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特開2022-177004モノテルペノイド/フェニルプロパノイド含有化合物およびそれらの製造方法および除草剤としての使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177004
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】モノテルペノイド/フェニルプロパノイド含有化合物およびそれらの製造方法および除草剤としての使用
(51)【国際特許分類】
   A01N 39/04 20060101AFI20221122BHJP
   A01P 13/02 20060101ALI20221122BHJP
   A01N 43/16 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
A01N39/04 A
A01P13/02
A01N43/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022133809
(22)【出願日】2022-08-25
(62)【分割の表示】P 2019511627の分割
【原出願日】2017-08-23
(31)【優先権主張番号】62/378,541
(32)【優先日】2016-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518018953
【氏名又は名称】キットリッチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】KITTRICH CORPORATION
【住所又は居所原語表記】1585 W Mission Blvd. Pomona, CA 91766 USA
(71)【出願人】
【識別番号】591158276
【氏名又は名称】アイオア・ステート・ユニバーシティー・リサーチ・ファンデーション・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】IOWA STATE UNIVERSITY RESEARCH FOUNDATION INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コーツ,ジョエル・アール
(72)【発明者】
【氏名】クリマヴィックズ,ジェームズ・エス
(72)【発明者】
【氏名】ノリス,エドモンド・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ベセット,スティーヴン・エム
(72)【発明者】
【氏名】リンジィ,エイ・デイヴィッド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】双子葉植物種に対して選択的な除草剤組成物を提供する。
【解決手段】担体、ならびにカルバクロールオイゲニルオキシアセテート、ゲラニルチミルオキシアセテート、チミルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、エチルチミルオキシアセテート、エチルカルバクリルオキシアセテート、イソプロピルカルバクリルオキシアセテート、アミルチミルオキシアセテート、カルバクリルオキシ酢酸、バニリルオキシ酢酸、カルボキシメチルバニリン酸、サリチルオキシ酢酸、カルボキシメチルサリチル酸、2-(2-(メトキシカルボニル)フェノキシ)安息香酸、3-(4-(カルボキシメトキシ)-3-メトキシフェニル)アクリル酸、3-(4-(カルボキシメトキシ)フェニル)アクリル酸、クマリン-7-オキシ酢酸および2-(4-アセチルフェノキシ)酢酸からなる群より選択される化合物を含む、除草剤組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体および式(I):
【化1A】

ここで、Aは、
【化1B】

であり、(式中、Rは、非置換のフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であり;Rは、非置換の、もしくは置換されたフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であるか、またはH、M、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルケニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルケニルからなる群から選択され;
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、およびアンモニウムからなる群から選択される対イオンである)
の化合物を含み、植物毒性および/または浸透性作用機序を有する除草剤組成物であって、ここで、前記式(I)の化合物が、カルバクロールオイゲニルオキシアセテート、ゲラニルチミルオキシアセテート、チミルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、エチルチミルオキシアセテート、エチルカルバクリルオキシアセテート、イソプロピルカルバクリルオキシアセテート、アミルチミルオキシアセテート、カルバクリルオキシ酢酸、バニリルオキシ酢酸、カルボキシメチルバニリン酸、サリチルオキシ酢酸、カルボキシメチルサリチル酸、2-(2-(メトキシカルボニル)フェノキシ)安息香酸、3-(4-(カルボキシメトキシ)-3-メトキシフェニル)アクリル酸、3-(4-(カルボキシメトキシ)フェニル)アクリル酸、クマリン-7-オキシ酢酸および2-(4-アセチルフェノキシ)酢酸からなる群より選択される、除草剤組成物。
【請求項2】
有効量の請求項1に記載の除草剤組成物を施用する工程を備える、植物有害種を防除する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の植物有害種を防除する方法であって、当該組成物が植物有害種に隣接する土壌に施用される方法。
【請求項4】
請求項2に記載の植物有害種を防除する方法であって、当該組成物が顆粒製剤として施用される方法。
【請求項5】
請求項2に記載の植物有害種を防除する方法であって、当該組成物が植物有害種の葉に直接施用される方法。
【請求項6】
担体および有効量のチミルオキシ酢酸、カルバクリルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、ウンベリフェロニルオキシ酢酸(umelliferonyloxyacetic acid)、ピセイルオキシ酢酸(piceyloxyacetic acid)および/またはチミルオキシ酢酸、カルバクリルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、ウンベリフェロニルオキシ酢酸若しくはピセイルオキシ酢酸のエステル、またはそれらの混合物を含む、植物毒性および浸透性作用機序を有する除草性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本特許出願は、2016年8月23日に出願の米国仮特許出願第62/378,541号の優先権を主張する。上記の先行する仮特許出願の全開示内容、および該仮特許出願の優先権を主張する他のすべての並行して出願された非仮特許出願は、参照により本明細書に組み込む。
【0002】
[0002]開示される実施形態は、モノテルペノイドおよび/またはフェニルプロパノイド部分を有する化合物、ならびにそれらの製造および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]多くの植物精油は、モノテルペンまたはモノテルペノイド化合物を含有し、それらのいくつかは殺虫性を有する。それらの効力は、従来の合成殺虫剤のそれよりも典型的に低いが、充分な用量で害虫に送達されたとき、ほぼ同等の昆虫の死亡または制御をもたらす効果を発揮する。
【0004】
[0004]モノテルペノイドは、種々の生物系を操作することを可能にする種々の特性を有することが実証されている。これらの化合物は殺虫性、殺菌性、殺真菌性、除草性があることが実証されている。潜在的除草剤としてのモノテルペノイドの選択された誘導体の有用性を、本明細書に開示する。これらの化合物は、除草剤としてのモノテルペノイドの有用性を記載している他の特許に記載されているもの以外の他のメカニズムを介して植物を枯死させる。さらに、これらの化合物は、双子葉植物種に対して選択的であり、そのことにより現在の市場におけるそれらの有用性および価値が高まっている。
【0005】
[0005]開示される実施形態は、従来技術における1つまたは複数の欠点を克服すると考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]開示される実施形態の一態様は、式(I):
【0007】
【化1】

