(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177260
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】患者装置を更新する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20221122BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154880
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2020197854の分割
【原出願日】2015-05-27
(31)【優先権主張番号】2014901999
(32)【優先日】2014-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(71)【出願人】
【識別番号】519212484
【氏名又は名称】レスメド・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】デラングル,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バーチャル,ポール・フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】チャーチル,ドーン・ローズマリー
(72)【発明者】
【氏名】カットクリフ,グレアム・スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,クリストファー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ソマイヤ,チンマイ
(72)【発明者】
【氏名】テンプルトン,ブラッドリー・スコット
(72)【発明者】
【氏名】トラル,ウェンドール・エリック
(72)【発明者】
【氏名】タイラー,マシュー・スコット
(57)【要約】 (修正有)
【課題】患者装置を更新するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】患者データの収集と送信に使用する通信システム700であって、患者装置720~740は、ソフトウエア又はファームウエアのような命令セット726に従って動作する呼吸治療装置を含む。サーバーコンピュータ710は、各患者装置に現在インストールされているソフトウエア及びファームウエアのバージョンを示すコンフィギュレーション・データ718のデータベースを維持し、命令セット更新716を無線ネットワークを含む遠隔外部通信ネットワーク4282経由で送信し、特定の患者装置をコンフィギュレーション・データに基づいて更新のために選択する。患者装置は、更新を実施すると、コンフィギュレーション・データ728をサーバーコンピュータに送信する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療を提供する装置を更新する方法であって、
1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、複数の患者装置に関するコンフィギュレー
ション・データにアクセスするステップであって、前記複数の患者装置のそれぞれは、命
令のセットを実装する、ステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、1つまたはそれ以上の基準を満たすコ
ンフィギュレーション・データを有する1つまたはそれ以上の患者装置を、前記複数の患
者装置から識別するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、命令更新を前記1つまたはそれ以上の
患者装置にネットワークを経由して送信するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記命令更新をインストールした前記
1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれに対する前記コンフィギュレーション・データ
を更新するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、複数の命令更新から、前記1つまたは
それ以上の患者装置に送信すべき命令更新を、前記コンフィギュレーション・データに基
づいて選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたはそれ以上の基準および前記命令更新を選択するステップは、遠隔計算装
置から受信した1つまたはそれ以上の送信に基づいている、請求項1または2に記載の方
法。
【請求項4】
前記命令更新は、
命令更新ファイルの場所を指定するデータ、
前記更新を前記装置のどのコンポーネントに適用すべきかに関する指示、
各装置に対して前記更新を実施するスケジュール時間、
前記更新が適用されるべきとの確認を要求すべきかどうかの指示、
該当する場合、患者の治療が停止されるまで前記更新を適用すべきでないとの指示、
まだ発生していない更新のキャンセルを可能にするデータ構造および機能性、
単一の操作において大量の更新を要求するバッチ能力、および
前記更新のステータスを示す単一の操作において、これらの更新のステータスをチェッ
クする能力、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の患者装置が、呼吸圧力治療装置である、請求項1~4のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項6】
前記命令更新を送信するステップは、検証データを送信するステップをさらに含み、該
検証データは、前記患者装置により使用されて、前記命令更新が首尾よくダウンロードさ
れたことを検証する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記1つまたはそれ以上の患者装置の
それぞれから前記命令更新がインストールされたかどうかの指示を受信するステップをさ
らに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記命令更新が首尾よくインストールされなかったと決定された患者装置のそれぞれに
、前記命令更新を再送信するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記命令更新は、第1の部分および第2の部分を含み、前記患者装置の第1のコンポー
ネントは、前記命令更新の前記第1の部分に従って動作し、第2のコンポーネントは、前
記命令更新の前記第2の部分に従って動作する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方
法。
【請求項10】
前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれからの指し示しは、前記命令セットが首
尾よくインストールされたことを示し、前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、
前記1つまたはそれ以上の患者装置に対する前記命令更新のインストールの成功を識別す
るメッセージを送信するステップをさらに含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方
法。
【請求項11】
前記コンフィギュレーション・データは、a)通し番号、b)前記患者装置に現在イン
ストールされている命令のセットのバージョン、c)ハードウエアのバージョン、および
d)前記患者装置が使用されている領域、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~1
0のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記命令更新は、1つの患者装置に適用すべき複数の更新を含む、請求項1~11のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記コンフィギュレーション・データは、複数の患者装置からの特定の患者装置に、以
前、首尾よくまたは不首尾に適用された命令更新の記録を含む、請求項1~12のいずれ
か一項に記載の方法。
【請求項14】
医療を提供する装置を更新する方法であって、
1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、患者装置の操作の第1の命令セットにアク
セスするステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記第1の命令セットに従って第1の
操作セットを実施するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、遠隔計算装置からネットワークを経由
して更新データを受信するステップと、
更新された命令セットを生成するため、前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより
、前記更新データに従って前記第1の命令セットを更新するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記第1の命令セットの更新が発生し
たことの確認を前記遠隔計算装置に送信するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、更新された命令セットに従って第2の
操作セットを実施するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記患者装置は、呼吸圧力治療装置を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記更新データを受信するステップは、検証データを受信するステップをさらに含み、
前記更新データが首尾よくダウンロードされたかどうかを前記検証データに基づいて決定
するステップをさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
受信した前記更新データが不完全と決定されると、エラーの通知を前記遠隔計算装置に
送信するステップと、
更新データの第2の送信を受信するステップと、
をさらに含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記更新データは、第1の部分および第2の部分を含み、前記患者装置の第1のコンポ
ーネントは、前記更新データの前記第1の部分に従って動作し、第2のコンポーネントは
、前記更新データの前記第2の部分に従って動作する、請求項14~17のいずれか一項
に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の命令セットおよび更新された命令セットは、ソフトウエアおよびファームウ
エアのうちの少なくとも1つを含む、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の命令セットの更新が発生したとの確認を送信するステップは、前記患者装置
に現在インストールされているソフトウエアおよびファームウエアのうちの少なくとも一
方のバージョンを示すコンフィギュレーション・データを送信するステップを含む、請求
項14~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記患者装置が前記命令更新により識別されたビルド標準を満足するかどうかを決定す
るステップをさらに含み、前記第1の命令セットを更新するステップは、前記患者装置が
前記ビルド標準を満足するとの決定に基づいて発生する、請求項14~20のいずれか一
項に記載の方法。
【請求項22】
1つまたはそれ以上の計算装置を含む、医療を提供する装置を更新するシステムであっ
て、該1つまたはそれ以上の計算装置は、
それぞれ命令のセットを実装する複数の患者装置に関するコンフィギュレーション・デ
ータにアクセスし、
1つまたはそれ以上の基準を満足するコンフィギュレーション・データを有する1つま
たはそれ以上の患者装置を前記複数の患者装置から識別し、
命令更新を前記1つまたはそれ以上の患者装置に送信し、
前記命令更新をインストールした前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれに対し
て前記コンフィギュレーション・データを更新する、
ように構成されている、システム。
【請求項23】
前記1つまたはそれ以上の計算装置は、複数の更新から前記1つまたはそれ以上の患者
装置に提供すべき命令更新を、前記コンフィギュレーション・データに基づいて選択する
ように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記1つまたはそれ以上の計算装置は、1つまたはそれ以上の送信を遠隔計算装置から
受信するようにさらに構成され、前記1つまたはそれ以上の送信は、前記1つまたはそれ
以上の基準および前記命令更新を識別する、請求項22または23に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数の患者装置は、呼吸圧力治療装置である、請求項22~24のいずれか一項に
記載のシステム。
【請求項26】
前記命令更新は、
命令更新ファイルの場所を指定したデータ、
前記更新を前記装置のどのコンポーネントに適用すべきかに関する指示、
前記更新をそれぞれの装置に対して実施するスケジュール時間、
前記更新を適用すべきとの確認を要求すべきかどうかの指示、
該当する場合に、患者の治療が停止されるまで前記更新を適用しないとの指示、
まだ発生していない更新のキャンセルを可能にするデータ構造および機能性、
単一の操作において大量の更新を要求するバッチ能力、および、
前記更新のステータスを示す単一の操作においてこれらの更新のステータスをチェック
する能力、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記命令更新を送信するステップは、前記1つまたはそれ以上の患者装置に対する検証
データを送信して、受信した前記命令更新が完全であることを検証するステップをさらに
含む、請求項22~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記コンフィギュレーション・データは、a)通し番号、b)前記患者装置に現在イン
ストールされている命令のセットのバージョン、c)ハードウエアのバージョン、および
d)前記患者装置が使用されている領域、のうちの少なくとも1つを含む、請求項22~
27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記1つまたはそれ以上の計算装置は、前記命令更新が首尾よくインストールされなか
ったと決定された患者装置のそれぞれに前記命令更新を再送信するようにさらに構成され
る、請求項22~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記1つまたはそれ以上の計算装置は、
前記命令更新がインストールされたとの指示を前記1つまたはそれ以上の患者装置のそ
れぞれから受信し、
前記命令更新のインストールの成功を示すメッセージを前記1つまたはそれ以上の患者
装置に送信する、
ようにさらに構成される、請求項22~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記命令更新は、1つの患者装置に適用すべき複数の更新を含む、請求項22~30の
いずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記コンフィギュレーション・データは、複数の患者装置からの特定の患者装置に、以
前、首尾よくまたは不首尾に適用された命令更新の記録を含む、請求項22~31のいず
れか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年5月27日に出願されたオーストラリア国仮出願番号20149
01999の利益を主張するものであり、その全開示は、参照により本明細書に包含され
る。
【0002】
本技術は、呼吸器関連疾患の検出、診断、治療、予防および改善のうちの1つまたはそ
れ以上に関する。とりわけ本技術は、医療装置または器具、それらの使用および更新に関
する。
【背景技術】
【0003】
1.2(2)関連技術の説明
1.2.1 ヒト呼吸器系とその疾患
