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  • 特開-基地局、移動局、及び、方法 図1
  • 特開-基地局、移動局、及び、方法 図2a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177185
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】基地局、移動局、及び、方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20221122BHJP
【FI】
H04W72/04 111
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148784
(22)【出願日】2022-09-20
(62)【分割の表示】P 2021119758の分割
【原出願日】2010-04-26
(31)【優先権主張番号】0907180.4
(32)【優先日】2009-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】アルワリア,ジャグディープ シン
(72)【発明者】
【氏名】アーノット,ロバート
(57)【要約】
【課題】eNBスケジューラが異なるコンポーネントキャリアの中でUEを切り替えることができる簡単な仕組みを提供する。
【解決手段】複数のコンポーネントキャリアを用いて移動局と通信を行うように構成された基地局にて実行される方法は、基地局から移動局に対して、MAC(Medium Access Control)制御要素を送信する。MAC制御要素は、少なくとも一つのビットを有し、少なくとも一つのビットは、複数のコンポーネントキャリアのうち少なくとも一つのコンポーネントキャリアに対応し、対応するコンポーネントキャリアを監視すべきであるか否かを示す。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局にて実行される方法であって、
移動局にMedium Access Control(MAC)制御要素を送信し、
一次コンポーネントキャリアと少なくとも一つの他のコンポーネントキャリアとを含む、複数のコンポーネントキャリアがアグリゲートされるキャリアアグリゲーションに関する通信を前記移動局と行い、
前記MAC制御要素は複数のビットを有するビットマップを含み、
前記複数のビットの各々は、前記少なくとも一つの他のコンポーネントキャリアのいずれか一つに対応し、
前記ビットマップは、前記複数のビットのうち値が「1」にセットされているビットに対応するコンポーネントキャリアにおいて前記移動局が監視すべきであることを示し、
前記一次コンポーネントキャリア及び値が「1」にセットされている前記ビットに対応する前記コンポーネントキャリアにおいて前記移動局により監視される、
方法。
【請求項2】
移動局にて実行される方法であって、
基地局から、Medium Access Control(MAC)制御要素を受信し、
一次コンポーネントキャリアと少なくとも一つの他のコンポーネントとを含む、複数のコンポーネントキャリアがアグリゲートされるキャリアアグリゲーションに関する通信を前記基地局と行い、
前記MAC制御要素は複数のビットを有するビットマップを含み、
前記複数のビットの各々は、前記少なくとも一つの他のコンポーネントキャリアのいずれか一つに対応し、
前記ビットマップは、前記複数のビットのうち値が「1」にセットされているビットに対応するコンポーネントキャリアにおいて前記移動局が監視すべきであることを示し、
前記一次コンポーネントキャリア及び前記値が「1」にセットされている前記ビットに対応する前記コンポーネントキャリアにおいて監視する、
方法。
【請求項3】
基地局であって、
移動局にMedium Access Control(MAC)制御要素を送信する手段と、
一次コンポーネントキャリアと少なくとも一つの他のコンポーネントキャリアとを含む、複数のコンポーネントキャリアがアグリゲートされるキャリアアグリゲーションに関する通信を前記移動局と行う手段とを備え、
前記MAC制御要素は複数のビットを有するビットマップを含み、
前記複数のビットの各々は、前記少なくとも一つの他のコンポーネントキャリアのいずれか一つに対応し、
前記ビットマップは、前記複数のビットのうち値が「1」にセットされているビットに対応するコンポーネントキャリアにおいて前記移動局が監視すべきであることを示し、
前記一次コンポーネントキャリア及び値が「1」にセットされている前記ビットに対応する前記コンポーネントキャリアにおいて前記移動局により監視される、
基地局。
【請求項4】
移動局であって、
基地局から、Medium Access Control(MAC)制御要素を受信する手段と、
一次コンポーネントキャリアと少なくとも一つの他のコンポーネントとを含む、複数のコンポーネントキャリアがアグリゲートされるキャリアアグリゲーションに関する通信を前記移動局と行う手段とを備え、
前記MAC制御要素は複数のビットを有するビットマップを含み、
前記複数のビットの各々は、前記少なくとも一つの他のコンポーネントキャリアのいずれか一つに対応し、
前記ビットマップは、前記複数のビットのうち値が「1」にセットされているビットに対応するコンポーネントキャリアにおいて前記移動局が監視すべきであることを示し、
前記一次コンポーネントキャリア及び前記値が「1」にセットされている前記ビットに対応する前記コンポーネントキャリアにおいて監視する手段を備える、
移動局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信デバイスに関し、詳細には、限定はしないが、3GPP標準規格に準拠して動作するデバイス、又はその均等物若しくは派生物に関する。本発明は、限定はしないが、特に3GPP標準規格文書TR36.814において現在規定されているようなLTE-Advancedにおいて用いられることになるキャリアアグリゲーションの影響に特に関連する。
【0002】
