(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177247
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】顔認証装置及び顔認証装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G06V 40/16 20220101AFI20221122BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20221122BHJP
【FI】
G06V40/16 A
G06T7/00 510F
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153619
(22)【出願日】2022-09-27
(62)【分割の表示】P 2020554035の分割
【原出願日】2019-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2018206696
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】市川 雄大
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スループットの確保と、認証対象者(被認証者)のプライバシーへの配慮の両立する顔認証装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】顔認証装置100は、認証対象者と正対可能な位置に配置され、認証対象者の顔画像を撮影するカメラ101と、カメラ101の下方に配置され、カメラ101により撮影された顔画像を表示するディスプレイ102と、ディスプレイ102の下方、かつ、認証対象者から見て手前に配置され、認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダー103と、少なくとも、ディスプレイ102の上端部から、カードリーダー103の前端部に至るように配置された壁部材104と、を備える。
【効果】壁部材104が、認証操作の過程でディスプレイ102に表示される顔画像や認証結果を遮ることになる。このため、認証対象者は、落ち着いて操作を行うことが可能となり、スループットも向上することになる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立っている又は車いすに座っている認証対象者の顔画像を撮影可能なカメラと、
前記認証対象者に対して情報を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの下方に配置され、前記認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダーと、
前記カメラが撮影した前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果に応じて前記ディスプレイの表示を制御し、判定に用いた前記顔画像を破棄する制御部と、
前記認証対象者以外の人物による前記ディスプレイの覗き見を防止しつつ、前記認証対象者に対して、前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果または前記カードリーダーの読み取りエラーを示す光を、上面の部材から透過させる覗き見防止部と、
を備えた顔認証装置。
【請求項2】
前記覗き見防止部はLEDを有し、前記LEDの上面を透明又は透光性のある部材で覆い、前記認証対象者に対して、前記判定の結果、前記カードリーダーによる権限カードの読み取り結果、前記カードリーダーの読み取りエラー、又はシステム異常を示す状態を前記LEDの光を用いて表示しつつ、前記認証対象者以外の人物による前記ディスプレイの覗き見を防止する、請求項1に記載の顔認証装置。
【請求項3】
前記覗き見防止部は、前記ディスプレイの左右に設けられ、前記カメラ、前記ディスプレイ及び前記カードリーダーと一体構造型の壁である、請求項1又は2に記載の顔認証装置。
【請求項4】
前記カードリーダーの下方に、鉛直下向きにかけて太さが細くなり、前記カードリーダーと一体構造型の柱を更に有し、
前記カードリーダーは、前方ディスプレイの下方、かつ、前記認証対象者から見て前記ディスプレイよりも手前に配置され、
前記柱は、車いすに座っている認証対象者が前記カードリーダーに対してカードを提示する際に、前記車いすの一部を前記柱と前記カードリーダーとの間に差し込むことが可能な空間を有するように形成される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の顔認証装置。
【請求項5】
立っている又は車いすに座っている認証対象者の顔画像を撮影可能なカメラと、
前記認証対象者に対して情報を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの下方に配置され、前記認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダーと、
前記認証対象者以外の人物による前記ディスプレイの覗き見を防止する覗き見防止部と、を備えた顔認証装置に、
前記認証対象者に対して、前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果または前記カードリーダーの読み取りエラーを示す光を、上面の部材から透過させるステップと、
前記カメラが撮影した前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果に応じて前記ディスプレイの表示を制御し、判定に用いた前記顔画像を破棄するステップと、を実行させる、