身体の呼吸器系はガス交換を促進する。鼻と口が患者の気道の入口を形成する。
【0004】
気道は一連の枝管を含み、それらは肺に深く入るにつれて狭く、短くそしておびただし
くなる。肺の主要機能はガス交換であり、酸素は空気から静脈血に入り、二酸化炭素が運
び出される。気管は左右の主気管支に分かれ、さらに分岐して最後に終末細気管支となる
。気管支は誘導気道を構成し、ガス交換には関与しない。気道をさらに分割すると呼吸細
気管支となり、最終的に肺胞となる。ガス交換が行われる肺の胞状の領域は、呼吸領域と
呼ばれる。John B. West著「呼吸生理学」Lippincott Will
iams & Wilkins、第9版、2011年発行を参照。
【0005】
一連の呼吸器疾患が存在する。呼吸器疾患のいくつかの例には閉塞性睡眠時無呼吸(O
SA)、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、肥満過呼吸症候群(OHS)、慢性閉塞
性肺疾患(COPD)、神経筋疾患(NMD)または胸壁疾患が含まれる。
【0006】
別の面では、健常な個人はシステムと装置の利点を生かして、呼吸疾患の発症を防止す
ることができる。
【0007】
1.2.2 治療
鼻持続的気道陽圧(CPAP)療法は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療に用いら
れてきた。この仮説は、持続的気道陽圧が空気的副子として作用し、軟口蓋と舌を前方に
押して、後口咽頭壁から離せば、上気道の閉塞を防止できると言うものである。
【0008】
非侵襲的換気(NIV)は、患者が十分に呼吸しおよび/または適切な酸素レベルを体
内に維持するのを支援するために、呼吸作業の一部またはすべてを行って、上気道を通し
て患者に換気補助を提供する。換気補助は患者インタフェースを経由して提供される。N
IVはCSR,OHS,COPD,MDおよび胸壁疾患の治療に使用されてきた。
【0009】
侵襲的換気(IV)は、もはや自分で効果的に呼吸できない患者に換気補助を提供し、
気管切開チューブを使用して提供される。
【0010】
人工呼吸器は、患者に供給される呼吸のタイミングと圧力を制御でき、患者が行う呼吸
をモニターできる。患者を制御しモニターする方法は、典型的には従量式と圧力サイクル
式方法を含む。従量方法はとりわけ、圧力調整容量制御(PRVC)、容量換気(VV)
と容量制御連続強制換気(VC-CMV)技術を含む。圧力サイクル式はとりわけ支援制
御(AC)、同期間欠強制換気(SIMV)、調節機械換気(CMV)、圧力補助換気(
PSV)、持続的陽圧呼吸(CPAP)または呼吸終末陽圧技術(PEEP)を含む。
【0011】
1.2.3 システム
治療システムは、呼吸圧力治療装置(RPT装置)、空気回路、加湿器、患者インタフ
ェースおよびデータ管理を含む。
【0012】
1.2.4 患者インタフェース
患者インタフェースは、例えば呼吸できるガスの流れを提供することによって、呼吸装
置をそのユーザーに接続するのに使用できる。呼吸できるガスの流れは、鼻および/また
は口へのマスク、口へのチューブまたは患者の気管への気管開口チューブを経由して提供
される。適用する治療法次第で、患者インタフェースは、例えば患者の顔の部分とでシー
ルを形成してもよく、治療が効果をもたらすように周囲圧力と十分に相違した圧力で、例
えば周囲圧力に対して約10cmH2Oの陽圧で、ガスを送出する。酸素の送出のような
ほかの治療の形態では、約10cmH2Oの陽圧でのガスの気道への供給を容易にするの
に十分なシールを患者インタフェースに含めなくてもよい。
【0013】
患者インタフェースのデザインにはいろいろな難問がある。顔面は複雑な3次元の形状
をしている。鼻の大きさと形は個人間でかなり異なる。頭部には骨、軟骨と軟組織があり
、顔面の異なる領域は機械的な力に対して異なる反応をする。顎または下顎は頭蓋のほか
の骨に関連して動くことがある。頭全体が呼吸治療の間に動くことがある。
【0014】
これらの難問のために、マスクによっては、ひどく目立つ、審美的に好ましくない、コ
ストが高い、装着が不十分である、使用困難である、及び、特に長期間の着用または患者
がシステムに不慣れの場合に不快である、のうちの1つまたはそれ以上の問題に悩まされ
る。例えば、飛行士専用にデザインされたマスク、個人の保護装置の一部としてデザイン
されたマスク(例えば、フィルターマスク)、SCUBAマスク、または麻酔薬投与のた
めのマスクは、本来の適用には耐えるが、長期間、例えば数時間着用するのは好ましくな
いほど不愉快である。睡眠中にマスクを着用しなければならない場合は特にそうである。
【0015】
患者が治療に従う限り、鼻CPAP治療はある呼吸器疾患の治療に特に効果的である。
マスクが不愉快であるか使用困難であれば、患者は治療に従わないかもしれない。患者は
自分のマスクを定期的に洗浄するようしばしば推奨されているので、マスクの洗浄が困難
であれば(例えば、組立または分解が困難)、患者は自分のマスクを洗浄しないかもしれ
ず、これは患者のコンプライアンスに影響を与える。
【0016】
その他の適用(例えば、飛行士)のためのマスクを睡眠呼吸障害に使用するのは適切で
ないかもしれないが、睡眠呼吸障害に使用するようデザインされたマスクはその他の適用
に適しているかもしれない。
【0017】
これらの理由により、睡眠中の鼻CPAPの送出のための患者インタフェースは独特な
分野である。
【0018】
1.2.4.1 シール形成部
患者インタフェースはシール形成部を含む。これは患者の顔面と直接接触するので、シ
ール形成部の形状と形態は患者インタフェースの有効性と快適さに直接影響を与えること
がある。
【0019】
患者インタフェースは、シール形成部分が使用中の顔面の何処と当たるかのデザイン意
図によって、一部特徴付けられる。患者インタフェースの1つの形態において、シール形
成部は左と右のそれぞれの鼻孔に当たる2つの準部分を持つことができる。患者インタフ
ェースの一形態において、シール形成部分は使用中に両方の鼻孔を囲む単一のエレメント
であってよい。このような単一のエレメントは、例えば顔面の上唇領域と鼻梁領域を覆う
ようにデザインしてよい。患者インタフェースの一形態において、シール形成部分は例え
ば顔面の下唇領域上にシールを形成するなど、使用中の口の領域を囲むエレメントで成っ
てよい。患者インタフェースの一形態において、シール形成部分は使用中の両方の鼻孔と
口の部分を囲む単一のエレメントで成ってよい。患者インタフェースのこれらの異なるタ
イプは、それらの製造者が付けた種々の名称で知られており、鼻マスク、顔全体マスク、
鼻枕、鼻噴霧および口-鼻マスクが含まれる。
【0020】
患者の顔の一領域での効果的なシール形成部分は、患者の顔の形状、構造、ばらつきお
よび敏感な部分が異なるので、別の領域には適していないことがある。例えば、患者の額
を覆う水中メガネのシールを患者の鼻に使用するには適当でない。
【0021】
1つのデザインがさまざまな異なる顔の形状および大きさに適し、快適で効果的である
のように、或るシール形成部を大量生産用にデザインすることができる。患者の顔の形状
と大量生産された患者のインタフェースのシール形成部の間で不整合ができるまで、1つ
または両方を適合させてシールを形成しなければならない。
【0022】
シール形成部分の1つのタイプは、患者インタフェースの周辺付近に伸び、シール形成
部分が患者の顔に係合しようとしており、力が患者インタフェースに加えられた時に患者
の顔に抗してシールするように意図される。シール形成部分は、空気または液体で充満さ
れたクッション、またはゴムのようなエラストマーでできた弾力性のあるシールエレメン
トの成形または形成面を含むことができる。このタイプのシール形成では、適合が適切で
なければ、シール形成部分と顔の間にギャップがあり、シールを形成するために顔に抗し
て患者インタフェースに追加の力を加える必要がある。
【0023】
シール形成部のもう1つのタイプは、マスクの周辺近辺に位置した薄い材料でできたフ
ラップシールを含み、マスク内に陽圧がかかると患者の顔に抗してセルフシーリングを行
う。シール形成部分の以前のタイプのように、顔面とマスクとの間の適合が良好でないと
、シールを形成するのに追加の力が必要になるかまたはマスクから漏れが生じる。さらに
、シール形成部分の形状が患者のそれに適合しない場合、使用中にしわが生じたり曲がっ
たりすることがあり、漏れが発生する。
【0024】
シール形成部分のもう1つのタイプは、例えば鼻孔への挿入のような摺合せエレメント
を含むことができる。
【0025】
シール形成部分のもう1つの形態は、接着剤を使ってシールを達成する。顔面に接着剤
を絶えず適用しこれを除去するのが不便と感じる患者もいる。
【0026】
ResMed Limitedに譲渡された下記の特許出願に、さまざまな患者インタ
フェース・シール形成部の技術が開示されている:WO1998/004,310、WO
2006/074,513、WO2010/135,785。
【0027】
鼻枕の一形態がPuritan Bennettが製造するAdam Circuit
に見出される。もう1つの鼻枕または鼻噴霧はPuritan-Bennett Cor
porationに譲渡された米国特4,782,832(Trimbleほか)の題目
である。
【0028】
ResMed Limitedは、鼻枕を組み込んだ以下の製品を製造した:SWIF
T鼻枕マスク、SWIFTII鼻枕マスク、SWIFT LT鼻枕マスク、SWIFT
FX鼻枕マスクおよびLIBERTYフルフェース・マスク。RedMedに譲渡された
以下の特許出願に、鼻枕マスクが記述されている。国際特許出願WO2004/073,
778(とりわけRedMed SWIFT鼻枕の特徴を記載)、米国特許出願2009
/0044808(とりわけRedMed SWIFT LT鼻枕の特徴を記載)、国際
特許出願WO2005/063,328とWO2006/130,903(とりわけRe
sMed LIBERTYフルフェース・マスクの特徴を記載)、国際特許出願WO20
09/052,560(とりわけResMed SWIFT FX鼻枕の特徴を記載)。
【0029】
1.2.4.2 位置決めと安定化
陽圧空気治療に使用する患者インタフェースのシール形成部は、シールを崩壊しようと
する空気圧の対応する力の影響を受ける。このようにシール形成部を位置決めし、それを
顔の適当な位置とシーリングの関係を維持するために様々な技術が使用されてきた。
【0030】
1つの技術に接着剤の使用がある。例えば米国特許公開US2010/0000534
を参照。
【0031】
もう1つの技術として、1つまたはそれ以上のひもと安定化装着帯の使用がある。この
ような装着帯の多くは、1つまたはそれ以上の不適合、かさばる、不快および使用がぎこ
ちない、の問題に悩まされる。
【0032】
1.2.5呼吸圧力治療(RPT)装置
睡眠呼吸障害の治療に用いられる1つの既知のRPTは、ResMedが製造するS9
Sleep Therapy Systemである。もう1つのRPT装置の実施例は
人工呼吸器である。成人および小児用人工呼吸器のResMed StellarTMシ
リーズのような人工呼吸器は、NMD、OHSおよびCOPD(ただしこれらに限定され
ない)のような多くの疾患を治療しているさまざまな患者のために侵襲および非侵襲非依
存人工呼吸器のサポートを提供できる。RPT装置は流れ発生器としても知られている。
【0033】
ResMed Elisee(商標)150人工呼吸器とResMed VS III
(商標)人工呼吸器は、成人および小児患者の多数の疾患の治療に適した侵襲および非侵
襲依存人工呼吸器を提供することができる。これらの人工呼吸器は、単一または二重肢回
路の付いた容積式換気モードと気圧式換気モードを提供する。
【0034】
RPT装置は、典型的にはモーター駆動の送風機または圧縮ガスリザーバのような圧力
発生器から成り、患者の気道に空気の流れを供給するように構成される。場合によっては
、空気流を陽圧で患者の気道に供給することができる。RPT装置の出口は、空気回路を
経由して上記の患者のインタフェースに接続される。
【0035】
RPT装置は典型的には入口フィルター、いろいろなセンサーおよびマイクロプロセッ
サーをベースにしたコントローラーも含む。送風機はサーボ制御のモーター、ボリュート
およびインペラーを含む。場合によってはモーターのためのブレーキを組み込んで、モー
ターとインペラーの慣性に打ち勝って送風機の速度をより速やかに減速できる。ブレーキ
ングによって送風機が低圧状態をより速やかに時間内に達成して、慣性にもかかわらず呼
気との同期を行う。場合によっては圧力発生器は、モーター速度の制御の代替として、患
者に吐出される圧力を変更する手段として発生した空気を大気へ吐出できるバルブを含む
ことができる。センサーはとりわけモーター速度、質量流量および圧力変換器などによる
出口圧力を測定する。コントローラーは統合データ検索および表示機能の付いたまたは付
いていないデータ記憶容量を含むことができる。
【0036】
【0037】
1.2.6 加湿器
加湿なしに呼吸できるガスの流れを送出すると、気道が乾燥することがある。医療用加
湿器は、呼吸できるガスの流れの湿度および/または温度を周囲空気に対して、要求があ
れば、典型的には患者が睡眠中または休息中に(例えば病院において)上げるのに使用さ
れる。その結果、医療用加湿器は好ましくはベッドの横に置くように小さくてよく、患者
の周囲を加湿および/または加熱しないで、患者に送出された呼吸できるガスの流れだけ
を加湿および/または加熱するように構成できる。例えば、部屋をベースにしたシステム
(例えば、サウナ、空調装置、蒸発冷却器)も患者が呼吸する空気を加湿できるが、これ
らのシステムは部屋全体を加湿および/または加熱することになり、居住者に不快をもた
らすことがある。
【0038】
流れ発生器またはRPT装置および患者インタフェースと共に加湿器を使用すると、加
湿されたガスが生成され、これが鼻粘膜の乾燥を最小限に抑え、患者の気道の快適さを増
す。加えて、涼しい気候では、暖かい空気がインタフェースの中の患者の顔およびその周
りに広く当たると、冷たい空気よりずっと快適である。
【0039】
いろいろな形態の呼吸用加湿器があり、空気回路を経て呼吸装置に連結された自立型は
関連の呼吸装置に組込まれるかまたは連結されるように構成されるものがある。既知の受
動的な加湿器はある安堵を提供できるが、一般に加熱加湿器は患者が快適であるように十
分な湿度と温度を提供する。加湿器は典型的には数百ミリリットル(ml)の容量を有す
る水リザーバーまたはタブ型容器、リザーバーの中の水を加熱する加熱エレメント、加湿
のレベルを変更できる制御装置、流れ発生器またはRPT装置からのガスを受け入れるガ
ス入口および加湿されたガスを患者インタフェースへ吐出する空気回路に接続できるよう
に適合されたガス出口を含む。
【0040】
加熱したパスオーバー加湿は、RPT装置で使用される加湿の形態の一般的な形態であ
る。このような加湿器において加熱エレメントは、水タブの下にあって水タブと熱的接触
にあるヒータープレートに組み込むことができる。このように熱は主として伝導によって
ヒータープレートから水リザーバーに伝えられる。RPT装置からの空気の流れは水タブ
の中の加熱された水を通り、その結果水蒸気が空気の流れに持ち去られる。ResMed
H4i(商標)とH5i(商標)加湿器はこのような加熱パスオーバー加湿器の例であ
り、それぞれRsdMed S8およびS9 CPAP装置と組み合わせて使用する。
【0041】
その他の加湿器、例えば泡または拡散加湿器、ジェット加湿器またはウイッキング加湿
器も使用される。泡または拡散加湿器において、空気は水表面の下を通り表面に泡となっ
て現れる。ジェット加湿器は水のエアロゾルを生成し、加湿器を出る前に粒子が除去され
るかまたは蒸発するようにバッフルまたはフィルターを使用する。ウイッキング加湿器は
スポンジまたは紙のような水を吸収する材料を使用し、毛細管現象によって水を吸収する
。吸収材料の中の蒸発が空気流に持ち去られるように、水吸収材料は空気流路の中または
少なくともその一部に隣接させて置く。
【0042】
加湿の代替の形態は、ResMed HumiCare(商標)D900加湿器によっ
て提供される。この加湿器はCounterStream(商標)技術を使用して空気流
を第1の方向の大きい表面に向け、一方加熱された水を第2の方向の大きい表面積に供給
する。ResMed HumiCare(商標)D900は、さまざまな侵襲または非侵
襲の人工呼吸器で使用できる。
【発明の概要】
【0043】
本開示の態様は、患者装置をネットワーク経由で更新する、コンピュータにより実施さ
