(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177123
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】試料の評価方法、分析方法、劣化試料の検出方法、劣化血漿試料検出用マーカーおよび劣化血清試料検出用マーカー
(51)【国際特許分類】
G01N 33/49 20060101AFI20221122BHJP
G01N 27/62 20210101ALI20221122BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20221122BHJP
G01N 33/98 20060101ALI20221122BHJP
G01N 33/64 20060101ALI20221122BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20221122BHJP
G01N 33/82 20060101ALI20221122BHJP
G01N 33/70 20060101ALI20221122BHJP
G01N 33/92 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G01N33/49 Z
G01N27/62 V
G01N33/50 A
G01N33/50 B
G01N33/50 D
G01N33/98
G01N33/64
G01N33/68
G01N33/82
G01N33/70
G01N33/92 A
G01N33/50 P
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144323
(22)【出願日】2022-09-12
(62)【分割の表示】P 2021518300の分割
【原出願日】2020-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2019089363
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100141852
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 力
(74)【代理人】
【識別番号】100143096
【弁理士】
【氏名又は名称】山岸 忠義
(72)【発明者】
【氏名】海野 結実
(72)【発明者】
【氏名】川名 修一
(72)【発明者】
【氏名】青木 豊
(72)【発明者】
【氏名】増田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 宏隆
(72)【発明者】
【氏名】中西 豪
(57)【要約】
【課題】 適切なマーカーにより、正確に血漿試料または血清試料の品質の評価を行う。
【解決手段】 試料の評価方法は、人間の血液から調製された血漿試料を取得することと、血漿試料における、所定の分子の検出を行うことと、上記検出により得られた、上記分子の強度に基づいて、血漿試料の品質を評価することとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の血液から調製された血漿試料を取得することと、
前記血漿試料における、1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アコニット酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オルニチン、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、キサンチン、キシロース、キヌレニン、キノリン酸、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、コレステロール、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトシン、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セロトニン、ソルボース、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トリプトファン、トレハロース、ニコチンアミド、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキノン、ヒポキサンチン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、プシコース、プロリン、ホウ酸、ホモシステイン、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出を行うことと、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血漿試料の品質を評価することとを備える試料の評価方法。
【請求項2】
請求項1に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血漿試料における、1-ヘキサデカノール、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、アコニット酸、アスコルビン酸、アゼライン酸、アラントイン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、キサンチン、キシロース、キノリン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリセロール-3-リン酸、クレアチニン、コレステロール、シトシン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、ソルボース、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トレハロース、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒドロキノン、ヒポタウリン、プシコース、ホウ酸、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸および尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子のガスクロマトグラフィ/質量分析による検出が行われる試料の評価方法。
【請求項3】
請求項2に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血漿試料における、1-ヘキサデカノール、2-ヒドロキシピリジン、2-ケト酪酸、3-スルフィノアラニン、アコニット酸、アラントイン、アラキドン酸、アスコルビン酸、アゼライン酸、シトシン、ジヒドロキシアセトンリン酸、グリセロール-3-リン酸、ヒスタミン、ヒドロキノン、ラクチトール、マレイン酸、マンノース、メチオニンスルホン、N-アセチルセリン、オクタデカノール、シュウ酸、パントテン酸、プシコース、キノリン酸、リボン酸、リブロース、ソルボース、スクロース、ウリジン、キサンチン、キシロース、ドコサヘキサエン酸、ヒポタウリン、トレハロース、2'-デオキシウリジン、3-アミノイソ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、コレステロール、ジメチルグリシン、インドキシル硫酸、ラクトース、リノール酸、リンゴ酸、モノステアリン、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸および尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が遠心分離に供されるまでの時間に基づく前記血漿試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項4】
請求項2に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血漿試料における、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、2-ケト酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、アラントイン、アゼライン酸、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ドコサヘキサエン酸、グリセロール-3-リン酸、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスタミン、ヒドロキノン、ヒポタウリン、ラクチトール、ラクトース、マレイン酸、マンノース、メチオニンスルホン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、シュウ酸、パントテン酸、パラキサンチン、プシコース、キノリン酸、リボース、リブロース、スクロース、トレハロース、尿酸、ウリジンおよびキサンチンからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が冷却に供されるまでの時間に基づく前記血漿試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項5】
請求項2に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血漿試料における、2-ヒドロキシピリジン、3-スルフィノアラニン、アスコルビン酸、アゼライン酸、ホウ酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、ヒドロキノン、ラクトース、メチオニンスルホン、パントテン酸、プシコース、キノリン酸、リボン酸、リブロース、スクロース、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、シトシン、ジヒドロキシアセトンリン酸、グリセロール-3-リン酸、インドキシル硫酸、マンノース、モノステアリン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、オクタデカノール、リボース、シロイノシトール、トレハロース、ウリジン、キサンチン、キシロース、1-ヘキサデカノール、セタノール、3-フェニル乳酸、アラントイン、クレアチニン、ジメチルグリシン、ヒスタミン、ラクチトール、マレイン酸およびトリプタミンからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血漿試料が凍結融解に供された回数に基づく前記血漿試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項6】
請求項1に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血漿試料における、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、ウリジン、オルニチン、カルニチン、キサンチン、キヌレニン、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトルリン、ジメチルグリシン、セロトニン、対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、トリプトファン、ニコチンアミド、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒポキサンチン、プロリン、ホモシステイン、メチオニンスルホキシド、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の液体クロマトグラフィ/質量分析による検出が行われる試料の評価方法。
【請求項7】
請求項6に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血漿試料における、5-グルタミルシステイン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アラントイン、シチコリン、システイン、シチジン、シチジン1リン酸、ドーパ、グアノシン1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、ニコチンアミド、プロリン、S-アデノシルホモシステイン、セロトニン、コハク酸、4-アミノ酪酸、アデニン、アルギニン、アスパラギン酸、ドーパミン、グアノシン、リンゴ酸、パントテン酸、S-アデノシルメチオニン、コハク酸、キサンチン、2-アミノ酪酸、4-ヒドロキシプロリン、アセチルカルニチン、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラニン、アルギニノコハク酸、非対称性ジメチルアルギニン、カルニチン、コール酸、コリン、シトルリン、クレアチン、クレアチニン、シスタチオニン、シスチン、ジメチルグリシン、イソロイシン、キヌレニン、ロイシン、メチオニンスルホキシド、対称性ジメチルアルギニン、トリプトファン、尿酸およびウリジンからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が遠心分離に供されるまでの時間に基づく前記血漿試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項8】
請求項6に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血漿試料における、4-アミノ酪酸、5-グルタミルシステイン、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アラントイン、アスパラギン酸、非対称性ジメチルアルギニン、コール酸、コリン、シチコリン、システイン、シチジン、シチジン1リン酸、ジメチルグリシン、ドーパ、ドーパミン、グアノシン1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、ニコチンアミド、オルニチン、プロリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、セロトニンおよびキサンチンからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が冷却に供されるまでの時間に基づく前記血漿試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項9】