顔認証装置の制御方法。
【請求項6】
立っている又は車いすに座っている認証対象者の顔画像を撮影可能なカメラと、
前記認証対象者に対して情報を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの下方に配置され、前記認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダーと、
前記認証対象者以外の人物による前記ディスプレイの覗き見を防止する覗き見防止部と、を備えた顔認証装置としてのコンピュータに、
前記認証対象者に対して、前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果または前記カードリーダーの読み取りエラーを示す光を、上面の部材から透過させる処理と、
前記カメラが撮影した前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果に応じて前記ディスプレイの表示を制御し、判定に用いた前記顔画像を破棄する処理と、を実行させる、
顔認証装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての記載]
本発明は、日本国特許出願:特願2018-206696号(2018年11月1日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、顔認証装置及び顔認証装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、本人確認時に行う顔認証を含む一連の処理を短時間で行うことができるという顔照合装置が開示されている。同文献によると、この顔照合装置は、被認証者の顔画像又は該顔画像の特徴量である撮像顔データと、予め登録されている顔画像又は該顔画像の特徴量である登録顔データとを照合する顔照合処理を行う。また、同文献には、注目対象として表示部や鏡面を配置し、この注目対象近傍に前記カメラを設置した構成が開示されている。
【0003】
特許文献2に、認証対象者の顔画像を撮像する際に、過度にまぶしい照明を照射するのではなく、認証対象者に適合した照明を照射して適正な顔画像を効率良く取得することができるという顔認証装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-109935号公報
【特許文献2】特開2007-4612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。特許文献1に例示されるカード併用型の顔認証装置では、本人のものでないカードの使用や、より適切な顔画像を得るために、認証対象者(被認証者)に顔画像や認証の結果を表示するユーザインターフェースが採られることがある(例えば特許文献1の段落0144、0155)。しかしながら、特許文献1の顔照合装置では、ブースに仕切パネルを設けただけの構成となっており、ブースを設置困難な環境ではプライバシーが保たれないという問題点がある。
【0006】
特許文献2においても表示部は、顔認証装置の前面に配置されており、認証結果が第三者に覗き見られてしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、カード併用型の顔認証装置におけるスループットの確保と、認証対象者(被認証者)のプライバシーへの配慮の両立に貢献できる顔認証装置及び顔認証装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の視点によれば、認証対象者と正対可能な位置に配置され、前記認証対象者の顔画像を撮影するカメラを備えた顔認証装置が提供される。この顔認証装置は、さらに、前記カメラの下方に配置され、前記カメラにより撮影された顔画像を表示するディスプレイを備える。この顔認証装置は、さらに、前記ディスプレイの下方、かつ、前記認証対象者から見て手前に配置され、前記認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダーを備える。この顔認証装置は、さらに、少なくとも、前記ディスプレイの上端部から、前記カードリーダーの前端部に至るように配置された壁部材と、を備える。
【0009】
第2の視点によれば、認証対象者と正対可能な位置に配置され、前記認証対象者の顔画像を撮影するカメラと、前記カメラの下方に配置され、前記カメラにより撮影された顔画像を表示するディスプレイと、前記ディスプレイの下方、かつ、前記認証対象者から見て手前に配置され、前記認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダーと、少なくとも、前記ディスプレイの上端部から、前記カードリーダーの前端部に至るように配置された壁部材と、前記壁部材の上端に配置され、認証結果を識別できるよう点灯パターンを変更可能な発光部を備えた顔認証装置の制御方法が提供される。この制御方法においては、まず、この顔認証装置が、前記カードリーダーにて、カードを読み取って認証対象者を特定するステップと、前記カメラにより認証対象者の顔画像を撮影するステップと、が行われる。そして、この顔認証装置が、前記カメラにて撮影した顔画像と、事前に撮影され前記カードリーダーにて特定した認証対象者の顔画像とを照合するステップと、前記照合の結果に対応する点灯パターンで、前記発光部を点灯させるステップと、が行われる。