(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176941
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】木質材料パネルホットプレスおよび木質材料パネルホットプレスの操作方法
(51)【国際特許分類】
B30B 5/06 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
B30B5/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022127518
(22)【出願日】2022-08-10
(62)【分割の表示】P 2019507810の分割
【原出願日】2017-08-31
(31)【優先権主張番号】16187661.0
(32)【優先日】2016-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501206633
【氏名又は名称】スイス・クロノ・テック・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】SWISS KRONO Tec AG
【住所又は居所原語表記】Museggstrasse 14, 6004 Luzern, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドレーゲ、ペーター
(57)【要約】
【課題】本発明は、木質材料パネル(32)を製造するための木質材料パネルホットプレスに関する。
【解決手段】木質材料パネルホットプレス(12)は、入口側(30)と出口側(34)とを有し、木質材料パネル(32)を形成するために、入口側(30)に供給されたブランク(18)をプレスするように構成されている。本発明によれば、出口側(34)の木質材料パネル(32)の温度(T)を空間的に分解された方法で自動測定するように構成された温度測定装置(36)が提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質材料パネル(32)を製造するための木質材料パネルホットプレスであって、
前記木質材料パネルホットプレス(12)は、入口側(30)と出口側(34)を有し、前記木質材料パネル(32)を形成するために前記入口側(30)に供給されたブランク(18)をプレスするように構成され、
空間的に分解された方法で前記出口側(34)の前記木質材料パネル(32)の温度(T)を自動測定するように構成される温度測定装置(36)を有することを特徴とする木質材料パネルホットプレス。
【請求項2】
以下のステップを特徴とする方法を自動的に実行するように構成される制御ユニット(40)を有することを特徴とする請求項1に記載の木質材料パネルホットプレス。
(a)前記木質材料パネル(32)の左側領域における第1のポイント(S1)の第1の横方向温度(T1)の検出、
(b)前記木質材料パネル(32)の右側領域における第2のポイント(S2)の第2の横方向温度(T2)の検出、および
(c)前記第1の横方向温度(T1)が前記第2の横方向温度(T2)に近づくように前記木質材料パネルホットプレス(12)の少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)の変更。
【請求項3】
前記プロセスパラメータ(P)の調整は、
(a)低い前記温度(T)の側での押圧力(p)の増加、および/または
(b)高い前記温度の側での押付力(p)の減少、
を有することを特徴とする請求項2に記載の木質材料パネルホットプレス。
【請求項4】
以下のステップを有する方法を特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の木質材料パネルホットプレス。
(a)前記温度測定装置(36)を用いて測定された実測温度(TIst)と所定の目標温度(TSoll)との比較、および
(b)前記実測温度(TIst)が所定の温度差分ΔTuだけ前記目標温度(TSoll)より高い場合に、前記ブランク(18)の送り速度(v)の増加、および/または、
前記実測温度(TIst)が前記目標温度(TSoll)よりも所定の第2の温度差分ΔTuだけ低い場合に、前記送り速度(v)の減少。
【請求項5】
最大厚さ(d)が12ミリメートルの木質材料パネル(32)を製造するように構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の木質材料パネルホットプレス。
【請求項6】
木質材料パネル製造装置(10)であって、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の木質材料パネルホットプレス(12)と、
材料の流れ方向(M)において前記木質材料パネルホットプレス(12)の後方に配置されたノコギリ及び/又はトリミング装置(16)と、
を有することを特徴とする木質材料パネル製造装置。
【請求項7】
入口側(30)および出口側(34)を有し、前記入口側(30)から供給されたブランク(18)をプレスして木質材料パネル(32)を製造する木質材料パネルホットプレス(12)の操作方法であって、
前記出口側(34)で前記木質材料パネル(32)の温度(T)を自動、非接触、時間分解測定する工程と、
前記温度(T)に基づいて前記木質材料パネルホットプレス(12)の少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)を調整する工程と、
を有することを特徴とする木質材料パネルホットプレスの操作方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)は、前記ブランクの送り速度(v)、および/または、前記木質材料パネルホットプレス(12)の少なくとも1つのコンポーネントの熱出力(PHeiz)および/または前記温度(T)を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(a)木質材料パネル(32)の左側領域における第1のポイント(S1)の第1の横方向温度(T1)を検出する工程と、
(b)木質材料パネル(32)の右側領域における第2のポイント(S2)の第2の横方向温度(T2)を検出する工程と、
(c)前記第1の横方向温度(T1)が前記第2の横方向温度(T2)に近づくように前記木質材料パネルホットプレス(12)の前記少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)を調整する工程と、
を有することを特徴とする請求項7または8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
食い違いパラメータ(U)、特に前記木質材料パネル(32)の最高温度(Tmax)と最低温度(Tmin)との間の差分ΔT9を算出する工程と、
前記食い違いパラメータ(U)が所定の警告閾値(Uwarn)を超える場合に警告信号を発信する工程と、
を有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
(i)プレスベルトの不均一性を検出する工程と、
(ii)前記不均一性のために前記警告閾値を超えた場合に、前記警告信号の発信を抑制する工程と、
を有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記温度に基づく前記少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)の調整は、
(i)出力変数としてプロセスパラメータを与えるニューラルネットワークに対して入力変数として時間および位置に依存する温度値を入力する工程と、
(ii)前記木質材料パネル製造装置におけるこれらの前記プロセスパラメータを調整する工程と、