請求項6に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血漿試料における、4-アミノ酪酸、5-グルタミルシステイン、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アラントイン、アルギニン、アルギニノコハク酸、コリン、クレアチン、クレアチニン、シスタチオニン、システイン、シチジン1リン酸、ドーパ、リンゴ酸、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、コハク酸、キサンチン、カルニチン、シチコリン、シチジン、グアノシン、グアノシン1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、キヌレニン、ニコチンアミド、セロトニン、ウリジン、4-ヒドロキシプロリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、コール酸、シトルリン、シスチン、ジメチルグリシン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ホモシステイン、イソロイシン、ロイシン、パントテン酸および対称性ジメチルアルギニンからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血漿試料が凍結融解に供された回数に基づく前記血漿試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の試料の評価方法により血漿試料の評価を行うことと、
前記評価に基づいて、血漿試料の分析を行うこととを備える分析方法。
【請求項11】
人間の血液から調製された血漿試料を取得することと、
前記血漿試料における、1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アコニット酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オルニチン、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、キサンチン、キシロース、キヌレニン、キノリン酸、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、コレステロール、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトシン、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セロトニン、ソルボース、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トリプトファン、トレハロース、ニコチンアミド、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキノン、ヒポキサンチン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、プシコース、プロリン、ホウ酸、ホモシステイン、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出を行うこととを備える劣化試料の検出方法。
【請求項12】
1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アコニット酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オルニチン、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、キサンチン、キシロース、キヌレニン、キノリン酸、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、コレステロール、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトシン、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セロトニン、ソルボース、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トリプトファン、トレハロース、ニコチンアミド、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキノン、ヒポキサンチン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、プシコース、プロリン、ホウ酸、ホモシステイン、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子を含む、劣化血漿試料検出用マーカー。
【請求項13】
人間の血液から調製された血清試料を取得することと、
前記血清試料における、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、β-アラニン、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、アロース、安息香酸、イソロイシン、イノシトール、イノシン、ウラシル、ウリジン、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オルニチン、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キシリトール、キシルロース、キシロース、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、サルコシン、シスチン、システイン、シチジン、シトラマル酸、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セリン、セロトニン、ソルビトール、ソルボース、チラミン、チロシン、デカン酸、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプトファン、トレオニン、トレオン酸、トレハロース、ニコチンアミド、パラキサンチン、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルアラニン、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、プロリン、ペラルゴン酸、ホウ酸、ホモシステイン、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、メチオニン、メチオニンスルホキシド、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、リンゴ酸、ロイシン、安息香酸、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出を行うことと、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血清試料の品質を評価することとを備える試料の評価方法。
【請求項14】
請求項13に記載の試料の評価方法において、
前記血清試料における、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデノシン、アラキドン酸、アラントイン、アルギニン、アロース、安息香酸、イノシトール、ウラシル、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、キシリトール、キシルロース、キシロース、グリオキシル酸、グリコール酸、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタル酸、サルコシン、シトラマル酸、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、ソルビトール、ソルボース、チラミン、デカン酸、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トレオン酸、トレハロース、パラキサンチン、パントテン酸、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、ペラルゴン酸、ホウ酸、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、安息香酸および尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子のガスクロマトグラフィ/質量分析による検出が行われる試料の評価方法。
【請求項15】
請求項14に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血清試料における、2-アミノオクタン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、アセチルグリシン、アコニット酸、アデノシン、アジピン酸、アラントイン、アスコルビン酸、アゼライン酸、安息香酸、カダベリン、シトラマル酸、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ドーパミン、エリトルロース、グリセロール-3-リン酸、グリコール酸、ヒポタウリン、ヒポキサンチン、ラクチトール、ラクトース、マレイン酸、モノステアリン、N6-アセチルリジン、オクタデカノール、シュウ酸、パントテン酸、パラキサンチン、ピリドキサミン、ピルビン酸、リボース、ソルボース、スクロース、チラミン、ウラシル、キシロース、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ケトイソ吉草酸、3-アミノプロピオン酸、アセト酢酸、デカン酸、ガラクツロン酸、ガラクツロン酸、グルタル酸、イノシトール、ラクトース、メソエリトリトール、ミオイノシトール、ミリスチン酸、プシコース、プトレシン、リビトール、リボン酸ラクトン、リブロース、シロイノシトール、ソルビトール、トレオン酸、トレハロース、尿酸、キシリトール、キシロース、キシルロース、1-ヘキサデカノール、3-ヒドロキシイソ吉草酸、4-ヒドロキシプロリン、ジヒドロウラシル、グルコン酸、N-アセチルセリン、フェニル酪酸およびリボン酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が遠心分離に供されるまでの時間に基づく前記血清試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項16】
請求項14に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血清試料における、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-スルフィノアラニン、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、アコニット酸、アデノシン、アジピン酸、アゼライン酸、安息香酸、ホウ酸、カダベリン、シトラマル酸、ジヒドロウラシル、ドーパミン、エリトルロース、ガラクツロン酸、ヒポキサンチン、ラクチトール、ラクトース、マレイン酸、N-アセチルセリン、オクタデカノール、パントテン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、ピルビン酸、リビトール、リボン酸ラクトン、リボース、スクロース、トレハロース、2-アミノ酪酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-インドールプロピオン酸、アセト酢酸、アラントイン、ジヒドロキシアセトンリン酸、グルコサミン、ヒドロキシルアミン、ラクトース、モノステアリン、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、シュウ酸、パラキサンチン、フェニルピルビン酸、ピルビン酸-オキシム、トレオン酸、チラミン、ウラシルおよびキシルロースからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の遠心分離が行われてから前記遠心分離で得られた血清の分取までの時間に基づく前記血清試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項17】
請求項14に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血清試料における、2-アミノオクタン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、3-スルフィノアラニン、4-ヒドロキシプロリン、アセト酢酸、アデノシン、ホウ酸、ジヒドロウラシル、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ドーパミン、エリトルロース、エリトルロース、グリオキシル酸、ラクトース、マレイン酸、N6-アセチルリジン、オレアミド、シュウ酸、パントテン酸、フェニル酪酸、プシコース、リボン酸ラクトン、リボース、トレオン酸、3-ヒドロキシアントラニル酸、アロース、カダベリン、ラクトース、オクタデカノール、プシコース、ウラシル、1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、3-アミノイソ酪酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-インドールプロピオン酸、アジピン酸、アラントイン、アラキドン酸、アルギニン、アゼライン酸、安息香酸、カブロン酸、シトラマル酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、グルコサミン、グリコール酸、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、マルガリン酸、メソエリトリトール、モノステアリン、N-アセチルグルタミン、ペラルゴン酸、パラキサンチン、フェニルピルビン酸、プトレシン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、リブロース、サルコシン、ソルビトール、ソルボース、ステアリン酸、スクロース、トレハロース、チラミンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血清試料が凍結融解に供された回数に基づく前記血清試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項18】
請求項13に記載の試料の評価方法において、
前記血清試料における、2-アミノ酪酸、4-ヒドロキシプロリン、S-アデノシルホモシステイン、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、ウリジン、オルニチン、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリシン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、シスチン、システイン、シチジン、シトルリン、ジメチルグリシン、セリン、セロトニン、チロシン、ドーパ、ドーパミン、トリプトファン、トレオニン、ニコチンアミド、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒポキサンチン、フェニルアラニン、プロリン、ホモシステイン、メチオニン、メチオニンスルホキシド、リンゴ酸、ロイシン、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の液体クロマトグラフィ/質量分析による検出が行われる試料の評価方法。