の化合物に関する。
【0008】
[0007]R1は、フェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であり;
[0008]R2は、フェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であるか、またはH、M、置換もしくは非置換のC3~C7非分岐状もしくは分岐状アルキル、置換もしくは非置換のC2~C7非分岐状もしくは分岐状アルケニル、置換もしくは非置換のC3~C7非分岐状もしくは分岐状アルキニル、置換もしくは非置換のC3~C7非分岐状もしくは分岐状のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のC3~C7非分岐状もしくは分岐状のシクロアルケニルからなる群から選択され;
[0009]Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、およびアミンからなる群から選択される対イオンである。
【0009】
[0010]例示的な実施形態によれば、使用される主要モノテルペノイドおよびフェニルプロパノイド分子は、チモール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、メントール、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール、シンナミルアルコール、バニリン酸、シリンガ酸、およびカルバクロールである。2-(2-ホルミルフェノキシ)酢酸、サリチル酸、サリチル酸メチル、フェルラ酸、p-クマル酸、ウンベリフェロン、ピセオールも、開示される実施形態に従ってモノテルペノイドと見なされる関連出発物質である。
【0010】
[0011]開示される実施形態は、望ましくない植生などを枯死させるまたは防除するための浸透性除草剤として毒性を示す。さらに、これらの除草剤は双子葉植物種に対して選択的であり、多種多様な有害植物種に対して有効である。これらの化合物は、市販されている除草剤よりも残留性が少ない除草性化学を示す。除草性化合物の製造のために天然化合物を利用することによって、より安全な農薬製剤を市場に出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0012]1%化合物重量/種子重量の割合でこれらの化合物で処理した、トウモロコシ種子の発芽を阻害する種々のモノテルペノイド-オキシ酢酸の有効性を実証するグラフである。このアッセイにおいて、多数の化合物によってトウモロコシ実生苗の発芽を阻害することができた。
図2】[0013]1%化合物重量/豆重量でコーティングされたダイズの成長を阻害する種々の化合物の有効性を示すグラフである。3つの化合物、すなわちチミルオキシ酢酸(thymyloxyacetic acid)、オイゲニルオキシ酢酸(eugenyloxyacetic acid)、およびカルバクリルオキシ酢酸(carvacryloxyacetic acid)は、このアッセイにおいてダイズの成長を防いだ。バニリルオキシ酢酸(Vanillyloxyacetic acid)は、豆をこの化合物で処理したときに植物の成長を有意に阻害しない代表的な化合物である。
図3】[0014]1%チミルオキシ酢酸の葉面散布に曝露し、曝露から14日後の1か月齢のダイズ植物を示す。処理した植物は、著しいクロロシスとしおれの両方の徴候を示す。より高濃度のチミルオキシ酢酸では、有意な枯死率を達成しうる可能性がある。高光度群と低光度群の間にはしおれおよびクロロシスに明らかな違いはなく、チミロキシ酢酸は他のテルペノイドとは異なる作用機序を介してその植物毒性を発揮することを示している。低光度群において新たな成長が観察された。これは、おそらく光を欠くことによるものであり、処理の結果ではない。対照植物は、高光度/低光度の光環境に関連した悪影響を受けなかった。
図4】[0015]曝露2日後に観察された、MAINStays(商標)アイロンスプレーボトルからの1%カルバクリルオキシ酢酸または1%の2,4-ジクロロフェノキシ酢酸を20スプレーして処理したカタバミを示す。1%カルバクリルオキシ酢酸は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸よりも即時の植物毒性効果をもたらした。この速度で2,4-ジクロロ酢酸により処理した植物は、無秩序に成長し、かつ若干のクロロシスを経験した。カルバクリルオキシ酢酸は即時かつ広範囲のクロロシスをもたらし、続いて比較的迅速な枯死をもたらした。植物が2,4-ジクロロフェノキシ酢酸で枯死するのには、はるかに長い時間がかかった。
図5】[0016]施用3週間後の、発芽前施用したチミルオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸を示す。各写真において、処理された鉢は、右側の対照(未処理)鉢に隣接して左側に取り上げられている。チミルオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸の両方は、植え付けの直後に適用した場合、トウモロコシおよびダイズの両方の成長を阻害することができた。2つの製剤のうち、カルバクリルオキシ酢酸は、両方の植物タイプにおいて、植物成長を阻害する点で、チミルオキシ酢酸よりも優れていた。ダイズおよびカタバミは、1%濃度のカルバクリルオキシ酢酸では成長が完全に阻止され、この活性成分が理想的な発芽前除草剤であることを示唆している。さらに、この製剤はトウモロコシの成長を有意に阻害した;しかし、トウモロコシ植物は依然として発芽し、成長し続けていた。試験開始時に、チミルオキシ酢酸は、ダイズおよびカタバミの両方において大きな成長阻害をもたらした。しかし、処理されたカタバミは施用後に潜在的な成長を経験し、処理群の植物は対照植物よりも大きくなる可能性がある。
図6】[0017]40mLの5%モノテルペノイド誘導体で処理したアカザ植物において観察された著しいクロロシスおよびそれに続く植物毒性を示す。カルバクリルオキシ酢酸およびチミルオキシ酢酸の両方とも、施用から2日後に、アカザ植物において有意なクロロシスおよび植物毒性をもたらすことができた。
図7】[0018]40mLの5%モノテルペノイド誘導体で処理したベルベットリーフ植物において観察された著しいクロロシスおよびそれに続く植物毒性を示す。カルバクリルオキシ酢酸およびチミルオキシ酢酸の両方とも、施用から2日後に、ベルベットリーフ植物において著しいクロロシスおよび植物毒性をもたらすことができた。
図8】[0019]40mLの5%モノテルペノイド誘導体で処理したタンポポにおいて観察された著しいクロロシスおよびそれに続く植物毒性を示す。カルバクリルオキシ酢酸およびチミルオキシ酢酸の両方とも、施用から2日後に、タンポポにおいて著しいクロロシスおよび植物毒性をもたらすことができた。
図9】[0020]40mLの5%モノテルペノイド誘導体で処理したシロザ植物において観察された著しいクロロシスおよびそれに続く植物毒性を示す。カルバクリルオキシ酢酸およびチミルオキシ酢酸の両方とも、施用から2日後に、シロザ植物において著しいクロロシスおよび植物毒性をもたらすことができた。
図10】[0021]40mLの5%モノテルペノイド誘導体で処理したアキノエノコログサ植物において観察された著しいクロロシスおよびそれに続く植物毒性を示す。カルバクリルオキシ酢酸およびチミルオキシ酢酸の両方とも、施用から2日後に、アキノエノコログサ植物において著しいクロロシスおよび植物毒性をもたらすことができた。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0022]開示される実施形態は、モノテルペノイドおよび/またはフェニルプロパノイド部分を有する化合物、ならびに使用方法に関する。
【0013】
[0023]具体的には、開示される実施形態は、生物学的供給源に由来するモノテルペノイドおよびフェニルプロパノイド化合物に関する。以下でさらに詳述するように、本明細書において開示される実施形態のモノテルペノイドおよびフェニルプロパノイド誘導体化合物は、除草剤などの殺有害生物剤としての使用に特に適する。
【0014】
[0024]本開示の全体を通じて、明確化のため、以下の用語を提供する。
【0015】
[0025]本明細書における用語「モノテルペノイド」は、モノテルペン様物質を指し、モノテルペノイド誘導体ならびにモノテルペノイド類似体を集合的に指すために用いる。モノテルペンとは、非直鎖状の分岐を有する炭素数10の骨格を有する化合物を意味する。
モノテルペンとは、技術的には、頭部および尾部で接続される様式で、2つのイソプレン単位を有する化合物を意味する。したがって、モノテルペノイドには、モノテルペン類、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エステル類、エーテル類、酸類、酸素官能基のない炭化水素類などが含まれうる。ある特定のフェノール化合物(例えばオイゲノール、チモールおよびカルバクロール)は、それらの機能がモノテルペノイドと本質的に同様であるため、一般にモノテルペノイドと称される。しかしながら、それらは同じイソプレン生合成経路により合成されず、むしろチロシンからのフェノールにより生成するため、これらの化合物は技術的に「モノテルペノイド」(または「モノテルペン」)ではない。しかしながら、本明細書では一般的な慣行に従う。
【0016】
[0026]用語「モノテルペノイドアルコール」は、天然に存在するいかなるモノテルペノイドまたはフェニルプロパノイドアルコールまたはフェノールを意味し、例えば、限定されないが、以下のものが含まれる:シトロネロール、リナロオール、ゲラニオール、ネロールおよびラバンジュロールを含む非環式不飽和モノテルペノイド、カルベオール、ピノカルベオール、ミルセノール、ミルテノール、α-テルピネオール、4-テルペニオール、ベルベノールおよびペリリルアルコールを含む単環式または二環式不飽和モノテルペノイド、メントール、フェンコール、ボルネオール、イソボルネオールおよびミルタノールを含む単環式または多環式飽和モノテルペノイド、チモール、カルバクロールまたは4-イソプロピル-3-メチルフェノールを含むイソプロピルクレゾール、いずれかの異性体ツヤプリシンなどのシクロヘプタトリエノロン、オイゲノール、イソオイゲノール、シンナミルアルコール、コニフェリルアルコール、ジンゲロン、ウンベリフェロン、クマリルアルコールおよびカビコールを含むフェニルプロパノイドアルコールまたはフェノール、または、バニリン、エチルバニリン、ピペロニルアルコールまたはシリングアルデヒドを含む、フェニルプロパノイドの天然の植物代謝により産生されるアルコールまたはフェノール。
【0017】
[0027]さらに、O-アルキル化およびO-アシル化モノテルペノイド、例えば、限定されないが、カルボン酸部分またはエステル部分を含有するエーテル化モノテルペノイド、ならびにカルボン酸部分を含有するモノテルペノイドのオリゴエステルは、本明細書においてモノテルペノイド誘導体と称される。
【0018】
