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特開2022-177002自動化されたインストラクチャベースの歩行者トラッキングのためのインテリジェント電子履物および制御ロジック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177002
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】自動化されたインストラクチャベースの歩行者トラッキングのためのインテリジェント電子履物および制御ロジック
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/34 20220101AFI20221122BHJP
   A43B 23/24 20060101ALI20221122BHJP
   A43B 3/36 20220101ALI20221122BHJP
   A43B 3/40 20220101ALI20221122BHJP
   A43B 3/46 20220101ALI20221122BHJP
   A43B 3/48 20220101ALI20221122BHJP
   A43B 3/50 20220101ALI20221122BHJP
   A43B 3/44 20220101ALI20221122BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20221122BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221122BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20221122BHJP
   A43C 11/00 20060101ALN20221122BHJP
   A43B 23/02 20060101ALN20221122BHJP
【FI】
A43B3/34
A43B23/24 101
A43B23/24 102
A43B3/36
A43B3/40
A43B3/46
A43B3/48
A43B3/50
A43B3/44
G08G1/09 F
G08B25/04 K
G08B25/04 C
G08B21/02
A43C11/00
A43B23/02 104
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022133742
(22)【出願日】2022-08-25
(62)【分割の表示】P 2020566644の分割
【原出願日】2019-05-28
(31)【優先権主張番号】62/678,796
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/114,648
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/414,353
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アンドン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ライス,ジョーダン エム.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インテリジェント電子シューズ(IES)とインテリジェント輸送管理(ITM)システムとの間の協調作動を自動化するための方法を提供する。
【解決手段】IESシューズ構造に取り付けられる検出タグを介して、ITMシステムの交通システムコントローラ34に通信的に接続される送信器-検出器モジュール70、72からのプロンプト信号を受信することを含む。受信するプロンプト信号に反応して、検出タグは、応答信号を送信器-検出器モジュールに送信する。交通システムコントローラは、応答信号を使用して、IES10のユーザ11の場所、およびユーザの場所位置に近接する交通信号の現在の動作状態を決定する。交通システムコントローラは、現在の動作状態から新しい動作状態に切り替えるために、コマンド信号を交通信号に送信する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテリジェント輸送管理(ITM)システムと相互作用するインテリジェント電子シューズ(IES)であって、
前記ITMシステムは、プロンプト信号を発するように構成される送信器-検出器モジュールを含み、当該IESは、
ユーザの足に取り付くためのアッパーと、前記ユーザの前記足をその上で支持するために前記アッパーに取り付けられるソール構造とを備える、シューズ構造と、
前記シューズ構造に取り付けられる、検出タグであって、前記送信器-検出器モジュールから前記プロンプト信号を受信して、前記送信器-検出器モジュールに応答信号を応答的に送信するように構成される、検出タグと、
前記送信器-検出器モジュールに通信的に接続されるコントローラと、を含み、該コントローラは、
少なくとも部分的に、前記検出タグによって前記送信器-検出器モジュールに出力される前記応答信号に基づいて、前記ユーザのユーザ場所を決定し、
前記ユーザ場所に近接する交通信号の第1の動作状態を、前記ITMシステムから受信し、
前記ITMシステムに要求を送信して、前記交通信号を前記第1の動作状態から第2の動作状態に切り替える、
ようにプログラムされる、
IES。
【請求項2】
前記シューズ構造に動的に取り付けられ、前記コントローラに通信的に接続される、ダイナミックセンサを更に含み、該ダイナミックセンサは、当該IESの速さ及び/又は進行方向を示すセンサデータを生成するように構成され、前記コントローラは、少なくとも部分的に、当該IESの前記速さ及び/又は進行方向に基づいて、前記ITMシステムに前記要求を送信する、請求項1に記載のIES。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記受信するデータに基づいて、当該IESが前記交通信号によって規制される交通レーンを違反する、予想される侵入時間を決定し、
現在の時間と、前記交通信号が前記第1の動作状態から前記第2の動作状態に切り替わるようにスケジュールされるプログラムされた位相変化時間との間の推定される位相変化時間を、前記ITMシステムから受信する、
ようにさらにプログラムされ、
前記コントローラは、前記予想される侵入時間が前記推定される位相変化時間よりも少ないことに応答して、前記ITMシステムに前記要求を送信する、
請求項2に記載のIES。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記受信するセンサデータに基づいて、当該IESが前記交通信号によって規制される交通レームを違反する、予想される侵入時間を決定し、
現在の時間と、前記交通信号が前記第2の動作状態から前記第1の動作状態に切り替わるようにスケジュールされるプログラムされた位相変化時間との間の推定される位相変化時間を、前記ITMシステムから受信し、
前記予想される侵入時間が前記推定される位相変化時間よりも少ないことに応答して、前記ITMシステムに第2の要求を送信して、前記第2の動作状態から前記第1の動作状態への切り替えを遅延させる、
ように更にプログラムされる、
請求項2に記載のIES。
【請求項5】
前記コントローラは、
当該IESの前記速さが実質的にゼロに等しいかどうかを決定し、
当該IESの前記進行方向が前記交通信号によって規制される交通レーンから離れているかどうかを決定し、
当該IESの前記速さが実質的にゼロに等しいこと及び/又は当該IESの前記進行方向が前記交通信号によって規制される前記交通レーンから離れていることに応答して、前記ITMシステムに前記要求を送信しない、
ように更にプログラムされる、
請求項2に記載のIES。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記交通信号によって規制される交通レーン内の自動車の車両場所を、前記ITMシステムから受信し、
前記ユーザ場所が前記車両場所に対する所定の近接性内にあるかどうかを決定する、
ように更にプログラムされ、
前記コントローラは、前記ユーザ場所が前記車両場所に対する前記所定の近接性内にあることに応答して、前記ITMシステムに前記要求を送信する、
請求項1に記載のIES。
【請求項7】
前記シューズ構造に取り付けられる警告システムを更に含み、前記コントローラは、前記ユーザ場所が前記車両場所に対する前記所定の近接性内にあることに応答して、コマンド信号を前記警告システムに送信して、前記ユーザが知覚可能な所定の視覚警告、可聴警告、及び/又は触覚警告を生成するように更に構成される、請求項6に記載のIES。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記交通信号によって規制される交通レーン内の自動車の車両場所を、前記ITMシステムから受信し、
前記車両場所が前記交通信号に対する所定の近接性内にあるかどうかの表示を、前記ITMシステムから受信する、
ように更にプログラムされ、
前記コントローラは、前記車両場所が前記交通信号に対する前記所定の近接性内にあることに応答して、前記ITMシステムに前記要求を送信する、
請求項1に記載のIES。
【請求項9】
前記シューズ構造に取り付けられる警告システムを更に含み、前記コントローラは、前記車両場所が前記交通信号に対する前記所定の近接性内にあることに応答して、コマンド信号を前記警告システムに送信して、前記ユーザが知覚可能な所定の視覚警告、可聴警告、及び/又は触覚警告を生成するように更にプログラムされる、請求項8に記載のIES。
【請求項10】
前記検出タグは、無線周波数(FR)トランスポンダを含み、前記プロンプト信号は、第1の周波数を持つ第1のFR電力を有し、前記応答信号は、前記第1の周波数とは別個の第2の周波数を持つ第2のRF電力を有する、請求項1に記載のIES。
【請求項11】
前記プロンプト信号は、埋め込みデータセットを含み、前記応答信号は、前記埋め込みデータセットの少なくとも一部分を前記送信器-検出器モジュールに送信して戻す、請求項10に記載のIES。
【請求項12】
前記RFトランスポンダは、RFアンテナと、該RFアンテナに接続される周波数フィルタとを含み、該周波数フィルタは、前記第1の周波数とは別個の周波数を持つFR電力を有する信号を拒絶するように構成される、請求項10に記載のIES。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記ユーザのリアルタイムユーザ位置データ及びユーザダイナミックデータを決定し、
前記リアルタイムユーザ位置データ及び前記ユーザダイナミックデータの融合に基づいて、前記交通信号によって規制される交通レーン内への前記ユーザの侵入を予測する歩行者衝突脅威値を決定する、
ように更にプログラムされ、
前記コントローラは、少なくとも、前記歩行者衝突脅威値に基づいて、前記ITMシステムに前記要求を送信する、
請求項1に記載のIES。
【請求項14】
前記コントローラは、前記ユーザの履歴的な挙動を示す挙動データを決定するように更にプログラムされ、前記歩行者衝突脅威値は、前記リアルタイムユーザ位置データ及び前記リアルタイムユーザダイナミックデータと、前記挙動データとの融合に更に基づく、請求項13に記載のIES。
【請求項15】
前記コントローラは、前記ユーザ場所に近接する複数の個人の挙動を示すクラウドソースのデータを受信するように更にプログラムされ、前記歩行者衝突脅威値は、前記挙動データ、前記リアルタイムユーザ位置データ、及び前記リアルタイムユーザダイナミックデータと、前記クラウドソースのデータとの融合に更に基づく、
請求項14に記載のIES。
【請求項16】
前記コントローラは、前記ユーザ場所の周囲環境を示す環境データを受信するように更にプログラムされ、前記歩行者衝突脅威値は、前記挙動データ、前記ユーザ位置データ、前記ユーザダイナミックデータ、及び前記クラウドソースのデータと、前記環境データとの融合に更に基づく、請求項15に記載のIES。
【請求項17】
前記シューズ構造に取り付けられる触覚トランスデューサを更に含み、前記コントローラは、コマンド信号を前記触覚トランスデューサに送信して、前記交通信号によって規制される交通レーン内の自動車との差し迫った衝突を前記ユーザに警報するように構成される所定の触覚警告を生成するように更にプログラムされる、請求項1に記載のIES。
【請求項18】
前記シューズ構造に取り付けられるオーディオコンポーネントを更に含み、前記コントローラは、コマンド信号を前記オーディオコンポーネントに送信して、前記交通信号によって規制される交通レーン内の自動車との差し迫った衝突を前記ユーザに警報するように構成される所定の可聴警告を生成するように更にプログラムされる、請求項1に記載のIES。
【請求項19】
前記シューズ構造に取り付けられる照明要素を更に含み、前記コントローラは、コマンド信号を前記照明要素に送信して、前記交通信号によって規制される交通レーン内の自動車との差し迫った衝突を前記ユーザに警報するように構成される所定の可視警告を生成するように更にプログラムされる、請求項1に記載のIES。
【請求項20】
前記検出タグ及び前記コントローラは、前記シューズ構造の内側に取り付けられる、請求項1に記載のIES。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2019年5月16日に出願され、米国特許出願第16/114,648号の分割出願である、米国特許出願第16/414,353号の国際(PCT)出願であり、米国特許出願第16/114,648号は、2018年8月28日に出願され、許可され、2018年5月31日に出願された米国仮特許出願第62/678,796号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般的には、ウェアラブル電子デバイスに関する。より具体的には、この開示の態様は、インテリジェント電子履物および衣服の自動化された構成を可能にするためのシステム、方法、およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
シューズ、ブーツ、スリッパ、サンダル、および同等物のような、履物製品は、一般的に、2つの主要な要素、すなわち、履物をユーザの足に固定するためのアッパー(upper)と、足のための土台を成す支持を提供するためのソール構造(sole structure)とで構成される。アッパーは、互いに縫い合わされて或いは接着的に結合されて、足を安全に受け入れるシェルまたはハーネスを形成する-織物、発泡体、ポリマ、天然皮革および合成皮革などを含む-様々な材料から製造されることがある。サンダルおよびスリッパの場合、アッパーは、開放褄先(toe)または踵(heel)構造を有してよく、或いは、足の甲(instep)の上に、そして、幾つかの設計では、踝(足首)(ankle)の周りに延びる、一連のストラップに概ね限定されてよい。逆に、ブーツおよびシューズの設計は、閉塞褄先または踵構造と、履物の内部へのアクセスをもたらす後方クォーター(腰革)(quarter)部分を通じる踝開口とを備える、フルアッパーを組み込んで、アッパーへの足の進入およびアッパーからの足の除去を容易にする。アッパー内で足を固定するために、シューレース(靴紐)またはストラップが利用されることがある。
【0004】
ソール構造は、一般的に、アッパーの下方部分に取り付けられ、ユーザの足と地面との間に位置付けられる。スポーツシューズを含む多くの履物製品において、ソール構造は、快適性を高めるインソール(内底)(中敷)(insole)と、衝撃緩和するミッドソール(中底)(midsole)と、表面に接触するアウトソール(外底)(outsole)とを一般的に組み込む、層状構造である。部分的にまたは全体的にアッパー内に配置されることがあるインソールは、ユーザの足の下面のための接触面を提供する薄くて圧縮可能な部材である。対照的に、ミッドソールは、インソールの下に取り付けられて、ソール構造の中間層を形成する。地面反力を減衰させることに加えて、ミッドソールは、足の動きを制御し、安定性を付与するのに役立つことがある。ミッドソールの下面に固定されるのは、履物の接地部分を形成するアウトソールであり、通常、牽引力(traction)を向上させるための構成を含む耐久性および耐摩耗性の材料で作られる。
【発明の概要】
【0005】