本方法は、事前に登録された顔画像による1対1方式の顔認証を行う顔認証装置という、特定の機械に結びつけられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カード併用型の顔認証装置におけるスループットの確保と、認証対象者(被認証者)のプライバシーへの配慮を両立させることが可能となる。即ち、本発明は、背景技術に示した顔認証装置を、そのスループット確保とプライバシー配慮の双方の面で、飛躍的に改善させたものへと変換するものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態の顔認証装置を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態の顔認証装置の利用形態を説明するための図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の顔認証装置の正面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の顔認証装置の側面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態の顔認証装置のディスプレイとカードリーダーの位置関係を説明するための部分透視図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態の顔認証装置の構成を表した機能ブロック図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態の顔認証装置の各部の動作を表したシーケンス図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態の顔認証装置によるディスプレイ表示と発光部の発光パターンの一例である。
【
図9】本発明の第1の実施形態の顔認証装置の認証成功時のディスプレイ表示と発光部の発光パターンを表した図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態の顔認証装置の各部の動作を表したシーケンス図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態の顔認証装置のサブディスプレイに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態の顔認証装置によるディスプレイ表示と発光部の発光パターンの一例である。
【
図13】本発明の第3の実施形態の顔認証装置の構成を表した機能ブロック図である。
【
図14】本発明の壁部材の変形構成の例を示す図である。
【
図15】本発明の顔認証装置に搭載されるコンピュータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースがあるが図示省略する。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、コンピュータ装置は、通信インタフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。また、以下の説明において、「A及び/又はB」は、A又はB、又はA及びBのいずれかという意味で用いる。
【0013】
本発明は、その一実施形態において、
図1に示すように、カメラ101と、ディスプレイ102と、カードリーダー103と、を備えた顔認証装置100にて実現できる。より具体的には、カメラ101は、認証対象者と正対可能な位置に配置され、前記認証対象者の顔画像を撮影する。そして、ディスプレイ102は、カメラ101の下方に配置される。カードリーダー103は、ディスプレイ102の下方、かつ、前記認証対象者から見て手前に配置され、認証対象者から提示されたカードを読み取る。そして、顔認証装置100は、少なくとも、前記ディスプレイ102の上端部から、前記カードリーダー103の前端部に至るように配置された壁部材(仕切り部材)104を備える。
【0014】
上記のように構成された顔認証装置100によれば、
図2に示すように、壁部材104が、認証操作の過程でディスプレイ102に表示される顔画像や認証結果を遮ることになる。このため、認証対象者は、落ち着いて操作を行うことが可能となり、スループットも向上することになる。
【0015】
また、上記構成によれば、カードリーダー103に対して、カメラ101を後方上方に配置しているため、
図2のように車いすに座っている方や子供は、必然的に、カメラより離れた位置でカードの読み取り操作等を行うことになる。カメラ101のレンズとして広角のレンズ(
図2の破線は広角レンズの画角を示す。)を用いることで、立った状態で操作している人はもちろんとして、子供や車いすに座っている方についても、単一のカメラで顔画像を良好に収めることができる。
【0016】
[第1の実施形態]
続いて、本発明をイベント会場等のゲート制御に適用した第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図3、
図4は、本発明の第1の実施形態の顔認証装置の正面図と側面図である。本発明の第1の実施形態の顔認証装置10は、円柱状の筐体の頂部にカメラ101を備えている。
【0017】
カメラ101は、立った姿勢や車いすや背の低い方の顔を撮影できる方向に向けて設置され、これら認証対象者の顔画像を撮影する。もちろん、カメラ101自体に、認証対象者の顔の高さに合わせてレンズの向き(俯仰角)を変更するチルト機能等を設けてもよい。
【0018】
カメラ101の周囲には、円形のリングライト(視線誘導用ライト)105が配置されている。このリングライト(視線誘導用ライト)105は、顔認証装置10のカードリーダー103の下方に取り付けられた人感センサー108により人の接近を検出すると、点灯するように構成されている。このリングライト(視線誘導用ライト)105は、視線誘導用のものであるが、周囲が暗い場合などは、補助光源として利用可能な光量を持つLEDユニットを用いてもよい。
