(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177208
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】移動体通信システムにおける移動局装置および基地局装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20090101AFI20221122BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221122BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20221122BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W72/04 137
H04W80/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150334
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2017219907の分割
【原出願日】2017-11-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 聖二
(72)【発明者】
【氏名】後藤 淳悟
(72)【発明者】
【氏名】中村 理
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(57)【要約】
【課題】
従来のセミパーシステントスケジューリングによる通信方法では、サービングセルのアクティベートやデアクティベートに対する制御方法が規定されていないという問題点があった。
【解決手段】
基地局装置、および前記基地局装置から設定された複数サービングセルを同時に用いたキャリアアグリゲーションによって通信を行う移動局装置を少なくとも含む通信システムの移動局装置であって、サービングセルがデアクティベートされている場合、前記サービングセルに対して設定構成された設定構成済み上りリンクグラントを無効化し、前記サービングセルがアクティベートされている場合、前記サービングセルに対して設定構成された前記設定構成済み上りリンクグラントを有効化することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と通信を行う移動局装置が行う通信方法であって、
Uplink Shared Channel (UL-SCH)送信のために第1の時間間隔で発生する第1のリソースセットを割り当てるための第1のメッセージを受信し、
前記UL-SCH送信のために第2の時間間隔で発生する第2のリソースセットを割り当てるための第2のメッセージを受信し、
前記第1のメッセージおよび前記第2のメッセージを受信した後に、Medium Access Control (MAC) Control Element (CE)を受信し、
前記MAC CEの指示に基づき、前記第1のリソースセット上の前記UL-SCHを開始するか又は停止するか、および前記第2のリソースセット上の前記UL-SCHを停止するかを判定し、
前記第1のリソースセットが設定されたサービングセルのactivationに基づく前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信の再初期化を前記指示が示す場合、前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信が開始され、
前記第1のリソースセットが設定されたサービングセルのdeactivationに基づく前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信の保留を前記指示が示す場合、前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信が停止され、
前記第2のリソースセットが設定されたサービングセルのdeactivationに基づく前記第2のリソースセットの解放を前記指示が示す場合、前記第2のリソースセット上の前記UL-SCH送信が停止される、
通信方法。
【請求項2】
前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信の再初期化を前記指示が示す場合、前記MAC CEを受信したときに保留された前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信が開始される、請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信の保留を前記指示が示す場合、前記MAC CEを受信したときに初期化または再初期化された前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信が停止される、請求項1に記載の通信方法。
【請求項4】
基地局装置と通信を行う移動局装置であって、
メモリと、
前記メモリに接続される、少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
Uplink Shared Channel (UL-SCH)送信のために第1の時間間隔で発生する第1のリソースセットを割り当てるための第1のメッセージを受信し、
前記UL-SCH送信のために第2の時間間隔で発生する第2のリソースセットを割り当てるための第2のメッセージを受信し、
前記第1のメッセージおよび前記第2のメッセージを受信した後に、Medium Access Control (MAC) Control Element (CE)を受信し、
前記MAC CEの指示に基づき、前記第1のリソースセット上の前記UL-SCHを開始するか又は停止するか、および前記第2のリソースセット上の前記UL-SCHを停止するかを判定し、