れる方法を提供する。この方法は複数の患者装置に関連したコンフィギュレーション・デ
ータ(構成データ)にアクセスすることを含むことができ、ここに前記複数の患者装置の
それぞれは命令のセットを実装する。この方法は、また、前記複数の患者装置から、1つ
またはそれ以上の基準を満たすコンフィギュレーション・データを有する1つまたはそれ
以上の患者装置を識別することと、2つ以上の更新が提供される場合に、前記コンフィギ
ュレーション・データが、命令更新が前記1つまたはそれ以上の患者装置に現在インスト
ールされていないことを示す前記1つまたはそれ以上の患者装置に提供すべき前記命令更
新を選択することと、を含む。この方法は、また、前記1つまたはそれ以上の患者装置に
前記命令更新を送信することと、前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれが首尾よ
く前記命令更新をインストールしたかどうかを決定することと、を含む。さらに、前記コ
ンフィギュレーション・データは、前記命令更新を首尾よくインストールした前記1つま
たはそれ以上の患者装置のそれぞれに対して更新されることができる。
【0044】
もう1つの態様において、前記命令更新は下記の少なくとも1つを含むことができる:
命令更新ファイルの場所を指定するデータ;装置のどのコンポーネントに前記更新を適用
すべきかについての指示;各装置に前記更新を実施するスケジュール時間;前記更新が適
用されるべきとの確認を要求すべきかどうかの指示;該当する場合、患者の治療が停止さ
れるまで前記更新を適用しないとの指示;まだ発生していない更新のキャンセルを可能に
するデータ構造と機能性;単一操作において大量の更新を要求するバッチ能力;および、
前記更新のステータスを示す単一操作においてこれらの更新のステータスをチェックする
能力。
【0045】
前記1つまたはそれ以上の基準と命令更新を選択することは、遠隔計算装置(遠隔コン
ピューティングデバイス)、例えば臨床医またはサービス員のコンピュータ、から受信し
た1つまたはそれ以上の送信に基づくことができる。さらに命令更新を選択するステップ
は、遠隔計算装置のユーザーからの受信入力に基づくことができ、該受信入力は、複数の
命令更新からの前記命令更新を示す。前記命令更新を送信することは、検証データを送信
することをさらに含み、ここに、検証データは、患者装置が使用して、該受信した命令更
新が完了したことを検証する。この場合、前記更新が“完了した”との表現は、前記更新
が決して破損または変更されていないことを示すことも意味している。前記命令更新は、
前記命令更新が首尾よくインストールされなかったと決定された各装置に再送信されるこ
とができる。
【0046】
さらにもう1つの態様によれば、前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれからの
指し示しは、前記命令セットが首尾よくインストールされたことを示し、計算装置にメッ
セージが送信され、ここに、このメッセージは、前記1つまたはそれ以上の患者装置に対
する前記命令更新が首尾よくインストールされたことを特定する。前記コンフィギュレー
ション・データは、少なくとも次のうちの1つを含む:a)通し番号、b)前記患者装置
に現在インストールされている命令のセットのバージョン、c)ハードウエアのバージョ
ン、d)前記患者装置が使用されている領域、およびe)前記患者装置に以前に首尾よく
適用された、または、されなかった前記命令更新の記録。
【0047】
さらにもう1つの態様によれば、前記複数の患者装置は、呼吸圧力治療装置であること
ができる。前記コンフィギュレーション・データは次のうちの少なくとも1つを含むこと
ができる:a)通し番号、b)前記患者装置に現在インストールされている命令のセット
のバージョン、c)ハードウエアのバージョン。加えて、前記命令更新は、第1の部分お
よび第2の部分を含み、ここで、前記患者装置の第1のコンポーネントは、前記命令更新
の前記第1の部分に従って動作し、第2のコンポーネントは、前記命令更新の前記第2の
部分に従って動作する。
【0048】
もう1つの態様において、医療を提供する装置を更新する方法は、患者装置の操作につ
いて第1の命令セットにアクセスすることと、該第1の命令セットにしたがって第1の操
作セットを実施することと、遠隔計算装置からネットワークを通して更新データを受信す
ることと、該更新データにそたがって前記第1の命令セットを更新して、更新された命令
セットを生成することと、前記第1の命令セットの更新が行われたことの確認を前記遠隔
計算装置に送信することと、該更新された命令セットにしたがって第2の操作セットを実
施することと、を含むことができる。
【0049】
この方法は、検証データを受信することを含み、該受信した更新データが完全なものか
どうかを決定することをさらに含む。該受信した更新データが不完全と決定されると、前
記患者装置は、エラー通知を前記遠隔計算装置に送信し、更新データの第2の送信を受信
することができる。
【0050】
本技術は制限ではなく、実施例によって説明され、添付の図面における数字において同
じ参照番号は同じエレメントを参照する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1a】[3.1 治療システム]本技術によるシステムを示す図である。鼻枕の形態の患者インタフェース3000を着用した患者1000は、RPT装置4000から陽圧の空気の供給を受ける。RPT装置からの空気は加湿器5000で加湿され、空気回路4170を通って患者1000に供給される。
【
図1b】鼻マスクの形態の患者インタフェース3000を着用し、RPT装置4000から陽圧の空気の供給を受ける患者1000を含むシステムを示す図である。RPT装置からの空気は加湿器5000で加湿され、空気回路4170を通って患者1000に送られる。
【
図1c】フルフェース・マスクの形態の患者インタフェース3000を着用し、RPT装置から陽圧の空気の供給を受ける患者1000を含むシステム示す図である。RPT装置からの空気は加湿器5000で加湿され、空気回路4170を通って患者1000に送られる。
【
図2a】[3.2 治療]<3.2.1 呼吸システム> 鼻腔と口腔、喉頭、声帯、食道、気管、気管支、肺、肺胞嚢、心臓および横隔膜を含むヒト呼吸器系統の概観を示す図である。
【
図2b】鼻腔、鼻骨、外側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻、上唇、下唇、喉頭、硬口蓋、軟口蓋、中咽頭、舌、喉頭蓋、声帯ひだ、食道および気管を含むヒト上気道の概観を示す図である。
【
図2c】<3.2.2 顔の解剖学>上唇、上赤唇、下赤唇、下唇、口の幅、エンドカンチオン、鼻翼、ホウレイ線およびケイリオンが識別された体表解剖学のいくつかの特徴を示した顔の正面図である。
【
図3a】[3.3 患者インタフェース]先行技術において知られている患者インタフェースの一例を示す図である。
【
図4a】[3.4 呼吸圧力治療(RPT)装置]本技術の一形態によるRPT装置を示す図である。
【
図4b】本技術の一形態によるRPT装置の空気回路の模式図である。上方向と下方向が示されている。
【
図4c】本技術の一形態によるRPT装置の電気的コンポーネントの模式図である。
【
図5a】[3.5 加湿器]本技術の一態様による加湿器を示す図である。
【
図6a】[3.6 呼吸波形]ヒトの睡眠時の典型的な呼吸波形のモデルを示す図である。横軸が時間を表し、縦軸は呼吸流量を表している。パラメータ値が変動すると、典型的な呼吸は次のような概略値を示す:1回換気量、Vt,0.5L,吸入時間、Ti,1.6s,最大吸気流量、Qpeak,0.4L/s,呼気時間、Te,2.4s,最大呼気流量,Qpeak,-0.5L/s。呼吸の全持続時間Ttotは約4sである。ヒトは人工呼吸器装置を使用して典型的には1分あたり約15回の割合で(BPM)呼吸する。Vent約7.5L/s。典型的な負荷サイクル(デューティサイクル)、TiとTtotの比は約40%である。
【
図7】[3.7 データ管理システム]患者データの収集と送信に使用する一例の通信システム700を示す図である。患者装置720、730および740のそれぞれは、RPT4000、加湿器5000および患者インタフェース3000を含む。
【
図8】患者装置によって実装された更新命令セットに関して本明細書で開示された患者装置で実施される操作のフローチャートを示す図である。
【
図9】本明細書で開示されたサーバーのような計算装置で実施することのできる操作のフローチャート900を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本技術をさらに詳細に説明する前に、本技術は本明細書に記載された変わることのある
特定の実施例に限定されないことを理解されたい。またこの開示で使用されている専門用
語は、本明細書中で議論される特定の実施例のみを記述するのが目的であり、限定する意
図のないことを理解すべきである。
【0053】
4.1 治療システム
1つの形態において、本技術は呼吸疾患を治療する器具を含む。この器具は空気のよう
な加圧された呼吸できるガスを、患者インタフェース3000に至る空気吐出チューブを
経て患者1000に供給する流れ発生器または送風機を含む。
【0054】
4.2 治療
1つの形態において、本技術は陽圧を患者1000の気道入口に適用するステップを含
む呼吸疾患を治療する方法を含む。
【0055】
4.2.1 OSAのための鼻CPAP
1つの形態において、本技術は鼻持続的気道陽圧を患者に適用することによって閉塞性
睡眠時無呼吸(OSA)を治療する方法を含む。
【0056】
4.3 患者インタフェース3000
本技術の一形態による非侵襲型患者インタフェース3000は以下の機能面を有する:
シール形成構造3100、プレナムチャンバー3200、位置決めおよび安定化構造33
00、ベント3400および空気回路4170へ接続するための接続ポート3600。い
くつかの形態において、機能面は1つまたはそれ以上の物理的コンポーネントによって提
供されてよい。いくつかの形態において、1つの物理的コンポーネントが1つまたはそれ
以上の機能面を提供できる。使用中は、シール形成構造3100が気道入口を取り巻くよ
うに配置され空気を陽圧で気道に供給する。
【0057】
4.3.1 シール形成構造3100
本技術の一形態において、シール形成構造3100はシール形成面を提供し、さらにク
ッション機能を提供できる。
【0058】
本技術によるシール形成構造3100はシリコンのような柔らかく、柔軟で弾力性のあ
る材料で構築できる。
【0059】
1つの形態において、シール形成構造3100はシーリングフランジおよび支持フラン
ジを含む。好ましくはシーリングフランジは、厚さが例えば約0.25mmから約0.4
5mmの約1mm未満で、プレナムチャンバー3200の周辺3210の周りに伸びる比
較的薄い部材を含む。支持フランジはシーリングフランジより相対的に厚くてよい。支持
フランジはシーリングフランジとプレナムチャンバー3200の周縁エッジの間に配置さ
れ、少なくとも周辺3210の周りに伸びる。支持フランジは、ばね様エレメントであり
、あるいはそれを含み、使用中にシーリングフランジが曲がるのを支援する。使用中は、
シーリングフランジはプレナムチャンバー3200におけるシステム圧力に直ちに反応で
き、その裏面に作用して顔としっかりしたシーリング係合をするよう促す。
【0060】
1つの形態において、非侵襲患者インタフェース3000のシール形成部は一対の鼻噴
霧または鼻枕を含み、それぞれの鼻噴霧または鼻枕は患者の鼻のそれぞれの鼻孔とシール
を形成するように構築されかつ配置される。
【0061】
本技術の態様による鼻枕は、下記を含む;少なくともその一部が患者の鼻の下でシール
を形成する切頭円錐;円錐の下面の柔軟な領域で円錐を脚に接続している脚。さらに本技
術の鼻枕が接続される構造は、脚の基部に隣接した柔軟な領域を含む。柔軟な領域は一致
して自在継手を作り、切頭円錐と鼻枕が接続されている構造の変位と角変位の両方に対応
する。例えば切頭円錐は、脚が接続されている構造に向けて軸方向に変位できる。
【0062】
1つの形態において、非侵襲患者インタフェース3000は使用中に患者の顔の唇領域
(即ち上唇)上でシールを形成するシール形成部を含む。
【0063】
1つの形態において、非侵襲患者インタフェース3000は使用中に患者の顔の顎の領
域にシールを形成するシール形成部を含む。
【0064】
4.3.2 プレナムチャンバー3200
好ましくはプレナムチャンバー3200は、使用中にシールが形成される領域における
平均的なヒトの顔の表面輪郭を補完するように形作られた周辺3210を有する。使用中
は、プレナムチャンバー3200の周縁エッジは顔の隣接する表面に接近して置かれる。
顔との実際の接触はシール形成構造3100によって提供される。好ましくは、シール形
成構造3100は使用中はプレナムチャンバー3200の周辺全域3210の周りに伸び
る。
【0065】
一形態において、プレナムチャンバー3200は患者の鼻孔を取り巻きおよび/または
これと流体連通しており、ここではプレナムチャンバー3200は(例えば
図1bに示す
ように)鼻マスクの一部である。もう1つの形態において、プレナムチャンバー3200
は患者の鼻孔と口を取り巻きおよび/またはこれらと流体連通しており、ここではプレナ
ムチャンバー3200は(例えば
図1cに示すように)フルフェース・マスクの一部であ
る。さらに別の形態では、プレナムチャンバー3200は患者の1つまたはそれ以上の鼻
孔と係合しおよび/または流体連通しており、ここではプレナムチャンバー3200は(
例えば
図29に示すように)鼻枕の一部である。
【0066】
4.3.3 位置決めと安定化構造3300
好ましくは、本技術の患者インタフェース3000のシール形成構造3100は、使用
中は位置決めおよび安定化構造3300によってシーリング位置に保持される。
【0067】
4.4 RPT装置4000
本技術の特徴を実装するのに適切な実施例のRPT装置4000は、機械的および空気
的コンポーネント4100および電気的コンポーネント4200を含み、本明細書を通じ
て記述される1つまたはそれ以上の制御方法論またはアルゴリズムを実行するようプログ
ラムできる。RPT装置は好ましくは外部ハウジング4010の上部4012と外部ハウ
ジング4010の低部4014の2つに形成された外部ハウジング4010を有する。代
替の形態では、外部ハウジング4010は1つまたはそれ以上のパネル(複数)4015
を含む。好ましくはRPT装置4000は、RPT装置4000の1つまたはそれ以上の
内部コンポーネントを支持するシャーシ4016を含む。1つの形態において、空気ブロ
ック4020はシャーシ4016で支持されるかまたはその一部として形成される。RP
T装置4000はハンドル4018を含むことができる。
【0068】
RPT装置4000の空気路は好ましくは入口空気フィルター4112、入口マフラー
4122、陽圧の空気を供給できる(好ましくは送風機4142により)制御できる圧力
装置4140および出口マフラー4124を含む。空気路には1つまたはそれ以上の圧力
変換器4272および流れセンサー4274が含まれる。
【0069】
好ましい空気ブロック4020は、外部ハウジング4010内に位置した空気路の一部
を含む。
【0070】
RPT装置4000は好ましくは電源4210、1つまたはそれ以上の入力装置422
0、中央コントローラー4230、治療装置コントローラー4240および/または以前
に記述された任意のコントローラー、圧力装置4140、1つまたはそれ以上の保護回路
4250、変換器4270、データ通信インタフェース4280および1つまたはそれ以
上の出力装置4290を有する。電気コンポーネント4200は単一のプリント回路基板
アセンブリー(PCBA)4202上に実装される。代替の形態として、RPT装置40
00は1つ以上のPCBA 4202を含むことができる。
【0071】
1つまたはそれ以上のプロセッサーを含むことができるRPT装置4000の中央コン
トローラー4230は、1つまたはそれ以上のアルゴリズムのモジュールを実行するよう
にプログラムでき、好ましくは事前処理モジュール、治療エンジンモジュール、圧力制御
モジュールおよびさらに好ましくは故障状態モジュールを含むことができる。該コントロ
ーラーは、本明細書を通じて記述される1つまたはそれ以上のベント制御方法論を組み込
んだベント制御モジュールをさらに含むことができる。
【0072】
4.4.1 RPT装置機械的および空気的コンポーネント4100