自動化された履物能力を可能にするための付随する制御ロジックを備えるインテリジェント電子履物、そのような履物を製造するための方法および使用するための方法、ならびにインテリジェント電子履物の自動化された構成を提供するための制御システムが、本明細書において提供される。一例として、インテリジェント電子シューズ(IES)と自動車との間の通信、すなわち、履物車両間(F2V)通信、または、IESとインテリジェント輸送システムとの間の通信、すなわち、履物インフラストラクチャ間(F2I)通信を提供するために、IESと無線通信するIoAAF(Internet of Adaptive Apparel and Footwear)システムが提示される。代表的な実装において、IESは、入って来るプロンプト信号を受信する、無線周波数(RF)トランスポンダのような、検出タグを備える。プロンプト信号は、ビル、電灯柱、信号柱のような静止構造に、或いはSAE(Society of Automotive Engineers)レベル3、4、または5の自律車両のような移動構造に取り付けられる、送信器-検出器モジュールによってブロードキャスト(放送)されることがある。IES検出タグは、例えば、第2の周波数を有するRF電力を有する、透明な(transparent)出力信号として、入って来る信号を再送することによって、第1の周波数を有するRF電力を有することがあるこの入って来る信号に応答する。トランスポンダは、入って来る信号を第1の周波数を有するものに制限する周波数フィルタと、入って来る信号を透明な出力信号に変換する周波数変換器と、入って来る信号に基づいて出力信号を強化する増幅器とを備えてよい。IESトランスポンダによって出力される応答信号のために、近づくまたは周囲の領域を掃引するように、車両に搭載された或いは構造に搭載されたRF送信器-検出器モジュールを用いることは、視野認識の前に事前警報を提供することによって、歩行者衝突回避を容易にする。
【0006】
IES上に検出タグを配置すること、およびIES検出タグと車両、道路柱、近くのビルなどに取り付けられる相補的な送信器-検出器との間の通信を自動化することによって、ネットワーク化されたIoAAFシステムは、直接視線感知の必要性を排除することによって、接続された当事者が今にも起ころうとしている衝突を「前もって見る(see ahead)」ことを可能にし、IESが車両と近接近する前にやがて起こる「自覚(awareness)」を提供する。実際には、IoAAFシステムアキテクチャは、死角または他の視覚障害物の背後に隠された歩行者を効果的にモニタリングすることができない標準的なセンサハードウエアによって引き起こされる偽陰性を排除するのに役立つ。IESを介した歩行者への可聴警告、可視警告、および/または触覚警告を自動化することによって、或いは横断歩道の信号タイミングの変調を通じて歩行者の流れを変更することによって、衝突回避を更に強化することができる。歩行者安全認識を可能にすることに加えて、開示のIoAAFシステムは、例えば、アセンブリライン作業者へのロボット媒介傷害を防止するために、製造施設において、例えば、作業者とフォークリフトまたは自動誘導車両(AGV)との間の衝突を回避するために、貯蔵施設において、或いは、例えば、建設作業者を通過する車両から保護するために、道路建設現場において、利用されることができる。
【0007】
F2VおよびF2I用途のために、IoAAFシステムは、例えば、無数の利用可能なデータに基づいて歩行者衝突脅威評価を行うために、スマート履物/衣服との通信を自動化することができる。例えば、F2Iシステムは、以下の事項、すなわち、IES生成ユーザダイナミクスデータ(例えば、場所、速度、軌道、加速/減速など)、ユーザ挙動データ(例えば、交差点の特定の隅での履歴的挙動、一般的な交差点での履歴的挙動、現在の周囲条件での履歴的挙動など)、環境データ(例えば、緑色光の交差点に対する赤色光の交差点、都市設定に対する住宅設定、最適運転条件に対する悪天候条件など)、クラウドソースのデータ(インテリジェント履物/衣服を着用しているIESユーザの近くの他の歩行者のダイナミクスおよび挙動)を集約、融合、分析することによって、動いている物体とIESユーザとの間の視線前に歩行者衝突脅威評価を行ってよい。相互運用可能なコンポーネント通信は、典型的には、無線および双方向であり、データは、アドホックネットワークを通じて、例えば、専用短距離通信(DSRC)を使用して、インフラストラクチャコンポーネントに給送され且つインフラストラクチャコンポーネントから給送される。交通管理監督システムは、IES、インフラストラクチャ、および車両データを使用して、可変速度制限を設定し、交通信号位相およびタイミングを調整することができる。
【0008】
IESと遠隔コンピューティングノードとの間の無線通信を可能にするために、IESは、ユーザのスマートフォン、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、または無線通信能力を有する他のポータブル電子デバイスによって確立される通信セッションをピギーバック(piggyback)してよい。代替的に、IESは、シューズ構造内にパッケージされる常駐無線通信デバイスを備えるスタンドアロンのデバイスとして作動してよい。他の周辺ハードウェアが、常駐コントローラ、短波アンテナ、再充電可能バッテリ、常駐メモリ、SIMカードなどを含んでよく、それらの全ては、シューズ構造の内側に収容される。IESは、ユーザが履物および/またはIoAAFシステムと相互作用(対話)することを可能にするヒューマンマシンインタフェース(HMI)を備えてよい。例えば、1つ以上の電気活性ポリマ(EAP)センサが、シューズ構造上に取り付けられ且つユーザがIESの動作態様を制御することを可能にするユーザ入力を受信するように動作可能なパッチに織り込まれるか或いはそのようなパッチとして形成されてよい。同様に、自動化された履物構成を実行するための付随的な動作のいずれも、IESコントローラを介して局所的に実行されてよく、或いはスマートフォン、ハンドヘルドコンピューティングデエバイス、IoAAFシステム、またはそれらの任意の組み合わせによる実行のために分散型計算方式でオフボードされて(off-boarded)よい。
【0009】
一層更なる選択肢として、任意の1つ以上の所望の履物構成の実行は、IESコントローラおよび/またはIoAAFシステムサーバコンピュータを介したユーザのセキュリティ認証を最初に要求してよい。例えば、シューズ構造内に分散されたセンサのアレイは、IESコントローラと通信して、(例えば、圧力センサを介した)ユーザの重量、(例えば、電子適応反応レーシング(EARL)を介した)シューズのサイズ、(例えば、光指紋センサを介した)褄先指紋、歩行プロファイルを確認すること、または他の適切な方法のような、生体測定(バイオメトリック)検証を実行する。この概念の拡張として、自動化された構成を実行しようとするときに、前述の感知デバイスのいずれかが、IESが実際にユーザの足にあることを確認するために、バイナリ(オン/Oオフ)スイッチとして利用されてよい。
【0010】
自動化された構成の実行を容易にするために無線データ交換を提供することは、IESがIoAAFシステムに登録されることを必要とすることがある。例えば、ユーザは、IoAAFシステムでIESシリアル番号を記録してよく、それは、次に、追加的な認証を提供するために、個人アカウント、例えば、ユーザのスマートフォン、タブレット、PC、またはラップトップ上で作動する「デジタルロッカー(digital locker)」に検証キーを発行する。登録は、手動で、例えば、ユーザを介して、或いは、デジタル式に、例えば、シューズ上のバーコードまたは近接場通信タグを介して、完了されてよい。一意的な仮想シューズが、IESに割り当てられて、デジタルロッカーに格納されてよく、各仮想シューズは、暗号ハッシュ機能、信頼できるタイムスタンプ、相関するトランザクションデータなどのような、一意性(uniqueness)と真正性(authenticity)を保証するために設計されたブロックチェーンセキュリティ技術によって支援されてよい。本明細書に提示する新規な概念のための代表的な用途としての履物製品に関連して記載するが、開示の選択肢および構成の多くは、衣服、ヘッドギア、アイウェア、リストウェア、ネックウェア、レッグウェア、および同等物を含む、他のウェアラブル(着用可能な)衣服に適用される場合があることが想定される。開示の構成が、上記および下記に提示する技法および選択肢のいずれかを実行するために、データ、通知、および他の視角表示を重ね合わせる(superimpose)ように作動可能である、拡張現実(AR)デバイスまたはシステムの一部として実装されることも想定される。
【0011】
本開示の態様は、開示のシステムおよびデバイスのうちのいずれかを製造するための方法および作動させるための方法に向けられている。一例では、インテリジェント輸送管理(ITM)システムと1つ以上のインテリジェント電子シューズとの間の協調動作を自動化するための方法が提示される。各IESは、ユーザの足に取り付けるためのアッパーと、ユーザの足をその上で支持するためにアッパーの下面に取り付けられるソール構造とを備えて製造される。この代表的な方法は、任意の順序で、上記または下記の開示の構成および選択肢のうちのいずれかとの任意の組み合わせにおいて、ITMシステムの交通システムコントローラに通信的に接続される送信器-検出器モジュールを介して、IESのソール構造および/またはアッパーに取り付けられる検出タグにプロンプト信号を送信すること、送信器-検出器モジュールを介して、プロンプト信号を受信することに応答して検出タグによって生成される応答信号を受信すること、応答信号に基づいて交通システムコントローラを介して、ユーザの現在場所を決定すること、ユーザの場所に近接し且つ交通システムコントローラに通信的に接続される交通信号を識別すること、交通信号の現在の(第1の)動作状態を決定すること、および交通システムコントローラによってコマンド信号を交通信号に送信して、現在の(第1の)動作状態から異なる(第2の)動作状態に切り替えることを含む。
【0012】
本開示の追加的な態様は、電子履物および衣服の自動化された構成を実行するためのネットワーク化された制御システムおよび付随するロジックに向けられている。例えば、インテリジェント道路交通管理システムとインテリジェント電子シューズとの間の協調動作を自動化するためのシステムが提示される。システムは、静止的な交通信号柱または類似の構造に取り付けられ、プロンプト信号をブロードキャストする、送信器-検出器モジュールを含む。システムは、IESのソール構造および/またはアッパーに取り付けられ、送信器-検出器モジュールのプロンプト信号を受信し、応答信号を送信器-検出器モジュールに反応的に送信するように作動可能である、検出タグも含む。交通システムコントローラが、送信器-検出器モジュールに通信的に接続され、メモリ格納される命令を実行して様々な動作を行うように動作可能である。システムコントローラは、IES検出タグによって出力される応答信号に基づいてユーザのリアルタイム場所を決定し、ユーザの場所に近接し且つ交通システムコントローラに通信的に接続される交通信号の現在の(第1の)動作状態(例えば緑色信号位相)を決定し、そして、現在の(第1の)動作状態から別個の(第2の)動作状態(例えば赤色信号位相)に切り替えるために、相変化コマンド信号を交通信号に送信する、ようにプログラムされる。
【0013】
開示のシステム、方法およびデバイスのいずれかについて、IESは、履物コントローラと、1つ以上のダイナミックセンサとを備えてよく、それらの全ては、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる。これらの1つ以上のダイナミックセンサは、IESの速さ(speed)および見出し(heading)を示すセンサデータを生成し且つ出力する。センサデータは、IES履物コントローラを介して、交通システムコントローラに送信され、それらのうちの後者は、受信データを使用して、信号の動作状態を変化させるために交通信号にコマンド信号を送信するかどうかを決定する。例えば、交通システムコントローラは、ダイナミックセンサデータを使用して、IESが交通信号によって規制される交通レーンを違反する可能性が高い予想される侵入時間を決定してよい。次に、交通システムコントローラは、推定される位相変化時間を、現在の時間と、交通信号が第1の動作状態から第2の動作状態に切り換わるようにスケジュールされた予めプログラムされた位相変化時間との差として、決定する。ひとたび計算されると、交通システムコントローラは、予想される侵入時間が推定される位相変化時間より短いかどうかを決定し、そうであるならば、交通システムコントローラは、位相変化コマンド信号を交通信号に自動的に送信する。交通システムコントローラは、(1)IESの速さが実質的にゼロに等しいかどうか、および(2)IESの見出しが交通信号によって規制される交通レーンから離れる方向にあるかどうかを決定してもよい。(1)または(2)のいずれかが正の決定を返すならば、交通システムコントローラは、位相変化コマンド信号を交通信号に送信しないようにプログラムされる。
【0014】
開示のシステム、方法およびデバイスのいずれかについて、交通システムコントローラは、交通信号によって規制される交通レーン内の自動車の現在場所、速さおよび/または軌跡を確認してよい。交通システムコントローラは、ユーザの現在場所が車両の現在場所に対する所定の近傍内にあるかどうかを同時に決定する。この例において、位相変化コマンド信号は、ユーザの場所が車両の場所に対する近傍内にあるという決定に応答して、交通信号に送信される。更に別の選択肢として、交通システムコントローラは、ユーザの現在場所が車両の現在場所に対する所定の近傍内にあることに応答して、履物コントローラに歩行者衝突警告信号を送信してよい。履物コントローラは、常駐警報システムに1つ以上のコマンド信号を送信することによって、この歩行者衝突警告信号の受信に応答してよく、常駐警報システムは、ソール構造/アッパーに取り付けられ、ユーザが知覚可能な所定の可視警報、可聴警報および/または触覚警報を生成するように作動可能である。
【0015】
開示のシステム、方法、およびデバイスのいずれかについて、検出タグは、IESのソール構造/アッパーにと付けられるRFトランスポンダを含んでよい。この場合、プロンプト信号は、第1の周波数を有する第1のRF電力を有し、応答信号は、第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する第2のRF電力を有する。プロンプト信号は、埋め込まれたデータセットを含んでよく、応答信号は、埋め込まれたデータセットの少なくとも一部を送信器-検出器モジュールに送り戻す。RFトランスポンダは、RFアンテナと、RFアンテナに接続された周波数フィルタとを備えてよい。周波数フィルタは、第1の周波数とは異なる周波数を有するRF電力を有するあらゆるRF信号を拒絶するように作動可能である。
【0016】
開示のシステム、方法およびデバイスのいずれかについて、常駐履物コントローラは、リアルタイムのユーザ場所およびダイナミクスデータを交通システムコントローラに送信してよい。次いで、交通システムコントローラは、リアルタイムのユーザ位置データとユーザダイナミクスデータとを融合させて、歩行者衝突脅威値を決定する。この歩行者衝突脅威値は、自動車の現在場所および予測ルートに関してユーザの侵入を予測する。履物コントローラは、IESを着用するときのユーザの履歴的挙動を示す挙動データを集約および送信してもよい。この場合、歩行者衝突脅威値は、挙動データとのユーザ位置およびダイナミクスデータの融合に更に基づく。別の選択肢として、交通システムコントローラは、ユーザに近接する複数の個人の挙動を示すクラウドソースのデータを収集してよい。この場合、歩行者衝突脅威値は、クラウドソースのデータと、挙動データ、ユーザ位置データおよびユーザダイナミクスデータとの融合に基づく。交通システムコントローラは、ユーザの周囲環境の特性を示す環境データを集約および送信してもよい。歩行者衝突脅威値は、環境データとの挙動データ、ユーザ位置データ、ユーザダイナミクスデータおよびクラウドソースのデータの融合に更に基づいてよい。
【0017】
