づき、前記取引者が獲得できる有価デジタルトークンを算出する工程と、
f、前記取引管理ホストが前記炭素コイン取引イベントの管理を行う工程と、
g、前記取引管理ホストが、前記炭素コイン装置により実行された取引について、前記炭素コイン装置中の有価デジタルトークンの記録を更新する工程と、を含むことを特徴とする、炭素コイン取引の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炭素コイン取引の技術分野に属し、具体的には、炭素排出量をリアルタイムで計算し、一般の小規模事業体も炭素コイン取引を行うことを可能にして、小規模事業体が脱炭素の恩恵を受け、脱炭素に参加するようになることで、より迅速かつ効果的に温室効果を緩和することができる、炭素コイン取引システム及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガス排出量の削減という目標を達成するために、人々は脱炭素の方法として一般にインセンティブ戦略を採用し、炭素取引で炭素排出枠(炭素クレジットとも呼ばれる)の売買を行い、市場メカニズムの運用を通じて、炭素排出総量を効果的に管理している。
【0003】
しかしながら、どのような取引モデルもすべて大企業や国家間の取引が主であり、逆に、炭素排出量の大部分を占める中小企業や個人(以下、小規模事業体(small entities)という)にとっては、その炭素排出が経済規模を形成しにくいため、小規模事業体にとって有効な炭素クレジット取引を確立できず、人々の脱炭素への意欲や積極性に影響を与えている。
【0004】
つまり、小規模事業体も炭素クレジットを効果的に取引できるようになれば、炭素クレジット取引が一部の大企業に独占され、私腹を肥やす道具にされている現状を変えるだけでなく、小規模事業体が脱炭素の恩恵を受け、脱炭素に参加するようになり、より迅速かつ効果的に温室効果を緩和することができるようになる。したがって、小規模事業体に適用する脱炭素収益モデルをどのように発展させ、小規模事業体も脱炭素の収益を得られるようにするとともに、リアルタイムの条件下で体系的に実施できるようにするかが、現在非常に重要な課題となっており、本発明が解決を図る課題でもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、小規模事業体が脱炭素で収益を得られるようにすることで、小規模事業体が脱炭素に参加し、脱炭素の利益を享受することを促進することにより、経済効果を生み出すことを可能にする、炭素コイン取引システムを提供することにある。
【0006】
本発明の別の主要な目的は、迅速かつ効果的に温室効果ガス排出削減目標を達成するためのインセンティブを小規模事業体に提供し、市場メカニズムの運用を通じて、炭素の総排出量を効果的に管理することができる、炭素コイン取引システムを提供することにある。
【0007】
本発明のさらに別の主な目的は、リアルタイムに炭素排出量を計算できるようにすることで、一般の小規模事業体がいつでもどこでも炭素コイン取引を行えるようにし、小規模事業体が脱炭素の利益を享受するとともに、積極的に脱炭素に取り組む意欲を高めることができる、炭素コイン取引システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下この発明について説明する。請求項1に記載する炭素コイン取引システムは、設備に連結される少なくとも1つの認証装置と、前記等認証装置に接続してデータを伝送できる少なくとも1つの炭素コイン装置と、前記等認証装置及び前記等炭素コイン装置に接続してデータを伝送できる取引管理ホストと、を含み、
前記認証装置が、少なくとも、第2の処理装置と、記憶装置と、通信装置と、検出モジュールを含み、
前記炭素コイン装置が、少なくとも、第3の処理装置と、記憶装置と、通信装置と、炭素量計算モジュールを含み、
前記取引管理ホストが、少なくとも、第1の処理装置と、記憶装置と、通信装置と、個別会員管理モジュールと、宣告計算モジュールと、取引イベント管理モジュールを含み、
これにより、前記認証装置の検出モジュールを利用して前記設備の消費エネルギーデータを検出し、前記設備の消費エネルギーデータに基づいて前記炭素コイン装置の前記炭素量計算モジュールに第1の炭素排出量を算出させて、前記取引管理ホストにアップロードし、前記取引管理ホストが、前記宣告計算モジュールを通じて代替宣告を取得し、前記代替宣告に基づき前記宣告計算モジュールに第2の炭素排出量を算出させ、さらに取得可能な有価デジタルトークンを算出し、炭素コイン取引イベントを生成して記録する。