4.4.1.1 空気フィルター(複数)4110
本技術の一形態によるRPT装置は、空気フィルター4110または複数のフィルター
4110を含むことができる。
【0073】
1つの形態において、入口空気フィルター4112は空気送風機(ブロワー)4142
の上流の空気路の先頭に位置している。
図4bを参照。
【0074】
1つの形態において、例えば抗菌フィルターのような出口空気フィルター4114は空
気ブロック4020の出口と患者インタフェース3000の間に位置している。
図4bを
参照。
【0075】
4.4.1.2 マフラー(複数)4120
本技術の一形態において、入口マフラー4122は送風機4142の上流の空気路に位
置している。
図4bを参照。
【0076】
本技術の一形態において、出口マフラー4124は送風機4142と患者インタフェー
ス3000の間の空気路に位置している。
図4bを参照。
【0077】
4.4.1.3 圧力装置4140
本技術の一形態において、陽圧の空気の流れを生成する圧力装置4140は制御可能な
送風機4142である。例えば送風機は、ボリュートの中に収めた一つまたはそれ以上の
インペラーを有するブラシレスDCモーター4144を含む。送風機は好ましくは、例え
ば約120リットル/分の陽圧の空気を、約4cmH2Oから約20cmH2Oの範囲ま
たはそのほかの形態で約30cmH2Oまでの範囲で吐出できる。
【0078】
圧力装置4140は、治療装置コントローラー4240の制御下にある。
【0079】
4.4.1.4 変換器(複数)4270
本技術の一形態において、1つまたはそれ以上の変換器4270が圧力装置4140の
上流に位置している。1つまたはそれ以上の変換器4270は空気路におけるそのポイン
トの空気の特性を測定するように構築されかつ配置される。
【0080】
本技術の一形態において、1つまたはそれ以上の変換器4270が圧力装置4140の
下流および空気回路4170の上流に位置している。1つまたはそれ以上の変換器427
0が、空気路中のそのポイントの空気の特性を測定するように構築されかつ配置される。
【0081】
本技術の一形態において、1つまたはそれ以上の変換器4270を患者インタフェース
3000の近位に置くことができる。
【0082】
4.4.1.5 抗スピルバック弁
本技術の一形態において、抗スピルバック弁が加湿器5000と空気ブロック4020
の間に位置している。この抗スピルバック弁は、水が加湿器5000から上流、例えばモ
ーター4144、に流れるリスクを低減するよう構築されかつ配置される。
【0083】
4.4.1.6 空気回路4170
本技術の態様による空気回路4170は、空気または呼吸できるガスの流れが空気ブロ
ック4020と患者インタフェース3000の間を流れるように構築されかつ配置される
。
【0084】
4.4.1.7 酸素補給
本技術の一形態において、補充酸素4180が空気通路中の1つのポイントに吐出され
る。
【0085】
本技術の一形態において、酸素補給は空気ブロック4020の上流に吐出される。
【0086】
本技術の一形態において、酸素補給4180は空気回路4170に吐出される。
【0087】
本技術の一形態において、酸素補給4180は患者インタフェース3000に吐出され
る。
【0088】
4.4.2 RPT装置電気コンポーネント4200
4.4.2.1 電源4210
本技術の一形態において、電源4210はRPT装置4000の外部ハウジング401
0の内部にある。本技術のもう1つの形態において、電源4210はRPT装置4000
の外部ハウジング4010の外部にある。
【0089】
本技術の一形態において、電源4210はRPT装置4000にのみ電気を提供する。
本技術のもう1つの形態において、電源4210はRPT装置4000と加湿器5000
の両方に電気を提供する。本明細書を通じて記載されているようにベントの配置のために
、電源はさらにオプションで電源を任意のアクチュエータ、コントローラーおよび/また
はセンサーに提供する。
【0090】
4.4.2.2 入力装置4220
本技術の一形態において、RPT装置4000は作業者が装置と対話できるように、ボ
タン、スイッチまたはダイアルの形態の1つまたはそれ以上の入力装置4220を含む。
これらはベント配置のようなRPT装置のコンポーネントの操作の設定を入力するために
実装される。ボタン、スイッチまたはダイアルは物理的装置またはタッチスクリーンから
アクセスできるソフトウエア装置であってよい。1つの形態において、ボタン、スイッチ
またはダイアルは外部ハウジング4010に物理的に接続するかまたはもう1つの形態で
は、中央コントローラー4230と電気的接続にあるレシーバーとの無線通信であってよ
い。
【0091】
1つの形態において、入力装置4220は、作業者が値および/またはメニューオプシ
ョンを選択できるように構築されかつ配置される。
【0092】
4.4.2.3 中央コントローラー4230
本技術の一形態において、中央コントローラー4230は、入力装置4220から入力
信号(複数)を受信し、出力装置4290および/または治療装置コントローラー424
0に出力信号(複数)を提供するように構成された専用の電子回路である。
【0093】
一形態において、中央コントローラー4230は特定用途向け集積回路である。もう1
つの形態において、中央コントローラー4230は個別の電子コンポーネントを含む。
【0094】
本技術のもう1つの形態において、中央コントローラー4230はx86 INTEL
プロセッサーのようなRPT装置4000を制御するのに適したプロセッサーである。
【0095】
本技術のもう1つの形態によるRPT装置4000を制御するのに適した中央コントロ
ーラーのプロセッサーは、ARM HoldingsのARM Cortex-Mプロセ
ッサーに基づくプロセッサーを含む。例えば、ST MICROELECTRONICS
のSTM32シリーズマイクロコントローラーを使用できる。
【0096】
本技術のさらなる代替の形態によるRPT装置4000を制御するもう1つのプロセッ
サーは、ARM9ベースの32ビットRISC CPUsファミリーから選択される部材
を含む。例えば、ST MICROELECTRONICSのSTR9シリーズのマイク
ロコントローラーを使用できる。
【0097】
本技術のある代替の形態では、16ビットRISC CPUをRPT装置4000のプ
ロセッサーとして使用できる。例えば、TEXAS INSTRUMENTSが製造する
マイクロコントラーラのMSP430ファミリーのプロセッサーを使用できる。
【0098】
プロセッサーは1つまたはそれ以上の変換器4270および1つまたはそれ以上の入力
装置4220からの入力信号(複数)を受信するように構成される。
【0099】
プロセッサーは出力信号(複数)を1つまたはそれ以上の出力装置4290、治療装置
コントローラー4240、データ通信インタフェース4280および加湿器コントローラ
ー5250に提供するように構成されている。
【0100】
本技術のいくつかの形態において、中央コントローラーのプロセッサーまたは複数のこ
のようなプロセッサーは、メモリー4260のような非一時的コンピュータ可読記憶媒体
に保存されたコンピュータプログラムとして表される1つまたはそれ以上のアルゴリズム
4300のような本明細書に記載の1つまたはそれ以上の方法論を実装するように構成さ
れる。いくつかの場合には、以前に議論したように、このようなプロセッサー(複数)は
RPT装置4000に統合できる。しかし本技術いくつかの形態においてプロセッサー(
複数)は、呼吸治療の送達を直接制御することなく、本明細書に記載の任意の方法論を実
行する目的で、RPT装置4000の流れ生成コンポーネントから離散的に組み込むこと
ができる。例えばこのようなプロセッサーは、本明細書に記載の任意のセンサーからのデ
ータのような保存されたデータの解析によって、人工呼吸器またはその他の呼吸関連イベ
ントの制御設定を決定する目的でここに記載の任意の方法論を実施できる。同様に、この
ようなプロセッサーは、本明細書に記載の任意のベント配置の操作を制御する目的で、こ
こに記載の任意の方法論を実施できる。
【0101】
4.4.2.4 クロック4232
好ましくは、RPT装置は、プロセッサーに接続されたクロック4232を含む。
【0102】
4.4.2.5 治療装置コントローラー4240
本技術の一形態において、治療装置コントローラー4240は、中央コントローラー4
230のプロセッサーが実行するアルゴリズム4300の一部を形成する圧力制御モジュ
ール4330である。
【0103】
本技術の一形態において、治療装置コントローラー4240は専用のモーター制御の集
積回路である。例えば一形態において、ONSEMIが製造しているMC33035ブラ
シレスDCモーターコントローラーが使用される。
【0104】
4.4.2.6 保護回路4250
好ましくは、本技術によるRPT装置4000は1つまたはそれ以上の保護回路425
0を含む。
【0105】
本技術による保護回路4250の一形態は電気的保護回路である。
【0106】
本技術による保護回路4250の一形態は温度または圧力安全回路である。
【0107】
4.4.2.7 メモリー4260
本技術の一形態により、RPT装置4000はメモリー4260、好ましくは不揮発性
メモリーを含む。いくつかの形態において、メモリー4260はバッテリー駆動のスタテ
ィックRAMを含むことができる。いくつかの形態では、メモリー4260は揮発性RA
Mを含むことができる。
【0108】
好ましくは、メモリー4260はPCBA 4202上に置いてよい。メモリー426
0は、EEPROMまたはNANDフラッシュの形態とすることができる。
【0109】
追加でまたは代替として、RPT装置4000は、例えばSecure Digita
l(SD)標準で作ったメモリーカードのような取り外し形態のメモリー4260を含む
。
【0110】
本技術の1つの形態において、メモリー4260は、1つまたはそれ以上のアルゴリズ
ム4300のような、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の方法論を表現するコンピュ
ータプログラムの命令が搭載された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として働く。
【0111】
4.4.2.8 変換器4270
変換器はRPT装置の内側でも外側でもよい。外部変換器は例えば空気吐出回路に置か
れまたは患者インタフェースのような空気吐出回路の一部を形成する。外部変換器はデー
タをRPT装置に送信または移送するドップラーレーダー動きセンサーのような非接触セ
ンサーの形態であってよい。
【0112】
4.4.2.8.1 流量
本技術による流量変換器4274は、例えばSENSIRIONのSDP600シリー
ズ差圧変換器のような、差圧変換器に基づいたものとすることができる。差圧変換器は空
気回路と流体連通しており、圧力変換器のそれぞれが流れ制限エレメントにおける第1と
第2のポイントにそれぞれ接続される。
【0113】
使用中は、流量変換器4274からの合計流量Qtを表す信号は、プロセッサーが受信
する。
【0114】
4.4.2.8.2 圧力
本技術による圧力変換器4272は、空気路と流体連通して配置される。適切な圧力変
換器の例は、HONEYWELL ASDXシリーズのセンサーである。代替の適切な圧
力変換器は、GENERAL ELECTRICのNPAシリーズのセンサーである。
【0115】
使用中は、圧力変換器4272からの信号を中央コントローラー・プロセッサーが受信
する。1つの形態において、圧力変換器4272からの信号は、中央コントローラー42
30が受信する前にフィルターにかけられる。
【0116】
4.4.2.8.3 モーター速度
本技術の一形態において、モーター速度信号4276が生成される。モーター速度信号
4276は好ましくは治療装置コントローラー4240によって提供される。モーター速
度は、例えばホール効果センサーのような速度センサーによって生成される。
【0117】
4.4.2.9 データ通信システム4280
本技術の一形態において、データ通信インタフェース4280が提供され、中央コント
ローラー・プロセッサーに接続される。データ通信インタフェース4280は好ましくは
遠隔外部通信ネットワーク4282に接続可能である。データ通信インタフェース428
0好ましくはローカル外部通信ネットワーク4284に接続可能である。好ましくは、遠
隔外部通信ネットワーク4282は遠隔外部装置4286に接続可能である。好ましくは
、ローカル外部通信ネットワーク4284はローカル外部装置4288に接続可能である
。
【0118】
1つの形態において、データ通信インタフェース4280は中央コントローラー423
0の一部である。もう1つの形態において、データ通信インタフェース4280は、中央
コントローラー・プロセッサーとは別の集積回路である。
【0119】
1つの形態において、遠隔外部通信ネットワーク4282はインターネット(登録商標
)である。データ通信インタフェース4280は有線接続(例えば、イーサネット(登録
商標)経由または光ファイバー)またはインターネットに接続する無線プロトコルであっ
てよい。
【0120】
1つの形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284はBluetooth(
登録商標)または民生赤外プロトコルのような1つまたはそれ以上の通信標準を利用する
。
【0121】
1つの形態において、遠隔外部装置4286は1つ以上のコンピュータ、例えばネット
ワーク・コンピュータのクラスターであってよい。1つの形態において、遠隔外部装置4
286は、物理的コンピュータと言うよりむしろ仮想コンピュータであってよい。いずれ
の場合でも、このような遠隔外部装置4286には臨床医のような適切に権限を与えられ
た人がアクセスできる。
【0122】
好ましくはローカル外部装置4288は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレ
ットまたは遠隔制御であってよい。
【0123】
4.4.2.10 オプションのディスプレイ、警報を含む出力装置
本技術による出力装置4290は、視覚、オーディオおよび触覚ユニットのうちの一つ
またはそれ以上の形態をとることができる。視覚ディスプレイは液晶表示装置(LCD)
または発光ダイオード(LED)ディスプレイであってよい。
【0124】
4.4.2.10.1 ディスプレイ・ドライバー4292
ディスプレイ・ドライバー4292は、ディスプレイ4294に表示することを意図し
て入力として文字、記号または画像を受信し、ディスプレイ4294にこれらの文字、記
号または画像を表示させる命令に変換する。
【0125】
4.4.2.10.2 ディスプレイ4294
ディスプレイ4294は、ディスプレイ・ドライバー4292から受信したコマンドに
応答して文字、記号または画像を視覚的に表示するよう構成される。例えば、ディスプレ
イ4294は8セグメント表示であってよく、この場合、ディスプレイ・ドライバー42
92は、数字「0」のような文字または記号のそれぞれを8つの論理信号に変換し、該8
つの論理信号は、8つの対応するセグメントが、特定の文字または記号を表示するように
それぞれ活性化されるべきかどうかを指示する。
【0126】
4.5 通信およびデータ管理システム
図7は本開示の態様を実施することのできる一例の通信システム700を表したもので
ある。この一例は本明細書に記載の開示の範囲または特徴の実用性を制限すると考えるべ
きでない。この一例においてシステム700はサーバー710、患者装置720,730
および740、記憶システム750、さらに計算装置(コンピューティングデバイス)7
60を含む。これらの装置はそれぞれネットワーク4282を通じて通信する。システム
700は任意のサイズのネットワークに合わせることができる。例えば、3つの患者装置
720、730および740しか示されていないが、システム700は任意の数の患者装
置を含むことができる。
【0127】
患者装置720,730および740のそれぞれはRPT 4000、加湿器5000
および患者インタフェース3000を含む1つまたはそれ以上の装置を含むことができる
。さらに患者装置720,730および740のそれぞれは、遠隔地から異なる患者によ
り作動させることができる。患者装置720にはコントローラー4230とメモリー42
60のみが示されているが、それぞれの患者装置はRPT 4000、加湿器5000お