(iii)前記食い違いパラメータを最小にするように前記ニューラルネットワークを訓練する工程と、
を有することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の総称による木質材料パネルを製造するための木質材料パネルホットプレスに関する。第2の態様によれば、本発明は、そのような木質材料パネルホットプレスを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の木質材料パネルホットプレスは、例えばHDFパネルの製造において、繊維ケーキを木質材料パネルにプレスするのに使用される。この種のホットプレスは、連続的に運転されるものであるが、例えば欠陥を補修しなければならない場合や異なるパネル厚さを有する木質材料パネルを製造しようとする場合には停止させる。
【0003】
この種のホットプレスを可能な限り最高の速度で運転できることは有益である。しかし、供給速度が過度に速すぎると、製造された木質材料パネルに欠陥が生じるであろう。例えば、表面近くの材料欠陥、いわゆるスプリッター は、結果として生じる木質材料パネル中の蒸気気泡の存在によって発生し得るものであり、それは材料の破断を引き起こす。この種の木質材料パネルホットプレスを操作するための最適なプロセスパラメータは、経験値の助けを借りて機械オペレータによって選択される。この方法を用いて最適な送り速度を達成できるかどうかは知られていない。
【0004】
木質材料パネルホットプレスのプレスベルトの温度よりもむしろホットプレスの熱出力を調節することによって、始動工程中の無駄を減らすことが提案されている。このアプローチは無駄を減らすものであるが、廃棄物をさらにもっと減らすものであることが望ましい。
【0005】
欧州公開第1526377号公報には、前触れ(プリアンブル)による木質材料パネルホットプレスが記載されている。サーモグラフィーカメラは、欠陥のある木質パネルを識別してふるい落とすため、またはホットプレスが作動している速度を監視するために使用される。これは、赤外線カメラで記録されたサーモグラムを参照サーモグラムと比較することによって達成される。これにより、欠陥のある木質材料パネルのさらなる処理を防止し、不正確な流速によって引き起こされる無駄を回避することができる。それはさらに無駄の率を減らす助けとなる。国際公開第01/35086号公報には、表面欠陥を検出するためにサーモグラフィーカメラを利用する試験片の非接触検査のための装置が記載されている。
【0006】
2005年5月2日から4日までドイツのハノーバーで開催された第14回木材の非破壊試験シンポジウム「木材および木材ベース材料の欠陥のサーモグラフィー検出」と題するペー・マインシュミッツの論文で、彼は木質材料パネルの欠陥を検出するためにサーモグラフィーが使用されると述べている。
【0007】
米国公開第2001/0042834号公報には、第1画像のキャプチャに続いてコンピュータ生成モデルを生成することによってどのように欠陥が検出され得るかが記載されている。第2のキャプチャ画像とモデルに基づいて計算された結果との間の差が比較される。
【0008】
欧州公開2927003号公報には、後続の印刷から印刷画像を得るための空間温度分布の検出が記載されており、この印刷画像は経時的に可能な限り変化が少ない。この種の方法は、後で補正するのには適しているが、温度分布の不均一性を防止することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は木質材料パネルの生産品を改良することを目的とする。
【0010】
本発明は、請求項1の特徴を有するプリアンブルに従う木質材料パネル熱プレスによって問題を解決する。第2の態様によれば、本発明は請求項7の特徴を有する方法によって問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、木質パネルホットプレス内部の熱的および機械的プロセスを非常に正確に特徴付けられる出口側の木質パネルの表面温度が、木質材料パネルホットプレスのプロセスパラメータを調整するのに十分であるという知識に基づいている。木質材料パネルホットプレス内部の温度を測定することが長年にわたって先行技術において一般的であったことを考えると、これは驚くべきことである。しかしながら、これまでに使用されてきた温度センサは、調整を実行するために使用できる信号を伝達することができないことが判明している。公知の温度センサは、製造されている木質材料パネルの表面から比較的大きな距離に配置されている。換言すれば、先行技術では木質材料パネルの表面上の温度ではなく、むしろプレス機の温度を測定している。プレス機から木質材料パネルへの熱伝達が変化すると、たとえ木質材料パネルホットプレスの温度が一定のままであっても、これは木質材料パネルの特性を変える。
【0012】
驚くべきことに、出口側の木質材料パネルの表面は、表面の他の部分とはかなり異なる局所的温度を示し得ることも判明している。したがって、従来技術の木質材料パネルホットプレスでは、内部の一点で測定された温度は変化しないが、木質材料パネル内の温度分布、したがって(局所的な)欠陥率が変化する可能性がある。
【0013】
木質材料パネルの出口側の温度、特に表面温度が、木質材料パネルホットプレスにおける圧力および温度条件へのそのような広範な洞察を与え、それがさらに木質材料パネルホットプレスの調整のための測定値とは無関係であるということの知見が得られた。確かに、調整を行うためにさらなる測定値を使用することは可能であるが、それは必須ではない。このため、少なくとも1つのプロセスパラメータを調整することによって木質材料パネルの表面上の温度差を補正することは有益である。これにより、木質材料パネルの幅方向に沿った均質性が向上する。したがって、木質材料パネルのホットプレスは、それが木質材料パネルの欠陥に出合うまでの間は、より高い供給速度で運転することができる。
【0014】
木質材料パネルの温度が直ちに測定されるとすれば、好ましい実施形態に従って意図されているように、これらの温度と目標温度との比較を用いて、木質材料パネルホットプレスから得られた木質材料パネルへの熱伝達が所定の目標間隔内にあるかどうかを確かめることができる。幅にわたって平均された木質材料パネルの実測温度が木質材料パネルホットプレスのプレスベルトのプレスベルト温度から外れる場合、設置されていることが好ましいプレスベルト温度測定装置によって測定される温度が所定の閾値を超えているということの警告信号を発することができる。これは、ホットプレスから製造されている木質パネルへの熱伝達が中断されたことを示している。これは、例えば送り速度を遅くすることによって相殺することができる。代替的に又は付加的に、例えばそれが噴霧される液体の量を減少させること、又はこれを完全に停止させることによって、繊維ケーキの水分レベルを減少させることができる。
【0015】
非接触法を用いて温度を測定する場合は、温度センサと木質材料パネルとの間の接触条件は無関係である。したがって温度の測定は特に正確である。木質材料パネルの表面特性はほとんど変化しないので、例えば赤外線カメラを用いた非接触測定は、低い程度の系統的な測定の不確実性しか伴わないことも証明されている。
【0016】
本明細書の範囲内において、木質材料パネルは、特に木質繊維パネル、HDFパネル、OSBパネルまたはチップボードを意味するものと理解されるべきである。繊維ケーキが連続的にシステムに供給されるならば、それは特に有益なことである。換言すれば、木質材料パネルホットプレスが連続プレスである場合、それは有益なことである。
【0017】