【0019】
ディスプレイ102は、カメラの下方に配置された液晶表示装置や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって構成され、カメラ101により撮影された顔画像や、顔認証の結果等を表示する。
【0020】
カードリーダー103は、ディスプレイ102の下方、かつ、前記認証対象者から見て手前に配置され、認証対象者から提示されたIC(Integrated Circuit)内蔵カード等を読み取る。換言すると、ディスプレイ102は、カードリーダー103の後方斜め上方に位置し、カメラ101はディスプレイ102の真上に配置されていることになる。
【0021】
本実施形態の顔認証装置10では、カードリーダー103の上段に、サブディスプレイ107が配置されている。サブディスプレイ107には、カードの読み取り操作を促すメッセージや、カードの読み取りの結果が表示される。
【0022】
本実施形態の顔認証装置10では、カードリーダー103の下方に人感センサー108が配置されている。この人感センサー108としては、赤外線センサー等を用いることができる。例えば、良好な画像が得られる位置(例えば、カメラから2m)にて人感センサー108が人の接近を検知すると、カメラ101にて、連続撮影を行うことで、照合に適した顔画像を得ることができる。なお、本実施形態では、人感センサー108は、リングライト(視線誘導用ライト)105の点灯のために使用しており、カメラ101自体は人感センサー108の検知結果によらず撮影を続けている。従って、リングライト(視線誘導用ライト)105を省略した構成や、リングライト(視線誘導用ライト)105を常時点灯している構成では、人感センサー108自体を省略することもできる。
【0023】
本実施形態の顔認証装置10では、装置の前面両側に、上記ディスプレイ102の上端部からカードリーダー103の前端部に亘って延在する壁部材104が設けられている。この壁部材104の少なくとも上面は、透明又は透光性のある部材で構成され、内部のLED106により認証結果等を表示する表示部としても機能する。
【0024】
LED(Light Emitting Diode)106は、顔認証装置10の内部の制御部(
図6の110)により制御され、認証成功、認証失敗、及び、カード読み取りエラーの少なくとも3状態を表現する発光部として機能する。本実施形態では、青、黄、赤の3色のLEDが配置されたLEDユニットを用いて、上記3状態を表現する。
【0025】
図5は、本発明の第1の実施形態の顔認証装置のディスプレイとカードリーダーの位置関係を説明するための部分透視図である。本実施形態の顔認証装置10のカードリーダー103は、ディスプレイ102の面よりもディスプレイの高さT1より長いT2だけ前面に配置されている。そして、壁部材104は、ディスプレイ102の上端よりも上の位置からカードリーダー103の前端をカバーするように側方から見て円弧状に延びている。これにより、ディスプレイ102の側面及び斜め後方の位置から、ディスプレイ102の表示面を隠すことが可能となっている。
【0026】
一方で、壁部材104の上端には上記LED106が配置されているため、顔認証装置10の動作状態を確認することは可能となっている。
【0027】
続いて、上記顔認証装置10の内部構成について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態の顔認証装置の構成を表した機能ブロック図である。
図6を参照すると、カメラ101、視線誘導用ライト105、ディスプレイ102、LED106、カードリーダー103、人感センサー108、通信部130及び記憶部120が制御部110に接続された構成が示されている。
【0028】
制御部110は、特徴抽出部111と、照合部112とを備えている。特徴抽出部111は、カメラ101にて撮影された認証対象者の顔画像データから認証対象者の顔の特徴データを抽出する。
【0029】
照合部112は、通信部130を介してセンターサーバから受信した認証対象者の顔の特徴データと、特徴抽出部111にて抽出された特徴データとを照合する。そして、照合部112は、前記照合により、カメラ101に写された人物が、カードリーダー103にて読み取った個人と同一人物であるか否かを判定する。前記判定の結果、カメラ101に写された人物が、カードリーダーにて読み取った個人と同一人物であると判定した場合、制御部110は、ゲート駆動装置を駆動する。また、制御部110は、カードリーダー103におけるカード読み取りの結果や、照合部112の照合結果に応じて、ディスプレイ102の認証結果の表示やLED106の発光を制御する。
【0030】
通信部130は、事前に登録された認証対象者群の顔の特徴データを保持するセンターサーバ(図示省略)に対して、カードから読み取られた個人の顔の特徴データを要求する。通信部130は、センターサーバから指定した個人の顔の特徴データを受信すると、制御部110に送る。
【0031】
記憶部120は、特徴抽出部111で抽出した個人の顔の特徴データやセンターサーバから受信した個人の顔の特徴データの一時保存場所として使用される。これらの個人の顔の特徴データは、照合の完了後、記憶部120から削除される。
【0032】
その他の構成要素は、
図3~
図5を参照して説明しているので、説明を省略する。
【0033】