よび患者インタフェース3000に関して上記の任意のコンポーネントを含むことができ
る。さらに患者装置720,730および740は、4282を通じてサーバー710ま
たは計算装置760と直接通信するように示されているが、患者装置のそれぞれは、外部
計算装置(図示せず)を経由してネットワーク4282を通しても通信できる。例えば患
者装置720は、ネットワーク4282を通してデータを送信するパーソナルコンピュー
タと通信できる。
【0128】
サーバー710は1つまたはそれ以上のプロセッサー712、メモリー714を含むこ
とができ、汎用計算装置に典型的に使われているその他のコンポーネントを組み込むこと
ができる。サーバー710のメモリー714は、プロセッサー712で実行できる命令7
15を含めプロセッサー712でアクセスできる情報を保存できる。メモリー714は、
プロセッサー712で検索、操作または保存できるデータ718を含むこともできる。メ
モリーは、プロセッサーがアクセスできる情報を保存できる任意の非一時的なものでよい
。命令716は、プロセッサー712で直接または間接に実行される命令を含む。この件
については、「命令」、「適用」、「ステップ」および「プログラム」はここでは交換可
能に使用できる。命令の機能、方法およびルーチンは以下に詳しく説明する。
【0129】
データ718は、命令716にしたがってプロセッサー712によって検索、保存また
は修正できる。例えば、ここに記載の主題の件は、任意の特定のデータ構造によって制限
されないが、データはコンピュータ・レジスターに保存可能で、テーブルは多数の異なる
分野と記録を有しているので、リレーショナル・データベースまたはXMLドキュメント
に保存することができる。データ718は、数、説明文、専用のコード、ポインター、他
のネットワーク場所のようなその他のメモリーに保存されたデータへの参照のような関連
の情報を識別または計算するのに十分な任意の情報であってよい。1つまたはそれ以上の
プロセッサー712は、CPUのような従来のプロセッサーを含むことができ、またはA
SICのようなハードウエアに基づいたコンポーネントであってよい。
【0130】
図7は、サーバー710のプロセッサーとメモリーとその他の構成要素、計算装置76
0、および患者装置720,730および740がそれぞれ1つのブロック内にあると機
能的に示されているが、それぞれの装置のいろいろなコンポーネントは異なる物理的ハウ
ジング内に収めることができる。例えば、メモリー714は、サーバー710のハウジン
グとは異なるハウジング内に位置するハ-ド・ドライブまたはその他の記憶媒体であって
よい。同様に、プロセッサー712は複数のプロセッサーを含んでよく、それらの一部ま
たはすべては、サーバー710のハウジングとは異なるハウジング内に位置している。よ
って、プロセッサー、コンピュータ、計算装置またはメモリーを参照することは、並行し
て作動するまたは作動することのないプロセッサー、コンピュータ、計算装置またはメモ
リーの集まりを参照することを含むと理解されたい。いくつかの機能は、単一のプロセッ
サーを有する単一の計算装置で生じているとここでは記述されているが、本開示のいろい
ろな態様は、ネットワーク4282を介して通信する等により、互いに情報を通信する複
数の計算装置によって実施されることができる。
【0131】
多くの場合、患者装置720,730および740は無線通信を用いてネットワーク4
282と通信するのが望ましい。しかしネットワーク4282およびここに記載の介在ノ
ードは、ネットワークがインターネット、ワールドワイドウエブ、特殊なイントラネット
、広域ネットワーク、ローカルネットワークまたは携帯電話ネットワークの一部であり得
るように、いろいろなプロトコルとシステムを使用して相互接続できる。ネットワークは
、例えばイーサネット(登録商標)、Wi-FiおよびHTTP、1つまたはそれ以上の
企業独自のプロトコル、およびそれらの各種組み合わせ、のような標準通信プロトコルを
利用できる。上述のように情報を送信または受信すると、或る利点が得られるが、本書に
記載の主題のその他の態様は、情報の送信の任意の特定の態様に制限されない。
【0132】
サーバー710は、ネットワーク4282を経由して記憶システム750、計算装置7
60および患者装置720,730および740と通信できる1つまたはそれ以上の通信
サーバーを含む。以下に詳細に記述するように、サーバー710は、ソフトウエアおよび
ファームウエアの更新716を、ネットワーク4282を介して患者装置720,730
および740に送信できる。次に、患者装置720,730および740は、命令セット
726の形態のソフトウエアおよびファームウエアにしたがってデータをサーバー710
に送信する。
【0133】
計算装置760はサーバー710と同様に構成でき、1つまたはそれ以上のプロセッサ
ー762、メモリー764および上記の命令を含む。このような計算装置のそれぞれは、
臨床医の使用を意図した個人の計算装置でよく、中央処理ユニット(CPU)、データと
命令を保存するメモリー(例えば、RAMと内部ハード・ドライブ)、ディスプレイ76
6のようなディスプレイ(例えば、スクリーンを有するモニター、タッチスクリーン、プ
ロジェクター、テレビ、または情報を表示できるそのほかの装置)およびユーザー入力装
置768(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンまたはマイクロホン)のよう
な個人用の計算装置に関して使用されるすべてのコンポーネントを有する。
【0134】
4.6 一例の方法
上記のように、
図7に示す患者装置720,730および740のそれぞれは、RPT
4000、加湿器5000および患者インタフェース3000を含む1つまたはそれ以
上の医療装置を含むことができる。上述の動作を実行するにあたり、患者装置720,7
30および740は、ソフトウエアまたはファームウエアを含む命令セット726を実施
することができる。
図4cの関連で説明したようにRPT4000は、加湿器コントロー
ラー5250および治療装置コントローラー4240のような複数のコントローラーを含
むことができる。これらのコントローラーのそれぞれは特定の命令セット726に関して
作動する。したがってそれぞれの命令セットは、上述したコンポーネントを含む、患者装
置の特定のコンポーネントに関連する。例えば
図7に戻れば、多数のモジュールを含むと
示されている患者装置720は、通信モジュール721、加湿器モジュール723および
警報モジュール725を含む。これらのモジュールのそれぞれは、異なる命令セット72
6にアクセスし、かつこれを実施することができる。もう1つの実施例において、特定の
命令セット726は、上述の任意のモジュールを含む、1つ以上のモジュールによって実
施されることができる。
【0135】
患者装置720,730および740はそれらの個別の患者によって使用され、命令セ
ット726への更新が利用可能になりかつ必要となる。これらの更新は、特定の機能を改
善すること、または装置の1つまたはそれ以上のモジュールの動作態様の識別された問題
を修正することに関連している。このように、場合によっては、更新は、患者装置の効果
的な管理に必須で、患者の安全にも必須である。本開示の1つの態様によれば、1つまた
はそれ以上の命令セット726は通信ネットワーク4282を通して自動的に更新できる
。特にサーバー710は1つまたはそれ以上の命令セット更新716を、1つまたはそれ
以上の患者装置720,730および740へ送信できる。命令セット更新716を受信
すると、それぞれの患者装置720,730および740は、送信された命令セット更新
716で指示された態様で命令セット726を変更できる。このように患者装置は容易に
アップグレードでき、さもなければ遠隔でカスタマイズでき、患者は患者装置を臨床医ま
たはサービスセンターへ持参する必要はない。
【0136】
1つの態様において、特定の患者装置を特定の更新を受信できるものとして、または受
信するのに適したものとして選択できる。例えばサーバー710は、患者装置720が特
定の命令セット更新716を受信すべきであるが患者装置730と740はそうでないと
決めることができる。特定の更新を受信する特定の患者装置を識別するために、サーバー
710はそれぞれの患者装置720,730および740のコンフィギュレーション(構
成)・データ718を維持できる。コンフィギュレーション・データ718は、通し番号
、患者装置によって現在組込まれているソフトウエアとファームウエアのバージョンの識
別およびハードウエアのバージョン番号を含む特定の患者装置を識別するのに使用できる
任意の情報を含むことができる。コンフィギュレーション・データ718は、以前に患者
装置に送信された命令セットの更新の記録および送信された命令セット更新が首尾よく患
者装置に適用されたかまたはされなかったかの指示も含む。さらにコンフィギュレーショ
ン・データ718は1つの特定の患者装置に関してはっきりと異なる情報に限定されず、
多数の患者装置に適用できる情報を含むことができる。例えば、コンフィギュレーション
・データ718は、患者装置のサプライヤーまたは小売店の識別ならびに患者装置が使用
されている場所または領域を含むことができる。代替として、更新は、特定の更新によっ
て修正可能な故障条件のようなその他の要素でトリガーできる。
【0137】
コンフィギュレーション・データ718は、登録プロセスを経て患者装置720,73
0および740によって提供される。例えば、患者装置720はネットワーク4282経
由でサーバー710にコンフィギュレーション・データ728を送信する。サーバー71
0は次いで受信したコンフィギュレーション・データ728をコンフィギュレーション・
データ718としてメモリー714に保存する。患者装置のコンフィギュレーション・デ
ータ718の登録は、患者が患者装置を始めて使用した時に生じる。さらにコンフィギュ
レーション・データ718は、コンフィギュレーション・データ728で生じる任意の変
更時にサーバー710で更新される。例えば患者装置720は、その加湿器モジュール7
23のファームウエアを第1のバージョンから第2のバージョンへ首尾よく更新したとの
通知をサーバー710に送信できる。サーバー710は次いでコンフィギュレーション・
データ718を更新して、患者装置720が現在加湿器モジュールのファームウエアの第
2のバージョンを組み込んでいることを示す。1つの実施例において、患者装置720は
始動の度にその現在のコンフィギュレーション・データ728をチェックして、コンフィ
ギュレーション・データ728における任意の変更をサーバー710に報告する。
【0138】
1つの態様によれば、計算装置760のユーザーは特定の患者装置を選択してサーバー
710と通信しながら更新する。例えば、計算装置760のユーザーは、それにより計算
装置760が特定の患者装置720、730および740に対する特定の更新716を指
定できるサーバー710とのインタフェースを提供するウエブサイトにアクセスできる。
更新を実施すべき患者装置を識別するために、計算装置760は、ある基準を満足する患
者装置を求めてサーバー710のメモリー714を検索する。例えば、計算装置760の
ユーザーは、特定のソフトウエア・バージョンを組込んでいる全ての患者装置または特定
の範囲内の通し番号を識別するようにサーバー710に要求できる。もう1つの実施例で
は計算装置760は、特定の小売業者から購入したすべての患者装置のリストを要求でき
る。
【0139】
計算装置760のユーザーは、サーバー710経由で更新すべき患者装置を識別できる
。1つ以上の可能性のある更新がある場合は、ユーザーは患者装置に提供すべき特定の更
新716を識別または選択しなければならない。特定の更新を識別する場合、ユーザーは
患者装置のどのコンポーネントを更新すべきか、またコンポーネントによって実装される
べきソフトウエアまたはハードウエアの特定のバージョンを識別できる。例えば、計算装
置760のユーザーは、サーバー710に対し、患者装置720および730に加湿器モ
ジュール723の更新716を提供するように要求し、その更新は加湿器ファームウエア
のバージョン3.1に関するものであることを要求する。サーバー710は次いで選択し
た更新716を患者装置720と730に送信する。ファームウエアのバージョン3.1
は、患者装置720と730によって現在組込まれている設定より新しいまたは異なる設
定を含む。これらの新しい設定は、患者装置720と730がファームウエアのバージョ
ン3.1をインストールすれば組み込むことができる。更新716を選択し、選択された
更新716を送信するプロセスは、単一のサーバー710で実行でき、代替として1つ以
上のサーバー710によって実行できる。例えば、計算装置760は通信サーバー710
に対して更新依頼を行うことができる。通信サーバーは次いでこの依頼をダウンロードサ
ーバーに送信し、サーバーは選択した更新を指定された患者装置へ送信する。
【0140】
命令更新データは下記の1つを含むこともできる;命令更新フォームを何処で入手する
かを明記したデータ、例えば、ホストサーバー、ポート、ファイル名;大容量の装置更新
が効果的に管理できるように各装置の更新を実行するスケジュール時間;更新を適用すべ
きことを患者に確認する依頼をすべきかどうか;患者の治療が停止されるまで更新を適用
すべきでないとの命令;必要な場合、まだ生じていないアップグレードのキャンセルを可
能にするデータ構造と機能性;単一の操作で大量のアップグレードを依頼するバッチ能力
ならびに単一の操作でこれらのアップグレードのステータス、リスト中どのアップグレー
ドが成功したか、どれが失敗したか、どれが開始されていないか、等を後でチェックする
能力。
【0141】
更新716を患者装置720、730および740に提供する場合、サーバー710は
更新が首尾よくダウンロードされたことの検証に使用できる検証データを送信することも
できる。それぞれの更新716は検証データを含む。検証データはチェックサム、巡回冗
長検査または更新ファイルのサイズの識別の形態をとる。例えばサーバー710は、チェ
ックサムを含む更新716を患者装置720に送信できる。患者装置720は受信した更
新716とチェックサムを比較し、更新すべてを受領したかどうか決定する。もしダウン
ロードされた更新がチェックサムと一致すれば、患者装置はその更新をインストールし、
インストールが成功したとの指示をサーバー710に送信する。しかし、もしダウンロー
ドした更新がチェックサムと一致しないと、患者装置はその更新をインストールせず、イ
ンストールが生じなかったとの指示をサーバー710に送信できる。
【0142】
サーバー710から患者装置720への送信は1つ以上のコンポーネントのための更新
を含む。例えば、特定の更新716はサーバー710から患者装置720へ送信され、通
信モジュール721と加湿器モジュール723に対する命令セット726のように、複数
のコンポーネントに対する複数の命令セットを修正する。もう1つの実施例において、特
定の命令セット726は複数のコンポーネントによって組み込まれ、この命令セット72
6の修正がこれら複数のコンポーネントの修正を引き起こす。複数の更新を単一の患者装
置720に送信しかつ適用することもできる。送信に複数の更新716が含まれている場
合、サーバー710は、更新が発生する順序を識別できる。次いで送信を受信した患者装
置は、サーバー710によって指定された順序に従って更新716を組み込む。命令セッ
トの最終バージョンが組み込まれるように、患者装置の1つのコンポーネントは、2回以
上の更新が必要とされる場合がある。例えばバージョン3.0をインストールする前に、
患者装置720は命令セットのバージョン2.0をダウンロードしてインストールする必
要がある。従ってコンフィギュレーション・データ718は、特定の更新716を現在イ
ンストールできる患者装置720、730および740の識別ならびに特定の更新716
をインストールするためにインストールしなければならないその他の更新の識別を含むこ
とができる。もう1つの実施例において送信された更新716は、更新716をインスト
ールするために必要な命令セット726のバージョンまたは複数のバージョンの識別を含
むことができる。更新716をインストールするに先立ち、患者装置720は更新716
で識別された要求されたバージョンを現在組込んでいるバージョンと比較できる。要求さ
れるバージョンのうちの1つを患者装置720が現在組み込んでいない場合、患者装置7
20は、更新716のインストールを避けることができる。
【0143】