温度測定装置は、この値を用いて温度を推定することができるように、木質材料パネルの温度、特に表面温度に相関する測定値を生成することができる装置を意味するものと特に理解されるべきである。この温度測定装置は、温度スケールに関して温度を測定するように構成されることが可能であるが、必須のものではない。温度測定装置が華氏、摂氏、または他の温度スケールで温度を表示するものであれば特に有利である。しかしながら、入口側の繊維ケーキの温度またはランダムではあるが固定された、選択された基準温度などの所定の基準温度に対する温度の変化を単純に測定することも可能である。既存の温度信号、例えば電気信号や符号化信号であっても差し支えない。このように、温度は、例えば、電圧、抵抗、または最高スペクトル密度の波長によって表わすことができる。
【0018】
「非接触測定」の用語は、温度を識別するために木質材料パネルと測定装置との間の物理的接触が必要とされないことを意味すると理解されるべきである。
【0019】
「空間分解測定」の用語は、少なくとも3個、好ましくは少なくとも5個、特に好ましくは少なくとも10個の測定値が木質材料パネルの幅の拡がりに沿って記録されることを意味するものと理解されるべきである。木質材料パネルホットプレスを通る木質材料パネルの材料の流れの方向に関して連続して2つ以上の温度値が記録される少なくとも1つのポイントが存在することは、有利かつ好ましい実施形態を表わす。このようにして連続的に測定された少なくとも2つ、好ましくはそれ以上の温度の平均を計算して、時間的変動が少ない温度の測定値を得ることが可能であり好ましい。
【0020】
温度測定装置は、木質材料パネルの全幅の少なくとも80%、特に少なくとも90%、好ましくは100%にわたって温度の空間分解測定を行うように設計されるのが好ましい。
【0021】
また方法パラメータとして知られていてもよいプロセスパラメータは、出口側の木質材料パネルの温度および/または温度分布に影響を及ぼす調整可能な機械パラメータを特に意味するものと理解されるべきである。例えば、プロセスパラメータは、繊維ケーキの供給速度、少なくとも1つの加熱回路の熱出力、または押圧力である。プロセスパラメータは、ベクタ、すなわち以下の(i)~(iv)を含むベクタのような順序付けされたn組とすることができる。
【0022】
(i)ホットプレスの異なるポイントでの押圧力、および/または
(ii)加熱回路の熱出力、および/または
(iii)プレスベルトが固定されているフレームまたはプレスベルトに力を伝達する装置の少なくとも1つの位置、および/または
(iv)フレームに対してプレスベルトに押圧力を伝達する構成要素の位置。
【0023】
プロセスパラメータは、特に以下のものからなるリストから選択される1つ、2つまたはそれ以上の変数である。
【0024】
第1の位置における押圧力
第1の位置とは異なる第2の位置での押圧力
第1および第2の位置とは異なる第3の位置での押圧力
最初の位置の温度
第1の位置とは異なる第2の位置の温度
第1および第2とは異なる第3の位置における温度
第1の加熱ストランドの熱出力
第1の加熱ストランドとは異なる第2の加熱ストランドの熱出力
総発熱量
繊維ケーキの水分レベル
繊維ケーキの温度
大気温度
木質材料パネルが材料の流れ方向に移動する送り速度
これらのうち特にパネルの送り速度は、その上に繊維ケーキおよび/または木質材料パネルが置かれるコンベヤベルトが駆動される少なくとも1つの駆動部の調整によって変更される。
【0025】
好ましい実施形態によれば、温度測定装置は温度を連続的に測定するように設計されている。これは特に温度が繰り返し測定されることを意味するものと理解されるべきである。特に、温度測定装置は、少なくとも10秒ごとに、好ましくは5秒ごとに、特に少なくとも毎秒1回、温度値を自動的に記録するように構成されている。温度値が少なくとも毎秒5回記録されれば特に有利であることが証明されている。これにより、温度変化に対する素早い対応が可能になる。
【0026】
好ましい実施形態によれば、温度測定装置は、最小限の遅延で温度を測定するように設計されている。最小の遅れで温度を測定することは、測定プロセスの開始と測定結果の生成との間に、体積要素が木質材料パネルのホットプレスを通過するのに必要な時間の半分、特に最大10秒、好ましくは最大1秒が経過することを意味するものと理解されるべきである。換言すれば、測定温度は、少し前の木質材料パネルの温度ではなく、現在の木質材料パネルの温度を非常に良好な近似値で示す。換言すれば、温度測定装置は、温度の測定値が瞬間的に十分に良好な近似値と見なされるように温度を測定するように設計されている。
【0027】
温度測定装置が出口側の温度を測定するように設計されているという特徴は、ホットプレスから木材材料パネルへの熱伝達が終了するポイントと温度が測定される材料流れ方向の最初のポイントとの間の距離が最大2m、好ましくは最大1mであることを特に意味するように理解されるべきである。
【0028】
温度測定装置は赤外線カメラを有している。この赤外線カメラは、例えばビデオカメラであり、1秒間に複数の画像を捕捉するように設計されている。赤外線カメラの利点は、1回の測定サイクルで多数の個々の温度測定点を取得できることにある。赤外線カメラは、対応するCCDチップを有するCCDカメラであることが好ましい。このCCDチップは、少なくとも200×50画素を有することが好ましい。赤外線カメラを使用して、木質材料パネルの温度を迅速かつ正確に決定し、高度のプロセス信頼性を得ることができる。
【0029】
木質材料パネルホットプレスは、(a)木質材料パネルの左側領域の第1ポイントにおける第1の横方向温度を検出する工程、(b)木質材料の右側領域の第2ポイントにおける第2の横方向温度を検出する工程、および(c)前記第1の横方向温度が前記第2の横方向温度に近づくように、特に2つの温度間の差が減少するように、ホットプレスの少なくとも1つのプロセスパラメータを補正する工程、を特徴とする方法を自動的に実行するように構成された制御ユニットを有する。局所的な温度差が気泡のような材料欠陥につながる可能性があることが判明している。
【0030】
プロセスパラメータの変更は、温度が低い側の押付力の増加である。プレス力が増加すると、木質材料パネルホットプレスから - 特に循環プレスベルトから - 木質材料パネルへの熱伝達がより効率的になって木質材料パネルの温度が上昇する。通常、定常運転中において押し付け力が非常に大きいために押し付け力の変化が熱伝達に対して有意な変化をもたらさないと想定されていたので、押し付け力の変更が木質材料パネルの温度にかなりの影響を及ぼすということは驚くべきことである。
【0031】
代替的に又は付加的に、温度が低い側の押圧力を増大させるために、プロセスパラメータの調整は、温度が高い側の押圧力の減少を含むことができる。
【0032】
木質材料パネルホットプレスは加熱装置を有することが好ましく、それによって木質材料パネルホットプレスの1つの循環プレスベルトをその幅方向に異なる局所温度に加熱することができる。特に、加熱装置は、互いに隣接して配置され、異なる温度に制御または調整することができる少なくとも2つ、好ましくは3つの加熱領域を含む。
【0033】
換言すれば、プロセスパラメータの調整は、温度が高い側の押圧力に対する温度が低い側の押圧力の増加を含むことができる。さらに、プロセスパラメータの調整は、より高い温度を有する側と比べてより低い温度を有する側における熱出力Pおよび/または温度Tの局所的な増加であってもよく、またはそれを含んでもよい。もちろん、第1の横方向温度が第2の横方向温度に近づくように、2つ以上のプロセスパラメータを変更することが可能である。
【0034】
左側領域とは、特に、木質材料パネルの左側から材料の流れ方向に向かって木質材料パネルの幅の0.4倍、特に0.33倍まで延びる領域を意味するものと理解されるべきである。それに対応して、右側領域は、具体的には、右側縁から外側幅の0.4倍、特に0.33倍まで延びる木質材料パネルの領域である。
【0035】