開示のシステム、方法およびデバイスのいずれかについて、交通システムコントローラは、歩行者衝突警告信号を履物コントローラに送信してよく、履物コントローラは、作動コマンド信号を常駐触覚トランスデューサに送信することによって自動的に応答し、それによって、触覚トランスデューサに、自動車との衝突が差し迫っていることをユーザに警告するように設計された所定の触覚警報を生成させてよい。任意的にまたは代替的に、履物コントローラは、常駐オーディオシステムに起動コマンド信号を出力することによって、歩行者衝突警告信号を受信することに自動的に応答することで、関連するオーディオコンポーネントに、衝突が差し迫っていることをユーザに警告するように設計された所定の可聴警告を生成させる。一層更なる選択肢として、常駐履物コントローラは、起動コマンド信号を常駐光システムに送信することによって、歩行者衝突警告信号を受信することに自動的に応答して、関連する照明要素に、自動車との衝突が差し迫っていることをユーザに警告するように設計された所定の可視警報を生成させてよい。
【0018】
上記要約は、本開示のあらゆる実施形態またはあらゆる態様を表すことを意図しない。むしろ、前述の要約は、本明細書に記載する新規な概念および構成のうちの一部の新規な概念および構成の例示を提供するに過ぎない。上記構成および利点、ならびに本開示の他の構成および付随する利点は、添付の図面および添付の特許請求の範囲に関連して理解されるときに、本開示を実施するための図示の例および代表的なモードの以下の詳細な記述から容易に明らかであろう。その上、この開示は、上記および下記に提示する要素および構成のありとあらゆる組み合わせおよびサブコンビネーションを明白に含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の態様に従ったコントローラ自動化された履物構成を備える代表的なインテリジェント電子シューズの側面図である。
【0020】
図2図1の代表的なインテリジェント電子シューズの部分的に概略的な底面図である。
【0021】
図3】インフラストラクチャベースの歩行者トラッキングプロトコルの一部として1つ以上の自動化された履物構成を実行するための無線データ交換中に図1および図2の一対のインテリジェント電子シューズを着用する代表的なユーザの部分的に概略的な斜視図である。
【0022】
図4】1つ以上の自動化された履物構成および1つ以上の自動化された交通システム構成を実行するための代表的なインテリジェント輸送管理システムとの無線データ交換中に図1および図2の一対のインテリジェント電子シューズを着用する複数の代表的なユーザの立面斜視図である。
【0023】
図5】開示する概念の態様に従った、常駐または遠隔制御論理回路構成、プログラマブルコントローラ、または他のコンピュータベースのデバイスもしくはデバイスのネットワークによって実行される、メモリ格納命令に対応することがある、自動化された履物構成プロトコルのためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、様々な修正および代替的な形態に従い、幾つかの代表的な実施形態が図面に一例として示されており、本明細書において詳細に記載される。しかしながら、本開示の新規な態様は、上記に列挙した図面に図示される特定の形態に限定されないことを理解されるべきである。むしろ、本開示は、添付の請求項に包含される本開示の範囲に入る全ての修正、均等物、組み合わせ、サブコンビネーション、順列、グループ化、および代替をカバーする。
【0025】
この開示は、多くの異なる形態の実施形態の影響を受けやすい。これらの代表的例が、開示の広範な態様を限定としてではなく、開示の原理の例示として提供されているという理解で、本開示の代表的な実施形態が、図面に示され、本明細書において詳細に記載される。その目的を達成するために、要約、技術分野、背景、要約および詳細な記述のセクションに記載されているが、請求項に明示的に記載されていない、要素および限定は、暗示、推論、またはその他によって、単独または集合的に、請求項に組み込まれるべきではない。
【0026】
本詳細な記述の目的のために、特に否認されない限り、単数形は、複数形を含み、その逆もまた同様である。「および(and)」および「または(or)」という語は、両方とも結合的および非結合的であり、「いずれか(any)」および「全て(all)」という語は、両方とも「ありとあらゆる(any and all)」を意味し、「含む(including」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」という語、および同等の表現は、それぞれ、「非限定的に含む(including without limitation」を意味する。その上、「約(about)」、「殆ど(almost)」、「実質的に(substantially)」、「ほぼ(approximately)」、および同等表現のような、近似の語は、本明細書では、例えば、「で(at)、近くで(near)、またはほぼ近くで(nearly at)」または「0~5%の範囲(within 0-5% of)」または「許容可能な製造許容範囲内(within acceptable manufacturing tolerances)またはそれらのあらゆる論理的な組み合わせの意味で使用されることがある。最後に、前方(fore)、後方(aft)、内側(medial)、外側(lateral)、近位(proximal)、遠位(distal)、垂直(vertical)、水平(horizontal)、前部(front)、後部(back)、左(left)、右(right)などのような、方向性の形容詞および副詞は、ユーザの足に着用されるときに履物製品に対するものであることがあり、例えば、平らな表面に位置するソール構造の地面係合部分に対して作動的に方向付けられることがある。
【0027】
次に、図面を参照すると、同様の参照番号が幾つかの図を通じて同様の構成を指しており、図1には、概ね参照番号10で示されており、本明細書では説明の目的のために運動シューズまたは「スニーカ(sneaker)」として示されている、代表的な履物製品が示されている。本明細書では「インテリジェント電子シューズ(intelligent electronic shoe)」または簡略的に「IES」とも呼ぶ、図示の履物10は、この開示の新規な態様および構成が実施されることがある例示的な用途であるに過ぎない。同様の趣旨で、人間の足に着用されるウェアラブル電子デバイスについての本概念の実施は、本明細書に開示する概念の代表的な用途としても理解されるべきである。従って、この開示の態様および構成は、他の履物設計に統合されてよく、体の任意の部分で着用される任意の論理的に関連するタイプのウェアラブル電子デバイスに組み込まれてよいことが理解されるであろう。本明細書で使用するとき、それらの順列を含む「シューズ(shoe)」および「履物(footwear)」という用語は、足に着用される任意の関連するタイプの着物を言及するために、互換的にかつ同義的に使用されることがある。最後に、図面に提示する構成は、必ずしも縮尺通りではなく、純粋に教育目的のために提供されている。よって、図面に示す特定の寸法および相対的な寸法は、限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0028】
代表的な履物製品10(article of footwear)は、土台を成すソール構造14(sole structure)の上に取り付けられた足を受け入れるアッパー12(upper)で主に構成される二分構造として図1および図2に概ね描かれている。参照を容易にするために、履物10は、図2に示すように、3つの解剖学的領域、すなわち、前足領域RFF、中足領域RMF、および後足(踵)領域RHFに分割されてよい。履物10は、垂直面(vertical plane)に沿って、人体の矢状面(sagittal plane)から最も遠いシューズ10の遠位半分である外側セグメントSLA(lateral segment)と、人体の矢状面に最も近いシューズ10の近位半分である内側セグメントSMEと(medial segment)に分割されてもよい。認識された解剖学的分類によれば、前足領域RFFは、履物10の前部に位置し、一般的に、指節骨(褄先)、中足骨、およびそれらの相互接続関節に対応する。前足領域RFFと後足領域RHFとの間には中足領域RMFがあり、中足領域RMFは、楔状骨、舟状骨、および立方骨(すなわち、足の弓領域)に概ね対応する。対照的に、踵領域RHFは、履物10の後部に位置し、距骨および踵骨に概ね対応する。履物10の外側セグメントSLAおよび内側セグメントSMEの両方は、3つの解剖学的領域RFF、RMF、RHFの全てを通じて延び、各々は、履物10のそれぞれの横断面(transverse side)に対応する。図1および図2にはユーザの左足用の単一のシューズ10のみを示しているが、図3に示すように、ユーザの右足用の鏡像の実質的に同一の対応物が提供されてよい。認識可能であるように、シューズ10の形状、サイズ(大きさ)、材料組成、および製造方法は、あらゆる通常の用途または通常でない用途に実際的に適合するように、単独でまたは集合的に、変更されてよい。
【0029】
図1を再び参照すると、アッパー12は、3つの隣接する区画、すなわち、褄先(足指)を覆い且つ保護するトゥボックス12A(先芯)(toe box)と、トゥボックス12Aの後方に位置し且つレースアイレット16(紐鳩目)(lace eyelet)およびタン18(舌革)(tongue)の周囲に延在するバンプ12B(爪革)(vamp)と、タン12Bの後方に位置し且つ踵(heel)を覆うアッパー12の後部および側部を含む後部クォーター12C(quarter)とによって概ね画定される、閉塞褄先および踵構成(closed toe and heel configuration)を有するように描かれている。履物10のアッパー12部分は、足を快適に受け入れるための内部空隙を形成するよう、互いに縫い合わされ、接着的に結合され、あるいは溶接された、織物、発泡体、ポリマ、天然皮革および合成皮革などのような、様々な材料の任意の1つまたは組み合わせから製造されてよい。アッパー12の個々の材料要素は、例えば、耐久性、空気透過性、耐摩耗性、可撓性、および快適性の所望の特性を付与するために、履物10に対して選択され且つ配置されてよい。アッパー12の後部クォーター12Cにある踝開口15(足首開口)は、シューズ10の内部へのアクセスを提供する。シューレース20(靴紐)、ストラップ、バックル、または他の従来の機構を利用して、アッパー12の周囲寸法(girth)を修正して、シューズ10の内部に足をより安定的に保持し、且つアッパー12への足の進入およびアッパー12からの足の除去を容易にしてよい。シューレース20は、アッパー12にある一連のアイレットに通されてよく、タン18は、レース20とアッパー12の内部空隙との間に延びてよい。
【0030】
ソール構造14は、ソール構造14がアッパー12とユーザが立つ支持面(例えば、図3に図示する歩道GS1)との間に延在するように、アッパー12に剛的に固定される。実際には、ソール構造14は、ユーザの足を地面から分離する中間支持プラットフォームとして機能する。地面反力を減衰させることおよび足にクッションを与えることに加えて、図1および図2のソール構造14は、牽引力(traction)を提供することがあり、安定性を与えることがあり、不注意な足の反転や外転のような様々な足の動きを制限するのに役立つことがある。図示の例によれば、ソール構造14は、最頂部のインソール22と、中間のミッドソール24と、最底部のアウトソール26とを備える、サンドイッチ構造として製造される。インソール22は、インソール22が足の足底面に隣接して配置されるように、アッパー12の下方部分にしっかりと固定された、履物10の内部空隙内に部分的に配置されて示されている。インソール22の下には、履物10の快適性、性能、および/または地面反力の減衰特性を高める1つ以上の材料または埋込要素を組み込むミッドソール24がある。これらの要素および材料は、個々にまたは任意の組み合わせにおいて、ポリウレタンまたはエチレン酢酸ビニル(EVA)のようなポリマフォーム材料、充填剤材料、減速材、空気充填ブラダ、プレート、耐久性要素、または運動制御部材を含んでよい。履物10の幾つかの構成では存在しないことがあるアウトソール26は、ミッドソール24の下方表面に固定される。アウトソール26は、地面と係合するための耐久性があり耐摩耗性のある表面を提供するゴム材料から形成されてよい。加えて、アウトソール26は、履物10とその下に位置する支持面との間の牽引力(すなわち、摩擦)を高めるためにテクスチャ加工されてよい。
【0031】
図3は、ユーザまたはクライアント11が着用する一対のインテリジェント電子シューズ10のための1つ以上の自動化された履物構成を実行するために無線データ交換を提供するための、概ね参照番号30として指し示される、例示的なIESデータネットワークおよび通信システムの部分的に概略的な図示である。IESシステム30を通じて単一の自動車32と通信する単一のユーザ11を図示するが、任意の数のユーザが、無線で情報およびデータを交換するために適切に装備された任意の数の自動車または他の遠隔コンピューティングノードと通信することがあることが想定される。図3の一方または両方のIES10は、無線通信ネットワーク38を介して遠隔ホストシステム34またはクラウドコンピューティングシステム36に通信的に結合する。IES10とIESシステム30との間の無線データ交換は、IES10がスタンドアロンのデバイスとして装備されている構成において-直接的に、あるいは、スマートフォン40、スマートウォッチ42、無線忠実度(WiFi)ノード、または他の適切なデバイスにIES10をペアリングおよびピギーバックすることによって-間接的に、行われてよい。この点に関し、IES10は、例えば、短距離無線通信デバイス(例えば、BLUETOOTH(登録商標)ユニットまたは近距離通信(NFC)トランシーバ)、専用短距離通信(DSRC)コンポーネント、無線アンテナなどを介して、自動車32と直接通信してよい。IES10およびIESシステム30の選択されたコンポーネントのみが示されており、ここで詳細に記載される。それにも拘わらず、本明細書で議論するシステムおよびデバイスは、例えば、本明細書に開示する様々な方法および機能を実行するために、多数の追加的および代替的な構成、ならびに他の利用可能なハードウェアおよび周知の周辺コンポーネントを含むことができる。
【0032】
引き続き図3を参照すると、ホストシステム34は、バルクデータ処理、リソースプランニング、およびトランザクション(取引)処理を取り扱うことができる高速サーバコンピューティングデバイスまたはメインフレームコンピュータとして実装されてよい。例えば、ホストシステム34は、特定のトランザクションを完了するために1つ以上の「第三者」サーバとのあらゆる必要なデータ交換および通信を行うために、クライアント-サーバインタフェース内のホストとして作動してよい。他方、クラウドコンピューティングシステム36は、データネットワークを介して各種の異種電子デバイスをサービス指向アーキテクチャ(SOA)と接続する、IoT(Internet of Things)、WoT(Web of Things)、IoAAF(Internet of Adaptive Apparel and Footwear)、および/またはM2M(machine-to-machine)サービス用のミドルウェアとして作動してよい。一例として、クラウドコンピューティングシステム36は、異種デバイスを動的に搭載し、これらのデバイスの各デバイスからのデータを多重化し、処理および1つ以上の宛先アプリケーションへの転送のための再構成可能な処理ロジックを通じてデータを経路指定(ルーティング)するための異なる機能を提供する、ミドルウェアノードとして実装されてよい。ネットワーク38は、公衆分散コンピューティングネットワーク(例えば、インターネット)および安全なプライベートネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、仮想プライベートネットワーク)の組み合わせを含む、任意の利用可能なタイプのネットワークであってよい。それは、無線および有線伝送システム(例えば、衛星、セルラネットワーク、地上ネットワークなど)を含んでもよい。少なくとも幾つかの態様において、IES10によって実行される全てではないとしても殆どのデータトランザクション機能は、ユーザ13およびIES10の移動の自由を保証するために、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)またはセルラデータネットワークのような、無線ネットワークを通じて行われてよい。
【0033】