前記第1のリソースセットが設定されたサービングセルのactivationに基づく前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信の再初期化を前記指示が示す場合、前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信が開始され、
前記第1のリソースセットが設定されたサービングセルのdeactivationに基づく前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信の保留を前記指示が示す場合、前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信が停止され、
前記第2のリソースセットが設定されたサービングセルのdeactivationに基づく前記第2のリソースセットの解放を前記指示が示す場合、前記第2のリソースセット上の前記UL-SCH送信が停止される、
移動局装置。
【請求項5】
前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信の再初期化を前記指示が示す場合、前記MAC CEを受信したときに保留された前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信が開始される、請求項4に記載の移動局装置。
【請求項6】
前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信の保留を前記指示が示す場合、前記MAC CEを受信したときに初期化または再初期化された前記第1のリソースセット上の前記UL-SCH送信が停止される、請求項4に記載の移動局装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
移動体通信システムにおける移動局装置および基地局設置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、第3世代の移動通信方式を進化させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以下、「EUTRA」と呼称する。)と、更にその発展形であるAdvanced EUTRA(「LTE-Advanced」とも呼称される。)の仕様規格化が行われ、それを利用した移動体通信の商用化が各国で行われている(非特許文献1)。また近年、3GPPでは第5世代移動通信方式の技術として、高信頼性と低遅延を実現するURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)が注目されつつある。
【0003】
スケジューリング(通信リソース割り当て)技術の一つとして、セミパーシステントスケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)による通信リソースの周期的な割り当て方法がある。これは、サブフレーム毎に通信リソースの割り当てをグラントと呼ばれるシグナリングで行うダイナミックスケジューリングとは異なり、予め決められた時間間隔で通信リソースの割り当てを行うことにより、グラントを省くことができ、制御信号によるオーバヘッドを少なくして効率的な通信を可能とする技術である。従来のLTEおよびLTE-Advancedでも採用されており、音声サービスなどリアルタイム性を要求される通信に利用されてきたが、第5世代移動通信方式でもSPSのさらなる進化を目的とした検討および仕様規格化が進んでいる。また、上りリンクのSPSを応用し、基地局装置から移動局装置に対して割り当てられる上りリンクグラントがなくても、移動局装置から基地局装置に上りリンクデータ送信が可能となる上りリンクグラントフリー(GF:Grant Free)による通信方式についても、検討および仕様規格化が進んでいる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"3rd Generation Partnership Project; Technical SpecificationGroup Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA)and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 14)" 3GPP TS 36.300 V14.3.0 (2017-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のセミパーシステントスケジューリングおよび上りリンクグラントフリーによる通信方法では、サービングセルのアクティベートやデアクティベートに対する制御方法が規定されていないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、サービングセルのアクティベートやデアクティベートに対するセミパーシステントスケジューリングおよび上りリンクグラントフリーの制御手段を備えた通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による移動局装置は、基地局装置、および前記基地局装置から設定された複数サービングセルを同時に用いたキャリアアグリゲーションによって通信を行う移動局装置を少なくとも含む通信システムの移動局装置であって、サービングセルがデアクティベートされている場合、前記サービングセルに対して設定構成された設定構成済み上りリンクグラントを無効化し、前記サービングセルがアクティベートされている場合、前記サービングセルに対して設定構成された前記設定構成済み上りリンクグラントを有効化することを特徴とする。
【0008】
(2)また、本発明の一態様による移動局装置は、基地局装置、および前記基地局装置から構成された複数の異なる周波数帯域を同時に用いたキャリアアグリゲーションによって通信を行う移動局装置を少なくとも含む通信システムの移動局装置であって、サービングセルがデアクティベートされた場合、前記サービングセルに対して構成された構成済み上りリンクグラントを保留し、サービングセルがアクティベートされた場合、前記サービングセルに対して保留された構成済み上りリンクグラントを再開させることを特徴とする。