好ましい実施形態によれば、この方法は以下のステップを含んでおり、温度測定装置を用いて測定された実測温度と所定の目標温度とを比較すること; 実測温度が目標温度よりも所定の差温度だけ高い場合には繊維ケーキの供給速度を増加させ、および/または実測温度が目標温度よりも所定の第2の差温度だけ低い場合には供給速度を減少させること; 実測温度が目標温度より少なくとも所定の差温度だけ高くもなく、また目標温度よりも所定の第2の差温度だけ低くもない場合、供給速度は変化しないままであることが好ましい。
【0036】
代替的または追加的に、実測温度が目標温度よりも所定の温度差だけ高い場合は、熱出力および/またはホットプレス、特にプレスベルトの温度は低下する。実測温度が目標温度よりも所定の温度差だけ低い場合は、熱出力および/または温度は増加されることが好ましい。
【0037】
送り速度が少なくとも木質材料パネルの幅にわたって平均された温度によっても調整されると有利である。当然ながら、制御介入が行われる前に、送り速度の調整および熱出力または熱プレスの温度の調整のために、温度差の範囲を用いることが可能である。
【0038】
第1の温度差および/または第2の温度差が最大5ケルビンであると有利である。温度差の合計が最大5ケルビン、特に最大3ケルビンであれば特に有利である。従って、木質材料パネルの温度を狭い温度範囲内に保持することが可能である。これにより無駄が少なくなる。
【0039】
パネルの厚さが5~6mmの場合、目標温度を好ましくは100℃~110℃、特に102℃~108℃とする。パネルの厚さが7~8mmの場合、目標温度を好ましくは121℃~131℃、好ましくは123℃~129℃とする。これにより高品質の木質パネルの製造が可能になることが判明している。
【0040】
木質材料パネルホットプレスは、少なくとも2.5ミリメートル、特に少なくとも3.0ミリメートル、好ましくは少なくとも5ミリメートルのパネル厚さを有する木質材料パネルを製造するように設計されるのが好ましい。特に、木質材料パネルホットプレスは、最大パネル厚さ8mm、特に最大12mm、好ましくは最大38ミリメートルの木質材料パネルを製造するように設計されている。好ましくはHDFパネルである薄い木質材料パネル、特に5~8ミリメートルのパネル厚さでは、プロセスパラメータに関して誤った選択をしてしまうと、特に急速な廃棄物の発生を招くおそれがある。このために本発明はこの種の木質材料パネルの製造に特に有利である。
【0041】
本発明の木質材料パネルホットプレスと、木質材料パネルホットプレスの後方に材料の流れ方向に配置されたノコギリおよび/またはトリミングシステムとを有する木質材料パネル製造装置もまた本発明と一致するものである。
【0042】
木質材料パネルホットプレスは、好ましくは制御ユニットを特徴とする。制御ユニットは、本発明方法を自動的に実行するように構成されていることが好ましい。
【0043】
本明細書に記載されている操作工程が、休止時間に続くおよび/または1つの木質材料パネル形式から他のものへの製品変更に続くプレスの開始時に行われるのが好ましい。
【0044】
本発明方法は、好ましくは、食い違いパラメータ、特に木質材料パネルの最高温度と最低温度との間の差分を算出するステップを含む。食い違いパラメータは、出口側の木質材料パネルの温度の不均一性の尺度である。例えば、食い違いパラメータは、空間的に分解された方法(空間分解法)で測定された温度T(y)から決定され、そのy座標は材料の流れ方向に対して横方向に測定される。
【0045】
食い違いパラメータは、例えば、幅方向における温度分布のばらつき又は標準偏差であってもよい。食い違いパラメータは、例えば、木質材料パネルの最高温度と最低温度との間の差分であってもよい。食い違いパラメータを計算するために使用されるデータは、所定の範囲にわたる時間的および/または空間的平均化によって得られた測定温度の生データから得ることができる。
【0046】
食い違いパラメータは、空間的に分解された方法で測定された温度が目標温度分布からどの程度逸脱しているかを表す値を意味するように特に理解されるべきである。
【0047】
本発明方法は、好ましくは、差分が所定の警告閾値を超える場合に警告信号を発することを含む。
【0048】
この警告信号を人間に知覚させることは可能ではあるが必須ではない。特に、警告信号が純粋に電気的であることも可能である。木質材料パネルホットプレスの少なくとも1つのプロセスパラメータが、警告信号の結果として食い違いパラメータが減少するように変化することも可能であるが、必須ではない。例えば、これは、押圧力の局所的変化および/または熱出力および/またはホットプレスの温度の局所的変化を含み得る。
【0049】
本発明方法は、好ましくは、(i)プレスベルトの不均一性の検出、および(ii)不均一性のために警告しきい値を超えた場合に警告信号の放出の抑制を含む。このような不均一性は、例えば、欠陥部分の除去および再配置によるプレスベルトの修理の結果として生じる。交換された部分とプレスベルトの残りの部分との間の接合部を囲む領域では、プレスベルトから繊維ケーキへの異なる熱伝達が起こり、それは木質材料パネルの局所的温度に現われる。独特の温度パターンが出現し、それはプレスベルトの循環当たり1回出現する。この温度パターンの結果として警告しきい値を超えた場合、プロセスの中断を構成するものではないため、警告メッセージは発信されない。
【0050】
温度パターンは、それがプレスベルトの循環当たり正確に1回発生すること、および/または交換された部分の形状をとることによって認識することができる。温度パターンは、例えば、画像認識によって認識されるか、または不均一性として1回手動で識別される。その位置は、プレスベルトの循環速度と、温度パターンが最後に出現してから経過した時間とを用いて算出される。
【0051】
不均一性の検出を含むステップは、好ましくは(i)プレスベルトの循環時間の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも4倍の期間にわたる、木質材料パネルホットプレスの出口側の木質材料パネルの温度の測定、および(ii)循環時間にわたって周期的に現れる平均温度からの偏差の排除、を有する。これにより、木質材料パネルの温度のそのような変動を識別することが可能になる。
【0052】
例えば、循環時間を通して周期的に現れる平均温度からの偏差の排除は、例えば時間に依存する温度データの初期フーリエ変換を実行することによって起こり得る。これは温度データのスペクトルを生成する。このスペクトル内で、プレスベルトの循環周波数に属する成分が除去され、得られたスペクトルは次に逆フーリエ変換にかけられる。これにより、プレスベルトによってのみ引き起こされる温度データが得られる。
【0053】
警告信号の発生の抑制は、例えばプレスベルトによって生じる温度差によって温度測定値を補正することによって行うことができる。このようにして得られた補正温度測定値のスペクトルは、循環頻度に属する成分を特徴としない。
【0054】
温度測定値が温度差によって補正されるという事実は、該当する場合には負の温度差がそれぞれの温度測定値に加算されることを意味する。温度差は、一般に、木質材料パネルの材料の流れ方向に対して垂直な幅座標に関して、時間依存性(そして循環頻度と周期的)および位置依存性である。
【0055】
異質性の検出を自動的に行うことは可能であるが、必須ではないことに留意すべきである。特に、不均一性にフラグを立て、不均一性に起因する温度差の位置を計算し、温度測定値を温度差によって自動的に補正することが可能である。
【0056】
好ましい実施形態によれば、温度に基づく少なくとも1つのプロセスパラメータの調整は、(i)ニューラルネットワークへの入力変数としての時間および位置に依存する温度値の入力、ここで、ニューラルネットワークは、プロセス変数を出力変数として与え、これらのプロセスパラメータの調整を木質材料パネル製造に与えること、ニューラルネットワークは、好ましくは赤外線カメラで測定された温度測定値と所定の目標温度分布との間の偏差を最小にするように訓練されること、のステップを含む。