[0028]用語「フェニルプロパノイド」は、アミノ酸であるフェニルアラニンから植物により合成される様々なグループの有機化合物を意味する。それらの名称は、炭素数6の芳香族フェニル基、および桂皮酸の炭素3のプロペン尾部に由来し、それはフェニルプロパノイド生合成の第1の段階においてフェニルアラニンから合成される。フェニルプロパノイドは植物界全体にわたって見出され、それらは多くの構成的ポリマーの必須成分として機能し、紫外線からの保護をもたらし、草食動物および病原体に対する防御を行い、また花の色素および臭気化合物として、植物-花粉媒介昆虫間の相互作用を仲介する。
【0019】
[0029]一実施形態によれば、開示される実施形態に係る化合物の、モノテルペノイドおよび/またはフェニルプロパノイド部分は、生物学的な供給源、例えば葉組織、茎組織、塊根組織またはそれらの混合物から得られる、植物性揮発性物質または植物精油の構成成分に由来する。
【0020】
[0030]本明細書で用いる「アルキル」という用語は、直鎖状または分岐状であってもよい、脂肪族炭化水素基を意味する。特に断りのない限り、該用語は2~7個の炭素のアルキル基を指す。例示的なアルキル基としては、限定されないが、例えば、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル基などが挙げられる。
【0021】
[0031]用語「アルケニル」は、炭素-炭素間二重結合を含有する脂肪族炭化水素基を意味し、それは鎖中に炭素原子2~約7個の直鎖状または分岐鎖状の基であってもよい。非限定的な、例示的なアルケニル基のとしては、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、イソプレンおよびi-ブテニルが挙げられる。「アルケニル」の用語は、少なくとも1つの二重結合と少なくとも1つの三重結合とを含有する、炭素2~7個の炭化水素鎖を指す場合もある。
【0022】
[0032]用語「アルキニル」は、炭素-炭素間三重結合を含有する脂肪族炭化水素基を意味し、それは鎖中に炭素原子約3~約7個の直鎖状または分岐鎖状の基であってもよい。非限定的な、例示的なアルキニル基としては、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル、プロパルギルおよびn-ペンチニルが挙げられる。
【0023】
[0033]用語「シクロアルキル」は、非芳香族の、飽和または不飽和の、炭素原子約3~約7個の単環または多環式の環系を意味する。例示的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
[0034]用語「シクロアルケニル」は、約3~約7個の炭素原子の、非芳香族の、不飽和の、単環または多環式の環系を意味する。例示的なシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
[0035]用語「ヘテロアリール」は、約5~約19個の環原子、または約5~約10個の環原子を有する、芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、該環系中の原子の1個または複数が、炭素以外の、例えば窒素、酸素または硫黄などの元素である。多環式の環系の場合、「ヘテロアリール」として定義される環系のためには、1つの環のみが芳香族であればよい。具体的には、ヘテロアリールは約5~6個の環原子を含有する。ヘテロアリールの前に接頭辞「アザ」、「オキサ」、「チア」または「チオ」が付されるときは、それぞれ、少なくとも1個の窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリール環の窒素、炭素または硫黄原子は、任意に酸化されてもよく、窒素は、任意に四級化されてもよい。適切なヘテロアリールとしては、ピリジル、2-オキソ-ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリニル、2-オキソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ベンゾ[1,2
,3]トリアジニル、ベンゾ[1,2,4]トリアジニル、4H-クロメニル、インドリジニル、キノリジニル、6aH-チエノ[2,3-d]イミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、チエノ[2,3-b]フラニル、チエノ[2,3-b]ピリジニル、チエノ[3,2-b]ピリジニル、フロ[2,3-b]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、フロ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-b]ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジニル、6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジニル、2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、3,3-ジメチル-2-オキソインドリニル、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、3-オキソ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-2(3H)-イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
[0036]本明細書において使用する「単環式」という用語は、一個の環を有する分子構造を示す。
【0027】
[0037]本明細書において使用する「多環式(polycyclic)」または「多環式(multi-cyclic)」という用語は、限定されないが、2個以上の環が融合した、架橋された、またはスピロ構造を有する分子構造を示す。
【0028】
[0038]用語「置換された」をいうときは、具体的には、従来技術において一般的な1つまたは複数の置換が想定され、許容される。しかしながら、当該置換基が、化合物の有用な特徴に悪影響を及ぼさず、またはその機能を妨げないように選択されなければならない
ことは、当業者により一般的に理解されることである。例えば、適切な置換基としては、以下のものが挙げられうる:アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、オキソ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールまたはヘテロアリール基、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシ基、アラルキルまたはヘテロアラルキル基、アラルコキシまたはヘテロアラルコキシ基、アミノ基、アルキル-およびジアルキルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シクロアルキル基、シアノ基、C1~C6アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、ケト基、アシル基、ボロナートまたはボロニル基、ホスフェートまたはホスホニル基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、およびそれらの組合せ。置換した組合せ(例えば「置換アリールアルキル」)の場合、1つまたは複数の置換基により、アリールまたはアルキル基が置換される場合も、またはアリールおよびアルキル基の両方が置換される場合もある。さらに、場合によっては、当業者に公知の適切な置換基を組み合わせて1つまたは複数の環を形成させてもよい。
【0029】
[0039]一実施形態によれば、化合物が置換されるということは、ある基が、基内の置換可能な原子において置換基を有してもよい(単一の原子上に複数の置換基を有することを含む)ことを意味するが、ただし、指定された原子の通常の価数を超えることはなく、また各置換基と他のものとの同一性は問わない。例えば、各残基内の最大3つの水素原子が、例えばアルキル、ヒドロキシ、低級ア .コ .シ、カルボキシ、カルボアルコキシ(またアルコキシカルボニルと称される)、カルボキサミド(またアルキルアミノカルボニルとも称される)、シアノ、カルボニル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、アルキルチオ、スルホキシド、スルホン、アシルアミノ、アミジノ、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、フェノキシ、ベンジルオキシまたはヘテロアリールオキシなどの置換基で置き換えられる。置換基がケト(すなわち=O)である場合は、次いで、原子上の2つの水素が置き換えられる。置換基および/または変動基の組合せは、かかる組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容され、ここで「安定な化合物」とは、反応混合物の状態から適切な純度の状態にまで化合物を単離し、適切に使用できる薬剤にまで製剤化する際に、十分に堅牢で維持される化合物を意味する。
【0030】
[0040]ある特定の実施態様によれば、化合物は非置換型である。「非置換の」原子は、それらの価数によって該当する個数の水素原子を担持する。
【0031】
[0041]用語「化合物」およびそれと同等の表現は、本明細書において記載される化合物を包含することを意味する。また、文脈から許容される限り、化合物の塩、酸化物、溶媒和物(例えば水和物)および包接錯体、ならびにあらゆる立体異性体の形態、または任意の比率によるその化合物の任意のそのような形態の混合物も包含される。包接錯体は、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第19版 1:176~177ページ(1995)に記載され、参照によりその全体を本明細書に組み込む。最も一般的に用いられる包接錯体は、シクロデキストリンによるものであり、すべてのシクロデキストリン錯体は、天然物および合成物を問わず、本明細書に開示される化合物に具体的に包含される。
【0032】
[0042]本明細書において記載される化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含む場合があり、ゆえにエナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体を生じうる。各キラル中心は、(R)-または(S)-として、その絶対立体配置が定義されうる。これは、すべてのそのような可能な異性体が、それらのラセミ混合物、および光学的に純粋な形態で含まれることを意味する。光学的に活性な(R)-および(S)-、(-)-および(+)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製することができ、または従来公知の技術を使用して分割することができる。
本明細書において記載される化合物が、オレフィン二重結合、または他の幾何学的に非対称の中心を含有するとき、特に明記しない限り、該化合物がEおよびZ体の幾何異性体の両方をすることを意味するものとする。同様に、すべての互変異性型も含まれることを意味するものとする。
【0033】
[0043]開示される実施形態の一態様は、式(I):
[0044]
[0045]
【0034】
【化2】