続いて、第1の実施形態の顔認証装置10の動作について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態の顔認証装置10の制御部110による各部の動作を表したシーケンス図である。
図7を参照すると、まず、人感センサー108が人の接近を検知すると(ステップS001)、制御部110は、カメラ101に連続撮影を指示する(ステップS002)。
【0034】
また、制御部110は、視線誘導用ライト105を点灯し、カメラ101の方向を向くように認証対象者の視線を誘導する(ステップS003)。なお、
図7におけるステップS002と、S003は、同時に行ってもよいし、また、逆の順序で行ってもよい。
【0035】
その後、認証対象者が、カードリーダー103にカードをセットすると、カードリーダー103はカードを読み取って、認証対象者の個人IDを含むカード情報を取得する(ステップS004)。
【0036】
次に、制御部110は、通信部130を介して、センターサーバから、カードリーダー103にて読み取った個人IDに対応する個人の顔の特徴データを取得する(ステップS005)。
【0037】
次に、制御部110は、カメラ101にて撮影された顔画像の中から、照合に適した条件を備えた顔画像を1つ以上選択し、その特徴量を計算し、特徴データを生成する(ステップS006)。ここで、照合に適した条件としては、画像中の顔の大きさ、顔の表情、事前に顔の特徴データを登録した際の撮影条件との一致度などを選択して設定することができる。また、ベストショット画像と呼ばれる顔画像選択アルゴリズムを用いて顔画像を選択する方法も採用可能である。
【0038】
次に、制御部110は、センターサーバから取得した顔の特徴データと、ステップS006で計算した特徴データとを照合し、カメラ101にて撮影された人物が、カードから特定された人物であるか否かを判定する(ステップS007)。
【0039】
次に、制御部110は、ディスプレイ102に判定結果に応じたメッセージを表示する。同様に、制御部110は、LED106を、判定結果に応じた点灯パターンで点灯させる(ステップS008~S010)。
【0040】
図8は、ステップS008~S010における判定結果に応じた表示内容と、点灯パターンの組み合わせの一例を示している。
図8の例では、例えば、認証に成功(同一人物と判定)した場合、制御部110は、ディスプレイ102に「GO」というメッセージを表示し、LED106を青色で点灯させる。これにより、認証対象者は、自身の認証が完了したと判断し、ゲートを進むことになる。また、顔認証装置10の周囲にいるスタッフも、LEDが青色に点灯することにより、問題なく認証が行われたと認識できる。
【0041】
図9は、認証に成功(同一人物と判定)した場合の顔認証装置10の動作を説明するための図である。
図9の例では、ディスプレイ102には、認証に成功(同一人物と判定)した顔画像と、その下に、「V GO」との文字が表示されている。また、ディスプレイ102の両脇の壁部材104上端はLED106により青色に光っている。
図9の例では、後ろ斜め上から見ているためディスプレイ102の表示面が見えてしまっているが、通常は、壁部材104により、ディスプレイ102の表示面は隠れてしまうため、認証対象者のプライバシーは保護される。
【0042】
再度、
図8を参照すると、認証に失敗(同一人物でないと判定)した場合、制御部110は、ディスプレイ102に「RETRY」というメッセージを表示し、LED106を黄色で点灯させる。これにより、認証対象者は、自身の認証が失敗したことを認識し、ディスプレイ102やサブディスプレイ107の案内に従って撮影に入ることができる。また、顔認証装置10の周囲にいるスタッフも、LEDが黄色に点灯することにより、認証対象者の認証に失敗したことを認識できる。
【0043】
さらに、顔画像の事前登録が済んでいないなどの理由で、カードリーダー103で読み取ったカードの個人情報に対応する特徴データを取得できない場合も想定される。この場合、制御部110は、ディスプレイ102に「ERROR」というメッセージを表示し、LED106を赤色で点灯させる。これにより、認証対象者は、カードに問題があることを認識し、別のカードを探したり、スタッフに問い合わせたりする等といったアクションを採ることができる。また、顔認証装置10の周囲にいるスタッフも、赤色のLEDにより、認証対象者のカードに問題があることを認識し、声を掛ける等のアクションを採ることができる。
【0044】
これらの場合も
図9の例と同様に、壁部材104により、ディスプレイ102の表示面は隠れてしまうため、認証対象者のプライバシーは保護される。
【0045】
次に、制御部110は、ステップS007で判定した結果に応じてゲート駆動装置に対し、開閉の指示を送る(ステップS011)。その後、制御部110は、照合に用いた特徴データを破棄する(ステップS012)。これにより、顔認証装置10に、必要のない個人情報が溜め込まれることを防ぐことができる。
【0046】
また、上記した実施形態において、顔認証装置10が、センターサーバから取得したカード情報等に重複があるか否か等により、重複入場を検知する機能を備えていてもよい。この場合も、制御部110が、ディスプレイ102に「ERROR」というメッセージを表示し、LED106を赤色で点灯させるなどの動作を行うことが好ましい。また、上記重複入場の検知をサンタ-サーバ側で行うようにしてもよい。この場合も、制御部110が、ディスプレイ102に「ERROR」というメッセージを表示し、LED106を赤色で点灯させるなどの動作を行うことが好ましい。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の顔認証装置10によれば、カード併用型の顔認証装置におけるスループットの確保と、認証対象者(被認証者)のプライバシーへの配慮とを両立させることが可能となる。その理由は、人感センサー108、カメラ101、視線誘導用ライト105等を連携させた効率の良い顔画像の撮影機能と、壁部材104による個人情報や認証結果の保護機能を備えた構成を採用したことにある。