【0057】
目標温度分布は、例えば、時間にかかわらず、材料の流動方向に沿った位置に関して各ポイントで同じ値を有する一様な温度分布である。材料の流れの方向に沿った距離が増すにつれて、木質材料パネルが冷えるにつれて温度が低くなる可能性がある。
【0058】
特に、この方法は、時間依存の温度測定値に従う制御ユニットによる、少なくとも1つのプロセスパラメータ、特に少なくとも2つのプロセスパラメータ、特に好ましくは少なくとも3つのプロセスパラメータの自動調整を行うステップを含み、少なくとも1つのプロセスパラメータは、ニューラルネットワークによって計算される。ニューラルネットワークは、好ましくは少なくとも1つの隠れ層、好ましくは少なくとも3つの隠れ層を有する。
【0059】
ニューラルネットワークは、好ましくはディープラーニングによって訓練されている。このために、時間依存プロセスパラメータおよび時間依存温度測定値が入力として使用される。出力はプロセスパラメータであり、木質材料パネルホットプレスで調整される。最小化されるべき変数は、目標温度分布からの温度値の偏差である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
以下、添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【
図1】
図1は、本発明に係る木質材料パネルホットプレスの概略図である。
【
図2】
図2は、温度測定装置を用いた温度測定の測定結果を示す図である。
【
図3】
図3は、その構造は本質的に
図1による構造に対応しているが、その熱回路が互いに隣接して配置されている本発明の木質材料パネルホットプレスの概略図である。
【
図4】
図4は、温度測定値に反映させる
図1の木質材料パネルホットプレスのプレスベルトの不均一性を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、木質材料パネルホットプレス12と、材料の流れ方向で木質材料ホットプレス12の前方に配置されたスプレッダ14(例えば、ペンディスター)と、(ホットプレスの)後方に配置されたノコギリ装置16と、を有する本発明による木質材料パネル製造装置10を概略的に示す。スプレッダ14は、接着剤で被覆された木質繊維からなる連続繊維ケーキ18を循環コンベヤベルト上に広げるように設計されている。
【0062】
木質材料パネルホットプレス12は、例えばバー22.1、22.2、…によって、押圧力Fpを受ける循環する第1のプレスベルト20.1を有する。プレスベルト20.1は、金属シート、例えばステンレス鋼で作製される。
【0063】
木質材料パネルホットプレス12は、それが多数のバーを特徴としていることからそのなかで中断がある。繊維ケーキ18は第2の循環プレスベルト20.2上にあり、これは第1のプレスベルト20.1と同じ速度で循環する。
【0064】
木質材料パネルホットプレス12は加熱装置24を特徴とし、それによってプレスベルト20をパイプ26.1、26.2、…によって加熱することができる。伝熱流体28がパイプ26内を循環し、この流体が加熱装置24の構成要素であるボイラなどの熱発生器(図示せず)によって加熱されるようになっている。熱伝達流体28は、加熱プレートおよび/またはローリングバーを介して熱をそれぞれのプレスベルト20.1、20.2に伝達する。そこから、熱は繊維ケーキ18に移行される。
【0065】
本実施形態では、加熱装置24はいくつかの加熱回路29.1、…、29.nを含み、nは例えばn = 3、4、5、6、7、8または9である。より多くの加熱回路を有することが可能である。加熱回路29.nは、この場合にはその全幅にわたって繊維ケーキ18を加熱するように構成されており、材料の流れ方向Mに順次配置されている。しかし、
図3に示すように、2つの加熱回路を互いに隣接して配置することが代替的または追加的に可能である。
【0066】
各加熱回路29.1、…、29.nに対して、木材パネルホットプレス12は少なくとも1つの温度プローブ27.i(i = 1、…、n)を有する。この場合に、各加熱回路29.iは3つの温度プローブを有する。1つは流動温度(加熱回路に入るときの温度)を識別用であり、もう1つは戻り回路温度(加熱回路を出るときの温度)用であり、およびもう1つは加圧シートの温度用である。
【0067】
繊維ケーキ180は、入口側30で連続的に走行する木質材料パネルホットプレス12に連続的に入り、そこで木質材料32になるようにプレスされ、出口側34から木質材料パネルプレス12を出て行く。
【0068】
木質材料パネルホットプレス12は、多数のフレーム35.1、35.2、…、35.Mを有し、例えば、M=35である。フレーム35.mを使用して、フレーム35.mのそれぞれの領域内のプレスギャップを、木質材料パネルの幅に沿った少なくとも2つのポイント、好ましくは3つ以上のポイントで、すなわち木質パネルホットプレス12の垂直方向に調整することができる。これは、例えば、材料の流れ方向に関して、右側よりも大きいか又は小さい押圧力、および/またはより小さい押圧ギャップを左側に設定することができることを意味する。
【0069】
特に、バー22.i自体、またはバー22.iに押圧力を伝達する構成要素はそれぞれ、それぞれのフレーム35.mに取り付けることができる。フレーム35.mの位置またはフレーム35.mに対する構成要素の位置を変えることによって、プレスベルト20によって繊維ケーキまたは生産されている木質材料パネルに加えられる押圧力を変えることが可能である。
【0070】
赤外線カメラの形態の温度測定装置36が出口側34に配置されている。このカメラの視野38は、木質材料パネルホットプレス12の出口側34に木質材料パネル32を含んでいる。
【0071】
あるいは、温度測定装置36は、幅方向Bに関して互いに距離を置いて配置された多数の非接触温度センサを含んでもよい。
【0072】
温度測定装置36は、温度測定装置36からの温度測定データを評価する制御ユニット40に接続されている。この場合、制御ユニット40は、ケーブル(図示せず)を介して温度プローブ27.iにも接続されている。
【0073】
図2は、温度測定装置36を用いて捕らえた画像42を示す。温度T=T(x、y)は2つの空間方向x、yにおいて測定されることが認められる。温度Tは、木質パネル32の幅方向Bに沿って多数のポイント(x j、y j)(j = 1,2、…、N)で記録されている。ここで、N> 2が好ましく、N> 5が特に好ましく、またN <1000が好ましい。この場合、長手方向Lにおける温度Tのいくつかの測定値も連続して記録される。
図2の赤外線カメラを用いる温度測定方法は、
図2に示されるように、それが木質材料パネル32の温度T(x、y)の詳細画像をもたらすので特に有利である。
【0074】
制御ユニット40(
図1参照)は、例えば、この場合は領域A1を横切る算術平均として生成される第1の横方向温度T
1を取り込む。横方向温度T
1は第1のポイントS1に割り当てられる。この場合、ポイントS1は領域A
1の中点である。ポイントS1は、下側の部分画像に見られるように、木質材料パネル32の左側領域に位置しており、これは木質材料パネル32上の同じポイントを示し、明瞭さのために追加されている。
【0075】
さらに、第2のポイントS2において第2の横方向温度T2が識別され、それは木質材料パネル32の右側領域にある。第2の横方向温度T2もまた、温度測定装置36の画素範囲にわたる平均をとることによって識別される。
【0076】
制御ユニット40は、例えば、温度U=ΔT=|T
1-T
2|を含むことができる食い違いパラメータUを識別する。食い違いパラメータUが所定の警告閾値U
Warnを超える場合、制御ユニット40はプロセスパラメータPを修正する。このプロセスパラメータPは、例えば、バー22.i=1,2、…(