履物10は、ハンズフリー、再充電可能、およびインテリジェントウェアラブル電子デバイスとして作動するよう、各種の埋込電子ハードウェアを装備する。IES10の様々な電子コンポーネントは、履物10のソール構造14の内側にパッケージされる常駐履物コントローラ44(図2)のような、1つ以上の電子コントローラデバイスによって支配される。履物コントローラ44は、ロジック回路、専用制御モジュール、電子制御ユニット、プロセッサ、特定用途向け集積回路、または、常駐、遠隔、または両方の組み合わせのいずれかの適切な集積回路デバイスのうちの任意の1つまたはそれらの1つ以上の様々な組み合わせを含んでよい。一例として、履物コントローラ44は、マスタプロセッサ、スレーブプロセッサ、および二次または並列プロセッサを含む、複数のマイクロプロセッサを含んでよい。履物コントローラ44は、本明細書で使用するとき、IES10とバス、コンピュータ、プロセッサ、デバイス、サービス、および/またはネットワークとの間でデータの転送を通信および/または制御するように構成される、IES10のシューズ構造の内側および/または外側に配置されるハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせを含んでよい。履物コントローラ44は、本明細書に開示する様々なコンピュータプログラム製品、ソフトウェア、アプリケーション、アルゴリズム、方法および/または他のプロセスのいずれかまたは全てを実行するように概ね作動可能である。ルーチンは、リアルタイムで、連続的に、系統的に、散発的に、および/または規則的な間隔で、例えば、履物コントローラ44の継続的な使用または動作中の各100マイクロ秒、3.125、6.25、12.5、25および100ミリ秒などで実行されてよい。
【0034】
履物コントローラ44は、履物10のソール構造14の内側にパッケージされる常駐履物メモリ46のような、常駐または遠隔メモリデバイスを含んでよく、あるいはそれらと通信してよい。常駐履物メモリ46は、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセス記憶装置(RAM)または複数のRAM)および不揮発性メモリ(例えば、読出し専用記憶装置(ROM)またはEEPROM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリなどを含む、半導体メモリを含んでよい。遠隔ネットワークデバイスとの長距離通信能力は、セルラネットワークチップセット/コンポーネント、衛星サービスチップセット/コンポーネント、または無線モデムまたはチップセット/コンポーネントのうちの1つ以上または全てを介して提供されてよく、それらの全ては、図2において集合的に参照番号48で表されている。近距離の無線接続性は、BLUETOOTH(登録商標)トランシーバ、無線周波数識別(RFID)タグ、NFCデバイス、DSRCコンポーネント、および/または無線アンテナを介して提供されてよく、それらの全ては、集合的に参照番号50で表されている。プラグインまたはケーブルフリー(誘導または共振)再充電可能な能力を備えるリチウムイオンバッテリ52のような常駐電源が、履物10のアッパー12またはソール構造14内に埋め込まれてよい。無線通信は、BLUETOOTH(登録商標)Low Energy(BLE)、カテゴリ(CAT)M1またはCAT-NB1無線インタフェースの実装を通じて更に容易にされてよい。上述の様々な通信デバイスは、履物車両間(F2V)情報交換、履物全部間(F2X)情報交換、例えば、履物インフラストラクチャ間(F2I)、履物歩行者間(F2P)、または履物間(F2F)においてブロードキャスト(放送)される系統的または周期的なビーコンメッセージの一部としてデバイス間でデータを交換するように構成されてよい。
【0035】
IES10の、よって、ユーザ11の場所と動きは、ソール構造14もしくはアッパー12またはそれらの組み合わせの内側に位置し得る場所トラッキングデバイス54を介してトラッキング(追跡)されてよい。場所は、衛星ベースの全地球測位システム(GPS)、または他の適切なナビゲーションシステムを通じて決定されることができる。一例において、GPSシステムは、適切なGPSトランシーバと通信し、それによって、リアルタイムでタイムスタンプされた一連のデータポイントを生成する、協働する一群の軌道に乗るGPS衛星を使用して、人、自動車、または地球上の他の標的物体の場所をモニタリング(監視)してよい。標的物体によって支持されるGPS受信機の絶対緯度位置座標および縦方向位置座標に関するデータを提供することに加えて、GPSシステムを介して提供されるデータは、指定される操作の実行中の経過時間、移動した総距離、特定の場所での高さまたは高度、指定された時間窓内の高度変化、移動方向、移動速度、および同等のものに関する情報を提供するように適合および使用されてよい。前述のGPSデータの集合セットは、ユーザ11の予測ルートを推定するために、常駐履物コントローラ44によって使用されてよい。GPSシステムデータは、単独でまたは集合的に、加速度計ベースまたは他の歩数計ベースの速度および距離データを補足し、任意的に較正するために使用されてよい。この目的を達成するために、GPS衛星システムによって収集される情報は、正確なセンサデータ、よって、最適なシステム動作を保証するのを助けるために、IES10による使用のための補正係数および/または較正パラメータを生成するために使用されてよい。
【0036】
GPS受信機がなくても、IES10は、「トリラテレーション(trilateration)」として知られるプロセスを通じたセルラシステムとの協働を通じて場所および移動情報を決定することができる。セルラシステムのタワーおよび基地局は、無線信号を通信し、セルのネットワーク内に配置される。IES10のようなセルラデバイスは、最も近いタワー、基地局、ルータ、またはアクセスポイントと通信するための低電力送信器を備えることがある。ユーザがIES10と共に、例えば、1つのセルから別のセルへ移動すると、基地局は、送信器の信号の強度をモニタリングする。IES10が1つのセルのエッジに向かって移動すると、送信器の信号強度は、電流タワーについて減少する。同時に、接近するセル内の基地局は、信号の強度増加を検出する。ユーザが新しいセル内に移動すると、タワーは、信号を1つのセルから次のセルに転送する。常駐履物コントローラ44は、(複数の)セルタワーへの接近角度、個々の信号が複数のタワーへ移動するのに要するそれぞれの時間、および各信号が対応するタワーに到達するときの欠く信号のそれぞれの強度のような、送信器信号の測定値に基づいて、IES10の場所を決定することができる。本概念の他の態様によれば、1つ以上の動き感知デバイスが、1つ以上の軸の周りまたはそれに沿う確立されたデータまたは基準(例えば、位置、空間方向、反応、力、速度、加速度、電気接触など)に対するIES10の動的な動き(例えば、並進、回転、速度、加速度など)を決定するために、シューズ構造に組み込まれてよい。
【0037】
図1および図2を集合的に参照すると、履物製品10は、シューズ構造およびその周囲の領域を選択的に照明するために、履物コントローラ44によって支配される1つ以上の照明デバイスを備えた常駐照明システム56を備えてよい。発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンスパネル(ELP)、コンパクト蛍光ランプ(CFL)、高輝度放電ランプ、可撓なまたは可撓でない有機LEDディスプレイ、フラットパネル液晶ディスプレイ(LCD)、および他の利用可能なタイプの照明素子を含む、異なるタイプの照明デバイスが、照明システム56によって利用されてよい。任意の数の照明デバイスが、シューズ10の任意の部分に配置されてよい。図示のように、第1の照明デバイス58が、履物10の中足領域RMF内に配置された、ソール構造14の内側にパッケージされる。第1の照明デバイス58は、シューズ10の横側にあるソール構造14の周囲壁を通じて延びるフレーム孔を封止する窓60(図1)に直ぐ隣接して位置付けられる。この照明デバイス58は、照明または「オン」状態、非照明または「オフ」状態、一連の照明強度(例えば、低い、中間のおよび高い光出力)、各種の色、および/または各種の照明パターンにおいて作動させられてよい。この構成を用いるならば、第1の照明デバイス58は、アッパー12の一部、ソール14の一部、およびIES10に隣接する地面GS1の一部を選択的に照明する。
【0038】
次に、図5のフローチャートを参照すると、図1および図2のIES10のようなウェアラブル電子デバイスと、図3のIESデータネットワークおよび通信システム30によって本明細書では表されることがあるインテリジェント輸送管理(ITM)システムとの間の共同動作を自動化するための改良された方法または制御戦略が、本開示の態様に従って参照番号100で概ね記載される。図5に図示し且つ以下に更に詳細に記載する動作の一部または全部は、例えば、メインメモリまたは補助メモリまたは遠隔メモリに格納されることがあり、開示の概念と関連する上記または上述または下述の機能のいずれかまたは全部を実行するために、例えば、常駐または遠隔コントローラ、中央処理装置(CPU)、制御論理回路、または他のモジュールまたはデバイスによって実行されることがある、プロセッサ実行可能命令に対応するアルゴリズムを代表することがある。図示の動作ブロックの実行順序は変更されてよく、追加のブロックが追加されてよく、説記載するブロックの一部が変更、結合、または削除されてよいことが認識されるべきである。
【0039】
方法100は、図1のIES10のようなウェアラブル電子デバイスの動作を支配するプロトコルのための初期化手順を呼び出すために、プログラマブルコントローラまたは制御モジュールまたは図2の常駐履物コントローラ44のような同様の適切なプロセッサのためのプロセッサ実行可能命令で、終端ブロック101において開始する。このルーチンは、例えば、インテリジェント電子シューズ10の使用中に、リアルタイムで、連続的に、系統的に、散発的に、および/または規則的な間隔などで呼び出されて、実行されてよい。図5に示す方法論の代表的な実装として、図3のIESデータネットワークおよび通信システム30アーキテクチャを参照すると、ブロック101における初期化手順は、ユーザ11が道路または道路交差点13に近づく度に、ユーザ11が車両32に近づくかまたは車両32によって近づかれる度に、或いはユーザ11が(例えば、車両32に取り付けられた)移動する送信器-検出器モジュール70または(例えば、横断歩道信号ポスト74に取り付けられた)静止した送信器-検出器モジュール72に対する検出可能な近傍にある度に、自動的に開始されてよい。スマートフォン40またはスマートウォッチ42のようなポータブル電子デバイスを利用して、ユーザ11は、例えば、歩行者衝突回避手順の一部として、ユーザ11をモニタリングするために、(例えば、クラウドコンピューティングシステム36によって表される)IoAAFミドルウェアノードを通じて、(例えば、遠隔ホストシステム34によって表される)交通システムコントローラと協働する、専用モバイルアプリケーションまたはウェブベースアプレットを立ち上げてよい。図3に図示する例は、都市道路の交差点で単一の自律自動車-SAEレベル3、4または5の自律車両との事故に起因する傷害を回避する単一の歩行者-女性走行者を描いている。しかしながら、IESシステム30は、任意の数およびタイプのユーザを、任意の論理的に関連する環境で作動する任意の数およびタイプの車両または物体をモニタリングし且つそれらを保護することが想定される。
【0040】
セキュリティを強化するために、IES10とIESシステム30との間の相互作用は、所定のプロセスブロック103において認証プロセスによって可能にされることができる。認証は、ウェアラブル電子デバイスの適切な起動および/またはデバイスのユーザの有効な同一性(アイデンティティ)を確認する一次または二次ソースによって実行されてよい。パスワード、PIN番号、クレジットカード番号、個人情報、生体データ、所定のキーシーケンスなどのような、ユーザ識別情報の手動入力後に、ユーザは、個人アカウント、例えば、NIKE+(登録商標)Connectソフトウェアアプリケーションを用いてユーザのスマートフォン40上で作動し且つIoAAFミドルウェアノードに登録される「デジタルロッカー(digital locker)」にアクセスすることが可能にされてよい。よって、データ交換は、例えば、秘密のPIN番号(例えば、6桁または8桁コード)と個人識別入力(例えば、母親の旧姓、社会保障番号など)との組み合わせ、または(例えば、ユーザ13によって作成される)パスワードと(例えば、ホストシステム34によって発行される)対応するPIN番号との組み合わせ、または秘密のPIN番号とクレジットカード入力との組み合わせによって可能とされることができる。追加的にまたは代替的に、バーコード、RFIDタグ、またはNFCタグが、IES10シューズ構造に刻印されるか或いは取り付けられてよく、セキュリティ認証コードをIESシステム30に通信するように構成されてよい。ブロックチェーン暗号技術を含む他の確立された認証およびセキュリティ技術を利用して、ユーザのアカウントへの不正アクセスを防止して、例えば、ユーザのアカウントへの不正アクセスの影響を最小限に抑え、或いはユーザのアカウントを介してアクセス可能な個人情報または資金への不正アクセスを防止することができる。
【0041】
所定のプロセスブロック103で識別情報を手動で入力する代替または補足の選択肢として、ユーザ13のセキュリティ認証は、常駐履物コントローラ44によって自動化されてよい。非限定的な例として、バイナリ接触型センサスイッチの性質を有してよい圧力センサ62が履物10に取り付けられてよい(例えば、ソール構造14のミッドソール24内に埋め込まれてよい)。この圧力センサ62は、インソール22上の較正された最小荷重を検出し、それによって、アッパー12における足の存在を確立する。IES10の任意の将来の自動化された構成は、先ず、コントローラ44が、バイナリ圧力センサ62へのプロンプト信号を介して、足がアッパー12内に存在し、よって、自動化された動作を開始するためにコマンド信号を送信する前に、履物10が使用中であることを確認することを必要とする場合がある。単一のセンサのみが図2に図示されているが、IES10は、シューズ構造全体を通じて離散的な場所にパッケージされた、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、および/またはシューズダイナミクスセンサを含む、センサの分散アレイを備えてよいことが想定される。同じ趣旨において、足存在感知(FPS)は、キャパシタンス、磁気などを含む、様々な利用可能な感知技術を介して決定されてよい。足存在感知に関する追加的な情報は、例えば、Steven H. Walker, et alへの特許文献1および特許文献2に見出されることができ、それらの両方のそれぞれの全文は、全ての目的のために、本明細書に参照として援用される。
【0042】
バイナリ(オン/オフ)スイッチとして機能することに加えて、圧力センサ62は、アッパー12内の足によって生成される加えられる圧力の大きさのような、各種の生体計測パラメータのいずれかを検出し、それらを示す1つ以上の信号を出力する、ポリウレタン誘電容量性バイオフィードバックセンサのようなマルチモーダルセンサ構成の形態を取ってよい。これらのセンサ信号は、圧力センサ62から常駐履物コントローラ44に送られ、それらは常駐履物コントローラ44で受信したデータを凝集し、フィルタリングし、処理して、現在のユーザについての体重値を計算する。現在IES10を使用している個人のために計算された現在のユーザの体重は、以前に検証されてメモリに格納されたユーザ重みと比較される(例えば、既存の個人アカウントの登録されたユーザに対して認証される)。そうする際に、履物コントローラ44は、現在のユーザの体重が検証されたユーザの体重の所定の閾値範囲に等しいか或いはその範囲内にあるかどうかを決定することができる。現在のユーザが検証されたユーザに認証されると、常駐履物コントローラ44は、履物10内の1つ以上のサブシステムにコマンド信号を送信して、それらの構成を自動化することが可能にされる。
【0043】