本出願は、2009年4月27日に出願された英国特許出願第0907180.4号を基礎としており、該英国特許出願の優先権の利益を主張するものであり、該英国特許出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
LTE Rel8によれば、20MHzの送信帯域が規定された。LTE-Advancedでは、100MHzまでのシステム帯域幅をサポートするために、キャリアアグリゲーションが用いられることになる。これは、システム帯域幅を、それぞれが個々のコンポーネントキャリアを中心にした、5つの20MHz部分帯域に分割することを伴う。LTE Rel8のユーザ装置(UE)との下位互換性を確保するために、それらの部分帯域のうちの少なくとも1つはLTE Rel8に準拠しなければならない。
【0004】
キャリアアグリゲーションをサポートするには、100MHzまでのアグリゲートされたシステム帯域幅に対処するために、新たな物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)構造が必要とされる。2つの異なる手法、すなわち、キャリア毎に別個のPDCCH、及び複数のキャリアに対して共通のPDCCHが、RAN1において検討されている。これら2つの方法のうちの1つをLTE-Advancedシステムに採用することで合意に達する予定である。この決定にかかわりなく、いつの時点でも、UEは全てのコンポーネントキャリア上でデータを送信も受信もしない場合がある。基地局(LTE文書ではeNBと呼ばれる)は、UEが望むコンポーネントキャリアのいずれかにUEをスケジューリングするだけの柔軟性を有するべきであり、かつ必要に応じて、そのUEを異なるコンポーネントキャリアに移動させることができるべきである。一方、UEは、監視すべきであるコンポーネントキャリアのサブセットを予め知るべきであり、他のコンポーネントキャリアに対しては、そのRF送受信回路部をオフにすべきである。これによって、結果としてUEにおいてかなりの電力が節減されることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、eNBスケジューラが異なるコンポーネントキャリアの中でUEを切り替えることができる簡単な仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの例示的な態様によれば、本発明は、複数のコンポーネントキャリアを用いて移動局と通信を行うように構成された基地局にて実行される方法であって、基地局から前記移動局に対して、MAC(Medium Access Control)制御要素を送信し、MAC制御要素は、少なくとも一つのビットを有し、少なくとも一つのビットは、前記複数のコンポーネントキャリアのうち少なくとも一つのコンポーネントキャリアに対応し、対応するコンポーネントキャリアを監視すべきであるか否かを示す、方法を提供する。
【0007】
別の例示的な態様によれば、本発明は、複数のコンポーネントキャリアを用いて移動局と通信を行うように構成された基地局であって、基地局から移動局に対して、MAC(Medium Access Control)制御要素を送信するように構成され、MAC制御要素は、少なくとも一つのビットを有し、少なくとも一つのビットは、前記複数のコンポーネントキャリアのうち少なくとも一つのコンポーネントキャリアに対応し、対応するコンポーネントキャリアを監視すべきであるか否かを示す、基地局を提供する。
【0008】
ここで、本発明の例示的な実施の形態を、例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明を適用することができるタイプの移動通信システムを示す概略図である。
図2a図1に示されるシステムの無線リンクを介して通信する際に用いられる一般的なフレーム構造を示す概略図である。
図2b】周波数サブキャリアがリソースブロックに分割される方法、及びタイムスロットが複数のOFDMシンボルに分割される方法を示す概略図である。
図3】キャリアアグリゲーションを用いて100MHzまでのシステム帯域幅を与える方法を示す概略図である。
図4】移動電話のために基地局によって生成され、移動電話がスリープ状態及びウェイク状態にあるタイミングを制御するために用いられるDRXタイミングパターンを示す図である。
図5図1に示されるシステムの一部を形成する基地局を示す概略図である。
図6図1に示されるシステムの一部を形成する移動電話を示す概略図である。
図7図6に示される移動電話の一部を形成する送受信回路部の主要構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つの例示的な態様によれば、本発明は、通信デバイスであって、複数のコンポーネントキャリアを用いて遠隔通信デバイスにダウンリンクデータを送信し、かつ遠隔通信デバイスからアップリンクデータを受信するように動作可能な送受信機と、通信デバイスがコンポーネントキャリアのアンカーサブセットにおいてブロードキャスト及びページングチャネルを送信するが、コンポーネントキャリアの別のサブセットでは送信しないように、送受信機を制御するように動作可能なコントローラと、を備える、通信デバイスを提供する。
【0011】
コントローラは、コンポーネントキャリアの他のサブセット内の1つ又は複数のコンポーネントキャリアを監視するように遠隔通信デバイスに命令する制御データを、遠隔通信デバイスに送信することができる。これは、アンカーサブセット内のコンポーネントキャリアを監視することに加えて、又はその代わりに行なうことができる。また、コントローラは、遠隔通信デバイスにDRX制御データを送信することもでき、それにより、遠隔デバイスは、監視するように命令されていないコンポーネントキャリアのための送受信回路をオフに切り換えることができる。RRC層シグナリングと比べて高速であり、相対的に信頼性が高いことから、コントローラはMAC層通信メッセージ内で制御データを送信することができる。
【0012】