図1参照)がプレスベルト20を局部的にプレスする局所押圧力p=p(y)を指すことができる。プロセスパラメータPは、加熱装置24がプレスベルト20に伝達する熱出力P
Heizでもよい。
【0077】
高さM
0のような材料の流れ方向Mに沿った所定のポイントで全幅Bにわたる平均をとることによって、(平均の)実測温度T
Istを決定することが可能である。この実測温度T
Istが所定の目標温度T
Sollからそれより上のΔT
oまたはそれより下のΔT
uよりも大きく外れた場合、制御ユニット40は対応する警告信号を発することができる。機械のオペレータは送り速度vを増減することができる。あるいは、これは自動的に行われる。送り速度vは、木質材料パネル32(
図1参照)が材料の流れの方向に出口側の近傍を移動する速度を表す。
【0078】
図3に、加熱回路の配置とは別に、
図1の木質材料パネルホットプレス12と同じ方法で構成された本発明の木質材料パネルホットプレス12を通る水平部分断面A-Aを概略的に示す。加熱装置は、第1の加熱領域H
1を加熱することができる第1の加熱ストランド、第2の加熱領域H
2を加熱することができる第2の加熱ストランド、および第3加熱領域H
3を加熱することができる第3の加熱ストランドを含むことが認められる。あるいは、2つまたは4つ以上の加熱領域H
iを設けてもよい。加熱された領域当たり1つより多い加熱ストランドが存在することも可能である。加熱されたストランドの数は、加熱領域が異なると、異なっていてもよいし同じであってもよい。加熱領域は、材料の流れ方向Mに互いに隣接して配置されており、プレスベルト24の全幅をまとめて加熱する。温度T
iまたは加熱領域H
iおよび/またはその熱出力P
iは、互いに独立して調整することができる。
【0079】
本発明方法は、例えばメンテナンス目的または製品交換のために、例えば木質材料パネルホットプレスのために少なくとも15分間の休止時間を開始することによって実行される。まず最初に、定常運転中に見られるような平均よりも少ない熱が供給される。木質材料パネルは、出口側での定常運転中に見られるように平均より高い温度を示すことから始まる。例えば、例えば厚さ7.6mmの木質パネルの場合、全幅にわたって平均された温度は118±1℃である。この例では、送り速度はv=510mm/秒である。
【0080】
不完全な熱供給の結果として、この例では木質材料パネルの温度は再び114℃に低下し、もし温度がチェックされないとすれば、臨界的な温度不足をもたらすおそれがある。これらの温度不足はスプリッターをもたらし、それゆえ無駄になるかもしれない。したがって、この例では、送り速度を自動的にv=445mm/秒に低下させることが好ましい。プレスの流動温度および加熱板温度は上昇するが、パネルの表面温度は上昇しない。
【0081】
パネル温度が上昇するにつれて、全幅にわたって平均化された温度が目標温度TSoll124±1℃に到達し、かつ供り速度がその最大可能値または目標値v=530mm/秒に達するように、供り速度が、好ましくは自動的に増加する。これにはしばしば最大30分を要する。
【0082】
本発明方法は、また最初に木質材料パネルのパネル厚さを変えることによっても実施される。パネル厚が異なると、プレス温度および表面温度も異なる。例えば、厚さ12mmのパネルの全幅にわたって平均化された温度は、パネル厚さ5.5mmで126±1℃および110±1℃である。このため、プレスの熱出力は新たな生産に適応しなければならない。しかし、状況によっては、必要な熱出力はおおよそのものしか推定することができない。
【0083】
したがって、より薄いまたはより厚いパネル厚さを有する木質材料パネルの製造中において、熱出力および/または送り速度は、まず全幅にわたって平均された温度が5℃~7℃ずつ徐々に低下するように調整される。次いで、パネルの厚さを調整する。送り速度vは全幅にわたる温度平均を用いて予め選択される。次いで、個々の加熱回路の送り速度vおよび熱出力Pが温度を用いて調整される。
【0084】
本発明方法の範囲内で、最大差分ΔTBの形式での食い違いパラメータUは、いくつかの別々のユニットを含むことができる制御ユニット40によって自動的に計算されることが好ましい。このために、温度値T(y)は少なくとも5個、特に少なくとも10個、好ましくは等距離の評価範囲Ajに分類される。評価範囲は、例えば二次元区間である。
【0085】
評価範囲Ajは、数学的な意味で、木質材料パネルの全幅の少なくとも80%、特に少なくとも90%にわたる測定値の区分を形成することが好ましい。しかしながら、全ての評価範囲の合計が木材材料パネルの全幅を含まず、むしろ、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%または少なくとも80%を含むことも可能である。
【0086】
次いで、各評価範囲Aj内の温度の平均値が算出される。このようにして得られた評価範囲温度は、食い違いパラメータUとして最大差ΔTBを算出するために用いられる。
【0087】
不一致パラメータUが、例えば、Uwarn=3℃の所定の警告閾値を超える場合、それは、材料の流れの方向にわたってパネル品質の差の増大をもたらす可能性がある。これは、低温側の押付力pを大きくすることによって打ち消される。
【0088】
これにより、例えば、材料流れ方向の連続プレスの後部高圧領域に存在する比押圧力の20%~50%の圧力均等化によって、食い違いパラメータUを4℃から1℃に減少させることが可能になる。
【0089】
例えば、厚さ5.5mmの木質材料パネルの製造中に、U=4℃の食い違いパラメータが測定された場合、ここで、より高い温度は、材料の流れ方向において木質材料パネルの右側部分にあり、残りの評価範囲温度は、1℃未満だけ異なる。熱プレスの右側領域、とくに右側高圧領域での加圧力は35%増加する。これによって食い違いパラメータが1℃以下に減少する。
【0090】
本発明方法の範囲内で、木質材料パネルの平均温度が所定の目標温度より低い場合に、全熱出力PHeiz、gesamtおよび/または第1、第2またはいくつかの加熱回路29.jの熱出力の形式でのプロセスパラメータは、好ましくは増加される。送り速度が所定の最大速度vmaxを有する場合、これは特に適切である。
【0091】
例えば、パネルの厚さが7.6±0.5ミリメートルの場合、目標温度TSoll=123±1℃およびv=vmax=540mm /秒である。例えば、木質材料パネルの全幅にわたって平均化された温度が118℃である場合、好ましくは流動温度を上昇させることによって全熱出力PHeiz、gesamtが上昇する。この例では、少なくとも1つの加熱回路29.jに対して、しかし好ましくは2つ以上の加熱回路に対して流動温度Tin,jが例えば2℃上昇する。その結果、食い違いパラメータUが警告閾値を下回るように温度が目標温度に近づく。示されたステップは、人が警告信号を受信することなく自動的に実行され得る。
【0092】
図1は、少なくともいくつかのフレーム35.m、好ましくは大部分のフレーム35.mが、それぞれのアクチュエータ44.1,44.2,…によって力F
p,mを受けることができることを示している。アクチュエータ44.mは、例えば、概略的に図示された油圧供給によって力を受ける油圧シリンダを指すことができる。アクチュエータ44.mは、個々の力F
p,jがアクチュエータごとに異なるように設計されている。各押圧力F
p,mは、制御ユニット40によって個別に調整可能なプロセスパラメータPmを示す。アクチュエータ44.mは、各加熱回路29.iの熱出力または加熱流体の流動温度もまたさらなるプロセスパラメータPiとなるように設計されている。それらはまた、制御ユニット40によって調整することができる。また、木質材料パネルホットプレス12は、繊維ケーキ18が木質材料パネルホットプレス12に入る前に繊維ケーキ18中に含まれる含有水分レベルを測定するための湿度センサ46を備えることを特徴としている。この湿度センサ46は、制御ユニット40にも接続されている。