【0048】
なお、上記した実施形態では、ステップS005で個人の顔の特徴データを取得してから、カメラ101にて撮影した画像の特徴量を計算し、特徴データを生成するものとして説明したが、カメラ101にて撮影した画像の特徴量の計算を先に実行してもよい。例えば、ステップS002~S003で撮影開始後、制御部110にて、照合に適した条件を備えた顔画像を選択し、その特徴量を計算し、特徴データを生成してもよい。このようにすることで、スループットをより向上させることもできる。
【0049】
[第2の実施形態]
続いて、個人特定用のカードのほかに、事前に設定した権限カードを用いてゲートの開閉制御を行うようにした第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の顔認証装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成で実現できるので、その相違点を中心に説明する。
【0050】
図10は、本発明の第2の実施形態の顔認証装置の各部の動作を表したシーケンス図である。
図7に示した第1の実施形態のシーケンス図との相違点は、顔認証の後に、権限カードの提示を求め、認証対象者が適切な権限を有しているか否かの確認を行う点である。
【0051】
そして、第2の実施形態の顔認証装置では、
図10のステップS005aにおいて、顔の特徴データに加えて、該当する人物に付与されている権限情報が取得される。この権限情報には、該当する人物が、顔認証装置の制御するゲートから入場できる権限を有しているか否かの情報が含まれている。
【0052】
また、
図10のステップS013~S017に示したとおり、第2の実施形態では、個人特定用のカード(個人IDカード)による顔認証の後、権限カードの読み取りが行われる(ステップS013)。
図11は、ステップS004と、ステップS013において、サブディスプレイ107に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【0053】
そして、第2の実施形態の顔認証装置では、
図10のステップS014において、カードから特定された人物と同一人物だと判定された認証対象者が正当な入場権限を有しているか否かを判定する。
【0054】
次に、制御部110は、ディスプレイ102に権限確認結果に応じたメッセージを表示する。同様に、制御部110は、LED106を、権限確認結果に応じた点灯パターンで点灯させる(ステップS015~S017)。
【0055】
図12は、
図10のステップS008~S010及びステップS015~S017における判定結果に応じた表示内容と、点灯パターンの組み合わせの一例を示している。
図12の例では、例えば、ステップS007の認証に成功(同一人物と判定)した時点で、制御部110は、ディスプレイ102に「OK」というメッセージを表示し、LED106を黄色で点灯させる。これにより、認証対象者は、自身の認証が完了したと判定し、権限カードをカードリーダー103に読み取らせる動作を行うことになる。また、顔認証装置10の周囲にいるスタッフも黄色のLEDにより、問題なく認証が行われたと認識できる。
【0056】
その後、例えば、ステップS014の権限確認に成功(権限ありと判定)した時点で、制御部110は、ディスプレイ102に「GO」というメッセージを表示し、LED106を青色で点灯させる。これにより、認証対象者は、自身の権限確認が完了したと判定し、ゲートに向かうことができる。また、顔認証装置10の周囲にいるスタッフも青色のLEDにより、問題なく権限確認が行われたと認識できる。
【0057】
また本実施形態では、ステップS007の認証やステップS014の権限確認においてそれぞれ問題が生じた場合も、ディスプレイ102の表示と、LEDの点灯パターンで、認証対象者及びスタッフがそれぞれ状態を把握できるようになっている(
図12参照)。例えば、ステップS007の認証に失敗した場合、
図12の認証失敗状態となる。この場合、制御部110は、ディスプレイ102に「RETRY」の文字を表示し、LED106を黄色で点滅させる。また例えば、ステップS014の権限確認で権限範囲外と判定した場合、
図12の権限なし状態となる。この場合、制御部110は、ディスプレイ102に「STOP」の文字を表示し、LED106を赤色で点灯させる。
【0058】
同様に、何らかの理由によりシステムに異常が検知された場合、
図12のシステム異常状態となる。この場合、制御部110は、ディスプレイ102に「WAIT」の文字を表示し、LED106を赤色で点滅させる。また、第1の実施形態と同様に、カードの個人情報に対応する特徴データを取得できない場合等は、ディスプレイ102に「ERROR」の文字を表示し、LED106を赤色で点灯させることができる。なお、この場合、LED106の点灯状態は、
図12の権限なし状態と同じとなるが、必要に応じてLED106の点灯パターンを変えてもよい。例えば、いずれか一方を、別の色で点灯させたり、通常よりも高速で点滅させる態様などを採用することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、個人IDカードと権限カードを併用したゲートの開閉制御とともに、その動作状態をディスプレイ102と、LED106で、知らせることが可能となっている。これにより、ある人物Aに対し、期間aはゲートxとゲートyの通行を認め、期間aの経過後は、ゲートxの通行を認める一方、ゲートyの通行を不許可とするといったきめ細かい制御を行うことが可能となる。