【請求項19】
請求項18に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血清試料における、アデノシン、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラントイン、アスパラギン酸、カルノシン、コリン、シチジン、ドーパ、グルタミン酸、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、リンゴ酸、ニコチンアミド、オルニチン、S-アデノシルホモシステイン、ウリジン、キサンチン、アルギニン、アルギニノコハク酸、システイン、メチオニンスルホキシド、セリン、コハク酸、アスパラギン、プロリン、ヒスチジン、パントテン酸、イソロイシン、ロイシン、ドーパミンおよびグリシンからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が遠心分離に供されるまでの時間に基づく前記血清試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項20】
請求項18に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血清試料における、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アルギニノコハク酸、カルノシン、シスチン、シチジン、グルタミン酸、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、イノシン、リンゴ酸、S-アデノシルホモシステイン、セロトニン、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラントイン、アスパラギン酸、システイン、ヒポキサンチン、メチオニンスルホキシド、プロリンおよびキサンチンからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の遠心分離が行われてから前記遠心分離で得られた血清の分取までの時間に基づく前記血清試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項21】
請求項18に記載の試料の評価方法において、
前記検出では、前記血清試料における、アデニン、アデノシン、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アデノシン1リン酸、アラントイン、カルノシン、クレアチン、システイン、シスチン、シチジン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、キヌレニン、メチオニンスルホキシド、コハク酸、ウリジン、キサンチン、2-アミノ酪酸、4-ヒドロキシプロリン、アラニン、アルギニン、アルギニノコハク酸、アスパラギン、非対称性ジメチルアルギニン、カルニチン、コール酸、コリン、シトルリン、クレアチニン、ジメチルグリシン、ドーパ、グリシン、グアノシン、ヒスチジン、ホモシステイン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、ニコチンアミド、S-アデノシルホモシステイン、セリン、対称性ジメチルアルギニン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、尿酸、アセチルカルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リンゴ酸、オルニチン、パントテン酸、フェニルアラニン、プロリン、セロトニンおよびバリンからなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出が行われ、
前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血清試料が凍結融解に供された回数に基づく前記血清試料の品質が評価される、試料の評価方法。
【請求項22】
請求項13から21までのいずれか一項に記載の試料の評価方法により血清試料の評価を行うことと、
前記評価に基づいて、血清試料の分析を行うこととを備える分析方法。
【請求項23】
人間の血液から調製された血清試料を取得することと、
前記血清試料における、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、β-アラニン、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、アロース、安息香酸、イソロイシン、イノシトール、イノシン、ウラシル、ウリジン、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オルニチン、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キシリトール、キシルロース、キシロース、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、サルコシン、シスチン、システイン、シチジン、シトラマル酸、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セリン、セロトニン、ソルビトール、ソルボース、チラミン、チロシン、デカン酸、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプトファン、トレオニン、トレオン酸、トレハロース、ニコチンアミド、パラキサンチン、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルアラニン、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、プロリン、ペラルゴン酸、ホウ酸、ホモシステイン、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、メチオニン、メチオニンスルホキシド、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、リンゴ酸、ロイシン、安息香酸、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出を行うこととを備える劣化試料の検出方法。
【請求項24】
1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、β-アラニン、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、アロース、安息香酸、イソロイシン、イノシトール、イノシン、ウラシル、ウリジン、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オルニチン、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キシリトール、キシルロース、キシロース、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、サルコシン、シスチン、システイン、シチジン、シトラマル酸、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セリン、セロトニン、ソルビトール、ソルボース、チラミン、チロシン、デカン酸、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプトファン、トレオニン、トレオン酸、トレハロース、ニコチンアミド、パラキサンチン、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルアラニン、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、プロリン、ペラルゴン酸、ホウ酸、ホモシステイン、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、メチオニン、メチオニンスルホキシド、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、リンゴ酸、ロイシン、安息香酸、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子を含む、劣化血清試料検出用マーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の評価方法、分析方法、劣化試料の検出方法、劣化血漿試料検出用マーカーおよび劣化血清試料検出用マーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
血漿または血清に含まれる分子を質量分析等の分析により検出し、疾患を患うリスクの評価、診断、または予後の予測等についての情報を得る方法が研究されている。当該分析では、血漿試料または血清試料を調製または保存する際の条件の違いにより、得られる結果にばらつきが生じ得る。
【0003】
非特許文献1ではキャピラリー電気泳動-質量分析法により、血漿試料または血清試料の調製または保存の条件による代謝物の検出量の変動を観察している。非特許文献2ではガスクロマトグラフィ/質量分析および液体クロマトグラフィ/質量分析により、同様の観察を行っている。非特許文献3および非特許文献4では、調製または保存の条件により検出量が変動する分子を品質評価マーカーとして探索する点が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Hirayama A, Sugimoto M, Suzuki A, Hatakeyama Y, Enomoto A, Harada S, Soga T, Tomita M, Takebayashi T. "Effects of processing and storage conditions on charged metabolomic profiles in blood." Electrophoresis,(ドイツ), Wiley-VCH, 2015年9月、Volume 36, Issue 18, p.2148-2155
【非特許文献2】Nishiumi S, Suzuki M, Kobayashi T, Yoshida M. "Differences in metabolite profiles caused by pre-analytical blood processing procedures." Journal of bioscience and bioengineering,(日本), Society for Bioscience and Bioengineering, Japan, 2018年5月、Volume 125, Issue 5, p.613-618
【非特許文献3】Kamlage B, Maldonado SG, Bethan B, Peter E, Schmitz O, Liebenberg V, Schatz P. "Serum metabolomics reveals γ-glutamyl dipeptides as biomarkers for discrimination among different forms of liver disease." Clinical Chemistry,(米国), American Association For Clinical Chemistry, 2014年2月、Volume 60, Issue 2, p.399-412
【非特許文献4】春日、他3名監修、峰岸、他18名著、「オミックス研究用生体試料の取り扱いに関する報告書、[online]、2017年8月1日、日本医療研究開発機構、[平成31年3月22日検索]、インターネット(https://www.biobank.amed.go.jp/2017/08/08/content/pdf/medical/omicsreport0810.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
適切なマーカーにより、正確に血漿試料または血清試料の品質の評価が行われることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、人間の血液から調製された血漿試料を取得することと、前記血漿試料における、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アコニット酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オルニチン、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、キサンチン、キシロース、キヌレニン、キノリン酸、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、コレステロール、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトシン、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セロトニン、ソルボース、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トリプトファン、トレハロース、ニコチンアミド、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキノン、ヒポキサンチン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、プシコース、プロリン、ホウ酸、ホモシステイン、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出を行うことと、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血漿試料の品質を評価することとを備える試料の評価方法に関する。
本発明の第2の態様は、第1の態様の試料の評価方法により血漿試料の評価を行うことと、前記評価に基づいて、血漿試料の分析を行うこととを備える分析方法に関する。