【0093】
さらに、木質材料パネルホットプレス12は、繊維ケーキ18が木質材料パネルホットプレス12に入る前に繊維ケーキ18の温度をとらえる第2の赤外線カメラを備えていると有利である。この第2の赤外線カメラ48も制御ユニット40に接続されている。
【0094】
制御ユニット40は、プロセス変数Piが入力変数として入力されるニューラルネットワークを特徴とするものである。さらに、空間的および時間的に分解された温度T(x、y、t)の測定値は、入力変数としてニューラルネットワークNに入力される。ニューラルネットワークNは、食い違いパラメータUが可能な限り小さくなるようにすることを教え込まれている。ニューラルネットワークによって計算されたプロセスパラメータPiは、有線接続を介して木質材料パネルホットプレスのそれぞれの構成要素に連続的に通信されるか、または無線で通信され、そこで(ホットプレス上で)調整される。
【0095】
図4に温度測定の概略イメージ42を示す。温度は、領域B1、B2、B3のみに限れば高い値T
hochであり、他の全ての領域では常温T
normalであると仮定されるべきである。より高い温度T
hochを有する領域B1、B2、B3は、プレスベルト20.1内の不均一性によって引き起こされる(
図1参照)。例えば、不均一性は、プレス板の構成要素が不良であり除去されたという事実によって引き起こされ得る。得られた隙間を交換部品で塞ぎ、プレス板の表面を平滑化した。
【0096】
本実施例では、プレス板の交換部分の熱伝導率が大きくなり、その結果、温度が高くなる。上昇した温度は、製造された木質材料パネルの品質とは無関係である。しかしながら、温度が変動した場合には、一方の領域Bにおいて所定の目標温度を一時的に超えることが容易に起こり得る。木質材料パネルの品質は危険にさらされないが、これは発せられるべき警告信号を引き起こす原因となる。
【0097】
このような事態を回避するために、領域Bの温度上昇は考慮されていない。このために、位置y0のような各y位置に対してフーリエ変換が行われる。繊維ケーキを前進させる送り速度は基本的に一定であるので、これらのフーリエ変換がx座標に関して行われるか、または相補的な時間座標に関して行われるかは関係ないことに留意されたい。温度上昇はプレスベルトの不均一性によって引き起こされるので、プレスベルトのベルト長さLBに対応する一定の間隔で繰り返される。プレスベルトには、プレスベルトが一周するのに要する循環時間TUが割り当てられている。
【0098】
このようにして計算されたフーリエ変換のスペクトルにおいて、ベルト長LBに割り当てられることができる成分は除去される。時間内のフーリエ変換が行われる場合、循環周波数fUに割り当てることができる周波数成分は除去され、循環周波数fUは循環時間TUの逆数である。次いで、このようにして得られた補正スペクトルに対して逆フーリエ変換が行われる。この温度信号は、もはやプレスベルトの不均一性によって引き起こされるいかなる成分も含まない。得られた補正温度データを用いて木質材料パネルホットプレスを調整する。
【符号の説明】
【0099】
10…木質材料パネル製造装置、12…木質材料パネルホットプレス、
14…スプレッダ(例えば、ペンディスタ)、16…ノコギリ装置、18…繊維ケーキ、
20…プレスベルト、22…バー、24…加熱装置、26…パイプ、27…温度プローブ、
28…伝熱流体、29…加熱回路、
30…入口側、32…木質材料パネル、34…出口側、35…フレーム、
36…温度測定装置、38…視野、
40…制御ユニット、42…画像、44…アクチュエータ、
46…湿度センサ、48…赤外線カメラ、
A…領域、B…幅方向、d…厚さ、Fn…押圧力、i,j,m…数値インデックス、
L…長手方向、M…材料の流れ方向、N…ニューラルネットワーク、
p…力、P…プロセスパラメータ、PHeiz…熱出力、
S…ポイント、t…時間遅れ、T…温度、
T1…第1の横方向温度、Tlst…実温度、TSoll…目標温度、
ΔTo…第1の温度差分、ΔTu…第2の温度差分、
ΔTg…ΔTg=Tmax-Tmin、
U…食い違いパラメータ、UWarn…警告閾値、v…送り速度
【手続補正書】
【提出日】2022-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質ボード(32)を製造するための木質ボードホットプレスであって、
前記木質ボードホットプレス(12)は、
(a)入口側(30)および出口側(34)を有し、
(b)前記入口側(30)に供給された繊維ケーキ(18)をプレスして木質ボード(32)を形成するように構成され、
(c)出口側(34)の前記木質ボード(32) の温度(T)を自動で非接触に時間分解測定するように構成され、赤外線カメラを備えた温度測定装置(36)を有し、
(d)制御ユニット(40)を有し、
(e)前記制御ユニット(40)は、以下のステップの方法を自動的に実行するように構成され、
(i)前記木質ボード(32)の左側の側面領域における第1のポイント(S1)の第1の側面温度(T1)を検出し、
(ii)前記木質ボード(32)の右側の側面領域における第2のポイント(S2)の第2の側面温度(T2)を検出し、および
(iii)第1の側面温度(T1)が第2の側面温度(T2)に近づくように、木質ボードホットプレス(12)の少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)を調整し、
(iv)前記プロセスパラメータ(P)の調整は、低温(T)側でのプレス力(p)の増加および/または高温側でのプレス力(p)の減少を含む、
ことを特徴とする木質ボードホットプレス。
【請求項2】
前記制御ユニット(40)は、以下のステップを有する方法を実行する機能を有する、
(a)温度測定装置(36)を用いて測定された実測温度(TIst)を所定の目標温度(TSoll)と比較し、
(b)前記実測温度(TIst)が前記目標温度(TSoll)よりも所定の第1の温度差ΔToだけ高い場合は、繊維ケーキ(18)の供給速度(v)を増加させ、および/または、前記実測温度(TIst)が前記目標温度(TSoll)より所定の第2の温度差ΔTuだけ低い場合は、前記供給速度(v)を減少させる、ことを特徴とする請求項1に記載の木質ボードホットプレス。
【請求項3】
最大厚さ(d)が12ミリメートルの木質ボード(32)を製造するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の木質ボードホットプレス。
【請求項4】
木質ボード製造装置(10)であって、
(a)請求項1乃至3のいずれか1項に記載の木質ボードホットプレス(12)と、
(b)前記木質ボードホットプレス(12)の後方に、材料の流れ(M)の方向に配置されたノコギリおよび/またはトリミング装置(16)と、
を備えることを特徴とする木質ボード製造装置。
【請求項5】
木質ボードホットプレス(12)を操作するための方法であって、
(a)前記木質ボードホットプレス(12)は入口側(30)と出口側(34)を有し、
(b)木質ボード(32)を製造するために以下のステップを実行する、
(i)前記出口側(34)の木質ボード(32)の温度(T)を自動で非接触に時間分解測定し、
(ii)木質ボード(32)の左側の側面領域における第1のポイント(S1)の第1の側面温度(T1)を検出し、
(iii)木質ボード(32)の右側の側面領域における第2のポイント(S2)の第2の側面温度(T2)を検出し、
(iv)前記第1の横方向温度(T1)が第2の温度(T2)に近づくように、温度(T)によって木質ボードホットプレス(12)の少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)を調整し、前記調整は低温側のプレス力の増加を含み、
これにより前記入口側(30)から供給された繊維ケーキ(18)をプレスして木質ボード(32)を得る、