【0060】
[第3の実施形態]
上記した第1、第2の実施形態では、顔認証装置10側で照合処理を行うものとして説明したが、センターサーバ側で照合処理を行う構成も採用可能である。その場合、
図13に示すように、顔認証装置10aの制御部110aの照合部は省略されることになる。そして、顔認証装置10aは、センターサーバ側に顔の特徴データを送信し、照合結果を受け取り、ディスプレイ102及びLED106をそれぞれ制御することになる。
【0061】
このような第3の実施形態によれば、センターサーバ側で保持している個人の顔の特徴データを顔認証装置10aに送信しないで済むという利点がある。これにより、顔認証装置10aが何らかの攻撃を受けたとしても、個人の顔の特徴データを窃取させずに済むという利点がある。
【0062】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成、メッセージの表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0063】
例えば、上記した実施形態では、壁部材104が側方から見て円弧状に形成されている例を挙げて説明したが、壁部材104の形状はこの形態に限られない。例えば、
図14(a)のように、壁部材104が側方から見て直線状に形成されていてもよい。この場合も、壁部材104が、前記ディスプレイの上端部から、前記カードリーダーの前端部に至るように配置されていることになる。また、例えば、
図14(b)のように、壁部材104が側方から見て四角形状(衝立状)に形成されていてもよい。この場合も、壁部材104が、前記ディスプレイの上端部から、前記カードリーダーの前端部に至るように配置されていることになる。壁部材104の形状は、これらに限られず、前記ディスプレイの上端部から、前記カードリーダーの前端部に至る仮想線よりも利用者側に張り出した形態であればよく、これらを適宜選択して採用することができる。
【0064】
例えば、上記した実施形態では、顔認証装置10がセンターサーバから個人の顔の特徴データを取得するものとして説明したが、カード自体に個人の顔の特徴データが保持されている場合、この個人の顔の特徴データを用いて照合を行うこともできる。この場合、顔認証装置10がネットワークに接続されていなくとも済むという利点がある。
【0065】
また、上記した実施形態では、視線誘導用ライト105として、カメラ101のレンズ外周部を囲むリングライトを用いるものとして説明したが、視線誘導用ライト105の形態はこの形態に限定されない。例えば、カメラ101のレンズの近傍に点光源や小型ディスプレイを配置した構成も採用可能である。
【0066】
また、上記した実施形態では、壁部材104の上端にLED106を配置して、発光部として機能させるものとして説明したが、発光部の構成はこの形態に限定されない。例えば、壁部材104と独立して、LEDや回転灯などを配置して、認証結果を識別できるよう点灯パターンを変更可能な発光部として機能させる構成も採用可能である。
【0067】
また、上記した実施形態では、顔認証装置がゲートを制御する用途を挙げて説明したが、本発明の顔認証装置は、ゲートの制御以外にも適用可能である。例えば、企業等における従業員の出退勤管理システムやホテルなどにおけるチェックインシステムにも適用することができる。
【0068】
また、上記した第1~第3の実施形態に示した手順は、顔認証装置の制御部110として機能するコンピュータ(
図15の9000)に、制御部110としての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、
図15のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インタフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、
図15のCPU9010にて、装置各部の制御プログラムや顔認証プログラム等を実行し、その補助記憶装置9040等に保持された各計算パラメーターの更新処理を実施させればよい。
【0069】
即ち、上記した第1~第3の実施形態に示した顔認証装置の各部(処理手段、機能)は、顔認証装置に搭載されたプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0070】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による顔認証装置参照)
[第2の形態]
上記した顔認証装置は、
さらに、前記壁部材の上端に配置され、認証結果を識別できるよう点灯パターンを変更可能な発光部を備えることが好ましい。
[第3の形態]
上記した顔認証装置の発光部は、
認証成功、認証失敗、及び、カード読み取りエラーの少なくとも3状態を表現可能に構成されていることが好ましい。
[第4の形態]
上記した顔認証装置の前記カードリーダーは、
その前端が、前記ディスプレイの面より、少なくとも前記ディスプレイの面の高さT1以上、手前側に位置するよう配置されていることが好ましい。
[第5の形態]
上記した顔認証装置は、さらに、
前記カメラのレンズ面の近傍に配置された視線誘導用ライトと、
前記認証対象者の接近を検知すると、前記視線誘導用ライトを点灯させる人感センサーと、を備え、前記視線誘導用ライトの発光と連動して撮影動作を行うよう構成されていることが好ましい。
[第6の形態]
上記した顔認証装置は、