コントローラは、アンカーサブセットに属するコンポーネントキャリアにおいて遠隔通信デバイスから接続要求を受信することができ、かつそれに応じて、異なるコンポーネントキャリアにおいて、遠隔通信デバイスのためのダウンリンクデータを送信することができる。ダウンリンクデータを送信する前に、コントローラは、遠隔通信デバイスに、ダウンリンクデータを搬送するために使用することになる、コンポーネントキャリアを通知する。
【0013】
本発明は、通信デバイスであって、複数のコンポーネントキャリア上で遠隔通信デバイスにアップリンクデータを送信し、かつ遠隔通信デバイスからダウンリンクデータを受信するように動作可能な送受信機であって、コンポーネントキャリアのアンカーサブセットはブロードキャスト及びページングチャネルを含む、送受信機と、アイドルモード中に、通信デバイスがアンカーサブセット内のコンポーネントキャリアのうちの1つ又は複数にキャンプオンするように動作可能であるように、送受信機を制御するように動作可能なコントローラと、を備える、通信デバイスも提供する。こうして、通信デバイスは、アイドルモード時に、システム及びページング情報を受信することができる。
【0014】
コントローラは、コンポーネントキャリアの別のサブセット内の1つ又は複数のコンポーネントキャリアを監視するように通信デバイスに命令する制御データを、遠隔通信デバイスから受信することができ、コントローラは、他のサブセット内のコンポーネントキャリアを監視するように送受信機を制御することができる。コントローラは、遠隔通信デバイスからDRX制御データを受信することもでき、コントローラは、受信されたDRX制御データを用いて、監視されることになっていないコンポーネントキャリアのために構成される送受信機の部分をオフに切り換えるタイミングを判断することができる。制御データは、MAC層通信メッセージ内で受信されることが好ましい。
【0015】
通信デバイスが、たとえば発呼するために接続することを望むとき、コントローラは、デバイスがキャンプオンされるコンポーネントキャリア上で接続要求を送信することができ、かつ通信デバイスが監視するように命令されている異なるコンポーネントキャリア上で遠隔通信デバイスからダウンリンクデータを受信することができる。
【0016】
コントローラは、電池電力を節減するために、通信デバイスがキャンプオンされないか又はモニタリングしていないコンポーネントキャリアのための送受信機の部分をオフに切り換えることができる。
【0017】
本発明は、通信デバイスであって、コンポーネントキャリアのサブセットを用いて、遠隔通信デバイスにダウンリンクデータを送信し、かつ遠隔通信デバイスからアップリンクデータを受信するように動作可能な送受信機と、コントローラであって、i)第1の時間間隔中に、通信デバイスがコンポーネントキャリアの第1のサブセット上で遠隔通信デバイスと通信するように動作可能であり、ii)通信デバイスが、コンポーネントキャリアの第1のサブセットを用いて、コンポーネントキャリアの第2のサブセットを用いて通信デバイスと通信するように遠隔通信デバイスに命令する制御データを遠隔通信デバイスに送信し、iii)第2の時間間隔中に、通信デバイスが、コンポーネントキャリアの第2のサブセット上で遠隔通信デバイスと通信するように動作可能であるように、送受信機を制御するように動作可能である、コントローラと、を備える、通信デバイスも提供する。
【0018】
本発明は、通信デバイスであって、コンポーネントキャリアのサブセットを用いて、遠隔通信デバイスにアップリンクデータを送信し、かつ遠隔通信デバイスからダウンリンクデータを受信するように動作可能な送受信機と、コントローラであって、i)第1の時間間隔中に、通信デバイスがコンポーネントキャリアの第1のサブセット上で遠隔通信デバイスと通信するように動作可能であるように、送受信機を制御するように、ii)コンポーネントキャリアの第1のサブセットを用いて、遠隔通信デバイスから、コンポーネントキャリアの第2のサブセットを用いて遠隔通信デバイスと通信するように通信デバイスに命令する制御データを受信するように、かつiii)第2の時間間隔中に、通信デバイスが、コンポーネントキャリアの第2のサブセット上で遠隔通信デバイスと通信するように動作可能であるように、送受信機を制御するように動作可能である、コントローラと、を備える、通信デバイスも提供する。
【0019】
本発明は、開示される全ての方法の場合に、対応する装置において実行するための対応するコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品、装置自体(ユーザ装置、ノード又はその構成要素)及び装置を更新する方法を提供する。
【0020】
概説
図1は移動(セルラー)通信システム1を概略的に示しており、その通信システムでは、移動電話(MT)3-0、3-1及び3-2のユーザが基地局5-1又は5-2のうちの1つ及び電話網7を介して他のユーザ(図示せず)と通信することができる。移動電話3と基地局5との間の無線リンクのために、複数のアップリンク及びダウンリンク通信リソース(サブキャリア、タイムスロット等)が利用可能である。この例示的な実施形態では、基地局5は、移動電話3に送信されるべきデータ量に応じて、各移動端末3にダウンリンクリソースを配分する。同様に、基地局5は、移動端末3が基地局5に送信しなければならないデータの量及びタイプに応じて、各移動電話3にアップリンクリソースを配分する。
【0021】
この例示的な実施形態では、システム帯域幅は5つの20MHz部分帯域に分割され、各部分帯域はそれぞれのコンポーネントキャリアによって搬送される。基地局5は、関係する移動電話3の能力、及び基地局5と移動電話3との間で送信されることになるデータの量に応じて、コンポーネントキャリアのうちの1つ又は複数において移動電話3毎にリソースを配分するように動作可能である。移動電話3は、異なるコンポーネントキャリア上で信号を受信及び送信することができる送受信回路部を有し、移動電話3が特定のコンポーネントキャリアを使用するようにスケジューリングされないとき、その移動電話は、対応する送受信回路部の電源を切って、電池電力を保存することができる。
【0022】