患者装置720は、患者装置720が、更新716によって識別された、指定されたビ
ルド標準(build standard:内蔵標準)を満足するかどうか決定し、その決定に基づいて
更新716のインストールを実行するかまたは避ける。例えば識別されたビルド標準は、
インストールすべき更新に必要なコンポーネントの組み合わせを含む。患者装置720は
、それが識別されたコンポーネントの組み合わせを使用しているか決定するなどして、そ
れが識別されたビルド標準を満足しているかどうか決定できる。識別されたコンポーネン
トが患者装置720で使用されておれば、これらのコンポーネントは更新716に従って
更新できる。しかし患者装置720が1つまたはそれ以上の識別されたコンポーネントを
含んでいなければ、患者装置720は更新716のインストールを避けることができる。
1つの実施例において、患者装置720は患者装置720が含んでいないまたは使用して
いないコンポーネントに関連する更新716の部分のみ、インストールを避けることがで
きるが、更新716の他の部分のインストールは進める。
【0144】
1つの態様に従って患者装置はスケジュール通りに更新できる。例えば計算装置760
のユーザーは、特定の患者装置が特定の更新716を受信することになっている日付を識
別するなどして、更新のスケジュールをサーバー710に提供することができる。サーバ
ー710は次いでスケジュールに従って更新716を送信できる。1つの実施例において
スケジュールはそれぞれの患者装置に対するコンフィギュレーション・データ718に組
み込むことができる。このようにして、多数の患者装置に適用する更新を、例えば数週間
または数か月の延長された期間にわたり適用することができ、ネットワーク4282があ
る時間に送信しなければならない負荷を低減できる。患者装置が更新716を受信するよ
う予定されている場合、サーバー710は更新依頼を送信できる。更新依頼はSMSメッ
セージまたはその他の肩たたき送信の形態をとることができる。サーバー710から更新
依頼を受信すると患者装置720は、その更新を受け取る準備ができているとの指示で応
答する。この更新は次いで患者装置720に送信されインストールされる。サーバー71
0は発生することになっていた更新716をキャンセルすることもできる。例えば計算装
置760のユーザーは、特定の更新716が1つまたはそれ以上の患者装置720、73
0、および740に対してキャンセルすべきとの依頼を送ることができる。計算装置76
0の要求に応じて、サーバー710は特定の更新716を予定された更新のリストから除
去することができる。更新が既に1つまたはそれ以上の患者装置に送信されたがまだイン
ストールされていない場合は、サーバー710は更新のキャンセルを1つまたはそれ以上
の患者装置に送信する。更新キャンセルを受信すると、患者装置720、730、および
740は受信した更新716がインストールされる前にメモリーから削除できる。
【0145】
代替として送信は特定の適切な日でよいが、それぞれの装置は更新を特定の後日に組み
込むよう指示されてよい。サーバー710から更新を受信した後、患者装置720は更新
をインストールする前にいろいろな理由で待つことができる。例えば更新を受信した時に
患者が患者装置720から治療を受けている時、患者装置720は更新をインストールす
る前に患者の治療が終了するまで待つことができる。こうすれば患者の治療が中断される
または更新のインストールでマイナスの影響を受けることを避けることができる。1つの
態様において更新は、患者装置を使用している間にそれをインストールしてよいかどうか
を指示できる。具体的には、更新が実施されている時、患者装置によって実施できる特定
の操作を指示できる。例えば更新716は、患者装置が呼吸治療を提供している間に行わ
れる操作に関係のない通信モジュール721のみに関連する。従って更新716は、患者
装置720が呼吸治療を提供するように使用中である間にインストールしてよいと指示す
る。インストール中は患者装置720は患者装置が更新されていることを示す通知を表示
する。この通知は、患者が患者装置の電源をオフにしてはならないことおよび患者装置を
特定の方法で使用する前に更新が完了するのを患者は待つべきであることを示すメセージ
を表示することを含む。1つの実施例において、患者装置720は更新がインストールさ
れる前に患者からの確認を要求する。さらに、或る期間にわたって、多くの装置が新しい
ソフトウエアをダウンロードするが、ダウンロードされた更新は、マーケティングまたは
通信の目的で、すべての装置に同じ日にインストール可能である。
【0146】
1つの態様によれば、計算装置760のユーザーはサーバー710に更新716のステ
ータスを問い合わせることができる。例えば計算装置760は、特定の更新716をまだ
受信していないまたはまだインストールしていないこれらの患者装置の識別を要求できる
。さらに計算装置760は1つまたはそれ以上の更新716がインストールされたすべて
の患者装置のリストならびに更新716の送信とインストールに関して生じたエラーに関
する情報を要求できる。さらにサーバー710は計算装置760に、特定の患者装置が現
在組込中のソフトウエアとファームウエアのバージョンのような現在の命令セットのリス
トを提供する。例えば計算装置760は患者装置720によって組み込まれた命令セット
726のリストをサーバー710に問い合わせることができる。サーバー710はコンフ
ィギュレーション・データ718にアクセスして、問い合わせのあった情報を識別しその
情報を計算装置760に送信する。計算装置760は問い合わせを作成し、ウエブサイト
またはいくつかのほかのサーバー・インタフェースにアクセスすることにより、問い合わ
せした情報をサーバー710から受け取る。サーバー710は患者情報の機密を維持する
ために、問い合わせに関する識別情報とパスワードを提供するように計算装置760に要
求する。
【0147】
図8はシステム700の患者装置720のような、患者装置によって実施されるフロー
チャート800を示す。上記のように患者装置は命令のセットを保存しかつ実施すること
ができる。ブロック802において患者装置は、現在患者装置にアクセスできるソフトウ
エアまたはファームウエアのような命令のセットを組み込むことができる。命令のセット
は患者装置内の複数のコンポーネントの操作に関連しており、単一の場所に保存する必要
はない。命令のセットを組み込む場合、患者装置はネットワーク経由でデータを1つまた
はそれ以上の外部装置に送信できる(ブロック804)。例えば患者装置720は、ネッ
トワーク4282を経由して患者装置720の患者の使用に関するデータを、1つまたは
それ以上の命令にしたがって送信できる。この送信は患者が患者装置を使用した日付と時
間に関する情報を含む。患者装置はサーバー710のような外部装置から送信を受信し、
受信した送信が1つまたはそれ以上の命令セットの更新に関連しているかどうか決めるこ
とができる(ブロック806)。例えば患者装置は、更新データはサーバーの特定のアド
レスのような特定の場所においてアクセスできることを示す送信を受信できる。更新が受
信されない場合は、患者装置は現在の命令セットを実装し続けてよい(ブロック802)
。更新の指示を受信した場合、患者装置は、識別されたアドレスにおける更新ファイルを
要求またはこれにアクセスする等により、更新データを受け取ることができる。
【0148】
患者装置は更新に関してエラーがあるかどうかを決めることができる(ブロック808
)。例えば上記のように、患者装置は更新をチェックサムと比較して更新をすべて受領し
たと決定する。さらに患者装置は、現在組込まれている命令セットのバージョンが、更新
をインストールするのに必要なバージョンのうちの1つと一致するかどうか決定する。更
新に関してエラーがあると決定された場合、患者装置はエラー通知を送信する(ブロック
810)。例えば患者装置720は通知をサーバー710に送信して、更新が提供された
チェックサムと一致しなかったことを示す。この通知には更新の再送信の要求も含む。
【0149】
更新に関してエラーが検出されなければ、患者装置は更新(ブロック812)をインス
トールできる。上記のように、更新は1つまたはそれ以上の命令セットを修正することを
含むことができる。修正には命令セットの一部を削除すること、命令セットに追加するこ
と、ならびにオリジナルの命令セットを全く新しい命令セットで置き換えることが含まれ
る。上述したように、更新は、患者装置の異なるコンポーネントに対する命令セットを含
む、種々の命令セットに対する修正を含む。更新をインストールすると、患者装置はチェ
ックを行ってインストールが成功したかどうかを決定する。これには更新されたコンポー
ネントのそれぞれのチェックも含む(ブロック814)。インストールが不成功であれば
、患者装置はエラーの通知を送信する(ブロック810)。さらに患者装置はオリジナル
に戻って、オリジナルの命令セットをブロック802に従って組み込む。インストールが
成功と決定された場合、患者装置はサーバー710のような外部装置に通知を送信して更
新がインストールされたと伝える(ブロック816)。患者装置は、ブロック802に従
い、更新された命令セットを含む、現在の命令セットにアクセスし、それを実装すること
もできる。
【0150】
図9は、システム700のサーバー710を含む、開示したシステムの計算装置で実施
されるフローチャート900を示す。ブロック902においてサーバーは1つまたはそれ
以上の基準を満たす患者装置の識別に対する問い合わせを受信する。例えば上記のように
、サーバー710は計算装置760から問い合わせを受ける。この問い合わせは、計算装
置760によって提供された1つまたはそれ以上の基準を満たすすべての患者装置の識別
を探すことができる。この基準は、患者装置が位置している領域、患者装置の通し番号、
ならびに患者装置によって現在組込まれているソフトウエアとファームウエアのバージョ
ンのような患者装置の多数の態様または特徴に基づいている。サーバーは受信した問合せ
に応答してコンフィギュレーション・データにアクセスし(ブロック904)、識別され
た基準が満足されている患者装置を識別するデータを送信することによってその問い合わ
せに応答する(ブロック906)。
【0151】
サーバーは次いで1つまたはそれ以上の患者装置に送信する1つまたはそれ以上の更新
に対する要求を受信する(ブロック908)。例えば上記のように計算装置760は、計
算装置760のユーザーによって提供された基準を満足する患者装置720、730およ
び740のサーバー710からのリストを受信する。ユーザーは次いで患者装置720、
730および740に送信する特定の更新716を選択する。ブロック908の要求を受
けると、サーバーは更新データにアクセスし(ブロック910)、受信した要求で識別さ
れた患者装置に更新データを送信する(ブロック912)。ブロック902~908にお
ける機能は、異なる順序で実施されてよい。例えばサーバーは、更新依頼を受信すると同
時に(またはその前にも)装置を特定のコンフィギュレーションで識別する依頼を受け取
り、明記された基準を満足する装置にのみ更新を送る。さらに、ブロック912に従って
更新データを患者装置に送信するために、ブロック910を実施する必要はない。例えば
サーバー710は更新データを、更新ファイルが保存されている場所を示すアドレスとし
て送信できる。アドレスで識別された場所は、サーバー710上またはその他の場所でよ
い。このように、更新ファイルのアドレスは、識別された場所に保存されている実際の更
新ファイルデータにアクセスするようサーバー710に要求することなく、患者装置に提
供できる。
【0152】
サーバーは更新の送信および/またはインストールが成功したかどうかも決定すること
ができる(ブロック914)。例えばサーバーはそれぞれの患者装置から、エラー通知ま
たは更新が首尾よくインストールされたとのメッセージのいずれかを受信する。更新の送
信にエラーが発生するとサーバーは、エラーが発生した各患者装置に更新データを再度送
信することができる(ブロック912)。代替として、実際の更新ファイル(新しいソフ
トウエア)は、サーバー710によって装置に押し下げられるのではなく、ファイルサー
バーから治療装置自身によって要求することができる。患者装置の更新は、更新が1つま
たはそれ以上の条件の発生に付随することができるということにおいて、直ちに発生しな
くてもよい。例えば更新データは、装置が治療を200時間提供した後に患者装置が更新
をインストールすべきであるということを指示することができる。したがってブロック9
12とブロック914の間にかなりの時間の経過がある。しかし送信とインストールが成
功すれば、サーバーは保存されたコンフィギュレーション・データを改定して、1つまた
はそれ以上の患者装置が送信された更新に対応する命令を現在組込中であることを示し(
ブロック916)、更新が成功したことを報告する(ブロック918)。例えば1つまた
はそれ以上の患者装置が首尾よく更新されると、サーバー710は計算装置760にメッ
セージを送信して更新が完了したことをユーザー、例えば技術者、に通知する。このメッ
セージは、更新を首尾よくインストールした特定の患者装置または患者装置のグループを
識別する。
【0153】
図8と
図9で説明した命令は単一装置で実施できるが、代替として1つ以上の装置で実
施できる。例えばパーソナルコンピュータが1つまたはそれ以上の上記命令を実施できる
ように、患者装置はワイヤレスネットワークを通じてパーソナルコンピュータと通信でき
る。
図8と
図9で参照したサーバーも複数のサーバーを含むこともできる。
図8と
図9に
示す特定の操作に関し、いろいろな操作をフローチャート800と900に追加、または
、から除外することができる。更にいろいろな操作をフローチャート800と900に示
すのと同じ順序で実施する必要はない。例えばサーバーは更新情報を治療装置に送ってど
の更新が必要であるか、それを何処から入手するか(ホスト、ポート、ファイル名)およ
びそれをどのように検証するか(例えば、チェックサム/CRC)を指示する。次に、治
療装置通信モジュールは、更新ファイル(命令)を、指定されたホスト(サーバー)から
要求する。この多少異なる機能ダイアグラムでは、大容量のソフトウエアをダウンロード
する負荷を、必要なら、
図7に示すようなサーバー710からだけではなく、多数のサー
バーにわたって配分することができる。さらに治療装置は、送信エラーがあれば明記され
たサーバーそのものから、サーバー710の介入なしに更新ファイル(即ち新しいソフト
ウエア)を再度要求できる。エラーが通知されると、サーバーは、上記のように操作を再
度試みることも可能である。
【0154】
4.7 用語解説
本技術の或る形式において、1つまたはそれ以上の以下の定義を適用してよい。本技術
のそのほかの形態において、代替の定義を適用できる。
【0155】
4.7.1 一般
空気:例えば空気に補給酸素を含めるように、空気を取り入れて呼吸ガスに含める。
【0156】
持続的気道陽圧法(CPAP)治療:CPAP治療は、空気を大気に関して連続して陽
圧である圧力で気道の入口へ適用することであり、好ましくは圧力は患者の呼吸サイクル
を通じてほぼ一定である。いくつかの形態では、気道の入口での圧力は単一の呼吸サイク
ルで水中数センチ変動し、吸入中は僅か高く、呼気中は僅か低い。いくつかの形態におい
て、気道入口における圧力は呼気中は僅かに高く、吸入中は僅かに低い。いくつかの形態
において、圧力は患者の異なる呼吸サイクル間で変動する。例えば、患者の上気道の一部
閉塞の兆候の検出に対応して増加し、上気道の一部閉塞の兆候がなければ低下する。
【0157】
4.7.2 材料
シリコンまたはシリコン・エラストマー:合成ゴム。本明細書において、シリコンは液
体シリコンゴム(LSR)または圧縮形成シリコンゴム(CMSR)を指す。市販のLS
Rの一形態は、Dow Corningが製造しているSILASTICである(この商
標で販売されている製品範囲に含まれている)。LSRを製造しているもう1社はWac
kerである。特に明記のない限り、LSRの好ましい形態は、ASTM D2240に
従って測定された約35から約45の範囲のショアA(またはタイプA)圧入硬度を有し
ている。
【0158】
ポリカーボネート:ビスフェノール-Aカーボネートの典型的に透明な熱可塑性ポリマ
ー。
【0159】
4.7.3 患者インタフェースの態様
抗呼吸停止バルブ(AAV):マスクシステムのコンポーネントまたはサブアセンブリ
ーで、フェイルセーフの態様で大気に開放すると、患者の過剰なCO2再呼吸のリスクを
低減する。