【0009】
請求項2に記載する炭素コイン取引システムは、請求項1における認証装置の第2の処理装置にさらに電力交換ユニットが接続され、前記炭素コイン装置の前記第3の処理装置が対応して接続可能な電力貯蔵ユニットを備え、前記認証装置と前記炭素コイン装置間の電力伝送に用いられる。
【0010】
請求項3に記載する炭素コイン取引システムは、請求項2における電力交換ユニットが、電力管理ユニットと、前記電力管理ユニットに接続された少なくとも1つの電力接続ポートと少なくとも1つの蓄電装置を含むことができる。
【0011】
請求項4に記載する炭素コイン取引システムは、請求項2における電力貯蔵ユニットが、電力管理ユニットと、前記電力管理ユニットに接続された少なくとも1つの電力接続ポートと少なくとも1つの蓄電装置を含むことができる。
【0012】
請求項5に記載する炭素コイン取引システムは、請求項4における蓄電装置の電力が、グリーン電力または外部接続されたグリーンエネルギー設備に由来する。
【0013】
請求項6に記載する炭素コイン取引の方法は、請求項1に記載のシステムに応用され、前記方法が少なくとも、
a、少なくとも1つの取引者がその炭素コイン装置を利用して少なくとも1つの認証装置の消費エネルギーデータを受け取り、炭素コイン取引イベントを生成する工程と、
b、前記炭素コイン装置が前記炭素コイン取引イベントの消費エネルギーデータに基づき、第1の炭素排出量の計算を実行する工程と、
c、前記炭素コイン取引イベントのデータを取引管理ホストにアップロードする工程と、
d、前記取引管理ホストが前記炭素コイン取引イベントのデータに基づき、前記取引者から代替宣告を取得し、前記代替宣告の内容に基づき、第2の炭素排出量の計算を実行する工程と、
e、前記取引管理ホストが前記第1の炭素排出量、前記第2の炭素排出量に基づき、前記取引者が獲得できる有価デジタルトークンを算出する工程と、
f、前記取引管理ホストが前記炭素コイン取引イベントの管理を行う工程と、
g、前記取引管理ホストが、前記炭素コイン装置により実行された取引について、前記炭素コイン装置中の有価デジタルトークンの記録を更新する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の炭素コイン取引システムの構造を示す概略図である。
図2】本発明の炭素コイン取引システムの実際の応用状態を示す概略図である。
図3】本発明の炭素コイン取引方法のフローチャートである。
図4】本発明を実際に車両に応用した実施例の概略図である。
図5】本発明を実際に車両に応用した実施例のフローチャートである。
図6】本発明を実際に設備に応用した実施例の概略図である。
図7】本発明を実際に設備に応用した実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1図2に示すように、本発明の炭素コイン取引システムの主な構造は、当該システムが、取引プラットフォームとなる少なくとも1つの取引管理ホスト10と、設備のエネルギー消費状態を検出する少なくとも1つの認証装置20と、個別会員が炭素排出量の計算に用いる少なくとも1つの炭素コイン装置30を含み、そのうち、各当該認証装置20が、電動自転車や電動バイク、電気自動車、電力駆動以外の乗り物等、草刈り機、電動ツール、コーヒーマシン、扇風機、掃除機、電力駆動以外の機器・装置等の異なる設備に接続でき、かつ当該炭素コイン装置30が炭素排出量を計算するときに各当該認証装置20に接続し、有線または無線の接続を通じて当該取引管理ホスト10と相互にデータを伝送し、少なくとも1つの炭素コイン取引イベントを実行する。
【0016】
本発明の炭素コイン取引システムの詳細な構成は、図1図2に示すように、当該取引管理ホスト10が少なくとも、第1の処理装置11と、記憶装置12と、通信装置13と、個別会員管理モジュール14と、宣告計算モジュール15と、取引イベント管理モジュール16を含み、そのうち、当該第1の処理装置11は内蔵プログラムの実行と各種データの処理に用いることができ、当該記憶装置12は当該第1の処理装置11に接続され、プログラムと各種データの保存に用いられ、当該通信装置13は、当該第1の処理装置11に接続され、当該取引管理ホスト10と当該認証装置20及び炭素コイン装置30が接続を行い、各種コマンドとデータを送受信するために用いられ、かつ当該通信装置13は、WiFiモジュール、Bluetoothモジュール、近距離無線通信(NFC)モジュール、イーサネット(Ethernet)またはそのうち少なくとも2つの組み合わせなど、無線または有線の接続技術とすることができ、当該