ユーザの自動化されたセキュリティ認証は、認証されたユーザの足の以前に検証された特性との現在のユーザの足の相互参照特性を含む、予め定義されたプロセスブロック103の一部として、他の利用可能な技術を通じて達成されてよい。例えば、履物10に取り付けられ、シューレース20を張力付けられていない(緩められた)状態と1つ以上の張力付けられた(締め付けられた)状態との間で前後に移行させるように選択的に作動可能である、レースモータ(M)64を利用する電動レーシングシステムと共に組み立てられた、図2の代表的なIES10が示されている。レースモータ64は、ソール構造14内に収容され、常駐履物コントローラ44によって制御される、双方向DC電動ウォームギヤモータの性質を有してよい。レースモータ64の起動は、シューズ構造に内蔵された手動で起動されるスイッチまたはユーザのスマートフォン40またはスマートウォッチ42上のアプリを通じたソフトキー起動を介して始動されてよい。制御コマンドは、増分締付け、増分緩み、開/完全緩み、「好ましい」張力の記憶、および張力の想起/回復を含んでよいが、もちろんそれらに限定されない。電動シューレース張力付けシステムに関する追加的な情報は、例えば、特許文献3に見出されることができ、その全文は、全ての目的のために本明細書に参照により援用される。
【0044】
レースモータ64のモータ制御は、例えば、足がアッパー12の内側に配置されたことを示す圧力センサ62からのセンサ信号に応答して、常駐履物コントローラ44を介して自動化されてよい。例えば、ダイナミックなユーザの動きに応答して足をより良く保持するために、シューレース張力は、IES10の使用中のコントローラ44によるレースモータ64の支配された動作を通じて能動的に変調されてよい。少なくとも幾つかの実施形態では、Hブリッジ機構が、モータ電流を測定するために利用され、測定された電流が、履物コントローラ44への入力として提供される。常駐履物メモリ46は、各々が特定のレース張力位置に対応することが知られている較正された電流のリストを有するルックアップテーブルを格納する。ルックアップテーブルに記録された較正された電流に対して測定されたモータ電流を確認することによって、履物コントローラ44は、シューレース20の現在の張力位置を確認してよい。前述の機能、ならびに本明細書に開示するあらゆる他の論理的に関連する選択肢または構成は、衣服、ヘッドギア、アイウェア、リストウェア、ネックウェア、レッグウェア、下着、および同等物を含む、代替的なタイプの着用可能な衣服に適用されてよい。その上、レースモータ64は、ストラップ、ラッチ、ケーブル、およびシューズを固定するための他の商業的に入手可能な機構の張力付けおよび緩みを自動化するように構成されてよい。
【0045】
上述の圧力センサ62と同様に、レースモータ64は、IES10の自動化された構成を効果的に有効および無効にするバイナリ(オン/オフ)スイッチとして倍加してよい。すなわち、常駐履物コントローラ44は、自動化された構成を実行する前に、レースモータ64と通信して、シューレース20が張力付け状態にあるか或いは非張力付け状態にあるかを決定してよい。後者であるならば、全ての自動化された構成は、例えば、IES10が使用されていない間の自動化された構成の偶発的な始動を防止するために、常駐履物コントローラ44によって無効にされてよい。逆に、レース20が張力状態にあることの決定後に、履物コントローラ44は、自動化コマンド信号を送信することが可能にされる。
【0046】
レースモータ64の動作中、シューレース20は、異なる周囲寸法を有する足または異なる引張の好みを有するユーザに順応するために、複数の離散的な張力付け位置のうちの任意の1つに配置されてよい。モータ64内に内蔵されてよい或いはソール構造14またはアッパー12内にパッケージされてよいレースセンサは、所与のユーザについてのレース20の現在の張力付け位置を検出するために利用されてよい。代替的に、双方向電気レースモータ64の出力シャフト(例えば、ウォームギヤ)の位置またはレース20の指定された区画の位置(例えば、モータのウォームギヤと嵌合されたレーススプール)のリアルタイムトラッキングを使用して、レース位置を決定してよい。レース20を張力付けた後に、常駐履物コントローラ44は、レースモータ64および/またはレースセンサと通信して、現在のユーザについてのレース20の現在の張力付け位置を識別する。この現在の張力付け位置は、(例えば、既存の個人アカウントの登録ユーザに認証された)以前に検証されてメモリに格納されたレース張力付け位置と比較される。この比較を通じて、履物コントローラ44は、現在の張力付け位置が、検証された張力付け位置の所定の閾値範囲と等しいか、或いはその範囲内にあるかどうかを決定することができる。現在のユーザを検証されたユーザに認証した後に、常駐履物コントローラ44を介して履物10内の1つ以上のサブシステムにコマンド信号を送信して、それらの構成を自動化してよい。
【0047】
所定のプロセスブロック103に記載する認証手順の完了後に、図5の方法100は、IESシステム30によってモニタリングされる指定された環境内で移動する1つ以上の標的物体の動きをトラッキングするのに十分なデータを検索するためのプロセッサ実行可能命令を備える入力/出力ブロック105に進む。図3に図示する例によれば、IES10、遠隔ホストシステム34、および/またはクラウドコンピューティングシステム36は、直接的にまたはスマートフォン40またはスマートウォッチ42との協働操作を通じて、ユーザ11の現在場所および速度(速さおよび向き)ならびに自動車32の現在場所および速度(速さおよび向き)を示す場所データを受信してよい。また、ユーザの移動は、追加的にまたは代替的に、専用のモバイルアプリまたはユーザのスマートフォン40上で動くルート計画アプリを通じてトラッキングされることができる。IES10の、よって、ユーザ11の場所および動きは、例えば、アッパー12またはソール構造14に内蔵された衛星ベースのGPSナビゲーションシステムトランシーバを通じて決定されることもできる。リアルタイムユーザダイナミクスをトラッキングすることに加えて、ミドルウェアノードとして機能するクラウドコンピューティングシステム36のようなバックオフィス仲介サーバが、例えば、車載送信デバイスを通じて或いは運転手のパーソナルコンピューティングデバイス上のアプリを通じて、車両32のリアルタイムの場所および動きをトラッキングする。
【0048】
ユーザの場所および付随するダイナミクスを確認するための別の技術は、ユーザ11によって支持され、近くの構造または近くの移動する物体に取り付けられた送信器-検出器モジュール70、72と通信する、検出タグ78を利用する。図1および図3に提示する代表的な用途によれば、検出タグ78は、ソール構造14の外面に取り付けられる受動または能動無線周波数トランスポンダとして具現される。図1のRFトランスポンダ78は、導電性材料で製造され、電磁放射波の形態で信号を送受信するように成形された、全指向性(タイプI)RFアンテナコイル80を含む。集中素子バターワースフィルタの性質を有してよいRF周波数フィルタ82は、RFアンテナ80に電気的に接続され、較正された(第1の)周波数を備えるRF電力を有するか或いは較正された(第1の)周波数範囲内にある信号のみの通過を可能にするさせるよう帯域通過動作性のために設計される。別の選択肢として、周波数フィルタ82は、望ましくない周波数、または任意の1つ以上の望ましくない周波数バンド内の、すなわち、較正された(第1の)周波数範囲の外側の周波数を備えるRF電力を有する全ての信号の通過を減衰および拒否する帯域消去機能を提供してよい。構成部品を保護し、RFトランスポンダとしての性能を向上させるために、任意的な誘電体カバー84が、アンテナ80、フィルタ82、および付随する検出タグ電子機器の上に配置される。信号交換は、システムパケットインタフェース(SPI)インタフェースおよび汎用入出力(GPIO)を通じて経路指定(ルーティング)されてよい。周波数および位相同調可能な信号出力は、位相ロックループ(PLL)または直接デジタル合成(DDS)合成器、高調波ミキサ、およびPLLまたはDDS合成器ベースのローカル発振器を通じて提供されてよい。
【0049】
ユーザ11が図3の道路交差点13に接近すると、検出タグ78(図1)は、車両32の前端近傍にパッケージされる移動する送信器-検出器モジュール70、または横断歩道信号柱74、ビルの壁、または同様の適切な不動構造に吊されることがある静止的な送信器-検出器モジュール72によって、規則的な間隔で発せられる周波数掃引された(frequency swept)プロンプト信号Sまたは「ping」を受信する。検出タグ78が受動RFトランスポンダで構成される用途において、送信器-検出器モジュール70、72は、反復的または実質的に連続的な方法で、プロンプト信号Sをブロードキャスト(放送)してよい。逆に、能動RFトランスポンダの実装について、入って来るプロンプト信号Sは、反復的または実質的に連続的な方法で、検出タグ78によってブロードキャストされるコールバック信号(callback signal)に応答して発せられてよい。プロンプト信号Sは、標準化された(第1の)ダウンリンク周波数を備える所定の(第1の)RF電力レベルを有する電磁場波である。加えて、プロンプト信号Sは、符号化された一意的な情報(例えば、送信器ID、呼掛けコード、タイムスタンプなど)を備える埋め込まれたデータセットを含む。狭帯域システムにおいて掃引された搬送波の上にデータを重ね合わせて、幾つかの実装が作り出すことがある帯域幅オーバヘッドを減らすのを助けることができる。タグ78がブロードキャストし、モジュール70がプロンプト信号Sを受け取り且つ再送する逆の状況も可能であることが留意されるべきである。
【0050】
このプロンプト信号Sを受信した後に、検出タグ78は、プロンプト信号SPを応答的に処理し、出て行く応答信号Sとして送信器-検出器モジュール70、72に戻す。応答信号Sは、第1の周波数とは異なる相補的な(第2の)アップリンク周波数を備える区別可能な(第2の)RF電力を有する電磁場波である。検出タグ78は、(例えば、入って来る信号の周波数乗算によって)入って来るプロンプト信号Sを変調する、RF周波数変換器と、送信器-検出器モジュール70、72への応答信号Sの送信前に、入って来るプロンプト信号Sに基づいて、応答信号SRを強化する、RF信号増幅器とを備えてよい。送信器-検出器モジュール70、72が検出タグ78を認識するのを保証するのを助けるために、応答信号Sは、プロンプト信号のS埋め込みデータの少なくとも一部を送信器-検出器モジュール70、72に戻す。オンボード電力使用を最小限に抑えるために、検出タグ78は、2つのモード、すなわち、アイドルモードおよびアクティブモードで作動してよい。アイドリングしているときに、検出タグ78は、一般的に、休止状態にあり、よって、常駐電源52またはオフボード電源から電力を引き出さない。対照的に、アクティブであるとき、検出タグ78は、常駐電源52から電力を一時的に引き出すか、或いは入って来るプロンプト信号SPによって電力供給される。よって、検出タグ78は、所定の周波数のRF電力を備える入って来る信号が受信されない限り並びに受信されるまで、透明な(transparent)出力信号を送信しない。
【0051】
図1図3のインテリジェント電子シューズ10は、歩行者衝突脅威評価を実行する一部として、IESシステム30および自動車32とデータを交換するための代替的な手段を利用してよい。RFトランスポンダを使用する代わりに、検出タグ78は、1つ以上の電気活性ポリマ(EAP)センサを用いて製造されてよく、EAPセンサの各々は、ソール構造14またはアッパー12に取り付けられた個別の誘電体EAP素子を有する。この例によれば、入って来るプロンプト信号Sは、移植された誘電体EAP素子の物理的な状態変化(例えば、アーキングまたは膨張)を誘起するのに十分な電圧を有する電流を生成する電場である。IES10の通常の使用を通じて、ユーザ11は、例えば、誘電体EAP素子を彼らの足で平坦化または圧縮することによって、EAPセンサの物理的な状態変化を知らずに逆転させる。そうする際に、EAPセンサは、電流を生成し、電流は、IES10によって応答信号Sを出力させる。IES10が、IESシステム30または他の以前から存在する(複数の)ワイヤレスアクセスポイントを通じて全てのデータを方向変更するよりもむしろ、例えば、デバイス間ワイヤレスアドホックネットワーク(WANET)を通じて、車両32と直接的に通信することが可能にされてよいことも想定される。
【0052】
図5を再び参照すると、方法100は、ユーザが接近しており、自動車事故を引き起こすことがある方法で道路に入ることがあることを示す、応答信号Sの送信に応答して生成される、予備的な歩行者衝突警報信号を送信または受信するためのプロセッサ実行可能な命令を用いて、ブロック107を処理し続ける。基本的な用途では、二次変数に関係なく、ユーザ11が自動車32と同時に交差点13に近づく度に、歩行者衝突警告信号が、IESシステム30を介して自動的にブロードキャストされる。例えば、図4に見られるように、IESシステム30の無線送信器ノード86は、動いている車両32Aが交差点13Aを横断することが予期される同時に、道路交差点13Aに近づいており且つ横断すると予測されるIES10を着用している第1のユーザ11Aに、予備的な警告信号をブロードキャストしてよい。ビルによって互いに視覚的に妨害されているとしても、IES10を着用しており且つ交差点13Aに近づいている第2のユーザ11Bは、過剰な注意において対向車両32Aをユーザ11Bに通知する予備的な警告信号を受信してよい。一対のIES10は、視覚的、身体的または精神的に障害のあるユーザ11Cに登録されてよい。この個人が、車両32Aが通過しているときに交差点13Aに知らずに入り込むことがある可能性が高いことの故に、予備的な歩行者衝突警告信号が、第3のユーザ11Cに送信されてよい。各当事者が歩行者と自動車との間の不注意の衝突を防止するための修正措置を取ることができるように、警告信号は、複数のユーザ11A、11B、11C、およびあらゆる潜在的に脅威となる(複数の)車両32Aに送信されてよい。
【0053】
より洗練されたマルチモーダル用途のために、IESシステム30は、例えば、光検出、レーダ、レーザ、超音波、光学、赤外線、減衰質量、スマート材料、または物体検出およびトラッキングのための他の適切な技術を使用する、各種の感知デバイスからデータを受信する。図示の例によれば、IESシステム30は、1つ以上のデジタルカメラ、1つ以上のレンジセンサ、1つ以上の速度センサ、1つ以上のダイナミクスセンサ、および未加工のセンサデータを処理するための任意の所要のフィルタリング、分類、融合および分析ハードウェアおよびソフトウェアを備えるか、或いはそれらからセンサ信号を受信してよい。各センサは、一般的には対応する標準偏差を有する推定値として、標的物体の特性または状態を示す、電気信号を生成する。これらのセンサの動作特性は、概して相補的であるが、幾つかのセンサは、他のセンサよりも特定のパラメータを推定することにおいてより信頼性が高い。殆どのセンサは、異なる動作範囲およびカバレッジ領域を有し、幾つかのセンサは、それらの動作範囲内の異なるパラメータを検出することができる。更に、多くのセンサ技術の性能は、異なる環境条件によって影響を受けることがある。その結果、センサは、一般に、その動作上の重なり合いが感覚融合(sensor fusion)の機会を提供するパラメトリック分散(parametric variances)を提示する。
【0054】
専用の制御モジュールまたは適切にプログラムされたプロセッサが、一群のセンサベースを集約および前処理し、集約されたデータを融合し、融合されたデータを関連するクラウドソースのデータおよび評価中の各標的物体についての挙動データと共に分析し、標的物体が自動車の予測された経路に入る可能性が統計的に高いかどうかを推定する。入出力ブロック109で、例えば、常駐履物コントローラ44は、(1)IES10の、よって、ユーザ11のリアルタイムの位置を示す1つ以上のパラメータ(例えば、lat、lon、仰角、地理空間データなど)を示す有する位置データ、(2)IES10の、よって、ユーザ11のリアルタイムの運動(例えば、相対速度、絶対速度、加速/減速、軌道など)を示す1つ以上のパラメータを有するダイナミックデータ、および(3)IES10を着用する間のユーザ11の履歴的な挙動を示す挙動データを収集して、IESシステム30に送信する。そのような履歴的なデータは、特定の交差点にあるときのまたは特定の地理的場所における所与のユーザの過去の傾向、一般的に都市環境または農村環境における所与のユーザの過去の傾向、様々な天候条件における所与のユーザの過去の傾向、特定のダイナミックシナリオにおける所与のユーザの過去の傾向などを含むことがある。IESコントローラ44は、利用可能な現在の情報および履歴的な情報に基づいてユーザ11の推定される経路を示す予測経路データを含む、他のタイプのデータを収集および送信してよいことが想定される。あらゆるそのようなデータは、IESシステム30を介して、車両32を介して、隣接するデバイスおよびシステムを介して、またはそれらの任意の組み合わせを介して、IES10上でローカルに収集および格納されてよい。