【0160】
エルボー:角部を通して方向が変わるように、空気の流れの軸を方向付けるコンジット
。一形態において、角度は約90度でよい。もう1つの形態において、角度は90度以下
でよい。このコンジットはほぼ円形の断面を有している。もう1つの形態において、コン
ジットは楕円形または長方形の断面を有することができる。
【0161】
フレーム:フレームは、ヘッドギアとの2つまたはそれ以上の接続ポイント間の張力の
負荷に耐えるマスク構造を意味する。マスクのフレームは、マスクにおいて非気密耐加重
構造であってよい。しかしいくつかの形態のマスクフレームは、気密であってもよい。
【0162】
ヘッドギア:ヘッドギアは、頭に使用するようにデザインされた位置決めと安定化構造
の形態を意味すると解釈してよい。好ましくは、ヘッドギアは患者インタフェースを呼吸
治療の送達のために患者の顔の適切な場所に置きかつ保持するように構成された、1つま
たはそれ以上の筋かい、ひも(紐)、および補強材の集まりを含む。いくつかのひもは、
発泡体と織物の積層複合材のような柔らかく、柔軟で、弾性性のある材料で形成される。
【0163】
メンブレン:好ましくは、曲げに対して実質的に耐性を示さないが、伸ばすことには耐
性を持った、典型的には薄いエレメントを意味すると解釈される。
【0164】
プレナムチャンバー:患者インタフェース・プレナムチャンバーは、例えばフルフェー
ス・マスク(即ち鼻と口のマスク)、鼻マスクまたは鼻枕のような容量のある空間を囲む
壁を有する患者インタフェースの一部を意味すると解釈され、この容量はその中に患者が
使用中は大気以上に加圧された空気を有する。シェルは患者インタフェース・プレナムチ
ャンバーの壁の一部を形成してよい。1つの形態において患者の顔の領域が、クッション
またはシールを経てプレナムチャンバーの壁の1つと隣接する。
【0165】
シール:名詞形(「a seal」)は,2つの面のインタフェースを通る空気の流れ
に意図的に耐性を示す構造またはバリアを意味すると解釈される。動詞形(「to se
al」)は、空気の流れに抗することを意味すると解釈される。
【0166】
シェル:シェルは、曲げ、引張りおよび圧縮剛性を有する、湾曲した構造を意味すると
解釈される。例えば、マスクの湾曲した構造壁を形成するマスクの一部がそうである。好
ましくは、その全体の大きさと比較して相対的に薄い。いくつかの形態ではシェルには切
子面がある。このような壁は気密性でなくてよいが、好ましくは気密性である。
【0167】
補強材:補強材は、別のコンポーネントの少なくとも1方向への曲げ耐性を増すように
デザインされた構造要素(構造コンポーネント)を意味すると解釈される。
【0168】
筋かい:筋かいは、別のコンポーネントの少なくとも1方向への圧縮耐性を増すように
デザインされた構造要素(構造コンポーネント)を意味すると解釈される。
【0169】
旋回台:(名詞)好ましくは独立して、好ましくは低トルク下で、共通軸の周りを回転
するように構成されたコンポーネントのアセンブリー。一形態において旋回台は、少なく
とも360度回転するように構築してよい。もう1つの形態において、旋回台は360度
以下の角度で回転するように構築してよい。空気送達コンジットの状況で使用する場合は
、コンポーネントのサブアセンブリーは好ましくは円筒コンジットの一対組み合わせを含
む。好ましくは使用中は、旋回台からの空気の漏れは、ほとんどないかまたは全くない。
【0170】
固定具:固定具は張力に抗するようにデザインされた構造コンポーネントを意味すると
解釈できる。
【0171】
ベント:(名詞)吐き出した二酸化炭素(CO2)の洗い出しと酸素の供給(O2)を
行うため、マスクの内部またはコンジットから周囲空気への空気の漏れの率を慎重に制御
できる構造。
【0172】
4.8 その他の注記
本特許文献の開示の一部は、著作権保護にあたる事項を含んでいる。著作権の所有者は
、特許庁の特許ファイルまたは記録にそれが載っている限り、誰かが特許文献または特許
の開示をフクシミリ複製することについて異議を唱えることはない。載っていなければ、
何であれ著作権を留保する。
【0173】
文脈で明確に記載されていなければ、また値の範囲が記載されていなければ、それぞれ
の介在する値は、その範囲の上限と下限の間で、下限の単位の1/10まで、およびその
記述された範囲の任意のそのほかの記述されたまたは介在する値は、該技術に包含される
。これらの介在範囲の上限と下限は、記載された範囲における任意の具体的に除外される
限界を条件として、介在範囲に独立に含めてよく、本技術の範囲内に包含される。記述し
た範囲が一つまたは両方の制限を含む場合、これらの含まれた制限のいずれかまたは両方
を除いた範囲も該技術に含まれる。
【0174】
更に、一つまたはそれ以上の値が、技術の一部としてここに組み込まれていると記載さ
れている場合、特記のない限り、このような値は近似することができ、実際的な技術の実
施が許容するまたは必要とする範囲まで、このような値は任意の適当な有意桁まで利用で
きることを理解されたい。
【0175】
特に定義されていない限り、本明細書で使用するすべての技術的用語および科学的用語
は、この技術が属する当業者の一人によって共通して理解されるのと同じ意味を有してい
る。ここに記載のものに類似したまたは同等な任意の方法また材料も、本技術の実践また
はテストで使用できるが、限られた数の例示的方法と材料がここに記載されている。
【0176】
特定の材料がコンポーネントを構築するのに使用されると確認された場合、同様の特性
を有する明らかに代替の材料を代替えとして使用できる。さらに、それとは反対に特記の
ない限り、ここに記載の任意のそしてすべてのコンポーネントは製造が可能と理解され、
よって一緒にまたは別に製造することができる。
【0177】
本明細書と付属の請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」および「the」は
、文脈で明確にそうでないと記述されていない限り、それらの複数形を含むことに留意す
べきである。
【0178】
ここで言及したすべての刊行物は、これら刊行物の主題である方法および/または材料
を開示しかつ記述するために参照のため取り入れられた。ここで議論する刊行物は、それ
らの開示の目的で、本出願の出願日に先立ち提供された。ここに記載の何物も、本技術が
、先行発明の理由でこのような刊行物に先行する資格を与えられないという承認として解
釈されるべきではない。さらに記載の公開日が実際の刊行日と異なるかもしれず、それぞ
れ単独で確認する必要がある。
【0179】
さらに本開示を解釈するのに、すべての用語は文脈と一致した最大限広範で合理的な態
様で解釈すべきである。特に語句「comprise」と「comprising」は、
エレメント、コンポーネントまたはステップを非排他的態様で参照するとして解釈すべき
であり、参照したエレメント、コンポーネントまたはステップは、明示的に参照されてい
ない他のエレメント、コンポーネントまたはステップとともに、存在するか、利用される
か、または組み合わされることを示す。
【0180】
詳細な説明で使用される件名は、読者の参照を容易にするためにのみ含まれており、開
示または特許請求の範囲にわたって見出される主題を制限するために使用してはならない
。主題の見出しは請求項の範囲または請求項の制限範囲を解釈するのに使用してはならな
い。
【0181】
本明細書に記載の技術は特定の実施例を参照して記述してきたが、これらの実施例は該
技術の原理と適用の単なる例示であることを理解されたい。場合によっては、用語および
記号は、該技術を実践するのに要求されない特定の詳細を暗示することがある。例えば、
「第1の」および「第2の」という語句が特記のない限り使用されるが、それらは任意の
順序を示すことを意図せず、はっきりと異なるエレメントを区別するために使用できる。
さらに方法論におけるプロセス・ステップは順に記述または例示されてもよいが、このよ
うな順序は必要とされない。当業者は、このような順序が修正されてもよいことおよび/
またはそれらの特徴が同時にまたは同期的に実施されてもよいことを認識するであろう。
従って、例示的な実施例に多数の変更が行われてもよく、該技術の趣旨および範囲から逸
脱することなくそのほかの構成が考案され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0182】
700 通信システム
710 サーバー
712 プロセッサー
714 メモリー
715 命令
716 命令セット更新
718 コンフィギュレーション・データ
720 患者装置
721 通信モジュール
723 加湿器モジュール
725 警報モジュール
726 命令セット
728 コンフィギュレーション・データ
720 患者装置
730 患者装置
740 患者装置
750 記憶システム
760 計算装置
762 プロセッサー
764 メモリー
766 ディスプレイ
768 ユーザー入力装置
1000 患者
3000 患者インタフェース
3100 シール形成構造
3200 プレナムチャンバー
3210 周辺
3300 位置決めと安定化構造
3400 ベント
3600 接続ポート
4000 RPT装置
4010 外部ハウジング
4012 外部ハウジングの上部
4014 外部ハウジングの下部
4015 パネル
4016 シャーシ
4018 ハンドル
4020 空気ブロック
4100 空気コンポーネント
4110 空気フィルター
4112 入口空気フィルター
4114 出口空気フィルター
4120 マフラー
4122 入口マフラー
4124 出口マフラー
4140 圧力装置
4142 送風機
4144 モーター
4144 ブラシレスDCモーター
4160 バックバルブ
4170 空気回路
4180 酸素補給
4200 電気的コンポーネント
4202 基板アセンブリーPCBA
4210 電源
4220 入力装置
4230 中央コントローラー
4232 時計
4240 治療装置コントローラー
4250 保護回路
4260 メモリー
4270 変換器
4272 圧力変換器
4274 流れセンサー
4276 モーター速度信号
4280 データ通信システム
4282 遠隔外部通信ネットワーク
4284 ローカル外部通信ネットワーク
4286 遠隔外部装置
4288 ローカル外部装置
4290 出力装置
4292 ディスプレイ・ドライバー
4294 ディスプレイ
4300 アルゴリズム
4330 圧力制御モジュール
5000 加湿器
5250 加湿器コントローラー
【手続補正書】
【提出日】2022-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置を提供するための患者装置を更新する方法であって、
1つ以上のプロセッサーが、患者装置の操作のための第1の命令セットにアクセスするステップと、
前記1つ以上のプロセッサーが、前記第1の命令セットにしたがって第1の操作セットを実施するステップと、
前記1つ以上のプロセッサーが、遠隔計算装置からネットワークを通じて更新データを受信するステップであって、該更新データは、前記患者装置が1つ以上の基準を満たすコンフィギュレーション・データを有する複数の患者装置のうちの1つであることに基づいて受信されるものであり、該更新データは、前記第1の命令セットの更新が行われている間に、前記患者装置によって実施され得る1つ以上の操作を示すものである、ステップと、
前記1つ以上のプロセッサーが、前記更新データにしたがって前記第1の命令セットを更新して、更新された命令セットを生成するステップと、
前記1つ以上のプロセッサーが、前記更新された命令セットにしたがって第2の操作セットを実施するステップと
を含んでなる、患者装置を更新する方法。
【請求項2】
前記患者装置は呼吸圧力治療装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記更新データを受信するステップは、検証データを受信することをさらに含み、該検証データに基づいて、前記更新データが正常にダウンロードされたかどうかを決定することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
受信した前記更新データが不完全であると決定された場合には、エラー通知を前記遠隔計算装置に送信するステップと、
更新データの第2の送信を受信するステップと
をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の命令セットの更新が実施されている間に前記患者装置によって実施され得る1つ以上の操作は、前記患者装置によって治療を提供することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサーが、更新された前記患者装置のコンポーネントがチェックされたことを示す表示を生成するステップと、
前記1つ以上のプロセッサーが、更新された前記患者装置のコンポーネントがチェックされたという生成された指示を含む、前記第1の命令セットの更新が発生したことの確認を前記遠隔計算装置に送信するステップステップと
をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の命令セットの更新が発生したことの確認を送信するステップは、前記患者装置に現在インストールされている少なくとも1つのソフトウエア及びファームウエアのバージョンを示すコンフィギュレーション・データを送信することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記患者装置が、ある命令更新によって特定されるビルド標準を満たすかどうかを判断するステップと、前記患者装置が前記ビルド標準を満たすという判断に基づいて、前記第1の命令セットを更新するステップとをさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記患者装置に関連するコンフィギュレーション・データを、前記ネットワークを通じて前記遠隔計算装置に送信する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記コンフィギュレーション・データを送信することは、前記患者装置を初めて使用した時および/または前記コンフィギュレーション・データの変更を決定するために前記コンフィギュレーション・データをチェックした後に、前記コンフィギュレーション・データを送信することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上の計算装置を備えた、医療処置を提供する際に患者装置を更新するシステムであって、前記1つ以上の計算装置は、
ある命令セットをそれぞれ実施する複数の患者装置の各々についてのコンフィギュレーション・データを1つ以上のサーバーに保持し、
前記複数の患者装置のうち当該問い合わせで特定される1つ以上の基準を満たすコンフィギュレーション・データを有する1つ以上の前記患者装置を前記1つ以上のサーバーで特定するように構成されている問い合わせを遠隔計算装置から受信し、
受信した前記問い合わせに基づいてコンフィギュレーション・データにアクセスし、
前記複数の患者装置から、前記1つ以上の基準を満たすコンフィギュレーション・データを有する1つ以上の患者装置を特定し、
特定した前記1つ以上の患者装置に命令更新を送信し、
前記命令更新をインストールした前記1つ以上の患者装置のそれぞれについて、前記コンフィギュレーション・データを更新する
ように構成されている、患者装置を更新するシステム。
【請求項12】
前記命令更新は、更新がインストールされている間に前記患者装置によって実施され得る1つ以上の操作を示す、請求項11に記載の患者装置を更新するシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の計算装置は、
前記1つ以上の患者装置の各々から、更新した前記患者装置のコンポーネントがチェックされたことを示す命令を受信し、
受信した前記命令に基づいて、前記命令更新をインストールした前記1つ以上の患者装置の各々について、前記コンフィギュレーション・データを更新する
ように構成されている、請求項11または12に記載の患者装置を更新するシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の計算装置は、前記コンフィギュレーション・データに基づいて、前記1つ以上の患者装置に提供されるべき命令更新を複数の更新から選択するように構成されている、請求項11~13のいずれか一項に記載の患者装置を更新するシステム。
【請求項15】
前記命令更新は、
命令更新ファイルの場所を指定するデータと、