さらに、前記カメラにて撮影した顔画像と、事前に撮影され前記カードリーダーにて特定した認証対象者の顔画像と、を照合する照合部を備えていてもよい。
[第7の形態]
上記した顔認証装置は、
所定のセンターサーバに対し、前記カメラにて撮影した顔画像から計算した顔の特徴データを送信し、前記センターサーバから、顔認証の結果を受け取る構成を採ることもできる。
[第8の形態]
上記した顔認証装置の前記壁部材の上端は、側方から見て円弧状に形成されていることが好ましい。
[第9の形態]
(上記第2の視点による顔認証装置の制御方法参照)
また、本発明は以下の付記のようにも記載されます。
(付記1)
立っている又は車いすに座っている認証対象者の顔画像を撮影可能なカメラと、
前記認証対象者に対して情報を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの下方に配置され、前記認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダーと、
前記カメラが撮影した前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果に応じて前記ディスプレイの表示を制御し、判定に用いた前記顔画像を破棄する制御部と、
前記認証対象者以外の人物による前記ディスプレイの覗き見を防止しつつ、前記認証対象者に対して、前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果または前記カードリーダーの読み取りエラーを示す光を、上面の部材から透過させる覗き見防止部と、
を備えた顔認証装置。
(付記2)
前記覗き見防止部はLEDを有し、前記LEDの上面を透明又は透光性のある部材で覆い、前記認証対象者に対して、前記判定の結果、前記カードリーダーによる権限カードの読み取り結果、前記カードリーダーの読み取りエラー、又はシステム異常を示す状態を前記LEDの光を用いて表示しつつ、前記認証対象者以外の人物による前記ディスプレイの覗き見を防止する、付記1に記載の顔認証装置。
(付記3)
前記覗き見防止部は、前記ディスプレイの左右に設けられ、前記カメラ、前記ディスプレイ及び前記カードリーダーと一体構造型の壁である、付記1又は2に記載の顔認証装置。
(付記4)
前記カードリーダーの下方に、鉛直下向きにかけて太さが細くなり、前記カードリーダーと一体構造型の柱を更に有し、
前記カードリーダーは、前方ディスプレイの下方、かつ、前記認証対象者から見て前記ディスプレイよりも手前に配置され、
前記柱は、車いすに座っている認証対象者が前記カードリーダーに対してカードを提示する際に、前記車いすの一部を前記柱と前記カードリーダーとの間に差し込むことが可能な空間を有するように形成される、
付記1~3のいずれか1つに記載の顔認証装置。
(付記5)
立っている又は車いすに座っている認証対象者の顔画像を撮影可能なカメラと、
前記認証対象者に対して情報を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの下方に配置され、前記認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダーと、
前記認証対象者以外の人物による前記ディスプレイの覗き見を防止する覗き見防止部と、を備えた顔認証装置に、
前記認証対象者に対して、前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果または前記カードリーダーの読み取りエラーを示す光を、上面の部材から透過させるステップと、
前記カメラが撮影した前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果に応じて前記ディスプレイの表示を制御し、判定に用いた前記顔画像を破棄するステップと、を実行させる、
顔認証装置の制御方法。
(付記6)
立っている又は車いすに座っている認証対象者の顔画像を撮影可能なカメラと、
前記認証対象者に対して情報を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの下方に配置され、前記認証対象者から提示されたカードを読み取るカードリーダーと、
前記認証対象者以外の人物による前記ディスプレイの覗き見を防止する覗き見防止部と、を備えた顔認証装置としてのコンピュータに、
前記認証対象者に対して、前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果または前記カードリーダーの読み取りエラーを示す光を、上面の部材から透過させる処理と、
前記カメラが撮影した前記認証対象者と前記カードリーダーが読み取ったカードに対応する人物とが同一人物であるか否かの判定結果に応じて前記ディスプレイの表示を制御し、判定に用いた前記顔画像を破棄する処理と、を実行させる、
顔認証装置の制御プログラム。
【0071】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものとみなされる。
【符号の説明】
【0072】
10、10a、10b、10c、100 顔認証装置
101 カメラ
102 ディスプレイ
103 カードリーダー
104 壁部材
105 視線誘導用ライト
106 LED(発光部)
107 サブディスプレイ
108 人感センサー
110、110a 制御部
111 特徴抽出部
112 照合部
120 記憶部
130 通信部
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インタフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置