本発明の第3の態様は、人間の血液から調製された血漿試料を取得することと、前記血漿試料における、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アコニット酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オルニチン、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、キサンチン、キシロース、キヌレニン、キノリン酸、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、コレステロール、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトシン、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セロトニン、ソルボース、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トリプトファン、トレハロース、ニコチンアミド、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキノン、ヒポキサンチン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、プシコース、プロリン、ホウ酸、ホモシステイン、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出を行うこととを備える劣化試料の検出方法に関する。
本発明の第4の態様は、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アコニット酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オルニチン、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、キサンチン、キシロース、キヌレニン、キノリン酸、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、コレステロール、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトシン、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セロトニン、ソルボース、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トリプトファン、トレハロース、ニコチンアミド、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキノン、ヒポキサンチン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、プシコース、プロリン、ホウ酸、ホモシステイン、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子を含む、劣化血漿試料検出用マーカーに関する。
本発明の第5の態様は、人間の血液から調製された血清試料を取得することと、前記血清試料における、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、β-アラニン、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、アロース、安息香酸、イソロイシン、イノシトール、イノシン、ウラシル、ウリジン、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オルニチン、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キシリトール、キシルロース、キシロース、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、サルコシン、シスチン、システイン、シチジン、シトラマル酸、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セリン、セロトニン、ソルビトール、ソルボース、チラミン、チロシン、デカン酸、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプトファン、トレオニン、トレオン酸、トレハロース、ニコチンアミド、パラキサンチン、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルアラニン、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、プロリン、ペラルゴン酸、ホウ酸、ホモシステイン、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、メチオニン、メチオニンスルホキシド、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、リンゴ酸、ロイシン、安息香酸、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出を行うことと、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血清試料の品質を評価することとを備える試料の評価方法に関する。
本発明の第6の態様は、第5の態様の試料の評価方法により血清試料の評価を行うことと、前記評価に基づいて、血清試料の分析を行うこととを備える分析方法に関する。
本発明の第7の態様は、人間の血液から調製された血清試料を取得することと、前記血清試料における、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、β-アラニン、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、アロース、安息香酸、イソロイシン、イノシトール、イノシン、ウラシル、ウリジン、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オルニチン、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キシリトール、キシルロース、キシロース、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、サルコシン、シスチン、システイン、シチジン、シトラマル酸、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セリン、セロトニン、ソルビトール、ソルボース、チラミン、チロシン、デカン酸、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプトファン、トレオニン、トレオン酸、トレハロース、ニコチンアミド、パラキサンチン、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルアラニン、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、プロリン、ペラルゴン酸、ホウ酸、ホモシステイン、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、メチオニン、メチオニンスルホキシド、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、リンゴ酸、ロイシン、安息香酸、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子の検出を行うこととを備える劣化試料の検出方法に関する。
本発明の第8の態様は、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、β-アラニン、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、アロース、安息香酸、イソロイシン、イノシトール、イノシン、ウラシル、ウリジン、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オルニチン、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キシリトール、キシルロース、キシロース、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、サルコシン、シスチン、システイン、シチジン、シトラマル酸、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セリン、セロトニン、ソルビトール、ソルボース、チラミン、チロシン、デカン酸、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプトファン、トレオニン、トレオン酸、トレハロース、ニコチンアミド、パラキサンチン、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルアラニン、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、プロリン、ペラルゴン酸、ホウ酸、ホモシステイン、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、メチオニン、メチオニンスルホキシド、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、リンゴ酸、ロイシン、安息香酸、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子を含む、劣化血清試料検出用マーカーに関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、適切なマーカーに基づいて、正確に血漿試料または血清試料の品質の評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る分析方法の流れを示すフローチャートである。
【
図2】
図2は、血漿試料の調製を説明するための概念図である。
【
図3】
図3は、血清試料の調製を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。以下の実施形態の試料の評価方法は、人間の血液に由来する試料における所定の分子の検出を行い、当該検出に基づいて試料の品質の評価を行うものである。
【0010】
上記所定の分子は、品質が低い、または劣化しているとされる試料と、品質が低くない、または劣化していないとされる試料とにおいて濃度が異なる分子である。ここで「品質が低い」および「劣化」とは、試料に含まれる少なくとも一部の分析対象の分子に対応する、濃度等の定量値が変化している可能性があり、変化する前の定量値を得ることが難しいか不可能であることを意味する。試料中の上記所定の分子を検出することで、試料の品質についての情報を得られるため、上記所定の分子は、試料の品質を評価する際、または劣化試料を検出するためのマーカーとして機能し、以下、マーカーと呼ぶ。
【0011】
図1は、本実施形態の試料の評価方法を含む分析方法の流れを示すフローチャートである。ステップS101において、血漿試料または血清試料が取得される。マーカーとして検出される具体的な分子については、後述する。
【0012】
(試料について)
試料は、人間(以下、血液提供者と呼ぶ)の血液から調製された血漿試料または血清試料であれば特に限定されない。血液提供者は、健常者でも、何らかの疾患の患者でもよい。本実施形態の試料の評価方法は、血液提供者の検査若しくは診断のための分析の他、研究目的等、任意の目的のために分析に供される試料に適用することができる。
【0013】
好適な一例としては、コホート研究において、血漿試料または血清試料が複数の施設において調製および保存され、ある時期にこれらの試料が分析に供される場合が挙げられる。このような場合、異なる施設において調製または保存の条件が異なると、分析の結果がばらつき、信頼性の高い結果を得ることが難しくなる。従って、分析を行う前に、保存されていた試料の少なくとも一部を対象に本実施形態の試料の評価方法を行うことで、劣化したと想定される試料を検出して分析対象から除外する等して、分析の信頼性を高めることができる。
なお、上述したように、本実施形態の試料の評価方法は、上記研究に限らず、医療機関または検査機関等で、患者から得た血漿試料または血清試料の品質を評価するために用いてもよい。
【0014】
ステップS101が終了したら、ステップS103が開始される。ステップS103において、ステップS101で取得された血漿試料または血清試料の分析が行われ、イン・ビトロでマーカーが検出される。ここでの分析は、第1分析と呼ぶ。
【0015】
(マーカーの検出について)
血漿試料または血清試料におけるマーカーの検出方法は、検出されたマーカーの濃度が、閾値または数値範囲等により予め定められた条件を満たすか否かを所望の精度で判別することができれば特に限定されない。
なお、以下の実施形態において、「マーカーを検出する」とは、血漿試料または血清試料に含まれているマーカーを定量するための検出を行うことを指し、イオン化されたマーカー、解離されたマーカー若しくはそのイオン、または、マーカーの誘導体若しくはそのイオン等の、マーカー由来の物質を直接検出するがマーカー自体を直接検出しない場合も含む。
【0016】
様々な種類の物質を含む試料から、目的のマーカーを好適に分離して検出する観点から、試料に含まれるマーカーは、質量分析により検出されることが好ましく、ガスクロマトグラフィ/質量分析(以下、GC/MSと呼ぶ)または液体クロマトグラフィ/質量分析(以下、LC/MSと呼ぶ)により検出されることがより好ましい。ここで、GC/MSおよびLC/MSは、タンデム質量分析やMSn等の複数回の質量分離を行う場合も含むものとする。
【0017】
従って、第1分析において試料に含まれるマーカーを検出する検出装置としては、質量分析計が好ましい。特にガスクロマトグラフ-質量分析計(以下、GC-MSと呼ぶ)によりGC/MSを行ったり、液体クロマトグラフ-質量分析計(以下、LC-MSと呼ぶ)によりLC/MSを行うことが好ましい。質量分析計はシングル質量分析計でも2段階以上の質量分離が可能な質量分析計でもよい。質量分析計の内部でこれらの質量分離を行う質量分析器についてもその種類は特に限定されず、四重極マスフィルタ、イオントラップおよび飛行時間型質量分析器等を適宜組み合わせて1以上含むものとすることができる。
【0018】
第1分析においてマーカーの検出により得られたデータ(以下、第1データと呼ぶ)は、適宜任意の記憶媒体に保存される。第1データは、マーカーの検出により生成された検出信号を示すものであれば特に限定されない。第1データは、第1分析が質量分析の場合は、マスクロマトグラムに対応するデータ(以下、マスクロマトグラムデータと呼ぶ)またはマススペクトルに対応するデータ(以下、マススペクトルデータと呼ぶ)等とすることができる。マスクロマトグラムデータは、各保持時間における検出信号の大きさを示すデータである。マススペクトルデータは、各m/z(質量電荷比に対応)に対応する検出信号の大きさを示すデータである。