LTEサブフレームデータ構造 基地局5が種々の移動電話3をスケジューリングする具体的な方法を検討する前に、LTE Rel8に関して合意されたアクセス方式及び一般的なフレーム構造の説明が与えられる。移動電話3が、基地局5との無線インターフェースを介してデータを受信できるようにするために、ダウンリンクに対して直交周波数分割多元接続(OFDMA)技法が用いられる。移動電話3に送信されることになるデータ量に応じて、基地局5によって(所定の時間)各移動電話3に異なるサブキャリアが配分される。これらは、LTE仕様書において物理リソースブロック(PRB)と呼ばれる。それゆえ、PRBは時間及び周波数次元を有する。これを行うために、基地局5は、該基地局がサービス提供しているデバイス毎にPRBを動的に配分し、制御チャネルにおいて、サブフレーム(TTI)毎の配分を、スケジューリングされた移動電話3のそれぞれに送信する。
【0023】
図2aは、LTE Rel8の、無線インターフェースを介した基地局5との通信に関して合意された一般的なフレーム構造を示す。図に示されるように、1つのフレーム13は10ミリ秒長であり、1ミリ秒の持続時間の10個のサブフレーム15(送信時間間隔(TTI)として知られている)を含む。各サブフレーム又はTTIは0.5ミリ秒の持続時間の2つのスロット17を含む。各スロット17は、標準サイクリックプレフィックスが用いられるか、拡張サイクリックプレフィックス(CP)が用いられるかに応じて、6つ又は7つのOFDMシンボル19を含む。利用可能なサブキャリアの全数は、システムの全送信帯域幅に依拠する。LTE仕様書は、1.4MHz~20MHzのシステム帯域幅のためのパラメータを規定し、1つのPRBは現在、1つのスロット17の12個の連続サブキャリアを含むように規定されている。また、LTE仕様書によって、基地局スケジューラによって割り当てられるリソース配分の最も小さな要素として、2スロットにわたるPRBも規定されている。その際、これらのサブキャリアはコンポーネントキャリア上に変調され、その信号は所望の送信帯域幅にアップコンバートされる。こうして、送信されたダウンリンク信号は、Nsymb個のOFDMシンボルの持続時間のNBW個のサブキャリアを含む。これは、図2bにおいて示されるように、リソースグリッドによって表すことができる。グリッド内の各枠は1シンボル周期の単一のサブキャリアを表し、リソース要素と呼ばれる。図に示されるように、各PRB21は、12個の連続サブキャリア、及び(この場合)サブキャリアあたり7個のシンボルから形成される。しかし、実際には、各サブフレーム15の第2のスロット17においても同じ配分が行なわれる。
【0024】
各サブフレーム15の開始時に、基地局5は、最初の3つのシンボルにわたって、PDCCH23(物理ダウンリンク制御チャネル)を送信する。残りのシンボルは、移動電話3のためのダウンリンクユーザーデータを搬送するために用いられるPDSCH25(物理ダウンリンク共有チャネル)を形成する。PDCCHチャネルは、とりわけ、移動電話3毎に、移動電話3がそのサブフレームにおいてダウンリンクデータを受信するためにスケジューリングされるか、又はそのサブフレームにおいてアップリンク送信のためにスケジューリングされるかを指示するデータを含み、それに合わせて、ダウンリンクデータを受信するために、又はアップリンクデータを送信するために使用されるべきPRBを特定するデータを含む。
【0025】
LTE-Advanced
提案されたLTE-Advancedシステムでは、より広い送信帯域幅に対応するために、複数の別個の部分帯域が与えられ、各部分帯域は、上記で検討したLTE構造に、少なくとも構造に関して類似する。送信される部分帯域が互いに連続であるか、又は不連続であるように、部分帯域毎のサブキャリアは別々のコンポーネントキャリア上に変調される。これはキャリアアグリゲーションとして知られており、100MHzの全システム帯域幅を与える、それぞれが20MHz幅の5つの部分帯域25-1~25-5について、図3において概略的に示される。以下の説明では、用語「部分帯域」及び「コンポーネントキャリア」が交換可能に用いられる。
【0026】
LTE-Advanced移動電話3は100MHzまでの帯域幅をサポートするが、任意の所与の時点において、全スペクトルにおいて送信/受信しない場合がある。移動電話3が電池電力を節約できるようにするために、移動電話3が最初にコンポーネントキャリアのうちの1つ又はそのサブセットを監視し、その後、基地局スケジューラが、移動電話3のアクティビティに基づいて、コンポーネントキャリアの異なるサブセット(重複するかもしれないが)を監視するように移動電話3に指示できるように、システムが構成されることが好ましい。
【0027】
全てのコンポーネントキャリア(部分帯域25)がLTE Rel8に適合するように構成される場合には、各コンポーネントキャリアにおいて、全システム情報及びページングがブロードキャストされることになる。しかしながら、本発明者は、これをシステムリソースの浪費であると考える。本発明者は、これらの全てのコンポーネントキャリアは(基地局5の)1つのセルに属するので、各コンポーネントキャリア(部分帯域25)においてページング及びブロードキャスト情報を入れることに実質的な利益はないことに気がついた。それゆえ、本発明者は、セル内のコンポーネントキャリアのうちの1つ又はそのサブセットだけがブロードキャスト及びページング情報を搬送すべきであることを提案する。この例示的な実施形態では、1つのコンポーネントキャリア(部分帯域25)がこのシステム情報を搬送し、それはアンカー又は一次キャリアコンポーネントと呼ばれる。これが図3に示されており、図3は、部分帯域25-3がアンカーキャリアコンポーネントであり、そのセルのためのブロードキャスト及びページング情報を搬送することを示す。したがって、全ての移動電話3が、アイドルモード時に、このアンカーキャリアコンポーネントにキャンプオンし、そこからシステム及びページング情報を読み取る。
【0028】
