(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176968
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/02 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
A61F13/02 310T
A61F13/02 380
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022130306
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】522328563
【氏名又は名称】健幸堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160990
【弁理士】
【氏名又は名称】亀崎 伸宏
(74)【代理人】
【識別番号】100200713
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 省吾
(57)【要約】
【課題】皮膚を容易に引っ張ることができる整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープを提供する。
【解決手段】整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1は、皮膚に粘着する粘着面を有するテープ本体3と、テープ本体3の粘着面とは反対側の面における幅方向Wの略中央に長手方向Lに沿って延びるように設けられ、テープ本体3と共に断面視で略T字型を構成する摘み4と、を備えている。この整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1は、粘着面を有する粘着テープ2が折り返されることで構成され、テープ本体3及び摘み4は、互いに一体に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚に粘着する粘着面を有するテープ本体と、
前記テープ本体の前記粘着面とは反対側の面における幅方向の略中央に長手方向に沿って延びるように設けられ、前記テープ本体と共に断面視で略T字型を構成する摘みと、を備えていることを特徴とする
整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ。
【請求項2】
前記粘着面を有する粘着テープが折り返されることで構成され、
前記テープ本体及び前記摘みは、互いに一体に構成されていることを特徴とする
請求項1に記載の整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ。
【請求項3】
長手方向に伸縮することを特徴とする
請求項1又は2に記載の整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープに関する。
【背景技術】
【0002】
ばね指(腱の癒着)や腰痛(筋々膜性腰痛)、また関節部の炎症や絞扼性神経障害の治療法として、患部の皮膚を指で引っ張り患部の皮下組織に陰圧を与える整膚が知られていて(例えば、特許文献1参照)、近年では筋膜リリース療法やファシアリリース療法等の一部もこれに含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような整膚・筋膜リリース療法やファシアリリース療法において、患部の位置や皮膚の状況によっては、皮膚を容易に引っ張ることができない場合があった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、皮膚を容易に引っ張ることで皮下組織の筋膜やファシア等に陰圧を与えることができる整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、皮膚に粘着する粘着面を有するテープ本体と、前記テープ本体の粘着面とは反対側の面における幅方向の略中央に長手方向に沿って延びるように設けられ、前記テープ本体と共に断面視で略T字型を構成する摘みと、を備えていることを特徴とする整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープである。
【0007】
本発明によれば、テープ本体の粘着面を保護する剥離紙をはがして皮膚に貼り付けるだけで使用することができる。また、本発明によれば、皮膚に貼り付けた後に摘みを引っ張るだけで、皮膚を容易に引っ張ることができる。さらに、本発明によれば、長手方向に沿って摘みが設けられているので、腱及び筋等が動く方向に沿って貼り付けた場合に、腱及び筋等が動く方向に沿って引っ張ることができる。さらに、靭帯・関節包の走行に沿って貼り付けた場合には、靭帯・関節包の走行に沿って引っ張ることができる。これにより、炎症および疼痛の改善等治療の効果を増大させることが期待できる。
【0008】
(2)本発明はまた、前記粘着面を有する粘着テープが折り返されることで構成され、前記テープ本体及び前記摘みは、互いに一体に構成されていることを特徴とする上記(1)に記載の整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープである。
【0009】
本発明によれば、粘着テープが折り返されることで、テープ本体及び摘みが互いに一体に構成されているので、構造が簡素であり、製造が容易で、さらに強度も増す。
【0010】
(3)本発明は、長手方向に伸縮することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープである。
【0011】
本発明によれば、長手方向に伸縮するので、腱及び筋等が動く方向に沿って貼り付けた場合に、腱及び筋等の広い範囲に陰圧を与えることができる。さらに、靭帯・関節包の走行に沿って貼り付けた場合に、靭帯・関節包の走行に沿って広い範囲に陰圧を与えることができる。これにより、広い範囲にも有効となり、炎症および疼痛の改善等治療の効果を増大させることが期待できる。また、本発明によれば、長手方向に伸縮するので、摘みを引っ張る力に対して、テープ本体が皮膚から剥がれにくくなる。これにより、治療時間および効果の持続性が期待できる。
【発明の効果】
【0012】
上記(1)~(3)に記載の整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープによれば、皮膚を容易に引っ張ることで皮下組織の筋膜・ファシア等に陰圧を与えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープの外観斜視図である。
【
図2】整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープの正面図である。