【0019】
ステップS103が終了したら、ステップS105が開始される。ステップS105において、ステップS103でマーカーの検出により得られたデータに基づいて、血漿試料または血清試料の品質の評価が行われる。
【0020】
ステップS105では、第1データのデータ解析により、マーカーの定量が行われる。ステップS105における計算は、手計算で行ってもよいが、CPU等を含む制御装置等により行われることが好ましい。第1データと、予め得られた検量線または相対応答係数等の較正データとを用いて、マーカーの濃度が算出される。例えばステップS103でGC/MSまたはLC/MSが行われた場合、マスクロマトグラムにおけるマーカーに対応するピークのピーク面積またはピーク強度が、マーカーに対応する検出信号の大きさ(以下、検出強度と呼ぶ)として算出される。当該検出強度を較正データを用いて換算し、血漿試料または血清試料におけるマーカーの濃度が得られる。
【0021】
マーカーの濃度が得られたら、当該濃度が、マーカーに対応する閾値または数値範囲等により予め定められた条件(以下、品質条件と呼ぶ)を満たすか否かが判定される。後述する表A~Mは、血漿試料および血清試料の調製または保存についての所定の品質条件を満たすか否かを示すマーカーとなる化合物を列挙している。例えば、所定の調製または保存の条件において増加する、表A~Mに示されたマーカーに関し閾値が予め定められており、当該閾値よりも得られたマーカーの濃度が高かったとする。この場合、当該試料は品質条件を満たさず、試料の品質が十分でない、または低い等として評価することができる。表A~Mにおける、所定の調製または保存の条件において減少する、表A~Mに示されたマーカーに関し閾値が予め定められており、当該閾値よりも得られたマーカーの濃度が低かったとする。この場合、当該試料は品質条件を満たさず、試料の品質が十分でない、または低い等として評価することができる。所定の調製または保存の条件において増加する場合も減少する場合もあるが変動する、表A~Mに示されたマーカーに関し数値範囲が予め定められており、マーカーの濃度が当該数値範囲の外だったとする。この場合、当該試料は品質条件を満たさず、試料の品質が十分でない、または低い等として評価することができる。
【0022】
マーカーを複数用いて試料の品質を評価する場合には、複数のマーカーのうち、いずれか一つ若しくは全部、または任意の個数のマーカーが品質条件を満たさなかった場合に、試料の品質が低い等と評価することができる。表A~Mでは、比較対象となる条件の場合と比べて所定の条件で検出強度が増加したマーカー、検出強度が減少したマーカー、増加する場合も減少する場合もあるが変動するマーカーがあるが、1または複数のこれらのマーカーを適宜組み合わせて品質の評価または劣化血漿試料若しくは劣化血清試料の検出を行うことができる。品質条件の設定の仕方等、評価のアルゴリズム等の方法は特に限定されない。
【0023】
マーカーによっては、血漿試料または血清試料の調製における特定の条件の違いを原因として試料の品質が影響を受けたものとして評価することも可能である。
【0024】
図2は、血漿試料の調製を説明するための概念図である。血漿試料の調製では、血液提供者からの採血により、血液がEDTA等の抗凝固剤を含む採血管等に格納される。採血の後は、血液を含む採血管を振ったりすることで混合が行われる(矢印A1)。混合の後は、血液が冷却に供され4℃等の低温で静置される(矢印A2)。静置の後は血液の遠心分離が行われる(矢印A3)。遠心分離の条件は、血漿が分離されれば特に限定されず、例えば4℃で15分間、3000rpmで行われる。遠心分離の後、血液は沈殿物である血球と上清とに分かれ、上清に含まれる血漿の分取が行われる(矢印A4)。分取された血漿は血漿試料として凍結され保存される(矢印A5)。
【0025】
採血から遠心分離までの時間に影響を受けるマーカーが、品質条件を満たさなかった場合、血漿試料の調製において、採血から遠心分離までの時間が条件を満たしていなかったものとして血漿試料を評価することができる。あるいは、当該マーカーの検出により、採血から遠心分離までの時間を推定することができる。採血から血液が冷却に供されるまでの時間に影響を受けるマーカーが、品質条件を満たさなかった場合、血漿試料の調製において、採血から4℃下に静置するまでの時間が条件を満たしていなかったものとして血漿試料を評価することができる。あるいは、当該マーカーの検出により、採血から血液が冷却されるまでの時間を推定することができる。凍結融解の回数に影響を受けるマーカーが、品質条件を満たさなかった場合、血漿試料の調製または保存において、凍結融解の回数が条件を満たしていなかったものとして血漿試料を評価することができる。あるいは、当該マーカーの検出により、凍結融解の回数を推定することができる。このような品質の評価で得られた情報は、分析に用いる血漿試料を、一定の調製または保存の条件に合わせるため等に役立てることができる。
【0026】
図3は、血清試料の調製を説明するための概念図である。血清試料の調製では、血液提供者からの採血により、血液が抗凝固剤を含まない採血管等に格納される。採血の後は、血液を含む採血管を振ったりすることで混合が行われる(矢印A10)。混合の後は、血液が室温で静置される(矢印A20)。静置の後は血液の遠心分離が行われる(矢印A30)。遠心分離の条件は、血清が分離されれば特に限定されず、例えば室温で5分間、3500rpmで行われる。遠心分離の後、血液は沈殿物である血餅と血清分離剤と血清に分かれ、上清に含まれる血清の分取が行われる(矢印A40)。分取された血清は血清試料として凍結され保存される(矢印A50)。
【0027】
採血から遠心分離までの時間に影響を受けるマーカーが、品質条件を満たさなかった場合、血清試料の調製において、採血から遠心分離までの時間が条件を満たしていなかったものとして血清試料を評価することができる。あるいは、当該マーカーの検出により、採血から遠心分離までの時間を推定することができる。遠心分離から分取までの時間に影響を受けるマーカーが、品質条件を満たさなかった場合、血清試料の調製において、遠心分離から分取までの時間が条件を満たしていなかったものとして血清試料を評価することができる。あるいは、当該マーカーの検出により、遠心分離から分取までの時間を推定することができる。凍結融解の回数に影響を受けるマーカーが、品質条件を満たさなかった場合、血清試料の調製において、凍結融解の回数が条件を満たしていなかったものとして血清試料を評価することができる。あるいは、当該マーカーの検出により、凍結融解の回数を推定することができる。このような品質の評価で得られた情報は、分析に用いる血清試料を、一定の調製または保存の条件に合わせるため等に役立てることができる。
【0028】
図1に戻って、ステップS105が終了したら、ステップS107が開始される。ステップS105で得られた評価に基づいて、血漿試料または血清試料の分析が行われる。ここでの分析は、第2分析と呼ぶ。上記評価に基づいて、品質の低い血漿試料若しくは血清試料、または品質の低いこれらの試料を調製したり保存していた施設から得られた試料を分析対象から除外したりすることができる。あるいは、上記評価に基づいて、第2分析の信頼性を示す情報を生成し、分析により得られるデータに加えてもよい。第2分析では、上述の通り、血液提供者の検査若しくは診断のための分析の他、研究目的等、任意の目的のために分析が行われる。精度を上げる観点から、第1分析と第2分析は同じ種類の分析法により行われることが好ましいが、特にこれに限定されず、任意の分析法により第2分析を行うことができる。第2分析により得られた情報は適宜液晶モニタ等の表示装置に出力される。ステップS107が終了したら、処理が終了される。
【0029】
(血漿試料のマーカーについて)
(1A)血漿試料の場合、マーカーは、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アコニット酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オルニチン、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、キサンチン、キシロース、キヌレニン、キノリン酸、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、コレステロール、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトシン、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セロトニン、ソルボース、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トリプトファン、トレハロース、ニコチンアミド、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキノン、ヒポキサンチン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、プシコース、プロリン、ホウ酸、ホモシステイン、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0030】
(1B)血漿試料のGC/MSによりマーカーの検出を行う場合、当該マーカーは、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-ケト酪酸、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、アコニット酸、アスコルビン酸、アゼライン酸、アラントイン、インドキシル硫酸、ウリジン、オクタデカノール、オレイン酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、キサンチン、キシロース、キノリン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリセロール-3-リン酸、クレアチニン、コレステロール、シトシン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、ソルボース、ドコサヘキサエン酸、トリプタミン、トレハロース、尿酸、パラキサンチン、パルミチン酸、パントテン酸、ヒスタミン、ヒドロキノン、ヒポタウリン、プシコース、ホウ酸、マレイン酸、マンノース、ミリスチン酸、メチオニンスルホン、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リノール酸、リブロース、リボース、リボン酸、リンゴ酸および尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0031】
(1C)血漿試料のGC/MSによりマーカーの検出を行う場合、採血が行われてから血液が遠心分離に供されるまでの時間に影響を受けるマーカーは、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-ヒドロキシピリジン、2-ケト酪酸、3-スルフィノアラニン、アコニット酸、アラントイン、アラキドン酸、アスコルビン酸、アゼライン酸、シトシン、ジヒドロキシアセトンリン酸、グリセロール-3-リン酸、ヒスタミン、ヒドロキノン、ラクチトール、マレイン酸、マンノース、メチオニンスルホン、N-アセチルセリン、オクタデカノール、シュウ酸、パントテン酸、プシコース、キノリン酸、リボン酸、リブロース、ソルボース、スクロース、ウリジン、キサンチン、キシロース、ドコサヘキサエン酸、ヒポタウリン、トレハロース、2'-デオキシウリジン、3-アミノイソ酪酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、コレステロール、ジメチルグリシン、インドキシル硫酸、ラクトース、リノール酸、リンゴ酸、モノステアリン、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸および尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0032】
(1D)血漿試料のGC/MSによりマーカーの検出を行う場合、採血が行われてから血液が冷却に供されるまでの時間に影響を受けるマーカーは、1,6-アンヒドログルコース、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシピリジン、2-ケト酪酸、3-スルフィノアラニン、3-フェニル乳酸、アラントイン、アゼライン酸、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ドコサヘキサエン酸、グリセロール-3-リン酸、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスタミン、ヒドロキノン、ヒポタウリン、ラクチトール、ラクトース、マレイン酸、マンノース、メチオニンスルホン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、シュウ酸、パントテン酸、パラキサンチン、プシコース、キノリン酸、リボース、リブロース、スクロース、トレハロース、尿酸、ウリジンおよびキサンチンからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0033】
(1E)血漿試料のGC/MSによりマーカーの検出を行う場合、凍結融解の回数に影響を受けるマーカーは、1,6-アンヒドログルコース、2-ヒドロキシピリジン、3-スルフィノアラニン、アスコルビン酸、アゼライン酸、ホウ酸、カブロン酸、ガラクツロン酸、ヒドロキノン、ラクトース、メチオニンスルホン、パントテン酸、プシコース、キノリン酸、リボン酸、リブロース、スクロース、2'-デオキシウリジン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、シトシン、ジヒドロキシアセトンリン酸、グリセロール-3-リン酸、インドキシル硫酸、マンノース、モノステアリン、N6-アセチルリジン、N-アセチルセリン、オクタデカノール、リボース、シロイノシトール、トレハロース、ウリジン、キサンチン、キシロース、1-ヘキサデカノール(セタノール)、3-フェニル乳酸、アラントイン、クレアチニン、ジメチルグリシン、ヒスタミン、ラクチトール、マレイン酸およびトリプタミンからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0034】