Release8移動電話3は、LTE Release8について規定されるのと同じ構造を有するので、アンカーキャリアコンポーネントのうちの1つにおいてのみスケジューリングされることになる。LTE-Advanced移動電話3の場合、アイドル時に、セルのアンカーキャリアコンポーネントにキャンプオンすることになるので、本発明者は、そのような移動電話3が接続を行いたい(たとえば、発呼したい)ときに、アンカーキャリアコンポーネント上でRRC接続確立手順を開始することを提案する。RRC接続又はEPSベアラが確立されると、基地局5は次に、適切な時点で1つ又は複数の異なるコンポーネントキャリアに移動するように移動電話3に指示することができる。移動電話はアンカーキャリアコンポーネントと共にキャリアコンポーネントのサブセットを監視するだけでよいので、これは、セル内の種々のコンポーネントキャリアの中で負荷を平衡させるのに役立ち、移動電話3の電池消費を低減する。
【0029】
基地局5は、以下のシグナリングによって、移動電話3が監視すべきコンポーネントキャリア、及び移動電話3がデータを送受信すべきコンポーネントキャリアをシグナリングすることができる。
・PDCCHシグナリング
・MACシグナリング
・RRCシグナリング
【0030】
3つ全ての場合に、5ビット長の情報要素(IE)が必要とされることになり、各ビットはコンポーネントキャリアのうちの1つに対応し、移動電話3が対応するコンポーネントキャリアを監視すべきであるか否かを識別する。
【0031】
PDCCHシグナリング:PDCCHを通して移動電話3が監視すべきコンポーネントキャリアを移動電話3にシグナリングするのは最も迅速な技法である。しかしながら、同時に最も信頼性が低い(情報の受信に応答するために、移動電話3によって基地局5に肯定応答が返送されないため)。PDCCHシグナリングは、サブフレーム(n-1)において移動電話3毎に5ビットのビットマップ指示を有する特殊なPDCCHフォーマットをシグナリングすることによって達成することができ、該ビットマップ指示は、移動電話3が、サブフレーム(n)以降、さらなる変更がシグナリングされるまで、ビットが「1」に設定されるコンポーネントキャリアのリスンを開始すべきであることを指示する。
【0032】
MACシグナリング:MAC制御要素を通して移動電話3が監視すべきコンポーネントキャリアを各移動電話3にシグナリングすることは、迅速であり、かつかなり信頼性が高い。それは、たとえば、DRXコマンドMAC制御要素内に、移動電話3毎に5ビットのビットマップ指示を有するIEを有することによって達成することができ、該ビットマップ指示は、移動電話3が、ビットが「1」に設定される対応するコンポーネントキャリアのリスンを開始すべきであることを指示する。その際、基地局5は、移動電話3がDRXコマンドMAC制御要素を受信したという肯定応答を受信すると、移動電話3が新たな構成を適用したと見なすことができる。
【0033】
RRCシグナリング:RRCメッセージを通して、移動電話3が監視すべきコンポーネントキャリアを各移動電話3にRRC層でシグナリングすることは、時間を要するが、非常に信頼性が高いであろう。しかしながら、移動電話3が監視することができるコンポーネントキャリアは頻繁に変化する場合があるので、RRCシグナリングはこの目的の場合には好ましくない。
【0034】
それゆえ、この実施形態では、移動電話3が監視すべきであるコンポーネントキャリアを各移動電話3に指示するために、MACシグナリングが用いられる。移動電話は他のコンポーネントキャリアを監視せず、他のコンポーネントキャリア上でデータの送信/受信もしないので、LTE-Advanced移動電話3は、監視しないコンポーネントキャリアのための送受信回路部をオフに切り換えるができる。
【0035】
DRXハンドリング
LTE Rel8では、各移動電話3は、不連続な時間周期においてデータを受信し、及び/又は送信するように構成することができ、時間周期の持続時間及び周波数は基地局5によって制御される。この不連続な受信/送信はDRX/DTXと呼ばれ、移動電話3が基地局5からデータを受信し及び/又は基地局5にデータを送信することになっていない期間中に送受信回路部をオフにできるようにし、それにより、電力消費を低減する。基地局5は、移動電話3がオン持続時間にわたってウェイク状態のままであり、PDCCHを監視し、その後、スリープ状態に移行するような、DRXパターンを規定する。この概念は、図4において示される。
【0036】
規定された「オン持続時間」中であっても移動電話が監視していないコンポーネントキャリアのための送受信回路部を移動電話がオフにするように、類似しているが、さらに複雑なDRX手順を用いて、LTE-Advanced移動電話3を制御することできる。実際には、LTE-Advanced移動電話のためのDRXを構成するのに2つの取り得る方法がある。
【0037】
選択肢1:或る変更を加えて、LTE-Advancedのために同じ基本LTE Rel8機構が用いられ、それによりシステムを簡単にしておくと同時に、後方互換性を確保する。詳細には、2レベルDRX構成を用いることができる。第1のレベルにおいて、移動電話3のための基地局5のRRC層によって、1つのDRX構成(オン持続時間、DRXサイクル)が構成される(LTE Rel8のために規定された構成と同一)。第2のレベルでは、「オン持続時間」中に、移動電話3は、MAC制御要素(DRXコマンドMAC制御要素)によって指示されるコンポーネントキャリアを監視する。それゆえ、オン持続時間中であっても、UEは実際に監視される必要があるキャリアのみを監視することになり、他のキャリアを受信するための送受信回路部をオフにすることができる。これは、電池寿命の大幅な節約を実現する。
【0038】
移動電話のアクティビティが増加するとき、移動電話3は、コンポーネントキャリアの数を増やして送信/受信を開始することになるが、「オン持続時間」は変わらないままであろう。移動電話3が既に全てのコンポーネントキャリアにおいて送信/受信しており、かつアクティビティがさらに増加する場合には、基地局5は、その移動電話3に対して規定されるオン持続時間を増加させることができる。
【0039】