の化合物に関する。
【0035】
[0046]R1は、フェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であり;
[0047]R2は、置換もしくは非置換のフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であるか、またはH、M、置換もしくは非置換のC3~C7非分岐状もしくは分岐状アルキル、置換もしくは非置換のC2~C7非分岐状もしくは分岐状アルケニル、置換もしくは非置換のC3~C7非分岐状もしくは分岐状アルキニル、置換もしくは非置換のC3~C7非分岐状もしくは分岐状のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のC3~C7非分岐状もしくは分岐状のシクロアルケニルからなる群から選択され;
[0048]Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、およびアミンからなる群から選択される対イオンである。
【0036】
[0049]式(I)の化合物の一実施形態では、R2はHである。
【0037】
[0050]式(I)の化合物の別の実施形態では、Aは、
【0038】
【化3】

であり、
括弧内の炭素は1であり、R2はHである。
【0039】
[0051]式(I)の化合物のさらに別の実施態様では、R2は、
【0040】
【化4】

からなる群から選択されるC3~C7分岐アルキルである。
【0041】
[0052]式(I)の化合物の別の実施形態では、R2は、
[0053]
【0042】
【化5】

からなる群から選択されるC2~C7非分岐状または分岐状のアルケニルである。
【0043】
[0054]式(I)の化合物の別の実施形態において、R2は、
[0055]
【0044】
【化6】

からなる群から選択されるC3~C7非分岐状もしくは分岐状のアルキニルである。
【0045】
[0056]式(I)の化合物の別の実施形態では、R2は、
[0057]
【0046】
【化7】

からなる群から選択されるC3~C7非分岐状または分岐状のシクロアルキルである。
【0047】
[0058]式(I)の化合物の別の実施形態では、R2は、
[0059]
【0048】
【化8】

[0060](式中、R3およびR4は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ビニル、アリルおよびプロパルギルからなる群から独立して選択される)
である。
【0049】
[0061]より具体的実施形態では、R3およびR4はいずれもHである、R3およびR4はいずれもCH3である、R3はCH3であり、R4はHである、または、R3はアリルであり、R4はHである。
【0050】
[0062]式(I)の化合物の別の実施形態では、R2は、
[0063]
【0051】
【化9】

[0064](式中、R3は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ビニル、アリルおよびプロパルギルからなる群から選択される)である。
【0052】
[0065]式(I)の化合物の別の実施形態では、R1はフェニルプロパノイド部分である。
【0053】
[0066]式(I)の化合物のさらに別の実施態様において、R1はモノテルペノイド部分である。
【0054】
[0067]より具体的な実施形態では、モノテルペノイド部分は、
[0068]
【0055】
【化10】

[0069]からなる群から選択される。
【0056】
[0070]式(I)の化合物の別の実施形態では、R2は、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、イソブチル、ブチルおよびtert-ブチルからなる群から選択される。
【0057】
[0071]式(I)の化合物には、以下の表1に記載する具体的化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
【数1-1】
【0059】
【数1-2】

[0072]一実施形態によれば、遊離カルボン酸を有する化合物(I)は、各々エステル化される酸を有することができ、または該カルボン酸は、カルボン酸塩を形成させるために使用することもできる。
【0060】
[0073]一実施形態では、式(I)の化合物は、チミルオキシ酢酸、カルバクリルオキシ酢酸およびオイゲニルオキシ酢酸以外の、表3において同定された具体的構造を含む。
【0061】
[0074]上記のように、ある特定の例示的化合物は、生物学的な供給源、例えば植物揮発性物質、葉組織、茎組織、塊根組織またはそれらの混合物などから得られる植物精油の構成成分などから誘導できる。
【0062】
[0075]上記のように、ある特定の化合物は、モノテルペノイドまたはフェニルプロパノイドの誘導体である。非限定的な例として、本開示に係る化合物は、アルコール含有モノテルペノイドまたはフェニルプロパノイド(例えばチモールなど)
【0063】
【化11】

の誘導体であってもよい。
【0064】
[0076]例示的な一実施形態では、チモール誘導体は以下の構造
【0065】
【化12】

[0077](式中、チモールの炭素数10の骨格はモノテルペノイドまたはモノテルペノイド部分を構成し(例えば式(I)のR1)、波線
【0066】
【化13】

は残りの分子との連結を表す)を有する。
【0067】
[0078]別の非限定的な例として、化合物は、カルボン酸含有モノテルペノイドまたはフェニルプロパノイド(例えばシトロネル酸)の誘導体であってもよい。
【0068】
【化14】

別の例示的実施形態では、シトロネル酸誘導体は、
【0069】
【化15】

[0079](式中、シトロネル酸の炭素数9の骨格(カルボン酸の炭素を除く)はモノテルペノイドまたはモノテルペノイド部分を構成し、波線
【0070】
【化16】

は残りの分子との連結を表す)の構造を有する。
【0071】
[0080]したがって、例示的化合物は、モノテルペノイドアルコール(すなわちヒドロキシル基含有モノテルペノイド)から、またはモノテルペノイドカルボン酸(すなわちカルボン酸含有モノテルペノイド)から誘導されうる。あるいは、化合物は、フェニルプロパノイドアルコール(すなわちヒドロキシル基含有フェニルプロパノイド)から、またはフェニルプロパノイドカルボン酸(すなわちカルボン酸含有フェニルプロパノイド)から誘導されうる。
【0072】
[0081]開示される実施形態のさらなる態様は、式(I)の化合物と、担体とを含む除草剤組成物に関する。
【0073】
[0082]一実施形態では、除草剤組成物は、式(I)の化合物のサブセクトと、担体とを含む。例えば、限定されないが、除草剤組成物は式(I)の化合物を含み、式中、Aは
[0083]
【0074】
【化17】

[0084]であり、括弧内の炭素は1であり、R2はHである。
【0075】
[0085]より具体的な実施形態では、除草剤組成物において有用な化合物としては、以下の表2に記載される例示的化合物のうちの任意の1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
【数2-1】
【0077】
【数2-2】