(1F)血漿試料のLC/MSによりマーカーの検出を行う場合、当該マーカーは、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、4-ヒドロキシプロリン、5-グルタミルシステイン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、ウリジン、オルニチン、カルニチン、キサンチン、キヌレニン、グアノシン、グアノシン1リン酸、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、シスタチオニン、シスチン、システイン、シチコリン、シチジン、シチジン1リン酸、シトルリン、ジメチルグリシン、セロトニン、対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ドーパ、ドーパミン、トリプトファン、ニコチンアミド、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒポキサンチン、プロリン、ホモシステイン、メチオニンスルホキシド、リンゴ酸、ロイシンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0035】
(1G)血漿試料のLC/MSによりマーカーの検出を行う場合、採血が行われてから血液が遠心分離に供されるまでの時間に影響を受けるマーカーは、5-グルタミルシステイン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アラントイン、シチコリン、システイン、シチジン、シチジン1リン酸、ドーパ、グアノシン1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、ニコチンアミド、プロリン、S-アデノシルホモシステイン、セロトニン、コハク酸、4-アミノ酪酸、アデニン、アルギニン、アスパラギン酸、ドーパミン、グアノシン、リンゴ酸、パントテン酸、S-アデノシルメチオニン、コハク酸、キサンチン、2-アミノ酪酸、4-ヒドロキシプロリン、アセチルカルニチン、アデノシン3',5'-環状一リン酸、アラニン、アルギニノコハク酸、非対称性ジメチルアルギニン、カルニチン、コール酸、コリン、シトルリン、クレアチン、クレアチニン、シスタチオニン、シスチン、ジメチルグリシン、イソロイシン、キヌレニン、ロイシン、メチオニンスルホキシド、対称性ジメチルアルギニン、トリプトファン、尿酸およびウリジンからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0036】
(1H)血漿試料のLC/MSによりマーカーの検出を行う場合、採血が行われてから血液が冷却に供されるまでの時間に影響を受けるマーカーは、4-アミノ酪酸、5-グルタミルシステイン、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アラントイン、アスパラギン酸、非対称性ジメチルアルギニン、コール酸、コリン、シチコリン、システイン、シチジン、シチジン1リン酸、ジメチルグリシン、ドーパ、ドーパミン、グアノシン1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、ニコチンアミド、オルニチン、プロリン、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、セロトニンおよびキサンチンからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0037】
(1I)血漿試料のLC/MSによりマーカーの検出を行う場合、凍結融解の回数に影響を受けるマーカーは、4-アミノ酪酸、5-グルタミルシステイン、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アラントイン、アルギニン、アルギニノコハク酸、コリン、クレアチン、クレアチニン、シスタチオニン、システイン、シチジン1リン酸、ドーパ、リンゴ酸、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、コハク酸、キサンチン、カルニチン、シチコリン、シチジン、グアノシン、グアノシン1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、キヌレニン、ニコチンアミド、セロトニン、ウリジン、4-ヒドロキシプロリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、コール酸、シトルリン、シスチン、ジメチルグリシン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ホモシステイン、イソロイシン、ロイシン、パントテン酸および対称性ジメチルアルギニンからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0038】
(血清試料のマーカーについて)
(2A)血清試料の場合、マーカーは、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸(β-アラニン)、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、S-アデノシルホモシステイン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラキドン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、アロース、安息香酸、イソロイシン、イノシトール、イノシン、ウラシル、ウリジン、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オルニチン、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キシリトール、キシルロース、キシロース、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリシン、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、サルコシン、シスチン、システイン、シチジン、シトラマル酸、シトルリン、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ジメチルグリシン、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、セリン、セロトニン、ソルビトール、ソルボース、チラミン、チロシン、デカン酸、ドーパ、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トリプトファン、トレオニン、トレオン酸、トレハロース、ニコチンアミド、パラキサンチン、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルアラニン、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、プロリン、ペラルゴン酸、ホウ酸、ホモシステイン、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、メチオニン、メチオニンスルホキシド、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、リンゴ酸、ロイシン、安息香酸、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0039】
(2B)血清試料のGC/MSによりマーカーの検出を行う場合、当該マーカーは、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-アミノ酪酸、2-ケトイソ吉草酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、N-アセチルセリン、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アセチルグリシン、アセト酢酸、アゼライン酸、アデノシン、アラキドン酸、アラントイン、アルギニン、アロース、安息香酸、イノシトール、ウラシル、エイコサペンタエン酸、エリトルロース、オクタデカノール、オレアミド、カダベリン、カブロン酸、ガラクツロン酸、キシリトール、キシルロース、キシロース、グリオキシル酸、グリコール酸、グリセロール-3-リン酸、グルコサミン、グルコン酸、グルタル酸、サルコシン、シトラマル酸、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、シュウ酸、シロイノシトール、スクロース、ステアリン酸、ソルビトール、ソルボース、チラミン、デカン酸、ドーパミン、ドコサヘキサエン酸、トレオン酸、トレハロース、パラキサンチン、パントテン酸、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、ヒポタウリン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、ピルビン酸、フェニルピルビン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、ペラルゴン酸、ホウ酸、マルガリン酸、マレイン酸、ミオイノシトール、ミリスチン酸、メソエリトリトール、モノステアリン、ラクチトール、ラクトース、リビトール、リブロース、リボース、リボン酸、リボン酸ラクトン、安息香酸および尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0040】
(2C)血清試料のGC/MSによりマーカーの検出を行う場合、採血が行われてから血液が遠心分離に供されるまでの時間に影響を受けるマーカーは、2-アミノオクタン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシアントラニル酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-インドールプロピオン酸、3-スルフィノアラニン、アセチルグリシン、アコニット酸、アデノシン、アジピン酸、アラントイン、アスコルビン酸、アゼライン酸、安息香酸、カダベリン、シトラマル酸、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ドーパミン、エリトルロース、グリセロール-3-リン酸、グリコール酸、ヒポタウリン、ヒポキサンチン、ラクチトール、ラクトース、マレイン酸、モノステアリン、N6-アセチルリジン、オクタデカノール、シュウ酸、パントテン酸、パラキサンチン、ピリドキサミン、ピルビン酸、リボース、ソルボース、スクロース、チラミン、ウラシル、キシロース、1,6-アンヒドログルコース、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ケトイソ吉草酸、3-アミノプロピオン酸、アセト酢酸、デカン酸、ガラクツロン酸、ガラクツロン酸、グルタル酸、イノシトール、ラクトース、メソエリトリトール、ミオイノシトール、ミリスチン酸、プシコース、プトレシン、リビトール、リボン酸ラクトン、リブロース、シロイノシトール、ソルビトール、トレオン酸、トレハロース、尿酸、キシリトール、キシロース、キシルロース、1-ヘキサデカノール、3-ヒドロキシイソ吉草酸、4-ヒドロキシプロリン、ジヒドロウラシル、グルコン酸、N-アセチルセリン、フェニル酪酸およびリボン酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0041】
(2D)血清試料のGC/MSによりマーカーの検出を行う場合、血液の遠心分離が行われてから遠心分離で得られた血清の分取までの時間に影響を受けるマーカーは、1,6-アンヒドログルコース、1-ヘキサデカノール、2-アミノオクタン酸、2-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシピリジン、3-スルフィノアラニン、4-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、アコニット酸、アデノシン、アジピン酸、アゼライン酸、安息香酸、ホウ酸、カダベリン、シトラマル酸、ジヒドロウラシル、ドーパミン、エリトルロース、ガラクツロン酸、ヒポキサンチン、ラクチトール、ラクトース、マレイン酸、N-アセチルセリン、オクタデカノール、パントテン酸、フェニル酪酸、プシコース、プトレシン、ピルビン酸、リビトール、リボン酸ラクトン、リボース、スクロース、トレハロース、2-アミノ酪酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-インドールプロピオン酸、アセト酢酸、アラントイン、ジヒドロキシアセトンリン酸、グルコサミン、ヒドロキシルアミン、ラクトース、モノステアリン、N6-アセチルリジン、N-アセチルグルタミン、シュウ酸、パラキサンチン、フェニルピルビン酸、ピルビン酸-オキシム、トレオン酸、チラミン、ウラシルおよびキシルロースからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0042】
(2E)血清試料のGC/MSによりマーカーの検出を行う場合、凍結融解の回数に影響を受けるマーカーは、1,6-アンヒドログルコース、2-アミノオクタン酸、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-フェニル乳酸、3-スルフィノアラニン、4-ヒドロキシプロリン、アセト酢酸、アデノシン、ホウ酸、ジヒドロウラシル、ジヒドロウラシル、ジヒドロキシアセトンリン酸、ドーパミン、エリトルロース、エリトルロース、グリオキシル酸、ラクトース、マレイン酸、N6-アセチルリジン、オレアミド、シュウ酸、パントテン酸、フェニル酪酸、プシコース、リボン酸ラクトン、リボース、トレオン酸、3-ヒドロキシアントラニル酸、アロース、カダベリン、ラクトース、オクタデカノール、プシコース、ウラシル、1-ヘキサデカノール、2-アミノ酪酸、3-アミノイソ酪酸、3-ヒドロキシピルビン酸、3-インドールプロピオン酸、アジピン酸、アラントイン、アラキドン酸、アルギニン、アゼライン酸、安息香酸、カブロン酸、シトラマル酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、グルコサミン、グリコール酸、ヒドロキシルアミン、ヒポキサンチン、マルガリン酸、メソエリトリトール、モノステアリン、N-アセチルグルタミン、ペラルゴン酸、パラキサンチン、フェニルピルビン酸、プトレシン、ピリドキサミン、ピルビン酸-オキシム、リブロース、サルコシン、ソルビトール、ソルボース、ステアリン酸、スクロース、トレハロース、チラミンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0043】