【
図3A】整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープの正面図であり、皮膚に貼り付けられた状態を示す。
【
図3B】整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープの正面図であり、皮膚に貼り付けられた後に摘みが引っ張られた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1について詳細に説明する。
【0015】
まず、
図1及び
図2を用いて、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1の構成について説明する。
図1は、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1の外観斜視図である。
図2は、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1の正面図である。
【0016】
図1及び
図2に示す整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1は、例えば
図1に示す破線に沿って、テープ本体3の粘着面2aを保護する剥離紙Pをはがして皮膚S(
図3A及び
図3B参照)に貼り付け、摘み4を引っ張ることで使用するものである。この整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1は、粘着面2aを有する粘着テープ2が折り返されることで構成されている。具体的に、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1は、テープ本体3と、摘み4と、を備えている。
【0017】
テープ本体3は、皮膚S(
図3A及び
図3B参照)に粘着する粘着面2aを有している。粘着面2aは、剥離紙Pで保護されている。摘み4は、テープ本体3の粘着面2aとは反対側の面(符号省略)における幅方向Wの略中央に長手方向Lに沿って延びるように設けられ、テープ本体3と共に断面視で略T字型を構成する。テープ本体3及び摘み4は、互いに一体に構成されている。このような整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1は、長手方向Lに伸縮する。
【0018】
次に、
図3A及び
図3Bを用いて、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1の使用方法について説明する。
図3Aは、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1の正面図であり、皮膚Sに貼り付けられた状態を示す。
図3Bは、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1の正面図であり、皮膚Sに貼り付けられた後に摘み4が引っ張られた状態を示す。
【0019】
まず、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1の剥離紙P(
図1及び
図2参照)を剥がし、
図3Aに示すように、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1を皮膚Sに貼り付ける。その後、
図3Bに示すように、摘み4を引っ張ることで使用する。これにより、患部である皮下組織に陰圧を与えることができる。
【0020】
このような整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1によれば、テープ本体3の粘着面2aを保護する剥離紙Pをはがして皮膚に貼り付けるだけで使用することができる。また、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1によれば、皮膚に貼り付けた後に摘み4を引っ張るだけで、皮膚を容易に引っ張ることができる。さらに、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1によれば、長手方向Lに沿って摘み4が設けられているので、腱及び筋等が動く方向に沿って貼り付けた場合に、腱及び筋等が動く方向に沿って引っ張ることができる。さらに、靭帯・関節包の走行に沿って貼り付けた場合には、靭帯・関節包の走行に沿って引っ張ることができる。これにより、炎症および疼痛の改善等治療の効果を増大させることが期待できる。
【0021】
また、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1によれば、粘着テープ2が折り返されることで、テープ本体3及び摘み4が互いに一体に構成されているので、構造が簡素であり、製造が容易で、さらに強度も増す。
【0022】
また、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1によれば、長手方向に伸縮するので、腱及び筋等が動く方向に沿って貼り付けた場合に、腱及び筋等の広い範囲に陰圧を与えることができる。さらに、靭帯・関節包の走行に沿って貼り付けた場合には靭帯・関節包等の広い範囲に陰圧を与えることができる。これにより、広い範囲にも有効となり、炎症および疼痛の改善等治療の効果を増大させることが期待できる。また、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1によれば、長手方向に伸縮するので、摘み4を引っ張る力に対して、テープ本体3が皮膚から剥がれにくくなる。これにより、治療時間および効果の持続性が期待できる。
【0023】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。すなわち、各構成の位置、大きさ、長さ、数量、形状、材質などは適宜変更できる。
【0024】
例えば、上記実施形態では、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1が長手方向Lに伸縮する場合を例に説明したが本発明はこれに限定されず、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1が長手方向Lに伸縮すると共に幅方向Wに伸縮するものであってもよいし、また、整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ1が長手方向L及び幅方向Wに伸縮しないものであってもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 整膚・筋膜リリース療法・ファシアリリース療法用テープ
2 粘着テープ
2a 粘着面
3 テープ本体
4 摘み
S 皮膚
P 剥離紙
W 幅方向
L 長手方向