【0055】
予め定義されたプロセスブロック111で、図5の方法100は、センサ融合モジュールを集約された未加工のセンサデータに適用し、それによって、車両の場所および予測ルートに対する歩行者の侵入の可能性のような、モニタリングされる環境内の標的物体の移動を決定するために、常駐または遠隔コントローラのためのプロセッサ実行可能な命令に進む。IESシステム30は、例えば、受信したセンサデータを相互に関連付けて、単一の共通の「基準」時間フレーム、座標系、標準測定値のセットなどとの重なり合い(オーバーラップ)を保証するために、常駐履物コントローラ44から受信するデータを条件付ける。受信したセンサデータが関連メトリックに亘るアライメントを保証するように十分に条件付けられるや否や、IESシステム30は、データ関連プロトコルを実行してよく、データ関連プロトコルは、センサデータの各々のそれぞれの部分を分類し、次に、任意の相補的な分類に基づいて関連部分またはセンサデータを相関させてよい。次に、IESシステム30は、標的物体および対象車両の経路プランデータと共に、条件付けられたおよび分類されたデータのセンサ融合手順を実行してよい。センサ融合は、不均一なまたは均一なソース(例えば、上述の複数の異なるセンサタイプ)に由来するデータの集約、分析、および連携のための計算フレームワークとして代表されてよい。図示の用途について、センサ融合は、幾つかのセンサからのデータを知的(インテリジェント)に結合し、個々のセンサの欠陥を補正して、より完全で正確で理解可能な情報を計算する、専用ソフトウェア機器として具現されてよい。
【0056】
センサ融合の完了後に、IESシステム30は、歩行者衝突脅威値を計算する。この衝突脅威値は、有害事象を引き起こさないよりも引き起こす可能性が高い方法で挙動するモニタリングされる標的物体を予測する。図示の例によれば、歩行者衝突脅威値は、対象車両32の予測されるルートが対象車両の現在(リアルタイム)場所に関連するときに、対象車両32の予測されるルートを少なくとも部分的に妨害するような方法で、ユーザ11の侵入を予測することがある。この歩行者衝突脅威値は、ユーザ位置データ、ユーザダイナミクスデータ、およびユーザ挙動データの融合に基づいてよい。任意的に、歩行者衝突脅威値は、クラウドソースのデータおよび環境データと、挙動データ、ユーザ位置データおよびユーザダイナミクスデータとの融合を組み込んでもよい。環境データは、現在の気象条件、現在の車両交通条件、現在の歩行者交通条件、および同等の条件のような、ユーザの周囲環境を示す情報で構成されてよい。比較すると、クラウドソーシングされるデータは、ユーザに近接した複数の個人の場所、移動および/または挙動を示す情報で構成されてよい。前述のデータを受信する遠隔コンピューティングノードは、遠隔ホストシステム34、クラウドコンピューティングシステム36、常駐履物コントローラ44、自動車32の常駐車両コントローラ76、またはそれらの分散計算の組み合わせを含んでよい。代替的に、履物コントローラ44は、無線通信デバイス48、50を通じて前述のデータのいずれかまたは全部をインテリジェント道路交通管理システムの中央制御装置に送信してよい。
【0057】
図5の方法100は、決定ブロック113に進んで、(1)プロセスブロック111で生成された歩行者衝突脅威値PCTが、較正された閾値CVよりも大きいかどうか、および(2)近位交通制御信号の現在の(第1の)動作状態OSが、1つ以上の相反する信号位相SPのいずれかに等しいかどうかを決定する。第1の問い合わせにより、較正された閾値CVは、それよりも下では計算された衝突脅威値が決定的でないか或いは衝突事象の発生しないことを確率的に結論付ける、統計的に有意な最小信頼パーセンテージ(例えば、80%)を確立するのに十分な定量的データを提供する経験的試験を通じて決定されてよい。較正された閾値CVを特定するために利用可能な技術は、確率論的ガウスプロセス、有限混合モデル(FMM)推定プロトコル、または他の正規または連続確率分布技術を含んでよい。
【0058】
決定ブロック113で行われる2つの問い合わせのうちの後者について、相反する信号位相SPは、交通が所与の道路セグメントでの安全な横断を許容しない方法で道路通行権を与えられる任意の信号位相を含む。交通信号の位相整合(phasing)は、タイミング、シーケンスおよび持続時間を支配し且つ調整する交通システムコントローラ内の信号表示、信号ヘッド、および付随する制御ロジックを使用して実施されてよい。信号の位相整合設定は、必要に応じて、例えば、交通需要、パターン等の変化に適応するめに、支配的な条件に対して安全で効率的な動作をもたらすような方法において、変更されてよい。図3を再び参照すると、車両32が同じ交差点13を通過することが期待されるのとほぼ同時に交差点13の道路内にユーザを配置すると推定される速さおよび軌跡で走っている、ユーザ11が示されている。送信器-検出器モジュール70、72を用いたIESシステム30を介したユーザ11の検出後に、遠隔ホストシステム34のバックエンドサーバコンピュータは、ユーザの場所に近接する道路セグメント(例えば、交差点13A)に位置付けられ、且つ、交通の流れ(東へ向かう移動および北に向かう移動)を調整するように動作可能である、交通信号または交通信号セット(例えば、図4の三色交通制御光88(tricolored traffic control light)および歩行者横断信号90)を識別する。ひとたび識別されると、遠隔ホストシステム34は、進行状態(連続的な緑色光または歩行(WALK)信号)、注意/先方優先交通権(yield)状態(連続的な黄色光または点滅する歩行(WALK)信号)、進行禁止または停止状態(連続的な赤色光または歩行禁止(DON’T WALK信号)、または前述の状態のいずれかの間の移行状態(緑色から黄色、黄色から赤色など)を含んでよい、交通信号のリアルタイム動作状態を決定する。これらの動作状態のうちの1つ以上は、相反する信号位相SPとして特徴付けられることがある。非限定的な例として、進行状態、注意/先方優先交通権状態、進行注意間移行状態は、全て、相反する信号位相SPとして指定されることがある。
【0059】
決定ブロック113で行われた評価のいずれかが否定的なものとして帰結するならば(ブロック113=NO)、方法100は、終端ブロック101に戻って連続ループで動作するか、或いは終端ブロック117に進んで、一時的に終了してよい。逆に、歩行者衝突脅威値PCTが実際には較正された閾値CVよりも大きく、交通制御信号の現在の動作状態OSが相反する信号位相SPのうちのいずれか1つに対応するという決定後に(ブロック113=YES)、本方法100は、ユーザと車両との間の衝突を回避するために1つ以上の修正措置がとられるブロック115に進む。一例として、非限定的に、無線送信器ノード86は、歩行者衝突切迫通知を車両コントローラ76に送信してよく、車両コントローラ76は、制動コマンド信号または複数の制動コマンド信号を車両ブレーキシステムに発することによって直ちに応答して、ブレーキ操縦を実行して、例えば、完全停止を達成させるか、或いは回避ステアリング操縦を容易に可能にする計算値まで減速させてよい。追加的にまたは代替的に、車両32は、車両ステアリングを制御すること、車両の変速機の動作を管理すること、エンジンスロットルを制御すること、および他の自動化された運転機能のような、他の自律的な車両機能を実行してよい。可視警告および/または可聴警告が、車両中央コンソール情報システム、デジタル計器クラスタディスプレイまたは個人的なポータブル電子デバイスを使用して、運転手に送信されてよい。
【0060】
プロセスブロック115は、交通信号位相変調を通じた自動化された歩行者および車両の交通流変化のためのプロセッサ実行可能な命令を含んでもよい。例えば、(交通信号制御キャビネット92によって図4で表される)交通システムコントローラは、交差点13に入る前に自動車32を停止させ、それによって、ユーザ11との衝突を防止する試みにおいて、第1の動作状態(例えば、緑色光)から第2の動作状態(例えば、黄色光または赤色光)に切り替えるために、車両交通制御灯88にコマンド信号を送信する。上述のように、交通信号位相修正は、ユーザダイナミクスデータ(例えば、速さ(speed)および見出し(heading))に基づいてよく、ユーザ11が、車両ダイナミクスデータ(例えば、速度および予測経路)に随伴して、モニタリングされる道路セグメント13に入ることを示唆し、車両32が、同じモニタリングされる道路セグメント13に入ることを示唆してよい。この点に関して、IESシステム30は、IESダイナミクスセンサデータを受信および分析して、IES10が、よって、ユーザ11が車両交通制御灯88によって規制される交通レーンを違反すると推定される、予想侵入時間を識別してよい。
【0061】
IESシステム30は、現在の(リアルタイム)時間と、交通信号がその現在の動作状態から代替的な動作状態に切り替わるようにスケジュールされる予めプログラムされた位相変化時間との間の差として計算される、推定される位相変化時間を決定してもよい。予想される侵入時間が推定される位相変化時間よりも短いという決定に応答して、ユーザ11は、車両交通制御灯88が緑色から赤色に変化するように予めプログラムされる前に、交差点13に入るように予期され、交通信号制御キャビネット92は、位相変化コマンド信号を交通制御灯88に自動的に送信する。代替的に、予期される侵入時間が信号位相変化前にユーザ11を交差点13内に置かないならば、交通信号制御キャビネット92が仲裁して位相変化コマンド信号を予防的に発する必要はない。同じことは、ユーザ11が交差点13に入る前にユーザ11が停止したかまたは停止することをユーザダイナミクスデータが示す、或いはユーザ11が交差点13にユーザを置かない相補的または代替的な見出しを取ったことを示す場合について言われることができる。やはり、交通信号制御キャビネット92が仲裁して位相変化コマンド信号を予防的に発する必要はない。プロセスブロック115で実行される修正措置が完了後に、方法100は、終端ブロック117に進み、一時的に終了する。
【0062】
車両-歩行者衝突を緩和または防止するように設計された1つ以上の車両動作の自動化を容易化することに加えて、方法100は、プロセスブロック115で車両-歩行者衝突を緩和または防止するように設計される1つ以上のIES構成の自動化を付随的に容易化することがある。例えば、インテリジェント電子シューズの第1の自動化された構成AFを実行するために、第1のコマンド信号が第1のIESサブシステムに送信されてよい。図3に図示する例によれば、常駐履物コントローラ44は、ブロック111で歩行者衝突脅威値出力を受信し、ブロック113で脅威値が閾値よりも大きいことを確立し、ブロック115で予防措置を応答的に取る。常駐履物コントローラ44は、コマンド信号を常駐照明システム56に送信して、照明デバイス58を起動させ、それによって、所定の光出力を生成することによって、この決定に自動的に(すなわち、如何なるユーザまたは外部システムプロンプトなしに)応答する。選択される色および/またはパターンは、ユーザ11によって、任意的に車両32の運転手によって検出可能であり、差し迫っている衝突を警告するのに十分な程に顕著である。非限定的な例として、常駐照明システム56は、閃光する明るい赤色光パターンを出力してよく、この特定の色およびパターンの使用は、潜在的な危険をユーザに警告するために制限されてよい。IES10の光出力は、車両32の前向きヘッドランプの光出力と協調させられて、予測される車両衝突をユーザ11に通知することが更に容易にされてよい。
【0063】
開示の接続されたウェアラブル電子デバイスのいずれかは、図5に示す方法論100の一部として、追加的または代替的な構成を自動化してよいことが想定される。決定ブロック113での肯定的な決定に応答して、履物コントローラ44は、ウェアラブル電子デバイスの第2の自動化された構成AFを実行するために、第2のサブシステムに第2のコマンド信号を自動的に送信してよい。非限定的な例として、図2のIES10は、インソール22と動作的に通信してソール構造14の内側に収容される触覚トランスデューサ66を備えて示されている。歩行者衝突脅威評価をユーザ11に警告するために、常駐履物コントローラ44は、触覚トランスデューサ66にコマンド信号を発して、ミッドソール24からインソール22を通じてユーザの足に送信される触覚キューを生成する。方法100の一部として触覚トランスデューサ66によって出力される強度および/またはパルスパターンは、起こりそうな危険をユーザに警告する場合に限定されてよい。
【0064】
任意的な第3の自動化された構成AFが、シューレース20を急激に張力付け或いは緩めるために履物コントローラ44によって選択的に作動させられる触覚力フィードバックデバイスとしてレースモータ64を作動させることを含んでよい。同様に、IES10は、スマートフォン40(例えば、LEDカメラ光または偏心回転質量(ERM)アクチュエータの協調させられた閃光)またはアクティブ衣服要素(例えば、シャツまたはショーツに組み込まれた熱または触覚デバイスの協調させられた起動)と共に作動してよい。更に別の選択肢として、触覚フィードバックは、ターン毎の指示をユーザに提供するために利用されることができる(例えば、左足または右足は、高められた強度でおよび/または左ターンまたは右ターンを示すために指定されたパルスパターンで振動する)。同じ趣旨で、触覚フィードバックは、予め選択されたルートに沿ってユーザに指示するか或いは特定の(例えば、安全でないとみなされる)ルートを取ることをユーザに警告するために、同様の方法で利用されることができる。触覚フィードバックを伴う履物および衣服に関する追加的な情報は、例えば、Ernest Kimへの特許文献4に見出されることができ、その全文はあらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0065】
任意的に、IES10は、アッパー12の後部クォーター12Cに取り付けられた小型化されたオーディオスピーカ68によって、図1に提示するオーディオシステムを備えてよい。常駐履物コントローラ44は、歩行者衝突脅威値が較正された閾値よりも大きいことを確認した後に、オーディオシステムスピーカ68にコマンド信号を自動的に送信して、所定の音声出力を生成する。例えば、オーディオシステム・ピーカ68は、増加した音響レベルで「警告!」または「停止!」を叫んでよい。別の選択肢として、履物コントローラ44は、レースモータ64に命令して、例えば、対向車両の、信号/キューとして、シューレース20を反復的に張力付けてよい/緩めてよい。履物インフラストラクチャ間通信は、IES10がネットワーク化された「スマートシティ」コントローラと通信することを許容するように可能にされてよく(且つ協調されてよく)、次いで、ネットワーク化された「スマートシティ」コントローラは、歩行者または走行者の安全性を向上させるよう、街路照明または交通信号変化を変調させることができる。逆に、「スマートシティ」コントローラは、IES10と通信して、歩行者が対向車両に優先交通権を譲らなければならないことを知らせる「歩行禁止(Do Not Walk)」標識のある横断歩道に歩行者が達することをユーザに警告してよい。
【0066】
この開示の態様は、幾つかの実施形態では、一般的には本明細書に記載するコントローラまたはコントローラの変形のいずれかによって実行されるソフトウェアアプリケーションまたはアプリケーションプログラムと呼ばれる、プログラムモジュールのような、命令のコンピュータ実行可能プログラムを通じて実装されてよい。ソフトウェアは、非限定的な例において、特定のタスクを実行する或いは特定のデータタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、およびデータ構造を含んでよい。ソフトウェアは、コンピュータが入力のソースに従って反応することを可能にするインタフェースを形成してよい。ソフトウェアは、他のコードセグメントと協働して、受信されるデータのソースと関連して受信されるデータに応答して、様々なタスクを開始してもよい。ソフトウェアは、CD-ROM、磁気ディスク、バブルメモリ、および半導体メモリ(例えば、様々なタイプのRAMまたはROM)のような、様々なメモリ媒体のいずれかに格納されてよい。
【0067】