個別会員管理モジュール14は、当該記憶装置12内に保存でき、個別会員のデータ作成と検証、個別会員アカウントに属する設備の保存及び有価デジタルトークンのデータ管理、有価デジタルトークンの使用記録や取引記録、残高等の個別会員データの検索に用いることができ、当該宣告計算モジュール15は、当該記憶装置12内に保存でき、取引者に宣告の質問を作成して尋ね、かつ取引者の回答する宣告に基づいて第2の炭素排出量の計算を行い、取引者が得られる有価デジタルトークンを算出して、当該記憶装置12内に保存するために用いることができ、また当該取引イベント管理モジュール16は、当該記憶装置12に内蔵されるプログラムとすることができ、かつ当該個別会員管理モジュール14及び当該宣告計算モジュール15と接続されて動作し、当該認証装置20及び当該炭素コイン装置30と接続して炭素コイン取引イベントの生成を実行する。各当該炭素コイン取引イベントは、取引対象、及び有価デジタルトークンの換算、支払い、譲渡、取引記録を含むが、これらに限らない。
【0017】
当該認証装置20は、設備上に設置され、当該設備は、電動自転車や電動バイク、電気自動車または電力駆動以外の乗り物等、草刈り機、電動ツール、コーヒーマシン、扇風機、掃除機または電力駆動以外の機器・装置等とすることができる。当該認証装置20は少なくとも、第2の処理装置21と、記憶装置22と、通信装置23と、検出モジュール25と、電力交換ユニット26を含み、そのうち当該第2の処理装置21は、内蔵プログラムの実行と各種データの処理に用いることができ、当該記憶装置22は当該第2の処理装置21に接続され、プログラムと各種データの保存に用いられ、当該通信装置23は、当該第2の処理装置21に接続され、当該認証装置20と当該取引管理ホスト10及び当該炭素コイン装置30が接続を行い、各種コマンドとデータを送受信するために用いられ、かつ当該通信装置23は、WiFiモジュール、Bluetoothモジュール、近距離無線通信(NFC)モジュール、イーサネット(Ethernet)またはそのうち少なくとも2つの組み合わせなど、無線または有線の接続技術とすることができ、当該検出モジュール25は、接続設備に設置されたGPS部材、トルク検出部材、回転速度検出部材、速度検出部材、消費エネルギー検知部材等のセンサー部材とすることができ、設備の移動距離、動力出力、モーター回転速度、運動速度、電力使用量等に関するデータの検出に用いられる。また、一部の実施例によれば、当該第2の処理装置21はさらに電力交換ユニット26が接続され、当該炭素コイン装置30との間で電力伝送を行うために用いられる。そのうち、当該電力交換ユニット26は、電力管理ユニット261と、当該電力管理ユニット261に接続された少なくとも1つの電力接続ポート262及び少なくとも1つの蓄電装置263を含むことができ、そのうち、当該電力管理ユニット261は各当該電力接続ポート262を介して各当該蓄電装置263に出入力される電力を管理することができる。
【0018】
当該炭素コイン装置30は、少なくとも、第3の処理装置31と、記憶装置32と、通信装置33と、炭素量計算モジュール34を含み、そのうち、当該第3の処理装置31は、内蔵プログラムの実行と各種データの処理に用いることができ、当該記憶装置32は、当該第3の処理装置31に接続され、プログラム、有価デジタルトークン及び各種データの保存に用いることができ、当該通信装置33は、当該第3の処理装置31に接続され、当該炭素コイン装置30と当該取引管理ホスト10及び当該認証装置20が接続を行い、各種コマンドとデータを送受信するために用いられ、かつ当該通信装置33は、WiFiモジュール、Bluetoothモジュール、近距離無線通信(NFC)モジュール、イーサネット(Ethernet)またはそのうち少なくとも2つの組み合わせなど、無線または有線の接続技術とすることができ、当該炭素量計算モジュール34は、当該第3の処理装置31に接続され、設備上の認証装置20の検出モジュール25が検出したGPS記録、移動距離、出力トルク、モーター回転速度、移動速度、電力使用量等のデータに基づき、第1の炭素排出量の計算を行い、当該記憶装置32内に保存するために用いることができる。さらに、一部の実施例によれば、そのうち当該第3の処理装置31にはさらに電力貯蔵ユニット35が接続され、当該電力貯蔵ユニット35は当該認証装置20の電力交換ユニット26との間で電力変換を行うために用いることができ、当該電力貯蔵ユニット35は、電力管理ユニット351と、少なくとも1つの電力接続ポート352と、少なくとも1つの蓄電装置353を含むことができ、そのうち、当該電力管理ユニット351は各当該電力接続ポート352を介して各当該蓄電装置353に出入力される電力を管理するために用いることができ、そのうち、当該蓄電装置353の電力は、グリーン電力や太陽光発電、風力発電など外部接続されたグリーンエネルギー設備に由来してもよく、かつ当該電力貯蔵ユニット35は当該第3の処理装置31に接続し、炭素量計算モジュール34と連携して炭素排出量の計算を行うことができる。