前記更新を前記装置のどのコンポーネントに適用すべきかに関する指示と、
各装置に対して前記更新を実施するスケジュール時間と、
前記更新が適用されるべきとの確認を要求すべきかどうかの指示と、
まだ発生していない更新のキャンセルを可能にするデータ構造および機能性と、
単一の操作において大量の更新を要求するバッチ能力と、
前記更新のステータスを示す単一の操作において、これらの更新のステータスをチェックする能力と
のうちの少なくとも1つをさらに含むものである、請求項11~14のいずれか一項に記載の患者装置を更新するシステム。
【請求項16】
前記命令更新を送信することは、受信した命令更新が完了したことを検証するために、前記1つ以上の患者装置の検証データを送信することをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の患者装置を更新するシステム。
【請求項17】
前記コンフィギュレーション・データは、a)通し番号と、b)前記患者装置に現在インストールされている命令セットのバージョンと、c)ハードウェアのバージョンと、d)前記患者装置が使用されている領域とのうちの少なくとも1つを含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の患者装置を更新するシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の計算装置は、
前記1つ以上患者装置の各々から、前記命令更新がインストールされたことを示す指示を受信し、
前記1つ以上の患者装置について前記命令更新のインストールの成功を示すメッセージを送信する
ようにさらに構成されている、請求項11~17のいずれか一項に記載の患者装置を更新するシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の計算装置は、前記複数の患者装置の各々からコンフィギュレーション・データを受信するように構成されている、請求項11~17のいずれか一項に記載の患者装置を更新するシステム。
【請求項20】
前記コンフィギュレーション・データは、前記複数の患者装置から、特定の患者装置に適用されて以前に成功または失敗した命令更新の記録を含む、請求項11~18のいずれか一項に記載の患者装置を更新するシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0181
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0181】
本明細書に記載の技術は特定の実施例を参照して記述してきたが、これらの実施例は該技術の原理と適用の単なる例示であることを理解されたい。場合によっては、用語および記号は、該技術を実践するのに要求されない特定の詳細を暗示することがある。例えば、「第1の」および「第2の」という語句が特記のない限り使用されるが、それらは任意の順序を示すことを意図せず、はっきりと異なるエレメントを区別するために使用できる。さらに方法論におけるプロセス・ステップは順に記述または例示されてもよいが、このような順序は必要とされない。当業者は、このような順序が修正されてもよいことおよび/またはそれらの特徴が同時にまたは同期的に実施されてもよいことを認識するであろう。従って、例示的な実施例に多数の変更が行われてもよく、該技術の趣旨および範囲から逸脱することなくそのほかの構成が考案され得ることを理解されたい。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~32の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
医療を提供する装置を更新する方法であって、
1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、複数の患者装置に関するコンフィギュレーション・データにアクセスするステップであって、前記複数の患者装置のそれぞれは、命令のセットを実装する、ステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、1つまたはそれ以上の基準を満たすコンフィギュレーション・データを有する1つまたはそれ以上の患者装置を、前記複数の患者装置から識別するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、命令更新を前記1つまたはそれ以上の患者装置にネットワークを経由して送信するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記命令更新をインストールした前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれに対する前記コンフィギュレーション・データを更新するステップと、
を含む方法。
(請求項2)
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、複数の命令更新から、前記1つまたはそれ以上の患者装置に送信すべき命令更新を、前記コンフィギュレーション・データに基づいて選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
(請求項3)
前記1つまたはそれ以上の基準および前記命令更新を選択するステップは、遠隔計算装置から受信した1つまたはそれ以上の送信に基づいている、請求項1または2に記載の方法。
(請求項4)
前記命令更新は、
命令更新ファイルの場所を指定するデータ、
前記更新を前記装置のどのコンポーネントに適用すべきかに関する指示、
各装置に対して前記更新を実施するスケジュール時間、
前記更新が適用されるべきとの確認を要求すべきかどうかの指示、
該当する場合、患者の治療が停止されるまで前記更新を適用すべきでないとの指示、
まだ発生していない更新のキャンセルを可能にするデータ構造および機能性、
単一の操作において大量の更新を要求するバッチ能力、および
前記更新のステータスを示す単一の操作において、これらの更新のステータスをチェックする能力、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
(請求項5)
前記複数の患者装置が、呼吸圧力治療装置である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
(請求項6)
前記命令更新を送信するステップは、検証データを送信するステップをさらに含み、該検証データは、前記患者装置により使用されて、前記命令更新が首尾よくダウンロードされたことを検証する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
(請求項7)
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれから前記命令更新がインストールされたかどうかの指示を受信するステップをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
(請求項8)
前記命令更新が首尾よくインストールされなかったと決定された患者装置のそれぞれに、前記命令更新を再送信するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
(請求項9)
前記命令更新は、第1の部分および第2の部分を含み、前記患者装置の第1のコンポーネントは、前記命令更新の前記第1の部分に従って動作し、第2のコンポーネントは、前記命令更新の前記第2の部分に従って動作する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
(請求項10)
前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれからの指示は、前記命令セットが首尾よくインストールされたことを示し、前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記1つまたはそれ以上の患者装置に対する前記命令更新のインストールの成功を識別するメッセージを送信するステップをさらに含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
(請求項11)
前記コンフィギュレーション・データは、a)通し番号、b)前記患者装置に現在インストールされている命令のセットのバージョン、c)ハードウエアのバージョン、およびd)前記患者装置が使用されている領域、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
(請求項12)
前記命令更新は、1つの患者装置に適用すべき複数の更新を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
(請求項13)
前記コンフィギュレーション・データは、複数の患者装置からの特定の患者装置に、以前、首尾よくまたは不首尾に適用された命令更新の記録を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
(請求項14)
医療を提供する装置を更新する方法であって、
1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、患者装置の操作の第1の命令セットにアクセスするステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記第1の命令セットに従って第1の操作セットを実施するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、遠隔計算装置からネットワークを経由して更新データを受信するステップと、
更新された命令セットを生成するため、前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記更新データに従って前記第1の命令セットを更新するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、前記第1の命令セットの更新が発生したことの確認を前記遠隔計算装置に送信するステップと、
前記1つまたはそれ以上のプロセッサーにより、更新された命令セットに従って第2の操作セットを実施するステップと、
を含む方法。
(請求項15)
前記患者装置は、呼吸圧力治療装置を含む、請求項14に記載の方法。
(請求項16)
前記更新データを受信するステップは、検証データを受信するステップをさらに含み、前記更新データが首尾よくダウンロードされたかどうかを前記検証データに基づいて決定するステップをさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
(請求項17)
受信した前記更新データが不完全と決定されると、エラーの通知を前記遠隔計算装置に送信するステップと、
更新データの第2の送信を受信するステップと、
をさらに含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
(請求項18)
前記更新データは、第1の部分および第2の部分を含み、前記患者装置の第1のコンポーネントは、前記更新データの前記第1の部分に従って動作し、第2のコンポーネントは、前記更新データの前記第2の部分に従って動作する、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
(請求項19)
前記第1の命令セットおよび更新された命令セットは、ソフトウエアおよびファームウエアのうちの少なくとも1つを含む、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
(請求項20)
前記第1の命令セットの更新が発生したとの確認を送信するステップは、前記患者装置に現在インストールされているソフトウエアおよびファームウエアのうちの少なくとも一方のバージョンを示すコンフィギュレーション・データを送信するステップを含む、請求項14~19のいずれか一項に記載の方法。
(請求項21)
前記患者装置が前記命令更新により識別されたビルド標準を満足するかどうかを決定するステップをさらに含み、前記第1の命令セットを更新するステップは、前記患者装置が前記ビルド標準を満足するとの決定に基づいて発生する、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法。
(請求項22)
1つまたはそれ以上の計算装置を含む、医療を提供する装置を更新するシステムであって、該1つまたはそれ以上の計算装置は、
それぞれ命令のセットを実装する複数の患者装置に関するコンフィギュレーション・データにアクセスし、
1つまたはそれ以上の基準を満足するコンフィギュレーション・データを有する1つまたはそれ以上の患者装置を前記複数の患者装置から識別し、
命令更新を前記1つまたはそれ以上の患者装置に送信し、
前記命令更新をインストールした前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれに対して前記コンフィギュレーション・データを更新する、
ように構成されている、システム。
(請求項23)
前記1つまたはそれ以上の計算装置は、複数の更新から前記1つまたはそれ以上の患者装置に提供すべき命令更新を、前記コンフィギュレーション・データに基づいて選択するように構成される、請求項22に記載のシステム。
(請求項24)
前記1つまたはそれ以上の計算装置は、1つまたはそれ以上の送信を遠隔計算装置から受信するようにさらに構成され、前記1つまたはそれ以上の送信は、前記1つまたはそれ以上の基準および前記命令更新を識別する、請求項22または23に記載のシステム。
(請求項25)
前記複数の患者装置は、呼吸圧力治療装置である、請求項22~24のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項26)
前記命令更新は、
命令更新ファイルの場所を指定したデータ、
前記更新を前記装置のどのコンポーネントに適用すべきかに関する指示、
前記更新をそれぞれの装置に対して実施するスケジュール時間、
前記更新を適用すべきとの確認を要求すべきかどうかの指示、
該当する場合に、患者の治療が停止されるまで前記更新を適用しないとの指示、
まだ発生していない更新のキャンセルを可能にするデータ構造および機能性、
単一の操作において大量の更新を要求するバッチ能力、および、
前記更新のステータスを示す単一の操作においてこれらの更新のステータスをチェックする能力、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項27)
前記命令更新を送信するステップは、前記1つまたはそれ以上の患者装置に対する検証データを送信して、受信した前記命令更新が完全であることを検証するステップをさらに含む、請求項22~26のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項28)
前記コンフィギュレーション・データは、a)通し番号、b)前記患者装置に現在インストールされている命令のセットのバージョン、c)ハードウエアのバージョン、およびd)前記患者装置が使用されている領域、のうちの少なくとも1つを含む、請求項22~27のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項29)
前記1つまたはそれ以上の計算装置は、前記命令更新が首尾よくインストールされなかったと決定された患者装置のそれぞれに前記命令更新を再送信するようにさらに構成される、請求項22~28のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項30)
前記1つまたはそれ以上の計算装置は、
前記命令更新がインストールされたとの指示を前記1つまたはそれ以上の患者装置のそれぞれから受信し、
前記命令更新のインストールの成功を示すメッセージを前記1つまたはそれ以上の患者装置に送信する、
ようにさらに構成される、請求項22~29のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項31)
前記命令更新は、1つの患者装置に適用すべき複数の更新を含む、請求項22~30のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項32)
前記コンフィギュレーション・データは、複数の患者装置からの特定の患者装置に、以前、首尾よくまたは不首尾に適用された命令更新の記録を含む、請求項22~31のいずれか一項に記載のシステム。