更に、本開示の態様は、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブルコンシューマ電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、および同等物を含む、種々のコンピュータシステムおよびコンピュータネットワーク構成で実施されてよい。加えて、本開示の態様は、タスクが通信ネットワークを介してリンクされる常駐および遠隔処理デバイスによって実行される分散コンピューティング環境において実施されてよい。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、メモリ記憶デバイスを含むローカルおよび遠隔コンピュータ記憶媒体の両方に配置されてよい。従って、本開示の態様は、コンピュータシステムまたは他の処理システムにおいて、様々なハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせに関連して実装されてよい。
【0068】
本明細書に記載する方法のいずれも、(a)プロセッサ、(b)コントローラ、および/または(c)任意の他の適切な処理デバイスによる実行のための機械可読命令を含んでよい。本明細書に開示する任意のアルゴリズム、ソフトウェア、制御ロジック、プロトコルまたは方法は、例えば、フラッシュメモリ、CD-ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、または他のメモリデバイスのような、有形媒体に格納されるソフトウェアとして具現されてよい。アルゴリズム全体、制御ロジック、プロトコル、または方法、および/またはそれらの一部が、代替的に、コントローラ以外のデバイスによって実行され、且つ/或いは利用可能な方法でファームウェアまたは専用ハードウェアにおいて具現されてよい(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブル論理デバイス(FPLD)、個別論理などによって実装されてよい)ことを容易に理解するであろう。更に、本明細書に示すフローチャートを参照して特定のアルゴリズムを記載するが、例示的な機械可読命令を実装するための多くの他の方法が代替的に使用されてよい。
【0069】
以下の例示的な構成および設定は、本開示のあらゆる実施形態またはあらゆる態様を表すことを意図しない。むしろ、本開示の構成および利点の多くは、以下の代表的な例からより容易に明らかになるであろう。この点に関して、開示のシステム、方法、デバイス、プロトコルなどの各々は、明示的に否認されているか或いは論理的に禁止されていない限り、単独でおよび任意の組み合わせにおいて、他の実施形態に関して本明細書に記載する任意の構成、選択肢、および代替を含んでよい。
【0070】
本開示の態様は、1フィートのユーザのためのインテリジェント電子シューズシステムに向けられている。IESシステムは、ユーザの足に取り付けるように構成されたアッパーと、アッパーに取り付けられてユーザの足をその上で支持するように構成されたソール構造とを含む。ソール構造は、IESの地面係合部分を画定するアウトソールを有する。ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる光システムは、コマンド信号に応答して光を生成するように構成される。無線通信デバイスが、遠隔コンピューティングノードと無線通信するように構成される。IESシステムは、無線通信デバイスおよび照明システムに動作的に接続される常駐または遠隔履物コントローラを含む。履物コントローラは、ユーザのユーザ場所および遠隔コンピューティングノードのノード場所を示す1つ以上の場所データセットを受信するように構成される。履物コントローラは、ユーザ場所が所定の場所またはノード場所に対する近傍内にあるかどうかを決定する。ユーザ場所が所定の場所またはノード場所に対する近傍内にあることに応答して、コントローラは、コマンド信号を光システムに送信して、所定の光出力を生成する。
【0071】
開示のIESシステムのいずれかについて、履物コントローラは、例えば、ユーザ場所が所定の場所/ノード場所に対する近傍内にあることに応答して、第2のコマンド信号を遠隔コンピューティングノードの制御システムに送信して、可聴または視覚出力を生成するように更に構成されてよい。遠隔コンピューティングノードは、車両ヘッドランプシステムを有する自動車であってよい。この場合、視覚出力は、車両ヘッドランプシステムの光出力の照明、閃光および/または強化を含んでよい。車両の可聴出力は、車両のホーンシステムの可聴出力の起動および/または変調を含んでよい。履物コントローラは、車両ヘッドランプシステムの光出力をIES光システムの所定の光出力と協調させるように更に構成されてよい。
【0072】
開示のIESシステムのいずれかについて、IESシステムの無線通信デバイスは、ポータブル電子デバイスに無線接続され、それによって、遠隔コンピューティングノードと無線通信するように更に構成される。IESシステムは、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる触覚トランスデューサを含んでよい。履物コントローラは、例えば、ユーザの場所が所定の場所/ノードの場所に対する近傍内にあることに応答して、第3のコマンド信号を触覚トランスデューサに送信して、触覚キューを生成してよい。別の選択肢として、IESシステムは、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられるオーディオシステムを含んでよい。履物コントローラは、例えば、ユーザの場所が所定の場所/ノードの場所に対する近傍内にあることに応答して、第4のコマンド信号をオーディオシステムに送信して、所定の音声出力を生成してよい。
【0073】
開示のIESシステムのいずれかについて、遠隔コンピューティングノードは、セキュリティシステムであってよく、この場合、履物コントローラは、例えば、ユーザ場所が所定の場所またはノード場所に対する近傍内にあることに応答して、起動解除コマンド信号をセキュリティシステムに送信してよい。任意的に、遠隔コンピューティングノードは、ホームオートメーションシステムであってよく、この場合、履物コントローラは、例えば、ユーザの場所が所定の場所またはノードの場所に対する近傍内にあるときに、第5のコマンド信号をホームオートメーションシステムに送信して、ドアをロックまたはロック解除し、室内灯を起動または起動解除し、且つ/或いはサーモスタットの温度を上昇または下降させてよい。
【0074】
開示のIESシステムのいずれかについて、所定の場所は、履物コントローラによって定義されるジオフェンスを含んでよい。光システムを起動するためのコマンド信号は、ジオフェンスを違反する(破る)遠隔コンピューティングノードの検出後に送信されてよい。IESシステムは、ソール構造またはアッパーに取り付けられる圧力センサを更に含んでよく、圧力センサは、アッパー内の足の存在(または不存在)を検出するように構成される。この例において、IES光システムを起動するためのコマンド信号は、少なくとも部分的に、アッパー内の検出される足の存在に対する応答として送信される。圧力センサは、追加的に(または代替的に)、ユーザの重量を検出するように構成されてよい。この場合、履物コントローラは、ユーザの検出した重量を示す圧力センサからセンサ信号を受信し、検出した重量がメモリに格納された検証されたユーザ重量の所定の範囲内にあるかどうかを決定し、検出した重量が検証されたユーザ重量の所定の範囲内にある場合にのみ、コマンド信号をIES光システムに送信してよい。
【0075】
開示のIESシステムのいずれかについて、シューレースがアッパーに取り付けられ、レースモータがソール構造の内側に取り付けられ、シューレースを張力付けられた状態と張力付けられていない状態との間で選択的に移行するように構成される。履物コントローラは、レースモータと通信して、シューレースが張力付けられた状態または張力付けられていない状態にあるかどうかを決定してよい。IES光システムを起動させるためのコマンド信号は、シューレースが張力付けられた状態にあることに更に応答して更に送信される。幾つかの用途について、張力付けられた状態は、複数の離散的な張力付けられた位置を含む。IESシステムは、ユーザについての離散的な張力付けられた位置のうちの現在のものを検出するレースセンサを含んでよい。この場合、履物コントローラは、ユーザについての現在の離散的な張力付けられた位置を示すセンサ信号をレースセンサから受信してよい。このデータから、コントローラは、現在の離散的な張力付けられた位置がメモリに格納された検証されたレース張力付け位置に対応するかどうかを決定してよい。IES光システムのための起動コマンド信号は、検証されたレース張力付け位置に対応する現在の離散的な張力付けられた位置に応答して送信されてよい。
【0076】
開示のIESシステムのいずれについて、遠隔コンピューティングノードは、IES光システムの所定の光出力を検出するように作動可能な光学センサを含んでよい。この光出力は、ユーザを遠隔コンピューティングノードに検証するように構成された個人化された色および/または点滅パターンを含んでもよい。少なくとも幾つかの実施形態において、IESシステムの無線通信デバイスは、BLE、CAT-M1および/またはCAT-NB1無線インタフェースを含む。IESシステムは、バーコード、RFIDタグ、および/またはソール構造/アッパーに取り付けられたNFCタグを含んでもよく、それらの各々は、遠隔コンピューティングノードにセキュリティ認証コードを通信するように構成される。
【0077】
本開示の追加的な態様は、ユーザの足のための履物製品を製造する方法に関する。この方法は、ユーザの足を受け入れ且つ取り付けるように構成されるアッパーを提供するステップと、ユーザの足をその上に支持するように構成されるソール構造を提供するステップであって、ソール構造は、地面係合部分を画定するアウトソールを有する、ソール構造を提供するステップと、ソール構造をアッパーに取り付けるステップと、ソール構造および/またはアッパーに光システムを取り付けるステップであって、光システムは、コマンド信号に応答して光を生成するように構成される、光システムを取り付けるステップと、ソール構造および/またはアッパーに無線通信デバイスを取り付けるステップであって、無線通信デバイスは、遠隔コンピューティングノードと無線通信するように構成される、無線通信デバイスを取り付けるステップと、ソール構造および/またはアッパーに常駐コントローラを取り付けるステップであって、常駐コントローラは、無線通信デバイスおよび光システムに動作的に接続される、常駐コントローラを取り付けるステップとを含む。常駐コントローラは、ユーザの場所を示す場所データを受信し、遠隔コンピューティングノードの場所を示す場所データを受信し、ユーザの場所が所定の場所またはノードの場所に対する近傍内にあるかどうかを決定し、ユーザが所定の場所/ノードに対する近傍内にあることに応答して、コマンド信号を光システムに送信して、所定の光出力を生成する、ように構成される。
【0078】
この開示の他の態様は、インテリジェント電子シューズの自動化された構成を実行する方法に向けられている。IESは、ユーザの足に取り付けるための開放または閉鎖構造のアッパーと、アッパーに取り付けられ、地面係合表面を画定する、ソール構造と、電子コマンド信号に応答して光を生成するように動作可能な光システムとを含む。この方法は、無線通信デバイスを介して常駐履物コントローラによって、ユーザの場所を示す場所データおよび遠隔コンピューティングノードの場所を示す場所データを受信することを含む。この方法は、履物コントローラを介して、ユーザの場所が所定の場所内にあるか、ノードの場所に対する近傍内にあるかどうかを決定することも含む。ユーザの場所が所定の場所/ノードの場所に対する近傍内にあることに応答して、履物コントローラは、コマンド信号を光システムに自動的に送信して、所定の光出力を生成する。
【0079】
開示の方法のいずれかについて、履物コントローラは、第2のコマンド信号を遠隔コンピューティングノードの制御システムに送信することによって、ユーザの場所が所定の場所/ノードの場所に対する近傍内にあることに更に応答して、可聴または視覚出力を生成してよい。幾つかの用途において、遠隔コンピューティングノードは、車両ヘッドランプシステムを有する自動車であり、この場合、視覚出力は、車両のヘッドランプシステムの光出力の照明、閃光、および/または強化を含む。任意的に、履物コントローラは、車両のヘッドランプシステムの光出力をIESの光システムの所定の光出力と協調させてよい。自動車の命令された可聴出力は、車両のホーンシステムの可聴出力の起動および/または変調を含んでよい。
【0080】
開示の方法のいずれについて、無線通信デバイスは、ユーザのポータブル電子デバイスに無線接続し、それによって、遠隔コンピューティングノードと無線通信するように構成されてよい。更に別の選択肢として、IESは、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる触覚トランスデューサを含んでよく、この場合、履物コントローラは、ユーザの場所が所定の場所/ノードの場所に対する近傍内にあることに応答して、第3のコマンド信号を触覚トランスデューサに自動的に送信して、触覚キューを生成してよい。IESは、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられるオーディオシステムも含んでよく、この場合、履物コントローラは、ユーザの場所が所定の場所/ノードの場所に対する近傍内にあることに応答して、第4のコマンド信号をオーディオシステムに自動的に送信して、所定の音声出力を生成してよい。
【0081】
開示の方法のいずれかについて、遠隔コンピューティングノードは、住宅用または商用セキュリティシステムのセグメントであってよい。この場合、履物コントローラは、ユーザが、セキュリティシステムに関連する住宅または商業ビルの指定された区画に関して所定の場所または近傍に入る(またはそれらから出る)ことに応答して、起動解除(または起動)コマンド信号をセキュリティシステムに自動的に送信してよい。任意的に、遠隔コンピューティングノードは、ホームオートメーションシステムのセグメントであってよい。この例において、履物コントローラは、第5のコマンド信号をホームオートメーションシステムに送信することによって、ホームオートメーションシステムに関連する家庭(または家庭の区画)に入るまたはそこから出るユーザに応答して、ドアをロックまたはロック解除し、室内照明を起動または起動解除し、且つ/或いはサーモスタットの温度を上昇または下降させてよい。所定の場所または近傍は、少なくとも部分的には、履物コントローラによって生成されるジオフェンスによって定義されてよい。起動または起動解除コマンド信号は、遠隔コンピューティングノードまたはIESユーザがジオフェンスを違反することを検出した後に、遠隔コンピューティングノードまたはIESサブシステムに送信されてよい。
【0082】
開示の方法のいずれかについて、IESは、ソール構造またはアッパーに取り付けられ、アッパー内の足の存在を検出するように構成される、圧力センサを内部に組み込んでよい。履物コントローラによるコマンド信号の送信は、アッパー内に足が存在することを検出したことに更に応答してよ。ソール構造/アッパーに取り付けられる圧力センサは、ユーザの重量を検出するように構成されてよい。この場合、履物コントローラは、ユーザの検出された重量を示す圧力センサからの1つ以上のセンサ信号を受信する。次に、コントローラは、検出された重量がメモリに格納された検証されたユーザの重量の所定範囲内にあるかどうかを決定する。検出される重量が検証されたユーザの重量の所定の範囲内にあることに応答して、コマンド信号が遠隔コンピューティングノードまたはIESサブシステムに送信されてよい。
【0083】
開示の方法のいずれかについて、IESは、アッパーに取り付けられるシューレースまたはストラップと、シューズ構造に取り付けられ、張力付けられた状態と張力付けられていない状態との間でレース/ストラップを選択的に移行させるように構成される、レースモータとを含んでよい。この場合、常駐履物コントローラは、シューレースが張力付けられた状態または張力付けられていない状態にあるかどうかを決定し、レースが張力付けられいるならば、コマンド信号を応答的に送信して、IESサブシステムを起動させる。張力付けられた状態は、複数の離散的な張力付けられた位置に描かれてよい。この場合、常駐履物コントローラは、(例えば、レースセンサから受け取るセンサ信号を使用して、或いはレースモータ出力シャフトの位置をモニタリングすることによって)レースが離散的な張力付けられた位置のうちのどの位置にあるかを識別してよい。メモリに格納される検証されたレース張力付けられた位置に対応するレースの現在の張力付けられた位置に応答して、履物コントローラは、コマンド信号を遠隔ノードまたはIESサブシステムに送信してよい。