【0009】
(3)また、本発明の一態様による移動局装置は、基地局装置、および前記基地局装置から設定された複数の異なる周波数帯域を同時に用いたキャリアアグリゲーションによって通信を行う移動局装置を少なくとも含む通信システムの移動局装置であって、サービングセルがデアクティベートされた場合、前記サービングセルに対して構成済み下りリンクアサインメントに基づくDL-SCHおよびPDSCHの受信を行わず、前記サービングセルがアクティベートされた場合、前記サービングセルに対して設定された構成済み下りリンクアサインメントに基づくDL-SCHおよびPDSCHの受信を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、サービングセルのアクティベートやデアクティベートに対するセミパーシステントスケジューリングの制御手段を備えた通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明における、移動局装置内のMACエンティティ構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明における、基地局装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明における、移動局装置の上りリンクSPS・GF状態を表す図である。。
【
図4】本発明における、移動局装置の上りリンクSPS・GF状態の遷移の一例を表す図である。
【
図5】本発明における、移動局装置の処理の流れの一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は本実施形態における移動局装置内のMACエンティティの構成の一例である。
図1において、101は制御部であり、すべての構成部を制御する。102は上位レイヤインタフェース部であり、PDCPおよびRLC、およびRRCなどの上位レイヤとの論理チャネルの設定および管理を行い、その論理チャネルを通じて上りリンクデータおよび下りリンクデータの送受信を行う。103は上りリンクPDU(Protocol Data Unit)構成部であり、論理チャネルを通じて受信した上位レイヤからの上りリンク送信データにヘッダ付加や、複数の論理チャネルのデータの結合などを行い、上りPDUを構成する。104は送信処理部であり、上りPDU構成部103が作成した上りPDUに誤り訂正符号化処理や変調処理などを行い、上りリソース管理部106から指示された上りリンクSPSリソースにマッピングを行う。105は上りリンクSPS・GF状態管理部であり、上りリンクSPS・GFの状態を管理し、上りリンクSPS・GFに関連するイベントが発生した場合に、上りリンクSPS・GFの状態を変化させる。上りリンクリソース管理部106は、基地局装置から割り当てられた上りリンクリソースの管理を行い、上りリンクPDUと送信リソースのマッピングの制御を行う。また、上りリンクSPS・GF状態管理部105で管理されている上りリンクSPS・GF状態に従って、上りリンクSPS・GFリソースの設定や、configured uplink grantの有効化・無効化を行う。受信処理部107は、無線インタフェース部110からの受信信号に対して復調や誤り訂正符号の復号を行い、下りリンクPDUの再構成を行う。下りリンクPDU分離部108は、受信処理部107から受信した下りリンクPDUから一つもしくは複数のデータに分離し、ユーザデータや制御データは上位レイヤインタフェース部102を介して上位レイヤに送り、CE(Control Element)データは制御部101に送る。110は下りリンクリソース管理部であり、無線インタフェース部109は、基地局装置と無線信号の送受信を行う。
【0013】
図2は本実施形態における基地局装置内のMACエンティティ構成の一例である。
図2において、201は制御部であり、すべての構成部を制御する。202は上位レイヤインタフェース部であり、PDCPおよびRLC、およびRRCなどの上位レイヤとの論理チャネルの設定および管理を行い、その論理チャネルを通じて上りリンクデータおよび下りリンクデータの送受信を行う。203は下りリンクPDU構成部であり、論理チャネルを通じて受信した上位レイヤからの下りリンク送信データに対して、ヘッダ付加や複数の論理チャネルのデータの結合などを行い、下りリンクPDUを構成する。204は送信処理部であり、下りリンクPDU構成部203が作成した下りリンクPDUに対して、下りリンクリソース管理部205に従って誤り訂正符号化処理や変調処理、および下りリンクリソースにマッピングを行って、無線インタフェース部209を介して移動局装置に送信する。205は下りリソース管理部であり、移動局装置に割り当てる下りリンクリソースの管理やスケジューリングを行う。上りリンクリソース管理部206は、移動局装置に割り当てる上りリンクリソースの設定および管理を行う。受信処理部207は、無線インタフェース部210からの受信信号に対して復調や誤り訂正符号の復号を行い、上りリンクPDUの再構成を行う。上りリンクPDU分離部208は、受信処理部207が再構成した上りリンクPDUから一つもしくは複数のデータに分離し、ユーザデータや制御データは上位レイヤインタフェース部202を介して上位レイヤに送る。無線インタフェース部209は、移動局装置と無線信号の送受信を行う。
【0014】
図3は、上りリンクSPS・GF状態記憶部105で記憶されている、移動局装置の上りリンクSPS・GF状態を示す表である。
図3のように、上りリンクSPS・GFは最大4つの状態で管理される。unconfigured状態は、SPS・GFが未設定を示す。deactivated状態は、configured uplink grantは設定されているものの、無効化している状態を示す。activated状態は、configured uplink grantが有効化され、上りリンクSPS・GFの送信が行われている状態を示す。suspend状態は、configured uplink grantの有効状態を保留し、上りリンクSPS・GFの送信を一時停止している状態を示す。