ことを特徴とする木質ボードホットプレスの操作方法。
【請求項6】
(a)食い違いパラメータ(U)、特に木質ボード(32)の最高温度(Tmax)と最低温度(Tmin)との間の差分(ΔTg)を算出し、
(b)前記食い違いパラメータ(U)が所定の警告閾値(Uwarn)を超えた場合に警告信号を発する、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(i)前記木質ボードホットプレス(12)の前記プレスベルト(20)の不均一性を検出し、
(ii)検出した前記プレスベルトの不均一性が前記所定の警告閾値(Uwarn)を超えた場合、前記警告信号の発信を抑制する、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
最大厚さ(d)が12ミリメートルの木質ボード(32)が製造されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
(a)温度測定装置(36)を用いて測定された実測温度(TIst)を所定の目標温度(TSoll)と比較し、
(b)前記実測温度(TIst)が前記目標温度(TSoll)よりも所定の第1の温度差ΔToだけ高い場合、繊維ケーキ(18)の供給速度(v)を増加させ、および/または、実測温度(TIst)が目標温度(TSoll)よりも所定の第2の温度差(ΔTu)だけ低い場合、供給速度(v)を減少させる、
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
このようにして計算されたフーリエ変換のスペクトルにおいて、ベルト長LBに割り当てられることができる成分は除去される。時間内のフーリエ変換が行われる場合、循環周波数fUに割り当てることができる周波数成分は除去され、循環周波数fUは循環時間TUの逆数である。次いで、このようにして得られた補正スペクトルに対して逆フーリエ変換が行われる。この温度信号は、もはやプレスベルトの不均一性によって引き起こされるいかなる成分も含まない。得られた補正温度データを用いて木質材料パネルホットプレスを調整する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 木質材料パネル(32)を製造するための木質材料パネルホットプレスであって、
前記木質材料パネルホットプレス(12)は、入口側(30)と出口側(34)を有し、前記木質材料パネル(32)を形成するために前記入口側(30)に供給されたブランク(18)をプレスするように構成され、
空間的に分解された方法で前記出口側(34)の前記木質材料パネル(32)の温度(T)を自動測定するように構成される温度測定装置(36)を有することを特徴とする木質材料パネルホットプレス。
[2] 以下のステップを特徴とする方法を自動的に実行するように構成される制御ユニット(40)を有することを特徴とする[1]に記載の木質材料パネルホットプレス。
(a)前記木質材料パネル(32)の左側領域における第1のポイント(S1)の第1の横方向温度(T
1
)の検出、
(b)前記木質材料パネル(32)の右側領域における第2のポイント(S2)の第2の横方向温度(T
2
)の検出、および
(c)前記第1の横方向温度(T
1
)が前記第2の横方向温度(T
2
)に近づくように前記木質材料パネルホットプレス(12)の少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)の変更。
[3] 前記プロセスパラメータ(P)の調整は、
(a)低い前記温度(T)の側での押圧力(p)の増加、および/または
(b)高い前記温度の側での押付力(p)の減少、
を有することを特徴とする[2]に記載の木質材料パネルホットプレス。
[4] 以下のステップを有する方法を特徴とする[2]または[3]のいずれか1に記載の木質材料パネルホットプレス。
(a)前記温度測定装置(36)を用いて測定された実測温度(T
Ist
)と所定の目標温度(T
Soll
)との比較、および
(b)前記実測温度(T
Ist
)が所定の温度差分ΔTuだけ前記目標温度(T
Soll
)より高い場合に、前記ブランク(18)の送り速度(v)の増加、および/または、
前記実測温度(T
Ist
)が前記目標温度(T
Soll
)よりも所定の第2の温度差分ΔTuだけ低い場合に、前記送り速度(v)の減少。
[5] 最大厚さ(d)が12ミリメートルの木質材料パネル(32)を製造するように構成されることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1に記載の木質材料パネルホットプレス。
[6] 木質材料パネル製造装置(10)であって、
[1]乃至[5]のいずれか1に記載の木質材料パネルホットプレス(12)と、
材料の流れ方向(M)において前記木質材料パネルホットプレス(12)の後方に配置されたノコギリ及び/又はトリミング装置(16)と、
を有することを特徴とする木質材料パネル製造装置。
[7] 入口側(30)および出口側(34)を有し、前記入口側(30)から供給されたブランク(18)をプレスして木質材料パネル(32)を製造する木質材料パネルホットプレス(12)の操作方法であって、
前記出口側(34)で前記木質材料パネル(32)の温度(T)を自動、非接触、時間分解測定する工程と、
前記温度(T)に基づいて前記木質材料パネルホットプレス(12)の少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)を調整する工程と、
を有することを特徴とする木質材料パネルホットプレスの操作方法。
[8] 前記少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)は、前記ブランクの送り速度(v)、および/または、前記木質材料パネルホットプレス(12)の少なくとも1つのコンポーネントの熱出力(P
Heiz
)および/または前記温度(T)を有することを特徴とする[7]に記載の方法。
[9] (a)木質材料パネル(32)の左側領域における第1のポイント(S1)の第1の横方向温度(T
1
)を検出する工程と、
(b)木質材料パネル(32)の右側領域における第2のポイント(S2)の第2の横方向温度(T
2
)を検出する工程と、
(c)前記第1の横方向温度(T
1
)が前記第2の横方向温度(T
2
)に近づくように前記木質材料パネルホットプレス(12)の前記少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)を調整する工程と、
を有することを特徴とする[7]または[8]のいずれか1に記載の方法。
[10] 食い違いパラメータ(U)、特に前記木質材料パネル(32)の最高温度(T
max
)と最低温度(T
min
)との間の差分ΔT
9
を算出する工程と、
前記食い違いパラメータ(U)が所定の警告閾値(U
warn
)を超える場合に警告信号を発信する工程と、
を有することを特徴とする[7]乃至[9]のいずれか1に記載の方法。
[11]
(i)プレスベルトの不均一性を検出する工程と、
(ii)前記不均一性のために前記警告閾値を超えた場合に、前記警告信号の発信を抑制する工程と、
を有することを特徴とする[7]乃至[10]のいずれか1に記載の方法。
[12] 前記温度に基づく前記少なくとも1つのプロセスパラメータ(P)の調整は、
(i)出力変数としてプロセスパラメータを与えるニューラルネットワークに対して入力変数として時間および位置に依存する温度値を入力する工程と、
(ii)前記木質材料パネル製造装置におけるこれらの前記プロセスパラメータを調整する工程と、
(iii)前記食い違いパラメータを最小にするように前記ニューラルネットワークを訓練する工程と、
を有することを特徴とする[7]乃至[11]のいずれか1に記載の方法。
【外国語明細書】