[0086]表2において同定された除草剤化合物は、遊離カルボン酸として示す。しかしながら、各酸はエステル化することができ、またはカルボン酸塩の形成に使用することができる。
【0078】
[0087]具体的実施形態では、適切なエステルとしては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミルエステルが挙げられる。
【0079】
[0088]別の具体的実施形態では、適切なカルボン酸塩としては、限定されないが、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムを含む金属塩が挙げられる。
【0080】
[0089]さらに別の具体的実施形態では、適切な除草剤化合物は二酸であり、ジエステルおよび二価のアニオン塩が含まれる。
【0081】
[0090]除草性組成物(植物毒性および/または浸透性)は、雑草などの草への発芽前または発芽後施用として施用して、それらの成長を防除することができる。
【0082】
[0091]本発明で使用する場合、「植物毒性の」または「植物毒性物質」または「植物毒性」という用語は、(1)所与の場所のすべての植物を効果的に防除する物質、または(2)他の植物の存在下で1種または複数の植物種の成長を選択的に防除する物質を意味する。これらの互換性のある用語はまた、本明細書に開示されている特定の化合物および組成物の全体的かつ選択的な防除活性を特定するためにも使用する。
【0083】
[0092]本発明で使用する場合、「浸透性」という用語は、感受性植物によって同化され、次いで、接触した植物の部分以外の植物の部分に移動する除草性化合物または組成物を意味する。浸透性除草剤は、常にではないにしても、一般的に、それらの除草活性について移動性作用機序に依存する。例えば、植物の葉に施用すると、本明細書に開示されている浸透性除草剤は、蒸散中にまたは他の方法で同化し、植物全体にわたって移送され、それによって望ましくない植生、根およびすべてを排除する。
【0084】
[0093]接触性除草活性は即時植生防除を提供するが、浸透性除草作用機序は、より望ましくは処理費用を削減し、植生防除を改善し、ヒトおよび動物に対する即時および残留毒性作用の両方を低減し、収穫食用作物上に除草剤が残留する可能性を低減する。即時植生防除は、植物組織を処理した後の最初の数時間または数日(例えば、1~3日)以内に起こる植物毒性として定義する。これは、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸の比較的遅い活性とは著しく異なる。
【0085】
[0094]本明細書で使用する「防除」という用語は、(1)枯死させる作用、(2)成長、繁殖または増殖を阻害する作用、ならびに(3)植物の発生および活性を除去し、破壊し、または他の方法で低減させる作用を含み、述べられている作用のいずれか、またはそれらの任意の組合せに適用可能である。
【0086】
[0095]本明細書に開示する除草性組成物および方法は、発芽前後の浸透性除草活性を強調していてもよく、その結果、所与の除草剤の有意に少ない投与量を施用して、同程度の植生防除を達成することができ、または、あるいは同じ施用率でより高度の植生防除を達成することができる。これらの除草性組成物および方法はまた、接触除草特性を提供し、同時に所望の植物に窒素および硫黄栄養素を提供しうる。これらの除草性組成物および方法によってまた、他の従来の除草性化合物と組み合わせて浸透性除草剤を使用することも可能になる場合がある。
【0087】
[0096]開示される実施形態の除草性組成物の施用は、広葉雑草および草の両方に対して、基材を伴うまたは伴わない葉面散布、土壌灌注(発芽前および後)、粉末施用、および顆粒施用によって実施することができる。植物毒性または浸透性防除のための有効量は、全体的または選択的防除に必要な量、すなわち植物毒性量または除草量である。当業者は、実施例を含む本明細書の教示から、好適なおおよその施用率を容易に決定することができる。
【0088】
[0097]本願明細書において記載され、後記の特許請求の範囲に記載される例示的実施形態は、その特徴、要素または工程が本明細書において具体的に開示されているか否かを問わず、最適に実施できることを、本明細書のすべての読者により理解されるであろう。例えば、本願明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などの記載は、記載される実施形態中に、特定の性質、構造または特徴が含まれうるが、すべての実施形態が、これらの特定の性質、構造または特徴を必ずしも含むわけではないことを指すものである。さらに、かかる語句は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。
さらに、特定の性質、構造または特徴がある実施形態に関連して記載されるとき、かかる性質、構造または特徴が他の実施形態に影響を及ぼすことは、それが明記されているか否かを問わず、当業者の技術的知識の範囲内であると考えられる。
【0089】
[0098]「背景技術」のセクションなどに記載の、本明細書に引用されるすべての刊行物および参考文献は、それらの全内容を参照により本明細書に組み込む。しかしながら、援用された刊行または参考文献に存在するいかなる類似または同一の用語と、本明細書において明確に提示、または定義されるそれらとの間で相違がある場合、本明細書において定義された、または明確に提示された用語の意味を優先させるものとする。さらに、本明細書で先行技術を引用することは、決して、かかる先行技術がいずれかの国における一般的知識の一部をなすことを承認または示唆するものではなく、またそのように認識すべきでない。
【0090】
[0099]
【実施例0091】
[00100]以下の実施例は、実施形態を例示するために提供されるものであり、それらの範囲に何ら限定するものではない。
実施例1-発芽アッセイ
材料および方法
ダイズ
[00101]元々得られたダイズは未処理であり、いかなる形態の農薬コーティングも含んでいなかった。ダイズは、Aphis glycinesの侵襲に感受性であり、侵襲に耐性のあるバイオタイプであるとは判断されず、このことは結果を信頼あるものにしうる。発芽は典型的には湿潤後3~5日の間に生じた。
トウモロコシ種子
[00102]得られたトウモロコシ種子は未処理であり、いかなる形態の農薬コーティングも含んでいなかった。交絡結果を防ぐために、使用したトウモロコシ種子は、非トランスジェニック型のトウモロコシ株であった。発芽は典型的には湿潤後2~4日の間に生じた。
発芽評価
種子コーティング(固体化合物)
[00103]種子コーティングは、少量のTriton-X 100(商標)を含む(100μL/5mLを含む)、1:5のElmer’s Glue(登録商標):水の溶液(または異なる接着剤:水の混合物)約1mLを含む容器に、20gのトウモロコシ種子またはダイズを入れることによって達成した。固体化合物の場合、続いて0.25gの化合物を容器に入れた。種子、Elmer’s Glue/水/Triton-X 100(商標)溶液、および活性化合物のこの混合物を、種子が活性成分でコーティングされるまで完全に混合した。
種子コーティング(液体化合物)
[00104]各処理について、0.25gの液体化合物を5mLのヘキサンに溶解させた。このヘキサンと活性成分との混合物に、0.25gのHi-Sil 233シリカゲルを導入した。ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去し、化合物をシリカゲルに吸着させた。次いで、この0.5gのシリカゲル:活性成分を、種子をコーティングするために使用される固体材料として使用した。次いで、種子を、固体化合物に使用したのと同じ方法でコーティングした。
発芽アッセイ
[00105]10mLの水(ペーパータオルを浸すのに必要な最小量)でコーティングされたペーパータオルで囲まれた568.3cm3(1パイント)の標準口のメイソンジャー(Kerr(登録商標))内に、10個のダイズまたはコーンの種子を導入した。ダイズまたはトウモロコシの種子をグループ分けし、ペーパータオルを2回折りたたみ、継続して湿気にさらされるようにした。ダイズまたはトウモロコシ種子の導入後、メイソンジャーをメイソンジャー蓋で密閉して、実験全体の間に乾燥を防ぎ、ダイズおよびトウモロコシ種子に絶えず湿った環境を提供した。発芽は種皮からの幼根の押し出しとして定義した。植物を周囲室温で、12時間:12時間の明:暗サイクルで成長させた。実験を通じて豆/種子を定期的に除去し、豆/種子導入から3、5および7日後に、はっきり見える幼根の数を観察した。各観察後、種子/豆を湿ったペーパータオルおよびメイソンジャーに再導入し、次いでこれを密閉した。各処理を2回繰り返し、平均発芽率%および標準誤差を各時点および処理について報告した。
結果
[00106]試験したすべての化合物は、湿ったペーパータオルに種子/豆を導入してから3、5、および7日後に、種子/豆の発芽阻害をもたらした。これらのデータは、除草剤、特に発芽前に施用する除草剤としてのこれらの成分の可能性を示唆している。さらに、単子葉植物は双子葉植物よりも(トウモロコシ対ダイズ)、これらの化合物によってもたらされる発芽に対する阻害効果の影響を受けにくいように思われた。双子葉植物は単子葉植物よりも感受性が高いので、これらの化合物は選択的にそれらの効果を発揮する可能性がある。
【0092】
[00107]コーン種子の発芽は、バニリルオキシ酢酸およびバニリン酸-オキシ酢酸を除いて、スクリーニングされたすべての化合物によって有意に阻害された(図9)。種子発芽の有意な阻害をもたらした化合物のうち、オイゲニルオキシ酢酸メチルエステルが、トウモロコシ種子の成長を最も阻害することができた。このことは、この化合物が将来の除草製剤に使用される可能性が高まったことを示しうる。他の化合物は発芽する種子の数を有意に減少させることができ、場合によっては種子の発芽を遅らせることもできた。チミルオキシ酢酸は、オイゲニルオキシ酢酸メチルエステルと比較して、2番目に有意な阻害をもたらすことができ、3日目にいかなる発芽も防いだ。オイゲニルオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸の両方とも、3日後にある程度の発芽が可能であった。すべての化合物は、対照と比較して有意な阻害をもたらし、すべては、35%未満の平均発芽率%で発芽を防いだ。対照的に、対照はこのアッセイにおいて7日目までに100%の発芽をもたらした。
【0093】
[00108]ほとんどまたは全く阻害効果を生じなかったバニリルオキシ酢酸を除いて、ダイズはこの研究で試験したすべての活性成分の存在下で発芽しなかった(図10)。さらに、ダイズ種子発芽の阻害は、トウモロコシ実生苗の調査で観察された阻害効果よりも顕著であった。双子葉植物を単子葉植物よりも高い程度に防除する場合のこの部分的な選択性については、市場で現在使用されている除草剤との、その類似性を示すことができる。
この選択性は、種々の単子葉植物(草およびトウモロコシ)を害することなく、園芸または農業分野における種々の雑草の防除に利用することができる。
実施例2-土壌灌注
材料および方法
ダイズ
[00109]ダイズ植物を鉢植え用土壌の1cm下に植え、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。植物は、各植物につき約800mLの土壌を入れた鉢(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))で成長させた。種子は植えてから約3~5日後に発芽した。植物を一定の温度および光環境下(25±5℃、12時間:12時間の明:暗サイクル)の温室内で成長させた。植物は1~2週齢および3~4週齢に達するまで成長させ、これらの植物は、それぞれこの研究で「若週齢(young)」の植物および「高週齢(old)」の植物として使用した。
トウモロコシ植物
[00110]トウモロコシ植物を鉢植え用土壌の1.27cm(1/2インチ)下に植え、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。植物は、各植物につき約800mLの土壌を入れた鉢植え植物(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))で成長させた。種子は植えてから約4~7日後に発芽した。植物を一定の温度および光環境下(25±5℃、12時間:12時間の明:暗サイクル)の温室内で成長させた。植物は1~2週齢および3~4週齢に達するまで成長させ、これらの植物は、それぞれこの研究で「若週齢」の植物および「高週齢」の植物として使用した。
土壌灌注アッセイ
[00111]活性成分の溶媒和を補助するために、モノテルペノイド誘導体、水酸化カリウム、およびTriton-X 100(商標)を使用して、種々の活性成分の製剤を製造した。製剤は、溶媒和を補助するために使用される1:1のモル比の水酸化カリウム(チムオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸両方に対して135~269mg/100mL)とともに、0.5重量%~1重量%の活性成分(0.5~1g/水100mL)からなる。溶解度を補助するためにTriton-X 100(商標)を製剤に導入して、最終濃度0.25%にした。40mLの製剤(0.5%または1%のいずれかの活性成分)を植物の生活環の異なる段階で各植物に施用した。葉面接触を避けるために、製剤を植物の茎の付け根に隣接する土壌に施用した。土壌灌注から2日後および3週間後に観察を行い、種々のタイプおよび段階の植物に対する処理の効果を判定した。定性的データを、異なる植物および植物の生活段階に対する各濃度の化合物の効果を実証している以下の表に示す。
結果
[00112]土壌施用プロトコルを介して試験した化合物は、実験を通じて種々の段階で植物の成長を阻害することに成功した。試験した化合物の大多数は、トウモロコシおよびダイズ植物の若週齢のものおよび高週齡のものの両方の成長を有意に阻害したか、または3週間後に著しい植物毒性をもたらした。活性成分(モノテルペノイド-オキシ酢酸)を含まない製剤からなる対照溶液は、有意な植物毒性応答を生じなかった。
【0094】
[00113]ダイズ植物に施用した場合、チミルオキシ酢酸は、若週齢の植物および高週齡の植物の両方に対して有意な即時効果をもたらした(表1)。若週齡の植物は、0.5%および1%の両方の濃度に影響を受けた。チミルオキシ酢酸への曝露の2日後、ダイズ植物は有意に阻害された。0.5%濃度に曝露された植物ではわずかな阻害が観察されたが、1%濃度に曝露された植物ではより大きな阻害が観察された。これは、葉の著しいクロロシスおよびしおれとして定義した。最終的に、葉は完全に乾き、植物は枯死した。曝露から3週間後、若週齡の植物は100%枯死し、高週齡の植物として処理された植物は、1%濃度に曝露した場合に枯死した。0.5%のチミルオキシ酢酸で処理した高週齡の植物は著しいしおれ、およびクロロシスを経験した。処理から1か月後には、枯死した植物の再成長は観察されなかった。チミルオキシ酢酸のメチルエステルもダイズの成長を有意に阻害し、その効果はカルバクリルオキシ酢酸およびチミルオキシ酢酸の両方よりも顕著であった。興味深いことに、バニリルオキシ酢酸およびバニリン酸-オキシ酢酸は、ダイズ植物に対して植物毒性効果をもたらさなかった。
【0095】
[00114]トウモロコシ植物は、これらの濃度のチミルオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸の両方に対して同様に反応した(表1)。曝露から2日後では、若週齡の植物はチミルオキシ酢酸とカルバクリルオキシ酢酸の両方の両濃度に対して有意な効果を示さなかった。これは、曝露から2日後に有意な効果を示したダイズの反応とは、著しく異なっていた。しかし、3週間後に、植物は成長の有意な阻害または植物毒性を経験した。チミルオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸の両方によって、曝露から3週間後に植物毒性がもたらされた。興味深いことに、1%カルバクリルオキシ酢酸は3週間後に枯死をもたらさなかったが、0.5%濃度は枯死をもたらした。これは、この研究の範囲内で唯一の繰り返しの成果物にすぎない場合がある。このアッセイでは、チミルオキシ酢酸は、トウモロコシ植物に対して植物毒性がより高いと思われた。処理から2日後に、0.5%濃度および1%濃度の両方が、高週齡の植物に対して有意な植物毒性効果をもたらすことができた。これは0.5%カルバクリルオキシ酢酸の場合には当てはまらず、0.5%カルバクリルオキシ酢酸は2日後に有意な効果をもたらさなかった。ここでも、チミルオキシ酢酸のメチルエステルがトウモロコシに対して最も植物毒性があり、バニリルオキシ酢酸およびバニリン酸-オキシ酢酸の両方において有意な植物毒性症状を生じないことが観察された。一般に、トウモロコシはダイズと比較してこれらの化合物に対する感受性が低いと思われた。これはさらに、単子葉植物と比較して双子葉植物に対してより高い毒性を有する選択的除草剤として使用されるこれらの化合物の可能性を示している。
【0096】
【表1】