(2F)血清試料のLC/MSによりマーカーの検出を行う場合、当該マーカーは、2-アミノ酪酸、4-ヒドロキシプロリン、S-アデノシルホモシステイン、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチルカルニチン、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラニン、アラントイン、アルギニノコハク酸、アルギニン、イソロイシン、イノシン、ウリジン、オルニチン、カルニチン、カルノシン、キサンチン、キヌレニン、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、グリシン、グルタミン酸、クレアチニン、クレアチン、コール酸、コハク酸、コリン、シスチン、システイン、シチジン、シトルリン、ジメチルグリシン、セリン、セロトニン、チロシン、ドーパ、ドーパミン、トリプトファン、トレオニン、ニコチンアミド、バリン、パントテン酸、ヒスチジン、非対称性ジメチルアルギニン、ヒポキサンチン、フェニルアラニン、プロリン、ホモシステイン、メチオニン、メチオニンスルホキシド、リンゴ酸、ロイシン、対称性ジメチルアルギニンおよび尿酸からなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0044】
(2G)血清試料のLC/MSによりマーカーの検出を行う場合、採血が行われてから血液が遠心分離に供されるまでの時間に影響を受けるマーカーは、アデノシン、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラントイン、アスパラギン酸、カルノシン、コリン、シチジン、ドーパ、グルタミン酸、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、リンゴ酸、ニコチンアミド、オルニチン、S-アデノシルホモシステイン、ウリジン、キサンチン、アルギニン、アルギニノコハク酸、システイン、メチオニンスルホキシド、セリン、コハク酸、アスパラギン、プロリン、ヒスチジン、パントテン酸、イソロイシン、ロイシン、ドーパミンおよびグリシンからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0045】
(2H)血清試料のLC/MSによりマーカーの検出を行う場合、血液の遠心分離が行われてから遠心分離で得られた血清の分取までの時間に影響を受けるマーカーは、アデニン、アデノシン、アデノシン1リン酸、アルギニノコハク酸、カルノシン、シスチン、シチジン、グルタミン酸、グアノシン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、イノシン、リンゴ酸、S-アデノシルホモシステイン、セロトニン、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アラントイン、アスパラギン酸、システイン、ヒポキサンチン、メチオニンスルホキシド、プロリンおよびキサンチンからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0046】
(2I)血清試料のLC/MSによりマーカーの検出を行う場合、凍結融解の回数に影響を受けるマーカーは、アデニン、アデノシン、アデノシン3',5'-環状1リン酸、アデノシン1リン酸、アラントイン、カルノシン、クレアチン、システイン、シスチン、シチジン、グアノシン 3′,5′-サイクリック1リン酸、ヒポキサンチン、イノシン、キヌレニン、メチオニンスルホキシド、コハク酸、ウリジン、キサンチン、2-アミノ酪酸、4-ヒドロキシプロリン、アラニン、アルギニン、アルギニノコハク酸、アスパラギン、非対称性ジメチルアルギニン、カルニチン、コール酸、コリン、シトルリン、クレアチニン、ジメチルグリシン、ドーパ、グリシン、グアノシン、ヒスチジン、ホモシステイン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、ニコチンアミド、S-アデノシルホモシステイン、セリン、対称性ジメチルアルギニン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、尿酸、アセチルカルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リンゴ酸、オルニチン、パントテン酸、フェニルアラニン、プロリン、セロトニンおよびバリンからなる群から選択される少なくとも一つの分子とすることができる。
【0047】
血漿試料および血清試料の品質の評価に用いられる上記マーカーは、それぞれ、劣化血漿試料検出用マーカーおよび劣化血清試料検出用マーカーとして用いることができる。また、これらのマーカーから選択される少なくとも一つの分子の検出に基づいて血漿試料または血清試料が劣化していると判定することとを備える劣化試料の検出方法が提供される。
【0048】
(態様)
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0049】
(第1項)一態様に係る試料の評価方法は、人間の血液から調製された血漿試料を取得することと、前記血漿試料における、上記(1A)に示された少なくとも一つの分子の検出を行うことと、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血漿試料の品質を評価することとを備える。これにより、適切なマーカーに基づいて、正確に血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0050】
(第2項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第1項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血漿試料における、上記(1B)に示された少なくとも一つの分子のガスクロマトグラフィ/質量分析による検出が行われる。これにより、GC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0051】
(第3項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第2項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血漿試料における、上記(1C)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が遠心分離に供されるまでの時間に基づく前記血漿試料の品質が評価される。これにより、GC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該時間に関する血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0052】
(第4項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第2項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血漿試料における、上記(1D)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が冷却に供されるまでの時間に基づく前記血漿試料の品質が評価される。これにより、GC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該時間に関する血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0053】
(第5項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第2項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血漿試料における、上記(1E)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血漿試料が凍結融解に供された回数に基づく前記血漿試料の品質が評価される。これにより、GC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該回数に関する血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0054】
(第6項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第1項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血漿試料における、上記(1F)に示された少なくとも一つの分子の液体クロマトグラフィ/質量分析による検出が行われる。これにより、LC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0055】
(第7項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第6項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血漿試料における、上記(1G)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が遠心分離に供されるまでの時間に基づく前記血漿試料の品質が評価される。これにより、LC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該時間に関する血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0056】
(第8項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第6項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血漿試料における、上記(1H)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が冷却に供されるまでの時間に基づく前記試料の品質が評価される。これにより、LC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該時間に関する血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0057】
(第9項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第6項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血漿試料における、上記(1I)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血漿試料が凍結融解に供された回数に基づく前記血漿試料の品質が評価される。これにより、LC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該回数に関する血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0058】
(第10項)他の一態様に係る分析方法は、第1項から第9項までのいずれかに記載の試料の評価方法により血漿試料の評価を行うことと、前記評価に基づいて、血漿試料の分析を行うこととを備える。これにより、試料の調製の条件を合わせ、精度よく分析を行うことができる。
【0059】
(第11項)他の一態様に係る劣化試料の検出方法は、人間の血液から調製された血漿試料を取得することと、前記血漿試料における、上記(1A)に示された少なくとも一つの分子の検出を行うこととを備える。これにより、適切なマーカーに基づいて、正確に血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0060】
(第12項)他の一態様に係る劣化血漿試料検出用マーカーは、上記(1A)に示された少なくとも一つの分子を含む。これにより、正確に血漿試料の品質の評価を行うことができる。
【0061】
(第13項)一態様に係る試料の評価方法は、人間の血液から調製された血清試料を取得することと、前記血清試料における、上記(2A)に示された少なくとも一つの分子の検出を行うことと、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血清試料の品質を評価することとを備える。これにより、適切なマーカーに基づいて、正確に血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0062】
(第14項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第13項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血清試料における、上記(2B)に示された少なくとも一つの分子のガスクロマトグラフィ/質量分析による検出が行われる。これにより、GC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0063】
(第15項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第14項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血清試料における、上記(2C)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が遠心分離に供されるまでの時間に基づく前記血清試料の品質が評価される。これにより、GC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該時間に関する血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0064】
(第16項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第14項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血清試料における、上記(2D)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の遠心分離が行われてから前記遠心分離で得られた血清の分取までの時間に基づく前記試料の品質が評価される。これにより、GC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該時間に関する血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0065】
(第17項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第14項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血清試料における、上記(2E)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血清試料が凍結融解に供された回数に基づく前記血清試料の品質が評価される。これにより、GC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該回数に関する血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0066】