選択肢2:別の選択肢は、コンポーネントキャリアあたり1つのDRX構成(オン持続時間、DRXサイクル)を有することである。この場合、移動電話3は、全てのコンポーネントキャリアのためのDRX構成のブール「OR」演算を実行して、移動電話3を動作状態及び休止状態すべきタイミングを規定する全体的なDRXパターンを求めることになり、個々のDRX構成を用いて、ウェイク期間中の監視されないコンポーネントキャリアのための送受信回路部のスイッチオフを制御するであろう。しかしながら、この選択肢によれば、DRXサイクルと、コンポーネントキャリアのためのオン持続時間の開始時点が時間的に合っていない場合には、移動電話3における電池の節減が少なくなる。それゆえ、より好ましい方法は、全てのコンポーネントキャリアに対して同じDRXサイクルを有するが、オン持続時間が異なるようにすることであろう。これは、コンポーネントキャリアのうちの1つ又は複数のためのDRXサイクルが、他のコンポーネントキャリアのDRXサイクルの整数倍である場合でも機能するであろう。
【0040】
基地局
図5は、図1に示される各基地局5の主要構成要素を示すブロック図である。図に示されるように、各基地局5は送受信回路31を含み、送受信回路は、1つ又は複数のアンテナ33を介して、移動電話3に対し信号を送受信するように動作可能であり、かつ、ネットワークインターフェース35を介して、電話網7に対し信号を送受信するように動作することができる。コントローラ37が、メモリ39に格納されたソフトウエアに従って、送受信回路31の動作を制御する。ソフトウエアには、とりわけ、オペレーティングシステム41と、リソース配分モジュール45及びスケジューラモジュール47を含む通信制御モジュール43とが含まれる。通信制御モジュール43は、移動電話3からアップリンクデータが送信され、移動電話3にダウンリンクデータが送信される、異なる部分帯域におけるサブフレームの生成を制御するように動作可能である。リソース配分モジュール45は、基地局5と移動電話3との間で送信されることになるデータの量に応じて、各移動電話3と通信している送受信回路31によって用いられることになる異なる部分帯域25にリソースブロックを配分するために動作可能である。スケジューラモジュール47は、移動電話3にダウンリンクデータを送信するための時刻、及び移動電話3が基地局5にアップリンクデータを送信するための時刻をスケジューリングするように動作可能である。通信制御モジュール43は、各移動電話3に、アイドルモード時に移動電話が監視すべきコンポーネントキャリアを識別するデータをシグナリングし;RRC接続モード時に異なるコンポーネントキャリア間で移動電話3を移動させ;かつ移動電話3がその送受信回路部をオフにすることができる時刻を制御するために用いられるDRXパターンを規定する役割を果たす。
【0041】
移動電話
図6は、図1に示される各移動電話3の主要構成要素を示すブロック図である。図に示されるように、移動電話3は、1つ又は複数のアンテナ73を介して、基地局5に対し信号を送受信するように動作可能である送受信回路71を含む。図に示されるように、移動電話3は、移動電話3の動作を制御し、送受信回路71に、かつスピーカ77、マイクロフォン79、ディスプレイ81及びキーパッド83に接続されるコントローラ75も備える。コントローラ75は、メモリ85内に格納されたソフトウエア命令に従って動作する。図に示されるように、これらのソフトウエア命令には、とりわけ、オペレーティングシステム87と、リソース配分モジュール91及び送受信制御モジュール93を含む通信制御モジュール89とが含まれる。通信制御モジュール89は、基地局5との通信を制御するように動作可能であり、アイドルモード中に、アンカーコンポーネントキャリア25-3を監視する。リソース配分モジュールは、種々の部分帯域25において、アップリンクが送信されるべきリソース、及びダウンリンクデータが受信されることになるリソースを特定する役割を果たす。送受信制御モジュール93は、たとえば、基地局5から受信されるDRX構成データを用いて、又は移動電話3が監視することになる部分帯域25に関する知識を用いて、現時点においてオフに切り換えることができる送受信回路71の部分を特定する役割を果たす。
【0042】
上記の説明において、基地局5及び移動電話3は、理解しやすくするために、複数の別々のモジュール(リソース配分モジュール、スケジューラモジュール、送受信制御モジュール等)を有するものとして説明される。或る特定の応用例、たとえば、本発明を実施するために既存のシステムが変更された場合には、これらのモジュールはこのようにして設けられてもよいが、他の応用例、たとえば、最初から本発明の機構を念頭において設計されるシステムでは、これらのモジュールはオペレーティングシステム又はコード全体の中に組み込むことができるので、これらのモジュールは別々の実体として区別できない場合もある。
【0043】
上記のように、LTE-Advanced移動電話3は、複数の異なるコンポーネントキャリアにおいてデータを送信及び受信することができる送受信回路71を有する。図7は、用いることができる適切な送受信回路71を示すブロック図である。図に示されるように、送受信回路71は、対応するコンポーネントキャリア(C1~C5)においてサブキャリアを変調及び復調するための、5つの部分帯域25のそれぞれに1つずつの5つのアップコンバータ/ダウンコンバータ回路95-1~95-5を含む。また、送受信回路71は、5つの部分帯域25のそれぞれにおいてアップリンクデータをそれぞれ符号化し、ダウンリンクデータを復号するための5つの符号化/復号化回路97-1~97-5も含む。符号化/復号化回路97は、コントローラ75からアップリンクデータを受信し、かつ復号されたダウンリンクデータをコントローラ75に渡す。また、コントローラ75は、符号化/復号化回路97に、かつアップコンバータ回路95に(破線の信号線を介して)個々の電力制御信号を供給し、それにより、不要なときに、個々の回路の電源を切ることができるようにし、かついずれの回路も不要であるとき(たとえば、移動電話3がスリープモードに入るとき)に全ての回路の電源を切ることができるようにする。
【0044】
変更形態及び代替形態