実施例3-葉面散布
材料および方法
ダイズ
[00115]ダイズ植物を鉢植え用土壌の1cm下に植え、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。植物は、各植物につき約800mLの土壌を入れた鉢(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))で成長させた。植物は植えてから約3~5日で発芽した。植物を一定の温度および光環境下(25±5℃、12時間:12時間の明:暗サイクル)の温室内で成長させた。植物は4週齢に達するまで成長させ、その後葉面散布実験に使用した。
葉面散布アッセイ
[00116]製剤は、1%のチミルオキシ酢酸、0.269%の水酸化カリウム、および0.25%のTriton-X 100(商標)を含むように調製した。ダイズ植物に、ミスト設定に設定したMAINStays(商標)アイロンスプレーボトルから10ミストを散布した。これは、植物の葉から滴り落ちるのに必要な最小量に相当した。植物毒性または成長の阻害は、製剤への曝露から3、5、7、および14日後に観察された。植物を、高光度(温室ランプの直下)および低光度(ランプ/周囲光環境下ではない)の下に置いた。この実験計画の要因として光度を選択した。多くのテルペノイドは、高光度条件下で植物毒性であることが実証されている。この効果は、低光度条件下では大幅に減少する。チミルオキシ酢酸が他の植物テルペノイドと同じ作用機序で植物毒性をもたらしている場合、これらの異なるレベルの光度の間で、植物毒性に劇的な違いがあるはずである。
【0097】
[00117]温室の地面上のカタバミもまた、複数の植物種に対する葉面処理の効果をよりよく評価するために活性成分で処理した。カタバミのパッチ(約121.92cm(4フィート)×91.44cm(3フィート))は、MAINStaysアイロンスプレーボトルからの20スプレー(ミスト設定)で処理した。散布の効果を、曝露から2日後に記録した。
結果
[00118]チミルオキシ酢酸は、1か月齢のダイズ植物に局所的に施用した場合に、有意な植物毒性効果をもたらすことができた。これらの効果は、主に、1%のチミルオキシ酢酸を含有する製剤を散布した植物の葉のクロロシスを特徴とした。活性成分に曝露された植物の各々においても著しいしおれが起こり、続いて葉が枯れた。
【0098】
[00119]異なる光レベルの間で差異は観察されなかった。この結果は、チミルオキシ酢酸において、他の植物毒性テルペノイドとは異なる作用機序を介してその植物毒性を発揮する可能性が最も高いことを示している。さらに、これらの化合物は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸と同様の作用機序を介してそれらの活性を発揮することが可能である。
【0099】
[00120]カタバミ処理は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、市販品と比較した、本開示で特徴付けられる活性成分間の興味深い相違を実証した。第1に、カルバクリルオキシ酢酸処理の効果は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸処理と比較して即時かつ明白であった。さらに、クロロシスは、カルバクリルオキシ酢酸処理においてはるかに顕著であった。カルバクリルオキシ酢酸処理では、曝露の2日後から枯死が急速に続いた。2,4-ジクロロ酢酸処理植物については、枯死はずっと後まで観察されなかった。この即時除草特性は、記載されているすべてのオキシ酢酸モノテルペノイドおよびそのエステルの構成要素である。
【0100】
[00121]表2は、図11~12に示されるデータを表形式で示す。有意な葉の枯死およびクロロシスが、両方の光レベルで観察された。光レベル間で大きな違いは観察されなかった。このことは、これらの化合物が、光の存在下で植物組織に施用される親モノテルペノイドに特有の方法でそれらの毒性を発揮して、重大な焼き尽くしをもたらすことを示している。
【0101】
【表2】