【0019】
本発明は実際の使用時、図1図2に示すように、当該取引管理ホスト10を通じて、少なくとも1つの個別会員の炭素コイン装置30が少なくとも1つの認証装置20において炭素削減量を利用して行う取引について、炭素コイン取引イベントを生成することができ、当該炭素コイン取引イベント情報のデータを効果的に記録・保存・統計・管理することができる。図3に示すように、本発明の炭素コイン取引方法のフローチャートは、次の工程を含む。
【0020】
a、少なくとも1つの取引者がその炭素コイン装置を利用して少なくとも1つの認証装置の消費エネルギーデータを受け取り、炭素コイン取引イベントを生成する。
b、前述の炭素コイン装置は当該炭素コイン取引イベントの消費エネルギーデータに基づき、第1の炭素排出量の計算を実行する。
c、当該炭素コイン取引イベントのデータを取引管理ホストにアップロードする。
d、当該取引管理ホストは当該炭素コイン取引イベントのデータに基づき、取引者から代替宣告を取得し、当該代替宣告の内容に基づき、第2の炭素排出量の計算を実行する。
e、当該取引管理ホストは当該第1の炭素排出量、第2の炭素排出量に基づき、取引者が獲得できる有価デジタルトークンを算出する。
f、当該取引管理ホストが当該炭素コイン取引イベントの管理を行う。
g、当該取引管理ホストが、当該炭素コイン装置により実行された当該取引について、当該炭素コイン装置中の有価デジタルトークンの記録を更新する。
【0021】
本発明の実際の使用方法は、以下の実施例からさらに理解することができる。
【実施例0022】
車両(電動バイクまたは電動アシスト自転車)の炭素コイン取引
【0023】
図4図5に示すように、当該車両に認証装置20が設置され、個別会員の炭素コイン装置30と相互に連結することができ、かつ当該認証装置20または炭素コイン装置30がさらに当該取引管理ホスト10と相互通信し、コマンドとデータの伝送を行うことができる。操作時は、まず、当該車両を起動して走行させるとき、当該認証装置20が検出モジュール25のGPS部材、トルク検出部材、回転速度検出部材、速度検出部材、消費エネルギー検出部材等のセンサー部材を通じて当該車両が今回の運行後、移動距離、動力出力、モーター回転速度、運動速度、電力使用量等を含むがこれらに限らない消費エネルギーデータを検出し、また当該炭素コイン装置30と当該認証装置20が通信装置33、23を利用して相互接続し、前述の消費エネルギーデータを受け取り、炭素コイン取引イベントを生成することができる。次に、当該炭素コイン装置30が前述の消費エネルギーデータを受け取った後、当該炭素コイン装置30の炭素量計算モジュール34を通じて当該車両の今回の運行の第1の炭素排出量を計算する。その後、当該炭素コイン装置30は自ら、または当該認証装置20を通じて、当該第1の炭素排出量等の消費エネルギーデータを含む当該炭素コイン取引イベントを当該取引管理ホスト10にアップロードすることができる。続いて、当該取引管理ホスト10の宣告計算モジュール15が、アップロードされた当該炭素コイン取引イベントのデータに基づき、当該車両の取引者に対して代替宣告の照会(取引者の当該移動の他の代替案を含むが、これに限らない)を送信し、かつ公告された標準炭素排出パラメーター等のデータに基づいて第2の炭素排出量を計算する。続いて、当該取引管理ホスト10の宣告計算モジュール15がさらに、当該第1の炭素排出量と当該第2の炭素排出量の差異に基づき、その他所定の参考データ(ボーナス係数など)を組み合わせ、取引者が取得できる有価デジタルトークンを算出する。さらに続いて、当該取引管理ホスト10は当該有価デジタルトークンを当該炭素コイン取引イベントに記録し、かつ個別会員管理モジュール14と取引イベント管理モジュール16内の関連記録を更新し、後続の管理に提供する。最後に、当該取引管理ホスト10は当該有価デジタルトークンのデータを当該取引者の炭素コイン装置30中にダウンロードし、更新を行う。これにより、当該取引者は当該炭素コイン装置30中の有価デジタルトークンを使用して有価取引を行い、炭素コイン取引全体を完了することができる。
【0024】