これまで、詳細な例示的な実施形態が説明されてきた。当業者であれば理解するように、本明細書において具現される本発明から依然として利益を享受しながら、上記の例示的な実施形態に対して複数の変更形態及び代替形態を実施できる。例示としてのみ、ここで、これらの変更形態及び代替形態のうちのいくつかを説明する。
【0045】
上記の例示的な実施形態では、移動電話ベースの通信システムが説明されてきた。当業者であれば理解するように、本出願において記述されるシグナリング及び電力制御技法は、任意の通信システムにおいて用いることができる。一般的な場合には、基地局及び移動電話は、互いに通信する通信ノード又はデバイスと見なすことができる。他の通信ノード又はデバイスは、たとえば、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、ウエブブラウザ等のユーザデバイスを含むこともできる。
【0046】
上記の例示的な実施形態では、複数のソフトウエアモジュールが説明された。当業者であれば理解するように、それらのソフトウエアモジュールは、コンパイル済みの形式又は未コンパイルの形式において与えることもでき、コンピュータネットワークを介して信号として、又は記録媒体において基地局又は移動電話に供給することもできる。さらに、このソフトウエアの一部又は全部によって実行される機能は、1つ又は複数の専用のハードウエア回路を用いて実行することもできる。しかしながら、ソフトウエアモジュールを使用することによって、その機能を更新するために基地局5及び移動電話3を更新することが容易になるので、ソフトウエアモジュールを使用することが好ましい。同様に、上記の例示的な実施形態は送受信回路部を利用したが、送受信回路部の機能のうちの少なくともいくつかはソフトウエアによって実行することができる。
【0047】
種々の他の変更は当業者には明らかであり、ここでは、これ以上詳しくは説明しない。
【0048】
以下は、現在提案されている3GPP LTE標準規格において本発明を実施できる方法の詳細な説明である。種々の機構が不可欠であるか、又は必要であるように記述されるが、これは、たとえば、その標準規格によって課せられる他の要件に起因して、提案された3GPP LTE標準規格の場合のみ当てはまる場合がある。それゆえ、ここで述べられることは、本発明を多少なりとも制限するものと解釈されるべきではない。
【0049】
序論
キャリアアグリゲーションをサポートするには、100MHzまでのアグリゲートされたシステム帯域幅に対処するために、新たなPDCCH構造が必要とされる。2つの異なる手法、すなわち、キャリア毎に別々のPDCCH、及び複数のキャリアに対して共通のPDCCHがRAN1において検討されている。それらの方法のうちの1つをLTE-Advancedシステムに採用することで合意に達する予定である。この決定にかかわりなく、任意の所与の時点において、UEは全てのコンポーネントキャリア上でデータを送信も受信もしない場合がある。eNBスケジューラは、UEが望むコンポーネントキャリアのいずれかにUEをスケジューリングするだけの柔軟性を有するべきであり、かつそのUEを移動させることができるべきである。一方、UEは、監視すべきであるコンポーネントキャリアのサブセットを予め知るべきであり、他のコンポーネントキャリアに対しては、そのRFをオフにすべきである。これによって、結果としてUEにおいてかなりの電力が節減されることとなる。
【0050】
この寄稿では、eNBスケジューラが種々のコンポーネントキャリアの中でUEを切り替えることができる簡単な仕組みを検討する。
【0051】
検討
LTE Advanceシステムにおいて、キャリアアグリゲーションを見ると、キャリアアグリゲーションでは、より広い送信帯域幅、たとえば、100MHzまでの帯域幅をサポートするために、かつスペクトルアグリゲーションのために、2つ以上のコンポーネントキャリアがアグリゲートされる。これらのキャリアアグリゲーションは、連続であるか、又は不連続であることができる。LTE Advanced UEは、100MHzBWをサポートすることになるが、任意の所与の時点において、全スペクトルにおいて送信/受信しない場合がある。UEが電池電力を節約できるようにするために、UEは最初にコンポーネントキャリアのうちのいくつかのみをリスンし、その後、eNBスケジューラが、UEのアクティビティに基づいて、コンポーネントキャリアのサブセットを監視するようにUEに指示できることが賢明であろう。
【0052】
4.1 アイドルモードキャンピング
全てのコンポーネントキャリアがR8と互換性があるように構成される場合には、各コンポーネントキャリア上で全システム情報及びページングがブロードキャストされるはずである。しかしながら、これは、リソースの浪費であると考えられる。これらの全てのコンポーネントキャリアは1つのセルに属するので、各コンポーネントキャリアにおいてページング及びブロードキャスト情報を入れることに何の利益もない場合があると考えられる。本発明者らは、セル内のコンポーネントキャリアのサブセットのみがブロードキャスト及びページング情報を搬送すべきであることを提案し、このキャリアコンポーネントを、図3に示されるように、アンカー又は一次キャリアコンポーネントと呼ぶ。これは、アイドルモードUEがこのアンカーコンポーネントにキャンプオンし、そこからシステム及びページング情報を読み取ることも意味する。
【0053】
4.2 接続モードにおけるUE
アンカーキャリアはLTE Release8と同じ構造を有するので、Release8UEはアンカーキャリアにおいてのみスケジューリングされる。
【0054】
Release9の場合、UEはセルのアンカーキャリアコンポーネント上にキャンプオンすることになるので、本発明者らは、UEがアンカーキャリアコンポーネント上でRRC接続確立手順を開始することが理に適っていることを提案する。RRC接続又はEPSベアラが確立されると、UEは、ネットワークによって、適切な時点で異なるコンポーネントキャリアに移動するように命令されることになる。UEは、アンカーキャリアコンポーネントと共に、キャリアコンポーネントのサブセットのみを監視することになるので、これは、セル内の種々のキャリアの中で負荷を平衡させ、UEの電池消費を低減するのに役立つ。