実施例4-発芽前
材料および方法
ダイズ
[00122]ダイズ植物を鉢植え用土壌の1cm下に植え、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。植物は、各植物につき約800mLの土壌を入れた鉢(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))で成長させた。植物は植えてから約3~5日後に発芽した。植物を一定の温度および光環境下(25±5℃、12時間:12時間の明:暗サイクル)の温室内で成長させた。
トウモロコシ種子
[00123]トウモロコシ植物を鉢植え用土壌の1/2インチ下に植え、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。植物は、各植物につき約800mLの土壌を入れた鉢植え植物(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))で成長させた。
植物は植えてから約4~7日後に発芽した。植物を一定の温度および光環境下(25±5℃、12時間:12時間の明:暗サイクル)の温室内で成長させた。
発芽前アッセイ
[00124]種子/豆を植えてから1日後、1%の活性成分を含む40mLの製剤を土壌に灌注した。これは、土壌中の発芽阻害を評価するために実施した。植物は、実験期間を通じて複数の時点で観察した。本開示において特徴付けられる表8および図13~18は、化合物を土壌に施用してから3週間後の化合物の活性を実証する。処理植物を未処理対照と比較することによって定性的成長評価を行った。観察には、成長の増大(+)、成長のわずかな阻害(-)、成長の大きな阻害(- -)、植物の枯死(XXX)、および観察可能な効果なし(効果なし)が含まれた。
【0102】
【表3】

[00125]チミルオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸の両方とも、活性成分に曝露されたすべての植物に対して有意な植物毒性効果を示した。曝露された植物のうち、ダイズが最も感受性が高かった。カルバクリルオキシ酢酸は、ダイズ植物の発芽を完全に防ぎ、トウモロコシとカタバミの両方の成長を有意に阻害した。ダイズ植物はまた、チミルオキシ酢酸に対して最も感受性が高かった。しかし、トウモロコシおよびカタバミの両方の成長は、同様にこの化合物によって阻害された。発芽前の施用では、カルバクリルオキシ酢酸が2つの処理のうち最も植物毒性があった。さらに、双子葉植物(ダイズおよびカタバミ)は、単子葉植物(トウモロコシ)よりも両方の活性成分に対してより感受性が高かった。
実施例5-雑草処理
材料および方法
アカザ(Amaranthus palmeri)
[00126]アカザ植物は、アイオワ州の草原地帯で野生から得た。植物は、各植物につき約800mLの土壌を入れた鉢(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))に、注意深く移植した。植物を一定の温度および光環境下(25±5℃、12時間:12時間の明:暗サイクル)の温室内に維持した。植物は、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。移植に耐えられなかった植物は、この研究には使用しなかった。
ベルベットリーフ(Abutilon theophrasti)
[00127]ベルベットリーフ植物は、アイオワ州の草原地帯で野生から得た。植物は、各植物につき約800mLの土壌を入れた鉢(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))に、注意深く移植した。植物を一定の温度および光環境下(25±5℃、12時間:12時間の明:暗サイクル)の温室内に維持した。植物は、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。移植に耐えられなかった植物は、この研究には使用しなかった。
タンポポ(Taraxacum officinale)
[00128]タンポポの種子は、アイオワ州エイムスの自然草原地帯から得た。個々の種子は、各植物につき約800mLの土壌を入れた各鉢(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))に播種した。発芽した植物のみを試験に使用した。
植物は発芽から1~2週間後に処理した。植物は、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。
シロザ(Chenopodium album)
[00129]シロザの種子はアイオワ州立大学の農学科から入手した。個々の種子は、各植物につき約800mLの土壌を入れた各鉢(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))に播種した。発芽した植物のみを試験に使用した。植物は発芽から1~2週間後に処理した。植物は、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。
アキノエノコログサ(Setaria faberi)
[00130]アキノエノコログサの種子はアイオワ州立大学の農学科から入手した。3つの種子を、各植物につき約800mLの土壌を入れた各鉢(幅15.24cm(6インチ)×深さ11.43cm(4.5インチ))に播種した。発芽した植物のみを試験に使用した。植物は発芽から1~2週間後に処理した。植物は、必要に応じて2~3日毎に水やりをした。
土壌灌注アッセイ
[00131]活性成分の溶媒和を補助するために、モノテルペノイド誘導体、水酸化カリウム、およびTriton-X 100(商標)を使用して、種々の活性成分の製剤を製造した。製剤は、溶媒和を補助するために使用する1:1のモル比の水酸化カリウム(チミルオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸両方に対して135~269mg/100mL)とともに、5重量%の活性成分(0.5~1g/水100mL)を含んだ。溶解度を補助するためにTriton-X 100(商標)を製剤に導入して、最終濃度0.25%にした。40mLの製剤(いずれか5%の活性成分)を、発芽から1~2週間後に各植物に施用した。土壌灌注から2日後および3週間後に観察を行い、種々のタイプおよび段階の植物に対する処理の効果を判定した。植物毒性は、(活性モノテルペノイド誘導体を含まない)同様の製剤に曝露された対照処理と比較して、処理総植物の百分率として報告されている。
【0103】
[00132]チミルオキシ酢酸およびカルバクリルオキシ酢酸の両方とも、それぞれの種から処理された処理雑草の100%を枯死させることができた(表4)。この植物毒性は、最初の処理から2日後に比較的素早く観察された。
【0104】
【表4】

実施例6-選択性評価および土壌中の残留特性
材料および方法
パルマーアマランス(Amaranthus palmeri)
[00133]パルマーアマランスの種子はアイオワ州立大学の農学科から入手した。個々の種子は、各区画につき約7.5gの土壌を入れた各鉢(幅3.81cm(1.5インチ)×深さ7.62cm(3インチ))に播種した。5つの種子/区画を、多数の区画に播種した。発芽1か月後、発芽した植物を各区画で数え、この数値を毒性評価において区画ごとに曝露した植物の総数に用いた。
オナモミ(Xanthium spp.)
[00134]オナモミのいがは、アイオワ州立大学の農学科から入手した。個々の種子は、各区画につき約7.5gの土壌を入れた各鉢(幅3.81cm(1.5インチ)×深さ7.62cm(3インチ))に播種した。1つのいが/区画を、多数の区画に播種した。発芽1か月後、発芽した植物を各区画で数え、この数値を毒性評価において区画ごとに曝露した植物の総数に用いた。
ヒユモドキ(Amaranthus tuberculatus)
[00135]ヒユモドキの種子はアイオワ州立大学の農学科から入手した。個々の種子は、各区画につき約7.5gの土壌を入れた各鉢(幅3.81cm(1.5インチ)×深さ7.62cm(3インチ))に播種した。5つの種子/区画を、多数の区画に播種した。発芽から1か月後、発芽した植物を各区画で数え、この数値を毒性評価において区画ごとに曝露した植物の総数に用いた。
ナガハグサ(Poa pretensis)
[00136]ナガハグサ種子は、商品名での袋に入れて購入した。個々の種子は、各区画につき約7.5gの土壌を入れた各鉢(幅3.81cm(1.5インチ)×深さ7.62cm(3インチ))に播種した。10個の種子/区画を、多数の区画に播種した。発芽から1か月後、発芽した植物を各区画で数え、この数値を毒性評価において区画ごとに曝露した植物の総数に用いた。
毒性アッセイ
[00137]植物の総数を、24×6の六角形の小さな区画プランタートレイ中の各区画において数えた。各区画における発芽種子の数を1か月後に数え上げ、そして各区画についてこの数を記録しそして各区画の総数として使用した。異なる濃度のチミルオキシ酢酸を5%Triton-X 100に適用し、水への化合物の溶解性を補助するために、1:1モル比の水酸化カリウム:チミルオキシ酢酸を適用した。10mLの溶液を各区画に施用し、(いくつかの処理について)植物の枯死率を施用から3日後および2週間後に評価した。これらの時点での枯死率は、アッセイ開始時に各区画で発芽した総植物数の中から数え上げた。両時点で、枯死植物の総数およびアッセイの開始時の植物の総数を、各観察について記録した。このアッセイで調べた化合物のそれぞれについて、プロビットモデルを使用してLC50値を計算した。製剤対照(有効成分なし)をいくつかの植物に対してスクリーニングし、最終プロビットモデルに組み入れた。この製剤対照はそれ自体ではほとんどまたは全く効果がなかった。
結果
[00138]この調査においてスクリーニングされたすべての化合物は、当該植物種に対して植物毒性であった。各化合物の毒性を、比較のために市販の除草剤としての2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)と比較した。工業用2,4-DはSigma Aldrichから購入し、本明細書に記載の殺虫活性成分と同じ方法で製剤に配合した。パルマーアマランスに対する、2,4-Dと比較したチミルオキシ酢酸の毒性の結果を表4に示す。2,4-Dは、チミルオキシ酢酸よりわずかに高い植物毒性を示した、しかし、95%信頼区間が有意に重なり合っていることから、パーマーアマランスに対するこれらの両化合物の毒性に差がないことが示唆された。さらに、施用の2週間後に、施用の3日後よりも有意に低いLC50値が、2,4-Dについて観察された。これは、チミルオキシ酢酸の場合には、LC50は施用の3日後に観察されたものと同様であり、該当しなかった。このことは、2,4-Dが、天然のモノテルペノイドから誘導された除草性化合物よりもずっと多く土壌中に残留しており、その効果をはるか将来にわたって発揮することができることを示唆している。このデータによって示唆されるように、チミルオキシ酢酸は植物内で急速にその毒性を発揮し、土壌中で急速に分解すると思われる。
【0105】
[00139]ナガハグサと比較したこれらの除草剤の選択性もまた調査した。これらの化合物を家庭および園芸、ならびに農業用途に使用する場合、双子葉雑草種に対して選択的に作用することが最も重要である。表5は、チミルオキシ酢酸が種々の双子葉雑草種に対して選択的であることを実証する。ナガハグサ種と比較した選択比は、種々の雑草種について2.06~5倍の範囲であった。これらの同じ雑草種における2,4-Dの選択比は、2.56~5.97倍であった。全体として、チミルオキシ酢酸の選択比は、家庭および園芸ならびに農業分野の両方のシナリオで施用されている、広く認められている選択的除草剤である2,4-Dと比較して、非常に類似していた。記載されているすべての雑草種に対する植物毒性効果を実証する写真を、添付の図面に示す。
【0106】
[00140]文言的なサポートを提供するのに必要な範囲で、あらゆる添付の特許請求の範囲に記載の主題および/または文言が、そのすべてが参照により本願明細書に組み込まれるものと理解される。
【0107】
[00141]本明細書において記載される例示的実施形態は、あらゆる記載される特徴、要素または工程が本願明細書において具体的に開示されているか否かを問わず、最適に実施できるものとして、本明細書のすべての読者により理解されるであろう。
以下に、本願発明の実施態様を付記する。
[1] 担体および式(I):
【化18】