一部の実施例によれば、当該炭素コイン装置30はさらに電力貯蔵ユニット35を備え、かつ当該電力貯蔵ユニット35の蓄電装置353中の電力は、グリーン電力または外部接続されたグリーンエネルギー設備に由来してもよく、当該炭素コイン装置30から当該認証装置20を介してグリーン電力を当該車両に供給し、第1の炭素排出量をさらに抑え、取引者が得られる有価デジタルトークンをさらに増やすことができる。
【実施例0025】
設備(電動設備または電力設備)の炭素コイン取引
【0026】
図6図7に示すように、電気ポットなどの設備に応用する場合、当該設備の電源に認証装置20が接続され、個別会員の炭素コイン装置30と当該認証装置20が相互に連結され、かつ当該認証装置20または炭素コイン装置30がさらに当該取引管理ホスト10と相互通信し、コマンドとデータの伝送を行うことができる。操作時は、まず、当該設備を起動して加熱させるとき、当該認証装置20が検出モジュール25の消費エネルギー検出部材等のセンサー部材を通じて当該設備が今回の加熱後、電力使用量等を含むがこれらに限らない消費エネルギーデータを検出し、また当該炭素コイン装置30と当該認証装置20が通信装置33、23を利用して相互接続し、前述の消費エネルギーデータを受け取り、炭素コイン取引イベントを生成することができる。次に、当該炭素コイン装置30が前述の消費エネルギーデータを受け取った後、当該炭素コイン装置30の炭素量計算モジュール34を通じて当該設備の今回の加熱の第1の炭素排出量を計算する。その後、当該炭素コイン装置30は自ら、または当該認証装置20を通じて、当該第1の炭素排出量等の消費エネルギーデータを含む当該炭素コイン取引イベントを当該取引管理ホスト10にアップロードすることができる。続いて、当該取引管理ホスト10の宣告計算モジュール15が、アップロードされた当該炭素コイン取引イベントのデータに基づき、当該設備の取引者に対して代替宣告の照会(取引者の当該設備の他の加熱代替案を含むが、これに限らない)を送信し、かつ公告された標準炭素排出パラメーター等のデータに基づいて第2の炭素排出量を計算する。続いて、当該取引管理ホスト10の宣告計算モジュール15がさらに、当該第1の炭素排出量と当該第2の炭素排出量の差異に基づき、その他所定の参考データ(ボーナス係数など)を組み合わせ、取引者が取得できる有価デジタルトークンを算出する。さらに続いて、当該取引管理ホスト10は当該有価デジタルトークンを当該炭素コイン取引イベントに記録し、かつ個別会員管理モジュール14と取引イベント管理モジュール16内の関連記録を更新し、後続の管理に提供する。最後に、当該取引管理ホスト10は当該有価デジタルトークンのデータを当該取引者の炭素コイン装置30中にダウンロードし、更新を行う。これにより、当該取引者は当該炭素コイン装置30中の有価デジタルトークンを使用して有価取引を行い、炭素コイン取引全体を完了することができる。
【0027】
一部の実施例によれば、当該炭素コイン装置30はさらに電力貯蔵ユニット35を備え、かつ当該電力貯蔵ユニット35の蓄電装置353の電力は、グリーン電力とするか、外部のグリーンエネルギー設備に接続してもよく、当該炭素コイン装置30から当該認証装置20を介してグリーン電力を当該設備に供給し、第1の炭素排出量をさらに抑え、取引者が得られる有価デジタルトークンをさらに増やすことができる。
【0028】
前述から分かるように、本発明の炭素コイン取引システム及びその方法は、小規模企業や個人の小規模事業体が炭素コイン取引を行うことを可能にし、小規模事業体が脱炭素に参加し、脱炭素の利益を享受することを促進する。迅速かつ効果的に温室効果ガス排出削減目標を達成するためのインセンティブを小規模事業体に提供し、市場メカニズムの運用を通じて、炭素の総排出量を効果的に管理することができ、経済効果を生み出すとともに、製品の付加価値を高めることができる。
【符号の説明】
【0029】
10 取引管理ホスト
11 第1の処理装置
12 記憶装置
13 通信装置
14 個別会員管理モジュール
15 宣告計算モジュール
16 取引イベント管理モジュール
20 認証装置
21 第2の処理装置
22 記憶装置
23 通信装置
25 検出モジュール
26 電力交換ユニット
261 電力管理ユニット
262 電力接続ポート
263 蓄電装置
30 炭素コイン装置
31 第3の処理装置
32 記憶装置
33 通信装置
34 炭素量計算モジュール
35 電力貯蔵ユニット
351 電力管理ユニット
352 電力接続ポート
353 蓄電装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7