【0015】
図4(a)および(b)は、本実施形態における、上りリンクSPS・GF関連イベント発生時の上りリンクSPS・GF状態の変化を図示している。
図4(a)は、上りリンクSPS・GF状態遷移表であり、
図4(a)の最上行に記載されている状態のときに、
図4(a)の最左列に記載されている上りリンクSPS・GFに関連するイベントが発生した場合、そのときの状態の列と発生したイベントの行が交差する升目に記載されている状態に遷移することを表している。またハイフンで示される升目は、状態遷移が起こらないことを表している。
図4(b)は、
図4(a)を図式化した上りリンクSPS・GF状態遷移図であり、円が状態を表し、矢印が上りリンクSPS・GF関連イベントによって状態がどのように変化するかを示している。なお、本実施形態においては、
図3のsuspend状態は使用されない。
【0016】
図5は本実施形態における、移動局装置および基地局装置間のメッセージの流れと、上りリンクSPS・GF状態およびセカンダリセル(SCell)の状態の変化を表している。なお、
図5の各メッセージは、基地局装置から移動局装置に送信され、そのメッセージに対する処理結果を含むレスポンスを移動局装置から基地局装置へ送信されるものもあるが、
図5ではそのレスポンスを省略して図示している。まず、初期状態としては、上りリンクSPS・GF状態、およびセカンダリセルともに未設定状態(unconfigured)である。次にメッセージ501として、SCell additionが基地局装置から移動局装置に送信され、移動局装置はメッセージ501の内容にしたがい、SCellに関する設定を行う。このとき、SCellの状態は、構成済みではあるがまだ有効化されていないので無効状態となる(configured but deactivated)。次に、SPS/GF additionが基地局装置から移動局装置に送信され(メッセージ502)、移動局装置はメッセージ502の内容に従い、SCellのUL-SCH上にSPSで送信するための上りリンクリソース、およびconfigured uplink grantを設定する。しかし、SCellがまだ有効化されていないので、configured uplink grantも有効化されておらず、上りリンクSPSの状態はdeactivatedとなる。次に、基地局装置から移動局装置にSCell activationが送信される(メッセージ503)。移動局装置は、メッセージ503に従いSCellを有効状態(configured and activated)とする。また上りリンクSPS状態も、deactivatedからactivatedとなり、configured uplink grantが有効化され、SPS送信が行われる。次に、基地局装置から移動局装置にSCell deactivationが送信される(メッセージ504)。移動局装置は、メッセージ504に従いSCellを無効状態(configured but deactivated)にする。また上りリンクSPS状態も、activatedからdeactivatedとなり、configured uplink grantが無効化され、SPS送信が停止される。次に、基地局装置から移動局装置に再びSCell activationが送信される(メッセージ505)。移動局装置は、メッセージ505に従いSCellを再び有効状態(configured and activated)とする。また上りリンクSPS状態も、deactivatedからactivatedとなり、configured uplink grantが再び有効化され、上りリンクSPS送信が行われる。次に、基地局装置から移動局装置にSPS releaseが送信される(メッセージ506)。移動局装置は、メッセージ506に従い、上りリンクSPS送信を停止し、上りリンクSPSに関する上りリンクリソース設定、およびconfigured uplink grantを消去して、上りリンクSPS状態をactivatedからunconfiguredにする。
【0017】
以上説明したとおり、本発明の第1の実施形態によれば、SCellのactivationおよびdeactivation時に上りリンクSPS・GFを適切に制御することができ、SCell上での上りリンクSPS・GF送信が可能となる。
【0018】
なお、以上の説明では、上りリンクSPS送信の場合の例を説明したが、これに限るものではなく、上りリンクグラントフリー(GF)送信についても適用可能である。
【0019】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、上りリンクSPSの状態を状態遷移表にしたがって遷移することにより上りリンクSPS送信制御を行ったが、この状態遷移表を用いずに上りリンクSPSの制御を行う方法を、第2の実施形態として説明する。
【0020】
本発明の第2の実施形態を適用した場合の、移動局装置のMACエンティティによる上りリンクSPSの制御方法を説明する。サービングセルがすでにアクティベートされているか、もしくはサービングセルがデアクティベートされていてサービングセルをアクティベートするActivation/Deactivation MAC CE(Control Element)を受信した場合、MACエンティティは上りリンクSPS送信用に構成済みの上りリンクグラントをアクティベートする。また、サービングセル上に設定された上りリンクSPSリリースに伴うSPS confirmation MAC CEの初回送信後は、そのサービングセル上に設定された構成済みの上りリンクグラントをデアクティベートする。また、サービングセルをデアクティベートするActivation/Deactivation MAC CEを受信した後、もしくはサービングセルに対して設定されたsCellDeactivationTimerが満了した場合も、そのサービングセル上に設定された構成済みの上りリンクグラントをデアクティベートする。