(式中、Rは、非置換のフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であり;
は、非置換のフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であるか、またはH、M、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルケニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルケニルからなる群から選択され;
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、およびアミンからなる群から選択される対イオンである)
の化合物を含む組成物。
[2] 植物毒性および/または浸透性作用機序を有する除草剤として前記[1]に記載の組成物。
[3] 式:
【化19】

(Rは、非置換のフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であり;
は、非置換のフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であるか、またはH、M、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルケニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルケニルからなる群から選択され;
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、およびアミンからなる群から選択される対イオンである)
によって示される有効量の除草性化合物を施用することにより有害植物種を防除する方法。
[4] 前記[1]に記載の組成物を有害植物種に隣接する土壌に施用することにより有害植物種を防除する方法。
[5] 前記[1]に記載の組成物を顆粒製剤に適用し、その後この顆粒製剤を有害植物種の周囲の土壌に施用することにより有害植物種を防除する方法。
[6] 前記[1]に記載の組成物を有害植物種の葉に直接施用することにより有害植物種を防除する方法。
[7] 担体および有効量のチミルオキシ酢酸、カルバクリルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、ウンベリフェロニルオキシ酢酸(umelliferonyloxyacetic acid)、ピセイルオキシ酢酸(piceyloxyacetic acid)および/または前述の化合物のエステルおよびそれらの任意の混合物から構成される除草性組成物。
[8] 実質的に上記の明細書、特許請求の範囲および添付の図/図面において記載される例示的実施形態。
【0108】
【表5】
【0109】
【表6】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体および式(I):
【化1A】
ここで、Aは、
【化1B】
であり、(式中、Rは、非置換のフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であり;Rは、非置換の、もしくは置換されたフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であるか、またはH、M、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルケニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルケニルからなる群から選択され;
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、およびアンモニウムからなる群から選択される対イオンである)
の化合物を含み、植物毒性および/または浸透性作用機序を有する除草剤組成物であって、ここで、前記式(I)の化合物が、カルバクロールオイゲニルオキシアセテート、ゲラニルチミルオキシアセテート、チミルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、エチルチミルオキシアセテート、エチルカルバクリルオキシアセテート、イソプロピルカルバクリルオキシアセテート、アミルチミルオキシアセテート、カルバクリルオキシ酢酸、バニリルオキシ酢酸、カルボキシメチルバニリン酸、サリチルオキシ酢酸、カルボキシメチルサリチル酸、2-(2-(メトキシカルボニル)フェノキシ)安息香酸、3-(4-(カルボキシメトキシ)-3-メトキシフェニル)アクリル酸、3-(4-(カルボキシメトキシ)フェニル)アクリル酸、クマリン-7-オキシ酢酸および2-(4-アセチルフェノキシ)酢酸からなる群より選択される、除草剤組成物。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物毒性および/または浸透性作用機序を有する除草剤組成物を適用する工程を含む植物有害種を防除する方法であって、
前記除草剤組成物は、
担体と、式(I):
【化1A】
ここで、Aは、
【化1B】
であり、
(式中、
は、非置換のフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であり;
は、非置換の、もしくは置換されたフェニルプロパノイドまたはモノテルペノイド部分であるか、またはH、M、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルケニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状アルキニル、置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のC~C非分岐状もしくは分岐状のシクロアルケニルからなる群から選択され;
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、およびアンモニウムからなる群から選択される対イオンである)
活性化合物
を含み
ここで、前記式(I)の活性化合物が、カルバクロールオイゲニルオキシアセテート、ゲラニルチミルオキシアセテート、チミルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、エチルチミルオキシアセテート、エチルカルバクリルオキシアセテート、イソプロピルカルバクリルオキシアセテート、アミルチミルオキシアセテート、カルバクリルオキシ酢酸、バニリルオキシ酢酸、カルボキシメチルバニリン酸、サリチルオキシ酢酸、カルボキシメチルサリチル酸、2-(2-(メトキシカルボニル)フェノキシ)安息香酸、3-(4-(カルボキシメトキシ)-3-メトキシフェニル)アクリル酸、3-(4-(カルボキシメトキシ)フェニル)アクリル酸、クマリン-7-オキシ酢酸および2-(4-アセチルフェノキシ)酢酸からなる群より選択され、及び
前記式(I)の活性化合物は、当該除草剤組成物に基づいて0.5重量%~5重量%の量で当該除草剤組成物中に存在している、
方法。
【請求項2】
請求項に記載の植物有害種を防除する方法であって、当該除草剤組成物が植物有害種に隣接する土壌に施用される方法。
【請求項3】
請求項に記載の植物有害種を防除する方法であって、当該除草剤組成物が顆粒製剤として施用される方法。
【請求項4】
請求項に記載の植物有害種を防除する方法であって、当該除草剤組成物が植物有害種の葉に直接施用される方法。
【請求項5】
担体と、有効量のチミルオキシ酢酸、カルバクリルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、ウンベリフェロニルオキシ酢酸(umelliferonyloxyacetic acid)、ピセイルオキシ酢酸(piceyloxyacetic acid)および/またはチミルオキシ酢酸、カルバクリルオキシ酢酸、オイゲニルオキシ酢酸、ウンベリフェロニルオキシ酢酸若しくはピセイルオキシ酢酸のエステル、またはそれらの混合物を含む活性化合物とを含む、植物毒性および浸透性作用機序を有する除草性組成物であって、前記活性化合物が、当該組成物の総重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量で当該組成物中に存在している、除草性組成物
【外国語明細書】