(第18項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第13項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血清試料における、上記(2F)に示された少なくとも一つの分子の液体クロマトグラフィ/質量分析による検出が行われる。これにより、LC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0067】
(第19項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第18項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血清試料における、上記(2G)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の採取が行われてから前記血液が遠心分離に供されるまでの時間に基づく前記血清試料の品質が評価される。これにより、LC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該時間に関して変化した血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0068】
(第20項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第18項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血清試料における、上記(2H)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血液の遠心分離が行われてから前記遠心分離で得られた血清の分取までの時間に基づく前記血清試料の品質が評価される。これにより、LC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該時間に関して変化した血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0069】
(第21項)他の一態様に係る試料の評価方法では、第18項に記載の試料の評価方法において、前記検出では、前記血清試料における、上記(2I)に示された少なくとも一つの分子の検出が行われ、前記検出により得られた、前記分子の強度に基づいて、前記血清試料が凍結融解に供された回数に基づく前記血清試料の品質が評価される。これにより、LC/MSで検出を行う際に適切なマーカーに基づいて、正確に当該回数に関する血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0070】
(第22項)他の一態様に係る分析方法は、第13項から第21項までのいずれかに記載の試料の評価方法により血清試料の評価を行うことと、前記評価に基づいて、血清試料の分析を行うこととを備える。これにより、試料の調製の条件を合わせ、精度よく分析を行うことができる。
【0071】
(第23項)他の一態様に係る劣化試料の検出方法は、人間の血液から調製された血清試料を取得することと、前記血清試料における、上記(2A)に示された少なくとも一つの分子の検出を行うこととを備える。これにより、適切なマーカーに基づいて、正確に血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0072】
(第24項)他の一態様に係る劣化血清試料検出用マーカーは、上記(2A)に示された少なくとも一つの分子を含む。これにより、正確に血清試料の品質の評価を行うことができる。
【0073】
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【実施例0074】
以下に、上述の実施形態に係る実施例を示すが、本発明は下記の実施例における具体的な装置または条件等に限定されるものではない。
【0075】
採血ならびに、血漿試料および血清試料の保管を行っている施設に聞き取り調査を行い、血漿試料および血清試料の調製における、採血から血液が遠心分離に供されるまでの時間等の許容範囲の情報を取得した。この情報に基づき、異なる複数の条件で血漿試料および血清試料を調製した。
【0076】
血漿試料の調製
室温下で、EDTAを含む採血管に健常者の血液を5mLとり、採血管を転倒させ混合した後、冷却して4℃で静置した。ここで、冷却までの時間を1分以内とした場合と比較して、5分以上とした場合に試料に含まれる分子の検出強度にどのような影響が出るか調べるため、前者および後者の両条件で調製を行った。静置の後、血液試料を4℃、3000rpm、15分の条件で遠心分離に供した。ここで、採血から遠心分離までの時間を15分とした場合と比較して、1時間、4時間、8時間および12時間とした場合に試料に含まれる分子の検出強度にどのような影響が出るか調べるため、15分、1時間、4時間、8時間および12時間の各条件で調製を行った。遠心分離の後、室温下に30分放置し、この30分の間に血漿の分取を行った。得られた血漿試料は凍結させて保存した。ここで、凍結させた後、凍結融解を2回行った場合と比較して、4回、6回および10回行った場合に試料に含まれる分子の検出強度にどのような影響が調べるため、2、4、6および10回の各条件で凍結融解を行った。
【0077】
血清試料の調製
室温下で、抗凝固剤を含まない採血管に健常者の血液を4mLとり、採血管を転倒させ混合した後、室温下で静置した。静置の後、血液試料を室温、3500rpm、5分の条件で遠心分離に供した。ここで、採血から遠心分離までの時間を15分とした場合と比較して、1時間、4時間、8時間および12時間とした場合に試料に含まれる分子の検出強度にどのような影響が出るか調べるため、15分、1時間、4時間、8時間および12時間の各条件で調製を行った。遠心分離の後、室温下に放置し、この間に血清の分取を行った。ここで、室温に放置する時間を30分とした場合と比較して、1時間および6時間とした場合に試料に含まれる分子の検出強度にどのような影響が出るか調べるため、30分、1時間および6時間の各条件で調製を行った。得られた血清試料は凍結させて保存した。ここで、凍結させた後、凍結融解を2回行った場合と比較して、4回、6回および10回行った場合に試料に含まれる分子の検出強度にどのような影響が出るか調べるため、2、4、6および10回の各条件で凍結融解を行った。
【0078】
分析
凍結させた血漿試料および血清試料をGC/MSまたはLC/MSに供した。GC/MSでは、血漿試料および血清試料のメトキシム化およびTMS化を行った後、GC-MSに導入した。
【0079】
GC/MS
GC/MSは、オートサンプラーとしてAOC-20i(島津製作所)が設置されたGC-MSであるGCMS-TQ8040(島津製作所)により行われた。
【0080】
ガスクロマトグラフィの条件
注入前の洗浄回数と順番:3回
(アセトンにより2回洗浄の後、ピリジンにより1回洗浄)
注入後の洗浄回数と順番 :7回
(アセトンにより5回洗浄の後、ピリジンにより2回洗浄)
カラム :BPX5 内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm(SGE)
カラム温度 :60℃で2分間保持した後、15℃/分の割合で温度上昇させ、330℃で3分間保持した。
注入口温度 :250℃
キャリアガス :ヘリウム
キャリアガス制御モード :線速度一定 39.0cm/秒
試料導入法 :スプリット(スプリット比 30:1)
注入量 :1μL
【0081】
質量分析の条件
イオン化法:電子イオン化法
イオン化電圧:70V
イオン化電流:60μA
インターフェース温度:280℃
イオン源温度:200℃
ゲイン:参考値(オートチューニング結果相対値+0.35kV)
モード:多重反応モニタリング(MRM)
【0082】
LC/MS
LC/MSは、トリプル四重極型LC-MSであるLCMS-8050(島津製作所)により行われた。
【0083】
液体クロマトグラフィの条件
分析カラム :Discovery HS F5-3(内径2.1mm、長さ150mm、膜厚3μm)(Sigma-Aldrich)
カラム温度 :40℃
注入量:3μL
移動相:
(A)0.1%ギ酸(水に溶解)
(B)0.1%ギ酸(アセトニトリルに溶解)
流速: 0.25mL/min
グラジエントプログラム:
時間(分) 移動相Bの濃度(%)
0 0
2.0 0
5.0 25
11.0 35
15.0 95
20.0 95
20.1 0
25.0 停止
【0084】
質量分析の条件
イオン化の方法: エレクトロスプレー法
温度:
脱溶媒管(Desolvation Line;DL)温度: 250℃
ヒートブロック温度: 400℃
インターフェース温度: 300℃
ガス流量:
ネブライザーガス流量: 3.0L/min
ドライングガス流量: 10.0L/min
ヒーティングガス流量: 10.0L/min
モード:多重反応モニタリング(MRM)
【0085】
結果
血漿試料をGC/MSにより分析する際の採血から遠心分離までの時間を、15分とした場合と比較して、1時間、4時間、8時間および12時間とした場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Aに示す。表A中の増減率は、採血から遠心分離までの時間を15分とした場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0086】
【0087】
血漿試料をGC/MSにより分析する際の採血から血液が冷却に供されるまでの時間を、1分以内とした場合と比較して、5分以上とした場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Bに示す。表B中の増減率は、採血から冷却までの時間を1分以内とした場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0088】
【0089】
血漿試料をGC/MSにより分析する際の凍結融解の回数を、2回行った場合と比較して、4回、6回および10回行った場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Cに示す。表C中の増減率は、凍結融解を2回行った場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0090】
【0091】
血漿試料をLC/MSにより分析する際の採血から遠心分離までの時間を、15分とした場合と比較して、1時間、4時間、8時間および12時間とした場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Dに示す。表D中の増減率は、採血から遠心分離までの時間を15分とした場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0092】
【0093】
血漿試料をLC/MSにより分析する際の採血から血液が冷却に供されるまでの時間を、1分以内とした場合と比較して、5分以上とした場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Eに示す。表E中の増減率は、採血から冷却までの時間を1分以内とした場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0094】
【0095】
血漿試料をLC/MSにより分析する際の凍結融解の回数を、2回行った場合と比較して、4回、6回および10回行った場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Fに示す。表F中の増減率は、凍結融解を2回行った場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0096】
【0097】
血清試料をGC/MSにより分析する際の採血から遠心分離までの時間を、15分とした場合と比較して、1時間、4時間、8時間および12時間とした場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Gに示す。表G中の増減率は、採血から遠心分離までの時間を15分とした場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0098】
【0099】
血清試料をGC/MSにより分析する際の遠心分離から分取までの時間を、30分とした場合と比較して、1時間または6時間とした場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Hに示す。表H中の増減率は、遠心分離から分取までの時間を30分とした場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0100】
【0101】
血清試料をGC/MSにより分析する際の凍結融解の回数を、2回行った場合と比較して、4回、6回および10回行った場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Iに示す。表I中の増減率は、凍結融解を2回行った場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0102】
【0103】
血清試料をLC/MSにより分析する際の採血から遠心分離までの時間を、15分とした場合と比較して、1時間、4時間、8時間および12時間とした場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Jに示す。表J中の増減率は、採血から遠心分離までの時間を15分とした場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0104】
【0105】
血清試料をLC/MSにより分析する際の遠心分離から分取までの時間を、30分とした場合と比較して、1時間または6時間とした場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Kに示す。表K中の増減率は、遠心分離から分取までの時間を30分とした場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0106】
【0107】
血清試料をLC/MSにより分析する際の凍結融解の回数を、2回行った場合と比較して、4回、6回および10回行った場合に検出強度が30%以上増加または減少した化合物を表Mに示す。表M中の増減率は、凍結融解を2回行った場合の検出強度を1とした、相対的な検出強度の値である。
【0108】
【0109】
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特願2019-089363号(2019年5月9日出願)