【0021】
以上説明したとおり、本発明の第2の実施形態によれば、サービングセルのアクティベートおよびデアクティベート時に上りリンクSPS送信を適切に制御することが可能となる。
【0022】
なお、以上の説明では、上りリンクSPS送信の場合の例を説明したが、これに限るものではなく、上りリンクグラントフリー(GF)送信についても適用可能である。
【0023】
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、サービングセルのアクティベートおよびデアクティベート時の上りリンクSPSの制御方法を説明したが、物理レイヤのシグナリング(L1シグナリング,DCI(Downlink Control Information),PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)とも呼ばれる)で上りリンクSPSのアクティベートを行う場合では、サービングセルのデアクティベートに伴い上りリンクSPSもデアクティベートされた場合、サービングセルが再びアクティベートされても上りリンクSPSがアクティベートされないという問題がある。この問題に対する解決方法を、第3の実施形態として説明する。
【0024】
MACエンティティは、サービングセルをデアクティベートするActivation/Deactivation MAC CEを受信した後、もしくはサービングセルに対して設定されたsCellDeactivationTimerが満了した場合、上りリンクSPS送信用に構成された上りリンクグラントを保留する。また、上りリンクSPS送信用に構成された上りリンクグラントが保留中に、サービングセルをアクティベートするActivation/Deactivation MAC CEを受信した場合、保留されている構成済み上りリンクグラントを再開する。
【0025】
以上、説明したとおり、本実施形態によれば、物理レイヤのシグナリングで上りリンクSPSのアクティベートを行う場合でも、サービングセルのデアクティベートで上りリンクSPSグラントを保留し、サービングセルが再びアクティベートされたときに上りリンクSPSの構成済み上りリンクグラントを再開できる。
【0026】
なお、以上の説明では、上りリンクSPS送信の場合の例を説明したが、これに限るものではなく、上りリンクグラントフリー(GF)送信についても適用可能である。
【0027】
(第4の実施形態)
下りリンクSPS受信について、本発明を適用した場合の例を、第4の実施形態として説明する。
【0028】
あるサービングセルがデアクティベートされている場合、移動局装置のMACエンティティは、そのサービングセル上のDL-SCH(Downlink Shared Channel)を受信しないようにしてもよい。この場合、構成済みの下りリンクアサイメントに基づくリソースにおいて、DL-SCHは移動局装置のMACエンティティによって受信されない。また、あるサービングセルがデアクティベートされている場合、移動局装置のMACエンティティは、そのサービングセル上のPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を受信しないようにしてもよい。この場合、構成済みの下りリンクアサイメントに基づくPDSCHは、移動局装置のMACエンティティによって受信されない。また、サービングセルがすでにアクティベートされているか、もしくはサービングセルがデアクティベートされていてサービングセルをアクティベートするActivation/Deactivation MAC CE(Control Element)を受信した場合、MACエンティティはそのサービングセル上の下りリンクSPS受信用に構成済みの下りリンクアサインメントをアクティベートする。別の例として、サービングセルをアクティベートするActivation/Deactivation MAC CE(Control Element)を受信した場合、MACエンティティはそのサービングセル上の下りリンクSPS受信用に構成済みの下りリンクアサインメントをアクティベートする。
【0029】
以上、説明したとおり、本実施形態を適用すれば、サービングセルのアクティベートおよびデアクティベート時に下りリンクSPS通信を適切に制御することが可能となる。
【0030】
なお、以上で説明した移動局装置および基地局装置の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0031】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0032】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0033】
また、移動局装置および基地局装置の全部または一部の機能を集積回路に集約して実現してもよい。各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0034】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、無線での通信システムや通信装置に用いて好適である。
【符号の説明】
【0036】
101…制御部
102…上位レイヤインタフェース部
103…上りリンクPDU構成部
104…送信処理部
105…上りリンクSPS・GF状態保持部
106…上りリンクリソース管理部
107…受信処理部
108…下りリンクPDU分離部
109…無線インタフェース部
110…下りリンクリソース管理部
201…制御部
202…上位レイヤインタフェース部
203…下りリンクPDU構成部
204…送信処理部
205…下りリンクリソース管理部
206…上りリンクリソース管理部
207…受信処理部
208…上りリンクPDU分離部
209…無線インタフェース部