【0055】
提案2:UEを種々のコンポーネントキャリア間で移動させるのに利用可能である仕組みが存在すべきである。
【0056】
UEが監視し、データを送信/受信することになるコンポーネントキャリアのシグナリングは、以下のシグナリングによって行なうことができる。
・PDCCHシグナリング
・MACシグナリング
・RRCシグナリング
【0057】
3つ全ての場合に、5ビット長であるIEを必要とすることになり、各ビットは、UEが監視すべきである1つのコンポーネントキャリアに対応する。
【0058】
PDCCHシグナリング:PDCCHを通してUEが監視すべきコンポーネントキャリアをUEにシグナリングするのは、信頼性はないが、最も迅速である。サブフレーム(n-1)においてUEへの5ビットのビットマップ指示を有する特殊なPDCCHフォーマットを有することができ、UEが、サブフレームn以降、さらなる変更がシグナリングされるまで、ビットが1に設定されるコンポーネントキャリアのリスンを開始すべきであることを指示する。
【0059】
MACシグナリング:MAC制御要素を通してUEが監視すべきコンポーネントキャリアをUEにシグナリングすることは、迅速であり、かつかなり信頼性が高い。DRXコマンドMAC制御要素内に、UEへの5ビットのビットマップ指示を有するIEを有することができ、UEが、ビットが1に設定されるコンポーネントキャリアのリスンを開始しなければならないことを指示する。eNBは、UEからの肯定応答を受信した後に、UEが新たな構成を適用したと見なす。
【0060】
RRCシグナリング:RRCメッセージを通して、UEが監視すべきコンポーネントキャリアをUEにRRC層でシグナリングすることは、時間を要するが、非常に信頼性が高いであろう。UEが監視することができるコンポーネントキャリアは頻繁に変化する場合があるので、RRCシグナリングはこの目的には適していない場合がある。
【0061】
それゆえ、本発明者らが選択するのは、UEが監視すべきであるコンポーネントキャリアをUEに指示するためにMACシグナリングを用いることである。
【0062】
提案3:MACシグナリングを用いて、UEが監視すべきであるキャリアコンポーネントをUEに指示する。
【0063】
さらに、UEはこれらのキャリア上で送信又は受信しないので、UEは全てのキャリアを監視することに意味はない。さらに、キャリア毎にそれぞれのHARQエンティティ上で再送が実行されることになるので、UEは、監視していないコンポーネントキャリアのRF回路をオフに切り換えることが理に適っている。
【0064】
提案4:UEはアンカーキャリア、及びキャリアのサブセットを監視するように構成することができる。
【0065】
4.3 DRXハンドリング
Rel8において、UEがオン持続時間にわたってウェイク状態のままであり、PDCCHを監視し、その後、スリープ状態に移行するようなDRXが規定される。この概念は図4に示される。
【0066】
LTE AdvanceのためのDRXを構成するのに2つの取り得る方法がある。
【0067】
選択肢1:或る変更を加えて、LTE advanceに対して依然として同じ基本LTE Rel-8機構を保持することができ、システムを簡単にしておくと同時に、後方互換性を確保することができる。LTEにおいて2レベルDRX構成を用いることができる。第1のレベルでは、UEのためのRRC層によって、一方のDRX構成(オン持続時間、DRXサイクル)のみが構成されることになり、それはRelease8の構成と同一である。第2のレベルでは、「オン持続時間」中に、UEは、MAC制御要素(DRXコマンドMAC制御要素)によって指示されるキャリアを監視する。それゆえ、オン持続時間中であっても、UEは実際に監視される必要があるキャリアのみを監視することになり、他のキャリアを受信するためのRF回路をオフにすることができる。これは、電池寿命の大幅な節約を実現する。
【0068】
UEのアクティビティが増加するとき、UEは、コンポーネントキャリアの数を増やして送信/受信を開始することになるが、「オン持続時間」は変わらないままであろう。UEが既に全てのコンポーネントキャリアにおいて送信/受信しており、かつアクティビティがさらに増加する場合には、オン持続時間を増加させることになる。
【0069】
選択肢2:別の一般的な選択肢は、コンポーネントキャリアあたり1つのDRX構成(オン持続時間、DRXサイクル)を有することであり、UEは、コンポーネントキャリア毎にDRX構成の「OR」演算を実行して、全体的なDRXパターンを求める。しかしながら、DRXサイクルと、コンポーネントキャリアのオン持続時間の開始時点が合っていない場合、UEにおける電池の節減が少なくなる。それゆえ、より好ましい方法は、全てのコンポーネントキャリアに対して同じDRXサイクルを有するが、オン持続時間が異なるようにすることであろう。
【0070】
また、1つのコンポーネントキャリアにおけるDRXサイクルは、他のコンポーネントキャリアにおけるDRXサイクルの整数倍とすることもできる。
【0071】
結論
この文書において、本発明者らは、アイドルモード及び接続モードにあるUEがキャリアのサブセットを監視するために割り当てられる方法を検討する。その寄稿の主な提案は以下の通りである。
提案1:アイドルモードUEは、アンカーコンポーネントにキャンプオンし、そこからシステム及びページング情報を読み取る。
提案2:UEを種々のコンポーネントキャリア間で移動させるのに利用可能である仕組みが存在すべきである。
提案3:MACシグナリングを用いて、UEが監視すべきであるキャリアコンポーネントをUEに指示する。
提案4:UEはアンカーキャリア、及びキャリアのサブセットを監視するように構成されることができる。
【0072】
本出願は、RAN2にこれを検討するように要求するものであり、NECは、TRにおいて合意を得るために、TRのための提案書の草稿を喜んで作成する。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7