【0084】
開示の方法のいずれかについて、遠隔コンピューティングノードは、光学センサを含んでよく、この場合、IES光システムの所定の光出力は、光学センサによって検出可能であり、ユーザを遠隔コンピューティングノードに検証するように構成される、個人化された色および/または点滅パターンを含んでよい。IES無線通信デバイスは、BLE、CAT-M1および/またはCAT-NB1無線インタフェースを含んでよい。IESは、バーコード、RFIDタグ、および/または、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられ、セキュリティ認証コードを遠隔コンピューティングノードに通信するように構成される、NFCタグを備えてよい。
【0085】
この開示の追加的な態様は、使用者の足のための履物に向けられている。履物は、ユーザの足を受け入れ且つ取り付けるためのアッパーと、ユーザの足をその上で支持するためにアッパーに取り付けられるソール構造とを含む。光システムおよび/または音システムが、ソール構造に取り付けられ、コマンド信号に応答して光/音を生成するように構成される。無線通信デバイスは、遠隔コンピューティングノードと無線通信するためにソール構造の内側に取り付けられる。ソール構造の内側に同様に取り付けられる常駐コントローラが、無線通信デバイスおよび光システムに動作的に接続される。常駐コントローラは、ユーザの場所および遠隔コンピューティングノードの場所を示す場所データを受信する。常駐コントローラは、ユーザの場所が所定の場所/ノードの場所に対する近傍内にあるかどうかを決定し、あるならば、常駐コントローラは、1つ以上のコマンド信号を光システム/音システムに応答的に送信して、所定の光/音声出力を生成する。
【0086】
図示の実施形態を参照して本開示の態様を詳細に記載したが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの修正がそれらに対して行われてよいことを認識するであろう。本開示は、本明細書に開示する正確な構造および組成物に限定されず、前述の記述から明らかなありとあらゆる修正、変更、および変形が、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内にある。その上、本概念は、先行する要素および構成のありとあらゆる組み合わせおよびサブコンビネーションを明確に含む。追加的な構成が以下の条項に反映されることがある。
【0087】
条項1:インテリジェント電子シューズ(IES)とインテリジェント輸送管理(ITM)システムとの間の協調動作を自動化するための方法であって、IESは、ユーザの足に取り付くためのアッパーと、ユーザの足をその上で支持するためにアッパーに取り付けられるソール構造とを含み、ITMシステムの交通システムコントローラに通信的に接続される送信器-検出器モジュールを介して、IESのソール構造および/またはアッパーに取り付けられる検出タグにプロンプト信号を送信すること、送信器-検出器モジュールを介して、プロンプト信号を受信することに応答して、検出タグによって発せられる応答信号を受信すること、応答信号に基づいて、交通システムコントローラを介して、ユーザのユーザ場所を決定すること、交通システムコントローラを介して、ユーザ場所に近接し且つ交通システムコントローラに通信的に接続される交通信号の第1の動作状態を決定すること、および交通システムコントローラを介して、コマンド信号を交通信号に送信して、第1の動作状態から第2の動作状態に切り替えることを含む、方法。
【0088】
条項2:交通システムコントローラを介して、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる履物コントローラから、IESの速さおよび見出しを示すセンサデータを受信することを更に含み、コマンド信号を交通信号に送信することは、IESの速さおよび見出しに基づく、条項1に記載の方法。
【0089】
条項3:交通システムコントローラを介して、ダイナミクスセンサデータに基づいて、IESが交通信号によって規制される交通レーンを違反する予期される侵入時間を決定すること、交通システムコントローラを介して、現在の時間と交通信号が第1の動作状態から第2の動作状態に切り替わるようにスケジュールされるプログラムされた位相変化時間との間の予想される位相変化時間を決定すること、および交通システムコントローラを介して、予期される侵入時間が予想される位相変化時間よりも短いかどうかを決定することを更に含み、コマンド信号を交通信号に送信することは、予期される侵入時間が想定される位相変化時間よりも短いという決定に応答する、条項2に記載の方法。
【0090】
条項4:交通システムコントローラを介して、IESの速さが実質的にゼロに等しいかどうか、およびIESの見出しが交通信号によって規制される交通レーンから離れているかどうかを決定すること、並びにIESの速さが実質的にゼロに等しいことまたはIESの見出しが交通信号によって規制される交通レーンから離れていることの決定に応答して、コマンド信号を交通信号に送信しないことを更に含む、条項2または3に記載の方法。
【0091】
条項5:交通システムコントローラを介して、交通信号によって規制される交通レーン内の自動車の車両場所を決定すること、およびユーザ場所が車両場所に対する所定の近傍内にあるかどうかを決定することを更に含み、コマンド信号を交通信号に送信することは、ユーザ場所が車両場所に対する所定の近傍内にあるという決定に応答する、条項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0092】
条項6:交通システムコントローラを介して、ユーザ場所が車両場所に対する所定の近傍内にあるという決定に応答して、履物コントローラに、歩行者衝突警告信号を送信すること、および履物コントローラを介して、歩行者衝突警告信号を受信することに応答して、第2のコマンド信号をソール構造および/またはアッパーに取り付けられる警報システムに送信して、ユーザが知覚可能な所定の可視警報、可聴警報および/または触覚警報を生成することを更に含む、条項5に記載の方法。
【0093】
条項7:検出タグは、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる無線周波数(RF)トランスポンダを含み、プロンプト信号は、第1の周波数を備える第1のRF電力を有し、応答信号は、第1の周波数とは別個の第2の周波数を備える第2のRF電力を有する、条項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0094】
条項8:プロンプト信号は、埋め込まれたデータセットを含み、応答信号は、埋め込まれたデータセットを送信器-検出器モジュールに送信して戻す、条項7に記載の方法。
【0095】
条項9:RFトランスポンダは、RFアンテナと、RFアンテナに接続される周波数フィルタとを含み、周波数フィルタは、第1の周波数とは別個の第3の周波数を備えるRF電力を有する信号を拒絶するように構成される、条項8に記載の方法。
【0096】
条項10:ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる履物コントローラを介して、交通システムコントローラに、リアルタイムユーザ位置データおよびユーザダイナミクスデータを送信すること、並びに交通システムコントローラを介して、リアルタイムユーザ位置データおよびユーザダイナミクスデータの融合に基づき、車両場所に対するユーザの侵入および交通信号によって規制される交通レーン内の自動車の予測されるルートを予測する、歩行者衝突脅威値を決定することを更に含む、条項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0097】
条項11:履物コントローラを介して、交通システムコントローラに、ユーザの履歴的な挙動を示す挙動データを送信することを更に含み、歩行者衝突脅威値は、ユーザ場所およびユーザダイナミクスデータと、挙動データとの融合に更に基づく、条項10に記載の方法。
【0098】
条項12:交通システムコントローラを介して、ユーザの近傍内の複数の個人の挙動を示すクラウドソースのデータを受信することを更に含み、歩行者衝突脅威値は、挙動データ、ユーザ位置データおよびユーザダイナミクスデータと、クラウドソースのデータとの融合に更に基づく、条項11に記載の方法。
【0099】
条項13:交通システムコントローラを介して、ユーザの周囲環境を示す環境データを受信することを更に含み、歩行者衝突脅威値は、挙動データ、ユーザ位置データ、ユーザダイナミクスデータおよびクラウドソースのデータと、環境データとの融合に更に基づく、条項12に記載の方法。
【0100】
条項14:IESは、履物コントローラと、触覚トランスデューサとを含み、それらの両方は、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられ、当該方法は、交通システムコントローラを介して、履物コントローラに、歩行者衝突警告信号を送信すること、および履物コントローラを介して、歩行者衝突警告信号を受信することに応答して、触覚トランスデューサに第2のコマンド信号を送信して、触覚トランスデューサに、自動車との差し迫っている衝突をユーザに警告するように構成される所定の触覚警報を生成させることを更に含む、条項1乃至13のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0101】
条項15:IESは、履物コントローラと、オーディオコンポーネントとを含み、それらの両方は、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられ、当該方法は、交通システムコントローラを介して、履物コントローラに、歩行者衝突警告信号を送信すること、および履物コントローラを介して、歩行者衝突警告信号を受信することに応答して、オーディオコンポーネントに第2のコマンド信号を送信して、オーディオコンポーネントに、自動車との差し迫っている衝突をユーザに警告するように構成される所定の可聴警報を生成させることを更に含む、条項1乃至13のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0102】
条項16:IESは、履物コントローラと、照明要素とを含み、それらの両方は、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられ、当該方法は、交通システムコントローラを介して、履物コントローラに、歩行者衝突警告信号を送信すること、および履物コントローラを介して、歩行者衝突警告信号を受信することに応答して、照明要素に第2のコマンド信号を送信して、照明要素に、自動車との差し迫った衝突をユーザに警告するように構成される所定の可視警報を生成させることを更に含む、条項1乃至13のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0103】
条項17:インテリジェント電子シューズ(IES)とインテリジェント輸送管理(ITM)システムとの間の協調動作を自動化するためのシステムであって、IESは、ユーザの足に取り付くアッパーと、ユーザの足をその上で支持するためにアッパーに取り付けられるソール構造とを含み、当該システムは、プロンプト信号を発するように構成される送信器-検出器モジュールと、IESのソール構造および/またはアッパーに取り付くように構成される検出タグであって、送信器-検出器モジュールからプロンプト信号を受信して、送信器-検出器モジュールに応答信号を応答的に送信するように構成される、検出タグと、送信器-検出器モジュールに通信的に接続される交通システムコントローラとを含み、交通システムコントローラは、IESの検出タグによって出力される応答信号に基づいてユーザのユーザ場所を決定し、ユーザ場所に近接し且つ交通システムコントローラに通信的に接続される交通信号の第1の動作状態を決定し、且つコマンド信号を交通信号に送信して、第1の動作状態から第2の動作状態に切り換える、ようにプログラムされる、システム。
【0104】
条項18:交通システムコントローラは、IESのソール構造および/またはアッパーに埋め込まれるダイナミクスセンサからセンサデータを受信するように更にプログラムされ、センサデータは、IESの速さおよび見出しを示し、交通システムコントローラを介してコマンド信号を交通信号に送信することは、IESの速さおよび見出しに基づく、条項17に記載のシステム。
【0105】
条項19:交通システムコントローラは、ダイナミクスセンサデータに基づいて、IESが交通信号によって規制される交通レーンを違反する予期される侵入時間を決定し、現在の時間と交通信号が第1の動作状態から第2の動作状態に切り替わるようにスケジュールされるプログラムされた位相変化時間との間の推定される位相変化時間を決定し、且つ予期される侵入時間が推定される位相変化時間よりも短いかどうかを決定する、ように更にプログラムされ、コマンド信号を交通信号に送信することは、予期される侵入時間が予想される位相変化時間よりも短いという決定に応答する、条項18に記載のシステム。
【0106】
条項20:交通システムコントローラは、IESの速さが実質的にゼロに等しいかどうか並びにIESの見出しが交通信号によって規制される交通レーンから離れているかどうかを決定し、且つIESの速さが実質的にゼロに等しいか或いはIESの見出しが交通信号によって規制される交通レーンから離れているという決定に応答して、コマンド信号を交通信号に送信しないように更にプログラムされる、条項18または19に記載のシステム。
【0107】
条項21:交通システムコントローラは、交通信号によって規制される交通レーン内の自動車の車両場所を決定し、且つユーザ場所が車両場所に対する所定の近傍内にあるかどうかを決定する、ように更にプログラムされ、コマンド信号を交通信号に送信することは、ユーザ場所が車両に対する所定の近傍内にあるという決定に応答する、条項17乃至20のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0108】
条項22:交通システムコントローラは、ユーザ場所が車両場所に対する所定の近傍内にあるという決定に応答して、歩行者衝突警告信号を履物コントローラに送信し、それによって、履物コントローラに、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる警報システムに命令させて、ユーザが知覚可能な所定の可視警報、可聴警報および/または触覚警報を生成させる、ように更にプログラムされる、条項21に記載のシステム。
【0109】
条項23:検出タグは、ソール構造および/またはアッパーに取り付けられる無線周波数(RF)トランスポンダを含み、プロンプト信号は、第1の周波数を備える第1のRF電力を有し、応答信号は、第1の周波数とは別個の第2の周波数を備える第2のRF電力を有する、条項17乃至22のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0110】
条項24:プロンプト信号は、埋め込まれたデータセットを含み、応答信号は、埋め込まれたデータセットを送信器-検出器モジュールに送信して戻す、条項23に記載のシステム。
【0111】
条項25:RFトランスポンダは、RFアンテナと、RFアンテナに接続される周波数フィルタとを含み、該周波数フィルタは、第1の周波数とは別個の第3の周波数を備えるRF電力を有する信号を拒絶するように構成される、条項24に記載のシステム。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0112】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0265584A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0265594A1号明細書
【特許文献3】米国特許第9,365,387B2号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2017/0154505A1号明細書
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】